説明

OLEDを製作するためのプロセス

本発明は、層アセンブリを生成するための、層を基板に付着することによってOLEDを製作するプロセスと、OLED自体とに関する。
本発明は、発光デバイス、具体的にはOLEDを製作するためのプロセスを提供する目的に基づくものであり、それによって、材料が節約され、均一な発光層が製作される。
本発明は、層を基板に付着する工程を含んでおり、第1の導電性電極を付着する工程と、くぼみを有する表面を生成する工程と、有機発光材料を付着する工程とを含み、その有機発光材料は、くぼみ中に入れられる、このようなタイプのプロセスを提案するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にOLEDを製作するためのプロセス、詳細には層を基板に付着することによって層アセンブリを製作するためのプロセスに関し、かつOLED自体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機発光デバイスまたはダイオードはOLED(Organic Light-Emission Devices (Diodes))としてよく知られており、適切な基板に付着される有機エレクトロルミネセント層を2つの電極層間に含んだ層アセンブリまたは層構造から構築される。この構成では、どちらの場合も、電極層の一方がカソードとして働き、他方がアノードとして働く。
【0003】
OLEDは、他の照明手段に勝る特別の利点によって特徴付けられる。例えば、OLEDは、LCDまたは液晶表示装置よりかなり広い視角が可能になり、かつ自己照明表示装置として、バックライト付のLCD表示装置と比較して消費電力の低減も可能になり、従って、OLEDはフラット・スクリーンとして極めて有望な特性を有する。さらに、OLEDは、照明および表示の技術における特定の用途に特に適した薄い可撓性フィルムとして製作することができる。
【0004】
しかし、OLEDは、画素化された表示装置だけに適するのではない。それは、一般論として、極めて広範囲の用途、例えば自己照明信号や情報盤のための照明手段として使用することができる。
【0005】
OLEDの製作に含まれる主なコスト要因の1つは、有機照明媒体および透明導電性基板の材料コストである。ガラスまたはポリマー基板に、透明導電性酸化物(Transparent Conductive Oxide:TCO)、典型的にはインジウム・スズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)またはスズ酸化物(tin oxide:SnO)の被覆を使用することが知られている。均質な光束密度分布を実現するために、極めて広い領域のOLEDの用途では、低シート抵抗を有する高品質のTCO層が必要である。これらの基板は極めて高価であり、また現在利用できる最良の被覆は、今までのところ、いくつかのOLED用途には不適切である。一技術的な解決策は、金属性ライン構造(バスバー(busbar)として知られている)を用いてそれらを被覆することにより、透明層の導電率を向上させるものであり、その金属性ライン構造は電流を導電する役割を果たす。従って、例えば薄い金属層、PEDOTまたはPANI(ポリアニリン)など、TCOあるいは他の無機または有機透明導電性被覆は、表面の上で電流を局部的に配給するだけの働きする。
【0006】
従って、コスト効率を高めて製作すべく、エレクトロルミネセント材料のために、材料を節約する被覆プロセスが求められる。被覆プロセスと両立でき、理想的には良好な透明度(>80%)と十分な高平均表面導電率(high mean surface conductivity)とを有するが、その目的のために高品質および高価なTCO被覆を必要としない基板を使用すべきである。
【0007】
原理的には、OLED用途用の有機層を製作するために使用される材料は、それらを堆積するための方法に応じて、2つのクラスの材料に分けられる。
【0008】
(1)「小分子(Small Molecules:SM)」(従来のこのクラスの表現はAlq)は、すなわち分子重量が<1000原子質量単位(amu)である有機分子であって、分解せずに熱的に蒸発し、気相から基板上に昇華することができる(真空蒸発被覆またはプラズマ蒸着プロセス(PVD))。堆積層は、従来のPVD技術によって、シャドウ・マスクなどのパターンを形成(例えば、画素化カラー表示装置用に)する。
【0009】
(2)「発光ポリマー(Light-Emitting Polymers:LEP)」(従来の表現はPPVとペリレンとを含む)は、具体的には分子重量が約1,000,000amuおよびそれより大きい有機分子であって、比較的高い熱的負荷の下で分解し、その後蒸発する。LEPは、例えばスピン被覆、ディップ被覆やナイフ被覆など、従来の液体被覆プロセスを使用することによって溶解して堆積させる。しかし、これらのプロセスは被覆材料が節約できず(従って、高価である)、それゆえ堆積される層はパターン形成することができず、または比較的高コストによってのみパターン形成することができる。他の手法は、印刷プロセス(スクリーン印刷または凹版印刷)またはインク・ジェット技術を使用して、より少ない材料を用いてパターン形成された形で、層を付着する。
【0010】
SM材料の液体堆積を含む手法は、同様に知られているが、現在までのところ、満足な結果がもたらされていない。
【0011】
OLED技術の一つの焦点は、小さい面積の表示部(携帯電話、PDA)、すなわち正確にパターン形成された被覆部である。これらの用途のための堆積技術はそれに対応して探求され最適化されてきた。これらの被覆プロセスは、大きい面積の均一またはただ不正確なパターン形成された照明用途にだけ限られた適性のものである。
【0012】
PVDプロセスおよび液相からの被覆も、原理的には一様な大面積の被覆に適する。しかし、この場合も、できる限り材料を節約する被覆プロセスがコスト面から好ましく、それは、従来のPVDプロセスでは一般に問題外であることを意味する。LEPを用いて被覆するためのスクリーン印刷およびインク・ジェット技術(日本国特開平05−251186公報および特開平10−012377公報)は照明部中でともに可能性を有する。蒸気被覆プロセス(国際公開WO01/61071号パンフレット)はSMのOLEDに対して可能性を有する。
【0013】
LEPを被覆するためのスクリーン印刷プロセスは、商業的な用途には技術的に未だ十分開発されていない。インク・ジェット技術は同様になお試験段階であるが、スクリーン印刷より進んだ段階にある。
【0014】
絶縁性フォトレジストからなる受動的補助構造を付着することも知られているが、これは極めて複雑であり、従って製作をより高価なものにする。
【特許文献1】特開平05−251186
【特許文献2】特開平10−012377
【特許文献3】国際公開WO01/61071号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明は、発光デバイス、具体的にはOLEDを製作するためのプロセスを提供する目的に基づくものであり、そのプロセスは、材料を節約して均一な発光層を製作する。
【0016】
本発明の他の目的は、発光デバイス、具体的にはOLEDを製作するための簡単で安価なプロセスを提供することであり、そのプロセスは、大面積のために工業的に大規模で使用することができ、安定なプロセスから構成される。
【0017】
本発明の他の目的は、発光デバイス、具体的にはOLEDを製作するためのプロセスを提供することであり、そのプロセスは既知のプロセスの欠点を回避、または少なくとも軽減するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって、驚くほど簡単な方法で達成される。本発明の有利な改良は従属項中で定義される。
【0019】
本発明は、基板またはベースに層を付着して層アセンブリを製作することにより、OLEDとして知られる有機発光デバイスまたはダイオードを製作するためのプロセスを提案するものである。
【0020】
基板が設けられ、そして第1の導電性の電極または電極層をそれに付着し、任意に他の層をその間に挟む。第1の電極は、具体的にはアノードを画定する。
【0021】
さらに、くぼみまたは凹所が基板または層アセンブリの層のうちの1つの上に生成され、有機発光材料またはエレクトロルミネセント材料の層を付着する。
【0022】
有機エレクトロルミネセント材料を、流体状態、具体的には液体状態で、くぼみ中に入れる。
【0023】
このようにして、有利にも、特に均一なエレクトロルミネセント層を製作することが可能であり、それは、簡単な方法で大面積の用途にさえ使用するのに特に適している。
【0024】
くぼみを有する表面を生成する簡単な方法は、好ましくはパターン形成された層、例えばグリッド構造を付着することであり、その構造によってくぼみが画定され、それによってハニカム形(honeycomb:蜂の巣状)にパターン形成され、エレクトロルミネセント材料を充填された層が形成される。この意味において、用語「ハニカム形」は六角形構造に限定されない。しかし、六角形または長方形からなるハニカム形の構造は特に好ましい。
【0025】
パターン形成された層が導電性材料を含むこと、または導電性であることも好ましい。この実施例では、パターン形成され導電性の層が電流の流れを均質にするための、当業者にはバスバー(busbar)として知られている相互接続部を画定する。
【0026】
これによって、本発明の驚くべき相乗的な効果、すなわち、電気的相互接続部として、さらにエレクトロルミネセント材料で充填されるくぼみまたは凹所を画定するための密閉したフレーム構造として、二重のバスバーの使用が明らかになる。この目的のために、バスバーは十分大きな空洞を画定するのに十分な高さまで付着される。
【0027】
発光材料が液体状態でくぼみ中に入れられ、インク・ジェット・プロセス、ナイフ被覆、スクリーン印刷が特に適切である。
【0028】
パターン形成された層またはバスバーは、電流配給器としてのその機能を果たすために第1の導電性電極と導電接触する。
【0029】
OLEDの場合、第1の導電性電極は、具体的には、エレクトロルミネセント層の電気的なコンタクトによる接続または給電するための、例えばITOからなる透明導電性アノード層である。
【0030】
さらに、第2の導電性電極または金属性カソードを付着することができ、その場合、パターン形成された層およびエレクトロルミネセント層は第1と第2の電極の間に配置される。
【0031】
特に好ましい実施例によれば、パターン形成された層および第2の導電性電極は直接互いに少なくとも電気的に隔離される。このことは、これらが互いに電気的に接続されないことがあることを意味するものでなく、むしろそれらの間で直接的な接触がないことを単に意味する。
【0032】
上記の隔離は、パターン形成された導電性層に付着されるパターン形成された絶縁体層によってもたらされることが好ましい。逆に言うと、パターン形成された絶縁体層をまず付着し、次いでパターン形成された導電性層をそれに付着することも可能である。
【0033】
使用される有機発光材料はエレクトロルミネセント・ポリマーが好ましく、その場合、具体的には、パターン形成された導電性層によって割り込まれた発光ポリマー層が形成される。
【0034】
さらに、他のポリマー層、より具体的には導電性のまたは穴部が導電性のポリマー層が付着される、具体的には、発光ポリマー層に直接隣接して配置されることが好ましい。
【0035】
基本的に、OLEDの層アセンブリを製作する工程を実行するための順番を2つ提案する。
【0036】
順番1
基板を設ける工程、
次に、例えばTCOからなる透明導電性アノードを付着する工程、しかし適切な場合、この工程は、省かれることさえある。
次に、導電性のパターン形成された層を付着して、くぼみを生成する工程。
次に、導電性のパターン形成された層によって画定されたくぼみ内に、導電性ポリマー層を付着する工程。
次に、パターン形成された絶縁体層を付着して、パターン形成された層を電気的に隔離する工程。
次に、導電性のパターン形成された層によって画定されたくぼみ内に、発光ポリマー層を付着する工程。
次に、カソード層を付着する工程、このカソード層は、パターン形成された絶縁体層によって、導電性のパターン形成された層と直接接触しないように隔離される。
【0037】
順番2(逆OLEDとして知られたもの)
基板を設ける工程。
次に、カソード層を付着する工程、このカソード層は、パターン形成された絶縁体層によって、導電性のパターン形成された層と直接接触しないように隔離される。
次に、パターン形成された絶縁体層を付着してカソード層を電気的に隔離する。
次に、導電性のパターン形成された層を付着してくぼみを生成する工程。
次に、導電性のパターン形成された層によって画定されたくぼみ内に、発光ポリマー層を付着する工程。
次に、導電性のパターン形成された層によって画定されたくぼみ内に、導電性ポリマー層を付着する工程。
次に、透明導電性電極を導電性のパターン形成された層の上に付着する工程。
【0038】
以下の本文では、例示の実施例ベースで図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。図面では、同一および類似の要素は同一の参照記号表示が与えられており、様々な例示の実施例の特徴を互いに組み合すことができる。さらに、序文(背景技術)で述べた特徴および/または従来技術から知られるはずの特徴も本発明と組み合わされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1に、粒子状の液体を出現させて噴出するジェット・ノズルまたはインク・ジェット噴霧ヘッド4を使用した基板ガラス1の本来的に既知の被覆を示す。
【0040】
しかし、表面特性、具体的には表面エネルギーと、被覆される基板の濡れ特性と、被覆雰囲気(溶媒飽和率)と、周囲温度(粘度、乾燥性)と、LEP被覆液の化学組成との極めて正確な制御が長時間にわたり必要であるので(インク・ジェット印刷は、一般に順次的な被覆プロセスである)、本発明者等は、このタイプのインク・ジェット・プロセスによる大面積の一様な被覆は極めて技術的に複雑であることに気付いていた。通常発生する被覆の欠陥には落下滴2の流れが不十分であることが含まれ、それによって不均一で不適切な層が形成されることになる。
【0041】
濡れ特性、従って滴形状の形成が、基板の局部的な表面特性にクリティカルに依存する。さらに、その面においては、滴が表面を横切って走る程度とその結果得られる均一な被覆率を有する層厚さとが、基板の表面特性によってかなりの程度互いに関連し合い、そのため、プロセスにおいて層の特性を目標の設定に設定することが非常に困難となっている。OLED照明製品の製作のために、工業的に大規模でプロセスが安定した状態でこの技術を使用することは、簡単なインク・ジェット被覆によっては保証することができない。
【0042】
図2に、パターン形成されるOLED表示用途のための、「凹所構造」中への本発明によるインク・ジェット被覆を示す。
【0043】
この図は、ウェブ3間にくぼみ3.3を形成するための、またはパターンを区切るためのウェブを含んだパターン形成された層3を有する基板ガラス1を示す。インク・ジェット噴霧ヘッド4によって、エレクトロルミネセントOLEDポリマー液体が液体の滴の形でくぼみまたは凹所3.3中に入れられる。
【0044】
ポリマー充填物2の異なったハッチング(hatching)は異なった材料を表し、具体的には異なった色を生成するための材料である。さらに、この図は、極めて簡単で正確な方法でマルチカラーのパターン形成されたOLEDの製作が可能であるので、本発明によって得られる巨大な利益を示している。
【0045】
従って、高度にパターン形成されるOLED表示装置を製作するとき、図1に示したプロセスの欠陥を本発明の助けによって優雅に解決することができる。この場合、制御してパターンを形成するために、インク・ジェット・プロセスを使用して基板1に凹所3.3を生成し、次いでこれらの凹所にインク・ジェット4からの液体で充填する。簡単化のため、この図は1層を付着することだけを示しているが、このプロセスは、OLED層の連続層の有機層すべてについて使用または移転することもできる。その結果、均一な層厚さを有する局部的に画定された被覆になる。被覆の結果は、例えば表面エネルギー、従って液体の濡れ特性など、基板表面の特性のわずかな局部的差異がある場合でもクリティカルな程度までは変化しない。
【0046】
従来のTCO被覆の表面導電率(ITO、SnO、薄い金属層や、PEDOTまたはPANIなどの有機被覆など)は高透明性を同時に要求され、大面積にわたり著しい電圧低下を伴わずに電流を一様に配給するには不適切である。従って、追加の金属性接続部(バスバーとして知られる)を使用して電流が流れるように支援する。これらの接続部は、TCO層上およびその下で、および/または個々のTCOラインの側面に沿って、ラインのネットワークまたはグリッドとして構成することもできる。
【0047】
このタイプの実施例が図3に示され、そこでは、透明導電性被覆5上のバスバーを拡大して示す概略図が示されている。透明導電性ITO被覆5が基板グラス1に付着されている。続いて、パターン形成された層3が金属性バスバーの形でITO被覆5に付着されている。
【0048】
図4に、パターン形成された層3またはバスバーのためのグリッド構造の例を示す。
【0049】
本発明は、大面積の均一なOLED構成要素を製作するコストを低減したプロセスを保証する。TCO導電率に対する改良がバスバー構造を形成することによって達成される。この構造は、インク・ジェット被覆技術のために、同時に能動的な「凹所」構造としてその構造を使用することができるように設計される。本発明のこの態様は、それによって同時に空洞を形成するくぼみまたは凹所としてバスバーを設計し、相乗的な節約効果が発揮される。
【0050】
図5は、バスバー・グリッド3.1の能動的な凹所構造3.3をインク・ジェット被覆するOLED構成要素の設計の実施例を示す。
【0051】
その構造を区切り電流を配給するためのバスバー層3・1が基板1上に形成されている。パターン形成された絶縁体層3.2がバスバー構造3.1の上に付着されている。透明導電性被覆5がアノードとして基板1とバスバー層3・1の間に位置する。
【0052】
導電性のまたは穴が導電性であるHTLポリマー層6およびそれに直接隣接する発光ELポリマー層7が、アノード5の上に、ならびにウェブ3.1間またはパターン形成されたバスバー層のくぼみ3.3中に配置される。特別の金属性カソード層8がELポリマー層7に直接隣接し、上部を完全に覆って配置される。HTLポリマー層6およびELポリマー層7は、絶縁体層3.2によって直接バスバーから電気的に隔離される。
【0053】
使用されるベースは透明基板1であって、例えば、具体的にはITO、SnO、In、薄い金属層や、PEDOT、PANIまたはその種の他のものの有機性の薄いフィルムなど、TCOからなるまたはそれを含んだ導電性(半)透明層またはアノード層5で被覆された、例えばガラス、(超)薄いガラス、ガラス・プラスチックの薄板、ポリマー被覆の(超)薄いガラスやポリマー・シート/フィルムである。
【0054】
導電率が十分に高い金属、例えばCr/Cu/Cr層の連続層から製作され、インク・ジェット被覆プロセスに適した特性を有する凹所形状またはくぼみ3.3を含んだバスバー・グリッド構造3.1がその上に堆積される。そのうえ、その構造の幅および厚さならびにグリッドの網目の開口部の密度は、EL層からの照明の一様性およびその構造から得る電流密度分布を満たすための境界条件から生じる要求に適応させる。完成した構成要素中で回路の短絡を防止するために、バスバーの表面は不動態化(passivate)される。これは、電気化学的に、または絶縁体(例えば、金属酸化物、金属窒化物やポリマー)を用いた追加の局部的な被覆によって実施することができる。例えばホール移動層6(Hole Transport Layer:HTL層(ホール移動層)、例えばPEDOTまたはPANI)およびエレクトロルミネセント層7(Electroluminescence layer:EL層)、例えばPPV派生物またはポリフルオレンなどの、OLED構造の能動層を、ありきたりの被覆プロセス中でインク・ジェット手段によって凹所3.3中に入れる。
【0055】
最後に、カソード8は、具体的には不透明でおよび/または金属性であって、例えばCa/Al、Ba/AlやMg:Agを含み、適切な場合は薄いLi中間層も含んでおり、あるいは透明であって、例えばTCOからなっており、そのカソード8を付着し、構成要素をカプセル化/不動態化する。
【0056】
この構造を用いて、発生される光が、具体的には基板側を経由して放出される。
【0057】
図6は、バスバー・グリッド3.1の能動的な凹所構造3.3をインク・ジェット被覆した、代替の逆OLED層構造の本発明による構造を示す。従って、逆OLEDは、基板1とは反対の方向に光を放出する。
【0058】
OLED層構造上の透明アノード5の導電率は被覆中の厳しい温度の制約によって生成され、一般に大面積の用途には不適切であるので、この場合、バスバーの助けの措置をする。従って、バスバー・グリッド構造は基板上のカソード層8に対して絶縁される。
【0059】
図6は、カソード8が直接その上に配置された基板1を示す。パターン形成された絶縁体層3.2が、バスバー構造3.1を付着されてカソード8上に配置される。導電性HTLポリマー層6および発光ELポリマー層(EL)7が、バスバー構造中のくぼみ3.3中に少なくとも部分的に入れられている。透明導電性アノード層5が上部を完全に覆って付着される。
【0060】
他の実施例では、基板のTCO被覆を省くことが可能である。これは、バスバー・グリッド構造が適切に設計された場合、HTL層(PEDOTまたはPANI)の導電率が、領域にわたり局部的に電流を配給するのに十分であるからである。図7a〜7eに、TCO層が無いバスバー・グリッドの能動的な「凹所構造」をインク・ジェット被覆するのに含まれた、対応する被覆工程を概略示す。
【0061】
層は、以下の順序で基板1に付着される。
図7a:構造を区切り、電流を配給するためのバスバー3.1。
図7b:導電性HTLポリマー層6。
図7c:絶縁体層3.2。
図7d:発光ELポリマー層7。
図7e:カソード8。
【0062】
図7a〜7eに示した例示の実施例によれば、まず第1に、バスバー3.1を基板に付着し、凹所内の透明導電性層6(例えば、PEDOT)と直接接触する状態になり、次いでその層は、インク・ジェット技術または他の適切な液体被覆プロセスによって生成される。次いで、回路の短絡を防止するために、バスバーは絶縁体層3.2によって絶縁され、残るOLED層の連続層7、8が付着される。
【0063】
この意味において、バスバーの堆積にはクリティカルな温度の制約が無い。まず第1に、適切な液体被覆プロセス、例えばディップ被覆技術、スピン被覆等などを使用して、透明導電性HTL層を表面全体の上に付着し、次いで、図3に示した方法と同様の方法で被覆することによって、その上に絶縁されたバスバー構造を形成することも可能である。
【0064】
層形成中または必要な一様性を実現するために、インク・ジェット・プロセスに加えて、例えばスクリーン印刷やナイフ被覆など他の液体被覆プロセスをバスバー・グリッド構造に積極的に採用してもよい。
【0065】
表面導電率を増加するために大面積照明用途に一般に必要になるバスバー構造は、この場合、2つの機能を果たすために使用される。しかし、これは、以下に示すような、グリッド・システムに対する異なる要求も連結する。
・電流密度分布(光の応用の一様性から生じる)
・バスバー・ラインの幅およびその間隔(平均表面導電性および被覆の最小透明度)
・バスバーの高さおよび表面条件(凹所の充填および濡れ特性)
・網目開口部の形状およびサイズ(充填特性)
【0066】
できるだけ、一様に分布、理想的には同一に形作られた凹所構造は、柔軟に前もって設定されたパターンの形でインク・ジェット・プロセスのために使用される。
【0067】
さらに、同一容量の液体または同じ数の滴を所定の間隔で、具体的には自動制御によって入れることが好ましい。
【0068】
長方形のグリッド・パターンにおいては、特に画素化された表示用途のためには、印刷速度を高めるべくインク・ジェット印刷ヘッドまたはノズルの所定の列だけ連続的に構造を移動することが好ましい。
【0069】
しかし、一様な電流分布に関して課せられる要求のため、特に長方形でない構成要素の場合、バスバー・グリッドは局部的に異なって形成されることになる。これらの矛盾した要求間の妥協策として、グリッド構造は、できるだけ長方形またはハニカムのグリッドとして設計すべきであり、局部的に導電率を変動させることは、ウェブ幅を変化させることによって実現すべきである。
【0070】
本プロセスは、バスバー・グリッド構造の製作中に複雑で高価なリソグラフィ工程がなくてすみ、その代わりに、スクリーン印刷、オフセット印刷、ロール印刷や電子写真プロセス、例えばコンピュータ・トゥー・ガラス(Computer-to-Glass:CTG)など、簡単な印刷プロセスを使用することが可能な場合に特に魅力的になる。従って、これらのプロセスを使用して、バスバー表面に絶縁および/または不動態化を施し、回路の短絡を防止することもできるはずである。
【0071】
本プロセスの利点の要約
・パターン形成されていない一様な大きい基板表面に溶液を施すための、材料を節約する液体被覆プロセス。
・局部的に区切って堆積することによる、層特性の均一化。
・ポリマー被覆のための後続の費用のかかる洗浄およびパターン形成工程(例えば、コンタクトまたはカプセル化のために、レーザ除去による表面をむき出しにする工程)が、省かれる。
・表面導電率を増加するために大面積照明用途に一般に必要になるバスバー構造が、この場合2つの機能を果たす。
・OLED照明用途では、表示用に比べて横方向分解能および正確性に対して高い要求が課されないので、バスバー構造のために安価なおよび/または柔軟な被覆プロセス(複写および印刷技術)を使用することが可能である。
・溶媒の塗布直前の基板の前処理(濡れ特性を高める)および極めて広範囲なやり方を使用して層形成を支配するための可能な方法(後続の重合や部分的または完全な架橋工程)を、プロセス中に追加して統合することができる。
・「逆システム」、すなわち基板上にカソードがあり、アノードが層システムに付着されたシステムに、その適用を拡張することもできる。
【0072】
本発明の好ましい改良
・凹所内の液体分布の制御
・凹所形状の最適化
・雰囲気および/または溶媒含有量の制御
・基板表面の前処理
・エレクトロルミネセント層またはフィルムの後処理
・インク・ジェットまたは同様のノズルの列を並列に配列することによって、異なる層またはフィルムを複数層システムに付着する。
・ポリマーまたはモノマー・フィルムが、特にフィルム内またはフィルム間で、特にシステム内で架橋される。
・第1の層6、7が、付着される、および/または層またはフィルム・パーティションが、局部的に架橋される、および/または残留液体小部分が、溶媒をどっと流すまたは吸い込むことによって除去される、および/または第2の層6、7が、付着されて、自在の位置またはくぼみで局部的に架橋される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
応用領域(完全ではなく列挙する)
・表示技術:例えば、携帯電話、PDAや一般的なLCD表示装置用のバックライト
・宣伝:情報盤および照明盤
・信号表示:情報盤および照明盤
・家庭用:スイッチおよびセンサの照明(料理用レンジの最上部)、床照明、特殊照明
・環境、設計:発光面
・自動車、アビオニクス:情報盤および照明盤、スイッチおよびセンサの照明
・アウトドアーズ:任意選択でバッテリによって動作する非常灯、携帯灯
【0074】
上記で述べた実施例は、例として理解すべきであり、本発明は、これらの実施例に限定されず、むしろ多数の方法で、本発明の範囲から逸脱せずに変更することができることが、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】インク・ジェット・プロセスによる、従来の層の塗布を断面で示す概略図である。
【図2】本発明によるプロセスによる、層の塗布を断面で示す概略図である。
【図3】透明導電性被覆上のバスバーを拡大して断面で示す概略図である。
【図4】ハニカム形のパターン形成されたグリッド構造を斜視的に示す概略図である。
【図5】本発明によるOLEDを断面で示す概略図である。
【図6】本発明による逆OLEDを断面で示す概略図である。
【図7】図7a乃至eは、本発明によるOLEDの製作の中に含まれる様々なプロセス段階を断面で示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層を基板に付着することによって、有機発光デバイス、特にOLEDを製作するプロセスであって、
第1の導電性電極を付着する工程と、
くぼみを有する表面を生成する工程と、
有機発光材料を付着する工程とを含み、
前記有機発光材料が、前記くぼみ中に入れられるプロセス。
【請求項2】
パターン形成された層が付着されて、前記くぼみを有する表面を生成する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記パターン形成された層が、導電性である、請求項1乃至2のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項4】
前記パターン形成された層が、グリッドの形の層である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記パターン形成された層が、バスバーを画定する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記発光材料が、液体状態で前記くぼみ中に入れられる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記発光材料が、次の工程、すなわちインク・ジェット・プロセス、ナイフ被覆およびスクリーン印刷のうちの少なくとも1つを使用して、前記くぼみ中に入れられる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記パターン形成された層が、前記第1の導電性電極と導電接触状態にされる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
透明導電性層が、前記第1の導電性電極として付着される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記パターン形成された層が、前記第1の導電性電極と第2の導電性電極の間に付着される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
金属層が、前記第2の導電性電極として付着される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記パターン形成された層および前記第2の導電性電極が、直接互いに少なくとも電気的に隔離されるように、付着される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
絶縁体層が、前記パターン形成された層と前記第2の導電性電極の間に付着される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記有機発光材料が、ポリマーを含む、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記有機発光材料を付着する工程が、発光ポリマー層を付着する工程を含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
導電性ポリマー層が、付着される、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記層アセンブリを製作するために、以下に示すプロセス工程の少なくともいくつかを以下に示す順序で実行する、すなわち、
前記基板を設ける工程と、
次に、透明導電性電極を付着する工程と、
次に、導電性のパターン形成された層を付着して、前記くぼみを生成する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層によって画定された前記くぼみ内に、導電性ポリマー層を付着する工程と、
次に、パターン形成された絶縁体層を付着して、前記パターン形成された層を電気的に隔離する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層によって画定された前記くぼみ内に、発光ポリマー層を付着する工程と、
次に、カソード層を付着する工程であって、前記カソード層が、前記パターン形成された絶縁体層によって、前記導電性のパターン形成された層と直接接触しないように隔離される、工程と
を実行する、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記層アセンブリを製作するために、以下に示すプロセス工程の少なくともいくつかを以下に示す順序で実行する、すなわち、
前記基板を設ける工程と、
次に、カソード層を付着する工程であって、前記カソード層が、前記パターン形成された絶縁体層によって、前記導電性のパターン形成された層と直接接触しないように隔離される、工程と、
次に、パターン形成された絶縁体層を付着して前記カソード層を電気的に隔離する工程と、
次に、導電性パターン形成された層を付着して前記くぼみを生成する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層によって画定された前記くぼみ内に、発光ポリマー層を付着する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層によって画定された前記くぼみ内に、導電性ポリマー層を付着する工程と、
次に、透明導電性電極を前記導電性のパターン形成された層の上に付着する工程と
を実行する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
層アセンブリから形成された発光デバイス、具体的にはOLEDであって、
基板と、
発光層に給電するための少なくとも第1の電極と、
くぼみを画定するパターン形成された層とを含み、
前記発光層が、発光材料を含み、
前記発光材料が、前記くぼみ内に配置される、デバイス。
【請求項20】
前記パターン形成された層が、導電性である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記パターン形成された層が、グリッドの形の層である、請求項1乃至20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記パターン形成された層が、相互接続部を画定する、請求項1乃至21のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記発光材料が、前記くぼみ中で結晶化する、請求項1乃至22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記発光材料が、
インク・ジェット・プロセスと、
ナイフ被覆と、
スクリーン印刷と
のプロセスのうちの少なくとも1つを使用して、前記くぼみ中に入れられる、請求項1乃至23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記パターン形成された層および前記第1の電極が、直接互いに導電状態でコンタクトによって接続される、請求項1乃至24のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1の電極が、透明導電性層である、請求項1乃至25のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記パターン形成された層が、前記第1の電極と第2の電極の間に配置される、請求項1乃至26のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記第2の電極が、金属性カソード層である、請求項1乃至27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記パターン形成された層および前記第2の電極が、少なくとも直接互いに電気的に隔離される、請求項1乃至28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
パターン形成された絶縁体層が、前記パターン形成された層と前記第2の電極の間に配置される、請求項1乃至29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記発光材料が、有機ポリマーを含む、請求項1乃至30のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項32】
導電性ポリマー層が、前記発光層に隣接して配置される、請求項1乃至31のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
光が、前記基板を経由して、または前記基板とは反対の方向で放出される、請求項1乃至32のいずれか1項に記載のデバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層を基板(1)に付着することによって、有機発光デバイス、具体的にはOLEDを製作するプロセスであって、
第1の導電性電極(5、8)を付着する工程と、
くぼみ(3.3)を有する表面を生成する工程と、
有機発光材料(2、7)を付着する工程とを含み、前記有機発光材料(2、7)が前記くぼみ(3.3)中に入れられており、そして
前記発光材料(2、7)を入れる前記くぼみ(3.3)が電気的相互接続部(3.1)によって規定されていることを特徴とするプロセス。
【請求項2】
パターン形成された層(3)を付着して前記くぼみ(3.3)を有する表面を生成することを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記パターン形成された層(3)が導電性であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項4】
前記パターン形成された(3)層はグリッドの形の層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記パターン形成された層(3)はバスバー(3.1)を規定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記発光材料(2、7)が液体状態で前記くぼみ(3.3)中に入れられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
インク・ジェット・プロセス、ナイフ被覆およびスクリーン印刷のうちの少なくとも1つを使用して、前記発光材料(2、7)が前記くぼみ(3.3)中に入れられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記パターン形成された層(3)が前記第1の導電性電極(5、8)と導電接触状態であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
透明導電性層(5)が前記第1の導電性電極として付着されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記パターン形成された層(3)が前記第1の導電性電極(5、8)と第2の導電性電極の間に付着されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
金属層(8)が前記第2の導電性電極として付着されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記パターン形成された層(3)および前記第2の導電性電極(8、5)が直接互いに少なくとも電気的に隔離されるように付着されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
絶縁体層(3.2)が前記パターン形成された層(3)と前記第2の導電性電極(8、5)の間に付着されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記有機発光材料(2、7)がポリマーを含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記有機発光材料を付着する工程は発光ポリマー層(7)を付着する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
導電性ポリマー層(6)が付着されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記層アセンブリを製作するために、以下に示すプロセス工程の少なくともいくつかを以下に示す順序で、すなわち
前記基板(1)を設ける工程と、
次に、透明導電性電極(5)を付着する工程と、
次に、導電性のパターン形成された層(3)を付着して、前記くぼみ(3.3)を生成する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層(3)によって規定された前記くぼみ(3.3)に導電性ポリマー層(6)を付着する工程と、
次に、パターン形成された絶縁体層(3.2)を付着して前記パターン形成された層(3)を電気的に隔離する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層(3)によって規定された前記くぼみ(3.3)に発光ポリマー層(7)を付着する工程と、
次に、カソード層(8)を付着する工程であって、前記カソード層(8)が前記導電性のパターン形成された層(3)と直接接触しないように、前記パターン形成された絶縁体層(3.1)が隔離する、前記工程と、
を実行することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記層アセンブリを製作するために、以下に示すプロセス工程の少なくともいくつかを以下に示す順序で、すなわち
前記基板(1)を設ける工程と、
次に、カソード層(8)を付着する工程であって、前記カソード層が前記導電性のパターン形成された層と直接接触しないよう、前記パターン形成された絶縁体層が隔離する、前記工程と、
次に、パターン形成された絶縁体層(3.2)を付着して前記カソード層(8)を電気的に隔離する工程と、
次に、導電性パターン形成された層(3)を付着して前記くぼみを(3.3)生成する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層(3)によって規定された前記くぼみ(3.3)に発光ポリマー(7)層を付着する工程と、
次に、前記導電性のパターン形成された層(3)によって規定された前記くぼみ(3.3)に導電性ポリマー層(6)を付着する工程と、
次に、透明導電性電極(5)を前記導電性のパターン形成された層(3)の上に付着する工程と
を実行する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
層アセンブリから形成された発光デバイス、具体的にはOLEDであって、
基板(1)と、
発光層(7)に給電する少なくとも第1の電極(5、8)と、
くぼみ(3.3)を規定するパターン形成された層(3)とを含み、
前記パターン形成された層(3)が電気的相互接続部(3.1)を規定し、
前記発光層(7)が発光材料を含み、
前記発光材料が前記くぼみ(3.3)に配置され、
前記発光材料が配置された前記くぼみ(3.3)が前記電気的相互接続部(3.1)によって規定されることを特徴とするデバイス。
【請求項20】
前記パターン形成された層(3)がグリッドの形の層であることを特徴とする請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記発光材料が前記くぼみ(3.3)中で結晶化することを特徴とする請求項19または20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
インク・ジェット・プロセス、
ナイフ被覆、及び
スクリーン印刷
のうちの少なくとも1つを使用して、前記発光材料が前記くぼみ(3.3)中に入れられることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記パターン形成された層(3)および前記第1の電極(5)が直接互いに導電状態でコンタクトによって接続されることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1の電極が透明導電性層(5)であることを特徴とする請求項19乃至23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記パターン形成された層(3)が前記第1の電極と第2の電極(5、8)との間に配置されることを特徴とする請求項19乃至24のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第2の電極が金属性カソード層(8)であることを特徴とする請求項19乃至25のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記パターン形成された層(3)および前記第2の電極(8)が少なくとも直接互いに電気的に隔離されることを特徴とする請求項19乃至26のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項28】
パターン形成された絶縁体層(3.2)が前記パターン形成された層(3)と前記第2の電極(8)との間に配置されることを特徴とする請求項19乃至27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記発光材料が有機ポリマーを含むことを特徴とする請求項19乃至28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
導電性ポリマー層(6)が前記発光層(7)に隣接して配置されることを特徴とする請求項19乃至29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
光が、前記基板(1)を経由して、または前記基板(1)とは反対の方向で放出されることを特徴とする請求項19乃至30のいずれか1項に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−526263(P2006−526263A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508199(P2006−508199)
【出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005601
【国際公開番号】WO2004/107467
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】