説明

NFCセンサアンテナ

【課題】市販されているICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナの整合特性を改善し、13.56MHzを利用したICカードとのデータ通信性能を向上させるNFCアンテナ整合器を有したNFCセンサアンテナを提供することを目的とする。
【解決手段】アンテナコイルが配線されたプリント基板、磁性体シート、金属板を貼り合わせたNFCアンテナ部と、プリント基板上に送受信用IC素子と周辺回路素子からなる通信部が構成された13.56MHzの周波数帯域を使用するICカード、タグ及びICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナであって、アンテナコイルとのインピーダンス整合を行うNFCアンテナ整合器の共振周波数が13.56MHzとなるアンテナコイルのインピーダンス値が、抵抗成分が5〜20Ω、リアクタンス成分が200〜300Ωであることを特徴とするNFCセンサアンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID規格(ISO/IEC14443、15693、18092)に準拠した周波数13.56MHzを使用したICカード、タグおよびICカード読取/書込装置のNFCアンテナのインピーダンス整合特性を改善するNFCアンテナ整合器を有したNFCセンサアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている13.56MHz帯の周波数を使用するICカードやRFIDタグとICカード読取/書込装置との間のデータ通信を行う場合、RFIDタグに関する互換性を確保する近接型通信インターフェース実装に関する規約が非特許文献1に開示されており、その中には互換性評価試験方法等が紹介されている。この評価試験で互換性を達成した製品が流通している。
【0003】
図6は、ICカードとICカード読取/書込装置との間のデータ通信の動作原理図である。ICカードは、ICカード読取/書込装置のアンテナコイルの電磁誘導による電力供給とデータ通信が行われる。
【0004】
図7は、RFID規格(ISO/IEC14443)のICカードのTypeA、TypeBそれぞれのデータ通信の周波数帯域を示している。ICカード読取/書込装置からNFCアンテナを介して搬送周波数13.56MHzに共振周波数の設定することでICカードやRFIDタグには、電磁誘導による電圧が発生し電力供給がなされる。
【0005】
TypeA、TypeB、及びTypeCのICカーから読取/書込されるデータ信号は、最初にASK変調(Amplitude Shift Keying)した後、更に搬送周波数13.56MHzに合成する負荷変調を行うことで13.56MHz±340KHzの副搬送波にデータを乗せた信号波を送受信することでデータ通信が行なわれる。しかしTypeBのICカードの場合は、アップリンクの際はBPSK変調方式(Binary Phase Shift Keying)でデータ通信が行われ、13.56MHz±106KHzの副搬送波によってデータ通信が行われている。
【0006】
市販されているNFCアンテナは、この搬送周波数13.56MHzとデータ信号が含まれる13.56MHz±340KHzの副搬送波の周波数帯をカバーできるように共振特性(Q係数)を設定されている。例えば、特許文献1に開示されているNFC素子とアンテナとの結合するための方法が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−259200号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】近接型通信インターフェース実装規約書、財団法人ニューメディア開発協会、平成16年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、市販されているICカード読取/書込装置を使用して13.56MHzを利用した既存のICカードの交信距離の評価を行った所、市販されている汎用のICカード読取/書込装置ではTypeBのELWISEカードを読み取ることができなかった。原因として図8に示すように、ICカードをICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナにかざした時に、ICカードの金属板の影響でNFCセンサアンテナのインピーダンスが変動し、搬送周波数13.56MHzのピーク周波数値が高くなる方向へズレが生じてしまう。そのためQ特性の高いICカードでは、共振周波数が変動することで電力供給が低下し必要な起電力を得られないためデータ通信ができなくなる課題があった。
【0010】
本願発明は、上記課題を解決するためになされたもので一般に市販されているICカード及びICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナの整合特性を改善し、既存の13.56MHzを利用したICカードとのデータ通信性能を向上させるNFCアンテナ整合器を有したNFCセンサアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述の目的を達成するため、以下(1)〜(7)の構成を備えるものである。
【0012】
(1)アンテナコイルが周回状に複数ターン配線されたプリント基板と金属板との間に磁性体シートを挟み込むように貼り合わせて一体化して構成されるNFCアンテナ部と、前記プリント基板に実装された送受信用IC素子、及びその周辺回路素子からなる通信部とから構成され、13.56MHzの周波数帯域を使用するICカード、タグ及びICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナであって、該NFCセンサアンテナが前記アンテナコイルとのインピーダンス整合を行う複数の整合回路定数からなるNFCアンテナ整合器を有し、該NFCアンテナ整合器の共振周波数が前記周波数13.56MHzとなる前記アンテナコイルのインピーダンス値が、挿入抵抗を含む抵抗成分が5〜20Ω、リアクタンス成分が200〜300Ωの範囲内であることを特徴とするNFCセンサアンテナ。
【0013】
(2)前記アンテナコイルのインピーダンス値の使用範囲内に亘って前記NFCアンテナ整合器の複数の整合回路定数を計算により求めたインピーダンス値をグラフにすることで、該グラフより決まる前記整合回路定数とすることを条件として前記アンテナコイルのインピーダンス値を測定し、前記グラフに当てはめて整合回路定数を決定することを特徴とする前記(1)記載のNFCセンサアンテナ。
【0014】
(3)前記プリント基板上の前記アンテナコイルの共振周波数13.56MHzの場合に、前記挿入抵抗が1〜5Ωの範囲内であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のNFCセンサアンテナ。
【0015】
(4)前記NFCアンテナ部の前記金属板と、前記プリント基板に実装された送受信用IC素子、及びその周辺回路素子からなる通信部とが、同じ電位となるように共通の接地で接続されていることを特徴とする前記(1)乃至(3)いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【0016】
(5)前記NFCアンテナ部において、前記アンテナコイルを形成したプリント基板上には送受信用IC素子及びその周辺回路素子は一切実装せず、これらの部品を別基板に実装し、この基板とアンテナコイルの基板をアンテナ給電線で接続するようにし、磁性体シートと金属板を含めたアンテナ全体の厚みを薄くしたことを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【0017】
(6)前記磁性体シートの中央部分に窓のような切り欠きを入れ、前記プリント基板に実装される前記送受信用IC素子及びその周辺素子からなる前記通信部が、前記磁性体シートの切り欠きの中に収まることで厚みが更に緩和され、アンテナ全体を更に薄形となるようにしたことを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【0018】
(7)前記アンテナコイルのインピーダンス値を測定し、前記グラフに当てはめて整合回路定数を決定する際、予め金属板上で調整して金属面の影響を予め考慮することで、金属板を設ける必要がなくなり金属板の厚み分を薄くできることを特徴とする前記(1)乃至(6)いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記構成を有することで周波数13.56MHzを使用したICカード及びICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナのインピーダンス整合特性を改善することで、ICカードとのデータ通信性能が向上させるNFCアンテナ整合器を有したNFCセンサアンテナを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例の係るNFCセンサアンテナ図、(a)NFCセンサアンテナ外観図、(b)NFCセンサアンテナ回路図
【図2】本実施例の係るNFCセンサアンテナの整合回路定数、(a)整合回路定数(1)、(b)整合回路定数(2)
【図3】本実施例の係るNFCセンサアンテナと市販品との交信距離比較図
【図4】本実施例の係るNFCセンサアンテナの薄型構成例
【図5】本実施例の係るNFCセンサアンテナの別の薄型構成例
【図6】ICカードとICカード読取/書込装置との基本動作回路図
【図7】RFID規格のICカードの周波数特性
【図8】金属板の影響によるインピーダンスの変化を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0022】
本発明を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本実施例の係るNFCセンサアンテナである。図1(a)はNFCセンサアンテナの外観図である。図1(b)はNFCセンサアンテナの回路図である。図中において、1は四角あるいは矩形のプリント基板である。プリント基板1には一辺が25〜70mm程度の長さ(パソコンの場合40〜50mm角程度、携帯電話の場合25〜30mm角程度の大きさ)、厚さ0.4mm以下0.1mm程度のものを用いる。1aはプリント基板1に周回状に複数ターン配線し形成されたNFCアンテナコイルである。1bはプリント基板1に実装されたNFCの周辺回路素子である。8はプリント基板1に実装されたNFCの送受信用IC(例えばPN531、PN532、PN533等)を示す。整合回路を含む周辺回路素子1bの実装位置はこのIC周辺で行いこのプリント基板の領域7を7a、7bで示す。1cはパソコン等の機器のUSBと接続するための信号線である。2は磁性体シートで、大きさはプリント基板1とほぼ同じである。磁性体シート2の厚さは0.5mm程度以下で比透磁率は100以上のものを使用する。3は金属板で、大きさはプリント基板1と大体同じ、厚さは0.1mm程度、材質はアルミニウムやステンレスのものを使用する。銅箔やアルミ箔でもよい。プリント基板1、磁性体シート2、金属板3は接着剤でお互いに貼り合わせ一体化させている。4は本実施例に係るNFCセンサアンテナの本体である。
【0024】
RFID規格(ISO/IEC14443,15693,18092)のTypeA及びTypeCのICカードでは共振周波数13.56MHzと、13.56MHz±340KHzの副搬送波に負荷変調によりデータを乗せた信号波を送受信することでデータ通信が行なわれ、TypeBのICカードでは、アップリンクの際はBPSK変調方式でデータ通信が行われ、13.56MHz±106KHzの副搬送波によってデータ通信が行われている。ICカードをICカード読取/書込装置に付属するNFCセンサアンテナ4にかざすことで、電磁誘導によりICカードへの電力供給は共振周波数13.56MHzによって行われる。
【0025】
しかし、実際には図8に示すように、ICカードをICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナ4にかざした時に、金属板3の影響でNFCセンサアンテナ4のインピーダンスが変動して搬送周波数13.56MHzの周波数値が高くなる方向へズレが生じることが知られている。従ってQ特性の高いTypeBのICカードでは、共振周波数のズレにより電磁誘導による起電力が得られず、或いは起電力が得られても有効電力は大きく減少するためICカードとICカード読取/書込装置との間隔が狭い範囲に限定され、或いはデータ通信の周波数帯を外れることでデータ通信にエラーが生じてしまう。
【0026】
また、ICカードやICカード読取/書込装置のアンテナに貼り合わされた金属板3とプリント基板1のグランドとが接続されていない場合、プリント基板1と金属板3との間に浮遊容量が発生して共振周波数の変動要因となるため、金属板3とプリント基板1のグランドとの電位を共通にする接地が必要である。しかし、この共通接地の設定が市販のNFCセンサアンテナ4ではされていないため、インピーダンスが変化して共振周波数のズレが生じる原因でもある。そのため本実施例に係るNFCセンサアンテナ4では、図1(b)の回路図に示すように金属板3に共通接地を設けることで金属板3とプリント基板1のグランドとの電位を共通にする接地をおこなっている。
【0027】
次に、NFCセンサアンテナ4の整合回路定数を変更しアンテナインピーダンスの整合について検証する。図1(b)のプリント基板1上の、送受信用IC素子8とNFCアンテナコイル1aとの間の周辺回路素子1bに含まれるNFCアンテナ整合器の整合回路定数(Cs,Cp)を変更することにより検証した。
【0028】
図2(a)及び図2(b)はアンテナインピーダンス整合回路定数のグラフである。図1(b)のNFCセンサアンテナ4の回路図おいて、EMCフィルタ部の回路定数を考慮し、且つアンテナインピーダンスZaが所定の範囲内において整合させる(Zo=50Ωとする)ための整合回路定数(Cs,Cp)を計算してグラフ化したものである。このグラフを使えばアンテナインピーダンスZaを実測すれば簡単に整合回路定数が求められるため、複雑な計算式に値を代入して計算する必要がない。
【0029】
また、グラフに示した整合回路定数(Cs,Cp)の値を、この範囲に納まるように整合回路を組まなければ整合が取れない。周波数13.56MHzにおいて、アンテナインピーダンスZaの抵抗分が5Ω〜20Ω(Raを含む)、リアクタンス分が200Ω〜300Ωの値に設定してNFCセンサアンテナ4のインピーダンス整合を行うことで、より優れた送受信性能が得られる。
【0030】
図1(b)の回路図に示す挿入抵抗Raは、NFCアンテナコイル1aのQ特性を30以下に押さえるためのもので1〜5Ω程度(実際は約3Ω)でなければならない。この抵抗Raの働きによりNFCアンテナコイル1aの共振周波数のQ特性を30以下に押さえて、電界強度を低下させることなく有効な電力を供給できる共振周波数帯域が広く取れるQ特性を持つ。その結果、図2に示す整合回路定数(Cs,Cp)を最適な設定にすることで、多種多様な既存のICカード、ICタグに対して夫々の金属板3の影響による搬送周波数のズレ幅をカバーすることが可能となる。
【0031】
図3に示す市販のNFCセンサアンテナとの交信距離の比較表から、本実施例のNFCセンサアンテナ4はNFCアンテナ整合特性を改善するNFCアンテナ整合器によってデータ通信の交信距離を飛躍的に延ばすことが可能となり、更にデータ通信ができなかったTypeBのELWISEカードの読取/書込のデータ通信が可能となった。
【0032】
次に、NFCセンサアンテナ4を薄くする設定方法を示す。市販のNFCセンサアンテナ4の場合、図1(a)の外観図に示す形状が一般的である。
【0033】
図1(a)に示すアンテナ部を真横から見た側面図からプリント基板1と基板上の通信部の送受信用IC素子8と周辺回路素子1bと磁性体シート2と金属板3を含めたアンテナ全体の厚さは2mm以下(1.7mm程度)である。しかし、ICカードやICカード読取/書込装置のアンテナ部は、あらかじめ金属面上でNFCセンサアンテナ4の整合回路定数(Cs,Cp)を最適な設定に調整した場合には、金属面の影響が考慮されるので金属板3を当てる必要がなく、金属板3の厚み分を薄くすることができる。
【0034】
図4はNFCセンサアンテナ4のアンテナ部を薄くするための構成である。図4(a)は、プリント基板1には送受信用IC素子8及びその周辺回路素子1bは一切実装せず、これらの部品を別のプリント基板の領域7を設けてパソコン等の機器の本体基板に実装し、この送受信用IC素子8、及びその周辺回路素子1bの通信部が実装されたプリント基板の領域7からなる本体基板と、アンテナコイルのプリント基板1をアンテナ給電線1dで接続するようにした。図4(b)は図4(a)のアンテナ部を真横から見た図で、アンテナ全体の厚さを1mm以下(0.65〜0.7mm程度)に薄くすることができる。また、前述のように金属面上で調整した場合は0.55〜0.6mm程度となり更に薄くすることができる。
【0035】
図5にNFCセンサアンテナ4構成で別の構成例を示す。図1(a)に示す市販のNFCセンサアンテナ4との違いは、図5(a)に示すように磁性体シート2の中央部分に切り欠きを入れ、プリント基板1に実装する通信部(送受信用IC素子8およびその周辺回路素子1b)を磁性体シート2がある側の基板面に実装し、前記磁性体シート2aの切り欠きの中に収まるように構成した。図5(b)に示す磁性体シート2の厚みが0.38mm程度と薄い場合、IC素子の厚みが0.8mm程度であれば、図5(c)に示すように0.42mm程の空間を埋めるため約0.4mm厚プラスチック枠12をあてがってもよい。プラスチック枠12を用いる代わりに磁性体シート2の厚みを増やしてもよいが、磁性体は高価なので最低限の厚みの磁性体でカバーし、この磁路により磁界を通し金属面による影響を回避させ、余分な厚みは安価なプラスチックを用いた方が経済的である。
【0036】
上述したように実装部品の出っ張りや磁性体の厚み分を少なくすることでアンテナ全体の厚さが薄くすることが可能となる。更に、金属板(厚み約0.1mm)にも切り欠きを設け、この部分の厚みにも実装部分の突起が収まるようにすれば全体で約0.48〜0.5mm薄くすることもできる。
【0037】
磁性体シート2を薄くする例として、磁性体のグリーンシートを焼結し、プラスチックラミネートで固定した0.19mm厚の磁性体シート2を1〜2枚用いることができる。1枚の場合には磁路が狭く充分な特性が得られないが、2枚用いた0.38mm厚とする場合には充分な特性が得られる。0.19mmの磁性体1枚でも特性は劣るが通信距離10〜20mm程度であれば使用は可能である。0.3mm厚の磁性体シート2を1枚用いた場合は、前記の0.19mmの磁性体2枚重ねの特性に近い値が得られる。
【0038】
以上、本願発明は一般に市販されているICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナの整合特性を改善し、既存の13.56MHzを利用した既存のICカードとのデータ通信性能を向上させるNFCアンテナ整合器を有した高感度のNFCセンサアンテナを提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
Cs 整合回路定数
Cp 整合回路定数
Ra 抵抗
Za アンテナインピーダンス
1 プリント基板
1a NFCアンテナコイル
1b 周辺回路素子
1c 信号線
2 磁性体シート
3 金属板
4 NFCセンサアンテナ
7 IC周辺回路領域
8 NFC送受信用IC素子
12 プラスチック枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナコイルが周回状に複数ターン配線されたプリント基板と金属板との間に磁性体シートを挟み込むように貼り合わせて一体化して構成されるNFCアンテナ部と、前記プリント基板に実装された送受信用IC素子、及びその周辺回路素子からなる通信部とから構成され、13.56MHzの周波数帯域を使用するICカード、タグ及びICカード読取/書込装置のNFCセンサアンテナであって、
該NFCセンサアンテナが前記アンテナコイルとのインピーダンス整合を行う複数の整合回路定数からなるNFCアンテナ整合器を有し、
該NFCアンテナ整合器の共振周波数が前記周波数13.56MHzとなる前記アンテナコイルのインピーダンス値が、挿入抵抗を含む抵抗成分が5〜20Ω、リアクタンス成分が200〜300Ωの範囲内であることを特徴とするNFCセンサアンテナ。
【請求項2】
前記アンテナコイルのインピーダンス値の使用範囲内に亘って前記NFCアンテナ整合器の複数の整合回路定数を計算により求めたインピーダンス値をグラフにすることで、該グラフより決まる前記整合回路定数とすることを条件として前記アンテナコイルのインピーダンス値を測定し、前記グラフに当てはめて整合回路定数を決定することを特徴とする請求項1記載のNFCセンサアンテナ。
【請求項3】
前記プリント基板上の前記アンテナコイルの共振周波数13.56MHzの場合に、前記挿入抵抗が1〜5Ωの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のNFCセンサアンテナ。
【請求項4】
前記NFCアンテナ部の前記金属板と、前記プリント基板に実装された送受信用IC素子、及びその周辺回路素子からなる通信部とが、同じ電位となるように共通の接地で接続
されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【請求項5】
前記NFCアンテナ部において、前記アンテナコイルを形成したプリント基板上には送受信用IC素子及びその周辺回路素子は一切実装せず、これらの部品を別基板に実装し、この基板とアンテナコイルの基板をアンテナ給電線で接続するようにし、磁性体シートと金属板を含めたアンテナ全体の厚みを薄くしたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【請求項6】
前記磁性体シートの中央部分に窓のような切り欠きを入れ、前記プリント基板に実装される前記送受信用IC素子及びその周辺素子からなる前記通信部が、前記磁性体シートの切り欠きの中に収まるように前記プリント基板に実装することで厚みが緩和され、前記NFCアンテナ部を更に薄くしたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のNFCセンサアンテナ。
【請求項7】
前記アンテナコイルのインピーダンス値を測定し、前記グラフに当てはめて整合回路定数を決定する際、予め金属板上で調整して金属面の影響を予め考慮することで、金属板を設ける必要がなくなり金属板の厚み分を薄くできることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のNFCセンサアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−66627(P2011−66627A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214676(P2009−214676)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(599154663)株式会社スマート (18)
【Fターム(参考)】