説明

HCVインヒビター

本発明は、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、およびヘパシウイルス属を含むフラビウイルス科に属するウイルスの治療に有用である化合物に関する。本発明は、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルス、およびHCVの治療または予防に有用な化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗ウイルス薬として有用な化合物に関する。本発明は、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、およびヘパシウイルス属を含むフラビウイルス科に属するウイルスの治療に有用である化合物に関する。本発明は、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルス、およびHCVの治療または予防に有用な化合物を含む。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
HCVによる感染症は全世界を通じてヒト肝臓病の主たる病因である。米国において、450万人のアメリカ人が慢性的にHCVに感染していると見積もられる。急性感染の30%しか徴候を示さないが、感染した個人の85%以上は慢性の、持続的な感染症を発症する。HCV感染症に対する治療費は1997年に米国で54億6千万ドルと見積もられている。世界中で2億人を超える人たちが慢性的に感染していると見積もられる。HCV感染症は全慢性肝臓病の40〜60%および全肝臓移植の30%の病因である。慢性HCV感染症は、米国における全肝硬変、末期肝臓病、および肝臓癌の30%にあたる。CDCは、HCVによる死亡者数が最小限で2010年には38,000人/年に増加すると見積もっている。
【0003】
ウイルス表面抗原の高度の可変性、複数のウイルス遺伝形質の存在、および実証された免疫の特異性によって、ワクチン開発が近い将来に成功することは恐らくないであろう。α-インターフェロン(単独またはリバビリンとの併用)は慢性HCV感染症の治療用に認可されているので、これが広く用いられている。しかし、この治療には一般的に有害な副作用:インターフェロンによるインフルエンザ様症候群、白血球減少症、血小板減少症、うつ病、ならびにリバビリンにより誘発される貧血を伴う(Lindsay, K.L. (1997) Hepatology 26 (suppl 1): 71S-77S)。この療法は、HCV遺伝形質1により生じる感染症(発展途上市場における全HCV感染症のほぼ75%を構成する)に対して、他の5つの主要HCV遺伝形質により生じる感染症と比較して効果が低い。残念ながら、上記患者のほぼ50〜80%しかこの治療に応答しないし(血清HCV RNAレベルの低下と肝臓酵素の規準化により測定して)、治療した患者の50〜70%は治療中止の6か月以内に再発する。最近、PEG化インターフェロンを用いて初期および持続応答速度が実質的に改善され、そしてPeg-IFNとリバビリンとの併用治療が療法の黄金標準となった。しかし、併用療法に伴う副作用および遺伝形質1をもつ患者における応答不全の問題は、この病気の管理を改善すべき好機であることを示している。
【0004】
1989年に初めて分子クローニングにより同定された(Choo, Q-Lら (1989) Science 244:359-362)C型肝炎ウイルス(HCV)は、現在、輸液後の非A、非B型肝炎(NANBH)の最も一般的な病因として広く認められている(Kuo, Gら(1989) Science 244:362-364)。そのゲノム構造と配列相同性によって、このウイルスはフラビウイルス科ファミリーの新しい属に割当てられた。HCVは、フラビウイルス科の他のメンバー、例えばフラビウイルス属(例えば黄熱病ウイルスおよび1〜4型デング熱ウイルス)およびペスチウイルス属(例えばウシウイルスの下痢ウイルス、ボーダー病ウイルス、および古典的ブタ熱ウイルス)(Choo、Q-Lら(1989) Science 244:359-3; Miller、R.H. および R.H. Purcell (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2057-2061)などと同じように、+鎖(positive polarity)の1本鎖RNA分子を含有するエンベロープ型ウイルスである。HCVゲノムはほぼ9.6キロ塩基(kb)であって、内部リボソーム侵入部位(IRES)として機能する、長い、高保存された、ほぼ340塩基の無キャップ5'非翻訳領域(NTR)を備えている(Wang CYら 「RNAシュードノットは、C型肝炎ウイルス5'非コード領域内に位置する内部リボソーム侵入部位の必須構造配列である(An RNA pseudoknot is an essential structural element of the internal ribosome entry site located within the hepatitis C virus 5' noncoding region)」, RNA 1(5): 526-537, 1995 Jul(the RNA Society発行誌))。この配列に続くのは単一の長いオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする領域であり、この領域は構造性と非構造性両方のウイルスタンパク質からなるほぼ3000アミノ酸のポリペプチドをコードする。
【0005】
このRNAは、細胞の細胞質中に侵入すると直接、構造性と非構造性両方のウイルスタンパク質からなるほぼ3000アミノ酸のポリペプチドに翻訳される。この大きいポリペプチドは次いで、宿主とウイルスがコードするプロテイナーゼの組合せにより個々の構造性および非構造性タンパク質にプロセシングされる(Rice, C.M. (1996) in B.N. Fields, D.M.KnipeおよびP.M. Howley(編) Virology 第2版、p931-960; Raven Press、N.Y.)。長いORFの末端の終止コドンに続いて、3'-NTRがあり、これはおおまかに3つの領域:様々な遺伝形質のなかの保存度が低いほぼ40塩基、可変長のポリ(U)/ポリピリミジン領域、および高度に保存された98塩基配列(「3'X-テール」とも呼ばれる)から構成される(Kolykhalov, A.ら (1996) J. Virology 70:3363-3371;Tanaka, T.ら (1995) Biochem Biophys. Res. Commun. 215:744-749;Tanaka, T.ら (1996) J. Virology 70:3307-3312;Yamada, N.ら (1996) Virology 223:255-261)。3'-NTRはチンパンジーにおいてHCV増殖に必須である安定な二次構造を形成すると予想されていて、ウイルスRNA複製の開始および調節に機能すると考えられている。
【0006】
以上に基づいて、合成的または生物学的化合物をそのHCVを阻害する能力について同定することは意義深いニーズがある。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明は、式(I):
【化1】

【0008】
[式中、
nは0、1、または2であり;
Rは水素またはアルキルであり;
XはNR2、O、またはS(O)mであり;
それぞれのR1は同じであるかまたは異なりかつ独立して水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドからなる群より選択され;
Yは置換されているかあるいは置換されていないアルキレン、置換されているかあるいは置換されていないシクロアルキレン、置換されているかあるいは置換されていないアルケニレン、置換されているかあるいは置換されていないシクロアルケニレン、または置換されているかあるいは置換されていないアルキニレンであり;
dは0または1であり;
Zは、dが0である時はZは-Hetまたは-Ayでないことを条件として、-R2、-OR2、-C(O)R2、-C(O)2R2、-S(O)mR2、-C(O)NR2R3、-Het、または-Ayであり;
それぞれのmは独立して0、1または2であり;
それぞれのR10は同じかまたは異なりかつ独立してアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、およびアルキニレンからなる群より選択され;
pは0、1、2、3、または4から選択され;
それぞれのR2およびR3は同じかまたは異なりかつ独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR5R6からなる群より選択され;
wは1〜10であり;
それぞれのR5およびR6は同じかまたは異なりかつ独立してアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より選択され;
Ayは置換されているかあるいは置換されていないアリール基を表し;
Hetは置換されているかあるいは置換されていない5-または6-員のヘテロシクリルまたはヘテロアリール基を表す]
で表される化合物の投与を介してフラビウイルス科ウイルスを治療または予防する方法であって、上記化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体の投与を含む上記方法を含むものである。
【0009】
好ましくは、上記フラビウイルス科ウイルスはフラビウイルス、ペスチウイルス、またはヘパシウイルスである。さらに特に、上記ウイルスはデング熱、黄熱病、西ナイルウイルス、およびHCVから選択されるヒト疾患に随伴する。さらに、好ましくは、上記方法はまたはHCV感染を治療または予防する方法である。
【0010】
一実施形態においては、dが1である時、好ましくは、Yは置換されているかあるいは置換されていないアルキレン、すなわちアルキル、ジアルキル、またはアリールにより置換されているかあるいは置換されていないアルキレンである。より好ましくはYはメチル、ジメチル、または置換されているかあるいは置換されていないフェニルにより置換されたメチレンである。
【0011】
他の実施形態においては、dが1である時、好ましくはYは置換されているかあるいは置換されていないシクロアルキレンである。より好ましくはYはインダンである。
【0012】
好ましくはAyが置換されたアリールである時、上記アリールはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルアミン、ニトロ、またはシアノより置換されている。
【0013】
好ましくはpが1である時、R1はハロゲンである。より好ましくはR1はブロモまたはクロロである。
【0014】
好ましくはnは1である。
【0015】
好ましくはXは-NHである。
【0016】
好ましくはZは-Ayである。より好ましくは-Ayはフェニルである。
【0017】
一実施形態においてはpは1であり、R1はハロゲンであり、nは1であり、XはNHであり、(Y)dは置換されたアルキレンであり、そしてZはアリールである。より好ましくはR1はブロモまたはクロロでありそして示されたN原子に対してパラに置換され、上記アルキレンはアルキルにより置換され、そして上記アリールはフェニルである。より好ましくはアルキルはメチルである。
【0018】
一実施形態においてはpは1であり、R1はハロゲンであり、nは1であり、XはNHであり、(Y)dはシクロアルキレンであり、そしてZはR2である。より好ましくはR1はブロモまたはクロロでありそして示されたN原子に対してパラに置換され、R2は水素であり、そして(Y)dはインダンである。
【0019】
本発明は、式 (I):
【化2】

【0020】
[式中、変数は先に定義した通りである]の化合物の、フラビウイルス科に属するウイルスの治療および予防に用いる医薬品の製造における使用を含む。
【0021】
好ましくはウイルスはフラビウイルス、ペスチウイルス、またはヘパシウイルスである。さらに好ましくは、疾患または状態はデング熱、黄熱病、西ナイルウイルス、またはHCVである。なおさらに好ましくは、状態または障害はHCVである。
【0022】
本明細書に記載の通り、pおよびqは独立して0、1、2、3、4、または5として定義される。特に、当業者は理解しうるように、pおよび/またはqの値は示した環上の置換位置数を超えてはならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
好ましい実施形態の詳細な説明
用語はそれらの一般に認められた意味で使用する。下記の定義は、定義された用語を明確にするためのものであり、限定を目的とするものではない。
【0024】
本明細書において、「アルキル」という用語は、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。本明細書で使用される「アルキル」の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペンチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書全体を通して、好ましい原子の数、たとえば炭素原子の数は、たとえば、「Cx〜Cyアルキル」のように表し、これは特定された数の炭素原子を含有する、本明細書に定義された通りのアルキル基を指す。他の好ましい用語および範囲も同様の術語を使用する。
【0026】
本明細書において、「アルケニル」という用語は、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素を指す。例としては、ビニル、アリル等などが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書において、「アルキニル」という用語は、1個以上の炭素-炭素三重結合を含有する直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素を指す。例としては、エチニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書において、「アルキレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素基を指す。本明細書において使用されるアルキレン基は場合により置換されている。本明細書において使用される「アルキレン」の例には、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書において、「アルケニレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、場合により、置換されていてもよい、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素基を指す。例としては、ビニレン、アリレンまたは2-プロペニレンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書において、「アルキニレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、場合により、置換されていてもよい、1個以上の炭素-炭素三重結合を含有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素基を指す。例としては、エチニレンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書において、「シクロアルキル」という用語は、置換されているかあるいは置換されていない非芳香族環状炭化水素を指し、これは、場合により、シクロアルキルを連結することができるアルキレン結合を含む。「シクロアルキル」基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において、「シクロアルキル」という用語には、最大数よりも少ない非集積二重結合を有する、置換されているかあるいは置換されていない、縮合多環式炭化水素の飽和環または芳香族環系、すなわち、多環式炭化水素が含まれ、たとえば、飽和炭化水素環(たとえば、シクロペンチル環)が芳香族環(本明細書においては、ベンゼン環などの「アリール」)と縮合して、たとえば、インダンなどの基を形成する。
【0032】
本明細書において、「シクロアルケニル」という用語は、置換されているかあるいは置換されていない、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する非芳香族環状炭化水素を指し、これは、場合により、それを介して該シクロアルケニルを連結することができるアルキレン結合を含む。「シクロアルケニル」基の例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書において、「シクロアルキレン」という用語は、置換されているかあるいは置換されていない、二価の非芳香族環状炭化水素を指す。「シクロアルキレン」基の例には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書において、「シクロアルケニレン」という用語は、置換されているかあるいは置換されていない、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する二価の非芳香族環状炭化水素を指す。「シクロアルケニレン」基の例には、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書において、「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、置換されているかあるいは置換されていない、1以上の不飽和度を有し、また1個以上のヘテロ原子を含有する単環系または多環系を指す。好ましいヘテロ原子には、N、O、および/またはS、ならびにNO、SO、およびSO2が含まれる。好ましくは、環は3〜12員で、完全に飽和しているか1以上の不飽和度を有するかのいずれかである。上記の環は、場合により、1個以上の他の「複素環」またはシクロアルキル環と縮合していてもよい。「複素環」基の例には、テトラヒドロフラン、ピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、およびテトラヒドロチオフェンが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書において、「アリール」という用語は、置換されているかあるいは置換されていないベンゼン環、または置換されているかあるいは置換されていない縮合ベンゼン環系、たとえば、アントラセン、フェナントレン、またはナフタレン環系を指す。「アリール」基の例には、フェニル、2-ナフチル、1-ナフチルなどが含まれる。
【0037】
本明細書において、「ヘテロアリール」という用語は、置換されているかあるいは置換されていない、単環の5〜7員芳香族環、または置換されているかあるいは置換されていない、2個の上記の芳香環を含む縮合二環系芳香環を指す。これらのヘテロアリール環は、1個以上の窒素、イオウ、および/または酸素原子を含有し、ここで、NO、SO、およびSO2はヘテロ原子置換として認められる。本明細書において用いられる「ヘテロアリール」基の例には、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、ベンズイミジゾイル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書において、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0039】
本明細書において、「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1個のハロゲンにより置換された、本明細書において定義された通りのアルキル基を指す。本発明に有用な分枝鎖または直鎖「ハロアルキル」基の例には、独立して1個以上のハロゲン、たとえば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素により置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、およびt-ブチルが含まれるが、これらに限定されない。「ハロアルキル」という用語は、ペルフルオロアルキル基等のような置換基を含むものと解釈されるべきである。
【0040】
本明細書において、「アルコキシ」という用語は、-ORa[式中、Raは上で定義された通りのアルキルである]を指す。
【0041】
本明細書において、「アルコキシカルボニル」という用語は、式:
【化3】

【0042】
[式中、Raは本明細書に定義された通りのアルキル基を表す]のような基を指す。
【0043】
本明細書において、「アリールオキシカルボニル」という用語は、式
【化4】

【0044】
[式中、Ayは本明細書に定義された通りのアリール基を表す]のような基を指す。
【0045】
本明細書において、「ヘテロアリールオキシカルボニル」という用語は、式:
【化5】

【0046】
[式中、Hetは本明細書に定義された通りのヘテロアリール基を表す]のような基を指す。
【0047】
本明細書において、「ニトロ」という用語は、-NO2基を指す。
【0048】
本明細書において、「シアノ」という用語は、-CN基を指す。
【0049】
本明細書において、「アジド」という用語は、-N3基を指す。
【0050】
本明細書において、「アシル」という用語は、RbC(O)-基[式中、Rbは、本明細書に定義された通りのアルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環である]を指す。
【0051】
本明細書において、「オキソ」という用語は、=O基を指す。
【0052】
本明細書全体を通して使用される、「置換されているかあるいは置換されていない」という語句またはそれに類した表現は、1個以上の置換基による、多置換度の置換を含む、場合による置換を示す。上記の語句は、不正確である、または本明細書に記載および示された置換の同義語であると解釈されるべきではない。むしろ、添付せる請求の範囲内に包含される、明らかな改変を提供する上記語句が含まれていることを当業者は理解するであろう。
【0053】
場合による置換基の例には、アシル;アルキル;アルケニル;アルキニル;アルキルスルホニル;アルコキシ;アルコキシカルボニル;シアノ;ハロゲン;ハロアルキル;ヒドロキシ;ニトロ;アリール(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリール(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);アリールスルホニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリールスルホニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);アリールオキシ(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリールオキシ(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);アリールオキシカルボニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリールオキシカルボニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);または-N(R*)2(R*は、存在する場合には、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、またはヘテロアリールスルホニルから選択され、ここで、上記アリールまたはヘテロアリールは、存在する場合には、1個以上のアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよく、または2個のR*が結合して、場合により別のヘテロ原子を含み、場合により1以上の不飽和度を有し、また場合によりさらにアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換された、環を形成してもよい)が含まれる。
【0054】
式(I)の化合物は、多形性として知られる特性である、1つ以上の形で結晶化してもよく、このような多形性の形(「多形」)は、式(I)の範囲に含まれる。多形性は一般的に温度、圧力、またはその両方の変化に対する反応として生じ得る。多形性はまた、結晶化の方法の違いからも生じ得る。多形は、X線回折パターン、溶解度、および融点などの当業者に公知のさまざまな物理的特性により識別することができる。
【0055】
本明細書に記載された化合物のあるものは、1個以上のキラル中心を有し、またはそれ以外の複数の立体異性体として存在する可能性がある。本発明の範囲には、立体異性体の混合物、ならびに精製されたエナンチオマーまたはエナンチオマー/ジアステレオマーが濃縮された混合物が含まれる。また、本発明の混合物には、式(I)により表される化合物の個々の異性体、ならびにそれらの完全にまたは部分的に平衡化された混合物が含まれる。本発明はまた、上記の式により表される化合物の個々の異性体を、その1個以上のキラル中心が反転した異性体との混合物として含む。
【0056】
典型的には、絶対的ではないが、本発明の塩は製薬上許容される塩である。「製薬上許容される塩」という用語に包含される塩とは、本発明の化合物の毒性のない塩を指す。本発明の化合物の塩は酸付加塩を含む。代表的な塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、エデト酸カルシウム塩、カンシレート(camsylate)、炭酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エジシレート、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリラルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム塩、ムチン酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N-メチルグルカミン塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド塩、トリメチルアンモニウム塩、および吉草酸塩が含まれる。製薬上許容されない他の塩は、本発明の化合物の調製に有用である場合があり、これらは本発明の別の態様を構成すると考えるべきである。
【0057】
本明細書において、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明においては、式Iの化合物、またはその塩もしくは生理的に機能性の誘導体)および溶媒により形成されたさまざまな化学量論の複合体を指す。本発明の目的のためには、上記の溶媒は、溶質の生物学的活性に干渉してはならない。好適な溶媒の非限定的な例には、水、メタノール、エタノール、および酢酸が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、使用される溶媒は製薬上許容される溶媒である。好適な製薬上許容される溶媒の非限定的な例には、水、エタノール、および酢酸が含まれる。使用される最も好ましい溶媒は水である。
【0058】
本明細書において、「生理的に機能性の誘導体」という用語は、哺乳類に投与された場合に、本発明の化合物またはその活性代謝物を与えることができる(直接的または間接的に)、本発明の化合物の製薬上許容される誘導体を指す。このような誘導体、たとえば、エステルおよびアミドは、多くの実験をしなくても当業者には明白である。「Burgerの医化学および薬物の発見」(Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery)、第5版、第1巻、「原理と実践(Principles and Practice)」の記載を参照されたい。この文献を生理的に機能性の誘導体に関する記載の範囲で参照により本明細書に組み入れる。
【0059】
本明細書において、「有効量」という用語は、組織、系、動物、またはヒトの、たとえば研究者または医師が求めている生物学的または医学的反応を引き出す薬物または医薬品の量を意味する。「治療上有効な量」という用語は、上記の量を与えられていない被験体と比べて、疾病、障害、もしくは副作用の治療、治癒、予防、もしくは緩和に改善した結果が得られる、または疾病もしくは障害の進行速度が減少するような量を意味する。この用語は、正常な生理機能を増大するのに有効な量をもその範囲内に含む。治療に使用する場合、治療上有効な量の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体を、加工していない化学物質として投与してもよい。また、活性成分を医薬組成物として提供してもよい。
【0060】
したがって、本発明はさらに、有効量の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体、ならびに1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体は、本明細書に記載した通りである。担体、希釈剤または賦形剤は製剤の他の成分と共存可能であり、また医薬組成物の受容者に害を及ぼさないという意味で、許容されるものでなければならない。
【0061】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体を、1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む医薬製剤の製造法が提供される。
【0062】
本発明の化合物の治療上有効な量は、多くのファクターに依存する。たとえば、受容者の種、年齢、および体重、治療を必要とする正確な状態およびその重篤度、製剤の性質、ならびに投与経路はすべて考慮すべきファクターである。治療上有効な量は、最終的には治療に当たる医師の判断によるが、問題を有するヒトを治療するための式(I)の化合物の有効量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/受容者(哺乳類)の体重kgの範囲である。より普通には、上記有効量は、1日あたり1〜10mg/体重kgの範囲である。そこで、70kgの成熟した哺乳類に対する1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgである。この量を1日1回の投与により与えてもよいし、1日あたりの総量が同じになるように数回(2、3、4、5、またはそれ以上)に分けて投与してもよい。有効量の塩、溶媒和物、または生理的に機能性の誘導体は、式(I)の化合物それ自体の有効量との比から決定される。同様の投与量が、本明細書に記載された他の状態の治療に好適である。
【0063】
医薬製剤は、単位用量あたりあらかじめ決定された量の活性成分を含有する単位用量剤形として提供することができる。上記の単位用量は、非限定的な例として、治療される状態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態に応じて、0.5mg〜1mgの式(I)の化合物を含有し得る。好ましい単位用量剤形は、上記のような1日あたりの用量もしくはその分割量、またはそれらの何分の一かの活性成分を含有するものである。上記の医薬製剤は製薬の技術分野において公知の方法により調製することができる。
【0064】
医薬組成物はいかなる適切な経路、たとえば、経口(口腔または舌下を含む)、直腸、鼻内、局所(口腔、舌下または経皮を含む)、腟内、または非経口(皮下、筋内、静脈内または皮内)経路による投与に適合したものであってもよい。上記の製剤は製薬の技術分野において公知の方法、たとえば、活性成分を担体または賦形剤と混合することにより調製することができる。例として、本発明を限定する意図はないが、本発明の化合物が有用であると考えられている特定の状態および障害を考慮すると、特定の経路が他のものよりも好ましいと言える。
【0065】
経口投与に適合した医薬製剤は、カプセルもしくは錠剤などの不連続単位;粉末もしくは顆粒;それぞれ水性または非水性の液体を用いた溶液もしくは懸濁液;食用フォームもしくはホイップ;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして提供することができる。たとえば、錠剤またはカプセルの剤形による経口投与用には、活性薬物成分を、エタノール、グリセロール、水等の経口用の、無毒の製薬上許容される不活性担体と混合する。一般的に、粉末は化合物を好適な微細なサイズまで粉砕し、たとえばデンプンまたはマンニトールなどの食用炭水化物のような適当な医薬担体と混合することにより調製される。
【0066】
カプセルは、粉末、液体、または懸濁液混合物を調製し、ゼラチンまたは他の適切なシェル材料によりカプセル化することにより製造される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤をカプセル化の前に混合物に加えることができる。また、カプセルが摂取された時の薬物のアベイラビリティーを改善するために、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えることもできる。さらに、所望または必要に応じて、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物に組み入れることもできる。好適な結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはβ-ラクトースのような天然糖、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ロウ等が含まれる。これらの剤形に有用な滑沢剤には、たとえば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が含まれる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
錠剤は、たとえば、粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラッグ化し、滑沢剤および崩壊剤を加え、錠剤に圧縮することにより製剤される。粉末混合物は、化合物を、好ましくは粉砕して、上記の希釈剤または基剤と混合することにより調製される。任意の成分には、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解抑制剤、第四級塩などの再吸収促進剤、および/またはベントナイト、カオリン、またはリン酸二カルシウムなどの吸収剤が含まれる。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム漿剤またはセルロース性もしくは高分子材料の溶液により湿性顆粒にして、ふるいを通してもよい。顆粒化する代わりに、粉末混合物を打錠機に通し、その結果得られた不完全に形成されたスラッグを顆粒に粉砕することができる。顆粒は打錠ダイス型に付着するのを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることにより潤滑化することができる。次に、潤滑化された混合物を錠剤に圧縮する。また、本発明の化合物を流動性の不活性担体と混合して、顆粒化またはスラッグ化の段階を経ずに直接錠剤に圧縮することもできる。セラックの密閉コートからなる透明または半透明の保護コーティング、砂糖または高分子材料のコーティング、およびロウの光沢のあるコーティングを施すことができる。異なる単位投与量を識別するために、これらのコーティングに染料を加えることができる。
【0068】
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口用の液体は、与えられた量があらかじめ決定された量の上記化合物を含有するように、投与単位剤形に調製することができる。シロップは、たとえば、上記化合物を好適な風味を付けた水溶液に溶解することにより調製することができる。一方、エリキシルは、無毒のアルコール性媒体を使用して調製される。懸濁液は、一般的に上記化合物を無毒の媒体に分散することにより製剤することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤;ペパーミント油などの風味添加物、または天然甘味料、サッカリン、または他の人工甘味料等を加えることもできる。
【0069】
適切な場合には、経口投与のための投与単位製剤はマイクロカプセル化される。また、製剤は、たとえば、ポリマー、ロウ等による粒子化した材料のコーティングまたは埋め込みにより、放出を延長または遅延させるように調製することができる。
【0070】
また、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体は、小型単層小胞、大型単層小胞、および多重膜小胞などのリポソーム送達系の形で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどのさまざまなリン脂質から形成することができる。
【0071】
式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体はまた、個別の担体として、上記化合物分子が結合したモノクローナル抗体を使用して送達してもよい。
【0072】
上記化合物はまた、標的化薬物担体である可溶性ポリマーと結合してもよい。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン(PVP)、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アルパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基により置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが含まれる。さらに、上記化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用なある種の生物分解性ポリマー、たとえば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーと結合させてもよい。
【0073】
経皮投与に適合した医薬製剤は、受容者の表皮と長時間緊密な接触を保つように作られた分離パッチとして提供することができる。たとえば、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されるように、活性成分をパッチからイオン導入により送達することができる。この文献を上記の送達系に関して参照により本明細書に組み入れる。
【0074】
局所投与に適合した医薬製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エーロゾル、またはオイルとして製剤することができる。
【0075】
目または他の外部組織、たとえば口および皮膚の治療用には、製剤は局所用軟膏またはクリームとして適用される。軟膏に製剤される場合、活性成分をパラフィン性または水混和性のいずれかの軟膏基剤と共に用いる。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を用いてクリームに製剤される。
【0076】
目に局所投与するための医薬製剤には、活性成分が好適な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁している点眼剤が含まれる。
【0077】
口に局所投与するための医薬製剤には、トローチ、パステル剤、および口腔洗浄剤が含まれる。
【0078】
鼻内投与に適合した、担体が固体である医薬製剤には、たとえば20〜500ミクロンの粒径を有する粗末が含まれる。上記粗末は、吹入剤を投与する方法により、すなわち、鼻の近くに持ち上げた粗末の容器から鼻道を通して急速に吸入することにより投与される。鼻内スプレーまたは点鼻薬として投与するための、担体が液体である場合の好適な製剤には、活性成分の水または油溶液が含まれる。
【0079】
吸入による投与に適合した医薬製剤には、さまざまなタイプの定量加圧エーロゾル、ネブライザー、または吸入器を用いて生成することができる微粒子粉剤またはミストが含まれる。
【0080】
直腸投与に適合した医薬製剤は、坐剤または浣腸剤として提供することができる。
【0081】
腟内投与に適合した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤として提供することができる。
【0082】
非経口投与に適合した医薬製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤をその想定される受容者の血液と等張にするための溶質を含んでもよい水性および非水性無菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含有してもよい水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。上記の製剤は一回投与量または複数回投与量容器、たとえば、密閉されたアンプルおよびバイアル瓶に入れて提供することができ、そして凍結乾燥した状態で保存し、使用の直前に無菌の液体の担体、たとえば、注射用の水を加えるのみでよい。用事調製注射溶液および懸濁液は無菌の粉末、顆粒、および錠剤から調製される。
【0083】
上で特に述べた成分に加えて、製剤は、問題の製剤のタイプを考慮して当業者が従来使用している他の物質を含むことができる。たとえば、経口投与に適した製剤は、着香剤および着色剤を含んでもよい。
【0084】
本発明の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物、および生理的に機能性の誘導体は、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。式(I)の化合物(1種類または複数種類)および他の薬理活性物質(1種類または複数種類)は一緒にまたは別々に投与してよく、別々に投与する場合には、投与は同時にまたは順次に、いかなる順番でおこなってもよい。所望の併用治療効果を達成するために、式(I)の化合物および他の薬理活性物質の量および投与の相対的なタイミングを選択する。式(I)の化合物、その塩、溶媒和物、または生理活性を有する誘導体と他の治療薬との併用投与は、(1)両方の成分を含む単一の医薬組成物;または(2)それぞれ一方の化合物を含む別々の医薬組成物の形で同時に投与することにより組み合わされる。あるいは、上記の組合せは、まず一方の治療薬を投与し、次に他方を投与するか、その逆の順序かの方法により順次別々に投与してもよい。このような順次投与は、短い時間内でおこなっても、離れた時間内でおこなってもよい。
【0085】
本発明の化合物はさまざまな障害および状態の治療に用いることができ、したがって、本発明の化合物はそれらの障害または状態の治療または予防に有用なさまざまな他の好適な治療薬と組み合わせて使用することができる。治療はウイルス感染の性質とタイプに依存しうる。本発明はさまざまな細胞毒性薬または抗ウイルス薬を含む他の薬物治療と組み合わせてもよい。例えば、本発明を限定するのではなく、本発明の化合物を他の治療薬、例えば、免疫治療薬(インターフェロンなど)、治療ワクチン、抗線維薬、抗-炎症薬(副腎皮質ステロイドまたはNSAIDなど)、気管支拡張薬、例えば、β-2アドレナリン作動性アゴニストおよびキサンチン(テオフィリンなど)、粘液溶解薬、抗ムスカリン薬、抗ロイコトリエン薬、細胞接着のインヒビター(ICAMアンタゴニストなど)、抗酸化剤(N-アセチルスステインなど)、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、肺界面活性剤および/または抗微生物薬および抗ウイルス薬(リバビリンおよびアマンチジンなど)と組み合わせることができる。本発明の組成物はまた、遺伝子置換療法と併用することもできる。
【0086】
本発明の化合物は、公知の標準的な合成法を含むさまざまな方法により製造される。一般的な合成法の例を下に記載した後、具体的な実施例において本発明の特定の化合物を調製する。
【0087】
下記のすべての実施例において、必要な場合には、不安定なまたは反応性の基に対する保護基を、合成化学の一般的原則に従って使用する(T. W. GreenおよびP. G. M. Wuts (1991)「有機合成における保護基」(Protecting Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons、本文献を保護基に関して参照により本明細書に組み入れる)。これらの基は、化合物の合成の適宜の段階で当業者に公知の方法を用いて除去される。プロセスの選択ならびに反応条件およびそれらの実施の順番は式(I)の化合物の調製と矛盾がないようにする。
【0088】
当業者は式(I)の化合物に立体中心が存在するかどうかを認知できる。したがって、本発明はすべての可能な立体異性体を含み、また、ラセミ化合物のみでなく、個々のエナンチオマーも含む。化合物が単一のエナンチオマーであることが望まれる場合には、これは立体特異的合成により、最終生成物または適宜の中間物質の分割により、または当業者に公知のキラルクロマトグラフィー法により得ることができる。最終生成物、中間物質、または出発物質の分割は、当業者に公知の好適な方法を用いておこなうことができる。たとえば、「有機化合物の立体化学」(Stereochemistry of Organic Compounds)、E. L. Eliel、S. H. Wilen、およびL. N. Mander著 (Wiley-Interscience, 1994)を参照されたい。本文献の立体化学に関する部分を参照により本明細書に組み入れる。
【0089】
実験の部
略語
本明細書において、これらの方法、スキームおよび実施例において使用される記号および取り決めは、現代の科学文献、たとえば、the Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryにおいて使用されるものと一致している。特に、限定はしないが、以下の略語が実施例および明細書全体で使用される:
g(グラム);mg(ミリグラム);L(リットル);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);psi(ポンド/平方インチ);M(モル); mM(ミリモル);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);mol(モル);mmol(ミリモル);RT(室温);h(時間s);min(分); TLC(薄層クロマトグラフィ);mp(融点); RP(逆相);Tr(保持時間);TFA(トリフルオロ酢酸);TEA(トリエチルアミン);THF(テトラヒドロフラン);TFAA(トリフルオロ無水酢酸);CD3OD(重水素化メタノール);CDCl3(重水素化クロロホルム);DMSO(ジメチルスルホキシド);SiO2(シリカ);atm(気圧);EtOAc(酢酸エチル); CHCl3(クロロホルム);HCl(塩酸);Ac(アセチル);DMF(N,N-ジメチルホルムアルデヒド);Me(メチル);Cs2CO3(炭酸セシウム);EtOH(エタノール);Et(エチル);tBu(tert-ブチル);MeOH(メタノール)。
【0090】
他に指示しない限り、すべての温度は℃(摂氏温度)で表す。他に記載しない限り、すべての反応は室温でおこなった。
【0091】
1H NMRスペクトルは、Varian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400装置、またはGeneral Electric QE-300により記録された。化学シフトは100万分の1(ppm、δユニット)で表される。結合定数はヘルツ(Hz)を単位にしている。分裂パターンは明白な多重度を記載し、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、またはbr(幅広)と表される。
【0092】
マススペクトルは、Micromass Ltd.(Altricham, UK)製のMicromass PlatformまたはZMD質量分析計により、大気圧化学イオン化(APCI)またはエレクトロスプレーイオン化(ESI)のいずれかを用いて得た。
【0093】
単離することができない、または不安定なために完全な解析ができない中間物質の純度を証明するために、および反応の進行を確認するために分析用薄層クロマトグラフィーを使用した。
【0094】
化合物の絶対的コンフィギュレーションはab initio振動円二色性(VCD)分光法により割り当てた。実験VCDスペクトルを、CDCl3中でBomem キラルIRTM VCD分光計を用いて2000〜800 cm-1にて操作することによって取得した。Gaussian 98 Suiteの計算機プログラムを用いてモデルVCDスペクトルを計算した。立体化学の割当は、この実験スペクトルを、(R)-または(S)-コンフィギュレーションをもつモデル構造について計算したVCDスペクトルと比較して行った。
【0095】
かかる分光法に関する参照により、J.R. Chesseman, M.J. Frisch, F.J. DevlinおよびP.J. Stephens, Chem. Phys. Lett. 252 (1996) 211;P.J. StephensおよびF.J. Devlin, Chirality 12 (2000) 172;ならびにGaussian 98, Revision A.11.4, M.J. Frischら, Gaussian, Inc., Pittsburgh PA, 2002が組み入れられる。
【0096】
式(I)においてXがNHであり、R1およびpが上で定義されたとおりであり、LVがハロゲン(F、Cl、Br、I)、SOAy、SO2Ay、SOR、SO2Rなどの脱離基である化合物は、下に概要を記載する方法により便利に調製することができる。
【0097】
スキーム1
【化6】

【0098】
一般的に、式(I)においてLVが上記の定義の通りである(すべての式および他のすべての変数は上で定義されている)化合物を調製する方法は、
a) 式(II)の化合物をギ酸エチルと反応させるステップ;
b) 式(III)の化合物を式(IV)のジアゾ化合物と反応させるステップ;
c) 式(V)の化合物をインドール化して式(VI)の化合物を調製するステップ;
d) 式(VI)の化合物の還元的アミノ化により式(VII)の化合物を形成するステップ;および
e) 求核置換により化合物(VII)から式(I)の化合物を形成するステップ
あるいは、
f) 化合物(VI)の還元的アミノ化により式(I)の化合物を形成するステップ
を含む。
【0099】
より特定的には、式(I)においてすべての変数が上で定義された通りである化合物は、式(VI)の化合物を、還元剤の存在下で式(VIII)のアミンと反応させて調製することができる
【化7】

【0100】
[ここでも、式中、すべての変数は上で定義された通りである]。
【0101】
上記反応は、水を除去する条件下でイミンを形成し、次いで還元するという2段階のプロセスでおこなわれる。あるいは、この反応はアミン(VIII)および還元剤を、順次または同時に加えることにより、ワンポット反応としておこなうこともできる。
【0102】
2段階のプロセスでは、典型的には、式(VI)の化合物をトルエンのような不活性溶媒に溶解し、当量または過剰の式(VIII)のアミンを加えた後に、場合によりp-トルエンスルホン酸などの酸触媒を加える。反応液を加熱還流して水を共沸除去する。場合により、水を除去するために分子ふるいまたはオルトギ酸トリメチルなどの脱水剤を用いることができる。
【0103】
イミンは単離しても、直接次の反応に使用してもよい。イミンを好適な溶媒に溶解し、還元剤を加えることにより還元する。好適な溶媒には、低級アルコール(メタノール、エタノール等)、テトラヒドロフラン、または他の当業者に公知の同様の溶媒が含まれる。好適な還元剤には、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、水素化ホウ素ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
【0104】
ワンポット反応では、式(VI)の化合物を不活性溶媒に溶解する。この溶液に式(VIII)のアミンを加え、次いで好適な還元剤を加える。場合により、反応液を約50℃〜150℃の間に加熱する。好適な溶媒には、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な還元剤には、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
【化8】

【0105】
上記のように、別の方法として、式(I)の化合物は式(VII)のアミンから形成することができる。式(VI)の化合物を不活性溶媒中で、場合により加熱しながらアンモニウム塩および還元剤により処理すると、式(VII)のアミンが得られる。好適な溶媒には、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な還元剤には、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。好適なアンモニウム塩には、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム等が含まれるが、これらに限定されない。式(VII)のアミンは、式(VI)の化合物をヒドロキシルアミンにより処理した後、好適な還元剤(水素化リチウムアルミニウム等が含まれるが、これらに限定されない)により還元することによっても形成することができる。
【0106】
式(VII)の化合物と式(IX)の化合物の縮合により、式(I)の化合物が得られる。この縮合は、溶媒なしで、または溶媒の存在下で、場合により加熱しながらおこなうことができる。縮合は場合により電子レンジ中でおこなってもよい。好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ニトロメタン等が含まれるが、これらに限定されない。場合により縮合反応に塩基を加えてもよい。好適な塩基の例には、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
当業者に理解されるように、式(VI)の化合物は文献(J. Med. Chem. 1973, 16, 425およびJ. Org. Chem. 1968, 32, 1265)に記載されたものと同様の方法により調製することができる。これらの文献を上記の調製に関して参照により本明細書に組み入れる。
【0108】
式(I)においてXがNHであり、-((Y)d-Z)が-CONR2R3である化合物は、式(VII)の化合物から、下記の通りのイソシアネートとの反応により形成することができる。
【0109】
スキーム2
【化9】

【0110】
より具体的には、式(VII)の化合物を好適な溶媒中で、場合により加熱しながらイソシアネートにより処理する。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、低級アルコール(メタノール、エタノール)等が含まれるが、これらに限定されない。イソシアネートは購入可能であるか、容易な方法または当業者に公知の方法により作ることができる。
【0111】
一般的に、式(I)においてXがOであり、-((Y)d-Z)が上で定義された通りである化合物を調製する方法は、
a) 式(VI)の化合物中の窒素を保護することにより、式(X)により表される化合物を形成するステップ;
b) 式(X)の化合物を還元して、式(XI)のアルコールを形成するステップ;
c) 式(XI)の化合物を式(XII)の化合物と反応させて式(XIII)の化合物を得るステップ;
d) 式(XIII)の化合物を脱保護して、式(I)において、XがOであり、-((Y)d-Z)が本明細書において定義された通りである化合物を得るステップ
を含む。
【0112】
スキーム3
【化10】

【0113】
スキーム3に、好ましい保護基、すなわち、塩化ベンゼンスルホニルを用いる、この一般法の一つの実施形態を示す。より具体的には、式(VI)の化合物中のインドール窒素を好適な保護基を用いて保護する。好適な保護基には、フェニルスルホニルおよび他の関連する保護基が含まれる。そこで、式(VI)の化合物を、塩基の存在下、好適な溶媒中で、場合により加熱しながら塩化ベンゼンスルホニルにより処理すると、式(X)の化合物が得られる。
【0114】
式(X)の化合物を好適な還元剤により還元すると、式(XI)の化合物が得られる。好適な還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等が含まれるが、これらに限定されない。還元に好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン等)、低級アルコール(メタノール、エタノール等)、および他の同様の溶媒が含まれるが、これらに限定されない。
【0115】
式(XI)の化合物を、好適な溶媒中、脱プロトン剤/塩基の存在下で、場合により加熱しながら式(XII)の化合物と反応させると、式(XIII)の化合物が得られる。好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ニトロメタン、テトラヒドロフラン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩基には、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド等が含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
たとえば水酸化ナトリウム水溶液による式(XIII)の化合物の脱保護により、式(I)においてXがOである化合物が得られる。
【0117】
別の好適な保護基を使用する場合に、それに合わせて記載したスキームを変更することが可能であることを当業者は理解するであろう。
【0118】
一般的に、下記のように、式(VII)の化合物から、式(I)において、XがNであり、-((Y)d-Z)が置換アルキレン-Ayである化合物を調製することができる。
【0119】
スキーム4
【化11】

【0120】
より具体的には、式(VII)の化合物を好適な還元剤により還元して式(XIV)のアルコールを形成することができる。好適な還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等が含まれるが、これらに限定されない。還元に好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、および低級アルコール(メタノール、エタノール等)が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
式(XIV)のアルコールを、高温で、場合により酸触媒の存在下、式(XV)のアミンにより処理して、式(I)において-((Y)d-Z)が-CR*R**Ayなどの置換アルキレン-Ayである化合物を得ることができる。説明した通り、-CR*R**-の記述は置換アルキレンである。ここで、R*およびR**は、本明細書において「置換されているかあるいは置換されていない」の説明で列挙した置換基を含むさまざまな置換基であってよい。好ましくは、R*およびR**の一方はHであり、そして他方はH、アルキル、またはアリールから選択されるか;または、両方のR*およびR**がアルキルである。この反応は、下でより詳細に記載するように、電子レンジ中でおこなってもよい。
【0122】
さらに、式(I)において、Rがハロゲン(以下に「Hal」の略語を用いる)であり、Rが式中のテトラヒドロカルバゾール核の8-位に存在する化合物は、下記のように、式(XV)の化合物から合成することができる。
【0123】
スキーム5
【化12】

【0124】
一般的に、式(I)においてハロゲン(Hal)が8-位に存在する化合物の調製法は、
a) 式(XV)の化合物の3-ブロモシクロヘキセンとの反応により、式(XVI)の化合物を得るステップ;
b) 式(XVI)の化合物の転移により、式(XVII)の化合物を得るステップ;
c) 式(XVII)の化合物の環化により、式(XVIII)の化合物を得るステップ;
d) 式(XVIII)の化合物をアミン(たとえば、Z-(Y)d-NH2)と反応させて式(XIX)の化合物を形成するステップ;および
e) 式(XIX)の化合物を酸化して、式(I)の化合物を得るステップ
を含む。
【0125】
より具体的には、式(XV)の化合物を好適な溶媒中、塩基の存在下で、場合により加熱しながら3-ブロモシクロヘキセンにより処理すると、式(XVI)の化合物が得られる。好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ニトロメタン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩基には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
式(XVI)の化合物を、好適な溶媒中、加熱しながら、ルイス酸の存在下で処理すると、式(XVII)の化合物が得られる。好適な溶媒には、キシレン等のような高沸点の溶媒が含まれる。好適なルイス酸には塩化亜鉛等が含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
化合物(XVII)を、好適な溶媒中で、ヨウ素および塩基により処理すると、式(XVIII)の化合物が得られる。好適な塩基には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
化合物(XVIII)を、好適な溶媒中、場合により加熱しながら、場合により塩基の存在下で、式Z-(Y)d-NH2のアミンと反応させると、式(XIX)の化合物が得られる。当業者に理解されるように、当量または過剰のアミンを使用してもよいし、またはアミンを溶媒として使用してもよい。他の好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、アセトニトリル等が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩基には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。場合により、反応は、約30〜200℃の間に加熱するか、電子レンジ中でおこなってもよい。
【0129】
次に、式(XIX)の化合物を酸化して式(I)の化合物を得る。好適な酸化剤には、図示される通り、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(“DDQ”)等が含まれるが、これらに限定されるものと考えではならない。上記反応に好適な溶媒には、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタンなどの)が含まれる。反応は室温で、または場合により加熱しながらおこなうことができる。
【0130】
当業者に理解されるように、ある式(I)の化合物は、公知の、または容易に利用できる方法により別の式(I)の化合物に変換することができる。
【実施例】
【0131】
実施例1:6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化13】

【0132】
a) シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン
4-クロロアニリン(5.6g、44mmol)の濃塩酸(5mL)溶液を冷却し(0℃)、硝酸ナトリウム(3.0g、44mmol)の水(10mL)溶液を20分以上かけて少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。別のフラスコに、2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(Organic Syntheses, Collective Volume 4, 1963, pg. 536、上記の合成に関して参照により本明細書に組み入れる)(5.0g、40mmol)のメタノール(30mL)溶液を冷却して、酢酸ナトリウム(8.3g、101mmol)の水(25mL)溶液により処理した。混合物を0℃で20分間撹拌し、上記ジアゾニウム塩スラリーを加えた。合わせた混合物を10〜15分間撹拌し、濾過により収集し、エタノールにより粉砕し、濾過により収集して、シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(4.6g、収率49%)を黄色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ9.93 (s, 1H), 7.29 (m, 4H), 2.55 (m, 2H), 2.40 (m, 2H), 1.84-1.75 (m, 4H)。
【0133】
b) 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(2.3g、9.7mmol)の塩酸(2mL)および酢酸(8mL)中の溶液を120℃に20分間加熱した。混合物を少し冷却し、氷水により処理した。得られた沈殿を濾過により収集して、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.9g、収率88%)を褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.78 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 2.92 (t, 2H), 2.55 (t, 2H), 2.13 (q, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0134】
実施例2:6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化14】

【0135】
6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500mg、2.3mmol)および酢酸アンモニウム(1.8g、23mmol)のメタノール(9mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(720mg、11.5mmol)を加えた。60℃で15分間加熱した後、混合物を冷却し、濃塩酸により処理してpH=1にした。有機相を減圧除去し、得られた沈殿を濾過により収集し、酢酸エチルおよびメタノールに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液により洗浄した。相を分離して有機相を濃縮し、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(260mg、収率52%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.90 (s, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.27 (d, 1H), 6.97 (dd, 1H), 3.90 (t, 1H), 2.54 (m, 2H), 2.04-1.89 (m, 2H), 1.66 (m, 1H), 1.50 (m, 1H); MS m/z 221 (M+1)。
【0136】
実施例3:6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化15】

【0137】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、ブロモアニリンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから、上記と同様の方法により調製し、褐色の固体を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.79 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 2.97 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.27 (m, 2H); MS m/z 263, 265 (M+1)。
【0138】
実施例4:6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化16】

【0139】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、上記と同様の方法により調製し、固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.58 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.20 (m, 2H), 4.12 (t, 1H), 2.70 (t, 2H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.92 (m, 3H), 1.66 (m, 1H); MS m/z 266 (M+1)。
【0140】
実施例5:6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化17】

【0141】
6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、p-トルイジンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから、上記と同様の方法により調製し、黄褐色の固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.65 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 2.98 (t, 2H), 2.65 (t, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.26 (m, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0142】
実施例6:6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化18】

【0143】
6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、上記と同様の方法により調製し、固体を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.5 (s, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.81 (d, 1H), 3.98 (t, 1H), 3.30 (s, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.65 (m, 1H); MS m/z 201 (M+1)。
【0144】
実施例7:2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化19】

【0145】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、アニリン(2.9g、31mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.5g、28mmol)から上記と同様の方法により調製し、2.5g(49%)の褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 2.90 (t, 2H), 2.56 (t, 2H), 2.15 (m, 2H); MS m/z 186 (M+1)。
【0146】
実施例8:塩酸2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化20】

【0147】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.5g、8.10mmol)のエタノール(20mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(1.13g、16.2mmol)の水(10mL)溶液および酢酸ナトリウム(2.19g、26.7mmol)の水(10mL)溶液を加えた。反応混合物を2時間加熱還流し、冷却し、濃縮した。残渣を水により希釈し、酢酸エチル(2x100mL)により抽出した。有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮して褐色の固体を得た。上記オキシムをTHF(80mL)に溶解し、水素化リチウムアルミニウム(THF中1.0M、24.3mL)を滴下した。反応液を7時間加熱還流し、氷浴で冷却した。メタノールを発泡が止まるまで滴下した。混合物を酒石酸Na/K水溶液により希釈し、15分間激しく撹拌し、酢酸エチル(2x100mL)により抽出した。抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮した。粗アミンをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(2%〜5%のメタノール/塩化メチレン勾配)により精製して、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを褐色のオイルとして得た。オイルをジエチルエーテルで希釈し、HCl(ジエチルエーテル中1.0M)を加えた。得られた沈殿を濾過により収集して、塩酸2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(760mg、42%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.54 (d, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.09 (t, 1H), 4.66 (t, 1H), 2.95-2.73 (m, 2H), 2.39-2.28 (m, 1H), 2.18-2.03 (m, 3H); MS m/z (M + 1) 187.
実施例9:6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化21】

【0148】
6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、p-アニシジンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから上記と同様の方法により調製して、黄褐色の固体を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.77 (br s, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.98 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.28 (m, 2H); MS m/z 216 (M+1)。
【0149】
実施例10:6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化22】

【0150】
6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、上記と同様の方法により調製し、固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.38 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.80 (d, 1H), 4.06 (t, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.67 (t, 2H), 2.18 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.60 (m, 1H); MS m/z 217 (M+1)。
【0151】
実施例11:6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化23】

【0152】
6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、4-(トリフルオロメチル)アニリン(5.5g、34mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.9g、31mmol)から上記と同様の方法により調製して、2.25g(29%)の暗褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 12.05 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (s, 2H), 3.00 (t, 2H), 2.58 (t, 2H), 2.19-2.13 (m, 2H)。
【0153】
実施例12:2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン
【化24】

【0154】
a) シクロヘプタン-1,2-ジオン(4-ブロモフェニル)ヒドラゾン
4-ブロモアニリン(7.8g、46mmol)の濃塩酸(6mL)中の溶液を冷却し(0℃)、硝酸ナトリウム(3.2g、46mmol)の水(15mL)溶液を10分以上かけて少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。別のフラスコに、2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘプタノン(5.8g、41mmol)のメタノール(100mL)溶液を冷却して、酢酸ナトリウム(8.6g、105mmol)の水(30mL)溶液により処理した。混合物を0℃で20分間撹拌し、上記ジアゾニウム塩のスラリーを加えた。合わせた混合物を30分間撹拌し、濾過により収集し、エタノールから再結晶し、濾過により収集して、シクロヘプタン-1,2-ジオン(4-ブロモフェニル)ヒドラゾン(4.3g、収率48%)を橙色の固体として得た。1H-NMR (CDCl3): δ 7.38 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 2.68 (d, 2H), 2.64 (d, 2H), 1.83-1.75 (m, 6H); MS m/z (M+1) 278, 280.
b) 2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン
シクロヘプタン-1,2-ジオン(4-ブロモフェニル)ヒドラゾン(4.3g、15mmol)の塩酸(30mL)および酢酸(8mL)中の溶液を120℃に15分間加熱した。混合物を少し冷却し、氷水により処理した。得られた沈殿を濾過により収集して、2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(3.51g、収率86%)を褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.96 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 3.09 (t, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.12-1.96 (m, 4H); MS m/z (M+1) 278, 280.
実施例13:塩酸2-ブロモ-5,5a,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン
【化25】

【0155】
2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(1.5g、5.4mmol)のエタノール(14mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(750mg、11mmol)の水(10mL)溶液および酢酸ナトリウム(1.46g、18mmol)の水(10mL)溶液を加えた。反応混合物を5時間加熱還流し、冷却し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、水(2x50mL)により洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮して褐色の固体を得た。上記オキシムをTHF(54mL)に溶解し、LAH(THF中1.0M、16.2mL、16.2mmol)を滴下した。反応液を4時間加熱還流し、氷浴で冷却した。メタノールを発泡が止まるまで滴下した。混合物をNaHSO3水溶液により希釈し、15分間激しく撹拌し、酢酸エチル(2x150mL)により抽出した。抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮した。粗アミンをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(2%〜5%のメタノール/塩化メチレン勾配)により精製し、2-ブロモ-5,5a,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミンを褐色のオイルとして得た。オイルをジエチルエーテルにより希釈して、HCl(1.0Mジエチルエーテル溶液)を加えた。得られた沈殿を濾過により収集して、塩酸2-ブロモ-5,5a,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン(980mg、57%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.65 (s, 1H), 7.28-7.21 (m, 2H), 4.68-4.66 (m, 1H), 3.08-3.01 (m, 1H), 2.84-2.76 (m, 1H), 2.33-2.25 (m, 1H), 2.15-1.93 (m, 4H), 1.65-1.55 (m, 1H); MS m/z (M-1) 277, 279.
実施例14:7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化26】

【0156】
7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、3-ブロモアニリン(7.6g、44mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(4.3g、34mmol)から、上記と同様の方法により調製し、メタノールから再結晶して7-ブロモ異性体を単離し、280mg(1%)の淡褐色の固体を得た。
【0157】
1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.94 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.27-7.25 (m, 1H), 3.01-2.98 (m, 2H), 2.68-2.65 (m, 2H), 2.31-2.24 (m, 2H); MS m/z 263, 265 (M + 1)。
【0158】
実施例15:N-ベンジル-2,3,4,9-テトラヒドロカルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化27】

【0159】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)のジクロロエタン(5mL)溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.17g、0.80mmol)、酢酸(0.046mL、0.80mmol)およびベンジルアミン(0.087mL、0.80mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。飽和NaHCO3(5mL)およびEtOAc(5mL)を加えて反応を止め、30分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAc(2x5mL)により抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4により乾燥し、濾過し、蒸発させた。精製はシリカゲルクロマトグラフィーにより、溶離液としてヘキサン/酢酸エチルを用いておこない、黄色がかったオイルを得た。上記化合物をジエチルエーテルに溶解し、HClのジエチルエーテル溶液を加えて、蒸発させると白色の沈殿を得た。メタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、白色の固体(42mg、35%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.2 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), 9.58 (s, 1H), 7.64 (d, 2H), 7.43 (m, 5H), 7.14 (t, 1H), 7.02 (t, 1H), 4.67 (s, 1H), 4.29 (s, 2H), 2.71 (m, 2H), 2.22 (m, 2H), 2.08 (m, 1H), 1.82(m, 1H); 13C-NMR (CDCl3): δ 140.7, 136.2, 135.7, 128.5, 128.1, 127.5, 127.1, 121.5, 119.0, 118.3, 111.2, 110.8, 51.9, 50.4, 30.5, 21.8, 21.0; MS m/z 277 (M)。
【0160】
実施例16:N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化28】

【0161】
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および4-メトキシベンジルアミン(0.07mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.03g、19%)を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.1 (s, 1H), 9.35 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.49 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.15 (t, 1H), 7.02 (t, 1H), 6.99 (d, 2H), 4.62 (s, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.72 (m, 2H), 2.18 (m, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.82 (m, 1H); MS m/z 305 (M-1)。
【0162】
実施例17:N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化29】

【0163】
N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)およびフェネチルアミン(0.10mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.04g、23%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.52 (d, 1H), 7.34 (m, 6H), 7.18 (t, 1H), 7.05 (t, 1H), 4.55 (s, 1H), 3.45 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 3.04 (m, 2H), 2.91 (m, 1H), 2.79 (m, 1H), 2.30 (m, 1H), 2.08 (m, 1H); MS m/z 291 (M+1)。
【0164】
実施例18:N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化30】

【0165】
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.10mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、ジアステレオマーの混合物を白色の固体(0.04g、23%)として得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.15 (s, 1H), 7.27-7.49 (m, 7H), 7.15 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.08 (t, J=7.7Hz, 1H), 4.13 (q, J=6.5 Hz, 1H), 4.02 (t, J=7.2 Hz, 1H), 2.70 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.23-2.14 (m, 1H), 2.07-1.97 (m, 1H), 1.86-1.74 (m, 1H), 1.50-1.64 (m, 1H), 1.44 (d, J=6.5 Hz, 3H); MS m/z 291 (M+1)。
【0166】
実施例19:N-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化31】

【0167】
N-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)およびシクロヘキシルアミン(0.09mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.015g、10%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.34 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.13 (t, 1H), 7.08 (d, 1H), 4.04 (t, 1H), 2.81-2.68 (m, 3H), 2.32-2.25 (m, 1H), 2.07-1.99 (m, 2H), 1.84-1.41 (m, 5H), 1.37-1.10 (m, 6H); MS m/z 269 (M+1)。
【0168】
実施例20:N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化32】

【0169】
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および2-インダンアミン(0.10mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.07g、38%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.29 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.05-7.47 (m, 7H), 4.06 (t, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.24 (d, 1H), 3.19 (d, 1H), 2.89 (d, 1H), 2.79-2.70 (m, 3H), 2.40 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.60 (m, 1H); MS m/z 303 (M+1)。
【0170】
実施例21:N-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化33】

【0171】
N-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)およびn-プロピルアミン(0.065mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.060g、42%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.48 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.16 (t, 1H), 7.08 (t, 1H), 3.99 (t, 1H), 2.84-2.61 (m, 4H), 2.32-2.23 (m, 1H), 2.10-2.00 (m, 1H), 1.86-1.49 (m, 4H), 0.98 (t, 3H); MS m/z 229 (M+1)。
【0172】
実施例22:N-(2-メトキシエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化34】

【0173】
N-(2-メトキシエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および2-メトキシエタンアミン(0.07mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.065g、43%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.58 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 4.01 (t, 1H), 3.55 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.87-2.78 (m, 1H), 2.72 (t, 2H), 2.26-2.17 (m, 1H), 2.12-2.02 (m, 1H), 1.85-1.65 (m, 2H); MS m/z 245 (M+1)。
【0174】
実施例23:(2R)-2-フェニル-2-(2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルアミノ)エタノール塩酸塩
【化35】

【0175】
(2R)-2-フェニル-2-(2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルアミノ)エタノール塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および(2R)-2-アミノ-2-フェニルエタノール(0.11mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.01g、5%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.47 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.41-7.26 (m, 6H), 7.15 (t, 1H), 7.08 (t, 1H), 4.06-4.00 (m, 2H), 3.80 (dd, 1H), 3.61 (dd, 1H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 2.04-1.87 (m, 2H), 1.77-1.66 (m, 1H), 1.57-1.47 (m, 1H); MS m/z 305 (M-1)。
【0176】
実施例24:N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化36】

【0177】
N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および(2R)-4-フェニルブタン-2-アミン(0.12mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.01g、4%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.50 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.34-7.21 (m, 5H), 7.18 (t, 1H), 7.05 (t, 1H), 4.74 (t, 1H), 3.60 (m, 1H), 2.92-2.70 (m, 4H), 2.29-2.13 (m, 3H), 2.06-1.89 (m, 3H), 1.49 (d, 3H); MS m/z 318 (M)。
【0178】
実施例25:N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化37】

【0179】
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.52mmol)および1-(1,3-ベンゾジオキシル-5-イル)メタンアミン(0.10mL、0.80mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.02g、9%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.70 (s, 1H), 9.18 (d, 2H), 7.40 (m, 3H), 7.13-6.88 (m, 4H), 6.00 (s, 2H), 3.90 (m, 1H), 2.59 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.71 (m, 2H); MS m/z 321 (M+1)。
【0180】
実施例26:6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化38】

【0181】
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.38mmol)およびフェネチルアミン(0.10mL、0.57mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.067g、44%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.66 (s, 1H), 7.38-7.25 (m, 7H), 4.57 (t, 1H), 3.50-3.37 (m, 2H), 3.07-3.00 (m, 2H), 2.94-2.86 (m, 1H), 2.77-2.70 (m, 1H), 2.43-2.20 (m, 2H), 2.08-2.04 (m, 2H); MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0182】
実施例27:(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化39】

【0183】
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのラセミ体を超臨界流体クロマトグラフィー(以後は「SFC」と記載する)(DiacelAD-H、ChiralTechnologies、30%メタノール、3000psi、40℃、2mL/分、保持時間:16.6分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.4 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.35-7.19 (m, 5H), 4.68 (t, 1H), 4.32 (m., 1H), 3.47 (dd, 1H), 3.32 (m, 3H), 2.74 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 2.18 (m, 2H), 2.01 (m, 1H), 1.87 (m, 1H); MS m/z 379, 381 (ES-1)。
【0184】
実施例28:(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化40】

【0185】
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのラセミ体を分取SFC(DiacelAD-H、ChiralTechnologies、30%メタノール、3000psi、40℃、2mL/分、保持時間:8.6分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.4 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.35-7.19 (m, 5H), 4.68 (t, 1H), 4.32 (m., 1H), 3.47 (dd, 1H), 3.32 (m, 3H), 2.74 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 2.18 (m, 2H), 2.01 (m, 1H), 1.87 (m, 1H); MS m/z 379, 381 (ES-1)。
【0186】
実施例29: N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化41】

【0187】
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.38mmol)およびベンジルアミン(0.062mL、0.57mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.042g、31%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.67 (s, 1H), 7.54-7.45 (m, 5H), 7.30 (q, 2H), 4.69 (t, 1H), 4.42 (m, 2H), 2.86 (t, 1H), 2.79-2.69 (m, 1H), 2.34-2.27 (m, 2H), 2.04 (m, 2H); MS m/z 354, 356 (M+1); Anal. Calc’d for C19H20BrN2Cl: C, 58.25; H, 5.15; N, 7.15. Found: C, 58.56; H, 5.17; N, 7.14.
実施例30:6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化42】

【0188】
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.38mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.07mL、0.57mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.08g、52%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.65 (m, 3H), 7.56-7.46 (m, 3H), 7.36 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.28 (d, J=8.7 Hz, 1H), 4.76 (q, J=7.8 Hz, 1H), 4.48 (t, J=4.2 Hz, 1H), 2.90-2.82 (m, 1H), 2.73-2.63 (m, 1H), 2.11-2.00 (m, 4H), 1.43 (d, J=6.6 Hz, 3H); 13C-NMR (DMSO-d6): δ 138.6, 135.0, 130.3, 129.3, 129.2, 128.6, 128.3, 125.2, 121.3, 113.9, 113.6, 111.8, 56.0, 49.7, 26.1, 20.6, 20.2, 19.2; MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0189】
実施例31A:(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化43】

【0190】
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(BergerAmino、ChiralTechnologies、10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム)1500psi、50℃、2mL/分、保持時間:17.5分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。[α]25=160(c0.20、MeOH);1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 7.80 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.52-7.45 (m, 3H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.78 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.60 (m, 1H), 2.77-2.65 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); Anal. Calcd. For C20H22BrN2Cl: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90; Cl, 8.69. Found: C, 59.34; H, 5.45; N, 6.87; Cl, 8.67。
【0191】
あるいは、(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、エナンチオ選択的経路を用いて合成することができた。
【0192】
実施例31B:(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(50mg、0.19mmol)、(R)-α-メチルベンジルアミン(23mg、0.19mmol)、およびp-トルエンスルホン酸(5mg)のトルエン(15mL)中の混合物を、ディーン・スタークトラップを付けて16時間還流した。混合物を濃縮し、残渣を高真空で乾燥した。残渣をジクロロメタン(3mL)に溶解した後、ギ酸(0.036mL、0.95mmol)、トリエチルアミン(0.052mL、0.38mmol)、および(S)-RuCl[(1R,2R)-p-TsNCH(C6H6)CH(C6H6)NH2](η-ベンゼン)(16mg、0.038mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。(S)-RuCl[(1R,2R)-p-TsNCH(C6H6)CH(C6H6)NH2](η-ベンゼン)は、Journal of American Chemical Society 1996, 118, 2521-2522およびそこに引用された参照文献に記載された方法により調製した。これらの文献を、上記の合成に関して参照により本明細書に組み入れる。混合物をジクロロメタン(10mL)により希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)により洗浄した。有機相をそのままシリカゲルクロマトグラフィーのカラムに適用し、ジクロロメタン中の5%酢酸エチルにより溶離した。適当なフラクションを濃縮して48mg(68%、90%de)の(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを得た。1H NMR (DMSO-d6): δ10.84 (s, 1H), 7.47 (m, 3H), 7.32 (m, 3H), 7.22 (t, 1H), 7.12 (d, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 2.50 (m under DMSO, 2H), 2.16 (bs, 1H), 1.87 (m, 1H), 1.76 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.49 (m, 1H), 1.31 (d, 3H); MS m/z 368 (M-1)。
【0193】
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(48mg、90%de)をエチルエーテル(2mL)に溶解した後、1MHClエーテル溶液(2mL)を滴下した。得られた沈殿を濾過により収集して36mgの黄色の固体を得た。固体を熱いメタノール(2mL)に溶解した。溶液を放置して冷却し、エチルエーテルを溶液が白濁するまで滴下した。沈殿した結晶を濾過により収集して16mg(30%、100% de)の(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ11.66 (s, 1H), 9.86 (bs, 1H), 9.29 (m, 1H), 7.76 (d, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.36-7.48 (m, 4H), 7.24 (d, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.55 (m, 1H), 2.63 (m, 2H), 2.09 (m, 1H), 1.96 (m, 2H), 1.79 (m, 1H), 1.67 (d, 3H). MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0194】
実施例32:(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化44】

【0195】
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(Berger Amino、Chiral Technologies、10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム)1500psi、50℃、2mL/分、保持時間:19.8分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。[α]25 = -4.3 (c 0.23, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 7.86 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.55-7.45 (m, 3H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.75 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.57 (m, 1H), 3.47-3.37 (m, 2H), 2.70-2.64 (m, 2H), 2.13-2.07 (m, 2H), 1.65 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90。測定値: C, 59.29; H, 5.55; N,6.92。
【0196】
実施例33:6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化45】

【0197】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500mg、1.9mmol)のメタノール(20mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(144mg、3.8mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を1時間攪拌し、水(5mL)を加えて反応を止めた。反応液を濃縮し、塩化メチレンにより希釈し、水により洗浄した。有機相を濃縮し、粗アルコールをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜30%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製して、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(255mg、50%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.99 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.75-4.70 (m, 1H), 2.64-2.53 (m, 2H), 2.02-1.91 (m, 2H), 1.77-1.66 (m, 2H); MS m/z (M+1) 267。
【0198】
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(0.04g、0.15mmol)を撹拌子の入った2mLの反応容器中、p-トルエンスルホン酸の存在下でクミルアミン(0.5mL)に溶解することにより調製した。容器を密封し、Personal Chemistry Microwave Synthesizer中で150℃で10分間加熱した。粗反応物をシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜25%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、HCl塩に変換して、白色の固体を得た(14mg、22%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.20 (s, 1H), 9.50 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 7.79 (d, J=7.0 Hz, 2H), 7.64 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.49 (t, J=7.0 Hz, 2H), 7.43 (t, J=7.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.24 (dd, J=8.6 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.47 (s, 1H), 2.67-2.60 (m, 1H), 2.47-2.20 (m, 1H), 2.00 (s, 3H), 1.81 (m, 4H) 1.59-1.34 (m, 3H); MS m/z 381, 383 (M-1); 元素分析C21H24BrN2Clに対する計算値: C, 60.08; H, 5.76; N, 6.67. 測定値: C, 60.01; H, 5.84; N, 6.67。
【0199】
実施例34:6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化46】

【0200】
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、上記と同一の方法により調製し、白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 7.77 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.68 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.49-7.40 (m, 3H), 7.39 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.78 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.60 (t, J=4.4 Hz, 1H), 2.77-2.65 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0201】
実施例35:(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化47】

【0202】
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(BergerAmino、ChiralTechnologies、10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム)1500psi、50℃、2mL/分、保持時間:17.5分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 7.80 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.52-7.45 (m, 3H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.78 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.60 (m, 1H), 2.77-2.65 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90. 測定値: C, 59.36; H, 5.58; N, 6.97。
【0203】
実施例36:(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化48】

【0204】
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(BergerAmino、ChiralTechnologies、10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム)1500psi、50℃、2mL/分、保持時間:19.8分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 7.86 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.55-7.45 (m, 3H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.75 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.57 (t, J=4.4 Hz, 1H), 3.47-3.37 (m, 2H), 2.70-2.64 (m, 2H), 2.13-2.07 (m, 2H) 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析 C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90. 測定値: C, 59.32; H,5.58; N, 6.97。
【0205】
実施例37:6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化49】

【0206】
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、THF(2.0mL)中の6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(0.05g、0.12mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.04mL、0.25mmol)およびヨウ化メチル(0.008mL、0.12mmol)から調製した。試薬を丸底フラスコに入れ、不活性雰囲気下、室温で12時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、酢酸エチルを加え(10mL)、有機相を水(2.0mL)および飽和NaCl(2.0mL)により洗浄し、Na2SO4により乾燥し、濾過し、蒸発させてオイル性の残渣を得た。10〜50%勾配の酢酸エチル/ヘキサン溶離液を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、透明なオイルを得た。これをHCl塩に変換して白色の固体(0.01g、20%)を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.30 (s, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.38-7.10 (m, 5H), 6.89 (d, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.04-2.95 (m, 1H), 2.90-2.80 (m, 2H), 2.70-2.55 (m, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.11-1.99 (m, 2H), 1.70-1.60 (m, 2H)。
【0207】
実施例38:6-ブロモ-9-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化50】

【0208】
6-ブロモ-9-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、ヨウ化メチル(0.016mL、0.25mmol)を6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(0.05g、0.12mmol)および水素化ナトリウム(0.04mL、0.25mmol)のTHF(2.0mL)溶液に、不活性雰囲気下で0℃に冷却しながら加えることにより調製した。混合物を放置して室温に暖め、12時間攪拌した。飽和(sat.)塩化アンモニウム(NH4Cl)(2.0mL)を加えて反応を止め、酢酸エチル(10mL)を加えて、有機層を分離して飽和NaCl(2.0mL)により洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)により乾燥し、濾過し、蒸発させてオイル性の残渣を得た。10〜50%勾配の酢酸エチル/ヘキサン溶離液を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、透明なオイルを得た。これをHCl塩に変換して白色の固体(0.005g、9%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 7.57 (s, 1H), 7.31-7.21 (m, 7H), 7.09 (d, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.19-3.13 (m, 1H), 2.94-2.87 (m, 1H), 2.84-2.80 (m, 2H), 2.74-2.67 (m, 1H), 2.55-2.47 (m, 1H), 2.17-2.11 (m, 1H), 1.83-1.70 (m, 3H); MS m/z 381, 383 (M-1)。
【0209】
実施例39:6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化51】

【0210】
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.38mmol)および(2R)-2-フェニルプロパン-1-アミン(0.075mL、0.57mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.030g、19%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 9.28 (s, 1/2H), 9.06 (s, 1/2H), 7.67 (d, 1H), 7.39-7.20 (m, 6H), 7.11 (s, 1H), 4.65 (m, 1H), 3.30-3.15 (m, 3H), 2.68-2.60 (m, 2H), 2.23-2.15 (m, 1H), 2.10-2.97 (m, 2H), 1.78-1.70 (m, 1H), 1.32 (dd, 3H); MS m/z 381, 383 (M-1)。
【0211】
実施例40:6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化52】

【0212】
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.5mmol)およびフェネチルアミン(0.095mL、0.75mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.04g、23%)を得た。 1H-NMR (CD3OD): δ 7.38-7.22 (m, 7H), 7.00 (dd, 1H), 4.55 (t, 1H), 3.51-3.40 (m, 2H), 3.07-3.00 (m, 2H), 2.94-2.84 (m, 1H), 2.77-2.66 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.32-2.14 (m, 2H), 2.09-2.00 (m, 2H); MS m/z 303 (M-1).
実施例41:N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化53】

【0213】
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.5mmol)および2-インダンアミン(0.10mL、0.75mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.027g、15%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.36-7.22 (m, 6H), 7.00 (dd, 1H), 4.70 (t, 1H), 4.43 (m., 1H), 3.66 (dd, 1H), 3.44 (dd, 1H), 3.28-3.12 (m, 2H), 2.95-2.86 (m, 1H), 2.80-2.69 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.32-2.25 (m, 2H), 2.09-2.00 (m, 2H); MS m/z 184 (M-133)。
【0214】
実施例42:6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化54】

【0215】
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.5mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.07mL、0.75mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.075g、44%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.05 (s, 1H), 7.50-7.18 (m, 7H), 7.36 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.13 (q, J=5.7.7 Hz, 1H), 3.99 (t, J=6.3 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.20-2.13 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.64-1.48 (m, 4H), 1.42 (d, J=6.3 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0216】
実施例43:(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化55】

【0217】
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン遊離塩基のジアステレオマーをSFC(BergerAmino、8%メタノール、1500psi、40℃、2mL/分:保持時間8.7分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = 153 (c 0.23, MeOH); 1H-NMR (CD3OD): δ 7.63 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.02 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.75 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (m, 1H), 2.85 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.67 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.11-1.96 (m, 4H), 1.71 (d, J=7.2 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121); 元素分析 C21H25BrN2Clに対する計算値: C, 73.99; H, 7.39; N, 8.22. 測定値: C, 73.85; H, 7.38; N, 8.23。
【0218】
実施例44:(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化56】

【0219】
(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(BergerAmino、10%メタノール、1500psi、40℃、2mL/分:保持時間10.0分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = -20.0 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ 7.58 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.74 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (t, J=4.8 Hz, 1H), 2.82 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.68 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.8 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.32-2.20 (m, 1H), 2.18-2.00 (m, 2H), 1.98-1.88 (m, 1H), 1.75 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121); Anal. Calcd. For C21H25BrN2Cl: C, 73.99; H, 7.39; N, 8.22. Found: C, 74.02; H, 7.30; N, 8.31。
【0220】
実施例45:6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化57】

【0221】
6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.5mmol)およびS-α-メチルベンジルアミンから、上と同一の方法により調製した。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.05 (s, 1H), 7.50-7.18 (m, 7H), 7.36 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.13 (q, J=5.7.7 Hz, 1H), 3.99 (t, J=6.3 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.20-2.13 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.64-1.48 (m, 4H), 1.42 (d, J=6.3 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0222】
実施例46:(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化58】

【0223】
(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(BergerAmino、8%メタノール、1500psi、40℃、2mL/分:保持時間8.7分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = -133.5 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (CD3OD): δ 7.63 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.02 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.75 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (m, 1H), 2.85 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.67 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.11-1.96 (m, 4H), 1.71 (d, J=7.2 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0224】
実施例47:(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化59】

【0225】
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC(BergerAmino、10%メタノール、1500psi、40℃、2mL/分:保持時間10.0分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = 22.5 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ 7.58 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.74 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (t, J=4.8 Hz, 1H), 2.82 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.68 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.8 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.32-2.20 (m, 1H), 2.18-2.00 (m, 2H), 1.98-1.88 (m, 1H), 1.75 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0226】
実施例48:N-ベンジル-6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化60】

【0227】
N-ベンジル-6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1g、0.22mmol)(J.HeterocyclicChemistry、1990、27(7)、1947-51を参照されたい。この文献をこの出発物質の合成に関して参照により本明細書に組み入れる)およびベンジルアミン(0.03mL、0.33mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.01g、8%)を得た。 1H-NMR (CD3OD): δ 8.55 (s, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.56-7.53 (m, 3H), 7.49-7.45 (m, 3H), 4.71 (t, 1H), 4.44 (m, 2H), 2.99 (dt, 1H), 2.83 (dt, 1H), 2.38-2.25 (m, 2H), 2.15-2.00 (m, 2H); MS m/z 320 (M-1)。
【0228】
実施例49:6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化61】

【0229】
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.05g、0.22mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.04mL、0.33mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.005g、6%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 12.2 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 9.32 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.04 (d, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.59 (d, 1H), 7.47-7.38 (m, 3H), 4.76 (q, 1H), 4.46 (t, J=4.2 Hz, 1H), 2.81-2.67 (m, 2H), 2.14-2.08 (m, 1H), 2.00-1.93 (m, 2H) 1.87-1.80 (m, 1H), 1.67 (d, 3H); MS m/z 334 (M-1)。
【0230】
実施例50:7-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
【化62】

【0231】
7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オンを、ブロモアニリンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロペンタノンから、上記と同様の方法により調製し、0.5gの褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.73 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 3.09 (dd, 2H), 3.02 (dd, 2H); MS m/z 249, 251 (M+1)。
【0232】
7-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オン(0.1g、0.4mmol)およびフェネチルアミン(0.075mL、0.6mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.005g、3%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.2 (s, 1H), 9.28 (s, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.40-7.22 (m, 7H), 7.36 (d, 3H), 4.80 (m, 1H), 3.30-3.23 (m, 2H), 3.09-3.06 (m, 1H), 3.02-2.85 (m, 2H), 2.75-2.70 (m, 1H); MS m/z 353, 355 (M-1)。
【0233】
実施例51:(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
【化63】

【0234】
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オン(0.1g、0.4mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.075mL、0.6mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体を得た。分取TLCによる精製により、0.004g(3%)を得た。1H-NMR 80oC (DMSO-d6): δ 11.1 (s, 1H), 10.0 (s, 1H), 9.25 (s, 1H), 7.69-7.60 (m, 3H), 7.44-7.24 (m, 4H), 7.23 (d, 1H), 4.70 (s, 1H), 4.57 (s, 1H), 3.40 (m, 2H), 3.19 (m, 1H), 2.88-2.81 (m, 1H), 2.74-2.64 (m, 2H), 1.68 (d, 3H); MS m/z 353, 355 (M-1)。
【0235】
実施例52:(3S)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
【化64】

【0236】
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オン(0.1g、0.4mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.075mL、0.6mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体を得た。分取TLCによる精製により、目的の化合物(0.001g、1%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.4 (s, 1H), 9.67 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 7.74 (dd, 1H), 7.63 (dd, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.39-7.34 (m, 1H), 7.31-7.2 (m, 3H), 4.96 (s, 1H), 4.85 (q, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.58-3.50 (m, 2H), 3.30 (m, 1H), 3.23 (d, 3H); MS m/z 353, 355 (M-1)。
【0237】
実施例53:N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化65】

【0238】
N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、THF中の6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(0.05g、0.23mmol)およびベンズアルデヒド(0.04mL、0.35mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.02g、25%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.1 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 7.63 (d, 2H), 7.44-7.39 (m, 3H), 7.28 (d, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.78 (d, 1H), 4.62 (t, 1H), 4.26 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 2.71-2.60 (m, 2H), 2.21-2.17 (m, 2H), 2.10-2.04 (m, 1H), 1.81-1.75 (m, 1H); MS m/z 305 (M-1)。
【0239】
実施例54:N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化66】

【0240】
2-ブロモ-5a,6,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン(50mg、0.16mmol)、臭化ベンジル(54mg、0.32mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21mg、0.48mmol)を室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、水(50mL)により洗浄し、分離し、濃縮して褐色のオイルを得た。粗オイルをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜20%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製して純粋なアミンを得た。アミンをジエチルエーテルにより希釈して、HCl(ジエチルエーテル中、1.0M)を加えた。溶液を濃縮し、アセトニトリルおよび水に溶解し、凍結乾燥して、25mg(38%)の淡褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.53 (s, 1H), 9.49 (d, 2H), 7.76 (s, 1H), 7.64-7.61 (d, 2H), 7.45-7.43 (m, 3H), 7.38 (d, 1H), 7.26-7.25 (m 1H), 4.68-4.61 (m, 1H), 4.37-4.29 (m, 1H), 4.02-3.93 (m, 1H), 3.02-2.98 (m, 2H), 2.22-1.89 (m, 4H), 1.51-1.26 (m, 2H); MS m/z (M-1) 367, 369。
【0241】
実施例55:2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化67】

【0242】
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩を、2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(150mg、0.54mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(98mg、0.81mmol)から、上記と同様の方法により調製し、2.5mg(1%)の白色の固体を得た。MS m/z (M-1) 381, 383。
【0243】
実施例56:2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化68】

【0244】
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩を、2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(150mg、0.54mmol)およびフェネチルアミン(65mg、0.54mmol)から、上記と同様の方法により調製し、81mg(36%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.45 (s, 1H), 9.47 (d, 1H), 9.10 (d, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.31-7.28 (m, 3H), 7.20-7.18 (m, 4H), 4.57-4.56 (m, 1H), 3.39-3.05 (m, 2H), 2.97-2.83 (m, 4H), 2.45-2.42 (m, 1H), 2.16-1.85 (m, 4H), 1.45-1.35 (m, 1H); MS m/z 278, 280 (M-1) 381, 383。
【0245】
実施例57:6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化69】

【0246】
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)および4-フルオロベンジルアミン(70mg、0.57mmol)から、上記と同様の方法により調製し、30mg(19%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.60 (s, 1H), 9.82-9.65 (m, 2H), 7.77-7.72 (m, 3H), 7.41 (d, 1H), 7.34-7.27 (m, 3H), 4.72-4.69 (m, 1H), 4.39-4.26 (m, 2H), 2.77-2.70 (m, 2H), 2.27-2.22 (m, 2H), 2.16-2.05 (m, 1H), 1.87-1.76 (m, 1H); MS m/z (M-1) 371, 373。
【0247】
実施例58:N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化70】

【0248】
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150mg、0.59mmol)およびベンジルアミン(130mg、1.2mmol)から、上記と同様の方法により調製し、52mg(23%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 12.07 (s, 1H), 10.13-9.95 (m, 2H), 7.87 (s, 1H), 7.68 (d, 2H), 7.57 (d, 1H), 7.42-7.39 (m, 4H), 4.72-4.68 (m, 1H), 4.29-4.25 (m, 2H), 2.74-2.71 (m, 2H), 2.31-2.23 (m, 2H), 2.13-2.08 (m, 1H), 1.81-1.74 (m, 1H)。
【0249】
実施例59:N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化71】

【0250】
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150mg、0.59mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(150mg、1.2mmol)から、上記と同様の方法により調製し、11mg(5%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 12.00 (s, 1H), 9.98-9.74 (m, 2H), 7.97-7.90 (m, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.61-7.57 (m, 1H), 7.54-7.38 (m, 5H), 4.77-4.62 (m, 1H), 4.17-4.00 (m, 1H), 2.73-2.70 (m, 1H), 1.60-1.58 (m, 1H), 1.65-1.54 (m, 2H), 1.29-1.27 (m, 1H), 1.23-1.07 (m, 4H); MS m/z (M-1) 357。
【0251】
実施例60:N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化72】

【0252】
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)およびベンズヒドリルアミン(70mg、0.38mmol)から、上記と同様の方法により調製し、40mg(22%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.97 (s, 1H), 10.51-10.46 (m, 1H), 10.14-10.11 (m, 1H), 7.97 (d, 2H), 7.86 (d, 2H), 7.65 (s, 1H), 7.48-7.31 (m, 7H), 7.24 (d, 1H), 5.97-5.94 (m, 1H), 4.42-4.38 (m, 1H), 2.63-2.61 (m, 2H), 2.17-1.97 (m, 3H), 1.75-1.66 (m, 1H); MS m/z (M-1) 429, 431.
実施例61:N-ベンジル-7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化73】

【0253】
N-ベンジル-7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(45mg、0.17mmol)およびベンジルアミン(18mg、0.17mmol)から、上記と同様の方法により調製し、35mg(52%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.48 (s, 1H), 9.76-9.65 (m, 2H), 7.64-7.61 (m, 1H), 7.55-7.52 (m, 1H), 7.46-7.39 (m, 5H), 7.16-7.14 (m, 1H), 4.67-4.64 (m, 1H), 4.32-4.25 (m, 2H), 2.74-2.60 (m, 2H), 2.21-2.19 (m, 2H), 2.10-2.04 (m, 1H), 1.81-1.75 (m, 1H)。
【0254】
実施例62:7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化74】

【0255】
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(45mg、0.17mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(21mg、0.17mmol)から、上記と同様の方法により調製し、37mg(54%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.56 (s, 1H), 9.80-9.75 (m, 1H), 9.31-9.21 (m, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.47-7.38 (m, 4H), 7.14 (d, 1H), 4.76-4.70 (m, 1H), 4.55-4.51 (m, 1H), 2.69-2.57 (m, 2H), 2.10-1.72 (m, 4H), 1.66 (d, 3H)。
【0256】
実施例63:7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化75】

【0257】
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(45mg、0.17mmol)および2-アミノインダン(23mg、0.17mmol)から、上記と同様の方法により調製し、23mg(32%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.38 (s, 1H), 9.74-9.60 (m, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.45-7.15 (m, 5H), 4.67-4.66 (m, 1H), 4.35-4.31 (m, 1H), 3.49-3.25 (m, 4H), 2.76-2.62 (m, 2H), 2.22-2.00 (m, 3H), 1.86-1.82 (m, 1H); MS m/z (M-1) 379, 381.
実施例64: 6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
【化76】

【0258】
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(300mg、1.1mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、塩化ベンゼンスルホニル(201mg、1.1mmol)、水酸化ナトリウム水溶液(5N、1.1mL、5.5mmol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(触媒量)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。さらに塩化ベンゼンスルホニル(201mg、1.1mmol)および水酸化ナトリウム(300mg、7.5mmol)を加え、反応液を1時間攪拌した。反応液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮した。粗ケトンをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜30%勾配の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(400mg、87%)を、淡褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.26 (d, 1H), 8.12 (d, 2H), 7.76 (s, 1H), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.52 (t, 2H), 2.91-2.89 (m, 2H), 2.62-2.59 (m, 2H), 2.20-2.14 (m, 2H)。
【0259】
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150mg、0.37mmol)のメタノール(10mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.79mmol)を加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、水(10mL)により反応を止めた。得られた沈殿を真空濾過により収集し、乾燥して、6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(135mg、89%)を黄色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.10-8.07 (m, 2H), 7.94 (d, 1H), 7.70-7.64 (m, 2H), 7.55 (t, 2H), 7.48-7.46 (m, 1H), 5.31 (d, 1H), 5.28-5.28 (m, 1H), 2.75-2.68 (m, 2H), 1.99-1.89 (m, 2H), 1.81-1.70 (m, 2H); MS m/z (M+1) 404, 406。
【0260】
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(25mg、0.06mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、臭化ベンジル(0.5mL)および水素化ナトリウム(油中60%、50mg、1.2mmol)を加えた。反応液を10分間撹拌し、水(1mL)により反応を止めた。反応液を酢酸エチルにより希釈し、水により洗浄し、濃縮して、6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾールを得た。MS m/z(m-1)494、496。粗ベンジルエーテルをメタノール(5mL)およびテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(5N、2mL)および水酸化ナトリウムペレット(300mg、1.1mmol)を加えた。反応液を70℃で16時間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルにより希釈し、水で洗浄し、濃縮した。粗エーテルをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(15mg、71%)をオイル性の白色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.10 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.39 (d, 2H), 7.33 (t, 2H), 7.29-7.24 (d, 2H), 7.13 (d, 1H), 4.72-4.61 (m, 3H), 2.69-2.63 (m, 1H), 2.55-2.50 (m, 1H), 1.99-1.91 (m, 3H), 1.78-1.71 (m, 1H); MS m/z (M-1) 354, 356。
【0261】
実施例65:N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N'-イソプロピル尿素
【化77】

【0262】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N'-イソプロピル尿素を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよびイソシアン酸イソプロピルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率58%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.89 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.16 (dd, 1H), 6.18 (d, 1H), 5.63 (d, 1H), 4.90 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 2.64 (m, 2H), 1.97 (m, 1H), 1.90-1.67 (m, 3H), 1.08, (d, 6H); MS m/z 350 (M-1)。
【0263】
実施例66:6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
【化78】

【0264】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチルを、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよびクロロギ酸メチルから調製し、黄色のオイルを得た(収率8%)。1H-NMR (CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.28-7.16 (m, 2H), 4.98 (m, 1H), 4.90 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.66 (m, 2H), 2.21 (m, 1H), 1.90 (m, 2H), 1.81 (m, 1H); MS m/z 324 (M+1)。
【0265】
実施例67:N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アセトアミド
【化79】

【0266】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アセトアミドを、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび塩化アセチルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率52%)。1H-NMR (CDCl3): δ 8.86 (s, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.16 (d, 1H), 5.80 (m, 1H), 5.10 (m, 1H), 2.67 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.04 (s, 3H), 1.91 (m, 2H), 1.81 (m, 1H); MS m/z 306 (M-1)。
【0267】
実施例68:N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド
【化80】

【0268】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミドを、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび塩化シクロヘキサンカルボニルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率62%)。1H-NMR (CDCl3): δ 8.86 (s, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.21 (dd, 1H), 7.16 (d, 1H), 5.74 (m, 1H), 5.07 (m, 1H), 2.66 (m, 2H), 2.26-2.05 (m, 2H), 1.96-1.72 (m, 7H), 1.70-1.63 (m, 1H), 1.52-1.35 (m, 2H), 1.31-1.16 (m, 3H); MS m/z 375 (M-1)。
【0269】
実施例69:N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド
【化81】

【0270】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミドを、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび塩化メタンスルホニルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率57%)。1H-NMR (CDCl3): δ 8.71 (s, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.20 (d, 1H), 4.71-4.59 (m, 2H), 3.07 (s, 3H), 2.67 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.00-1.78 (m, 3H); MS m/z 343 (M-1)。
【0271】
実施例70:N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)尿素
【化82】

【0272】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(50mg、0.19mmol)のイソプロパノール(0.30mL)溶液に、イソシアン酸トリメチルシリルを加えた。混合物を室温で15分間撹拌し、溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0〜5%メタノール-ジクロロメタン)により精製して、23mg(収率40%)の褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.91 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.16 (dd, 1H), 6.46 (d, 1H), 4.87 (m, 1H), 2.64 (m, 2H), 1.97 (m, 1H), 1.90-1.65 (m, 3H); MS m/z 308 (M-1)。
【0273】
実施例71:N-ベンジル-8-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化83】

【0274】
2-ブロモアニリン(2.0g、12mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、炭酸カリウム(2.4g、18mmol)および3-ブロモシクロヘキセン(2.7mL、23mmol)を加えた。混合物を75℃に16時間加熱した。反応液を放置して冷却した後、酢酸エチル(50mL)およびトルエン(15mL)により希釈した。溶液を食塩水により洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮した。残渣を高真空で乾燥し、2.13g(73%)のN-(2-ブロモフェニル)-N-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアミンを得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.40 (d, 1H), 7.16 (t, 1H), 6.79 (d, 1H), 6.53 (t, 1H), 5.83-5.88 (m, 1H), 5.66-5.71 (m, 1H), 4.43 (d, 1H), 4.06 (m, 1H), 1.99 (m, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.60 (m, 3H). MS m/z 252, 254 (M+1)。
【0275】
N-(2-ブロモフェニル)-N-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアミン(2.13g、8.4mmol)および塩化亜鉛(1.26g、9.3mmol)の混合物をキシレン(30mL)中で6時間還流した後、放置して室温に冷却した。反応液を室温で16時間攪拌した。粗反応混合物を直接シリカゲルクロマトグラフィーのカラムに注ぎ、3%〜5%〜10%のエチルエーテル/ヘキサンの勾配により溶離した。適切なフラクションを濃縮すると、1.0gの2-ブロモ-6-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアニリンおよび副生成物の1:1混合物が残り、これらは順相クロマトグラフィーでは分離できなかった。少量(30mg)の混合物を逆相クロマトグラフィーにより精製し、分析的に純粋なサンプルを得たが、残りの物質は混合物として次の反応に用いた。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.22 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 6.47 (t, 1H), 5.90 (m, 1H), 5.58 (d, 1H), 5.05 (s, 2H), 3.55 (m, 1H), 2.01 (m, 2H), 1.91 (m, 1H), 1.54 (m, 2H), 1.37 (m, 1H). MS m/z 252, 254 (M+1)。
【0276】
上記の2-ブロモ-6-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアニリン混合物(0.85g、3.4mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(2.3g、27mmol)、次いでヨウ素(3.5g、14mmol)を加えた。反応液を3時間攪拌した後、ジクロロメタン(100mL)により希釈した。有機相を10%w/wチオ硫酸ナトリウム水溶液により洗浄し、食塩水により洗浄し、疎水性フリットを通すことにより乾燥した。有機溶液を濃縮して、粗8-ブロモ-1-ヨード-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾールを得た。MS m/z 378, 380 (M+1)。
【0277】
上記の8-ブロモ-1-ヨード-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾール(0.63g)、炭酸水素ナトリウム(300mg)、およびベンジルアミン(2.5mL)を、SmithCreator電子レンジ中で150℃に600秒間加熱した。混合物を放置して冷却した後、ジクロロメタンにより希釈した。有機相を水で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより、酢酸エチルで溶離して精製した。適切なフラクションを濃縮して、320mgの1-ベンジル-8-メチル-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾールおよび副生成物の1:1混合物を得たが、これは順相クロマトグラフィーでは分離できなかった。少量の(25mg)混合物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、分析的に純粋なサンプルを得たが、残りの物質は混合物として次の反応に用いた。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.30-7.38 (m, 4H), 7.26 (s, 2H), 7.14 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.59 (t, 1H), 4.00 (d, 1H), 3.71 (d, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.42 (t, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.61-1.82 (m, 2H), 1.15-1.27 (m, 1H), 1.03-1.14 (m, 1H); MS m/z 357, 359 (M+1)。
【0278】
1-ベンジル-8-メチル-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾール(220mg、0.62mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(210mg、0.93mmol)を加えて、混合物を室温で16時間攪拌した。溶液をジクロロメタン(30mL)により希釈し、1M水酸化ナトリウム(2x25mL)により洗浄した。有機相を疎水性フリットに通し、濃縮して200mgの粗物質を得た。100mgの粗物質を逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを濃縮してオイルを得た。オイルをエチルエーテルに溶解して、2.5M HClエーテル溶液を滴下した。得られた白色の沈殿を濾過により収集し、高真空で乾燥して、16mgのN-ベンジル-8-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 11.20 (s, 1H), 9.20 (bs, 2H), 7.63 (d, 2H), 7.53 (d, 1H), 7.46 (m, 3H), 7.38 (d, 1H), 7.00 (t, 1H), 4.75 (m, 1H), 4.23-4.38 (m, 2H), 2.71 (t, 2H), 2.25-2.34 (m, 1H), 2.07-2.22 (m, 2H), 1.76-1.86 (m, 1H); MS m/z 248, 250 (M-ベンジルアミン)。
【0279】
生物実験およびデータ
本発明の化合物は、HCV感染に関連する状態および疾病の治療および/または予防に有用であると考えられる。HCVにより仲介される活性を下記のETレプリコン系を用いて測定した。
【0280】
使用した材料には、DMEM(1 X 液、高グルコース)からなる培地;Invitrogen cat# 11965-092;100 x ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(10,000ユニット/mL);Invitrogen cat# 15140-122;100 x 非必須アミノ酸溶液(10mM);Invitrogen cat# 11140-050;ウシ胎児血清;JRH Biosciences cat# 12107-500M;ジェネテシン(50mg/mL);Invitrogen cat# 10131-035が含まれる。
【0281】
ルシフェラーゼアッセイ試薬には、Steady-Glo ルシフェラーゼアッセイ系、cat# E2550(Promega)が含まれる。
【0282】
ETレプリコン系(Lohmannら (1999), 「肝臓癌細胞株におけるサブゲノムC型肝炎ウイルスRNAの複製(Replication of subgenomic Hepatitis C virus RNAs in a hepatoma cell line)」. Science 285: 110-113;Kriegerら (2001), 「細胞培養適応突然変異によるC型肝炎ウイルスRNA複製の亢進(Enhancement of hepatitis C virus RNA replication by cell culture-adaptive mutations)」. J. Virol. 75: 4614-4624;およびVrolijkら (2003), 「C型慢性肝炎患者におけるインターフェロンを測定するためのレプリコンに基づくバイオアッセイ(A replicon-based bioassay for the measurement of interferons in patients with chronic hepatitis C)」. J. Virol. Meth. 110: 201-209を参照されたい;ETレプリコン系に関する参照により、それぞれ本明細書にその全文が組み入れられる)には、HCV遺伝形質 1b株 Con1レプリコンにより安定してトランスフェクトされたHuh7細胞が含まれる。このレプリコンは、ホタルのルシフェラーゼを発現し、ネオマイシン遺伝子の上流に挿入されたユビキチンに対するコード領域を有し、そして協同してRNA複製を亢進する3つの細胞培養適応突然変異(E1202G、T1280I、およびS2197P)を保持する。ET細胞株は、ReBLikon GmbH(Nach dem alten Schloss 22, 55239 Gau-Odernheim, Germany)からのライセンスのもとに取得した。
【0283】
細胞を37℃にて、5%CO2、10%FCS、1 x ペニシリン/ストレプトマイシン、1 x 非必須アミノ酸、0.5mg/mLジェネテシン(Geneticin)を加えたDMEM中で維持する。継代については、細胞を1回PBSを用いて洗浄し、そして37℃にて単層を覆うのに十分なトリプシン(0.05%)/ベルセン(versene)とともにインキュベートした。フラスコから剥がすと、細胞を数mLのDMEM+10%FBSと混合してトリプシンを不活性化し、次いで新しいフラスコで継代するのにほぼ十分な培地(通常は5倍または10倍)を用いて希釈する。T225フラスコについては、典型的には40〜50mL全体積の細胞+培地を使用する。レプリコンRNAの密度依存性ドロップを防止するために、ET細胞株を集密に達しないレベル(60〜80%集密度)に維持する。
【0284】
0.5 log10希釈間隔で設定したBiomek 2000ワークステーション(Beckman-Coulter)を用いて、化合物をCostar V底96-ウエルプレートの最初の10ウエルを横切ってDMSOに希釈する。このマスターフラスコ中の薬物のトップ濃度は典型的には2.5mMである。上記化合物の1/5希釈液を、多チャネルピペッターによりDMEM+10%FBSを加えることにより作って、500μMのトップ濃度を得る。5μLの希釈した化合物を黒色Costar平底96ウエル娘プレート中にRapid Plateワークステーション(Zymark)を用いて移す。
【0285】
細胞をほぼ80%集密度に増殖し、上記のようにトリプシン処理する。細胞をLevy血球計数器で計数し、そして10%FBS、1 x ペニシリン/ストレプトマイシン、1 x NEAAを含有する(注意:アッセイ用にはジェネテシンを省く)DMEM中に希釈して20,000細胞/mlとする。
【0286】
245μL細胞懸濁液を、上記の通り調製した娘プレートの最初の11カラムに、マルチドロップ・ディスペンサー(Titertek)を用いて加える。こうして1ウエル当たり5,000細胞を加えて、各化合物の最終的なトップ濃度を10μMとする。各プレートの第12番目のカラムはアッセイのバックグラウンド値を得るために用いる。プレートを37℃、5%CO2にて72時間インキュベートする。
【0287】
ルシフェラーゼ アッセイ
Steady-Glo試薬を、製造業者の取扱説明書に従い、Steady-GloバッファーとSteady-Glo基質バッファーを室温にて混合することによって調製する。培地を、化合物により処理したET細胞を含有する96ウエルプレートから、多チャネルアスレピーターを用いて取出す。100μlのSteady-Glo試薬を、多チャネルピペッターまたはマルチドロップディスペンサーを用いて各ウエルに加える。プレートを室温にて5分間インキュベートして完全な溶解を確かなものにし、そして静かに振とうして混合する。
【0288】
ルシフェラーゼ活性はTopcount(PE Biosystems)を用いて、1ウエル当たり1秒読み取り時間で読み取る。データを分析し、RoboFitソフトウエアを用いてIC50曲線を作成する。
【0289】
本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載のアッセイにより測定すると、有用なHCV活性を示すと思われる。具体的なIC50値を、ある特定の本発明の化合物について記載するが、これらの値は例示であるとみなさねばならない。当業者は本明細書に記載した生物学的活性アッセイを用いて実施しかつ記録するデータの可変性を理解するであろう。次の表1は例示の目的で具体的な値を与える。
【表1】

【0290】
試験化合物は遊離した形態または塩の形態で使用した。
【0291】
すべての研究は、実験動物管理の原則(NIH出版No. 85-23、1985改訂)および動物の使用に関するGlaxoSmithKlineの方針に従った。
【0292】
本発明の特定の実施形態について本明細書に例示し、詳細に説明したが、本発明はそれに限定されない。上記の詳細な説明は本発明の例として提供したものであって、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。変更は当業者には明白であり、本発明の趣旨を逸脱しないすべての変更は、添付した請求の範囲に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
nは0、1、または2であり;
Rは水素またはアルキルであり;
XはNR2、O、またはS(O)mであり;
それぞれのR1は同じであるかまたは異なりかつ独立して水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドからなる群より選択され;
Yは置換されているかあるいは置換されていないアルキレン、置換されているかあるいは置換されていないシクロアルキレン、置換されているかあるいは置換されていないアルケニレン、置換されているかあるいは置換されていないシクロアルケニレン、または置換されているかあるいは置換されていないアルキニレンであり;
dは0または1であり;
Zは、dが0である時はZは-Hetまたは-Ayでないことを条件として、-R2、-OR2、-C(O)R2、-C(O)2R2、-S(O)mR2、-C(O)NR2R3、-Het、または-Ayであり;
それぞれのmは独立して0、1または2であり;
それぞれのR10は同じかまたは異なりかつ独立してアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、およびアルキニレンからなる群より選択され;
pは0、1、2、3、または 4から選択され;
それぞれのR2およびR3は同じかまたは異なりかつ独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR5R6からなる群より選択され;
wは1〜10であり;
それぞれのR5およびR6は同じかまたは異なりかつ独立してアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より選択され;
Ayは置換されているかあるいは置換されていないアリール基を表し;
Hetは置換されているかあるいは置換されていない5-または6-員のヘテロシクリルまたはヘテロアリール基を表す]
で表される化合物の投与を介してフラビウイルス科ウイルスを治療または予防する方法であって、上記化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体の投与を含む上記方法
【請求項2】
上記ウイルスがフラビウイルス属、ペスチウイルス属、またはヘパシウイルス属である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記ウイルスがデング熱、黄熱病、西ナイルウイルス、およびHCVから選択されるヒト疾患に関連する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記方法がHCV感染の治療または予防である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
dは1でありそしてYは置換されているかあるいは置換されていないアルキレンであり、上記アルキレンは場合によりアルキル、ジアルキル、またはアリールにより置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Yはメチル、ジメチル、または置換されているかあるいは置換されていないフェニルにより置換されたメチレンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
dは1でありそしてYは置換されているかあるいは置換されていないシクロアルキレンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
Yはインダンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
Ayが置換されたアリールである時、上記アリールはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルアミン、ニトロ、またはシアノにより置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
pが1である時、R1はハロゲンである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
R1はブロモである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
nは1である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
Xは-NHである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
Zは-Ayである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
-Ayはフェニルまたは置換されているかあるいは置換されていないフェニルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
pは1であり、R1はハロゲンでありそして示されたN原子に対してパラに置換され、n=1であり、XはNHであり、(Y)dは置換されたアルキレンであり、そしてZはアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
R1はブロモまたはクロロでありそして示されたN原子に対してパラに置換され、上記アルキレンはアルキルにより置換されていて、そして上記アリールはフェニルまたは置換されているかあるいは置換されていないフェニルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記アルキルはメチルである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
pは1であり、R1はハロゲンであり、nは1であり、XはNHであり、(Y)dはシクロアルキレンであり、そしてZはR2である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
R1はブロモまたはクロロでありそして示されたN原子に対してパラに置換され、(Y)dはインダンであり、そしてR2は水素である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
式(I):
【化2】

[式中、
nは0、1、または2であり;
Rは水素またはアルキルであり;
XはNR2、O、またはS(O)mであり;
それぞれのR1は同じであるかまたは異なりかつ独立して水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドからなる群より選択され;
Yは置換されているかあるいは置換されていないアルキレン、置換されているかあるいは置換されていないシクロアルキレン、置換されているかあるいは置換されていないアルケニレン、置換されているかあるいは置換されていないシクロアルケニレン、または置換されているかあるいは置換されていないアルキニレンであり;
dは0または1であり;
Zは、dが0である時はZは-Hetまたは-Ayでないことを条件として、-R2、-OR2、-C(O)R2、-C(O)2R2、-S(O)mR2、-C(O)NR2R3、-Het、または-Ayであり;
それぞれのmは独立して0、1または2であり;
それぞれのR10は同じかまたは異なりかつ独立してアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、およびアルキニレンからなる群より選択され;
pは0、1、2、3、または 4から選択され;
それぞれのR2およびR3は同じかまたは異なりかつ独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR5R6からなる群より選択され;
wは1〜10であり;
それぞれのR5およびR6は同じかまたは異なりかつ独立してアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より選択され;
Ayは置換されているかあるいは置換されていないアリール基を表し;
Hetは置換されているかあるいは置換されていない5-または6-員のヘテロシクリルまたはヘテロアリール基を表す]
で表される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体の、フラビウイルス科に属するウイルスの治療または予防に用いる医薬品の製造における使用。
【請求項22】
上記ウイルスがフラビウイルス、ペスチウイルス、またはヘパシウイルスである、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
上記疾患または状態がデング熱、黄熱病、西ナイルウイルス、またはHCVである、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
状態または障害がHCVである、請求項23に記載の使用。

【公表番号】特表2008−520674(P2008−520674A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543149(P2007−543149)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/041090
【国際公開番号】WO2006/121466
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】