説明

PC橋の閉合方法

【課題】どのような橋梁形式であっても、また、橋台前がどのような地形であっても、張出し架設工法における施工効率の向上を図り工期を短縮できる、PC橋の閉合方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る第一のPC橋の閉合方法では、既に張出し施工された桁部(2)における上下床版(21,22)の温度差を小さくし、張出し端部(23)におけるたわみを調整し、閉合部(6)にウェブ(1)を、床版コンクリートの施工を行う前に架設固定する。本発明に係る第一のPC橋の閉合方法では、閉合部(6)に、ウェブ(1)を、床版コンクリートの施工を行う前に架設固定し、該ウェブの上方に、該閉合部を挟んで対向する部位に密接する補助部材(23)を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片持ち式でブロックを順次張り出して橋梁を構築する張出し架設工法で構築されるPC橋の閉合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋脚から片持ち式でブロックを順次張出して橋梁を構築する張出し架設工法は、以前から実施されている。この張出し架設工法における橋脚間の橋梁架設作業は、閉合部(隣接する橋脚からそれぞれ張り出されたブロックの張出し端部が最終的に結合される部分)の施工により終了となるが、この閉合部の施工作業には、吊り支保工設備が必要となる。そこで、特開昭63−284304号公報(特許文献1)に開示されている施工方法のように、閉合部の下側から吊り支保工設備を設置する。
【0003】
ただし、急峻な地形などでは閉合部の下側から吊り支保工設備を設置することはできない。そこで、そのような場合には、特開2000−45230号公報(特許文献2)に開示されている閉合方法のように、ブロックの張り出しに使用された架設作業車を使用して、吊り支保工を設置することになる。
【特許文献1】特開昭63−284304号公報
【特許文献2】特開2000−045230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記吊り支保工を設置する場合、橋梁形式によってはその規模が非常に大きくなり、施工日数が増加する、または工事費が増大するということがあった。更に、橋脚から張出し施工した桁部は橋台または隣接する桁部にも接合されることとなるが、この橋台等前の地形が急峻であると、接合作業に必要となる場所打ち支保工の施工が困難となる。そのような場合、深礎杭などによる中間支点を設置したり、或いは大型架設材を使用する等といった施工方法が考えられるが、このような施工方法も、やはり施工日数が増加する、または工事費が増大するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、どのような橋梁形式であっても、また、橋台前がどのような地形であっても、張出し架設工法における施工効率の向上を図り工期を短縮できる、PC橋の閉合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第一のPC橋の閉合方法では、既に張出し施工された桁部における上下床版の温度差を小さくし、張出し端部におけるたわみを調整し、閉合部に、該ウェブを、床版コンクリートの施工を行う前に架設固定する。
【0007】
本発明において、上下床版の温度差は、自然の気温変化によることなく人為的に制御する。例えば、既に施工された主桁部における上床版の表面に散水をすることにより、温度差を制御することができる。
【0008】
張出し端部とは、橋脚から張出し架設された桁部の自由端を意味する。閉合部は、張出し端部同士の間の他、張出し端部と端支点部または橋脚頭部の間も含まれる。端支点部とは、ブロックの張り出しが行われていない橋台に、橋脚から張出し架設された桁部の自由端を接合するために設けられた部分を意味する。また、橋脚頭部とは、橋脚の上部に設けられた、ブロック張り出し用の部位を意味する。
【0009】
ウェブとは、ブロックにおいて鉛直方向を支持する部材であり、波形鋼板が好適である。架設固定とは、ウェブが、施工段階にある橋梁の構造材をなす程度まで、接合することを意味する。従来、ウェブは、上下床版コンクリートが打設施工された段階で橋梁の構造材となっていたが、本発明においては、床版コンクリートが打設施工される前に、橋梁の構造材をなすことになる。ウェブの構成材として波形鋼板を使用する場合、そのの接合は、ウェブの溶接やボルト締め等の方法で行うことができる。また、複数のブロックにわたって架設する場合には、添接板により連続化させてもよい。
【0010】
また、ウェブを構成する波形鋼板には、その上下に補剛材(フランジ)を備えておくことが好ましい。
【0011】
更にまた、該閉合部に架設固定された該ウェブを使用して吊支保工を設置してもよい。
【0012】
本発明に係る第二のPC橋の閉合方法では、閉合部に、床版コンクリートを施工する前に架設固定し、該ウェブの上方に、該閉合部を挟んで対向する部位に密接する補助部材を設置する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る第一のPC橋の閉合方法によれば、ウェブを構造材として利用することにより、張出し施工長が短い橋脚を有する橋梁形式の場合や、橋台前の地形が急峻な場合であっても、橋梁架設作業全体の施工効率を向上させ、工期短縮を図ることができる。
【0014】
より具体的には、例えば、橋台前の地形が急峻な場合は、梁側から見て橋台の手前に設けられた橋脚(手前橋脚という)から張出し施工した桁部の張出し端部と、橋台に設けられた端支点部の間の閉合部に、ウェブを、床版コンクリートの施工を行う前に架設固定する。すると、架設固定されたウェブを使用してそこから型枠支保工を直接吊った状態で、上下床版コンクリートの施工を行うことができる。従って、張出し端部と端支点部との間に必要とされる大がかりな梁材やガーダーが不要となり、橋台の前が急峻な場合であっても、工期短縮を図ることができる。
【0015】
なお、一般的な橋梁の桁は、寒暖差により鉛直方向と水平方向(橋軸方向)に変形するが、張出し端部と端支点部の間(側径間)や張出し端部の間(中央閉合部)などで、波形鋼板などを架設固定するための仮接合を行うと、桁の変位は拘束され仮接合部分に力が伝わり応力を発生させる。そして、その応力が許容応力を超えると、仮接合部分は壊れることになる。そのため、ウェブを架設固定する作業を安全に完了させるためには、仮接合から本接合完了までの間、仮接合部分に発生する2次力を如何に発生させないか、或いは発生させる量を少なくするかが重要となる。
【0016】
通常、張出し架設の段階では、引張り力の付与された鋼線が上床版に配置されるため、たわみの発生した桁は上方に反り上がることから、閉合部の施工において主桁のたわみや応力の改善を図る場合、一般には張出し先端にカウンターウェイト等を配置し、桁を強制的に昇降させる必要がある。しかしながら、カウンターウェイト等を設置するための設備は大がかりとなり、また、そのための荷役設備等も別途必要になるという問題があった。この点に関し、本発明に係るPC橋の閉合方法では、外気温(日気温変化)と主桁変位に着目し、上下面の温度差と変位の関係を利用して、桁のたわみや応力の改善を図ることができる。より具体的には、以下の通りである。
【0017】
張出架設された桁部は、日中太陽光を浴びると上下面の温度差により変形を起こし、夕方に最大となり、日没と共に桁部に生じた温度差が解消されその変形が縮小することは、経験として認識されている。従って、ウェブの仮接合は温度差が生じない時間帯、すなわち朝方に行えば良いことになる。しかしながら、外気の低下と下面の温度差の減少は同時には進行せず、夕刻に最大となったたわみが収束するまでには時間を要する。太陽光を浴びて、蓄熱するコンクリートの性状により、外気の変動とコンクリート温度の変動には時間差が生じるためである。一方、現場で閉合部の仮接合を行う際、作業の進捗により、桁部の変形が少ない時間帯内だけで作業が終了するとは限らない。そして、その場合は、仮接合が安全な状態まで作業が進むとは限らない事を意味している。そこで、上下床版の温度差を人為的に小さくし、たわみの収束時間を短縮させることにより、仮接合作業を含めたウェブの架設固定に必要な作業時間を確保することができる。
【0018】
上下床版の温度差を人為的に小さくする方法としては、例えば、橋面散水が有効である。作為的に床版上面(上スラブコンクリート)に散水を行い、水の蒸発時に起こる冷却効果により、上下面の温度差を低減でき、変位量も同時に低減できる。更に、同時に、コンクリートの蓄熱量を定量的にコントロールできる。また、養生マットに水を蓄積することによっても同様の効果を得ることができる。
【0019】
ただし、本発明に係るPC橋の閉合方法の特徴である上記温度管理手法には、桁部上下面温度差と変位の関係を定量的に把握しておく必要がある。例えば、桁部上下面温度差の低減に橋面散水や養生マットを利用する場合、散水の程度、或いは蓄積水量による変形との関係把握には、温度差値のパラメーターが必要となり、温度差計測を伴わない桁部の変形測定のみでは、散水事象や水の蓄積の結果による変形しか把握出来ないことになる。どの程度の散水量や散水時間が必要となるか、或いは、養生マットにどれ位の水を蓄積する必要があるか、などの定量的評価は、温度差計測と変位の測定を同時に行うことによってのみ可能となる。そして、そのような定量的評価により、桁の変形が生じない閉合部仮接合の作業時間を定量的に造りだすことが、はじめて可能となる。
【0020】
既述のように、桁部のたわみは朝方に発生しはじめ、上下温度差が大きくなる夕刻に大きくなる。従って、架設固定作業が完了する時間帯により、閉合部のウェブに発生する断面力(応力)は違ってくる。例えば、日中に橋面散水を行う場合、温度差が大きく桁が下向きに変形した状態で閉合部のウェブ接合を行えば、閉合部のウェブには、温度差が無くなった状態において、上縁(フランジを有する場合は上フランジ)に引張力、下縁(フランジを有する場合は下フランジ)に圧縮力が発生する。また、温度差が無い状態で閉合部のウェブ接合を行えば、変形の発生する日中、閉合部のウェブの上縁に圧縮応力が、下縁に引張応力が働くことになる。
【0021】
一方、本発明に係るPC橋の閉合方法では、閉合部にウェブを架設固定し構造材として使用しているため、閉合部のコンクリート打設を行うと、コンクリート荷重によりウェブ上縁には圧縮力、下縁には引張力が働くことになる。従って、桁部の変形が下向きに起こっている状態でウェブを接合すると、コンクリート荷重によりウェブに発生する応力を低減することができる。すなわち、橋梁が完成した段階において、下床版には圧縮力が、上床版には引張力が働くと、橋梁にかかる死荷重、活荷重に対して反対方向の力となるため、鉄筋やPC鋼材等の構造部材の省略を期待できる。
【0022】
なお、桁部の変形は日照により温度差が発生し始めると同時に変形を始めるが、夕刻日照が終了してもコンクリートの蓄熱効果により、変形の復元速度は遅くなることは既述の通りである。そこで、桁部の変形が下向きに起こっている時間帯を利用してウェブ接合を行う場合、既設ウェブと高さを合致させる必要がある。温度差計測と変位測定データ、更に散水による制御を組合せることにより、ウェブ接合高さを合致させつつ、ウェブに有利な接合を作為的に造れることが可能となる。
【0023】
ウェブの構成材としては波形鋼板が好適であるが、その波形鋼板の上下に補剛材(フランジ)を備えておくことが更に好ましい。この場合、この波形鋼板で構成されたウエブは隣接する桁部同士の力を伝達できるものとなるため、コンクリート打設を行う際に、補強材としての機能を有することになる。
【0024】
本発明に係る第二のPC橋の閉合方法によれば、閉合部において、架設固定されたウェブの上方に、閉合部を挟んで対向する部位に密接する補助部材を設置するため、寒暖差による変形に起因する軸力と回転を拘束し、床版コンクリート施工時の閉合部の変形を抑えるとともに、支保工の構造を簡素化し、あるいは、ウェブ鋼板を薄いものにすることができる。しかも、閉合部を挟んで対向する部位に密接させる簡易な構造であるため、工期に影響を与えることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1〜図3を参照しながら、本発明に係るPC橋の閉合方法の実施例を説明する。図1は、同工法における張出し端部と端支点部の間の閉合部を施工する際の概略工程を示し、(a)は閉合部にウェブが架設される前の状態の側面図、(b)は閉合部にウェブが架設され吊支保工が設置された状態の側面図、(c)は閉合部の下床版コンクリートが打設された状態の側面図、(d)は閉合部の上床版コンクリートが打設された状態の側面図である。図2は、同工法が実施される橋脚の一部概観を示す側面図である。図3は、橋脚からの張出し施工の概略工程を示し、(a)は施工対象領域に下床版コンクリートが打設され移動作業車が次領域のウェブ上に移動された状態の斜視図、(b)は施工対象領域にプレキャストリブを仮設した状態の斜視図、(c)は施工対象領域に上床版コンクリートが打設された状態の斜視図である。
【0026】
このPC橋の閉合方法が実施される橋梁の橋台3の前は、急峻で場所打ち支保工の施工が困難な地形となっている。そこで、深礎杭などによる中間支点を設置したり、或いは大型架設材を使用する等といった工期を長期化させる施工方法を採ることなく、以下の工程を実施することにより、工期の短縮化が図られている。なお、以下に説明する工程は、本発明に係る第1及び第2のPC橋の閉合方法の双方を同時に施工した場合であるが、これらの方法をそれぞれ分けて行うことも可能である。
【0027】
まず、梁側から見て橋台3の手前に設けられた橋脚4a(以後、手前橋脚4aという)から、橋台3に向かって桁部2を張出し施工する。この張出し施工の工程では、図3に示すように、まず、施工対象領域nに、ウェブ1を架設し、下床版コンクリートを打設し、下床版22を構築する。なお、以下の工程も含め、この実施例におけるウェブ1の構成には、波形鋼板を使用している。続いて、次の施工領域n+1にウェブ1を架設し、移動作業車5を次の施工領域に移動させ、図3(a)に示す状態とする。そして、施工対象領域nに、プレキャストリブ24を仮設して図3(b)に示す状態とした後、上床版コンクリートを打設し、上床版21を構築し、ブロックを形成する(図3(c)に示す状態)。以降、次の施工領域n+1においても同様の施工を行うことにより、順次ブロックを形成することができる。ただし、上下床版コンクリートの打設はどちらが先行してもよく、桁長に応じて上下床版を同時に施工してもよい。また、波形鋼板1は、幾つかの施工領域について一時に架設してもよい。
【0028】
手前橋脚4aから張出施工した桁部2の端部23(本発明の張出し端部に相当)が、橋台3に予め設けられた端支点部31にある程度近づき、図1(a)に示す状態となったら、その端部23と端支点部31との間の閉合部6に、ウェブ1を架設固定する。ウェブ1の架設には、クレーンなどを使用してもよい。
【0029】
手前橋脚4aから張出し施工した桁部2は、寒暖差により鉛直方向と水平方向(橋軸方向)に変形するため、閉合部6にウェブ1を架設固定する際、仮接合を行うと、桁の変位は拘束され仮接合部分に力が伝わり応力を発生させる。そして、その応力が許容応力を超えると、仮接合部分は壊れることになる。そこで、この架設固定作業は、桁部2の変形によるたわみが最も小さくなる朝方に行うものとする。また、十分な作業時間を確保するため、作業前日からの橋面散水により上下床版21、22の温度差を人為的に小さくし、たわみの収束時間を短縮させておく。
【0030】
架設固定作業が終了したら、次に、架設固定されたウェブ1の上方に、閉合部6を挟んで対向する部位に密接する補助部材23を設置し、ウェブ1よりなる既施工の桁から型枠支保工7を直接吊り下げ、図1(b)に示す状態とする。そして、この状態で下床版コンクリートを打設し、下床版22の閉合を行い、図1(c)に示す状態とする。次に、下床版22にプレストレスを与えウェブ1と一体にした断面を形成した後に、上床版コンクリートを打設し、プレストレスを導入し、上床版21の閉合を行い、閉合作業が終了となる。ただし、上下床版21、22の施工は、手前橋脚4aからの張出し施工と同様、どちらが先行してもよく、閉合長に応じて上下床版21、22を同時に施工してもよい。また、移動作業車5を直接ウェブ1上へ移動、設置し支保工として用いてもよい。
【0031】
補助部材23には、通常のH形鋼が用いられている。このH形鋼の一端と、閉合部を挟んで対向する既設上床版21の一方との間には図示しないジャッキが介装されており、このジャッキの長さを調整することにより、閉合部を挟んで対向する既設上床版21に密着させた状態としている。ただし、補助部材23の材質や設置方法に制限はなく、寒暖差による変形に起因する軸力と回転を、床版コンクリート施工時まで拘束できるものであれば、その他のものを適宜使用してもよい。
【0032】
なお、図1〜図3に示す実施例は、張出し端部と橋台に設けられた端支点部の間の閉合部におけるものであるが、本発明のPC橋の閉合方法は、張出し端部23同士、或いは張出し端部23と橋脚頭部41の間の閉合部において実施することも可能である。
【実施例】
【0033】
第二東名高速道路の赤淵川橋下り線の構築に際し、本発明に係るPC橋の併合方法を実施した。対象となった橋梁では、橋台へ架設される、手前橋脚から張出し施工した桁部が長く、上下床版の温度差による変異の大きいことが事前の計測でわかった。そこで、前日からの橋面散水を実施し、たわみ収束時間の短縮を図った。図4〜図6に、上下床版の温度差とたわみの推移を示す。上下床版の温度差の計測にはデータローガーと熱電対を使用し、熱電対は、図7に示すように、上床版の波形鋼板上方位置の2箇所(91、92)、下床版の幅方向中央位置の1箇所(93)、ブロック内の1箇所(94)、及びブロック外の1箇所(95)に設置した。なお、図4〜図6において、丸印は、目視結果を示している。また、図6において時間軸と交差する破線は、橋面散水の開始時刻である8時30分と終了時刻である16時を示している。更に、図7において、図1〜3に示す実施例と実質的に同じ場所には同符号を付した。
【0034】
図4〜図6に示すように、床版温度差によるたわみは晴天時に大きくなり、その場合のたわみは朝8時頃に発生することがわかった。また、橋面散水を実施した場合、上下床版の温度差を制御することによりたわみ収束時間を短縮できることがわかった。そこで、前日から橋面散水を実施してたわみ収束時間を短縮し、朝8時までに閉合作業を終了させるための作業時間を確保した。この結果、閉合作業時のたわみ差は5mm程度に抑えられ、上下フラン時に発生する2次応力も大幅に低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るPC橋の閉合方法の実施例における張出し端部と端支点部の間の閉合部を施工する際の概略工程を示し、(a)は閉合部にウェブが架設される前の状態の側面図、(b)は閉合部にウェブが架設され吊支保工が設置された状態の側面図、(c)は閉合部の下床版コンクリートが打設された状態の側面図、(d)は閉合部の上床版コンクリートが打設された状態の側面図である。
【図2】同PC橋の閉合方法が実施される橋脚の一部概観を示す側面図である。
【図3】橋脚から張出される桁の施工工法の概略工程を示し、(a)は施工対象領域に下床版コンクリートが打設され移動作業車が次領域のウェブ上に移動された状態の斜視図、(b)は施工対象領域にプレキャストリブを仮設した状態の斜視図、(c)は施工対象領域に上床版コンクリートが打設された状態の斜視図である。
【図4】晴天時における上下床版の温度差とたわみの時間推移を示し、(a)は上下床版の温度差の推移グラフ、(b)はたわみの推移グラフである。
【図5】雨天時における上下床版の温度差とたわみの時間推移を示し、(a)は上下床版の温度差の推移グラフ、(b)はたわみの推移グラフである。
【図6】晴天時において橋面散水を実施した場合の上下床版の温度差とたわみの推移を示し、(a)は上下床版の温度差の推移グラフ、(b)はたわみの推移グラフである。
【図7】熱電対の設置場所を示す、ブロックの概略横断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ウェブ
2 桁部
3 橋台
6 閉合部
7 吊支保工
21 上床版
22 下床版
23 補助部材
31 端支点部
41 橋脚頭部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
既に張出し施工された桁部(2)における上下床版(21,22)の温度差を小さくし、張出し端部(23)におけるたわみを調整し、閉合部(6)にウェブ(1)を、床版コンクリートの施工を行う前に架設固定することを特徴とするPC橋の閉合方法。
【請求項2】
該閉合部(6)に架設固定された該ウェブ(1)を使用して吊支保工(7)を設置する請求項1に記載のPC橋の閉合方法。
【請求項3】
閉合部(6)に、ウェブ(1)を、床版コンクリートの施工を行う前に架設固定し、該ウェブ(1)の上方に、該閉合部(6)を挟んで対向する部位に密接する補助部材(23)を設置することを特徴とするPC橋の閉合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−144410(P2009−144410A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322649(P2007−322649)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 土木技術社、土木技術、第62巻、第9号、平成19年9月1日発行
【出願人】(505398952)中日本高速道路株式会社 (94)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】