説明

N型カルシウムチャネルの活性の抑制による、抑鬱症を軽減させる方法

本発明は、抑鬱症を軽減させる方法に関するものであり、より詳細には、N型カルシウムチャネルの活性を抑制することにより、抑鬱症を軽減させる方法に関するものである。本発明に従い、N型カルシウムチャネルの活性を抑制する物質は、抑鬱症の治療に有用に使用することができる。また、N型カルシウムチャネルを使用して抗鬱剤をスクリーニングすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抑鬱症を軽減させる方法に関するもので、より詳細には、N型カルシウムチャネルに特異的に作用して活性を抑制することにより抑鬱症を軽減させる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景
電位依存性カルシウムチャネル(voltage−dependent calcium channel、VDCC)は神経伝達物質の分泌、膜興奮性及び遺伝子発現の調節において重要な役割を果たし、現在まで多くの種類の電位依存性カルシウムチャネルが明らかにされている(Catterall,Cell Calcium,1998年,第24巻,307−323頁)。電位依存性カルシウムチャネルは、α1、α2、β及びγのサブユニットで構成される多サブユニット構造を有し(Dunlapら,Trends Neurosci.,1995年,第18巻,89−98頁;De Waardら,Ion Channels,1996年,第4巻,41−87頁;Hofmannら,Rev.Physiol.Biochem.Pharmacol.,1999年,第139巻,33−87頁)、電気生理学的または薬学的性質によってL型、N型、P型、Q型、R型及びT型に分類される(Tsienら,Soc.Gen.Physiol.Ser.1987年,第41巻,167−187頁;Randall and Tsien,J.Neusci.,1995年,第15巻,2995−3012頁)。一般的に、L型、N型、P/Q型、R型は高い電位でチャネルが開き、T型の場合は低い電位でチャネルが開く特徴を持っている。電位依存性カルシウムチャネルのサブユニット中、α1サブユニットはカルシウムチャネルが作用するのに必須の役割を果たし、チャネルの性質を決める。現在までα1サブユニットの多くのサブグループをコードする6個の異なる遺伝子(α1A−α1F)が明らかにされている(Chin.,Exp.Mol.Med.,1998年,第30巻,123−130頁;Ertelら,Neuron,2000年,第25巻,533−535頁;Hofmannら,Rev.Physiol.Pharmacol.,1999年,第139巻,33−87頁)。
【0003】
インサイチューハイブリダイゼーション(in situ hybridization)を通じてネズミの脳に存在するα1サブユニットの存在有無を詳しく見てみると、α1Bサブユニットが中枢神経系の全般にわたって発現され、特に感情調節部位である背側縫線核(dorsal raphe)部位と青斑核(locus coeruleus)部位にも存在することが知られている(TanaKaら,Brain Res.Mol.Brain Res.,1995年,第30巻,1−16頁)。細胞内レベルで見れば、α1Bサブユニットは主に神経細胞のシナプス前神経終末に位置し、多様な神経伝達物質の分泌を調節する生理学的機能があり(Miller,Science,1987年,第235巻,46−52頁;Hirningら,Science,1988年,第239巻,57−61頁;Westenbroekら,J.Neurosci.,1995年,第15巻,6403−18頁)、その他にもシナプス前またはシナプス後でセロトニン及びノルエピネフリン受容体の抑制性調節機能に関与してシナプス内神経伝達を調節することが知られている(Okadaら,J.Neurosci.,2001年,第21巻,628−640頁;Rittenhous A.R.,J.Neurobiol.,1999年,第40巻,137−148頁;Sun,Q.Q.ら,J.Physiol.,1998年,第510巻,103−20頁)。
【0004】
最近、遺伝子ターゲティング方法によるN型カルシウムチャネルのα1Bサブユニットを欠乏させた変異マウスを利用して、インビボにおける侵害受容(nociceptor)情報の処理に関するN型カルシウムチャネルの正確な役割を特定する何種類かの遺伝的研究結果が報告された(Kimら,Mol.Cellular Neuroscience,2001年,第18巻,235−245頁;Saegusa,H.ら,EMBO J.,2001年,第15巻,2349−56頁;Hatakeyama,S.ら,Neuroreport,2001年,第8巻,2423−7頁)。前記文献によれば、α1B変異マウスは、機械的痛症、放射熱による痛症及び炎症性痛症に対して正常マウスより顕著に減少した痛症反応を示した。また、神経損傷によって惹起された無害刺激に対する痛症と熱に対する過敏痛症にも正常マウスより著しい減少を示した。したがって、N型カルシウムチャネルは、痛症を認識するのに重要な役割を果たすことが分かる。その他にも高架式十字迷路法(elevated plus maze test)を通じて、α1B変異マウスが正常マウスより不安感が軽減されているという研究結果が報告された(Saegusa,H.ら,EMBO J.,2001年,第15巻,2349−56頁)。しかし、抑鬱症のような感情障害に対して、N型カルシウムチャネルの正確な役割に関する薬理学的または遺伝的研究結果はいまだに報告されていない。
【0005】
それで、本発明者らは、N型カルシウムチャネルα1B遺伝子を欠失させた変異マウスを利用して、代表的感情障害である抑鬱症とN型カルシウムチャネルの生理学的機能との連関性を研究するために、多様な抑鬱症関連動物行動実験を実施した。そして本発明者らは、N型カルシウムチャネルの活性の抑制により抑鬱症の症状が軽減されることを見出して本発明を完成させた。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明の目的は、N型カルシウムチャネルの活性を抑制することにより抑鬱症を軽減させる方法を提供することである。
【0007】
また、本発明の目的は、N型カルシウムチャネルのα1B遺伝子またはそのタンパク質を利用して、抗鬱剤をスクリーニングする方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、N型カルシウムチャネルの抑制剤を有効成分として含む抗鬱剤を提供することである。
【0009】
好ましい態様の詳細な説明
本発明の上記目的を達成するために、本発明は、N型カルシウムチャネルの活性を抑制することにより抑鬱症を軽減させる方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、N型カルシウムチャネルのα1B遺伝子またはそのタンパク質を利用して、抗鬱剤をスクリーニングする方法を提供する
【0011】
さらに、本発明は、N型カルシウムチャネルの抑制剤を有効成分として含む抗鬱剤を提供する。
【0012】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0013】
I.本発明は、N型カルシウムチャネルの活性を抑制することにより抑鬱症を軽減させる方法を提供する
前記で、N型カルシウムチャネルの活性を抑制する方法には、N型カルシウムチャネルに特異的に作用して活性を抑制する物質を投与する、前記N型カルシウムチャネルに特異的に結合する抗体を投与する、N型カルシウムチャネルをコードする遺伝子の転写を抑制する、または転写されたN型カルシウムチャネル遺伝子の翻訳を抑制する方法などがあるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、前記で列挙した方法以外にもN型カルシウムチャネルの活性を抑制するすべての方法が使用できる。本発明の好ましい態様では、N型カルシウムチャネルをコードするα1B遺伝子がターゲットされたN型カルシウムチャネルを発現しないマウスを使用して、N型カルシウムチャネルの活性抑制と抗鬱との関係を調査した(図3及び図4参照)。
【0014】
本発明者らは、N型カルシウムチャネルが代表的感情障害である抑鬱症と関連しているかどうかを確認するために、α1B遺伝子ノックアウトマウス(大韓民国特許出願第2002−2343号)を使用して代表的な抑鬱症関連動物行動実験である強制水泳試験(forced swimming test)及び、尾部懸垂試験(tail suspension test)を実施した結果、強制水泳試験の場合、水を入れたビーカー中で15分間マウスを泳がせた時、正常マウスは初期5分から抑鬱症状である静止浮遊状態(immobile floating position)を示した。一方、α1B変異(ノックアウト)マウスは、15分間始終継続して水泳行動を示し、正常マウスより水の上に静止浮遊する時間が全般的に顕著に短いことを確認することにより、α1B変異マウスが正常マウスより抑鬱症が顕著に軽減した反応を示すことを確認した(図3参照)。また、尾部懸垂試験の場合にも強制水泳試験の場合と同様に、α1B変異マウスは正常マウスより顕著に減少した静止時間(immobilization time)を示した(図4参照)。前記で詳しく説明したように、N型カルシウムチャネルをコードする遺伝子がターゲットされたα1B変異マウスは、二つの抑鬱症関連行動実験で抗鬱反応を示した。
【0015】
最近になってセロトニン(serotonin)およびノルエピネフリン(norepinephrine)のようなモノアミン(monoamine)、ならびにペプチドであるサブスタンスP(substance P)の調節異常が抑鬱症と病理学的に関連性があり、神経伝達物質を調節する薬剤が現在、抑鬱症治療剤として開発されている(Okadaら,J.Neurosci.,2001年,第21巻,628−640頁;Rittenhous A.R.,J.Neurobiol.,1999年,第40巻,137−148頁;Sun,Q.Q.ら,J.Physiol.,1998年,第510巻,103−20頁)。前記N型カルシウムチャネル活性が抑制されたα1Bノックアウトマウスは、選択的セロトニン再取込抑制剤(selective serotonin reuptake inhibitors、SSRI)、三環系(tricyclics)、モノアミン酸化酵素抑制剤(monoamine oxidase inhibitors)、サブスタンスP(substance P)または、NK−1受容体抑制剤等の抗鬱剤を処置した場合と等しい行動反応を示す。セロトニン1A受容体変異マウスの場合は、正常マウスより不安感は高まっている一方、抑鬱症は軽減していることが知られている。ノルエピネフリントランスポーター変異マウスの場合も、正常マウスより減少した抑鬱症行動反応を示す(Ramboz,S.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1998年,第95巻,14476−81頁;Xu,F.ら,Nature Neuroscience,2000年,第3巻,465−471頁)。
【0016】
また、脊髓レベルでの痛症と関連して、N型カルシウムチャネルによって分泌すると知られているサブスタンスP(substance P)と、その受容体のNK−1受容体の機能を阻害すれば、抑鬱症または不安感などが軽減するという薬理学的、遺伝学的研究結果が報告された(Santarelli,L.ら,PNAS USA,2001年,第98巻,1912−17頁)。しかし、現在までN型カルシウムチャネルが抑鬱症と係わっているという研究結果は報告されていない。したがって、本発明者らが初めて遺伝子変異マウス利用した抑鬱症関連動物行動実験行い、N型カルシウムチャネルの活性の抑制による抑鬱症の軽減を明らかにした。
【0017】
感情調節機能と関連するその他のカルシウムチャネルの研究結果を詳しく見ると、L型カルシウムチャネル抑制剤である「ニモデピン(nimodepine)」が双極性障害(bipolar disease)中、超高速周期双極性障害(ultra−rapid−cycling bipolar)と反復性短期抑鬱症(brief recurrent depression)を緩和させる機能があり、カルシウムチャネルα2−デルタ抑制剤である「ガバペンチン(gabapentin)」及び「リチウム(lithium)」もこのような情緒障害を治療する候補物質になるという研究結果が報告された(Post,R.M.ら,Bipolar Disord.,2000年,第2巻,305−15頁;Goodnick,P.J.,Biopolar Disord.,2000年,第2巻,165−73頁)。しかし、抑鬱症と係わるカルシウムチャネルのインビボでの機能に対しては、本発明の研究結果以外には全く報告されておらず、本発明者らが初めて、N型カルシウムチャネルの活性抑制が抑鬱症軽減と関連することを明らかにした。
【0018】
結論として、α1Bタンパク質の発現を抑制してN型カルシウムチャネルの活性を阻害すれば、抗鬱反応がもたらされる。したがって、N型カルシウムチャネル遺伝子の活性を抑制する物質または前記遺伝子の産物であるN型カルシウムチャネルの活性を抑制する物質が抑鬱症治療剤として使用できることが示唆される。
【0019】
II.本発明は、N型カルシウムチャネルのα1B遺伝子またはそのタンパク質を利用して抗鬱剤をスクリーニングする方法を提供する
α1Bの活性を抑制する物質が見出されれば、その物質は抗憂鬱剤として使用できる。したがって、タンパク質の活性を抑制する物質をスクリーニングする公知の方法によって、α1Bの活性を抑制する物質をスクリーニングすることができる。α1Bの活性を抑制する物質をスクリーニングする一般的な方法は、以下の工程を含む:
1)α1B構造遺伝子及びレポーター遺伝子を含むベクターを宿主細胞にトランスフェクトして形質転換体を得る工程;
2)前記形質転換体とスクリーニングする検体とを、共に培養する工程;及び
3)レポーター遺伝子の発現量を測定する工程。
【0020】
前記でレポーター遺伝子として使用できる遺伝子として、LacZ、GFP、ルシフェラーゼ(luciferase)等を使用できるが、必ずしもこれらに限定されないことは当業者においては明白なことである。
【0021】
III.本発明は、N型カルシウムチャネルの抑制剤を有効成分として含む抗鬱剤を提供する
前記で、N型カルシウムチャネルの抑制剤は、N型カルシウムチャネルに特異的に作用して活性を抑制する化合物、前記N型カルシウムチャネルに特異的に結合する抗体、N型カルシウムチャネルをコードする遺伝子の転写を抑制する物質、転写されたN型カルシウムチャネル遺伝子の翻訳を抑制する物質等があるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記で列挙した物質以外にも、N型カルシウムチャネルの活性を抑制するすべての物質が使用可能である。
【0022】
前記N型カルシウムチャネルの抑制剤は、臨床投与時に経口または非経口で投与が可能で一般的な医薬品製剤の形態で使用可能である。好ましい薬剤学的製剤としては、錠剤、硬質または軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤等の経口投与用製剤、注射用溶液または懸濁液のような非経口投与用注射剤等があり、これら薬剤学的製剤は薬剤学的に許容可能な通常の担体、例えば経口投与用製剤の場合には賦形剤、結合剤、崩解剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、保存剤または増量剤等を、注射剤の場合には、普通に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤等の稀釈剤または賦形剤等を使用して調剤することができる。また、非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、油剤、凍結乾燥製剤、坐剤を含むことができる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレイン酸のような注射可能なエステル等が使用可能である。坐剤の基材には、ウィテプソール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチン等が使用可能である。
【0023】
また、前記N型カルシウムチャネルの抑剤剤は、生理食塩水または有機溶媒と共に薬剤に許容された様々な担体(carrier)と混合して使用可能であり、安全性や吸水性を増加させるためにグルコース、スクロースまたはデキストランのようなカーボハイドレート、アスコルビン酸(ascorbic acid)またはグルタチオンのような抗酸化剤(antioxidant)、キレート物質(chelating agent)、低分子タンパク質または他の安定化剤(stabilizer)が薬剤に使用可能である。
【0024】
本発明の薬学的組成物で、N型カルシウムチャネル抑制剤の総有効量は巨丸剤(bolus)形態あるいは相対的に短期間の注入剤(infusion)等によって単回投与量(single dose)で患者に投与することができる。また、多回投与量(multiple dose)を長期間投与する分割治療方法(fractionated treatment protocol)によって投与することができる。前記N型カルシウムチャネルの抑制剤の濃度は、薬の投与経路及び治療回数だけではなく患者の年齢及び健康状態など多様な要因を考慮して患者の有効投与量が決められ、このような点を考慮する時、この分野の通常的な知識を持つ者であれば、本発明のN型カルシウムチャネル抑制剤の有効投与量を決めることができる。
【0025】
前記N型カルシウムチャネルの抑制剤の好ましい有効用量は、注射剤の場合は、0.014〜0.14μg/kg、経口投与剤の場合は、0.14〜1.4μg/kgで一日に1〜6回投与することができる(Richard D.P.and Judith A.P.Pain,2000年,第85巻,291−296頁)。
【0026】
本発明の好ましい態様の適用については、添付の図面を参照して最も良く理解される。
【0027】
実施例
本発明の実際の態様および目下の好ましい態様は、以下の実施例で示すように例証である。
【0028】
但し、当業者はこの開示を考慮し、本発明の精神及び範囲内において改変や改良を加えてもよい。
【0029】
実施例1:α1B遺伝子ノックアウトマウスの作製
<1−1>カルシウムイオンチャネルα1B遺伝子を欠失したターゲティングベクターの作製
本発明者らは、カルシウムイオンチャネルα1B遺伝子が欠失した遺伝子ノックアウトマウスを作製するために、一般的に使われる遺伝子ターゲティング法(gene targeting method)を利用した。まず、α1B遺伝子を含むマウスゲノムDNAを得るために129/svマウスゲノムDNA断片を無作為に挿入させたバクテリオファージラムダFIX II(bacteriophage lamda FIX II)ライブラリー(Stratagene)をα1BラットcDNA(AUG〜720bp、Dr.Jin HM(NIH)から得た)をプローブに使用してスクリーニングした。前記スクリーニングを通じてα1B遺伝子IS(intervening segment)1−3コード領域を含む18.4kbゲノムDNAを持ったバクテリオファージクローンを得、多様な制限酵素を利用して制限酵素地図を完成した後、ターゲティングベクターを作るのに使用した。基本ベクターは、pBluescript II KS(+/−)(Stratagene)を基本ベクターに使用し、pEGFP−1ベクター(Clonetech)からSV40−ポリAを含むGFP(green fluorescent protein)遺伝子を切り取ってエクソン(アミノ酸158)を含むBamHI−タグIS2に融合した。pLNTベクター(Sugitaui Nodaから得た)からPGK−neo遺伝子を切り取ってGFP遺伝子の下流に連結した。
【0030】
その結果、本発明で作製したターゲティングベクターは、IS3部分を欠失させ、陽性選別のためのGFP−NEOカセットで置換した。そして、陰性選別のためのHSB−tk遺伝子は、5’−相同領域の5’末端に連結した(図1)。
【0031】
<1−2>胚幹細胞へのトランスフェクション
前記実施例<1−1>で作製したターゲティングベクターをトランスフェクトするための細胞株にJ1胚幹細胞株を使用した。胚幹細胞培養と胚操作は以前の文献と同じ方法で実施した(Kimら,Nature,1997年,第389巻,290−293頁)。J1胚幹細胞(米国、MITのR.Jeanischから分与を受ける)をES培地[15%牛胎児血清(fetal bovine serum、Hyclone社)、1×ペニシリンストレプトマイシン(phenicillin−streptomycin、Gibco社)、1×非必須アミノ酸(Gibco社)、DMEM培地(Gibco社)]に接種して37℃で2〜3日間培養した。前記培養から得た胚細胞群に0.25%トリプシンを含んだ1mM EDTA溶液を加えて単一細胞を得た。
【0032】
前記で単一細胞に分離した胚幹細胞に実施例<1−1>で作製したターゲティングベクターをトランスフェクトするためにエレクトロポレーション(electroporation)を実施した。詳細には、分離した単一の胚幹細胞2×10個/mlと作製例<1−1>のターゲティングベクターDNA25μgを添加して混合した後、270V/500microF条件下でエレクトロポレーションを実施した。ターゲティングベクターを導入した胚幹細胞を0.3mg/ml G418及び2μMのガンシクローバ(gancyclovior)が含まれたES培地で5〜7日間培養して胚幹細胞内カルシウムイオンチャネルα1B遺伝子がターゲティングベクターによって正確にターゲットされた胚幹細胞クローンを選別維持した。カルシウムイオンチャネルα1B遺伝子の欠失が確認された胚幹細胞クローンを再びES培地に分注して、18〜22時間培養した後、トリプシンを処理して単一細胞に分離し、生存した細胞のみを選んで微量注入に使用した。
【0033】
<1−3>キメラ(chimera)マウスの作製
カルシウムイオンチャネルα1B+/−の遺伝子型を持つキメラマウスを作製するために、受精した胞胚に前記実施例<1−2>で選別した胚幹細胞クローンを微量注入した。詳細には、C57BL/6Jマウス(Jackson Laboratory、USA)メスとオスを交配し、交尾後3.5日(3.5 p.c.)のメスを頚椎脱臼法で屠殺した。屠殺したメスから子宮を摘出して子宮末端部をはさみで切除した後、1ml注射器を使用して20mM HEPES、10%牛胎児血清、0.1mM 2−メルカプトエタノール及びDMEMを含む注入溶液1mlを貫流させた。解剖顕微鏡下で微細ガラス管を使用して前記子宮組職から胞胚を分離した。分離した胞胚を35mmペトリ皿上にあらかじめ滴下しておいた注入溶液に移し、後続する導入過程に使用した。このように分離した胞胚に前記実施例<1−3>で選別した胚幹細胞クローンを導入するために、微量注入器(Zeiss社)を利用してホールディング(holding)ピペットで胞胚の内部細胞塊(inner cell mass)方向を陰圧でつかんだ状態で10〜15個の胚幹細胞クローンを吸入した注射ピペットを胞胚の包胚腔内に挿入した後、陽圧を与えて胚幹細胞クローンを胞胚の包胚腔内に注入した。前記クローンが注入された胞胚を、精管手術したオスと交配した2.5p.c.の仮妊娠代理母マウスの子宮に移植して胚幹細胞クローン(J1)及びC57BL/6Jマウスの胞胚から形成された異型細胞交雑種の一種であるキメラマウスの発生を誘導した。この時、子宮移植はアベルチン(avertine、1mg/kg体重)で麻酔した代理母の腹部を1cm位切除して;子宮上部をピンセットでつまんで2cm程度体外に引っぱり;注射針で子宮に穴を開けて、その穴を通じて前記の胞胚を微細ガラス管で注入し;内部腹腔膜を縫合糸で二針縫った後、外皮膚を内科用クリップで封入する方法を使用した。このように胚幹細胞を注入した胞胚を代理母マウスの子宮に移植して約19日間培養することにより胚幹細胞由来の細胞と胞胚由来の細胞とを融合し、ゲノム内にカルシウムイオンチャネルα1B+/−の遺伝子型を持つキメラマウスを得た。
【0034】
<1−4>α1B+/−異型接合マウスの作製
前記実施例<1−3>から得たオスキメラマウスをC57BL/6Jメスマウスと交配して子孫を得た。この中からカルシウムイオンチャネルα1B+/−の遺伝子型を持つ異型接合マウスを選別するために、次のようにPCR(polymerase chain reaction)を実施した。
【0035】
詳細には、ゲノムDNAを抽出するためにマウス尾部を1.5cm位の大きさで切り取った後、前記組職を溶解緩衝液(100mM トリスHCl(pH8.0)、5mM EDTA、200mM塩化ナトリウム及び0.2%SDS)0.4mlに入れて、そこに0.1mg/mlになるようにプロテイナーゼK(proteinase K)を入れた後、55℃で5時間処理した。前記反応液に、8Mカリウムアセテート75μlとクロロホルム0.4mlを加えてよく振った後、4℃で10分間放置した。前記反応液を15、000rpmで遠心分離した。上清0.4mlをエチルアルコール1mlに入れてゲノムDNAを沈澱させた後、再び70%エチルアルコールで洗浄して乾燥させた後、蒸溜水50μlで溶解し、PCRに供した。
【0036】
前記のように抽出したマウスゲノムDNA 1μlを鋳型に使用して配列番号:1で記載されるプライマー1、配列番号:2で記載されるプライマー2及び配列番号:3で記載されるプライマー3を各々10pmolで使用してPCRを実施した。ここで、プライマー1とプライマー2は、野生型カルシウムイオンチャネルα1B遺伝子の190bpDNA断片を増幅して、プライマー1及びプライマー3は、ターゲットされたカルシウムイオンチャネルα1B遺伝子の320bpDNA断片を増幅するように考案した。PCRの条件は、94℃で30秒間(変性段階)、58℃で30秒間(プライマーアニーリング段階)、72℃で30秒間(伸長段階)反応させることを40サイクル行った。これから得たPCR産物は、1.5%アガロースゲルに電気泳動した後、エチジウムブロマイド(ethidium bromide、EtBr)で染色して観察した。対照として野生型マウスからのDNA抽出物を使用した。
【0037】
その結果、190bpの大きさ(α1B遺伝子ターゲティングによる)と320bpの大きさ(野生型α1B遺伝子による)の二つの増幅されたバンドが示され、これによりカルシウムイオンチャネルα1B+/−の遺伝子型を持つ異型接合マウスであることを確認した(図2A、レーン3参照)。
【0038】
<1−5>α1B−/−同型接合マウスの作製
前記実施例<1−4>で選別したカルシウムイオンチャネルα1B+/−の遺伝子型を持つ異型接合マウスのメスとオスを交配してカルシウムイオンチャネルα1B−/−遺伝子型を持つ同型接合トランスジェニックマウスを得た。作製したトランスジェニックマウスがゲノム内カルシウムイオンチャネルα1B−/−遺伝子型を持つかどうかを確認するためにサザンブロット分析及びPCRを実施した。トランスジェニックマウスでカルシウムイオンチャネルα1Bタンパク質が発現されないことを確認するためにウエスタンブロット分析を実施した。
【0039】
まず、サザンブロット分析をするために前記実施例<1−4>と同じ方法でトランスジェニックマウスの尾部の組職からゲノムDNAを分離した後、制限酵素EcoRIで切断した。前記マウスDNAに対して実施例<1−1>のDNAから得たボックス部分(□)断片(図1のC)をプローブに使用してハイブリッド反応を実施した。この時対照群には野生型マウスから抽出したゲノムDNAとカルシウムイオンチャネルα1B+/−の遺伝子型を持つ異型接合トランスジェニックマウスから抽出したゲノムDNAを使用した。
【0040】
その結果は、図2Bに示す。図面でレーン1及びレーン2は、対照群の野生型マウス(+/+)、レーン3からレーン5は異型接合マウス(+/−)、レーン6及びレーン7は同型接合マウス(−/−)のゲノムDNAを示し、8.0kbバンドは野生型カルシウムイオンチャネルα1B遺伝子から由来したもので、14.5kbバンドはターゲットされたカルシウムイオンチャネルα1B遺伝子から由来したものである。図面に見られるように、作製されたトランスジェニックマウスは、14.5kbバンドだけが見られ、このことからカルシウムイオンチャネルα1B−/−の遺伝子型を持っていることを確認した。
【0041】
次に、PCR分析のために、本発明者らは前記実施例<1−4>と同じ方法でトランスジェニックマウスの尾部の組職からゲノムDNAを分離した後、このゲノムDNA 1μlを鋳型に使用して実施例<1−4>と同じプライマーを使用してPCRを実施した。
【0042】
その結果、野生型マウス(+/+)では、190bpのバンド一つだけ観察され、異型接合マウス(+/−)では、190bpと320bp二つのバンドが観察された。また、本発明の同型接合トランスジェニックマウスでは、320bpバンド一つだけが観察され、前記同型接合トランスジェニックマウスがカルシウムイオンチャネルα1B−/−の遺伝子型を持っていることを確認した(図2A)。
【0043】
第三に、カルシウムイオンチャネルα1B−/−遺伝子の遺伝子型を持っている本発明のα1Bノックアウトマウスで実際にカルシウムイオンチャネルα1B遺伝子が発現されないことを確認するために、ウエスタンブロット分析(western blot analysis)を実施した。詳細には、野生型マウスと同型接合トランスジェニックマウスを頚椎脱臼法で屠殺した後、頭蓋骨を切開して大脳(cerebrum)を分離した。分離した大脳組職をタンパク質分解抑制剤が含まれた溶解額(50mM トリスHCl(pH7.4)、1mM EGTA、1mM DTT及び1mM PMSF、タンパク質分解抑制混合液(Boehringer Mannheim)、カルパイン(calpain)抑制剤IとII)に入れて粉砕した。前記組織液を1、000rpmで5分間遠心分離して上清と沈殿物を分離した後、上清のみを取って再び28、000rpmで15分間遠心分離して粗細胞膜タンパク質画分を得た。前記細胞膜タンパク質画分を8〜16%SDS PAGE勾配ゲルで分離してニトロセルセルロース膜(nitrocellulose membrane、PROTRAN、Schleicher & Schuell社)にブロットし、アフィニティー精製ポリクローナル抗体α1B(CW21、Vanceら、J.Biol.Chem.,1998年、第273巻、14495−502頁)と化学発光により可視化した。
【0044】
その結果を、図2のCに示す。α1Bタンパク質はα1B−/−の脳では検出されず、野生型(+/+)マウスの脳で検出された。したがって、本発明のα1Bノックアウトマウスでカルシウムイオンチャネルα1Bタンパク質が発現していないことが確認された。本発明者らは、前記カルシウムイオンチャネルα1B+/−遺伝子型を持つトランスジェニックマウスの胚(embryo)を2002年1月8日付で韓国生命工学研究院遺伝子バンク(Korean Collections for Type Cultures of Korea Research Institute of Bioscience and Biotechnology)に寄託した(アクセッション番号;KCTC 10158BP)。
【0045】
実施例2:N型カルシウムチャネルが抑鬱症に及ぼす影響の研究
N型カルシウムチャネルが除去されたα1Bノックアウトマウス(アクセッション番号;KCTC 10158BP)の抑鬱症関連行動実験に対する反応を観察するために、本発明者らは、前記マウスと対照群マウスを使用して強制水泳試験と尾部懸垂試験を実施した。すべての動物は、温度、湿度を調節した環境で食べ物と水に自由に近付くことができるようにし、夜昼12時間のサイクルで8時に朝が始まる条件下で飼育した。F1マウスのメス、オスすべて実験に使用した。8〜10週齢のマウスを使用した。すべての行動実験は、単一盲検法(blind test)によって行った。すべての抑鬱症関連行動試験は、24時間周期の影響を最小化するために朝9時から正午の間に実施し、すべてのマウスは各実験に一回のみ使用した。
【0046】
<2−1>強制水泳試験に対する静止反応の減少
強制水泳試験は、ポソルトらの文献を参考にして一部変形した方法で実施した(Posolt,R.D.ら,Eur.J.Pharmacol.,1978年,第47巻,379−391頁)。詳細には、本発明者らは、4リットルのプラスチックビーカー(13cm×25cm)に深さ15cmに水を満たして、α1Bノックアウトマウスと対照群(野生型)マウスに水泳を強制させて避けることができないストレスによる抑鬱症を誘発させた。抑鬱症行動反応に反映される静止浮遊した時間を測定した。総15分間測定し、5分間隔でデータを集計して平均値を分析に使用した。
【0047】
その結果、強制水泳試験でマウスは、15分間水が入ったビーカー中で泳がせた時、野生型マウスは初期5分から抑鬱症状である静止浮遊状態(immobile floating position)を示した。一方、α1Bノックアウトマウスは15分間始終続けて泳ぐ行動を示し、野生型マウスより水の上に静止浮遊する時間が全般的に顕著に短かった。前記事実から、α1Bノックアウトマウスは野生型マウスより抑鬱症が軽減した反応を示すことを確認した(図3参照)。
【0048】
<2−2>尾部懸垂試験
尾部懸垂試験は、ステルらの文献を参考にして実施した(Steru,L.ら,Psychopharmacology,1985年,第85巻,367−370頁)。具体的に、動物をそれぞれ35cm×40cmの筒中に、底からマウスの頭部が25cmの高さに位置するように尾部をテープで巻いた後、金属棒中央で7分間ぶら下げることを実施し、ビデオで撮影して単一盲検法により静止時間を測定した。初期1分間は、激しい行動を示す時期で初期1分を除いた6分間抑鬱症行動反応に表される静止時間を集計して平均値を分析に使用した。
【0049】
その結果、尾部懸垂試験の場合にも強制水泳試験の場合と同様にα1Bノックアウトマウスは野生型マウスより顕著に減少した静止時間(immobilization time)を示した(図4参照)。前記の結果から、α1Bノックアウトマウスは野生型マウスに比べて顕著に減少した静止反応を示すことから抑鬱症が著しく軽減していることを確認した。
【0050】
産業上の利用可能性
前記で詳しく見たように、N型カルシウムチャネルが欠失したトランスジェニックマウスは、野生型マウスより顕著に減少した抗鬱反応を示し、これは、前記N型カルシウムチャネル遺伝子の活性の抑制により抑鬱症を軽減できることを示唆する。したがって、前記N型カルシウムチャネル遺伝子の活性を抑制する物質、または前記遺伝子の産物であるN型カルシウムチャネルの機能を抑制する物質は、抑鬱症の治療剤として有用に使用可能である。
【0051】
上述に開示した概念及び特定の態様が、本発明の目的と同じ目的を実施するための改変されたまたは設計された他の態様の根拠として容易に利用されうることは当業者に理解されるものと思われる。当業者はまた、そのような等価の態様が、添付の特許請求の範囲に示されるような本発明の精神及び範囲から逸脱しないことも理解するものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】野生型α1B遺伝子座、ターゲティングベクター、及び分断された遺伝子座を示す模式図である。A:野生型α1B遺伝子座、B:IS3部分がGFP−Neoに置換され、tk遺伝子を含むターゲティングベクター、C:ターゲティングベクターによってターゲットされた遺伝子座、□:プローブに使用する断片。
【図2】図2Aは、野生型、異型接合、同型接合変異マウスのPCR結果を示す電気泳動写真である。レーン1:マーカー、レーン2:野生型(+/+)、レーン3:異型接合(+/−)、レーン4:同型接合(−/−)。図2Bは、野生型、異型接合、同型接合変異マウスのサザンブロット分析結果を示す電気泳動写真である。レーン1及び2:野生型(+/+)、レーン3〜5:異型接合(+/−)、レーン6及び7:同型接合(−/−)。図2Cは、野生型およびトランスジェニックマウスからの脳組織のウエスタンブロット分析結果を示す電気泳動写真である。レーン1:野生型マウス(+/+)の小脳、レーン2:遺伝子変異マウス(−/−)の小脳、レーン3:野生型マウス(+/+)の大脳、レーン4:遺伝子変異マウス(−/−)の大脳。
【図3】野生型マウスとα1Bノックアウトマウスの強制水泳試験結果を示すグラフである。
【図4】野生型マウスとα1Bノックアウトマウスの尾部懸垂試験結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N型カルシウムチャネルの活性を抑制することにより抑鬱症を軽減させる方法。
【請求項2】
N型カルシウムチャネルのα1Bの活性を抑制することにより抑鬱症を軽減させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
N型カルシウムチャネルの活性抑制が、N型カルシウムチャネルに特異的に作用して活性を抑制する物質を投与することにより達成される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
N型カルシウムチャネルの活性抑制が、N型カルシウムチャネルに特異的に結合する抗体を投与することにより達成される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
N型カルシウムチャネルの活性抑制が、N型カルシウムチャネルをコードする遺伝子の転写を抑制することにより達成される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
N型カルシウムチャネルの活性抑制が、転写されたN型カルシウムチャネル遺伝子の翻訳を抑制することにより達成される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
N型カルシウムチャネルの抑制剤を有効成分として含む、抗鬱剤。
【請求項8】
N型カルシウムチャネルのα1Bの抑制剤を有効成分として含む、請求項7記載の抗鬱剤。
【請求項9】
N型カルシウムチャネルの抑制剤が、N型カルシウムチャネルに特異的に作用して活性を抑制する化合物、前記N型カルシウムチャネルに特異的に結合する抗体、N型カルシウムチャネルをコードする遺伝子の転写を抑制する物質、及び転写されたN型カルシウムチャネル遺伝子の翻訳を抑制する物質からなる群より選択される、請求項7記載の抗鬱剤。
【請求項10】
α1B遺伝子またはそのタンパク質を用いて抗鬱剤をスクリーニングする方法。
【請求項11】
以下の工程を含む、請求項10記載の抗鬱剤のスクリーニング方法:
1)α1B構造遺伝子及びレポーター遺伝子を含むベクターを宿主細胞にトランスフェクトして形質転換体を得る工程;
2)前記形質転換体とスクリーニングする検体とを、共に培養する工程;及び
3)レポーター遺伝子の発現量を測定する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−509737(P2006−509737A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545052(P2004−545052)
【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002159
【国際公開番号】WO2004/035087
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(595001181)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (25)
【Fターム(参考)】