説明

GPS魚群探知装置

【課題】 従来の魚群探知装置では、自船の周囲に何も表示されていないために、現在の探知エリアをプロッタ上で把握することはできないという問題があった。
【解決手段】表示地図作成部12からの表示地図データは画像用メモリ15で記憶され、超音波振動子16が接続された受信回路17にエコー検出器18が接続され、エコー検出部18に水深検出部19が接続され、水深検出部19は探知範囲直径計算部20に接続され、探知範囲直径計算部20に指向角データ出力部21が接続され、探知範囲直径計算部20の出力は表示円直径計算部22に接続され、表示円直径計算部22に地図縮尺データ出力部14からの地図縮尺データが入力され、表示円直径計算部22の出力は表示円作成部23に入力され、表示円作成部23の出力は画像メモリ15で記憶され、画像用メモリ15の出力は画像表示回路24に入力され、画像表示回路24の出力は画像表示装置25に入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示された自船の周囲に表示円を表示することにより、探知エリアをプロッタ上で把握することができるGPS魚群探知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図5に示すように、CPU1に方位センサ2がA/D変換器3を介して接続され、又、CPU1にスピードセンサ4、キー入力装置5、航法装置6、駆動指令装置7が接続され、さらに、制御用プログラムを記憶する記憶部8、演算制御用プログラムを記憶する記憶部9が接続され、又、魚群探知機として超音波送受波器10が送受波回路11を介してCPU1に接続され、さらに、表示制御部12、表示用記憶部13を介して表示部14が接続された航跡プロッター装置が提案されている。
【0003】
このように構成された航跡プロッター装置では、図6に示すように、表示部14に自船15の航跡16が示されているが、自船15の周囲に何も表示されていないために、現在の探知エリアをプロッタ上で把握することはできないという問題があった。
【特許文献1】特開平2−176414号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来の魚群探知装置では、自船の周囲に何も表示されていないために、現在の探知エリアをプロッタ上で把握することはできないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、GPSアンテナが接続されたGPS受信器と、該GPS受信機から自船の位置情報を検出する位置情報検出部と、該位置情報検出部からの自船の位置データ、地図データ出力部からの地図データ、地図縮尺データ出力部からの地図縮尺データによって表示地図を作成する表示地図作成部と、水中に超音波を照射する超音波振動子と、該超音波振動子に発振出力を印可する送信回路と、前記超音波振動子で受波した水中からのエコー信号を増幅する受信回路と、該受信回路の出力をA/D変換してエコーデータとするエコー検出部と、該エコーデータによって水深を検出する水深検出部と、該水深検出部からの水深データと指向角データ出力部から出力される前記超音波振動子から照射される超音波の指向角データによって探知範囲の直径を計算する探知範囲直径計算部と、前記地図縮尺データ出力部からの地図縮尺データ及び前記探知範囲直径計算部からの探知範囲の直径データから表示円の直径を算出する表示円直径計算部と、計算された表示円を作成する表示円作成部と、前記表示地図作成部で作成された表示地図データと前記表示円作成部で作成された表示円データを記憶する画像用メモリと、該画像用メモリからの画像データを表示画像データに変換する画像表示回路と、該画像表示回路からの前記表示画像データを表示する画像表示装置とからなり、表示された自船の表示位置に前記表示円を表示することにより現在の探知エリアをプロッタ上で表示するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のGPS魚群探知装置では、超音波振動子からの超音波の照射による反射波信号を表示装置で表示するとともに、超音波振動子から照射される超音波の水深に対する照射範囲に対応した探知範囲を自船の周囲に表示円として表示することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、超音波振動子からの超音波の照射による反射波信号を表示装置で表示し、超音波振動子から照射される超音波の水深に対する照射範囲に対応した探知範囲を自船の周囲に表示円として表示することにより、現在の探知エリアをプロッタ上で表示する。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例のGPS魚群探知装置のブロック図で、GPSアンテナ9が接続されたGPS受信機10に位置情報検出部11が接続され、この位置情報検出部11に表示地図作成部12が接続され、又、表示地図作成部12に地図データ出力部13及び地図縮尺データ出力部14が接続され、表示地図作成部12からの表示地図データは画像用メモリ15で記憶され、又、水中に浸漬された超音波振動子16は送信回路26と受信回路17に接続され、受信回路17にエコー検出器18が接続され、エコー検出部18に水深検出部19が接続され、水深検出部19は探知範囲直径計算部20に接続され、さらに、探知範囲直径計算部20に指向角データ出力部21が接続され、探知範囲直径計算部20の出力は表示円直径計算部22に接続され、表示円直径計算部22に地図縮尺データ出力部14からの地図縮尺データが入力され、又、表示円直径計算部22の出力は表示円作成部23に入力され、表示円作成部23からの出力は画像メモリ15で記憶され、さらに、画像用メモリ15の出力は画像表示回路24に入力され、画像表示回路24の出力は画像表示装置25に入力される。
【0009】
このように構成された本実施例のGPS魚群探知装置では、まず、GPSアンテナ9でGPS衛生からの信号を受信し、GPS受信機10で緯度軽度情報を位置情報検出部11へ出力すると、位置情報検出部11で得られた位置情報データと、地図データ出力部13からの地図データと、地図縮尺データ出力部14からの地図縮尺データを基に地図表示作成部12で自船位置と地図の画像データを作成し、画像用メモリ15に記憶させ、この画像用メモリ15に記憶された自船位置と地図の画像データは画像表示回路24に入力され、画像表示回路24から画像表示装置25に入力されることにより、図2の左図のように陸地26、自船位置27、航跡28が表示され、又、エコー検出部18からの海面29、海底30及び魚群31のエコーデータを画像用メモリ15で記憶することにより、画像表示回路24によってこのエコーデータを図2の右側に示すように画像表示装置25で表示することができる。
【0010】
又、送信回路26から発振出力を超音波振動子16に入力すると、超音波振動子16から超音波が水中に照射され、水中からのエコーを超音波振動子16で受信して受信回路17で増幅し、増幅したエコー信号をエコー検出部18に送信し、エコー検出部18でエコーデータを作成し、このエコーデータにより水深検出部19で水深データを検出して探知範囲直径計算部20に入力するとともに、指向角データ出力部21から超音波振動子16から照射される超音波の指向角データを入力することにより、その水深での探知範囲の直径Dを計算する。
【0011】
この探知範囲の直径Dは、図3に示すように、超音波振動子16から照射される超音波の水深Tに対する直径Dは指向角データ出力部の指向角(θとする)によって、
で計算されるので、水深検出部19から探知範囲直径計算部20に水深Tが入力されれば、探知範囲直径計算部20で探知範囲の直径Dを簡単に計算することができる。
【0012】
このように、探知範囲直径計算部20から探知範囲の直径Dと地図縮尺データ出力部14から地図縮尺データを表示円直径計算部22に入力すると、自船が航行している位置における探知範囲表示円32の直径を計算して表示円作成部23に入力することにより、探知範囲表示円32の画像を作成し、画像用メモリ15に格納すると、画像表示回路24で格納された画像用メモリ15のデータを画像表示装置25で表示する。
【0013】
本発明は、このように、探知範囲を自船27の周囲に探知範囲表示円32として表示することができるので、水深検出部19からの水深Tが深くなれば、図4に示すように、探知範囲表示円32が大きくなり、自船27を中心に現在の探知エリアをプロッタ上で確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
なお、上記実施例において、探知範囲を表示円32で表示するようにしたが、振動子の形状によって、円以外の形状で表示することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例のGPS魚群探知装置のブロック図である。
【図2】図1のGPS魚群探知装置の表示装置で表示した地図及び魚群探知による海中の状態を表示した図である。
【図3】超音波振動子から照射される超音波の水深Tに対する直径Dが比例している状態を示した図である。
【図4】図1のGPS魚群探知装置の表示装置で表示した地図及び魚群探知による海中の状態を表示した図である。
【図5】従来の魚群探知装置のブロック図である。
【図6】図3の魚群探知装置の表示装置で表示した図である。
【符号の説明】
【0016】
9 GPSアンテナ
10 GPS受信機
11 位置情報検出部
12 表示地図作成部
13 津図データ出力部
14 地図縮尺データ出力部
15 画像用メモリ
16 超音波振動子
17 送受信回路
18 エコー検出部
19 水深検出部
20 探知範囲直径計算部
21 指向角データ出力部
22 表示円直径計算部
23 表示円作成部
24 画像表示回路
25 画像表示装置
26 送信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPSアンテナが接続されたGPS受信器と、該GPS受信機から自船の位置情報を検出する位置情報検出部と、該位置情報検出部からの自船の位置データ、地図データ出力部からの地図データ、地図縮尺データ出力部からの地図縮尺データによって表示地図を作成する表示地図作成部と、水中に超音波を照射する超音波振動子と、該超音波振動子に発振出力を印可する送信回路と、前記超音波振動子で受波した水中からのエコー信号を増幅する受信回路と、該受信回路の出力をA/D変換してエコーデータとするエコー検出部と、該エコーデータによって水深を検出する水深検出部と、該水深検出部からの水深データと指向角データ出力部から出力される前記超音波振動子から照射される超音波の指向角データによって探知範囲の直径を計算する探知範囲直径計算部と、前記地図縮尺データ出力部からの地図縮尺データ及び前記探知範囲直径計算部からの探知範囲の直径データから表示円の直径を算出する表示円直径計算部と、計算された表示円を作成する表示円作成部と、前記表示地図作成部で作成された表示地図データと前記表示円作成部で作成された表示円データを記憶する画像用メモリと、該画像用メモリからの画像データを表示画像データに変換する画像表示回路と、該画像表示回路からの前記表示画像データを表示する画像表示装置とからなり、表示された自船の表示位置に前記表示円を表示することにより現在の探知エリアをプロッタ上で表示することを特徴とするGPS魚群探知装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate