説明

Li4Ti5O12,Li(4−α)ZαTi5O12,又はLi4ZβTi(5−β)O12を主成分とする粒子群,それらの粒子群の獲得方法、及び、電気化学装置に於けるそれらの粒子群の利用方法

【課題】リチウムイオン電池に用いられるLi4Ti512の新規な合成方法と粒子群を提供する。
【解決手段】a)TiOx‐LizY‐炭素という三要素より成る混合物の分散系を作成する段階、ただし、上の化学式に於いてxは1と2の間の数を表し、zは1又は2を表わし、Yは、CO3,OH,O及びTiO3或いはこれらの混合物から選ばれた基をあらわす、b)得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とした合成方法で得られる粒子群で、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Li4Ti512,Li(4−α)αTi12,或いはLiβTi(5−β)12を主成分とする新規の粒子群に関するものである。
本発明は又、このような粒子群を作成することのできる方法、及び、このような粒子群を、とりわけ、電気化学式発電機のような電気化学装置の領域に於いて使用するその使用法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム‐イオン・バッテリは、1990年にSonyによって商品化されたが、この商品化については、Prog.Batt.Solar Cells誌9号(1990),209ページにNagauraとTozawaが報告している。商品化されたおかげで、バッテリは、ポータブル(電話,コンピューター)の領域に於いて、普及し、大きく躍進できることになった。リチウム‐イオン・バッテリの技術は、リチウムを添加する電極に基づいている。電極といっても、特に、黒鉛から出来ているアノードのことである。最初の充電の時に、炭素の表面には不動態化した薄膜が形成されるが、この薄膜の化学的な組成は複雑なもので、薄膜形成のプロトコールは、産業上の秘密となっている。さらに、リチウムを炭素中に添加する時には、単位体積当たり10%の変動があるため、粒子と粒子との間に不連続性が出来ることとなり、そのため、電極と電解質との間、及び電極と集電極との間の界面が離されることになる。
ひとたびリチウムが添加されてしまえば(LiC),炭素のポテンシャルは、リチウムの沈積物のポテンシャルに近付き、このため、電極の反応性が増す。小型のバッテリを、ハイブリッド式電気自動車使用のためにより大きくしようとすると、大量の電解質が必要であり、ということは安全面がそれだけ重要なものとなる。
【0003】
スピネル(尖晶石)のチタン酸化物LiTi12は、リチウム‐イオン・バッテリのアノード用の素材として有望である。それは何故かというと、このチタン酸化物には、添加ポテンシャルがあること(K.Zaghib他,第190回電気化学学会大会、San Antonio Abs第93号,1996),循環性があること,それに強い電流に於いて迅速に充電‐放電を行えること(このことについては、K.Zaghib他が、1996年の電気化学学会会報シリーズ中のリチウム・ポリマー・バッテリ会報,PV96‐17,223ページや、1998年のJ.Electrochem.Soc.145,3135や、1999年のJ.Power Sources,81〜82,300〜305に於いて説明している)とによって有望なのである。LiTi12中へのリチウムの拡散率は、炭素中へのリチウムの拡散率よりマグニチュードは大体大きくなっている(このことについては、K.Zaghib他のJ.Power Sources,81〜82(1999)300〜305参照)。こういう特徴があるため、LiTi12は、PNGV及びパルスGSMとして電力を利用するための他の素材候補から抜きんでているのである。リチウムが添加されている間、LiTi12の構造は、体積面では変わらないので、この電極は非常に安定していて、それ故安全なものとなっている。この研究は、Ozhukuによって行われ、J.Electrochem.Soc.140,2490(1993)に於いて報告されており、Zaghib他によっては、自然な環境の下で、X線回折や走査顕微鏡で研究が行われ、1996年の電気化学学会会報シリーズ中のリチウム・ポリマー・バッテリ会報,PV96‐17,223ページや、1998年のJ.Electrochem.Soc.145,3135に於いて報告されている。
【0004】
LiTi12という素材は、単位体積あたりの膨脹がないので(これは単位体積あたりゼロ膨脹ZEVとも呼ばれている),ポリマー,セラミック或いはガラスの電解質のバッテリ中に簡単に使用することができ、循環性に於ける安定性が確かなものとなる。さらに、このアノードは、1.5Vに於いて良好に機能を果たすので、たとえば、エチレンのカーボネ−ト(EC)とかプロピレンのカーボネ−ト(PC)とか、これらの混合物とかのような、あらゆるタイプの液体の電解質を使用しやすくなる。このレベルのポテンシャルでは、電極には、不動態化した薄膜は形成されないので、一方では、電解質の減少に起因する気体の放出が妨げられ、他方では、容量の減損が妨げられるようになっている。このポテンシャルの機能によって、バッテリの寿命はのびるが、不動態化した薄膜のない電極としての特徴の故に、特にスタンド・バイ(非常時用)タイプの用途のためのバッテリの寿命がのびる。アノードとしてLiTi12を使用する場合、バッテリを前以て形成しておく必要は全くない。
【0005】
さらに、金属・プラスチック型のバッテリの形状に於いては、アノードとして炭素が使用された場合に電解質の分解に起因して生ずる気体のために、付随的なたまり場所(ポケット)が用意されている。LiTi12を用いたバッテリでは、(バッテリを)形成しておく必要もなければ、ガス抜き用のポケットを用意しておく必要もないので、バッテリの製造費が節減されることになる。
LiTi12を挿入する反応は、次のように行われる;

LiTi12+3Li+3e←→ LiTi12 (1)

文献(1993年のT.Ohzuku他のJ.Electrochem.Soc.,140,2490及び2000年10月のJ.Schoonman他の電気化学学会Phenoixの第198回大会,Extend Abstrat No91,92と98)では、LiTi12は、LiOHとTiOの混合物という二元混合物によって、600℃を超える合成温度で得ることができると言及されている。混合物中のTiO,LiTiO及び/又は他の残留物タイプの不純物によって電極の容量は制限を受け、粒子群の大きさも制限を受ける。
【0006】
1998年のJ.Electrochem.Soc.第145巻,3135所載の“陰極として炭素又は酸化物を使用する固体リチウム‐イオン・バッテリ”と題された資料では、K.Zaghib,M.ArmandとM.Gauthierが、充電のきくバッテリ又はスーパーコンデンサーに於いてアノードもしくはカソードとしてLiTi12を用いる場合の可能なあらゆる用途について説明している。
1998年9月のJ.Electrochem.Soc.,第145巻No.9所載の“固体リチウム‐イオン・ポリマー・バッテリに於けるアノードの電気化学”という資料では、固体リチウム‐イオン・バッテリの電気化学的な性能について説明しているが、固体リチウム‐イオン・バッテリは溶剤のない固体ポリマーを主成分とする電解質を用いて作られたものである。アノードとしてのリチウムと向かい合ってカソードとしてLiTi12が、C/1の割合で、主成分となっている電池は、150mAh/gの電気量を通すが、この電気量は公称の容量の効率の97%に相当している。負の電極として炭素を使用した場合には、不可逆の容量は増大していた。しかしながら、スピネル(尖晶石)材を、炭素の代わりに用いた場合には、犠牲となる容量はごく僅かですんでいた。
【0007】
“リチウム・イオン・ポリマーの充電できるバッテリ用のLiTi12の負極の電気化学的研究”という資料に於いて、K.Zaghib他は、LiTi12を含むリチウム・イオン用の負極の電気化学的安定性を明らかにしている。この負極は、スピネル型のLiTi12構造に対する化学的拡散率に関しては、先の例で説明した電極と同じスタイルのもので、このスピネル型の構造だと拡散率の数値は、−2・10−8cm・S−1であり、強度は、炭素の負極の場合を上廻る値となる。このようにLiTi12の電極を用いると、電気化学的電池の場合、安全性、寿命の長さ及び信頼度という利点が得られる。
米国特許US−A−6,221,531では、一般的な化学式が、Li[Ti1.67Li0.33-yy]Oのスピネル型の構造について説明されている。ただし、上の化学式に於いて、0<Y<0.33であり、Mはマグネシウム及び/又はアルミニウムを表しているものとする。この構造は、水を含まない電気化学式電池の負極を作るために役に立つものとして紹介しており、さらに、複数の電池から成る無水バッテリであって、これらの電池は電気的に接続されており、各電池が、負の電極と電解質と正の電極から成るバッテリに於いて、該負の電極がこのスピネル型の構造から出来ているようにこの構造を使用すると役に立つことが紹介されている。
【0008】
それ故、新しいタイプの粒子群に対する需要はずっと存在していたわけである。新しいタイプの粒子群というのは、これまでに言及してきた先行技術による粒子群に一般的に付きものだった制約及び/又は難点がない粒子群であり、高性能で、循環状態に於いて安定している電気化学装置の製作を特に可能とすることができ、電極のような支持体状に用意に撒布でき、これらの粒子群を用いて作ろうとしている電極の厚みに関しても柔軟性を十分に備えている、そういう粒子群のことである。
【特許文献1】米国特許US−A−6,221,531
【非特許文献1】Prog.Batt.Solar Cells誌9号(1990),209ページ
【非特許文献2】K.Zaghib他、第190回電気化学学会大会、San Antonio Abs第93号,1996
【非特許文献3】K.Zaghib他、1996年 電気化学学会会報シリーズ リチウム・ポリマー・バッテリ会報,PV96‐17,223ページ
【非特許文献4】J.Electrochem.Soc.145,3135(1998) “陰極として炭素又は酸化物を使用する固体リチウム‐イオン・バッテリ”
【非特許文献5】J.Power Sources,81〜82,300〜305(1999)
【非特許文献6】J.Electrochem.Soc.140,2490(1993)
【非特許文献7】2000年10月 J.Schoonman他 電気化学学会Phenoix 第198回大会,Extend Abstrat No91,92及び98
【非特許文献8】1998年9月 J.Electrochem.Soc.,第145巻No.9“固体リチウム‐イオン・ポリマー・バッテリに於けるアノードの電気化学”
【非特許文献9】“リチウム・イオン・ポリマーの充電できるバッテリ用のLi4Ti5O12の負極の電気化学的研究”、K.Zaghib他
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、化学式が、LiTi12かLi(4‐α)αTi12か、或いはLiβTi(5−β)12の新規の粒子群の合成法を扱っている。上の化学式に於いて、αは0より大きく0.33以下の数を表わしており、βは0より大きく0.5以下の数を表わし、Zは、Mg(マグネシウム),Nb(ニオブ),Al(アルミニウム),Zr(ジルコニウム),Ni(ニッケル),Co(コバルト)より成るグループから好ましくは選ばれた少なくとも一つの金属を表わしている。これらの粒子は、炭素の層でくるまれている。これらの粒子を電気化学システムに使用することも、本発明の目的となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は下記の特徴を有する。
(1)LiTi12の粒子群を酸素雰囲気下で合成する方法であって、
前記粒子群は、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含み、
ただし、この炭素量はLiTi12の粒子群の総量に対する割合を表しているものとし、
この方法は次のa),b)の段階より成り、a),b)の段階とは即ち:
‐a)はTiO‐LiY‐炭素という三要素より成る混合物の分散系を作成する段階で、ただし、上の化学式に於いて
‐xは1と2の間の数を表し、
‐zは1又は2を表わし、
‐Yは、CO,OH,O及びTiO或いはこれらの混合物から選ばれた基をあらわすものとし;そして
‐b)は、前の段階で得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とした合成方法。
(2)Li(4−α)αTi12の粒子群を、酸素雰囲気下で合成する方法であって、
αは0より大きくて0.33以下の数を表わし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coよりなる金属群から選ばれた少なくとも一つの金属源をあらわしているものとし;
前記粒子群は、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含み、
ただし、この炭素量はLi(4−α)αTi12の粒子群の総量に対する割合を表わしているものとし、
この方法は次のa),b)の段階より成り、a),b)の段階とは即ち:
‐a)はTiO‐LiY‐炭素という三要素より成る緊密な混合物の分散系を作成する段階で、ただし、これらの化学式に於いて
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiO或いはこれらの混合物から選ばれた基を表わすものとし;そして
‐b)は、前の段階で得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とし、
少なくとも1種類の金属Zの発生源を、三要素より成る混合物に加えることを特徴とする合成方法。
(3)LiβTi(5−β)12の粒子群を、酸素雰囲気下で合成する方法であって、
βは0より大きくて0.5以下の数とし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成る金属群から選ばれた少なくとも一つの金属源を表わしているものとし;
前記粒子群は、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含み、
ただし、この炭素量はLiβTi(5−β)12の粒子群の総量に対する割合を表わしているものとし、
この方法は次のa),b)の段階より成り、a),b)の段階とは即ち:
‐a)はTiO‐LiY‐炭素という三要素より成る緊密な混合物の分散系を作成する段階で、ただし、これらの化学式に於いて
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiO或いはこれらの混合物から選ばれた基を表わすものとし;そして
‐b)は、前の段階で得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とし、
少なくとも1種類の金属Zの発生源を、三要素より成る混合物に加えることを特徴とする合成方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかによる方法に於いて、三要素より成る混合物の分散系を、600℃に迄加熱するようにした方法。
(5)(4)による方法に於いて、該分散系を2段階に分けて加熱するものとし、第一の段階では、分散系が400℃に達する迄加熱し、第二段階では600℃に迄加熱するようにした方法。
(6)(1)〜(5)のいずれかによる方法に於いて、三要素からなる混合物の分散系は、水及び/又は少なくとも一つの溶剤を用いて作成されるものとした方法。
(7)(1)〜(5)のいずれかによる方法であって、該分散系が、溶剤を用いず、乾燥した状態に於いて作成されるという特徴を有する方法。
(8)(1)〜(7)いずれかによる方法であって、化合物LiYには、LiO,LiCO及びLiOHより成る化合物群から選ばれた化合物が少なくとも一つ含まれているという特徴を有する方法。
(9)(8)による方法であって、化合物LiYはLiCOから成る方法。
(10)(1)〜(9)のいずれかによる方法に於いて、該分散系は、機械的な粉砕によって得られるものとした方法。
(11)(1)〜(9)のいずれかによる方法であって、TiOは、鋭錐石(アナターゼ型)もしくは金紅石(ルチル型)構造のTiOタイプのものか、或いはこれら二つの混合物とする方法。
(12)(1)による方法であって、化合物LiYは、LiTiOから成るものとする方法。
(13)(1)〜(11)のいずれかによる方法に於いて、炭素は:
‐天然もしくは人造のグラファイト、カーボン・ブラック,Shawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)、Ketjen Black(ケッチェンブラック、商標)、及びコークスよ
り成る物質群から選ばれ反応環境に加えられるものとし;
‐該方法の過程に於いて、炭素が生成されるものとし;或いは、
‐該方法の過程に於いて、LiTi12の粒子群の表面に、及び/又は、LiTi12を主成分とする粒子群の表面に、及び/又は該三要素から成る混合物の分散系を作成するために用いられる反応体少なくとも一つの表面に沈着している有機及び/又は無機の物質の焼成によって、炭素が粒子群の表面に生成せしめられるものとした方法。
(14)(1)〜(13)のいずれかによる方法に於いて、炭素は、2m/g以上の表面積を有する粒子群の形をとっているものとする方法。
(15)(1)〜(3)及び(5)〜(12)のいずれかによる方法であって、炭素による被覆は、反応環境中に存在するShawinigan(シャウィニガン、商標)の炭素の粉末;及び/又は、ポリマーの少なくとも一つから得られるという特徴を有する方法。
(16)(11)による方法に於いて、始まりとなる反応物として使用されるTiOは、少なくとも一つの無機物質によってくるまれるようにしてある方法。
(17)(11)による方法に於いて、使用されるTiOは、無機と有機のハイブリッド式の物質でくるまれているようにした方法。
(18)(1)〜(17)のいずれかによる方法に於いて、三要素から成る混合物の粒子の大きさは、100ナノメートル〜10マイクロメートルの範囲とした方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、Li4Ti512,Li4βTi(5−β)12,又はLi(4−α)αTi512を主成分とし、好ましくはスピネル構造を有する粒子群の合成方法を提供できる。ここで、βは0より大きくて0.5以下の数とし(好ましくはスピネル構造を有し)、αは0より大きくて0.33以下の数を表わし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coよりなる金属群から選ばれた少なくとも一つの金属をあらわしているものとする。また、前記粒子群は炭素で被覆され、興味深い電気化学的特徴を有する電気化学式発電機のアノード及び/又はカソードとした電気化学式発電機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第一の目的は、次のような粒子群の作成を可能とする方法によって構成されている。次のような粒子群というのは、即ち:
‐LiTi12の核、或いはLi(4−α)αTi12の核、或いはLiβTi(5‐β)12の核を有し、ただし、αは0より大きくて0.33以下の数を表わし、βは0より大きくて0.5以下の数を表わしているものとし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成るグループから好ましくは選ばれた少なくとも一つの金属を表わしているものとし;そして
‐炭素の被覆を有する粒子群のことである。
【0013】
好ましい実施態様によれば、この合成方法で、炭素でくるまれたLiTi12の粒子(好ましくはスピネル構造の粒子)を作成することができ、これらの粒子は、炭素を、重量パーセントにして0.01〜10%,好ましくは1〜6%,さらに好ましくはおよそ2%含んでおり、この重量パーセントは、LiTi12の粒子群の総質量に対する炭素の量を表わしているものとし;
該方法は、次のa)及びb)の段階から成っていて、a)b)の段階とは即ち:
‐a)TiO‐LiY‐炭素という三要素から成る混合物(好ましくは三要素から成る緊密な混合物)の分散系を作成する段階、ただし、
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiOの中から選ばれた基又はこれらの混合物を表わしているものとし;そして
‐b)前の段階で得られた分散系を加熱する段階である。
又、操作条件、より詳しくいえば、分散せしめられる三要素混合物の要素の濃度の条件は、始まりとなる反応物をLiTi12に変える、好ましくは完全に変えるように定められる。
【0014】
本発明による方法の今ひとつの好ましい実施態様によれば、炭素でくるまれたLi(4−α)αTi12の粒子群(好ましくはスピネル構造)を合成することができるが、上の化学式に於いて、αは0より大きくて0.33以下の数を表わし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成るグループから好ましくは選ばれた少なくとも一つの金属を表わしている;尚、該粒子群は、炭素を重量にして0.01〜10%,好ましくは1〜6%,さらに好ましくは約2%含んでおり、この炭素の量は、Li(4−α)αTi12の粒子群の全質量に対して表わされたものとし;該方法は次のa)b)の段階から成るものとするが、a)b)の段階とは即ち:
‐a)TiO‐LiY‐炭素の三要素から成る緊密な混合物の分散系を形成する段階,ただし
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiOから選んだ基又はこれらの混合物を表わすものとし;そして
‐b)前の段階で得られた分散系を加熱し、好ましくは、400〜1000℃の範囲の温度に迄加熱する段階である。
【0015】
又、操作条件、より特定的にいえば、分散せしめられる三要素混合物の要素の濃度は、始まりとなる反応物をLi(4−α)αTi12に変えるか、好ましくは完全に変えることができるように定められるものとし,そして、
少なくとも一つの金属Zは、反応性の混合物に対して、好ましくは、該方法の段階a)に於いて、加えられるものとし、その濃度は、好ましくは、重量パーセントにして0.1〜2%となるようにし、ただし、この重量パーセントは、三要素混合物の質量に対するパーセンテージを表わしているものとし、
化学式がLi(4−α)αTi12の粒子群を特定して作成することのできる作業条件は、より詳しくいえば、分散せしめられる三要素混合物中に存在する各要素の最初の量の制御である。
【0016】
本発明の方法の今一つの実施態様によれば、化学式がLiβTi(5−β)12で、炭素でくるまれた粒子群(好ましくは、スピネル構造の)を合成することができる。ただし、上の化学式に於いて、βは0より大きくて0.5以下の数を表わし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成るグループ中から好ましくは選んだ少なくとも一つの金属を表わしているものとし、該粒子群には炭素が重量パーセントにして0.01〜10%,好ましくは1〜6%,さらに好ましくはおよそ2%,含まれているものとし、炭素の量は、化学式がLiβTi(5−β)12の粒子群の総質量に対して表わされたものとするが、この方法は、次のa)b)の段階から成っており、a)b)の段階とは即ち:
‐a)TiO‐LiY‐炭素という三要素から成る緊密な混合物の分散系を作成する段階、ただし、
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiOの中から選ばれた基又はこれらの混合物を表わすものとし;そして、
‐b)前の段階で得られた分散系を加熱し、好ましくは、400〜1000℃の範囲の温度に迄加熱する段階である。
【0017】
又、操作条件、より特定的にいえば、分散せしめられる三要素混合物の要素の濃度は、始まりとなる反応物をLiβTi(5−β)12に変えるか、好ましくは完全に変えることができるように定められるものとし,そして、
少なくとも一つの金属Zは、反応性の混合物に対して、好ましくは、該方法の段階a)に於いて、加えられるものとし、その濃度は、好ましくは、重量パーセントにして0.1〜2%となるようにし、ただし、この重量パーセントは、三要素混合物の質量に対するパーセンテージを表わしているものとし、
化学式がLiβTi(5−β)12という特定の粒子群を作成することのできる作業条件は、より詳しくいえば、分散せしめられる三要素混合物中に存在する各構成要素の最初の量の制御である。
【0018】
この方法の好ましい実施態様によれば、三要素混合物の分散系は、約600℃に迄加熱される。
さらに好ましくは、分散系は二段階に分けて加熱される。即ち、第一段階では、分散系が約400℃に達する迄加熱され、第二段階で約600℃に迄加熱されるようにする。
第一段階は、好ましくは、迅速な加熱によって約400℃に迄,好ましくは、1〜4時間で温度を上げるようにし、第二段階は、ゆっくりとした加熱によって、好ましくは、少なくとも4時間はかけて温度を上げるようにする。
【0019】
この方法の今一つの好ましい実施態様によれば、少なくとも一つの段階、好ましくは段階a)は、空気中で行われる。
この方法の今一つの好ましい実施態様によれば、少なくとも一つの段階、好ましくは段階b)は、少なくとも部分的には不活性の大気下で行われる。
三要素混合物の分散系は、水及び/又は少なくとも一つの溶剤を用いて作成すると好都合であり、該少なくとも一つの溶剤は、有機溶剤とするのが好ましい。この有機溶剤は、ケトン,飽和炭化水素,不飽和炭化水素,アルコール,及びこれらの混合物により成る物質群から都合のよいように選ばれるものとし、さらになお好ましくは、三要素混合物の分散系を作成するには、水,アセトン,ヘプタン,トルエン,又はこれらの混合物を用いるようにする。
該分散系は又、溶剤を用いず乾いた状態でも作成される。
【0020】
今一つの好ましい態様によれば、LiYという化合物が選ばれるが、この化合物には、LiO,LiCO及びLiOHよりなる物質群から選ばれた化合物が少なくとも一つ含まれている。さらに好ましくは、化合物LiYは、専ら、LiCOから成っており、このLiCOは、好ましくは、三要素混合物の総質量に対して、25〜30%の重量パーセントの割合で存在しているものとする。
分散系は、機械的な粉砕によって作られるのが好都合であるが、好ましくは、高エネルギーに於いて、さらに好ましくは乾燥状態に於いて機械的な粉砕を行い、及び/又は、好ましくは溶剤を用いてJar millingによって作られるものとする。
【0021】
今一つの好ましい実施態様によれば、化合物TiOxとしては、鋭錐石(アナターゼ型)もしくは金紅石(ルチル型)タイプのTiO(好ましくは鋭錐石(アナターゼ型)TiOのタイプ)か、これら二つのタイプのTiOの混合物が採用されており、このTiOが、該三要素混合物中に、58〜71%の重量%の濃度で存在しているのが好ましい。
化合物LizYは、好ましくは、LiTiOから成るものとし、このLiTiOが、三要素混合物の総質量に対して43〜48%の重量パーセントの割合で存在しているのが好ましい。
本発明による方法を実施するために使用される炭素は、あらゆる資源から得ることができる。炭素は、天然もしくは人造のグラファイト,カーボンブラック(好ましくはアセチレン・ブラック),Shawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標),Ketjen Black(ケッチェンブラック、商標)、及びコークス(好ましくはオイルコークス)より成るグループから選ぶのが好ましく、こうして選んだ炭素を、好ましくは、三要素混合物の分散系を作る始めの段階で、反応環境に加えるものとする。
【0022】
炭素は又、この方法の途中の過程で作り出すこともできる。即ち、該反応環境中に存在している、ポリマーのような、拘束を受けていない有機物質少なくとも一つから、好ましくは作り出すことができる。
炭素は又、有機及び/又は無機の物質を焼成することによって粒子群の表面に於いて作り出すこともできる。該有機及び/又は無機の物質というのは、該方法の途中過程において、LiTi12の粒子群の表面上に、及び/又はLiTi12を主成分とする粒子群の表面上に、及び/又は、該三要素混合物の分散系を作ために使用される反応体少なくとも一つ(好ましくはTiO)の表面上に沈澱せしめられるものである。
好ましいやり方では、使用される炭素は、2m/g以上の特定の表面積を持つ粒子群の形をしており、好ましくは、50m/gの特定の表面積を持つ粒子群の形をしている。
好ましい実施態様によれば、本発明の方法は、酸素を含む大気の存在するところで実施され、反応環境中に存在している炭素の一部がこの方法が実施されている間に消費される。
【0023】
今一つの好ましい実施態様によれば、炭素の被覆は、反応環境中に、Shawinigan(シャウィニガン、商標)の炭素の粉末及び/又は少なくとも一つのポリマーを存在させることから得られる。該少なくとも一つのポリマーは、好ましくは、多価アルコールか、或いは、ポリエチレンとエチレンのポリ酸化物とコポリマーである。
【0024】
本発明の今一つの好ましい実施態様によれば、始まりとなる反応物として、少なくとも一つの無機物質でくるまれたTiOを使用しているが、好ましくは、アルミニウムの酸化物及び/又はジルコニウムの酸化物を含む無機物質でくるまれたTiO,さらに好ましくは、Al及び/又はZrOを含む有機物質少なくとも一つでくるまれたTiOを使用している。今一つの変形例では、無機‐有機ハイブリッド物質でくるまれたTiOを使用している。
【0025】
本発明の第二の目的は、本発明の第一の目的として先に規定した方法の一つを実施することによって得ることのできる粒子群である。
これらの粒子は、炭素でくるまれた核を備えており、これらの粒子の核は:
‐LiTi12を主成分としているか;又は、
‐Li(4−α)αTi12を主成分とし、ただし、αは0より大きく0.33以下の数とし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成るグループから好ましくは選んだ少なくとも一つの金属を表わすものとするか;又は、
‐化学式がLiβTi(5−β)12の化合物少なくとも一つを主成分とし、ただし、βは0より大きく、及び/又は0.5以下の数とし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成るグループから好ましくは選んだ少なくとも一つの金属を表わしているものとする。
【0026】
次の粒子群によって好ましい小グループが形作られる。即ち、核の過半、好ましくは少なくとも65%が、LiTi12,Li(4−α)αTi12,LiβTi(5−β)12又はこれらの混合物から成っている粒子群である。
その残りは、主としてTiO,LiTiO又は溶剤の残りから成っている。
さらに好ましくは、本発明による粒子群の核は、専ら、LiTi12,Li(4−α)αTi12,LiβTi(5−β)12又はこれらの混合物から成っている。
本発明の粒子群の好ましい小グループは、次の粒子群から成っている。即ち、説明中に定められている方法に従って計測すると、155〜170mAh/gの範囲の可逆容量を示す粒子群である。
【0027】
好ましい実施態様によれば、これらの粒子は、LiTi12の核を炭素の層でくるんで出来ている。
本発明による粒子群は、極微小構造のものが好ましい。これらの粒子の大きさは、電子走査顕微鏡で計測した場合で、好ましくは、10〜950ナノメートルの範囲である。
本発明による粒子群は、かつ又、それらの核の大きさが、電子走査顕微鏡で計測すると、好ましくは、10〜500ナノメートルの範囲であるという特色を有している。
これらの粒子を蔽っている炭素の外被は、その厚みが、やはり電子走査顕微鏡で計測すると、10〜450ナノメートルの範囲であり、さらに好ましくは、外被の厚みが20〜300ナノメートルの範囲であるという特色を有している。
【0028】
本発明の第三の目的は、電気化学式発電機(好ましくは再利用可能なタイプの電気化学式発電機)のカソードであって、本発明の第二の目的で先に規定したような粒子、及び/又は、本発明の第一の目的に従った方法のいずれか一つを実施して得ることのできるような粒子から成るカソードである。
【0029】
本発明の第四の目的は、電気化学式発電機(好ましくは再利用可能な電気化学式発電機)のアノードであって、本発明の第二の目的で先に規定したような粒子,及び/又は、本発明の第一の目的に従った方法のいずれか一つを実施して得ることのできるような粒子から成るアノードである。
【0030】
本発明の第五の目的は、リチウム・タイプの電気化学式発電機(好ましくは充電のきくタイプ)であって、金属リチウム・タイプのアノードと、LiTi12タイプ及び/又は、Li(4−α)αTiタイプ及び/又はLiβTi(5−β)12タイプ、又はそれらの混合物のカソードとから成り、このバッテリのカソードは、本発明の第三の目的に於いて先に規定したようなものとした電気化学式発電機である。
【0031】
本発明の第六の目的は、リチウム・イオンタイプの電気化学式発電機(好ましくは充電のきくタイプ)であって、LiTi12タイプ及び/又はLi(4−α)αTi12タイプ及び/又はLiβTi(5−β)12タイプ又はそれらの混合物のアノードと、LiFePO,LiCoO,LiCoPO,LiMn及び/又はLiNiO又はそれらの混合物のカソードとから成り、アノードは、本発明の第三の目的に於いて規定したようなものとした電気化学式発電機である。
このような発電機では、好ましくは、アノード中、及び/又はカソード中に電流コレクターを使用しており、コレクターは、純アルミニウムか、或いはエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)のものである。
本発明による電気化学式発電機の好ましい小グループは、あらかじめバッテリを形成しておく必要が全くない発電機から成っている。
【0032】
本発明の第七の目的は、ハイブリッド式の大容量コンデンサーであって、LiTi12タイプ及び/又はLi(4−α)αTi12タイプ及び/又はLiβTi(5−β)12のアノードと、特定の大きな表面積のグラファイトもしくは炭素タイプのカソードとから成り、このアノードは、先に規定されたようなもので、前以て大容量コンデンサーを形成しておく必要のないものとした大容量コンデンサーである。
好ましい実施態様によれば、このような大容量コンデンサーのアノード及び/又はカソードには、純アルミニウムか又はエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電流コレクターが備わっている。
好ましい実施態様によれば、電気化学式発電機又は大容量コンデンサーに使用されている電解質は、乾燥しているか、ゲル状か、液状か又はセラミック状のポリマー類である。
【0033】
本発明は、さらに詳しくいえば、次に述べる操作のやり方の一つに従って実施される:
【0034】
1‐炭素の粉末の存在するところで
本発明は、簡単で、迅速で、費用がかからないLiTi12の新しい合成方法を用いるものである。この合成は、鋭錐石(アナターゼ型)構造か金紅石(ルチル型)構造のTiOと,LiCOと炭素との三要素混合物に基づいている。この混合物は、よく分散せしめられてから、加熱過程に移されるが、この加熱過程は二つの段階から成っている。最初の段階では、空気中で、400℃に迄、急速に加熱される。この温度状態にすると、溶剤としてヘプタンが使用される場合、ヘプタンの痕跡を除去するのに役立つ一方、COの排出を促進する。600℃に加熱する第二の段階は、第一の段階よりも長く、最短4時間は必要である。以上の過程によって、三要素混合物からスピネル構造のLiTi12への変形が完成する。第二段階での加熱時間が長くなっているおかげで、細かい粒度が得られる(第2図に示した例を参照)。
【0035】
この合成に於いては、炭素がきわめて重要な役割を演じている(この件については第3図を参照)。最初に、炭素は、空気中の酸素と酸化し、TiOからの酸素と酸化してCOを出す。第二の段階では、チタンがリチウムと反応してチタン酸リチウムを形成し、これが空気と反応して酸化する。合成の反応は、次のように概略化して表わされる:
5TiO+XC+2LiCO→LiTi12+(X+2)CO (2)
【0036】
間違いなく完全な変形が行われるように、炭素は多めの量が用いられる。何故なら、空気の存在するところで炭素が燃え、それから余った炭素がTiOとLiCOを変化させるからである。本発明で使用される炭素は、表面に酸素原子団を含む炭素で、これらが、リチウムの酸化物と反応する。TiO‐炭素‐LiCOの混合物は、二つの方法によって手に入れることができる:即ち、溶剤中でこしらえるか、或いは、乾いた状態に於いて機械的に分散せしめられた混合物中でこしらえるかである。ひとたび均質で緊密な粉末が得られると、炭素は、(2)の反応に従って重要な役割を演じることになって、不純物を含まない生成物LiTi12が得られる。
LiCOの代わりにLiOを用いてもうまくはいくが、僅かでも湿気が残っていると、LiOHが形成されるのでLiTi12の生成収率が減少し合成を800℃に保って行わなければならなくなる。
【0037】
合成は又、TiOとLiCOと炭素とを分散させた混合物を用い、高エネルギーに於ける機械的粉砕(BMHE)によっても実施される。このBMHEに移る前の主要な作業段階は、三要素混合物をよく分散させて均質な混合物を得ることである(第10図)。このためには、まず、2時間で15分間、(三要素を)共に粉砕するようにし、このようにすると、合成の温度を下げるのにも役立つ。この方法によれば、従来式の方法による場合とくらべて、極微小構造のLiTi12(第6,7及び8図)の粒子群が作り出される。従来式の方法によれば、肉眼で見ることのできる大きさの粒子群の形成を実現することができる(第4及び5図)。極微小構造の粒子群を使用すると、薄手の電極を広げやすくなり、電力適用のためのスピネル構造中のリチウムの拡散が増す。第1図には、LiTi12の適用例が示されている。LiTi12がカソードの場合には、LiTi12は充電がきくおかげで、バッテリは1.5Vである。このシステムは、充電可能なバッテリの市場用として極めて興味深いものとなっており、1.5Vのアルカリ1次バッテリの大きな市場に取って代わり得るものとなっている。
【0038】
LiTi12は絶縁体の白い粉末であるが、その電気伝導率を増すために、LiTi12を炭素とともに粉砕するようにしている。すると、炭素がLiTi12の粒子をくるみこむので、リチウムを付加したりとり除いたりする時に、電極の伝導率がよくなり、高電流(mA/g)に於いても容量(mAh/g)が安定することになる。実際、炭素は、本発明に於いては二重の役割を演じている。即ち、一方では、LiTi12タイプの純粋な最終生成物を合成して、合成温度を下げるのに役立っており、他方では、電気化学式発電機用の電極を製造するために、LiTi12とともに粉砕することによって、電気伝導率を増しているのである。
【0039】
2−TiO2の粒子の表面に有機コーティングが存在するところで
有機物質でくるまれたTiO(Kronos社の製品)とLiCOとの混合物の合成。これら二つの成分は、水の中に溶かされる。緊密な混合物は、24時間のJar millingによって得られる。こうして得られたペースト状のものは、120℃に於いて12時間、乾燥せしめられ、この混合物は、《Kronos社の蒸気jet milling》によって分散せしめられる。不活性の大気下に於いて400℃と850℃という二つの高さで温度処理を施すことによって、炭素でくるまれた極微小のLiTi12の粒子群が得られる(第16図)。
【0040】
3−混合物中に自由な有機物質が存在するところで
標準型のTiO及び有機物質(多価アルコール,PEPOなど)とLiCO又はLiOH(あるいはこれらの混合物)との混合物の合成。三つの成分は水の中に溶かされる。緊密な混合物は24時間のJar millingによって得られる。こうして得られたペースト状のものは、120℃に於いて12時間乾かされ、この混合物は、《Kronos社の蒸気jet milling》によって分散せしめられる。不活性の大気下に於いて400℃と850℃という二つの高さでの温度処理を施すことによって、炭素でくるまれたLiTi12の極微小粒子が得られる。
【0041】
4−TiO2の粒子の表面に無機コーティングが存在するところで
Al,ZrOなどのタイプの無機物でくるまれたTiO(Kronos社の製品)と、LiCO又はLiOH(又はそれらの混合物)との混合物の合成。これら二つの成分を有機物質と混ぜ合わせたものを水の中に溶かす。緊密な混合物は24時間のJar millingによって得られる。こうして得られたペースト状のものを120℃に於いて12時間乾かす。この混合物は《Kronos社の蒸気jet milling》によって分散せしめられる。不活性の大気下に於いて400℃と850℃という二つの高さでの温度処理を施すことによって、炭素でくるまれたLi(4−α)αTi12又は、LiβTi(5−β)12の極微小粒子が得られる(第17図)。
【0042】
5−TiO2の粒子の表面に有機‐無機ハイブリッド式コーティングが存在するところで
多価アルコール・タイプ,好ましくは、高純度の多価アルコール,さらに好ましくは、トリメチルプロパン、又はポリエチレンとエチレンのポリ酸化物との共重合体,Al,ZrOなどの有機‐無機ハイブリッド物質でくるまれたTiO(Kronos社の製品)と、LiCO又はLiOH(もしくはそれらの混合物)との混合物の合成。二つの成分は水の中に溶かされる。緊密な混合物は、24時間のJar millingによって得られる。こうして得られたペースト状のものは、120℃に於いて12時間乾かされる。この混合物は、Kronos社の蒸気jet millingによって分散せしめられる。不活性の大気下に於いて、400℃と850℃という二つの高さでの温度処理を施すことによって、炭素でくるまれたLi(4−α)αTi12又はLiβTi(5−β)12の極微小粒子が得られる(第18図)。
【0043】
6−ハイブリッド式コンデンサー(SCH)のテクノロジーに於いて、炭素でくるんだ極微小のLi4Ti512をアノードとして使用すること
このテクノロジーでは(第12図)、LiTi12タイプの挿入式アノードを、表面積が特定の大きさのグラファイトもしくは炭素タイプのカソード(二重 層)と向かい合うように配し、ゲル状、液状もしくはセラミックのポリマーの電解質と共に用いている。炭素でくるまれた極微小LiTi12の利点のおかげで(第11図)、スピネル構造内部へのリチウムの拡散が、特に12C(5分間の充電・放電)のような高電流に於いては、容易になっている。こういう状態では、SCHは公称容量の90%を示す。炭素が存在すると、粒子のレベルでも電極の大きさでも伝導率がよくなるので、電極に炭素を大きな割合で加えなくてよくなり、SCHのエネルギー密度を増すことができる。
【0044】
SCHのテクノロジーでは、アルミニウム製のExmet(膨脹金属)タイプのコレクター2つを、電解質と共に使用しているが、電解質には、塩LiTFSI+LiBF4又はLiTFSI+LiPF又はLiTFSI+BETI+LiBFの混合物が含まれている。この混合物のおかげで、イオン伝導率がよくなるので、高電圧に於ける充電の際にコレクターの腐食が減少する。SCHのエネルギー密度は、およそ60Wh/kgであり、得られた容量は、12Cの充電率に於いて90%である。SCHのテクノロジーによれば、Pb‐酸もしくはNi‐Cdのテクノロジーに匹敵するエネルギー密度がもたらされる;その上、このテクノロジーは長期にわたって循環可能である。
Li‐イオン(グラファイト/LiCoO)のテクノロジーの場合には、電流は2Cより小さいもの(30分)に限定されており、サイクル数も1200に限定されていることを思い出しておこう。
【0045】
実施例
以下の諸例は、純粋に説明のために掲げたものであって、本発明に何らかの限定を加えるものと解釈されることはできない。
【実施例1】
【0046】
ヘプタンの存在下に於いて、炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群を作成する
鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiO(カナダ、Varennes所在のKronoss社によって市販されている)の23gを、LiCO(カナダ、Aldrich)10g及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)20グラムと混合する。カーボンブラックが余分に使用されるのは、COが間違いなく完全に変形されるようにし、そして合成温度を低くするためである。
この三要素の混合物は、鋼鉄製の容器の中に入れられ、粉末と液体との比が約35g/150mlとなるようにヘプタンが加えられる。ヘプタンは、熱及び、粉末と球体との間の摩擦を減らすのに役立ち、製品を不活性のままにしておく。ステンレス鋼製の球体は、三要素混合物を均質化するために加えられる。これらを共に緊密に2時間粉砕すると、粒径の細かい粉末が得られる。共に粉砕する作業がうまくいくかどうかは、合成温度を下げることにかかっている。共に粉砕された粉末を加熱する作業は二段階に分けて行われる。第一の段階では、空気中に於いて、400℃に迄急速に加熱される。この温度に保っておくと、ヘプタンの痕跡を除去しやすくなり、COの排出開始が促される。以上のことは、TGA(Perkinサーマル分析)によって重量損をはっきりと示して証明されており、TGAの結果は第13図に報告されている。第二の段階では、600℃に迄ゆっくりと加熱していく。この段階で、生成物はスピネル構造のLiTi12へと完全に変形される。X線のスペクトルを見れば、LiTi12構造の特徴を示すピークが存在することがわかる。
【実施例2】
【0047】
炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群を乾いた状態に於いて作成する
鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiO(Varennes所在のKronoss社のXP‐406)の23gを、LiCO(カナダ、Aldrich)の10g及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)の20gと混合する。やはり、カーボンブラックは余分に使用されるが、これはCOの変形が間違いなく完全に行われるようにし、且つ合成温度を下げるためである。三要素から成るこの混合物をステンレス鋼製の球と一緒に、乾いた状態で容器の中に入れる。
2時間、緊密な粉砕を行うと、粒径の細かい粉末が得られる。このように共に粉砕した粉末は、二段階に分けて、まず400℃に迄、ついで600℃に迄加熱される。X線のスペクトルを見れば、以上のようにして合成されたLiTi12の粒子に対応するスピネル構造の存在することがわかる。
【実施例3】
【0048】
炭素でくるまれたLi4Ti512の極微小粒子群の乾いた状態に於ける作成とその特徴づけ
鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiO(Varennes所在Kronoss社のXP‐406)の23gを、10gのLiCO(カナダ、Aldrich)及び2gのShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と混合する。COの変形が間違いなく完全に行われるように、そして合成温度を下げるために、やはり、6グラムの余分なカーボンブラックが用いられる。この三要素から成る混合物は、ステンレス鋼製の鋼球が、粉末1に対して10の割合で存在するところで、高エネルギーに於いて機械を用いて(SPEX8000タイプのShakerミル機を用いる)粉砕される。粉砕時間は3分間〜3時間と色々であるが、本実施例の場合は2時間である。こうして共に粉砕されたものの加熱は二段階に分けて行われる。第一の段階では、空気中に於いて400℃に迄、急速に加熱される。第二の段階では600℃に迄ゆっくりと加熱される。このようにして、生成物が、スピネル構造のLiTi12へと完全に変形される。X線スペクトルを見ると、LiTi12のスピネル構造の特徴を示すピークが存在することが確認される。
第15図は、電子走査顕微鏡を用いて撮影した写真であるが、LiTi12の粒子の大きさが極微小であることを示している。一方、第14図は、第15図と同様の方法で撮影した写真に関するものであるが、炭素を加えずに作成した粒子群を対象とした写真で、これらの粒子の大きさは肉眼で見えるものであることを明らかにしている。
【実施例4】
【0049】
炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子を含む電極の作成とその数的表現
実施例1で使用されている合成方法に従って、LiTi12の粒子群と、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)と、Ketjen Black(ケッチェンブラック、商標)とを、質量比87/10/3の割合で混合する。この混合物はアルミニウム製のエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極上に塗り付けられ、それから、窒素の吹きつけるところで12時間加熱される。次いで、この電極は、真空下で2時間加熱される。
それから、この電極は、約4cmの電気化学式電池に組み込まれるが、この電気化学式電池は、金属リチウムに向かい合った電池ガード式隔離板を供えているものである。溶剤はTESA(テトラ・エチル・スルフォン・アミン)タイプのエチレンの炭酸塩と、LiTFSI(リチウムのトリフルオロメタンスルフォンイミド)とから成っている。周囲温度に於いて、1.2〜2.5Vで循環が行われ、可逆容量は、平均電圧1.55Vで155mAh/gとなる
【実施例5】
【0050】
三要素混合物を充分に均質化することの重要性を明らかにする。
前記の実施例1に於いて記した合成過程に従って、LiTi12とKetjen Black(ケッチェンブラック、商標)とを、体積比40/3の割合にして、酸化しにくい鋼製の球体群が存在するところで、ヘプタン中に於いて共に粉砕する。この混合物を乾かしてから、ポリマー溶液と体積比43/57の割合で混ぜ合わせるが、このポリマー溶液は、U.S.AのBaker Hughes社からUNITHOX750という商品名で市販されているポリエーテルを主成分とするものである。それから、この混合物はアルミニウム製のコレクター上に塗りつけられ、次いで、窒素の吹きつけるところで、12時間加熱される。このように処理した上で、このコレクターは、真空下に於いて2時間加熱される。
電極は、表面積が約4cmの電気化学式電池に組み込まれるが、この電池は、研究所で作られた塩分を含んだポリエーテルを主成分とするポリマー・タイプの隔離板を供えたもので、LiTFSI(リチウムのテトラ・フルオロ・硫化・イミド)の塩が、アノードとしての金属リチウムと向かい合って配されている。80℃に於いて、1.2〜2.5Vで循環が行われ、可逆容量は、C/24に於いて155mAh/gであり、C/1に於ける急速度で得られる公称容量の96%である。このようにして作成された電池は、循環に於いて良好な安定性を示し、C/1に於いて1500サイクルである。
【0051】
要素を共に粉砕するという手法を用いており、酸化物LiTi12とカーボンブラックとの間に緊密な分散が行われるようにしているので、間違いなく同じ結果を再生することができる。
これに反して、もし、酸化物LiTi12が、カーボンブラック及びポリマーと、体積比40/3/57で、共に粉砕するという作業を省いて混ぜ合わせられ、そして、もし、この混合物がアルミニウム製のコレクター上に塗り付けられ、次いで窒素の吹きつけるところで12時間加熱されそれから真空下で2時間加熱されたとして、その場合、80℃に於いてポリマー(ポリエーテル)を含み溶剤のない(すべて固体の)電池中にこの電極を導入することによって得られる電気化学的な結果は、C/24に於いて150mAh/gであり、C/1に於ける高速度での公称値の75%にしかすぎない。事実、これは、酸化物とカーボンブラックとの間で分散がよく行われていないことに起因する。その上、結果の再生可能性も不確かである。
【実施例6】
【0052】
LiOHとTiO2との二元混合物からLi4Ti512を作成する
この参考例では、LiTi12の粒子群は、LiOH10.5gとTiO(鋭錐石(アナターゼ型)構造)16gとの二元混合物から作成されており、この混合物は空気中で18時間加熱される。これらの粒子群のX線スペクトルを見ると、LiTi12のスピネル構造の特徴を示すピークの存在と、TiO(金紅石(ルチル型)構造)とLiTiOの痕跡の存在とが明らかである。
以上のようにして得られたLiTi12の粉末は、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせられる。この混合物は電極を構成するものであるが、アルミニウム製のエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の支持体上に塗り付けられてから、窒素の吹きつけるところで12時間加熱される。このようにして得られた電極は、真空下に於いて2時間加熱される。該電極は、約4cmの電気化学式電池に組み込まれるが、この電池では、Celgardタイプの隔離版がアノードとしての金属リチウムと向かい合うように配されている。使用される溶剤は、TESA(テトラ‐エチルスルファミド)タイプのもので、エチレンの炭酸塩に(1:1の体積比で)1モルのLiTFSI(ビス・トリフルオロメタン・スルフォンイミド)を加えたものである。
この場合に得られる可逆容量は、140mAh/gである。二元式の合成によって得られる容量は、炭素の存在するところでの三要素合成によって得られる容量より、従って、ハッキリと劣っているわけである。
【実施例7】
【0053】
炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群と、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)との混合物の作成
実施例1の合成に従って、LiTi12の粒子群が、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせられる。この混合物は、アルミニウム製のエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極に塗り付けられ、そこから、窒素の吹きつけるところで12時間加熱される。次いで、全体が、真空下に於いて2時間加熱される。
コバルトの酸化物LiCoOを、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせる。次いで、こうして得られた混合物を、アルミニウム製のエキスパンドメタルタイプの電極に塗り付け、それから全体を、窒素の吹きつけるところで12時間加熱し、次いで第二段階では真空下で2時間加熱する。
LiTi12の電極がリチウム・イオン・バッテリ中に組み込まれるが、このバッテリではCelgard式の隔離版が備わっていてカソードとしてのLiCoOの電極と向かい合っている。使用される溶剤は、エチレンの炭酸塩タイプのもので、即ち、エチレン・メチル炭酸塩に(1:1の体積比で)1モルのリチウムのビス(トリフルオロメタン・スルフォン・イミド)を加えたものである。
【0054】
バッテリの電圧は0ボルト(33mV)へと向かうが、バッテリは1.2V〜2.8Vの範囲で循環する。平均電圧は、およそ2.5Vである。最初のサイクルの不可逆容量は、約2%であるが、この不可逆性は、従来からの炭素/LiCoOシステムにくらべると最小限の値である。
LiTi12/LiCoOのシステムの二つの電極には、不動態化のフィルムがないので、バッテリの可逆容量は、500サイクル以上の間、安定している。炭素/LiCoOタイプのリチウム−イオン・システムの平均電圧の70%が2.5Vであるということは、30%の不足分をとり戻さなければならないことになる。炭素/LiCoOシステムの獲得すべきエネルギー不足は、以下のようにして埋め合わせることができる。即ち:
‐アノードに於いてアルミニウムを主成分とするエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)のコレクターを使用すると、バッテリの重量を減らすことができる(従来の炭素/LiCoOシステムでは、アノードの電流コレクターとしては銅を使用している);
‐従来のシステムでは、炭素タイプのアノードは、不動態化のフィルムを形成するため約20%の不可逆容量を消費するのであるが、LiCoOの量を減らす(不可逆性の欠如);
‐カソード中に、高電圧でLiCoPOタイプの橄欖石のリン酸塩を用いるか、又は、高電圧でリチウム・マンガンを用いることによって、LiTi12システムのエネルギーを増大する;
‐10〜15ミクロンの薄い隔離板を使用する;そして、
‐金属プラスチック・タイプの薄手で簡単な包装にすることによって埋め合わせることができる。
【実施例8】
【0055】
TESAタイプの溶剤を使用した電気化学式の電池の作成
実施例1に於いて使用された作業態様に従って、LiTi12が、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせられる。この混合物は、アルミニウム製でエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極上に塗り付けられる。こうして得られた全体を、窒素の吹きつけるところで12時間加熱し、次いで2時間加熱する。
天然のグラファイトNG7(Kansai Coke,日本)を、PVDFと、質量比90/10で混ぜ合わせる。この混合物を、アルミニウム製のエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極上に塗り付けたもの全体を、窒素の吹きつけるところで、12時間加熱し、次いで真空下に於いて2時間加熱する。
LiTi12の電極が、グラファイトの電極と向かい合わせに、且つCelgardによって隔てられるように取り付けられる。使用される溶剤は、PC+EC+TESA(体積比1:1:1)で、1モルのLiPF+LiTFSIを含んでいる。
この実施例では、グラファイトの電極はカソードとして使用されており、挿入添加反応は、二重の層の電解反応で、二重の層のアニオンPFがグラファイトの表面に吸収される。循環過程の電圧の限界は、平均ポテンシャルが2.25Vの場合で、1.5V〜3.0Vの範囲である。この平均電圧値によって、エネルギー密度は、従来式の炭素‐炭素システムの場合に得られる数値に比較して50%増大する。
最初のサイクルの効率は、96%である。200サイクルの後、容量損は一切観察されなかった。
【実施例9】
【0056】
炭素源として多価アルコールを使用して、炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群を作成すること
多価アルコールを用いてくるんだ鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiOの粒子群(VarennesのKronos社のXP‐413タイプ)の87gを、LiCO(カナダ、Limetech)の35.4gと混ぜ合わせる。これら二つの化合物の混合は、Jar millingに於いて、水の存在するところで行われる。これらの混合物と、ジルコン製で中空の球体群との割合は、1/3‐1/3‐1/3である。粉砕時間は24時間である。こうしてできたペースト状のものを12時間120℃にして乾かす。こうして得られた粉末の焼成は、二つの高さの温度に於いて、回転炉(密閉された作り方の)中で行われる。第一の高さは400℃で、400℃に於いて1時間,そして第二の高さは850℃で、850℃に於いて3時間、窒素の制御された大気下で、焼成が行われる。合成された粉末をX線の回折によって分析すると、スピネル構造のLiTi12の微粒少粒子が出来ていることが(MEBによって明らかにされる)よくわかる。炭素・硫黄探知機(U.S.A.,LecoのCS444型)法によって炭素の割合の分析を行うと、LiTi12の構造中に重量で2%の量が残っていることがよくわかる。
【実施例10】
【0057】
炭素源としてポリエチレン・グリコールを使用したLi4Ti512の粒子群の作成
鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiO(Varennes所在のKronos社のXP‐406)の87グラムを、35.4gのLiCO(カナダ、Limetech)及び8gのPE‐POと混合する。これら三つの化合物は、Jar millingに於いて水の存在するところで混ぜ合わせられる。この混合物と、ジルコン製で体積は自由な球体群との割合は1/3‐1/3‐1/3である。粉砕時間は24時間で、この結果得られるペースト状のものを12時間、120℃に於いて乾かす。こうして得られた粉末を、二つの高さの温度に於いて、回転炉(密閉された作り方の)の中で焼成する。最初の温度の高さは400℃で、400℃1時間、次いで第二段階として850℃に於いて3時間,窒素の制御された大気下で、焼成が行われる。合成された粉末をX線回折によって分析すると、LiTi12の極微小粒子がスピネル構造となっていることがよくわかる。粒子の大きさはMEBによって明らかにされる。得られた炭素の割合の分析は、炭素・硫黄探知機(U.S.A.,Leco,CS444型)法によって実施される。この分析の結果、重量で2%の炭素が、LiTi12の構造中に存在したままとなっていることがよくわかる。
【実施例11】
【0058】
焼成によって、そして、被覆されたTiO2の粒子群から、炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群を作成する
Alでくるまれた、鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiOの粒子群(Varennes所在のKronos社のXP‐414タイプ)の87gを、35.4gのLiCO(カナダ、Limetech)及び7gのShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と混ぜ合わせる。これら三つの化合物は、Jar millingに於いて、水の存在するところで、混ぜ合わせられる。混合物と、ジルコン製で中空の球体との割合は、1/3‐1/3‐1/3である。粉砕時間は24時間である。こうして得られたペースト状のものを、12時間、120℃に於いて乾かす。こうして得られた粉末を、二段階に分けて回転炉(密閉された作り方の)の中で焼成する。最初の段階では、400℃に於いて1時間、そして第二の段階では、850℃に於いて3時間、窒素の制御された大気下に於いて焼成が行われる。合成された粉末を、X線回折によって分析すると、LiTi12の極微小粒子についてスピネル構造が出来ていることがよくわかり、粒子の大きさは、MEBによって計測される。炭素・硫黄探知機(U.S.A.,Leco,CS444型)法によって、炭素の割合を分析すると、LiTi12の構造中に、重量にして1.95%の炭素が存在していることがよくわかる。
【実施例12】
【0059】
Al23と多価アルコールとの混合物でくるまれたTiO2の粒子群から、Li4Ti512の粒子群を作成する
Alと多価アルコールとの混合物でくるまれた、鋭錐石(アナターゼ型)構造のTiO粒子(Varennes所在のKronos社のXP‐415タイプ)の87gを、35.4gのLiCO(カナダ、Limetech)及び7gのShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と混ぜ合わせる。これら三つの化合物は、Jar millingに於いて、水の存在するところで、混ぜ合わせられる。混合物と、ジルコン製で体積が自由な球体群との割合は、1/3‐1/3‐1/3である。粉砕時間は24時間である。このようにして得られたペースト状のものを、12時間、120℃に於いて乾かす。こうして出来た粉末を、温度の高さを二段階にして、回転炉(密閉した作り方の)の中で焼成する。第一の段階では、400℃に於いて1時間,そして第二の段階では、850℃に於いて3時間、窒素の制御された大気下で、焼成が行われる。合成された粉末をX線回折によって分析すると、LiTi12の極微小粒子についてスピネル構造が出来ていることがよくわかる。粒子の大きさは、MEBによって計測される。炭素・硫黄探知機(U.S.A.,Leco,CS444型)法によって、炭素の割合を分析すると、LiTi12の粉末中には重量にして1.95%が残っていることがよくわかる。
【実施例13】
【0060】
炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群を用い、そして、溶剤としてEC+PC+DMCを用いてバッテリを作成する
実施例1の作業態様に従って、LiTi12を、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせる。この混合物を、アルミニウム製でエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極上に塗り付けてから、全体を、窒素の吹きつけるところで12時間加熱し、次いで真空下に於いて2時間加熱する。
表面積の大きな炭素(フランス、PICA)を、PVDFと、質量比20/80で混ぜ合わせる。この混合物を、アルミニウム製でエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極上に塗り付け、その全体を、窒素の吹きつけるところで12時間加熱し、次いで真空下に於いて2時間加熱する。
LiTi12の電極は、Celgardによって隔てられている、カソードとしての炭素電極と向かい合わせにとり付けられる。使用される溶剤は、EC+PC+DMC(体積比1:1:1)で1モルのLiTFSI+LiBFを含んでいるものである。
この実施例の場合、炭素の電極は、カソードとして使用されている。この場合、挿入不可の反応は、二重の層の電解反応で、二重の層のアニオンPFとTFSIが、炭素の表面に吸収される。循環電圧の限界は、2.25Vの平均ポテンシャルで、1.5V〜3.0Vである。平均電圧がこの数値であるため、従来式の炭素‐炭素システムと比較すると、エネルギー密度が50%増している。
最初のサイクルの効率は96%である。200サイクル後でも、容量損は全く観察されなかった。
【実施例14】
【0061】
炭素でくるまれたLi4Ti512の粒子群からバッテリを作成する
実施例1の作業態様に従って、LiTi12を、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせる。この混合物を、アルミニウム製でエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)の電極上に塗り付け、その全体を、窒素の吹きつけるところで12時間、120℃に於いて加熱し、次いで、真空下に於いて2時間、120℃に於いて加熱する。
ポリアニリン・タイプのポリマー導体を、PVDF及びShawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)と、質量比87/10/3で混ぜ合わせる。このようにして得られた混合物を、アルミニウム製のエキスパンドメタルタイプ(Exmet、商標)電極上に塗り付け、窒素の吹きつけるところで12時間、120℃に於いて加熱し、次いで、真空下で2時間、120℃に於いて加熱する。
LiTi12の電極が、Celgardによって隔てられているカソードとしての炭素電極と向かい合わせにとり付けられる。使用される溶剤は、普通、EC+PC+DMC(体積比1:1:1)と呼ばれているもので、1モルのLiTFSI+LiBFを含んでいる。
【0062】
この実施例の場合、ポリマー導体の電極は、カソードとして使用される。挿入不可反応はポリマー導体の鎖状部を横切るアニオンPF及びTFSIの活性化反応である。循環過程に於ける電圧の限界は、平均ポテンシャルは2.25Vで、1.5V〜3.0Vの範囲である。観測された性能は、先の実施例で得られた性能に匹敵するものである。
結局、本発明による粒子群は、これらを主に電極に関して組み込んでいる電気化学式装置の驚くべき高電流に於いて、驚くべき拡散能力、すぐれた公称容量、循環過程に於けるすぐれた安定性と電力を思いがけないやり方でもたらすものであり、これらの粒子群から作成することのできる電極の厚みについても柔軟性をもたらすものである。
こういう次第で、12C(5分間)に於いて、極微小な大きさの粒子は、公称容量の90%を与えるが、大ぶりな粒子は、容量の50%にしかならない。大ぶりな粒子は、その他にも、5Cを下廻る電流に制限されるが、極微小粒子の場合、制限はない。
【0063】
かつ又、最初の混合物の前処理が最適のやり方で行われていないとすると、たとえば、もし粉砕時間が15分未満だったりすると、炭素の存在下に於ける混合物の合成の結果、肉眼で見ることのできる大ぶりな粒子が出来てしまう。
その上、リチウムの拡散も、極微小粒子の場合の方がより迅速に行われる。
本発明は、以上、特定の実施例を用いて説明してきた次第であるが、もちろん、これらの実施例に多くの変形や修正を加えることは可能である。そして、本発明の原則に概して従っており且つ本説明のあらゆる変形を含んでいるような本発明の修正,用途,改作をも、本発明は網羅しようとするものである。なお、本説明は本発明の属する活動分野に於いては、周知且つ従来からあるもので、以下の特許請求の範囲にあっている、先にも言及した様々な必須要素にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】LiTi12の粒子群を(炭素でくるまれているものにしろ、いないにしろ)バッテリや大容量コンデンサー用のアノードもしくはカソードとして用いる、その様々な用途を示している。
【図2】本発明による方法の成績を、従来からの方法、即ち、Prog.Batt.Solar Cells,9(1990),209に述べられているような方法の成績と比較対照して示したものである。
【図3】新規の粒子群作成過程、及びこれらの粒子をくるむ炭素の層構成に於ける炭素の二重の役割を示している。
【図4】炭素が存在しないところで、肉眼でも見えるLiTi12の粒子を形成する従来からの方法を示している;この方法によればTiOなどのタイプの不純物の存在するところで、スピネル構造を得ることができる。この構造が、電気化学的性能を果たす場合、電流は2Cを下廻る電流に限られる。
【図5】第4図に示したのと同じ方法を示しているが、反応体LiOHがLiCOに代えられている点だけが違っている;このタイプの方法によれば、LiTi12タイプの寄せ集めが形成される。
【図6】LiTi12の極微小粒子を、LiOH‐C‐TiOという三要素より成る混合物から形成する本発明の方法を示しているが、該混合物は、高エネルギーでしっかりと混ぜられ、400℃に熱せられ、次いで600℃に迄熱せられる。このタイプの方法によれば、LiTi12の極微小な寄せ集めが形成されることになる。
【図7】第6図に示した方法と同様の方法を示しているが、LiOHがLiCOに代えられている点が違っている;このタイプの方法によれば、LiTi12の極微小な寄せ集めが形成されることになる。
【図8】第7図に示されている方法と同様の方法を示しているが、最初に加えられるLiCOの量が違っている;このタイプの方法によれば、LiTi12の極微小な寄せ集めを得ることができる。
【図9】第6図及び第7図に示された方法と同様の方法を示しているが、第9図の場合、不活性の大気下に於いて高熱処理が行われる点が違っている;このタイプの方法によれば、炭素でくるまれたLiTi12の極微小な寄せ集めを得ることができる。この構造だと、高電流密度(12C)に於いて、例外的な電気化学的性能が示される。
【図10】粉砕された混合物を高エネルギーで前以て処理しておくと利点のあることを示している。乾燥状態に於ける処置法。均質な前駆体。均質な独特の表面。炭素による粒子の被覆。炭素による粒子の直接接触。炭素経由での反応性粒子との直接接触。炭素は、熱の超良導体である。汚染は僅かであり、分散は均質である。反応の促進もしくは迅速な合成。温度処理後、超微小構造の混合物が得られる。
【図11】炭素被覆のメカニズムと役割を示している。被覆によって、リチウムをLiTi12中に大いに拡散させることができ、12Cに於いて公称容量の90%を得ることができる。
【図12】ナノ(極微小)タイプのLiTi12のアノードを使用しているハイブリッド式大容量コンデンサーのメカニズムと技術を示している。
【図13】空気中及びアルゴンの下で、2時間の間、高エネルギーに於いて粉砕を行った後の、TiO+LiCO+炭素という混合物のTGA曲線である:反応は、400℃に於いて始まる(アルゴンの下、及び空気中で)。
【図14】LiCO+TiOという混合物から得られるLiTi12の微小粒子のMEB写真である。
【図15】TiO+LiCO+炭素という混合物から得られるLiTi12の極微小粒子のMEB写真である。
【図16】多価アルコール・タイプ及び/又はPE‐POタイプの有機組成物によって、TiOの粒子を被覆して得られる、炭素でくるまれたLiTi12の極微小粒子の製法を示している;不活性の大気下に於いて行われる熱処理によって、有機部分が炭素に変えられる。この方法は、溶剤によるか、或いは乾いた状態に於いて、混成Jar millingの段階で実施される。
【図17】Al,ZrOタイプの無機組成物によって、TiOの粒子を被覆して得られる、炭素でくるまれたLiTi12の極微小粒子の製法を示しており、不活性の大気下に於いて熱処理が行われると、有機部分が炭素に変えられる。この方法は、溶剤によるか、或いは乾いた状態に於いて、混成Jar millingの段階で実施される。
【図18】無機‐有機ハイブリッド組成物を用いてTiOの粒子を被覆して得られる、炭素でくるまれた極微小なLiTi(5−)AlO12の製法を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LiTi12の粒子群を酸素雰囲気下で合成する方法であって、
前記粒子群は、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含み、
ただし、この炭素量はLiTi12の粒子群の総量に対する割合を表しているものとし、
この方法は次のa),b)の段階より成り、a),b)の段階とは即ち:
‐a)はTiO‐LiY‐炭素という三要素より成る混合物の分散系を作成する段階で、ただし、上の化学式に於いて
‐xは1と2の間の数を表し、
‐zは1又は2を表わし、
‐Yは、CO,OH,O及びTiO或いはこれらの混合物から選ばれた基をあらわすものとし;そして
‐b)は、前の段階で得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とした合成方法。
【請求項2】
Li(4−α)αTi12の粒子群を、酸素雰囲気下で合成する方法であって、
αは0より大きくて0.33以下の数を表わし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coよりなる金属群から選ばれた少なくとも一つの金属源をあらわしているものとし;
前記粒子群は、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含み、
ただし、この炭素量はLi(4−α)αTi12の粒子群の総量に対する割合を表わしているものとし、
この方法は次のa),b)の段階より成り、a),b)の段階とは即ち:
‐a)はTiO‐LiY‐炭素という三要素より成る緊密な混合物の分散系を作成する段階で、ただし、これらの化学式に於いて
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiO或いはこれらの混合物から選ばれた基を表わすものとし;そして
‐b)は、前の段階で得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とし、
少なくとも1種類の金属Zの発生源を、三要素より成る混合物に加えることを特徴とする合成方法。
【請求項3】
LiβTi(5−β)12の粒子群を、酸素雰囲気下で合成する方法であって、
βは0より大きくて0.5以下の数とし、Zは、Mg,Nb,Al,Zr,Ni,Coより成る金属群から選ばれた少なくとも一つの金属源を表わしているものとし;
前記粒子群は、炭素を重量パーセントにして0.01〜10%含み、
ただし、この炭素量はLiβTi(5−β)12の粒子群の総量に対する割合を表わしているものとし、
この方法は次のa),b)の段階より成り、a),b)の段階とは即ち:
‐a)はTiO‐LiY‐炭素という三要素より成る緊密な混合物の分散系を作成する段階で、ただし、これらの化学式に於いて
‐xは1と2の間の数を表わし、
‐zは1又は2を表わし、そして
‐Yは、CO,OH,O及びTiO或いはこれらの混合物から選ばれた基を表わすものとし;そして
‐b)は、前の段階で得られた分散系を400〜1000℃の温度で加熱する段階とし、
少なくとも1種類の金属Zの発生源を、三要素より成る混合物に加えることを特徴とする合成方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかによる方法に於いて、三要素より成る混合物の分散系を、600℃に迄加熱するようにした方法。
【請求項5】
請求項4による方法に於いて、該分散系を2段階に分けて加熱するものとし、第一の段階では、分散系が400℃に達する迄加熱し、第二段階では600℃に迄加熱するようにした方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかによる方法に於いて、三要素からなる混合物の分散系は、水及び/又は少なくとも一つの溶剤を用いて作成されるものとした方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかによる方法であって、該分散系が、溶剤を用いず、乾燥した状態に於いて作成されるという特徴を有する方法。
【請求項8】
請求項1〜7いずれかによる方法であって、化合物LiYには、LiO,LiCO及びLiOHより成る化合物群から選ばれた化合物が少なくとも一つ含まれているという特徴を有する方法。
【請求項9】
請求項8による方法であって、化合物LiYはLiCOから成る方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかによる方法に於いて、該分散系は、機械的な粉砕によって得られるものとした方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかによる方法であって、TiOは、鋭錐石(アナターゼ型)もしくは金紅石(ルチル型)構造のTiOタイプのものか、或いはこれら二つの混合物とする方法。
【請求項12】
請求項1による方法であって、化合物LiYは、LiTiOから成るものとする方法。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれかによる方法に於いて、炭素は:
‐天然もしくは人造のグラファイト、カーボン・ブラック,Shawinigan Black(シャウィニガンブラック、商標)、Ketjen Black(ケッチェンブラック、商標)、及びコークスよ
り成る物質群から選ばれ反応環境に加えられるものとし;
‐該方法の過程に於いて、炭素が生成されるものとし;或いは、
‐該方法の過程に於いて、LiTi12の粒子群の表面に、及び/又は、LiTi12を主成分とする粒子群の表面に、及び/又は該三要素から成る混合物の分散系を作成するために用いられる反応体少なくとも一つの表面に沈着している有機及び/又は無機の物質の焼成によって、炭素が粒子群の表面に生成せしめられるものとした方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかによる方法に於いて、炭素は、2m/g以上の表面積を有する粒子群の形をとっているものとする方法。
【請求項15】
請求項1〜3及び5〜12のいずれかによる方法であって、炭素による被覆は、反応環境中に存在するShawinigan(シャウィニガン、商標)の炭素の粉末;及び/又は、ポリマーの少なくとも一つから得られるという特徴を有する方法。
【請求項16】
請求項11による方法に於いて、始まりとなる反応物として使用されるTiOは、少なくとも一つの無機物質によってくるまれるようにしてある方法。
【請求項17】
請求項11による方法に於いて、使用されるTiOは、無機と有機のハイブリッド式の物質でくるまれているようにした方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかによる方法に於いて、三要素から成る混合物の粒子の大きさは、100ナノメートル〜10マイクロメートルの範囲とした方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−280560(P2010−280560A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129824(P2010−129824)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【分割の表示】特願2002−547845(P2002−547845)の分割
【原出願日】平成13年12月3日(2001.12.3)
【出願人】(591117930)
【出願人】(304055308)
【出願人】(304055319)
【出願人】(304055320)
【出願人】(304055331)
【出願人】(304055342)
【Fターム(参考)】