説明

I/Oノード

【課題】光I/Oバスへの拡張やローカルI/Oバスへの拡張の際にモジュール実装効率を落とすことなく拡張可能なI/Oノードを実現する。
【解決手段】外部I/Oバスを介して上位装置または他のI/Oノードと通信するI/Oバスリピート手段と、前記I/Oバスリピート手段と通信すると共に、ローカルI/Oバスを介して複数のモジュールと通信するバス制御手段を内蔵するインターフェースモジュールを具備するI/Oノードにおいて、
前記インターフェースモジュールは、前記バス制御手段と通信する拡張I/Oバス送受信手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出力(以下、I/O)バスを介して上位装置または他のI/Oノードと通信するI/Oバスリピート手段と、前記I/Oバスリピート手段と通信すると共に複数のI/Oモジュールと通信するバス制御手段とを有するインターフェース(以下、I/F)モジュールを備えるI/Oノードに関するものであり、I/Oモジュールの実装効率を落とすことなく、バスの拡張性を実現する。
【背景技術】
【0002】
図4は、I/Oノード拡張接続の一般的な構成例を示す機能ブロック図である。I/Oノード10は、二重化されたI/Fモジュール11,12、二重化された電源モジュールPW1,RW2及び8台のI/OモジュールI/O1乃至I/O8を備え、I/Fモジュール11,12を介して有線のI/Oバスで上位装置30と通信する。
【0003】
I/Oノード10に追加して同一構成のI/Oノード20を拡張接続する場合には、I/Fモジュール11,12のリピート機能を用いて、I/Fモジュール11,12とI/Oノード20のI/Fモジュール21,22とを同様に有線のI/Oバスで接続する。更にI/Oノードを追加拡張する場合も同様な接続形態を繰り返す。
【0004】
追加されるI/Oノードまでの距離が長い場合や、上位装置30との通信量が大きい場合には、有線のI/Oバスに代えて光バスによる拡張接続が行われる。図5は、光バスで拡張接続した場合の一般的な構成例を示す機能ブロック図である。
【0005】
I/Oノード10において、8台のI/Oモジュールの内2台(I/O7及びI/O8)の実装場所に、二重化された光I/Fモジュール13,14を実装する。同様にI/Oノード20において、8台のI/Oモジュールの内2台(I/O7及びI/O8)の実装場所に二重化された光I/Fモジュール23,24を実装する。
【0006】
光I/Fモジュール13と光I/Fモジュール23を光バスL1で接続する。同様に、光I/Fモジュール14と光I/Fモジュール24を光バスL2で接続し、光バスによる二重化拡張を実現する。
【0007】
図6は、図5のブロック内の機能構成を示す詳細機能ブロック図である。簡単のため、二重化構成のマスター側の構成のみを示す。スレーブ側も同一構成である。I/Oノード10において、I/Fモジュール11内のI/Oバスリピート手段Aは、外部I/Oバスと通信すると共に、内部I/Oバスを介してI/Oバス送受信手段Bと通信する。
【0008】
I/Fモジュール11内のバス制御手段Cは、I/Oバス送受信手段Bを介して外部と通信すると共に、ローカルI/Oバス送受信手段Dを介してローカルI/Oバスに接続される6台のI/OモジュールI/O1〜I/O6と通信する。
【0009】
光I/Fモジュール13内のI/Oバス送受信手段Bは、I/Fモジュール11内のI/Oバス送受信手段Bと通信する。光I/Fモジュール13内のバス制御手段Cは、I/Fモジュール11内のI/Oバス送受信手段Bを介して外部と通信すると共に、I/Oバス光送受信手段E1を介して光バスL1によりI/Oノード20の光I/Fモジュール23側のI/Oバス光送受信手段E1と通信する。I/Oノード20の内部機能構成は、I/Oノード10の機能構成と同一である。
【0010】
I/Oノードの機能拡張の形態として、光バス接続機能の他、自己のI/Oモジュールの接続台数を増加させるためのローカルI/Oバス拡張機能がある。
【0011】
I/Oノード10においてこの機能拡張を行う場合には、ローカルI/Oバス拡張モジュール14を、I/Oノード10のローカルI/Oバスに接続する。ローカルI/Oバス拡張モジュール14内のローカルI/Oバスタイミング調整手段Fは、ローカルI/Oバス送受信手段Dを介して夫々ローカルI/Oバス及びローカルI/Oバス及び拡張ローカルI/Oバスと通信する。
【0012】
このようなローカルI/Oバス拡張モジュール14をI/Oノードに実装する場合には、I/Oノード10のローカルI/Oバスに接続されるI/Oモジュールの台数が減少することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−100816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来のI/Oノードの構成では、光I/Oバスへの拡張やローカルI/Oバスへの拡張のためには、拡張用の専用モジュールを実装する必要があり、実装モジュール数が標準化されて規定台数の場合には、I/Oモジュールの実装台数を削減する必要があり、I/Oモジュール実装率が低下する問題がある。
【0015】
本発明の目的は、光I/Oバスへの拡張やローカルI/Oバスへの拡張の際にモジュール実装効率を落とすことなく拡張可能なI/Oノードを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような課題を達成するために、本発明は次の通りの構成になっている。
(1)I/Oバスを介して上位装置または他のI/Oノードと通信するI/Oバスリピート手段と、前記I/Oバスリピート手段と通信すると共に複数のI/Oモジュールと通信するバス制御手段とを有するI/Fモジュールを備えるI/Oノードにおいて、
前記I/Fモジュールは、前記バス制御手段と通信する拡張I/Oバス送受信手段を備えることを特徴とするI/Oノード。
【0017】
(2)前記バス制御手段は、前記拡張I/Oバス送受信手段を介して光信号により他のI/Oノードと通信することを特徴とする(1)に記載のI/Oノード。
【0018】
(3)前記バス制御手段は、前記拡張I/Oバス送受信手段を介して拡張ローカルI/Oバスに接続されたI/Oモジュールと通信することを特徴とする(1)に記載のI/Oノード。
【0019】
(4)前記拡張I/Oバス送受信手段は、前記I/Fモジュールの筐体内に形成されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のI/Oノード。
【0020】
(5)前記I/Fモジュールは、同一I/Oノードで二重化されていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のI/Oノード。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば次のような効果を期待することができる。
(1)本発明の拡張I/Fモジュールによれば、標準のリピータ機能及びローカルI/Oバス制御機能に加えて、同一筐体に内蔵された拡張I/Oバス送受信手段との通信機能がバス制御手段に追加され、この拡張I/Oバス送受信手段を介して光I/Oバスまたは拡張ローカルI/Oバスとの通信を実現できる。
【0022】
(2)従って、光バスまたは拡張ローカルI/Oバスへの機能拡張際して拡張のための専用モジュールの実装は不要であり、I/Oノードに実装できるI/Oモジュールの削減はない。よって、I/Oモジュール用のスロットを削減にすることなく、機能拡張を実現することができる。
【0023】
(3)実装位置が自由に設定できるローカルI/Oバス拡張モジュールをローカルI/Oバスに接続することで、様々な機能を持ったモジュール情報をローカルI/Oバスに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用して光バスで拡張接続した場合のI/Oノードの一実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】図1のブロック内の機能構成を示す詳細機能ブロック図である。
【図3】本発明を適用して拡張ローカルI/Oバスを接続した構成を示す詳細機能ブロック図である。
【図4】I/Oノード拡張接続の一般的な構成例を示す機能ブロック図である。
【図5】光バスで拡張接続した場合の一般的な構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】図5のブロック内の機能構成を示す詳細機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明を適用して光バスで拡張接続した場合のI/Oノードの一実施例を示す機能ブロック図である。図5で説明した従来構成と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
従来構成のI/Oノード10及び20に対応する本発明適用のI/Oノードを、I/Oノード100及びI/Oノード200で示す。I/Oノード100は、二重化された拡張I/Fモジュール101及び102を備える。同様に、I/Oノード200は、二重化された拡張I/Fモジュール201及び202を備える。
【0027】
拡張I/Fモジュール101及び拡張I/Fモジュール201は、夫々に内蔵するI/Oバス光送受信手段E1により光バスL1を介して通信する。同様に、拡張I/Fモジュール102及び拡張I/Fモジュール202は、夫々に内蔵するI/Oバス光送受信手段E2により光バスL2を介して通信する。
【0028】
このような構成によれば、光バスで拡張接続した場合でもI/Oモジュールの台数削減はなく、従来構成と同様にI/O1〜I/O8までの8台を接続して使用することが可能となる。
【0029】
図2は、図1のブロック内の機能構成を示す詳細機能ブロック図である。簡単のため、二重化構成のマスター側の構成を示す。スレーブ側も同一構成である。図6に示した詳細機能ブロック構成と同一要素には同一符号を付して説明を省略し、本発明の特徴部を説明する。
【0030】
拡張I/Fモジュール101及び201において、拡張バス制御手段C´は、図6で説明したバス制御手段Cの標準機能に追加して、拡張I/Oバス光送受信手段G1と通信するインターフェースを備え、この拡張I/Oバス光送受信手段G1に接続される光バスL1により双方の通信を実行する。
【0031】
図3は、本発明を適用して拡張ローカルI/Oバスを接続した構成を示す詳細機能ブロック図である。拡張I/Fモジュール101において拡張バス制御手段C´は、図6で説明したバス制御手段Cの標準機能に追加して、拡張ローカルI/Oバス送受信手段Hと通信するインターフェースを備え、この拡張ローカルI/Oバス送受信手段Hに接続されるローカルI/Oバス拡張モジュール14を介して拡張ローカルI/Oバスに接続されたI/Oモジュールと通信する。
【0032】
拡張I/Oバス光送受信手段G1及び拡張ローカルI/Oバス送受信手段Hは、拡張バス制御手段C´がインターフェースできる拡張I/Oバス送受信手段を形成し、使用目的に応じて切り替えることができる。
【0033】
一般に、I/Oノード内のI/Oモジュールは、ローカルI/OバスにBackPlaneBus経由で接続されており、実装位置は物理的に制約されている。例えば、1ノードあたり8モジュールのみである。
【0034】
図3に示したように、拡張I/Fモジュールの拡張端子から簡単にI/Oローカルバス拡張モジュールを実装することで、現状で物理的に制限されているモジュール台数によらず、自由度のあるモジュールを拡張ローカルI/Oバスに接続することができる。
【0035】
例えば、キャビネット内の温度やステータスを監視するモジュールをローカルI/Oバスに接続するような場合に、1モジュールだけ別の自由な場所から容易に接続する使用形態を実現することができる。
【符号の説明】
【0036】
30 上位装置
100 I/Oノード
101、102 拡張I/Fモジュール
200 I/Oノード
201、202 拡張I/Fモジュール
L1、L2 光バス
I/O1〜I/O8 I/Oモジュール
PW1,PW2 電源モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
I/Oバスを介して上位装置または他のI/Oノードと通信するI/Oバスリピート手段と、前記I/Oバスリピート手段と通信すると共に複数のI/Oモジュールと通信するバス制御手段とを有するI/Fモジュールを備えるI/Oノードにおいて、
前記I/Fモジュールは、前記バス制御手段と通信する拡張I/Oバス送受信手段を備えることを特徴とするI/Oノード。
【請求項2】
前記バス制御手段は、前記拡張I/Oバス送受信手段を介して光信号により他のI/Oノードと通信することを特徴とする請求項1に記載のI/Oノード。
【請求項3】
前記バス制御手段は、前記拡張I/Oバス送受信手段を介して拡張ローカルI/Oバスに接続されたI/Oモジュールと通信することを特徴とする請求項1に記載のI/Oノード。
【請求項4】
前記拡張I/Oバス送受信手段は、前記I/Fモジュールの筐体内に形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のI/Oノード。
【請求項5】
前記I/Fモジュールは、同一I/Oノードで二重化されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のI/Oノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−118732(P2011−118732A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276362(P2009−276362)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】