説明

DME地上装置

【課題】DME地上装置で、送信パルス数が増大した場合にも、十分に適用することができる調整が容易で小型化可能な装置を提供すること。
【解決手段】DME地上装置10のトランスポンダ部13は、応答信号として送信される送信レートを検知し、該送信レートが大きくなればそれに対応してトランスポンダ部13に設けられているパルス検出部16の受信レベルのスレッショールドを高くする制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機と地上装置間の距離を測定する距離測定装置(DME:distance Measurineg Equipment)に係り、特に、地上側に設けられているDME地上装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機に対して用いられている距離測定装置(DME:distance Measurineg Equipment;以下、DME装置という)は、航空機に搭載されている機上装置と、この機上装置と地上側から交信する地上装置とから構成されている2次レーダ方式である。
【0003】
DME装置では、航空機にDME機上装置(以下、単に地上装置という)として質問装置(interrogator:インタロゲータ)を、地上側にDME地上装置(以下、単に地上装置という)として応答装置(transponder:トランスポンダ)と呼ばれる送受信機がそれぞれ設けられている。
【0004】
機上装置の質問装置は、UHF帯(周波数は、インタロゲータとトランスポンダは常に63MHz差で応答するようにしており、インタロゲータは、1,025〜1,150MHzで、トランスポンダは、962〜1,213MHzである)の質問パルス(ペアパルス;対パルスとなっている)を地上装置の応答装置に対して発射し、それに対する応答装置からの応答パルス(ペアパルスとなっている)を受信するまでの時間に基づいて距離を測定している。(例えば、特許文献1を参照)
地上装置は、航空機に搭載されている機上装置からの質問パルス信号がない時においても、約1000pps(Pulse pairs PerSecond)のランダムパルス信号を送信しており、質問パルス信号を受信した時のみ、ランダムパルス信号の代わりに応答パルス信号が送信される。従って、通常の運用状態においては、地上装置からは、ランダムパルス信号と応答パルス信号とを含めて、1000〜2700ppsのパルス信号が常時送信されている。
【0005】
すなわち、機上装置は、ランダムな時間間隔(ただし1秒当りの回数は決まっている、例えば30回)で質問パルスを、順次、地上装置に送信する。一方、地上装置では、航空機に搭載されている機上装置から発射される所定周波数の質問パルス信号を受信・復調し、この質問パルス信号をデコード(解読)後、所定のシステム遅延時間(例えば50μs)を付与し、再度コード(符号)化し、応答パルス信号として所定の送信系を介して航空機に対して送信している。
【0006】
送信された応答パルスを受信した航空機の機上装置は、応答パルス信号を受信・復調し、質問パルス信号と応答パルス信号との経過時間を計測し、質問パルス信号の送出から応答パルス信号の受信までの時間差から、電波の伝搬速度が一定であることを利用して、自機と地上装置との斜め距離を所定の計算式により算出し、地上装置から自機までの距離情報を得ている。
【0007】
なお、地上装置は、複数の質問装置(航空機)からの質問にそれぞれ応答可能で、約100機の航空機に距離情報を提供することができるが、約100機を上回る航空機からのアクセスがあった場合には、弱い電波、即ち、遠くにいる航空機を無視することによって、装置に対して所定以上の負荷がかからないようにしている。
【0008】
すなわち、地上装置では、送信するパルス数が増加し過ぎると、安定して受信するために必要な情報量が大きくなる。そのため、距離情報が必要な地上装置に近い位置にいる航空機に対して十分な応答率を確保することができなくなる場合が生じる。その対策のために送信パルスレートには上限が設けられる。
【0009】
地上装置を利用している航空機の数が増加し、航空機の機上装置からの質問パルス数が増加すると、それに伴い地上装置が質問パルスに応答するための送信パルスレートも増加してしまう。
【0010】
質問パルス数の増加により、地上装置が送信パルスレートの上限を超える場合には、質問パルス数の数を減らすためにアナログ受信系のAGC(自動利得制御)機能を用いて受信感度を低下させている。それにより、比較的遠方の航空機からの弱い受信信号を受信できなくして、処理すべき受信パルス数を減らして制御している。
【0011】
なお、パルス受信装置の利得制御で、強いレベル信号が急に加えられた場合、受信装置出力回路および検波器以下の回路の直線性が十分とれない場合でも、ブロッキング現象(強いレベルの信号を急に受信すると、利得制御系による信号増幅系の利得制御が及ばず、受信装置出力の信号波形が飽和し、符号化されたパルスを検出できなくなる障害)をすばやく解除し、安定した利得制御がなされる事例は開示されている。(例えば、特許文献1を参照)
【特許文献1】特許第2629612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のように、DME地上装置では、送信するパルス数が増加し過ぎると、安定して受信するために必要な情報量が大きくなる。そのため、距離情報が必要な、地上装置に近い位置にいる航空機に対して十分な応答率を確保することができなくなる場合が生じる。その対策のために送信パルスレートに上限が設けられており、機上装置からの質問パルス数の増加により、地上装置が送信パルスレートの上限を超える場合には、質問パルス数の数を減らすためにアナログ受信系のAGC(自動利得制御)機能を用いて受信感度を低下させている。それにより、比較的遠方の航空機からの弱い受信信号を受信できなくして、処理すべき受信パルス数を減らして応答率を制御していた。
【0013】
しかしながら、従来のDME地上装置ではこの処理のための回路をアナログ回路によって実現していたので、調整作業に時間がかかる、回路規模を小さくすることができないなどの問題点を抱えていた。
【0014】
なお、特許文献1には、DME地上装置の自動利得制御に関して記載されているが、送信パルスが増加した場合の対処については何も記載されていない。
【0015】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、DME地上装置で、送信パルス数が増大した場合にも、十分に適用することができる調整が容易で小型化可能な装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、航空機からの質問信号を受信する空中線部と、この空中線部により受信した質問信号を受信し、該質間信号に対する応答信号を生成して前記航空機に対して送信するトランスポンダ部と、このトランスポンダ部を監視制御する監視制御部とを備え、
前記トランスポンダ部は、送信する前記応答信号のパルスペア送信レートに応じて受信レベルのスレッショールドを制御することにより、受信レベルの高い質問信号を処理して受信レベルの低い質問信号は処理しないようにし、送信するパルスペア送信レートが上限を超えないように制御していることを特徴とするDME地上装置が提供される。
【0017】
また本発明のDME地上装置では、前記トランスポンダ部は、前記空中線部が受信した質問信号をAD変換してデジタル信号にするデジタル化部と、このデジタル化部でデジタル化された質問信号の受信パルスを検出する受信パルス検出手段と、このパルス検出手段により検出された質問信号の応答信号を生成し応答信号パルスを所定の送信レートで送出する応答信号パルス送出手段と、この応答信号パルス送出手段から送信される送信レートを検知し、該送信レートが大きくなればそれに対応して該トランスポンダ部に設けられているパルス検出部の受信レベルのスレッショールドを高くする制御を行なうことである。
【0018】
また本発明のDME地上装置では、前記デジタル化部は、入力信号である質問信号の擬似ガウス波形のパルスピークを基準に所定のスレッショールドを用いてデジタルパルスに整形していることである。
【0019】
また本発明のDME装置では、前記パルス検出部は、デジタル化部で整形されたデジタルパルスに対して、スレッショールドを用いてある一定の許容値内のパルス幅を有する信号を取り出す回路と、整形されたデジタルパルス群からスレッショールドを用いて、ある一定のパルス幅以上のパルスを取り出す回路とにより所定のパルスを検出していることである。
【0020】
また本発明のDME地上装置では、前記応答信号パルス送出部は、パルス検出部で検出された信号に対して、所定のシステム遅延時間を付与し、再度コード化して応答信号として生成していることである。
【0021】
また本発明のDME地上装置では、受信レベル制御部は、デジタル回路で構成され、予めメモリに格納されている、前記応答信号パルス送出部から送出される応答信号のパルスペア送信レートの変動値と、それに対応する受信レベルのスレッショールドの対応値のデータを用いて受信レベルを制御していることである。
【0022】
また本発明のDME地上装置では、監視制御部は、航空機の機上装置からの信号と同様な所定レベルの質問パルス信号を、方向性結合器を介して入力し、また、前記トランスポンダ部で応答パルス信号として前記応答信号送出部から出力される信号を前記方向性結合器を介して受信してDME地上装置の動作状態を常時モニタしていることである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、DME地上装置で、送信パルス数が増大した場合にも十分に適用することができる調整が容易で小型化可能な装置で、応答信号の送信レートが高くなりすぎて処理できなくなることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明のDME地上装置についての実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明のDME地上装置の実施形態を示すブロック図である。DME地上装置10は大略すると、図示しない航空機からの質問信号を受信しその応答信号を送信するアンテナ部である空中線部11と、この空中線部11に接続された方向性結合器(サーキュレータ)12と、航空機からの質問信号に対して応答信号を生成するトランスポンダ部13と、このDME地上装置10の全体を監視する監視制御部14とにより構成されている。
【0026】
空中線部11は、航空機(不図示)の機上装置からの質問パルス信号を捕捉する電子走査アンテナである。
【0027】
方向性結合器12は、一般に用いられているもので、信号を隔離、分離または結合するためのマイクロ波伝送のルーティングに用いられる汎用機器である。
【0028】
トランスポンダ部13は、空中線部11と方向性結合器12とを介して受信した、航空機の機上装置の質問装置(インタロゲータ)からの受信信号をデジタル化するデジタル化部15と、このデジタル化部15においてデジタル化された受信信号に応じてパルスを検出するパルス検出部16と、このパルス検出部16の出力に応じて応答信号のパルスを送出する応答信号パルス送出部17と、この応答信号パルス送出部17から送出される応答信号パルスペアの送信レートに応じてパルス検出部16の受信レベルを制御する受信レベル制御部18とを具備している。
【0029】
デジタル化部15は、質問信号と応答信号とは周波数の有効利用、隣接周波数帯への影響の軽減等のために、疑似ガウス(ガウシアン)波形が使用されているので、この擬似ガウス波形のパルスピークを基準に所定のスレッショールドを用いて、入力信号をデジタルパルスに整形している。
【0030】
パルス検出部16は、内部構成は図示しないが、デジタル化部15で整形されたデジタルパルスに対して、スレッショールドを用いて、ある一定の許容値内のパルス幅を有する信号を取り出す回路や、整形されたパルス群から、スレッショールドを用いて、ある一定のパルス幅以上のパルスを取り出す回路により所定のパルスを信号として検出している。
【0031】
応答信号パルス送出部17は、このパルス検出部16の出力に応じて応答信号のパルスを送出するために、パルス検出部16で検出(解読)された信号に対して、所定のシステム遅延時間(例えば50μs)を付与し、再度コード(符号)化し、応答信号として生成している。この応答信号は応答信号送出部17より方向性結合器12を介して空中線部11より、質問信号を発した航空機に応答信号として送信される。
【0032】
その際の応答信号は(応答パルスやランダムパルスなどの送信パルス)の仕様は次のように決められている。すなわち、周波数は962Hzから1,215MHzの任意の1波。波形は、ガウシアンパルス。ピ−ク値は、3KW又は1.5KW。パルス幅は、3.5μSのペアパルス(ペア間隔は、例えば、12μs)。送信タイミングは、ランダムだが、送信パルス数は2,700ppsで一定である。
【0033】
受信レベル制御部18は、デジタル回路で構成され、予めメモリに格納されている、応答信号パルス送出部17から送出される応答信号のパルスペア送信レートの変動値と、それに対応する受信レベルのスレッショールドの対応値のデータを用いて受信レベルを制御している。つまり、応答信号パルス送出部17から送出される応答信号パルスペアの送信レートに応じ、パルス検出部16の受信レベルの感度の受信スレッショールドを高くするように調整制御し、その調整制御により、常に、応答信号パルスペアの送信レートが上限を超えないように制御している。
【0034】
なお、DMEシステムにおいてDME地上装置10に課せられている受信レベルの感度は、通常−95dbmである。この受信レベルの感度は、質問パルス数に対する応答パルス数の比率が70%である時の質問パルス信号レベルで定義されている。もし何らかの原因で受信レベルの感度が低下しても6dbm低い−89dbmまでは、十分にDME装置地上装置10のカバー領域を保証できるシステムになっている。
【0035】
監視制御部14は、DMEの機上装置からの信号と同様な所定レベルの質問パルス信号を、方向性結合器12を介して入力している。また、トランスポンダ部13で応答パルス信号として応答信号送出部17から出力される信号を、方向性結合器12を介して受信し、DME地上装置10の動作状態を常時モニタしている。また、さらに、監視制御部14にデジタル的なカウンタによる送信パルス数の処理回路を設け、計数して制御している場合も有る。
【0036】
次に、上述の構成のDME地上装置10についての動作について説明する。
【0037】
航空機の機上装置の質問装置(インタロゲータ)から質問信号(UHF帯)を空中線部11が受信すると、この質問信号は方向性結合器12を介してトランスポンダ部13のデジタル化部15に入力され、AD変換されて質問信号がデジタル化される。
【0038】
デジタル化された質問信号は、パルス検出部16において所定のスレッショールドでパルスペアとして検出され、質問信号が解読される。
【0039】
解読された質問信号は、応答信号パルス送出部17に入力され、解読された解読結果に基いて、応答信号パルス送出部17で、入力された質問信号に対応する応答信号のパルスが生成される。
【0040】
応答信号パルス送出部17で生成された応答信号は方向性結合器12に送出され、方向性結合器12から空中線部11を介して、質問信号を発した航空機に対して送信される。
【0041】
また、同時に、応答信号パルス送出部17で生成された応答信号のパルスペアの送信レートが、受信レベル制御部18に入力される。受信レベル制御部18では、予めメモリに格納されている応答信号パルス送出部17から送出される応答信号のパルスペア送信レートの変動値と、それに対応する受信レベルのスレッショールドの対応値のデータを用いて制御し、応答信号のパルスペア送信レートに応じて、必要に応じてパルス検出部16の受信レベルを変更させる受信レベル制御を行なう。
【0042】
次に、受信レベル制御部18での受信レベル制御について説明する。図2は、受信レベル制御の説明図である。受信レベルの制御は、パルスペア送信レートと受信レベルとの相関で行なうので、図2では、パルスペア送信レートのグラフを上側に、受信レベルとのグラフを下側に対応して表示している。また、両グラフで横軸は時間、縦軸は上のグラフではパルスペア送信レート(pps)を、下のグラフでは受信レベル(dBm)をそれぞれ示している。なお、パルスペア送信レート(pps)は、例えば、EUROCAE(欧州規格)では、3600pps〜4000ppsに対応できる高容量の仕様もある。
【0043】
受信レベルの制御は、例えば、図2に示すように、応答信号パルス送出部17から送出されるパルスペア送信レートが、2400pps→3000pps→3400pps→3700ppsと変化したとする。
【0044】
このとき、この変化の間では、受信レベルは、最小閾値−91dBmに維持される。
【0045】
しかし、パルスペア送信レートが3700ppsに上ったとき、次のタイミングでは、−91dBmより高い、例えば−80dBmに上げられる。(矢印A)
同様にして、パルスペア送信レートが、例えば3900ppsのときの次のタイミングでは、受信レベルは、例えば−75dBmに上げられる。(矢印B)
このように応答信号パルス送出部17から送出されるパルスペア送信レートに応じて、このパルスペア送信レートが大きくなれば、受信レベルのスレッショールドを高くする方向に動作させる制御を行なう。
【0046】
このように、トランスポンダ部は、応答信号パルス送出部17から送出され航空機に送信する応答信号のパルスペア送信レートに応じ、すなわち、パルスペア送信レートが大きくなるほど、パルス検出部16のスレッショールドのレベルが高くなるように受信レベルのスレッショールドを制御する。それにより、受信レベルの高い質問信号のみを検知し、受信レベルの低い信号は処理しないようにし、それにより送信するパルスペア送信レートが上限を超えないようにしている。
【0047】
送信パルス数が低下して上限を超えるおそれがなくなった場合には、徐々に受信レベルのスレッショールドを下げ、最小受信レベル(−91dBm)ぎりぎりまでの受信レベルについての制御処理を行うようにする。
【0048】
受信レベルのスレッショールドを上げる制御、または、下げる制御は、パルスペア送信レートの上限を超えないようにするため、上げる制御の際はなるべく速く行い、下げる制御の際はなるべくゆっくりと行うようにする。
【0049】
これらのDME地上装置での制御の場合、DME地上装置から比較的遠くにいる航空機からの質問信号の受信レベルは、通常、近くにいる航空機の受信レベルよりも低い。したがって、DME地上装置では、遠くにいる航空機からよりも、近くに位置する航空機からの質問信号に対しては確実に応答信号を送出し、それにより、近くにいる航空機はDME地上装置との距離を測定することができ、空港への着陸等の際の適確な準備ができる。
【0050】
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のDME地上装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明のDME地上装置の実施形態における受信レベル制御の説明図である。
【符号の説明】
【0052】
10…DME地上装置、11…空中線部、12…方向性結合器、13…トランスポンダ部、14…監視制御部、15…デジタル化部、16…パルス検出部、17…応答信号パルス送出部、18…受信レベル制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機からの質問信号を受信する空中線部と、
この空中線部により受信した質問信号を受信し、該質間信号に対する応答信号を生成して前記航空機に対して送信するトランスポンダ部と、
このトランスポンダ部を監視制御する監視制御部とを備え、
前記トランスポンダ部は、送信する前記応答信号のパルスペア送信レートに応じて受信レベルのスレッショールドを制御することにより、受信レベルの高い質問信号を処理して受信レベルの低い質問信号は処理しないようにし、送信するパルスペア送信レートが上限を超えないように制御していることを特徴とするDME地上装置。
【請求項2】
前記トランスポンダ部は、前記空中線部が受信した質問信号をAD変換してデジタル信号にするデジタル化部と、このデジタル化部でデジタル化された質問信号の受信パルスを検出する受信パルス検出手段と、このパルス検出手段により検出された質問信号の応答信号を生成し応答信号パルスを所定の送信レートで送出する応答信号パルス送出手段と、この応答信号パルス送出手段から送信される送信レートを検知し、該送信レートが大きくなればそれに対応して該トランスポンダ部に設けられているパルス検出部の受信レベルのスレッショールドの制御を行なう受信レベル制御手段とを有することを特徴とする請求項1記載のDME地上装置。
【請求項3】
前記デジタル化部は、入力信号である質問信号の擬似ガウス波形のパルスピークを基準に所定のスレッショールドを用いてデジタルパルスに整形していることを特徴とする請求項2記載のDME地上装置。
【請求項4】
前記パルス検出部は、デジタル化部で整形されたデジタルパルスに対して、スレッショールドを用いてある一定の許容値内のパルス幅を有する信号を取り出す回路と、整形されたデジタルパルス群からスレッショールドを用いて、ある一定のパルス幅以上のパルスを取り出す回路とにより所定のパルスを検出していることを特徴とする請求項2記載のDME地上装置。
【請求項5】
前記応答信号パルス送出部は、パルス検出部で検出された信号に対して、所定のシステム遅延時間を付与し、再度コード化して応答信号として生成していることを特徴とする請求項2記載のDME地上装置。
【請求項6】
受信レベル制御部は、デジタル回路で構成され、予めメモリに格納されている、前記応答信号パルス送出部から送出される応答信号のパルスペア送信レートの変動値と、それに対応する受信レベルのスレッショールドの対応値のデータを用いて受信レベルを制御していることを特徴とする請求項2記載のDME地上装置。
【請求項7】
監視制御部は、航空機の機上装置からの信号と同様な所定レベルの質問パルス信号を、方向性結合器を介して入力し、また、前記トランスポンダ部で応答パルス信号として前記応答信号送出部から出力される信号を前記方向性結合器を介して受信してDME地上装置の動作状態を常時モニタしていることを特徴とする請求項2記載のDME地上装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−298595(P2008−298595A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145282(P2007−145282)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】