説明

IP電話システム、ユーザ側装置、及び、位置固定方法

【課題】0AB〜J番号サービスに適用できるIP電話用ユーザ装置及び当該ユーザ装置を含むIP電話システムを提供することである。
【解決手段】ユーザ側装置は、電話機固有のMACアドレスを付与すると共に、電話機に定められた回線をあらわす経路情報としてのVLAN−IDをタグとして付与したVoIP系音声パケットを出力する。VoIP系音声パケットを受信する上位装置は、各電話機に割り当てられた所定のMACアドレス及びVLAN−IDをタグとして格納されたテーブルを備えている。上位装置では、電話機からのタグをテーブル内のタグと比較、照合することにより、電話機が正規の位置に接続されているか否かを検出する。このように、VoIP系パケットのタグには、経路情報が含まれているから、電話機の接続位置を認証することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP網(即ち、IPネットワーク)を介して通話を行うことができるIP電話システム、ユーザ側装置、及び、ユーザ側装置を固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、通話料の安価なIP電話サービスに対する関心が高くなっており、IP電話サービスは、今後、普及していくものと予測される。通常、IP電話サービスに用いられる電話番号としては、「050」で始まるの電話番号が用いられているが、固定電話と同じ形式の電話番号(一般に、0AB〜J番号と呼ばれる)をも利用できるIP電話サービスも知られている。このように、0AB〜J番号利用のIP電話サービスには、従来の固定電話サービスと同様な信頼性を保つために種々の制約が課せられており、これらの制約のために、0AB〜J番号を利用したIP電話サービスの普及は遅れる傾向にある。
【0003】
この種の0AB〜J番号に課せられている制約の一つとして、固定電話の電話番号と発信場所とを対応させることが要求されている。これは、固定電話の場合、警察或いは消防等のような緊急電話の際にコールバックして、固定電話の位置を確認する必要があるためである。
【0004】
一方、通常のIP電話サービスに使用されるIP電話装置は、特開2003−158553号公報(特許文献1)に見られるように、パソコンとヘッドセットとを一体化したものが多く、パソコンのキーボードを利用して入力された電話番号をIPアドレスに変換して、ルータを介してIPネットワークに接続する構成を備えている。即ち、特許文献1に示されたIP電話装置は、相手側IP電話装置に対してピアツーピア(peer to peer)方式で情報を送受信する通信装置と、当該通信装置が受信した電話番号とIP電話装置自体の電話番号とを照合する電話番号検索装置とを備えている。電話番号検索装置における照合の結果、両者が一致する場合に限り、通信装置は当該IP電話装置自体のIPアドレスを返信し、このIPアドレスを用いて、相手側のIP電話装置と呼接続している。
【0005】
このことからも明らかな通り、特許文献1は、0AB〜J番号を利用したIP電話サービスを実現することについては何等開示していない。したがって、電話機の電話番号と当該電話機の位置とを固定する必要性並びにそのための手段について、特許文献1は何等示唆していない。
【0006】
また、現在利用中の電話番号を使用できる従来のシステムは、国内通話、携帯電話、国際電話等には対応できるものの緊急通話用に加入電話回線を残すことが提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−158553号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電話料金を抑えることができるIP電話サービスはユーザにとって極めて魅力的であり、更に、現在利用されている電話番号を利用できる0AB〜J番号サービスを提供することはユーザにとって極めて利便性が高い。したがって、0AB〜J番号サービスを実現することは、IP電話サービスの普及に大きな役割を果たすものと考えられる。
【0009】
しかしながら、IP電話装置自体、当該IP電話装置にコンピュータと同様に、IPアドレスを割り当て、当該IPアドレスを用いた接続が行われている。このことは、IP電話装置をどの電話回線に接続しても使用できるように構成することを意味している。したがって、各IP電話装置の位置を固定することについて従来提案されていないのが実情であり、緊急電話の際のためには加入者回線を残すことのみが検討されている。
【0010】
本発明の目的は、電話機の位置を認証して、緊急電話の際にも対応できる電話機用ユーザ側装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、電話機に対応した接続経路を示す識別子を用いて電話機の位置を認識する電話機用ユーザ側装置を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ユーザ側装置からの識別子を用いて、電話機の位置を認証できるIP電話システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、IPネットワークを介して通話を行うユーザ側装置において、電話機を接続できる端末装置を備え、当該端末装置には、前記端末装置に割り当てられた経路をあらわす経路識別子が割り当てられており、前記端末装置は前記電話機固有の電話機識別子を付与する手段を備え、前記経路識別子と前記電話機識別子の双方は、前記端末装置の位置の固定に使用されることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、前記経路識別子は前記端末装置に接続された電話機の経路をあらわす電話機用VLAN−ID(以下VoIP VLAN−ID(Vertual Local Area Network− Identifier)と呼ぶ)であり、前記電話機識別子は電話機用VoIP MAC(Media Access Control)アドレスであることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、前記端末装置は、前記電話機識別子として前記VoIP MACアドレスを付与することを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、前記端末装置は前記VoIP MACアドレスのほかに、前記VoIP VLAN−IDをも付与する機能を備えていることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0017】
本発明の第5の態様によれば、前記電話機からの発信に応答して、当該端末装置から与えられるパケットに対して前記VoIP VLAN−IDを付与して、前記VoIP MACアドレスと共に、タグを形成するCPE(Customer Premises Equipment)を有していることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0018】
本発明の第6の態様によれば、前記電話機のサービスクラス(CoS)をあらわすサービスクラス(CoS)番号をもタグの一部として生成されることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0019】
本発明の第7の態様によれば、前記CoS番号は前記端末装置で生成されることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0020】
本発明の第8の態様によれば、前記端末装置は前記電話機のほかに、コンピュータとも接続できる構成を備え、前記コンピュータには、前記電話機と異なるコンピュータ識別子が割り当てられ、前記電話機用の経路識別子とは異なるサービス系経路識別子が割り当てられていることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0021】
本発明の第9の態様によれば、前記端末装置は、前記電話機のほかに、コンピュータとも接続できる構成を備え、前記コンピュータには、前記電話機と異なるコンピュータ識別子が付与されていると共に、前記電話機の経路識別子と同じサービス系経路識別子が割り当てられていることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0022】
本発明の第10の態様によれば、IPネットワークを介して通話を行うIP電話システムにおいて、電話機に対して、予め定められた経路をあらわす経路識別子を割り当てることができると共に、前記電話機に対して固有の電話機識別子を割り当てることができるユーザ側装置と、当該経路識別子及び電話機識別子を用いて、前記端末装置の位置を認証固定する上位装置を有することを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0023】
本発明の第11の態様によれば、前記経路識別子は、前記電話機の接続されるべき回線をあらわすVoIP VLAN−IDであり、前記電話機識別子はVoIP MACアドレスであることを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0024】
本発明の第12の態様によれば、前記上位装置は、前記ユーザ側装置を複数収容し、前記各ユーザ側装置からの前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスとが、設定されている所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致するか否かを判定するテーブルを備えたスイッチ手段と、前記スイッチ手段において前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスが前記所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致している場合、前記電話機を認証するVoIP用サーバとを有していることを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0025】
本発明の第13の態様によれば、前記スイッチ手段において、前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスと、前記所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスとの不一致が検出された場合に接続される前記VoIP用サーバとは異なるサービス用サーバを有していることを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0026】
本発明の第14の態様によれば、前記サービス用サーバは、前記スイッチ手段で不一致が検出された場合、認証を行わないことを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0027】
本発明の第15の態様によれば、前記上位装置は、前記ユーザ側装置を複数収容し、前記各ユーザ側装置からの前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスとを含むVoIP系パケットを受け、当該VoIP系パケットに応じた経路を定めるスイッチと、前記定められた経路に配置され、前記VoIP系パケット中のVoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスが所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致するか否かを判定するテーブルを備え、判定結果にしたがって前記VoIP系パケットの経路を設定するセパレータとを有していることを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0028】
本発明の第16の態様によれば、前記セパレータにおいて前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスが前記所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致している場合、前記セパレータで、前記電話機の位置を固定することを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0029】
本発明の第17の態様によれば、前記セパレータにおいて不一致が検出された前記電話機に対する認証を行わないことを特徴とするIP電話システムが得られる。
【0030】
本発明の第18の態様によれば、IPネットワークを介して電話サービスを行うIP電話システムに使用される電話機の位置固定方法において、前記電話機の接続されるべき端末装置に対して、当該端末装置に割り当てられた経路をあらわす経路識別子と、電話機固有の電話機識別子を付与しておき、前記経路識別子と前記電話機識別子の双方を用いて、上位装置側で、前記端末装置の位置を固定、認証することを特徴とする電話機の位置固定方法が得られる。
【0031】
本発明の第19の態様によれば、前記経路識別子は前記端末装置の経路をあらわす電話機用VLAN−ID(以下VoIP VLAN−ID(Vertual Local Area Network− Identifier)と呼ぶ)であり、前記電話機識別子は電話機用VoIP MAC(Media Access Control)アドレスであることを特徴とする電話機の位置固定方法が得られる。
【0032】
本発明の第20の態様によれば、前記電話機識別子として付与される前記VoIP MACアドレスは前記端末装置で付与されることを特徴とする電話機の位置固定方法が得られる。
【0033】
本発明の第21の態様によれば、前記VoIP MACアドレスのほかに、前記VoIP VLAN−IDをも前記端末装置で付与されることを特徴とするユーザ側装置が得られる。
【0034】
本発明の第22の態様によれば、前記経路識別子及び前記電話機識別子の一致及び不一致を検出するためのテーブルを用いて、前記端末装置の位置を固定することを特徴とする電話機の位置固定方法が得られる。
【0035】
本発明の第23の態様によれば、前記テーブルを格納したスイッチを前記上位装置側に有していることを特徴とする電話機の位置固定方法が得られる。
【0036】
本発明の第24の態様によれば、前記テーブルを備えたセパレータを有することを特徴とする電話機の位置固定方法が得られる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、電話機に割り当てられた回線の経路情報として、VoIP VLAN−IDをVoIP系パケットに付与すると共に、当該電話機にVoIP MACアドレスを付与し、両VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスを利用することによって電話機の接続位置を特定できると共に、他のユーザの成りすましを防止できるユーザ側装置が得られる。
【0038】
更に、本発明では、VoIP VLAN−IDを含むタグをユーザ側端末で生成して、加入者端末よりも上位の装置で、VoIP MAC、VLAN−ID、ユーザID及びユーザパスワード(PWD)によってユーザ端末装置の位置を固定する。この構成では、上位の装置として既存の装置等をも使用できるため、システムの変更を最小限に止めることができる。このように、位置を固定された端末装置に接続された電話機は、緊急電話をも含めて0AB〜J番号による発信にも容易に対応できると言う利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に係るIP電話システム20の概略構成が示されている。図1に示されたIP電話システム20は加入者収容装置(CO)22、BAS(Broadband Access Server)24、スイッチ25、及び、RADIUS(Remote Authentication Dial−In User Server)26とを備えている。加入者収容装置(CO)22には、複数のユーザ側装置(図1では、ユーザ1及び2に対応する2つのユーザ側装置301、302だけが示されている)が接続されている。
【0040】
図示されたユーザ側装置301は、メディアコンバータ(MC)を含むCPE(Customer Premises Equipment)321と、本発明に係る端末装置341とを具備し、図示された端末装置341はPC361及び電話機381の双方と接続できるように構成されているが、電話機381だけを接続するように構成されていても良い。
【0041】
他方、ユーザ側装置302にも、MCを含むCPE322及び本発明に係る端末装置342が設けられており、当該端末装置342もPC362及び電話機382の双方と接続できるように構成されている。ここで、各端末装置341及び342はVoIP(Voice over Internet Protocol)にしたがって動作するから、以下ではVoIP−TA(Terminal Adapter)と呼ぶこともあるし、VA(Voice Adapter)と略称する場合もある。尚、これら端末装置341及び342は、ここでは、事業者から各ユーザに提供されても良いし、或いは、ユーザ自身によって購入されたものでも良い。このように、図示された各ユーザ側装置301、302は、CPE(Custmer Premises Equipment)321、322と端末装置341、342との双方を含む構成を有している。
【0042】
図示された端末装置341及び342に接続されるPC361及び362には、NIC(Network Interface Card)により、固有のMAC(Media Access Control)アドレス(ここでは、それぞれMAC:A及びMAC:C)が付与されているものとする。一方、電話機381及び382自身には、MACアドレスは付与されていない。
【0043】
また、端末装置341に接続されたCPE321のMCは光ケーブルを介して加入者収容装置22に接続され、端末装置342に接続されたMC322も光ケーブルを介して加入者収容装置22に接続されている。この関係で、図示されたシステムはFiber To The Home(FTTH)システムを構成しているものとして説明する。しかしながら、本発明は何等この構成に限定されることなく、メタルケーブルによって接続されたDSL(Digital Subscriber Line)方式にも適用できるし、或いは、PON(Passsive Optical Network)構成を採用したシステムにも適用可能である。
【0044】
ここで、ユーザ1及び2の端末装置341及び342の回線には、それぞれこれら端末装置固有の接続経路を示す経路情報として、PC及び電話機共通のVLAN−ID:a及びVLAN−ID:bが付与されているものとし、これらは経路識別子としての機能を有している。即ち、この実施形態では、端末装置341及び342の回線をあらわす経路識別子としてVLAN−ID:a及びVLAN−ID:bが割り当てられると共に、PC361及び362には、コンピュータを識別するためのコンピュータ識別子としてそれぞれMAC:A及びMAC:Cが割り当てられている。
【0045】
更に、本発明に係る端末装置341は電話機381の発信を受けると、当該電話機381からの発信を検出し、当該電話機381に固有の識別子、即ち、電話機識別子として、VoIP MACアドレスを付与したパケット(VoIP系パケットと呼ぶ)を出力する機能を備えている。この例では、VoIP MAC:BがVoIP MACアドレスとして端末装置341によって付与される。
【0046】
同様に、端末装置342は電話機382からの発信に対して、当該電話機382固有の電話機識別子(VoIP MAC:D)を付与したVoIP系パケットを出力する機能を備えている。
【0047】
他方、図示された端末装置341、342は、それぞれPC361、362からのMAC:A、MAC:Cを付与したパケット(サービス系パケット)をそのままCPE321、322に出力する。
【0048】
結果的に、本発明に係る各端末装置341、342からCPE321、322を介して加入者収容装置(CO)22に与えられるサービス系パケット及びVoIP系パケットには、上記したMACアドレスが付与されている。加入者収容装置(CO)22は、ユーザ1のPC361からのサービス系パケットに対して、PCアドレスとして、PC MAC:A及びVLAN−ID:aを含むパケットをスイッチ25に供給し、他方、ユーザ1のVoIP系パケットに対して、VoIPアドレスとして、VoIP MAC:B及びVLAN−ID:aを含むパケットをスイッチ25に出力する。
【0049】
同様に、加入者収容装置(CO)22は、ユーザ2のサービス系パケットを受けると、PC MAC:C及びVLAN−ID:bを含むパケットを出力する一方、ユーザ2のVoIP系パケットを受けると、VoIP MAC:D及びVLAN−ID:bを含むパケットを出力する。
【0050】
図示されたスイッチ25は、レイヤ2のスイッチ(L2SW)であり、ユーザ1及び2に対応した表1に示すような第1及び第2ユーザテーブルを備えている。
【0051】
【表1】

【0052】
具体的に言えば、ユーザ1用の第1ユーザテーブルは第1PCテーブルと第1VoIPテーブルとにより構成され、同様に、ユーザ2用の第2ユーザテーブルも、第2PCテーブルと第2VoIPテーブルとにより構成されている。
【0053】
ここで、第1ユーザテーブルの第1PCテーブルは、表1に示されているように、第1ユーザ1に予め割り当てられたPC MAC:A、VLAN−ID:aとを格納している。また、これらPC MAC:A、VLAN−ID:aがユーザ側装置301から受信したものと一致した場合に、当該第1ユーザ1のPC361に割り当てられる出力VLAN−ID(BAS24のサービス系VR241に対するVLAN−ID)が格納され、更に、PC MAC:A、VLAN−ID:aと、ユーザ側装置301から受信したものとの間に不一致が生じた場合に、出方路としてBAS24のサービス系VR241に対するVLAN−IDが格納されている。
【0054】
他方、第1ユーザテーブルの第1VoIPテーブルには、表1に示されているように、第1ユーザ1のVoIP MAC:B、VLAN−ID:aとが格納されている。更に、格納されているVoIP MAC:B、VLAN−ID:aと、受信したものと一致した場合に、第1ユーザ1の電話機381に割り当てられるVoIP用VLAN−IDも第1VoIPテーブルに格納されており、更に、不一致が検出された場合、出方路としてBAS24のサービス系VR241に対するVLAN−IDが格納されている。
【0055】
同様に、第2ユーザテーブルの第2PCテーブルは、表1に示すように、第2ユーザ2のPC362に、PCアドレスとして予め割り当てられたPC MAC:C、VLAN−ID:bとを格納している。また、表1には、受信したPCアドレスと格納されたものと一致した場合、当該第2ユーザ2のPC362に割り当てられたスイッチ25の出方路をあらわすBAS24のサービス系VR241へのサービス用VLAN−IDが表1に格納されており、不一致の場合における出方路として、BAS24のサービス系VR241へのサービス用VLAN−IDが格納されている。
【0056】
他方、第2ユーザテーブルの第2VoIPテーブルは、第2ユーザ2のVoIP MAC:D、VLAN−ID:bを格納している。受信したVoIP系アドレスがVoIP MAC:D、VLAN−ID:bと一致している場合におけるスイッチ25の出方路として、BAS24のVR242へのVLAN−IDが表1に格納されると共に、不一致の場合におけるスイッチ25の出方路として、BAS24のサービス系VR241へのサービス系用VLANも格納されている。
【0057】
この状態で、PC361が起動され、ユーザ1のID及びパスワード(PWD)が端末装置341から送信された後、PC361から端末装置341及び加入者収容装置22を介して、パケットがスイッチ25に出力された場合における動作を説明する。
【0058】
この場合、端末装置341から出力されるパケットがPC MAC:A、VLAN−ID:aのタグを有している場合、ユーザ1の第1PCテーブルがサーチされる。第1PCテーブルがサーチされると、パケットに付加されたタグと、第1PCテーブルに格納されているPC MAC:A、VLAN−ID:aとは一致するから、第1PCテーブルから出方路をあらわすVLAN−IDに変換され、当該VLAN−IDに対応したサービス系VLANを介してBAS24のVR241に当該パケットが出力される。このように、スイッチ25では、端末装置301からスイッチ25までの経路が確立される。
【0059】
続いて、BAS24のVR241はRADIUS26のサービス用サーバ261に認証要求パケットを出力する。この場合、認証要求パケットには、端末装置341のID及びパスワード(PWD)が含まれているから、RADIUS26のサービス用サーバ261は、これらID及びPWDからPC361からのパケットであることを認証する。このRADIUS26における認証動作は従来のRADIUS26の認証動作と同じであるから、図示された例では、RADIUS26の設計変更等を要しないと言う利点がある。
【0060】
同様に、端末装置341が起動された場合にも、端末装置341から当該端末装置341に割り当てられたユーザID及びパスワード(PWD)を含む認証要求が出力され、続いて、電話機381から端末装置341及び加入者収容装置(CO)22を介して、VoIP MAC:B、VLAN−ID:aを有する音声パケットがスイッチ25に与えられる。この場合、表1に示された第1VoIPテーブルがサーチされ、この例でも、第1VoIPテーブルの内容とタグとが一致するから、スイッチ25は正規の電話機381からの発信であることを判定する。これによって、電話機381の位置はスイッチ25によって固定されたことになる。次に、スイッチ25は、第1VoIPテーブルを参照して、出方路をあらわすVoIP用VLAN−IDを読み出し、当該VoIP用VLANを介してBAS24のVoIP用VR242にID及びPWDを含む認証要求パケットを出力する。
【0061】
この結果、VoIP系認証要求パケットはRADIUS26のVoIP用サーバ262に与えられ、ID及びPWDによって端末装置341を認証する。
【0062】
このように、この実施形態では、MACアドレス(MAC:B)とVLAN−ID:bを用いてスイッチ25で端末装置341の電話機381の位置を固定すると共に、VoIP用サーバ262は端末装置341をID/PWDを用いて認証、識別する。上記した例では、VoIP用サーバ262は、IPアドレスを当該端末装置341に分配し、端末装置341は分配されたIPアドレスを利用してSIP(Session Initiation Protocol)サーバ263との接続を行う。SIPサーバ263との接続後、電話機381は0AB〜J番号を利用した発信も可能な状態になる。
【0063】
上記した動作は、ユーザ2の端末装置342に対して、当該端末装置342に予め定められた正規のPC362及び電話機382が接続された場合にも同様である。
【0064】
一方、ユーザ2の位置に設けられた端末装置342に、ユーザ2に設定された正規のPC及び電話機とは異なるユーザ1の端末装置341が接続されたものとする。即ち、ユーザ1がユーザ2になりすまして、ユーザ2の位置で接続を行った場合について説明する。
【0065】
この場合、ユーザ2の位置に接続された端末装置341は、例えば、PC361の接続によって、PCMAC:Aをそのまま出力する一方、電話機が接続された場合、VoIPMAC:Bを付与する機能を備えている。
【0066】
したがって、端末装置341にPC361が接続された場合、PCMAC:Aが含まれているパケットが端末装置341からサービス系パケットとして、MC322を介して加入者収容装置22に供給される。
【0067】
このサービス系パケットを受けて、加入者収容装置22はMAC:Aと共に、端末装置342に割り当てられたVLAN−ID:bとをタグとして含むパケットをスイッチ25に与える。即ち、当該サービス系パケットには、PC361のPCアドレスとしてMAC:Aが含まれると共に、その経路情報として、端末装置342に割り当てられたVLAN−ID:bが含まれている。
【0068】
スイッチ25では、受信したMAC:A及びVLAN−ID:bによって表1に示された第2ユーザテーブルの第2PCテーブルを検索する。第2ユーザテーブルに格納されたMAC:C、VLAN−ID:bと、受信したMAC:A、VLAN−ID:bとは相違しているため、タグの不一致を検出する。表1に示されているように、不一致の場合、第2ユーザテーブルのPCテーブルには、その出方路として、サービス用VLANに割り当てられたVLAN−IDが設定されている。したがって、上記したように、格納されたタグと受信したタグとの間に不一致が生じた場合、サービス用VLANを通して、BAS24及びRADIUS26のサービス用サーバ261が接続される。
【0069】
サービス用サーバ261はMAC:AからPC361の接続を検出、認証する。このように、PC361、362については、各PCに割り当てられたMACアドレスを検出して、PCを特定するだけでよく、各PCの位置を識別、認証する必要はない。
【0070】
次に、ユーザ2の端末装置342の代わりに、ユーザ1の端末装置341が接続され、当該端末装置341に電話機が接続された場合について説明する。この場合、端末装置341は、電話機に対してVoIP MAC:BをMACアドレスとして付与する機能を備えているから、当該VoIP MAC:Bを含むパケットが端末装置341から加入者収容装置22に出力される。加入者収容装置(CO)22は、MAC:B及びVoIPVLAN−ID:bを含むVoIP系パケットをスイッチ25に出力する。
【0071】
スイッチ25は、表1に示された第2ユーザ2の第2VoIPテーブルに予め格納されたVoIP MAC:DとVLAN−ID:bと、受信したVoIP MAC:B及びVLAN−ID:bとをそれぞれ比較し、VoIP MACアドレスの不一致を検出する。このように、VoIP系パケットにおけるVoIP MACアドレスの不一致がスイッチ25によって検出されると、第2VoIPテーブルからサービス系VLAN−IDが読み出され、当該サービス系VLAN−IDで示されるVLANを通して、VoIP系認証要求がBAS24のVR241を介してRADIUS26のサービス用サーバ261に出力される。換言すると、スイッチ25においてタグの不一致が検出されると、ユーザ2の位置に接続された端末装置341はVoIP系サーバ262と接続されない。
【0072】
サービス用サーバ261は、VoIP系認証要求パケットに伴うユーザID/PWDを検出すると、認証を行うが、当該ユーザ2とは一致しないため、サービス用サーバ261ではユーザ認証に失敗する。この結果、サービス用サーバ261は不一致の検出の際には、IPアドレスをユーザ2に払い出さない。
【0073】
したがって、図1に示されたIP電話システムでは、端末装置を当該端末装置に割り当てられた端末装置以外において使用しようとしても、RADIUS26のサービス用サーバ261は当該VoIP系のパケットの認証に失敗する。このように、ユーザ1又は2が異なる位置に接続されると、RADIUS26は当該VoIP系の電話機の認証に失敗し、結果として、電話機に対してIPアドレスを払い出さず、電話機の接続を拒否する。換言すれば、電話機が当該電話機に定められた位置の端末装置に接続されない限り、0AB〜J番号サービスを受けることはできない。
【0074】
上記したように、図1に示された実施形態では、スイッチ25において、第1及び第2VoIPテーブルに定められたVLAN−IDとMACアドレスの組み合わせと、異なるVLAN−IDとMACアドレスの組み合わせを有するパケットが入力された場合、当該パケットに付与されているVLAN−IDを、サービス用サーバ261を指示するVLAN−IDに付け替えて、当該サービス用VLANを介してBAS24にパケットを出力する必要がある。換言すれば、図1に示された実施形態では、上記したように、VLAN−IDを付け替える機能を有するスイッチ25が必要であり、このことは、従来使用されているスイッチをそのまま利用することはできないことを意味している。
【0075】
図2を参照すると、本発明の他の実施形態に係るIP電話システムは、従来使用されているレイヤ2スイッチ(L2SW)をスイッチ25として使用できると共に、サービス系のパケットに対して、ユーザ全体(ここでは、ユーザ1及び2)で共通のVLAN−IDが付与される場合(VLAN−ID:X)について説明する。具体的に説明すると、ユーザ1に設けられた端末装置341は、当該端末装置341にPC361が接続された場合、当該端末装置341はPC361のMACアドレス(MAC:A)をそのまま出力する機能を備えると共に、当該PC361のVLAN−IDとしてVLAN−ID:Xを割り当てる機能を有している。
【0076】
一方、ユーザ1の端末装置341は、当該端末装置341に電話機381が接続された場合、VoIP MAC:B及びVLAN−ID:Yの双方を付与する機能を有している。
【0077】
他方、ユーザ2に設けられた端末装置342は、当該端末装置342にPC362が接続された場合、PC362のMACアドレス(MAC:C)をそのまま出力する機能と、VLAN−ID:Xを付与する機能を備えている。即ち、図示されたユーザ1及び2の端末装置341、342は接続されたPCに対して共通のVLAN−IDを付与している。
【0078】
また、ユーザ2の端末装置342に電話機382が接続された場合、当該電話機382に対して、端末装置342はVoIP MAC:D及びVLAN−ID:Zを付与する機能を備えている。この実施形態では、ユーザ1、2の端末装置341、342は電話機に対して、互いに異なるVLAN−ID:Y、Zを付与し、更に、固有のVoIP MAC:B、Dをも付与する。ここで、VoIP VLAN−ID:Y及びVLAN−ID:Zは電話機381、382に割り当てられた既存L2SW(スイッチ)25の特定の出方路をVLANによって指示しているものとする。
【0079】
図示されたスイッチ25は、サービス用VLAN上に、サービス系VLAN−ID:Xを含むサービス系パケットを出力し、他方、VoIP用VLAN上にVoIP VLAN−ID:Y及びZを含むVoIP系音声パケットを出力する。当該VoIP系音声パケットには、端末装置341及び342によって付与されたVoIP MAC:B及びDも含まれている。
【0080】
このように、互いに異なるVoIP VLAN−ID:Y及びZを有するパケットが既存のレイヤ2スイッチ(L2SW)25から出力された場合、これら異なるVoIP VLAN−ID:Y及びZをこれらVoIP系音声パケットに応じたVoIP用サーバ262に導く必要がある。
【0081】
図示された実施形態では、スイッチ25とBAS24との間に、セパレータ50が設けられており、当該セパレータ50は、スイッチ25から出力される各ユーザ1、2からのVoIP系音声パケットを受信できる出方路の位置に設けられている、セパレータ50には、ユーザ1及び2のVoIP系パケットに関するMAC/VLANテーブルが備えられている。即ち、表1のユーザ1及び2のVoIPテーブルのVLAN−IDがそれぞれY及びZに置き換えられたMAC/VLANテーブルがセパレータ50に設定されている。
【0082】
即ち、ユーザ1のVoIPテーブルは、端末装置341のVoIPMAC:BとVLAN−ID:Yの組み合わせ、及び、これに対応したセパレータ50とBAS24のVR242間のVLAN−IDとの関係を格納しており、他方、ユーザ2の2VoIPテーブルは、端末装置342のVoIPMAC:D及びVLAN−ID:Zの組み合わせ、及び、この組み合わせに対応したセパレータ50とBAS24のVR242間のVLAN−IDを格納している。
【0083】
したがって、端末装置341、342から受信したVoIP系パケットのタグがユーザ1及び2のVoIPテーブルに格納された各端末装置341、342のVoIPMACアドレス及びVLAN−IDと一致すると、ユーザ1及び2の2VoIPテーブルに格納されたVLAN−IDに対応したVLANが選択され、選択されたVLANを介して、BAS24のVR242に接続される。このように、この実施形態では、MAC/VLAN−IDを利用して、セパレータ50により端末装置341及び342に接続された電話機381、381の位置固定が行われる。
【0084】
セパレータ50を介して接続されたBAS24のVR242は、VoIP用サーバ262に対して、端末装置のID/PWDを含むVoIP系認証要求パケットをRADIUS26のVoIP用サーバ262に出力する。
【0085】
VoIP用サーバ262は図1と同様にして、ユーザID、パスワード(PWD)の認証を行う。認証要求パケットのID/PWDが各ユーザに定められたユーザID、パスワード(PWD)が一致すると、IPアドレスを端末装置に対して払い出す。一方、RADIUS26のVoIP用サーバ262で不一致が検出されると、当該VoIP用サーバ262の認証は失敗し、何等のIPアドレスも発行しない。
【0086】
上記した実施形態では、VoIP系パケットのVoIP VLAN−IDが、VoIP系パケットの回線経路をあらわす接続情報としての経路識別子として機能し、他方、VoIPMACアドレスが端末装置をあらわす端末識別情報(即ち、端末識別子)としての機能を有していることが分かる。
【0087】
上記したような形式で、位置固定及び認証された各端末装置に接続された電話機は、以後、当該電話機に対して分配されたIPアドレスに応答して、0AB〜J番号による発信も可能な状態になる。
【0088】
このように、図2に示した実施形態では、既存のレイヤ2スイッチ25をセパレータ50と組み合わせるだけで、電話機の位置を認証、固定することができる。したがって、図2に示すIP電話システムは、新たにスイッチ25を開発する必要がないと言う利点がある。また、RADIUS26においても、設定の変更を最小限に止めて、認証を行うことができる。
【0089】
ここで、ユーザ2の端末装置342の代わりに、ユーザ1の端末装置341が接続された場合について説明する。この場合、PC361或いは362が端末装置341に接続されても、これら各PCの位置を特定する必要はない。このため、端末装置341はサービス系パケットに対しては、PCのMACアドレス及びVLAN−IDをそのまま出力する。
【0090】
他方、ユーザ2の端末装置として、ユーザ1の端末装置341が接続された場合、当該端末装置341は電話機382に対して、端末装置342のVoIPMAC:D及びVLAN−ID:Zとは異なるVoIPMAC:B及びVLAN−ID:Yを付与することになる。このように、正規のVoIPMAC、VLAN−IDとは異なるVoIPMAC、VLAN−IDが加入者収容装置(CO)22に与えられると、当該加入者収容装置22はVLANフィルタ動作を行い、設定されたVLAN以外は通さない、この結果として、ユーザ2の位置に、正規の端末装置とは異なる端末装置が接続されても、加入者収容装置22より上位の装置に対する接続は拒否される。
【0091】
一方、何等かの原因で、セパレータ50において、VoIPMACアドレス及びVoIPVLAN−IDの不一致が検出されると、当該セパレータ50において上位装置への接続を拒否して、当該パケットを破棄する。いずれにしても、図示された例では、セパレータ50のみを既存のシステムに設けるだけで、端末装置341、342に接続された電話機の位置を固定することができる。
【0092】
尚、図示された各端末装置341及び342は、音声を優先して、通常のイーサネット(登録商標)パケットを送出するものとする。
【0093】
図3を参照して、図1及び図2に適用できるVLAN−ID付与方式の一例を説明する。まず、各ユーザのPC361及び362に設けられたNIC(Network Interface Card)には、当該NIC固有のMAC(Media Access Control)アドレスが割り当てられており、このため、PC361、362のパケットには、データリンク層(レイヤ2)のヘッダとして、MAC(Media Access Control)アドレスが書き込まれている。ここでは、PC361及び362に対して、MACアドレスとして、それぞれMAC:A及びMAC:Cが割り当てられているものとする。
【0094】
更に、図3に示された例では、ユーザ側装置として、端末装置(VoIP−TA)341、342のほかに、CPE(Customer Premises Equipment)301、302が設けられている。端末装置341には、図1及び図2と同様に、PC361及び電話機381が接続されており、他方、端末装置(VoIP−TA)342には、PC362及び電話機382が接続されている。以下、図示された端末装置341及び342は互いに同一の構成を有しているものとして説明するが、両端末装置341、342は必ずしも同一の構成である必要はない。尚、端末装置341とCPE301、端末装置342とCPE302とは一体化され、ユーザ1及び2の宅内に配置されても良い。尚、図示されたCPE301、302と加入者収容装置20とは光ケーブル、メタルケーブル等の媒体により接続されている。
【0095】
図示された端末装置341、342は、電話機381、382からのVoIP系のパケットをサービス系、即ち、PC361、362からのパケットに優先して出力する機能を備え、この例では、イーサネット(登録商標)パケット形式で出力するものとする。端末装置341、342は電話機381、382から与えられる音声をVoIP系パケットとして出力する。
【0096】
この場合、端末装置341は電話機381のMACアドレスとしてMAC:Bを付与する機能を備え、この結果、端末装置341からは、MAC:Bを有するパケットが送出される。他方、端末装置342は電話機382に対して付与されたMACアドレス(MAC:D)を有するパケットを出力する機能を備えている。
【0097】
他方、端末装置341、342はPC361、362からのMAC:A、MAC:CのMACアドレスを有するパケットをそのまま上位のCPE301、302に送出する。このように、電話機381、382に対しても、端末装置341、342においてMACアドレスを付与することにより、上位装置では、PC、電話機のいずれからのパケットであることを検出できる。
【0098】
端末装置341に接続されたCPE301は、MAC:A及びMAC:Bを受けて、これらMAC:A、MAC:Bを検出するMACアドレス検出部401 を備えている。当該MACアドレス検出部401は、PC361、電話機381のどちらから受信したパケットであるかを検出する一方、検出されたPC361、電話機381に応じたタグを付与する機能を有している。
【0099】
同様に、CPE302にも、MACアドレス検出部402が設けられており、当該MACアドレス検出部402はMAC:C及びMAC:Dを検出することにより、当該検出結果に応じたタグを受信したパケットに付与する機能を有している。
【0100】
図示された例では、MACアドレス検出部401はサービス系のパケットに対して割り当てられたVLAN−ID:Xをパケットに付与すると共に、当該パケットのサービスクラス(CoS)を示すCoS番号1を付与している。結果として、サービス系のパケットには、図3に示されるように、CoS:1,VLAN−ID:X、MAC:Aからなるタグが与えられる。
【0101】
更に、MACアドレス検出部401はVoIP系のパケットに対して割り当てられたVLAN−ID:Yを付与すると共に、VoIP系パケットのサービスクラスを示すCoS番号(CoS:7)をVoIP系パケットに与え、結果として、VoIP系パケットには、図3に示すように、CoS:7、VLAN−ID:Y、及び、MAC:Bからなるタグが形成されることになる。
【0102】
このように、サービスクラス(CoS)番号、VLAN−ID、及び、MAC:Aからなるタグを含むパケットは加入者収容装置(CO)20に与えられ、加入者収容装置20において、サービス系パケット及びVoIPパケットに応じたVLANを介してBAS24に送信され、図1又は図2と同様にして、電話機381の認証及び固定が行われる。
【0103】
CPE302のMACアドレス検出部402においても、MACアドレス検出部401と同様な動作が行われ、PC362からのサービス系パケットには、CoS:1、VLAN−ID:X、及び、MAC:Cからなるタグが付与され、加入者収容装置(CO)20に送出され、他方、電話機382のVoIP系パケットには、CoS:7、VLAN−ID:Z、及び、MAC:Dからなるタグが付与され、加入者収容装置20に送信される。これらのタグを有するパケットも図1及び図3と同様に処理され、電話機382の認証及び固定が行われる。
【0104】
この場合、CPE301、302はVLAN−IDによってサービス系パケットとVoIP系パケットとの振り分けを行っているから、各パケットのタグ中に含まれているVLAN−IDはパケットの経路情報としての機能を備えている。
【0105】
図3に示されたタグ付加方式を図1に適用する場合、CPE301のMACアドレス検出部401を図1に示されたVLAN−ID:X及びYの代わりに、VLAN−ID:aを付与するように構成すれば良い。またCPE302のMACアドレス検出部402をVLAN−ID:X及びZの代わりに、サービス系及びVoIP系に共通のVLAN−ID:bを付与するように構成すればよい。
【0106】
また、図3に示されたタグ付加方式を図2に示されたIP電話システムに適用する場合、図3に示された端末装置341、342、及び、CPE301、302をそのまま使用することができる。即ち、端末装置341、342からのサービス系パケットに共通のVLAN−ID:Xを付与すると共に、端末装置341、342からのVoIP系パケットに対して、それぞれ、VoIP VLAN−ID:Y及びZを付与するCPE301、302をそのまま利用することができる。
【0107】
図4を参照して、図1及び図2に適用することができるタグ付与方式の他の構成例を説明する。ここでは、サービス系のパケットに、全てのユーザに共通VLAN−IDが付与された場合の構成例が示されており、この例の場合、サービス系パケットには、端末装置341、342からVLAN−ID:Xが与えられるものとする。他方、VoIP系パケットにも、端末装置341、342によって全ユーザに共通にVLAN−ID:Yが付与されるものとし、VLAN−D:YはVLAN−ID:Xとは相違しているものとする。尚、端末装置361及び362はVoIP系の音声パケットをサービス系のパケットに優先して出力することは図3に示した端末装置341、342と同様である。
【0108】
図4に示された端末装置341には、PC361及び電話機381が接続されており、図3の場合と同様に、PC361からはMAC:AのMACアドレスを含むパケットが与えられ、電話機381からの音声はMACアドレスを含んでいない。また、端末装置342には、PC362及び電話機382が接続されており、PC362からはMAC:Cを含むパケットが与えられている。
【0109】
この構成例では、端末装置341及び342において、共通のVLAN−ID:X及びYが付与されるものとする。この場合、端末装置341はタグ付与部451を備えている。当該タグ付与部451はPC361と電話機381の物理的接続位置を検出することによって、PCか電話機かを判定しても良いし、或いは、MACアドレス(MAC:A)の有無、或いは、パケットの有無を検出することによって、サービス系パケットかVoIP系の音声であるかを識別するように構成しても良い。PC361からのアクセスであることを検出すると、タグ付与部451はサービス系に割り当てられたVLAN−ID:XとCoS:1とをパケットに付与し、図4に示されたように、CoS:1、VLAN−ID:X、及び、MAC:Aからなるタグを含むパケットを生成する。
【0110】
他方、電話機381からのVoIP系アナログ音声信号が与えられると、タグ付与部51は当該VoIP系に定められたCoS:7、VLAN−ID:Y、及び、MAC:Bからなるタグを含むVoIP系パケットを生成する。
【0111】
同様に、PC362及び電話機382に接続された端末装置342も、タグ付与部452を備え、当該タグ付与部452において、図4に示すように、CoS:1、VLAN−ID:X、MAC:Cからなるタグを含むサービス系パケットを生成する一方、Cos:7、VLAN−ID:Y、MAC:Dからなるタグを含むVoIP系パケットを生成する。
【0112】
上述したように、端末装置341及び342から生成されるサービス系パケットには、共通のVLAN−ID:Xが含まれているが、MACアドレスが相違するため、両端末装置341、342からのサービス系パケットの識別は容易である。
【0113】
同様に、端末装置341及び342から生成されるVoIP系音声パケットには、共通のVLAN−ID:Yが含まれており、MACアドレス(MAC:B,MAC:C)が相違するため、両端末装置341、342からのVoIP系パケットを識別することはできる。しかしながら、経路情報或いは経路識別子としてのVLAN−ID:Yが共通であるため、当該VLAN−ID:Yにより、電話機381及び382を個別に識別して認証することはできない。尚、サービス系パケットについては、PC361、362の位置を特定する必要がないため、互いに共通のVLAN−ID:Xがパケットに含まれていても問題は生じない。
【0114】
上記した点を考慮して、図4に示された例では、端末装置341に接続されるCPE301に、端末装置341からのVLAN−ID:Yを当該端末装置341特有のVLAN−ID:Lに変更するタグ変更部471が設けられている。このタグ変更部471では、MAC:B及びCoS:7は変更されず、他方、サービス系パケットはそのまま通過する。
【0115】
他方、CPE302も、端末装置342から与えられるVLAN−ID:Yを当該端末装置342特有のVLAN−ID:Nに変更するタグ変更部472を備えている。ここで、VLAN−ID:NとVLAN−ID:Lとを互いに相違させることによって、電話機381、382の位置を個別に識別、認証できる。
【0116】
CPE301、302に接続された加入者収容装置20は、上記したタグを含むパケットを受けて、スイッチ50に出力する。具体的に説明すると、図1の例では、加入者収容装置(CO)22はスイッチ25内の表1で示されたMAC/VLANテーブルによりパケットを上位装置に振り分け、また、図2の例では、セパレータ50でMAC/VLANテーブルを参照し、不一致の場合には上位には接続せず、パケットを破棄する。
【0117】
ここで、図4のタグ付与方式を図1に適用する場合、端末装置341からのサービス系パケットに対して、VLAN−IDとして、Xの代わりにaを与え、VoIP系パケットのVoIPVLAN−IDとして、Lの代わりにaを与えるように、CPE301を構成すれば良い。また、端末装置342からのサービス系パケットのVLAN−IDとして、Xの代わりに、bを与え、VoIP系パケットのVoIPVLAN−IDとして、Nの代わりにbを与えるように、CPE302を構成すれば良い。
【0118】
また、図4に示されたタグ付加方式を図2に適用する場合、VoIP系パケットに対して、CPE301のタグ変更部471において、VLAN−ID:Yをそのまま出力し、他方、CPE302のタグ変更部472において、VoIP VLAN−ID:YをZに変更すれば良い。
【0119】
図5を参照して、タグを形成するための他の構成例を説明する。この構成例は、サービス系パケットにはユーザ共通のVLAN−IDを設定し、VoIP系パケットには、ユーザ毎に異なるVLAN−IDを設定する場合である。この例においても、端末装置341、342はVoIP系音声パケットをサービス系パケットに優先して出力する。
【0120】
このため、図5に示された端末装置341は電話機381からの音声をパケット化する場合、電話機381固有のMACアドレス(MAC:B)を付与すると共に、当該端末装置341に定められたVLANを識別するVLAN−ID(VLAN−ID:Y)をCoS:7と共に付与し、タグを形成する第1タグ付加部521を有している。一方、当該端末装置341に接続されたCPE301はサービス系パケットに共通に設定されたVLANに接続するために、当該サービス系パケット用VLANを識別するVLAN−ID(VLAN−ID:X)を生成する必要がある。
【0121】
このため、図示されたCPE301はVLAN−ID:X及びCoS:1をタグに設定する第2タグ付加部541を備えている。この場合、第2タグ付加部541は端末装置341からのパケットに付与されているMAC:Aをそのまま通過させるから、加入者収容装置20には、図5に示すように、CoS:1、VLAN−ID:X、MAC:Aからなるタグを含むサービス系パケットがCPE301から加入者収容装置20に出力され、当該加入者収容装置20からサービス系パケットに設定されたVLAN−ID:X上に送出される。
【0122】
一方、VoIP系音声パケットに付与されたタグはそのままCPE301から加入者収容装置20に出力される。この例の場合、VLAN−ID:Yを含むVoIP系音声パケットは、当該VLAN−ID:Yで識別されるVLAN上に出力される。
【0123】
同様に、PC362及び電話機382に接続された端末装置342は第1タグ付加部522を有し、当該第1タグ付加部522により、当該端末装置342に設定されたVLAN−ID:Z及びMAC:Dを生成し、CoS:7と共にタグを形成する。当該タグを含むVoIP系音声パケットはCPE302を通過して、直接、加入者収容装置20に送られ、当該VLAN−ID:Zで指示されたVLAN上に出力される。他方、MAC:Cを含むサービス系パケットは端末装置342を通過して、CPE302の第2タグ付加部542に供給される。
【0124】
第2タグ付加部542はサービス系パケットに共通なVLAN−ID:Xを付与すると共に、CoS:1を付与し、これによって、MAC:Cと共にタグを形成する。このようなタグを含むサービス系パケットはサービス系パケットに共通なVLAN:X上に出力される。
【0125】
図5に示されたタグ付与方式を図1に示されたIP電話システムに適用する場合、端末装置341側では、パケット系VLAN−ID及びVoIP系VLAN−IDとして、aを付与すれば良いから、第1タグ付加部521及び第2付加部541でVLAN−ID:X、Yの代わりに、VLAN−ID:aを付与する構成を採用すれば良い。他方、端末装置342側では、パケット系VLAN−ID及びVoIP系VLAN−IDとして、bを付与すれば良いから、第1タグ付加部522及び第2タグ付加部542はVLAN−ID:X及びZの代わりに、VLAN−ID:bを与える構成を備えていれば良い。
【0126】
これらVLAN上に出力されたサービス系パケット及びVoIP系音声パケットは図1及び2を参照して説明した手法により処理されるから、ここでは説明を省略する。
【0127】
図3〜5では、端末装置341、342のほかに、CPE301、302を使用してタグを付与するタグ付与方式について説明したが、本発明は何等これに限定されることなく、端末装置341、342だけによっても所望のタグを形成することができる。
【0128】
図6を参照すると、端末装置341から出力されるサービス系パケット及びVoIP系パケットに対して、共通のVLAN−ID:Xを付与する一方、端末装置342から出力されるサービス系パケット及びVoIP系パケットに対して、共通のVLAN−ID:Yを付与する場合が示されている。即ち、図示された例は、加入者単位でVLAN−IDが変更されている場合である。この場合、端末装置341はPC361及び電話機381と接続されており、PC361からのMAC:Aを有するパケットが入力される一方、電話機381からは音声が入力される。
【0129】
タグ付与部601はMAC:Aを検出して、PC361からのパケットに当該MAC:Aを通過される一方、CoS:1を付与すると共に、当該端末装置341に割り当てられた経路情報として、VLAN−ID:Xを付与する。他方、電話機381から音声入力を受けると、タグ付与部601はMAC:B及びVLAN−ID:X、CoS値:7をタグとして付与したVoIP系パケットを生成する。
【0130】
端末装置342から出力されるサービス系パケット及びVoIP系パケットには、共通のVLAN−ID:Yが付与される。このため、タグ付与部602は、PC362からのパケットのMAC:Cを通過させる一方、CoS:1を割り当てる一方、VLAN−ID:Yを経路情報として付加する。また、電話機382からの音声に対して、タグ付与部602はMAC:D及びVLAN−ID:Yを付与すると共に、CoS:7を割り当てる。
【0131】
このように、図6に示された構成例では、各端末装置341には共通のVLAN−IDが割り当てられている。このため、上位装置では、サービス系パケットとVoIP系パケットとを各ユーザ毎に識別する必要がある。しかしながら、このようなパケットの識別はパケット内に含まれているMACアドレスを識別することより、容易に可能である。例えば、加入者収容装置及び/またはスイッチ25において、MACアドレスとVLAN−IDとを用いて、サービス系パケットとVoIP系パケットとを識別し、サービス系パケットとVoIP系音声パケットとを振り分けることができる。
【0132】
図6に示されたタグ付与方式は図1に示されたIP電話システムに適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上説明したように、本発明に係るIP電話システムは、音声パケットにVLAN−ID及びMAC:IDを付与できる装置をユーザ端末側に設けることにより、当該端末装置に接続される電話機等の機器の位置を識別、認証することができるため、電話機等の機器の位置を認識、固定でき、この結果、緊急電話番号に対する発信の際にも位置を認識することができる0AB〜J番号サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の一実施形態に係るIP電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るIP電話システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2のIP電話システムに適用できるタグ付与方式の一例を示すフロック図である。
【図4】タグ付与方式の他の構成例を示すブロック図である。
【図5】タグ付与方式の更に他の構成例を示すブロック図である。
【図6】タグ付与方式の別の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0135】
20 IP電話システム
22 加入者収容装置(CO)
24 BAS
241、242 VR
25 スイッチ
26 RADIUS
261 サービス用サーバ
262 VoIP用サーバ
301、302 CPE
321、322 MC
341、342 端末装置(VoIP−TA)
361、362 PC
381、382 電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワークを介して通話を行うユーザ側装置において、電話機を接続できる端末装置を備え、当該端末装置には、前記端末装置に割り当てられた経路をあらわす経路識別子が割り当てられており、前記端末装置は前記電話機固有の電話機識別子を付与する手段を備え、前記経路識別子と前記電話機識別子の双方は、前記端末装置の位置の固定に使用されることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項2】
請求項1において、前記経路識別子は前記端末装置に接続された電話機の経路をあらわす電話機用VLAN−ID(以下VoIP VLAN−ID(Vertual Local Area Network− Identifier)と呼ぶ)であり、前記電話機識別子は電話機用VoIP MAC(Media Access Control)アドレスであることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項3】
請求項2において、前記端末装置は、前記電話機識別子として前記VoIP MACアドレスを付与することを特徴とするユーザ側装置。
【請求項4】
請求項2において、前記端末装置は前記VoIP MACアドレスのほかに、前記VoIP VLAN−IDをも付与する機能を備えていることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項5】
請求項2において、前記電話機からの発信に応答して、当該端末装置から与えられるパケットに対して前記VoIP VLAN−IDを付与して、前記VoIP MACアドレスと共に、タグを形成するCPE(Customer Premises Equipment)を有していることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれかにおいて、前記電話機のサービスクラス(CoS)をあらわすサービスクラス(CoS)番号をもタグの一部として生成されることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項7】
請求項6において、前記CoS番号は前記端末装置で生成されることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、前記端末装置は前記電話機のほかに、コンピュータとも接続できる構成を備え、前記コンピュータには、前記電話機と異なるコンピュータ識別子が割り当てられ、前記電話機用の経路識別子とは異なるサービス系経路識別子が割り当てられていることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかにおいて、前記端末装置は、前記電話機のほかに、コンピュータとも接続できる構成を備え、前記コンピュータには、前記電話機と異なるコンピュータ識別子が付与されていると共に、前記電話機の経路識別子と同じサービス系経路識別子が割り当てられていることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項10】
IPネットワークを介して通話を行うIP電話システムにおいて、電話機に対して、予め定められた経路をあらわす経路識別子を割り当てることができると共に、前記電話機に対して固有の電話機識別子を割り当てることができるユーザ側装置と、当該経路識別子及び電話機識別子を用いて、前記端末装置の位置を認証固定する上位装置を有することを特徴とするIP電話システム。
【請求項11】
請求項10において、前記経路識別子は、前記電話機の接続されるべき回線をあらわすVoIP VLAN−IDであり、前記電話機識別子はVoIP MACアドレスであることを特徴とするIP電話システム。
【請求項12】
請求項11において、前記上位装置は、前記ユーザ側装置を複数収容し、前記各ユーザ側装置からの前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスとが、設定されている所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致するか否かを判定するテーブルを備えたスイッチ手段と、前記スイッチ手段において前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスが前記所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致している場合、前記電話機を認証するVoIP用サーバとを有していることを特徴とするIP電話システム。
【請求項13】
請求項12において、前記スイッチ手段において、前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスと、前記所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスとの不一致が検出された場合に接続される前記VoIP用サーバとは異なるサービス用サーバを有していることを特徴とするIP電話システム。
【請求項14】
請求項13において、前記サービス用サーバは、前記スイッチ手段で不一致が検出された場合、認証を行わないことを特徴とするIP電話システム。
【請求項15】
請求項11において、前記上位装置は、前記ユーザ側装置を複数収容し、前記各ユーザ側装置からの前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスとを含むVoIP系パケットを受け、当該VoIP系パケットに応じた経路を定めるスイッチと、前記定められた経路に配置され、前記VoIP系パケット中のVoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスが所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致するか否かを判定するテーブルを備え、判定結果にしたがって前記VoIP系パケットの経路を設定するセパレータとを有していることを特徴とするIP電話システム。
【請求項16】
請求項15において、前記セパレータにおいて前記VoIP VLAN−ID及び前記VoIP MACアドレスが前記所定VoIP VLAN−ID及びVoIP MACアドレスと一致している場合、前記セパレータで、前記電話機の位置を固定することを特徴とするIP電話システム。
【請求項17】
請求項16において、前記セパレータにおいて不一致が検出された前記電話機に対する認証を行わないことを特徴とするIP電話システム。
【請求項18】
IPネットワークを介して電話サービスを行うIP電話システムに使用される電話機の位置固定方法において、前記電話機の接続されるべき端末装置に対して、当該端末装置に割り当てられた経路をあらわす経路識別子と、電話機固有の電話機識別子を付与しておき、前記経路識別子と前記電話機識別子の双方を用いて、上位装置側で、前記端末装置の位置を固定、認証することを特徴とする電話機の位置固定方法。
【請求項19】
請求項18において、前記経路識別子は前記端末装置の経路をあらわす電話機用VLAN−ID(以下VoIP VLAN−ID(Vertual Local Area Network− Identifier)と呼ぶ)であり、前記電話機識別子は電話機用VoIP MAC(Media Access Control)アドレスであることを特徴とする電話機の位置固定方法。
【請求項20】
請求項19において、前記電話機識別子として付与される前記VoIP MACアドレスは前記端末装置で付与されることを特徴とする電話機の位置固定方法。
【請求項21】
請求項20において、前記VoIP MACアドレスのほかに、前記VoIP VLAN−IDをも前記端末装置で付与されることを特徴とするユーザ側装置。
【請求項22】
請求項18〜20のいずれかにおいて、前記経路識別子及び前記電話機識別子の一致及び不一致を検出するためのテーブルを用いて、前記端末装置の位置を固定することを特徴とする電話機の位置固定方法。
【請求項23】
請求項22において、前記テーブルを格納したスイッチを前記上位装置側に有していることを特徴とする電話機の位置固定方法。
【請求項24】
請求項22において、前記テーブルを備えたセパレータを有することを特徴とする電話機の位置固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−311173(P2006−311173A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130853(P2005−130853)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(598069423)株式会社ケイ・オプティコム (9)
【Fターム(参考)】