説明

FRP製ボデー構造

【課題】FRPにより別々に成形されたアンダーボデーとピラーとの接着強度を十分に確保できるFRP製ボデー構造を提供する。
【解決手段】センターピラーアウタ34の下端側を、センターピラーインナ32の下端側より車体下側まで延設し、また、左右のリアフェンダ下部18の前端上部の車幅方向外側に、被接着部42と、該被接着部42に対して車体下側且つ車幅方向外側にオフセットされた被接着部46とを形成することにより、センターピラーインナ32の下端部の車幅方向内側に設定された接着部32Dを被接着部42に接着し、センターピラーアウタの下端部の車幅方向内側に設定された接着部34Cを被接着部46に接着することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FRP製ボデー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ボデーの全体を、樹脂材により一体成形した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、自動車ボデーの全体をFRP(繊維強化プラスチック)により一体成形する場合には、成形用の型の大型化、複雑化や工法の複雑化等の理由からコストアップとなる。
【0003】
一方で、例えば、アンダーボデーとセンターピラーとを分割して別々にFRPにより成形し、これらを接着する場合等には、これらの接着強度を十分に確保するための対策が必要となる。
【特許文献1】実用新案登録第3108250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、FRPにより別々に成形されたアンダーボデーとピラーとの接着強度を十分に確保できるFRP製ボデー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のFRP製ボデー構造は、FRP製のアンダーボデーの左右両側部から車体上方へ延設された左右一対のFRP製のピラーの車幅方向内側部を構成する左右一対のピラーインナと、左右一対の前記ピラーの車幅方向外側部を構成し、下端側が前記ピラーインナの下端部より車体下側まで延設された左右一対のピラーアウタと、前記アンダーボデーの左右両側部の車幅方向外側に形成され、前記ピラーインナの下端側が接着される左右一対のインナ側被接着部と、前記アンダーボデーの左右両側部の車幅方向外側に、前記インナ側被接着部に対して車体下側且つ車幅方向外側にオフセットして形成され、前記ピラーアウタの下端側が接着される左右一対のアウタ側被接着部と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載のFRP製ボデー構造では、左右一対のFRP製のピラーが、FRP製のアンダーボデーの左右両側部から車体上方へ延設されている。左右一対のピラーの車幅方向内側部は、左右一対のピラーインナにより構成され、左右一対のピラーの車幅方向外側部は、左右一対のピラーアウタにより構成されている。
【0007】
ここで、ピラーアウタの下端側は、ピラーインナの下端部より車体下側まで延設され、また、アンダーボデーの左右両側部の車幅方向外側には、インナ側被接着部と、該インナ側被接着部に対して車体下側且つ車幅方向外側にオフセットされたアウタ側被接着部とが形成されており、ピラーインナの下端側をインナ側被接着部に接着し、ピラーアウタの下端側をアウタ側被接着部に接着することが可能となっている。
【0008】
即ち、左右一対のピラーインナと左右一対のピラーアウタとの双方を、アンダーボデーの左右両側部に接着することが可能であり、これにより、左右一対のピラーとアンダーボデーとの接着面積を確保し、左右一対のピラーとアンダーボデーとの接着強度を確保することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載のFRP製ボデー構造は、請求項1に記載のFRP製ボデー構造であって、左右一対のピラーインナは、一体成形されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のFRP製ボデー構造では、左右一対のピラーインナをFRPにより一体成形することにより、ピラーインナの剛性を向上させている。
【0011】
請求項3に記載のFRP製ボデー構造は、請求項1又は請求項2に記載のFRP製ボデー構造であって、左右一対のピラーアウタは、一体成形されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のFRP製ボデー構造では、左右一対のピラーアウタをFRPにより一体成形することにより、ピラーアウタの剛性を向上させている。
【0013】
請求項4に記載のFRP製ボデー構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のFRP製ボデー構造であって、前記ピラーインナの前記インナ側被接着部との接着部、及び前記インナ側被接着部を、車体前後方向に階段状に形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載のFRP製ボデー構造では、ピラーインナのインナ側被接着部との接着部、及びインナ側被接着部が、車体前後方向に階段状に形成されていることにより、ピラーインナのインナ側被接着部との接着部、及びインナ側被接着部の面積が拡大され、ピラーインナとアンダーボデーとの接着面積が拡大されている。
【0015】
請求項5に記載のFRP製ボデー構造は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のFRP製ボデー構造であって、前記ピラーアウタの前記アウタ側被接着部との接着部、及び前記アウタ側被接着部を、車体前後方向に階段状に形成したことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載のFRP製ボデー構造では、ピラーアウタのアウタ側被接着部との接着部、及びアウタ側被接着部が、車体前後方向に階段状に形成されていることにより、ピラーアウタのアウタ側被接着部との接着部、及びアウタ側被接着部の面積が拡大され、ピラーアウタとアンダーボデーとの接着面積が拡大されている。
【0017】
請求項6に記載のFRP製ボデー構造は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のFPRボデー構造であって、前記アウタ側被接着部を前記アンダーボデーの意匠面から車幅方向内側へ凹んだ段部としたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載のFRP製ボデー構造では、アウタ側被接着部をアンダーボデーの意匠面から車幅方向内側へ凹んだ段部としたことにより、ピラーアウタの意匠面とアンダーボデーの意匠面との段差を低減でき、意匠性を向上できる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、FRPにより別々に成形されたアンダーボデーとピラーとの接着強度を十分に確保することが可能であるFRP製ボデー構造を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明のFRP製ボデー構造の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0021】
図1、図2には、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)により成形された車体10の後部が斜視図または分解斜視図にて示されている。これらの図に示すように、車体10は、フロアパネル16やリアフェンダ下部18やアッパバック下部20等を備え、車体10の下部を構成するアンダーボデー12と、センターピラー22やリアピラー24等を備え、車体10の上部を構成するアッパーボデー14とにより構成されている。
【0022】
ここで、車体10は、分割して形成されたアンダーボデー12とアッパーボデー14とを接合することにより構成されている。アンダーボデー12は、CFRP素材P(図4及び図5参照)の内部に発泡ウレタン等のフォームコア材FC(図4及び図5参照)を充填した構造(所謂、のり巻構造)とされ、アッパーボデー14は、SMC成形(Sheet Molding Conpound)により成形されたSMC成形品とされている。
【0023】
アンダーボデー12の後部は、車室26の床面を構成するフロアパネル16と、フロアパネル16の車幅方向両端部に立設された左右一対のリアフェンダ下部(アンダーボデーの側部)18と、フロアパネル16の車体後側端部に立設され左右一対のリアフェンダ下部18を結合するアッパバック下部20等により構成されている。
【0024】
リアフェンダ下部18の前端部は、サイドドア開口部27の後側縁部を構成している。また、リアフェンダ下部18の後端部とアッパバック下部20の車幅方向両端部とは連続的に形成されており、左右一対のリアフェンダ下部18の上端部及びアッパバック下部20の上端部は、連続的に略水平に延在している。
【0025】
また、アッパーボデー14は、左右一対のリアフェンダ下部18の前端上部に下端側を結合された左右一対のセンターピラー22と、左右一対のセンターピラー22の上端部を結合するリアヘッダ23と、センターピラー22の上端部から車体後方斜め下方へ延在する左右一対のリアピラー24と、センターピラー22の下端部とリアピラー24の下端部とを結合する左右一対のリアフェンダ上部28と、左右一対のリアピラー24の下端部、ならびに左右一対のリアフェンダ上部28の後端部を結合するアッパバック上部30とにより構成されている。
【0026】
リアフェンダ上部28の下端部は、車幅方向視にて略水平に車体前後方向に延在しており、リアフェンダ下部18の上端部に接着されている。また、アッパバック上部30の下端部は、車体前後方向視にて略水平に車幅方向に延在しており、アッパバック下部20の上端部に接着されている。
【0027】
また、センターピラー22の車幅方向内側部は、センターピラーインナ32により構成され、センターピラー22の車幅方向外側部は、センターピラーアウタ34により構成されている。また、リアヘッダ23の車体下側部は、リアヘッダインナ33により構成され、リアヘッダ23の車体上側部は、リアヘッダアウタ35により構成されている。
【0028】
左右一対のセンターピラーインナ32、及びリアヘッダインナ33は、左右一対のリアピラー24、左右一対のリアフェンダ上部28、及びアッパバック上部30と共に一体成形されている。また、左右一対のセンターピラーアウタ34は、リアヘッダアウタ35と一体成形されている。
【0029】
センターピラーインナ32の下端側は、リアフェンダ上部28の下端側と共にリアフェンダ下部18の車幅方向外側に接着され、センターピラーアウタ34の下端側も、リアフェンダ下部18の車幅方向外側に接着されている。
【0030】
以下、センターピラー22とアンダーボデー12との接着構造について説明する。
【0031】
図3〜図5(A)、(B)に示すように、リアフェンダ下部18の上端部の車幅方向外側には、センターピラーインナ32の下端部及びリアフェンダ上部28の下端部が接着される被接着部40が、略等幅で形成されている。この被接着部40は、車体前側に形成され、センターピラーインナ32の下端部が接着されるインナ側被接着部としての被接着部42と、被接着部42より車体後側に形成され、リアフェンダ上部28の下端部が接着される被接着部44とで構成されている。
【0032】
被接着部44は、リアフェンダ下部18の意匠面18Aに対して、リアフェンダ上部28の下端部の厚み程度、車幅方向内側に凹んでおり、被接着部44に接着されたリアフェンダ上部28の意匠面28Aと意匠面18Aとが略面一となるように構成されている。また、リアフェンダ上部28の下端部の車幅方向内側に設定された接着部28Bと被接着部44とは略等幅とされており、意匠面28Aの下端部と意匠面18Aの上端部との間に隙間が形成されない構成とされている。
【0033】
また、センターピラーインナ32は、車体前後方向(幅方向)に階段状に形成されている。センターピラーインナ32の後端部には、リアフェンダ上部28の意匠面28Aに対して面一とされた意匠面32Aが形成されている。また、センターピラーインナ32の意匠面32Aから幅方向中央部にかけては、意匠面32Aに対して車幅方向内側へ凹んだ段部32Bとされ、センターピラーインナ32の前端側は、段部32Bに対して車幅方向内側へ凹んだ段部32Cとされている。
【0034】
また、被接着部42は、車体前後方向に階段状に形成されている。被接着部42の後端側は、被接着部44に対して車幅方向内側へ凹んだ段部42Aとされている。また、被接着部42の段部42Aから前端部にかけては、段部42Aに対して車幅方向内側へ凹んだ段部42Bとされている。
【0035】
ここで、センターピラーインナ32の下端部の車幅方向内側に設定された接着部32Dと被接着部42とは、嵌合可能な雌雄の関係とされており、隙間がない状態で接着される。
【0036】
また、リアフェンダ下部18の車幅方向外側には、センターピラーアウタ34の下端部が接着されるアウタ側被接着部としての被接着部46が形成されている。この被接着部46と被接着部42とは、車体上下方向に階段状に形成されており、被接着部42は、被接着部46に対して車幅方向内側に凹んだ段部とされている。
【0037】
センターピラーアウタ34は、車体前後方向に沿って略平坦な意匠面34Aを備えており、センターピラーアウタ34の前端部は、意匠面34Aに対して車幅方向内側へ凹んだ段部34Bとされている。
【0038】
また、被接着部46は、意匠面18Aに対して車幅方向内側へ凹んだ段部46Aを備えており、被接着部46の前端部は、段部46Aに対して車幅方向内側へ凹んだ段部46Bとされている。
【0039】
ここで、センターピラーアウタ34の下端部の車幅方向内側に設定された接着部34Cと被接着部46とは、嵌合可能な雌雄の関係とされている。また、段部42Aと段部46Aとの段差、及び、段部42Bと段部46Bとの段差は、センターピラーインナ32の厚み程度とされており、段部32Bと段部46A、及び、段部32Cと段部46Bが、略面一となっている。
【0040】
これにより、接着部34Cと被接着部46とが、隙間がない状態で接着される。また、段部32Cと段部34Bとが隙間がない状態で組み合わされる。また、接着部34Cと被接着部46とは車体前後方向の幅が略同一とされており、意匠面34Aと意匠面18Aとの間に隙間が形成されない構成とされている。また、接着部34Cと接着部32Dとは車体前後方向の幅が略同一とされており、意匠面34Cと意匠面32Aとの間に隙間が形成されない構成とされている。
【0041】
さらに、段部46Aと意匠面18Aとの段差は、センターピラーアウタ34の厚み程度とされており、意匠面34Aと意匠面18Aとが略面一となるようになっている。
【0042】
また、リアフェンダ下部18の前端部は、意匠面18Aに対して車幅方向内側へ凹んだ段部18Bとされている。この段部18Bと段部34Bとが略等幅とされ、且つ、段部18Bと意匠面18Aとの段差と段部34Bと意匠面34Aとの段差とが略同一とされており、段部34Bと段部18Bとが車体上下方向に段差なく連続的に連なっている。
【0043】
次に、本実施形態における作用について説明する。
【0044】
センターピラーアウタ34の下端側が、センターピラーインナ32の下端部より車体下側まで延設され、また、左右一対のリアフェンダ下部18の前端上部の車幅方向外側に、被接着部42と、該被接着部42に対して車体下側且つ車幅方向外側にオフセットされた被接着部46とが形成されている。これにより、センターピラーインナ32の下端部の車幅方向内側に設定された接着部32Dを被接着部42に接着し、センターピラーアウタの下端部の車幅方向内側に設定された接着部34Cを被接着部46に接着することが可能となっている。
【0045】
即ち、センターピラーインナ32とセンターピラーアウタ34との双方を、リアフェンダ下部18に接着することが可能であり、これにより、センターピラー22とリアフェンダ下部18との接着面積を確保し、センターピラー22とリアフェンダ下部18との接着強度を確保することが可能である。
【0046】
また、被接着部42及びセンターピラーインナ32が、車体前後方向に階段状に形成されていることにより、これらを平坦に形成した場合と比較して、接着部32D及び被接着部42の面積が拡大され、センターピラーインナ32とリアフェンダ下部18との接着面積が拡大される。よって、センターピラーインナ32とリアフェンダ下部18との接着強度が向上される。
【0047】
また、被接着部46及びセンターピラーアウタ34が、車体前後方向に階段状に形成されていることにより、これらを平坦に形成した場合と比較して、接着部34C及び被接着部46の面積が拡大され、センターピラーアウタ34とリアフェンダ下部18との接着面積が拡大される。よって、センターピラーアウタ34とリアフェンダ下部18との接着強度が向上される。
【0048】
また、被接着部46をリアフェンダ下部18の意匠面18Aから車幅方向内側へ凹んだ段部としたことにより、センターピラーアウタ34の意匠面34Aとリアフェンダ下部18の意匠面18Aとの段差を低減でき、意匠性を向上できる。さらに、本実施形態では、被接着部46と意匠面18Aとの段差を、センターピラーアウタ34の厚み程度としていることにより、センターピラーアウタ34の意匠面34Aとリアフェンダ下部18の意匠面18Aとを略面一に構成できるため、より一層、意匠性を向上できる。
【0049】
ところで、図6に示すように、リアフェンダ下部18から分割して形成されたセンターピラー22をリアフェンダ下部18に接着する構造として、リアフェンダ下部18の上端部の車幅方向内側に被接着部50を形成し、センターピラー22の下端部の車幅方向外側を被接着部50に接着する構造が挙げられる。
【0050】
この構造では、センターピラーインナ32をリアフェンダ下部18に対して接着できないため、本実施形態と比較して、センターピラー22とリアフェンダ下部18との接着面積が少なくなり、センターピラー22とリアフェンダ下部18との接着強度が低くなる。
【0051】
ここで、センターピラー22が、車体下方へかけて車幅方向外側へ傾斜し(俯角に構成され)、センターピラー22の車幅方向外側が接着される被接着部50が、車体上方へかけて車幅方向内側へ傾斜している(仰角に構成されている)場合には、センターピラー22の下端外側部が、被接着部50の上端内側部よりも車幅方向外側に配置される。
【0052】
このような構成において、センターピラー22をリアヘッダ23と一体成形した場合には、センターピラー22を被接着部50にセットすることが困難もしくは不可能となる。よって、左右一対のセンターピラー22を、リアヘッダ23から分割して形成し被接着部50に接着した後に、左右一対のセンターピラー22とリアヘッダ23とを接着するという方法を採らざるを得ない。
【0053】
これに対して、本実施形態では、センターピラーインナ32及びセンターピラーアウタ34が、リアフェンダ下部18の車幅方向外側に形成された被接着部42、46に接着されるため、左右一対のセンターピラー22が俯角に構成されている場合でも、リアヘッダインナ33と一体成形された左右一対のセンターピラーインナ32、リアヘッダアウタ35と一体成形された左右一対のセンターピラーアウタ34を、リアフェンダ下部18に組付けし、接着することが可能である。
【0054】
従って、図6に示す構造と比較して、センターピラー22の剛性を向上でき、また、センターピラー22をリアフェンダ下部18へ組付け・接着する作業を容易化できる。
【0055】
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、本実施形態は、本発明のFPPボデー構造を備える車体10をCFRP製としたが、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等の他のFRP製としても良い。
【0056】
また、本実施形態では、センターピラーとアンダーボデーとの接着構造を例に採って本発明を説明したが、フロントピラーやリアピラー等の他のピラーとアンダーボデーとの接着構造にも本発明を適用可能である。
【0057】
さらに、本実施形態では、左右一対のセンターピラーインナ32、左右一対のセンターピラーアウタ34をそれぞれ、一体成形したが必須ではなく、別々に成形してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態に係るFRP製ボデー構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るFRP製ボデー構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るFRP製ボデー構造の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るFRP製ボデー構造の要部を示す縦断面図である。
【図5】(A)は、図4の5(A)−5(A)断面図、(B)は、図4の5(B)−5(B)断面図である。
【図6】比較例に係るFRP製ボデー構造の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0059】
12 アンダーボデー
18A 意匠面
22 センターピラー(ピラー)
32 センターピラーインナ(ピラーインナ)
34 センターピラーアウタ(ピラーアウタ)
42 被接着部(インナ側被接着部)
46 被接着部(アウタ側被接着部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FRP製のアンダーボデーの左右両側部から車体上方へ延設された左右一対のFRP製のピラーの車幅方向内側部を構成する左右一対のピラーインナと、
左右一対の前記ピラーの車幅方向外側部を構成し、下端側が前記ピラーインナの下端部より車体下側まで延設された左右一対のピラーアウタと、
前記アンダーボデーの左右両側部の車幅方向外側に形成され、前記ピラーインナの下端側が接着される左右一対のインナ側被接着部と、
前記アンダーボデーの左右両側部の車幅方向外側に、前記インナ側被接着部に対して車体下側且つ車幅方向外側にオフセットして形成され、前記ピラーアウタの下端側が接着される左右一対のアウタ側被接着部と、
を有することを特徴とするFRP製ボデー構造。
【請求項2】
左右一対のピラーインナは、一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のFRP製ボデー構造。
【請求項3】
左右一対のピラーアウタは、一体成形されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のFRP製ボデー構造。
【請求項4】
前記ピラーインナの前記インナ側被接着部との接着部、及び前記インナ側被接着部を、車体前後方向に階段状に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のFRP製ボデー構造。
【請求項5】
前記ピラーアウタの前記アウタ側被接着部との接着部、及び前記アウタ側被接着部を、車体前後方向に階段状に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のFRP製ボデー構造。
【請求項6】
前記アウタ側被接着部を前記アンダーボデーの意匠面から車幅方向内側へ凹んだ段部としたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のFPRボデー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−260334(P2008−260334A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102737(P2007−102737)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】