説明

DRMシステム要件の移動

さまざまな実施形態は、ソースシステムのような1つのDRMシステムから、ターゲットシステムのような別のDRMシステムに、DRMシステム要件を移動するためにマッピングレイヤーを提供する。少なくとも一部の実施形態において、DRMシステム要件の移動は、1つのDRMシステムから1つまたは複数の他のDRMシステムにDRMシステム要件をマップする署名データ構造を使用して実行される。1つのシステムから別のシステムにDRMシステム要件をマップすることにより、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているライセンス、および関連するコンテンツは、システム間で安全に転送されうる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]デジタル著作権管理(DRM:digital rights management)の相互運用性は、DRMで保護されたコンテンツおよびライセンスが、1つのDRMシステムから別のDRMシステムに移動される場合に重要な課題となりうる。具体的に、あるシステムから別のシステムへのDRM保護が、適用する保護に関して互換性がない場合、またはDRMシステムの互換性が不明である場合、コンテンツおよび関連するライセンスは、別のDRMシステムによって容易に転送および/または消費されることが可能ではなくなることもある。このことは特に、ライセンスおよびコンテンツをそれらのデバイスの1つから別のデバイスに転送しようとする個々のユーザーにとって問題となるおそれがある。
【発明の概要】
【0002】
[0002]この「発明の概要」は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明される一連の概念を簡略化された形態で示すために提供される。この「発明の概要」は、請求項に係る主題の重要な特徴または基本的な特徴を特定することを意図するものではなく、また請求項に係る主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。
【0003】
[0003]1つまたは複数の実施形態において、マッピングレイヤーは、ソースDRMシステムのような1つのDRMシステムから、ターゲットDRMシステムのような別のDRMシステムに、DRMシステム要件を移動するために提供される。少なくとも一部の実施形態において、DRMシステム要件の移動は、1つのDRMシステムから1つまたは複数の他のDRMシステムにDRMシステム要件をマップする署名データ構造を使用して実行される。
【0004】
[0004]1つのシステムから別のシステムにDRMシステム要件をマップすることにより、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているライセンス、および関連するコンテンツは、システム間で安全に転送されうる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
[0005]類似する特徴を参照するために、図面全体を通じて同一の番号が使用される。
【図1】[0006]1つまたは複数の実施形態による運用環境を示す図である。
【図2】[0007]1つまたは複数の実施形態による例示のデータ構造を示す図である。
【図3】[0008]1つまたは複数の実施形態によるシステムを示す図である。
【図4】[0009]1つまたは複数の実施例による方法のステップを説明する流れ図である。
【図5】[0010]1つまたは複数の実施形態を実施するために使用されうる例示のシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
[0011]1つまたは複数の実施形態において、マッピングレイヤーは、ソースDRMシステムのような1つのDRMシステムから、ターゲットDRMシステムのような別のDRMシステムに、DRMシステム要件を移動するために提供される。少なくとも一部の実施形態において、DRMシステム要件の移動は、1つのDRMシステムから1つまたは複数の他のDRMシステムにDRMシステム要件をマップする署名データ構造を使用して実行される。
【0007】
[0012]1つのシステムから別のシステムにDRMシステム要件をマップすることにより、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているライセンス、および関連するコンテンツは、システム間で安全に転送されうる。
【0008】
[0013]以下の説明において、「運用環境」と題するセクションは、1つまたは複数の実施形態による本明細書において説明される発明の原理を実施するために使用されうる1つの運用環境を説明するに過ぎない。続いて、「例示のデータ構造」と題するセクションは、1つまたは複数の実施形態による例示のデータ構造を説明する。次に、「データ構造を使用するDRMシステム要件のマップ」と題するセクションが提供され、1つまたは複数の実施形態によるDRMシステム要件をマップするために使用されうる例示のシステムを説明する。これに続いて、「例示の方法」と題するセクションは、1つまたは複数の実施形態による例示の方法を説明する。最後に、「例示のシステム」と題するセクションは、1つまたは複数の実施形態を実施するために使用されうる例示のシステムを説明する。
運用環境
[0014]図1は、1つまたは複数の実施形態による運用環境を、全体として100で示す図である。運用環境100は、複数の異なるコンピューティングデバイスを含み、その例は102、104、106、および108で示される。個々のコンピューティングデバイスまたはそこに関連付けられているコンポーネントは通常、1つまたは複数のプロセッサー110、1つまたは複数のコンピューター可読メディア112、オペレーティングシステム114、およびコンピューター可読メディア上に常駐し、プロセッサーによって実行可能な1つまたは複数のアプリケーション116を含むことができる。そのようなアプリケーションは、限定的ではなく例示的に、メディア再生アプリケーションまたは配信されたコンテンツがユーザーによって消費されうるようにする任意の他のタイプのアプリケーションを含むことができる。コンピューティングデバイスはまた、デジタル著作権管理(DRM)システム117を含むこともでき、これはDRMエージェントを含む。DRMエージェントは通常、コンピューティングデバイスによって受信され消費されうるコンテンツに関連付けられている特定のライセンスに記述されるポリシーの適用に責任を負う。
【0009】
[0015]コンピューター可読メディアは、限定的ではなく例示的に、通常コンピューティングデバイスに関連付けられているあらゆる形態の揮発性および不揮発性メモリーおよび/または記憶域メディアを含むことができる。そのようなメディアは、ROM、RAM、フラッシュメモリー、ハードディスク、リムーバブルメディアなどを含むことができる。
【0010】
[0016]加えて、少なくとも一部の実施形態において、環境100は、ローカルネットワークまたはインターネットのようなネットワーク118を含む。ネットワークは、DRMで保護されたコンテンツおよび関連するライセンスを受信するために使用されてもよい。
【0011】
[0017]運用環境100はまた、少なくとも一部の実施形態において、DRMシステム要件をマップするために使用されうるデータ構造を提供するエンティティーを含む。この特定の例において、そのようなエンティティーは、以下で明らかとなるように、1つのDRMシステムから別のDRMシステムにDRMシステム要件を移動するためにさまざまなコンピューティングデバイスによって使用されうるデータ構造を生成して提供することができる信頼されたDRMサービスまたはサーバー120の形態をとる。
【0012】
[0018]コンピューティングデバイスは、限定的ではなく例示的に、(コンピューティングデバイス106のような)デスクトップコンピューター、(コンピューティングデバイス104のような)ポータブルコンピューター、(コンピューティングデバイス102のような)携帯情報端末などのハンドヘルドコンピューター、(コンピューティングデバイス108のような)セットトップボックスを含むことも含まないこともあるテレビジョンなど、任意の適切なコンピューティングデバイスとして具現されてもよい。コンピューティングデバイスの1つの例は、図5に関連して示され、後段で説明される。
【0013】
[0019]さまざまな実施形態が動作することができる例示の運用環境の一般的な概念を説明してきたが、これ以降、DRMシステム要件が別々のDRMシステム間でどのようにマップされ移動されうるかについての説明を検討する。
例示のデータ構造
[0020]図2は、1つまたは複数の実施形態による例示のデータ構造を、全体として200で示す図である。示される例において、データ構造200は、Revocation Information Structure(失効情報構造)または「RevInfo Structure(RevInfo構造)」と示される。失効情報バージョンは、特定のバージョンの失効データを識別するDRMポリシーに含まれる番号を示す。失効データは、当業者によって理解されるように、バージョン番号、証明書失効リスト、システム更新メッセージ、または失効を実行するために使用されるその他のデータを示す。データ構造200は、1つまたは複数の実施形態において、失効情報バージョン202、およびさまざまなDRMシステムと対応するシステムバージョン番号との間の関連付けを含む。たとえば、示される例において、関連付け204は「DRMシステム1」と「バージョン1.0」との間の関連付けを定義し、関連付け206は「DRMシステム2」と「バージョン3.0」との間の関連付けを定義し、関連付け208は「DRMシステム3」と「バージョン2.0」との間の関連付けを定義する。したがって、上記の例において、「DRMシステム1」はマイクロソフトのPlayReady DRMシステムに対応し、「DRMシステム2」はRealNetworksのHelix DRMシステムに対応する、というような対応があってもよい。
【0014】
[0021]この例において、特定の失効情報バージョン番号202について、関連付け204、206、および208に記述されるバージョン番号は、失効情報バージョン番号に関連付けられているシステム要件に従うかまたはこれを満たすものと見なされる。したがって、構造200は、ソースDRMシステム上に存在しうるDRMシステムと、異なるターゲットDRMシステムなどのターゲット転送先に存在しうるDRMシステムのように、1つのDRMシステムから別のDRMシステムにDRMシステム要件を移動することができるマッピングレイヤーを提供する。
【0015】
[0022]示され説明される実施形態において、データ構造200は、図1のDRMサービス120のようなDRMサービスによって、署名され、クライアントコンピューティングデバイスに発行されてもよい。発行されると、クライアントコンピューティングデバイスは、DRMで保護されたコンテンツおよびライセンスが転送されうるコンピューティングデバイスまたはターゲット転送先が、DRMサービスによって確立された要件に適合するDRMシステムを確実に有するようにするため、データ構造200を使用することができる。
【0016】
[0023]例示のデータ構造を検討してきたが、これ以降、1つまたは複数の実施形態に従ってデータ構造がどのように採用されうるかについての説明を検討する。
データ構造を使用するDRMシステム要件のマップ
[0024]図3は、1つまたは複数の実施形態によるシステムを、全体として300で示す図である。システム300は、この例において、DRMサービス302、「DRMシステム1」と指定された第1のDRMシステムを有する第1のクライアントコンピューティングデバイス304、および「DRMシステム2」と指定された第2の異なるDRMシステムを有する第2のクライアントコンピューティングデバイス306の形態をとるターゲット転送先を含む。
【0017】
[0025]動作中、少なくとも一部の実施形態において、DRMサービス302は、RevInfo構造308を生成し、署名して、発行する。構造308は、RIV番号、およびDRMシステムと上記で説明されるシステムバージョン番号との間のさまざまな関連付けを含む。示され説明される実施形態において、クライアントコンピューティングデバイス304は、RevInfo構造308を受信する。RevInfo構造308は、クライアントコンピューティングデバイス304上で実行中のDRMエージェントによって処理される。この処理の一部は、RevInfo構造で署名を確認することを含むことができる。署名を確認すると、DRMエージェントは、RevInfo構造に記述されたさまざまな関連付けが有効であると仮定することができる。
【0018】
[0026]ここで、クライアントコンピューティングデバイス304が、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているライセンス310を受信すると仮定する。この例において、ライセンス310は、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているさまざまなポリシー、DRMシステム1のRIV番号、およびコンテンツキーを含むことができる。DRMエージェントがライセンス310を受信すると、DRMエージェントは、ライセンスのRIV番号を確認して、ライセンスのRIV番号をRevInfo構造308に含まれるRIV番号と照合することにより、ライセンスを評価する。ライセンスが有効なRIV番号を含み、DRMシステム1が、RevInfo構造308に表示される関連付けに記述されるバージョンと同じであるか、またはこれよりも新しいバージョンを有する場合、クライアントコンピューティングデバイス304はライセンスを使用して関連するDRMで保護されたコンテンツを消費することができる。
【0019】
[0027]ここで、クライアントコンピューティングデバイス304のユーザーが、DRMで保護されたコンテンツをクライアントコンピューティングデバイス306に転送しようと考えていると仮定する。この場合、クライアントコンピューティングデバイス304で実行中のDRMエージェントは、そのバージョン番号を確認するためにクライアントコンピューティングデバイス306のDRMシステムにクエリを行う。クライアントコンピューティングデバイス306のDRMバージョン番号が、RevInfo構造308に記述された関連付けに含まれている(または、少なくとも一部の実施形態において、RevInfo構造に記述されたバージョン番号よりも新しい)場合、ライセンスはクライアントコンピューティングデバイス306に転送されてもよい。 一方、クライアントデバイス306で実行中のDRMシステムのDRMバージョン番号が、RevInfo構造308に記述されたバージョン番号と一致しないか、またはこれと比べて劣っている場合、ライセンスは転送されない。
【0020】
[0028]このようにして、DRMライセンスは、複数のシステムが別々のDRMシステムを実行しているような状況において、1つのシステムから別のシステムに転送されてもよい。ライセンスの転送は、この例において、クライアントコンピューティングデバイス304によって受信された署名RevInfo構造308の使用を通じて可能になる。
【0021】
[0029]1つまたは複数の実施形態によるデータ構造の例示の使用について説明してきたが、これ以降、上記で説明されたシステムを使用して実施されうる方法について検討する。
例示の方法
[0030]図4は、1つまたは複数の実施形態による方法のステップを説明する流れ図である。方法は、任意の適切なハードウェアー、ソフトウェアー、ファームウェアー、またはその組み合わせに関して実施されてもよい。少なくとも一部の実施形態において、方法の態様は、適切に構成されたDRMサービスによって実施されてもよい。そのようなものとして、それらの態様は指定された「DRMサービス」である。同様に、方法の態様は、適切に構成されたクライアントコンピューティングデバイスによって実施されてもよい。そのようなものとして、それらの態様は指定された「クライアントコンピューティングデバイス」である。
【0022】
[0031]ステップ400は、RevInfo構造を生成する。適切なRevInfo構造の例は、上記で提供される。ステップ402は、RevInfo構造に署名する。このステップは、DRMサービスに関連付けられている秘密キーで構造に署名することにより達成されうる。ステップ404は、RevInfo構造をクライアントコンピューティングデバイスに送信する。
【0023】
[0032]ステップ406は、RevInfo構造を受信する。RevInfo構造を受信した後、クライアントコンピューティングデバイス、または、さらに正確には、クライアントコンピューティングデバイスで実行中の適切に構成されたDRMエージェントは、RevInfo構造の信頼性を確認することができる。これは、たとえば、RevInfo構造に署名するために使用された秘密キーに関連付けられている公開キーを使用することにより行われてもよい。ステップ408は、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているライセンスを転送するよう求める要求を受信する。このステップは、任意の適切な方法で実行されてもよい。たとえば、クライアントコンピューティングデバイスを操作しているユーザーは、DRMで保護されたコンテンツを別のコンピューティングデバイス、または現在のクライアントコンピューティングデバイスで実行中の別のアプリケーションに転送しようと考える場合もある。
【0024】
[0033]ステップ410は、ターゲット転送先のDRMシステムのバージョン番号を確認する。示され説明される実施形態において、ターゲット転送先は、限定的ではなく例示的に、別のコンピューティングデバイスか、または現在のコンピューティングデバイスで実行中のアプリケーションを含めることができる。ステップ412は、ターゲット転送先のバージョン番号が、RevInfo構造に含まれるバージョン番号と等しいか、またはこれよりも新しいかどうかを確認する。このステップは、ターゲット転送先のバージョン番号を、RevInfo構造に記述された関連付けまたはマッピングに含まれるバージョン番号と比較することにより実行されてもよい。ターゲット転送先のバージョン番号が、RevInfo構造のバージョン番号と等しいか、またはこれよりも新しい場合、ステップ414はライセンスをターゲット転送先に転送する。一方、ターゲット転送先のバージョン番号が、RevInfo構造のバージョン番号と等しくないか、またはこれよりも新しくない場合、ステップ416はライセンスを転送しない。
【0025】
[0034]このようにして、ライセンスは、別々のDRMシステムを採用する複数のシステム間で転送されうる。少なくとも一部の実施形態において、ターゲット転送先に対して生成されたライセンスは、そのバージョン番号がソースDRMシステムのデータ構造を使用してマップされたものであると表明する。RevInfo構造に記述されるマッピングを使用することにより、DRMシステム要件は、DRMサービスによって公表された要件を満たすことが確認されてもよい。
【0026】
[0035]DRMシステム要件を1つのDRMシステムから別のDRMシステムに移動するという概念について説明してきたが、これ以降、1つまたは複数の実施形態を実施するために使用されうる例示のシステムについての説明を検討する。
例示のシステム
[0036]図5は、上記で説明されたさまざまな実施形態を実施することができる例示のコンピューティングデバイス500を示す図である。コンピューティングデバイス500は、たとえば、図1に示されるような、さまざまなコンピューティングデバイスまたはサーバー、もしくは任意の他の適切なコンピューティングデバイスであってもよい。
【0027】
[0037]コンピューティングデバイス500は、1つまたは複数のプロセッサーまたは処理ユニット502、1つまたは複数のメモリーおよび/または記憶域コンポーネント504、1つまたは複数の入出力(I/O)デバイス506、およびさまざまなコンポーネントとデバイスが相互に通信できるようにするバス508を含む。バス508は、メモリーバスまたはメモリーコントローラー、周辺バス、AGP(accelerated graphics port)、およびさまざまなバスアーキテクチャーのいずれかを使用するプロセッサーまたはローカルバスを含む、任意の各種バス構造のうちの1つまたは複数を表す。バス508は、有線および/または無線のバスを含むことができる。
【0028】
[0038]メモリー/記憶域コンポーネント504は、1つまたは複数のコンピューター記憶域メディアを表す。コンポーネント504は、(ランダムアクセスメモリー(RAM)のような)揮発性メディアおよび/または(読み取り専用メモリー(ROM)、フラッシュメモリー、光ディスク、磁気ディスクなどのような)不揮発性メディアを含むことができる。コンポーネント504は、固定メディア(たとえば、RAM、ROM、固定ハードドライブなど)およびリムーバブルメディア(たとえば、フラッシュメモリードライブ、リムーバブルハードドライブ、光ディスクなど)を含むことができる。
【0029】
[0039]1つまたは複数の入出力デバイス506は、ユーザーがコマンドおよび情報をコンピューティングデバイス500に入力できるようにし、また情報がユーザーおよび/またはその他のコンポーネントもしくはデバイスに提示されるようにする。入力デバイスの例は、キーボード、カーソル制御デバイス(たとえば、マウス)、マイクロフォン、スキャナーなどを含む。出力デバイスの例は、ディスプレイデバイス(たとえば、モニターまたはプロジェクター)、スピーカー、プリンター、ネットワークカードなどを含む。
【0030】
[0040]さまざまな技術は、本明細書において、ソフトウェアーまたはプログラムモジュールの一般的なコンテキストで説明されうる。一般に、ソフトウェアーは、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データタイプを実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。それらのモジュールおよび技術の実施態様は、何らかの形態のコンピューター可読メディア上に格納されうるか、またはコンピューター可読メディアにわたり伝送されうる。コンピューター可読メディアは、コンピューティングデバイスによってアクセスされうる任意の使用可能な単数または複数のメディアであってもよい。一例として、コンピューター可読メディアは、「コンピューター記憶域メディア」を備えることができるが、これらに限定されることはない。
【0031】
[0041]「コンピューター記憶域メディア」は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を格納するための任意の方法または技術で実施された揮発性および不揮発性の、リムーバブルおよび固定のメディアを含むことができる。コンピューター記憶域メディアは、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリーまたは他のメモリー技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶装置、もしくは望ましい情報を格納するために使用することができ、コンピューターによってアクセスされうる任意の他のメディアを含むが、これらに限定されることはない。
結論
[0042]1つまたは複数の実施形態において、マッピングレイヤーは、ソースシステムのような1つのDRMシステムから、ターゲットシステムのような別のDRMシステムに、DRMシステム要件を移動するために提供される。少なくとも一部の実施形態において、DRMシステム要件の移動は、1つのDRMシステムから1つまたは複数の他のDRMシステムにDRMシステム要件をマップする署名データ構造を使用して実行される。
【0032】
[0043]1つのシステムから別のシステムにDRMシステム要件をマップすることにより、DRMで保護されたコンテンツに関連付けられているライセンス、および関連するコンテンツは、システム間で安全に転送されうる。
【0033】
[0044]主題は、構造的特徴および/または方法論的動作に固有の用語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題が、上記で説明される固有の特徴または動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。より正確に言えば、上記で説明される固有の特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示の形態として開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
別々のDRMシステムと、対応するシステムバージョン番号との間の関連付けを含むデータ構造を生成するステップ(400)と、
前記データ構造をクライアントコンピューティングデバイスに送信するステップ(404)と、
を備えるコンピューター実施の方法。
【請求項2】
前記送信するステップの前に前記データ構造に署名するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信するステップの前に前記データ構造に署名するステップをさらに備え、前記署名するステップは、信頼されたDRMサービスに関連付けられている秘密キーを使用することにより実行される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データ構造は失効情報バージョンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データ構造は、別々のDRMシステムを実行中の別々のコンピューティングデバイス間でライセンスが転送されるように構成される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記データ構造は失効情報バージョンを含み、前記送信するステップの前に前記データ構造に署名するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
別々のDRMシステムと、対応するシステムバージョン番号との間の関連付けを含むデータ構造を受信するステップ(406)と、
1つのコンピューティングデバイスからターゲット転送先にライセンスを転送するために前記データ構造を使用するステップ(414)と、
を備え、
前記ライセンスを転送するステップは、少なくとも部分的に、前記ターゲット転送先に関連付けられているバージョン番号と前記データ構造の関連付けに含まれるバージョン番号との比較に基づくコンピューター実施の方法。
【請求項8】
前記使用するステップの前に前記ライセンスを転送するよう求める要求を受信するステップをさらに備え、前記ライセンスはDRMで保護されたコンテンツに関連付けられている請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データ構造を受信するステップの後に前記データ構造の信頼性を確認するステップをさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記データ構造を受信するステップの後に、前記データ構造が受信されたDRMサービスに関連付けられている公開キーを使用して前記データ構造の信頼性を確認するステップをさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記受信するステップの後に、前記ターゲット転送先のDRMシステムのバージョン番号を確認するステップをさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記受信するステップは第1のDRMシステムを実行中の第1のコンピューティングデバイスによって実行され、前記ターゲット転送先は第2の異なるDRMシステムを実行中の第2の異なるコンピューティングデバイスを備える請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記受信するステップの後に前記データ構造の信頼性を確認するステップと、
前記ライセンスを転送するよう求める要求を受信するステップであって、前記ライセンスはDRMで保護されたコンテンツに関連付けられているステップと、
をさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記受信するステップの後に前記データ構造の信頼性を確認するステップと、
前記ライセンスを転送するよう求める要求を受信するステップであって、前記ライセンスはDRMで保護されたコンテンツに関連付けられているステップと、
前記ターゲット転送先のDRMシステムのバージョン番号を確認するステップと、
をさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項15】
データ構造を受信する前記ステップは第1のDRMシステムを実行中の第1のコンピューティングデバイスによって実行され、前記ターゲット転送先は第2の異なるDRMシステムを実行中の第2の異なるコンピューティングデバイスを備え、前記ターゲット転送先の前記ライセンスは前記第2の異なるDRMシステムのバージョン番号を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
別々のDRMシステムを実行中の複数のシステム間でライセンスが転送されるようにすることができるデータを含むデータ構造(200)を具現する1つまたは複数のコンピューター可読記憶域メディア(112)。
【請求項17】
前記データは失効情報バージョンを含む請求項16に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶域メディア。
【請求項18】
前記データはさまざまなDRMシステムとシステムバージョン番号との間の関連付けを備える請求項16に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶域メディア。
【請求項19】
前記データは失効情報バージョンおよびさまざまなDRMシステムとシステムバージョン番号との間の関連付けを備える請求項16に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶域メディア。
【請求項20】
前記データ構造は署名データ構造を備える請求項16に記載の1つまたは複数のコンピューター可読記憶域メディア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−523754(P2011−523754A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512546(P2011−512546)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045670
【国際公開番号】WO2009/148957
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】