説明

HIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態の改善方法

本発明は、HIVインテグラーゼ阻害剤と共に食物および/またはリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を投与することにより、HIVインテグラーゼを阻害する化合物の薬物動態を改善する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の優先権
本出願は、米国仮特許出願第60/755,039号(2005年12月30日出願);第60/756,631号(2006年1月6日出願);および60/763,901号(2006年2月1日出願)の優先権を請求する。
【0002】
発明の背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)として知られているレトロウイルスによる感染は、深刻な人々の健康の問題として継続している。HIV感染症を治療する方法は、ウイルスのライフサイクルに必須であるウイルス酵素の活性を阻害する医薬の投与を含む。
【0003】
リトナビル((2S,3S,5S)−5−(N−(N−((N−メチル−N−((2−イソプロピル−4−チアゾリル)メチル)アミノ)−カルボニル)−L−バリニル)アミノ)−2−(N−((5−チアゾリル)メトキシカルボニル)アミノ)−1,6−ジフェニル−3−ヒドキロキシヘキサン)は、HIVプロテアーゼ阻害剤であって、国際特許出願公開番号WO1994/14436号および米国特許第5,567,823号に開示されている手段によって合成され得る。プロテアーゼ阻害剤として、リトナビルはヒトのHIV感染を阻害するのに有効であり得る。リトナビルはまた、多くの薬物の代謝経路に関与する代謝酵素シトクロムP450モノオキシゲナーゼ、特に、3A4アイソフォーム(CYP 3A4)の阻害剤として示されている。米国特許第5,541,206号、第5,635,523号、第5,648,497号、第5,674,882号、第5,846,987号および第5,886,036号を参照されたい。
【0004】
プロテアーゼ阻害剤はシトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝され、不利な薬物動態および所望よりもより頻繁でより高い用量の必要性をもたらす。そのような薬物を、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによる代謝を阻害する医薬と共に投与すると、薬物の薬物動態を改善する(例、半減期、ピーク血漿濃度までの時間、および血中濃度を増加させる)ことができる。
【0005】
リトナビルは、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される特定のHIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善するのに使用され得る。米国特許第6,037,157号および第6,703,403号を参照されたい。リトナビルとシトクロムP450モノオキシゲナーゼ、特にP450 3A4アイソフォーム(アイソザイム)によって代謝される薬物との併用は、そのような薬物の薬物動態の改善を引き起こすかもしれない。より詳細には、リトナビルとシトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される他のHIVプロテアーゼ阻害剤との併用は、HIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態の改善という結果になり得る。このタイプの併用療法において、リトナビルは、治療量以下の投薬量、すなわち、ウイルスの複製を有意に抑制するために使用されるよりも少ないが、シトクロムP450モノオキシゲナーゼを阻害して別のHIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態を高めるためには十分に高い投薬量で使用され得る。
【0006】
化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸を含む一連の4−オキソキノリンは、抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)剤として認識されている。2003年11月20日に出願された米国特許出願シリアル番号10/492,833号(米国特許出願公開番号2005/0239819号として公開されている)を参照されたい。特に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸は、HIVのインテグラーゼタンパク質に対する阻害活性を有すると記載されている。同文献。HIVは、レトロウイルスファミリーに属し、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因物質である。従って、体内のHIVのウイルス量、ウイルスゲノムまたは複製を減少させる医薬品は、AIDSの治療または予防に有効であり得る。
【0007】
現在、患者におけるインテグラーゼ阻害剤(例えば、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸)の生物学的利用能または吸収を増加させてそれらの治療効果を増大させるのに有用な医薬および方法が必要とされている。特に、そのようなインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善し、その結果、許容できる治療効果が毎日1回の投与で達成できる医薬および方法が必要とされている。一般的に、HIV感染症の治療に有用な薬物(例、インテグラーゼ阻害剤)の薬物動態の改善もまた必要である。
【発明の開示】
【0008】
発明の要旨
本発明は、4−オキソキノリン化合物の薬物動態の改善方法に関する。本発明はさらに、レトロウイルスインテグラーゼの阻害方法、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)インテグラーゼの阻害方法、およびレトロウイルス感染、特にHIV感染の阻害方法に関する。
【0009】
一つの態様において、本発明は、患者におけるインテグラーゼ阻害剤(例えば、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(化合物1))の生物学的利用能または吸収を増加させてそれらの治療効果を増大させるのに有用な医薬および方法を提供する。
【0010】
【化1】

【0011】
一つの態様において、本発明は、化合物1のようなインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に該インテグラーゼ阻害剤を患者に投与することによって改善する方法を提供する。
【0012】
一つの態様において、本発明は、HIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善する方法を提供し、当該方法は、該阻害剤を必要とする患者に、有効ブースト量のリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を投与することを含み、その結果、該阻害剤は、リトナビルを追加しないよりもより効果のある薬物動態プロファイルを有する。
【0013】
他の態様において、本発明は、式(I)による4−オキソキノリン化合物の薬物動態を改善する方法を提供し:
【0014】
【化2】

【0015】
ここで、
環Cyは、C3−10炭素環基または複素環基であり、各基はA群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
該複素環基は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和または不飽和の環であり;
A群は、シアノ、フェニル、ニトロ、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルキルオキシ、−ORa1、−SRa1、−NRa1a2、−CONRa1a2、−SONRa1a2、−CORa3、−NRa1CORa3、−SOa3、−NRa1SOa3、−COORa1または−NRa2COORa3であり;
a1およびRa2は、同一または異なって、それぞれ水素、C1−4アルキルまたはベンジルであり;
a3はC1−4アルキルであり;
は、B群から選択されるか、または、ハロゲンあるいはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキルであり;
B群は:
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基、
−ORa4
−SRa4
−NRa4a5
−CONRa4a5
−SONRa4a5
−CORa6
−NRa4CORa6
−SOa6
−NRa4SOa6
−COORa4または
−NRa5COORa6であり;
a4およびRa5は、同一または異なってそれぞれ:
水素、
1−4アルキル、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基または、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基であり;
a6は、
1−4アルキル、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基または、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基であり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
31は、水素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルファニル、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルキルオキシ基であり;
Xは、C−R32またはNであり;
Yは、C−R33またはNであり;
32およびR33は、同一または異なってそれぞれ:
水素、
シアノ、
ニトロ、
ハロゲン、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基、ハロゲンまたはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキル、
−ORa7
−SRa7
−NRa7a8
−NRa7CORa9
−COORa10または
−N=CH−NRa10a11であり;
a7およびRa8は、同一または異なって、それぞれ水素、B群またはハロゲンあるいはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよいC1−10アルキルから選ばれ;
a9は、C1−4アルキルであり;および
a10およびRa11は、同一または異なって、それぞれ水素またはC1−4アルキルであり、
当該方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩およびリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0016】
一つの態様において、本発明は、式(I)の化合物の薬物動態を改善する方法を提供し、当該方法は、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を必要とする患者に、有効量のリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む。
【0017】
一つの態様において、本発明は、式(I)の化合物の血漿濃度を、該化合物またはその薬学的に許容できる塩で処置されるべき患者において増加させる方法を提供し、当該方法は、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を必要とする患者に、有効量のリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む。
【0018】
一つの態様において、本発明は、HIVインテグラーゼを阻害する処置を必要とする患者においてHIVインテグラーゼを阻害する方法を提供し、当該方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩および有効量のリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む。
【0019】
一つの態様において、本発明は、患者における化合物1の生物学的利用能を増加させる方法を提供する。当該方法は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む。該化合物の生物学的利用能の増加は、食物なしで該化合物を投与した場合と比較して、最大血漿濃度の増加または血漿濃度時間曲線下面積(AUC)の増加により観察され得る。
【0020】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む、患者における化合物1の吸収を増加させる方法を提供する。化合物の吸収は、化合物の投与後の血流中で到達される濃度により測定され得る。吸収の増加は、食物なしで化合物を投与した場合と比較して、最大血漿濃度の増加または血漿濃度時間曲線下面積(AUC)の増加により観察され得る。
【0021】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む、患者におけるレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害する方法を提供する。
【0022】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防の方法を提供する。
【0023】
一つの態様において、本発明は、(1)化合物1またはその薬学的に許容できる塩および薬学的に許容できる担体を含有する医薬組成物;(2)処方情報;および(3)容器を含むキットを提供する。処方情報は、化合物1を食物と共に投与することに関する患者への助言注意または指示を含む。
【0024】
他の態様において、本発明は、化合物1のようなインテグラーゼ阻害剤、処方情報(該処方情報は、化合物を投与してその生物学的利用能を改善することに関する情報を含む)および容器を含むキットを提供する。
【0025】
一つの態様において、本発明は、化合物1のようなインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩および食物と共に該インテグラーゼ阻害剤を患者に投与することによって改善する方法を提供する。
【0026】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1をリトナビルおよび食物と共に患者に投与することを含む、患者における化合物1の生物学的利用能を増加させる方法を提供する。
【0027】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1をリトナビルおよび食物と共に患者に投与することを含む、患者における化合物1の吸収を増加させる方法を提供する。
【0028】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1をリトナビルおよび食物と共に患者に投与することを含む、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害する方法を提供する。
【0029】
一つの態様において、本発明は、治療有効量の化合物1をリトナビルおよび食物と共に患者に投与することを含む、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防の方法を提供する。
【0030】
一つの態様において、本発明は、患者におけるHIVインテグラーゼ阻害剤(例、式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩の薬物動態を改善するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0031】
一つの態様において、本発明は、患者においてHIVインテグラーゼを阻害するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩および式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0032】
一つの態様において、本発明は、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための医薬の製造のための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供し、食物と共に投与されるべき治療有効量の該化合物またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む。
【0033】
一つの態様において、本発明は、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための医薬の製造のための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供し、食物と共に投与されるべき治療有効量の該化合物またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む。
【0034】
一つの態様において、本発明は、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供し、食物と共に投与されるべき治療有効量の該化合物またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む。
【0035】
一つの態様において、本発明は、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供し、食物と共に投与されるべき治療有効量の該化合物またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む。
【0036】
一つの態様において、本発明は、(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩および薬学的に許容できる担体を含有する医薬組成物;(2)処方情報;および(3)容器を含むキットを提供し;前記処方情報は、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を食物と共に投与することに関する助言を含む。一つの態様において、当該キットは、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を必要に応じてさらに含むことができる。
【0037】
一つの態様において、本発明は、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0038】
一つの態様において、本発明は、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0039】
一つの態様において、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0040】
一つの態様において、本発明は、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0041】
一つの態様において、本発明は、患者におけるHIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善するための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0042】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0043】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0044】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0045】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0046】
一つの態様において、本発明は、患者におけるHIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善するための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤を提供する。
【0047】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤組成物を提供する。
【0048】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤を提供する。
【0049】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤を提供する。
【0050】
一つの態様において、本発明は、食物と共に投与されるべき、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤を提供する。
【0051】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置中にインテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩の強化された生物学的利用能を達成するための、食物と共に経口投与するための医薬の製造のための、インテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0052】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置中にインテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩の増加した吸収を達成するための、食物と共に経口投与するための医薬の製造のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0053】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与するための医薬の製造のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0054】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩と共に投与するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0055】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置のための医薬の製造のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩およびリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0056】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩と共に投与するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0057】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与するためおよび食物と共に投与するための医薬の製造のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0058】
一つの態様において、本発明は、インテグラーゼ応答性状(例、HIV感染症のようなレトロウイルス感染症、または、AIDS)の処置のための、インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1のような式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩と共に投与するためおよび食物と共に投与するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0059】
本発明のこれらおよび他の利点、ならびに追加の本発明の特徴は、本明細書に提供した発明の詳細から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
発明の詳細な説明
リトナビル効果
式(I)の化合物はHIVインテグラーゼ阻害剤である。式(I)の化合物の特異的な群は、式(II)の化合物である:
【0061】
【化3】

【0062】
ここで、
およびRは、同一または異なって、それぞれ群Aから選ばれ;
は、水素またはA群から選ばれ;
またはRおよびRは、一緒になって、それらが結合しているベンゼン環に縮合する環を形成し;
mは0〜3であり;および
、R31、R32およびR33は、それぞれ式(I)中と同一に定義され;
但し、mが2または3のとき、各mのRは同一または異なってもよい。
【0063】
式(I)の好ましい化合物は化合物1である:
【0064】
【化4】

【0065】
式(I)の化合物は、米国特許出願公開番号US2005/0239819号(これは、その全体が本明細書中に援用される)に記載されている。化合物1は、本文献の第76頁、実施例4〜32に見出され得る。式(I)および式(II)の本化合物および他の化合物の調製方法および使用方法もまた、本文献中に記載されている。
【0066】
本発明の1つの態様によると、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を薬物と共に投与することにより、該薬物(またはその薬学的に許容できる塩)の薬物動態を改善する方法が開示されている。薬物は、好ましくはHIVインテグラーゼ阻害剤である。さらに、薬物は、好ましくはシトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝される。投与するとき、2つの剤は、同時または異なる時間(例、同時に、連続的にまたは逐次的に)に投与される別個の組成物として処方され得るか、またはそれらは単一の組成物として処方および投与され得る。
【0067】
シトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝され、リトナビルと共の投与の利益を享受する特定のHIVプロテアーゼ阻害剤は、米国特許第6,037,157号および第6,703,403号(これらは、それらの全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されている。これらの特許は、リトナビルと共に使用され得る処方計画および投与計画を記載している。
【0068】
HIVインテグラーゼ阻害剤についての処方計画および投与計画は、米国特許出願公開番号US2004/0167124号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。前記計画は、ここに記載されている本願発明に適用され得る。併用療法の場合には、例えば、約20mg〜約500mgの化合物1のような式(I)または(II)の化合物が、一日あたり約10mg〜約1200mgのリトナビルと共に投与され得る。本発明の1つの特定の態様において、約20mg〜約500mgの化合物1のような式(I)または(II)の化合物が、一日あたり約10mg〜約600mgのリトナビルと共に投与され得る。本発明の態様において、化合物1の適切な用量は、約20mg、50mg、75mg、85mg、100mg、125mg、150mg、175mgまたは200mgであり、より特定すると約85mg、約125mgまたは約150mgである。本発明の態様において、リトナビルの適切な用量は、約20mg〜約200mgの間であり、特に約50mg〜約125mgの間であり、より特定すると約100mgである。しかしながら、各剤のより高い投薬量およびより低い投薬量が有効であり得る。
【0069】
毎日の投与の1つの態様において、化合物1およびリトナビルの好ましい量は、IC95(例えば、たんぱく質結合で調整したインビトロIC95 100nM)を超えて24時間保持する化合物1の血液濃度を達成できる投薬量である。
【0070】
毎日の投与の1つの態様において、化合物1およびリトナビルの好ましい量は、EC90(例えば、Emaxモデルにおいておよそ170ng/ml)を超えて24時間保持する化合物1の血液濃度を達成できる投薬量である。
【0071】
1つの態様において、化合物1の好ましい量は、患者に与えた場合、抗HIV活性としてHIV RNAの平均減少が1.5log10コピー/ml、好ましくは2.0log10より大きいことを達成できる投薬量である。
【0072】
特定の態様では、本発明は、そのような処置を必要とする患者において、HIVインテグラーゼ阻害剤(またはその薬学的に許容できる塩)、特に、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ、より特定するとCYP 3A4アイソフォームにより代謝されるHIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を該インテグラーゼ阻害剤と共に投与または同時投与することにより改善する方法を提供する。リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩およびHIVインテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩(これは、シトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝される)のこのような組み合わせは、患者においてHIVインテグラーゼを阻害するのに有用であり、また、患者におけるHIV感染またはAIDS(後天性免疫不全症候群)の阻害、処置または予防に有用である。
【0073】
患者は、あらゆる生物、特に哺乳類(例、人間)を含む。
【0074】
本発明の1つの側面は、HIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態をブーストするのに有効な量のリトナビルの使用を提供する。リトナビルの有効量、すなわち、HIVインテグラーゼ阻害剤をブーストするのに必要とされる量は、単独で使用した場合のそのプロファイルと比較したとき、HIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態プロファイルを改善するのに必要な量である。阻害剤は、リトナビルの追加がないときよりも、より良い効果的な薬物動態プロファイルを有する。インテグラーゼ阻害剤をブーストするために使用されるリトナビルの量は、治療量以下(例、患者におけるHIV感染を治療的に処置するために通常使用されるリトナビルの量を下回る投薬量)である。リトナビルのブースト用量は、HIV感染症を治療するための治療量以下であるが、式(I)および(II)の化合物の代謝の調節をもたらすのに十分に高く、その結果、患者におけるそれらの曝露は、増加した生物学的利用能、増加した血中濃度、増加した半減期、増加したピーク血漿濃度までの時間、増加した/より速いHIVインテグラーゼの阻害および/または減少した系統的なクリアランスによってブーストされる。
【0075】
化合物1は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ、特に、CYP 3Aアイソフォームにより代謝されるHIVインテグラーゼ阻害剤である。リトナビルは式(I)の化合物ならびに他のHIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態をブーストするのに使用することができることが、現在見出されている。リトナビルは、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ(例えば、CYP 3Aアイソフォーム)により代謝されるインテグラーゼ阻害剤の効果をブーストするのに特に有用である。そのようなブーストの程度は、予想外に多大であった。リトナビルは、これらの化合物の初回通過効果を制限することができる。リトナビルはまた、これらの化合物の第2回通過(全身または肝代謝/クリアランス)効果も制限し得る。
【0076】
本発明の方法によると、インテグラーゼ阻害剤(または式(I)の化合物)またはその薬学的に許容できる塩はまた、ウイルス感染症を治療するのに有用な1またはそれ以上の他の剤、例えば、スタブジン(stavudine)、エムトリシタビン(emtricitabine)、テノホビル(tenofovir)、エムトリシタビン(emtricitabine)、アバカビル(abacavir)、ラミブジン(lamivudine)、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、ホスファジド(phosphazide)、エファビレンツ(efavirenz)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、チプラナビル(tipranavir)、サキナビル(saquinavir)、インジナビル(indinavir)、アタザナビル(atazanavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、サムプレナビル(samprenavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、リトナビル(ritonavir)、エンフュヴィルタイド(enfuvirtide)、フォジブジン チドキシル(Fozivudine tidoxil)、アロブジン(Alovudine)、デクセルブシタビン(Dexelvucitabine)、アプリシタビン(Apricitabine)、アムドキソビル(Amdoxovir)、エルブシタビン(Elvucitabine)(ACH126443)、ラシビル(Racivir)(ラセミFTC、PS1−5004)、MIV−210、KP−1461、フォスアルブジン チドキシル(fosalvudine tidoxil)(HDP99.0003)、AVX756、ジオキソラン チミン(Dioxolane Thymine)(DOT)、TMC−254072、INK−20、4’−Ed4T、TMC−125(エトラビリン(etravirine))、カプラビリン(Capravirine)、TMC−278(リルピビリン(rilpivirine))、GW−695634、カラノライドA(Calanolide A)、BILR355BSおよびVRX840773、またはそれらの薬学的に許容できる塩と共に投与され得る。上記リストはいくつかの化合物について商標を含むが、商標への言及は、出所にかかわらず、内在的な活性な化学物質をも含むと理解されるべきである。本発明のキットはまた、必要に応じて、上記リストから選ばれる1またはそれ以上の他の剤をさらに含み得る。
【0077】
本発明の1つの態様において、本発明の方法は、テノホビルDF(TDF)、エムトリシタビン(FTC)、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、スタブジン(d4T)、アバカビル(ABC)、アタザナビル(ATV)、ロピナビル(LPV)、サキナビル(SQV)、チプラナビル(TPV)、ホスアンプレナビル(FosAPV)およびエファビレンツ(EFV)から選ばれる1またはそれ以上の他の剤の投与をさらに含む。本発明のキットはまた、必要に応じて、上記リストから選ばれる1またはそれ以上の他の剤をさらに含み得る。
【0078】
本発明はまた、(i)インテグラーゼ阻害剤(例、化合物1)またはその薬学的に許容できる塩、(ii)リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩、(iii)処方情報、および(iii)1またはそれ以上の容器を含むキットを提供する。処方情報は、本発明のおよび/またはそうでなければ本明細書で議論した方法に従う処方情報を提供し得る。本発明の態様において、処方情報は、インテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善するために、インテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩をリトナビルと共に投与することを含む。
【0079】
代表的なインテグラーゼ阻害剤の生物学的利用能に対するリトナビルの効果を、以下の限定されない実施例により例示する。
【0080】
<実施例1.化合物1の薬物動態に対するリトナビルブーストの効果>
化合物1の定常状態での薬物動態に対する100mgのリトナビル(RTV)の同時投与の効果を測定した。化合物1の単回投与および複数回投与の薬物動態もまた測定した。単独投与したおよびRTVと共に投与した化合物1の複数回投与の安全性もまた測定した。
【0081】
<方法>
調査は、非盲検の、固定シーケンスの、クロスオーバーの、薬物動態研究を12人の被験者で行った。被験者は、包括的に、年齢18〜45歳の間の健康な男性および妊娠していない授乳していない女性である。
【0082】
調査の期間は20日であり、1〜10日目までの期間1および11〜20日目までの期間2である。追跡の連絡を27日目にとった。
【0083】
化合物1(100mg)およびRTV(100mg)を毎日2回食後にすぐ経口投与した。化合物1(100mg)を毎日2回食後にすぐ経口投与した。
【0084】
<評価基準>
薬物動態:以下のパラメーターを血漿中の化合物1(および可能な場合は代謝物)について計算した:Cmax、Tmax、Clast、Tlast、Ctau、λ、AUC0−last、AUCinf、%AUCexp、AUCtau、T1/2、V/FおよびCL/F。
【0085】
安全性:安全性は、調査期間の基準時間および種々の時点での臨床実験室試験の評価;生体信号を含む定期的な検診;および調査を通しての有害事象の文書調査により評価した。
【0086】
<統計的方法>
薬物動態:化合物1およびRTVの薬物動態を、記述的統計を用いて要約した。加えて、クロスオーバー設計に適切な混合効果モデルを使用するパラメーター(正規理論)分散分析(ANOVA)を、化合物1の薬物動態パラメーター(AUCおよびCmax)の自然対数変換に適合させた。化合物1の複数回投与〜単回投与の薬物動態、およびRTVを用いるおよび用いない場合の化合物1の複数回投与の薬物動態の比較を、各処置ペアについての幾何平均の比について90%の信頼区間を用いて実行した。
【0087】
安全性:非統計的推論を、この薬物動態調査における安全性データについて実行した。
【0088】
<結果>
薬物動態の結果:RTVの非存在下、または単回投与(100mg、11日目)または複数回投与(100mgを毎日2回、20日目)として経口投与されたRTVの存在下、化合物1の単回経口投与(100mg、1日目)および化合物1の複数回経口投与(100mgを毎日2回、10日目)後の化合物1およびRTVの平均(%CV)血漿薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。
【0089】
【表1】

【0090】
a 化合物1について、AUCは1日目のAUCinfおよび10日目、11日目および20日目のAUCtauを示す。
b Ctauは、1日目、10日目、11日目および20日目について、投与の間隔の最後の濃度を示す。
c 中央値(最小、最大)
d リトナビルについて、AUCは11日目のAUCinfおよび20日目のAUCtauを示す。
【0091】
化合物1単独の投与の間、化合物1(10日目)に対する平均定常状態全身曝露(AUCtau)は、単回投与(1日目)後の平均曝露(AUCinf)と比べて約20%低かった。このことは、化合物1の代謝の自己誘導機構を示している。予想よりも大きい定常状態の暴露および比較的長い中央値排出半減期(9.5時間対3.5時間、定常状態で)の両方により証明されるように、RTVとの同時投与は化合物1の代謝の正味の阻害を生じた。RTVの同時投与後の化合物1の曝露の増加は、観察されたT1/2の変化により示されるように、減少した初回通過代謝による改善された経口生物学的利用能と、減少した全身クリアランスの成分との組み合わせによるものと思われる。
【0092】
全体として、これらのデータは、化合物1の薬物動態ブースターとしてRTV(例、低用量のRTV)を使用して、例えば、より高いトラフ濃度およびより低頻度の投与間隔の達成を可能とすることを支持する。
【0093】
安全性の結果:処置中に発生した有害事象(AEs)は、化合物1単独の投与の間の12人中4人の被験者(33%、5事象)について、および化合物1+RTVの投与の間の12人中7人の被験者(58%、44事象)について、報告された。化合物1単独の投与の間に、単一のAEは1人を超える被験者において報告されなかった。化合物1+RTVの投与の間、最も頻繁に報告された処置中に発生したAEは吐き気であり、4人の被験者(33%)が経験した。最も多い処置中に発生したAEは、重篤度が軽度(グレード1)であり、治療なしで解決された。
【0094】
調査員により調査薬物と関係があると考えられた処置中に発生したAEsは、化合物1単独の投与後の12人中2人の被験者(17%、2事象)および化合物1+RTVの投与後の12人中5人の被験者(42%、21事象)において報告された。化合物1単独の投与後に、処置中に発生したAEは1人を超える被験者において報告されなかった。化合物1+RTVの投与後に1人を超える被験者において報告された処置中に発生したAEは、吐き気(3人の被験者)、嘔吐(2人の被験者)、頭痛(2人の被験者)および掻痒(2人の被験者)であった。
【0095】
深刻な有害事象は起きず、有害事象のために中止した被験者はおらず、本調査の間に妊娠は起きなかった。臨床実験室の異常のために調査薬物を中止した被験者はおらず、また、臨床実験室の異常はAEとして報告されなかった。
【0096】
結論
RTVとの同時投与は、化合物1の代謝の正味の阻害、および有意に増加した全身曝露、特にトラフ濃度を生じた。データは、化合物1の薬物動態ブースターとしての低用量RTVの使用を支持する。
【0097】
20日までの化合物1(100mg、毎日2回)の経口投与は、調査の被験者においてよく許容された。化合物1単独の投与後、全ての有害事象は軽度でかつ過渡的なものであった。10日までの化合物1(100mg、毎日2回)およびRTV(100mg、毎日2回)の同時経口投与は、調査の被験者において概してよく許容された。化合物1+RTVの投与後、報告された最も多い有害事象は軽度でかつ過渡的なものであり、RTVについて報告されたものとほとんど一致した。
【0098】
実施例2.HIV−1に感染した被験者における経口投与後の化合物1の安全性、薬物動態および抗ウイルス活性
最近、抗レトロウイルス治療を受けていない慢性的にHIV−1に感染した被験者において10日間連続の用量(集団1、2および4について毎日2回;集団3および5について毎日1回)として経口投与された化合物1の安全性、耐性および抗ウイルス活性を調査した。化合物1の薬物動態および薬物力学もまた調査した。
【0099】
方法
調査は、抗レトロウイルスを受けたことがない、または抗レトロウイルスを経験したHIV感染成人(最近、抗レトロウイルス治療を受けていない)における、化合物1治療の、二重盲検の、無作為の、プラセボ対照の、逐次集団の、投与量決定の、フェーズ1/2調査である。スクリーニング時、被験者は、
【数1】

の血漿HIV−1 RNA負荷および
【数2】

のCD4+細胞数を有していた。
【0100】
8人の特徴的な被験者(6人の活性な被験者および2人のプラセボの被験者)の5つの連続する集団を、1日目に開始して連続10日間、食事をした状態で調査薬物またはプラセボで処置した。安全性、耐性、薬物動態および効能を、投与後21日目の間モニターした。5つの集団における活性な処置は、以下のとおりであった:集団1、400mgの化合物1を毎日2回;集団2、800mgの化合物1を毎日2回;集団3、800mgの化合物1を毎日1回;集団4、200mgの化合物1を毎日2回;集団5、50mgの化合物1+100mgのRTV(RTV)をそれぞれ毎日1回。集団5のプラセボ群は、100mgのRTVも受けた。
【0101】
1集団当たり、8人の被験者、2人のプラセボおよび6人の活性(無作為化:48、投与した40)を入れた。1集団当たり8人の被験者(2人のプラセボ、6人の活性)、合計40人の被験者について、安全性を評価した。1日目に28人の被験者、10日目に30人の被験者について、薬物動態を評価した。30人の被験者について薬物動態を評価し、40人の被験者についてHIV−1 RNAを評価した。1集団当たり8人の被験者(2人のプラセボ、6人の活性)、合計40人の被験者について、効能を評価した。
【0102】
包括的に、被験者は18〜60歳の男性および女性であり、慢性的にHIV−1に感染し、抗レトロウイルス治療を最近受けておらず、
【数3】

のスクリーニング血漿HIV−1 RNAおよび
【数4】

のスクリーニングCD4+細胞数を有していた。被験者は、抗レトロウイルス治療を経験しているかまたは受けていなくてもよかったが、基準日(ベースライン)(0日目)の90日以内に抗ウイルス薬を受けていなかった。
【0103】
調査期間は、10日間の処置および11日間の追跡調査を有する21日であった。50mgまたは200mgの化合物1の錠剤を、食事をした状態下で経口投与した。適合するプラセボを、食事をした状態下で経口投与した。集団5のみについて、食事をした状態下で100mgのRTVカプセルを同時経口投与した。
【0104】
評価基準
効能:第一の効能終点は、基準日から11日目までの最大HIV−1 RNA減少(log10コピー/ml)であった。個々の被験者の最大減少は、2日目と11日目との間の、基準日からの変化のうちで最大の降下であった。
【0105】
薬物動態:化合物1について、以下の血漿薬物動態パラメーターを計算した:Cmax、Tmax、Clast、Tlast、Ctau、λ、T1/2、AUC0−last、AUCinf、%AUCexp、AUCtau、V/FおよびCL/F。末梢単核球(PBMC)中の化合物1の濃度を測定し、PBMCs中の化合物1の薬物動態を調査した。
【0106】
安全性:有害事象、生体信号、心電図、眼科検診および臨床検査室試験を安全性について評価した。
【0107】
統計的方法
効能:一対比較をウイルコクソンの順位和正確検定を用いて行い、プラセボグループ(集団1〜4からのそれぞれ2人の被験者を合わせた)と化合物1の5つの用量レベルのそれぞれ(それぞれの用量レベルで6人の被験者)および化合物1の5つの用量レベルのうちの各ペア間を比較した。プラセボ+100mgのRTVを受けた2人の被験者を、別個のグループとして処置した。検出限界(50コピー/mL)よりも下のHIV−1 RNA値を、49コピー/mLとして入力した。
【0108】
薬物動態:血漿および末梢単核球中の化合物1の薬物動態パラメーターを、記述統計学を用いて要約した。さらに、化合物1の用量レベルのそれぞれについて、薬物動態パラメーター(AUCおよびCmax)に対して分散分析を実行し、用量比例性および定常状態の薬物動態を調査した。2日目、4日目、7日目、10日目および11日目に測定した化合物1のトラフレベルは、必要に応じてこれらの分析に含まれた。
【0109】
安全性:有害事象を伴う被験者の割合を、処置中に発生した有害事象、処置に関連した有害事象、深刻な有害事象、および調査薬物中止につながる有害事象について、処置、臓器系クラスおよび基本語により要約した。有害事象を、国際医薬用語集(MedDRA、登録商標)バージョン8.1を用いてコード化した。有害事象のさらなる要約を、最上級、調査薬物との関係の調査者の評価、および調査薬物中止に対する効果によって表示した。実験室の結果は、オリジナルの測定尺度、および毒性等級の点から示した。定量的な実験室試験における基準日からの変化を訪問により要約した。
【0110】
結果
効能、薬物動態および薬物力学の結果 単独投与(200mgを毎日2回、400mgを毎日2回、800mgを毎日2回または800mgを毎日1回)または50mgを毎日1回、100mgのRTVと同時投与した場合の、化合物1の定常状態の薬物動態パラメーター(平均値[%CV])および抗ウイルス活性を以下の表に示す:
【0111】
【表2】

【0112】
a HIV−1 RNAの最大減少を、2日目と11日目との間の、基準日からの最大減少(log10コピー/mL)として定義した。定量の限界(50コピー/mL)を下回るHIV−1 RNAの値を、49コピー/mLとして入力した。化合物1の5つの用量レベルおよびプラセボ+RTVのグループを、プラセボグループに対して比較した。
b 2面ウイルコクソンの順位和正確検定からの連続データについての一対p−値に基づいた、化合物1の用量レベルのそれぞれ対プラセボについてのp=0.0007。
c 2面ウイルコクソンの順位和正確検定により計算された連続データについての一対p−値に基づいた、800mgの化合物1、毎日1回のグループ対800mgの化合物1、毎日2回の用量レベル対400mgの化合物1、毎日2回についてのp=0.0152。
d 50mgの化合物1+RTVの用量レベル、毎日1回対プラセボ+RTV、p=0.0714;対200mg、毎日2回、p=0.1797;対400mg、毎日2回、p=0.9372;対800mg、毎日1回、p=0.0022;対800mg、毎日2回、p=0.8182。
e 割合はすべての無作為化され処置された被験者に基づく。
f 10日目(毎日2回投与)または11日目(毎日1回投与)に集められた投与間隔(tau)の終わりに相当する12および24時間の薬物動態のサンプルは、それぞれ12時間または24時間の仮時間が割り当てられた。
【0113】
化合物1の単剤療法は、プラセボ(p<0.0007)と比較して、すべての用量レベルで著しくHIV−1 RNAレベルを減少させた。10日連続の投与の間、400mgを毎日2回、800mgを毎日2回または100mgのRTVを同時投与した50mgを毎日2回の化合物1の用量は、基準日からそれぞれ−1.94±0.52、−1.91±0.60および−1.99±0.38log10コピー/mL(平均値±SD)のHIV−1 RNAの最大減少を生じた。化合物1を用いた10日の単剤療法の後、インビトロでの選抜実験において観察された化合物1の耐性変異、または他の実験的なインテグラーゼ阻害剤を用いた選抜下で発現した変異に相当したHIV−1インテグラーゼ変異を、被験者は発現しなかった。
【0114】
化合物1は、用量の上昇(200mg、400mgおよび800mg、毎日2回)に伴う薬物動態の用量に比例した増加を示さず、代謝の用量依存的な自己誘導機構を示した。化合物1の50mg用量+100mgのRTVの毎日1回の同時投与は、CYP3A媒介代謝の正味の阻害および高い全身曝露、特にトラフ濃度を生じた。PBMCsにおける薬物動態の研究結果は、血漿薬物動態データと一致した。化合物1の曝露−応答の関係は、基準日から14.4ng/mLのEC50および2.32log10コピー/mLのEmaxの減少を伴う単純Emaxモデルとよく適合する化合物1のCtau値と同一であると見なされた。観察された平均Ctauを、タンパク質結合で調整した7.17ng/mLのインビトロIC50で割って計算された化合物1の概算の阻害指数は、400mgを毎日2回、800mgを毎日2回および50mg+RTVを毎日1回の用量レベルにおいて、それぞれ5.9、6.7および18.8であった。これらの用量での化合物1のトラフ濃度もまた、全体の投与間隔について、タンパク質結合で調整した44.9ng/mL(100nM)のインビトロIC95を超えた。
【0115】
安全性の結果 処置中に発生した有害事象をほとんどの被験者が経験したが、頭痛および下痢は、グループ内の2人より多い被験者によって報告された唯一の有害事象であった。化合物1を受けた被験者における処置中に発生した有害事象の発生は、プラセボのグループにおける発生と同様またはそれよりも低く、有害事象の種類は同様であった。調査員により調査薬物に関係すると見なされた有害事象は、グループ内の2人より多い被験者が経験しておらず、基本語による3つの処置に関係した有害事象のみが、グループ内の2人の被験者において起きた;下痢(プラセボ)、吐き気(プラセボおよび200mgの化合物1を毎日2回)および疲労(200mgの化合物1を毎日2回)。
【0116】
調査薬物を受けた40人のすべての被験者は調査を完了した。投与の中断、中止または重大な有害事象はなかった。5人の被験者、プラセボグループ中の2人の被験者、およびプラセボ+RTVを毎日1回のグループ、400mgの化合物1を毎日2回のグループおよび50mgの化合物1+RTVを毎日1回のグループ中のそれぞれ1人の被験者は、処置中に発生した等級3または4の検査所見の異常を有した。プラセボグループにおける等級3の検査所見の異常の1つである、治療せずに解決した高トリグリセリドは、調査員により、調査薬物と無関係であった有害事象であると見なされた。等級3の検査所見の異常(高い食後のトリグリセリドあるいは高い血清アミラーゼ)を有した、化合物1で処置された2人の被験者は、基準日においても異常値を有していた。調査の間、血液学および検尿の結果、生体信号、体重、または心電図および眼科検査において臨床的に関連のある変化は起こらなかった。
【0117】
結果
効能:抗ウイルス剤を受けたことがないまたは抗ウイルス剤を経験したHIV感染被験者に対し、単剤療法として連続10日間、200、400または800mgの用量で毎日2回;800mgの用量で毎日1回、または50mgの用量+100mgのRTVで毎日1回の化合物1の投与は、すべての用量レベルでプラセボと比較して著しくHIV−1 RNAを減少させた。400mgを毎日2回、800mgを毎日2回および50mg+100mgのRTVを毎日1回の化合物1の用量は、それぞれ基準日から−1.94、−1.91および−1.99log10コピー/mLの平均減少を生じた。21日目の間、化合物1の耐性変異は、いずれの被験者のインテグラーゼ遺伝子中においても検出されなかった。
【0118】
薬物動態/薬物力学:化合物1は、毎日2回の投与のみまたは低用量(100mg)のRTVを伴う毎日1回の投与を支持する薬物動態を示した。化合物1の曝露−応答の関係は、単純Emaxモデルとよく適合する化合物1のCtau値と同一であると見なされた。タンパク質結合で調整した7.17ng/mLのインビトロIC50を用いて計算した化合物1の概算の阻害指数は、400mgを毎日2回のレベル、800mgを毎日2回のレベルおよび50mg+RTV用量を毎日1回のレベルで、それぞれ5.9、6.7および18.8であった。これらの用量レベルでの化合物1のトラフ濃度は、投与間隔全体について、タンパク質結合で調整した44.9ng/mLのインビトロIC95を超えた。
【0119】
安全性:化合物1は、投与の中断、中止または重大な有害事象なく、すべての用量レベルにおいて概して良好に許容された。ほとんどの有害事象は、軽度であり、治療で解決した。ほどんどの共通する処置中に発生した有害事象は頭痛であり、ほとんどの共通する処置に関連した有害事象は吐き気であった。有害事象および検査所見の異常の種類、頻度および重症度は、活性グループとプラセボグループとの間で類似していた。
【0120】
実施例3.化合物1の薬物動態に対するリトナビル用量の効果
化合物1の薬物動態に対するリトナビル(RTV)用量(20、50、100および200mgを毎日1回)の範囲の効果を評価した。肝シトクロムP450 3A(CYP3A)活性に対するRTV用量(20、50、100および200mgを毎日1回)の範囲の効果もまた、CYP3A基質を用いて評価した。化合物1と組み合わせたRTV用量の範囲の安全性および耐性もまた、評価した。
【0121】
方法
無作為化した、非盲検の、単一中心の、複数回投与の、二群の、フェーズ1調査を、包括的に、年齢が18〜45歳の間である健康な男性および妊娠していない授乳していない女性の被験者をほぼ均等に配分して実施した(2つのグループにおいて24人の被験者(16人の評価可能な)被験者;それぞれのグループにおいて12人(8人の評価可能な))。
【0122】
適任な被験者は、予定された第1回目の投与前28日以内に行なわれたスクリーニング評価時に調査員により決定されたように、ボディーマスインデックス(BMI)が
【数5】

であり、重大な病歴がなく、かつ良好に総体的に健康である男性および妊娠していない授乳していない女性であった。コックロフト−ゴールトによる(正確な体重を用いた)概算のクレアチニンクリアランスは、
【数6】

であった。
【0123】
下記の化合物1/rの調査処置を用いた:
処置A:化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 20mg(80mg/mL溶液を希釈して20mgの用量を得た)QD(午前中に両方の薬物)
処置B:化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 50mg(80mg/mL溶液を希釈して50mgの用量を得た)QD(午前中に両方の薬物)
処置C:化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 100mg(80mg/mL溶液を希釈して100mgの用量を得た)QD(午前中に両方の薬物)
処置D:化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 200mg(80mg/mL溶液を用いて200mgの用量を得た)QD(午前中に両方の薬物)。
【0124】
各調査処置について、RTVを最初に投与し、直後に化合物1を投与した。
【0125】
CYP3A活性のためのプローブとして、ミダゾラム(MDZ;1分にわたって1mg)の遅い静注を、1日目の14:00および11日目および21日目の化合物1/rの投与6時間後に、それぞれの被験者に投与した。
【0126】
スクリーニング手順および基準評価の後、下記のように、適任な被験者を2つの処置グループの1つに無作為化した:
【0127】
【表3】

【0128】
すべての化合物1/rの用量を、240mLの水と共に午前の食事の終了直後に投与した。化合物1およびRTV血漿濃度の分析のための連続する血液サンプルを、11日目および21日目に、化合物1/rの投与後の以下の時点で収集した:0(投与前)、投与後0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間および24時間。MDZ血漿濃度の分析のための連続する血液サンプルを、1日目、11日目および21日目に、MDZ投与後の以下の時点で収集した:0(投与前)、MDZ投与後5分、10分、15分、30分および1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間および18時間。化合物1、RTVおよびMDZの薬物動態パラメーターを概算した。
【0129】
ECG評価をスクリーニング時に行った。臨床実験室試験、身体検査および生体信号(温度、血圧、脈拍および呼吸数)を、スクリーニング時、基準日および10日目および20日目に行った。生体信号(温度、血圧、脈拍および呼吸数)もまた、1日目、11日目および21日目に、0時間(ミダゾラム投与前)およびミダゾラム投与後0.5時間、1.0時間、1.5時間および2.0時間に行った。
【0130】
試験製品、用量および投与様式:
1.化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 20mg QD(午前中)
2.化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 50mg QD(午前中)
3.化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 200mg QD(午前中)
すべての化合物1/r用量を、標準化した食事の終了直後に投与した。
【0131】
参照治療、用量および投与様式
化合物1、1×125mgの錠剤+RTV 100mg QD(午前中)
すべての化合物1/r用量を、標準化した食事の終了直後に投与した。
【0132】
評価基準:
安全性を、臨床実験室試験、ECG、調査中の種々の時点での生体信号を含む定期的な身体検査の評価および有害事象の文書調査により評価した。
【0133】
次の血漿薬物動態パラメーターを計算した:化合物1およびRTVについては:Cmax、Tmax、Clast、Tlast、Ctau、λ、AUCtau、T1/2、CL/FおよびVz/F、MDZについては:AUC0−last、AUCinf、%AUCexp、Clast、Tlast、λ、T1/2、CLおよびVz。
【0134】
統計的方法:化合物1、RTVおよびMDZについての安全性および薬物動態パラメーターを、記述的統計を用いて被験者およびRTVの用量レベルにより要約した。パワーモデルおよび/またはANOVAモデル(必要に応じて)を、すべての処置からの化合物1の薬物動態パラメーター(AUC、CmaxおよびCtau)を用いて適合させた。母平均の傾きを、対応する90%CIと共に概算した。この調査を、医薬品の臨床試験の実施の基準(GCPs)のガイドラインに従って行った。
【0135】
結果:調査からの結果を下記の3つの表3A〜3Cおよび図3〜5に示す。
【0136】
【表4】

【0137】
1 すべての+RTV用量はMDZ単独(P<0.05)と異なる
1,2 p<0.05対20mg、互いに対してp=ns
【0138】
【表5】

【0139】
IQおよび何倍IC95は、PBMCsにおける、タンパク質結合で調整したIC50およびIC95に基づく
RTV 50、100および200mgは、すべてのPKパラメーターについて20mgとは異なる
p<0.05対50mg
【0140】
【表6】

【0141】
・何人かの被験者において、RTV曝露は、16時間によるBLQ濃度(<0.5ng/ml)を伴う20mgで、用量に比例しない非常に低い曝露
・T1/2およびMDZクリアランスデータは、用量依存性のRTV初回通過を示唆する
・<100mgの用量でより高いCV%
【0142】
実施例4 エムトリシタビン/フマル酸テノホビルジソプロキシルおよびリトナビルでブーストした化合物1の同時投与
低用量のリトナビルと共の化合物1の毎日1回の投与は、曝露の著しい増大(10〜16倍)に加えて、代謝の正味の阻害を生じる。さらに、毎日1回のリトナビルでブーストした化合物1は、高いトラフ濃度を達成し、これは、化合物1のブーストしなかった投与計画と比較して
【数7】

大きな阻害指数(タンパク質結合で調整したIC50を用いて)を生じ、従って、患者にとって便利な投与計画と関連した投与の遅れまたは忘れに対してある程度の寛容を提供する。強力な短期間の活性、有利な安全性プロファイル、および計画の遵守を支持するための単純な毎日1回の投与計画を有する、新しい薬効分類からの新規な薬剤として、リトナビルでブーストした化合物1は、複数の分類を経験する患者を含む、HIV処置のための多大な可能性を提供する。
【0143】
エムトリシタビン/フマル酸テノホビルジソプロキシル(FTC/TDF)の固定用量の組み合わせは、単純で非常に効果があるNRTI組み合わせであり、チミジン類似物と比較して優れた安全性プロファイルを備え、また、処置を受けていないおよび処置を経験した成人および青年期のHIV患者にとって好ましいヌクレオシド(ヌクレオチド)バックボーンとして、米国保険社会福祉省により推奨されている。本調査は、一部、それらの同時投与時の臨床的に関連のある薬物−薬物相互作用の可能性を評価するために行なわれた。
【0144】
本調査における健康的な被験者の使用は、薬物動態(PK)の相互作用を評価する目的のために、バックグラウンド計画に関係する潜在的な交絡因子を排除し、そしてHIV患者における処置計画の短期間の変化を回避した。
【0145】
従って、エムトリシタビン/フマル酸テノホビルジソプロキシル(FTC/TDF)、HIVインテグラーゼ阻害剤、リトナビルでブーストした化合物1(化合物1/r)間の臨床的に関連のある薬物−薬物相互作用の可能性を調査した。
【0146】
健康的な成人にFTC/TDF(200mg/300mg;毎日1回)を7日間投与し、次いで、食事をした状態下で10日間、化合物1/r(50mg/100mg;毎日1回)および化合物1/r+FTC/TDFを受ける順序をクロスオーバー様式で無作為化した。薬物動態(PK)血液採血を、7日目、17日目および27日目に行った。FTC、テノホビル(TFV)および化合物1についてのPK変更の欠如を、主要なPKパラメーター:観察された最大血漿濃度(Cmax)、投与間隔にわたる血漿濃度−時間曲線下面積(AUCtau)およびトラフ濃度(Ctau)について70〜143%の間の幾何平均比率(GMR;同時投与:単独)について90%信頼区間(CI)として定義した。
【0147】
26人の登録された被験者のうち24人は、重大な有害事象(重大なAEs)もAEsによる中止もなく、調査を完了した。FTC、TFVおよび化合物1のPKは、同時投与の間に影響を受けず、すべての3つの主要なパラメーターは、等価性のプロトコル定義およびより厳密な生物学的等価性の基準(90%CI:80〜125%)もまた満足した。FTCおよびTFVのPKパラメーターは、歴史的値に匹敵した。
【0148】
FTC/TDFと化合物1/rとの間の臨床的に関連のある薬物−薬物相互作は、それらの同時投与時にはなかった。
【0149】
実施例5 リトナビルでブーストされたHIVインテグラーゼ阻害剤である化合物1/rとジドブジン(ZDV)との間の臨床的に関連のある薬物−薬物相互作用の欠如
ジドブジンはHIV患者に使用されるNRTIである。ジドブジンと化合物1/rとの間の薬物相互作用の可能性を、無作為化した調査において決定した。ジドブジンまたは化合物1の薬物動態が、ジドブジン+化合物1/rの同時投与後に単独投与と比較して影響を受けるのかどうかを評価した。さらに、ジドブジン+化合物1/rの同時投与の安全性を評価した。
【0150】
以下に示すように、ジドブジンと化合物1/rとの間に臨床的に関連のある薬物動態の薬物−薬物相互作はなかった。ジドブジンと化合物1/rの同時投与は、安全でありかつ良好に許容された。化合物1は、毎日1回の投与を支持する半減期を示し、この半減期は投与後48時間を通じて持続した。
【0151】
調査薬物(化合物1/r 200/100mg QD、ZDV 300mg BID)を食事(〜400kcal、脂質13g)と共に投与した。薬物動態(Pk)のサンプリングを、12時間(ZDV)または24時間(化合物1/r)にわたって行った。化合物1の48時間PKプロファイルを、27日目の投与後に決定した。ZDV、G−ZDVおよび化合物1の血漿濃度を、有効なLC/MS/MS分析を用いて決定した。PKパラメーターを、WinNonlinTM5.0.1(Pharsight社、Mountain View、CA、USA)を用いて概算した。90%信頼区間(CI)についての等価境界を、AUCtau、CmaxおよびCtau(化合物1のみ)の幾何平均比率(GMR)について70%〜143%(同時投与:単独)に設定した。
【0152】
統計 28人の被験者を登録し、24人の被験者が調査を完了した(男性12人、女性12人;平均年齢:31歳(幅:20歳〜42歳);平均体重:70.2kg(幅:50.9kg〜101kg);民族:ヒスパニック20人、カフカス人4人)。
【0153】
安全性 等級3/4の有害事象(AEs)も重大な有害事象もなかった。4つの中止:妊娠(1)、中止の承諾(1)、嘔吐(1;ZDV+化合物1/r治療群)、腹部膨満(1;ZDV治療群)があった。単独でおよび組み合わせて投与した化合物1/rおよびZDVは、概して良好に許容された。処置治療群にわたって最も頻繁なAEsは、頭痛および吐き気であった。AEsのすべては、軽度であり、処置で和らげられ解決された。
【0154】
薬物動態の結果 ZDV、G−ZDVおよび化合物1のAUCtau、Cmax、Ctau(化合物1のみ)90%CIは、事前に定義されたPK等価境界内であり、ZDVおよびG−ZDV PKは歴史的値と同様であった。
【0155】
食物の影響
本発明はまた、患者への投与時に化合物1の薬物動態特性を改善する方法を提供する。本発明はまた、疾患、障害および状態の処置または予防のための化合物1の治療上の有効性を改善する方法を提供する。
【0156】
疾患、障害または状態の例として、レトロウイルス感染、または、レトロウイルス感染に関係する疾患、障害または状態が挙げられるが、これらに限定されない。化合物1はまた、患者に投与されてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害し得る。本発明の態様においては、レトロウイルスはHIVである。
【0157】
化合物1の薬物動態に対する食物の効果を評価するための薬物動態の調査は、以前に行われていなかった。概して、食物は、活性薬剤の生物学的利用能および吸収に対して種々の効果を有する。薬物−食物の相互作用は、全身の薬物利用能の減少、遅延または増加を生じ得る。例えば、Welling、Clin.Pharmacokinet.,9:404−434(1984)を参照されたい。
【0158】
患者における化合物1の治療上の有効性を増大させる方法において、化合物1がそのような患者に投与され得ることが発見された。食物と共に投与された場合、化合物1は患者において増加した生物学的利用能および吸収を示す。
【0159】
従って、本発明は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む、患者における化合物1の生物学的利用能および吸収を増加させる方法を提供する。
【0160】
化合物1は、2003年11月20日に出願された米国特許出願番号10/492,833号(米国特許出願公開番号2005/0239819号)および2005年5月20日に出願された米国特許出願番号11/133,463号(米国特許出願公開番号2005/0288326号)(これらは、それらの全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。化合物1は、少なくとも3つの異なる結晶形で存在する。結晶形I、IIおよびIIIは、国際特許出願公開番号WO05/113508号(これもまた、その全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。これらの3つの形は、示差走査熱量計(DSC)およびX線粉末回折計(XRD)により区別できる。結晶形の任意の1つが、本発明に用いられ得る。本発明の態様においては、結晶形IIまたはIIIまたはこれらの混晶が、患者に投与される。
【0161】
化合物1の投与は本発明の特定の態様である一方、本発明は、化合物1を生じる他の化合物(例えば、化合物1のプロドラッグ)の投与も意図する。そのようなプロドラッグは、例えば、保護基を有するが、なお患者の体内で(すなわちインビボで)化合物1の形成を生じる化合物を含み得る。カルボン酸保護基は、例えば、アルキルエステルおよびベンジルエステルを含み、それぞれ酸または塩基および水素化分解により除去され得る。さらに、任意の有機残基を有し、インビボで解離して化合物1を生じ得る化合物は、本発明の方法により投与され得る。従って、本発明はまた、化合物1を生じるような化合物1’(ここでR’は有機残基を示す)の投与を意図する。
【0162】
【化5】

【0163】
本発明はさらに、化合物1の薬学的に許容できる塩の投与を意図する。例えば、化合物1の薬学的に許容できる塩は、化合物1と、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等のような無機酸;シュウ酸、マロン酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、アスコルビン酸、メチルスルホン酸、ベンジルスルホン酸等のような有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム等のような無機塩基;メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、グアニジン、コリン、シンコニン等のような有機塩基;またはリジン、アルギニン、アラニン等のようなアミノ酸とを反応させることにより得られ得る。本発明はまた、化合物1の含水生成物および溶媒和物(例えば、水和物)の投与を包含する。
【0164】
それゆえ、本明細書で用いる「化合物1を投与する〜」は、インビボで化合物1を提供するあらゆる形態の化合物1の投与を言う。
【0165】
本明細書で用いられている用語「生物学的利用能」は、活性成分が製剤から放出され、作用部位で利用可能となる速度および程度を言う。米国連邦規制基準、タイトル21、パート320.1(2001年版)を参照されたい。経口投与形態について、生物学的利用能は、活性成分が経口投与形態(例、錠剤)から放出され、作用部位に移動する(例、体循環へ吸収される)過程に関連する。それゆえ、用語「吸収」は、その作用部位(例、血流中またはT細胞あるいはマクロファージのような免疫細胞中)での化合物1の存在を言う。
【0166】
本明細書で用いられている用語「食物と共に」または「食事をした」は、化合物1の投与前約1時間から化合物1の投与後約2時間までの間の期間の間に食物をとった状態を言う。他の態様において、「食物と共に」または「食事をした」は、飲食前約1時間から飲食後約2時間までの間の期間の間の化合物1の投与の状態を言う。本明細書で用いられている「食物」は、液体と固体の食物の両方を言う。食物はまた、低脂肪食、高脂肪食、軽食あるいは重い食事であり得る。本発明の態様において、食物は、十分な量と脂肪分を有する固体の食物であり、胃で急速に溶解されず吸収されない。食物は、朝食、昼食、または夕食のような食事であり得る。加えて、食物は、例えば、患者によるinvo untary消費による静脈内機械投与によりとられてもよい。あるいは、患者は任意に食品を消費してもよい。
【0167】
化合物1は、食物と共に1日の任意の時間に投与され得る。食物は、通常、化合物1の投与前約1時間から化合物1の投与後約2時間の間の期間の間の任意の時間でとられ得る。例えば、食物は、化合物1の投与前約1時間、約45分、約30分、約15分、約10分または約5分の期間内にとられ得る。同様に、食物は、化合物1の投与後約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間または約2時間の期間内にとられ得る。他の態様では、「食物と共に」または「食事をした」は、飲食前約1時間から飲食後約2時間までの間の期間の間の化合物1の投与の状態を言う。例えば、化合物1は、飲食前約1時間、約45分、約30分、約15分、約10分または約5分の間の期間内に投与され得る。同様に、化合物1は、飲食後約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間または約2時間の期間内に投与され得る。本発明の他の態様において、化合物1は、食後直後(例、食後約1分以内)〜食後約1時間に投与され得る。理想的には、化合物1は、食物と実質的に同時に投与される。
【0168】
本明細書で用いられている用語「食物なしで」または「絶食した」は、化合物1の投与前約1時間から化合物1の投与後約2時間までの期間内に食物をとらなかった状態を言う。
【0169】
本発明の方法は、治療有効量の化合物1を投与することを含む。食物と共に単一の化合物1を投与する場合は、患者への投与のための化合物1の治療有効量の適切な用量は、1日あたりおよそ10mg〜約2000mgの間である。本発明のある態様では、適切な用量は、1日あたり約400mg〜約1600mgである。本発明の他の態様では、適切な用量は、1日あたり約600mg〜約1200mgである。本発明のさらなる態様では、適切な用量は、1日あたり約800mgである。
【0170】
所望であれば、化合物1の有効な毎日の用量は、1日を通して適切な間隔で別個に投与される2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量として、必要に応じて単位投与形態で投与され得る。本発明の方法に従って、化合物1は、食物と共に、1日あたり複数回または1日あたり1回投与され得る。本発明のある態様では、化合物1は、食物と共に、1日あたり1回または2回投与される。
【0171】
本明細書で用いられている用語「単位投与形態」は、患者に投与される化合物1の形態を言う。単位投与形態は、例えば、丸薬、カプセルまたは錠剤であり得る。本発明のある態様では、単位投与形態は錠剤である。本発明のある態様では、単位投与形態は、約10mg〜約2000mgの化合物1を含む。本発明のある態様では、単位投与形態は、約50mgまたは200mgの化合物1を含み、錠剤の形態である。本発明の他の態様では、単位投与形態は、約125mgまたは150mgの化合物1を含み、錠剤の形態である。
【0172】
本発明のさらに他の態様では、化合物1の純度は95%以上である。より好ましくは、化合物1の純度は98%以上である。
【0173】
血流中の化合物1の濃度は、血漿濃度(ng/mL)として測定され得る。血漿濃度を測定するための薬物動態パラメーターは、観察された最大血漿濃度(Cmax)、時間0から最後の定量化可能な時点まで(AUC0−t)の血漿濃度時間曲線下面積(AUC)、時間0から無限までのAUC(AUC0−inf)、投与後に観察された最大血漿濃度の時間(tmax)および血漿中の化合物1の半減期(t1/2)を含むが、これらに限定されない。
【0174】
食物と共の化合物1の投与は、化合物1を食物なしで投与した場合の値と比べて、化合物1のCmaxおよび/またはAUC0−infの増加により証明されるように、化合物1の生物学的利用能の増加を生じる。
【0175】
本発明の方法によると、食物と共の化合物1の投与はまた、化合物1の吸収を増加させ得る。化合物1の吸収は、化合物1の投与後、時間とともに血流中で達成される濃度により測定され得る。食物と共の化合物1の投与による吸収の増加はまた、化合物1を食物なしで投与した場合の値と比べて、化合物1のCmaxおよび/またはAUC0−infの増加により証明され得る。
【0176】
本発明はまた、疾患、障害および状態の処置または予防のための方法を提供する。疾患、障害または状態の例として、レトロウイルス感染、または、レトロウイルス感染に関係する疾患、障害または状態が挙げられるが、これらに限定されない。レトロウイルスは、RNAウイルスであり、通常、アルファレトロウイルス、ベータレトロウイルス、デルタレトロウイルス、イプシロンレトロウイルス、ガンマレトロウイルス、レンチウイルスおよびスプマウイルスのファミリーに分類される。レトロウイルスの例は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT−リンパ球向性ウイルス(HTLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)およびトリ白血病ウイルスを含むが、これらに限定されない。概して、レトロウイルスゲノムの3つの遺伝子は、成熟ウイルスのタンパク質をコードする:gag(群特異抗原)遺伝子は、ウイルスの核および構造タンパク質をコードする;pol(ポリメラーゼ)遺伝子は、逆転写酵素、プロテアーゼおよびインテグラーゼを含む、ウイルスの酵素をコードする;およびenv(エンベロープ)遺伝子は、レトロウイルスの表面タンパク質をコードする。
【0177】
レトロウイルスは、RNAおよびpol産生物のコンプレックスを、とりわけ宿主細胞の中へ放出することにより、宿主細胞に付着して侵入する。次いで、逆転写酵素はウイルス性RNAから二本鎖DNAを産生する。二本鎖DNAは、宿主細胞の細胞核へ取り込まれ、ウイルス性インテグラーゼにより宿主細胞ゲノムに組み入れられる。組み入れられたウイルスDNAが宿主細胞のポリメラーゼによってmRNAに変換され、そしてウイルス形成に必要なタンパク質がウイルスプロテアーゼの作用によって産生されると、組み入れられたDNAから新生ウイルスが形成される。ウイルス粒子は出芽を行い、宿主細胞から放出されて成熟ウイルスを形成する。
【0178】
本発明の一つの態様は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害する方法を提供する。本発明の特別な態様においては、レトロウイルスはHIVである。本明細書で用いられている「阻害する」は、タンパク質、酵素または任意の他の化合物に関連する少なくとも1つの活性の減少または停止を言う。
【0179】
本発明の他の態様は、治療有効量の化合物1を食物と共に患者に投与することを含む、レトロウイルス感染症の治療または予防のための方法を提供する。本発明の特別な態様においては、レトロウイルスはHIVである。
【0180】
化合物1は、任意の従来の方式で患者に投与され得る。化合物1が原料の化合物として投与されることが可能な一方、好ましくは医薬組成物として投与される。「化合物1を含有する医薬組成物」は、化合物1またはその薬学的に許容できる塩を、1またはそれ以上の薬学的に許容できる担体あるいは賦形剤および必要に応じて他の治療剤および/または成分と共に含有する医薬組成物を言う。塩、担体または賦形剤は、他の成分と適合し、その受容者に有害でないという意味において許容できなければならない。経口投与のための担体または賦形剤の例としては、コーンスターチ、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、微結晶性セルロース、ステアリン酸、ポビドン、クロスポビドン、第二リン酸カルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(例、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910)、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0181】
医薬組成物は、任意の適切な方法、例えば、薬学の技術分野において周知の方法、例えば、GennaroらのRemington’s Pharmaceutical Sciences(第18版、Mack Publishing Co.,1990)、特にパート8:医薬製剤およびそれらの製造に記載されているような方法により調製され得る。そのような方法は、化合物1を担体または賦形剤および必要に応じて1またはそれ以上の副成分と結び付ける工程を含む。そのような副成分は、フィラー、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、香味剤および湿潤剤のような当該分野において従来のものを含む。
【0182】
医薬組成物は、ある期間にわたって、化合物1の制御された徐放または持続放出を提供し得る。化合物1の制御された徐放または持続放出は、従来の処方物よりも長い期間、患者の血流中の化合物1を維持し得る。医薬組成物は、被覆された錠剤、ペレットおよびカプセル、および生理液に不溶な媒体中の化合物1の分散物を含むが、これらに限定されず、ここで、機械的、化学的または酵素的活性による医薬組成物の崩壊の後に、治療化合物の放出が起こる。
【0183】
本発明の医薬組成物は、例えば、丸薬、カプセルまたは錠剤の形態であり得、それぞれ所定の量の化合物1を含み、好ましくは飲み込む容易さのために被覆され、粉末または顆粒の形態、または溶液あるいは懸濁液の形態であり得る。本発明の態様においては、医薬組成物は、化合物1および本明細書の実施例で使用され記載されている錠剤の成分を含有する錠剤の形態である。
【0184】
経口投与について、微粉末または顆粒は、希釈剤、分散剤およびまたは表面活性剤を含み得、例えば、水中またはシロップ中、乾燥状態でカプセル中またはサッシェ(小袋)中、または非水性溶液あるいは懸濁液(ここでは、懸濁化剤が含まれ得る)中、または錠剤(ここでは、結合剤および滑剤が含まれ得る)中に存在し得る。医薬組成物は、甘味剤、香味剤、保存剤(例、抗菌性保存剤)、懸濁化剤、増粘剤および/または乳化剤のような追加成分もまた含み得る。
【0185】
液体溶液または懸濁液の形態で投与される場合、処方物は化合物1および精製水を含み得る。液体溶液または懸濁液中の任意成分は、適切な甘味剤、香味剤、保存剤(例、抗菌性保存剤)、緩衝剤、溶媒およびこれらの混合物を含む。処方物の成分は、1を超える機能を果たしてもよい。例えば、適当な緩衝剤は、甘味剤と同様に香味剤としても作用し得る。
【0186】
適切な甘味剤は、例えば、サッカリンナトリウム、スクロースおよびマンニトールを含む。2またはそれ以上の甘味剤の混合物が使用され得る。甘味剤またはそれらの混合物は、通常、全組成物の約0.001重量%〜約70重量%の量で存在する。適切な香味剤は、医薬組成物中に存在し、患者が医薬組成物を摂取し易くするように、サクランボ味、綿菓子味または他の適切な味を提供し得る。香味剤またはそれらの混合物は、通常、全組成物の約0.0001重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0187】
適切な保存剤は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムおよび塩化ベンザルコニウムを含む。2またはそれ以上の保存剤の混合物が使用され得る。保存剤またはそれらの混合物は、通常、全組成物の約0.0001重量%〜約2重量%の量で存在する。
【0188】
適切な緩衝剤は、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、および種々の他の酸および塩を含む。2またはそれ以上の緩衝剤の混合物が使用され得る。緩衝剤またはそれらの混合物は、通常、全組成物の約0.001重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0189】
液体溶液または懸濁液のための適切な溶媒は、例えば、ソルビタール、グリセリン、プロピレングリコールおよび水を含む。2またはそれ以上の溶媒が使用され得る。溶媒または溶媒系は、通常、全組成物の約1重量%〜約90重量%の量で存在する。
【0190】
医薬組成物は、アジュバントと共に同時投与され得る。例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルのような非イオン界面活性剤は、医薬組成物と共に投与されるか、または医薬組成物に組み込まれて、腸壁の浸透性を人工的に増大させ得る。酵素阻害剤もまた、医薬組成物と共に投与され得るか、または医薬組成物に組み込まれ得る。
【0191】
本発明はまた、(i)化合物1、またはその薬学的に許容できる塩および薬学的に許容できる担体を含有する医薬組成物;(ii)処方情報;および(iii)容器を含むキットを提供する。処方情報は、本発明のおよび/またはそうでなければ本明細書で議論した方法に従う処方情報を提供し得る。本発明の態様において、処方情報は、食物と共に化合物1を経口投与して、化合物1の生物学的利用能および吸収を改善することを含む。
【0192】
化合物1は、化合物を食物と共に経口投与することを患者に助言し、またそのようにすることが化合物1の生物学的利用能を増加させることを説明し得る処方情報を付随した容器において患者に提供され得る。化合物1はまた、化合物1の食物と共の投与が化合物1の吸収の増加を生じること(絶食した状態下での化合物の投与と比較として、化合物1の最大血漿濃度の増加により反映されるように)を患者に助言する処方情報を付随する容器において患者に提供され得る。
【0193】
化合物1の薬物動態特性に対するおよび化合物1の治療上の有効性に対する食物の効果を、以下の実施例(これらは、決して限定を意図されない)により示す。
【0194】
実施例6
50mgおよび200mgの錠剤中、化合物1の単位投与形態を、化合物1の臨床調査のために調製した。化合物1は、I形、II形およびIII形で存在する。III形は最終処方で使用したが、II形またはII形とIIIとの混晶もまた、処方調査の間に使用した。
【0195】
化合物1の200mgの錠剤の調製 200mgの錠剤の最終配合を表1に示す。
【0196】
【表7】

【0197】
*1 精製水は処理の間に除去される。
【0198】
最初に、化合物1をジェットミルで微粉化した。微粉化した化合物を、ポリエチレン(PE)バッグ中、D−マンニトール(日本薬局方、JP)、クロスポピドン(日本医薬品添加剤、JPE)および軽質無水ケイ酸(JP)と混合し、次いで500μmの篩を3回通過させた。別個に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)2910(3mm/s)(JP)を精製水中に攪拌により溶解し、ラウリル硫酸ナトリウム(JP)を加えて溶解した。D−マンニトール/クロスポピドン/軽質無水ケイ酸/化合物1の混合物を流動床造粒機に配置し、HPMC/ラウリル硫酸ナトリウム溶液を用いて造粒した。造粒後、濡れた粒子を同じ造粒機にて乾燥した。乾燥した顆粒を500μmの篩に通した。
【0199】
次いで、篩にかけた顆粒をPEバッグ中でクロスカルメロースナトリウム(JPE)と混合し、ステアリン酸マグネシウム(JP)をバッグに加えた。ロータリー式打錠機を用いて顆粒を錠剤に圧縮した。
【0200】
20の錠剤を乾燥剤およびクッション材(PEシート)と共にガラスボトルにパッケージし、ポリプロピレン(PP)のスクリューキャップでふたをした。
【0201】
化合物1の50mgの錠剤の調製 50mgの錠剤の最終配合を表2に示す。
【0202】
【表8】

【0203】
*1 精製水は処理の間に除去される。
【0204】
50mgの錠剤のサイズおよび重量は、200mgの錠剤と同じであった。製造工程を単純化するために、50mgの錠剤の処方を、原料として上記で調製した化合物1の篩にかけた顆粒を用い、該顆粒を直接圧縮性賦形剤で希釈することにより、行った。D−マンニトールおよび微結晶性セルロースを、化合物1との相溶性、および錠剤の圧縮性ならびに崩壊特性のために、希釈賦形剤として選んだ。表3に、原料として化合物1の篩にかけた顆粒を用いた錠剤の配合を示す。
【0205】
【表9】

【0206】
上記で調製した篩にかけた顆粒を、PEバッグ中でクロスカルメロースナトリウム(JPE)、D−マンニトール(JP)および微結晶性セルロース(JP)と混合し、続いてステアリン酸マグネシウム(JP)をバッグに加えた。
【0207】
20の錠剤を乾燥剤およびクッション材(PEシート)と共にガラスボトルにパッケージし、ポリプロピレン(PP)のスクリューキャップでふたをした。
【0208】
実施例7
化合物1の薬物動態特性に対する食物の効果を、32人の健康な日本人男性のボランティアに対する単盲検の、無作為化した、プラセボ制御した単回経口投与の拡大調査において特定した。
【0209】
下記基準を用いて調査のための被験者を選んだ:
(1)年齢20〜35歳の健康な日本人男性;
(2)18.5〜25.0のボディーマスインデックス(BMI)、BMI=[体重(kg)/身長(m)];および
(3)調査への参加に先立って書面のインフォームドコンセントを得た被験者。
【0210】
より大きな調査の一部として、8人の被験者(活性6人、プラセボ2人)が絶食した状態および食事をした状態で400mgの用量を受けた。400mgの絶食した集団の被験者は、ウォッシュアウト期間後(通常、最初の投与から最低10日後)に朝食と共に追加の400mgの用量を受けた。2回の用量の間の10日の間隔は、いかなる被験者内持ち越し効果も排除するために適切と考えられた。
【0211】
大きい調査の食物効果の成分について、処置の持続、用量、投与の様式および投与された製品を表4に示す。
【0212】
【表10】

【0213】
被験者は、投与前日(「−1日目」)の午後に医療機関に入ることを許可された。化合物1またはプラセボを、入院翌日(「1日目」)に投与した。被験者は投与翌日(「2日目」)に退院した。従って、被験者は合計3日間入院した。安全のための追跡評価を投与後6〜8日(「7日目〜9日目」)に行った。
【0214】
化合物1またはプラセボを、200mLの水と共に経口投与した。用量は、各処置期間において、各被験者について同様の時間に投与した。すべての被験者は、投与前日(−1日目)の夕食後の時間から1日目の朝食(食事をした状態で化合物1またはプラセボを受ける被験者について)または1日目の昼食時間(絶食した状態の被験者について)まで、食物および流動食を絶食した。
【0215】
被験者が食事をした状態で化合物1を投与された場合、彼らは投与の約30分前に朝食をとった。朝食は以下からなった:
160mLのリンゴジュース
ゆで卵(50g)
ブレッドロール(105g)
8gのバター
14gのイチゴジャム
1合計エネルギー含有量:574.6Kcal;合計脂質含有量:21.4g(全カロリーの33%);合計タンパク質:17.5g(全カロリーの12%);合計炭水化物:79.0g(全カロリーの55%)。
【0216】
薬物動態分析のための血液サンプルは、投与の1.5時間前および以下の投与後の時間:投与の0.25時間後、0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後および24時間後に採取した。
【0217】
各調査グループにおいて、化合物1について以下の薬物動態パラメーターを計算した(食事をした状態および絶食した状態):
max 観察された最大血漿濃度の時間;
max 観察された最大血漿濃度;
1/2λz 末期の排出半減期
AUC0−tz 時間0から最後の定量化可能な濃度(AUC(0−tz))までの血漿濃度時間曲線下面積(AUC);および
AUC0−inf 時間0から無限までのAUC。
【0218】
化合物1の血漿濃度を以下のアッセイにより決定した。血漿サンプルを、化合物1を投与した健康な被験者から分離した。血漿サンプルを、EmporeTMディスクプレート(C8SD)を用いた固相抽出によって抽出し、次いで高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)(WatersからのHPLCモデル2795分離モジュール;MDS SCIEXからの質量分析計モデルAPI4000)により測定した。イオン化および検出を、それぞれエレクトロスプレーイオン化および複合反応モニタリングを伴う陽イオン検出で行った。この分析方法は、選択性、線形性、定量化の下限値(LLOQ)、アッセイ内およびアッセイ間の精密性および精度、標準溶液の安定性、マトリックス安定性、調製後の安定性、回収および希釈の完全性について認証されており、そして、50μLのヒト血漿を用いた場合に1〜1000ng/mLの濃度範囲にわたって化合物1を測定するための方法として十分信頼性があると考えられた。
【0219】
90%のアセトニトリルおよび20mmol/Lのギ酸アンモニウム−ギ酸緩衝液(pH3.0)/アセトニトリル(10:90、v/v)のそれぞれ10mLを混合した50μLの血漿サンプルに、内部標準溶液のそれぞれ10μLを加えた。これらのサンプルに、10%アセトニトリル中の0.1%ギ酸を200μL加えた。次いで、これらの溶液を10秒間混合し、4℃で5分間、10,000rpmで遠心分離した。上澄みの250μLアリコートをEmporeTMディスクプレート(C8SD)(150μLのアセトニトリルおよび200μLの0.1%ギ酸をこの順で用いて調整した)に加えた。プレートを20%アセトニトリル中の0.1%ギ酸200μLで2回洗浄し、80%アセトニトリル中の0.1%ギ酸100μLで2回(合計200μL)溶出した。溶出液に200μLの0.1%ギ酸を加えて混合した。次に、各溶液の10μLをLC/MS/MSシステムに注入し、分析した。
【0220】
90%信頼区間を有する幾何平均比率(食事をした/絶食した)を、食事をした状態および絶食した状態での400mgの化合物1の経口投与後のCmaxおよびAUC0−infから概算した。
【0221】
食事をした状態および絶食した状態での400mgの化合物1の経口投与後の経時の平均血漿濃度を図2に示す。食事をした状態および絶食した状態での、化合物1の薬物動態パラメーター、AUC0−inf(ng・時間/mL)、Cmax(ng/mL)、T1/2λz(時間)およびTmax(時間)の平均試験結果を表5にまとめ、表6に一覧にする。
【0222】
【表11】

【0223】
用量:400mg
平均値±SD(n=6)
【0224】
【表12】

【0225】
用量:400mg
n=6 被験者/各グループ
【0226】
図2、表5および表6は、食事をした状態で化合物1を投与した場合、変化しなかった薬物のCmaxおよびAUC0−infが、絶食した状態で投与した場合と比較してそれぞれ3.30倍および2.69倍高かったことを示す。これらの結果は、食物の存在下で化合物1の生物学的利用能および吸収が増加したことを示す。
【0227】
化合物1を食物と共に投与した場合の薬物動態パラメーターの観察された増加は、化合物1が食物と共に投与された場合(例えば、食後)により急速に吸収されることを示す。従って、食物と共の化合物1の投与は、絶食した条件下での薬物の投与と比較して、薬物の生物学的利用能の増加を生じる。さらに、化合物1は、重大な有害事象がなく、安全でありかつ良好に許容された。すべての有害事象は軽度であった。臨床上の重大な心電図(ECG)の変化は指摘されなかった。
【0228】
本明細書中で引用されている、出版物、特許出願および特許を含むすべての文献は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0229】
本発明(請求項を含む)を記載するにおいて、用語「a」、「an」、「the」および類似の指示語の使用は、本明細書中で特に指示しない限り、または文脈によって明白に否定されない限り、単数と複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。用語「含有する」、「有する」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、特に断りのない限り、オープンエンド用語(すなわち「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の記載は、本明細書中で特に指示しない限り、範囲内にあるそれぞれの個別の値を個々に参照する簡単な方法として役立つように単に意図されており、それぞれの個別の値は、それが本明細書中に個々に記載されているかのように、明細書に組み入れられる。本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書中で特に指示しない限り、または文脈によって明白に否定されない限り、任意の適切な順序で行われ得る。本明細書中で提供される任意のおよび全ての実施例、または例となる言語(例、「のような」)の使用は、単に本発明の理解をより容易にすることを意図し、特に主張しない限り、本発明の範囲に対する制限を提示しない。本明細書中の言語は、任意のクレームされていない構成要素を本発明の実施に必須であると示すとは解釈すべきではない。
【0230】
本明細書中の実施態様は、本発明の態様の例示を提供し、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。当業者は、多くの他の態様がクレームした発明によって包含されること、および明細書ならびに実施例が例示と見なされることを意図すること、本発明の真の範囲および精神が請求の範囲によって示されることを認識する。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】図1は、化合物1単独およびリトナビルとの組み合わせについての、血漿濃度対時間のグラフである。
【図2】図2は、絶食した状態および食事をした状態での6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(化合物1)の投与後のその血漿濃度を均等目盛りでプロットしたグラフである。
【図3】図3は、実施例3からのデータを図示している。
【図4】図4は、実施例3からのデータを図示している。
【図5】図5は、実施例3からのデータを図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者におけるHIVインテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩の薬物動態を改善するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項2】
患者における前記インテグラーゼ阻害剤が式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩である、請求項1記載の使用:
【化1】

ここで、
環Cyは、C3−10炭素環基または複素環基であり、各基はA群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
該複素環基は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和または不飽和の環であり;
A群は、シアノ、フェニル、ニトロ、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルキルオキシ、−ORa1、−SRa1、−NRa1a2、−CONRa1a2、−SONRa1a2、−CORa3、−NRa1CORa3、−SOa3、−NRa1SOa3、−COORa1または−NRa2COORa3であり;
a1およびRa2は、同一または異なって、それぞれ水素、C1−4アルキルまたはベンジルであり;
a3は、C1−4アルキルであり;
は、B群から選択されるか、または、ハロゲンあるいはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキルであり;
B群は:
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基、
−ORa4
−SRa4
−NRa4a5
−CONRa4a5
−SONRa4a5
−CORa6
−NRa4CORa6
−SOa6
−NRa4SOa6
−COORa4または
−NRa5COORa6であり;
a4およびRa5は、同一または異なって、それぞれ:
水素、
1−4アルキル、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基または、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基であり;
a6は、
1−4アルキル、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基または、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基であり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
31は、水素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルファニル、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルキルオキシ基であり;
Xは、C−R32またはNであり;
Yは、C−R33またはNであり;
32およびR33は、同一または異なって、それぞれ:
水素、
シアノ、
ニトロ、
ハロゲン、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基、ハロゲンまたはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキル、
−ORa7
−SRa7
−NRa7a8
−NRa7CORa9
−COORa10または
−N=CH−NRa10a11であり;
a7およびRa8は、同一または異なって、それぞれ水素、B群またはハロゲンあるいはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよいC1−10アルキルから選ばれ;
a9は、C1−4アルキルであり;および
a10およびRa11は、同一または異なって、それぞれ水素またはC1−4アルキルである。
【請求項3】
前記インテグラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容できる塩の血中濃度を増加させる、請求項1記載の使用。
【請求項4】
患者においてHIVインテグラーゼを阻害するための医薬の製造のための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩および式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用:
【化2】

ここで、
環Cyは、C3−10炭素環基または複素環基であり、各基はA群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
該複素環基は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和または不飽和の環であり;
A群は、シアノ、フェニル、ニトロ、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルキルオキシ、−ORa1、−SRa1、−NRa1a2、−CONRa1a2、−SONRa1a2、−CORa3、−NRa1CORa3、−SOa3、−NRa1SOa3、−COORa1または−NRa2COORa3であり;
a1およびRa2は、同一または異なって、それぞれ水素、C1−4アルキルまたはベンジルであり;
a3は、C1−4アルキルであり;
は、B群から選択されるか、または、ハロゲンあるいはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキルであり;
B群は:
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基、
−ORa4
−SRa4
−NRa4a5
−CONRa4a5
−SONRa4a5
−CORa6
−NRa4CORa6
−SOa6
−NRa4SOa6
−COORa4または
−NRa5COORa6であり;
a4およびRa5は、同一または異なって、それぞれ:
水素、
1−4アルキル、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基または、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基であり;
a6は、
1−4アルキル、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基または、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基であり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
31は、水素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルファニル、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルキルオキシ基であり;
Xは、C−R32またはNであり;
Yは、C−R33またはNであり;
32およびR33は、同一または異なって、それぞれ:
水素、
シアノ、
ニトロ、
ハロゲン、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10炭素環基、
A群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基、ハロゲンまたはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキル、
−ORa7
−SRa7
−NRa7a8
−NRa7CORa9
−COORa10または
−N=CH−NRa10a11であり;
a7およびRa8は、同一または異なって、それぞれ水素、B群またはハロゲンあるいはB群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよいC1−10アルキルから選ばれ;
a9は、C1−4アルキルであり;および
a10およびRa11は、同一または異なって、それぞれ水素またはC1−4アルキルである。
【請求項5】
前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩がHIVインテグラーゼ阻害剤である、請求項4記載の使用。
【請求項6】
前記式(I)の化合物が6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸である、請求項2〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩およびリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩が患者に単一の組成物として患者に投与される、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩およびリトナビルまたはその薬学的に許容できる塩が経口投与される、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
前記経口投与が一日一回である、請求項8記載の使用。
【請求項10】
前記患者が、スタブジン、エムトリシタビン、テノホビル、エムトリシタビン、アバカビル、ラミブジン、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ホスファジド、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、チプラナビル、サキナビル、インジナビル、アタザナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サムプレナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル、リトナビル、エンフュヴィルタイド、フォジブジン チドキシル、アロブジン、デクセルブシタビン、アプリシタビン、アムドキソビル、エルブシタビン(ACH126443)、ラシビル(ラセミFTC、PS1−5004)、MIV−210、KP−1461、フォスアルブジン チドキシル(HDP99.0003)、AVX756、ジオキソラン チミン(DOT)、TMC−254072、INK−20、4’−Ed4T、TMC−125(エトラビリン)、カプラビリン、TMC−278(リルピビリン)、GW−695634、カラノライドA、BILR355BSおよびVRX840773、およびそれらの薬学的に許容できる塩からなる群から選ばれる1またはそれ以上の剤も投与される、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
【請求項11】
食物と共に投与されるべき治療有効量の化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む、該化合物の生物学的利用能を増加させるための医薬の製造のための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項12】
食物と共に投与されるべき治療有効量の化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む、患者における該化合物の吸収を増加させるための医薬の製造のための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項13】
前記投与が、化合物またはその薬学的に許容できる塩を食物なしで投与した場合よりも大きな化合物の最大血漿濃度を生じる、請求項11または12記載の使用。
【請求項14】
前記投与が、化合物またはその薬学的に許容できる塩を食物なしで投与した場合よりも大きな化合物の時間0〜無限の血漿濃度時間曲線下面積(AUC0−inf)を生じる、請求項11または12記載の使用。
【請求項15】
食物と共に投与されるべき治療有効量の化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬の製造のための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項16】
食物と共に投与されるべき治療有効量の化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を患者に投与することを含む、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための医薬の製造のための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項17】
前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、請求項15または16記載の使用。
【請求項18】
前記治療有効量が約10mg〜約2000mgである、請求項11〜117のいずれか1項記載の使用。
【請求項19】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩が、飲食の約1時間前から飲食の約2時間後の間に投与される、請求項11〜19のいずれか1項記載の使用。
【請求項20】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩が、飲食と実質的に同時に投与される、請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩が、飲食直後および飲食の約1時間後までに投与される、請求項19記載の使用。
【請求項22】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩が医薬組成物で投与される、請求項11〜21のいずれか1項記載の使用。
【請求項23】
前記医薬組成物が錠剤の単位投与形態である、請求項22記載の使用。
【請求項24】
前記化合物またはその薬学的に許容できる塩が経口投与される、請求項11〜23のいずれか1項記載の使用。
【請求項25】
(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩および薬学的に許容できる担体を含有する医薬組成物;(2)処方情報;および(3)容器を含み、該処方情報が、食物と共に6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を投与することに関する助言を含む、キット。
【請求項26】
前記処方情報が、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能が食物なしよりも食物と共に投与した場合に増加するという記載を含む、請求項25記載のキット。
【請求項27】
前記処方情報が、飲食の約1時間前から飲食の約2時間後の間に6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を投与することに関する助言を含む、請求項25記載のキット。
【請求項28】
前記処方情報が、飲食と実質的に同時に6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を投与することに関する助言を含む、請求項25記載のキット。
【請求項29】
前記処方情報が、飲食直後および飲食後約1時間までに6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を投与することに関する助言を含む、請求項25記載のキット。
【請求項30】
前記医薬組成物が錠剤の単位投与形態である、請求項25〜29のいずれか1項記載のキット。
【請求項31】
前記医薬が食物と共に患者に投与するためのものである、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用。
【請求項32】
前記医薬が単位投与形態の錠剤として処方される、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用。
【請求項33】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩をさらに含む、請求項25〜29のいずれか1項記載のキット。
【請求項34】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項35】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者における化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項36】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項37】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきその医薬が食物と共に投与される場合、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための医薬の製造のための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項38】
患者におけるHIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善するための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物。
【請求項39】
食物と共に投与されるべきである、請求項38記載の医薬組成物。
【請求項40】
食物と共に投与されるべき、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物。
【請求項41】
食物と共に投与されるべき、患者における6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物。
【請求項42】
食物と共に投与されるべき、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物。
【請求項43】
食物と共に投与されるべき、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する医薬組成物。
【請求項44】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきである、請求項40〜43のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項45】
患者におけるHIVインテグラーゼ阻害剤の薬物動態を改善するための、リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤。
【請求項46】
食物と共に投与されるべきである、請求項45記載の抗レトロウイルス剤組成物。
【請求項47】
食物と共に投与されるべき、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の生物学的利用能を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤組成物。
【請求項48】
食物と共に投与されるべき、患者における6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の吸収を増加させるための、該化合物またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤。
【請求項49】
食物と共に投与されるべき、患者においてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤。
【請求項50】
食物と共に投与されるべき、患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩を含有する抗レトロウイルス剤。
【請求項51】
リトナビルまたはその薬学的に許容できる塩と共に投与されるべきである、請求項47〜50のいずれか1項記載の抗レトロウイルス剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−525265(P2009−525265A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548784(P2008−548784)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/049668
【国際公開番号】WO2007/079260
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(500536168)ギリアド サイエンシズ, インコーポレイテッド (3)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】