MSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品
【課題】安全且つ確実に有効成分を経口摂取して、関節痛などの炎症に伴う痛みの予防・軽減、これらに伴う不快感を緩和させ新陳代謝を促進する、メチルサルフォニルメタン(MSM)及びガーリックとアファニゾメノンフロスアクア(AFA)の混合粉末からなる健康食品を提供する。
【解決手段】健康食品として使用されている天然由来のメチルサルフォニルメタン(MSM)及びガーリックとアファニゾメノンフロスアクア(AFA)を相乗効果が出るように配合した混合物を経口摂取により生体の細胞内に吸収させ、関節痛などの炎症に伴う痛みの予防・軽減、また不快感の緩和、更には細胞の新陳代謝を促すことを可能にする。また、経口摂取の方法としては、粉末状、タブレット状、カプセル状などに加工することが含まれる。
【解決手段】健康食品として使用されている天然由来のメチルサルフォニルメタン(MSM)及びガーリックとアファニゾメノンフロスアクア(AFA)を相乗効果が出るように配合した混合物を経口摂取により生体の細胞内に吸収させ、関節痛などの炎症に伴う痛みの予防・軽減、また不快感の緩和、更には細胞の新陳代謝を促すことを可能にする。また、経口摂取の方法としては、粉末状、タブレット状、カプセル状などに加工することが含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲の関節痛・神経痛・腰痛などの炎症の予防、軽減又はこれらに伴う不快感を緩和させること、更には生体の体細胞の新陳代謝を促進させることを目的として、経口摂取する健康食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる健康食品と呼ばれる商品が注目され、いろいろな種類のものが販売されている。これらは、栄養の偏った人の食生活を補うためのもの、或いは生活習慣病などの予防・対応のために有効成分を経口摂取するものとしてその多くが知られている。(特許文献1)
またその他、関節痛・神経痛・腰痛などの炎症の予防・軽減のために生体の経皮に直接に塗布し抗炎症作用を有するものも知られている。(特許文献2)
【0003】
上述のような炎症による痛みの原因は、食生活の変化、運動不足、体重の増加、体の柔軟性・筋力の低下、骨密度の低下、骨粗鬆症、組織の損傷、運動などによる損傷などの様々な要因が考えられている。そして上述の要因が複合的に関連しあって、炎症による痛みを引き起こしている。また、食生活での栄養成分の偏りが本来生体の持つ防御機能・代謝能力を低下させていることにも起因している。従って、炎症による痛みの原因に直接的に働きかけ、且つ新陳代謝を促す効果のある健康食品が望まれる。
【0004】
本発明者はメチルサルフォニルメタン(以下MSMという)が、自然界に存在し生体に不可欠な有機硫黄化合物であること。また新鮮な牛乳、緑黄色野菜、茶葉などに含まれ、更に人の尿中にも極微量に含まれていること。また、MSMの分子が小さく水溶性で、細胞膜の内圧と外圧を均一化しその浸透性を高める働きから、経口摂取することにより細胞内の有害物質を速やかに排泄し栄養素の取り入れを容易にする特性を積極的に利用せんとしたものである。
【0005】
本発明者はガーリック中に含まれるアリインが反応して生成するアリシンの効果、特に体細胞中のエネルギー産出作用において補酵素として関わるビタミンB1の活性持続強化に貢献すること。さらにアリシンの分子構造は、MSMと類似しており協力しあえる有機硫黄化合物同士として細胞膜への浸透を促進することに着目し、この特性を積極的に利用せんとしたものである。
【0006】
一般的な痛みのメカニズムを、図1の細胞膜の構造図及び図2の炎症に関わるアラキドン酸の代謝経路説明図をもとに述べる。図1の細胞膜の構造図に示される細胞膜1は、細胞内に独立した環境を作る役割を果たし細胞内外に於けるホメオスタシス(恒常性)を保ちながら、外界と物質交換・情報交換をする仕組みを持っている。細胞膜1の主な構成要素が、二重になった極性及び非極性のリン脂質2と、細胞膜に埋め込まれた構成蛋白質3である。更に、外界との交換を担当するのが周辺蛋白質4で、そのアンテナ役が糖鎖5である。一般に、細胞膜1へ物理的・化学的な刺激が与えられると、図2のアラキドン酸の代謝経路に示されるように酵素ホスホリパーゼA2が活性化し、非極性のリン脂質2から細胞膜リン脂質のアラキドン酸6が遊離してくる。細胞質内へ遊離したアラキドン酸7から、酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の活性化によりエンドパーオキサイドプロスタグランジンG2、H2(符合8)が生成され、プロスタグランジンI2、E2、F2(符合9)により炎症、発熱・発痛10が発生する。また、トロンボキサンA2(符合11)により血栓形成、喘息発作12が発生する。他の代謝経路では酵素5-リポキシゲナーゼ(LOX)の活性化により、5−HPETE(5−ハイドロパーオキシイコサテトラエン)13が生成されロイコトリエンA4,B4、C4、D4、E4(符号14)により炎症、喘息発作15の発生原因となる。
【0007】
従来から使用されている経口用、外用の抗炎症剤の主なものは、前述の遊離したアラキドン酸を化学反応的に酵素の活性化を抑制することで炎症による痛みなどを緩和するものである。一方、MSMは細胞膜の内圧と外圧を均一化し、その浸透性を高めることから、本発明者は細胞内の過剰の遊離アラキドン酸を物理的に膜外へ速やかに排泄する効果に着目した。さらに、ガーリック中のアリインから生ずるアリシンがビタミンB1と結合して体細胞のミトコンドリアでのエネルギー産出作用を強化補強し、MSMによる浸透性に呼応して細胞自体の排出作用をパワーアップすることにも注目した。本発明者は、これにアファニゾメノンフロスアクア(以下AFAという)を付加・混合することにより細胞膜内への必要成分の補給強化をも効果的にし、経口摂取により細胞の新陳代謝を促進することを見出したものである。
【0008】
そこで、MSM及びガーリックを用いて炎症の緩和効果(即効性)を持たせ、更にAFAを一定の割合で混合して炎症の予防効果(遅効性)を調節し、経口の摂取で当該成分の相乗効果により炎症の緩和効果及び治癒性を持たせることが必要であった。
【0009】
【特許文献1】特開2004−113141号公報
【特許文献2】特開2004−149441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者は、AFAが35億年前より生息する地球最古の生物であり体細胞の原型であると考えられていることから、このような体細胞そのものともいえるAFAを経口から補給することにより、損傷し機能の低下した体細胞の速やかな修復を促進せんとしたものである。そして、炎症による痛みに対して抗炎症作用の補強を含めた健康維持、栄養補給などを目的とした前記MSM及びガーリックとAFAとを混合した効果的で即効性のある健康食品を提供することにある。
【0011】
また本発明の目的は、ユーザーが健康食品を摂取して従来の経口用、或いは外用の抗炎症剤と異なる物理的なメカニズムによって、痛みなどの直接の原因とされる過剰の遊離アラキドン酸を細胞外へ排泄させ、且つ新陳代謝を促し細胞の機能を修復させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために本発明は、天然由来成分のMSM、ガーリック及びAFAを相乗的な効果を得るために適正に混合した健康食品を提供するものである。
【0013】
請求項1記載の本発明は、天然由来のMSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を一定の割合で配合した混合粉末を、経口摂取して抗炎症作用を含む生体の新陳代謝を促進させることを特徴とするMSM、ガーリック及びAFAの混合
粉末からなる健康食品を得るにある。
【0014】
請求項2記載の本発明は、MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率が重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0015】
請求項3記載の本発明は、MSM及びガーリックの混合粉末とAFA粉末の混合比率が重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0016】
請求項4記載の本発明は、少なくともMSM粉末が天然由来の30〜90メッシュの白色粉末でMSM純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分は0.2%以下、水分が0.3%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0017】
請求項5記載の本発明は、少なくともガーリック粉末が天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、アリシン生成量が1g当たり5mg以上、水分が6%以下、灰分は5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0018】
請求項6記載の本発明は、少なくともAFA粉末が天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0019】
請求項7記載の本発明は、健康食品として経口摂取し易いように粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工したことを特徴とする請求項1乃至6に記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0020】
請求項の各項について、以下に本発明を詳細に説明する。上記請求項1から請求項7記載に係る本発明において、必須有効成分としてMSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を後述のごとく相乗効果の生ずるように最適な割合で配合された混合粉末であることが必要である。
【0021】
MSMは、生体に不可欠な有機硫黄化合物であり、ほとんど全ての生体内に存在する天然栄養成分である。MSMは多くの食物に含まれる物質であるが、加工食品の摂取が増加している現在、有機硫黄の大部分が洗浄、加工、調理などにより破壊されるため、生体に必要な硫黄が欠乏状態にあり、この生体に不可欠な有機硫黄化合物を別途補給するために必要な要素である。
【0022】
また、MSMは関節炎やリュウマチなどの炎症による痛みの緩和、改善に非常に効果がある。硫黄成分に抗炎症効果のあることは、硫黄分を多く含む温泉に浸かることにより、あらゆる痛みが緩和されるという対処法からも明らかであり、本発明者はこれを発明の構成の一つにした。
【0023】
MSMが関節痛などの炎症を抑える効果を有しているのは、MSMの分子が非常に小さく、且つ水溶性であるために、細胞内に吸収されやすい特性を有しているからである。また、細胞内に吸収されたMSMは細胞膜の内圧と外圧を均一化し、細胞、組織、関節内での圧力の蓄積を防ぐことが可能となる。更に、当該細胞膜の浸透性を高める働きを有しており、その結果細胞内から過剰物を排出し、細胞内への栄養素の流入を促すことができるのである。これにより、炎症に伴う痛みを和らげ、更に予防への対応が可能になる。
【0024】
以下に本発明に応用されるMSMの規格を述べる。
【0025】
【表1】
【0026】
ガーリックは、疲労回復、滋養強壮、免疫力向上など種々の効果、機能があるとされ、紀元前の古代文明から世界各地で重用されてきたのは周知の事実である。強烈な臭いが敬遠されることもあるが、実はこの臭い成分の元がアリシンと呼ばれる有機硫黄化合物でガーリックの効果、機能の源泉とされている。
【0027】
アリシンは非常に分解されやすい化合物であるが、ビタミンB1と反応して生じるアリチアミンは活性持続型のビタミンB1となり体細胞内での生化学反応で重要な役割を果たす。即ち、体細胞内のエネルギー産出工場であるミトコンドリアでの糖代謝や脂肪酸代謝に関わる必須の補酵素の機能である。本発明者は、これを発明の構成のひとつにした。
【0028】
アリシンは、後述するもうひとつの成分であるAFAに豊富に含まれるビタミンB1と敏感に反応しアリチアミンを作り出し殆ど無臭となる。この活性持続型ビタミンB1の補酵素効果で体細胞でのエネルギー産出が充分となると、細胞内から過剰物や老廃物を排出するパワーがアップし、さらにMSMとの連携作用で細胞内への栄養素の流入も促すこともできる。これにより炎症に伴う痛みを和らげ、さらに予防への対応が可能になる。
【0029】
以下に本発明に応用されるガーリック粉末の規格を述べる。
【0030】
【表2】
【0031】
次に、AFAはたんぱく質、炭水化物、脂質はもとより、ビタミン(特にB類)、ミネラルのほか、色素、活性酵素を豊富に含有し、生体の細胞に必須の栄養素のほとんど全てをバランスよく含む自然食品であり、更にこれらの栄養素は、体細胞に近い成分構成であって生体にほぼ100%近く消化・吸収されるものである。 そして注目すべきは、前述のアリシンと反応するビタミンB1の含有量で、1gあたり0.22mgと食品中高いレベルのものである。
【0032】
また、関節痛などの炎症の間接的要因の一つとされているのは、細胞の酸性化を引き起こす過剰活性酸素の存在である。これらをコントロールする機能は、もともと細胞にあり加齢ないしは食生活の歪みなどによってこの機能が衰えてくるが、日常から抗酸化物質あるいは酵素SODなどの摂取が機能の劣化を補うことになる。AFAの効用はこのような一旦損傷した細胞を修復・再生するために効果的で細胞の新陳代謝を促進させるものであり、本発明者はかかるAFAの効用を活用することを構成の要素とした。
【0033】
AFAにおける必須アミノ酸及び必須脂肪酸のバランスは、細胞に必要とされる理想値に近く、また、ビタミン、ミネラルも細胞に必要なもの全てを有し、更には、抗酸化・抗炎症作用に関わる酵素、色素、核酸などをも含有している。従って、機能強化及び細胞の新陳代謝を補強する成分を単体でもれなく摂取できる物質であることを発見し積極的に用いたものである。
【0034】
次にAFAの規格を述べる。
AFAは、アメリカ・オレゴン州にあるクラマス湖に自生する純粋な天然の藍藻(Blue Green Algae)である。
【0035】
【表3】
【0036】
次に、AFAの製造方法について述べる。
第1ステップ:採集
オレゴン州クラマス湖で凡そ7月から10月の期間、水面下1〜2mに浮遊するAFAをロータリー式ベルトコンベアーで採取したものを用いる。
第2ステップ:フィルターによるミクロ濾過
特別製の約0.1ミクロン程度の専有フィルターの組み合わせを使用して、採集されたAFAから、微粒子の異物を除去する。
第3ステップ:遠心分離
次に、遠心分離濾過装置を使用し常温で、砂、沈泥などの不純物をAFAから除去する。濾過されたAFAの大きさは、8〜12ミクロン程度である。
第4ステップ:凍結保管
濾過されたAFAは、−40℃で瞬間冷凍されたのち冷凍庫内にてフリーズドライ工程まで保管される。
第5ステップ:フリーズドライ方式乾燥
凍結物をフリーズドライ装置で、1気圧の1000分の1の真空状態で水分子を昇華乾燥させる。
また、他の乾燥方法としてスプレードライ方式乾燥、即ち遠心分離濾過装置
を通したあと、スプレードライ装置の乾燥塔上から噴霧し、150〜200℃の熱風で瞬間乾燥させてもよい。
第6ステップ:ふるい(篩)分
粉末30〜90メッシュに篩い分ける。
【0037】
ここで、MSM、ガーリック及びAFAを混合することによって相乗効果が生ずるメカニズムについて図をもとに述べる。図1は一般的な細胞膜の構造を表し、図3は藍藻(AFA)の細胞構造、図4はMSMを含む硫黄の変換過程を示している。藍藻は、自然界において硫黄の循環サイクルに重要な役割を果たしている。即ち、藍藻は図3の細胞壁16を通してDNA17を含む細胞内へ無機の硫黄18を外部より吸収して有機硫黄に変換させ、揮発性のジメチルサルファイド(DMS)19を外部に放出する。このDMSは図4に示すように大気中のオゾン層で、ジメチルサルフォキサイド(DMSO)20を経由して、ジメチルサルフォン(DMSO2、これはMSMの別名で化学式は21に示す)21に変換される。これらは、大気中の水蒸気に溶解し、雨に溶けこみ地上にもどって植物に吸収、濃縮される。
このように、藍藻の一種であるAFAは、硫黄の循環サイクルの中でMSMと密接な関係があり、有機硫黄化合物であるMSMはこの関係からAFAの細胞に積極的に取り込まれるものである。また、ガーリックの有効成分であるアリシンの化学構造式は図5に示すようにMSMに類似している有機硫黄化合物であり、アリシンもAFAの細胞に積極的に吸収されるものである。更に、AFAの細胞に吸収されたアリシンは、図6に示すようにAFA中のビタミンB1と結合してアリチアミンを生成する。
AFAに含有される蛋白質の多くは、グリコプロティン(糖蛋白質)と呼ばれるもので、図1の細胞膜の構造図に示されている細胞膜中に於いて外部との情報交換役であり受容体である周辺蛋白質4の糖鎖5に受容され易い。図7に示すようにMSM及びアリシンを取り込んだAFAは細胞膜の受容部に容易に受容される。次に、図8に示すようにAFA から細胞質24に移動したMSMの特性により細胞膜の浸透機能を高める。更に、図9に示すように細胞質内のMSM及びアリチアミンがミトコンドリアへと浸透し、細胞エネルギー産出を強化補強する。従って、夫々を単独に使用するよりMSMとガーリック及びAFAを混合させることにより、生体の細胞膜により速く受容され効率的に細胞膜外へ過剰物を排出し、細胞膜内へ新陳代謝を促進する有効成分を補給することができることを発見し、積極的に利用したものである。
【0038】
本発明の製造方法は、前記MSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を常温で所定量配合したものを通常のインペラー式撹拌機で混合し混合粉末とする。その後、健康食品として摂取し易いように通常の健康食品で応用されている粉末状、或いはタブレット状、カプセル状などに加工するものである。
【0039】
本発明は、上述の三成分のMSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を相乗効果が発揮できるように配合し混合粉末とするものである。即ち、MSM 及びガーリックを取り込んだAFAは、細胞膜に迅速に認識・誘導され速やかに細胞膜に受容され、次にMSM及びアリチアミンの効果により細胞膜の浸透性を高め、細胞膜内から過剰物質を排出し必要な物質を細胞膜内へ浸透させる。また、これら三成分には上記の如く、関節痛その他の炎症などの緩和、且つ新陳代謝を促す成分も含まれているので抗炎症作用を補強し、関節炎などの発症を予防することが可能である。
【0040】
上述の必須成分、MSM粉末及びガーリック粉末を混合する場合の本発明が実施可能な混合比率の応用範囲は、図10符合A記載の如く重量比でMSM粉末1対ガーリック粉末0.11(図10符合C)〜9(図10符号F)であり、本発明の望ましい推奨範囲は図10符合B記載の如く重量比でMSM粉末1対ガーリック粉末0.33(図10符合D)〜3(図10符合E)である。但し、必ずしもこの推奨範囲であることが必要でなく、この場合は細胞及びミトコンドリアへの浸透性とミトコンドリアにおけるエネルギー産出効果のバランスを考慮した上で算出したものである。
【0041】
更に、MSM及びガーリック混合粉末にAFA粉末を配合する場合の本発明が実施可能な混合比率の応用範囲は、図11符合G記載の如く重量比でMSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.11(図11符号L)〜9(図11符号I)であり、本発明の望ましい推奨範囲は図11符号H記載の如く重量比でMSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.33(図11符号K)〜3(図11符号J)である。但し、必ずしもこの推奨範囲であることが必要でなく、この場合は炎症に対する緩和及び予防効果のバランスを考慮した上で即効性にやや重きを置いて算出したものである。
【0042】
図11に、MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の重量比率による、炎症に対する緩和及び予防の効果についての評価を示してある。MSM及びガーリック混合粉末の重量比率が左の1から右の5〜6へと増加するにつれて炎症の緩和効果、即ち即効性が大きくなるが、6〜10(MSM及びガーリック混合粉末単独)は即効性が減少するものである。このようにAFA粉末を加えることにより、MSM及びガーリック混合粉末単独での効果より大きくなる混合比率(MSM及びガーリック混合粉末が重量比率で1以上の範囲)がある。一方、AFA粉末の重量比率が右の1から左の5〜6へと増加するにつれ炎症の予防効果、即ち遅効性が高くなるが、6〜10(AFA粉末単独)は遅効性が減少するものである。このようにMSM及びガーリック混合粉末を加えることによりAFA粉末単独での効果より大きくなる混合比率(AFA粉末が重量比率で1以上の範囲)がある。
図11において、符号GはMSM及びガーリック混合粉末が重量比率で1〜9の範囲でありAFA粉末が重量比率で9〜1の範囲である。即ち、MSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.11(符合L)〜9(符合I)で、それぞれ単独より効果が出る本発明による混合比率の応用範囲である。また、符号HはMSM及びガーリック粉末が重量比率で2.5〜7.5の範囲でありAFAが重量比率で7.5〜2.5の範囲である。即ち、MSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.33(符合K)〜3(符合J)で、本発明での好ましい混合比率の推奨範囲である。これらの混合比率は、即効性を主体に考慮した場合に推奨される処方である。
【0043】
次に、請求項7記載の本発明は、健康食品として経口摂取し易いように粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工するものである。粉末状のものについては、通常使用されているスティックタイプ或いは三方シールなどの紙パック包装で内容量は1000〜2000mg程度が望ましい。また、タブレット状のものについては、通常の円形、楕円形などに打錠された形状で内容量は200〜800mg程度が適正である。また、カプセル状のものについては、現在許可されている材質のハードカプセルを使用して内容量は200〜600mg程度が推奨される。なお、1日あたりの摂取量は後述のごとく2000mg程度であり、粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工されたものは経口摂取での簡便性などを志向するユーザーのニーズに応えることができるものである。
【発明の効果】
【0044】
上述のように、MSM及びガーリックとAFAを混合することによりMSM及びガーリックを内に取り込んだAFAは生体の細胞膜に速やかに受容される。その後MSMの効果及びガーリック中のアリインから生成するアリシンとAFA 中のビタミンB1との結合物質アリチアミンの効果により、細胞膜の浸透性を高め細胞膜内から過剰物質を排出し必要な物質を細胞膜内へ浸透させる相乗効果を発見し積極的に応用したものである。
このように本発明によれば、関節痛、神経痛、腰痛などの炎症の予防・緩和効果のある天然由来のMSM、ガーリック及びAFAを相乗効果が得られるように混合しているので、それぞれ単独で使用するより炎症による痛みなどの症状に対して痛みの回復が早く且つ持続性、予防効果があるものが得られた。更に、本発明に係る三成分は天然由来であり、副作用などがなくユーザーも安心して利用できる。また、アリシンの特有の臭いもビタミンB1との結合でなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
次に、本発明に係わる健康食品の実施例につき、表とともに説明する。
【実施例】
【0046】
本発明に係る健康食品についての各成分の配合例を変えたもの及びその効果を表4の(1)〜(28)に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
前記表4は、MSM粉末及びガーリック粉末とAFA粉末の配合の異なる健康食品を、毎日午前及び午後に分け1000mgづつ粉末の状態で摂取して、痛みの状況を日数経過とともに観察したものである。被験者は、関節痛・腰痛・肩こりなどの痛みを持つ50代、及び60代の男女が各々3名、計12名である。また、抗炎症作用に於ける即効性の出現とは、痛みが和らいだと被験者が感じた開始日数を表し、遅効性の出現とは、痛みの再発があまり感じられなくなった治癒月数を示している。
【0049】
表4において(1)〜(4)はMSM1700mg及びガーリック300mg混合粉末でそれぞれ40メッシュ粉末、(25)〜(28)はAFA単独のもので60メッシュ粉末である。
(5)〜(8)はMSM粉末1500mg及び40メッシュのガーリック粉末が300mg、MSM粉末は30メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.1%である。 また、AFAは200mg、90メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が25g、脂質が1g、ビタミン・ミネラルが2g、クロロフィルaが1.2gで、水分が1gのものを用いた。
(9)〜(12)はMSMが1200mg、60メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.1%である。ガーリック粉末は300mgで、40メッシュである。 また、AFAは500mg、90メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が25g、脂質が1g、ビタミン・ミネラルが2g、クロロフィルaが1.2gで、水分が1gのものを用いた。
(13)〜(16)はMSMが700mg、60メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.2%、水分が0.3%である。ガーリック粉末は300mgで40メッシュである。また、AFAは1000mg、60メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が15g、脂質が5g、ビタミン・ミネラルが5g、クロロフィルaが1gで、水分が4gのものを用いた。
(17)〜(20)はMSMが300mg、60メッシュの粉末で純度が99.0%、融点が107℃、灰分0.2%、水分が0.3%である。ガーリック粉末は200mgで40メッシュである。また、AFAは1500mg、60メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が15g、脂質が5g、ビタミン・ミネラルが5g、クロロフィルaが1gで、水分が4gのものを用いた。
(21)〜(24)はMSMが100mg、80メッシュの粉末で純度が99.0%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.3%である。ガーリック粉末は100mgで40メッシュである。AFAは1800mg、30メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が60g、炭水化物が20g、脂質が8g、ビタミン・ミネラルが8g、クロロフィルaが0.5gで、水分が3.5gのものを用いた。
このようにMSM粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの粉末で、純度が99.0%以上、融点が107℃以上、灰分0.2%以下、水分が0.3%以下であればよい。またAFA粉末は、少なくとも天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであればよい。なお、ガーリック粉末は、40メッシュでアリシン生成量は1g当たり10mgのものを使用した。
【0050】
表4より、MSM粉末及びガーリック粉末を単独で用いた(1)〜(4)については、即効性が5〜6日、遅効性は10〜11ヶ月と効き目が遅く、また、AFA粉末を単独で用いた(25)〜(28)の場合は、即効性が8〜9日、遅効性は9〜10ヶ月と効き目が遅い。これに対し本発明の応用範囲の(5)〜(8)及び(21)〜(24)では即効性が2〜4日、遅効性は4.5〜6ヶ月、更には本発明の推奨範囲の(9)〜(20)では即効性が1〜3日、遅効性は3〜5.5ヶ月とMSM及びガーリックとAFAを混合したことによる相乗的な効果で即効性及び遅効性の両面で優れた抗炎症作用を有する。(請求項1〜7に対応)
【0051】
MSMは、American Ingredient社製で、この製品はテーダ松からの生成物であり、健康食品として経口から摂取する場合、1日あたりの摂取量は通常1〜1.5gが推奨されているが、本発明のごとくガーリック及びAFAを混合した場合は1g以下でも十分な相乗効果が得られる。
表5に、MSM粉末の成分組成とその特徴を示す。
【0052】
MSM粉末の成分内容とその特徴
【0053】
【表5】
【0054】
表5に於いて、混合性での「最適」とは、ガーリック粉末及びAFA粉末と混合する際若干の撹拌で十分であることを示し、「適」とは、一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るものである。
なお、MSM粉末は、メッシュ数が大きくなるにつれ固結し易いが、二酸化ケイ素を0.5%添加することにより使用に供することができる。
【0055】
表5に示される通り、MSM粉末について純度99.8%、80メッシュ程度で水分が0.3%以下で、二酸化ケイ素を0.5%加えた(5)及び(6)の組成が、他成分との混合性に優れ、更に粉末が固結しにくく使用に最適とされるが、それ以外の組成でも適応は可能である。例えば、MSMの純度は99.0%以上、水分は0.3%以下、灰分0.2%以下で、30〜90メッシュであれば使用に供し得る。
【0056】
ガーリック粉末はGarlitech社製で中国産の原料ガーリックを特殊な製法により加工され、アリシンの生成量は他の製法に比べ多いものである。なお、水分は6%以下、灰分は5%以下で残留農薬はゼロである。健康食品として経口から摂取する場合、1日あたり400mg程度が推奨されている。MSM粉末及びAFA粉末との混合性は良好であるが、熱及び湿気に対して注意を要する。
【0057】
次に、AFAは、Klamath Valley Botanicals社製のBlue Green Algaeを用いた。健康食品として経口から摂取する場合、1日あたりの摂取量は通常1〜1.5gが推奨されているが、本発明のごとくMSM及びガーリックを混合した場合は1g以下でも十分な相乗効果が得られる。
表6に、AFA粉末の成分内容とその特徴を示す。
【0058】
AFA粉末の成分内容とその特徴
【0059】
【表6】
【0060】
表6に於いて、混合性での「適」とは、MSM及びガーリック粉末と混合する際に一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るもので、「不適」とは、長時間の機械的撹拌を要することを示す。
【0061】
表6に示されるとおり、AFA粉末について60メッシュで水分が4g程度の(5)及び(6)の組成が他成分との混合性が優れているが、それ以外の組成でも適応は可能である。例えば、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8gで、水分は1〜5g、30〜90メッシュであれば使用に供し得る。
【0062】
上述した実施例は、本発明における健康食品の一例に過ぎず、混合比率並びに構成素材・材料、更に工程は、上述のものには限られない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】細胞膜の構造図。
【図2】炎症に関わるアラキドン酸の代謝経路説明図。
【図3】藍藻(AFA)の細胞構造図。
【図4】MSMを含む硫黄の変換過程説明図。
【図5】藍藻(AFA)へのMSM及びアリシンの浸透図。
【図6】藍藻(AFA)中のビタミンB1及びアリシンの結合図。
【図7】体細胞への藍藻(AFA)の浸透図。
【図8】細胞質へのMSM、アリチアミン、AFA成分の浸透図。
【図9】ミトコンドリアへのMSM、アリチアミンの浸透図。
【図10】MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率による細胞及びミトコンドリアへの浸透性と細胞エネルギー産出効果。
【図11】MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の混合比率による、炎症の予防・緩和効果の評価図。
【符号の説明】
【0064】
1 細胞膜
2 リン脂質
3 構成蛋白質
4 周辺蛋白質
5 周辺蛋白質の糖鎖
6 細胞膜リン脂質のアラキドン酸
7 細胞質内へのアラキドン酸の遊離
8 エンドパーオキサイドプロスタグランジンG2、H2
9 プロスタグランジンI2、E2、F2
10 炎症、発熱、発痛
11 トロンボキサンA2
12 血栓形成、喘息発作
13 5−HPETE(5−ハイドロパーオキシイコサテトラエン)
14 ロイコトリエンA4,B4、C4,D4,E4
15 炎症、喘息発作
16 細胞壁
17 DNA
18 硫黄
19 ジメチルサルファイド(DMS)
20 ジメチルサルフォキサイド(DMSO)
21 ジメチルサルフォン(DMSO2)
= メチルサルフォニルメタン(MSM)及びMSMの化学式
22 MSM(浸透の促進)
23 アリシン(MSMと類似構造)
24 細胞質
25 AFA(MSM、アリチアミン)
26 老廃物の細胞外への排出
27 AFAからMSM、アリチアミン、AFA成分の細胞質内への移動
28 細胞質からMSM、アリチアミンのミトコンドリアへの移動
図10
A MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率の応用範囲
B MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率の推奨範囲
C 重量比率MSM粉末9対ガーリック粉末1の点
D 重量比率MSM粉末7.5対ガーリック粉末2.5の点
E 重量比率MSM粉末2.5対ガーリック粉末7.5の点
F 重量比率MSM粉末1対ガーリック粉末9の点
図11
G MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の混合比率の応用範囲
H MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の混合比率の推奨範囲
I 重量比率MSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末9の点
J 重量比率MSM及びガーリック混合粉末2.5対AFA粉末7.5の点
K 重量比率MSM及びガーリック混合粉末7.5対AFA粉末2.5の点
L 重量比率MSM及びガーリック混合粉末9対AFA粉末1の点
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲の関節痛・神経痛・腰痛などの炎症の予防、軽減又はこれらに伴う不快感を緩和させること、更には生体の体細胞の新陳代謝を促進させることを目的として、経口摂取する健康食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる健康食品と呼ばれる商品が注目され、いろいろな種類のものが販売されている。これらは、栄養の偏った人の食生活を補うためのもの、或いは生活習慣病などの予防・対応のために有効成分を経口摂取するものとしてその多くが知られている。(特許文献1)
またその他、関節痛・神経痛・腰痛などの炎症の予防・軽減のために生体の経皮に直接に塗布し抗炎症作用を有するものも知られている。(特許文献2)
【0003】
上述のような炎症による痛みの原因は、食生活の変化、運動不足、体重の増加、体の柔軟性・筋力の低下、骨密度の低下、骨粗鬆症、組織の損傷、運動などによる損傷などの様々な要因が考えられている。そして上述の要因が複合的に関連しあって、炎症による痛みを引き起こしている。また、食生活での栄養成分の偏りが本来生体の持つ防御機能・代謝能力を低下させていることにも起因している。従って、炎症による痛みの原因に直接的に働きかけ、且つ新陳代謝を促す効果のある健康食品が望まれる。
【0004】
本発明者はメチルサルフォニルメタン(以下MSMという)が、自然界に存在し生体に不可欠な有機硫黄化合物であること。また新鮮な牛乳、緑黄色野菜、茶葉などに含まれ、更に人の尿中にも極微量に含まれていること。また、MSMの分子が小さく水溶性で、細胞膜の内圧と外圧を均一化しその浸透性を高める働きから、経口摂取することにより細胞内の有害物質を速やかに排泄し栄養素の取り入れを容易にする特性を積極的に利用せんとしたものである。
【0005】
本発明者はガーリック中に含まれるアリインが反応して生成するアリシンの効果、特に体細胞中のエネルギー産出作用において補酵素として関わるビタミンB1の活性持続強化に貢献すること。さらにアリシンの分子構造は、MSMと類似しており協力しあえる有機硫黄化合物同士として細胞膜への浸透を促進することに着目し、この特性を積極的に利用せんとしたものである。
【0006】
一般的な痛みのメカニズムを、図1の細胞膜の構造図及び図2の炎症に関わるアラキドン酸の代謝経路説明図をもとに述べる。図1の細胞膜の構造図に示される細胞膜1は、細胞内に独立した環境を作る役割を果たし細胞内外に於けるホメオスタシス(恒常性)を保ちながら、外界と物質交換・情報交換をする仕組みを持っている。細胞膜1の主な構成要素が、二重になった極性及び非極性のリン脂質2と、細胞膜に埋め込まれた構成蛋白質3である。更に、外界との交換を担当するのが周辺蛋白質4で、そのアンテナ役が糖鎖5である。一般に、細胞膜1へ物理的・化学的な刺激が与えられると、図2のアラキドン酸の代謝経路に示されるように酵素ホスホリパーゼA2が活性化し、非極性のリン脂質2から細胞膜リン脂質のアラキドン酸6が遊離してくる。細胞質内へ遊離したアラキドン酸7から、酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の活性化によりエンドパーオキサイドプロスタグランジンG2、H2(符合8)が生成され、プロスタグランジンI2、E2、F2(符合9)により炎症、発熱・発痛10が発生する。また、トロンボキサンA2(符合11)により血栓形成、喘息発作12が発生する。他の代謝経路では酵素5-リポキシゲナーゼ(LOX)の活性化により、5−HPETE(5−ハイドロパーオキシイコサテトラエン)13が生成されロイコトリエンA4,B4、C4、D4、E4(符号14)により炎症、喘息発作15の発生原因となる。
【0007】
従来から使用されている経口用、外用の抗炎症剤の主なものは、前述の遊離したアラキドン酸を化学反応的に酵素の活性化を抑制することで炎症による痛みなどを緩和するものである。一方、MSMは細胞膜の内圧と外圧を均一化し、その浸透性を高めることから、本発明者は細胞内の過剰の遊離アラキドン酸を物理的に膜外へ速やかに排泄する効果に着目した。さらに、ガーリック中のアリインから生ずるアリシンがビタミンB1と結合して体細胞のミトコンドリアでのエネルギー産出作用を強化補強し、MSMによる浸透性に呼応して細胞自体の排出作用をパワーアップすることにも注目した。本発明者は、これにアファニゾメノンフロスアクア(以下AFAという)を付加・混合することにより細胞膜内への必要成分の補給強化をも効果的にし、経口摂取により細胞の新陳代謝を促進することを見出したものである。
【0008】
そこで、MSM及びガーリックを用いて炎症の緩和効果(即効性)を持たせ、更にAFAを一定の割合で混合して炎症の予防効果(遅効性)を調節し、経口の摂取で当該成分の相乗効果により炎症の緩和効果及び治癒性を持たせることが必要であった。
【0009】
【特許文献1】特開2004−113141号公報
【特許文献2】特開2004−149441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者は、AFAが35億年前より生息する地球最古の生物であり体細胞の原型であると考えられていることから、このような体細胞そのものともいえるAFAを経口から補給することにより、損傷し機能の低下した体細胞の速やかな修復を促進せんとしたものである。そして、炎症による痛みに対して抗炎症作用の補強を含めた健康維持、栄養補給などを目的とした前記MSM及びガーリックとAFAとを混合した効果的で即効性のある健康食品を提供することにある。
【0011】
また本発明の目的は、ユーザーが健康食品を摂取して従来の経口用、或いは外用の抗炎症剤と異なる物理的なメカニズムによって、痛みなどの直接の原因とされる過剰の遊離アラキドン酸を細胞外へ排泄させ、且つ新陳代謝を促し細胞の機能を修復させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために本発明は、天然由来成分のMSM、ガーリック及びAFAを相乗的な効果を得るために適正に混合した健康食品を提供するものである。
【0013】
請求項1記載の本発明は、天然由来のMSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を一定の割合で配合した混合粉末を、経口摂取して抗炎症作用を含む生体の新陳代謝を促進させることを特徴とするMSM、ガーリック及びAFAの混合
粉末からなる健康食品を得るにある。
【0014】
請求項2記載の本発明は、MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率が重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0015】
請求項3記載の本発明は、MSM及びガーリックの混合粉末とAFA粉末の混合比率が重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0016】
請求項4記載の本発明は、少なくともMSM粉末が天然由来の30〜90メッシュの白色粉末でMSM純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分は0.2%以下、水分が0.3%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0017】
請求項5記載の本発明は、少なくともガーリック粉末が天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、アリシン生成量が1g当たり5mg以上、水分が6%以下、灰分は5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0018】
請求項6記載の本発明は、少なくともAFA粉末が天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0019】
請求項7記載の本発明は、健康食品として経口摂取し易いように粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工したことを特徴とする請求項1乃至6に記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品を得るにある。
【0020】
請求項の各項について、以下に本発明を詳細に説明する。上記請求項1から請求項7記載に係る本発明において、必須有効成分としてMSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を後述のごとく相乗効果の生ずるように最適な割合で配合された混合粉末であることが必要である。
【0021】
MSMは、生体に不可欠な有機硫黄化合物であり、ほとんど全ての生体内に存在する天然栄養成分である。MSMは多くの食物に含まれる物質であるが、加工食品の摂取が増加している現在、有機硫黄の大部分が洗浄、加工、調理などにより破壊されるため、生体に必要な硫黄が欠乏状態にあり、この生体に不可欠な有機硫黄化合物を別途補給するために必要な要素である。
【0022】
また、MSMは関節炎やリュウマチなどの炎症による痛みの緩和、改善に非常に効果がある。硫黄成分に抗炎症効果のあることは、硫黄分を多く含む温泉に浸かることにより、あらゆる痛みが緩和されるという対処法からも明らかであり、本発明者はこれを発明の構成の一つにした。
【0023】
MSMが関節痛などの炎症を抑える効果を有しているのは、MSMの分子が非常に小さく、且つ水溶性であるために、細胞内に吸収されやすい特性を有しているからである。また、細胞内に吸収されたMSMは細胞膜の内圧と外圧を均一化し、細胞、組織、関節内での圧力の蓄積を防ぐことが可能となる。更に、当該細胞膜の浸透性を高める働きを有しており、その結果細胞内から過剰物を排出し、細胞内への栄養素の流入を促すことができるのである。これにより、炎症に伴う痛みを和らげ、更に予防への対応が可能になる。
【0024】
以下に本発明に応用されるMSMの規格を述べる。
【0025】
【表1】
【0026】
ガーリックは、疲労回復、滋養強壮、免疫力向上など種々の効果、機能があるとされ、紀元前の古代文明から世界各地で重用されてきたのは周知の事実である。強烈な臭いが敬遠されることもあるが、実はこの臭い成分の元がアリシンと呼ばれる有機硫黄化合物でガーリックの効果、機能の源泉とされている。
【0027】
アリシンは非常に分解されやすい化合物であるが、ビタミンB1と反応して生じるアリチアミンは活性持続型のビタミンB1となり体細胞内での生化学反応で重要な役割を果たす。即ち、体細胞内のエネルギー産出工場であるミトコンドリアでの糖代謝や脂肪酸代謝に関わる必須の補酵素の機能である。本発明者は、これを発明の構成のひとつにした。
【0028】
アリシンは、後述するもうひとつの成分であるAFAに豊富に含まれるビタミンB1と敏感に反応しアリチアミンを作り出し殆ど無臭となる。この活性持続型ビタミンB1の補酵素効果で体細胞でのエネルギー産出が充分となると、細胞内から過剰物や老廃物を排出するパワーがアップし、さらにMSMとの連携作用で細胞内への栄養素の流入も促すこともできる。これにより炎症に伴う痛みを和らげ、さらに予防への対応が可能になる。
【0029】
以下に本発明に応用されるガーリック粉末の規格を述べる。
【0030】
【表2】
【0031】
次に、AFAはたんぱく質、炭水化物、脂質はもとより、ビタミン(特にB類)、ミネラルのほか、色素、活性酵素を豊富に含有し、生体の細胞に必須の栄養素のほとんど全てをバランスよく含む自然食品であり、更にこれらの栄養素は、体細胞に近い成分構成であって生体にほぼ100%近く消化・吸収されるものである。 そして注目すべきは、前述のアリシンと反応するビタミンB1の含有量で、1gあたり0.22mgと食品中高いレベルのものである。
【0032】
また、関節痛などの炎症の間接的要因の一つとされているのは、細胞の酸性化を引き起こす過剰活性酸素の存在である。これらをコントロールする機能は、もともと細胞にあり加齢ないしは食生活の歪みなどによってこの機能が衰えてくるが、日常から抗酸化物質あるいは酵素SODなどの摂取が機能の劣化を補うことになる。AFAの効用はこのような一旦損傷した細胞を修復・再生するために効果的で細胞の新陳代謝を促進させるものであり、本発明者はかかるAFAの効用を活用することを構成の要素とした。
【0033】
AFAにおける必須アミノ酸及び必須脂肪酸のバランスは、細胞に必要とされる理想値に近く、また、ビタミン、ミネラルも細胞に必要なもの全てを有し、更には、抗酸化・抗炎症作用に関わる酵素、色素、核酸などをも含有している。従って、機能強化及び細胞の新陳代謝を補強する成分を単体でもれなく摂取できる物質であることを発見し積極的に用いたものである。
【0034】
次にAFAの規格を述べる。
AFAは、アメリカ・オレゴン州にあるクラマス湖に自生する純粋な天然の藍藻(Blue Green Algae)である。
【0035】
【表3】
【0036】
次に、AFAの製造方法について述べる。
第1ステップ:採集
オレゴン州クラマス湖で凡そ7月から10月の期間、水面下1〜2mに浮遊するAFAをロータリー式ベルトコンベアーで採取したものを用いる。
第2ステップ:フィルターによるミクロ濾過
特別製の約0.1ミクロン程度の専有フィルターの組み合わせを使用して、採集されたAFAから、微粒子の異物を除去する。
第3ステップ:遠心分離
次に、遠心分離濾過装置を使用し常温で、砂、沈泥などの不純物をAFAから除去する。濾過されたAFAの大きさは、8〜12ミクロン程度である。
第4ステップ:凍結保管
濾過されたAFAは、−40℃で瞬間冷凍されたのち冷凍庫内にてフリーズドライ工程まで保管される。
第5ステップ:フリーズドライ方式乾燥
凍結物をフリーズドライ装置で、1気圧の1000分の1の真空状態で水分子を昇華乾燥させる。
また、他の乾燥方法としてスプレードライ方式乾燥、即ち遠心分離濾過装置
を通したあと、スプレードライ装置の乾燥塔上から噴霧し、150〜200℃の熱風で瞬間乾燥させてもよい。
第6ステップ:ふるい(篩)分
粉末30〜90メッシュに篩い分ける。
【0037】
ここで、MSM、ガーリック及びAFAを混合することによって相乗効果が生ずるメカニズムについて図をもとに述べる。図1は一般的な細胞膜の構造を表し、図3は藍藻(AFA)の細胞構造、図4はMSMを含む硫黄の変換過程を示している。藍藻は、自然界において硫黄の循環サイクルに重要な役割を果たしている。即ち、藍藻は図3の細胞壁16を通してDNA17を含む細胞内へ無機の硫黄18を外部より吸収して有機硫黄に変換させ、揮発性のジメチルサルファイド(DMS)19を外部に放出する。このDMSは図4に示すように大気中のオゾン層で、ジメチルサルフォキサイド(DMSO)20を経由して、ジメチルサルフォン(DMSO2、これはMSMの別名で化学式は21に示す)21に変換される。これらは、大気中の水蒸気に溶解し、雨に溶けこみ地上にもどって植物に吸収、濃縮される。
このように、藍藻の一種であるAFAは、硫黄の循環サイクルの中でMSMと密接な関係があり、有機硫黄化合物であるMSMはこの関係からAFAの細胞に積極的に取り込まれるものである。また、ガーリックの有効成分であるアリシンの化学構造式は図5に示すようにMSMに類似している有機硫黄化合物であり、アリシンもAFAの細胞に積極的に吸収されるものである。更に、AFAの細胞に吸収されたアリシンは、図6に示すようにAFA中のビタミンB1と結合してアリチアミンを生成する。
AFAに含有される蛋白質の多くは、グリコプロティン(糖蛋白質)と呼ばれるもので、図1の細胞膜の構造図に示されている細胞膜中に於いて外部との情報交換役であり受容体である周辺蛋白質4の糖鎖5に受容され易い。図7に示すようにMSM及びアリシンを取り込んだAFAは細胞膜の受容部に容易に受容される。次に、図8に示すようにAFA から細胞質24に移動したMSMの特性により細胞膜の浸透機能を高める。更に、図9に示すように細胞質内のMSM及びアリチアミンがミトコンドリアへと浸透し、細胞エネルギー産出を強化補強する。従って、夫々を単独に使用するよりMSMとガーリック及びAFAを混合させることにより、生体の細胞膜により速く受容され効率的に細胞膜外へ過剰物を排出し、細胞膜内へ新陳代謝を促進する有効成分を補給することができることを発見し、積極的に利用したものである。
【0038】
本発明の製造方法は、前記MSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を常温で所定量配合したものを通常のインペラー式撹拌機で混合し混合粉末とする。その後、健康食品として摂取し易いように通常の健康食品で応用されている粉末状、或いはタブレット状、カプセル状などに加工するものである。
【0039】
本発明は、上述の三成分のMSM粉末、ガーリック粉末及びAFA粉末を相乗効果が発揮できるように配合し混合粉末とするものである。即ち、MSM 及びガーリックを取り込んだAFAは、細胞膜に迅速に認識・誘導され速やかに細胞膜に受容され、次にMSM及びアリチアミンの効果により細胞膜の浸透性を高め、細胞膜内から過剰物質を排出し必要な物質を細胞膜内へ浸透させる。また、これら三成分には上記の如く、関節痛その他の炎症などの緩和、且つ新陳代謝を促す成分も含まれているので抗炎症作用を補強し、関節炎などの発症を予防することが可能である。
【0040】
上述の必須成分、MSM粉末及びガーリック粉末を混合する場合の本発明が実施可能な混合比率の応用範囲は、図10符合A記載の如く重量比でMSM粉末1対ガーリック粉末0.11(図10符合C)〜9(図10符号F)であり、本発明の望ましい推奨範囲は図10符合B記載の如く重量比でMSM粉末1対ガーリック粉末0.33(図10符合D)〜3(図10符合E)である。但し、必ずしもこの推奨範囲であることが必要でなく、この場合は細胞及びミトコンドリアへの浸透性とミトコンドリアにおけるエネルギー産出効果のバランスを考慮した上で算出したものである。
【0041】
更に、MSM及びガーリック混合粉末にAFA粉末を配合する場合の本発明が実施可能な混合比率の応用範囲は、図11符合G記載の如く重量比でMSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.11(図11符号L)〜9(図11符号I)であり、本発明の望ましい推奨範囲は図11符号H記載の如く重量比でMSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.33(図11符号K)〜3(図11符号J)である。但し、必ずしもこの推奨範囲であることが必要でなく、この場合は炎症に対する緩和及び予防効果のバランスを考慮した上で即効性にやや重きを置いて算出したものである。
【0042】
図11に、MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の重量比率による、炎症に対する緩和及び予防の効果についての評価を示してある。MSM及びガーリック混合粉末の重量比率が左の1から右の5〜6へと増加するにつれて炎症の緩和効果、即ち即効性が大きくなるが、6〜10(MSM及びガーリック混合粉末単独)は即効性が減少するものである。このようにAFA粉末を加えることにより、MSM及びガーリック混合粉末単独での効果より大きくなる混合比率(MSM及びガーリック混合粉末が重量比率で1以上の範囲)がある。一方、AFA粉末の重量比率が右の1から左の5〜6へと増加するにつれ炎症の予防効果、即ち遅効性が高くなるが、6〜10(AFA粉末単独)は遅効性が減少するものである。このようにMSM及びガーリック混合粉末を加えることによりAFA粉末単独での効果より大きくなる混合比率(AFA粉末が重量比率で1以上の範囲)がある。
図11において、符号GはMSM及びガーリック混合粉末が重量比率で1〜9の範囲でありAFA粉末が重量比率で9〜1の範囲である。即ち、MSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.11(符合L)〜9(符合I)で、それぞれ単独より効果が出る本発明による混合比率の応用範囲である。また、符号HはMSM及びガーリック粉末が重量比率で2.5〜7.5の範囲でありAFAが重量比率で7.5〜2.5の範囲である。即ち、MSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末0.33(符合K)〜3(符合J)で、本発明での好ましい混合比率の推奨範囲である。これらの混合比率は、即効性を主体に考慮した場合に推奨される処方である。
【0043】
次に、請求項7記載の本発明は、健康食品として経口摂取し易いように粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工するものである。粉末状のものについては、通常使用されているスティックタイプ或いは三方シールなどの紙パック包装で内容量は1000〜2000mg程度が望ましい。また、タブレット状のものについては、通常の円形、楕円形などに打錠された形状で内容量は200〜800mg程度が適正である。また、カプセル状のものについては、現在許可されている材質のハードカプセルを使用して内容量は200〜600mg程度が推奨される。なお、1日あたりの摂取量は後述のごとく2000mg程度であり、粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工されたものは経口摂取での簡便性などを志向するユーザーのニーズに応えることができるものである。
【発明の効果】
【0044】
上述のように、MSM及びガーリックとAFAを混合することによりMSM及びガーリックを内に取り込んだAFAは生体の細胞膜に速やかに受容される。その後MSMの効果及びガーリック中のアリインから生成するアリシンとAFA 中のビタミンB1との結合物質アリチアミンの効果により、細胞膜の浸透性を高め細胞膜内から過剰物質を排出し必要な物質を細胞膜内へ浸透させる相乗効果を発見し積極的に応用したものである。
このように本発明によれば、関節痛、神経痛、腰痛などの炎症の予防・緩和効果のある天然由来のMSM、ガーリック及びAFAを相乗効果が得られるように混合しているので、それぞれ単独で使用するより炎症による痛みなどの症状に対して痛みの回復が早く且つ持続性、予防効果があるものが得られた。更に、本発明に係る三成分は天然由来であり、副作用などがなくユーザーも安心して利用できる。また、アリシンの特有の臭いもビタミンB1との結合でなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
次に、本発明に係わる健康食品の実施例につき、表とともに説明する。
【実施例】
【0046】
本発明に係る健康食品についての各成分の配合例を変えたもの及びその効果を表4の(1)〜(28)に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
前記表4は、MSM粉末及びガーリック粉末とAFA粉末の配合の異なる健康食品を、毎日午前及び午後に分け1000mgづつ粉末の状態で摂取して、痛みの状況を日数経過とともに観察したものである。被験者は、関節痛・腰痛・肩こりなどの痛みを持つ50代、及び60代の男女が各々3名、計12名である。また、抗炎症作用に於ける即効性の出現とは、痛みが和らいだと被験者が感じた開始日数を表し、遅効性の出現とは、痛みの再発があまり感じられなくなった治癒月数を示している。
【0049】
表4において(1)〜(4)はMSM1700mg及びガーリック300mg混合粉末でそれぞれ40メッシュ粉末、(25)〜(28)はAFA単独のもので60メッシュ粉末である。
(5)〜(8)はMSM粉末1500mg及び40メッシュのガーリック粉末が300mg、MSM粉末は30メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.1%である。 また、AFAは200mg、90メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が25g、脂質が1g、ビタミン・ミネラルが2g、クロロフィルaが1.2gで、水分が1gのものを用いた。
(9)〜(12)はMSMが1200mg、60メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.1%である。ガーリック粉末は300mgで、40メッシュである。 また、AFAは500mg、90メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が25g、脂質が1g、ビタミン・ミネラルが2g、クロロフィルaが1.2gで、水分が1gのものを用いた。
(13)〜(16)はMSMが700mg、60メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.2%、水分が0.3%である。ガーリック粉末は300mgで40メッシュである。また、AFAは1000mg、60メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が15g、脂質が5g、ビタミン・ミネラルが5g、クロロフィルaが1gで、水分が4gのものを用いた。
(17)〜(20)はMSMが300mg、60メッシュの粉末で純度が99.0%、融点が107℃、灰分0.2%、水分が0.3%である。ガーリック粉末は200mgで40メッシュである。また、AFAは1500mg、60メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が15g、脂質が5g、ビタミン・ミネラルが5g、クロロフィルaが1gで、水分が4gのものを用いた。
(21)〜(24)はMSMが100mg、80メッシュの粉末で純度が99.0%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.3%である。ガーリック粉末は100mgで40メッシュである。AFAは1800mg、30メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が60g、炭水化物が20g、脂質が8g、ビタミン・ミネラルが8g、クロロフィルaが0.5gで、水分が3.5gのものを用いた。
このようにMSM粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの粉末で、純度が99.0%以上、融点が107℃以上、灰分0.2%以下、水分が0.3%以下であればよい。またAFA粉末は、少なくとも天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであればよい。なお、ガーリック粉末は、40メッシュでアリシン生成量は1g当たり10mgのものを使用した。
【0050】
表4より、MSM粉末及びガーリック粉末を単独で用いた(1)〜(4)については、即効性が5〜6日、遅効性は10〜11ヶ月と効き目が遅く、また、AFA粉末を単独で用いた(25)〜(28)の場合は、即効性が8〜9日、遅効性は9〜10ヶ月と効き目が遅い。これに対し本発明の応用範囲の(5)〜(8)及び(21)〜(24)では即効性が2〜4日、遅効性は4.5〜6ヶ月、更には本発明の推奨範囲の(9)〜(20)では即効性が1〜3日、遅効性は3〜5.5ヶ月とMSM及びガーリックとAFAを混合したことによる相乗的な効果で即効性及び遅効性の両面で優れた抗炎症作用を有する。(請求項1〜7に対応)
【0051】
MSMは、American Ingredient社製で、この製品はテーダ松からの生成物であり、健康食品として経口から摂取する場合、1日あたりの摂取量は通常1〜1.5gが推奨されているが、本発明のごとくガーリック及びAFAを混合した場合は1g以下でも十分な相乗効果が得られる。
表5に、MSM粉末の成分組成とその特徴を示す。
【0052】
MSM粉末の成分内容とその特徴
【0053】
【表5】
【0054】
表5に於いて、混合性での「最適」とは、ガーリック粉末及びAFA粉末と混合する際若干の撹拌で十分であることを示し、「適」とは、一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るものである。
なお、MSM粉末は、メッシュ数が大きくなるにつれ固結し易いが、二酸化ケイ素を0.5%添加することにより使用に供することができる。
【0055】
表5に示される通り、MSM粉末について純度99.8%、80メッシュ程度で水分が0.3%以下で、二酸化ケイ素を0.5%加えた(5)及び(6)の組成が、他成分との混合性に優れ、更に粉末が固結しにくく使用に最適とされるが、それ以外の組成でも適応は可能である。例えば、MSMの純度は99.0%以上、水分は0.3%以下、灰分0.2%以下で、30〜90メッシュであれば使用に供し得る。
【0056】
ガーリック粉末はGarlitech社製で中国産の原料ガーリックを特殊な製法により加工され、アリシンの生成量は他の製法に比べ多いものである。なお、水分は6%以下、灰分は5%以下で残留農薬はゼロである。健康食品として経口から摂取する場合、1日あたり400mg程度が推奨されている。MSM粉末及びAFA粉末との混合性は良好であるが、熱及び湿気に対して注意を要する。
【0057】
次に、AFAは、Klamath Valley Botanicals社製のBlue Green Algaeを用いた。健康食品として経口から摂取する場合、1日あたりの摂取量は通常1〜1.5gが推奨されているが、本発明のごとくMSM及びガーリックを混合した場合は1g以下でも十分な相乗効果が得られる。
表6に、AFA粉末の成分内容とその特徴を示す。
【0058】
AFA粉末の成分内容とその特徴
【0059】
【表6】
【0060】
表6に於いて、混合性での「適」とは、MSM及びガーリック粉末と混合する際に一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るもので、「不適」とは、長時間の機械的撹拌を要することを示す。
【0061】
表6に示されるとおり、AFA粉末について60メッシュで水分が4g程度の(5)及び(6)の組成が他成分との混合性が優れているが、それ以外の組成でも適応は可能である。例えば、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8gで、水分は1〜5g、30〜90メッシュであれば使用に供し得る。
【0062】
上述した実施例は、本発明における健康食品の一例に過ぎず、混合比率並びに構成素材・材料、更に工程は、上述のものには限られない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】細胞膜の構造図。
【図2】炎症に関わるアラキドン酸の代謝経路説明図。
【図3】藍藻(AFA)の細胞構造図。
【図4】MSMを含む硫黄の変換過程説明図。
【図5】藍藻(AFA)へのMSM及びアリシンの浸透図。
【図6】藍藻(AFA)中のビタミンB1及びアリシンの結合図。
【図7】体細胞への藍藻(AFA)の浸透図。
【図8】細胞質へのMSM、アリチアミン、AFA成分の浸透図。
【図9】ミトコンドリアへのMSM、アリチアミンの浸透図。
【図10】MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率による細胞及びミトコンドリアへの浸透性と細胞エネルギー産出効果。
【図11】MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の混合比率による、炎症の予防・緩和効果の評価図。
【符号の説明】
【0064】
1 細胞膜
2 リン脂質
3 構成蛋白質
4 周辺蛋白質
5 周辺蛋白質の糖鎖
6 細胞膜リン脂質のアラキドン酸
7 細胞質内へのアラキドン酸の遊離
8 エンドパーオキサイドプロスタグランジンG2、H2
9 プロスタグランジンI2、E2、F2
10 炎症、発熱、発痛
11 トロンボキサンA2
12 血栓形成、喘息発作
13 5−HPETE(5−ハイドロパーオキシイコサテトラエン)
14 ロイコトリエンA4,B4、C4,D4,E4
15 炎症、喘息発作
16 細胞壁
17 DNA
18 硫黄
19 ジメチルサルファイド(DMS)
20 ジメチルサルフォキサイド(DMSO)
21 ジメチルサルフォン(DMSO2)
= メチルサルフォニルメタン(MSM)及びMSMの化学式
22 MSM(浸透の促進)
23 アリシン(MSMと類似構造)
24 細胞質
25 AFA(MSM、アリチアミン)
26 老廃物の細胞外への排出
27 AFAからMSM、アリチアミン、AFA成分の細胞質内への移動
28 細胞質からMSM、アリチアミンのミトコンドリアへの移動
図10
A MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率の応用範囲
B MSM粉末及びガーリック粉末の混合比率の推奨範囲
C 重量比率MSM粉末9対ガーリック粉末1の点
D 重量比率MSM粉末7.5対ガーリック粉末2.5の点
E 重量比率MSM粉末2.5対ガーリック粉末7.5の点
F 重量比率MSM粉末1対ガーリック粉末9の点
図11
G MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の混合比率の応用範囲
H MSM及びガーリック混合粉末とAFA粉末の混合比率の推奨範囲
I 重量比率MSM及びガーリック混合粉末1対AFA粉末9の点
J 重量比率MSM及びガーリック混合粉末2.5対AFA粉末7.5の点
K 重量比率MSM及びガーリック混合粉末7.5対AFA粉末2.5の点
L 重量比率MSM及びガーリック混合粉末9対AFA粉末1の点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然由来のメチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアリシンを主成分とするガーリック粉末を一定の割合で配合し、さらにこの混合粉末にアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末を一定の割合で配合した混合粉末を、経口摂取により抗炎症作用を含む生体の新陳代謝を促進させることを特徴とするMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項2】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末とアリシンを主成分とするガーリ
ック粉末の混合比率は、重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項3】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアリシンを主成分とするガーリック粉末の混合粉末とアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末の混合比率は、重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項4】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、MSM純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分は0.2%以下、水分が0.3%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項5】
アリシンを主成分とするガーリック粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、主成分のアリシンを1g当たり5mg以上、水分が6%以下、灰分は5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項6】
アファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末は、少なくとも天然素材の30〜90メッシュの緑色粉末で、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項7】
健康食品として経口摂取し易いように、粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工したことを特徴とする請求項1乃至6に記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項1】
天然由来のメチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアリシンを主成分とするガーリック粉末を一定の割合で配合し、さらにこの混合粉末にアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末を一定の割合で配合した混合粉末を、経口摂取により抗炎症作用を含む生体の新陳代謝を促進させることを特徴とするMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項2】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末とアリシンを主成分とするガーリ
ック粉末の混合比率は、重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項3】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアリシンを主成分とするガーリック粉末の混合粉末とアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末の混合比率は、重量比で1対0.11〜9であることを特徴とする請求項1記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項4】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、MSM純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分は0.2%以下、水分が0.3%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項5】
アリシンを主成分とするガーリック粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、主成分のアリシンを1g当たり5mg以上、水分が6%以下、灰分は5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項6】
アファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末は、少なくとも天然素材の30〜90メッシュの緑色粉末で、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであることを特徴とする請求項1乃至3記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【請求項7】
健康食品として経口摂取し易いように、粉末状、及びタブレット状、カプセル状などに加工したことを特徴とする請求項1乃至6に記載のMSM、ガーリック及びAFAの混合粉末からなる健康食品。
【図2】
【図4】
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−105998(P2008−105998A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290203(P2006−290203)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(505132769)合資会社 ティーエム イースト (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(505132769)合資会社 ティーエム イースト (5)
【Fターム(参考)】
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