説明

LED用絶縁反射基板

【課題】可視光反射率の高いLED用絶縁反射基板の提供。
【解決手段】アルミニウム層上に孔を有する陽極酸化処理層を備えるLED用絶縁反射基板であって、少なくとも一つの孔内に波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材が充填された充填層を備え、前記高反射素材の下記式で示される充填率が、10%以上98%以下であるLED用絶縁反射基板:ここで、充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED用絶縁反射基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(以下、LEDという)を備えた光源モジュール用プリント回路基板が、例えば液晶TVなどの表示装置のバックライト用光源モジュールに好適に使用されている。
【0003】
特許文献1には、「上面に発光素子の搭載部を有する基体と、該基体の上面に、前記搭載部を取り囲むように設けられた反射部材と、前記搭載部に搭載された発光素子とを具備している発光装置において、前記反射部材はアルミニウムから成り、内周面に陽極酸化被膜が形成されていることを特徴とする発光装置(請求項1)。」が記載されている。
特許文献1に記載の発明は、従来の発光装置において、反射部材の内周面に用いられている金属が容易に酸化反応を起こし発光素子からの光に対する反射率が低下するという問題を解決するために、反射部材の内周面に陽極酸化皮膜を形成する技術である。
この技術は絶縁層である陽極酸化皮膜の光透過性を介して陽極酸化皮膜の下のアルミニウム基材の高反射率を反射部材で活かす方法である。この方法では陽極酸化皮膜が薄い方が光透過性が高く、得られる光反射率が高い。一方で、陽極酸化皮膜が薄いと絶縁性が低くなり耐電圧が下がるという問題がある。
また、この方法では、アルミニウム基材の光反射特性である光反射率90〜95%が上限であり、95%超の光反射率を得ることは理論的に無理であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−266358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は、従来技術における問題点を解決するために検討した結果、陽極酸化皮膜の孔内に高反射素材を充填して可視光の反射率を上げれば、絶縁性を損なわずに高反射率が得られ、放熱性も改善されることを知見して本発明に至った。
【0006】
本発明は、放熱性、絶縁性に優れ、可視光の反射率が高いLED用絶縁反射基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供する。
(1)アルミニウム層上に孔を有する陽極酸化処理層を備えるLED用絶縁反射基板であって、少なくとも一つの孔内に波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材が充填された充填層を備え、前記高反射素材の下記式で示される充填率が、10%以上98%以下であることを特徴とするLED用絶縁反射基板:ここで、充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100である。
(2)上記高反射素材が銀である(1)に記載のLED用絶縁反射基板。
(3)前記陽極酸化処理層の厚さが25μm以上である(1)または(2)に記載のLED用絶縁反射基板。
(4)前記陽極酸化処理層表面に、さらに絶縁層を有する(1)〜(3)のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板。
(5)前記アルミニウム層が凹部を持つ形状であり、前記陽極酸化処理層が該凹部を持つ形状の表面に設けられている(1)〜(4)のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板。
(6)前記陽極酸化処理層を有するアルミニウム層を深さ10μm以上表面に有する鋼板である(1)〜(5)のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板。
【0008】
(7)アルミニウム材料を陽極酸化処理し、陽極酸化処理層の少なくとも一つの孔内に波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材を、下記式で示される充填率で10%以上98%以下で充填するLED用絶縁反射基板の製造方法:ここで、充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100である。
(8)前記高反射素材の充填が、陽極酸化処理層を高反射素材の溶解液へ浸漬する、または、陽極酸化処理層を高反射素材で交流めっきする工程である(7)に記載のLED用絶縁反射基板の製造方法。
(9)前記高反射素材の充填工程の後に、さらに封孔処理する(7)または(8)に記載の製造方法。
(10)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板に、発光ダイオードが載置されてなるLED発光素子。
【0009】
可視光とは波長400nm〜700nmの光をいう。
純アルミニウムとは、99.5%以上の純度のアルミニウムをいう。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、放熱性、絶縁性に優れ、可視光の反射率が高いLED用絶縁反射基板およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明のLED用絶縁反射基板の断面図である。
【図2】図2は、本発明の陽極酸化処理層を説明する断面図である。
【図3】図3(A)は、本発明のLED発光素子の態様を示す説明図である。図3(B)は、本発明のLED発光素子の別の態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔LED用絶縁反射基板〕
本発明のLED用絶縁反射基板(以下反射基板ということがある)の構造について、好適例を記載する図1を用いて説明する。
図1は、本発明のLED用絶縁反射基板の1例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明のLED用絶縁反射基板10は、アルミニウム層1上に、孔を有する陽極酸化処理層2を備えている。陽極酸化処理層2は、高反射素材が充填された充填層3と未充填層4とを備えている。
高反射素材は、波長400nm〜700nmの光に対してアルミニウムよりも高い平均反射率を有する素材である。高反射素材の充填率は、陽極酸化処理層2の孔の底部からの平均充填高さが孔全体の陽極酸化処理層表面からアルミニウム層方向への平均深さに対して10%以上98%以下である。
充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100
【0013】
次に、本発明のLED用絶縁反射基板(以下、絶縁反射基板ということがある)の各構成要素の材料、寸法等について説明する。
<1.アルミニウム層>
本発明の絶縁反射基板には、公知のアルミニウム板を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。以下、特に断らないときは、純アルミニウムとアルミニウム合金を含めてアルミニウム層、アルミニウム板、アルミニウム材という。
【0014】
本明細書においては、前記アルミニウム合金に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。
【0015】
このように本発明に用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、例えば、アルミニウムハンドブック第4版(1990年、軽金属協会発行)に記載されている従来公知の素材、例えば、JIS A1050、JIS A1100、JIS A1070、Mnを含むJIS A3004、国際登録合金 3103A等のAl−Mn系アルミニウム合金を適宜利用することができる。また、引張強度を増す目的で、これらのアルミニウム合金に0.1質量%以上のマグネシウムを添加したAl−Mg系合金、Al−Mn−Mg系合金(JIS A3005)を用いることもできる。更に、ZrやSiを含むAl−Zr系合金やAl−Si系合金を用いることもできる。更に、Al−Mg−Si系合金を用いることもできる。
【0016】
JIS1050材、JIS1070材、その他のアルミニウム合金材料については、国際公開WO2010/150810A1に記載される特許文献に記載されている。
【0017】
また、アルミニウム合金を板材とする方法は、国際公開WO2010/150810A1に記載されている。具体的には、DC鋳造法、連続鋳造法、得られるアルミニウム板の結晶組織、アルミニウム板の金属間化合物等が記載される。
【0018】
<2.アルミニウム層を有する反射基板>
本発明のLED用絶縁反射基板を構成する基板は、厚さ10μm以上の上記アルミニウム層を表面に有する基板であれば特に限定されず、上記アルミニウム層のみからなる単独基板であってもよく、必要な場合は鋼板(SUSを含む)、汎用のアルミニウム合金板等の金属板、ガラス板、セラミック板、樹脂製板等の他の基材の表面に上記アルミニウム層が形成された積層基板であってもよい。
単独基板である場合には、基板の厚さは0.1mm〜5mm程度であることが好ましい。
また、基板の形状は平坦な板状であってもよいし、図3(B)に示すように、LED110を実装するための凹部8を有するものであってもよい。
ここで、上記凹部8は、上側に向かうに伴って外側に広がるように傾斜しているのが好ましい。これによって凹部の底部に実装された、発光素子から側方に放射された光を効率よく上方に反射させることが出来る。
また、単独基板である場合は、基板の表面に設けられる陽極酸化皮膜は、基板の一方の主面(表面)に設けられてもよいし、一方の主面とそれに平行な主面(裏面)に設けられてもよい。場合によっては他の4つの端面を含む6面全てに設けられてもよい。
【0019】
一方、積層基板である場合には、可撓性があり、耐熱性の高い鋼板や金属板との積層板であるのが好ましい。
積層板の板厚は、0.1mm〜5mm程度であることが好ましく、このうちアルミニウム層の厚みは、10μm以上であり、10μm〜200μmであるのが好ましく、20μm〜100μmであるのが更に好ましい。アルミニウム層は積層した板の片面のみにあってもよく、両面にあってもよい。
ここで、鋼板と積層する場合には、アルミニウム層と鋼板との密着性に優れる溶融めっき法で積層した溶融アルミニウムめっき鋼板の様態が好ましい。鋼板としてはSUS(ステンレス鋼板)を用いるのが好ましい。
また、金属板と積層する場合には、金属板としては、具体的には、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、チタン板等が好適に挙げられ、特にアルミニウム板、ニッケル板との積層が好ましい。また、アルミニウム板への積層は、ろう材を用いて積層したアルミニウムクラッド材を用いるのが好ましい。
【0020】
本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1〜2.0mm程度であり、0.15〜1.5mmであるのが好ましく、0.2〜1.0mmであるのがより好ましい。この厚さは、ユーザーの希望等により適宜変更することができる。
【0021】
上記強度にはアルミニウム圧延工程でアルミニウム板を調整しても構わないが、LED用絶縁反射基板としてルーティング加工、スルーホール加工をされる場合は引張強度100MPa以下のように軟質な基板であることは加工性を低下するため好ましくなく、本発明を実施するに当たってはアルミニウム板に機械加工した後焼鈍する事が望ましい。また、陽極酸化処理を施した後に焼鈍を施すとアルミニウム層と陽極酸化処理層との間の熱膨張率差に起因するクラックなどが入る恐れがあり、望ましくない。よって機械加工後、陽極酸化処理前に強度を調整する事が望ましい。焼鈍条件は限定されないが250℃〜600℃の加熱処理を行って引張強度150〜180MPaとするのが好ましい。
【0022】
<3.陽極酸化処理層>
図2は、本発明の陽極酸化処理層を説明する断面図である。本発明の陽極酸化処理層2は、アルミニウム板1を陽極酸化処理して得られるアルミナ層12および少なくとも1つの孔14を有し、好ましくは多孔質であり、その平均孔径が5〜1000nm程度であり、平均孔密度が1×106〜1×1010/mm2程度である。2×106〜8×109個/mm2であるのが好ましく、5×106〜5×109個/mm2であるのがより好ましい。平均孔密度がこの範囲であると、陽極酸化処理層内の光散乱及び光吸収による効果を抑えることができ、陽極酸化層の光透過性が向上する。よってアルミニウムが有する高反射特性をロスなく活かすことができ、可視光の反射率に優れる。
【0023】
陽極酸化処理層の厚さLは1〜700μmであるのが好ましく、1〜200μmであるのがより好ましい。1μm未満であると絶縁性に乏しく耐電圧が低下し、一方、700μmを超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の厚さは、2〜150μmであるのがさらに好ましく、25〜100μmであるのが特に好ましい。25〜60μmであると反射率が最も好ましい。
【0024】
上記孔の平均孔径(図2において符号17で表される部分)は、10〜5000nmであり、10〜3000nmであるのが好ましく、10〜1000nmであるのがより好ましく、20〜1000nmであるのが更に好ましい。
【0025】
また、本発明においては、陽極酸化処理層における孔の平均間隔(図2において符号16で表される部分)は、10nm以上であるのが好ましく、20〜100nmであるのがより好ましく、20〜50nmであるのが更に好ましい。
孔の平均間隔が上記範囲であると、陽極酸化処理層が絶縁性の層として十分に機能する。
【0026】
上記孔の深さは、陽極酸化処理層の厚さLからバリア層の厚さdを除いた部分である。
【0027】
本発明においては、上記孔のアスペクト比(平均深さ/平均孔径)は、5以上であるのが好ましく、10〜10000であるのがより好ましく、50〜1000であるのがさらに好ましい。この範囲であると高反射素材を充填すると絶縁性、光反射性に優れるからである。
【0028】
また、隣接する上記孔の中心間距離(図2において符号19で表される部分。以下、「周期」ともいう。)は、20〜5000nmであるのが好ましく、30〜500nmであるのがより好ましく、40〜200nmであるのがさらに好ましく、50〜140nmであるのが特に好ましい。
【0029】
更に、上記孔について下記式(i)により定義される規則化度は、50%以上であることが好ましい。この範囲であると高反射素材の充填が均質になるので好ましい。
【0030】
規則化度(%)=B/A×100 (i)
【0031】
上記式(i)中、Aは、測定範囲における陽極酸化処理層表面の測定範囲の孔の全数を表す。Bは、一の孔の断面の重心を中心とし、他の孔の縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一の孔以外の孔の断面の重心を6個含むことになる上記一の孔の測定範囲における数を表す。
なお、孔の規則化度を算出するより具体的な説明は、特開2009−132974号公報等に記載されている通りである。
【0032】
陽極酸化処理層の孔14は直管状であるのが好ましい。直管状とは、陽極酸化処理層の孔の深さに対する孔の中心線の長さの比率(長さ/深さ)が、1.0〜1.2であることをいう。光が進入したり反射したりする陽極酸化処理層の直管率が高ければ光反射率が高い。直管状の孔を有する陽極酸化処理層に高反射素材を充填した充填層を有すれば、本発明の反射基板の絶縁性と光反射率がより高い。
【0033】
<4.充填層>
充填層3は、上記陽極酸化処理層2の孔14が高反射素材で充填された部分である。高反射素材は、波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する素材である。高反射素材は限定されないが、好ましくは金属であり、金、銀、銅、亜鉛、白金、ニッケル、コバルト、錫、チタン、パラジウム、鉛が例示でき、これらの金属粒子またはこれらの金属でコートされたプラスチックやガラス材であってもよい。高反射素材の充填率は、充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100である。
陽極酸化処理層2の孔の底部からの平均充填高さが、孔全体の陽極酸化処理層表面からアルミニウム層方向への平均深さに対して10%以上98%以下である。好ましくは、20%以上90%以下、より好ましくは、50%以上90%以下である。この範囲であると絶縁性に優れ、可視光の反射率が高い。特に充填率が55%以上90%以下であると、可視光の反射率が高く、放熱性にも優れている。
【0034】
陽極酸化処理層の表面からみた孔の高反射素材による平面の充填率は、特に限定されない。陽極酸化処理層の孔が高反射素材で充填されていれば、陽極酸化処理層の光反射率が高くなる。好ましくは20%〜100%である。この範囲の表面からみた充填率(表面充填率)を有すると光反射率が高い。
【0035】
陽極酸化処理層の厚さ、平均孔深さ、充填層の孔底部からの平均充填高さは、陽極酸化処理したアルミニウム板に高反射素材を充填した後、樹脂を充填して断面を切断し、断面方向からFE−SEMにより1000〜5000倍の倍率で観察して所定範囲を測定して平均値を算出する。
【0036】
〔本発明のLED用絶縁反射基板の製造方法〕
以下に、本発明のLED用絶縁反射基板の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、アルミニウム材料を陽極酸化処理し、陽極酸化処理層の少なくとも一つの孔内に波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材を、前記孔の底部からの平均充填高さが前記孔の平均深さに対して10%以上98%以下で充填するLED用絶縁反射基板の製造方法である。
【0037】
また、アルミニウム材料に対して後述する陽極酸化処理を施す場合、陽極酸化処理を施す面は、あらかじめ脱脂処理および鏡面仕上げ処理が施されてもよい。
脱脂処理は、酸、アルカリ、有機溶剤等を用いて、アルミニウム基板に付着した、ほこり、脂、樹脂等の有機成分等を溶解させて除去することを目的として行われる。脱脂処理には、従来公知の脱脂剤を用いることができる。具体的には、例えば、市販されている各種脱脂剤を所定の方法で用いることにより行うことができる。
鏡面仕上げ処理は、アルミニウム板の面の凹凸、例えば、アルミニウム板の圧延時に発生した圧延筋等をなくすために行われる。鏡面仕上げ処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、機械研磨、化学研磨、電解研磨が挙げられる。
【0038】
<陽極酸化処理>
アルミニウム材料を陽極酸化処理する。アルミニウム材料の形状は特に限定されない。好ましくはアルミニウム板であり、必要な場合は、全体の形状、スルーホール等が加工されたアルミニウム板に、陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理により、酸化アルミニウム(アルミナ)からなり、少なくとも一つの孔を有する陽極酸化皮膜がアルミニウム板の表面に形成され、好ましくは多孔質の表面絶縁層が得られる。必要な場合はアルミニウム板の主平面ばかりでなく、スルーホールの内部またはアルミニウム合金板の端面も陽極酸化処理して絶縁性、光反射性にすることができる。
【0039】
陽極酸化処理は、従来行われている方法で行うことができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、ホウ酸等や、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属/アルカリ土類金属の水酸化物等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
直管状のマイクロポアを有するように陽極酸化処理条件を制御するには、特開2008−270158号公報の[0055]〜[0108]段落に記載された自己規則化法や定電圧処理等を用いてもよい。
【0040】
この際、少なくともアルミニウム板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イオン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げられ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていてもよい。
【0041】
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2、電圧1〜600V、電解時間15秒〜20時間であるのが適当であり、所望の陽極酸化皮膜量となるように調整される。
【0042】
また、特開昭54−81133号、特開昭57−47894号、特開昭57−51289号、特開昭57−51290号、特開昭57−54300号、特開昭57−136596号、特開昭58−107498号、特開昭60−200256号、特開昭62−136596号、特開昭63−176494号、特開平4−176897号、特開平4−280997号、特開平6−207299号、特開平5−24377号、特開平5−32083号、特開平5−125597号、特開平5−195291号の各公報等に記載されている方法を使用することもできる。
【0043】
中でも、特開昭54−12853号公報および特開昭48−45303号公報に記載されているように、電解液として硫酸溶液を用いるのが好ましい。電解液中の硫酸濃度は、10〜300g/Lであるのが好ましく、10〜100g/Lであるのがより好ましい。また、アルミニウムイオン濃度は、1〜25g/Lであるのが好ましく、2〜10g/Lであるのがより好ましい。このような電解液は、例えば、硫酸濃度が50〜200g/Lである希硫酸に硫酸アルミニウム等を添加することにより調製することができる。
【0044】
硫酸を含有する電解液中で陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板と対極との間に直流または交流のいずれかを印加してもよく、交流を印加してもよい。アルミニウム板に直流を印加する場合においては、アルミニウムと対極との間に一定の電圧を印加するのが望ましく10V〜50Vの範囲の電圧を印加するのが望ましい。
【0045】
<充填工程>
上記で製造したアルミニウム材の陽極酸化処理層の孔内に高反射素材を充填する。充填方法は限定されないが、浸漬処理、電解めっき処理が好ましい。
浸漬処理は、金、銀、銅、亜鉛、白金、ニッケル、コバルト、錫、チタン、パラジウム、鉛等の波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材を含有する水溶液に、浸漬処理する。必要な場合は攪拌したり、加熱してもよい。
電解めっき処理は、アルミニウム材を一方の電極として金、銀、銅、亜鉛、白金、ニッケル、コバルト、錫、チタン、パラジウム、鉛等の波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材を含有する電解液を用いて、交流で電解めっきするのが好ましい。
【0046】
<絶縁層形成工程>
さらに、上記充填工程の後、高反射素材が充填された陽極酸化処理層表面に封孔処理を施し、絶縁層を形成してもよい。
陽極酸化処理層表面に絶縁層を形成すると、LED用絶縁反射基板の放熱性が高くなる。また、LED用絶縁反射基板をプリント回路基板にするための各種の加工処理やその後の製品としての使用に際して、充填層内の高反射素材の酸化、塩化、硫化等が防げるので高品質のLED発光素子が得られる。
【0047】
封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平4−4194号公報、特開平5−202496号公報、特開平5−179482号公報等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
【0048】
本発明においては、沸騰水処理、熱水処理、ケイ酸ソーダ処理等の処理液を陽極酸化処理層の孔の内部まで浸透させて、さらに絶縁層を形成することができる。
【0049】
また、他の封孔処理としては、例えば、特開平6−35174号公報の段落[0016]〜[0035]に記載されているようなゾルゲル法による封孔処理等も挙げられる。
また、封孔率を向上させるために、繰り返し重ねて処理してもよい。
【0050】
陽極酸化処理層の表面側は未充填層4であり、絶縁性を有するが、さらに封孔処理等で得られる絶縁層を有すれば、充填層を形成する高反射素材の酸化・塩化・硫化等を防ぐことができ、絶縁反射基板としての絶縁性にも優れる。
【0051】
〔LED発光素子〕
図3(A)は、アルミニウム合金層1とその表面に陽極酸化処理層2とを有する本発明のLED用絶縁反射基板10を示す。さらにLED用絶縁反射基板10上に載置されたLED110を蛍光粒子150を有する透明樹脂160で封止したLED発光素子100を示す断面図である。陽極酸化処理層2は、金、銀、銅、亜鉛、白金、ニッケル、コバルト、錫、チタン、パラジウム、鉛等の波長400nm〜700nmの光に対してアルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材を充填した充填層3と未充填層4からなっている。本発明のLED用絶縁反射基板10は、充填層を有するので可視光の反射率が高く、放熱性も高い。LED110はワイヤ9でボンデイングされ、陽極酸化処理層2上に形成された図示しない配線層の必要箇所と電気的に接続される。
図3(B)は、アルミニウム合金板11とその表面に充填層を備えた陽極酸化処理層2とを有する本発明のLED用絶縁反射基板10上に載置されたLED110を蛍光粒子150を有する透明樹脂160で封止したLED発光素子100を示す断面図である。
アルミニウム合金板11のLED110が実装される箇所は凹部8が設けられ凹部8は上側に向かうに伴って外側に広がるように傾斜している。LED110はLED用絶縁反射基板10上にダイボンデイング等で載置され、LED用絶縁反射基板10の下部にはヒートシンク7が設けられてもよい。LED110はワイヤ9でボンデイングされ、陽極酸化処理層2上に形成された図示しない配線層の必要箇所と電気的に接続される。本発明のLED用絶縁反射基板10は、可視光領域における光反射率が高いので、これを基板として用いるLED発光素子100の発光効率が高い。
【0052】
LEDは、例えば基板上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものが用いられる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構造のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。
透明樹脂160の材質は熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種により形成することが好ましく、特にエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。透明樹脂160は、LED110を保護するため硬質のものが好ましい。また、透明樹脂160は、耐熱性、耐候性、耐光性に優れた樹脂を用いることが好ましい。透明樹脂160は、所定の機能を持たせるため、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種を混合することもできる。
蛍光粒子150は、LED110からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体・βサイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
【0053】
上記のように、本発明の絶縁性光反射基板は、紫外〜青色LEDとそれを吸収し可視光領域で蛍光を発する蛍光発光体とを用いた蛍光体混色型白色系LED発光素子の光反射基板として用いることもできる。
これらの蛍光発光体が青色LEDからの青色光を吸収して蛍光(黄色系蛍光)を生じ、この蛍光と青色LEDの残光とにより、発光素子から白色系光が発光される。
上述した方式は、青色LED光源1チップと黄色蛍光体1種とを組み合わせたいわゆる「擬似白色発光型」であるが、このほかにも、例えば紫外〜近紫外LED光源1チップと赤色/緑色/青色蛍光体等を数種組み合わせた「紫外〜近紫外光源型」、及び、赤色/緑色/青色3光源で白色発光させる「RGB光源型」、等の公知の発光方法を用いるLED発光ユニットのLED110を載置する基板に本発明のLED用絶縁反射基板を用いることができる。
【実施例】
【0054】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
【0055】
(実施例1〜4)
<アルミニウム基板の作製>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。
次いで、表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。
更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム基板を得た。
このアルミニウム基板を幅1030mmにした後、以下に示す陽極酸化処理および充填処理に供した。
【0056】
<陽極酸化処理>
上記で作製したアルミニウム基板に対して、陽極酸化処理を行った。電解液の条件、電圧、形成後の陽極酸化処理層の厚さを表1に示す。なお、陽極酸化処理層の厚さに関しては、断面方向からFE−SEMによる1000〜5000倍での倍率での観察から求め平均した。
【0057】
<高反射素材充填処理1>
上記で作成した、アルミニウムの陽極酸化処理層の孔内への高反射素材を充填させるために、以下、電解銀めっき処理を行った。すなわち、40℃の5wt%塩化銀水溶液中に、交流120Hzの1.0A/dm定電流処理にて、30分間めっき処理を行い、実施例1〜4の基板を得た。なお、銀の充填率は、断面方向からFE−SEMによる1000〜5000倍での倍率での観察から求め平均した。充填率を表1に示す。
【0058】
(実施例5〜8)
上記、実施例1〜4のアルミニウム基板の作製、陽極酸化処理と同等の処理により、アルミニウムを陽極酸化処理した基板を作成した。
【0059】
<高反射素材充填処理2>
その後、上記で作成した、アルミニウムの陽極酸化処理層の孔内への高反射素材を充填させるために、以下、処理を行った。すなわち、60℃の0.2M硝酸銀+2M水酸化アンモニウム混合液に、上記作成したアルミニウム陽極酸化基板を1分間攪拌浸漬して、実施例5〜8の基板を得た。なお、銀の充填率は、断面方向からFE−SEMによる1000〜5000倍での倍率での観察から求め平均した。充填率を表1に示す。
【0060】
実施例1〜8で得られた陽極酸化処理層は、平均孔密度2×106個/mm2〜8×109個/mm2、孔の平均アスペクト比5〜50、規則化度50〜90%、陽極酸化処理層の孔の深さに対する孔の中心線の長さの比率(長さ/深さ)は、1.0〜1.2の範囲であった。
また、実施例1〜8で得られた高反射素材の陽極酸化処理層表面で測定した平面の充填率は、60から95%の範囲であった。
【0061】
(実施例9、10)
実施例8で得られた基板を、充填後、それぞれ下記の条件で封孔処理(A)、(B)を施し、さらに絶縁層を有する実施例9、10の基板を作成した。
封孔処理(A):
充填後の基板を、80℃の純水に1分間浸漬した後、浸漬させた状態で110℃の雰囲気下で10分間加熱した。
封孔処理(B):
充填後の基板を、100℃/500kPaの水蒸気に1分間さらす処理を施した。
得られた実施例9、10の基板は、LEDを実装してLED発光素子を製造する際に充填された銀の酸化・塩化・硫化を防ぐことができた。
【0062】
(実施例11)
陽極酸化処理する基板をSUS0.6mm厚を心材として両面に30μm厚のアルミ層を設けたクラッドを用いた以外は、実施例1と同様の処理を施すことで、実施例11の基板を作成した。
得られた実施例11の基板は、実施例1に比べて耐電圧が0.8kVとなり、更に向上した。
【0063】
(比較例1〜4)
上記、実施例1〜4のアルミニウム基板の作製、陽極酸化処理と同等の処理のみを施すことにより、比較例1〜4の基板を作成した。
(比較例5,6)
比較例5は陽極酸化する前のアルミニウム基板である。
比較例6は、実施例2と同様の条件で陽極酸化処理し、実施例2と同様の条件で電解銀めっきして充填率100%とした基板である。
【0064】
上記のようにして作製した実施例1〜8および比較例1〜4の基板の熱伝導率、耐電圧、平均反射率を測定し、結果を表1に示す。比較例5、6についてはそれぞれ平均反射率、耐電圧のみを測定し、結果を表1に示す。測定方法は以下である。
(1)熱伝導率
得られた基板について、アルバック理工社製TC−9000/レーザーフラッシュ型熱拡散率測定装置を用い、t1/2法に従い熱拡散率を計算し、熱伝導率を下記式から算出した。結果を表1に示す。
熱伝導率λ=α×Cp×ρ
(式中、αは熱拡散率、Cpは比熱、ρは密度、をそれぞれ表す。)
(2)耐電圧
得られた基板について、JIS C2110−1994の手法に従い、耐電圧を計測した。結果を表1に示す。
(3)平均反射率
エックスライト社製SP60を用いて10nm毎に計測し、400〜700nmの全反射率の平均値を平均反射率とした。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】

【符号の説明】
【0066】
1、11 アルミニウム層、アルミニウム板
2 陽極酸化処理層
3 充填層
4 未充填層
8 凹部
9 ワイヤ
10 LED用絶縁反射基板
16 孔の間幅
17 孔の直径
19 孔の中心間距離(周期)
L 陽極酸化処理層の厚さ
d バリア層の厚さ
100 LED発光素子
110 LED
150 蛍光粒子
160 透明樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム層上に孔を有する陽極酸化処理層を備えるLED用絶縁反射基板であって、少なくとも一つの孔内に波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材が充填された充填層を備え、前記高反射素材の下記式で示される充填率が、10%以上98%以下であることを特徴とするLED用絶縁反射基板:
ここで、充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100である。
【請求項2】
前記高反射素材が銀である請求項1に記載のLED用絶縁反射基板。
【請求項3】
前記陽極酸化処理層の厚さが25μm以上である請求項1または2に記載のLED用絶縁反射基板。
【請求項4】
前記陽極酸化処理層表面に、さらに絶縁層を有する請求項1〜3のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板。
【請求項5】
前記アルミニウム層が凹部を持つ形状であり、前記陽極酸化処理層が該凹部を持つ形状の表面に設けられている請求項1〜4のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板。
【請求項6】
前記陽極酸化処理層を有するアルミニウム層を深さ10μm以上表面に有する鋼板である請求項1〜5のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板。
【請求項7】
アルミニウム材料を陽極酸化処理し、陽極酸化処理層の少なくとも一つの孔内に波長400nm〜700nmの光に対して純アルミニウムよりも高い平均反射率を有する高反射素材を、下記式で示される充填率で0%以上98%以下で充填するLED用絶縁反射基板の製造方法:
ここで、充填率(%)=(高反射素材の孔の底部からの平均充填高さ/陽極酸化処理層の孔の平均深さ)×100である。
【請求項8】
前記高反射素材の充填が、陽極酸化処理層を高反射素材の溶解液へ浸漬する、または、陽極酸化処理層を高反射素材で交流めっきする工程である請求項7に記載のLED用絶縁反射基板の製造方法。
【請求項9】
前記高反射素材の充填工程の後に、さらに封孔処理する請求項7または8に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載のLED用絶縁反射基板に、発光ダイオードが載置されてなるLED発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−16706(P2013−16706A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149427(P2011−149427)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】