説明

NOx除去性半透明コーティングに使用される組成物

本発明は、建設材料表面への半透明コーティングとして使用されるNO除去性組成物であって、該NO除去性組成物が、少なくとも、a)少なくとも脱NO活性を持つ光触媒性二酸化チタン粒子、b)脱HNO活性を持つ粒子、およびc)当該粒子がその中に分散されているところの、ケイ素に基づいた物質を含み、ここで当該光触媒性粒子が1〜50nmの範囲の結晶サイズを持ち、かつa)およびb)の粒子が当該組成物の全重量の20重量%未満の量で存在している、上記のNO除去性組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設材料表面に半透明コーティングとして使用される、光触媒性自己浄化特性を持つ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物およびコーティングの分野では、環境の汚染が、建物の外回り材料および屋外建造物の汚染という深刻な問題を起こしている。空気中に浮遊する粉塵および粒子は、好天候の際に建物の屋根および外壁上に堆積する。降雨に曝されると、堆積物は雨水とともに流れ、建物の外壁に沿って流れ落ちる。その結果、汚染物質は雨水の流れ跡に沿って付着する。表面が乾くと、汚れが縞模様に現れる。
【0003】
この問題を少なくともある程度解決するために、建設材料表面にコーティングを堆積することが既に提案されている。あるいは、当該コーティングはさらに、大気中の汚染物質に対する光触媒性自己浄化特性を示す。たとえば、酸化チタン光触媒性コーティングが、欧州特許第0901991号、国際特許出願公開第97/07069号、国際特許出願公開第97/10186号および国際特許出願公開第98/41480号に開示されている。
【0004】
もっと具体的には、半導体である二酸化チタン(TiO)は、(たとえば、紫外光からの)紫外線の放射を電子および正孔に転換し、これらは有害な有機化合物の無害な物質への分解を最終的に引き起こすことができる。典型的な大気汚染物質は、被覆された材料表面に吸着された、たとえば酸化窒素、オゾンおよび有機汚染物質である。有機汚染物質の濃度が、とりわけ強烈な日光の下で、比較的高いかも知れないが、材料の利用できる表面積もまた比較的高い、建て込んだ地域、たとえば市街地で、これは特に有利である。
【0005】
しかし、そのように形成された酸化された化学種、たとえば水および酸素の存在下にNOおよびNOとTiO/紫外光との反応から生成されるHNOに付随する一つの問題は、材料の被覆された表面へそれが吸着されることであり、これは汚れおよび/または腐食の問題を引き起こしうる。
【特許文献1】欧州特許第0901991号公報
【特許文献2】国際特許出願公開第97/07069号公報
【特許文献3】国際特許出願公開第97/10186号公報
【特許文献4】国際特許出願公開第98/41480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来のコーティングよりも汚染除去特性、非汚染能力および顕著な耐久性が有意に改善されたコーティングの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚いたことに、本発明者らは、コーティングとして使用される特定の組成物によって、このような目的が有効に達成されることができることを発見した。
【発明の効果】
【0008】
したがって、本発明の目的は、材料の表面へコーティングとして施与されると、NOおよび任意的にVOC(すなわち、揮発性有機内容物、たとえばキシレンおよびベンゼン)を除去する、改善された特性を示す組成物を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、コーティングの半透明性を犠牲にすることなく、このような特性を与えることができる組成物を提供することである。
【0010】
本発明のさらにもう一つの目的は、材料の表面へコーティングとして施与されると、特に降雨によってまたは水で洗うことによって、汚染物質をそこから容易にはがすことができる組成物を提供することである。具体的には、基体の表面に施与されて膜を形成すると、該表面上に付着された汚染物質またはその誘導体が水によって容易に洗い流されることを、該組成物は可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
1の面に従うと、本発明は、建設材料表面への半透明コーティングとして使用されるNO除去性組成物であって、該NO除去性組成物が、少なくとも
a)少なくとも脱NO活性を持つ光触媒性二酸化チタン粒子、
b)脱HNO活性を持つ粒子、および
c)当該粒子がその中に分散されているところの、ケイ素に基づいた物質
を含み、ここで当該光触媒性粒子が1〜50nmの範囲の結晶サイズを持ち、かつ粒子a)およびb)が当該組成物の全重量の20重量%未満の量で存在している、上記のNO除去性組成物に関する。
【0012】
他の面に従うと、本発明は、材料の表面に大気汚染物質に対する自己浄化特性を与える方法において、少なくとも
− 材料の表面上に本発明に従う組成物を施与すること、および
− 当該組成物を乾燥または硬化して、半透明コーティング系を付与すること
の段階を含む、上記方法に関する。
【0013】
光触媒性二酸化チタン粒子
【0014】
本発明に従う組成物は、少なくとも脱NO活性を持つ、少なくとも分散された光触媒性二酸化チタン粒子を含み、ここでNOとはNOおよび/またはNOを意味する。特定の実施態様に従うと、当該光触媒性粒子は、脱VOC活性をも示す。
【0015】
本発明では、本明細書で使用される「脱NOおよび/または脱VOC」活性の語句は、NOおよび/またはVOC化学種をそれらのそれぞれの酸化された化学種、たとえばNOについてはHNOに変換する能力を言う。
【0016】
具体的には、本発明では、本明細書で使用される「光触媒性粒子」の語は、その物質の結晶の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップより高いエネルギー(すなわち、より短い波長)を持つ光(励起光)に曝露されたときに、価電子帯において電子の励起(光励起)を引き起こして、伝導帯電子および価電子帯正孔を生成することができるところの物質に基づいた粒子を言う。
【0017】
本発明に従う組成物に含有される光触媒性二酸化チタン粒子は、基本的にアナターゼおよびルチル形態の酸化チタン並びにこれらの混合物を包含する。とはいえ、アナターゼ型酸化チタンが、その高い光活性のためにとりわけ好まれる。
【0018】
コーティングの二酸化チタン粒子については、該粒子の性質は、好ましくは主としてアナターゼ結晶形態である。「主として」とは、コーティング組成物の二酸化チタン粒子中のアナターゼのレベルが50質量%超であることを意味する。コーティング組成物の粒子は、好ましくは80%超のアナターゼのレベルを示す。
【0019】
結晶化度および結晶相の性質は、X線回折によって測定される。
【0020】
コーティング中に取り込まれた結晶性二酸化チタン粒子は、1〜150nmの範囲、好ましくは2〜30nmの範囲、さらにより好ましくは5〜20nmの平均サイズを示す。該直径は、透過型電子顕微鏡法(TEM)およびまたXRDによって測定される。
【0021】
好まれる光触媒粒子は、BET法によって測定された、たとえば30m/gより高い、好ましくは50m/gより上、最も好ましくは約100m/gより大きい、グラム当りの高い表面積を持つ。
【0022】
対照的に、慣用のTiO顔料、すなわち光触媒特性を持つもの、のグラム当り表面積は、約1〜30m/gである。光触媒粒子のはるかにより小さい粒子および微結晶の違いが、はるかにより高い表面積を生み出す。
【0023】
本発明に特に便利なのは、Millennium Inorganic Chemicals社によってS5−300Bの名称の下に販売されている光触媒性TiOである。
【0024】
光触媒活性を持つ粒子は、当該組成物の全重量の0.1〜15重量%、好ましくは1〜12重量%、最も好ましくは2〜10重量%の(乾燥物で表現された)量で加えられる。
【0025】
特に、本発明に従う組成物は、光触媒性粒子を少なくとも5重量%含む。
【0026】
特定の実施態様に従うと、光触媒性粒子は、脱VOC除去特性をも示すことができる。
【0027】
水中への分散によって調製されたゾルとして、水含有若しくは溶媒含有ペーストとして、または粉体として、光触媒性二酸化チタン粒子は使用されることができる。ゾルを調製するために使用される分散剤の好まれる例は、水、アルコール、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびイソブタノール、並びにケトン、たとえばメチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンを含む。
【0028】
脱HNO粒子
【0029】
NO粒子から光触媒作用によって生成された、酸化された化学種であるHNOを除去するための分散粒子を、本発明に従う組成物は含む。第二のタイプのこれらの粒子は、「HNO除去性粒子」または脱HNO粒子と呼ばれる。
【0030】
脱HNO粒子の例証となる例は、塩基性化合物、特に任意の不溶性炭酸塩、たとえば炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウムおよびこれらの混合物を含む。とりわけ、このような化合物の好まれる例は、炭酸カルシウムを含む。その量については、特別の制限は課されないが、HNOのそのアルカリ塩への変換を達成するために十分でなければならず、第二に、それを含むコーティングと相容性でなければならない。当該組成物の全重量の0.05〜15重量%、特に0.1〜2重量%の(乾燥物で表現された)量が、特に好都合でありうる。
【0031】
脱HNO粒子/光触媒性粒子の比は、0.05〜2、特に0.1〜1、より特に0.2〜0.8で変動することができる。
【0032】
当該粒子、すなわち脱HNO粒子および光触媒性粒子は、本発明に従う組成物の全重量の20重量%未満、特に15重量%未満、より特に12重量%未満の(乾燥物で表現された)量で該組成物中に含まれる。
【0033】
ケイ素に基づいた成分
【0034】
これまでに開示された粒子がその中に閉じ込められているところの、ケイ素に基づいた成分を、本発明の組成物は含有する。
【0035】
具体的には、本発明では、本明細書で使用される「ケイ素に基づいた物質」の語は、シリカに基づいた任意の物質またはその混合物を言い、これはコーティングに好都合な、ケイ素に基づいた膜を与える能力がある。
【0036】
ケイ素に基づいた物質は、好都合にポリシロキサン重合体膜を与える。
【0037】
1の実施態様に従うと、ケイ素に基づいた物質は、特に式

を持つ、少なくとも1のポリシロキサン誘導体を含み、
この式で、
− nは、40〜70%の範囲の重量百分率固形分を持つ、ポリシロキサンの水性分散体を与える値を持ち、かつ
− RおよびRは、1〜20の炭素原子のアルキル基またはアリール基、たとえばフェニルである。
【0038】
典型的には、nの値は、約50〜2000の範囲である。
【0039】
実例となるRおよびR基は、アルキル基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルブチル、オクチル)、シクロアルキル基(たとえば、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(たとえば、ビニル、ヘキセニル、アリル)、アリール基(たとえば、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ジフェニル)、アラルキル基(たとえば、ベンジル、フェニルエチル)、その中の炭素に結合された水素の一部若しくは全部が(たとえば、ハロゲン原子若しくはシアノで)置換されているところの、前記の基のいずれか、または、例としてアミノ基、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、カルボキシル基(−COOH−)若しくはスルホニル基(−SO−)(たとえば、クロロメチル、トリフルオロプロピル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル)で置換された、若しくはそれらを含有する基である。
【0040】
本発明に特に便利なのは、WACKER−Chemie会社によってWACKER BS 45の商標の下に販売されているポリシロキサンに係るものである。
【0041】
本発明に従う組成物中のポリシロキサンの含有量は、適当に決定されることができる。
【0042】
本発明に従う組成物は、少なくとも1の溶媒を含むことができる。
【0043】
本発明に使用できる溶媒の例は、水、有機溶媒、および水と有機溶媒とからなる混合溶媒を含む。水およびアルコールが特に好まれる。
【0044】
本発明に従う組成物は、任意的な成分を含有することができるが、ただし当該添加が貯蔵寿命、紫外線耐久性、半透明性または非汚染特性を損なわないことを条件とする。追加される当該化合物の例は、充填剤(一または複数の充填剤)、たとえば石英、方解石、粘土、タルク、重晶石および/またはNa−Al−ケイ酸塩;顔料、たとえばTiO、リトポンおよび他の無機顔料;分散剤、たとえばポリリン酸塩、ポリアクリレート、ホスホン酸塩、ナフテンおよびスルホン酸リグニン;湿潤剤、たとえばアニオン性、カチオン性、両性および非イオン性の界面活性剤;消泡剤、たとえばシリコンエマルション、炭化水素、長鎖アルコール等;安定剤、たとえばほとんどの場合にカチオン性化合物;合体剤、たとえばアルカリ安定性エステル、グリコール、炭化水素;レオロジー添加剤、たとえばセルロース誘導体(CMC、HEC)、キサンタンガム、ポリウレタン、ポリアクリレート、変性デンプン、ベントン(bentone(商品名))および他の層状ケイ酸塩;撥水剤、たとえばアルキルシリコネート、シロキサン、ワックスエマルション、脂肪酸Li塩並びに慣用の殺菌剤または殺生物剤を含む。
【0045】
本発明の組成物は、任意の適当な方法によって材料の表面上に施与されることができ、適当な方法の例は、吹き付け塗装、浸漬塗装、流し塗り、スピンコーティング、ロール塗り、刷毛塗り、およびスポンジ塗りを含む。
【0046】
基体の表面上に施与された後の組成物は、それから乾燥されまたは硬化されて、薄膜を形成する。本明細書で使用される「乾燥されまたは硬化され」の語句は、本発明に従う組成物中に含有されたケイ素に基づいた物質が、ケイ素膜に転化されることを意味する。したがって、乾燥は、空気乾燥あるいは熱乾燥によって遂行されることができる。あるいは、紫外線照射等が実施されて、前駆体がケイ素膜に転化されるまで重合が引き起こされることができる。
【0047】
本発明に従う組成物は、非常に多様な材料の表面に施与されることができる。
【0048】
該材料は特に限定されず、その例は、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、織布、並びに上記の材料の組み合わせおよび上記の材料の積層物を含む。該組成物が施与されることができる具体的な例は、住居、ビルディング材料;建物の外部;建物の内部;サッシ;窓ガラス;構造材料;機械および物品の外面;防塵カバーおよび防塵コーティング;並びにフィルム、シートおよびシールを含む。
【0049】
本発明の好まれる実施態様物を調製する際に、本発明の目的を促進するために各種の代替物が使用されることができる。
【0050】
以下の実施例が、本発明の理解を助けるために提供され、これらはいかなる様式においても本発明を限定することを意図するものでなく、かつそのように解釈されてはならない。本発明の開示を読んで当業者に明らかになりうるすべての代替事物、変形および均等事物は、本発明の精神および範囲内に包含される。
【実施例1】
【0051】
以下の物質を使用して、塗料が調製された。
− TiO(24重量%):Millennium Inorganic Chemicals社からのTiO S5−300B、
− ケイ酸ナトリウム:Ineos社からのケイ酸ナトリウム溶液 Crystal 79銘柄、SiOとして386g/l(リットル)であり、183g/l(リットル)まで希釈、
− U3(21重量%):Solvay社からの沈降炭酸カルシウム 21%固形分含有量まで水中に分散された、
− 1%MR:Hercules社からのヒドロキシエチルセルロース Natrosol MR、水中1%溶液、
− Foamaster NXZ:Cognis社からの消泡剤、
− Wacker BS45:Wacker Chemie社からのポリシロキサン重合体ラテックス、
− Texanol:Eastman Chemical社からの2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート。
【0052】
塗料は、AおよびBと称される2部に分けられて調製される。
【0053】
A部については、TiOゾルが水で希釈され、それからそれにケイ酸ナトリウム、炭酸カルシウムが加えられ、続いてヒドロキシエチルセルロースおよび消泡剤が加えられる。
【0054】
これら成分は、高せん断下に混合される。
【0055】
B部については、水がポリシロキサン重合体に加えられ、そしてこれのpHがそれから10.0に調節され、続いてケイ酸ナトリウムが加えられる。A部が、次に高せん断混合下にB部と混合される。最後に、Texanolが加えられる。
【0056】
このように調製された塗料の組成が、表1に記載される。
【表1】

表に記載された百分率は、市販製品、すなわち乾燥物プラス溶媒において表現された百分率である。
【0057】
NOの測定は、Melinex(Mylar)の基体上に調製された10cm×1cmである塗膜について行われた。
【0058】
使用されるNOは30ppmのNOである。初期値の測定の後、フィルター付きキセノン光源を使用して300〜400nm領域の範囲の55W/mの紫外線を18時間、塗膜は照射された。NO測定については、300〜400nmの範囲の10W/mの紫外線を発光する紫外線蛍光管を用いて、サンプルは照射される。
【0059】
コーティングによるNO/NO除去率を測定するために使用される装置、製品および方法は、以下の通りである。
【0060】
1.装置
【0061】
酸化窒素分析器 SIGNAL 4000
紫外線ランプ 型式VL−6LM、365および312ナノメートル波長
− BDH社製
気密サンプル室
3流路ガス混合器
− 蘭国、Brooks Instruments社製
【0062】
2.ガス
【0063】
NO 酸化窒素
NO 二酸化窒素
NO NOとNOとの混合物
水蒸気を含有する圧搾空気
【0064】
3.方法
【0065】
測定の方法は以下の通りである。
1.分析器および排気ポンプのスイッチを入れる。排気管が大気に通じていることを確かめる。
2.放置暖機する。分析器が作動を開始する前に、いくつかの内部部品は作動温度に達する必要がある。この工程は典型的には周囲温度でのスタートから60分間かかり、そして作動条件が満たされるまでには「開始手順中」とのメッセージが表示されるだろう。
3.暖機後に、ガス混合器への空気および試験用ガスの供給を開始する。
4.メーカーの指示に従って、試験用ガスの供給のみに基づいて(ガス混合器への空気流路を閉じて)、分析器を較正する。
5.較正後に、ガス混合器への試験用ガスの供給を閉じる。
6.試験サンプルを試験室に入れ、そして試験室を密閉する。
7.空気および試験用ガスの両方を開き、そして分析器の出力によって示されるように、試験用ガスの所要のレベルに達するまでそれぞれを調節する。該レベルを記録する。
8.試験用ガスのレベルが所望の点になったときに、紫外線ランプを点ける。
9.照射されたサンプルの値が平衡に達するように、典型的には5分間まで放置する。
10.分析器に示された値を記録する。
11.「初期値」、すなわち紫外線なし、設定された期間の紫外線露光後の「最終値」、Δ値、すなわち初期値引く最終値、および削減率%、すなわち(Δ値/初期値)×100を報告する。
【0066】
結果は以下の表に提示される。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設材料表面への半透明コーティングとして使用されるNO除去性組成物であって、該NO除去性組成物が、少なくとも
a)少なくとも脱NO活性を持つ光触媒性二酸化チタン粒子、
b)脱HNO活性を持つ粒子、および
c)当該粒子がその中に分散されているところの、ケイ素に基づいた物質
を含み、ここで当該光触媒性粒子が1〜50nmの範囲の結晶サイズを持ち、かつa)およびb)の粒子が当該組成物の全重量の20重量%未満の量で存在している、上記のNO除去性組成物。
【請求項2】
光触媒性粒子が、アナターゼ型の酸化チタン、ルチル型の酸化チタンまたはこれらの混合物を少なくとも含んでいる、請求項1に従う組成物。
【請求項3】
二酸化チタン粒子が、主としてアナターゼ結晶型である、請求項3〜4のいずれか1項に従う組成物。
【請求項4】
結晶性二酸化チタン粒子が、1〜50nm、特に2〜30nm、より特に5〜20nmの平均サイズを示す、請求項3に従う組成物。
【請求項5】
光触媒性粒子が、30m/g超のグラム当たり表面積を持っている、請求項1〜4のいずれか1項に従う組成物。
【請求項6】
光触媒性粒子が、当該組成物の全重量の0.1〜15重量%、好ましくは1〜12重量%、最も好ましくは2〜10重量%の(乾燥物で表現された)量で存在している、請求項1〜5のいずれか1項に従う組成物。
【請求項7】
脱HNO粒子が、塩基性化合物を含んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に従う組成物。
【請求項8】
脱HNO粒子が、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛またはこれらの混合物を含んでいる、請求項7に従う組成物。
【請求項9】
脱HNO粒子が、当該組成物の全重量の0.05〜15重量%、特に0.1〜1重量%の量で存在している、請求項8に従う組成物。
【請求項10】
光触媒性二酸化チタン粒子および脱HNO粒子を、0.05〜1.2、特に0.1〜1、より特に0.2〜0.8の範囲の脱HNO粒子/光触媒性粒子の比で含んでいる、請求項1〜9のいずれか1項に従う組成物。
【請求項11】
ケイ素に基づいた物質が、ポリシロキサン膜を与える、請求項1〜10のいずれか1項に従う組成物。
【請求項12】
ケイ素に基づいた物質が、少なくともポリシロキサン重合体を含んでいる、請求項1〜11のいずれか1項に従う組成物。
【請求項13】
さらに溶媒を含んでいる、請求項1〜12のいずれか1項に従う組成物。
【請求項14】
材料の表面に大気汚染物質に対する自己浄化特性を与える方法において、少なくとも
− 材料の表面上に請求項1〜13のいずれか1項に従う組成物を施与すること、および
− 該組成物を乾燥または硬化して、材料上に透明コーティングを得ること
の段階を含む、上記方法。

【公表番号】特表2007−522923(P2007−522923A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550314(P2006−550314)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000226
【国際公開番号】WO2005/082810
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506259450)ミレニアム ケミカルズ ユーケー ホールディングス リミテッド (3)
【Fターム(参考)】