説明

EUVプラズマ源ターゲット供給システム

【課題】プラズマ発生EUV光源発生器の環境において又は特に液体噴出ターゲット液滴発生器のターゲット液滴発生における圧電材料の利用に関連することができる問題に対処する。
【解決手段】磁歪材料又は電歪材料を含むターゲット液滴形成機構と出力オリフィスで終端する液体プラズマ源材料通路と液滴形成噴出流又は選択経路に沿って通路を出る個々の液滴に電荷を印加する帯電機構と出力オリフィスとプラズマ開始部位の中間にあって液滴を選択経路から定期的に偏向させる液滴偏向器と入力開口部と出力オリフィスとを有する液体ターゲット材料供給通路を含む液体ターゲット材料供給機構と液体ターゲット材料内で外乱力を発生させる外乱起電力発生機構と出力オリフィスを有する液体ターゲット供給液滴形成機構と及び/又は出力オリフィスの周辺の湿潤障壁とを含むことができるEUVプラズマ形成ターゲット供給システム及び方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを使用するEUV光源発生器に関し、具体的には、レーザ生成プラズマ用又は放電生成プラズマ用とすることができるプラズマ開始部位にプラズマ源材料を供給する方法及び装置に関する。
【0002】
[関連出願]
本出願は、代理人整理番号第2004−0023−01号である2004年12月22日出願の「EUV光源光学素子」という名称の同時係属の米国特許出願第11/021,261号、代理人整理番号第2004−0088−01号である2004年11月1日出願の「EUVコレクタデブリ管理」という名称の米国特許出願第10/979,945号、代理人整理番号第2004−0064−01号である2004年11月1日出願の「LPP EUV光源」という名称の米国特許出願第10/979,919号、代理人整理番号第2004−0044−01号である「EUV光源」という名称の米国特許出願第10/900,839号、代理人整理番号第2003−0083−01号である「EUV光源用コレクタ」という名称の米国特許出願第10/798,740号に関連し、これらの開示内容は引用により本明細書に組み込まれ、更に、本出願は、代理人整理番号第2004−0097−01号である本出願と同日出願の「EUVプラズマ光源ターゲット供給ターゲット材料処理方法及び装置」という名称の同時係属の米国特許出願第11/067,073号に関連し、該特許の開示内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
プラズマ開始部位にてターゲット材料を照射するレーザビームによってプラズマを生成(すなわち、レーザ生成プラズマ、「LPP」)することができ、又は、例えばプラズマ焦点又はプラズマピンチ部位にてプラズマを形成する電極間の放電により該放電時に当該部位に供給されるターゲット材料を用いてプラズマを生成(すなわち、放電生成プラズマ、「DPP」)することができるような、EUV光源材料のプラズマ生成からEUV光を発生させることは知られている。例えば、プラズマ発生変換効率の向上とデブリ形成の低減を目的として質量制限することができるプラズマ源材料の液滴の形態でのターゲット供給は、LPP又はDPPのいずれかによるプラズマの形成においてプラズマ源材料を適切な場所で適切な時間に配置する公知の手法である。本出願において対処されるプラズマ開始部位でのターゲットの供給タイミング又は位置決めに関して、幾つかの問題が当技術分野において存在することが知られている。
【0004】
磁気歪み(及び電気歪み)は、圧電性結晶と競合して超音波変換器において使用されてきたが、出願人らが知る限りにおいて、このような材料は、プラズマ発生EUV光源発生器の環境において、又は特に液体噴出ターゲット液滴発生器のターゲット液滴発生における圧電材料の利用に関連することができる問題に対処するのに採用されたことはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第11/021,261号公報
【特許文献2】米国特許出願第10/979,945号公報
【特許文献3】米国特許出願第10/979,919号公報
【特許文献4】米国特許出願第10/900,839号公報
【特許文献5】米国特許出願第10/798,740号公報
【特許文献6】米国特許出願第11/067,073号公報
【特許文献7】米国特許第6,625,191号公報
【特許文献8】米国特許第6,549,551号公報
【特許文献9】米国特許第6,567,450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
磁気歪み(及び電気歪み)は、圧電性結晶と競合して超音波変換器において使用されてきたが、出願人らが知る限りにおいて、このような材料は、プラズマ発生EUV光源発生器の環境において、又は特に液体噴出ターゲット液滴発生器のターゲット液滴発生における圧電材料の利用に関連することができる問題に対処するのに採用されたことはない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
液体ターゲット材料液滴の形成においてターゲット液滴供給毛細管及び/又は出力オリフィスと協働する磁歪材料又は電歪材料を含むターゲット液滴形成機構を含むことができるEUVプラズマ形成ターゲット供給システム及び方法が開示され、ターゲット液滴形成は、磁歪材料又は電歪材料にそれぞれ磁気的又は電気的刺激の印加を変調する変調器を含み、例えば、プラズマ開始部位での照射において本質的に一定の液滴の流れを生成し、又はプラズマ開始部位での照射においてオンデマンドで液滴を生成するようにすることができる。磁歪材料又は電歪材料は、長手方向の膨張及び収縮が毛細管と相互作用するように、又は半径方向の膨張及び収縮が毛細管と相互作用するように、或いはこれらの両方を行うように配置することができる。本EUVターゲット供給システムは、出力オリフィスで終端する液体プラズマ源材料通路と、電荷を液滴形成噴出流又は選択経路に沿った通路を出る個々の液滴に印加する帯電機構と、出力オリフィスとプラズマ開始部位の中間にあり、液滴を選択経路から定期的に偏向させる液滴偏向器とを含むことができる。選択経路は、プラズマ開始部位に向う経路に対応することができ、偏向液滴が経路に対して偏向されて、測定を妨げず、及び/又はプラズマ開始部位にて形成されたときにプラズマと相互作用するようにプラズマ開始部位から十分に離れるようにされ、或いは、選択経路は、該選択経路に沿って移動する液滴が測定を妨げず、及び/又はプラズマ開始部位にて形成されたときにプラズマと相互作用するようにプラズマ開始部位から十分に離れるような経路に相当することができ、該偏向液滴は、プラズマ開始部位に向う経路上を移動する。帯電機構は、出力オリフィスと液滴偏向器との中間にある帯電リングを含むことができる。本EUVターゲット供給システムは、入力開口部と出力オリフィスとを有する液体ターゲット材料供給通路を含む液体ターゲット材料供給機構と、入力開口部と出力オリフィスとの中間にある液体ターゲット材料に印加された電界又は磁界もしくはその組み合わせの結果として液体ターゲット材料内で外乱力を発生させる外乱起電力発生機構とを含むことができる。外乱起電力発生機構は、液体ターゲット材料を通る電流を発生させる電流発生機構と、導電液体ターゲット材料を通る電流の流れにほぼ直交した、液体ターゲット材料を通る磁界を発生させる磁界発生機構とを含むことができる。電流発生機構と磁界発生機構のいずれか一方又は両方を変調する変調機構を含むことができる。電流発生機構は、入力開口部と出力オリフィスとの中間にある第1の位置で液体ターゲット材料と電気的に接触している第1の電気接点と、入力開口部と出力オリフィスとの中間にある第2の位置で液体ターゲット材料と電気的に接触している第2の電気接点と、第1及び第2の電気接点に電気的に接続された電流源とを含むことができる。磁界発生機構は、少なくとも1つの永久磁石、少なくとも1つの電磁石、又は両方を含むことができる。変調機構は、パルス変調又は周期的変調を含むグループから選択された変調を含むことができる。本EUVターゲット供給システムは、出力オリフィスを有する液体ターゲット供給液滴形成機構と、出力オリフィス周辺の湿潤障壁とを含むことができる。出力オリフィスは、ピンホールノズルを含むことができる。湿潤障壁は、例えば、環状リング状溝、またじゃ全体的に環状リング線溝の円弧の形態で互いから離間された一連の溝/スロット、又は、出力オリフィスから離間され且つ出力オリフィス周りの選択形状の連続的な周辺を形成する出力オリフィスを囲む溝、或いは、出力オリフィスから離間され且つ出力オリフィス回りに選択形状の破断周辺部を形成する出力オリフィスを囲む一連の溝といった、出力オリフィスから分離された液体収集構造を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態の態様によるLPP EUV光源を形成する概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図3】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図4】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図4A】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図5】本発明の実施形態の態様によるターゲット材料供給機構の概略図である。
【図6】図5の機構の一部のより詳細な概略図である。
【図7】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給システムの一部の概略図である。
【図8】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図9】本発明の実施形態の態様による図6のターゲット供給機構の一部の代替の実施形態の概略図である。
【図10】本発明の実施形態の態様による図6のターゲット供給機構の一部の代替の実施形態の概略図である。
【図11】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図12】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の概略図である。
【図13】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の一部の概略図である。
【図14】本発明の実施形態の態様によるターゲット供給機構の一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図1を参照すると、EUV光源、例えば、本発明の態様によるレーザ生成プラズマEUV光源20の広義の全体的概念の概略図が示されている。光源20は、パルスレーザシステム22、例えば高出力高パルス繰り返し率で動作する1つ又はそれ以上のガス放電エキシマレーザ又はフッ素分子レーザを含むことができ、例えば、米国特許第6,625,191号、米国特許第6,549,551号、米国特許第6,567,450号に示すような1つ又はそれ以上のMOPA構成レーザシステムとすることができる。また、光源20は、例えば、液体液滴、固体微粒子、又は液体液滴内に含まれる固体微粒子の形態でターゲットを供給するターゲット供給システム24を含むことができる。ターゲットは、ターゲット供給システム24によって、例えばチャンバ26内部に入り、プラズマ形成部位又は火球の形態として知られる照射部位28に供給することができ、ここでレーザによる照射によってプラズマがターゲット材料から形成される。ターゲット供給システム24の実施形態を以下で更に詳細に説明する。
【0010】
パルスレーザ22からレーザ光学軸(又は複数の軸、図1には図示せず)に沿ってチャンバ26のウィンドウ(図示せず)を通り照射部位に供給されたレーザパルスは、ターゲット供給システム24によって生成されたターゲットの到着と協働して、以下のより詳細な説明及び上記で引用された同時継続の出願において検討されているように好適に集束されて、ターゲットの材料、ターゲットのサイズ及び形状、レーザビームの焦点、及びプラズマ開始部位でのレーザビーム及びターゲットのタイミング及び位置などに応じて、生成されたX線光の波長、プラズマ開始中又は後にプラズマから放出されるデブリのタイプ及び量を含む、特定の特性を有するEUV又は軟X線(例えば、約13.5nm近傍)放出プラズマを生成する。
【0011】
光源はまた、コレクタ30、例えば、レーザ光が照射部位28に入るためのアパーチャを備えた、例えば切頭楕円の形態の反射体などのコレクタ30を含むことができる。コレクタシステムの実施形態は、以下並びに上記で引用された同時係属出願で詳細に説明されている。コレクタ30は、例えば、プラズマ開始部位28に第1の焦点を有し、いわゆる中間点40(中間焦点40とも呼ぶ)に第2の焦点を有する楕円ミラーとすることができ、ここでEUV光が光源から出力されて、例えば集積回路リソグラフィツール(図示せず)に入力される。システム20はまた、ターゲット位置検出システム42を含むことができる。パルスシステム22は、例えば発振器レーザシステム44及び増幅器レーザ光システム48を有し、例えば発振器レーザシステム44用磁気反応器切換え式パルス圧縮及びタイミング回路50と、増幅器レーザ光システム48用の磁気反応器切換え式パルス圧縮及びタイミング回路52と、更に、発振器レーザシステム44用のパルス電力タイミングモニタリングシステム54と、増幅器レーザ光システム48用のパルス電力タイミングモニタリングシステム56と共に、二重チャンバガス放電レーザシステムを構成した、例えば主発振器電力増幅器(「MOPA」)を含むことができる。システム20はまた、EUV光源コントローラシステム60を含むことができ、該EUV光源コントローラシステム60はまた、例えばターゲット位置検出フィードバックシステム62及び発射制御システム64、加えて例えばレーザビーム位置決めシステム66を含むことができる。
【0012】
ターゲット位置検出システム42は、複数の液滴撮像装置70、72、74を含むことができ、これらは、ターゲット液滴の位置に対する(例えばプラズマ開始部位に対する)入力を提供し、これらの入力をターゲット位置検出フィードバックシステムに提供し、該ターゲット位置検出フィードバックシステムは、例えばターゲット位置及び軌跡を計算することができ、これから、液滴毎でなく平均値に基づいてターゲット誤差を計算することができ、次いで該ターゲット誤差が入力としてシステムコントローラ60に提供され、該システムコントローラ60は、例えばレーザ位置及び方向補正信号を、例えばレーザビーム位置決めシステム66に供給することができ、該レーザビーム位置決めシステムはこれを使用して、例えばレーザ位置及び方向変更器68の位置及び方向を制御して、例えばレーザビームの焦点を異なる点火ポイント28に変えることができる。入力はまた、ターゲット供給システム24に提供し、例えばコレクタ30の1つの焦点においての所望のプラズマ開始部位からのターゲット(例えば、液体プラズマ源材料の液滴)の位置決め誤差を補正することができる。
【0013】
撮像装置72は、例えばターゲット供給機構92から所望のプラズマ開始部位28までのターゲット液滴94の所望の軌跡経路と位置合わせされた例えば撮像ライン75に沿って照準することができ、撮像装置74及び76は、例えば所望の点火部位28よりも前の経路に沿ってあるポイント80で例えば所要の軌跡経路に沿って交差する交差撮像ライン76及び78に沿って照準することができる。別の代替形態は、上記の引用された同時係属出願において検討されている。
【0014】
ターゲット供給制御システム90は、システムコントローラ60からの信号に応答して、例えば、ターゲット供給機構92によって放出されるターゲット液滴94の放出点及び/又は指示方向を例えば修正して、所望のプラズマ開始部位28に到達するターゲット液滴における誤差を補正することができる。
【0015】
また、中間焦点40又はその近傍にあるEUV光源検出器100は、システムコントローラ60にレーザパルスのタイミング及び焦点のようなものの誤差を示すことができるフィードバックを提供し、ターゲット液滴を有効且つ効率的なLPP EUV光生成の正しい場所及び時間で適正に捉えることができる。
【0016】
ターゲット材料の液体液滴(例えば、液体Sn又はLi)又はXeの冷凍液滴、或いは別の液体(例えば、水又はアルコール又は他の液体)のターゲット材料の懸濁液、又は同様のものの形態でのEUVターゲット供給では、圧電駆動装置を利用して、例えばノズルの形態での毛細管の端部から液滴を振動及び/又は圧搾することが、上記の同時係属の出願において提案されている。しかしながら、圧電素子は、例えば温度限界値(例えば、約250℃を超えないこと)などの動作限界を有し、これによりプラズマ開始がDPPかLPPであるかに関係なく、例えば関連する外形形状に起因してターゲット液滴をプラズマ開始部位に供給する環境において圧電素子を利用できない場合がある。本発明の実施形態の態様によるターゲット供給システムにおける別の形態の液滴発生器液滴形成を図2に見ることができる。
【0017】
ここで図2を参照すると、本発明の実施形態の態様によれば、例えばターゲット液滴供給機構の出力オリフィスから生成された流れにおいて誘起される外乱及び引き継ぐべき粘性を待ち受けずに、及び/又はこれに加えて、提案されるような例えばターゲット液滴供給機構/システムから液滴を引き出すことができる静電液体ターゲット液滴形成/供給機構が概略的に示されている。このようにして、例えば帯電要素を用いて一連の液滴94’が形成及び/又は速度に影響を受けることができ、該帯電要素は、例えば、出力ノズル114(例えば、図4Aに図示されている)の終端、又は液体ターゲット供給毛細管110通路の端部など、出力オリフィス112からある距離を置いて配置されたほぼ平坦な導電性プレート/グリッド104とすることができる。次いで、例えばノズルとプレート/グリッドとの間に印加された印加電圧は、出力オリフィス112と帯電要素104との中間にあり、又はターゲット供給経路においてプレート/グリッド104をほぼ越えてさえ少なくとも部分的に液滴94’の形成及び/又は加速に寄与することができ、更に恐らくは液滴がプレート/グリッド104の孔を通過することを可能にするために電圧をオフにすることを伴う。
【0018】
本発明の実施形態の態様によれば、開示されるEUV光源ターゲット供給システム92は、液体形態であるか、又はターゲット材料(例えば錫又はリチウム)自体の液体を含むことができる液体内に含まれたターゲット材料、或いは、例えば懸濁又は分散状態で液体内に含まれたターゲット材料、又は化合物(例えば、Si(CH3)又は同様のもの)を含む液体ターゲットを含むことができ、表面張力及び粘着及び粘性などの液体の物理的特性並びに例えば温度、圧力、及び雰囲気の環境特性によって、出力オリフィス112を出る特定の液体の流れが自然発生的に又は例えば何らかの外部の影響にある程度起因して、プラズマ開始部位28(図8に図示)へのターゲット液滴供給経路をこのように出た直後又は更にその下方を含む出力オリフィス112を出た後のあるポイントで液滴94’になることができるようになる。液体ターゲット液滴形成材料は、ターゲット液滴材料リザーバ(例えば、図5で示すように212)に貯蔵して、出力オリフィス112に供給することができ、該出力オリフィス112は、例えば、リザーバ212と出力オリフィス112との中間にあるターゲット供給毛細管通路110を通るノズル114内とすることができる。また、本システムは、出力オリフィス112を出る前に又は出たときに流れているターゲット材料質量の少なくとも一部に電荷を印加するために、ターゲット材料帯電機構、例えば毛細管110とオリフィス112に対して位置決めされた帯電リング102を含むことができる。従って、本発明の実施形態の態様によれば、静電液滴形成機構92は、ターゲット材料上に配置された電荷とは反対に帯電され、出力オリフィス112を出るようにターゲット材料を誘起して、出力オリフィス112又は出力オリフィス112と静電電荷プレート104との中間で液滴94’を形成するように位置付けられた帯電要素104を含むことができる。
【0019】
従来の圧電性誘導と比較して液体液滴ターゲット液滴発生器92のより高温での作動を可能にするために、出願人らは、例えば圧電アクチュエータ材料(例えば、圧電性結晶又は圧電セラミック素子)を用いるのではなく、磁気歪み(又は電気歪み)を利用してターゲット供給組立体92内のノズル110を振動及び/又は圧搾することを提案する。これは、磁気歪み(又は電気歪み)材料のキューリー温度が圧電材料の場合よりも高くなることができるので、温度限界の観点から有利である。
【0020】
出願人らは、当該磁気歪み(及び/又は電気歪み)材料122、122’’、122’’’が、十分に高い使用温度及び周波数並びに歪み特性を有すると判断しており、圧電材料と同じ又は同様の起動力を有する妥当な印加磁界(又は電界)で所要のパワーを供給することができるようになる。図3、図4、図4Aに示す本発明の実施形態の態様によれば、例えば、磁気/電気歪み材料122、122’’、122’’’、液体リザーバ(図3、図4、図4Aでは図示せず)、及び、例えば、磁界を得るためにコイル124によって生成される外部場の特定の外形形状、及び磁界が具体的にどのように生成され、変調されるかは当業者には理解されるであろう。
【0021】
磁気歪み/電気歪みは、材料の形状又はサイズが変わる現象、例えば、電圧が全体に印加されたときに圧電材料が動作するのと同じだけ外部磁界/電界によって例えば1つ又はそれ以上の軸で延伸する現象である。図3、図4、図4Aは、こうした形状の変化、例えば延伸/収縮、又は肉薄化/肉厚化或いはその両方を利用して、例えば、出力オリフィス112を有するノズル114内で終端する毛細管110内にエネルギーを結合することによって、液滴94形成を刺激することができる構成の3つの実施可能な実施例の概略図を示す。本発明の実施形態の態様によれば、印加された波長に応じて、図3、図4、図4Aのターゲット供給機構は、例えば毛細管110の長手方向軸を横切る振動刺激で、例えば毛細管110に対する刺激を連続的に変調することができ、例えば、他の変調ではノズル112から出る噴出流を一連の液滴94に分解させるか、又は代替的に、例えば「オンデマンド液滴」モードでノズルオリフィス112に個々の液滴を生成させる。
【0022】
本発明の実施形態の態様によれば、図3は、例えば磁気歪み材料の中実ロッド122を液滴発生器92毛細管110の側面に本質的に接合して、コイル124で巻いて所要の磁界/電界を誘起することができる側面刺激方法及び装置120の実施例を概略的に示す。例えば、組立体92を囲む遮蔽体(図示せず)を利用して磁界/電界を閉じ込めることができる。毛細管110の側壁部に接するロッド122の伸縮又はその逆によって生成された力を結合することの詳細は、当業者には理解されるであろう。更に、この実施形態は、毛細管112を振動させて、例えば液体ターゲット材料に印加される圧力などの他の液滴形成の影響と共に液滴形成を引き起こし及び/又は影響を与えることは理解することができる。
【0023】
本発明の実施形態の態様によれば、環状の概念が図4に概略的に示されており、ここでは、例えば磁気歪み又は電気歪み性材料の例えば円筒管122を液滴毛細管110の周りに結合させることができる。ここでは、例えば、毛細管に対する負圧及び正圧の両方を可能にするのに利用される初期バイアスと共に、材料122の肉薄化又は肉厚化を用いることができる。また、材料112の肉厚化又は肉薄化、すなわち、毛細管110長手方向軸にほぼ垂直な方向の膨張又は収縮の後、収縮/膨張を用いることができる。毛細管110の長手方向軸に垂直な毛細管110に対する結果として生じる圧搾作用は、例えば本出願の他の場所で論じるように、例えば、他の液滴形成機構、例えば毛細管110への液体の供給の背圧、静電液滴誘起、又は同様のものと組み合わせて、ノズルオリフィス112を出る材料の流れを変調してノズル112を出る液体の流れにおいて形成される液滴のタイミング、間隔、サイズなどに影響を与えるよう機能することができる。同様に、この機構は、同様に例えばオンデマンド形成の液滴に関する液滴のタイミング、間隔、サイズなどと共に、例えば、「オンデマンド液滴」動作モードで形成して強制的にノズル112から出す液滴の誘起を引き起こすか又は寄与することができる。ここでもまた、磁界/電界の遮蔽体(図示せず)を利用することができる。
【0024】
本発明の実施形態の態様によれば、図4Aは、水平方向に取り付けられた磁気歪み/電気歪み材料122’(図3に例示されるようなもの)と垂直方向/長手方向に取り付けられた磁気歪み/電気歪み材料122’’(図4に例示するように)を組み合わせた利用を概略的に示す。このような実施形態は、例えば、アクチュエータ材料122’の励起によって毛細管を振動させ、アクチュエータ材料122’’の励起によって毛細管を圧搾及び/又は振動させるように機能することができ、例えばオンデマンド液滴モードで又は同時にノズル112において出力噴出に作用するか、又は液滴を開始することによって液滴形成に対するアクチュエータ作用の組み合わせを選択的に変調し、アクチュエータ材料122’、122’’のいずれか一方を刺激して、EUV光源20においてノズル112からプラズマ開始部位28に向かって出る流れ/液滴の操向に少なくともある程度影響を及ぼすことができ、これはまた、図3及び図4に概略的に示す実施形態にも当てはめることができる。
【0025】
懸濁状態であるか又は他の方法で液滴中に取り込まれた金属など、液体金属液滴及び/又はターゲット材料を有する液体の液滴は、例えばリチウム及び錫を含む、プラズマ発生又は生成式EUV光発生装置20用の放射線源要素として魅力的である。一例として、リチウムのような原材料は、例えば、図3、図4、及び図4Aに概略的に示すように、ノズル114の端部で小径(10から100ミリメートル)の出力オリフィス112を介した噴出によって、液体リチウムの液滴又は液滴発生用の別の液体中のリチウム懸濁物の形態でプラズマ開始部位28に供給される。しかしながら、懸念すべきことは、例えば酸素、窒素、水蒸気などとのプラズマ原材料の反応生成物によるプラズマ原材料(例えば、液体リチウム)の汚染である場合が多い。このような化合物は、液体金属中では溶解されず、ノズルオリフィス112の閉塞を引き起こす可能性がある。
【0026】
従って、出願人らは、本発明の実施形態の態様に従って、例えば、溶融プラズマ原材料(例えばリチウム)内で供給容器の底部、又は、例えば液体プラズマ原材料の高表面張力によってノズル114の出力オリフィス112の表面にある不溶性化合物を除去するリチウムクリーニングの手順を提案する。この手順はまた、例えば、特定の提案修正形態を含むことができる。本発明の実施形態の態様によれば、EUV光源ターゲット液滴発生器92内への装荷中の液体プラズマ源材料(例えばリチウム)をクリーニングすることによって、例えば、液体リチウム液滴94の供給において、ターゲット液滴発生器92の信頼性を向上させることができる。
【0027】
ここで図5及び図6を参照すると、例えば、液体プラズマ源材料がフィルタ214を介して上部容器211から底部液体ターゲット材料供給カートリッジ212に流れている状態で、例えばリチウム及び錫などの金属である液体原材料の不溶性化合物をクリーニングする装置及び方法が部分的に概略的且つ断面で示されている。カートリッジ212は、プラズマ原材料液滴供給システム92の一部とすることができる。フィルタ214は、例えば、メッシュ又は焼結要素215を使用することができ、メッシュが0.5〜7μm、ノズル114出力オリフィス112が20〜100μmなど、フィルタ処理サイズは、ノズル114出力オリフィス112の直径よりもはるかに小さい。最初に、容器211、212は、例えば加圧することができるパージガス供給源148から供給されるパージガス(例えば、アルゴン又はヘリウムなどの希ガス)を利用して、例えば、ポンピングポート141、142及びポンピング弁143、144、145を使用したターボポンプ147のポンピングにより高温で逆流洗浄することができる。
【0028】
例えば、本出願の他の場所で検討するように、プラズマ原材料を例えば着脱式カバー220を介して容器212に挿入し、プラズマ原材料(例えば、リチウム)を溶融して液体プラズマ源材料213を形成した後、プラズマ原材料は、例えば、弁145を閉じた状態で弁146及び143を介してガス容器148から容器211に供給される不活性ガス(例えば、Ar、He)によって生成された2つの容器間圧力差によって駆動されて、容器211からカートリッジ212内に流れることができる。その後、液体(例えば、リチウム)213は、容器211の底部にある小径オリフィス224を通って流れることができる。小径オリフィス224(直径1μm以下)を囲むニップル222は、容器211の底面から又は容器211の底部の端ぐり部223から持ち上げることができ、例えば図6に示すような円錐形状を有することができる。このようにして、重化合物及び金属塊を容器211の底面及び/又は端ぐり部223に配向することができ、従って、容器211内のオリフィス224を通って流れること、及びフィルタ214内の微細メッシュフィルタ要素215を閉塞させることが回避される。
【0029】
液体金属原材料を移動させるガス圧に加えて、例えば、このような材料の移動に一般的に使用される機械的可動部分がない電磁ポンプでポンピングを利用することができる。
【0030】
溶融原材料(例えば、リチウム)は、例えば、異なる密度又はその両方の表面張力に起因して、表面上に不溶性被膜230を有することができる。被膜230は、有機生成物と、溶融原材料(例えば、リチウム又は錫)の高い表面張力に起因して表面上に残る幾つかの不溶性無機化合物から構成することができる。被膜230は、例えば、各部が液体213中に沈降してオリフィス224に入った場合には、微細なフィルタ214をも閉塞させる可能性があり、又は、オリフィス224が単に閉塞状態になる可能性がある。このような閉塞又は底部オリフィス224を介した表面被膜320の固体物質の通過を最小限に抑えるために、オリフィス224の直径は、当業者には理解されるように、適切な駆動圧で可能な限り小さくされる(例えば、約1mm程度)。この場合、被膜の大部分は、表面張力作用によって容器壁部に残る。
【0031】
本発明の実施形態の態様によれば、表面被膜230の除去の改善を達成するために、液体プラズマ源材料(例えば、リチウム)は、例えば攪拌機構132を用いて容器211内で回転させることができる。攪拌機構132のこのような回転の結果として、遠心力を用いて、表面被膜230を容器211の側壁部に生じさせることができ、そこで壁部に付着することになる。回転は、例えば、容器211の外側に配置された1つ又はそれ以上の外部コイル131によって生成することができる。適切な位相でコイル131に印加される交流電流(AC誘導モーターに類似)を用いて、溶融リチウム213を通る交番導電電流を生じさせることができる。この電流とコイル131の磁界との相互作用を用いて、液体金属213の回転を引き起こすことができる。
【0032】
別の方法においては、例えば2つ以上がリング(図示せず)に取り付けられ、互いに離間されている場合には、例えばシェル132内に1つ又はそれ以上の永久磁石133を液体金属に配置することができる。この場合、回転(攪拌)は、外部コイル131によっても起動させることができる。当業者によって理解されるように、高い動作温度(最大550℃まで)に耐えることができる磁石が利用可能である。シェル132は、磁気材料が溶融プラズマ原材料と反応するのを保護するために適当な材料で作ることができる。
【0033】
ここで図9及び図10を参照すると、実施可能な代替の攪拌要素240及び250が部分的に概略的且つ断面で示されており、攪拌要素240は、ブレード242を有し、容器211の内壁から延びるか又は着脱可能な上部220と一体化されたブラケット(図示せず)から懸架されるプロペラシャフト244上に回転可能に取り付けられたプロペラを含む。プロペラ240は、上述のようにコイル131を通る電流によって構成された回転磁界によって誘導的に回転することができる。攪拌器250は、例えば、シャフト252上に取り付けられ、例えば、容器211の外部にあるソレノイドアクチュエータ254により上下移動するように作動される中空シリンダ250を含むことができる。
【0034】
本発明の実施形態の態様に従って、出願人らは、EUV光源プラズマ発生チャンバの内側に有害なリチウム化合物を形成する可能性のある化合物が、チャンバに入るか、又は他の場合に反応性プラズマ原材料もしくは後で反応性プラズマ材料(例えば、リチウム)に露出されることになるシステム構成要素に露出される機会を得る前に、これらの化合物から希ガスをクリーニングするゲッタとしてこの反応性プラズマ原材料(例えば、リチウム)を使用することを提案する。
【0035】
本発明の実施形態の態様によれば、例えば放射素子としてのLi又はSnに基づいた、例えば液体プラズマターゲット原材料を用いたEUV光発生器での用途における希ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム)のクリーニングは、光学素子(例えば、多層ミラー及び様々なウィンドウ)の寿命を延ばし、及び液滴発生器の信頼性をも向上させることができる。アルゴン、ヘリウム又はその他などの希ガスは、例えば、容器逆流洗浄、又は液滴発生駆動圧力印加ガス用にプラズマ生成式EUV光発生器で使用することができる。プラズマ原材料が反応性のもの(例えば、リチウム及びある範囲の錫)である場合、不活性ガス内における、酸素、窒素、水、有機蒸気などの僅かな汚染は、リチウムベースの化合物(例えば、酸化リチウム、窒化リチウム、水酸化リチウム)の形成につながる可能性がある。このような化合物は、液滴発生器92のノズル112を閉塞させるか、又は、例えば光学素子(例えば、ミラー及びウィンドウ)上に堆積して、反応性/透過性劣化を引き起こす可能性がある。通常、高純度アルゴンにおいて、例えば、供給者(例えば、Spectra Gases、Inc)は、汚染物質の濃度がある限界値、例えば4ppmのN2、0.5ppmのO2、及び0.5ppmのH2Oよりも高くないことを保証することができる。
【0036】
反応性プラズマ原材料(例えば、リチウム)は、例えば、希ガス内に含まれるこのような不純物と活発に反応して、望ましくない場所(例えば、EUV光源発生チャンバ光学素子上)に堆積した場合、除去するのが困難とすることができる安定した化合物を形成することができる。しかしながら同時に、例えば、図7に一部概略的に示す本発明の実施形態の態様によれば、他の材料との反応におけるこの強い傾向を利用して、溶融プラズマ原材料(例えば、リチウム)又はこのような不純物の1つ又はそれ以上と十分に反応性のある別の材料が収容された少なくとも1つの容器に希ガスを通すことによって、該希ガスをクリーニングすることができる。異なる容器内のリチウム又はこのような他の液体材料もしくはこのような材料の組み合わせは各々、例えば容器262a、b内に保持して、図6に例示的に示すようなEUV光源発生器希ガスクリーニング装置260を形成することができる。反応性液体プラズマ源材料(例えば、リチウム)は、例えば、容器252a−dの各々において200〜300℃の温度に保持される。この温度では、反応性EUVプラズマ原材料(例えば、リチウム)の形成化合物は安定しており、溶融金属内に残ることになる。一方、反応(N22、O22、H22Oとの)の殆どには活性化エネルギーはなく、従って、反応速度は、温度にあまり依存しない(例えば、指数因子はない)。従って、ガス流と溶融リチウムとの相互作用の十分に長い時間を提供するために、リチウムは複数の容器252a−d内に保持することができ、ガス流入口254から発生するガスは、入口管270を通ってそれぞれの容器252a−d内の液体280の底部に通ることによって、各連続的な容器252a−dにおいて液体リチウムを介して気泡化され、1つの容器252a−cから除去されて、複数のガス移送器256のそれぞれを介して次の容器252b−d内に挿入され、希ガス不純物と反応性プラズマ原材料(例えば、リチウム)の化合物から実質的に完全にクリーニングされたガス流出口258から見えなくなる。従って、希ガスからEUVシステム内に導入される不純物に起因して、希ガスに実質的に曝されるプラズマ生成EUV光源機械の領域内にこのような化合物が形成される確率は、大幅に低減されるか、又はゼロとなる。
【0037】
例えばLiの場合、攪拌は、例えば、遠心力及び/又は容器側壁部に対する波の作用によって中心部オリフィスを通るリチウム化合物の流れを防止することになる点は理解されるであろう。あらゆるこうした化合物よりも低い比重(例えば、0.5/cm3)を有するプラズマターゲット原材料(例えば、リチウム)は、特に遠心力を受けて化合物が容器の壁部に移動するときに容器の中心部に向かって停留する傾向がある。このような攪拌は、ターゲット原材料を保持するあらゆる容器において利用することができる。
【0038】
本発明の実施形態の態様に従って、出願人らは、図8に概略的に示すターゲット供給システム92を提案する。図8に示すように、ターゲット液滴94の帯電及び偏向は、例えば、LPP EUV光源のプラズマ領域28において液滴数を低減する。図8に示すように、非帯電液滴94’’は、プラズマ領域28に送られ、一方、帯電液滴94’は、例えば、液滴94’と同じ電荷で帯電された帯電偏向プレートを使用することによって偏向される。従って、本システムは、帯電液滴に及ぼす帯電プラズマ領域と、プラズマ領域に付随する電界の影響を最小限に抑えることができる。
【0039】
また、本発明の実施形態の態様による帯電及び偏向概念はまた、図7に示す実施形態とは対照的に、液滴94’をプラズマ領域28内に偏向させ、非帯電液滴94’’をプラズマ領域を通らない別個の経路を移動させることが企図される。図8の実施形態においては、帯電液滴94’は、プラズマ領域28から外に偏向され、非帯電液滴94’’は、駆動レーザによって照射されてプラズマ開始部位28にてプラズマを生成するようにする。図7の実施形態においては、ターゲット液滴94’’上でのゼロに近い電荷の相互作用は、プラズマ開始部位28内のプラズマ又は他の要素によって発生させることができる電界と帯電液滴が相互作用する場合よりも少なくなり、本出願でも検討するようにプラズマ開始部位28の近傍で例えば帯電グリッドを用いてデブリが軽減されることになる。本発明の実施形態の態様によれば、電荷による偏向は、帯電状態にすることができる様々なプラズマ原材料(例えば、錫及びリチウム、その化合物、及びその溶液/懸濁液)と共に用いることができる。
【0040】
本発明の実施形態の態様によれば、例えば、液滴がノズルオリフィス112を出る流れから形成される実施形態においては、液滴形成ノズル114のオリフィス112から流れるプラズマ原材料の噴出は、当技術分野で知られるように、液滴が形成し始める分断地点直前で帯電される。流れ(図示せず)は、例えば、帯電リング又は板102によって帯電することができ、液滴94が流れから分断されたときに帯電液滴94’又は非帯電液滴94’’が形成されるようになる。このような場合、帯電プレート102に印加された電圧を変調させて、流れ(図示せず)から出現して帯電液滴間で分散された特定数の非帯電液滴になるか、又はその逆の液滴の所望の選択を得ることによって、種々の長さの流れを帯電し、又は非帯電にすることができる。或いは、例えば上述のようなオンデマンド液滴モードにおいては、電荷プレートは、個々の液滴生成とのタイミングを合わせて変調することができる。従って、この後、液滴94のうち、例えば、帯電液滴94’’が偏向プレート96を通過するときに帯電液滴94’’を構成するものは、プラズマ開始部位28から離れるよう操向することができ、液滴94のうちの非帯電液滴94’であるものは、この経路から操向されず、プラズマ開始部位で駆動レーザが衝突する。或いは、液滴94’’は、ターゲット開始部位への経路上に操向することができ、非操向液滴は、ターゲット開始部位から離される軌道上に留まる。
【0041】
このようにして、例えば、特定のサイズの液滴用の液滴発生器が望ましくない液滴周波数及び間隔を有する場合、一部の液滴は、プラズマ開始部位から十分に離れて移動するように操向(又は非操向)し、例えば、ターゲット液滴であることを意図しないときにターゲット液滴として誤って追跡されることによって、測定ユニット(例えばターゲット追跡及びレーザ発射タイミング測定)を妨げ/混乱させないようにし、及び/又は、パルスが形成されるときにプラズマ開始時にプラズマによってゾル影響を受けるのに十分に近接していることに起因して、実際のターゲット液滴でのプラズマ形成の影響で散乱されることによって追加のデブリを生成しないようにすることができる。
【0042】
液滴刺激用PZTアクチュエータに基づくEUVプラズマ源液体ターゲット材料供給用に使用可能な液体金属液滴発生器については、例えば、連続的なオンデマンド液滴(「DoD」)モードとこの潜在的な欠点の両方において、本出願の他の場所で検討している。PZTは、例えば、液体金属流を出力ノズルとその出力オリフィスに導く毛細管に取り付けることができる。この装置の使用温度は、PZTなどの使用された当該の材料、及び、PZTが毛細管及び/又はノズルと接触した状態で機械的組立体を生成するのに使用される接着剤及び同様のものによっても制限される可能性があり、例えば約250℃を超えない場合がある。これによって、最大使用温度は金属の凝固温度(Snの場合は231℃、Liの場合は181℃)に近いので、液体金属プラズマ原材料(例えば、Sn又はLi)液滴発生の熱管理が複雑になる可能性がある。
【0043】
本発明の実施形態の態様に従って、出願人らは、図11に部分的に概略的に示す本発明の実施形態を含む、上記に対する特定の解決策を提案する。図11を参照すると、例えば、プラズマ源を発生させる液体金属EUV用液滴発生器の信頼性、安定性、寿命の改善を結果としてもたらすことができる機構が示されている。例えば連続的液滴発生器の増大する実施可能な高い動作温度、例えばプラズマ源液体液滴材料として使用される液体金属の凝固温度を有意に超える温度では、出願人らは、例えば安定した液滴直径を有する刺激液滴噴出を提供することに基づいて提案しており、液滴間の分離は、定期的な外乱力を液体プラズマ源材料液体に加えて、例えばノズルを通る噴出の流れの変調を行い、及び/又は与え及び/又は変調し、又は助けることによって生成することができる。
【0044】
本発明の実施形態の態様による外乱力の頻度は、例えば、(第1の近似において)噴出速度とノズルオリフィス直径の関数、例えば(f=速度/4.5*直径)として定義される、例えば、液滴形成の平均的な自然発生的な頻度に近づけることができる。この式における定数は、例えば、約4〜6の間で自然に又は介入によって変わり、自然発生頻度を変えることができる。出願人らは、図11に概略的に示すように、例えば薄肉の毛細管110を流れて導電液体プラズマ源材料415を通る電流と毛細管110に印加された外部電界との相互作用によって、外乱を生成することができることを提案する。図11は、磁力の作用による液体金属噴出(図示せず)の刺激におけるこのような液滴発生装置92の一例として示す。この実施例においては、2つの極(421、422)を有する電磁石423によって外部永久磁界420を生成することができる。次いで、液体金属415が毛細管110を流れるように誘導し、毛細管110は、誘電壁部(例えば、Al23又はAl又はAlNなど、適切なセラミックスで作られる)を含むことができる。
【0045】
その後、AC電圧発生器424の交番電圧をノズル414を通って噴出する液体金属415と接触する2つの電極412、413に印加することができ、また、ノズルは、適切な誘電材又は金属で作ることができ、又は電極413から絶縁することができ、本出願の他の場所で検討しているように、一部又は全てを別個に帯電させることができる。
【0046】
全ての利用される材料は、例えば、適用に応じてSn又はLiの凝固温度よりもはるかに高い使用温度を有するように選択することができる。
【0047】
或いは、本発明の実施形態の態様によれば、図11の装置92は、DC又はパルスDCである液体金属215を通る電流を含むことができ、外部磁界は交番であり、電流がパルスDCにされる場合に適切な位相とすることができ、及び/又は、DC電圧がパルスであるときに磁気外乱(誘導EMF力)で流れを誘導するように適切に変調することができ、或いは更に、電流及び磁界の両方を当業者には理解されるように、適切な位相で交番とすることができる。
【0048】
例えば、アンペアの法則によれば、電流に作用する力はB*L*Iであり、ここでBは、磁束密度(Tesla単位)、Lは電流Iと相互作用する磁界ゾーンの長さであり、一例として、磁界線は電流に対して垂直方向であって、磁界は長さL全体にわたって均一であると想定する。その結果、外乱力は、磁界と電流の両方に対して垂直方向になる。例示的な同等の圧力は、相互作用ゾーンに対応する外乱力と毛細管壁面積(3.14*r*L)との比として求めることができる。従って、例示的な同等の外乱圧力は、(B*I)/(3.14*r)に等しいとすることができる。直径1mm、B=0.5T、I=1Aの毛細管110の場合、同等の圧力は、≪320Paとなる。
【0049】
印加電流は、例えば、液体金属215の抵抗加熱によって発生する可能性がある、装置92の熱管理に関する問題を引き起こさないように選択することができる。例えば、1mmの例示的なチャンネル直径及び長さ1cmの場合、液体Li又はSnの抵抗は、約1mOhm台となり、従って、加熱パワー1mWほどの低さとすることができる。従って、一方又は両方を変調して液体中に起電力を誘起することができる直交する電束及び磁束のターゲット液体プラズマ原材料内での起電力の誘起は、定常の噴出流(一定の所定の液滴発生頻度)又はオンデマンド液滴(「DoD」)モードで液体プラズマ源材料を強制的に液滴発生器オリフィスから出すために利用され、及び/又は、当業者には理解されるように、本出願で検討される他の液滴発生力生成構成、例えば、液体プラズマ源材料への印加圧力、毛細管操作及び/又は圧搾及び同様のものと共に用いることができる。
【0050】
ここで図12を参照すると、本発明の実施形態の態様による湿潤障壁が示されている。例えば、ピンホールノズルを介して液体金属を噴出させる際に、出願人らは、ノズル周りの前方側面の湿潤は重要な問題であることが分かった。本発明の実施形態の態様によれば、出願人らは、ノズルオリフィスの周りに湿潤障壁を作ることを提案しており、これによって、たとえ、湿潤によって完全には排除できないにしても、制御することができる。特定の材料によって前方側面の湿潤化を大幅に低減されることになるが、出願人らは、オリフィスに近接してデブリ発生プラズマが存在することは、オリフィス及びその周囲に選択される材料とは関係なく、最終的にはオリフィスをコートして経時的に湿潤を促進させることができると考えている。出願人らは、湿潤化それ自体は大きな問題ではないが、不規則且つ不定の湿潤化は、これが生じると液滴形成における安定性、すなわち例えば、オリフィスを出る液体ターゲット材料の液滴形成放出噴出における不安定性を引き起こす可能性があることが分かっている。加えて、例えば、ある程度の休止時間後に、湿潤化が、オリフィスを出る噴出に対する閉塞が形成される可能性がある。
【0051】
図12に示すような本発明の実施形態の態様に従って、出願人らは、例えば、円形アニュラス352とすることができるオリフィス112周りのアニュラスでノズル114オリフィス112を囲む表面と液滴が形成する湿潤角度を制御することによって湿潤化を制御する液体原材料出力量に関連する湿潤障壁を提案する。従って、液滴材料(例えば、溶融リチウム)が湿潤化されると、すなわちオリフィス周りの表面に付着して液滴のこのような付着領域を外方に広げると、溝352は、当業者によって理解されるように、湿潤化が停止するように液滴表面形状を依然として示す液滴材料の部分とこの表面形状部に隣接する表面との間の湿潤角度を修正することになる。
【0052】
また、これは、過剰な湿潤化によって現在も制限されているので噴出のより良好な開始/停止能力を可能にすることができ、この後では、広い湿潤化区域の表面張力は噴出が対処するには大きすぎるので噴出を開始することはできない。
【0053】
この点に関してアニュラスは、完全な環状リングを超えて、例えばリングの円弧を形成し、互いから且つオリフィス112から離間された一連の湾曲スロットを覆うことができ、その結果、液滴とオリフィスを囲む表面との間の湿潤境界部の周囲の十分な部分にわたって液滴の湿潤化が阻まれ、湿潤周囲の連続する膨張及び湿潤自体の連続膨張が阻まれるようになることは、当業者には理解されるであろう。
【0054】
更に、この「アニュラス」湿潤障壁は、オリフィスの周辺で環状溝以外に、例えば、矩形、楕円、三角形、その他の幾何構造とすることができ、これにより湿潤周囲の成長が十分に阻まれて、結果として例えば上述の湿潤化の望ましくない影響をもたらす液滴の湿潤膨張を阻止するようにする。そのため、このような状況においては、湿潤障壁は、どのような形状であれオリフィスを完全に囲み且つ破壊しないように囲むことができ、又は、オリフィスを囲むが、上述したようにオリフィス周りは破断した不完全な周辺構造体戸することができる。
【0055】
本発明の実施形態の態様によれば、EUV源としての原材料(例えば、錫又はリチウム)は、例えば、プラズマ形成チャンバにおけるリチウム化合物又は他の物質と汚染物質との化合物の形態での汚染物質の堆積に起因して、多層ミラーの反射率において許容可能な劣化率の要件に適合するために、約1ppmを下回る汚染物質濃度を有するべきである。約550℃において、リチウムを例えばNa又はKから浄化する従来技術による浄化方法は、Na及びKがLiよりも高い蒸発圧を有し、且つ液体リチウムから蒸発するので有効である。本発明の実施形態の態様によれば、この方法は、限定的な温度において、特に液体ターゲット材料ターゲット供給システムでの使用におけるプラズマ原材料の蒸発によって、プラズマ原材料を他の材料(Fe、Si、Al、Ni)から浄化するように拡張することができる。これは、例えば、不純要素を含む原材料化合物の形態でプラズマ形成によるデブリに露出されるプラズマ形成チャンバにおける光学素子の使用可能な寿命に有意に影響を与える可能性がある。
【0056】
図13に概略的に示す本発明の実施形態の態様に従って、出願人らは、蒸気圧の関連する不純物の温度への依存性により、700℃から900℃の範囲の温度では、リチウムの蒸発速度がAl、FE、Si、及びNiなどの不純物の蒸発速度を6桁も上回ることが示される点を利用するように提案する。リチウムの蒸発速度は、EUV源に必要とされるリチウム消費率を実現するのに十分に高いものである。従って、リチウムの場合、浄化システム290における蒸留物の浄化は、例えば2段階で行なうことができる。第1の段階では、NaとKの蒸発が、リチウムなどの液体プラズマ源材料310を収容する容器292内に維持され、且つ加熱コイル又はブランケット304によって加熱された550〜600℃の温度で生じる。蒸留のこの段階を達成した後、弁300が開き、弁302が閉じた状態で、第2の容器294、すなわち凝縮Na、K、及びLiを有する容器294は、弁300を閉じることによってLi容器292から封止することができる。第2の段階では、容器292は、例えば、最大700〜900℃まで加熱することができ、液体プラズマ源材料(例えば、リチウム)は、集中的に蒸発させて、システムの別の部分、例えば別の用途おいて(例えば、液滴発生器でターゲット液滴を生成する際に)ターゲット液滴供給システム92の図5及び図6に関して上記で検討した原材料リザーバ211内に移送することができる。第2の蒸発中の温度範囲は、本発明の実施形態の態様によれば、例えば、所望の材料(例えば、窒化リチウム)の溶融及び分解を防止して、例えば原材料(例えば、リチウム)も窒素から浄化させることができるようにするために、何らかの選択上限値(例えば、800℃)に制限することができる。今説明したばかりの蒸留方法は、例えばプラズマ形成チャンバ内のEUV光学素子(例えば、多層ミラー(「MLM」))の長寿命に必要とされる超クリーン状態で作動する例えばリチウム供給システムでの材料移送に用いることができる。
【0057】
本発明の実施形態の態様に従って、出願人らは、現在提案中の液体金属液滴発生器の動作において、長い時間期間にわたって液滴安定性を維持するために、閉ループフィードバック及び制御が必要であることが分かった。出願人らは、安定した液滴動作を例えば液滴形成の固定頻度及び選択液滴間隔で維持する閉ループ制御システムを提案する。特定の頻度及びオリフィスサイズにおいては、安定した液滴動作には、ノズルオリフィスからの特定の液滴流体出口速度、例えば、約4.5*噴出直径*頻度が必要となる。また、印加圧力と結果として得られる速度との間に関連性がある。しかしながら、システムが経年変化するにつれて、安定した動作を維持するために圧力を変えることが必要となる圧力損失及びサイズ差異が生じる可能性がある。出願人らは、本発明の実施形態の態様に従って、所与の頻度で最適な安定性を維持するように圧力を制御するシステムを提案する。
【0058】
図14を参照すると、本発明の実施形態の態様による液滴安定性システム360が概略的に示されている。例えば、移動中のターゲット液滴94の画像のぼけを最小限に抑えるように選択することができる短露出時間撮像システム362を使用して、例えば、液滴94の流れの画像を取得して、これらの画像に基づいて、液滴94のサイズ及び間隔を連続的に計算することができる。
【0059】
固定頻度で且つサイズの変化がない場合、最適な間隔を維持するように圧力を制御することができ、システムを変化させるフィルタ損失などのあらゆる変化を補正して、出力オリフィスでの圧力を変化させて上流側に戻る所与の印加圧力を得るようにする。例えば、噴出の直径の変化に起因して、小さなサイズ変化が起こった場合、例えば、新しい噴出直径を考慮した正しい間隔を維持するように、圧力を変えることができる。
【0060】
撮像システム362は、液滴周波数で、又は、画像プロセッサ374によって解析することができる平均的又は周期的なサンプルを取得するのに十分な周期の十分な速度で液滴94を撮像するために、例えば、高速カメラ364、又は短い時間期間中にある高速ストロボ周波数でのストロボ点滅ライトを有するストロボを含むことができ、画像プロセッサ374は、間隔を含む液滴の相対的なサイズ及び位置に関係する情報を、液滴単位で又は特性を有する全てではないが一部の液滴を選択するためにストロボを用いて生成することができる画像プロセッサを含むことができる。また、撮像装置と組み合わせたプロセッサはまた、例えば空間中のある地点、例えば所望のプラズマ開始部位に関して撮像された液滴に関する空間的な位置情報を提供することができる。画像のフィールドは、例えば、液滴サイズと間隔の決定に有用な少なくとも2つの連続した液滴又は相当物を含むのに十分なサイズとすることができ、この情報は、コントローラ376に供給することができ、該コントローラ376は、例えば、制御信号(例えば、圧力制御信号370)を液滴発生器92に供給するようにプログラムされている適切なプログラムマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含むことができる。
【0061】
当業者は、本発明の実施形態の態様に従って、出願人らがEUV液体ターゲット供給機構/システムを企図しており、ここで、例えば静電液体ターゲット小形成機構は、例えば、誘起外乱と、例えばターゲット液滴供給機構/システムの出力オリフィスから生成された流れで引き継ぐ粘性とを待ち受けるのではなく、及び/又は待ち受けることに加えて、液滴をターゲット液滴供給機構/システムから引き出すことができることを理解するであろう。このようにして、例えば帯電要素を用いて一連の液滴が形成及び/又は速度に影響を受けることができ、帯電要素は、例えば、出力オリフィス(例えば、ノズル)からある距離を置いて配置され、且つ液体ターゲット供給毛細管通路の端部にあるほぼ平坦な導電性プレート/グリッドとすることができる。次いで、例えばノズルとプレート/グリッドとの間に印加された印加電圧は、出力オリフィスと帯電要素との中間にあり、又はターゲット供給経路においてプレート/グリッドをほぼ越えてさえ少なくとも部分的に液滴94’の形成及び/又は加速に寄与することができ、更に恐らくは液滴がプレート/グリッド104の孔を通過することを可能にするために電圧をオフにすることを伴う。
【0062】
本発明の実施形態の態様によれば、開示されるEUV光源ターゲット供給システムは、液体形態であるか、又はターゲット材料(例えば、錫又はリチウム)自体の液体を上述のように含むことができる液体内に含まれたターゲット材料、或いは、懸濁、分散、又は溶液状態で液体内に含まれたターゲット材料を含むことができ、表面張力及び粘着及び粘性などの液体の物理的特性と、例えば温度、圧力、及び雰囲気などの環境特性とによって、出力オリフィスを出る特定の液体の流れが自然発生的に又は何らかの外部の影響に起因して、プラズマ開始部位へのターゲット液滴供給経路をこのように出た直後又は更にその下方を含む、出力オリフィスを出た後のあるポイントで液滴になることができるようになる。液体ターゲット液滴形成材料は、ターゲット液滴材料リザーバに貯蔵して出力オリフィスに供給することができ、該出力オリフィスは、例えば、リザーバと出力オリフィスとの中間にあるターゲット供給毛細管通路を通るノズルとすることができる。また、本システムは、出力オリフィスを出る前に、又は出たときに流れているターゲット材料質量の少なくとも一部に電荷を印加するために、毛細管とオリフィスとに対して位置決めされたターゲット材料帯電機構を含むことができる。本発明の実施形態の態様によれば、静電液滴形成機構は、ターゲット材料上に配置された電荷とは反対に帯電され、出力オリフィスを出るようにターゲット材料を誘起して、出力オリフィス又は出力オリフィスと静電液滴形成機構との中間で液滴を形成するように位置付けられた帯電要素を含む。
【0063】
本発明の実施形態の態様によれば、出力オリフィスの上流側にある加圧機構は、圧力をターゲット材料に印加して、当業者が理解し、且つその一部が本出願で検討されている種々の方法でターゲット材料を出力オリフィスから強制的に出すことができる。また、加圧機構は、ターゲット材料液体に印加される圧力を変化させる圧力変調器を含むことができる。これは、例えば、プラズマ開始部位に到達する一連のターゲット液滴の液滴速度を増減するため、又は、例えばオンデマンド液滴(「DoD」)において例えばターゲット供給システム出力オリフィスから現れる液滴のタイミングを制御するためにEUV光源システムフィードバック制御に応答して行なうことができる。
【0064】
また、加圧機構は、ターゲット材料液体に対する相対的に一定の圧力を含むことができる。本明細書で使用する一定とは、制御システムの制限内で圧力を調整することを意味し、経時的に又は他の動作上の理由で制御システムの決定に応じて変わる可能性があり、選択設定値を維持し且つこれから決して変化しないように常に選択される単一の固定圧力を意味するものではないことを当業者であれば理解するであろう。
【0065】
また、本発明の実施形態の態様によれば、ターゲット液滴偏向機構を含むことができ、該ターゲット液滴偏向機構は、選択ターゲット液滴を所望のターゲット液滴経路から偏向させる帯電要素と出力オリフィスとの中間にあるターゲット液滴経路に対して横断する電界の形成に関連付けられた少なくとも1つの偏向機構プレートを含むことができる。ターゲット液滴液体に印加される圧力は、出力オリフィスを出る液体ターゲット材料の流れに液滴を形成し、更に出力オリフィスから出るときにターゲット液滴液体から形成されるか、又は、出力オリフィスを出る液体の流れの分断から形成されたターゲット液滴をプラズマ開始部位に供給するのに十分な圧力を含むことができ、静電液滴形成機構は、出力オリフィスとプラズマ開始部位との中間にあるターゲット液滴の速度を少なくともある程度は制御することができる。或いは、例えば、ターゲット液滴材料に印加される圧力は、ターゲット材料を液滴又は液滴に分断される流れとして出力オリフィスから出させるのに十分であるが、当業者には理解されるようにプラズマ開始部位に到達する液滴を形成させない圧力を含むことができ、静電液滴形成機構は、出力オリフィスとプラズマ開始部位との中間にあるターゲット液滴の形成及び/又はターゲット液滴の速度を少なくともある程度は制御することができる。このような圧力は、例えば出力オリフィス全体にわたって液体の表面張力に打ち勝ち、例えば液体を出力オリフィスから分断させることができる十分なものとすることができ、次いで、静電液滴形成機構が、液滴の形成及び加速の両方を助けるのを受け継ぐことができるか、或いは、プラズマ開始部位に到達し及び/又は適切な時間にプラズマ開始部位に到達するのに十分な速度がない状態で、自然発生的に又は静電液滴形成機構帯電プレート/グリッド以外の外部の影響を受けて液滴を形成することができ、プレート/グリッド電荷による加速は、所望のプラズマ形成部位に到達する液滴の制御を引き継ぐことを当業者であれば理解するであろう。同様に、ターゲット液滴材料に印加される圧力は、ターゲット材料を出力オリフィスから出させるのに十分であるが、プラズマ開始部位に到達するような液滴を形成させない圧力を含むことができる。その後、静電液滴形成機構は、出力オリフィスとプラズマ開始部位との中間にあるターゲット液滴の形成及び/又はターゲット液滴の速度を少なくともある程度は制御することができる。また、或いは、ターゲット液滴材料に印加される圧力は、ターゲット材料を出力オリフィスに到達させるのに十分な圧力を含むことができるが、例えば出力オリフィスの出口での液体ターゲット材料に対する表面張力によってターゲット材料を出力オリフィスから出させる程十分な圧力ではなく、その結果、静電液滴形成機構は、出力オリフィスとプラズマ開始部位との中間にあるターゲット液滴の成形及びターゲット液滴の速度を少なくともある程度は制御することができる。
【0066】
上述のように、ターゲット供給システムは、例えば毛細管及びオリフィス/ノズル構成を含む、様々な形式とすることができ、ここでは、例えば、毛細管通路及び/又は出力オリフィス自体に印加される圧力又は振動もしくはその両方に起因して、液体ターゲット材料がターゲット供給システム出力オリフィスを出ると直ちに液滴を形成するか、或いは液体ターゲット材料の流れが出ると自然発生的に液滴に分断することができることは当業者には理解されるであろう。液滴のサイズ及び間隔は、周知のように、ターゲット液滴供給システムの外形形状、ターゲット液体のタイプ及びその特性、ターゲット材料液体に印加される圧力、及び同様のものによってある程度は制御することができる。その後、静電液滴形成機構は、例えば制御システムによっても変更することができるような、例えばある選択液滴形成速度でのいずれかの定常状態の液滴形成において、例えば静電液滴形成機構に向けた液滴形成及び加速の制御を含む、例えば液滴を出力オリフィスから引き出すことによるといった液滴形成を刺激する様々な方法で作用することができる。静電液滴形成機構は、単に、例えば液滴形成流から形成された後で、又は出力オリフィスで形成されるときに液滴を加速させることができ、また、DoDシステムの一部として、液滴形成及び/又は加速に影響を及ぼすことができる。本発明の実施形態の態様によれば、静電液滴形成機構は、帯電要素上の電荷を変調する変調器を含み、液滴形成及び/又は、例えば、ターゲット液滴経路から偏向されていないことにより実質的に所望のターゲット液滴経路に沿って移動する液滴の速度にだけ影響を与えることができる。
【0067】
更に、本発明の実施形態の態様によれば、液体ターゲット材料液滴の形成においてターゲット液滴供給毛細管及び/又はノズルと協働する磁歪材料又は電歪材料を含むターゲット液滴偏向機構を備えることができるEUVプラズマ形成ターゲット供給システムが開示されることは当業者であれば理解されるであろう。ターゲット液滴偏向機構は、磁歪材料又は電歪材料にそれぞれ磁気的又は電気的刺激の印加を変調する変調器を含むことができる。磁歪材料及び/又は電歪材料は、毛細管周りにスリーブを形成し、又は、毛細管の一部に隣接して塊を形成することができ、例えば、前者の場合には、毛細管をスリーブ内で圧搾するようにし、又は後者の場合には、例えば毛細管への押し当てと押し当てないことを交互に行うことによって毛細管を振動させるようにする。変調器は、プラズマ開始部位での照射用に液滴の本質的に一定の流れを生成するように変調し、又はプラズマ開始部位での照射用にオンデマンドで液滴を生成するように変調することができる。
【0068】
また、本発明の実施形態の態様によれば、液体ターゲット供給システムターゲット材料リザーバと、液体ターゲット材料をターゲット材料リザーバに供給するように接続されたターゲット材料浄化システムとを備え、該ターゲット材料浄化システムが、ターゲット材料リザーバと流体接触した第1の容器及び第2の容器と、第1のチャンバと第2のチャンバとの中間にあるフィルタと、第2の容器と協働して関連付けられ、第2の容器内の液体ターゲット材料を回転させて表面被膜を除去し、第2の容器内で液体ターゲット材料を攪拌して表面被膜が液体ターゲット材料の露出面上に形成されるのを防止し、又は液体ターゲット材料の露出面上に形成された表面被膜を除去するように動作する液体ターゲット材料攪拌機構とを含むことができる、EUVターゲット供給システムが開示されることは当業者には理解されるであろう。液体ターゲット材料攪拌機構は、第2の容器の外側に少なくとも部分的に位置決めされた電磁又は磁気攪拌機構を含むことができる。
【0069】
液体ターゲット材料攪拌機構は、電磁又は磁気攪拌機構を含むことができ、その少なくとも一部は第2の容器内に位置決めされ、例えば、旋回機構が第2の容器内に位置決めされ、又はフロッピング機構が第2の容器内に位置決めさる。前者の実施例は、例えば遠心誘導ポンプのものなどの例えばブレードとすることができ、ブレードは、例えば、容器に外部的に発生される回転磁界又は電界によって誘導ポンプの方法で誘導駆動させて、容器内の旋回運動の回転に影響を与え、例えば、ほぼリザーバの中心領域から容器の内壁に向う流れを生成することができる。これは、汚染物質によって壁部に形成された表面被膜を機械的に除去すると共に、中心オリフィスを通る汚染物質の流れを阻止する役目を果たすことができる。フロッピング機構の場合、例えば、液体ターゲット材料の表面上に波を生成して、あらゆる形成中の又は形成された表面被膜を上記の目的で容器壁の方向に移動させるために、例えば、容器の中心軸に平行な方向に駆動されるループ又はシリンダもしくはプランジャを含むことができ、或いは、形成中又は形成された表面被膜の分断に関する同様の理由で中心線軸から容器壁部に向かって半径方向に駆動される要素を含むことができ、これらは全て、第2の容器の外部にある電磁又は磁気駆動装置によって駆動することができる。フィルタは、N2、O2、及び/又はH2Oを有するリチウムの化合物などの液体ターゲット材料から不純物を除去する機構を含むことができる。
【0070】
また、本発明の実施形態の態様によれば、液体ターゲット供給システムターゲット材料リザーバと、不活性ガスを含むリザーバの内部に圧力を印加する不活性ガス加圧ユニットと、不活性ガス供給容器を含むことができる液体ターゲット材料リザーバ内部に不活性ガスを供給するように接続された不活性ガス浄化システムと、不活性ガス内に含まれる不純物と反応する形態でターゲット材料を含み、該不純物と反応して、不活性ガスが液体ターゲット材料リザーバ内の液体ターゲット材料と接触したときにターゲット材料とこのような不純物との間の反応が相当量のターゲット材料不純物化合物を形成するのを防ぐように、このような不純物が実質的に不活性ガスから除去される十分な量で不活性ガスから不純物を除去する、少なくとも1つの浄化チャンバと、を含むことができるEUVターゲット供給システムが開示される点は理解されるであろう。少なくとも1つの浄化チャンバは、複数の浄化チャンバを含むことができる。
【0071】
本発明の実施形態の態様によれば、EUVターゲット供給方法は、不純物チャンバ及びターゲット供給機構液体ターゲット材料リザーバと流体連通し且つ液体原材料を含む蒸発チャンバを準備する段階と、相対的に低い蒸気圧で第1の汚染物質を蒸発させるのに十分な第1の温度まで液体原材料を加熱する段階とを含むことができる。原材料は、例えば、リチウム又は錫を含むことができる。第1の汚染物質は、第1の蒸発チャンバ内で蒸発させるのに十分に低い蒸気圧を有するプラズマ原材料において見出されるNa及び/又はKもしくは類似の不純物を含む群からの材料を含み、このような蒸気圧は、例えばリチウムの蒸気圧を実質的に下回るものである。第2の汚染物質は、第1の蒸発チャンバで蒸発されない十分に高い蒸気圧を有するプラズマ原材料内で見出されるFe、Si、Al、Ni又は類似の不純物を含む群からの材料を含むことができる。例えば700〜900℃では、リチウムは、所要の大量消費率を実現するのに十分に集中的に蒸発する。500℃〜600℃では、不純物、例えばNa及びKは、Liよりもはるかに集中的に蒸発する。
【0072】
本発明の実施形態の態様によれば、入力開口部と出力オリフィスとを有する液体ターゲット材料供給通路を含む液体ターゲット材料供給機構と、入力開口部と出力オリフィスとの中間にある液体ターゲット材料に印加された電界又は磁界もしくは音場或いはこれらの組み合わせの結果として液体ターゲット材料内に外乱力を発生させる外乱起電力発生機構とを含むことができるEUVターゲット供給システムが開示される。外乱起電力発生機構は、液体ターゲット材料を通る電流を発生させる電流発生機構と、液体ターゲット材料を通る電流の流れの方向にほぼ直交する液体ターゲット材料を通る磁界を発生させる磁界発生機構とを含むことができる。また、外乱起電力発生機構は、電流発生機構と磁界発生機構のいずれか一方、又はその両方を変調する変調機構を含むことができる。電流発生機構は、入力開口部と出力オリフィスとの中間にある第1の位置で液体ターゲット材料と電気的に接触している第1の電気接点と、入力開口部と出力オリフィスとの中間にある第2の位置で液体ターゲット材料と電気的に接触している第2の電気接点と、第1及び第2の電気接点に電気的に接続された電流源とを含むことができる。磁界発生機構は、少なくとも1つの永久磁石又は電磁石を含むことができる。変調は、パルス変調又は周期的変調を含む群から選択することができる。
【0073】
更に、ターゲット供給システムは、出力オリフィスを有する液体ターゲット供給液滴形成機構と、出力オリフィスの周辺の湿潤障壁とを含むことができ、出力オリフィスはピンホールノズルを含むことができることは理解されるであろう。湿潤障壁は、例えば、環状リング状溝、またじゃ全体的に環状リング線溝の円弧の形態で互いから離間された一連の溝/スロット、又は、出力オリフィスから離間され且つ出力オリフィス周りの選択形状の連続的な周辺を形成する出力オリフィスを囲む溝、或いは、出力オリフィスから離間され且つ出力オリフィス回りに選択形状の破断周辺部を形成する出力オリフィスを囲む一連の溝といった、出力オリフィスから分離された液体収集構造を含むことができる点は理解されるであろう。
【0074】
上記で開示された本発明の実施形態の態様は、好適な実施形態に過ぎず、本発明の開示内容をどのようにも限定せず、特に特定の好ましい実施形態にのみ限定することを意図するものではないことは、当業者には理解されるであろう。多くの変更及び修正を開示した本発明の実施形態の態様に対して行なうことができ、これは当業者であれば理解され認識されるであろう。添付の請求項は、本発明の実施形態の開示された態様だけではなく、当業者には明らかとなるはずの当該均等物及び他の修正及び変更を対象とすることを意図し意味するものとする。上述の本発明の実施形態の開示され特許請求された態様に対しての変更及び修正に加えて、添付の請求項を企図することができる。
【符号の説明】
【0075】
28 プラズマ開始部位
92 液滴発生装置
94 帯電液滴
96 偏向プレート
102 帯電リング
114 出力ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ターゲット材料液滴の形態でターゲット液滴供給毛細管及び/又は出力オリフィスと協働する磁歪材料又は電歪材料を含むターゲット液滴形成機構を含むことを特徴とするEUVプラズマ形成ターゲット供給システム。
【請求項2】
前記磁歪材料又は電歪材料は、半径方向の膨張及び収縮が前記毛細管と相互作用するように配置される、
ことを更に含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
入力開口部と出力オリフィスとを有する液体ターゲット材料供給通路を含む液体ターゲット材料供給機構と、
前記入力開口部と出力オリフィスとの中間にある前記液体ターゲット材料に印加された電界又は磁界もしくはその組み合わせの結果として前記液体ターゲット材料内で外乱力を発生させる外乱起電力発生機構と、
を含むことを特徴とするEUVターゲット供給システム。
【請求項4】
前記外乱起電力発生機構が、
前記液体ターゲット材料を通る電流を発生させる電流発生機構と、
前記液体ターゲット材料を通る電流の流れの方向にほぼ直交した、前記液体ターゲット材料を通る磁界を発生させる磁界発生機構と、
を含む、
ことを更に含む請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
出力オリフィスを有する液体ターゲット供給液滴形成機構と、
前記出力オリフィスの周辺の湿潤障壁と、
を含む、
ことを特徴とするEUVターゲット供給システム。
【請求項6】
前記湿潤障壁が、前記出力オリフィスから分離された液体回収構造を含む、
ことを更に含む請求項5に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−138364(P2012−138364A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39168(P2012−39168)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【分割の表示】特願2007−557068(P2007−557068)の分割
【原出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(504010648)サイマー インコーポレイテッド (115)
【Fターム(参考)】