EL素子、並びにそれを用いた表示装置、ディスプレイ装置、及び液晶ディスプレイ装置
【課題】視野角のサイドローブを低減させ、かつ光取り出し効率を向上することができるEL素子を提供する。
【解決手段】EL素子は、透光性の基材11の一方の面に形成された透明な陽極13と、この陽極13上に形成された発光層12と、この発光層12上に形成された陰極14と、基材11の陽極13と反対の面に設けられ、発光層12で発生した光を基材11の一方の面と反対の面から出射するように取り出す複数の凹状レンズ素子17aを基材11の反対の面と平行な方向に配列してなる光取り出し用のレンズシート17とを備え、凹状レンズ素子17aのピッチをP、発光層12と凹状レンズ素子17aとの最短距離をTとした場合に、
の関係を満たす。
【解決手段】EL素子は、透光性の基材11の一方の面に形成された透明な陽極13と、この陽極13上に形成された発光層12と、この発光層12上に形成された陰極14と、基材11の陽極13と反対の面に設けられ、発光層12で発生した光を基材11の一方の面と反対の面から出射するように取り出す複数の凹状レンズ素子17aを基材11の反対の面と平行な方向に配列してなる光取り出し用のレンズシート17とを備え、凹状レンズ素子17aのピッチをP、発光層12と凹状レンズ素子17aとの最短距離をTとした場合に、
の関係を満たす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルタイプのディスプレイ装置、液晶用バックライトユニットなどの照明用光源、電飾、サイン用光源等に用いられる有機EL(エレクトロルミネセンス)素子に関し、特に光取り出し効率を向上できるようにしたEL素子、EL素子を用いた液晶ディスプレイ用バックライト装置、EL素子を用いた照明装置、EL素子を用いた電子看板装置、及びEL素子を用いたディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、EL素子は、図9に示すように、透光性基板1と、蛍光有機化合物を含む発光層2を陽極3と陰極4とで挟んだ構造のものを透光性基板1の一方の面に積層したものから構成され、さらに、透光性基板1の発光層2と反対の面には、基材5a上に図10に示す三角形状のシリンドリカルレンズ素子5bを複数配列してなる光取り出し用のレンズシート5が接着層6を介して設けられている(特許文献1、2参照)。このようなEL素子においては、陽極3と陰極4との間に直流電圧を印加し、発光層2に電子および正孔を注入して再結合させることにより励起子を生成し、この励起子が失活する際の光の放出を利用して発光させ、その光は透光性基板1を通してレンズシート5のレンズ素子5bから出射される。
【0003】
従来、このようなEL素子において、発光層2から射出した光線が透光性基板1から出射する際に、透光性基板1上において全反射し、光線がロスするという問題があった。この時の光の外部取り出し効率は、一般的に20%程度と言われている。そのため、高輝度が必要となればなるほど投入電力が必要となるという問題があり、そればかりではなく、EL素子に及ぼす負荷が増大し、EL素子自体の信頼性を低下させることになる。
【0004】
そこで、光の外部取り出し効率を向上させる目的で、透光性基板1の光出射面側に、図10に示す三角形のシリンドリカルレンズ素子5bを有するレンズシート5を設け、透光性基板の全反射によりロスしている光線を外部に取り出すという方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−79040号公報
【特許文献2】特開2006−119166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のEL素子では、透光性基板1上に発光層2が陽極3と陰極4に挟まれた状態であり、そして、透光性基板1の光出射面側に三角形のシリンドリカルレンズ素子5bを有するレンズシート5が設けられているため、光の全反射を抑えて、正面方向へ取り出すことが可能となる。
【0007】
しかしながら、単純な四角錘形状もしくは図8のような三角形状のシリンドリカル形状の場合、視聴者の視覚方向に進むことなく横方向に無駄に出射する、想定外の光線が存在する。このため、図11に示すように、レンズシートから出射される光強度分布は、視聴者の視覚方向、すなわち視覚方向Fに対する視野角が0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高められるものの、正面より±90°近辺に小さな光強度ピークが生じる。即ち、横方向から無駄に出射される光(サイドローブ)が増えてしまうという問題がある。
【0008】
また、マイクロレンズ形状のように丸みを帯びたレンズ素子を配列した場合には、レンズ素子間に隙間ができてしまい、その隙間において光線が全反射してしまい、サイドローブが生じるという問題がある。
【0009】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、光の外部取り出し効率を向上させるためのレンズシートが観察者側にあっても視野角のサイドローブを低減させることができ、かつ光取り出し効率を向上することができるEL素子及びこれを用いた液晶用バックライトユニットなどの照明用光源、電子看板並びにディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、EL素子であって、透光性の基材と、前記基材の一方の面に形成された透明な陽極と、前記陽極の前記基板と反対の面に形成された発光層と、前記発光層の前記陽極と反対の面に形成された陰極と、前記基材の前記陽極と反対の面に設けられたレンズシートとを備え、前記レンズシートは、前記基材と反対の前記レンズシートの面に該面に沿い配列され前記発光層で発生した光を前記基材と反対の前記レンズシートの面から取り出す周期構造を有し、前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式を満たす
【数1】
ことにより上記課題を解決した。
【0011】
本発明においては、前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式を満たす
【数2】
ことがより好ましい。
【0012】
前記レンズシートの前記周期構造は、面に沿い配列された複数の凹状レンズ素子であることがより好ましい。前記レンズシートは前記基材の前記陽極と反対の面に粘着層で接着されていることが好ましい。前記凹状レンズ素子は凹型の球面形状を呈していることが好ましい。前記凹状レンズ素子は凹型の非球面形状を呈していることが好ましい。前記凹状レンズ素子は凹型の四角錘形状を呈していることが好ましい。前記複数の凹状レンズ素子の平面視表面積及び深さが一定で、かつ前記複数の凹状レンズ素子の配列ピッチが一定であることが好ましい。前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に光拡散部材が設けられていることが好ましい。前記光拡散部材は粘着層を介して前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に接着されていることが好ましい。
【0013】
液晶ディスプレイ用バックライト装置、電子看板装置、照明装置、光取り出しフィルムに前記EL素子を好ましく用いることができる。画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子を備えたディスプレイ装置において、前記画像表示素子の背面に前記バックライト装置または前記照明装置を好ましく用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光層で発生した光を基板の一方の面と反対の面から出射するように取り出す複数の凹状レンズ素子を配列してなる光取り出し用のレンズシートを基材の陽極と反対の面に設ける構成にしたので、レンズシートが観察者側にあっても視野角のサイドローブを低減させることができ、かつ光取り出し効率を向上することができるEL素子及びこれを用いた液晶用バックライトユニットなどの照明装置、電子看板装置並びにディスプレイ装置、光取り出しフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る光取り出し用レンズシートを有するEL素子の実施形態1を示す概略断面図である。
【図2】実施形態1におけるEL素子の光取り出し用レンズシートの一部の斜視図である。
【図3】本発明に係る光取り出し用レンズシートの周期構造Pと、最短距離Tと正面輝度の関係を表すグラフである。
【図4】本発明に係る光取り出し用レンズシートの周期構造Pと、最短距離Tの適性領域を示すグラフである。
【図5】本発明に係る光取り出し用レンズシートを有するEL素子の実施形態2を示す概略断面図である。
【図6】本発明に係る光取り出し用レンズシートを有するEL素子の実施形態3を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態3におけるEL素子の視野角に対する光強度の分布を示すグラフである。
【図8】実施形態4における本発明に係る光拡散部材付きEL素子を用いて液晶ディプレイ装置を構成した場合の一例を示す概略断面図である
【図9】従来における光取り出し用レンズシートを有するEL素子の概略断面図である。
【図10】従来のEL素子に使用される三角形状のシリンドリカルレンズ素子からなるレンズシートの一例を示す斜視図である。
【図11】従来におけるEL素子の視野角に対する光強度の分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
(実施形態1)
本発明にかかるEL素子の実施形態1について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態1に示すEL素子の概略断面図であり、図2は本実施形態1に示すEL素子の光取り出し用レンズシートの一部の斜視図である。実施形態1に示すEL素子10は、図1に示すように、厚さを有する平板状の透光性基材11を有し、この透光性基材11の一方の面には、形成すべき画素に対応して透明な陽極13が形成されている。また、陽極13の光性基材11と反対の面には蛍光有機化合物を含む発光層12が形成されている。さらに、発光層12の陽極13と反対の面には、発光層12をサンドイッチに挟むようにして陰極14が形成されている。また、キャリア輸送層、電子輸送層、正孔輸送層あるいは両キャリア輸送層についての使用は特に限定されるものではなく、都合に応じて使用することができる。また、透光性基材11の陽極13と反対の面には光取り出し用のレンズシート17が接着層16を介して接着されている。
【0018】
レンズシート17は、図1及び図2に示すように、透光性の基材フィルム17aと、接着層16とは反対の基材フィルム17aの面に面して、該面に沿い二次元方向に一定のピッチで形成された一定深さの凹型の四角錐形状を呈する複数の凹状レンズ素子17bとからなる。この凹状レンズ素子17bは、発光層12で発生した光を透光性基材11の一方の面と反対の面から出射するように取り出すためのものである。なお、レンズシート17において、レンズ素子として、凹状レンズ素子の他、凸状レンズ素子等の任意のレンズ素子を採用することができるが、より正面輝度が上昇する凹状レンズ素子を採用することが好ましい。
【0019】
このような凹型の四角錐形状を呈する複数の凹状レンズ素子17bを配列してなるレンズシート17を備えるEL素子10においては、視野角にサイドローブのような急激な輝度変化が起こりにくくなる。これにより、レンズシートが観察者側にあっても視野角のサイドローブを低減させることができ、かつ光取り出し効率を向上することができる。また、このようなEL素子10は、液晶ディスプレイ用バックライト装置として利用できるほか、電子看板装置もしくは照明装置や光取り出しフィルムとしても利用することができる。
【0020】
ここで、レンズシート17の周期構造のピッチをP、発光層から周期構造との最短距離をTとすると、下記の式の関係を満たすと、効率よく光を取り出すことが可能となる。
【数3】
ここでいう周期構造のピッチとは、連続して配置されたレンズ素子が形成する周期構造である。周期構造は、単位レンズ素子で周期構造が形成される場合は、レンズ素子の幅が、周期構造のピッチに相当する。複数のレンズ素子で周期構造が形成される場合は、複数のレンズ素子が形成するグループの端部から端部までが周期構造のピッチに相当する。上述の周期構造を、周期構造のピッチにてシフトした場合、隣接する周期構造と同位置になる。周期構造のピッチは、ある一方向と、一方向に垂直に交わる他の方向において、ほぼ同一であることが好ましい。あるいは、ある一方向と、一方向に垂直に交わる他の方向において、周期構造のピッチが異なっていてもよい。
【0021】
図3に、周期構造のピッチPと、発光層から周期構造との最短距離Tを変化させた場合のシミュレーション結果を示す。最短距離Tが同じ場合での正面輝度の最大値を基準としてグラフ化している。この結果から、P/Tの値によって正面輝度が変化することが確認され、特にP/Tが0.425を超えると正面輝度が低下することが確認される。このため、周期構造のピッチPを選定する場合は、正面輝度が低下しないように、ピッチPを決める必要がある。P/Tが、0.425を超えた場合、最大値に対して輝度低下が、10%を超えてしまうため、効率が低下してしまい好ましくない。そのため、P/Tは0.425以下にする必要がある。
シミュレーションは、幾何光学を用いて実施した。凹状レンズ素子の形状は、底面を正方形とする頂角を90度とする四角錐形状にてシミュレーションを実施した。単位凹状レンズ素子を周期構造として、底面の一辺の長さを周期構造のピッチPとした。凹状レンズ素子の屈折率は1.50であった。
凹状レンズ素子の形状にて、四角推形状を採用した場合、底面を正方形にすると、EL素子からの配光分布を対称とすることができるため好ましい。
また、凹状レンズ素子の形状にて、四角推形状を採用した場合、底面を長方形にして、頂角を長方形の短辺方向と、長辺方向にて異なるようにすることで、EL素子からの配光分布を非対称にすることが可能となる。EL素子の設置場所によっては、非対称な配光分布が好まれる場合がある。たとえば液晶ディスプレイのバックライト光源として使用した場合、通常ディスプレイでは、ディスプレイに対して垂直方向の視野角よりも、水平方向の視野角が必要とされるため、上述のような非対称な配光分布が好まれる。このような場合、四角錐形状の底面の長方形の短辺、長辺の長さを適宜設計することで、配光分布を調整することが可能となる。
凹状レンズ素子の屈折率は、1.45〜1.60が好ましい。屈折率が1.45未満では、空気との屈折率差が不足しているため、光を正面方向に屈折することができないため好ましくない。屈折率が1.60を超える場合は、空気との屈折率差が過大となるため全反射が発生し、凹状レンズ素子から空気側に出射されず背面側に戻されてしまい効率が低下するため好ましくない。
【0022】
また、最短距離Tが同じ場合での最大輝度は、P/Tが0.025以上0.2以内となっているため、特に上述した範囲内にすることで、より効率よく正面輝度を上昇することが可能となる。
【0023】
また周期構造のピッチPは、50μm以上500μm以下が好ましい。周期構造のピッチPが、50μm未満の場合は、周期構造の微細化による光の回折効果の影響が大きくなり、色分散や、正面輝度の低下が発生するため好ましくない。周期構造のピッチPが、500μmを超える場合は、周期構造のピッチが過大となり、レンズシート17のレンズ素子を有する面と、レンズ素子を有さない面との表面積の差が過大となり、レンズシート17の反りが大きく発生するため好ましくない。UV成形法などを用いて、レンズシート17において、レンズシート基材とレンズ素子が異なる物質で形成した場合、周期構造のピッチが過大となるとレンズ素子の収縮が過大となり、レンズシート17の反りが大きく発生するため好ましくない。
【0024】
最短距離Tは、主に透光性基板11の厚みによって決定される。最短距離Tは、0.5mm以上4mm以下が好ましい。最短距離Tが、0.5mm未満の場合、透光性基板11の厚みが0.5mm未満となり、剛性が不足してしまうため、耐衝撃性の低下や、レンズシート17の反りによる破損などが発生するため好ましくない。最短距離Tが、4mmを超える場合、透光性基板11の厚みが4mmを超えてしまうため重量が増大し好ましくない。
【0025】
図4に上述の関係を示したグラフを示す。図4に示す、領域Aにてレンズシートの周囲構造を作成することで、正面輝度の向上を達成することが可能となり、同時に剛性が強く、軽量な照明を得ることが可能となる。
レンズシート17に、耐摩擦性を向上させるため、レンズ素子上にリブを設けてもよい。リブを設けることによって、レンズシート17が外部の物体と接触した場合、レンズ素子よりも外側に位置するリブに接触するため、レンズ素子が接触することなく、レンズ素子に傷が付くのを防ぐことができる。リブは、光の正面方向への変更には寄与しないため、レンズ素子の周期構造とは見なさない。
【0026】
透光性基板11は、ガラスでもプラスチックでもよい。また、発光層12からの光をできるだけ透過させるためには、全光線透過率は50パーセント以上であることが好ましい。
【0027】
発光層12としては、白色、青色、赤色、黄色、緑色等がある。そこで例えば、白色を表示する構造の一例として、ITO/CuPc(銅フタロシアニン)/α−NPDにルブレン1%ドープ /ジナクチルアントラセンにペリレン1%ドープ/Alq3/フッ化リチウム/陰極としてAlというような構成を挙げることができる。しかし、この構成に限定されるものではなく、発光層から射出する光線の波長をR、G、Bとなるように適宜材料を選定してよい。また、フルカラーディスプレイ用途で使用する場合にはR、G、Bの塗り分けあるいは、白色光にカラーフィルターを重ねることによりフルカラー表示が可能となる。
【0028】
透明な陽極13は、ITO、IZOなどを蒸着もしくはスパッタなどのドライプロセスで形成したものを使用する。ここで、蒸着する材料としては上述のものには限定されず、透明であって電気伝導性を有する材料のものであれば良い。厚さは10000Å程度以下が好ましい。厚すぎると電気伝導性は向上するが、透明電極に局所的なスパイクが入りやすくなり、また全光線透過率が低下するという問題がある。局所的なスパイクはその突起の高さが、例えば100nm程度存在するとその後の成膜工程にて問題を生じることがある。
【0029】
接着層16は粘着剤や接着剤を用いて形成する。粘着剤や接着剤には、ウレタン系、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、ビニル系の樹脂等を用いることができる。また、粘着剤や接着剤には、1液型で押圧して接着するもの、熱や光で硬化させるものを用いることができ、2液もしくは複数の液を混合して硬化させるものを用いることができる。接着層16の形成方法において、接合面へ直接塗布する方法や、あらかじめドライフィルムとして準備したものを貼り合わせる方法がある。接着層16をドライフィルムとして準備した場合、製造工程上、簡易的に扱うことが可能となるため好ましい。
【0030】
上述のような単位レンズは、基材フィルム17a上にUV硬化樹脂や放射線硬化樹脂を用いて成形されるか、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する。
【0031】
(実施形態2)
本発明にかかるEL素子の実施形態2について、図5を参照して説明する。図5は本実施形態2に示すEL素子の概略断面図である。この図5に示すEL素子10は、図1に示す場合と同様に、透光性基材11と、この透光性基材11の一方の面に形成された透明な陽極13と、この陽極13の光性基材11と反対の面に形成された発光層12と、この発光層12の陽極13と反対の面に形成された陰極14と、透光性基材11の陽極13と反対の面に接着層16を介して接着された光取り出し用のレンズシート17とを備え、さらに、レンズシート17の凹状レンズ素子17b側の面に設けられた光拡散部材18を備えて構成されたものである。
【0032】
このような本実施形態2に示すEL素子10においては、発光層12で発生した光線は、レンズシート17の微細な凹状レンズ素子17bによって光はランダムに拡散され、レンズシート17の表面である光出射面から出射される。
【0033】
したがって、このような本実施形態2に示すEL素子10によれば、上記実施形態1と同様な効果が得られるほか、光拡散部材18を設けることにより、視野角の拡大、色味等の均一化等のメリットがあり、さらに、EL素子10の光出射面に凹状レンズ素子17aが露出されないため、光出射面に汚れ等が付着しにくくなる効果がする。さらに、EL素子10の光出射面がフラットになるため、ハードコートを設けたり、あるいは平坦な面と接合することも可能になる。また、このようなEL素子10は、液晶ディスプレイ用バックライト装置として利用できるほか、電子看板装置もしくは照明装置や光取り出しフィルムとしても利用することができる。
【0034】
(実施形態3)
本発明にかかるEL素子の実施形態3について、図6を参照して説明する。図6は本実施形態3に示すEL素子の概略断面図である。この図6に示すEL素子10は、図1に示す場合と同様に、透光性基材11と、この透光性基材11の一方の面に形成された透明な陽極13と、この陽極13の光性基材11と反対の面に形成された発光層12と、この発光層12の陽極13と反対の面に形成された陰極14と、透光性基材11の陽極13と反対の面に接着層16を介して接着された光取り出し用のレンズシート17とを備え、さらに、レンズシート17の凹状レンズ素子17b側の面には接着層19を介して光拡散部材18が接着されている。
【0035】
このような本実施形態3に示すEL素子10においては、上記実施形態2と同様な効果が得られるほか、光拡散部材18を接着層19を介してレンズシート17の凹状レンズ素子17b側の面に接着することにより、両者の密着強度を上げることができる。これにより、図7に示すように、サイドローブの出現を抑え、均一な視野角を確保することができる。また、このようなEL素子10は、液晶ディスプレイ用バックライト装置として利用できるほか、電子看板装置もしくは照明装置や光取り出しフィルムとしても利用することができる。
【0036】
図5及び図6に示す光拡散部材18は、ヘイズ値が20%以上であることが好ましい。ヘイズ値が20%未満の場合は、拡散性能が不十分となり、面内輝度の均一性が悪化するため好ましくない。また、光拡散部材18は、透明樹脂に光拡散領域が分散されて形成されている。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いることができる。
【0037】
光拡散領域は、光拡散粒子からなることが好ましい。好適な拡散性能を容易に得ること
ができるためである。光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができる。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えば、シリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを用いることができる。また、上述した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。さらにまた、透明粒子の大きさ、形状は、特に規定されない。
【0038】
光拡散領域として光拡散粒子を用いた場合には、光拡散部材の厚さが0.05mm〜5mmであることが好ましい。光拡散部材の厚みが0.05mm〜5mmである場合には、最適な拡散性能と輝度を得ることができる。逆に、0.05mm未満の場合には、拡散性能が足りず、5mmを超える場合には、樹脂量が多いため吸収による輝度低下が生じる。
【0039】
なお、透明樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合には、光拡散領域として気泡を用いても良い。すなわち、熱可塑性樹脂の内部に形成された気泡の内部表面が光の乱反射を生じさせ、光拡散粒子を分散させた場合と同等以上の光拡散機能を発現させることができる。そのため、光拡散部材の膜厚をより薄くすることが可能となる。
【0040】
このような光拡散部材として、白色PETや白色PPなどを挙げることができる。白色PETは、PETと相溶性のない樹脂や酸化チタン(TiO2)、硫酸化バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウムのようなフィラーをPETに分散させた後、該PETを2軸延伸法で延伸することにより、該フィラーの周りに気泡を発生させて形成する。
【0041】
なお、熱可塑性樹脂からなる光拡散部材は、少なくとも1軸方向に延伸されてなればよい。少なくとも1軸方向に延伸させれば、フィラーの周りに気泡を発生させることができるためである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2、6−ナフレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スポログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー、およびこれらを成分とする共重合体、またこれら樹脂の混合物などを用いることができ、特に制限されることはない。
【0042】
光拡散領域として気泡を用いた場合には、光拡散部材の厚さが25μm〜500μmであることが好ましい。光拡散部材の厚さが25μm未満の場合には、シートのこしが不足し、製造工程やディスプレイ内でしわを発生しやすくなるので好ましくない。また、拡散基材の厚さが500μmを超える場合には、光学性能についてはとくに問題ないが、剛性が増すためロール状に加工しにくい、スリットが容易にできないなど、従来の拡散板と比較して得られる薄さの利点が少なくなるので好ましくない。
【0043】
(実施形態4)
図8は、図5に示す光拡散部材18付きEL素子10を照明用光源とし、この照明用光源をバックライトとして用いることで、その光拡散部材18の光出射面側に液晶パネル(特許請求の範囲に記載の画像表示素子に相当する)26を対向配置し、これにより、液晶ディプレイ装置27を構成するようにしたものである。
【0044】
なお、図6に示す光拡散部材18付きのEL素子10を照明装置とし、この照明装置を液晶パネル26のバックライト装置として用いることで液晶ディプレイ装置27を構成することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・透光性基板
2、12・・・発光層
3、13・・・陽極
4、14・・・陰極
5・・・レンズシート
5a・・・基材
5b・・・レンズ素子
10・・・EL素子
11・・・透光性基材
12a・・・光線
17・・・レンズシート
17a・・・基材フィルム
17b・・・レンズ素子
18・・・光拡散部材
19・・・接着層
26・・・液晶パネル
27・・・液晶ディスプレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルタイプのディスプレイ装置、液晶用バックライトユニットなどの照明用光源、電飾、サイン用光源等に用いられる有機EL(エレクトロルミネセンス)素子に関し、特に光取り出し効率を向上できるようにしたEL素子、EL素子を用いた液晶ディスプレイ用バックライト装置、EL素子を用いた照明装置、EL素子を用いた電子看板装置、及びEL素子を用いたディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、EL素子は、図9に示すように、透光性基板1と、蛍光有機化合物を含む発光層2を陽極3と陰極4とで挟んだ構造のものを透光性基板1の一方の面に積層したものから構成され、さらに、透光性基板1の発光層2と反対の面には、基材5a上に図10に示す三角形状のシリンドリカルレンズ素子5bを複数配列してなる光取り出し用のレンズシート5が接着層6を介して設けられている(特許文献1、2参照)。このようなEL素子においては、陽極3と陰極4との間に直流電圧を印加し、発光層2に電子および正孔を注入して再結合させることにより励起子を生成し、この励起子が失活する際の光の放出を利用して発光させ、その光は透光性基板1を通してレンズシート5のレンズ素子5bから出射される。
【0003】
従来、このようなEL素子において、発光層2から射出した光線が透光性基板1から出射する際に、透光性基板1上において全反射し、光線がロスするという問題があった。この時の光の外部取り出し効率は、一般的に20%程度と言われている。そのため、高輝度が必要となればなるほど投入電力が必要となるという問題があり、そればかりではなく、EL素子に及ぼす負荷が増大し、EL素子自体の信頼性を低下させることになる。
【0004】
そこで、光の外部取り出し効率を向上させる目的で、透光性基板1の光出射面側に、図10に示す三角形のシリンドリカルレンズ素子5bを有するレンズシート5を設け、透光性基板の全反射によりロスしている光線を外部に取り出すという方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−79040号公報
【特許文献2】特開2006−119166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のEL素子では、透光性基板1上に発光層2が陽極3と陰極4に挟まれた状態であり、そして、透光性基板1の光出射面側に三角形のシリンドリカルレンズ素子5bを有するレンズシート5が設けられているため、光の全反射を抑えて、正面方向へ取り出すことが可能となる。
【0007】
しかしながら、単純な四角錘形状もしくは図8のような三角形状のシリンドリカル形状の場合、視聴者の視覚方向に進むことなく横方向に無駄に出射する、想定外の光線が存在する。このため、図11に示すように、レンズシートから出射される光強度分布は、視聴者の視覚方向、すなわち視覚方向Fに対する視野角が0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高められるものの、正面より±90°近辺に小さな光強度ピークが生じる。即ち、横方向から無駄に出射される光(サイドローブ)が増えてしまうという問題がある。
【0008】
また、マイクロレンズ形状のように丸みを帯びたレンズ素子を配列した場合には、レンズ素子間に隙間ができてしまい、その隙間において光線が全反射してしまい、サイドローブが生じるという問題がある。
【0009】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、光の外部取り出し効率を向上させるためのレンズシートが観察者側にあっても視野角のサイドローブを低減させることができ、かつ光取り出し効率を向上することができるEL素子及びこれを用いた液晶用バックライトユニットなどの照明用光源、電子看板並びにディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、EL素子であって、透光性の基材と、前記基材の一方の面に形成された透明な陽極と、前記陽極の前記基板と反対の面に形成された発光層と、前記発光層の前記陽極と反対の面に形成された陰極と、前記基材の前記陽極と反対の面に設けられたレンズシートとを備え、前記レンズシートは、前記基材と反対の前記レンズシートの面に該面に沿い配列され前記発光層で発生した光を前記基材と反対の前記レンズシートの面から取り出す周期構造を有し、前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式を満たす
【数1】
ことにより上記課題を解決した。
【0011】
本発明においては、前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式を満たす
【数2】
ことがより好ましい。
【0012】
前記レンズシートの前記周期構造は、面に沿い配列された複数の凹状レンズ素子であることがより好ましい。前記レンズシートは前記基材の前記陽極と反対の面に粘着層で接着されていることが好ましい。前記凹状レンズ素子は凹型の球面形状を呈していることが好ましい。前記凹状レンズ素子は凹型の非球面形状を呈していることが好ましい。前記凹状レンズ素子は凹型の四角錘形状を呈していることが好ましい。前記複数の凹状レンズ素子の平面視表面積及び深さが一定で、かつ前記複数の凹状レンズ素子の配列ピッチが一定であることが好ましい。前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に光拡散部材が設けられていることが好ましい。前記光拡散部材は粘着層を介して前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に接着されていることが好ましい。
【0013】
液晶ディスプレイ用バックライト装置、電子看板装置、照明装置、光取り出しフィルムに前記EL素子を好ましく用いることができる。画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子を備えたディスプレイ装置において、前記画像表示素子の背面に前記バックライト装置または前記照明装置を好ましく用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光層で発生した光を基板の一方の面と反対の面から出射するように取り出す複数の凹状レンズ素子を配列してなる光取り出し用のレンズシートを基材の陽極と反対の面に設ける構成にしたので、レンズシートが観察者側にあっても視野角のサイドローブを低減させることができ、かつ光取り出し効率を向上することができるEL素子及びこれを用いた液晶用バックライトユニットなどの照明装置、電子看板装置並びにディスプレイ装置、光取り出しフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る光取り出し用レンズシートを有するEL素子の実施形態1を示す概略断面図である。
【図2】実施形態1におけるEL素子の光取り出し用レンズシートの一部の斜視図である。
【図3】本発明に係る光取り出し用レンズシートの周期構造Pと、最短距離Tと正面輝度の関係を表すグラフである。
【図4】本発明に係る光取り出し用レンズシートの周期構造Pと、最短距離Tの適性領域を示すグラフである。
【図5】本発明に係る光取り出し用レンズシートを有するEL素子の実施形態2を示す概略断面図である。
【図6】本発明に係る光取り出し用レンズシートを有するEL素子の実施形態3を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態3におけるEL素子の視野角に対する光強度の分布を示すグラフである。
【図8】実施形態4における本発明に係る光拡散部材付きEL素子を用いて液晶ディプレイ装置を構成した場合の一例を示す概略断面図である
【図9】従来における光取り出し用レンズシートを有するEL素子の概略断面図である。
【図10】従来のEL素子に使用される三角形状のシリンドリカルレンズ素子からなるレンズシートの一例を示す斜視図である。
【図11】従来におけるEL素子の視野角に対する光強度の分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
(実施形態1)
本発明にかかるEL素子の実施形態1について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態1に示すEL素子の概略断面図であり、図2は本実施形態1に示すEL素子の光取り出し用レンズシートの一部の斜視図である。実施形態1に示すEL素子10は、図1に示すように、厚さを有する平板状の透光性基材11を有し、この透光性基材11の一方の面には、形成すべき画素に対応して透明な陽極13が形成されている。また、陽極13の光性基材11と反対の面には蛍光有機化合物を含む発光層12が形成されている。さらに、発光層12の陽極13と反対の面には、発光層12をサンドイッチに挟むようにして陰極14が形成されている。また、キャリア輸送層、電子輸送層、正孔輸送層あるいは両キャリア輸送層についての使用は特に限定されるものではなく、都合に応じて使用することができる。また、透光性基材11の陽極13と反対の面には光取り出し用のレンズシート17が接着層16を介して接着されている。
【0018】
レンズシート17は、図1及び図2に示すように、透光性の基材フィルム17aと、接着層16とは反対の基材フィルム17aの面に面して、該面に沿い二次元方向に一定のピッチで形成された一定深さの凹型の四角錐形状を呈する複数の凹状レンズ素子17bとからなる。この凹状レンズ素子17bは、発光層12で発生した光を透光性基材11の一方の面と反対の面から出射するように取り出すためのものである。なお、レンズシート17において、レンズ素子として、凹状レンズ素子の他、凸状レンズ素子等の任意のレンズ素子を採用することができるが、より正面輝度が上昇する凹状レンズ素子を採用することが好ましい。
【0019】
このような凹型の四角錐形状を呈する複数の凹状レンズ素子17bを配列してなるレンズシート17を備えるEL素子10においては、視野角にサイドローブのような急激な輝度変化が起こりにくくなる。これにより、レンズシートが観察者側にあっても視野角のサイドローブを低減させることができ、かつ光取り出し効率を向上することができる。また、このようなEL素子10は、液晶ディスプレイ用バックライト装置として利用できるほか、電子看板装置もしくは照明装置や光取り出しフィルムとしても利用することができる。
【0020】
ここで、レンズシート17の周期構造のピッチをP、発光層から周期構造との最短距離をTとすると、下記の式の関係を満たすと、効率よく光を取り出すことが可能となる。
【数3】
ここでいう周期構造のピッチとは、連続して配置されたレンズ素子が形成する周期構造である。周期構造は、単位レンズ素子で周期構造が形成される場合は、レンズ素子の幅が、周期構造のピッチに相当する。複数のレンズ素子で周期構造が形成される場合は、複数のレンズ素子が形成するグループの端部から端部までが周期構造のピッチに相当する。上述の周期構造を、周期構造のピッチにてシフトした場合、隣接する周期構造と同位置になる。周期構造のピッチは、ある一方向と、一方向に垂直に交わる他の方向において、ほぼ同一であることが好ましい。あるいは、ある一方向と、一方向に垂直に交わる他の方向において、周期構造のピッチが異なっていてもよい。
【0021】
図3に、周期構造のピッチPと、発光層から周期構造との最短距離Tを変化させた場合のシミュレーション結果を示す。最短距離Tが同じ場合での正面輝度の最大値を基準としてグラフ化している。この結果から、P/Tの値によって正面輝度が変化することが確認され、特にP/Tが0.425を超えると正面輝度が低下することが確認される。このため、周期構造のピッチPを選定する場合は、正面輝度が低下しないように、ピッチPを決める必要がある。P/Tが、0.425を超えた場合、最大値に対して輝度低下が、10%を超えてしまうため、効率が低下してしまい好ましくない。そのため、P/Tは0.425以下にする必要がある。
シミュレーションは、幾何光学を用いて実施した。凹状レンズ素子の形状は、底面を正方形とする頂角を90度とする四角錐形状にてシミュレーションを実施した。単位凹状レンズ素子を周期構造として、底面の一辺の長さを周期構造のピッチPとした。凹状レンズ素子の屈折率は1.50であった。
凹状レンズ素子の形状にて、四角推形状を採用した場合、底面を正方形にすると、EL素子からの配光分布を対称とすることができるため好ましい。
また、凹状レンズ素子の形状にて、四角推形状を採用した場合、底面を長方形にして、頂角を長方形の短辺方向と、長辺方向にて異なるようにすることで、EL素子からの配光分布を非対称にすることが可能となる。EL素子の設置場所によっては、非対称な配光分布が好まれる場合がある。たとえば液晶ディスプレイのバックライト光源として使用した場合、通常ディスプレイでは、ディスプレイに対して垂直方向の視野角よりも、水平方向の視野角が必要とされるため、上述のような非対称な配光分布が好まれる。このような場合、四角錐形状の底面の長方形の短辺、長辺の長さを適宜設計することで、配光分布を調整することが可能となる。
凹状レンズ素子の屈折率は、1.45〜1.60が好ましい。屈折率が1.45未満では、空気との屈折率差が不足しているため、光を正面方向に屈折することができないため好ましくない。屈折率が1.60を超える場合は、空気との屈折率差が過大となるため全反射が発生し、凹状レンズ素子から空気側に出射されず背面側に戻されてしまい効率が低下するため好ましくない。
【0022】
また、最短距離Tが同じ場合での最大輝度は、P/Tが0.025以上0.2以内となっているため、特に上述した範囲内にすることで、より効率よく正面輝度を上昇することが可能となる。
【0023】
また周期構造のピッチPは、50μm以上500μm以下が好ましい。周期構造のピッチPが、50μm未満の場合は、周期構造の微細化による光の回折効果の影響が大きくなり、色分散や、正面輝度の低下が発生するため好ましくない。周期構造のピッチPが、500μmを超える場合は、周期構造のピッチが過大となり、レンズシート17のレンズ素子を有する面と、レンズ素子を有さない面との表面積の差が過大となり、レンズシート17の反りが大きく発生するため好ましくない。UV成形法などを用いて、レンズシート17において、レンズシート基材とレンズ素子が異なる物質で形成した場合、周期構造のピッチが過大となるとレンズ素子の収縮が過大となり、レンズシート17の反りが大きく発生するため好ましくない。
【0024】
最短距離Tは、主に透光性基板11の厚みによって決定される。最短距離Tは、0.5mm以上4mm以下が好ましい。最短距離Tが、0.5mm未満の場合、透光性基板11の厚みが0.5mm未満となり、剛性が不足してしまうため、耐衝撃性の低下や、レンズシート17の反りによる破損などが発生するため好ましくない。最短距離Tが、4mmを超える場合、透光性基板11の厚みが4mmを超えてしまうため重量が増大し好ましくない。
【0025】
図4に上述の関係を示したグラフを示す。図4に示す、領域Aにてレンズシートの周囲構造を作成することで、正面輝度の向上を達成することが可能となり、同時に剛性が強く、軽量な照明を得ることが可能となる。
レンズシート17に、耐摩擦性を向上させるため、レンズ素子上にリブを設けてもよい。リブを設けることによって、レンズシート17が外部の物体と接触した場合、レンズ素子よりも外側に位置するリブに接触するため、レンズ素子が接触することなく、レンズ素子に傷が付くのを防ぐことができる。リブは、光の正面方向への変更には寄与しないため、レンズ素子の周期構造とは見なさない。
【0026】
透光性基板11は、ガラスでもプラスチックでもよい。また、発光層12からの光をできるだけ透過させるためには、全光線透過率は50パーセント以上であることが好ましい。
【0027】
発光層12としては、白色、青色、赤色、黄色、緑色等がある。そこで例えば、白色を表示する構造の一例として、ITO/CuPc(銅フタロシアニン)/α−NPDにルブレン1%ドープ /ジナクチルアントラセンにペリレン1%ドープ/Alq3/フッ化リチウム/陰極としてAlというような構成を挙げることができる。しかし、この構成に限定されるものではなく、発光層から射出する光線の波長をR、G、Bとなるように適宜材料を選定してよい。また、フルカラーディスプレイ用途で使用する場合にはR、G、Bの塗り分けあるいは、白色光にカラーフィルターを重ねることによりフルカラー表示が可能となる。
【0028】
透明な陽極13は、ITO、IZOなどを蒸着もしくはスパッタなどのドライプロセスで形成したものを使用する。ここで、蒸着する材料としては上述のものには限定されず、透明であって電気伝導性を有する材料のものであれば良い。厚さは10000Å程度以下が好ましい。厚すぎると電気伝導性は向上するが、透明電極に局所的なスパイクが入りやすくなり、また全光線透過率が低下するという問題がある。局所的なスパイクはその突起の高さが、例えば100nm程度存在するとその後の成膜工程にて問題を生じることがある。
【0029】
接着層16は粘着剤や接着剤を用いて形成する。粘着剤や接着剤には、ウレタン系、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、ビニル系の樹脂等を用いることができる。また、粘着剤や接着剤には、1液型で押圧して接着するもの、熱や光で硬化させるものを用いることができ、2液もしくは複数の液を混合して硬化させるものを用いることができる。接着層16の形成方法において、接合面へ直接塗布する方法や、あらかじめドライフィルムとして準備したものを貼り合わせる方法がある。接着層16をドライフィルムとして準備した場合、製造工程上、簡易的に扱うことが可能となるため好ましい。
【0030】
上述のような単位レンズは、基材フィルム17a上にUV硬化樹脂や放射線硬化樹脂を用いて成形されるか、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する。
【0031】
(実施形態2)
本発明にかかるEL素子の実施形態2について、図5を参照して説明する。図5は本実施形態2に示すEL素子の概略断面図である。この図5に示すEL素子10は、図1に示す場合と同様に、透光性基材11と、この透光性基材11の一方の面に形成された透明な陽極13と、この陽極13の光性基材11と反対の面に形成された発光層12と、この発光層12の陽極13と反対の面に形成された陰極14と、透光性基材11の陽極13と反対の面に接着層16を介して接着された光取り出し用のレンズシート17とを備え、さらに、レンズシート17の凹状レンズ素子17b側の面に設けられた光拡散部材18を備えて構成されたものである。
【0032】
このような本実施形態2に示すEL素子10においては、発光層12で発生した光線は、レンズシート17の微細な凹状レンズ素子17bによって光はランダムに拡散され、レンズシート17の表面である光出射面から出射される。
【0033】
したがって、このような本実施形態2に示すEL素子10によれば、上記実施形態1と同様な効果が得られるほか、光拡散部材18を設けることにより、視野角の拡大、色味等の均一化等のメリットがあり、さらに、EL素子10の光出射面に凹状レンズ素子17aが露出されないため、光出射面に汚れ等が付着しにくくなる効果がする。さらに、EL素子10の光出射面がフラットになるため、ハードコートを設けたり、あるいは平坦な面と接合することも可能になる。また、このようなEL素子10は、液晶ディスプレイ用バックライト装置として利用できるほか、電子看板装置もしくは照明装置や光取り出しフィルムとしても利用することができる。
【0034】
(実施形態3)
本発明にかかるEL素子の実施形態3について、図6を参照して説明する。図6は本実施形態3に示すEL素子の概略断面図である。この図6に示すEL素子10は、図1に示す場合と同様に、透光性基材11と、この透光性基材11の一方の面に形成された透明な陽極13と、この陽極13の光性基材11と反対の面に形成された発光層12と、この発光層12の陽極13と反対の面に形成された陰極14と、透光性基材11の陽極13と反対の面に接着層16を介して接着された光取り出し用のレンズシート17とを備え、さらに、レンズシート17の凹状レンズ素子17b側の面には接着層19を介して光拡散部材18が接着されている。
【0035】
このような本実施形態3に示すEL素子10においては、上記実施形態2と同様な効果が得られるほか、光拡散部材18を接着層19を介してレンズシート17の凹状レンズ素子17b側の面に接着することにより、両者の密着強度を上げることができる。これにより、図7に示すように、サイドローブの出現を抑え、均一な視野角を確保することができる。また、このようなEL素子10は、液晶ディスプレイ用バックライト装置として利用できるほか、電子看板装置もしくは照明装置や光取り出しフィルムとしても利用することができる。
【0036】
図5及び図6に示す光拡散部材18は、ヘイズ値が20%以上であることが好ましい。ヘイズ値が20%未満の場合は、拡散性能が不十分となり、面内輝度の均一性が悪化するため好ましくない。また、光拡散部材18は、透明樹脂に光拡散領域が分散されて形成されている。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いることができる。
【0037】
光拡散領域は、光拡散粒子からなることが好ましい。好適な拡散性能を容易に得ること
ができるためである。光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができる。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えば、シリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを用いることができる。また、上述した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。さらにまた、透明粒子の大きさ、形状は、特に規定されない。
【0038】
光拡散領域として光拡散粒子を用いた場合には、光拡散部材の厚さが0.05mm〜5mmであることが好ましい。光拡散部材の厚みが0.05mm〜5mmである場合には、最適な拡散性能と輝度を得ることができる。逆に、0.05mm未満の場合には、拡散性能が足りず、5mmを超える場合には、樹脂量が多いため吸収による輝度低下が生じる。
【0039】
なお、透明樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合には、光拡散領域として気泡を用いても良い。すなわち、熱可塑性樹脂の内部に形成された気泡の内部表面が光の乱反射を生じさせ、光拡散粒子を分散させた場合と同等以上の光拡散機能を発現させることができる。そのため、光拡散部材の膜厚をより薄くすることが可能となる。
【0040】
このような光拡散部材として、白色PETや白色PPなどを挙げることができる。白色PETは、PETと相溶性のない樹脂や酸化チタン(TiO2)、硫酸化バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウムのようなフィラーをPETに分散させた後、該PETを2軸延伸法で延伸することにより、該フィラーの周りに気泡を発生させて形成する。
【0041】
なお、熱可塑性樹脂からなる光拡散部材は、少なくとも1軸方向に延伸されてなればよい。少なくとも1軸方向に延伸させれば、フィラーの周りに気泡を発生させることができるためである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2、6−ナフレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スポログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー、およびこれらを成分とする共重合体、またこれら樹脂の混合物などを用いることができ、特に制限されることはない。
【0042】
光拡散領域として気泡を用いた場合には、光拡散部材の厚さが25μm〜500μmであることが好ましい。光拡散部材の厚さが25μm未満の場合には、シートのこしが不足し、製造工程やディスプレイ内でしわを発生しやすくなるので好ましくない。また、拡散基材の厚さが500μmを超える場合には、光学性能についてはとくに問題ないが、剛性が増すためロール状に加工しにくい、スリットが容易にできないなど、従来の拡散板と比較して得られる薄さの利点が少なくなるので好ましくない。
【0043】
(実施形態4)
図8は、図5に示す光拡散部材18付きEL素子10を照明用光源とし、この照明用光源をバックライトとして用いることで、その光拡散部材18の光出射面側に液晶パネル(特許請求の範囲に記載の画像表示素子に相当する)26を対向配置し、これにより、液晶ディプレイ装置27を構成するようにしたものである。
【0044】
なお、図6に示す光拡散部材18付きのEL素子10を照明装置とし、この照明装置を液晶パネル26のバックライト装置として用いることで液晶ディプレイ装置27を構成することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・透光性基板
2、12・・・発光層
3、13・・・陽極
4、14・・・陰極
5・・・レンズシート
5a・・・基材
5b・・・レンズ素子
10・・・EL素子
11・・・透光性基材
12a・・・光線
17・・・レンズシート
17a・・・基材フィルム
17b・・・レンズ素子
18・・・光拡散部材
19・・・接着層
26・・・液晶パネル
27・・・液晶ディスプレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の基材と、
前記基材の一方の面に形成された透明な陽極と、
前記陽極の前記基材と反対の面に形成された発光層と、
前記発光層の前記陽極と反対の面に形成された陰極と、
前記基材の前記陽極と反対の面に設けられたレンズシートとを備え、
前記レンズシートは、前記基材と反対の前記レンズシートの面に該面に沿い配列され前記発光層で発生した光を前記基材と反対の前記レンズシートの面から取り出す周期構造を有し、
前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式
【数1】
を満たすことを特徴とするEL素子。
【請求項2】
前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式
【数2】
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
【請求項3】
前記レンズシートの前記周期構造は、面に沿い配列された複数の凹状レンズ素子であることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
【請求項4】
前記レンズシートは前記基材の前記陽極と反対の面に粘着層で接着されていることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
【請求項5】
前記凹状レンズ素子は凹型の球面形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のEL素子。
【請求項6】
前記凹状レンズ素子は凹型の非球面形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のEL素子。
【請求項7】
前記凹状レンズ素子は凹型の四角錘形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のEL素子。
【請求項8】
前記複数の凹状レンズ素子の平面視表面積及び深さが一定で、かつ前記複数の凹状レンズ素子の配列ピッチが一定であることを特徴とする請求項3、又は5乃至7のいずれか1項に記載のEL素子。
【請求項9】
前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に光拡散部材が設けられていることを特
徴とする請求項3、又は5乃至8のいずれか1項に記載のEL素子。
【請求項10】
前記光拡散部材は粘着層を介して前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に接着
されていることを特徴とする請求項9に記載のEL素子。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする液晶ディスプレイ用バックライト装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする電子看板装置。
【請求項13】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項14】
画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子を備え、
前記画像表示素子の背面に、請求項11記載のバックライト装置または請求項13記載の照明装置のいずれか1つを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする光取り出しフィルム。
【請求項1】
透光性の基材と、
前記基材の一方の面に形成された透明な陽極と、
前記陽極の前記基材と反対の面に形成された発光層と、
前記発光層の前記陽極と反対の面に形成された陰極と、
前記基材の前記陽極と反対の面に設けられたレンズシートとを備え、
前記レンズシートは、前記基材と反対の前記レンズシートの面に該面に沿い配列され前記発光層で発生した光を前記基材と反対の前記レンズシートの面から取り出す周期構造を有し、
前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式
【数1】
を満たすことを特徴とするEL素子。
【請求項2】
前記周期構造の周期をP、前記発光層から前記周期構造との最短距離をTとした場合に下記の式
【数2】
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
【請求項3】
前記レンズシートの前記周期構造は、面に沿い配列された複数の凹状レンズ素子であることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
【請求項4】
前記レンズシートは前記基材の前記陽極と反対の面に粘着層で接着されていることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
【請求項5】
前記凹状レンズ素子は凹型の球面形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のEL素子。
【請求項6】
前記凹状レンズ素子は凹型の非球面形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のEL素子。
【請求項7】
前記凹状レンズ素子は凹型の四角錘形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のEL素子。
【請求項8】
前記複数の凹状レンズ素子の平面視表面積及び深さが一定で、かつ前記複数の凹状レンズ素子の配列ピッチが一定であることを特徴とする請求項3、又は5乃至7のいずれか1項に記載のEL素子。
【請求項9】
前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に光拡散部材が設けられていることを特
徴とする請求項3、又は5乃至8のいずれか1項に記載のEL素子。
【請求項10】
前記光拡散部材は粘着層を介して前記レンズシートの前記凹状レンズ素子側の面に接着
されていることを特徴とする請求項9に記載のEL素子。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする液晶ディスプレイ用バックライト装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする電子看板装置。
【請求項13】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項14】
画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子を備え、
前記画像表示素子の背面に、請求項11記載のバックライト装置または請求項13記載の照明装置のいずれか1つを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする光取り出しフィルム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−205511(P2010−205511A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48637(P2009−48637)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]