ICチップ内蔵シート
【課題】ICチップが機械的外力を受けにくく、またテープが引き抜かれにくく、更にICチップの脱落や損傷がないICチップ内蔵シートの提供。
【解決手段】メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップにおいて、該ICチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された外部アンテナ付きICチップ担持テープをシート状物の内部に挿入されていることを特徴とするICチップ内蔵シートであり、前記外部アンテナ付きICチップ担持テープが、その一部が露出した状態でシート状物の内部に挿入されているまたは、シート状物に貼着されており、前記担持テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物であるICチップ内蔵シート。
【解決手段】メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップにおいて、該ICチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された外部アンテナ付きICチップ担持テープをシート状物の内部に挿入されていることを特徴とするICチップ内蔵シートであり、前記外部アンテナ付きICチップ担持テープが、その一部が露出した状態でシート状物の内部に挿入されているまたは、シート状物に貼着されており、前記担持テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物であるICチップ内蔵シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外部アンテナ付きICチップ内蔵シートより詳しくはRFIDチップ内蔵シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機技術の進歩によって有価証券類の偽造が容易となり、大きな社会問題となっているため、紙幣、商品券、小切手、株券、パスポート、身分証明書、カード等は不正に変造、偽造できないように、各種の偽造防止対策が施されている。
【0003】
偽造防止対策としては、紙層間に「スレッド」と称する糸状物(テープ)を抄き込んだ、いわゆる「スレッド入り紙」と称する偽造防止用紙が開発されている(特許文献1〜4)。スレッド入り紙は、スレッドを抄き込む高度の技術を要するため、偽造防止手段として適しており、各国で紙幣や商品券などにも多く使用されている。
【0004】
また、スレッド入り紙の偽造防止効果をより一層高めるために、抄き入れを施したり、スレッドの表面に金属蒸着層からなるマイクロ文字やマイクロ画像を形成したりする技術も提案されている(特許文献5)。
【0005】
最近では、偽造防止効果をさらに高めるために、細幅のフィルムの片面にICチップを接着したスレッドを、紙やプラスチックシートのごときシート状物に挿入する方法も提案されている(特許文献6、7)
【0006】
上記特許文献6、7に開示されているようなICチップを接着したスレッドを用いた偽造防止用紙は、単にスレッドを用いた偽造防止用紙に比べてより優れた偽造防止機能を発揮する。しかし、その構造上、以下のような問題を生じる恐れがある。
【0007】
スレッドのICチップを接着した部分が凸部となるため、外力によりICチップがはがれやすい。特に、抄紙工程(ワイヤー、プレス、ドライヤー、カレンダー)での機械的外力・熱等がかかる箇所で、ICチップがスレッドから剥離し脱落する可能性があるが、このような脱落が生じた場合は、抄紙工程で脱落したことを検知することは難しいため、抄紙後に偽造防止券として印刷した後に一枚でもICチップの脱落品が確認されると、ナンバリング(偽造防止券に付与される番号)印刷で刷り直さなければならないと言う問題が発生する。また、流通時や使用時において、ICチップが脱落する可能性もある。
【0008】
又、スレッドのICチップを接着した部分が凸部となるため、カレンダーなどの外力でICチップ自体が損傷し、回路・機能が損なわれる可能性がある。ICチップにかかる外力を低減するために、紙のスレッドを挿入する部分に溝を設ける構成も考えられる。しかし、この場合も、ICチップが接着された部分は、フィルムだけの部分よりも厚いために盛り上がり部分となる。そのため、外力の集中を避ける効果には限界がある。
特に、シート状物が紙の場合、テープ材質としても少なくとも一部が紙の方が紙製造時の乾燥時の熱による伸縮率がシート状物とテープが近くなるため相互間の接着がよく、結果としてICチップ内蔵シートにおけるテープ引き抜きが困難となる。
【特許文献1】特開昭48−75808公報
【特許文献2】特開昭50−88377号公報
【特許文献3】特開昭51−130308号公報
【特許文献4】特開平10−292297号公報
【特許文献5】特開平10−219597号公報
【特許文献6】特開2002−319006号公報
【特許文献7】特開2004−139405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ICチップが機械的外力を受けにくく、またテープが引き抜かれにくく、更にICチップの脱落や損傷がないICチップ内蔵シートを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の態様を含む。
(1)メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された、外部アンテナ付きICチップ担持テープをシート状物の内部に挿入されているICチップ内蔵シート。
(2)前記外部アンテナ付きICチップ担持テープが、その一部が露出した状態でシート状物の内部に挿入されている(1)に記載のICチップ内蔵シート。
(3)前記テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物である(1)に記載のICチップ内蔵シート。
【0011】
(4)メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合した外部アンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された、外部アンテナ付きICチップ担持テープが、シート状物に貼着されているICチップ内蔵シート。
(5)テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物である(4)に記載のICチップ内蔵シート。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ICチップがテープ本体に埋設されているので、機械的外力を受けにくい為、ICチップの脱落や損傷がないICチップ内蔵シートを得ることができる。
特にシート素材が紙の場合、シート素材とテープ素材が同一となり接着性が増しICチップ内蔵シートからテープの引く抜きが困難となりより偽造防止効果が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を用いて、本発明について詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、説明の便宜上、寸法比を実際のものと異なったものとし、特に、厚み方向を拡大して示してある。
【0014】
本発明によれば、図1、図2に示したように、テープ20の表面または裏面に外部アンテナ11を備えた半導体チップ10を接着剤で接着する。この時ICチップ本体を予め設けた穴の中に埋設する。接着剤としてPVA、澱粉、アルギン酸ソーダ等の水溶性接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、熱可塑性SBR系接着剤、ホットメルト系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系接着剤、フェノキシ樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリスルホン系接着剤等を単独、もしくは組み合わせて使用できる。特に耐水性と耐熱性に優れた接着剤が好ましく、例えば2液硬化型のエポキシ接着剤が代表的な例である。また、接着剤を瞬間的に硬化させたい場合には、紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。テープ本体20の幅に限定はないが、幅1〜10mmとすることが好ましい。長さは、長ければ長いほど好ましいが、500〜20000mとすることができる。
テープ本体20は、第1基材、第2基材とを備えている。第1基材と第2基材とは、別体として貼り合わせられたものでも、同じ素材で一体的に構成されているものでもよい。
【0015】
本ICチップ10はIC(集積回路)にアンテナが接続されたものである。ICチップ10はこれに電気エネルギーを与えることで、非接触認識方式により、メモリ内に記憶させた情報を読み出し、及び/又は書き込みできるようになっている。
ICチップ10は、できるだけ小さいものが好ましいが、通常一辺が1mm以下であれば使用可能であり、0.6mm以下であることが好ましい。厚みは最終製品のICチップ内蔵シートの厚みより薄ければよい。例えば、一辺0.4mm、厚さ160μmの微細かつ薄型のものが使用可能となっている。ICチップ10の製造方法は特に限定するものではないが、例えば、前記特許文献6に記載されている方法で製造することができる。
【0016】
第1基材と第2基材の材質に特に限定はないが、紙、プラスチックフィルム等を使用できる。中でも、第1基材と第2基材の一方を紙とし、他方をプラスチックフィルムとしたものが、ICチップ内蔵テープとして紙等に漉き込むときに伸びが少ないため好ましい。
【0017】
プラスチックフィルムの基材としては、絶縁性、機械的強度、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、テレフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール共重合体、シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押出フィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などがある。
【0018】
紙としては特に制限を受けることはないが、ICチップ10との通信を阻害する金属等が含まれた紙は好ましくない。また、必要に応じて合成紙も使用することができる。
【0019】
本実施形態のICチップ内蔵テープでは、ICチップ10の全部がテープ本体20に埋設されているので、機械的外力を受けにくい。したがって、本実施形態のICチップ内蔵テープによれば、ICチップ10の脱落や損傷がないICチップ内蔵シートを得ることができる。
【0020】
[ICチップ内蔵シート]
(ICチップ内蔵シートの第1実施形態)
図3、図4は、本発明に係るICチップ内蔵シートの第1実施形態の概略構成図で、図3は平面図、図4は、図3のIII−III’断面図である。
図3、図4に示すように、本実施形態のICチップ内蔵シートは、本発明に係るICチップ内蔵テープ1とシート状物2とから構成されており、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2の内部に挿入されている。
【0021】
シート状物2の材質に特に限定はなく紙、プラスチックフィルム等を使用できる。中でも、紙を用いると、抄紙工程においてICチップ内蔵テープ1を挿入することができるので好ましい。本実施形態のICチップ内蔵シートを製造する方法としては、抄紙工程でICチップ内蔵テープを挿入する一層抄き、又は多層抄きの方法、あるいは、複数の基材シートを貼合する方法が挙げられる。
【0022】
1層抄きの方法としては、例えば長網抄紙機のスライスから抄紙網に供給される紙料と共にICチップ内蔵テープ1を繰り出して、抄紙網上に形成される紙層の内部にICチップ内蔵テープ1を埋没させるように挿入する方法(特開昭51−13039号)や、長網抄紙機のフローボックスから流出する紙料へICチップ内蔵テープ1の挿入装置を設置し、空気流でICチップ内蔵テープ1と紙料を非接触状態としながらICチップ内蔵テープ1を抄き込む方法(特開平2−169790号)が挙げられる。
多層抄きの方法としては、例えば多槽式円網抄紙機を用いて少なくとも2層からなる抄合わせ紙を製造するに際して、各紙層を重ね合わせる直前でICチップ内蔵テープ1を紙層間に挿入して抄き込む方法が採用できる。この場合最外層の一対の紙層と内層の紙層との少なくとも3層からなる抄合わせ紙とすることが好ましい。
【0023】
多層抄きの場合、ICチップ内蔵テープが挿入される層の挿入位置部分の全部又は一部に、シート原料を付着せずに抄造することが好ましい。より具体的には、ICチップ内蔵テープが挿入される層において、ICチップ内蔵テープの巾に相当する巾でシート原料を付着させない部分を設けて抄造することが好ましい。 ただし、シート原料を付着しない部分は、必ずしもICチップ内蔵テープと同一巾である必要ではなく、ICチップ内蔵シートの表面に凸凹が発生しない範囲で多少の狭広があってもよい。シート原料を付着しない部分がICチップ内蔵テープより巾広の方が万一ICチップ内蔵テープが挿入時に蛇行しても、該付着しない部分からはみ出さないので好ましい。更に必ずしも連続的にシート原料を付着せずに抄造する必要もなく、例えば、ICチップ埋設部分の紙厚が薄くなるように、数ミリ間隔でシート原料付着の有無を繰り返しても良い。
【0024】
図5、図6は第1実施形態の変形例を示す概略構成図で図5は平面図、図6は、図5のV−V’断面図である。同様に図7、図8は第1実施形態の他の変形例を示す概略構成図で図7は平面図、図8は図7のVII-VII’断面図である。
これらの変形例のICチップ内蔵シートでは、シート状物2が最外層となる上層2aと下層2cとの間に、内層2bが設けられた3層構造とされており、ICチップ内蔵テープ1は、内層2に挿入されている。そして内層2bには、ICチップ内蔵テープ1の挿入位置部分シート原料を付着させない抄き入れ部2dが設けられている。この抄き入れ部2dの巾は、ICチップ内蔵テープ1よりも若干巾広とされている。
抄き入れ分2dは図5、図6の変形例では、ICチップ内蔵テープ1の挿入位置部分全部に連続して設けられている。一方、図7、図8の変形例では、ICチップ内蔵テープ1の挿入部分の一部(ICチップ埋設部分に相当する部分)に間隔を空けて設けられている。
【0025】
一層抄き、又は多層抄きの方法を用いる場合、紙層とICチップ内蔵テープ1が強固に接着していないと、ICチップ内蔵テープ1が何かに引っ張られて、紙層間から抜けてしまう恐れがある。このような問題の解決手段として、例えば、抄紙工程においてサイズプレス液に水溶性樹脂を使用したり、ICチップ内蔵テープ1に予め熱可塑性樹脂や水溶性樹脂を塗工して紙層との接着強度を向上させたりする方法を採るのがよい。また、ICチップ内蔵テープ1の基材としてフィルムと紙とを用いることにより、紙層との接着強度を向上させることも考えられる。
【0026】
次いで、複数の基材シートを貼合する方法により紙層間にICチップ内蔵テープ1を挿入する方法について説明する。この場合、基材シートの材質に限定はなく、紙の他、プラスチックフィルム等も使用できる。
貼合のために使用する樹脂としては、水溶性樹脂、熱可塑性高分子からなる熱溶融性樹脂及び熱硬化性樹脂等が挙げられるが、貼合後に再剥離することが困難な硬化型タイプを使用することが望ましい。
【0027】
接着力、取扱いの容易さ等の点で、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ニトリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ハロゲン化ゴム、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂あるいはこれらの樹脂を構成する単量体の共重合体等が好ましく使用し得る。
【0028】
中でもポリエステル樹脂、低密度ポリエチレン、アタクティックポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無水フタール酸共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ナイロン−12、テレフタル酸−1.3−ブタジオール系共重合体等が好ましく用いられる。かかる熱可塑性高分子からなる熱溶融性樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用することも勿論可能である、また硬化剤を併用することも可能である。
【0029】
貼合させる具体的な方法としては、(a)いずれかの基材シート表面にICチップ内蔵テープ1を配置し、接合する他の基材シート表面に樹脂を塗工し、これら基材シート同士を貼合させる方法、あるいは(b)予め基材シート表面に樹脂層を設けておき、しかる後にICチップ内蔵テープ1を配置した状態で他の基材シートと重ねて貼合する方法、更には、(c)いずれかの基材シート表面にICチップ内蔵テープ1を配置し、更にその上にフィルム状又は粉末状の樹脂を介在させ他の基材シートを重ね、しかる後、該フィルム状又は粉末を加熱溶融して基材シート同士を貼合させる方法等が挙げられる。貼合の安定性、作業能率等を考慮すると、上記(b)の方法が最も好ましい。
【0030】
また、フィルム状樹脂を用いる場合にはバキューム法、熱プライマー処理による低温ラミネート法等が採用され、粉末状接合剤を用いる場合には静電塗工、メッシュロール型散布法、溶射法、スプレー法、スクリーン印刷等が採用し得る。
【0031】
(ICチップ内蔵シートの第2実施形態)
図9、図10は、本発明に係るICチップ内蔵シートの第2実施形態の概略構成図で、図9は平面図、図10は、図9のIX−IX’断面図である。
図9、図10に示すように、本実施形態のICチップ内蔵シートは、本発明に係るICチップ内蔵テープ1とシート状物2とから構成されており、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2の内部に挿入されている。ただし、ICチップ内蔵テープ1の一部は、シート状物2に設けられた窓空き部2aにおいて、露出した状態とされている。本実施形態では、さらに、窓空き部2aに抄き入れ文字3が施されている。
【0032】
本実施形態のICチップ内蔵シートを製造する方法としては、抄紙網ワイヤー上の紙料懸濁液に、凹凸を有するガイドの凸部先端にICチップ内蔵テープ1を通した溝を有するベルト機構を埋没する方法(特公平5−085680号)、長網抄紙機ワイヤー上の回転ドラム内に圧縮空気ノズルを内蔵させ、予め湿紙に挿入したICチップ内蔵テープ1上のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き飛ばしてICチップ内蔵テープ1を露出させる方法(特開平06−272200号)、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網に使用し、ICチップ内蔵テープ1を網表面の凹凸部に接触させながら挿入して窓開き部分にICチップ内蔵テープ1を抄き込む方法(米国特許第4462866号)等が挙げられる。
さらに多槽式円網抄紙機を用いて最外層の紙層と内層の紙層との少なくとも2層からなる抄き合わせ紙を製造する際に、最外層の紙層(または内層の紙層)に間欠的に窓開き部を形成し、これを窓開き部のない内層の紙層(または最外層の紙層)と重ね合わせる直前でICチップ内蔵テープ1を紙層間に挿入し、窓開き部からICチップ内蔵テープ1が露出するようにする方法も採用できる。
【0033】
(ICチップ内蔵シートの第3、第4実施形態)
図11、図12は、本発明に係るICチップ内蔵シートの第3実施形態、及び第4実施系の概略構成を示す断面図である。
図11、図12に示すように、これらの実施形態のICチップ内蔵シートも、各々本発明に係るICチップ内蔵テープ1とシート状物2とから構成されている。
図11に示す第3実施形態では、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2に設けられた溝に貼着されている。一方、図11に示す第4実施形態では、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2の表面に貼着されている。
第3実施形態は、溝によりICチップ内蔵テープ1を機械的外力から保護できるので、第4実施形態よりも好ましい。なお、溝の深さは、ICチップ、ICチップ内蔵テープ1、シート状物2の厚みや材質によって適時変更することができるが、およそICチップの厚みの0.5〜2倍が好ましい。
【0034】
第3実施形態のICチップ内蔵シートを製造する方法としては、ICチップ内蔵テープ1が挿入される部分の紙層だけ薄くして、ICチップ内蔵テープ1を挿入するための溝を形成しておくことが有効である。具体的には、公知の抄き入れの技術を使用することができる。例えば、円網シリンダーの上網に針金、金属、樹脂、紙等をハンダ付けしたり樹脂で貼り付けたりする方法、網に塗料や樹脂を塗布して網目を塞ぐ方法、抄紙網自体に直接凹凸をつける方法、網に感光性樹脂を利用して型を取り付ける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分に圧縮空気を吹きかける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分を擦過ロールにより擦過する方法等が挙げられる。
【0035】
ICチップ担持テープの製造方法について
1.所謂微小チップと云われる、1辺0.4mmから0.6mm程度のICチップウエハーを選定する。ICチップウエハーは一般的な6インチサイズか8インチサイズのものである。ウエハーの厚みは一般的に、600ミクロンくらいであるが、これを50ミクロン(一般的には50ミクロンから150ミクロン程度の厚み)まで、シリコン面を研磨していく。 回路面側に電気的接続をとるために、突起状の所謂バンプ(通常は金製ないしは、ニッケルに金メッキ製)を作成・取り付ける。 研磨されたシリコン面に粘着性の剥離シートを貼り付ける。(ダイシング後にチップがばらばらになるのを防ぐ目的) 回路面を上にして、その上から25ミクロンから40ミクロンていどの厚みのブレード刃でダイシングを行う。
【0036】
2.キャリアーテープの原紙になるプラスチックシートを用意し、その上に厚み20から30ミクロン程度の金属箔(主に銅またはアルミ製)を両面に施し、所定のアンテナ形状が残るように、エッチングを行う。このようにして、連続状のアンテナ付きキャリアーテープ原紙を作成する。
【0037】
3.剥離シートの粘着性シートに紫外線等を照射し、粘着性をなくし、同時にICチップを、チップ実装機にて、アンテナ所定位置(アンテナとバンプで接続が取れる位置)に実装する。実装法として、アルミアンテナの場合は超音波方式接合法、銅アンテナの場合は、ACFやACP接着剤を使用する。
【0038】
4.このようにして、原姿キャリアーテープが完成する。このとき、電磁誘導通信方式の13.56MHz波長使用のタイプでは、コイル状のアンテナが必要であり、また、電波通信方式のUHFや2.45GHz使用のタイプでは、ダイポールアンテナ(1本の棒状)のアンテナである。こうしたものを巻取り状にし、キャリアーテープとして完成する。
【0039】
5.一般的には、微小チップは2.45GHZのものが多く、以降は2.45GHzの微小チップを念頭に記述する。
ICチップ担持テープは、上記4のインレット搭載のキャリアーテープを再度一つづつのインレット片にカッテイングして、テープ状に作成する。
【0040】
6.ICチップ担持テープは、抄紙時の強度や抄紙条件から考え、幅3mmから30.0mmくらいが適当である。厚みは50ミクロンかそれ以上である。テープは紙製または、プラスチック製または、それらの貼り合せのものがある。4.で作成したインレットは、チップ部が一番厚い。従って、インレット挿入用テープのチップ装着部分に、レーザーなどで深さ40ミクロンから150ミクロン程度(チップの厚みとICチップ担持テープの総厚の要望厚みによって変える)で、チップの大きさより若干大きな大きさの穴をあらかじめ作成しておく。
【0041】
7.項目4で作成したキャリアーテープを、個片にカットし、それぞれをフェースダウン(ひっくり返し)にし、個片のインレットを、挿入テープのチップ用の穴にポジション合わせを行い、装着していく。装着方法は、予め、作成したチップ用穴に接着剤をポッテイングしておき、チップの固定を図る方法と、アンテナ自体をICチップ担持テープに接着させる方法とがある。また、接着の代わりに粘着剤を使用する方法もある。
【0042】
8.このようにして、一定間隔にチップインレットが挿入されたICチップ担持テープが完成する。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(ICチップ内蔵シートの製造)
3層のシリンダーバットを備えた円網抄紙機により、抄紙速度30m/分で3層抄合せでICチップ内蔵紙を製造した。この際、第1層目と第2層目(乾燥重量各70g/m2の紙)は、通常の方法で抄合せ、第3層目(乾燥重量70g/m2の紙)を抄き合わせる際に、ICチップ担持テープ(幅6mm、厚み155μm)を挿入し、ICチップ内蔵シートを製造した。
【0044】
実施例2
3層のシリンダーバットを備えた円網抄紙機により、抄紙速度30m/分で3層抄合せでICチップ内蔵紙を製造した。この際、第1層目と第2層目(乾燥重量各70g/m2の紙)は、通常の方法で抄合せ、第3層目(乾燥重量70g/m2の紙)を抄き合わせる際に、実施例1と同じICチップ担持テープを挿入した。
第3層目シリンダーには、ICチップ担持テープが挿入された位置に、所定間隔で10mm角の透かし窓が形成されるように、シリンダー表面にマークを貼って抄合せた。これにより、紙層内に挿入されたICチップ担持テープを、所定間隔で、紙表面から見ることができるICチップ内蔵シートを製造した。
【0045】
実施例3
3層のシリンダーバットを備えた円網抄紙機により、抄紙速度30m/分で3層抄合せでICチップ内蔵紙を製造した。この際、第1層目と第2層目(乾燥重量各50g/m2の紙)は、通常の方法で抄合せ、第3層目(乾燥重量50g/m2の紙)を抄き合わせる際に、ICチップ担持テープ(幅6mm、厚み90μm)を挿入した。
第2層目シリンダーには、ICチップ担持テープが挿入位置に12mm幅の抄紙原料が未付着部分を構成させるためシリンダー一周に幅12mmの帯状連続マークを貼った。これにより、12mm幅ではシート原料が付着せずテープ部分の盛り上がりの無いICチップ内蔵シートを製造した。
【0046】
実施例4
坪量100g/m2の紙にエチレン−酢酸ビニル共重合体接合剤(商品名「サイビノールDBA107」サイデン化学製)をロールコーターでコート量13g/m2となるように塗布し、この接合剤面に坪量100g/m2の紙を貼合させる際に、両紙間に実施例1で使用したICチップ担持テープを挿入しICチップ内蔵シートを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のICチップ内蔵シートは、紙幣、商品券、小切手、株券、パスポート、身分証明書、物流タグ類等に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係わるICチップ内蔵テープ・上面図
【図2】本発明に係わるICチップ内蔵テープ・側面図
【図3】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の概略構成を示す平面図
【図4】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の概略構成を示す断面図
【図5】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の変形例の概略構成を示す平面図
【図6】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の変形例の概略構成を示す断面図
【図7】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の他の変形例の概略構成を示す平面図
【図8】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の他の変形例の概略構成を示す断面図
【図9】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第2実施形態の概略構成を示す平面図
【図10】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第2実施形態の概略構成を示す断面図
【図11】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第3実施形態の他の変形例の概略構成を示す断面図
【図12】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第4実施形態の他の変形例の概略構成を示す断面図
【符号の説明】
【0049】
1・・・ICチップ内臓テープ
2・・・シート状物
3・・・抄き入れ文字
10・・ICチップ
11・・外部アンテナ
12・・ICチップと外部アンテナ接続リード線
20・・テープ本体
【技術分野】
【0001】
本発明は外部アンテナ付きICチップ内蔵シートより詳しくはRFIDチップ内蔵シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機技術の進歩によって有価証券類の偽造が容易となり、大きな社会問題となっているため、紙幣、商品券、小切手、株券、パスポート、身分証明書、カード等は不正に変造、偽造できないように、各種の偽造防止対策が施されている。
【0003】
偽造防止対策としては、紙層間に「スレッド」と称する糸状物(テープ)を抄き込んだ、いわゆる「スレッド入り紙」と称する偽造防止用紙が開発されている(特許文献1〜4)。スレッド入り紙は、スレッドを抄き込む高度の技術を要するため、偽造防止手段として適しており、各国で紙幣や商品券などにも多く使用されている。
【0004】
また、スレッド入り紙の偽造防止効果をより一層高めるために、抄き入れを施したり、スレッドの表面に金属蒸着層からなるマイクロ文字やマイクロ画像を形成したりする技術も提案されている(特許文献5)。
【0005】
最近では、偽造防止効果をさらに高めるために、細幅のフィルムの片面にICチップを接着したスレッドを、紙やプラスチックシートのごときシート状物に挿入する方法も提案されている(特許文献6、7)
【0006】
上記特許文献6、7に開示されているようなICチップを接着したスレッドを用いた偽造防止用紙は、単にスレッドを用いた偽造防止用紙に比べてより優れた偽造防止機能を発揮する。しかし、その構造上、以下のような問題を生じる恐れがある。
【0007】
スレッドのICチップを接着した部分が凸部となるため、外力によりICチップがはがれやすい。特に、抄紙工程(ワイヤー、プレス、ドライヤー、カレンダー)での機械的外力・熱等がかかる箇所で、ICチップがスレッドから剥離し脱落する可能性があるが、このような脱落が生じた場合は、抄紙工程で脱落したことを検知することは難しいため、抄紙後に偽造防止券として印刷した後に一枚でもICチップの脱落品が確認されると、ナンバリング(偽造防止券に付与される番号)印刷で刷り直さなければならないと言う問題が発生する。また、流通時や使用時において、ICチップが脱落する可能性もある。
【0008】
又、スレッドのICチップを接着した部分が凸部となるため、カレンダーなどの外力でICチップ自体が損傷し、回路・機能が損なわれる可能性がある。ICチップにかかる外力を低減するために、紙のスレッドを挿入する部分に溝を設ける構成も考えられる。しかし、この場合も、ICチップが接着された部分は、フィルムだけの部分よりも厚いために盛り上がり部分となる。そのため、外力の集中を避ける効果には限界がある。
特に、シート状物が紙の場合、テープ材質としても少なくとも一部が紙の方が紙製造時の乾燥時の熱による伸縮率がシート状物とテープが近くなるため相互間の接着がよく、結果としてICチップ内蔵シートにおけるテープ引き抜きが困難となる。
【特許文献1】特開昭48−75808公報
【特許文献2】特開昭50−88377号公報
【特許文献3】特開昭51−130308号公報
【特許文献4】特開平10−292297号公報
【特許文献5】特開平10−219597号公報
【特許文献6】特開2002−319006号公報
【特許文献7】特開2004−139405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ICチップが機械的外力を受けにくく、またテープが引き抜かれにくく、更にICチップの脱落や損傷がないICチップ内蔵シートを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の態様を含む。
(1)メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された、外部アンテナ付きICチップ担持テープをシート状物の内部に挿入されているICチップ内蔵シート。
(2)前記外部アンテナ付きICチップ担持テープが、その一部が露出した状態でシート状物の内部に挿入されている(1)に記載のICチップ内蔵シート。
(3)前記テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物である(1)に記載のICチップ内蔵シート。
【0011】
(4)メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合した外部アンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された、外部アンテナ付きICチップ担持テープが、シート状物に貼着されているICチップ内蔵シート。
(5)テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物である(4)に記載のICチップ内蔵シート。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ICチップがテープ本体に埋設されているので、機械的外力を受けにくい為、ICチップの脱落や損傷がないICチップ内蔵シートを得ることができる。
特にシート素材が紙の場合、シート素材とテープ素材が同一となり接着性が増しICチップ内蔵シートからテープの引く抜きが困難となりより偽造防止効果が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を用いて、本発明について詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、説明の便宜上、寸法比を実際のものと異なったものとし、特に、厚み方向を拡大して示してある。
【0014】
本発明によれば、図1、図2に示したように、テープ20の表面または裏面に外部アンテナ11を備えた半導体チップ10を接着剤で接着する。この時ICチップ本体を予め設けた穴の中に埋設する。接着剤としてPVA、澱粉、アルギン酸ソーダ等の水溶性接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、熱可塑性SBR系接着剤、ホットメルト系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系接着剤、フェノキシ樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリスルホン系接着剤等を単独、もしくは組み合わせて使用できる。特に耐水性と耐熱性に優れた接着剤が好ましく、例えば2液硬化型のエポキシ接着剤が代表的な例である。また、接着剤を瞬間的に硬化させたい場合には、紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。テープ本体20の幅に限定はないが、幅1〜10mmとすることが好ましい。長さは、長ければ長いほど好ましいが、500〜20000mとすることができる。
テープ本体20は、第1基材、第2基材とを備えている。第1基材と第2基材とは、別体として貼り合わせられたものでも、同じ素材で一体的に構成されているものでもよい。
【0015】
本ICチップ10はIC(集積回路)にアンテナが接続されたものである。ICチップ10はこれに電気エネルギーを与えることで、非接触認識方式により、メモリ内に記憶させた情報を読み出し、及び/又は書き込みできるようになっている。
ICチップ10は、できるだけ小さいものが好ましいが、通常一辺が1mm以下であれば使用可能であり、0.6mm以下であることが好ましい。厚みは最終製品のICチップ内蔵シートの厚みより薄ければよい。例えば、一辺0.4mm、厚さ160μmの微細かつ薄型のものが使用可能となっている。ICチップ10の製造方法は特に限定するものではないが、例えば、前記特許文献6に記載されている方法で製造することができる。
【0016】
第1基材と第2基材の材質に特に限定はないが、紙、プラスチックフィルム等を使用できる。中でも、第1基材と第2基材の一方を紙とし、他方をプラスチックフィルムとしたものが、ICチップ内蔵テープとして紙等に漉き込むときに伸びが少ないため好ましい。
【0017】
プラスチックフィルムの基材としては、絶縁性、機械的強度、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、テレフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール共重合体、シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押出フィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などがある。
【0018】
紙としては特に制限を受けることはないが、ICチップ10との通信を阻害する金属等が含まれた紙は好ましくない。また、必要に応じて合成紙も使用することができる。
【0019】
本実施形態のICチップ内蔵テープでは、ICチップ10の全部がテープ本体20に埋設されているので、機械的外力を受けにくい。したがって、本実施形態のICチップ内蔵テープによれば、ICチップ10の脱落や損傷がないICチップ内蔵シートを得ることができる。
【0020】
[ICチップ内蔵シート]
(ICチップ内蔵シートの第1実施形態)
図3、図4は、本発明に係るICチップ内蔵シートの第1実施形態の概略構成図で、図3は平面図、図4は、図3のIII−III’断面図である。
図3、図4に示すように、本実施形態のICチップ内蔵シートは、本発明に係るICチップ内蔵テープ1とシート状物2とから構成されており、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2の内部に挿入されている。
【0021】
シート状物2の材質に特に限定はなく紙、プラスチックフィルム等を使用できる。中でも、紙を用いると、抄紙工程においてICチップ内蔵テープ1を挿入することができるので好ましい。本実施形態のICチップ内蔵シートを製造する方法としては、抄紙工程でICチップ内蔵テープを挿入する一層抄き、又は多層抄きの方法、あるいは、複数の基材シートを貼合する方法が挙げられる。
【0022】
1層抄きの方法としては、例えば長網抄紙機のスライスから抄紙網に供給される紙料と共にICチップ内蔵テープ1を繰り出して、抄紙網上に形成される紙層の内部にICチップ内蔵テープ1を埋没させるように挿入する方法(特開昭51−13039号)や、長網抄紙機のフローボックスから流出する紙料へICチップ内蔵テープ1の挿入装置を設置し、空気流でICチップ内蔵テープ1と紙料を非接触状態としながらICチップ内蔵テープ1を抄き込む方法(特開平2−169790号)が挙げられる。
多層抄きの方法としては、例えば多槽式円網抄紙機を用いて少なくとも2層からなる抄合わせ紙を製造するに際して、各紙層を重ね合わせる直前でICチップ内蔵テープ1を紙層間に挿入して抄き込む方法が採用できる。この場合最外層の一対の紙層と内層の紙層との少なくとも3層からなる抄合わせ紙とすることが好ましい。
【0023】
多層抄きの場合、ICチップ内蔵テープが挿入される層の挿入位置部分の全部又は一部に、シート原料を付着せずに抄造することが好ましい。より具体的には、ICチップ内蔵テープが挿入される層において、ICチップ内蔵テープの巾に相当する巾でシート原料を付着させない部分を設けて抄造することが好ましい。 ただし、シート原料を付着しない部分は、必ずしもICチップ内蔵テープと同一巾である必要ではなく、ICチップ内蔵シートの表面に凸凹が発生しない範囲で多少の狭広があってもよい。シート原料を付着しない部分がICチップ内蔵テープより巾広の方が万一ICチップ内蔵テープが挿入時に蛇行しても、該付着しない部分からはみ出さないので好ましい。更に必ずしも連続的にシート原料を付着せずに抄造する必要もなく、例えば、ICチップ埋設部分の紙厚が薄くなるように、数ミリ間隔でシート原料付着の有無を繰り返しても良い。
【0024】
図5、図6は第1実施形態の変形例を示す概略構成図で図5は平面図、図6は、図5のV−V’断面図である。同様に図7、図8は第1実施形態の他の変形例を示す概略構成図で図7は平面図、図8は図7のVII-VII’断面図である。
これらの変形例のICチップ内蔵シートでは、シート状物2が最外層となる上層2aと下層2cとの間に、内層2bが設けられた3層構造とされており、ICチップ内蔵テープ1は、内層2に挿入されている。そして内層2bには、ICチップ内蔵テープ1の挿入位置部分シート原料を付着させない抄き入れ部2dが設けられている。この抄き入れ部2dの巾は、ICチップ内蔵テープ1よりも若干巾広とされている。
抄き入れ分2dは図5、図6の変形例では、ICチップ内蔵テープ1の挿入位置部分全部に連続して設けられている。一方、図7、図8の変形例では、ICチップ内蔵テープ1の挿入部分の一部(ICチップ埋設部分に相当する部分)に間隔を空けて設けられている。
【0025】
一層抄き、又は多層抄きの方法を用いる場合、紙層とICチップ内蔵テープ1が強固に接着していないと、ICチップ内蔵テープ1が何かに引っ張られて、紙層間から抜けてしまう恐れがある。このような問題の解決手段として、例えば、抄紙工程においてサイズプレス液に水溶性樹脂を使用したり、ICチップ内蔵テープ1に予め熱可塑性樹脂や水溶性樹脂を塗工して紙層との接着強度を向上させたりする方法を採るのがよい。また、ICチップ内蔵テープ1の基材としてフィルムと紙とを用いることにより、紙層との接着強度を向上させることも考えられる。
【0026】
次いで、複数の基材シートを貼合する方法により紙層間にICチップ内蔵テープ1を挿入する方法について説明する。この場合、基材シートの材質に限定はなく、紙の他、プラスチックフィルム等も使用できる。
貼合のために使用する樹脂としては、水溶性樹脂、熱可塑性高分子からなる熱溶融性樹脂及び熱硬化性樹脂等が挙げられるが、貼合後に再剥離することが困難な硬化型タイプを使用することが望ましい。
【0027】
接着力、取扱いの容易さ等の点で、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ニトリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ハロゲン化ゴム、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂あるいはこれらの樹脂を構成する単量体の共重合体等が好ましく使用し得る。
【0028】
中でもポリエステル樹脂、低密度ポリエチレン、アタクティックポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無水フタール酸共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ナイロン−12、テレフタル酸−1.3−ブタジオール系共重合体等が好ましく用いられる。かかる熱可塑性高分子からなる熱溶融性樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用することも勿論可能である、また硬化剤を併用することも可能である。
【0029】
貼合させる具体的な方法としては、(a)いずれかの基材シート表面にICチップ内蔵テープ1を配置し、接合する他の基材シート表面に樹脂を塗工し、これら基材シート同士を貼合させる方法、あるいは(b)予め基材シート表面に樹脂層を設けておき、しかる後にICチップ内蔵テープ1を配置した状態で他の基材シートと重ねて貼合する方法、更には、(c)いずれかの基材シート表面にICチップ内蔵テープ1を配置し、更にその上にフィルム状又は粉末状の樹脂を介在させ他の基材シートを重ね、しかる後、該フィルム状又は粉末を加熱溶融して基材シート同士を貼合させる方法等が挙げられる。貼合の安定性、作業能率等を考慮すると、上記(b)の方法が最も好ましい。
【0030】
また、フィルム状樹脂を用いる場合にはバキューム法、熱プライマー処理による低温ラミネート法等が採用され、粉末状接合剤を用いる場合には静電塗工、メッシュロール型散布法、溶射法、スプレー法、スクリーン印刷等が採用し得る。
【0031】
(ICチップ内蔵シートの第2実施形態)
図9、図10は、本発明に係るICチップ内蔵シートの第2実施形態の概略構成図で、図9は平面図、図10は、図9のIX−IX’断面図である。
図9、図10に示すように、本実施形態のICチップ内蔵シートは、本発明に係るICチップ内蔵テープ1とシート状物2とから構成されており、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2の内部に挿入されている。ただし、ICチップ内蔵テープ1の一部は、シート状物2に設けられた窓空き部2aにおいて、露出した状態とされている。本実施形態では、さらに、窓空き部2aに抄き入れ文字3が施されている。
【0032】
本実施形態のICチップ内蔵シートを製造する方法としては、抄紙網ワイヤー上の紙料懸濁液に、凹凸を有するガイドの凸部先端にICチップ内蔵テープ1を通した溝を有するベルト機構を埋没する方法(特公平5−085680号)、長網抄紙機ワイヤー上の回転ドラム内に圧縮空気ノズルを内蔵させ、予め湿紙に挿入したICチップ内蔵テープ1上のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き飛ばしてICチップ内蔵テープ1を露出させる方法(特開平06−272200号)、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網に使用し、ICチップ内蔵テープ1を網表面の凹凸部に接触させながら挿入して窓開き部分にICチップ内蔵テープ1を抄き込む方法(米国特許第4462866号)等が挙げられる。
さらに多槽式円網抄紙機を用いて最外層の紙層と内層の紙層との少なくとも2層からなる抄き合わせ紙を製造する際に、最外層の紙層(または内層の紙層)に間欠的に窓開き部を形成し、これを窓開き部のない内層の紙層(または最外層の紙層)と重ね合わせる直前でICチップ内蔵テープ1を紙層間に挿入し、窓開き部からICチップ内蔵テープ1が露出するようにする方法も採用できる。
【0033】
(ICチップ内蔵シートの第3、第4実施形態)
図11、図12は、本発明に係るICチップ内蔵シートの第3実施形態、及び第4実施系の概略構成を示す断面図である。
図11、図12に示すように、これらの実施形態のICチップ内蔵シートも、各々本発明に係るICチップ内蔵テープ1とシート状物2とから構成されている。
図11に示す第3実施形態では、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2に設けられた溝に貼着されている。一方、図11に示す第4実施形態では、ICチップ内蔵テープ1は、シート状物2の表面に貼着されている。
第3実施形態は、溝によりICチップ内蔵テープ1を機械的外力から保護できるので、第4実施形態よりも好ましい。なお、溝の深さは、ICチップ、ICチップ内蔵テープ1、シート状物2の厚みや材質によって適時変更することができるが、およそICチップの厚みの0.5〜2倍が好ましい。
【0034】
第3実施形態のICチップ内蔵シートを製造する方法としては、ICチップ内蔵テープ1が挿入される部分の紙層だけ薄くして、ICチップ内蔵テープ1を挿入するための溝を形成しておくことが有効である。具体的には、公知の抄き入れの技術を使用することができる。例えば、円網シリンダーの上網に針金、金属、樹脂、紙等をハンダ付けしたり樹脂で貼り付けたりする方法、網に塗料や樹脂を塗布して網目を塞ぐ方法、抄紙網自体に直接凹凸をつける方法、網に感光性樹脂を利用して型を取り付ける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分に圧縮空気を吹きかける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分を擦過ロールにより擦過する方法等が挙げられる。
【0035】
ICチップ担持テープの製造方法について
1.所謂微小チップと云われる、1辺0.4mmから0.6mm程度のICチップウエハーを選定する。ICチップウエハーは一般的な6インチサイズか8インチサイズのものである。ウエハーの厚みは一般的に、600ミクロンくらいであるが、これを50ミクロン(一般的には50ミクロンから150ミクロン程度の厚み)まで、シリコン面を研磨していく。 回路面側に電気的接続をとるために、突起状の所謂バンプ(通常は金製ないしは、ニッケルに金メッキ製)を作成・取り付ける。 研磨されたシリコン面に粘着性の剥離シートを貼り付ける。(ダイシング後にチップがばらばらになるのを防ぐ目的) 回路面を上にして、その上から25ミクロンから40ミクロンていどの厚みのブレード刃でダイシングを行う。
【0036】
2.キャリアーテープの原紙になるプラスチックシートを用意し、その上に厚み20から30ミクロン程度の金属箔(主に銅またはアルミ製)を両面に施し、所定のアンテナ形状が残るように、エッチングを行う。このようにして、連続状のアンテナ付きキャリアーテープ原紙を作成する。
【0037】
3.剥離シートの粘着性シートに紫外線等を照射し、粘着性をなくし、同時にICチップを、チップ実装機にて、アンテナ所定位置(アンテナとバンプで接続が取れる位置)に実装する。実装法として、アルミアンテナの場合は超音波方式接合法、銅アンテナの場合は、ACFやACP接着剤を使用する。
【0038】
4.このようにして、原姿キャリアーテープが完成する。このとき、電磁誘導通信方式の13.56MHz波長使用のタイプでは、コイル状のアンテナが必要であり、また、電波通信方式のUHFや2.45GHz使用のタイプでは、ダイポールアンテナ(1本の棒状)のアンテナである。こうしたものを巻取り状にし、キャリアーテープとして完成する。
【0039】
5.一般的には、微小チップは2.45GHZのものが多く、以降は2.45GHzの微小チップを念頭に記述する。
ICチップ担持テープは、上記4のインレット搭載のキャリアーテープを再度一つづつのインレット片にカッテイングして、テープ状に作成する。
【0040】
6.ICチップ担持テープは、抄紙時の強度や抄紙条件から考え、幅3mmから30.0mmくらいが適当である。厚みは50ミクロンかそれ以上である。テープは紙製または、プラスチック製または、それらの貼り合せのものがある。4.で作成したインレットは、チップ部が一番厚い。従って、インレット挿入用テープのチップ装着部分に、レーザーなどで深さ40ミクロンから150ミクロン程度(チップの厚みとICチップ担持テープの総厚の要望厚みによって変える)で、チップの大きさより若干大きな大きさの穴をあらかじめ作成しておく。
【0041】
7.項目4で作成したキャリアーテープを、個片にカットし、それぞれをフェースダウン(ひっくり返し)にし、個片のインレットを、挿入テープのチップ用の穴にポジション合わせを行い、装着していく。装着方法は、予め、作成したチップ用穴に接着剤をポッテイングしておき、チップの固定を図る方法と、アンテナ自体をICチップ担持テープに接着させる方法とがある。また、接着の代わりに粘着剤を使用する方法もある。
【0042】
8.このようにして、一定間隔にチップインレットが挿入されたICチップ担持テープが完成する。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(ICチップ内蔵シートの製造)
3層のシリンダーバットを備えた円網抄紙機により、抄紙速度30m/分で3層抄合せでICチップ内蔵紙を製造した。この際、第1層目と第2層目(乾燥重量各70g/m2の紙)は、通常の方法で抄合せ、第3層目(乾燥重量70g/m2の紙)を抄き合わせる際に、ICチップ担持テープ(幅6mm、厚み155μm)を挿入し、ICチップ内蔵シートを製造した。
【0044】
実施例2
3層のシリンダーバットを備えた円網抄紙機により、抄紙速度30m/分で3層抄合せでICチップ内蔵紙を製造した。この際、第1層目と第2層目(乾燥重量各70g/m2の紙)は、通常の方法で抄合せ、第3層目(乾燥重量70g/m2の紙)を抄き合わせる際に、実施例1と同じICチップ担持テープを挿入した。
第3層目シリンダーには、ICチップ担持テープが挿入された位置に、所定間隔で10mm角の透かし窓が形成されるように、シリンダー表面にマークを貼って抄合せた。これにより、紙層内に挿入されたICチップ担持テープを、所定間隔で、紙表面から見ることができるICチップ内蔵シートを製造した。
【0045】
実施例3
3層のシリンダーバットを備えた円網抄紙機により、抄紙速度30m/分で3層抄合せでICチップ内蔵紙を製造した。この際、第1層目と第2層目(乾燥重量各50g/m2の紙)は、通常の方法で抄合せ、第3層目(乾燥重量50g/m2の紙)を抄き合わせる際に、ICチップ担持テープ(幅6mm、厚み90μm)を挿入した。
第2層目シリンダーには、ICチップ担持テープが挿入位置に12mm幅の抄紙原料が未付着部分を構成させるためシリンダー一周に幅12mmの帯状連続マークを貼った。これにより、12mm幅ではシート原料が付着せずテープ部分の盛り上がりの無いICチップ内蔵シートを製造した。
【0046】
実施例4
坪量100g/m2の紙にエチレン−酢酸ビニル共重合体接合剤(商品名「サイビノールDBA107」サイデン化学製)をロールコーターでコート量13g/m2となるように塗布し、この接合剤面に坪量100g/m2の紙を貼合させる際に、両紙間に実施例1で使用したICチップ担持テープを挿入しICチップ内蔵シートを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のICチップ内蔵シートは、紙幣、商品券、小切手、株券、パスポート、身分証明書、物流タグ類等に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係わるICチップ内蔵テープ・上面図
【図2】本発明に係わるICチップ内蔵テープ・側面図
【図3】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の概略構成を示す平面図
【図4】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の概略構成を示す断面図
【図5】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の変形例の概略構成を示す平面図
【図6】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の変形例の概略構成を示す断面図
【図7】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の他の変形例の概略構成を示す平面図
【図8】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第1実施形態の他の変形例の概略構成を示す断面図
【図9】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第2実施形態の概略構成を示す平面図
【図10】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第2実施形態の概略構成を示す断面図
【図11】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第3実施形態の他の変形例の概略構成を示す断面図
【図12】本発明に係わるICチップ内蔵シートの第4実施形態の他の変形例の概略構成を示す断面図
【符号の説明】
【0049】
1・・・ICチップ内臓テープ
2・・・シート状物
3・・・抄き入れ文字
10・・ICチップ
11・・外部アンテナ
12・・ICチップと外部アンテナ接続リード線
20・・テープ本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された外部アンテナ付きICチップ担持テープをシート状物の内部に挿入されていることを特徴とするICチップ内蔵シート。
【請求項2】
前記外部アンテナ付きICチップ担持テープが、その一部が露出した状態でシート状物の内部に挿入されていることを特徴とする特許請求項1に記載のICチップ内蔵シート。
【請求項3】
前記テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物であることを特徴とする請求項1記載のICチップ内蔵シート。
【請求項4】
メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された外部アンテナ付きICチップ担持テープが、シート状物に貼着されていることを特徴とするICチップ内蔵シート。
【請求項5】
前記テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物であることを特徴とする請求項4記載のICチップ内蔵シート。
【請求項1】
メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された外部アンテナ付きICチップ担持テープをシート状物の内部に挿入されていることを特徴とするICチップ内蔵シート。
【請求項2】
前記外部アンテナ付きICチップ担持テープが、その一部が露出した状態でシート状物の内部に挿入されていることを特徴とする特許請求項1に記載のICチップ内蔵シート。
【請求項3】
前記テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物であることを特徴とする請求項1記載のICチップ内蔵シート。
【請求項4】
メモリを内蔵した一辺0.6mm以下のICチップに外部アンテナを接合したアンテナ付きICチップのチップ部が細巾にスリットしたテープの内部に埋設された外部アンテナ付きICチップ担持テープが、シート状物に貼着されていることを特徴とするICチップ内蔵シート。
【請求項5】
前記テープ材質が紙又は紙とフィルムの貼合物であることを特徴とする請求項4記載のICチップ内蔵シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−11534(P2007−11534A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189319(P2005−189319)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(000191320)王子特殊紙株式会社 (79)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(000191320)王子特殊紙株式会社 (79)
【Fターム(参考)】
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