説明

ICタグ読取装置及び精算機

【課題】簡易な構成により小型化を容易に図ることができるだけでなく、読み出しにおける利便性を向上させることができるICタグ読取装置を提供すること。
【解決手段】ICタグと通信を行うICタグ読取装置2であって、水平方向に延びる軸回りに回転可能に支持された回転体26と、前記回転体26の外周に設けられ、前記ICタグを支持する少なくとも三つの支持部27と、前記支持部27によって支持されたICタグと通信を行う通信手段とを備え、前記支持部27が、前記ICタグの支持を開始する支持開始位置と、前記ICタグを支持し続ける保持位置と、前記ICタグを解放する解放位置とに配されるように、前記回転体26の周方向に所定の間隔を空けて配置されており、前記支持開始位置、前記保持位置及び前記解放位置の順に前記支持部が配されるように、前記回転体26が回転することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグと非接触で通信を行うICタグ読取装置及び精算機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の情報について非接触で通信を行うことができるICタグが知られている。このICタグは、情報を記憶する記憶部を有しており、この記憶部に記憶された情報を読み出すために、読取装置が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
これら読取装置の中には、上下に配された一対のベルトコンベアを備えたものが知られている。そして、この一対のベルトコンベアによってICタグが上下から挟持されながら所定の読み出し位置まで移動し、そのICタグの記憶部に記憶された情報が読み出された後に、ICタグがベルトコンベアによって収容部などに移動するようになっている。
【0003】
また、他の読取装置として、天面に開閉ステージを備えたものも知られている。この開閉ステージ上にICタグを載置すると、ICタグの記憶部に記憶された情報が読み出された後、開閉ステージが開いて、内部に設けられた収容部などにICタグが収容されるようになっている。
【特許文献1】特開2000−348148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなベルトコンベアを備えた読取装置では、装置自体の構造が複雑かつ大掛かりなものになってしまうだけでなく、ICタグがベルトコンベア内で詰まってしまうという問題がある。
また、上記のような開閉ステージを備えた読取装置では、スペースの利用効率を向上させることはできるものの、読み出す度にICタグを収容部に収容するため、例えば読み出しトラブルなどが生じた場合に、前回読み出したICタグを容易に判別することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成により小型化を容易に図ることができるだけでなく、読み出しにおける利便性を向上させることができるICタグ読取装置及び精算機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、ICタグと通信を行うICタグ読取装置であって、水平方向に延びる軸回りに回転可能に支持された回転体と、前記回転体の外周に設けられ、前記ICタグを支持する少なくとも三つの支持部と、前記支持部によって支持されたICタグと通信を行う通信手段とを備え、前記支持部が、前記ICタグの支持を開始する支持開始位置と、前記ICタグを支持し続ける保持位置と、前記ICタグを解放する解放位置とに配されるように、前記回転体の周方向に所定の間隔を空けて配置されており、前記支持開始位置、前記保持位置及び前記解放位置の順に前記支持部が配されるように、前記回転体が回転することを特徴とする。
【0007】
この発明においては、支持部が支持開始位置に配された状態でICタグを支持し、この支持部がICタグを支持したまま保持位置に移動し、さらに、支持部が解放位置に移動してICタグを解放する。
これにより、支持部を支持開始位置に配した状態で、前回の利用者のICタグを保持位置において保持することができる。
【0008】
また、本発明は、前記ICタグが、環状に形成され、前記支持部が、前記回転体の径方向外方に突出する突起部として形成されており、前記ICタグが、前記突起部に通されることによって支持されることを特徴とする。
【0009】
この発明においては、突起部にICタグが通され、これにより、ICタグが支持される。
これにより、ICタグに突起部を通すという簡単な操作で、ICタグを容易に支持することができ、迅速に精算を行うことができる。
【0010】
また、本発明は、前記突起部に通されたICタグが外れないようにロックするロック機構を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明においては、ロック機構により、突起部に通されたICタグが外れないようにロックされる。
これにより、ICタグが突起部から抜け落ちることを防止することができ、それらICタグを確実に支持することができる。
【0012】
また、本発明は、前記ロック機構が、前記突起部の先端に設けられ、かつ、前記径方向に沿った閉位置と、前記径方向に直交する開位置との間で開閉可能な開閉部材を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明においては、開閉部材が閉位置に配された状態で、ICタグに突起部が通され、この状態で、開閉部材が開位置に配されることにより、ICタグが外れないようにロックされる。
これにより、ICタグへの突起部の抜き差しを確実に行うことができる。
【0014】
また、本発明は、前記突起部が前記解放位置に配されたことを検出する検出部と、前記ロック機構によってロックされた状態の前記突起部が、前記検出部によって検出されると、前記ロック機構のロックを解除する制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明においては、検出部によって、突起部が解放位置に配されたことが検出されると、制御部によって、ロック機構のロックが解除される。
これにより、ICタグが突起部から抜け落ちることを防止するだけでなく、解放位置においてICタグを確実に解放することができる。
【0016】
また、本発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のICタグ読取装置と、前記ICタグ読取装置の出力に基づいて料金を計数する支払機とを備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のICタグ読取装置と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回転体を回転させることにより、支持部によって支持されたICタグを、利用位置から保持位置、さらに下方位置へと順に移動させることができるため、簡易な構成により小型化を容易に図ることができるだけでなく、読み出しにおける利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における精算機について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としての精算機と、この精算機に接続されるサーバとを示す構成図である。
精算機1は、例えば遊園地、展示場、ホールなどの各種施設の出入口に設置されるものであり、利用者による施設内での飲食や買い物など種々の取引によって生じた料金の支払いを出口で一括精算するためのものである。
また、サーバ4は、利用者の施設内での取引により生じた料金について、利用者ごとの料金情報として、取引ごとに記憶部22に逐次記憶し、この記憶部22に記憶された料金情報を、支払機3に対して出力するものである。
【0020】
精算機1は、ICタグ44(図7に示す)の記憶部に記憶された情報を読み取る読取装置2と、料金を計数する支払機3とを備えている。
支払機3は、ケーブル13を介してサーバ4に接続されている。そして、読取装置2によってICタグ44から読み出された利用者のID番号(識別情報)が、読取装置2からサーバ4に送信され、サーバ4はそのID番号に対応する料金情報を支払機3に対して出力するようになっている。
支払機3の前面には、利用者の料金情報や投入された金銭、釣銭などの情報を表示する表示部6が設けられている。表示部6の下方には、紙幣を投入するための紙幣投入部7と、貨幣を投入するための貨幣投入部8とが設けられている。さらに、これら紙幣投入部7及び貨幣投入部8の下方には、釣銭が排出される釣銭排出部9と、出口ゲートをオープンするための切符を排出する切符排出部10とが設けられている。
【0021】
支払機3は、図2に示すように、支払機3の処理全体を制御する制御部14を備えている。制御部14は、表示部6に接続されており、料金情報などを表示部6に表示する。また、制御部14は、投入された料金を計数する計数部18と、切符を発券する発券部15とに接続されている。計数部18は、紙幣投入部7及び貨幣投入部8を介して投入された紙幣及び貨幣を計数する。発券部15は、不図示の印刷部などを備えており、制御部14から出力される発券信号に基づいて、料金情報などを用紙に印刷し、その用紙を切断した後、切符排出部10から切符として排出する。また、制御部14は、外部機器と接続するためのI/O部19に接続されている。I/O部19は、ケーブル13を介して、サーバ4に接続するためのものである。
【0022】
また、読取装置2は、図3に示すように、矩形板状の基台25を備えている。基台25の上面には、基台25に直交する方向に延びる連結部24(図1に示す)が設けられている。連結部24の先端には、連結部24の長さ方向に直交する方向に延びる軸線Lを中心として回転可能に支持された円柱状の回転体26が設けられている。すなわち、基台25を水平面に設置することにより、軸線Lは水平方向を向き、回転体26の外周面(外側面)が、鉛直軸と水平軸との2軸平面内で軸線Lを中心として回転するようになっている。
【0023】
回転体26の外周面には、回転体26の径方向外方に突出する突起部(支持部)27が三つ設けられている。突起部27は、回転体26の周方向に均等間隔を空けて配置されている。すなわち、周方向に隣り合う突起部27同士の角度は120度になっている。この突起部27は、利用者の所持する環状のICタグ44内を通され、そのICタグ44を支持するものである。
また、突起部27aが支持開始位置Sに配されると、突起部27bは保持位置Hに配され、突起部27cは解放位置Kに配されるようになっている。
【0024】
支持開始位置Sは、突起部27aが水平方向に向けられた水平位置A1から鉛直方向上方に向けられた鉛直上方位置B1の間の領域内に設定される。
なお、本実施形態では、支持開始位置Sは、水平位置A1から30度上方に向けられた位置に設定されている。
保持位置Hは、鉛直方向B1から、水平位置A1とは反対側の水平位置A2までの間の領域内に設定される。
なお、本実施形態では、保持位置Hは、鉛直上方位置B1から水平位置A2にむけて60度回転した位置(水平位置A2から30度上方に向けられた位置)に設定されている。
解放位置Kは、水平位置A2を越えた位置から水平位置A1の手前までの位置の間の領域内に設定される。
なお、本実施形態では、解放位置Kは、鉛直方向下方に向けられた鉛直下方位置B2と等しくなる位置に設定されている。
そして、回転体26が回転することにより、突起部27が、支持開始位置S、保持位置H、解放位置Kの順にループするようになっている。
【0025】
また、回転体26の内部には、読取装置2の処理全体を制御する制御部(通信手段)28が設けられている。制御部28には、サーバ4と通信を行うための通信部29が接続されている。
また、制御部28には、各突起部27の近傍に設けられた受光部(検出部)35に接続されている。受光部35は、回転体26の回転方向に対して各突起部27の手前の位置に配置されている。受光部35の受光面は、回転体26の径方向外方に向けられている。これら受光部35は、所定の光量以上の光を受けるとオン信号を出力するようになっている。
【0026】
さらに、回転体26の外周面の近傍には、回転体26の外周面側に向けて光を照射する投光部36a,36bが設けられている。投光部36aは、鉛直上方位置B1上に配置されており、投光部36bは、回転体26の回転方向に対して鉛直下方位置B2の手前の位置に配置されている。
【0027】
さらに、突起部27の内部には、突起部27の長さ方向に延びるアンテナ(通信手段)37が設けられている。各アンテナ37は、制御部28に接続されている。
また、突起部27の先端部には、一対の開閉部材(ロック機構)38が設けられている。開閉部材38は、図4及び図5に示すように、長部と短部とが直角に連結され平面視してL字状に形成されている。これら開閉部材38は、それぞれの短部が外側に向けられて長部が対向して配置されている。開閉部材38の交点部は、軸線Lに平行に延びる軸部40が挿通されている。これにより、開閉部材38は、突起部27の長さ方向に向けられて突起部27の先端部内に収容される閉位置E(図4に示す)と、突起部27の延在方向に直交する方向に向けられて長尺部分の先端が突起部の外方に突出する開位置F(図5に示す)との間で開閉可能に支持されている。
【0028】
また、開閉部材38の近傍には、突起部27の先端に向かうにつれて漸次離隔するように互いに傾斜して配置されたシリンダ(ロック機構)41が設けられている。シリンダ41の軸は、開閉部材38の短部の隅部に連結されている。シリンダ41は、不図示の電磁弁を介してエア供給部に連結されている。そして、電磁弁によって連結ポートが切り替えられることにより、シリンダ41内の所定の空間にエアが供給されて、これによりシリンダ41の軸が出没するようになっている。また、電磁弁は制御部28に接続されている。
このような構成のもと、制御部28によって電磁弁が制御され、シリンダ41の軸を出没させることにより、開閉部材38が開閉動作するようになっている。
【0029】
次に、このように構成された本実施形態における精算機1の作用について説明する。
施設への入場に際し、利用者には環状のICタグ44が渡され、その利用者は手首などにICタグ44を装着する。そして、利用者は、施設内の各取引において現金を支払うことなく、装着したICタグ44によって仮精算を行う。すなわち、利用者が、取引現場の近傍に設置された仮精算装置の読取部にICタグ44をかざすと、仮精算装置がICタグ44の記憶部に記憶されたID番号(識別情報)を読み出し、そのID番号に対応付けて取引時の料金を料金情報としてサーバ4に送信する。サーバ4は、通信部21を介して受信した料金情報をID番号ごとに対応付けて記憶部22に記憶する。これにより、各利用者の料金情報が、各ID番号に対応付けられて、サーバ4の記憶部22に記憶される。
【0030】
利用者が施設を出る際には、施設内での仮精算に対して、実際に現金の支払を行う本精算を行ってもらう必要がある。そこで、図6に示すように、施設の出口ゲートGの近傍に、本実施形態における精算機1が設置される。利用者は、軸線Lに直交する方向を向いて、支持開始位置Sに配された突起部27の先端にICタグ44を配する。これにより、図7に示すように、突起部27がICタグ44を挿通し、ICタグ44が支持される。このとき、利用者が個別に精算したいときは、一つの突起部27aに対してICタグ44を一つ配すればよい。また、例えば、家族などのように、複数の利用者で一括処理したい場合には、一つの突起部27aに対して、それら複数の利用者分のICタグ44を配することができる。
【0031】
ICタグ44が突起部27aに支持されると、制御部28は、アンテナ37aを介して、各ICタグ44の記憶部に記憶されたID番号を読み出す。そして、制御部28は、通信部29を介して、各ID番号をサーバ4に送信する。サーバ4は、通信部21を介して、各ID番号を受信すると、各ID番号に対応する利用者の料金情報を記憶部22から読み出して、それら料金情報を支払機3に対して出力する。
【0032】
支払機3の制御部14は、それら料金情報を読み出して、利用者ごとの個別の料金と合計料金とを表示部6に表示する。
利用者は、表示部6に表示された料金に基づいて、紙幣投入部7及び貨幣投入部8を介して、所定の現金を支払機3に投入する。制御部14は、計数部18を介して、紙幣及び貨幣を計数し、投入金額を表示部6に表示する。そして、制御部14は、投入金額が合計料金以上になったときに、発券部15を介して、それら料金情報を印刷して切符排出部10から利用者分の枚数の切符を排出する。なお、投入金額が合計料金よりも多い場合には、制御部14は、表示部6に釣銭情報を表示し、釣銭排出部9から所定額の釣銭を排出する。これによって、現金による本精算が完了する。
【0033】
利用者は、切符排出部10から排出された切符を受け取ると、図6に示すように、出口ゲートGに移動し、切符投入口Tに切符を投入する。これにより、出口ゲートGのゲートがオープンし、利用者が退場する。
【0034】
ここで、ICタグ44が突起部27aに通されると、突起部27aは回転して鉛直上方位置B1に近づけられる。そのため、各ICタグ44は、自重により突起部27aの基端側に移動して互いに密接した状態になる。そして、突起部27aが鉛直上方位置B1に配され、さらに鉛直上方位置B1を越えると、図8に示すように、投光部36aと受光部35aとが互いに対向して配される。そのため、投光部36aから受光部35aに所定光量の光が照射され、これにより受光部35aからオン信号が出力される。
【0035】
制御部28は、そのオン信号を読み出し、突起部27a内のシリンダ41を駆動する電磁弁を所定のポートに切り替える。すると、エア供給部からシリンダ41内の所定の空間にエアが供給されて、図4及び図5に示すように、シリンダ41の軸がシリンダ41内に没する方向に移動し、これにより、開閉部材38が閉位置Eから開位置Fに配される。このとき、一方の開閉部材38の先端から他方の開閉部材38の先端までの距離寸法は、ICタグ44の内径寸法よりも大きくなり、これにより、ICタグ44が突起部27aから抜け落ちることが防止される。
【0036】
さらに、回転体26の回転により、突起部27aが保持位置Hに配されると、突起部27bは解放位置Kに配され、突起部27cは支持開始位置Sに配された状態になる。すなわち、次の利用者が突起部27cにICタグを配そうとするときに、前回の利用者のICタグ44は、保持位置Hに配されることになる。
それから、図9に示すように、突起部27aが、水平位置A2を通過すると、突起部27aの先端が下方を向く。そのため、ICタグ44は、自重により突起部27aの先端に移動するが、開閉部材38に当接することにより、突起部27aから抜け落ちることはない。それから、突起部27aが鉛直下方位置B2に配されると、図10に示すように、投光部36bと受光部35aとが互いに対向して配される。そのため、投光部36bから受光部35aに所定光量の光が照射され、これにより受光部35aからオン信号が出力される。
【0037】
制御部28は、そのオン信号を読み出し、突起部27a内のシリンダ41を駆動する電磁弁を別のポートに切り替える。すると、エア供給部からシリンダ41内の他の空間にエアが供給されて、図4及び図5に示すように、シリンダ41の軸が突出する方向に移動し、これにより、開閉部材38が開位置Fから閉位置Eに配される。そのため、ICタグ44が解放されて、図10に示すように、自重により突起部27aの先端からICタグ44が抜け落ちていく。そして、ICタグ44は、回転体26の下方に設けられた収容部46に収容される。
【0038】
以上より、本実施形態における精算機1によれば、次の利用者が突起部27cにICタグを配そうとするときに、前回の利用者のICタグ44を保持位置Hに配することができる。すなわち、次の利用者の本精算のとき、前回の利用者のICタグ44を収容部46に収容することなく保持位置Hにおいて保持することができるので、前回の利用者のICタグ44を参照したいなどの事情が生じたとしても必要なICタグ44を簡単かつ迅速に得ることができる。また、突起部27を軸線Lを中心として回転させることから、設置スペースの利用効率を向上させることができる。
そのため、精算機1によれば、簡易な構成により小型化を容易に図ることができるだけでなく、読み出しにおける利便性を向上させることができる。
【0039】
また、ICタグ44に突起部27を通すという簡単な操作で、ICタグ44を容易に支持することができ、迅速に本精算を行うことができる。
さらに、開閉部材38が設けられていることから、ICタグ44が突起部から抜け落ちることを防止することができ、それらICタグ44を確実に支持することができる。
また、制御部28によって開閉部材38の開閉を制御することから、ICタグ44が抜け落ちることを防止するだけでなく、解放位置KにおいてICタグ44を確実に収容部46に収容することができる。
【0040】
なお、上記実施形態においては、突起部27を三つ設けるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも三つ設ければよく、それら設置数は適宜変更可能である。例えば、突起部27を四つ、五つ及びそれ以上設けることにより、利用者の本精算の処理効率を向上させることができるだけでなく、前回、前々回の利用者のICタグを保持することができる。
また、突起部27の設置間隔を均等間隔としたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。
【0041】
また、サーバ4を設置して、このサーバ4に料金情報を記憶させるとしたが、これに限ることはなく、サーバ4を設けなくてもよい。この場合、読取装置2と支払機3とをケーブルや無線などの手段を用いて接続し、ICタグ44の記憶部に、ID番号に対応させて料金情報を記憶させるようにすればよい。そして、読取装置2は、ICタグ44から料金情報を直接読み出して、支払機3に送信すればよい。
また、支払機3とサーバ4とをケーブル13で接続するとしたが、これに限ることはなく、無線接続するようにしてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る精算機の第1の実施形態を示す図であって、サーバと読取装置とを無線接続した様子を示す構成図である。
【図2】図1の支払機を機能ごとに示すブロック図である。
【図3】図1の読取装置を拡大して示す正面図である。
【図4】図3の突起部の先端部を拡大して示す図であって、開閉部材が閉位置に配された様子を示す説明図である。
【図5】図3の突起部の先端部を拡大して示す図であって、開閉部材が開位置に配された様子を示す説明図である。
【図6】図1の精算機が施設の出口ゲートの近傍に設置された様子を示す図であって、利用者が本精算を完了して出口ゲートに向かう様子を示す説明図である。
【図7】図3の突起部にICタグが配される様子を示す説明図である。
【図8】図7の回転体が回転し、開閉部材が開位置に配された様子を示す説明図である。
【図9】図8の回転体が回転し、ICタグが自重により突起部の先端に移動する様子を示す説明図である。
【図10】図9の回転体が回転し、ICタグが解放されて収容部に収容される様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 精算機
2 読取装置
3 支払機
26 回転体
27 突起部(支持部)
28 制御部(通信手段)
35 受光部(検出部)
37 アンテナ(通信手段)
38 開閉部材(ロック機構)
41 シリンダ(ロック機構)
44 ICタグ
E 閉位置
F 開位置
H 保持位置
K 解放位置
S 支持開始位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグと通信を行うICタグ読取装置であって、
水平方向に延びる軸回りに回転可能に支持された回転体と、
前記回転体の外周に設けられ、前記ICタグを支持する少なくとも三つの支持部と、
前記支持部によって支持されたICタグと通信を行う通信手段とを備え、
前記支持部が、前記ICタグの支持を開始する支持開始位置と、前記ICタグを支持し続ける保持位置と、前記ICタグを解放する解放位置とに配されるように、前記回転体の周方向に所定の間隔を空けて配置されており、
前記支持開始位置、前記保持位置及び前記解放位置の順に前記支持部が配されるように、前記回転体が回転することを特徴とするICタグ読取装置。
【請求項2】
前記ICタグが、環状に形成され、
前記支持部が、前記回転体の径方向外方に突出する突起部として形成されており、
前記ICタグが、前記突起部に通されることによって支持されることを特徴とする請求項1に記載のICタグ読取装置。
【請求項3】
前記突起部に通されたICタグが外れないようにロックするロック機構を備えることを特徴とする請求項2に記載のICタグ読取装置。
【請求項4】
前記ロック機構が、前記突起部の先端に設けられ、かつ、前記径方向に沿った閉位置と、前記径方向に直交する開位置との間で開閉可能な開閉部材を備えることを特徴とする請求項3に記載のICタグ読取装置。
【請求項5】
前記突起部が前記解放位置に配されたことを検出する検出部と、
前記ロック機構によってロックされた状態の前記突起部が、前記検出部によって検出されると、前記ロック機構のロックを解除する制御部と
を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のICタグ読取装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のICタグ読取装置と、
前記ICタグ読取装置の出力に基づいて料金を計数する支払機と
を備えることを特徴とする精算機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−123178(P2008−123178A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305190(P2006−305190)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(506193040)神電エンジニアリング株式会社 (4)
【Fターム(参考)】