説明

GPR38受容体のアゴニストとして有用なビアリール化合物

本発明は、GPR38受容体のアゴニストとして活性を有する式(I):


で示される化合物などの新規ビアリール誘導体ならびに消化器疾患の治療におけるかかる化合物またはその医薬上許容される組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤活性を有する新規のビアリール誘導体、その調製方法、それらを含有する医薬組成物および種々の疾患の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
GPB38は、ペプチドモチリンに対し高親和性を有する[Feighnerら,Science 1999,284,2184]、7回膜貫通Gタンパク質共役受容体であり、内因性モチリンが、該受容体を介するその全てまたはほとんどの活性に影響を及ぼすことを示唆する。
【0003】
モチリンは、消化管の内分泌様細胞内、特に十二指腸−空腸領域で大量に見出された22個のアミノ酸ペプチドである。絶食中、ペプチドは、胃内の複雑な活性を移動するフェーズIIIの開始に付随することが知られており[Boivinら,Dig.Dis.Sci.1992,37,1562]、該運動促進活性の機構における役割を示唆する。モチリンはまた、食事、見かけの食事、胃拡張の間または経口もしくは静脈内栄養用途によって腸から放出され[Christofidesら,Gut 1979,20,102;Bormansら,Scand.J.Gastroenterol.1987,22,781]、食事中運動型の調節における該ペプチドの追加の役割を示唆する。
【0004】
動物またはヒトにおいて、モチリンは、胃腸運動を増加し、絶食および摂食両状態の間、肛門方向の胃内容排出および腸推進を促進することが長く知られている。該活性は、少なくとも腸のコリン作動性興奮性機能の促進によると主として考えられており[Van Asscheら,Eur.J.Pharmacol.1997,337,267]、おそらく迷走神経の活性化にも関与する[Mathis & Malbert,Am.J.Physiol.1998,274,G80]。さらに、より高濃度のモチリンは直接、筋肉の小収縮を引き起こす[Van Asscheら,Eur.J.Pharmacol.1997,337,267]。
【0005】
抗生物質エリスロマイシンは、その前述の抗菌性に加えて、モチリンの胃腸活性を模倣することが知られている[Peeters,in Problems of the Gastrointestinal Tract in Anaesthesia Ed.,Herbert MKら.Springer−Verlag,Berlin,Heidelberg 1999,pp 39−51を参照]。つい最近になって、エリスロマイシンは、GPR38受容体を活性化し、モチリンの機能を模倣する能力が確認されている[Carrerasら,Analyt.Biochem.2002,300,146]。加えて、該非ペプチドモチリン受容体アゴニストの有効性は、モチリン受容体アゴニストの臨床的可能性を説明するために少なくともいくつかの臨床研究で認められている。これらの研究は常に、機能性消化不良および糖尿病性腎不全麻痺などの、腎不全麻痺に付随する種々の病態における胃内容排出の増加させる能力を証明している。さらに、エリスロマイシンは、胃内容排出の増加と一緒にヒトにおける下部食道括約部圧を増加することが知られており、胃食道逆流性疾患(GERD)の治療における役割を示唆する。最後に、エリストマイシンは、腸推進活性を促進するために用いられており、偽性閉塞および低下した結腸運動を有する病態の治療において臨床的有用性が見出されている[Peeters,in Problems of the Gastrointestinal Tract in Anaesthesia Ed.,Herbert MKら.Springer−Verlag,Berlin,Heidelberg 1999,pp 39−51]。
【0006】
その結果、GPR38受容体のアゴニストは、モチリンの活性を模倣し、運動低下に付随する消化器疾患、特に、GERD、機能性消化不良(FD)および過敏性腸症候群(IBS)などの機能性腸疾患の治療の臨床的有用性を見出すであろうことが期待されている。化合物はまた、原因が知られており、GI運動性を減少させる他のGI状態の治療に有用であろう。かかる病態には、腎不全に付随するものなどの種々の疾患、および/または他の薬剤の投与によって引き起こされる、便秘、腸偽閉塞、手術または他のマニピュレーション後の麻痺性イレウス、糖尿病などの種々の疾患および/または他の薬剤の投与によって引き起こされる胃閉塞または運動低下が含まれる。興味深いことに、モチリンまたはエリスロマイシンの迷走神経活性化能、摂食行動の変化と該神経の関連性[例えば、Furnessら,Auton.Neurosci.2001,92,28]および肥満に付随する位置のマーカー(D13S257−13q14.11〜13q21.33のD13S258)中のGPR38の染色体位置[Ensemblに基づく:13q21.1(58.46−59.46Mb)][Feitosaら,Am.J.Hum.Genet.2002,70,72]はまた、GPR38受容体で活性なアゴニストが、胃腸運動を促進することに加えて、ある程度の食欲抑制または悪液質が存在する少なくともそれらの患者における摂食行動を促進するであろうことを示唆する。該受容体のアゴニストが、−実施例について−癌の治療に付随するかまたは癌それ自体の存在による症状の治療における臨床的有用性を見出すであろうことをかかる活性は示す。
【0007】
モチリン受容体アゴニストの胃腸運動促進能に加えて、クローン病とモチリン遺伝子多型との関連性[Anneseら,Dig.Dis.Sci.1998,43,715−710]および大腸炎中のモチリン受容体密度の変化[Depoortereら,Neurogastroenterol.Motil.2001,13,55]は、一般に炎症性腸疾患の治療のためのモチリン受容体のアゴニストの有効性を示唆する。
【0008】
最後に、GPR38はまた、胃腸管の外側領域で見出される。該領域には、下垂体、脂肪組織、膀胱および脳の特定領域が含まれる。前者は、臨床的有用性を示唆し、
成長ホルモン分泌促進因子の放出などの、下垂体機能の促進における臨床的有用性を示唆し、脂肪組織内の存在は再度、体重調節の役割を示唆し、膀胱は、失禁の治療における該受容体のアゴニストの役割を示唆する。脳内のGPR38の存在は、前述のように胃腸および摂食有用性を支持するが、さらに、より広範囲の迷走神経−視床下部機能における受容体の関与を示唆する。
【0009】
特許WO9410185、EP838469、WO9823629、DE19805822、およびUS6165985は、胃腸運動に関する障害に用いるためのエリスロマイシン誘導体標的GPR38を主張する。特許WO9921846、WO0185694、WO0168620、WO0168621、およびWO0168622は、一連のGPR38受容体の低分子アンタゴニストを開示する。特許JP07138284およびEP807639は、ペプチドアゴニストを開示する。JP09249620およびWO02092592は、一連の低分子アゴニストを開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
GPR38受容体の部分または完全アゴニストである、構造上新規クラスの化合物はこの度、見出された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、最初の態様において、本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
Aは、5もしくは6員のヘテロアリールまたはN−結合5もしくは6員の複素環から選択され;その環は、ハロゲン、C(1−4)アルキルまたはC(1−4)アルコキシから独立して選択される1、2または3個の基で所望により置換されていてもよく;
およびRは、独立して、HまたはC(1−4)アルキルから選択され;
Yは、NH、OまたはCHから選択され;
は、所望により置換されていてもよいフェニルまたは所望により置換されていてもよい5もしくは6員のヘテロアリールから選択され;
が置換される場合、それは、各々独立して、ハロゲン、C(1−4)アルキル、C(1−4)アルコキシ、C(3−7)シクロアルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、フェニル、NH、NHR、NR、NHCOR、NHSO、C(O)CF、C(O)C(1−4)アルキル、C(O)C(3−7)シクロアルキル、C(O)OC(1−4)アルキル、C(O)OC(3−7)シクロアルキル、OC(O)C(1−4)アルキル、OC(O)C(3−7)シクロアルキル、CONH、CONHR、CONR、SOR、SO、OSO、OSOCF、SONH、SONHRまたはSONRから選択される1、2、または3個の置換基を有していてもよく;
およびRが同一または異なる場合、独立して、C(1−4)アルキル、ハロゲンで所望により置換されていてもよいフェニル、またはハロゲンで所望により置換されていてもよい5もしくは6員のヘテロアリールから選択される]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
基または基の一部、例えば、アルコキシまたはヒドロキシアルキルとして「アルキル」なる語は、全異性体における直鎖または分岐鎖アルキル基をいう。「C(1−4)アルキル」なる語は、少なくとも1個、および多くとも4個の炭素原子を含有する、上記のアルキル基をいう。かかるアルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルが挙げられる。かかるアルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシが挙げられる。
【0013】
本明細書に用いられる、「ハロゲン」なる語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)をいい、「ハロ」なる語は、ハロゲン:フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)およびヨード(−I)をいう。
【0014】
「5または6員のヘテロアリール」なる語は、1個または複数のヘテロ原子を含む5または6員の芳香族環を表す。ヘテロアリールなる語が5員の基を表す場合、それは、例えば、O、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含有し、さらに1、2または3個の窒素原子を所望により含有していてもよい。ヘテロアリールが6員の基を表す場合、それは、例えば、1〜3個の窒素原子を含有する。かかる5または6員のヘテロアリール環の例として、ピロリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびトリアジニルが挙げられる。
【0015】
「5または6員の複素環」なる語は、合計で5または6個の原子を有する複素環をいう。複素環は、例えば、少なくとも部分的に飽和であってもよい。複素環は、飽和であってもよい。Aが5または6員のN−結合複素環である場合、それは、窒素原子を含有し、窒素、酸素または硫黄から選択される1または2個のさらなるヘテロ原子を所望により含有していてもよい。次いで、さらなるヘテロ原子が窒素である場合、これは、NHまたはそのN−置換誘導体、例えば、N−アルキル、N−アシルとして存在しうる。さらなるヘテロ原子が硫黄である場合、これは、SO、SOとして存在しうる。かかる5または6員の複素環の例として、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアゾリジニル、チアジナニル、およびピラニルが挙げられる。
【0016】
本発明の一の実施態様において、RもRもメチルである。本発明の別の実施態様において、RもRも水素である。さらなる別の実施態様において、Rは水素であり、Rはメチルである。
【0017】
一の実施態様において、YはNHまたはOである。例えば、YはNHであってもよい。
【0018】
の典型的な置換基には、ハロゲン、シアノ、C(1−4)アルキル、C(1−4)アルコキシ、C(3−7)シクロアルキル、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチル、例えば、ハロゲンが含まれる。
【0019】
本発明の一の実施態様において、Rは、ハロゲン、シアノまたはC(1−4)アルコキシ、例えば、ハロゲン、例えば、フルオロから選択される1個の置換基で置換されるフェニルである。
【0020】
本発明のさらなる実施態様において、Rは、2個の置換基で置換されるフェニルであり、その1つは、ハロゲン、例えば、フルオロであってもよく、その1つは、C(1−4)アルコキシであってもよい。
【0021】
本発明のさらなる実施態様において、Aは、ピラゾリル、チアゾリル、フラニル、チエニルまたはピリジルから選択される。
【0022】
Aが、N−結合5または6員の複素環であり、ハロゲン、C(1−4)アルキルまたはC(1−4)アルコキシから独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよいさらなる実施態様において、N−結合環は、隣接ピリジン基に対するN−結合である。
【0023】
置換基の性質による、式(I)で示される特定の化合物において、「」で印されている炭素原子などの、キラル炭素原子が存在するので、式(I)で示される化合物は、立体異性体として存在しうる。本発明は、ラセミ化合物などの、エナンチオマー、ジアステレオマーおよびその混合物を含む式(I)で示される化合物の立体異性体などの全ての光学異性体にまで及ぶ。異なる立体異性体は、従来の方法によって相互に分離されうるかまたは分解されうるかあるいは所定の異性体は、従来の立体選択的または非対称合成によって得られうる。RおよびRが水素以外、例えば、メチルである式(I)で示される好ましい化合物は、ピペラジンC炭素が3R,5S−配置を有するものである。
【0024】
本明細書の特定の化合物は、種々の互変異性体で存在することができ、本発明が、全ての互変異性体を包含することは理解されるであろう。
【0025】
本発明の典型的な化合物は、
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E1)
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E2)
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(2−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E3)
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E4)
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2−フラニル、)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E5)
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2−チエニル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E6)
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン二塩酸塩(E7)
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E8)
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(2−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E9)
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E10)
N−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(3−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−4−ピペリジンアミン(E11)
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E12)
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(2−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E13)
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E14)
(3S)−1−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3−メチルピペラジン(E15)
(3S)−1−{[1−(2−{4−[4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3−メチルピペラジン一塩酸塩(E16)
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E17)
N−(4−フルオロフェニル)−1−(5−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−4−ピペリジンアミン(E18)
N−(4−フルオロフェニル)−1−[5−(1−ピペラジニルメチル)−2,3’−ビピリジン−2’−イル]−4−ピペリジンアミン塩酸塩(E19)である。
【0026】
式(I)で示される化合物は、その酸付加塩を形成しうる。医薬として用いるために、式(I)で示される化合物が、医薬上許容されるであろうことは明らかであろう。適当な医薬上許容される塩は、当業者に明らかであり、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸;および有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸で形成される酸付加塩などの、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19に記載のものを含むであろう。特定の式(I)で示される化合物は、1種または複数の当量の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明は、全ての可能な化学量論および非化学量論形態をその範囲内に含む。
【0027】
式(I)で示される化合物は、結晶形または非結晶形で調製されてもよく、結晶ならば、所望により、水和または溶媒和されうる。本発明は、化学量論水和物または溶媒和物ならびに不定量の水および/または溶媒を含有する化合物をその範囲内に含む。
【0028】
さらなる態様において、本発明は、式(I):
【化2】

で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の調製方法であって、還元的アルキル化に適当な反応条件、例えば、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンなどの適当な溶媒中トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下において、式(II):
【化3】

[式中:A、YおよびRは、式(I)と同義である]
で示される化合物を、適当に置換されたピペラジン(III):
【化4】

[式中:RおよびRは、式(I)と同義であり、Qは、水素またはtert−ブチルオキシカルボニル(BOC)もしくはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
と反応させることを含む方法を提供する。
【0029】
その後、所望により1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること
2.いずれかの保護基を除去すること
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよい。
【0030】
式(II)で示される化合物は、水および1,2−ジメトキシエタンの(1:1)混合物などの適当な溶媒中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)などの適当な触媒の存在下にて、炭酸ナトリウムなどの適当な塩基の存在下において、式(IV):
【化5】

[式中:YおよびRは式(I)と同義であり、Lは臭素などの脱離基である]
で示される化合物を、適当な(ホルミルヘテロアリール)ボロン酸誘導体(V):
【化6】

[式中:Aは、式(I)と同義である]
と反応させることによって調製されうる。
【0031】
式(IV)で示される化合物は、ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒の存在下にて、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの適当な塩基の存在下において、式(VI):
【化7】

[式中:RおよびYは、式(I)と同義である]
で示される化合物を、式(VII):
【化8】

[式中:LおよびLは、独立して、脱離基、例えば、ブロモまたはクロロから選択される]
で示される化合物と反応させることによって調製されうる。
【0032】
Y=NHの式(VI)で示される化合物は、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒中で、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下において、適当なアニリン誘導体を1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−オンなどの、適当に保護されたピペリジン−4−オンと反応させ、次いで、下記の従来の技法によって窒素保護基を除去することに関する還元的アルキル化反応によって調製されうる。
【0033】
Y=Oの式(VI)で示される化合物は、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、トリフェニルホスフィンおよびジイソプロピルアゾジカルボン酸塩の存在下において、適当なフェノール誘導体を1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジンなどの適当に保護された4−ヒドロキシピペリジンと反応させ、次いで、下記の従来の技法によって窒素保護基を除去することに関するアルキル化反応によって調製されうる。
【0034】
本発明はまた、Aがピラゾリルである式(I)で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物のさらなる調製方法であって、S.V.Leyら,Angew Chem.Int.Ed.,2003,42,5400に記載のものと同様の方法を用いて、ジメチルスルホキシドなどの適当な溶媒中で、銅(I)源、例えば、ヨウ化銅(I)などの適当な触媒の存在下において、炭酸カリウムなどの適当な塩基の存在下にて、式(VIII):
【化9】

[式中:RおよびRは式(I)と同義であり、Qは、水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)、またはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、式(IV):
【化10】

[式中:YおよびRは上記式(I)と同義であり、Lは臭素などの脱離基である]
で示される化合物と反応させることを含む方法を提供する。
【0035】
その後、所望により1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること;
2.いずれかの保護基を除去すること;
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよい。
【0036】
式(VIII)で示される化合物は、適当な溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド中で、炭酸カリウムなどの適当な塩基の存在下において、式(IX):
【化11】

[式中:Lは臭素などの適当な脱離基であり、Zは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)などの適当な保護基である]
で示される化合物を、適当に保護されたピペラジン(III):
【化12】

[式中:RおよびRは式(I)と同義であり、Qは、水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)もしくはトリフルオロアセチルなどの適当な保護基である]
と反応させることによって調製されうる。
【0037】
Lが臭素である、式(IX)で示される化合物は、四塩化炭素などの適当な溶媒中で、適当なラジカル開始剤、例えば、ベンゾイルペルオキシドの存在下において、式(X):
【化13】

[式中:Zは、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)などの適当な保護基である]
で示される化合物を、N−ブロモスクシンイミドなどの臭素源と反応させることによって調製されうる。
【0038】
本発明はまた、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物のさらなる調製方法であって、水および1,2−ジメトキシエタンの(1:1)混合物などの適当な溶媒中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの適当な触媒の存在下にて、炭酸ナトリウムなどの適当な塩基の存在下において、式(XI):
【化14】

[式中:A、RおよびRは、式(I)と同義であり、Lは塩素または臭素などの脱離基であり、Qは、水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)もしくはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、式(XII):
【化15】

[式中:YおよびRは、式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させることを含む方法を提供する。
【0039】
その後、所望により1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること;
2.いずれかの保護基を除去すること;
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよい。
【0040】
本発明はまた、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物のさらにさらなる調製方法であって、分子篩の存在下およびメタノールなどの適当な溶媒中で、酸、例えば、酢酸の存在下にて、還元的アルキル化に適当な反応条件下、例えば、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下において、式(XIII):
【化16】

[式中:A、RおよびRは、式(I)と同義であり、Qは、水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)もしくはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、適当なアニリンと反応させることを含む方法を提供する。
【0041】
その後、所望により1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること;
2.いずれかの保護基を除去すること;
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよい。
【0042】
式(XIII)で示される化合物は、アセトンなどの適当な溶媒中で、式(XIV):
【化17】

[式中:A、RおよびRは式(I)と同義であり、Qは水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)もしくはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、塩酸などの適当な酸と反応させることによって調製されうる。
【0043】
式(XIV)で示される化合物は、還元的アルキル化に適当な反応条件において、例えば、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンなどの適当な溶媒中でトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下において、式(XV):
【化18】

[式中:Aは、式(I)と同義である]
で示される化合物を、適当に置換されたピペラジン(III):
【化19】

[式中:RおよびRは式(I)と同義であり、Qは、水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)またはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
と反応させることによって調製されうる。
【0044】
式(XV)で示される化合物は、水および1,2−ジメトキシエタンの(1:1)混合物などの適当な溶媒中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの適当な触媒の存在下にて、炭酸ナトリウムなどの適当な塩基の存在下において、式(XVI):
【化20】

[式中:Aは式(I)と同義であり、Lは臭素または塩素などの適当な脱離基である]
で示される化合物を、式(XVII):
【化21】

と反応させることによって調製されうる。
【0045】
式(XIV)で示される化合物の別の調製方法は、水および1,2−ジメトキシエタンの(1:1)混合物などの適当な溶媒中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの適当な触媒の存在下にて、炭酸ナトリウムなどの適当な塩基の存在下において、式(XI):
【化22】

[式中:A、RおよびRは式(I)と同義であり、Lは塩素または臭素などの脱離基であり、Qは水素またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)もしくはトリフルオロアセチルなどの適当な窒素保護基である]
で表される化合物を、式(XVII):
【化23】

で示される化合物と反応させることを含む。
【0046】
一部の上記製法中で特定の反応置換基を保護する必要がありうることは当業者には明らかであろう。Greene T.W.Protective groups in organic synthesis,New York,Wiley(1981)に記載のものなどの、一般的な保護および脱保護の技法が用いられうる。例えば、第一級アミンは、フタルイミド、ベンジル、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはトリチル誘導体として保護されうる。カルボン酸基は、エステルとして保護されうる。アルデヒドまたはケトン基は、アセタール、ケタール、チオアセタールまたはチオケタールとして保護されうる。かかる基の脱保護は、当該分野にて周知の一般的製法を用いて達成される。例えば、tert−ブチルオキシカルボニルなどの保護基は、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、イソプロパノールまたはその混合物などの適当な溶媒中で塩酸またはトリフルオロ酢酸などの酸を用いて除去されうる。
【0047】
医薬上許容される塩は通常、適当な酸または酸誘導体との反応によって調製されうる。
【0048】
本発明はまた、R、R、R、AおよびYは式(I)と同義であり、Qは水素または窒素保護基である、上記の式(II)、(XIII)および(XIV)で示される化合物を提供する。本発明は、R、R、R、AおよびYは式(I)と同義であり、Lは臭素または塩素などの脱離基であり、Qは水素または窒素保護基である、上記の式(IV)、(VIII)、(XII)、(XV)および(XVII)で示される化合物をさらに提供する。該化合物は、本発明の化合物の調製における中間体として有用である。
【0049】
GPR38に対する本発明の化合物の有効性および効果は、本明細書に記載のヒトクローン化受容体上で行われるFLIPRアッセイによって測定されうる。FLIPR機能的アッセイを用いて、式(I)で示される化合物は、GPR38受容体の部分または完全アゴニストであるように思えるということが見出されている。
【0050】
本発明の化合物の有効性および内活性はまた、本明細書に記載の[35S]GTPγS機能的アッセイにしたがって測定されうる。[35S]GTPγS機能的アッセイを用いて、式(I)で示される化合物は、GPR38受容体に対する部分または完全アゴニストであるように思えるということが見出されている。
【0051】
したがって、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩は、GPR38受容体で作用している化合物により媒介される病態または障害の治療に用いる。特に、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩は、胃食道逆流性疾患、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、腸偽閉塞、手術または他のマニピュレーション後の麻痺性イレウス、嘔吐、糖尿病などの種々の疾患および/またはたの薬剤の投与によって引き起こされる、胃閉塞または運動低下、クローン病、大腸炎、癌などの進行性疾患および/またはその治療に付随する悪液質、ならびに失禁などの他の障害(本明細書にて、以下、「本発明の障害」と称される)などの特定の消化器疾患の治療に用いる。
【0052】
本明細書で用いられる「治療」には、既存の症状の予防ならびに緩和が含まれることは分かるであろう。
【0053】
したがって、本発明はまた、治療剤として用いるための、特にGPR38受容体によって媒介されうる病態/障害の治療における、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。特に、本発明は、胃食道逆流性疾患、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、腸偽閉塞、手術または他のマニピュレーション後の麻痺性イレウス、嘔吐, 糖尿病などの種々の疾患および/または他の薬剤の投与により引き起こされる胃閉塞または運動低下、クローン病、大腸炎、癌などの進行性疾患および/またはその治療に付随する悪液質、ならびに失禁などの他の障害などの消化器疾患の治療における治療弱として用いるための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0054】
本発明は、GPR38受容体によって媒介されうるヒトを含む哺乳類における病態または障害の治療方法であって、治療上安全かつ有効な量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0055】
別の態様において、本発明は、GPR38受容体によって媒介される病態または障害の治療に用いるための医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
【0056】
療法に式(I)で示される化合物を用いるために、それらは通常、一般的な薬務にしたがって医薬組成物中に処方されるであろう。本発明はまた、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0057】
さらなる態様において、本発明は、医薬組成物の調製方法、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体または賦形剤を合することを含む方法を提供する。
【0058】
本発明の医薬組成物は、適当には、常温かつ大気圧下で、混合によって調製してもよい、本発明の医薬組成物は通常、経口、非経口または直腸投与に適しており、それ自体は、錠剤、カプセル、経口液体製剤、粉末、顆粒、トローチ、再構成可能な粉末、注射可能なまたは注入可能な液剤または懸濁剤または坐剤の形態であってもよい。経口投与可能な組成物が一般的に好ましい。
【0059】
経口投与の錠剤およびカプセルは、単位剤形であってもよく、結合剤(例えば、プレゼラチン化トウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシメチルセルロース);賦形剤(例えば、乳糖、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);錠剤潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモでんぷんまたはデンプングリコール酸ナトリウム);および許容される湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの、一般的賦形剤を含有していてもよい。錠剤は、通常の薬務に周知の方法にしたがってコーティングされていてもよい。
【0060】
経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、液剤、乳剤、シロップまたはエリキシル剤の形態であってもよく、または、使用前に水または他の適当なビヒクルで再構成する乾燥生成物の形態であってもよい。かかる液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、(食用脂、例えば、へんとう油、油性エステル、エチルアルコールまたは分別植物油が含まれていてもよい)非水性ビヒクル、保存剤(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸塩またはソルビン酸)、ならびに所望により一般的な香味剤または着色剤、必要に応じて緩衝塩および甘味剤などの一般的添加剤を含有していてもよい。経口投与製剤は、適当には、制御放出型の活性化合物を得るように処方されうる。
【0061】
非経口投与について、流動性単位剤形は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩および滅菌ビヒクルを利用して調製される。注射処方は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩および滅菌ビヒクルを利用し、所望により保存剤を添加して、単位剤形、例えば、アンプルまたは複数回投与剤形で存在していてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクルにおける懸濁液、液剤または乳剤としてかかる剤形をとっていてもよく、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、適当なビヒクル、例えば、滅菌性発熱物質不含水と構成する粉末形態であってもよい。ビヒクルおよび用いられる濃度に依存する、化合物は、ビヒクルで懸濁または溶解されうる。液剤の調製において、化合物は、適当なバイアルまたはアンプルに充填かつ密封する前に滅菌される注射およびフィルターのために溶解されうる。有利に、局所麻酔薬、保存剤および緩衝剤などのアジュバントは、ビヒクルで溶解される。安定性を高めるために、組成物をバイアルに充填した後凍結させ、水を真空下で除去した。非経口懸濁液は、化合物が溶解の代わりにビヒクルで懸濁されること以外は実質上同一方法で調製され、濾過によって滅菌され得ない。化合物は、滅菌ビヒクルにおける懸濁前にエチレンオキシドに曝すことによって滅菌されうる。有利に、界面活性剤または湿潤剤は、組成物中に含まれ、化合物の一様分布を促進する。
【0062】
ローションは、水性または油性基剤で処方されてもよく、一般には、1種または複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤も含有するであろう。滴剤は、1種または複数の分散剤、安定化剤、可溶化剤または懸濁化剤も含む水性または非水性基剤で処方されてもよい。それらはまた、保存剤を含有していてもよい。
【0063】
本発明の化合物はまた、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの一般的坐薬基剤を含有する、坐薬または停留浣腸などの直腸組成物で処方されてもよい。
【0064】
本発明の化合物はまた、デポー製剤として処方されてもよい。かかる長時間作用型製剤は、注入(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば、本発明の化合物は、適当なポリマーもしくは疎水性物質(例えば、許容される油中乳剤として)またはイオン交換樹脂で、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として処方されてもよい。
【0065】
経鼻投与について、本発明の化合物は、適当な定量または単位量デバイスを介して投与する液剤としてあるいは、適当なデリバリー・デバイスを用いて投与のための適当な担体と合する粉末として処方されてもよい。したがって、式(I)で示される化合物は、経口、口腔、非経口、局所(眼および鼻を含む)、デポーまたは直腸投与用または(口または鼻のいずれかに通して)吸入もしくは吹送による投与に適当な形態で処方されうる。
【0066】
本発明の化合物は、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ペッサリー、エアロゾルまたは滴剤(例えば、眼、耳、または鼻用滴剤)の形態で局所投与用に処方されてもよい。軟膏およびクリームは、例えば、適当な増粘剤および/またはゲル化剤を添加して、水性または油性基剤で処方されてもよい。眼への投与の軟膏は、滅菌された成分を用いて滅菌法で製造されうる。
【0067】
組成物は、投与方法に依存する、活性物質の0.1重量%〜99重量%、好ましくは10〜60重量%を含有していてもよい。前述の障害の治療に用いられる化合物の投与量は、障害の重篤度、患者の体重、および他の同様の因子によって通常の方法で変わるであろう。しかしながら、一般的指針として、適当な単位用量は、0.05〜1000mg、より適当には、1.0〜200mg、かかる単位量は、1日1回以上、例えば、1日2または3回投与されてもよい。かかる療法は、何週間または何ヶ月間に延長してもよい。
【0068】
本発明の化合物は、組み合わせ製剤で用いられうる。例えば、本発明の化合物は、胃酸を減少させる活性を有する1種または複数の化合物;胃食道逆流を減少させる活性を有する1種または複数の化合物;特に、浸食性または非浸食性食道炎を軽減させるために用いる場合に、食道−胃刺激または炎症を減少させる活性を有する1種または複数の化合物;鎮痛活性を有する1種または複数の化合物;ならびに/あるいは、運動および疼痛上の合した活性を有する1種または複数の化合物を組み合わせて用いられうる。
【0069】
胃酸を減少させる活性を有する化合物の例として、H2受容体アンタゴニスト、アシッドポンプアンタゴニストおよびプロトンポンプ阻害薬が挙げられる。胃食道逆流を減少させる活性を有する化合物の例として、GABA−Bのアゴニストが挙げられる。鎮痛活性を有する化合物の例として、ニューロキニン受容体(NK1、2、3)、TRPV1およびナトリウムチャネルに活性な化合物が挙げられる。運動および疼痛上の合した活性を有する化合物の例として、CRF2アンタゴニスト、5−HT3アンタゴニストもしくはオクトレオチドまたはsst2受容体に活性な他の分子が挙げられる。
【0070】
限定するものではないが、本明細書中に引用される、特許および特許出願を含む、全ての刊行物は、各々、個々の刊行物が、全てを説明するかのように出典明示により本明細書の一部とするように具体的かつ個別に示されていたかのように、出典明示により本明細書の一部とする。
【実施例】
【0071】
以下の記載例および実施例は、本発明の化合物の調製を説明する。
条件、分析的LCMSシステムのハードウェアおよびソフトウェア
ハードウェア
Agilent 1100 Gradient Pump
Agilent 1100 Autosampler
Agilent 1100 DAD Dectector
Agilent 1100 Degasser
Agilent 1100 Oven
Agilent 1100 Controller
Waters ZQ Mass Spectrometer
Sedere Sedex 55, Sedere Sedex 85またはPolymer Labs PL−ELS−2100
ソフトウェア
Waters MassLynx バージョン4.0 SP2
カラム
用いられるカラムは、Waters Atlantisであり、そのサイズは、4.6mmx50mmである。固定相粒径は、3μmである。
溶媒
A:水性溶媒=水+0.05%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.05%ギ酸
方法
用いられる一般的方法は、5分の処理時間を有する。
時間/分 %B
0 3
0.1 3
4 97
4.8 97
4.9 3
5.0 3
流速
上記方法は、3ml/分の流速を有する。
【0072】
オープンアクセスマスディレクティッド自動分取システムの特許情報(MDAP)
ハードウェア
オープンアクセスマスディレクティッド自動分取装置は、以下からなる:
1 Waters 600 Gradient pump
1 Waters 2767 inject/collector
1 Waters Reagent manager
1 MicroMass ZQ Mass Spectrometer
1 Gilson Aspec − waste collector
1 Gilson 115 post−fraction UV detector
1 Computer System。
ソフトウェア
MicroMass MassLynx v4.0
カラム
用いられるカラムは、典型的には、サイズが、長さ100mmで内径20mmであるSupelco LCABZ++カラムである。固定相粒径は5μmである。
溶媒
A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=MeCN:水 95:5+0.05%ギ酸
処理溶媒=MeOH:水 80:20+50mMol酢酸アンモニウム
ニードル洗浄溶媒=MeOH:水:DMSO 80:10:10
方法
5種の方法の1つは、目的化合物の分析保持時間に依存して用いられうる。
全て、15分の保持時間を有し、10分勾配、次いで、5分カラムフラッシュおよび再平衡工程からなる。
MDP 1.5−2.2=0−30%B
MDP 2.0−2.8=5−30%B
MDP 2.5−3.0=15−55%B
MDP 2.8−4.0=30−80%B
MDP 3.8−5.5=50−90%B
流速
全ての上記方法は、20ml/分の流速を有する。
【0073】
NMRに用いられる条件
ハードウェア
Bruker 400MHz Ultrashield
Bruker B−ACS60 Autosampler
Bruker Advance 400 Console
Bruker DPX250
Bruker AVANCE 500
Bruker DRX600
ソフトウェア
ユーザー・インターフェース−NMR Kiosk
制御ソフトウェア−XWin NMR バージョン3.0
【0074】
クロマトグラフィー
特に明記しない限り、全てのカラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカラムを用いて実施された。
【0075】
略語
HCl−塩酸、塩化水素
SO−硫酸
NaHCO−炭酸水素ナトリウム
NaSO−硫酸ナトリウム
1,2−DCE−1,2−ジクロロエタン,
NaOH−水酸化ナトリウム
KOH−水酸化カリウム
DCM−ジクロロメタン
DMF−N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO−ジメチルスルホキシド
DEAD−ジエチルアゾジカルボン酸塩
THF−テトラヒドロフラン
MeOH−メタノール
EtOAc−酢酸エチル
MgSO−硫酸マグネシウム
NH−アンモニア
TFA−トリフルオロ酢酸
EtO−ジエチルエーテル
CDCl−デューテロクロロホルム
BINAP−(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン
dppf−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
DIBAL−H−水素化ジイソブチルアルミニウム
【0076】
記載例1
4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D1)
1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−オン(1g、5mmol)、4−フルオロアニリン(0.56g、5mmol)および酢酸(0.286ml、5mmol)の1,2−ジクロロエタン(30ml)中溶液を、室温で24時間攪拌した。次いで、(トリアセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(1.48g、7mmol)を加え、24時間攪拌し続けた。反応混合物を、水で洗浄し、(MgSO)で乾燥し、次いで、真空中で濃縮し、固体として標記化合物を得た(1.44g)。δ(CDCl) 1.30(2H,m)、1.46(9H,s)、2.02(2H,m)、2.91(2H,m)、3.35(1H,m)、4.04(2H,m)、6.54(2H,dd)、6.88(2H,t)。
【0077】
記載例2
N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D2)
D1(1.44g)の2M HCl(5ml)および1,4−ジオキサン(20ml)中溶液を、60℃で24時間加熱した。冷却し、溶液を水で希釈し、2M NaOH溶液で塩基性化し、EtOAcで抽出した(x3)。合した有機物を(MgSO)で乾燥し、真空中で濃縮し、黄色油として標記化合物を得た(0.71g)。δ(CDCl) 1.29(2H,m)、2.05(2H,m)、2.70(2H,m)、3.20(1H,m)、3.30(2H,m)、6.54(2H,dd)、6.88(2H,t)。
【0078】
以下の中間体D3−D4を、記載例1および2に記載の方法を用いて適当なアニリンから調製した。
【0079】
N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D3)
【0080】
N−(2−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D4)
【0081】
記載例5
3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D5)
3−メチルピラゾール(4.04g、49.8mmol)のアセトニトリル(50ml)を0℃に冷却し、ジ−tert−ブチル ジ炭酸塩(13.00g、59.6mmol)を、次いで、4−ジメチル−アミノピリジン(0.61g、4.98mmol)を加えた。2時間後、溶液をEtOAc(50ml)で希釈し、1M HCl、飽和NaHCO溶液およびブライン(各100ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−50%ジエチルエーテル/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、油として標記化合物を得た(6.35g)。δ(CDCl) 1.64(9H,s)、2.33(3H,s)、6.22(1H,d)、8.13(1H,d)。
【0082】
記載例6
3−(ブロモメチル)−1H−ピラゾール−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D6)
D5(2g、10.97mmol)、N−ブロモスクシンイミド(2.94g、16.46mmol)および過酸化ベンゾイル(0.57g、1.65mmol)を四塩化炭素(40ml)で溶解し、3時間80℃に加熱した。混合物をEtOAc(60ml)で希釈し、飽和NaHCO溶液およびブライン(各100ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−50%ジエチルエーテル/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(1.58g)。δ(CDCl) 1.65(9H,s)、4.49(2H,s)、6.47(1H,d)、8.03(1H,d)。
【0083】
記載例7
3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D7)
DMF(20ml)中のD6(1.67g、6.41mmol)、(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(0.73g、6.41mmol)および炭酸カリウム(1.95g、14.1mmol)を、50℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水(各50ml)の間に分配した。水層をDCM(50ml)で再抽出し、合した有機物をブライン(100ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮し、オレンジ色油として標記化合物を得た(1.88g)。δ(CDCl) 1.25(6H,d)、1.15(1H,br s)、1.64−1.71(11H,m)、2.77(2H,m)、2.93(2H,m)、3.59(2H,s)、6.40(1H,d)、8.00(1H,d)。MS(ES):MH295
【0084】
記載例8
3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−4−(トリフルオロアセチル)−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(D8)
0℃で、DCM(30ml)中のD7(1.88g、6.39mmol)および2,6−ルチジン(1.49ml、12.78mmol)を、トリフルオロ酢酸無水物(7.5ml DCM中0.89ml、6.39mmol)で処理し、5分かけて滴下した。溶液を25℃に加温し、16時間攪拌した。混合物を10%クエン酸およびブライン(各40ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮し、オレンジ色油として標記化合物を得た(2.36g)。δ(CDCl) 1.43(6H,s)、1.65(9H,s)、2.31(2H,dd)、2.75(2H,d)、3.65(2H,s)、4.12(1H,s)、4.53(1H,s)、6.46(1H,d)、8.15(1H,d)。
【0085】
記載例9
(2R,6S)−2,6−ジメチル−4−(1H−ピラゾール−3−イルメチル)−1−(トリフルオロアセチル)ピペラジン(D9)
D8(2.20g、5.63mmol)をDCM中25%TFA(50ml)で処理し、25℃で4時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をDCM(50ml)で溶解し、飽和NaHCOで洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮し、オレンジ色泡沫として標記化合物を得た(1.64g)。δ(CDCl) 1.43(6H,d)、2.48(2H,dd)、2.97(2H,d)、3.88(2H,s)、4.15−4.75(2H,br d)、6.40(1H,d)、7.64(1H,d)、8.93(1H,br s)。MS(ES):MH291。
【0086】
記載例10
1−(3−ブロモ−2−ピリジニル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D10)
DMF(5ml)中の2−クロロ−3−ブロモピリジン(0.25g、1.3mmol)、D2(0.25g、1.3mmol)および炭酸カリウム(0.23g、2.9mmol)を、120℃で16時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をEtOAcおよび水(各50ml)の間に分配した。水層をEtOAc(50ml)で再抽出し、合した有機層を水で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−50%ジエチルエーテル/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、黄色固体として標記化合物を得た(0.26g)。δ(CDCl) 1.64(2H,m)、2.17(2H,d)、2.98(2H,m)、3.43(2H,m)、3.74(2H,m)、6.58(2H,m)、6.77(1H,m)、6.89(2H,m)、7.78(1H,d)、8.22(1H,dd)。MS(ES):MH351。
【0087】
以下の中間体D11−D12を、記載例10に記載のものと同様の方法で調製した。
【0088】
1−(3−ブロモ−2−ピリジニル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D11)
【0089】
1−(3−ブロモ−2−ピリジニル)−N−(2−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D12)
【0090】
記載例13
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−4−(トリフルオロアセチル)−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(D13)
DMSO(6ml)中のD9(0.96g、3.30mmol)、D10(1g、2.86mmol)、ヨウ化銅(I)(0.02g、0.11mmol)、炭酸カリウム(0.48g、3.47mmol)、およびL−プロリン(0.04g、0.35mmol)を、6時間マイクロ波反応器にて170℃に加熱した。混合物をDCMおよび水(各25ml)の間に分配し、水層をDCM中10%MeOH(25ml)で再抽出した。合した有機層を、水(50ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−25%EtOAc/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、オレンジ色泡沫として標記化合物を得た(0.56g)。δ(CDCl) 1.21−1.28(8H,br t)、2.03(2H,d)、2.30(2H,dd)、2.81(4H,m)、3.30(4H,m)、3.67(2H,s)、4.13(1H,br s)、4.53(1H,br s)、6.45(1H,d)、6.53(2H,m)、6.87(2H,m)、6.98(1H,m)、7.71(1H,m)、7.99(1H,d)、8.26(1H,m)。MS(ES):MH560。
【0091】
記載例14
8−(3−ブロモ−2−ピリジニル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(D14)
標記化合物を、記載例10のものと同様の方法で2−クロロ−3−ブロモピリジンおよび1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンから調製した。
【0092】
記載例15
[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−3−ピリジニル]ボロン酸(D15)
乾ジエチルエーテル(10ml)中のD14(1.0g、3.3mmol)を、−78℃でn−ブチルリチウム(1.6ml、4.0mmol、ヘキサン中2.5M)の乾ジエチルエーテル(40ml)中溶液に滴下した。混合物を2時間攪拌し、次いで、ジエチルエーテル中(10ml)のトリ−イソプロピルホウ酸塩(0.75g、4.0mmol)を10分かけて滴下し、混合物を25℃に加温した。混合物を16時間攪拌し、5%NaOH(20ml)でゆっくりとクエンチし、30分間攪拌した。水層を<5℃に冷却し、2M HClでpH6に調整し、生成物をEtOAc中で抽出した(x2)。合した有機層を乾燥し、濃縮し、黄色油として標記化合物を得た(0.53g)。δ(CDCl) 1.94(4H,m)、3.47(4H,m)、4.01(4H,s)、7.08(1H,m)、7.67(1H,dd)、7.84(1H,dd)。MS(ES):MH265
【0093】
記載例16
8−[3−(5−ホルミル−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(D16)
1:1水性1,2−ジメトキシエタン(4ml)中のD15(250mg、0.95mmol)、炭酸ナトリウム(401mg、3.79mmol)、2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボキシアルデヒド(182mg、0.95mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンPd(0)(55mg、0.047mmol)を、5分間150℃でマイクロ波反応器にて加熱し、次いで、溶媒を真空中で除去した。残渣を、水およびDCMの間に分配し、有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物を得、シリカ(0−100%ジエチルエーテル/石油エーテル勾配)に付して精製し、黄色固体として標記化合物を得た(85mg)。δ(CDCl) 1.96(4H,m)、3.28(4H,m)、4.00(4H,s)、7.13(1H,m)、8.42(1H,dd)、8.44(1H,s)、8.48(1H,dd)、10.10(1H,s)。MS(ES):MH332。
【0094】
記載例17
8−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(D17)
1,2−ジクロロエタン(2ml)中のD16(85mg、0.26mmol)および(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(29mg、0.26mmol)を、50℃で3時間攪拌した。混合物を氷浴で冷却し、(トリアセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(82mg、0.39mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で一晩攪拌し、次いで、DCMで希釈した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、次いで、乾燥し、濃縮し、黄色油として標記化合物を得た(118mg)。δ(CDCl) 1.08(6H,d)、1.78(2H,br t)、1.91(4H,m)、2.83(2H,m)、3.00(2H,m)、3.25(4H,m)、3.73(4H,s)、3.98(2H,s)、7.04(1H,dd)、7.63(1H,s)、8.25(1H,dd)、8.32(1H,dd)。MS(ES):MH430。
【0095】
記載例18
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−4−ピペリジノン(D18)
c.HSO(40mg)を含有する水(3.5ml)中のD17(118mg、0.26mmol)を、1時間100℃で加熱し;混合物を炭酸ナトリウムでpH11に塩基性化し、生成物をEtOAc中に抽出した(x3)。0−10%[MeOH/NH(9:1)]/DCM勾配で溶出しながら、シリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(38mg)。MS(ES):MH386。
【0096】
記載例19
5−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−2−フランカルバルデヒド(D19)
DMF(5ml)中のD10(250mg、0.72mmol)、5−ホルミルフラン−2−イルボロン酸(100mg、0.72mmol)、炭酸ナトリウム(227mg、2.15mmol)およびPdCl[dppf](29mg、0.04mmol)を、80℃で20時間加熱した。さらに一部の5−ホルミルフラン−2−イルボロン酸(100mg、0.72mmol)を加え、1日加熱し続け、次いで、混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで溶解し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、次いで、(NaSO)で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物を、シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−100%ジエチルエーテル/石油エーテル勾配)に付して精製し、油性固体として標記化合物を得た(85mg)。δ(CDCl) 1.59(2H,m)、2.14(2H,m)、2.98(2H,m)、3.40(1H,m)、3.53(2H,br d)、6.57(2H,dd)、6.89(2H,t)、7.00(1H,dd)、7.17(1H,d)、7.34(1H,d)、8.10(1H,dd)、8.30(1H,m)、9.65(1H,s)。MS(ES):MH366。
【0097】
記載例20
4−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−2−チオフェンカルバルデヒド(D20)
D10(100mg、0.29mmol)、(5−ホルミル−2−チエニル)ボロン酸(334mg、2.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(16mg、0.014mmol)および炭酸ナトリウム(121mg、1.1mmol)を、1,2−ジメトキシエタン(2ml)および水(2ml)の混合物中で懸濁した。反応混合物を、20分間110℃でBiotage Initiator Sixtyマイクロ波にて加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水(各5ml)の間に分配した。水層をDCM(5ml)で再抽出し、合した有機層を水で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−100%EtOAc/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(0.078g)。δ(CDCl) 1.57(3H,m)、2.09(1H,m)、2.93(2H,m)、3.32−3.50(4H,m)、6.55(2H,dd)、6.87(2H,t)、6.99(1H,dd)、7.49(1H,d)、7.72(2H,m)、8.3(1H,dd)、9.93(1H,s)。MS(ES):MH382。
【0098】
記載例21
2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−カルバルデヒド(D21)
2−ブロモチアゾール−4−カルボン酸エチル(3g、12.7mmol)をTHFおよびジクロロメタン(各100ml)で処理し、−78℃に冷却した。ヘキサン中の1M DIBAL−H(25.4ml、25.4mmol)を、<−70℃の温度に維持しながら滴下した。溶液を5時間攪拌し、MeOH(20ml)でクエンチした。溶液を室温に加温し、1M HCl(200ml)中に注ぎ、EtOAcで抽出した(3x100ml)。合した有機層をブライン(300ml)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、白色固体として生成物を得た(0.862g)。δ(CDCl) 8.10(1H,s)、9.95(1H,s)。
【0099】
記載例22
2−[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−3−ピリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルバルデヒド(D22)
D21(250mg、1.30mmol)、D15(343mg、1.30mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(75mg、0.06mmol)、および炭酸ナトリウム(552mg、5.2mmol)を、1,2−ジメトキシエタンおよび水(各2.5ml)中で合し、次いで、12分間マイクロ波反応器にて175℃に加熱した。混合物をDCMおよび水(各10ml)の間に分配し、有機層をDCM(10ml)で再抽出した。合した有機層を、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー(0−100%ジエチルエーテル/40−60石油エーテル勾配)に付して精製し、オレンジ色固体として生成物を得た(694mg)。δ(CDCl) 1.91(4H,m)、3.27(4H,m)、4.00(4H,s)、7.09(1H,m)、8.22(1H,s)、8.4(1H,m)、8.45(1H,m)、10.10(1H,s)。MS(ES):MH332。
【0100】
記載例23
8−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(D23)
D22(694mg、2.09mmol)および((2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(240mg、2.09mmol)を1,2−ジクロロエタン(30ml)中で合し、3時間50℃に加熱した。溶液を0℃に冷却し、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(888mg、4.18mmol)を加えた。混合物を16時間攪拌し、次いで、DCM(50ml)で希釈し、水およびブライン(各100ml)で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]に付して精製し、オレンジ色油として生成物を得た(747mg)。δ(CDCl) 1.06(6H,d)、1.6(1H,br s)、1.81(2H,t)、1.91(2H,t)、2.94(2H,m)、3.02(2H,m)、3.25(4H,t)、3.73(2H,s)、3.90(4H,s)、7.04(1H,m)、7.18(1H,s)、8.28(1H,m)、8.32(1H,s)。MS(ES):MH430。
【0101】
記載例24
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−4−ピペリジノン(D24)
D23(747mg、1.74mmol)および98%HSO(261mg、2.61mmol)を水中で合し、2時間100℃に加熱した。溶液を冷却し、炭酸ナトリウムで塩基性化した。混合物をDCMで抽出し(3x20ml)、合した有機層を乾燥し、真空中で濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]に付して精製し、オレンジ色油として生成物を得た(124mg)。δ(CDCl) 1.05(6H,d)、1.78(2H,t)、2.00(1H,br s)、2.66(4H,t)、2.92(2H,m)H、3.00(2H,m)、3.49(4H,t)、3.70(2H,s)、7.17(2H,m)、8.32(1H,s)、8.37(1H,d)。MS(ES):MH386。
【0102】
記載例25
6−クロロ−3−ピリジンカルバルデヒド(D25)
2−クロロ−5−シアノピリジン(5g、36mmol)を無水トルエン(100ml)で溶解し、5℃に冷却した。トルエン中1.5M DIBAL−H(25.2ml、38mmol)を、20分かけて滴下した。得られた溶液をMeOH(10ml)で、次いで、2M HSO(30ml)で処理し、室温で48時間攪拌した。混合物を濃縮し、残渣をEtOAcおよび水の間に分配した。有機層を分離し、ブラインおよび飽和NaHCO溶液で洗浄し、次いで、(NaSO)で乾燥し、濃縮し、淡黄色固体として標記化合物を得た(5.41g)。δ(CDCl) 7.51(1H,d)、8.14(1H,m)、8.87(1H,d)、10.10(1H,s)。
【0103】
記載例26
(3R,5S)−1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−3,5−ジメチルピペラジン(D26)
D25(0.5g、3.5mmol)および(2R,6S)−ジメチルピペラジン(0.40g、3.5mmol)を1,2−ジクロロエタンで溶解し、室温で24時間攪拌した。トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムを加え、混合物を室温でさらに4時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO溶液で、次いで、水で洗浄した。有機層を分離し、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]に付して精製し、淡黄色固体として標記化合物を得た(0.45g)。δ(CDCl) 1.02(6H,d)、1.64(2H,t)、2.70(2H,m)、2.91(2H,m)、3.46(2H,s)、7.29(1H,d)、7.66(1H,d)、8.30(1H,s)。MS(ES):MH240。
【0104】
記載例27
5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2’−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−2,3’−ビピリジン(D27)
D15(0.5g、1.90mmol)、D26(0.45g、1.90mmol)、炭酸ナトリウム(0.8g、7.58mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.11g、0.1mmol)を、1:1水性1,2−ジメトキシエタン(12ml)で溶解し、マイクロ波反応器にて5分間150℃で加熱した。混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水の間に分配した。水層をDCMで再抽出した。合した有機層を(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]に付して精製し、オレンジ色油として標記化合物を得た(0.62g)。δ(CDCl) 1.05(6H,m)、1.67(4H,m)、2.73(3H,m)、2.94(3H,m)、3.22(4H,t)、3.53(2H,s)、3.93(4H,s)、6.94(1H,m)、7.70(1H,m)、7.84(2H,m)、8.24(1H,m)、8.60(1H,d)。MS(ES):MH424。
【0105】
記載例28
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−4−ピペリジノン(D28)
D27(0.62g、1.47mmol)および濃硫酸(0.22g、2.21mmol)を水(16ml)中で合し、3時間80℃に加熱した。さらに一部の硫酸(0.22g、2.21mmol)を加え、混合物をさらに2時間80℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、混合物がpH10に達するまで固体NaCOを加えた。水性混合物を、EtOAcで抽出した(×3)。合した有機層を(NaSO)で乾燥し、濃縮し、褐色油として標記化合物を得た(0.57g)。δ(CDCl) 1.03(6H,m)、1.66(4H,m)、2.43(4H,t)、2.70(1H,m)、2.76(2H,m)、2.94(3H,m)、3.55(2H,s)、7.01(1H,m)、7.73(1H,m)、7.84(2H,m)、8.29(1H,m)、8.64(1H,s)。MS(ES):MH380。
【0106】
記載例29
4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D29)
4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(24g、112mmol)、3−フルオロフェノール(5.6g、59mmol)およびトリフェニルホスフィン(31.4g、118mmol)のTHF(100ml)中溶液に、ジ−イソプロピルアゾジカルボン酸塩(23.3ml、118mmol)を加えた。反応物を3日間室温で攪拌し、次いで、溶媒を真空中で除去した。残渣をDCMで希釈し、ヘキサンを加え、得られた白色沈渣を濾去した。濾液を真空中で濃縮し、クロマトグラフィーに付して精製した。DCMで抽出し、標記化合物を得た(16.4g、純度87%)。δ(CDCl,250MHz) 1.47(9H,s)、1.76(2H,m)、1.92(2H,m)、3.35(2H,ddd)、3.69(2H,ddd)、4.44(1H,m)、6.65(3H,m)、7.20(1H,m)。
【0107】
記載例30
4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]ピペリジン(D30)
0℃で、D29(16.4g、55mmol)のDCM(200ml)中溶液をTFA(17ml)で滴下処理した。反応物を2.5時間室温に加温し、一晩置いた。次いで、溶媒を真空中で除去し、残渣をDCMおよび2M NaOH溶液の間に分配した。さらに、水層をDCMで抽出し(x2)、合した有機層を真空中で濃縮した。残渣をDCMで再溶解し、2M HClで抽出し(x2)、次いで、塩基性化し、DCMで再抽出した。合した有機層を真空中で濃縮し、標記化合物を得た(12g)。δ(CDCl,250MHz) 1.66(2H,m)、2.01(2H,m)、2.73(2H,m)、3.14(2H,m)、4.34(1H,m)、6.68(3H,m)、7.19(1H,m)。MS(ES):MH196。この全体を、MeOHで希釈し、EtO中1M HClで処理し、標記化合物の塩酸塩を得た(8.0g)。
【0108】
記載例31
4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]ピペリジン(D31)
標記化合物を、L.C Blumberg,M.F.Brown,M.M.HaywardおよびC.S.Poss、PCT国際出願,WO2004009550に記載のものと同様の方法を用いて調製してもよい。
【0109】
記載例32
(2S)−4−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−1H−ピラゾール−3−イル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D32)
D6(1.368g、5.24mmol)、ピペラジン(1.228g、5.24mmol)および炭酸カリウム(1.593g、11.53mmol)をDMF(20ml)中で合し、2時間50℃に加熱した。混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水の間に分配した。水層をDCMで再抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、オレンジ色油として生成物を得た(2.2g)。H NMR(CDCl): δ 1.26−1.27(3H,d)、1.64(9H,s)、2.09−2.16(2H,m)、2.21−2.24(2H,m)、2.59−2.62(2H,d)、2.77−2.80(2H,d)、3.15−3.22(2H,m)、3.52−3.63(2H,q)、3.89−3.93(1H,d)、4.29(1H,bs)、5.09−5.16(2H,m)、6.40−6.41(1H,d)、7.29−7.38(5H,m)、8.00−8.01(1H,d)。MS(ES):MH415.3
【0110】
記載例33
(2S)−2−メチル−4−(1H−ピラゾール−3−イルメチル)−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D33)
D32(2.20g、5.24mmol)を、DCM中20%TFA(35ml)で処理し、2時間攪拌した。さらに一部のTFA(2ml)を加え、2時間攪拌し続けた。溶媒を揮発除去し、残渣をDCMおよび飽和重炭酸ナトリウムの間に分配した。有機層を単離し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで希釈し、濃縮し、黄色油として生成物を得た(1.394g)。H NMR(CDCl): δ 1.26−1.28(3H,d)、2.04−2.11(1H,m)、2.17−2.24(1H,m)、2.61−2.63(1H,m)、2.78−2.81(2H,dd)、3.15−3.23(1H,m)、3.51−3.63(2H,q)、3.90−3.94(1H,d)、4.30(1H,bs)、5.10−5.17(2H,m)、6.21−6.22(1H,d)、7.29−7.38(5H,m)、7.52−7.53(1H,d)、10.28(1H,bs)。MS(ES):MH315.3
【0111】
記載例34
1−(3−ブロモ−2−ピリジニル)−4−ピペリジノール(D34)
3−ブロモ−2−クロロピリジン(5.95g、30.92mmol)、4−ヒドロキシピペリジン(5g、49.43mmol)および炭酸カリウム(15.03g、108.75mmol)をDMF(200ml)中で合し、一晩120℃に加熱した。溶媒を除去し、残渣をEtOAcおよび水の間に分配した。水層をEtOAcで再抽出し、合した有機層を水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーに付して精製した。20−75%EtOAc/石油エーテルで溶出し、黄色油として生成物を得た(5.1g)。δ(CDCl,400MHz):1.60−1.61(1H,m)、1.68−1.79(2H,m)、2.01−2.07(2H,m)、2.98−3.04(2H,m)、3.64−3.69(2H,m)、3.86−3.91(1H,m)、6.74−6.77(1H,m)、7.77−7.79(1H,dd)、8.21−8.22(1H,m)。
【0112】
記載例35
3−ブロモ−2−{4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}ピリジン(D35)
D34(500mg、1.94mmol)、トリフェニルホスフィン(2.14mmol)および4−フルオロフェノール(2.14mmol)を、アルゴン下、THF(12.5ml)中で合し、0℃に冷却した。DEAD(0.34ml、2.14mmol)を5分かけて滴下した。氷浴を除去し、一晩攪拌した。溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーに付して精製した。0−25%EtO/石油エーテルで抽出し、白色固体として生成物を得た(470mg)。δ(CDCl,400MHz):1.91−2.00(2H,m)、2.08−2.15(2H,m)、3.15−3.21(2H,m)、3.59−3.64(2H.m)、4.38−4.44(1H,m)、6.76(1H,m)、6.88−6.92(2H,m)、6.95−7.00(2H,m)、7.77−7.80(1H,dd)、8.22−8.24(1H,m)。
【0113】
記載例36
3−ブロモ−2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}ピリジン(D36)
標記化合物を、3−フルオロフェノールを用いてD35記載のもんと同様の方法を用いて調製した。MS(ES):MH352.2/353.2
【0114】
記載例37
3−ブロモ−2−{4−[(2−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}ピリジン(D37)の調製
標記化合物を、2−フルオロフェノールを用いてD35記載のものと同様の方法を用いて調製した。MS(ES):MH352.2/353.2
【0115】
記載例38
(2R,6S)−4−{[1−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−2,6−ジメチル−1−(トリフルオロアセチル)ピペラジン(D38)
D9(116mg、0.40mmol)、D35(116mg、0.33mol)、CuI(3mg、0.017mmol)、炭酸カリウム(256mgs、1.85mmol)およびl−プロリン(5mg、0.04mmol)をDMSO(0.6ml)中で合し、12時間マイクロ波にて175℃に加熱した。溶液をDCMおよび水の間に分配した。水層をDCMで再抽出した。合した有機層を水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーに付して精製した。0−45%EtOAc/石油エーテル、次いで、10%MeOH/DCMで溶出し、粗生成物を得た。Isolute Flash SIカラムに通して50%EtOAc/石油エーテルで溶出し、褐色油として生成物を得た(24.8mgs)。δ (CDCl,400MHz):1.35−1.50(6H,bd)、1.70−1.79(2H,m)、1.94−1.98(2H,m)、2.23−2.34(2H,m)、2.77(2H,bs)、2.83−2.90(2H,m)、3.23−3.27(2H,m)、3.68(2H,s)、4.13(1H,bs)、4.27−4.32(1H,m)、4.54(1H,bs)、6.47(1H,d)、6.81−6.86(2H,m)、6.93−7.00(3H,m)、7.69−7.72(1H,dd)、8.00−8.01(1H,d)、8.25−8.26(1H,m)。MS(ES):MH561.3
【0116】
記載例39
(2R,6S)−4−{[1−(2−{4−[(2−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−2,6−ジメチル−1−(トリフルオロアセチル)ピペラジン(D39)
標記化合物を、D37を用いてD38に記載のものと同様の方法を用いて調製した。MS(ES):MH561.3
【0117】
記載例40
(2R,6S)−4−{[1−(2−{3−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−2,6−ジメチル−1−(トリフルオロアセチル)ピペラジン(D40)
標記化合物を、D36を用いてD38に記載のものと同様の方法を用いて調製した。MS(ES):MH561.3
【0118】
記載例41
(2S)−4−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D41)
標記化合物を、D33およびD36を用いてD38に記載のものと同様の方法で調製した。MS(ES):MH585.3
【0119】
記載例42
(2S)−4−{[1−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D42)
標記化合物を、D33およびD35を用いてD38に記載のものと同様の方法で調製した。MS(ES):MH585
【0120】
記載例43
2’−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−2,3’−ビピリジン−5−カルバルデヒド(D43)
D25(0.31g、2.2mmol)、D15(0.58g、2.2mmol)、炭酸ナトリウム(0.93g、8.8mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンPd(0)触媒(0.13g、0.11mmol)をDME(7ml)および水(7ml)中で合し、5分間150℃でマイクロ波を用いて加熱した。溶媒を真空下除去し、残渣をDCMおよび水の間に分配した。水層をDCMで抽出した(x3)。DCM層を合し、乾燥し、濃縮し、褐色油として粗生成物を得た。生成物を、0−50%酢酸エチル/石油で溶出しながら、カラムクロマトグラフィーに付して精製し、黄色固体として標記化合物を得た(0.32g)。H NMR(CDCl)δ:1.69(4H,t)、3.27(4H,t)、3.94(4H,s)、6.98(1H,m)、7.95(1H,m)、8.13(1H,d)、8.18(1H,m)、8.30(1H,dd)、9.14(1H,s)、10.13(1H,s)。MS(ES):MH326。
【0121】
記載例44
(2S)−4−{[2’−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−2,3’−ビピリジン−5−イル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D44)
D43(0.32g、0.98mmol)および(2S)−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(0.23g、0.98mmol)をDCEで溶解し、50℃で5分間攪拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.31g、1.47mmol)を加え、混合物を50℃で一晩攪拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウム溶液で、次いで、水で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮し、黄色油として粗生成物を得た。生成物を、0−100%酢酸エチル/石油で溶出しながら、カラムクロマトグラフィーに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(0.14g)。H NMR(CDCl)δ:1.28(3H,d)、1.67(4H,t)、2.10(1H,m)、2.22(1H,dd)、2.61(1H,d)、2.79(1H,d)、3.18(1H,m)、3.22(4H,t)、3.44(1H,d)、3.57(1H,d)、3.93(5H,m)、4.32(1H,br)、5.14(2H,s)、6.94(1H,dd)、7.34(5H,m)、7.70(1H,dd)、7.85(2H,m)、8.25(1H,dd)、8.62(1H,s)。MS(ES):MH544。
【0122】
記載例45
(2S)−2−メチル−4−{[2’−(4−オキソ−1−ピペリジニル)−2,3’−ビピリジン−5−イル]メチル}−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D45)
D44(0.14g、0.26mmol)を、水(3ml)中濃硫酸(0.038g, 0.38mmol)と合し、80℃で2.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、混合物がpH10に達するまで炭酸ナトリウムを加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した(x3)。有機層を合し、乾燥し、濃縮し、淡黄色油として標記化合物を得た(0.12g)。H NMR(CDCl)δ:1.28(3H,d)、2.09(1H,m)、2.22(1H,m)、2.43(4H,t)、2.61(1H,d)、2.80(1H,m)、3.21(1H,m)、3.46(5H,m)、3.59(1H,d)、3.94(1H,d)、4.32(1H,br)、5.14(2H,s)、7.02(1H,dd)、7.37(5H,m)、7.74(1H,d)、7.86(2H,t)、8.28(1H,d)、8.64(1H,s)。MS(ES):MH500。
【0123】
記載例46
(2S)−4−[(2’−{4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジニル}−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D46)
D45(0.06g、0.12mmol)および4−フルオロアニリン(0.013g、0.12mmol)を、DCEで溶解した。分子篩(0.5g)を加え、混合物を50℃に加熱し、5分間攪拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加え、混合物を50℃で一晩攪拌した。篩を濾去し、濾液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮し、黄色油を得た。生成物を、0−100%酢酸エチル/石油で溶出しながら、カラムクロマトグラフィーに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(0.029g)。H NMR(CDCl)δ:1.25(3H,d)、1.37(2H,m)、1.66(1H,br)、1.98(2H,d)、2.10(1H,m)、2.22(1H,dd)、2.60(1H,d)、2.82(3H,m)、3.21(1H,t)、3.32(1H,m)、3.47(3H,m)、3.54(1H,d)、3.93(1H,d)、4.31(1H,br)、5.14(2H,s)、6.52(2H,m)、6.85(2H,t)、6.97(1H,m)、7.35(5H,m)、7.72(1H,d)、7.88(2H,m)、8.27(1H,d)、8.61(1H,s)。MS(ES):MH595。
【0124】
記載例47
4−{[2’−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−2,3’−ビピリジン−5−イル]メチル}−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D47)
標記化合物を、記載例44に記載のものと同様の方法を用いて、D43および1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチルから調製した。MS(ES):MH530.3
【0125】
記載例48
4−{[2’−(4−オキソ−1−ピペリジニル)−2,3’−ビピリジン−5−イル]メチル}−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D48)
標記化合物を、混合物を3.5時間加熱した以外は記載例45のものと同様の方法を用いてD47から調製した。MS(ES):MH486.2
【0126】
記載例49
4−[(2’−{4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1−ピペリジニル}−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(D49)
標記化合物を、混合物を室温で一晩攪拌し、カラムクロマトグラフィー(Horizon 25+M 0−100%EtOAc/石油、次いで、[10%MeOH/DCM in /DCM]を用いて)、次いで、MDAPに付して精製した以外は実施例17のものと同様の方法を用いてD48、4−フルオロアニリンおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムから調製した。MS(ES):MH581.3。
【0127】
実施例1
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E1)
D13(0.56g、0.97mmol)および炭酸カリウム(1.13g、8.2mml)を、MeOH(27ml)および水(13.5ml)中で合し、次いで、60℃で16時間加熱した。溶液を濃縮し、残渣をDCM中10%MeOHおよび水の間に分配した。水層をDCM中10%MeOHで再抽出し、合した有機層を(NaSO)で乾燥し、濃縮し、黄色泡沫として標記化合物を得た(0.42g)。δ(CDCl) 1.01(6H,d)、1.25−1.45(3H,m)、1.69(2H,d)、2.01(2H,d)、2.77−2.84(5H,m)、2.95(2H,m)、3.26−3.40(2H,br d)、3.43(1H,br s)、3.64(2H,s)、6.42(1H,d)、6.52(2H,m)、6.86(2H,m)、6.65(1H,m)、7.71(1H,m)、7.93(1H,d)、8.24(1H,m)。MS(ES):MH464。
【0128】
実施例1a
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン塩酸塩(E1a)
E1(0.42g、0.91mmol)をDCM(10ml)で処理し、ジエチルエーテル中1.2M HCl(0.76ml、0.91mmol)を加えた。溶媒を真空中で除去し、黄色固体として標記化合物を得た(0.45g)。δ(DMSO−d) 1.08(6H,d)、1.83(2H,d)、2.07(2H,br t)、2.72(2H,t)、2.95(2H,br d)、3.16(2H,d)、3.25(3H,br s)、3.64(2H,s)、5.38(1H,br d)、6.45(1H,s)、6.56(2H,br s)、6.88(2H,t)、7.03(1H,m)、7.69(1H,d)、8.12(1H,s)、8.26(2H,m)、9.09(1H,br s)。
【0129】
実施例E2−E3は、実施例1に記載のものと同様の方法を用いて適当な中間体から調製した。
【表1】

【0130】
実施例4
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E4)
メタノール(3ml)中D18(38mg、0.10mmol)、4−フルオロアニリン(10.9mg、0.1mmol)および3Å分子篩(500mg)を、25℃で16時間攪拌した。酢酸(17ul、0.30mmol)を加え、混合物を25℃で8時間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.3mg、0.15mmol)を加え、混合物を25℃で48時間攪拌した。濾過後、真空中で蒸発させ、残渣を得、DCMおよび0.05M NaOHの間に分配した。水層をDCMで抽出し(x2)、合した有機層を蒸発させ、黄色油を得た。0−10%[MeOH/NH(9:1)]/DCM勾配で溶出しながら、カラムクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(27mg)。MS(ES):MH481。
【0131】
実施例4a
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン二塩酸塩(E4a)
E4(27mg)を1Mエーテル性HClで処理し、標記化合物を得た(16mg)。δ(DMSO−d) 1.31(6H,br)、1.95(2H,br d)、2.30(2H,br)、2.89(2H,t)、2.95−3.15(2H,br)、3.29(2H,br d)、3.50−4.30(2H,重複シグナル)、7.30(1H,m)、7.41(2H,br)、7.55−7.77(2H,br)、8.11(1H,s)、8.41(2H,m)、9.70(1H,br s)、10.05(1H,br s)。
【0132】
実施例5
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2−フラニル、)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E5)
1,2−ジクロロエタン(4ml)中D19(85mg、0.23mmol)、(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(26.5mg、0.23mmol)を、25℃で16時間攪拌した。(トリアセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(74.1mg、0.35mmol)を加え、混合物を3日間攪拌した。混合物を飽和NaHCO、水で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、溶媒を真空中で除去した。0−10%[MeOH/NH(9:1)]/DCM勾配で溶出しながら、シリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して精製し、油性黄色固体として標記化合物を得た(44mg)。δ(CDCl) 1.07(6H,d)、1.55(2H,m)、1.50−2.10(6H,br)、2.12(2H,m)、2.77−3.10(4H,m)、3.40(1H,m)、3.51(2H,m)、3.61(2H,s)、6.30(1H,d)、6.55(2H,dd)、6.80−6.99(4H,m)、7.95(1H,dd)、8.20(1H,m)。MS(ES):MH464。
【0133】
実施例6
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2−チエニル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E6)
D20(78mg、0.2mmol)および(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(28mg、0.25mmol)を1,2−ジクロロエタン(7ml)で溶解し、50℃で1.25時間加熱した。反応物を室温に冷却し、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(95mg、0.45mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴン下、室温で16時間攪拌した。混合物を、DCM(8ml)で希釈し、飽和NaHCO溶液(10ml)で洗浄した。有機層を、さらに一部の水(10ml)で洗浄し、次いで、(NaSO)で乾燥し、濃縮した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]に付して精製し、泡沫状オレンジ色固体として標記化合物を得(41mg)、メタノール(1ml)で溶解した。エーテル中1M HCl(0.34ml)を加え、反応混合物を濃縮し、オレンジ色固体として標記化合物のジ−HCl塩を得た(43mg)。δ(CDCl) 1.02(6H,d)、1.60(2H,m)、1.69(2H,m)、2.06(2H,m)、2.89(6H,m)、3.36(1H,m)、3.51(2H,d)、3.71(2H,s)、6.54(2H,dd)、6.89(4H,m)、7.18(1H,d)、7.64(1H,dd)、8.21(1H,dd)。MS(ES):MH480
【0134】
実施例7
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン二塩酸塩(E7)
D24(40mg、0.1mmol)および4−フルオロアニリン(11.6mg、0.1mmol)を、3Å分子篩にかけMeOH(6ml)中で4時間攪拌した。酢酸(25mg、0.415mmol)を加え、混合物を16時間攪拌した。トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(9.8mg、0.15mmol)を加え、混合物を24時間攪拌した。濾過し、濃縮し、シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]に付して精製し、透明油として遊離塩基を得た。油をDCM(5ml)で処理し、過剰のジエチルエーテル中1M HClを加えた。濃縮し、灰白色固体として標記化合物を得た。δ(MeOH−d) 1.45(6H,br s)、2.08(2H,br s)、2.27(2H,br s)、3.13(2H,br s)、3.55(2H,br s)、3.85(5H,m)、4.69(2H,br s)、7.37(3H,m)、7.71(2H,m)、8.07(1H,br s)、8.39(1H,br s)、8.60(1H,br s)。MS(ES):MH481。
【0135】
実施例E8−E9を、実施例7に記載のものと同様の方法を用いて適当な中間体から調製した。
【表2】

【0136】
実施例10
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E10)
D28(0.1g、0.26mmol)および4−フルオロアニリン(0.029g、0.026mmol)を、分子篩(0.5g)にかけMeOH(5ml)中で溶解し、4時間室温で攪拌した。酢酸(0.047g、0.79mmol)を加え、混合物を24時間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.025g、0.40mmol)を加え、混合物を室温でさらに24時間攪拌した。混合物を濾過し、分子篩を除去し、濾液を真空中で濾過した。シリカ上のカラムクロマトグラフィー[0−10%(MeOH中2M NH)/DCM勾配]、次いで、マスディレクティッド自動精製法に付して精製し、黄色固体として標記化合物を得た(0.025g)。δ(CDCl) 1.01(6H,d)、1.36(2H,m)、1.66(2H,t)、1.97(2H,d)、2.74(2H,m)、2.90(4H,m)、3.31(1H,m)、3.50(4H,m)、6.51(2H,m)、6.85(2H,t)、6.96(1H,m)、7.69(1H,d)、7.85(2H,m)、8.27(1H,m)、8.60(1H,s)。MS(ES):MH475。
【0137】
実施例10a
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン塩酸塩(E10a)
E10(0.025g)をDCM(1ml)で溶解し、ジエチルエーテル中1.2M HCl(0.045ml)を加えた。混合物を濃縮し、白色固体として標記化合物を得た(0.022g)。δ(DMSO−d) 1.15(6H,d)、1.31(2H,m)、1.81(2H,d)、2.04(2H,t)、2.78(2H,t)、2.90(2H,d)、3.37(5H,m)、3.63(2H,s)、5.37(1H,d,NH)、6.54(2H,m)、6.89(2H,t)、7.01(1H,m)、7.76(1H,d)、7.81(1H,d)、7.88(1H,d)、8.24(1H,m)、8.37(1H,br d)、8.61(1H,s)、9.12(1H,br d)。MS(ES):MH475。
【0138】
実施例11
N−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(3−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−4−ピペリジンアミン(E11)
D33(200mg、0.64mmol)、ブロモピリジンD10(186mg、0.53mmol)、ヨウ化銅(I)(5mg、0.03mmol)、炭酸カリウム(88mg、0.64mmol)およびL−プロリン(8mg、0.064mmol)をDMSO(1ml)中で合し、12時間マイクロ波反応器にて170℃で加熱した。反応混合物をDCMおよび水の間に分配し、有機層を分離し(x3)、(NaSO)で乾燥し、濃縮し、粗褐色油を得た(325mg)。該油を、クロマトグラフィー(0〜10%酢酸エチル/石油エーテルで溶出しながら、Biotage Horizon 40+S)に付した。適当なフラクションを合し、無色油を得た(102mg)。メタノール(15ml)を、Pdブラック(40mg)と一緒に加え、物質を室温で水素化した。LCMSは3時間で完全に反応物を示し、Pdを濾去し、反応混合物を濃縮し、無色油として得た(85mg)。クロマトグラフィー(Biotage Horizon 12+M、0−10%MeOH/NH/DCM、次いで、10−20%MeOH/NH/DCMで溶出しながら)に付して、無色油として標記化合物を得た(61mg)。δ(CDCl,400MHz):1.03(3H,d)、1.40(2H,m)、1.79(1H,t)、2.01(4H,br d)、2.14(1H,m)、2.77−2.84(4H,m)、2.95(3H,m)、3.28(3H,br d)、3.65(2H,s)、6.41(1H,d)、6.53(2H,m)、6.87(2H,m)、6.95(1H,m)、7.72(1H,dd)、7.95(1H,d)、8.23(1H,m)。MS(ES):MH450
上記をエーテル中1.2M HCl(0.11ml)で処理し、白色固体として標記化合物の一塩酸塩を形成した(50mg)。
【0139】
実施例12
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E12)
D38(24mg、0.043mmol)およびKOH(24mg、0.42mmol)をイソプロパノール中で合し、4時間100℃に加熱した。溶媒を除去し、残渣を10%MeOH/DCMおよび水の間に分配した。水層を10%MeOH/DCMで再抽出した。合した有機層を合し、乾燥し、濃縮し、黄色油として生成物を得た。δ(CDCl,400MHz):1.01−1.02(6H,d)、1.55(1h,bs)、1.68−1.79(4H,m)、1.93−1.98(2H,m)、2.82−2.98(6H,m)、3.23−3.29(2H,m)、3.65(2H,s)、4.27−4.31(1H,m)、6.42−6.43(1H,d)、6.82−6.86(2H,m)、6.92−7.00(3H,m)、7.71−7.74(1H,dd)、7.95(1H,d)、8.23−8.25(1H,m)。MS(ES):MH465.2
【0140】
該黄色油を、1.1当量のEtO中1M HClで処理し、標記化合物の塩酸塩を得た(6.2mg)。MS(ES):MH465.3
【0141】
実施例13
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(2−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E13)
標記化合物を、D39を用いてE12に記載のものと同様の方法を用いて調製した。MS(ES):MH465.3
【0142】
実施例14
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E14)
標記化合物を、D40を用いてE12に記載のものと同様の方法を用いて調製した。MS(ES):MH465.3
【0143】
実施例15
(3S)−1−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3−メチルピペラジン(E15)
D41(51mg、0.0.87mmol)およびパラジウムブラック(19mg)をMeOH(5ml)中で合し、3時間大気圧下で水素化した。混合物をセライトに通して濾過し、濾液を濃縮し、灰白色油として生成物を得た。δ(CDCl,400MHz):1.23−1.26(3H,d)、1.72−1.81(2H,m)、1.97−2.02+(3H,m)、2.29−2.34(1H,m)、2.87−2.92(4H,m)、2.96−3.12(3H,m)、3.24−3.29(2H,m)、3.67(2H,s)、4.20(1H,bs)、4.36−4.39(1H,m)、6.41−6.42(1H,d)、6.59−6.68(3H,m)、6.94−6.97(1H,m)、7.17−7.22(1H,m)、7.72−7.74(1h,dd)、7.97−7.98(1H,d)、8.24−8.25(1H,m)。MS(ES):MH451.3
【0144】
該全体を1.1当量のEtO中1M HClで処理し、標記化合物の塩酸塩を得た(39.8mg)。MS(ES):MH451.3
【0145】
実施例16
(3S)−1−{[1−(2−{4−[4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3−メチルピペラジン一塩酸塩(E16)
標記化合物を、E15に記載のものと同様の方法を用いてD42から調製した。MS(ES):MH451.3
【0146】
実施例17
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E17)
D28(0.115g、0.3mmol)および3−フルオロアニリン(0.034g、0.3mmol)を、加えた分子篩(0.5g)にかけ、メタノール中で溶解した。混合物を室温で2時間攪拌した。酢酸(0.055g、0.91mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.029g、0.46mmol)を加え、混合物を週末にかけて室温で攪拌した。篩を濾去し、溶媒を真空下で除去した。残渣をDCMで処理し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮し、黄色油を得た。生成物をMDAPに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(0.042g)。H NMR(CDCl)δ:1.02(6H,d)、1.38(2H,m)、1.66(2H,t)、1.98(2H,d)、2.75(2H,d)、2.94(4H,m)、3.36(1H,br)、3.49(2H,d)、3.53(2H,s)、3.66(1H,br)、6.25(1H,d)、6.33(2H,m)、6.97(1H,dd)、7.05(1H,dd)、7.69(1H,d)、7.85(2H,m)、8.27(1H,dd)、8.61(1H,s)。MS(ES):MH475。
【0147】
上記を、ジエチルエーテル中1.2M HCl(0.074ml)と合し、一HCl塩を得た(0.043g)。MS(ES):MH475。
【0148】
実施例18
N−(4−フルオロフェニル)−1−(5−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−4−ピペリジンアミン(E18)
D46(0.029g、0.049mmol)を、メタノール(4ml)中パラジウムブラック(0.015g)と合し、4時間水素雰囲気下で攪拌した。触媒を、セライトに通して濾過により除去し、溶媒を真空下で除去し、無色油として粗生成物を得た。生成物をMDAPに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(0.014g)。H NMR(CDCl)δ:1.00(3H,d)、1.36(2H,dd)、1.72(1H,t)、1.97(2H,d)、2.07(1H,m)、2.75(2H,d)、2.90(5H,m)、3.34(1H,m)、3.52(4H,m)、6.51(2H,m)、6.85(2H,t)、6.96(1H,dd)、7.70(1H,dd)、7.85(2H,t)、8.27(1H,d)、8.61(1H,s)。MS(ES):MH461。
【0149】
上記をDCMで溶解し、ジエチルエーテル中1.2M HCl(0.025ml)を加えた。溶媒を除去し、一HCl塩を得た(0.011g)。MS(ES):MH461。
【0150】
実施例19
N−(4−フルオロフェニル)−1−[5−(1−ピペラジニルメチル)−2,3’−ビピリジン−2’−イル]−4−ピペリジンアミン塩酸塩(E19)
標記化合物を、生成物を、0−100%(DCM中10%NH/MeOH)/DCMを用いてHorizon 12+M上のカラムクロマトグラフィーに付して精製した以外は実施例18のものと同様の方法を用いてD49から調製した。MS(ES):MH447.2
【0151】
本発明の化合物を、以下のFLIPRおよびGTPγSアッセイにしたがってインビトロ生物活性の試験をしてもよい:
【0152】
GPR38 FLIPR機能的アゴニストアッセイプロトコル
GPR38受容体を安定に発現するHEK−293細胞を、アッセイ24時間前に、ポリ−D−リジンコーティングされた384ウェルブラック−ウォール、透明底マイクロタイタープレート(Becton Dickinson)中に播種した(10,000細胞/ウェル)。アッセイの日に、細胞を、EMBLA細胞洗浄機を用いて80ulのアッセイ緩衝液(Hanks Balanced Salts 溶液(HBSS)、10mM HEPES、200μM Ca2+、2.5mMプロベネシド)で洗浄した(x2)。最終洗浄後、緩衝液を吸引し、細胞上の残留量の30ulを残した。細胞を、アッセイ緩衝液で1μM(最終)Fluo−4−AM蛍光表示染料(TefLabs)で充填した。(20ul充填溶液を、Multidropを用いて各ウェルに加えた)。EMBLA細胞洗浄機を用いて80ulアッセイ緩衝液で洗浄する(x3)前に、プレートを37℃で1時間インキュベートした;最後に洗浄した後、30ul残留した。次いで、プレートを、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR、分子素子)上でアッセイした。試験化合物を、プロベネシドを含有しないが、0.03%CHAPSを含有するアッセイ緩衝液で調製した。FLIPRにおいて、10ulの試験化合物を細胞に加え、蛍光の変化を2分の時間をかけて測定した。基準に対する蛍光の最大変化量を、アゴニスト反応を測定するために用い、濃度反応曲線を、4−パラメータ・ロジスティック方程式を用いて構築した。
【0153】
以下の別の製法をまた用いてもよい:
GPR38受容体を安定に発現するHEK−293細胞を、アッセイ24時間前に、ポリ−D−リジンコーティングされた96ウェルブラック−ウォール、透明底マイクロタイタープレート(Corning)中に播種した(30,000細胞/100ul増殖培地/ウェル)。アッセイの日に、細胞を、アッセイ緩衝液(145mM塩化ナトリウム、2.5mM塩化カリウム、10mM Hepes、10mMグルコース、1.2mM塩化マグネシウム、1.5mM塩化カルシウムおよび0.1%BSA)中2μM(最終)Fluo−4−AM蛍光表示染料(分子プローブ)および1mM(最終)プロベネシドで充填した(50ul充填溶液を各ウェルに加えた)。EMBLA細胞洗浄機を用いて100ulアッセイ緩衝液で4回洗浄する前に、プレートを25℃で1時間インキュベートした;最後に洗浄した後、150ul残留した。次いで、細胞を20分間25℃でインキュベートし、次いで、プレートを、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR、分子素子)上でアッセイした。試験化合物を、プロベネシドを含有することなくアッセイ緩衝液で調製した。FLIPRにおいて、50ulの試験化合物を細胞に加え、蛍光の変化量を2分の時間をかけて測定した。基準に対する蛍光の最大変化量を、アゴニスト反応を測定するために用い、濃度反応曲線を、ロジスティック方程式を用いて構築した。
【0154】
試験されている本発明の化合物は、FLIPRアッセイにおいてpEC50 > 5.0、より好ましくは、>5.5、実施例では>6.0を有する。
【0155】
GPR38 GTPγS機能的アゴニストアッセイプロトコル
アッセイされる各化合物について、Opti透明底96ウェルプレートにおいて加えられる:
(a)アッセイ緩衝液(20mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)+100mM NaCl+10mM MgCl、pHはNaOHで7.4に調整した)で所定の濃度に希釈された20μlの試験化合物(または非特異的結合コントロールとして10μlのグアノシン5’−三リン酸(GTP));
(b)60μlビーズ/膜/GDP混合物を、100mg/mlでコムギ胚芽凝集素−ポリビニルトルエン(WGA−PVT)シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズを懸濁し、次いで、(上記方法にしたがって調製された)膜と合し、アッセイ緩衝液で希釈することにより調製し、ウェル当たり10μgタンパク質および0.5mgビーズを含有する最終容量の60μlを得、混合物をローラー上で4℃で30分間予め混合し、プレートに添加する直前に10μM最終濃度のグアノシン5’二リン酸(GDP−アッセイ緩衝液で希釈した)を加える。
(c)最終0.38nMを得るためにアッセイ緩衝液で1.9nMに希釈された20μlのグアノシン5’[γ35−S]チオ三リン酸、トリエチルアミン塩(Amersham;放射活性濃度=37kBq/μlまたは1mCi/ml;特異的活性1160Ci/mmol)。
プレートを、25℃で30分間振盪機上でインキュベートし、次いで、1500rpmで5分間遠心分離した。プレートを、1分の規格化トリチウムカウントプロトコル.上でWallac Microbeta計数器で完全に遠心分離した後3〜6時間読み取る。データを、4−パラメータ・ロジスティック方程式を用いて分析する。定常活性を最小として用いた。
【0156】
以下の別の製法をまた用いてもよい:
膜は、hGPR38RおよびGo G−タンパク質で一時的にトランスフェクトされたHEK293細胞系のバルク細胞培養液から生じる。P2膜フラクションを、調製し、アリコートし、−80℃で保存する。
【0157】
アッセイされる各化合物について、以下が白色Greiner384ウェルプレート中に添加される:
(a)DMSOで所定の濃度に希釈された1μlの試験化合物。
(b)以下のように調製された20μlビーズ/膜/サポニン/GDP混合物;25mg/mlのLEADseekerコムギ胚芽凝集素(WGA)シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズの150ug/mlのサポニンを含有するアッセイ緩衝液(20mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)+100mM NaCl+10mM MgCl、pHはKOHで7.4に調整した)中懸濁液。(上記の方法にしたがって調製した)500ug/mlの膜とビーズ懸濁液を混合し、アッセイ緩衝液で希釈し、ウェル当たり5μgタンパク質および0.25mgビーズを含有する最終容量の20μlを得る。
混合物をローラー上で30分間予め混合し、プレートに添加する直前に、3μl最終アッセイ濃度の(アッセイ緩衝液で希釈した)グアノシン5’二リン酸(GDP)を加える。
(c)0.33nM最終アッセイ濃度を得るためにアッセイ緩衝液で0.6nMに希釈した25μlグアノシン5’[γ35−S]チオ三リン酸、トリエチルアミン塩(Amersham;放射活性濃度=37kBq/μlまたは1mCi/ml;特異的活性1160Ci/mmol)。
次いで、プレートを1500rpmで2分間回転させ、次いで、室温で4時間インキュベートする。次いで、プレートをViewlux Plux(Perkin Elmer)上で読み取る。データを、4−パラメータ・ロジスティック方程式を用いて分析する。
【0158】
本発明の好ましい化合物は、GTPγSアッセイにおいてpEC50 > 5.0、より好ましくは>5.5を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
Aは、5または6員のヘテロアリール環およびN−結合5または6員の複素環から選択され;その環は、独立して、ハロゲン、C(1−4)アルキルおよびC(1−4)アルコキシから選択される1、2または3個の基で置換されていてもよく;
およびRは、独立して、HまたはC(1−4)アルキルから選択され;
Yは、NH、OおよびCHから選択され;
は、置換されていてもよいフェニルまたは置換されていてもよい5または6員のヘテロアリールから選択され;
が置換される場合、それは、各々独立して、ハロゲン、C(1−4)アルキル、C(1−4)アルコキシ、C(3−7)シクロアルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、フェニル、NH、NHR、NR、NHCOR、NHSO、C(O)CF、C(O)C(1−4)アルキル、C(O)C(3−7)シクロアルキル、C(O)OC(1−4)アルキル、C(O)OC(3−7)シクロアルキル、OC(O)C(1−4)アルキル、OC(O)C(3−7)シクロアルキル、CONH、CONHR、CONR、SOR、SO、OSO、OSOCF、SONH、SONHRまたはSONRから選択される、1、2または3個の置換基を有していてもよく;
およびRが同一であるかまたは異なる場合、独立して、C(1−4)アルキル、ハロゲンで置換されていてもよいフェニル、またはハロゲンで置換されていてもよい5または6員のヘテロアリールから選択される]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
Aが、5または6員のヘテロアリール環であり、ハロゲン、C(1−4)アルキルまたはC(1−4)アルコキシから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが、ピラゾリル、チアゾリル、フラニル、チエニルまたはピリジルから選択される、請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、置換されていてもよいフェニルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロゲン、シアノ、C(1−4)アルキル、C(1−4)アルコキシ、C(3−7)シクロアルキル、トリフルオロメトキシまたはトリフルオロメチルから選択される1、2または3個の基で置換される、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
YがNHである、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E1)
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E2)
1−[3−(3−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−N−(2−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E3)
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E4)
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2−フラニル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E5)
1−[3−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2−チエニル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E6)
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン二塩酸塩(E7)
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E8)
1−[3−(4−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]−N−(2−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E9)
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E10)
N−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(3−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]−4−ピペリジンアミン(E11)
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E12)
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(2−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E13)
(3R,5S)−1−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3,5−ジメチルピペラジン(E14)
(3S)−1−{[1−(2−{4−[(3−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3−メチルピペラジン(E15)
(3S)−1−{[1−(2−{4−[4−フルオロフェニル)オキシ]−1−ピペリジニル}−3−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−3−メチルピペラジン一塩酸塩(E16)
1−(5−{[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジンアミン(E17)
N−(4−フルオロフェニル)−1−(5−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−2,3’−ビピリジン−2’−イル)−4−ピペリジンアミン(E18)
N−(4−フルオロフェニル)−1−[5−(1−ピペラジニルメチル)−2,3’−ビピリジン−2’−イル]−4−ピペリジンアミン塩酸塩(E19)
から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項9】
治療に用いるための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物または請求項8記載の組成物。
【請求項10】
GPR38受容体を介して媒介されうる病態の治療に用いるための医薬の製造における請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物または請求項9記載の組成物の使用。
【請求項11】
該病態が、消化器疾患である、請求項10記載の使用。
【請求項12】
該病態が、胃食道逆流性疾患、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、腸偽閉塞、手術または他のマニピュレーション後麻痺性イレウス、嘔吐、糖尿病などの種々の疾患および/または他の薬剤の投与によって引き起こされる胃閉塞または運動低下、クローン病、大腸炎、癌などの進行疾患および/またはその治療に付随する悪液質、あるいは失禁などの他の障害から選択される、請求項11記載の使用。
【請求項13】
GPR38受容体を介して媒介されうる哺乳類における病態または障害の治療方法であって、治療上安全かつ有効な量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を感謝に投与することを含む方法。
【請求項14】
請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の調製方法であって、適当な溶媒中で、還元的アルキル化に適当な反応条件にて、式(II):
【化2】

[式中:A、YおよびRは、請求項1と同義である]
で示される化合物を、適当に置換されたピペラジン(III):
【化3】

[式中:RおよびRは、請求項1と同義であり、Qは、水素または適当な窒素保護基である]
と反応させ;
その後、1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること
2.いずれかの保護基を除去すること;
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよいことを含む方法。
【請求項15】
Aがピラゾリルである、請求項1記載の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の調製方法であって、適当な溶媒中適当な触媒の存在下で、適当な塩基の存在下において、式(VIII):
【化4】

[式中:RおよびRは、請求項1と同義であり、Qは、水素または適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、式(IV):
【化5】

[式中:YおよびRは、請求項1と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物と反応させ;
その後、1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること;
2.いずれかの保護基を除去すること;
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよいことを含む方法。
【請求項16】
請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の調製方法であって、適当な溶媒中適当な触媒の存在下で、適当な塩基の存在下において、式(XI):
【化6】

[式中:A、RおよびRは、請求項1と同義であり、Lは脱離基であり、Qは水素または適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、式(XII):
【化7】

[式中:YおよびRは、請求項1と同義である]
で示される化合物と反応させ;
その後、1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること
2.いずれかの保護基を除去すること
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよいことを含む方法。
【請求項17】
請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の調製方法であって、適当な溶媒中分子篩の存在下で、酸の存在下において、還元的アルキル化に適当な反応条件下にて、式(XIII):
【化8】

[式中:A、RおよびRは、請求項1と同義であり、Qは、水素または適当な窒素保護基である]
で示される化合物を、適当なアニリンと反応させ;
その後、1つまたは複数の以下の反応:
1.ある式(I)で示される化合物を別の式(I)で示される化合物に変換すること;
2.いずれかの保護基を除去すること;
3.そのように形成された化合物の適当な医薬上許容される塩または溶媒和物を形成することを実施してもよいことを含む方法。

【公表番号】特表2009−518341(P2009−518341A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543728(P2008−543728)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011734
【国際公開番号】WO2007/065669
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】