説明

IPベースのインターフェースを使用してTE2デバイス上でワイヤレスデータサービスをサポートするための方法および装置

【課題】インターネットプロトコル(IP)ベースのインターフェースを使用してワイヤレスデバイスに結合されたTE2デバイス上でワイヤレスデータサービスおよびデータ接続性をサポートする技法を提供する。
【解決手段】ワイヤレスネットワークは、ワイヤレスデバイスに対して単一のIPアドレスを割り当て、ワイヤレスデバイスは、TE2デバイスに対してこのIPアドレスを割り当てる。ワイヤレスデバイスは、単一のIPアドレスを使用してTE2デバイスとワイヤレスネットワークとの間で交換されるパケットを転送する。ワイヤレスデバイスは、(1)TE2デバイスに送信されるアウトバウンドパケットについてプライベートIPアドレスを使用すること、および(2)TE2デバイスから受信されるインバウンドパケットに対してアドレスベースの経路指定またはパケットフィルタリングのいずれかを実行することでTE2デバイスとパケットを交換する。

【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
[分野]
本発明は、一般に、データ通信に関し、より具体的には、TE2デバイス上でワイヤレスデータサービス(wireless data service)をサポートするための方法および装置に関する。
【0002】
[背景]
ワイヤレス通信ネットワーク(wireless communication network)は、音声、パケットデータなど、様々な通信サービスを提供するために広く展開される。ワイヤレスデータ技術(wireless data technology)における進歩と共に、ワイヤレスネットワーク(wireless network)およびワイヤレスデバイス(wireless device)は、多数のワイヤレスデータサービスをサポートすることができる。そのようなワイヤレスデータサービスの例は、地理的な位置に基づいたサービス(geographic position-based services)、マルチメディアストリーミング(multimedia streaming)サービスおよびブロードキャストサービス(broadcast services)、ならびにショートメッセージサービス(Short Message Service)(SMS)およびテキストメッセージングサービス(text messaging service)などを含む。ワイヤレスデータサービスおよびそれらのサービスの能力の範囲は、急速に拡大しており、新しいデータアプリケーション(data application)は、これらのサービスを使用するために絶えず開発されている。
【0003】
ワイヤレスデバイスは、TE2デバイス(TE2 device)に結合され、TE2デバイスのためのワイヤレスデータサービスを提供し、またはサポートするために使用されることができる。ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデータネットワークに対してアクセスを提供することができるセルラ電話(cellular telephone)、ユーザ端末、データカード、または他の何らかのデバイスとすることができる。TE2デバイスは、ラップトップコンピュータ、携帯型個人情報端末(personal digital assistant)(PDA)、または他の何らかのコンピューティングデバイス(computing device)とすることができる。用語「TE2デバイス(TE2 device)」と用語「端末装置(terminal equipment)」は、同義語であり、交換可能に使用される。ワイヤレスデバイスは、例えば内蔵カード、PCMCIA着脱可能カード、コード付き(tethered)モード電話など様々な方法でTE2デバイスに結合されることができる。TE2デバイスは、様々なハードウェア相互接続および/またはソフトウェア相互接続を使用してワイヤレスデバイスと通信することができる。どんな場合も、TE2デバイスは、一般的なインターネットアクセスおよび/または他の形式のデータ接続のためのワイヤレスデータネットワークにアクセスするためにワイヤレスデバイスを使用する。
【0004】
多数のワイヤレスデータサービスは、ワイヤレスデバイス中心の設計に基づいている。これらの設計では、ワイヤレスデータサービスは、ワイヤレスデバイスそれ自体にアクセス可能なだけであり、ワイヤレスデバイスにとって簡単に使用可能である。さらに、ワイヤレスデータサービスは、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)(CDMA)、ユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunication System)(UMTS)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service)(GPRS)、エボリューションデータオンリー(Evolution Data Only)(EVDO)など特定のワイヤレスデータネットワーク技術のために設計される専用の方法を使用して多くの場合に使用可能である。TE2デバイスは、一般的にワイヤレスデータサービスにアクセスするためにワイヤレスデバイスと通信し、ワイヤレスデバイスを利用する。
【0005】
TE2デバイスは、ワイヤレスデバイス上で使用可能な広範な多数のワイヤレスデータサービスにアクセスできることが非常に望ましい。これは、いくつかの理由のために有益である。第1に、もしこれらのサービスがTE2デバイスで使用可能であれば、モバイルユーザは、ワイヤレスデータサービスにアクセスすることが可能であるだけであるかもしれない。例えば、ワイヤレスデバイスは、TE2デバイス内に(例えば、データカードの形式で)内蔵されることができ、もはや(セルラ電話のような)スタンドアロンデバイスとして使用されることはできない。TE2デバイス(そしてワイヤレスデバイスではない)は、その場合には、モバイルユーザに対するユーザインターフェースを提供することになるであろう、また、ワイヤレスデータサービスは、TE2デバイスを経由してアクセス可能であることを必要とするであろう。第2に、TE2デバイス上とワイヤレスデバイス上の両方で使用可能な同じワイヤレスデータサービスを有することは、エンドアプリケーション(end application)が、使用可能なワイヤレスデータサービスをより十分に利用することを可能にするであろう。
【0006】
したがって、当技術分野においては、TE2デバイス上でワイヤレスデータサービスをサポートするための方法および装置についての必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
インターネットプロトコル(Internet Protocol)(IP)ベースのインターフェースを使用してワイヤレスデバイスに結合されたTE2デバイス上でワイヤレスデータサービスおよびデータ接続性をサポートするための技法が、ここにおいて説明される。ワイヤレスデバイスは、一般的にワイヤレスネットワークによって単一のIPアドレス(single IP address)が割り当てられる。ワイヤレスデバイスは、この単一のIPアドレスを用いてワイヤレスデバイス内にUmインターフェース(Um interface)を構成し、またTE2デバイスに対してこの単一のIPアドレスを割り当てる。Umインターフェースは、ワイヤレスネットワークと通信するために使用される。TE2デバイスは、ワイヤレスネットワークからデータ/IP接続性を得るためにその単一のIPアドレスを使用する。ワイヤレスデバイスは、TE2デバイスと通信するために、その使用のためのプライベートIPアドレス(private IP address)を導き出し(derives)、このプライベートIPアドレスを用いてワイヤレスデバイス内にRmインターフェース(Rm interface)を構成する。Rmインターフェースは、TE2デバイスと通信するために使用される。ワイヤレスデバイスは、IPパケットフィルタ(IP packet filters)をUmインターフェース上にインストールすることにより、IPベースのインターフェースを使用してワイヤレスネットワークと通信することができる。ワイヤレスデバイスは、IPパケットフィルタをRmインターフェース上にインストールすることにより、IPベースのインターフェースを使用して、あるいは他の何らかのメカニズムを使用して、TE2デバイスと通信することができる。
【0008】
その後に、ワイヤレスデバイスは、単一のIPアドレスを使用して、TE2デバイスとワイヤレスネットワークとの間で交換されるパケットを転送する。これらのパケットは、それらがUmおよび/またはRmのインターフェース上にインストールされるIPパケットフィルタのどれともマッチング(match)しないので、ワイヤレスデバイスを対象としない。ワイヤレスデバイスは、(1)TE2デバイスに送信されるアウトバウンドパケット(outbound packet)に対して、ソースアドレスとしてプライベートIPアドレスを使用すること、および(2)TE2デバイスから受信されるインバウンドパケット(inbound packets)について、アドレスベースの経路指定(routing)またはパケットフィルタリング(packet filtering)を実行すること、によって、Rmインターフェースを経由してTE2デバイスとデータを交換することができる。ワイヤレスデバイスはまた、(1)ワイヤレスネットワークに送信されるアウトバウンドパケットに対してソースアドレスとして単一のIPアドレスを使用すること、および(2)ワイヤレスネットワークから受信されるインバウンドパケットについてパケットフィルタリングを実行すること、によって、Umインターフェースを経由してワイヤレスネットワークとデータを交換することもできる。
【0009】
ワイヤレスデバイスはまた、以下に説明されるように、TE2デバイス上でワイヤレスデータサービスをサポートするために様々なアプリケーションサーバをインプリメントすることもできる。本発明の様々な態様および実施形態についても以下でさらに詳細に説明される。
【0010】
本発明の特徴および性質は、図面と併せて以下に述べられる詳細な説明から、より明らかになるであろう、なお、それらの図面においては、同様な参照記号は、全体をとおして同様に識別する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示のワイヤレス配置を示す図である。
【図2】例示のプロトコルスタックを示す図である。
【図3】トランスポート層、ネットワーク層、およびリンク層についてのデータのカプセル化を示す図である。
【図4】ワイヤレスデバイスを経由してTE2デバイスに対するデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーションを示す図である。
【図5】単一のIPアドレスを用いてTE2デバイスに対するワイヤレスデータサービスおよびデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーションを示す図である。
【図6】複数のIPv4アドレスを用いてTE2デバイスに対するワイヤレスデータサービスおよびデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーションを示す図である。
【図7】IPv6サブネットを用いてTE2デバイスに対するワイヤレスデータサービスおよびデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーションを示す図である。
【図8】TE2デバイスおよびワイヤレスデバイスを有する別のコンフィギュレーションを示す図である。
【図9】IPベースのインターフェースを使用してTE2デバイス上でワイヤレスデータサービスをサポートするためにワイヤレスデバイスによって実行されるプロセスを示す図である。
【図10】TE2デバイスとワイヤレスデバイスのブロック図を示す図である。
【詳細な説明】
【0012】
用語「例示の(exemplary)」は、「例(example)、インスタンス(instance)、または例証(illustration)として機能している」を意味するようにこのなかでは使用される。このなかで「例示の」として説明されるいずれの実施形態あるいは設計は、必ずしも他の実施形態あるいは設計よりも好ましいあるいは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。
【0013】
図1は、ワイヤレスデバイス120が、ワイヤレスデータサービスを取得するためにワイヤレスネットワーク130と通信する一配置(deployment)100を示すものである。ワイヤレスデバイス120はまた、移動局(mobile station)(MS)、ユーザ装置(user equipment)(UE)、ユーザ端末、加入者ユニット、または他の何らかの専門用語、で呼ばれることもできる。ワイヤレスネットワーク130は、基地局142と、パケットデータエンティティ(packet data entity)144と、IPゲートウェイ150を含む。基地局142は、ワイヤレスデバイス120についての無線通信(radio communication)を提供する。パケットデータエンティティ144は、基地局142とIPゲートウェイ150との間のパケットの伝送を制御する。IPゲートウェイ150は、ワイヤレスネットワーク130中においてワイヤレスデバイスのためのデータサービスをサポートする。例えば、IPゲートウェイ150は、ワイヤレスデバイスについてのPPP(ポイントツーポイントプロトコル(Point-to-Point Protocol))セッションの確立、維持、および終了についての役割を担うことができ、さらに動的なIPアドレスをワイヤレスデバイスに対して割り当てることもできる。IPゲートウェイ150は、データネットワーク160a、インターネット160b、および/または他のデータネットワークに結合することができる。IPゲートウェイ150は、これらのデータネットワークに結合する様々なエンティティ(例えば、リモートホスト170)と通信することができる。
【0014】
ワイヤレスネットワーク130は、無線ネットワーク(radio network)140とパケットデータネットワークから構成されているものとみなされることもできる。無線ネットワーク140は、基地局142とパケットデータエンティティ144を含み、無線通信をサポートする。パケットデータネットワークは、IPゲートウェイ150を含み、無線ネットワーク140と外部データネットワークとの間のパケット交換通信をサポートする。
【0015】
ワイヤレスネットワーク130は、CDMAネットワークであってもよく、この場合には、パケットデータエンティティ144は、パケット制御ファンクション(Packet Control Function)(PCF)と呼ばれ、IPゲートウェイ150は、パケットデータサービングノード(Packet Data Serving Node)(PDSN)と呼ばれる。ワイヤレスネットワーク130はまた、UMTSネットワークであってもよく、この場合には、パケットデータエンティティ144は、サービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node)(SGSN)と呼ばれ、IPゲートウェイ150は、ゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node)(GGSN)と呼ばれる。ワイヤレスネットワーク130はまた、限られた地理上の区域についての通信カバレージを提供するワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network)(WLAN)であってもよい。例えば、ワイヤレスネットワーク130は、IEEE802.11ネットワークまたはBluetooth(登録商標)パーソナルエリアネットワーク(Bluetooth personal area network)(BT−PAN)であってもよい。一般に、ワイヤレスネットワーク130は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(wireless wide area network)(WWAN)(例えば、CDMAネットワークまたはUMTSネットワーク)あるいはWLAN(例えば、IEEE802.11ネットワークまたはBT−PAN)であってもよい。
【0016】
ワイヤレスデバイス120は、ワイヤライン接続(図1に示されるような)またはワイヤレス接続を経由してTE2デバイス110に結合されることができる。ワイヤライン接続は、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus)(USB)、RS232/EIA232インターフェース、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(Personal Computer Memory Card International Association)(PCMCIA)インターフェース、IEEE−1394バス、ペリフェラルコンポーネント相互接続(Personal Component Interconnect)(PCI)バスなどのシリアルバス、共用メモリ、メッセージキュー(message queue)やイベントなどのプロセス間通信(Inter-Process Communication)(IPC)などを経由したものとすることができる。ワイヤレス接続は、IEEE802.11、ブルートゥースなどを経由したものとすることができる。
【0017】
ワイヤレスデバイス120に結合されるTE2デバイス110が「取り付けられた」コンフィギュレーション(“attached” configuration)においては、モバイルユーザは、TE2デバイス110を経由して様々なサービス(例えば、IP接続性サービスおよび/またはワイヤレスデータサービス)を得ることができる。これらのサービスを得るために、TE2デバイス110は、ワイヤレスデバイス120と通信し、このワイヤレスデバイスは、さらにワイヤレスネットワーク130と通信する。ワイヤレスデバイス120は、望ましいサービスを得るために無線通信を提供し、TE2デバイス110は、望ましいサービスについてのエンドツーエンド通信をサポートする。
【0018】
図2は、ワイヤレスデバイス120およびワイヤレスネットワーク130を経由しての、TE2デバイス110とリモートホスト170との間のデータ通信についての例示のプロトコルスタック200を、示している。そのプロトコルスタックは、トランスポート層、ネットワーク層、リンク層、および物理層を含む。
【0019】
TE2デバイス110とリモートホスト170とは、トランスポート層にある伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol)(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol)(UDP)、または他の何らかのプロトコル、を使用して通信することができる。TCPおよびUDPは、一般的に、ネットワーク層にあるインターネットプロトコル(IP)の上部で動作する。トランスポート層データ(例えば、TCPおよび/またはUDPについての)は、IPパケットの形でカプセル化され(encapsulated)、これらのIPパケットは、ワイヤレスデバイス120、無線ネットワーク140、およびIPゲートウェイ150を経由してTE2デバイス110とリモートホスト170との間で交換される。
【0020】
TE2デバイス110とワイヤレスデバイス120との間のリンク層は、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))または他の何らかのプロトコルとすることができる。ワイヤレスデバイス120とワイヤレスネットワーク130との間のリンク層は、一般的にワイヤレスネットワーク技術に依存している。CDMAネットワークでは、リンク層は、無線リンクプロトコル(Radio Link Protocol)(RLP)上でPPPを用いてインプリメントされる。ワイヤレスデバイス120は、データセッションのために、IPゲートウェイ150を用いてPPPセッションを維持し、データ交換のためにRLPを経由して無線ネットワーク140と通信する。RLPは、エアリンクインターフェース(air-link interface)(例えば、IS−2000またはIS−856)の上部で動作する。無線ネットワーク140は、物理層の上部で動作する、技術に依存するインターフェース(例えば、CDMAネットワークのための「R−P」インターフェース)を経由してIPゲートウェイ150と通信する。IPゲートウェイ150は、リンク層と物理層の上でIPを経由してリモートホスト170と通信する。
【0021】
図3は、トランスポート層、ネットワーク層、およびリンク層についてのデータユニットのフォーマットとカプセル化とを示すものである。トランスポート層におけるTCPでは、データは、各セグメントがTCPヘッダとTCPペイロードを含むTCPセグメントとして、送信される。TCPヘッダは、ソースポート(source port)および宛先ポート(destination port)を含み、ここでポートは、ペイロード中のデータに関連する論理チャネルを指し示す。ネットワーク層におけるIPでは、データは、各IPパケットが、IPヘッダとIPペイロードを含むIPパケット(またはデータグラム)として送信される。IPヘッダは、IPパケットについてのソースノード(source node)および宛先ノード(destination node)についてのそれぞれソースIPアドレス(source IP address)および宛先IPアドレス(destination IP address)を含んでいる。IPペイロードは、TCPセグメントまたは他の何らかのデータを搬送することができる。IPパケットは、リンク層(例えば、イーサネット)フレームの形でカプセル化される。各リンク層フレームは、一般的にネットワーク層データについての(例えば、ソースアドレスと宛先アドレスを備えた)ヘッダとペイロードとを含んでいる。
【0022】
図4は、ワイヤレスデバイス120aを経由してTE2デバイス110aに対してデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーション400を示しており、これらは、図1におけるそれぞれTE2デバイス110とワイヤレスデバイス120の一実施形態である。TE2デバイス110aにおいて、アプリケーション410とソケット412は、データプロトコルスタック414上で実行する。ソケットは、ネットワーク上で実行される2つのアプリケーションの間の双方向の通信経路の1つのエンドポイント(endpoint)であり、ポート番号にバインドされ(bound)、その結果、TCPなどのトランスポート層プロトコルは、送信されるべきデータについてのアプリケーションを識別することができる。TE2デバイス110aは、インターフェース418を経由してワイヤレスデバイス120aと通信する。ワイヤレスデバイス120aにおいて、アプリケーション420とソケット422は、データプロトコルスタック424上で実行する。図4に示される実施形態では、各デバイスにおけるデータプロトコルスタックは、IPの上部で動作するTCPおよび/またはUDPを利用する。一般に、データプロトコルスタックは、任意数の層についてのプロトコルの任意の組合せをインプリメントすることができる。ワイヤレスデバイス120aは、Rmインターフェース428aを経由してTE2デバイス110aと通信し、Umインターフェース428bを経由してワイヤレスネットワーク130と通信し、ここでRmおよびUm中における「m」は、モバイルを意味する。
【0023】
ワイヤレスネットワーク130は、一般的に、そのUmインターフェース428bについて、単一のIPv4(IPバージョン4)アドレスをワイヤレスデバイス120aに対して割り当てる。このIPアドレスは、a.b.c.d として示される。ワイヤレスデバイス120aは、同様に、IPアドレスa.b.c.d をTE2デバイス110aに対して割り当て、このTE2デバイスは、次いでこのIPアドレスを使用して一般的なデータ/IP接続性を取得することができる。すべてのワイヤレス特有のプロトコルは、依然としてワイヤレスデバイス120a中において実行される。a.b.c.d の宛先IPアドレスを有するインバウンドIPパケット(inbound IP packets)は、ワイヤレスネットワーク130からワイヤレスデバイス120aへと送信され、Umインターフェース428b上で受信される。ワイヤレスデバイス120aは、Rmインターフェース428a上でこれらのIPパケットをTE2デバイス110aへと転送する。同様に、TE2デバイス110aによって生成されるアウトバウンドIPパケットは、インターフェース418からRmインターフェース428aへと送信される。次いでワイヤレスデバイス120aは、これらのIPパケットをUmインターフェース428bへと転送し、次いでこのUmインターフェースは、これらのIPパケットをワイヤレスネットワーク130へと送信する。
【0024】
ワイヤレスデバイス120aでの、RmインターフェースとUmインターフェースとの間のIPパケットの転送は、宛先IPアドレスに基づいた標準的なIP経路指定を使用して達成されることができる。各IPパケットに対して、宛先IPアドレスがIPパケットから抽出され、そして、経路指定テーブル中のエントリ(entry)が、この宛先IPアドレスに到達するために最良のアウトバウンドインターフェース(outbound)を見出すために検索される。あるいは、RmインターフェースおよびUmインターフェースは、各方向にIPパケットについてのただ1つのトラフィック経路だけが存在するので一緒にブリッジされる(bridged)ことができる。ブリッジング(bridging)により、第1のインターフェースは、第2のインターフェースに「貼り付けられる(glued)」ことが可能になり、その結果、第1のインターフェース上で受信されるIPパケットは、IP経路指定を介して進むことなく、常に第2のインターフェースへと転送される。ブリッジングは、第1のインターフェース上で受信されるすべてのIPパケットについてただ1つの可能なデータ経路だけが存在する場合についての最適化である。ブリッジングは、単方向性または双方向性とすることができる。
【0025】
コンフィギュレーション400により、TE2デバイス110aは、一般的なデータ/IP接続性を取得するためにワイヤレスデバイス120aに割り当てられるIPv4アドレスを再使用し、ワイヤレスネットワーク130に接続することが可能になる。しかし、コンフィギュレーション400によっては、TE2デバイス110aは、ワイヤレスデバイス120aにとってのみ通常使用可能となるワイヤレスデータサービスにアクセスすることが可能でないこともある。これらのワイヤレスデータサービスは、ワイヤレスデバイス120a中に組み込まれた特別のプロトコルとデータ処理能力を介してのみアクセス可能とすることができる。これらの特別なプロトコルは、データプロトコルスタック424、および/またはワイヤレスデバイス120aにおけるデータプロトコルスタック424の上部で実行されるアプリケーション420によって処理される。これらのワイヤレスデータサービスをTE2デバイス110a上で使用可能にするために、ワイヤレスデバイス120aは、ローカルにそれらのサービスにアクセスする必要があることになり、次いで一般的に、専用のインターフェースまたは規格化されたインターフェースを使用してそれらのサービスをTE2デバイス110aへと転送することになる。
【0026】
ワイヤレスデバイス120aが、TE2デバイス110aについてのワイヤレスデータサービスにアクセスし、それらを転送する場合には、TE2デバイス110a中において実行されるアプリケーション410は、ワイヤレスデバイス120a中において実行されるアプリケーション420と通信することができるはずである。さらに、ワイヤレスデバイス120a中において実行されるアプリケーション420は、ワイヤレスネットワーク130からデータを受信し、その受信されたデータを処理し、TE2デバイス110aに対して特定のサービスを提供することができるはずである。このすべては、3つの通信経路、すなわち(1)インターフェース418、428aおよび428bを経由したTE2デバイス110aからワイヤレスネットワーク130への経路、(2)インターフェース418および428aを経由したワイヤレスデバイス120aからTE2デバイス110aへの経路、ならびに(3)Umインターフェース428bを経由したワイヤレスデバイス120aからワイヤレスネットワーク130への経路、を経由して双方向にデータを交換する能力を必要とする。
【0027】
ワイヤレスワイドエリアネットワークは、一般的に、単一のIPv4アドレスをワイヤレスデバイス120aに対して提供する。この場合には、IPパケットは、単一のIPv4アドレスを用いた標準のIP経路指定を使用して3つの異なる宛先に対して(インターフェース418、428a、および428bに対して)送信されることはできない。ワイヤレスワイドエリアネットワークは、複数の(multiple)IPアドレスをワイヤレスデバイス120aに対して割り当てることができるようにすることができる。この場合には、ワイヤレスデバイス120aは、1つまたは複数のUmインターフェースを構成し、固有のIPアドレスをワイヤレスデバイス上の各Umインターフェースに割り当て、固有のIPアドレスをTE2デバイス110a上のインターフェース418に割り当てることができる。次いでワイヤレスネットワークから受信されるパケットは、パケット中の宛先IPアドレスに基づいた経路指定を使用してTE2デバイス110a、またはワイヤレスデバイス120a上のデータプロトコルスタックのいずれかに対して転送されることができる。しかしながら、TE2デバイス110aとワイヤレスデバイス120aとの間の通信経路は、依然としてIPパケットを交換することができる必要がある。さらに、複数のIPアドレスの使用可能性はそれ自体、TE2デバイス110aが、常にワイヤレスデータサービスを取得することができることを保証しない。例えば、望ましいワイヤレスデータサービスは、一般的なデータ/IP接続性をTE2デバイス110aに対して提供するためにも使用される取り付けのネットワークポイントから(したがってUmインターフェース428bなどの特定のネットワークインターフェースを介して)使用可能にすることができるだけである。TE2デバイス110aは、望ましいワイヤレスデータサービスを提供することができる、ネットワークインターフェース上のワイヤレスネットワークによって割り当てられるIPアドレスをすでに使用しているので、このIPアドレスに送信されるIPパケットは、依然として異なる宛先−TE2デバイス110aおよびワイヤレスデバイス120aに対して選択的に経路指定される必要がある。
【0028】
図5は、単一の割り当てられたIPアドレスを用いて、ワイヤレスデバイス120bを経由して、TE2デバイス110bについてのワイヤレスデータサービスとデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーション500を示している。TE2デバイス110bおよびワイヤレスデバイス120bは、図1中におけるそれぞれTE2デバイス110およびワイヤレスデバイス120の別の実施形態である。TE2デバイス110bにおいて、アプリケーション510とソケット512は、データプロトコルスタック514上で実行する。TE2デバイス110bは、インターフェース518を経由してワイヤレスデバイス120bと通信する。ワイヤレスデバイス120bにおいて、アプリケーション520およびソケット522は、データプロトコルスタック524および経路指定層(routing layer)526上で実行する。経路指定層526は、一般的にIPネットワーク層の一部分としてインプリメントされ、IPネットワークインターフェース上で受信されるIPパケットについての経路指定機能を提供する。ワイヤレスデバイス120bは、Rmインターフェース528aを経由してTE2デバイス110bと通信し、Umインターフェース528bを経由してワイヤレスネットワーク130と通信する。
【0029】
ワイヤレスネットワーク130は、単一のIPv4アドレスa.b.c.d をワイヤレスデバイス120bに対して割り当て、このワイヤレスデバイスは、同様に、このIPアドレスをTE2デバイス110bに対して割り当てる。TE2デバイス110bは、図4中のコンフィギュレーション400について上記のように、このIPv4アドレスを使用して一般的なデータ/IP接続性を取得することができる。すべてのワイヤレス特有のプロトコルは、依然としてワイヤレスデバイス120b中において実行される。
【0030】
コンフィギュレーション500により、TE2デバイス110bは、ワイヤレスデバイス120bを経由してIPベースのインターフェースを使用して様々なワイヤレスデータサービスを得ることができるようになる。これは、テーブル1にリストアップされた通信経路を提供することによって達成されることができる。各通信経路は、以下に説明されるようにインプリメントされることができる。
【表1】

【0031】
通信経路1
通信経路1の場合、TE2デバイス110bは、図4中におけるコンフィギュレーション400についての上記に説明されたメカニズムを使用して、ワイヤレスネットワーク130と通信することができる。ワイヤレスデバイス120bは、IPアドレスa.b.c.d に向けられた(destined to)、ワイヤレスネットワーク130からのインバウンドIPパケットを受信し、単にこれらのIPパケットをTE2デバイス110bへと転送する(以下に説明されるように、これらのIPパケットにフィルタがかけられない場合)。ここにおいて使用されるように、ある与えられたIPアドレス「に向けられた」IPパケットは、宛先IPアドレスとしてそのIPアドレスを有するIPパケットを指す。ワイヤレスデバイス120bはまた、TE2デバイス110bから受信されたアウトバウンドIPパケットをワイヤレスネットワーク130へと転送する(以下でもまた説明されるように、これらのIPパケットがワイヤレスデバイス120bに向けられていなければ)。
【0032】
通信経路2
通信経路2の場合、ワイヤレスデバイス120b中において実行されるアプリケーション520について、(ブリッジを介した簡単なパスである代わりに)Rmインターフェース528aを十分に機能可能なインターフェースとすることにより、ワイヤレスデバイス120bは、IPベースのインターフェースを経由してTE2デバイス110bと通信することができる。十分に機能可能なRmインターフェース528aにより、アプリケーション520は、IPパケットをTE2デバイス110bへと送信し、TE2デバイス110bによってアプリケーション520に対して送信されるIPパケットを受信することができるようになる。
【0033】
Rmインターフェース528aは、このインターフェースにw.x.y.z として示されるIPアドレスを割り当てることにより十分に機能可能にされることができる。Rmインターフェース528aは、パブリックデータネットワーク中におけるノードと通信する必要はないので、このIPアドレスは、プライベートIPv4アドレスとすることができる。プライベートIPアドレスは、プライベートIPアドレス、例えば、10のネットワーク部分バイトを有するクラスAアドレスや、192.168のネットワーク部分バイトを有するクラスBアドレスなど、として使用されるために指定されるIPアドレスの範囲内にあるIPアドレスである。Rmインターフェース528aについてのIPアドレスはまた、以下で説明されるように、ワイヤレスデバイス120bに割り当てられるIPv6サブネット内にあるリンク−ローカルIPv6(link-local IPv6)(IPバージョン6)アドレスであってもよい。
【0034】
Rmインターフェース528a上で実行されるアプリケーション520は、TE2デバイス110bと、そしておそらく他のTE2デバイスと、通信する。1つ(または複数)のTE2デバイスは、ポイントツーポイントリンク(USBなど)またはワイヤレスリンク(IEEE802.11やブルートゥースなど)を経由してRmインターフェース528aに結合されることができる。いずれの場合においても、ワイヤレスデバイス120bは、ワイヤレスデバイスと通信するすべてのTE2デバイスに対してIPアドレスを割り当てる役割を担うことができる。ワイヤレスデバイス120bは、それ自体のためのプライベートIPアドレスを導き出すことができる。このプライベートIPアドレスは、Rmインターフェース528aに結合されるすべてのTE2デバイスについてのIPアドレスの間で固有であるべきであり、その結果、各インターフェースは、一意的に識別されることができる。ワイヤレスデバイス120bは、IPv4についてのアドレス解決プロトコル(Address Resolution Protocol)(ARP)やIPv6についての重複アドレス検出(Duplicate Address Detection)(DAD)など、任意の使用可能なメカニズムを使用して固有のプライベートIPアドレスを導き出すことができる。ARPおよびDADは、当技術分野においてよく知られている。
【0035】
ワイヤレスデバイス120bは、プライベートIPアドレスw.x.y.z を用いてRmインターフェース528aを構成する。次いでRmインターフェース528aは、UP状態中へと進み、これは、インターフェースが、ネットワークに接続され、使用可能なIPアドレスを割り当てられ、ネットワークとデータを交換することができることを意味する。次いでワイヤレスデバイス120bにおけるアプリケーション520は、Rmインターフェース528aを経由してTE2デバイス110bにおけるアプリケーション510とデータを交換することができる。アプリケーション510およびアプリケーション520は、事前にRmインターフェース528aに割り当てられるプライベートIPアドレスw.x.y.z について通知されることができ、あるいはコンフィギュレーションを介してこのIPアドレスを提供されることができる。
【0036】
Rmインターフェース528a上で実行されるアプリケーション520は、任意の使用可能なメカニズムを使用して、Rmインターフェースに明示的にバインドする(bind)。例えば、ほとんどのソケットAPIは、bind()ファンクションコールを使用してこのタイプのバインディング(binding)をサポートする。ワイヤレスデバイス120bはまた、IPアドレスa.b.c.d に向けられたすべてのIPパケットが、Rmインターフェース528aを経由してTE2デバイス110bに送り出されることを示すホスト経路エントリ(host route entry)で、その経路指定テーブルをアップデートする。これにより、w.x.y.z のソースIPアドレスを用いて、アプリケーション520によって送信されるIPパケットがTE2デバイス110b上でアプリケーション510に、Umインターフェース528bの代わりにRmインターフェース528aから送り出されることができる。またこれにより、Umインターフェース528bを経由して受信され、そして、IPアドレスa.b.c.d に向けられたインバウンドIPパケットは、上記に説明されたブリッジングメカニズムの代わりに経路指定メカニズムがワイヤレスデバイス120bによって使用される場合、Rmインターフェース528aを経由してTE2デバイス110bに経路指定されることができる。
【0037】
ワイヤレスデバイス120bは、アドレスベースの経路指定またはRmインターフェース528aについてのパケットフィルタリングのいずれかを実行することにより、TE2デバイス110bからIPパケットを受信することができる。アドレスベースの経路指定の場合、アプリケーション510は、w.x.y.z の宛先IPアドレスを用いて、IPパケットをRmインターフェース528aに対して送信することによりアプリケーション520と通信する。ワイヤレスデバイス120bは、Rmインターフェース528aを経由してこれらのIPパケットを受信し、これらのIPパケットからw.x.y.z の宛先IPアドレスを抽出し、そして、標準のIPアドレスベースの経路指定を使用して、これらのIPパケットをデータプロトコルスタック524の上方に経路指定する。アドレスベースの経路指定は、このようにして、Rmインターフェース528aについて構成されるプライベートIPアドレスに向けられたIPパケットを、ワイヤレスデバイス120b側での適切な宛先に正しく経路指定することができる。
【0038】
パケットフィルタリングについては、ワイヤレスデバイス120bは、Rmインターフェース528a中にIPパケットフィルタをインストールする。これらのIPパケットフィルタは、TE2デバイス110bからIPパケットを受信することを予想するワイヤレスデバイス120bにおけるアプリケーション520についての適切なパラメータを用いて定義される。これらのフィルタパラメータは、例えば、次のもののうちの任意の1つまたは任意の組合せを含むことができる。
・IPv4−バージョン、ソースIPアドレス、宛先IPアドレス、アドレス範囲、プロトコル、およびサービスのタイプ(type of service)(TOS)、
・IPv6−バージョン、ソースIPアドレス、宛先IPアドレス、アドレス範囲、トラフィッククラス、フローラベル(flow label)、次のヘッダ、
・UDP−ソースポート、宛先ポート、およびポート範囲、ならびに
・TCP−ソースポート、宛先ポート、およびポート範囲。
サービスのタイプは、ある与えられた通信コンテキスト中において特定のサービスを識別する1バイトの整数値である。整数値とサービスの間のマッピングは、あらかじめ合意される。IPv6トラフィッククラスも同様である。
【0039】
一般に、任意のプロトコルヘッダ中における任意のフィールドは、フィルタパラメータとして使用されることができる。例えば、フィルタパラメータは、カプセル化されたセキュリティプロトコル(Encapsulated Security Protocol)(ESP)、認証ヘッダ(Authentication Header)(AH)、IPv6経路指定ヘッダエクステンション(IPv6 Routing Header Extension)など、他のヘッダについて形成されることができる。異なるIPパケットフィルタは、異なるアプリケーション、ソケットなどについて使用されることができ、異なる組のパラメータを用いて定義されることができる。任意数のIPパケットフィルタが定義されることができ、各IPパケットフィルタは、任意の組のパラメータに関連づけられることができる。
【0040】
IPパケットフィルタは、Rmインターフェース528aを経由して受信されるIPパケットに適用される。プライベートIPアドレスw.x.y.z に向けられた、IPパケットフィルタのパラメータにマッチングするIPパケットは、データプロトコルスタック524の上方の受信アプリケーション520に対して送られる。プライベートIPアドレスw.x.y.z に向けられるが、Rmインターフェース528a上にインストールされるどんなIPパケットフィルタのパラメータともマッチングしないIPパケット(これは、「アンマッチド(unmatched)」IPパケットと呼ばれる)は、Umインターフェース528bへと転送され、他のアウトバウンドIPパケットとまさに同じようにワイヤレスネットワーク130に対して送信されることができる。アンマッチドIPパケットは、ワイヤレスデバイス120b側で、Rmインターフェース528a上でリッスンする(listening)アプリケーションまたはソケットがないことに起因する可能性がある。
【0041】
パケットフィルタリングは、Rmインターフェース528aについてのアドレスベースの経路指定より優るいくつかの利点を有する。第1に、フィルタパラメータにマッチングするIPパケットだけが、アプリケーション520に対して上方に通過され、ワイヤレスデバイス120bによって処理される。プライベートIPアドレスw.x.y.zは、偽のIPアドレス(fake IP address)としてワイヤレスデバイス120bによって生成されるので、この同じIPアドレスを有する合法的なノードが存在するかもしれない。この合法的なノードは、ワイヤレスネットワーク130を経由してTE2デバイス110bに対してアクセス可能とすることができ、TE2デバイス110bは、このノードとIPパケットを交換することができる。したがって、アンマッチドIPパケットをワイヤレスネットワーク130に対して転送することは、これらのIPパケットが意図された受信ノードに到達できることを確かなものにする(ensures)。第2に、パケットフィルタリングは、ワイヤレスデバイス120bがTE2デバイス110bから受信することができる異なる種類のIPパケットを選択するより大きな柔軟性を、提供する。ワイヤレスデバイス120bは、プライベートIPアドレスw.x.y.z ならびにマルチキャストIPアドレスおよびブロードキャストIPアドレスを用いて、Rmインターフェース528aに対してTE2デバイス110bによって送信されるIPパケットを終了させることができる。
【0042】
例えば、メディアストリーミングアプリケーション(media streaming application)は、一般的に、インターネットグループ管理プロトコル(Internet Group Management Protocol)(IGMP)を使用して、グループを一意的に識別するマルチキャストIPアドレスに対してIGMPパケットを送信することによって、マルチキャストグループに加わる。このマルチキャストグループ中における各メンバは、一般的にユニキャストIPアドレスを割り当てられる。メディアストリーミングアプリケーションサーバは、マルチキャストIPアドレスを使用してそのグループのすべてのメンバに対してIPパケットを送信する。パケットフィルタリングにより、ワイヤレスデバイス120bは、ユニキャストIPアドレスw.x.y.z に向けられるIPパケット、ならびにそのグループのマルチキャストIPアドレスに向けられるIPパケットを、終了させることが可能となる。別の例としては、テキストメッセージング(Text Messaging)をサポートするために、Rmインターフェース528a上のデータプロトコルスタック524は、メールサーバに向けられたIPパケットを処理する必要があり得る。これは、特別にタグ付けされたIPパケット(tagged IP packets)、または特別な電子メール受信者を伴うIPパケットに、フィルタをかけることによって達成されることができる。
【0043】
アドレスベースの経路指定はまた、w.x.y.z の宛先IPアドレスが唯一のフィルタパラメータであるパケットフィルタリングの特別なケースとみなされることもできる。
【0044】
通信経路3
通信経路3の場合、ワイヤレスデバイス120bは、Umインターフェース528b上のパケットフィルタリングを適用することにより、IPベースのインターフェースを経由してワイヤレスネットワーク130と通信することができる。コンフィギュレーション400について上記されるように、ワイヤレスネットワーク130は、IPアドレスa.b.c.d をワイヤレスデバイス120bに対して割り当て、次いでこのワイヤレスデバイスは、TE2デバイスについてのデータ/IP接続性をサポートするためにTE2デバイス110bに対してこのIPアドレスを割り当てる。したがってワイヤレスデバイス120bは、それ自体のためにこのIPアドレスを使用することができないが、Umインターフェース528bは、TE2デバイス110bのためにIPパケットを送信し受信するために、このIPアドレスを用いて構成されたままであるべきである。Umインターフェース528b上で受信され、IPアドレスa.b.c.d に向けられるインバウンドIPパケットは、TE2デバイス110b用であると仮定され、そして、Rmインターフェース528aに経路指定され、TE2デバイス110bに対して転送されるべきである。したがって、これらのインバウンドIPパケットは、ワイヤレスデバイス120bにおいて、Umインターフェース528bからデータプロトコルスタック524へと直接に渡されることはできない。
【0045】
ワイヤレスデバイス120bは、IPパケットフィルタをインストールすることにより、Umインターフェース528bを経由してIPパケットを受信することができる。Umインターフェース528b上でIPパケットを送信し、かつ/または受信する必要があるアプリケーション520およびソケット522は、そのUmインターフェース中に適切なIPパケットフィルタをインストールすることができる。各IPパケットフィルタは、インバウンドIPパケットにフィルタをかけるために使用される1組のパラメータに関連づけられる。上記のフィルタパラメータのうちの任意のものが、使用されることができる。
【0046】
インバウンドトラフィックの場合、Umインターフェース528b中における各IPパケットフィルタは、そのフィルタについてのパラメータに基づいてワイヤレスネットワーク130から受信されるIPパケットにフィルタをかけることができる。各IPパケットフィルタは、そのフィルタについてのパラメータのすべてにマッチングする各IPパケットを適切なアプリケーション520へと転送することができる。アウトバウンドトラフィックの場合、アプリケーション520、またはそれらに関連するソケット522は、Umインターフェース528bを経由してIPパケットを送信することができる。
【0047】
一例として、位置ベースのサービス(position-based service)をサポートし、ワイヤレスデバイス120bにおけるデータプロトコルスタック524の上部で実行されるアプリケーション520xは、次のパラメータを用いて、IPパケットフィルタをインストールすることができる。
・IP宛先アドレス=a.b.c.d
・TCPソースポート=<ワイヤレスネットワーク130中におけるGPSサーバのポート数>
用語「位置ベースの(“position-based”)」と用語「GPS」は、ここでは、同義に使用される。このIPパケットフィルタは、GPSサーバによってワイヤレスデバイス120bに対して送信される任意のインバウンドIPパケットを識別することになり、それらのIPパケットをTE2デバイス110bに対して転送する代わりにこれらのIPパケットをアプリケーション520xに対して配信することになる。アプリケーション520xはIPパケットをワイヤレスネットワーク130から受信し、関連するロケーション情報を抽出するためにこれらのIPパケットを処理することができる。アプリケーション520xはまた、もし必要とされるときは、Umインターフェース528bを経由して応答および/またはデータを、GPSサーバに対して送ることもできる。
【0048】
UDPを用いるなどの、信頼できない通信の場合は、ソケットは、ワイヤレスネットワーク130に対してデータを送り出すだけであり、そのワイヤレスネットワークからデータを受信しない。フィルタリングは、このように、Umインターフェース528bを経由したワイヤレスデバイス120bからの単方向伝送では必要とされない。双方向伝送では、ソケットは、ワイヤレスネットワーク130によって送信されるIPパケットを受信するためにUmインターフェース528b上にIPパケットフィルタをインストールすることができる。TCPを用いるなど信頼できる通信の場合は、ソケットは、ワイヤレスネットワーク130に対してデータを送り出し、またそのワイヤレスネットワークからデータを受信することもある(例えば、アウトバウンドTCPトラフィックの肯定応答の場合)。したがって、信頼できる通信の場合は、両方向におけるデータ交換が存在する。プロトコルスタック524はアプリケーションが何をしようと意図しているのかを決定することができないかもしれないので、ワイヤレスネットワーク130にデータを送信するあらゆるソケットは最終的にはそのワイヤレスネットワークからデータを受信することが必要であろうとの、一般的な仮定がされてもよい。次いで、ワイヤレスネットワーク130と通信する必要があるワイヤレスデバイス120bでの各アプリケーション520に対し、IPパケットフィルタがインストールされてもよい。もし、アプリケーションあるいはソケットが、ワイヤレスネットワーク130に対してデータを送信する必要があるだけで、そのワイヤレスネットワークからどのようなデータも受信する必要がない場合、そのときは、パケットフィルタリングは、省略されてもよい。
【0049】
ワイヤレスデバイス120bはまた、ワイヤレスネットワーク130によって使用される技術に特有のプロトコルを使用してワイヤレスネットワーク130と通信することもできる。したがって、通信経路3は、IPベースの通信経路、あるいは、ネットワーク特有の通信経路であってもよい。
【0050】
図6は、複数の割り当てられたIPv4アドレスを有するワイヤレスデバイス120cを経由してTE2デバイス110cについてのワイヤレスデータサービスとデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーション600を示している。TE2デバイス110cおよびワイヤレスデバイス120cは、図1におけるそれぞれTE2デバイス110およびワイヤレスデバイス120の別の実施形態である。TE2デバイス110cにおいて、アプリケーション610とソケット612は、データプロトコルスタック614上で実行する。TE2デバイス110cは、インターフェース618を経由してワイヤレスデバイス120cと通信する。ワイヤレスデバイス120cにおいて、アプリケーション620とソケット622は、データプロトコルスタック624および経路指定層626上で実行する。ワイヤレスデバイス120cは、Rmインターフェース628aを経由してTE2デバイス110cと通信し、Umインターフェース628bと628cの両方を経由してワイヤレスネットワーク130と通信する。
【0051】
図6に示される実施形態では、ワイヤレスデバイス120cには、2つのIPv4アドレスが割り当てられ、これらは、a.b.c.d およびe.f.g.h と示される。ワイヤレスデバイス120cは、TE2デバイス110cに対してIPアドレスa.b.c.d を割り当て、このIPアドレスを用いてUmインターフェース628bを構成する。ワイヤレスデバイス120cは、それ自体のためにIPアドレスe.f.g.h を使用し、このIPアドレスを用いてUmインターフェース628cを構成する。Umインターフェース626bは、TE2デバイス110cについてのRmインターフェース628aとブリッジされることができる。Umインターフェース626bは、TE2デバイス110cに対して割り当てられるIPアドレスa.b.c.d を用いて構成されたままでもよい。Umインターフェース628cは、IPアドレスe.f.g.h を有するUP状態にとどまることができ、ワイヤレスデバイス120cにおける様々なアプリケーション620およびソケット622をサポートすることができる。
【0052】
ワイヤレスデバイス120cは、そのIPアドレスe.f.g.h を使用してUmインターフェース628cを経由してIPパケットを送信し受信することにより、IPベースのインターフェースを経由してワイヤレスネットワーク130と通信することができる。ワイヤレスデバイス120cは、Umインターフェース628cを経由して受信されるIPパケットについてのパケットフィルタリングを実行する必要はない。ワイヤレスデバイス120cは、TE2デバイス110cに対して割り当てられるIPアドレスa.b.c.d を使用することを必要とするかもしれない。これは、例えば、もし、ワイヤレスデータサービスが、IPアドレスa.b.c.d を介して唯一アクセス可能であるドメインから唯一使用可能である場合のケースであり得る。その場合には、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイス120bとワイヤレスネットワーク130との間の通信経路3について、図5において上記の説明される技法を適用することによって、Umインターフェース628bを経由し、IPアドレスa.b.c.d を使用してIPパケットを交換することができる。
【0053】
ワイヤレスデバイス120cは、図5について上記に説明されるように、プライベートIPアドレスw.x.y.z を用いて、Rmインターフェース628aを、十分に機能可能なインターフェースとすることにより、IPベースのインターフェースを経由してTE2デバイス110cと通信することができる。TE2デバイス110cは、図5について上記にまた説明されるように、ワイヤレスデバイス120cにおけるRmインターフェース628aについてのアドレスベースの経路指定またはパケットフィルタリングを実行することにより、IPベースのインターフェースを経由してワイヤレスデバイス120cと通信することができる。
【0054】
図7は、IPv6サブネットを用いて、ワイヤレスデバイス120dを経由し、TE2デバイス110dについてのワイヤレスデータサービスとデータ/IP接続性を提供するためのコンフィギュレーション700を、示している。TE2デバイス110dおよびワイヤレスデバイス120dは、それぞれ、図1における、TE2デバイス110およびワイヤレスデバイス120の別の実施形態である。TE2デバイス110dにおいて、アプリケーション710とソケット712は、データプロトコルスタック714上で実行する。TE2デバイス110dは、インターフェース718を経由してワイヤレスデバイス120dと通信する。ワイヤレスデバイス120dにおいて、アプリケーション720とソケット722は、データプロトコルスタック724と経路指定層726上で実行する。ワイヤレスデバイス120dは、Rmインターフェース728aを経由してTE2デバイス110dと通信し、Umインターフェース728bを経由してワイヤレスネットワーク130と通信する。
【0055】
図7において示される実施形態の場合、ワイヤレスデバイス120dは、IPv6アドレスの範囲をカバーするIPv6サブネットプレフィックス(IPv6 subnet prefix)を割り当てられる。ワイヤレスデバイス120dは、2つの固有のIPv6アドレス、IPv6subnet:id1およびIPv6subnet:id2、を生成するために、2つの固有の識別子(unique identifiers)id1およびid2を生成し、そして、これらの識別子を、割り当てられたIPv6サブネットプレフィックスに対してそれぞれアペンドする(append)。ワイヤレスデバイス120dは、Umインターフェース728bに対して第1のIPv6アドレス、IPv6subnet:id1を割り当て、Rmインターフェース728aに対して第2のIPv6アドレス、IPv6subnet:id2を割り当てる。ワイヤレスデバイス120dは、Rmインターフェース728aに対しては、プライベートIPアドレスをスプーフィングし(spoof)、またはそのふりをする(fake)必要はない。ワイヤレスデバイス120dはまた、Rmインターフェース728aに結合されたTE2デバイスにIPv6サブネットプレフィックスを提供することもできる。これらのTE2デバイスは、このIPv6サブネットプレフィックスを使用してサブネット上で追加のIPv6アドレスを生成することができる。例えば、TE2デバイス110dは、それ自体のために識別子(id3)を生成することができ、IPv6サブネットプレフィックスと識別子を有するIPv6アドレスを形成し、このアドレスは、IPv6subnet:id3として示される。ワイヤレスデバイス120dは、Rmインターフェース728aに結合されたTE2デバイスによって生成される識別子が、重複アドレス検出を使用するサブネットについて固有であることを保証する。
【0056】
Umインターフェース728bは、それ自体のIPv6アドレスを有するUP状態にとどまることができる。ホスト経路エントリは、TE2デバイス110dに割り当てられるIPv6アドレスについての経路指定テーブルに加えられ、その結果、Umインターフェース728bを経由して受信され、このIPv6アドレスに向けられるIPパケットは、Rmインターフェース728aに対して経路指定され、TE2デバイス110bに対して送信されることができる。パケットフィルタリングは、TE2デバイス110bから受信されるブロードキャストパケットおよびある種のマルチキャストパケットを取り込むために、Rmインターフェース728a上で実行されることができる。
【0057】
図5から7までは、IPベースのインターフェースを使用して、ワイヤレスデバイス120を経由し、TE2デバイス110に対してワイヤレスデータサービスとデータ/IP接続性を提供することができる一部の例示のコンフィギュレーションを、示している。他のコンフィギュレーションもまた、ここにおいて与えられる説明に基づいてインプリメントされることができる。例えば、複数のプライベートIPv4アドレスまたはIPv6アドレスが生成され、Rmインターフェースに対して割り当てられることができる。各IPアドレスは、多様なアプリケーションまたは機能をサポートすることができる。TE2デバイス110が、IPv4とIPv6の両方をサポートするデュアルスタックホスト(dual-stack host)である場合には、Rmインターフェースには、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が同時に割り当てられることもできる。
【0058】
ワイヤレスデータサービス
図8は、TE2デバイス110eとワイヤレスデバイス120eとを有するコンフィギュレーション800を示しており、これらは、それぞれ、TE2デバイス110bとワイヤレスデバイス120bの要素のすべてを含んでいる。ワイヤレスデバイス120eはさらに、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol)(HTTP)サーバ820と、簡易メール転送プロトコル(Simple Mail Transfer Protocol)(SMTP)サーバ822と、動的ホストコンフィギュレーションプロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol)(DHCP)サーバ824と、をさらにインプリメントする。HTTPサーバ820は、ワイヤレスデバイス120eとTE2デバイス110eとの間のコンテンツの転送をサポートする。SMTPサーバ822は、電子メールベースのアプリケーション(email-based application)をサポートする。DHCPサーバ824は、TE2デバイス110eについての動的IPコンフィギュレーションをサポートする。ワイヤレスデバイス120eは、TE2デバイス110eについての他のサービスをサポートするために異なるサーバおよび/または他のサーバをインプリメントすることができる。TE2デバイス110eは、アプリケーション510内で実行されるウェブブラウザ810と、位置ベース/GPSアプリケーション812と、メディアストリーミングアプリケーション814と、電子メールクライアント(email client)816と、を有する。TE2デバイス110eは、異なるエンドアプリケーションおよび/または他のエンドアプリケーションをサポートすることもできる。コンフィギュレーション800によってサポートされる一部の例示のワイヤレスデータサービスについては、下記に説明される。
【0059】
位置ベースのサービス。位置ベースのアプリケーションのために使用されるプロトコルは、多くの場合に、ワイヤレスデバイス120e中に構築される。その結果として、TE2デバイス110eは、一般的に、位置ベースのサービスに直接にアクセスすることができない。ワイヤレスデバイス120eは、技術特有のプロトコルに基づいてワイヤレスネットワーク130からロケーション情報を取得し、この情報を使い易いロケーションパラメータへと変換する。次いでTE2デバイス110eは、ワイヤレスデバイス120eからそれらのロケーションパラメータを取得し、TE2デバイス110e中において実行される位置ベースのアプリケーションをサポートするためにこれらのパラメータを使用することができる。
【0060】
モバイルユーザ、またはTE2デバイス110e中において実行しているGPSアプリケーション812は、位置ベースのサービスにアクセスするために、かつ/またはロケーション情報を取得するために、ワイヤレスデバイス120eとの通信を開始することができる。GPSアプリケーション812は、ユーザが、TE2デバイス110e中において実行しているウェブブラウザ810を使用してロケーション情報について問い合わせる(query)、ことを可能にするウェブベースのアプリケーションであってもよい。次いでGPSアプリケーション812は、ワイヤレスデバイス120e中において実行しているHTTPサーバ820を指すURLに対して、HTTP獲得要求(HTTP Get request)を送信することができる。GPSアプリケーション812は、TCP/IPスタック上で実行され、Rmインターフェース528aについてのプライベートIPアドレスw.x.y.z に対して直接にHTTP獲得要求を送信することができ、あるいはRmインターフェース528aを指す専用のURLを使用することができる。
【0061】
HTTPサーバ820は、TE2デバイス110eからのHTTP獲得要求を受信し、要求されたロケーション情報を取得するためにGPSエンティティ826と通信する。GPSエンティティ826は、以前のルックアップ(lookups)からローカルメモリに記憶された(またはキャッシュされた)要求されるロケーション情報をすでに有しているかもしれないし、あるいはワイヤレスネットワーク130から新しいロケーション情報を取得するように決定してもよい。GPSエンティティ826は、新しいロケーション情報を取得するために(例えば、位置決定(position fix)を実行するために)Umインターフェース528b上で(例えば、技術特有のプロトコルを使用して)ワイヤレスネットワーク130中における適切なGPSサーバと通信する。次いでGPSエンティティ826は、(新しい、またはキャッシュされた)ロケーション情報をHTTPサーバ820に対して供給する。次いでHTTPサーバ820は、IPアドレスa.b.c.d に対して送信されるHTTP応答を用いてTE2デバイス110eからの要求を遂行する。経路指定テーブル中におけるIPアドレスa.b.c.d についてのホスト経路エントリは、このIPアドレスに向けられるすべてのアウトバウンドIPパケットが、Rmインターフェース528bを介して送り出されるべきであることを指し示すので、このHTTP応答は、Rmインターフェース528bを介して送り出される。
【0062】
TE2デバイス110eにおけるGPSアプリケーション812は、HTTPサーバ820からのHTTP応答を受信し、この応答からロケーションパラメータを抽出し、それらの抽出されたロケーションパラメータをウェブブラウザ810に対して供給する。ウェブブラウザ810は、ホテルやレストランなど、ロケーション特有のコンテンツをユーザに対して表示するためにそれらのロケーションパラメータを使用することができる。
【0063】
マルチメディアストリーミングサービスおよびブロードキャストサービス。ワイヤレスネットワーク130は、ストリーミングメディアサービスについて見つけそして登録する専用のメカニズムを、有することができる。例えば、ワイヤレスネットワーク130は、IPマルチキャスティング(IP multicasting)をサポートするが、マルチキャストグループについて登録するIGMPはサポートしない、EVDOネットワークであってもよい。TE2デバイス110e中において実行しているメディアストリーミングアプリケーション814は、一般的に、グループに参加したりグループをやめたりするために、また、マルチキャストコンテンツを受信するために、IGMPメッセージを使用する。ワイヤレスデバイス120eは、これらのIGMPメッセージを受信し、それらのメッセージを処理し、TE2デバイス110のために望ましいコンテンツについて登録する。さらに、アプリケーション814は、プログラミング情報を取得するためによく知られているマルチキャストIPアドレス上でリッスンする。ワイヤレスデバイス120eは、ワイヤレスネットワーク130によって送信される特定の信号からこの情報を受信し、適切なマルチキャストIPアドレスに対して、またRmインターフェース528aを経由してTE2デバイス110eにおけるメディアストリーミングアプリケーション814に対して、この情報を送信することができる。
【0064】
テキストメッセージング(Text messaging)。ワイヤレスネットワーク130は、一般にショートメッセージサービス(Short Message Service)(SMS)またはショートデータバースト(Short Data Burst)(SDB)とも称されるテキストメッセージングをサポートすることができる。テキストメッセージングは、小さなサイズのテキストメッセージが、ワイヤレスネットワーク130中における信号チャネル上で送信されることを可能にする技術を意味する。これは、その後により大量のデータを送信するために使用されるトラフィックチャネルに割り付けられる可能性のあるシステムリソースを節約する。テキストメッセージングは、しばしば、ワイヤレスデバイス120eなどの受信者宛先に対してワイヤレスネットワーク130上のテキストメッセージに関連するデータを送信するために信号チャネル中における未使用の帯域幅を使用する。
【0065】
TE2デバイス110eにおけるモバイルユーザにとっては、通常の電子メールメッセージ(regular email messages)と同じ方法でワイヤレスネットワーク130上で小さなテキストメッセージを送信するために、通常の電子メールクライアント816またはウェブブラウザ810を使用することが、望ましく、また、便利である。TCP/IP上のSMTPが、一般的に、通常の電子メールメッセージを移送するために使用される。短いテキストメッセージを搬送するアウトバウンド電子メールメッセージの場合、TE2デバイス110eは、これらの電子メールメッセージを、特別なタグを付けて、あるいは、宛先アドレス中における特別なドメイン名に対して、送信することができる。SMTPサーバ822は、TE2デバイス110eからこれらの電子メールメッセージを受信することができ、またSMSやSDBなど、ネットワーク特有の技法を使用してワイヤレスネットワーク130上で電子メールメッセージを送信することができる。TE2デバイス110eについてのインバウンド電子メールメッセージの場合、ワイヤレスデバイス120eは、ワイヤレスネットワーク130からSMSメッセージを受信し、それらのSMSメッセージからテキストを抽出し、その抽出されたテキストを含むIPベースの電子メールメッセージを形成し、TE2デバイス110e中において実行される電子メールクライアントに対して、Rmインターフェース528aを経由してこれらの電子メールメッセージを送信することができる。
【0066】
DHCPを使用した動的アドレス割当て。TE2デバイス110eは、データセッションをセットアップし、ワイヤレスデバイス120eからIPアドレスおよび他のコンフィギュレーション情報を取得するために、ATコマンドおよびPPPを使用することができる。この場合には、TE2デバイス110e上のインターフェース518は、ダイアルアップモデムインターフェース(dial-up modem interface)のように振る舞う。もしこの情報が、LAN環境において一般的に使用されるDHCPまたは他の標準プロトコルを使用して、IPコンフィギュレーションを動的に取得することができる場合には、インターフェース518は、IPベースのインターフェースのように機能することができる。ワイヤレスネットワーク130は、一般的にDHCPなどLANベースのアドレス割当てスキームをサポートしないので、この機能は、ワイヤレスデバイス120eによってサポートされることができる。
【0067】
DHCPを伴う動的IPコンフィギュレーションの場合、TE2デバイス110eは、インターフェース518からのDHCPDISCOVERメッセージを最初にブロードキャストする。このメッセージは、ワイヤレスデバイス120eにおけるRmインターフェース528aを経由して受信され、DHCPサーバ824に対して転送される。DHCPサーバ824は、DHCPDISCOVERメッセージを処理し、(必要に応じて)ネットワーク技術特有のプロシージャを使用して、ワイヤレスネットワーク130からIPコンフィギュレーションを取得する。次いでDHCPサーバ824は、TE2デバイス110eに対してDHCPOFFERメッセージを送信する。この応答メッセージは、(1)TE2デバイス110eがそのIPアドレスとして使用することができるIPアドレスa.b.c.d 、(2)図1中のIPゲートウェイ150のIPアドレスであり得る、TE2デバイス110eがそのサブネットの外側のIPパケットを送信するために使用することができるIPアドレス、および(3)ワイヤレスデバイス120eによってスプーフィングされあるいはそのふりをされるIPアドレスであり得る、DHCPサーバ824のIPアドレス、を含むことができる。TE2デバイス110eは、その後にDHCPOFFERメッセージ中において通知される(advertised)ような、スプーフィングされたIPアドレスを使用して、DHCPメッセージをDHCPサーバ824に対して送信することができる。これらのDHCPメッセージは、Rmインターフェース528aを経由して受信され、経路指定またはパケットフィルタリングを使用してDHCPサーバ824に対して供給される。
【0068】
一般に、ここにおいて説明される技法およびコンフィギュレーションにより、TE2デバイスは、IPベースのインターフェースを使用して取り付けられたワイヤレスデバイスを経由してワイヤレスデータサービスを得ることができるようになる。いくつかの例示のワイヤレスデータサービスが、特定のコンフィギュレーション800について、上記に説明されている。他のサービスもまた、TE2デバイスに対して提供されることができる。
【0069】
ワイヤレスデータサービスは、ワイヤレスデバイス中心であるかもしれないし、ワイヤレスネットワーク経由で取得するために特別な手段および/またはプロトコルを必要とするかもしれない。ここにおいて説明される技法は、TE2デバイスからこれらの複雑さ(intricacy)を隠すことができる。TE2デバイス中において実行されるエンドアプリケーションは、IPベースのインターフェースを使用してワイヤレスデバイスを経由してこれらのワイヤレスデータサービスを取得することができる。これらのエンドアプリケーションは、IPベースのフレームワーク上で動作する、ウェブブラウザなど、標準のIPベースのプロトコルを使用することができる。TE2デバイスについてのIPベースのインターフェースをサポートするいくつかの利点は、次のものを含んでいる。すなわち、
・TE2デバイス中におけるエンドアプリケーションは、データアプリケーション開発業者によってよく理解され、非常に安定しており、立証された機能を有するIPベースのプロトコルを使用することができる。
・エンドアプリケーションは、標準のIPプロトコルに基づいた多数の既存のアプリケーションを再使用することができる。
・エンドアプリケーションは、ユーザによって一般に使用され非常に人気のある、ウェブベースのユーザインターフェースなど、標準化され、よく知られているユーザインターフェースを使用することができる。これらのユーザインターフェースは、ユーザに対してコンテンツを提供するためにIPベースのフレームワークを必要とする。
IPベースのインターフェースは、一様(uniform)であり、(1)ワイヤレスデバイスのタイプ、アーキテクチャ、および製造業者、(2)望ましいワイヤレスデータサービスにアクセスするワイヤレスデバイスによって、サポートされ使用されるワイヤレス技術、(3)TE2デバイスについての環境またはオペレーティングシステム、および(4)TE2デバイスとワイヤレスデバイスとの間の物理的相互接続、から独立している。
【0070】
図9は、IPベースのインターフェースを使用してTE2デバイス110上でワイヤレスデータサービスをサポートするワイヤレスデバイス120によって実行される、プロセス900を示している。最初に、ワイヤレスデバイス120は、そのIPアドレスa.b.c.d をTE2デバイス110上に割り当て、このIPアドレスを用いてそのUmインターフェースを構成する(ブロック910)。TE2デバイス110は、一般的なデータ/IP接続性を得るためにIPアドレスa.b.c.d を使用する。ワイヤレスデバイス120は、プライベートIPアドレスw.x.y.z を導き出し、このIPアドレスを用いてそのRmインターフェースを構成する(ブロック912)。ワイヤレスデバイス120はTE2デバイス110と通信するためにIPアドレスw.x.y.z を使用する。ワイヤレスデバイス120におけるRmインターフェース上で実行されるアプリケーションは、このRmインターフェースにバインドする。
【0071】
その後に、ワイヤレスデバイス120は、通信経路1についてIPアドレスa.b.c.d を使用してTE2デバイス110とワイヤレスネットワーク130との間で交換されるデータを転送する(ブロック914)。このデータは、このデータが、Umインターフェース上にインストールされるパケットフィルタのどれともマッチングしないので、ワイヤレスデバイス120を対象としない。ワイヤレスデバイス120はまた、(1)TE2デバイス110に送信されるアウトバウンドパケットについてIPアドレスw.x.y.z を使用すること、および(2)TE2デバイス110から受信されるインバウンドパケットに対してアドレスベースの経路指定またはパケットフィルタリングを実行すること、によって、通信経路2についてRmインターフェースを経由してTE2デバイスとデータを交換することもできる(ブロック916)。ワイヤレスデバイス120は、(1)ワイヤレスネットワーク130に送信されるアウトバウンドパケットについてIPアドレスa.b.c.d を使用し、(2)ワイヤレスネットワークから受信されるインバウンドパケットに対してパケットフィルタリングを実行することにより、通信経路3についてUmインターフェースを経由してワイヤレスネットワーク130とデータを交換することもできる(ブロック918)。
【0072】
図10は、TE2デバイス110およびワイヤレスデバイス120のブロック図を示している。TE2デバイス110は、コントローラ1010、メモリ1012、およびインターフェースユニット1014を含む。コントローラ1010は、TE2デバイス110についての処理を実行し、さらにTE2デバイス内の様々なユニットのオペレーションを指示する。コントローラ1010は、動的IPコンフィギュレーションについてのDHCPクライアント(PPPクライアントなど他の同様なプロトコル)をインプリメントし、ワイヤレスデバイス120および/またはワイヤレスネットワーク130とのIPパケットを交換する処理などを実行することができる。メモリユニット1012は、コントローラ1010によって使用されるプログラムコードおよびデータを記憶する。インターフェースユニット1014は、ワイヤレスデバイス120と通信するためのインターフェースを実現し、IPおよびリンク層(例えば、イーサネット)についての処理を実行することができる。インターフェースユニット1014は、ソフトウェア(例えば、コントローラ1010による)またはハードウェアを用いてインプリメントされることができる。
【0073】
ワイヤレスデバイス120は、ワイヤレスネットワーク130、コントローラ1040、メモリ1042、およびインターフェースユニット1044と通信するためのワイヤレスモデムを含んでいる。ワイヤレスモデムの送信経路上(on the transmit path)では、ワイヤレスデバイス120によって送信されるべきデータおよび信号が、エンコーダ1022によって処理され(例えば、フォーマットされ、符号化され、インターリーブされ)、さらにデータチップのストリームを得るために変調器(Mod)1024によって処理される(例えば、変調され、拡散され、チャネル化され、スクランブルされる)。次いでトランスミッタユニット(TMTR)1032は、アップリンク信号を生成するためにそのデータチップストリーム(data chip stream)を調整し(例えば、アナログに変換し、フィルタをかけ、増幅し、高い周波数に変換し)、このアップリンク信号は、アンテナ1036を経由して伝送される。受信経路上では、ワイヤレスネットワーク130(例えば、CDMAネットワークまたはUMTSネットワーク)中における基地局によって送信されるダウンリンク信号は、アンテナ1036によって受信され、レシーバユニット(RCVR)1038に対して供給される。レシーバユニット1038は、受信される信号を調整し(例えば、フィルタをかけ、増幅し、低い周波数に変換し)、さらにデータサンプルを得るために調整された信号をデジタル化する。復調器(Demod)1026は、シンボルを得るためにサンプルを処理する(例えば、スクランブルを解き、逆拡散し、チャネル化し、復調する)。デコーダ1028は、さらに復号されたデータを得るために、それらのシンボルを処理する(例えば、デインターリーブし、復号化する)。エンコーダ1022、変調器1024、復調器1026、およびデコーダ1028は、モデムプロセッサ1020によってインプリメントされることができる。これらのユニットは、ワイヤレスネットワーク130によって使用されるワイヤレス技術(例えば、W−CDMAまたはIS−2000)に従って処理を実行する。
【0074】
コントローラ1040は、ワイヤレスデバイス120内の様々なユニットのオペレーションを指示する。コントローラ1040は、図9に示されるプロセス900をインプリメントすることができ、図4から8に示される様々なサーバおよびアプリケーションをインプリメントすることができる。メモリユニット1042は、コントローラ1040および他のユニットによって使用されるプログラムコードおよびデータを記憶する。インターフェースユニット1044は、TE2デバイス110および/またはワイヤレスネットワーク130と通信するためのインターフェースを実現し、Rmインターフェースおよび/またはUmインターフェースをインプリメントすることができ、IPおよびリンク層についての処理を実行することができる。
【0075】
ここにおいて説明される、IPベースのインターフェースを使用してTE2デバイス上のワイヤレスデータサービスをサポートするための技法は、様々な手段によってインプリメントされることができる。例えば、これらの技法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せの形でインプリメントされることができる。ハードウェアインプリメンテーションの場合、それらの技法についての処理ユニットは、ここにおいて説明される機能を実行するように設計された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)、デジタル信号処理プロセッサ(digital signal processor)(DSP)、デジタル信号処理デバイス(digital signal processing device)(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device)(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array)(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、他の電子ユニット、あるいはそれらの組合せの中でインプリメントされることができる。
【0076】
ソフトウェアインプリメンテーションの場合、それらの技法は、ここにおいて説明される機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、ファンクションなど)を用いてインプリメントされることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニット(例えば、図10中におけるメモリユニット1042)に記憶され、プロセッサ(例えば、コントローラ1040)によって実行されることができる。メモリユニットは、プロセッサ内に、あるいはプロセッサの外部にインプリメントされることができる。
【0077】
見出しは、参照のために、また、あるセクションを見出す際に助けとなるように、ここでは含められている。これらの見出しは、その下でそこに説明される概念の範囲を限定するようには意図されておらず、これらの概念は、明細書全体を通して他のセクションにおいても適用可能性があり得る。
【0078】
開示された実施形態の上記の説明は、どんな当業者も本発明を作りあるいは使用することができるようにするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者にとっては容易に明らかであろう、そして、ここにおいて定義される包括的な原理は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく他の実施形態に対しても適用されることができる。従って、本発明は、ここに示された実施形態に限定されるように意図されてはおらず、ここに開示された原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットプロトコル(IP)ベースのインターフェースを使用してワイヤレスデータサービスを提供する方法であって、
ワイヤレスデバイスを経由して、端末装置とワイヤレスネットワークとの間の第1のIPベースの通信経路を提供することと、
前記ワイヤレスデバイスと前記端末装置との間の第2のIPベースの通信経路を提供することと、
前記ワイヤレスデバイスに対して割り当てられる単一のIPアドレスを使用して、前記の第1および第2のIPベースの通信経路をインプリメントすることと、
を備える方法。
【請求項2】
前記の前記第1のIPベースの通信経路を提供することは、
前記端末装置に対して前記単一のIPアドレスを割り当てることと、
ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記端末装置から受信されるアウトバウンドパケットを前記ワイヤレスネットワークに対して転送することと、
宛先アドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスネットワークから受信されるインバウンドパケットを前記端末装置に対して転送することと、
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の前記第2のIPベースの通信経路を提供することは、
前記ワイヤレスデバイスにより使用するためのプライベートIPアドレスを導き出すことと、
前記端末装置とパケットを交換するために前記プライベートIPアドレスを使用することと、
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の前記端末装置とパケットを交換するために前記プライベートIPアドレスを使用することは、
ソースアドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記端末装置に対して前記ワイヤレスデバイスからアウトバウンドパケットを送信することと、
宛先アドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスに対して前記端末装置から送信されるインバウンドパケットを受信することと、
を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の前記端末装置とパケットを交換するために前記プライベートIPアドレスを使用することは、
宛先アドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスに対して前記端末装置から送信されるインバウンドパケットを受信するために、アドレスベースの経路指定を実行すること、
を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記の前記端末装置とパケットを交換するために前記プライベートIPアドレスを使用することは、
宛先アドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスに対して前記端末装置から送信されるインバウンドパケットを受信するために、パケットフィルタリングを実行すること、
を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記の前記第2のIPベースの通信経路を提供することは、
宛先アドレスとしてマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスに対して前記端末装置から送信されるインバウンドパケットを受信するために、パケットフィルタリングを実行すること、
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記単一のIPアドレスを用いて前記ワイヤレスデバイスにおける第1のインターフェースを構成することと、なお、前記第1のインターフェースは前記ワイヤレスネットワークと通信するために使用される;
前記プライベートアドレスを用いて前記ワイヤレスデバイスにおける第2のインターフェースを構成することと、なお、前記第2のインターフェースは前記端末装置と通信するために使用される;
をさらに備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記ワイヤレスデバイスに割り当てられる前記単一のIPアドレスは、IPv6サブネットプレフィックスであり、そして、前記の前記第2のIPベースの通信経路を提供することは、
前記IPv6サブネットプレフィックスを用いて、前記ワイヤレスデバイスにより使用するための第1のIPv6アドレスを導き出すことと、
前記端末装置とパケットを交換するために前記第1のIPv6アドレスを使用することと、
を備え、前記IPv6サブネットプレフィックスを用いて生成される第2のIPv6アドレスは、前記端末装置によって使用される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ワイヤレスデバイスと前記ワイヤレスネットワークとの間の第3のIPベースの通信経路を提供することと、
前記ワイヤレスデバイスに割り当てられる前記単一のIPアドレスを使用して、前記第3のIPベースの通信経路をインプリメントすることと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記の前記第3のIPベースの通信経路を提供することは、
ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを使用して、前記ワイヤレスデバイスから前記ワイヤレスネットワークに対してアウトバウンドパケットを送信することと、
パケットフィルタリングを使用して前記ワイヤレスネットワークから前記ワイヤレスデバイスに対して送信されるインバウンドパケットを受信することと、
を備える、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のIPベースの通信経路を使用して、位置ベースのサービスを前記端末装置に対して提供すること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のIPベースの通信経路を使用して、テキストメッセージングサービスを前記端末装置に対して提供すること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のIPベースの通信経路を使用して、マルチメディアサービスおよびブロードキャストサービスを前記端末装置に対して提供すること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記端末装置に対してコンテンツを提供するために前記ワイヤレスデバイスにおいてハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)サーバをインプリメントすること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記端末装置によって送信されるテキスト電子メールメッセージを受信し転送するために前記ワイヤレスデバイスにおいて簡易メール転送プロトコル(SMTP)サーバをインプリメントすること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のIPベースの通信経路を経由してIPコンフィギュレーションを前記端末装置に対して動的に提供すること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項18】
動的IPコンフィギュレーションを前記端末装置に対して提供するために、前記ワイヤレスデバイスにおいて動的ホストコンフィギュレーションプロトコル(DHCP)サーバをインプリメントすること、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ワイヤレスネットワーク中におけるワイヤレスデバイスであって、
端末装置に結合され、前記端末装置と前記ワイヤレスネットワークとの間の第1のインターネットプロトコル(IP)ベースのインターフェース通信経路を提供し、前記ワイヤレスデバイスと前記端末装置との間の第2のIPベースの通信経路を提供するように動作するインターフェースユニットと、
前記ワイヤレスデバイスに割り当てられる単一のIPアドレスを使用して、前記の第1および第2のIPベースの通信経路をインプリメントするように動作するコントローラと、
を備えるワイヤレスデバイス。
【請求項20】
前記コントローラは、前記端末装置に対して前記単一のIPアドレスを割り当てるように動作し、また、前記インターフェースユニットは、ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記端末装置から受信されるアウトバウンドパケットを前記ワイヤレスネットワークに対して転送し、宛先アドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスネットワークから受信されるインバウンドパケットを前記端末装置に対して転送するように動作する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記コントローラは、前記ワイヤレスデバイスにより使用するためのプライベートIPアドレスを導き出すように動作し、また、前記インターフェースユニットは、ソースアドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスから前記端末装置に対してアウトバウンドパケットを送信し、宛先アドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスに対して前記端末装置から送信されるインバウンドパケットを受信するためにアドレスベースの経路指定またはパケットフィルタリングを実行するように動作する、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記インターフェースユニットはさらに、前記ワイヤレスデバイスと前記ワイヤレスネットワークとの間の第3のIPベースの通信経路を提供するように動作し、また、前記コントローラはさらに、前記ワイヤレスデバイスに割り当てられる前記単一のIPアドレスを使用して前記第3のIPベースの通信経路をインプリメントするように動作する、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記インターフェースユニットは、ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを使用して前記ワイヤレスデバイスから前記ワイヤレスネットワークに対してアウトバウンドパケットを送信し、パケットフィルタリングを使用して前記ワイヤレスネットワークから前記ワイヤレスデバイスに対して送信されるインバウンドパケットを受信するように動作する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
ワイヤレスネットワーク中における装置であって、
ワイヤレスデバイスを経由して端末装置とワイヤレスネットワークとの間の第1のインターネットプロトコル(IP)ベースの通信経路を提供するための手段と、
前記ワイヤレスデバイスと前記端末装置との間の第2のIPベースの通信経路を提供するための手段と、
前記ワイヤレスデバイスに対して割り当てられる単一のIPアドレスを使用して前記の第1および第2のIPベースの通信経路をインプリメントするための手段と、
を備える装置。
【請求項25】
前記第1のIPベースの通信経路を提供するための前記手段は、
前記端末装置に対して前記単一のIPアドレスを割り当てるための手段と、
ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記端末装置から受信されるアウトバウンドパケットを前記ワイヤレスネットワークに対して転送するための手段と、
宛先アドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスネットワークから受信されるインバウンドパケットを前記端末装置に対して転送するための手段と、
を備える、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第2のIPベースの通信経路を提供するための前記手段は、
前記ワイヤレスデバイスにより使用するためのプライベートIPアドレスを導き出すための手段と、
ソースアドレスとして前記プライベートIPアドレスを使用して、前記ワイヤレスデバイスから前記端末装置に対してアウトバウンドパケットを送信するための手段と、
宛先アドレスとして前記プライベートIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスデバイスに対して前記端末装置から送信されるインバウンドパケットを受信するために、アドレスベースの経路指定またはパケットフィルタリングを実行するための手段と、
を備える請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記ワイヤレスデバイスと前記ワイヤレスネットワークとの間の第3のIPベースの通信経路を提供するための手段と、
前記ワイヤレスデバイスに割り当てられる前記単一のIPアドレスを使用して前記第3のIPベースの通信経路をインプリメントするための手段と、
をさらに備える、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記第3のIPベースの通信経路を提供するための前記手段は、
ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを使用して、前記ワイヤレスデバイスから前記ワイヤレスネットワークに対してアウトバウンドパケットを送信するための手段と、
パケットフィルタリングを使用して前記ワイヤレスネットワークから前記ワイヤレスデバイスに対して送信されるインバウンドパケットを受信するための手段と、
を備える、
請求項27に記載の装置。
【請求項29】
ワイヤレスデバイスを経由して端末装置とワイヤレスネットワークとの間の第1のIPベースの通信経路を提供し、
前記ワイヤレスデバイスと前記端末装置との間の第2のIPベースの通信経路を提供し、
前記ワイヤレスデバイスに対して割り当てられる単一のIPアドレスを用いて、前記の第1および第2のIPベースの通信経路をインプリメントする、
ようにワイヤレスデバイス中で動作可能な命令を記憶するための、プロセッサ読取り可能媒体。
【請求項30】
前記端末装置に対して前記単一のIPアドレスを割り当て、
ソースアドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記端末装置から受信されるアウトバウンドパケットを前記ワイヤレスネットワークに対して転送し、
宛先アドレスとして前記単一のIPアドレスを用いて、前記ワイヤレスネットワークから受信されるインバウンドパケットを前記端末装置に対して転送する、
ように動作可能な命令をさらに記憶するための、請求項29に記載のプロセッサ読取り可能媒体。
【請求項31】
前記ワイヤレスデバイスにより使用するためのプライベートIPアドレスを導き出し、
前記端末装置とパケットを交換するために前記プライベートIPアドレスを使用する、
ように動作可能な命令をさらに記憶するための、請求項29に記載のプロセッサ読取り可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−39636(P2012−39636A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−198339(P2011−198339)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【分割の表示】特願2008−507958(P2008−507958)の分割
【原出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】