説明

LNG再ガス化および発電

LNGがシステムにおいて同時発電を伴って再ガス化され、LNG冷凍容量が低圧作動流体蒸気を凝縮し、暖められたLNGと低圧作動流体凝縮液との総冷凍容量が中間圧力作動流体蒸気を凝縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年5月30日に出願された本発明者らによる同時係属中の米国仮特許出願第60/940787号に対して優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、特に同時発電を伴った液化天然ガス(LNG)の再ガス化である。
【背景技術】
【0003】
LNGの再ガス化はかなり大量の熱エネルギーを必要とし、典型的なLNG再ガス化施設では既存のパイプライン網にガスを供給する前にLNGを気化するために外部熱源を採用している。たとえば、外部熱源は、海水、燃焼排ガス、発電からの廃熱、および外気を含む。具体的な熱源に応じて、LNG気化器は、オープンラック海水気化器、水中燃焼気化器、中間媒体式気化器(たとえば、水−グリコール混合液を用いた)、または外気気化器として構成されてもよい。さらに、LNG再ガス化は、気化されたLNG生成物をパイプラインに供給するためにLNGポンプとコンプレッサとを作動させる信頼性の高い電源も必要とする。
【0004】
また、比較的最近では、LNGの冷凍容量が発電においてヒートシンクとして採用されている。たとえば、ガスタービン排気または熱発電機関からの廃熱がLNGを気化するために直接的または間接的に(すなわち、熱伝導流体の有無にかかわらず)使用される場合、米国特許第4,036,028号明細書および米国特許第4,231,226号明細書に記載されるように、発電所がLNG再ガス化と一体化されてもよい。同様の構成が、熱伝導流体を介してLNGの気化を統合することによって複合サイクル発電所の効率が高められる場合について米国特許第6,367,258号明細書に示されており、ここでは、発電量をさらに高めるためにガスタービンの空気取入れ口から熱をさらに除去している。このような構成は、多くの場合、エネルギー効率が優れているが、一般に、既存の発電所および/または他の高温熱源との統合を必要とする。同様に、欧州特許第0496283号明細書で教示されるように、電力は、ガスタービン排気によって加熱されLNG再ガス化回路によって冷却される作動流体(この場合は水)で駆動される蒸気膨張タービンによって発生される。このような構成は発電所の効率をある程度まで高めるが、いくつかの問題が残る。たとえば、LNGの極低温冷凍容量の利用は、熱伝導媒体の凝固点が比較的高いために、多くの場合、制限される。このような問題を克服するために、非水流体がランキンサイクル発電における作動流体として採用されてもよく、このランキンサイクル発電は米国特許第4,388,092号明細書に例示されている。ここでは、発電効率を最大にするために組成が蒸留によって変えられる多成分炭化水素流体が作動流体として使用される。しかしながら、このような多成分システムの運転と制御は、複雑で困難であり、また非現実的であることも少なくない。同様に、熱伝導流体を用いてLNGが気化される、国際公開第2006/11957号パンフレットに記載されるような密閉サイクル発電方式が採用されてもよい。しかしながら、これらの構成は、典型的に、高い循環流量の熱伝導流体を必要とし、気化されるLNGの温度をパイプライン仕様まで高めるためにさらにヒーターを必要とする。したがって、知られている構成のいくつかは発電効率をある程度まで改善するものの、効率の増加は僅かな場合が多くこのような構成のプロセスの複雑さをおおよそ正当化するには及ばない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
典型的な500MMscfdのLNG再ガス化ターミナルは、他の方法では外部の電力供給網から供給されねばならない約10,000kWを消費するのでLNG冷凍容量を発電におけるヒートシンクとして使用することがきわめて望ましい。このような電源に信頼がおけない場合、ターミナルはやはり内部発電所を含むことになり、内部発電所は望ましくない量の廃棄蒸気、排出物、温室効果ガスを発生することが多い。したがって、特に、信頼性の高い電源のない沖合いや遠隔地では、LNG再ガス化ターミナルの操業が困難になり、あるいは不可能ですらある。
【0006】
したがって、再ガス化にヒートシンクとしてLNGを利用する発電に関しては様々なプロセスおよび構成が当該技術分野で知られているが、それらすべてまたはほとんどすべてに、1つ以上の欠点がある。したがって、LNG再ガス化プラント用にやはり改良された発電方式を提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、好ましくは外気、海水、または他の低質熱源を用いた同時発電を伴うLNG再ガス化の構成および方法を対象としている。最も好ましくは、電力は、作動流体が少なくとも2段階で膨張される多段ランキンサイクルを用いて発生され、下段作動流体はLNG冷凍容量を用いて凝縮され、中間作動流体は暖められたLNGおよび下段作動流体凝縮液の冷凍容量を用いて凝縮される。最も典型的には、作動流体の凝縮は保冷容器内で行なわれる。
【0008】
本発明の主題の一態様では、LNG再ガス化および発電システムは保冷容器を含み、保冷容器内で、下段作動流体蒸気がLNGを用いて凝縮され、中間段作動流体蒸気がLNGおよび下段作動流体凝縮液を用いて凝縮され、供給されたLNGが気化される。このようなシステムは、保冷容器に流体結合される第1の膨張タービンと、第1の膨張タービンが保冷容器に対して中間段作動流体蒸気の第2の部分を供給し第2の膨張タービンに対して中間段作動流体蒸気の第1の部分を供給するよう第2の膨張タービンとをさらに含むことになる。最も好ましくは、第2の膨張タービンが下段作動流体蒸気を発生し、第1の膨張タービンが中間段作動流体凝縮液および下段作動流体凝縮液を典型的に混合ストリームとして受け入れる。
【0009】
特に意図されたシステムでは、下段作動流体凝縮液を中間段作動流体蒸気に注入することができ、中間段作動流体凝縮液、下段作動流体凝縮液、および/または中間段作動流体蒸気の第1の部分を加熱するためのヒーターをさらに含む。最も好ましくは、ヒーターには、外気、海水、または廃熱の熱容量が使用されることになる。第1の膨張タービンは中間段作動流体蒸気の第1の部分を50から250psiaの圧力で保冷容器に供給するように構成され、第2の膨張タービンは下段作動流体蒸気を5から50psiaの圧力で発生することがさらに好ましい。さらに、中間段作動流体蒸気の第1の部分と中間段作動流体蒸気の第2の部分との比が少なくとも1.1であることが一般に好ましい。
【0010】
したがって、LNGの再ガス化および発電の方法は、第1の膨張タービン内の作動流体を膨張させて中間圧力作動流体蒸気および電力を発生させるステップと、第2の膨張タービン内の中間圧力作動流体蒸気の第1の部分を膨張させて低圧作動流体蒸気および追加電力を発生させるさらなるステップとを含む。なおさらなるステップにおいて、低圧作動流体蒸気はLNGの冷凍容量を用いて凝縮されて加熱されたLNGおよび第2の凝縮液を発生し、第2の凝縮液および加熱されたLNGの冷凍容量は中間圧力作動流体蒸気の第2の部分を凝縮させて第1の凝縮液および気化されたLNGを発生するために使用される。最も典型的には、この後、第1および第2の凝縮液が混合されて作動流体を形成する。
【0011】
特に好ましい方法では、第1および第2の凝縮液が熱交換器内で混合され、かつ/または第1および第2の凝縮液が保冷容器の各交換器で形成される。混合された凝縮液と中間圧力作動流体蒸気の第1の部分との少なくとも一方はヒーターで加熱され、ヒーターは最も好ましくは熱源として外気、海水、または廃熱によって加熱されることがさらに好ましい。
【0012】
最も典型的には、特に作動流体が炭化水素および/または混合流体である場合、混合凝縮液は第1の膨張タービンに入る前に100から500psiaの圧力を有し、中間圧力作動流体蒸気は50から250psiaの圧力を有し、低圧作動流体蒸気は5から50psiaの圧力を有する。さらに、中間圧力作動流体蒸気の第1の部分と中間圧力作動流体蒸気の第2の部分との比は少なくとも1.1であることが一般に好ましい。
【0013】
本発明の様々な目的、特徴、態様、および利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】低圧作動流体と中間圧力作動流体を外部で混合する密閉サイクル発電を伴うLNG再ガス化の例示的な構成である。
【図2】低圧作動流体と中間圧力作動流体を内部で混合する密閉サイクル発電を伴うLNG再ガス化の別の例示的な構成である。
【図3】保冷容器を用いた、作動流体としてのLNGとプロパンとの間の複合熱曲線を示す略図である。
【図4】保冷容器を用いた、作動流体としてのLNGと混合流体との間の複合熱曲線を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者は、LNGは少なくとも2つの熱交換段で再ガス化されて熱交換段の各々は各タービンまたはタービン段から膨張した作動流体蒸気を受け入れる多段ランキンサイクル構成で作動流体を使用することによって、LNGの冷凍容量が有利にはLNG再ガス化施設において発電に採用され得ることを発見している。特に好ましい構成では、中間圧力作動流体が暖められたLNG(低圧作動流体の凝縮によって生成される)と低圧作動流体凝縮液との両方の冷凍容量を用いて凝縮され、作動流体は様々な低温加熱源によって加熱される。
【0016】
したがって、LNG再ガス化および発電は大気気化器、海水気化器、および/または廃熱を利用して燃料ガスを使用せずに実現される可能性があることを認識すべきである。さらに、このような構成は、典型的に、気化LNGの温度を上昇させるためのヒーターをさらに必要とせずに、パイプライン輸送に適した気化LNGを生産することになる。意図された方法および構成は、既存のLNG再ガス化プラントへのリトロフィット時に既存のLNG気化器を発電用に改造することによって採用されてもよく、または新規に実施されてもよい。本発明の主題のさらに好ましい態様では、膨張器出口における過度な凝縮を回避するために膨張器入口における作動流体蒸気温度を上昇させるための過熱器が採用されることを理解すべきである。最も好ましくは、低圧作動流体の冷凍容量は高圧作動流体(典型的に、暖められたLNGの冷凍容量とともに)を凝縮するために使用され、この後、凝縮流体は熱交換器の内部または外部で混合され得る。
【0017】
多段ランキンパワーサイクルの1つの例示的構成が図1に図式的に示され、ここでは、両ランキンサイクルがLNG再ガス化プラントに流体結合されている。当然ながら、ここでは2段膨張方式が示されているが、3段以上の膨張段(図示せず)も適用可能であることを認識すべきである。また、意図された構成は特定のLNGセントアウト流量またはLNG組成に限定されず、意図されたプラントは種々のLNGおよび作動流体組成のより高い流量、またはより低い流量を受け入れる可能性があることに留意すべきである。
【0018】
図1をさらに参照すると、500MMscfdのセントアウト流量のLNG流1(LNG貯蔵タンクなどのLNG源からの)は、典型的に、70psigから100psigの圧力および約−260°Fから−250°Fの温度にある。LNG流1は、LNGポンプ51によって典型的に約1200から1800psigの適当な圧力までポンピングされ、パイプライン要件を満たすのに必要な加圧LNG流2を形成する。再ガス化されたLNGは、パイプライン圧力および約40から70°Fの温度にある流れ3として熱交換器61を経由して保冷容器62を出る。本明細書で使用される、数字に関連する用語「約」は、その数字の絶対値の20%を下回る数字からその数字の絶対値の20%を上回る数字の範囲(両数字を含む)を指す。たとえば、用語「約−150°F」は−120°Fから−180°Fの範囲を指し、用語「約1500psig」は1200psigから1800psigの範囲を指す。ランキンパワーサイクルで採用される作動流体は、純粋成分流体、多成分流体(たとえば、炭化水素および/または他の有機物)であってもよい。容易に分かるように、作動流体の具体的な組成は、一般に輸入LNG固有の組成、パイプライン圧力、および所望のパワーサイクル圧力によって決定される。また、発電効率を最大にするために必要に応じて作動流体組成および/またはサイクル動作圧力を変えることが望ましい場合がある。
【0019】
流量6,000gpm、典型的に40°Fで180psiaから380psiaにおける、高圧液体流13は、気化され、過熱器57で約60°Fから150°Fまで過熱されて、高圧膨張器53全体にわたって約100psiaまで膨張される流れ4を形成する。発電機54は膨張器52および53に動作可能に(典型的に同軸上に)結合されて電力を発生する。過熱器57には適切な熱源として、外気、海水、または他の廃熱源が使用されてもよいことに留意すべきである。典型的に40°Fから80°Fの膨張蒸気流5は、2つの部分、流れ7と流れ6に分流される。分流比(すなわち、流れ5に対する流れ7)は、典型的に0.6であり、作動流体の組成と熱交換器60におけるLNG気化によって利用できる冷凍容量とに依存することになる。流れ7は、ヒーター58において約60°Fから90°Fまで直接的または間接的に加熱されて流れ8を形成する。さらに、ヒーター58には外気または海水からの熱、あるいは中間熱伝導流体(たとえば、水グリコール溶液)からの熱が採用され得ることが一般に好ましい。こうして加熱された蒸気8は、低圧膨張器52全体にわたって約18psiaまで膨張して流れ9を形成する。流れ6は、交換機60で冷却されて凝縮され、飽和液流15を形成する。流れ9は交換器59で完全に凝縮されて流れ10を形成し、流れ10は低圧ポンプ55に供給される。
【0020】
低圧ポンプ吐出流11における冷凍容量は、典型的に約−40°Fから−80°Fにあり、熱交換器63介して流れ6の凝縮に(交換器61における暖められたLNG流とともに)使用され、典型的に40°Fの流れ14を形成する。流れ14および15は、混合されて過冷却流12を形成し、過冷却流12は、この後、高圧ポンプ56によって約180psiaまでポンピングされて、流れ13を形成する。このような構成では、パワーサイクルが500MMscfdのセントアウト流量のLNGプラント用発電機54を用いて約10,000kWの電力を発生することを理解すべきである。
【0021】
あるいは、プラントは、図2に示されるような構成を有してもよく、図2では、同様の構成部品は図1に照らして同様の数字を有する。ここでは、低圧ポンプ吐出流11が熱交換器60の中に直接注入されており、したがって、図1の熱交換器63を不要にしている。このような構成では、蒸気流6は、流れ11からの熱伝導によって部分的に凝縮され、交換器61において温められたLNGの冷凍容量を用いて過冷却流12にまで完全に凝縮される。適切な熱交換器に関して、熱交換器のタイプはスパイラル式熱交換器、プレートフィン式熱交換器、アルミろう付け熱交換器、あるいは新しいLNG再ガス化プラントまたは既存プラントのリトロフィットに適したコアタイプ熱交換器であってもよいことを認識すべきである。
【0022】
LNGと種々の作動流体との複合加熱曲線が図3(プロパン)および図4(混合流体)に示されている。前述のように、作動流体組成および凝縮温度はまた、パワーサイクル動作圧力に依存する。複数段(2段よりも多い)は、作動流体とLNGとの温度差をさらに狭めることになり、作業ロスを減らして発電出力および効率を高める。したがって、多段ランキンサイクルは、発電と効率をさらに高めるが、追加装備に対する高い資本コストを必要とすることになる。
【0023】
熱交換器の一方または両方に適した熱源は、特に、海水、外気、発電所のガスタービン排気、ガスタービン入口空気、および冷却塔への冷却水を含む。しかしながら、複合サイクルプラント以外のプラントで見られるユニットを含む、数多くの代替熱源も検討されている。同様に、低温のLNGに適した容器は、数多くの極低温プロセス(たとえば、空気分離装置)を含んでもよく、この場合、LNGは空気などの気体を冷却し、プロセスは煙道ガス(たとえば、燃焼タービン、改質装置煙道ガスなど)を提供し、他のプロセスは低温シンク(たとえば、液体二酸化炭素生産プラント、海水淡水化プラント、または食品冷凍施設)の機能を果たす。
【0024】
本発明の主題についてさらに意図された態様では、発電がLNG再ガス化施設および/またはLNG受入ターミナルと操業可能に統合されていることが一般に好ましく、特に好ましい構成はLNGがプロセスにおいて再ガス化される構成を含み、そのプロセスにおいて低温LNGの少なくとも一部が電力を発生するために使用される。適切な例示的構成は、本発明者らが共有する同時係属中の特許協力条約に基づく国際特許出願、米国特許出願第03/25372号(国際公開第2004/109206A1号パンフレットとして公開)および米国特許出願第03/26805号(国際公開第2004/109180A1号パンフレットとして公開)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
その結果、具体的な熱源に応じて、LNGの再ガス化に必要なエネルギーは、全体として、あるいは一部に限り、意図されたランキンサイクルから熱遮断によって供給されてもよいことを認識すべきである。熱源が作動流体を気化して過熱するのに十分な熱量を供給しない場合、熱が補給されてもよいことを認識すべきである。熱の適当な補給源として、蒸気タービン吐出口からの廃熱、煙道ガスからの凝縮負荷、空気(空調を建物に供給することによる)、海水、または燃料ガスを用いた周囲加熱が挙げられる。したがって、意図された構成およびプロセスは内部消費用の既存の再ガス化プラントにリトロフィットするために、あるいは発電効率および柔軟性を改善するために使用されてもよく、あるいは新しい設備で使用されてもよいことを理解すべきである。
【0026】
したがって、本発明の主題に照らした構成を用いて数多くの利点が実現される可能性があることを理解すべきである。とりわけ、意図された構成は、プロパンまたは炭化水素またはLNGとは異なる他の混合物などの作動流体を用いることによって海水LNG気化を除外している。本明細書で意図されたシステムおよびプロセスは、発電に独立に利用可能であり、あるいは、いかなる発電所とも一体化されてなお利益をもたらし効率を改善することができる。特に好ましい構成では、作動流体として純粋成分または多成分を用いた多段ランキンサイクルで低温LNGを利用して高い熱効率を実現する一方で、セントアウトLNGは超臨界圧までポンピングされて、作動流体からの熱遮断を用いて再ガス化される。作動流体は、ポンピングされ、過熱され、より低い圧力まで膨張して電力を発生し、膨張した作動流体はセントアウトLNGの冷媒容量を利用して凝縮される。本発明の主題に従った発電構成は、既存のLNG施設へのリトロフィットとして実施されてもよく、新規の施設で実施されてもよいことを認識すべきである。
【0027】
このように、統合されたLNG再ガス化と一体的な発電の構成および方法の具体的な実施形態および用途が開示されている。しかしながら、既に説明した変更のほかにさらに多くの変更が本明細書における本発明の概念から逸脱することなく可能であることは当業者にとって明らかなはずである。したがって、本発明の主題は本開示の精神に沿う場合を除いて制限されるべきでない。さらに、本明細書および意図された特許請求の範囲を解釈する際、すべての表現は前後関係と整合する最大限広範な意味に解釈されるべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、非独占的な要素、構成部品、またはステップに言及しており、言及された要素、構成部品、またはステップが存在し、あるいは利用され、あるいは明示的に言及されていない他の要素、構成部品、またはステップと結合される可能性があることを示唆するものと解釈されるべきである。さらに、本明細書に参照により組み込まれる、参考文献における用語の定義または使用が、本明細書に記載される用語の定義と矛盾する場合、またはこれに反する場合、本明細書に記載されるその用語の定義が適用され、参考文献におけるその用語の定義は適用されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNGの再ガス化および発電の方法であって、
中間圧力作動流体蒸気および電力を発生するために第1の膨張タービンにおいて作動流体を膨張させるステップと、
低圧作動流体蒸気および追加電力を発生するために第2の膨張タービンにおいて中間圧力作動流体蒸気の第1の部分を膨張させるステップと、
加熱されたLNGおよび第2の凝縮液を発生させるためにLNGの冷凍容量を用いて低圧作動流体蒸気を凝縮させるステップと、
中間圧力作動流体蒸気の第2の部分を凝縮させ、第1の凝縮液および気化されたLNGを発生させるために第2の凝縮液と加熱されたLNGとの冷凍容量を用いるステップと、
作動流体を形成するために第1および第2の凝縮液を混合するステップとを備える、LNGの再ガス化および発電の方法。
【請求項2】
第1および第2の凝縮液を混合するステップが熱交換器内で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1および第2の凝縮液が保冷容器内の各交換器で形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
混合された凝縮液と中間圧力作動流体蒸気の第1の部分との少なくとも一方を加熱するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
加熱するステップには、熱源として、外気、海水、または廃熱が利用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
混合される凝縮液が第1の膨張タービンに入る前に100から500psiaの圧力を有し、中間圧力流体蒸気が50から250psiaの圧力を有し、低圧作動流体蒸気が5から50psiaの圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
中間圧力流体蒸気の第1の部分と中間圧力流体蒸気の第2の部分との比が少なくとも1.1である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
作動流体が炭化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
LNGが500MMscfdの流量で再ガス化される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
LNGの再ガス化および発電システムであって、
LNGを用いて下段作動流体蒸気を凝縮することができ、LNGと下段作動流体凝縮液とを用いて中間段作動流体蒸気を凝縮することができるように構成される保冷容器であって、保冷容器がLNGを気化することができるようにさらに構成される、保冷容器と、
第1の膨張タービンが中間段作動流体蒸気の第2の部分を保冷容器に供給し、中間段作動流体蒸気の第1の部分を第2の膨張タービンに供給するように、保冷容器と第2の膨張タービンに流体結合される第1の膨張タービンとを備え、
第2の膨張タービンが下段作動流体蒸気を発生するように構成され、
第1の膨張タービンが中間段作動流体凝縮液および下段作動流体凝縮液を受け入れるように構成される、LNGの再ガス化および発電システム。
【請求項11】
保冷容器が下段作動流体凝縮液を中間段作動流体蒸気の中に注入することができるように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
中間段作動流体凝縮液、下段作動流体凝縮液、または中間段作動流体蒸気の第1の部分を加熱することができるように構成されるヒーターをさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
ヒーターが、中間段作動流体凝縮液、下段作動流体凝縮液、または中間段作動流体蒸気の第1の部分を加熱するために、外気、海水、または廃熱の熱容量を使用するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
第1の膨張タービンが中間段作動流体蒸気の第1の部分を保冷容器に50から250psiaの圧力で供給するように構成され、第2の膨張タービンが下段作動流体蒸気を5から50psiaの圧力で発生するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
中間段作動流体蒸気の第1の部分と中間段作動流体蒸気の第2の部分との比が少なくとも1.1である、請求項10に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−529347(P2010−529347A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510354(P2010−510354)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/006859
【国際公開番号】WO2008/150450
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(506354434)フルオー・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (35)
【Fターム(参考)】