説明

IPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体

【課題】送信元のノードからのパケット又は宛先のノードへのパケットが存在しなくても、本来あるべきノードが表示でき、かつそのノードを送信元又は宛先とするパケットが存在しないことを可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体を提供すること、及び、ネットワーク構成図上の各経路の各プロトコルの情報を可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置は、典型的なネットワーク構成をテンプレートとして、初期画面で表示しておき、取得したパケットで生成するネットワーク構成図とその接続状況を、当該テンプレートと重ね合わせることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワーク上を流れるパケットからネットワークの故障箇所を可視化するIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
IPネットワーク上を流れるパケットを取得して、ネットワーク構成図およびその構成図上を流れるトラフィックを、全体を鳥瞰しつつ、部分的に詳細に見やすくするために3D化した可視化方法(例えば、非特許文献1を参照。)や、端末数が多い場合でも分かりやすく表現するためにハイパーポリックツリーを用いる手法(例えば、非特許文献2を参照。)が提案されている。なお、本明細書において、ノードとは、一つの端末を示す場合と、複数の端末をまとめたものの両方を指すものとする。
【非特許文献1】Burns, C.M., Kuo, J.and Ng, S.(2003) “Ecological interface design: a new approach for visualizing network management”, Computer networks, vo1.43,pp. 369−388.
【非特許文献2】Duez, P. P. and Vicente, K. J. (2003)“Ecological interface design for network management”, Proceedings of the Human Factors and Ergonomics Society 47th Annual Meeting, pp. 572−575.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いずれの方法も、パケットを入力として、その情報からネットワーク構成図を生成するため、配線ミス等で、パケットが流れないような故障個所を可視化することができず、本来出現するはずのノードが出現しないことで、配線ミス等の故障を推定しなければならないという課題があった。
【0004】
また、ネットワーク構成図上の各経路の各プロトコルの情報に関しても、疎通のあったプロトコルの情報を可視化したとしても、どの経路にどのようなプロトコルのパケットの疎通があれば正常なのかが不明であるという課題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、送信元のノードからのパケット又は宛先のノードへのパケットが存在しなくても、本来あるべきノードが表示でき、かつそのノードを送信元又は宛先とするパケットが存在しないことを可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体を提供することを第一の目的とする。
【0006】
また、本発明は、ネットワーク構成図上の各経路の各プロトコルの情報を可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体を提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記第一の目的を達成するために、本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置は、典型的なネットワーク構成をテンプレートとして、初期画面で表示しておき、取得したパケットで生成するネットワーク構成図とその接続状況を、当該テンプレートと重ね合わせることとした。
【0008】
具体的には、本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置は、監視対象のネットワークを流れるパケットを取得するパケット取得部と、前記ネットワークの構成を示したテンプレートを記憶するテンプレート記憶部と、前記パケット取得部が取得した前記パケットに含まれる情報に基づき、パケットが疎通している経路の疎通ネットワークを推定し、前記疎通ネットワークと前記テンプレート記憶部が記憶する前記テンプレートとを比較し、前記ネットワークの各経路についてパケットの疎通の有無を判断するネットワーク状態演算部と、前記テンプレート記憶部が記憶する前記テンプレートに、前記ネットワーク状態演算部が判断したパケットの疎通の有無を前記ネットワークの経路毎に表示して出力する出力部と、を備える。
【0009】
前記IPネットワークの故障箇所の可視化装置のIPネットワークの故障箇所の可視化方法は、監視対象のネットワークを流れるパケットを取得するパケット取得手順と、前記ネットワークの構成を示したテンプレートを記憶するテンプレート記憶手順と、前記パケット取得手順で取得した前記パケットに含まれる情報に基づき、パケットが疎通している経路の疎通ネットワークを推定し、前記疎通ネットワークと前記テンプレート記憶手順が記憶する前記テンプレートとを比較し、前記ネットワークの各経路についてパケットの疎通の有無を判断するネットワーク状態演算手順と、前記テンプレート記憶手順で記憶した前記テンプレートに、前記ネットワーク状態演算手順で判断したパケットの疎通の有無を前記ネットワークの経路毎に表示して出力する出力手順と、で、IPネットワークの故障箇所を可視化する。
【0010】
領域を限定すると、ネットワーク構成図のパターンは限定される。例えば、任意の企業が提供する家庭のインターネット接続環境ではネットワーク構成は決まってくる。この典型的なネットワーク構成をテンプレートとして初期画面で表示しておき、取得したパケットで生成するネットワーク構成図とその接続状況を、当該テンプレートと重ね合わせることで、パケットの疎通がないノードを検出できる。
【0011】
従って、本発明は、送信元のノードからのパケット又は宛先のノードへのパケットが存在しなくても、本来あるべきノードが表示でき、かつそのノードを送信元又は宛先とするパケットが存在しないことを可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置及びIPネットワークの故障箇所の可視化方法を提供することができる。
【0012】
前記第二の目的を達成するために、本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置は、任意のタイプのアプリケーションが機能する上で必要な経路、およびその経路において疎通があるべきプロトコルのデータベースを作成しておくこととした。
【0013】
具体的には、本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置の前記テンプレート記憶部は、前記テンプレートに前記ネットワークの各経路にアプリケーション毎に必要なプロトコル情報を含めて記憶し、前記ネットワーク状態演算部は、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に判断し、前記出力部は、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に表示することが好ましい。
【0014】
前記IPネットワークの故障箇所の可視化装置のIPネットワークの故障箇所の可視化方法の前記テンプレート記憶手順では、前記テンプレートに前記ネットワークの各経路にアプリケーション毎に必要なプロトコル情報を含めて記憶し、前記ネットワーク状態演算手順では、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に判断し、前記出力手順では、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に表示することが好ましい。
【0015】
任意のアプリケーションのトラブルシューティングを行う上では、アプリケーションの種別を限定すると、どの経路にどのプロトコルの疎通があればいいかは限定される。このため、任意のタイプのアプリケーションが機能する上で必要な経路、およびその経路において疎通があるべきプロトコルのデータベースを作成しておくことで、画面上からアプリケーションの種別が選択されたら、経路と当該経路に対応するプロトコルとして初期画面に表示でき、取得したテストパケットでネットワーク構成図の経路およびその経路を疎通するプロトコルを重ね合わせて表示することができる。
【0016】
従って、本発明は、ネットワーク構成図上の各経路の各プロトコルの情報を可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置及びIPネットワークの故障箇所の可視化方法を提供することができる。
【0017】
また、本発明に係る記録媒体は、前記IPネットワークの故障箇所の可視化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。前記IPネットワークの故障箇所の可視化方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、送信元のノードからのパケット又は宛先のノードへのパケットが存在しなくても、本来あるべきノードが表示でき、かつそのノードを送信元又は宛先とするパケットが存在しないことを可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体を提供することができる。ユーザは、配線ミスや、断線等の理由により、トラフィックが存在しないことを可視化することが可能となり、トラブル解決が容易になる。
【0019】
さらに、本発明は、ネットワーク構成図上の各経路の各プロトコルの情報を可視化することができるIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体を提供することができる。ネットワーク構成図上の各経路の各プロトコルの情報を可視化されると、プロトコル毎に正常な疎通のテンプレートとの差分かクリアになるため、どの部分がどのような異常であるかを判別しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のIPネットワークの故障箇所の可視化装置301の構成を説明するブロック図である。
【0022】
本実施形態のIPネットワークの故障箇所の可視化装置301は、監視対象のネットワーク101を流れるパケットを取得するパケット取得部11と、ネットワーク101の構成を示したテンプレートを記憶するテンプレート記憶部12と、パケット取得部11が取得したパケットに含まれる情報に基づき、パケットが疎通している経路の疎通ネットワークを推定し、疎通ネットワークとテンプレート記憶部12が記憶するテンプレートとを比較し、ネットワーク101の各経路についてパケットの疎通の有無を判断するネットワーク状態演算部13と、テンプレート記憶部12が記憶するテンプレートに、ネットワーク状態演算部13が判断したパケットの疎通の有無をネットワーク101の経路毎に表示して出力する出力部14と、を備える。
【0023】
図2のような家庭でインターネット100を利用する場合のネットワーク構成のテンプレートを初期画面として表示する例を考える。ここでは、監視対象のネットワーク101とは、インターネット100とルータ201との間、及びルータ201とパーソナルコンピュータ203との間である。
【0024】
テンプレート記憶部12は、ネットワーク101の構成を示したテンプレートを記憶するテンプレート記憶手順を行う。テンプレート記憶部12は、図2のネットワーク構成のテンプレートを記憶している。ネットワーク構成は、ノードとノードを結ぶ経路により構成される。図2では、ノードはインターネット100、ルータ201及びパーソナルコンピュータ203である。
【0025】
パケット取得部11は、監視対象のネットワーク101を流れるパケットを取得するパケット取得手順を行う。パケット取得部11は、監視対象のネットワーク101上を流れるパケットを取得する。パケット取得部11としては、図3のようにポートミラーリング機能が付いているスイッチングハブ202を監視対象ネットワーク101に接続し、スイッチングハブ202の監視対象ポート上を流れるパケットを監視用端末が接続されたポートに複製する手段がある。オンサイトでの保守は、図3のようにスイッチングハブ202を監視対象ネットワーク101に接続してパケット取得部11とすることが好ましい。
【0026】
また、他のパケット取得部11としては、図4のようにネットワークを構成する端末であるルータ201にポートミラーリング機能を内蔵しておき、ルータ201を通過するパケットをIPネットワークの故障箇所の可視化装置301にネットワーク経由で転送する手段も考えられる。遠隔での保守は、図4のようにルータ201からパケットを転送するように設定してパケット取得部11とすることが好ましい。
【0027】
ネットワーク状態演算部13は、パケット取得手順で取得したパケットに含まれる情報に基づき、パケットが疎通している経路の疎通ネットワークを推定し、疎通ネットワークとテンプレート記憶手順が記憶するテンプレートとを比較し、ネットワーク101の各経路についてパケットの疎通の有無を判断するネットワーク状態演算手順を行う。ネットワーク状態演算部13は、パケット取得部11が取得したパケット情報から、ネットワーク101のどの経路にパケットの疎通があるかを計算し、疎通ネットワークを推定する。さらに、ネットワーク状態演算部13は、テンプレート記憶部12が記憶しているネットワーク構成のテンプレートと推定した疎通ネットワークとを突き合わせ、テンプレートのどの部分に疎通があるかを判断する。
【0028】
出力部14は、テンプレート記憶手順で記憶したテンプレートに、ネットワーク状態演算手順で判断したパケットの疎通の有無をネットワーク101の経路毎に表示して出力する出力手順を行う。出力部14は、ネットワーク状態演算部13の判断結果をもとに、テンプレート記憶部12が記憶するテンプレートのどの部分にパケットの疎通があるかをディスプレイに表示する。図5は、テストパケット送信後の表示例である。図5では、インターネット100とルータ201の経路に疎通があるが、ルータ201とパーソナルコンピュータ203には疎通がないことを示している。
【0029】
このように、IPネットワークの故障箇所の可視化装置301は、パケットの疎通がないノードも表示することができ、経路の配線ミス、断線等の故障原因の推定を容易にする。
【0030】
図6は、テストパケット送信後の他の表示例である。図6では、ルータ201から2つのパーソナルコンピュータ203の一方に対してパケット疎通があったことを示している。このように、IPネットワークの故障箇所の可視化装置301は、ネットワーク状態演算部13が計算した各経路の疎通状況の結果、テンプレートのネットワーク構成に存在しないノードが存在していれば、このノードをテンプレートのネットワーク構成に追加して出力部14に表示させることができる。臨時に接続されているノードやネットワーク設定後に接続されたノードを把握することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明したIPネットワークの故障箇所の可視化装置301の構成と同様である。第2の実施形態と第1の実施形態との違いは、テンプレート記憶部12は、ネットワーク構成の経路情報のみならず、その経路に疎通があるべきプロトコルの情報が追加されている点である。
【0032】
具体的には、本実施形態のIPネットワークの故障箇所の可視化装置301のテンプレート記憶部12は、テンプレートにネットワーク101の各経路にアプリケーション毎に必要なプロトコル情報を含めて記憶し、ネットワーク状態演算部13は、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に判断し、出力部14は、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に表示する。
【0033】
テンプレート記憶部12は、テンプレート記憶手順で、テンプレートにネットワーク101の各経路にアプリケーション毎に必要なプロトコル情報を含めて記憶する。ネットワーク状態演算部13は、ネットワーク状態演算手順で、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に判断する。出力部14は、出力手順で、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に表示する。
【0034】
図7は、初期画面の表示例である。左上のタブでアプリケーションの種別を選択する。アプリケーションによって必要なネットワーク構成(経路)とプロトコルが異なる。ここでは、パーソナルコンピュータを用いたWebページの閲覧というアプリケーションの例で説明する。
【0035】
Webページの閲覧で、ネットワーク全体として必要なプロトコルの代表例は左上のタブの直下に示されており、その例としてはHTTP、DNS、IP、PPPoE、DHCP、Etherなどがある。画面下部には、各経路に対応するプロトコルが示されている。インターネット100とルータ201間に閲してはPPPoEのプロトコルの疎通が必要であるが、ルータ201とパーソナルコンピュータ203間ではPPPoEのプロトコルの疎通が不要であることが示されている。
【0036】
図8は、正常性の確認をするためにテストパケット送信後の表示例である。インターネット100とルータ201間は、全てのプロトコルの疎通があるが、ルータ201とパーソナルコンピュータ203間で一部のプロトコルで疎通がない。Etherレイヤーまでは疎通があるので、その上位のレイヤーに故障原因がありそうだという推定が可能となる。
【0037】
(記録媒体の実施例)
本実施形態のIPネットワークの故障箇所の可視化方法は、IPネットワークの故障箇所の可視化方法のプログラム(IPネットワークの故障箇所の可視化プログラム)をコンピュータが実行することで実現することができる。IPネットワークの故障箇所の可視化プログラムは、例えば、記録媒体に格納されて提供される。記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等の記録媒体や、半導体メモリ等が例示される。IPネットワークの故障箇所の可視化プログラムは、LAN(Local Area Network)やインターネットを介して提供されてもよい。
【0038】
図9は、記録媒体90に記録されたプログラムを実行するためのコンピュータ300の例を示した図である。コンピュータ300は、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等の記録媒体90を読み取る記録媒体読み取り装置111と、作業用メモリ(RAM)112と、記録媒体90に記録されたプログラムを記憶するメモリ113と、ディスプレイ114と、入力装置であるマウス115及びキーボード116と、プログラムの実行を制御するCPU117と、データを記憶するハードディスク118と、パケット取得部11として図示しないルータやスイッチングハブに接続するケーブル119と、を備えている。図9では、作業用メモリ112、メモリ113、CPU117及びハードディスク118は筐体に内蔵されるので破線で示している。
【0039】
コンピュータ300は、記録媒体90が記録媒体読み取り装置111に挿入されると、記録媒体読み取り装置111から記録媒体90に格納されたIPネットワークの故障箇所の可視化プログラムがメモリ113にインストールされる。メモリ113へのインストール完了後、CPU117はIPネットワークの故障箇所の可視化プログラムにアクセス可能になり、当該プログラムによって、コンピュータ300は、本実施形態のIPネットワークの故障箇所の可視化装置として動作することが可能になる。
【0040】
コンピュータ300が図1のIPネットワークの故障箇所の可視化装置として動作する場合、CPU117がネットワーク状態演算部13として機能する。ハードディスク118がテンプレート記憶部12として機能する。ディスプレイ114が出力部14として機能する。CPU117は図示しないパケット取得部11で取得したパケットを前述のように解析して疎通ネットワークを推定する。さらに、CPU117は、ハードディスク118が記憶しているネットワーク構成のテンプレートと推定した疎通ネットワークとを突き合わせ、テンプレートのどの部分に疎通があるかを判断する。この判断結果は、作業用メモリ112に一時的に保管される。コンピュータ300は、図5、図6、図8で説明したように判断結果をディスプレイ114に表示することができる。
【0041】
ここでのコンピュータ300は、図9のようなパーソナルコンピュータに限らず、記録媒体読み取り装置111、CPU117を具備しソフトウエアによる処理や制御を行うDVDプレーヤ、ゲーム機、携帯電話などを含む。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置、IPネットワークの故障箇所の可視化方法及び記録媒体は、家庭内LANや企業内LANに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置のテンプレート記憶部が記憶するテンプレートの例を説明する図である。
【図3】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置を監視対象ネットワークに接続した例を説明する図である。
【図4】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置を監視対象ネットワークに接続した例を説明する図である。
【図5】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置の出力部の表示例である。
【図6】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置の出力部の表示例である。
【図7】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置の出力部の表示例である。
【図8】本発明に係るIPネットワークの故障箇所の可視化装置の出力部の表示例である。
【図9】記録媒体に記録されたプログラムを実行するためのコンピュータの例を示した図である。
【符号の説明】
【0044】
11:パケット取得部
12:テンプレート記憶部
13:ネットワーク状態演算部
14:出力部
90:記録媒体
100:インターネット
101:ネットワーク
111:記録媒体読み取り装置
112:作業用メモリ
113:メモリ
114:ディスプレイ
115:マウス
116:キーボード
117:CPU
118:ハードディスク
119:ケーブル
201:ルータ
202:スイッチングハブ
203:パーソナルコンピュータ
300:コンピュータ
301:IPネットワークの故障箇所の可視化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象のネットワークを流れるパケットを取得するパケット取得部と、
前記ネットワークの構成を示したテンプレートを記憶するテンプレート記憶部と、
前記パケット取得部が取得した前記パケットに含まれる情報に基づき、パケットが疎通している経路の疎通ネットワークを推定し、前記疎通ネットワークと前記テンプレート記憶部が記憶する前記テンプレートとを比較し、前記ネットワークの各経路についてパケットの疎通の有無を判断するネットワーク状態演算部と、
前記テンプレート記憶部が記憶する前記テンプレートに、前記ネットワーク状態演算部が判断したパケットの疎通の有無を前記ネットワークの経路毎に表示して出力する出力部と、
を備えるIPネットワークの故障箇所の可視化装置。
【請求項2】
前記テンプレート記憶部は、前記テンプレートに前記ネットワークの各経路にアプリケーション毎に必要なプロトコル情報を含めて記憶し、
前記ネットワーク状態演算部は、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に判断し、
前記出力部は、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に表示すること
を特徴とする請求項1に記載のIPネットワークの故障箇所の可視化装置。
【請求項3】
監視対象のネットワークを流れるパケットを取得するパケット取得手順と、
前記ネットワークの構成を示したテンプレートを記憶するテンプレート記憶手順と、
前記パケット取得手順で取得した前記パケットに含まれる情報に基づき、パケットが疎通している経路の疎通ネットワークを推定し、前記疎通ネットワークと前記テンプレート記憶手順が記憶する前記テンプレートとを比較し、前記ネットワークの各経路についてパケットの疎通の有無を判断するネットワーク状態演算手順と、
前記テンプレート記憶手順で記憶した前記テンプレートに、前記ネットワーク状態演算手順で判断したパケットの疎通の有無を前記ネットワークの経路毎に表示して出力する出力手順と、
で、IPネットワークの故障箇所を可視化するIPネットワークの故障箇所の可視化方法。
【請求項4】
前記テンプレート記憶手順では、前記テンプレートに前記ネットワークの各経路にアプリケーション毎に必要なプロトコル情報を含めて記憶し、
前記ネットワーク状態演算手順では、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に判断し、
前記出力手順では、パケットの疎通の有無をプロトコル毎に表示すること
を特徴とする請求項3に記載のIPネットワークの故障箇所の可視化方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のIPネットワークの故障箇所の可視化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−74688(P2010−74688A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241961(P2008−241961)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】