説明

ICの実装方法と、発振器の製造方法及びその製造方法により形成された発振器

【課題】 超音波接合時の微粉末の発生を防止してICの機能低下を防ぎ、且つ発振器の性能低下を防止する。
【解決手段】 パッケージ11の2層目キャビティー12にICチップ16の能動面16aに形成したバンプ17を配線電極に位置決めする工程と、前記ICチップ16のバンプ17に対応する部分を除いたICチップの非能動面16bに超音波ノズル18を当接する工程と、該超音波ノズル18にてICチップ非能動面16b側から荷重を加える工程と、前記超音波ノズル18に超音波振動を付与する工程と、前記パッケージ11の1層目キャビティー13に振動子を実装する工程と、前記パッケージ11内を真空に封止する工程とより成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICの実装方法、この実装方法を使用した発振器の製造方法及びその製造方法により形成された発振器に係るものであり、特にシングルタイプの発振器等に用いて好適なICの実装方法を使用した発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発振器は携帯電話などいろいろな電子機器に使用される部品として大きな注目を集めている。発振器は振動を発生する圧電振動子と振動を駆動するためのICチップとを一体化して用いられる部品で、圧電振動子としては一般的には振動の安定性から水晶振動子が、特に高周波帯の厚み滑り振動を行うAT板振動子が用いられる。本願では、AT板振動子を含む圧電振動子を一般的に振動子として説明することとする。この発振器には、ICチップと振動子を同じキャビティー内に収めるシングルタイプの発振器やICチップと振動子を別々のキャビティー内に収めるダブルタイプの発振器などに分けることができる。
【0003】
発振器の製造方法を説明する。セラミックで形成されたパッケージのキャビティー内にはICチップを実装するための配線電極と振動子を実装するための配線電極が形成されている。まずICチップのバンプをパッケージのキャビティー内の配線電極に位置決めし、超音波接合によりICチップを実装する。次に振動子をキャビティー内の配線電極に導電性の接着剤などを用いて実装する。その後キャビティー内を真空にするか窒素ガス雰囲気にして、平板状のリッドにより封止することで完成させる。
【0004】
ところで、発振器へのICの実装は品質面を良くするために最近では超音波接合の方法が多用されている。この方法を用いた従来の発振器の製造方法を、図7により説明する。図7は発振器の製造方法の主要工程の従来技術を示すもので、(a)工程はICチップの実装工程で、(a−1)はその正面断面図、(a−2)はその側面断面図、(a−3)はその上面図を示し、(b)工程は振動子の実装工程でその正面断面図、(c)工程は封止工程でその正面断面図である。
【0005】
(a)工程は、セラミックスなどでできたパッケージ31の2層目のキャビティー32の中にICチップ34を実装する工程である。まず(a−1)図に示すように、超音波ノズル36に形成されている真空吸引用の吸引穴37で能動面34aにバンプ35を有するICチップ34の非能動面34b側を矢印38方向に吸引し、ICチップ34のバンプ35をパッケージ31に形成された図示しない配線電極に位置決めする。その後、超音波ノズル36でICチップ34の非能動面34bに荷重を加えながら超音波振動を与えてバンプ35と配線電極を固相拡散させて接合することで、ICチップ34をパッケージ31内に実装する。
【0006】
この際図7の(a−1)や(a−2)に示すように、超音波ノズル36は、ICチップ34のバンプ35が形成されている部分の反対側の面即ち非能動面34bでしかも図7の(a−3)に示すようにバンプ35を全て覆うように配設されている。これは超音波接合の性質上固相拡散させるべきバンプ35に熱を集中させて与えることによって容易に拡散を起こさせるためである。超音波付与工程の条件は、加工時間は300ms、荷重は5000mN、超音波の仕事量は700から800mWであった。
【0007】
次に (b) 工程は振動子の実装工程である。(a)工程でICチップ34を実装後、パッケージ31の1層目のキャビティー33の中に振動子39を実装するのであるが、パッケージ31に形成された図示しない振動子用配線電極に振動子の電極を例えば導電性接着剤40などを用いて実装する。振動子39としては一般にはAT板水晶振動子を用いることは前述の通りである。
【0008】
最後に(c)工程は発振器の封止工程である。発振器としての周波数調整などを行った後、パッケージ31のキャビティー32、33内を真空にし、時には窒素ガスなどを充填して、金―錫半田などを用いて平板状のリッド41をパッケージ31に固着したり、あるいは平板状のリッド41をパッケージ31にシーム溶接することで封止を行い、発振器を完成させる。
【0009】
上記のICチップの超音波による実装方法に関する技術は、特許文献1や特許文献2に例示されている。特に特許文献1には、ICチップのバンプと回路基板の電極を位置合わせし、ICチップを回路基板に押圧すると共に熱と超音波振動を与え、超音波接合させる技術が開示されている。この際、吸着ノズルがICチップと接する面はICチップの電気接合部は勿論、ICチップの全ての面を覆うように形成されている。特許文献2には高い信頼性を持つ接合を実現するために、実装ヘッドに、電子部品の作用面にその表面と平行な振動として伝播する振動を与え、作用面の真上位置から垂直方向に加重を負荷する技術が記載されている。この場合も実装ノズルは部品の全面を覆うよう構成されている。
【0010】
【特許文献1】特開2003−142522号公報
【特許文献2】特開2003−282632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら上記構成には次のような解決しようとする問題点を有している。即ち、ICチップを超音波接合する時は、超音波ノズルがICチップの非能動面を非常に大きなサイクル数で擦ることとなる。従って、バンプ形成部分以外に相当する非能動面は超音波ノズルが接触してもわずかではあるが弾性変形するので超音波ノズルとICチップの非能動面との接触抵抗は小さくなるが、バンプ形成部分と反対側の非能動面は超音波ノズルがICチップの非能動面に接触する時弾性変形が少なく超音波ノズルとICチップの非能動面との間の接触抵抗が大きくなる。
【0012】
このためバンプ形成部分相当の非能動面には、擦れることによる微粉末が発生する。この微粉末は簡単に剥離し落下するものなので、ICチップの能動面側に廻るとICの機能に障害を起こす危険性がある。特に発振器の場合は同じ空間の中に振動子が存在していると、この振動子に貼りつき振動数が変化してしまう等、発振器としての性能を損なうという、問題点を有していた。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を除去し、超音波接合時の微粉末の発生を防止してICの機能低下を防ぐことや、発振器の性能低下を防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のIC実装の製造方法は、基板の配線電極にICチップを実装するICの実装方法において、ICチップの能動面に形成したバンプを前記配線電極に位置決めする工程と、前記ICチップのバンプに対応する部分を除いた前記ICチップの非能動面に超音波ノズルを当接する工程と、該超音波ノズルにて前記ICチップを加圧する工程と、前記超音波ノズルに超音波振動を付与する工程とより成ることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発振器の製造方法は、パッケージのキャビティー内に形成された配線電極にICチップと振動子を実装する発振器の製造方法において、前記パッケージのキャビティー内にICチップの能動面に形成したバンプを前記配線電極に位置決めする工程と、前記ICチップのバンプに対応する部分を除いた前記ICチップの非能動面に超音波ノズルを当接する工程と、前記超音波ノズルにて前記ICチップを加圧する工程と、前記超音波ノズルに超音波振動を付与する工程と、前記パッケージのキャビティーに振動子を実装する工程と、前記パッケージのキャビティー内を封止する工程とより成ることを特徴とする。
【0016】
また本発明の請求項3に記載の発振器の製造方法は、請求項2記載の製造方法において、前記パッケージのキャビティーは2層により形成されていて、第1のキャビティーに振動子が、第2のキャビティーにICチップが収納されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発振器の製造方法は、請求項2または3に記載の製造方法において、前記ICチップに形成したバンプの内側の部分と超音波ノズルの対応する辺との間隙を0.08〜0.12mmとしたことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項5に記載の発振器の製造方法は、請求項2または3に記載の製造方法において、超音波振動を付与する条件は、超音波量と荷重と時間の条件を変えて4ステップにて行うことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項6に記載の発振器は、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により形成された発振器。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に記載のICの実装方法によれば、超音波接合時に微粉末の発生を完全に防止でき、微粉末がICチップの能動面に張り付くことが無いので、ICの機能低下をもたらすことが無くなり、品質向上を図ることが出来る。
【0021】
本発明の請求項2や請求項3に記載の発振器の製造方法によれば、やはり超音波接合時の微粉末の発生を防止できるため、微粉末がICチップや振動子に張り付くことが無いためICの機能低下や振動数の変化などを防止でき、発振器としての品質のアップを図ることが出来る。
【0022】
本発明の請求項4に記載の発振器の製造方法によれば、超音波ノズルがICチップのバンプにかかることなく、しかも熱をバンプに集めることが出来、品質の良い超音波接合を可能とした。
【0023】
また本発明の請求項5に記載の発振器の製造方法によれば、微粉末を発生させること無く、より確実にICチップをパッケージに接合することが出来るようになった。
【0024】
更に本発明の請求項6に記載の発振器の製造方法によれば、発振器としての性能低下を無くすことができ、品質のアップを図ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の最良の実施形態は、パッケージのキャビティー内に形成された配線電極にICチップと振動子を実装する発振器の製造方法において、前記パッケージのキャビティー内においてICチップの能動面に形成したバンプを前記配線電極に位置決めする工程と、前記ICチップのバンプに対応する部分を除いた前記ICチップの非能動面に超音波ノズルを当接する工程と、前記超音波ノズルにて前記ICチップを加圧する工程と、前記超音波ノズルに超音波振動を付与する工程と、前記パッケージのキャビティー内に振動子を実装する工程と、前記パッケージのキャビティー内を封止する工程とより成る発振器の製造方法であり、その製造方法により形成された発振器である。
【実施例1】
【0026】
本発明の実施例1について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は本発明を適用した発振器の製造工程を示すもので、(a)は発振器に用いられるパッケージの載置台上への位置決め工程で、その正面断面図を示す。(b)はパッケージへのICチップの位置決め工程で、(b−1)はその正面断面図、(b−2)はその側面断面図を示す。(c)はICチップの実装工程で、(c−1)はその正面断面図、(c−2)はその側面断面図、(c−3)はその上面図を各々示す。図2の(d)は振動子の実装工程で、その正面断面図を示す。また(e)は封止工程で、その正面断面図を示す。発振器としてはシングルタイプのものを例にとり説明する。
【0027】
まず図1の(a)工程で、パッケージ11は2層のキャビティーを有し、第2のキャビティーである2層目キャビティー12には図示しないがICチップと電気的接続をするための配線電極が形成されており、また第1のキャビティーである1層目キャビティー13にはやはり図示しないが振動子と電気的接続をするための配線電極が形成されている。14はパッケージ11を位置決めする載置台で、パッケージ11を温めるための温熱台15を備えている。温熱台15の温度は約200℃である。
【0028】
(b)工程はICチップ16の位置決め工程である。ICチップ16は能動面16aに形成されている図示しないパッド上にバンプ17が形成されている。16bはICチップ16の非能動面である。パッケージ11の2層目キャビティー12にICチップ16を位置決めするために、超音波ノズル18に形成されている吸引穴19により、ICチップ16の非能動面16b側を矢印20方向に吸引しつつ、ICチップ16に形成されたバンプ17をパッケージ11の2層目キャビティー12の配線電極に合致するよう位置決めして配置する。この際、(b−2)図に示すように、超音波ノズル18の非能動面16bとの接触面18aは、バンプ17が形成されている部分に相当する非能動面16bを避けてバンプ17が形成されていない部分に相当する非能動面16bとのみ接触している。
【0029】
(c)工程は、ICチップ16の実装工程である。温熱台15は基本的にはICチップ16のバンプ17に対応する部分を温めればよい。この温熱台15により温められているパッケージ11に位置決めされたICチップ16に荷重を加えながら超音波振動を与えることでバンプ17と配線電極を固相拡散させて電気的に接続且つ機械的に固定させる。バンプ17は本実施例では(c−3)図に示すように、2辺に沿って平行に形成されている。そして(b−2)図において説明したように、超音波ノズル18の接触面18aはバンプ17が形成されている部分の非能動面16bを避けてバンプ17が形成されていない部分の非能動面16bとのみ接触して超音波振動が与えられる。
【0030】
図2の(d)工程は振動子の実装工程である。振動子には一般的には従来技術同様に、水晶の特に高周波振動のためにAT板が用いられる。パッケージ11の1層目キャビティー13に形成されている図示しない電極に導電性接着材22を塗布し、水晶片21を位置決めして熱などにより接着剤を固化させることで、水晶片21をパッケージ11の1層目キャビティー13に固定する。勿論接着材22は導電性であれば良く、熱硬化型の他に光硬化型接着剤や半田など種々考えられる。また、振動子も水晶に限らず他の材料でもよく、また振動形態もAT板以外のものでも良い。
【0031】
(e)工程は発振器の封止工程である。パッケージ11の最上面にリッド23と呼ばれる平板状の蓋でキャビティー内を真空(又は窒素ガス雰囲気)にして封止する。封止前に水晶片21の振動数調整などが行なわれることもある。パッケージ11とリッド23の封止は、表面にNiメッキ/Auメッキが施されたコバールなどの材料からなるリッド23の周縁部に形成したAu−Sn半田と、パッケージ11のタングステンメタライズ上に形成したNiメッキ/Auメッキとを接合させることで成される。封止工程が終わると、発振器の諸検査などが行われる。
【0032】
以上、一連の発振器の加工工程を説明したが、本実施例においては、発振器として2層のキャビティーを有するシングルタイプの形状で説明したが、キャビティーは1層でその中にICチップと振動子が並列に並んでいるものや、キャビティーが別々になったダブルタイプのものも含まれることは当然である。
【0033】
ここで超音波加工時の条件を図3と図4を用いて説明する。図3は加工条件を表で表したものであり、図4はそれをグラフ化した図である。図3に示すように、本実施例では4ステップで超音波接合を行うようにしている。即ち、第1ステップでは超音波を発振させずに時間t(ms)の間に荷重が1000mNとなるよう荷重を加えてゆく。第2ステップではやはり超音波を発振させずに時間t(ms)間の中で荷重が4000mN掛かるよう荷重を加える。第3ステップでは超音波を150mWで発振させて時間が2t(ms)内に荷重が5000mNになるよう荷重を加える。最後の第4ステップでは超音波を150mWで発振させた状態で荷重を5000mN加えたまま4t(ms)時間を保持する。こうして超音波実装工程を終了する。尚、本実施例では時間tを50msとしている。
【0034】
図4は超音波加工条件をグラフ化した図であるが、はじめの時間t=50msでは超音波を発振させずに緩やかに荷重を加え、次の時間t=50msで荷重を急峻に加え、その後時間2t=100msをかけて荷重を非常に緩やかに加えつつ超音波を発振させる。最後に荷重を5000mNに保った状態で時間4t=200msをかけて超音波発振を加え、その後加工を完了する。このような条件で超音波接合をすることで、超音波ノズルとICチップの非能動面との間に微粉末を発生させることなく確実な接合を可能としている。
【0035】
次にICチップ16と超音波ノズル18の寸法関係を簡単に記しておく。図5は上面図である。ICチップ16は一辺が1.4〜1.5mmのほぼ正方形を有している。ICチップ16の平行する2辺に沿ってバンプ17が5個づつ計10個下面の能動面16aに形成されている。超音波ノズル18の平面寸法は1.3mm×0.8mmに設計し、長辺がバンプ17の列と平行するようになしている。そして、この超音波ノズルの長辺部分とバンプ17の最内側部分との隙間を一方の側で約0.1mmとした(バンプと超音波ノズルは正確には対向はしていない)。実際には、プラスマイナス0.02mmくらいの幅でのバラツキであれば問題は無い。このようにすることにより、超音波ノズルとICチップの非能動面との間の微粉末の発生を防止しながらバンプに熱を集中させることが出来、接合が確実となった。
【0036】
以上加工についていろいろ説明してきたが、上記のようにバンプ17が形成されていない部分の非能動面16bに接触して超音波振動を与えることによって、非能動面との擦れによる微粉末の発生を防止でき、ICチップ能動面への微粉末付着などによる悪影響を除去でき、更には振動子への付着による振動数の変化などの品質への悪影響をも排除することが出来るようになった。
【実施例2】
【0037】
本発明の実施例2を図6に示す。図6はICチップをパッケージ(図示せず)に実装する時の上面図である。実施例2ではICチップ25の能動面にはバンプ26が4辺に沿って形成されている。そして超音波ノズル27はそのバンプ26に対応する部分の全ての非能動面を避けて接触するように形成されている。これによって超音波振動を与えても非能動面からの微粉末の発生を防止することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の活用例としては、発振器のようにICチップと他の部品が同じキャビティーにあるようなものには大きな効果を達成するが、ICチップ単体を基板に実装してもその基板に他部品が同居するようなものにも使用することにより、大きな効果を挙げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を適用した発振器の製造工程のうち(a)〜(c)工程を示す。
【図2】本発明を適用した発振器の製造工程のうち(d)〜(e)工程を示す。
【図3】ICチップを実装するときの超音波加工の条件を示す表である。
【図4】図3の条件をグラフ化した図である。
【図5】ICチップと超音波ノズルの寸法関係を表す上面図である。
【図6】本発明の実施例2を示すもので、ICチップをパッケージに実装する時の上面図である。
【図7】本願の従来技術を示すもので、発振器の製造工程を示す。
【符号の説明】
【0040】
11 パッケージ
12、13 キャビティー
16、25 ICチップ
16b 非能動面
17、26 バンプ
18、27 超音波ノズル
21 水晶片
23 リッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の配線電極にICチップを実装するICの実装方法において、ICチップの能動面に形成したバンプを前記配線電極に位置決めする工程と、前記ICチップのバンプに対応する部分を除いた前記ICチップの非能動面に超音波ノズルを当接する工程と、該超音波ノズルにて前記ICチップを加圧する工程と、前記超音波ノズルに超音波振動を付与する工程とより成ることを特徴とするICの実装方法。
【請求項2】
パッケージのキャビティー内に形成された配線電極にICチップと振動子を実装する発振器の製造方法において、前記パッケージのキャビティー内においてICチップの能動面に形成したバンプを前記配線電極に位置決めする工程と、前記ICチップのバンプに対応する部分を除いた前記ICチップの非能動面に超音波ノズルを当接する工程と、前記超音波ノズルにて前記ICチップを加圧する工程と、前記超音波ノズルに超音波振動を付与する工程と、前記パッケージのキャビティー内に振動子を実装する工程と、前記パッケージのキャビティー内を封止する工程とより成ることを特徴とする発振器の製造方法。
【請求項3】
前記パッケージのキャビティーは2層により形成されていて、第1のキャビティーに振動子が、第2のキャビティーにICチップが収納されていることを特徴とする請求項2に記載の発振器の製造方法。
【請求項4】
前記ICチップに形成したバンプの内側の部分と超音波ノズルの対応する辺との間隙を0.08〜0.12mmとしたことを特徴とする請求項2または3に記載の発振器の製造方法。
【請求項5】
超音波振動を付与する条件は、超音波量と荷重と時間の条件を変えて4ステップにて行うことを特徴とする請求項2または3に記載の発振器の製造方法。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により形成された発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−27629(P2007−27629A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211275(P2005−211275)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000166948)シチズンミヨタ株式会社 (438)
【Fターム(参考)】