PI3K阻害剤としての17−ヒドロキシワートマニンの類似体
本発明は、PI3K阻害剤として有用な式(I)(式中、R1、R2、R3およびR8は本明細書中で規定される)の化合物に関する。本発明は、本発明の化合物を提供することによりPI3K活性を阻害する方法を提供する。また、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPI3Kを阻害する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、PI3K依存状態を治療する方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第60/617,654号(2004年10月13日出願、その全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、抗腫瘍活性を有するPI3K阻害剤としての一連の17−ヒドロキシワートマニン類似体に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ワートマニンは、シグナル伝達経路内のホスファチジルイノシトール−3(OH)−キナーゼ(PI3K)およびTORキナーゼの機能の強力な触媒的阻害剤であることがわかっている菌代謝物である。(非特許文献1および非特許文献2)。
【0004】
1a級PI3K(PI3Kと称する)は、p85調節サブユニットとp110触媒サブユニットとからなるヘテロ二量体酵素である。成長因子受容体刺激に応答して、PI3Kは、細胞膜での脂質の第二メッセンジャーホスファチジルイノシトール−3,4,5−トリホスフェート(PIP3)の生産を触媒する。また、PIP3は幅広い下流の細胞基質の活性化に寄与する。PI3K下流の最も重要なシグナル伝達介在物質として、セリン/スレオニンキナーゼAKTとラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)とが挙げられる。AKTは主要な生存シグナルを付与し、複数の細胞死/アポトーシスタンパク質および細胞周期因子の直接的なリン酸化により増殖を促進する。mTORは細胞のタンパク質翻訳の制御による細胞成長の中心的な制御因子である。よって、PI3K/AKT/TOR経路は、細胞増殖、成長、生存および血管形成にとって重要である。
【0005】
ヒトの癌において、PI3K/AKT/TOR経路の調節解除はすべての主要なヒトの癌で起こる最も頻度の高い事象にある。腫瘍抑制遺伝子PTEN、PIP3ホスファターゼおよびPI3Kシグナル伝達の負の調節因子の遺伝的な損失は、肺、前立腺、乳房、脳、腎臓、黒色腫、卵巣、子宮内膜、甲状腺およびリンパ等のすべてのヒトの癌の30〜50%で起こると予想されている。さらに、PI3K発現の恒常的な上昇は、肺癌、卵巣癌および膵臓癌に関連している。最終的に、Her−2、EGFRおよびRas等の細胞表面癌遺伝子は、乳房の腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍および肺腫瘍において恒常的なPI3Kシグナル伝達を引き起こす。これらの臨床的なデータは、PI3K阻害剤を新規な抗癌剤として探究する強力な理論的根拠を提供する。(非特許文献3)。PI3キナーゼおよびTORキナーゼは、癌(非特許文献4)、虚血性心疾患および再狭窄(非特許文献5、ならびに、非特許文献6)、炎症(非特許文献7、および、非特許文献8)、血小板凝集(非特許文献9)、硬化症(非特許文献10)、呼吸器疾患(非特許文献11、および、非特許文献12)、HIV(非特許文献13)、ならびに骨吸収(非特許文献14)において活性があることが示されている。
【0006】
PI3Kは、85kDa調節サブユニットと110kDa触媒サブユニットとの固く結合したヘテロダイマーとして存在し、ほとんどすべてのリガンド活性化成長因子受容体と癌遺伝子タンパク質チロシンキナーゼとの細胞複合体中に見られる(非特許文献15)。85kDaの調節サブユニットは明らかにPI3Kのアダプターとして作用して、成長因子受容体とチロシンリン酸化タンパク質と相互作用する(非特許文献16)。
【0007】
PI3Kは細胞の有糸分裂誘発および悪性転換に対して特別な意味のあるシグナル伝達での重要な酵素であると思われるが、限られた数の水溶性の医薬−ポリマー結合体のみがPI3Kに対する阻害活性を有するものとして同定された(例えば、非特許文献17を参照)。本発明の方法に用いられる水溶性医薬−ポリマー結合体の選択的なPI3K活性に反して、Matterらにより使用されたバイオフラビノイド水溶性医薬−ポリマー結合体、特にケルセチンおよびその一定の類似物はPI3KおよびプロテインキナーゼCやPI4−キナーゼ等の他のキナーゼを阻害する(非特許文献17、同箇所)。
【0008】
1995年の1月3日に特許された特許文献1は、ワートマニンまたはその一定の類似体の1つを用いて、哺乳動物におけるPI3Kを阻害する方法を提供した。ワートマニンの欠点の1つは生物に対するその毒性である。低い用量でさえ、純粋な形態のワートマニンは、しばしば実験動物に対して全身的に制限される投与物である。
【0009】
ワートマニンの生合成生産は当分野においてよく知られており、その誘導体はワートマニンから合成される。(非特許文献1;非特許文献18;非特許文献19;上記文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
【0010】
ジボランによるワートマニンの還元から調製されるワートマニン誘導体である17β−ヒドロキシワートマニンは、ワートマニンと比べて10倍の活性増加を示し、PI3KのIC50を、0.50nMのIC50とnM以下の範囲とした。しかし、C3H乳腺模型における17β−ヒドロキシワートマニンの抗腫瘍活性は0.5(mg/kg)の用量で阻害を示さず、1.0mg/kgの用量で毒性を示した。これらの発見は著者に「ワートマニンおよび関連類似物の求電子性C21位に対する求核付加は阻害剤効力と抗腫瘍活性とのために必要とされる。不幸にも、この機構は観察された毒性に関連があるように見える」(非特許文献1、p.1109−1110)との結論をもたらした。
【0011】
C−17ヒドロキシル基の箇所でアセチル化されたワートマニン誘導体は、「活性部位はC−17において親油性または立体的かさのための場を提供できない」(非特許文献2、p.5022)との結論を筆者にもたらす劇的な活性の損失を示した。この結論は、引き続いて解明されたワートマニンに結合したPI3KのX線結晶学的構造と一致する(非特許文献20)。
【0012】
他のワートマニン誘導体はC−20の位置で開環する。ワートマニンをC−20位で求核試薬と反応させることにより、そのフラン環が開環する。そのような開環化合物は一連の生物学的活性を示す(非特許文献21)。Powisの特許文献2も参照されたい。
【0013】
ポリ(エチレングリコール)(PEG)の結合は、医薬の水溶性と投与とを向上させるために医薬品化学で成功裏に使用されている(同書)。しかし、PEGの共有結合はPEGが結合する医薬の水溶性と利用性との向上を必ずしも提供しない(非特許文献22、p.3299)および(非特許文献23、p.3302)。
【0014】
PEG医薬の概要において、20年間にわたって調製されてきた低分子量(<20,000)のどのPEG小分子医薬結合体も臨床的に承認された生成物を導いてこなかった(非特許文献24、要約)。実際、ほんのわずかな小有機分子抗癌剤が不変の結合によりPEGに複合化されただけで、これらのものは臨床的に優れた水溶性医薬−ポリマー結合体を導くことはなかった(非特許文献25、p.220)。PEG−CPTを用いると、PEG−CPT40,000、20,000および8,000構築物で死亡率はそれぞれ約50%、10%および0%であった。表向きは、医薬の結合体化におけるポリマーMw5000の使用は、インビトロではほとんど効果を持たない速やかに分泌される種を与えた(非特許文献25、p.225)。腫瘍に蓄積する能力を有するPEG40,000の結合は医薬にさらに高い抗腫瘍活性を自動的に与えると言えない(非特許文献25、p.235)。
【特許文献1】米国特許第5,378,725号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2003/0109572号明細書
【非特許文献1】Norman,Bryan H.,ら,「Studies on the Mechanism of the Phosphatidylinositol 3−Kinase Inhibition by Wortmannin and Related Analogs」,J Med.Chem.,1996年,第39巻,p.1106−111
【非特許文献2】Creemer, Lawrence C.,「Synthesis and in Vitro Evaluation of New Wortmannin Esters:Potent Inhibitors of Phosphatidylinositol 3−Kinase」,J Med.Chem.,1996年,第39巻,p.5021−5024
【非特許文献3】Cantley,L.およびNeel,B.,「New Insights into Tumor Suppression:PTEN Suppresses Tumor Formation by Restraining the Phosphoinositide 3−kinase/AKT pathway」,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1999年,第96巻,p.4240−4245
【非特許文献4】Vivanco,I.およびSawyer,C.,「The phosphatidylinositol 3−kinase−AKT Pathway in Human Cancer」,Nature Reviews Cancer,2002年,第2巻,p.489−501
【非特許文献5】Shiojima,I.およびWalsh,K.,「Role of Akt Signaling in Vascular Homeostasis and Angiogenesis」,Circulation Research,2002年,第90巻,p.1243−1250
【非特許文献6】Ruygrok P.,ら,「Rapamycin in Cardiovascular Medicine」,Intern Med J.,2003年,第33巻,p.103−109
【非特許文献7】Wymann,M.,ら,「Phosphoinostide 3−kinase gamma:A Key Modulator in Inflammation and Allergy」,Biochem Soc Trans,2003年,第31巻,p.275−280
【非特許文献8】Kwak, Yong−Geun,ら,「Involvement of PTEN in airway hyperresponsiveness and inflammation in bronchial asthma」,The Journal of Clinical Investigation,2003年4月,第111巻,第7号,p.1083−1092
【非特許文献9】Watanabe,N.,ら,「Functional Phenotype of Phosphoinositide 3−kinase p85(alpha)Null Platelets Characterized by an Impaired Response to GP VI Stimulation」,Blood(epub),2003年3月
【非特許文献10】Kenerson,H.,ら,「Activated Mammalian Target of Rapamycin in the Pathogenesis of Tuberous Sclerosis Complex Renal Tumors」,Cancer Res.,2002年,第62巻,p.5645−5650
【非特許文献11】Kitaura,J.,ら,「AKT−dependent Cytokine Production in Mast Cells」,J. Exp. Med,2000年,第192巻,p.729−739
【非特許文献12】Stewart A.,「Airway Wall Remodeling and Hyperresponsiveness:Modeling Remodeling in vitro and in vivo」,Pulm Pharmacol Ther,2001年,第14巻,p.255−265
【非特許文献13】Francois,F.およびKlotman,M.「Phosphatidylinositol 3−kinase Regulates Human Immunodeficiency Virus Type−1 Replication Following Viral Entry in Primary CD4(+)T Lymphocytes and Macrophages」,J. Virol,第77巻,p.2539−2549
【非特許文献14】Pilkington,M.,ら,「Wortmannin Inhibits Spreading and Chemotaxis of Rat Osteoclasts in vitro」,J Bone Miner Res,1998年,第13巻,p.688−694
【非特許文献15】Cantley,L.C.,ら、Cell,1991年,第64巻,p.281−302
【非特許文献16】Margolis,C,Cell Growth Differ.,1992年,第3巻,p.73−80
【非特許文献17】Matter,W.F.,ら、Biochem.Biophys,Res.Commun.,1992年,第186巻,p.624−631
【非特許文献18】Dewald,Beatrice,ら,「Two Transduction Sequences Are Necessary for Neutrophil Activation by Receptor Agonists」,The Journal of Biological Chemistry,1988年11月5日,第263巻,p.16179−16184
【非特許文献19】Varticovski,L.,ら,「Water−soluble HPMA copolymer−wortmannin conjugate retains phosphoinositide 3−kinase inhibitory activity in vitro and in vivo」,Journal of Controlled Release,2001年,第74巻,p.275−281
【非特許文献20】Walker,Edward H.,ら,「Structural Determinants of Phosphoinositide 3−Kinase Inhibition by Wortmannin,LY294002,Quercetin,Myricetin, and Staurosporine」,Molecular Cell,2000年,第6巻,第4号,p.909−919
【非特許文献21】Wipf,Peter,ら,「Synthesis and biological evaluation of synthetic viridins derived from C(20)−heteroalkylation of the steroidal PI−3−kinase inhibitor wortmannin」,Org.Biomol.Chem.,2004年,第2巻,p.1911−1920
【非特許文献22】Bebbington,David,ら,「Prodrug and Covalent Linker Strategies for the Solubilization of Dual−Action Antioxidants/Iron Chelators」,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2002年,第12巻,p.3297−3300
【非特許文献23】Feng,Xia,ら,「Synthesis and Evaluation of Water−Soluble Paclitaxel Prodrugs」,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2002年,第12巻,p.3301−3303
【非特許文献24】Greenwald,R.B.,「PEG drugs: an overview」, Journal of Controlled Release,2001年,第74巻,p.159−171
【非特許文献25】Greenwald, R.B.,ら,「Effective Drug Delivery by PEGylated Drug Conjugates」,Advanced Drug Delivery Reviews,2003年,第55巻,p.217−250
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
向上した抗腫瘍活性および/または低毒性を有するワートマニン類似体が必要である。本発明の化合物はこの必要性を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要旨)
一実施態様において、本発明は、次式I:
【0017】
【化4】
(式中、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素、ホルミルおよびアシルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R7は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R8は、ヒドロキシ、アシルオキシおよびアルコキシからなる群から選択される。)の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する。
【0018】
一実施態様において、R1はNR4R5である。
【0019】
一実施態様において、R2は水素である。
【0020】
別の実施態様において、R2はホルミル基である。
【0021】
さらに別の実施態様において、R3はアシルオキシ基である。好ましくは、R3はアセトキシ基である。
【0022】
一実施態様において、R8はヒドロキシ基である。
【0023】
一実施態様において、本発明は、式Iの化合物:
(式中、
R1が、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2が、水素およびホルミルからなる群から選択され;
R3が、水素、ヒドロキシおよびアシルオキシからなる群から選択され;
R4およびR5が、水素、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6が、アルキル基であり;
R7が、水素であり;
R8が、ヒドロキシ基である)
およびそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する。
【0024】
一実施態様において、本発明は式Iの例示化合物を提供する。1つの例は、(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを提供する。
【0025】
本発明は、式IにおいてR基が上記のものであるペグ化化合物も包含する。実例として、R1、R2またはR3の位置でペグ化された化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物を提供することによりPI3K活性を阻害する方法を提供する。また、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPI3Kを阻害する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、PI3K依存状態を治療する方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、本発明の化合物を提供することによりTOR活性を阻害する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてTORを阻害する方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明は、本発明の医薬組成物を投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。さらに、本発明は、成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調節する1種類以上の物質を投与することをさらに含む方法を提供する。
【0029】
化合物の名称と構造とが矛盾する場合、構造が優先する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(発明の詳細な説明)
一実施態様において、本発明は、次式I:
【0031】
【化5】
(式中、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素、ホルミルおよびアシルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R7は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R8は、ヒドロキシ、アシルオキシおよびアルコキシからなる群から選択される)の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物{但し、該化合物は、次式V:
【0032】
【化6】
[式中、R9はアルキルであるか、または単一の非繰り返し式(B):
【0033】
【化7】
(式中、R10は、−O−、−NH−、または−S−であり;
R11は、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
R3は、H、=O、−O−COC4H9、またはOR12であり;
R12は、H、COR13またはアルキルであり;
R13は、アルキル、H、アリール、または−CH2−アリールであり;
nは1〜1000である)の医薬−ポリマー結合体である]で表される化合物ではない}を提供する。
【0034】
本発明のR基は任意に置換される。任意に置換されるとは、0個、1個またはそれ以上の置換基を有することを意味する。置換基として、水素、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリールアルキルアミノ基、アミノ基、シアノ基、カルバモイル基、アセトアミド基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、スルホニル基、PEG(ポリエチレングリコール)基、複素環基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、多環基、アリールオキシ基、アルキルチオ基およびアリールチオ基が挙げられるが、これらに限定されない。置換基自体も任意に置換されていてよい。
【0035】
他に特に規定がなければ、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は1〜10個の炭素原子を有し、直鎖、分鎖または環状であってよい。
【0036】
複素環基の例として、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキソピペリジン、モルホリンおよびアゼチジンが挙げられるが、これらに限定されない。複素環基に融合したベンゼン環の例として、キノリン、イソキノリンおよびジヒドロイソキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。他に特に規定がなければ、複素環基は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1種類以上のヘテロ原子を含む。
【0037】
アリール基の例として、フェニル基とナフチル基とが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
多環基は1つ以上の他の環に融合させた1つの環を含む。環は芳香族または非芳香族であってよい。環は炭化水素または複素環であってよい。
【0039】
ホルミルは−C(O)H基を意味する。
【0040】
アシルはヒドロキシル基の除去により有機酸から得られた有機基を意味する;例えば、RC(O)−はRCOOHのアシル基である。
【0041】
アルコキシは−OR基(式中、Rは、1つ以上の官能基により任意に置換することのできるアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である)を意味する。
【0042】
カルボニルは二重結合により酸素に結合した炭素(すなわち、C=O)を意味する。
【0043】
アシルオキシは、アルキル−C(O)O−基、置換アルキル−C(O)O−基、シクロアルキル−C(O)O−基、置換シクロアルキル−C(O)O−基、アリール−C(O)O-基、ヘテロアリール−C(O)O−基および複素環C(O)O−基をいう。アシルオキシとして、アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシおよびアロイルオキシが挙げられる。
【0044】
ヘテロアリールは、単環式、二環式、三環式等の環系を含む芳香族複素環式環を意味し、ここで環系の少なくとも1つの炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子により置換されている。
【0045】
アラルキルは、アルキルの水素原子がアリール基により置換されたラジカルであるアリール化アルキルである。
【0046】
PEGはポリエチレングリコールである。
【0047】
一実施態様において、R1はNR4R5である。一部の実施態様において、R4およびR5が結合して環を形成する。例えば、実施態様として、NR4R5がピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキソピペリジン、モルホリンまたはアゼチジンであるようにR4およびR5が結合する例が挙げられるが、これらに限定されない。NR4R5環は上記のように任意に置換してよい。NR4R5環は、NR4R5が例えばジヒドロイソキノリンであるようにベンゼン環に融合してもよい。
【0048】
別の実施態様において、R1はSR6である。実例として、ブチルスルファニルが挙げられるが、これに限定されない。
【0049】
別の実施態様において、R1はOR7である。実例として、−OHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
式Iにおいて、R1はワートマニン化合物のC20に関して1つの特定の構造的関係を有するものとして示される。当業者は、C20二重結合の他の起こりうる配置が可能であることを認めるだろう。示していないが、式Iおよび本発明の化合物はC20二重結合の別の配置を包含する。
【0051】
一実施態様において、R2は水素またはホルミル基である。
【0052】
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択される。一実施態様において、R3はアシルオキシ基である。アシルオキシ基の例として、アセトキシ基が挙げられるが、これに限定されない。
【0053】
一実施態様において、R8はヒドロキシ基である。
【0054】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素およびホルミルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシおよびアシルオキシからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6はアルキル基であり;
R7は水素であり;
R8はヒドロキシ基である)の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する。
【0055】
下記のチャートは本発明の一部の例示化合物、およびここで本明細書全体にわたって使用してよい付与された「化合物番号」を提供する。本発明は、該化合物の塩、溶媒和物および水和物も含む。
【0056】
【化8−1】
【0057】
【化8−2】
【0058】
【化8−3】
【0059】
【化8−4】
【0060】
【化8−5】
【0061】
【化8−6】
【0062】
【化8−7】
本発明は、R基が上記のものである式Iのペグ化化合物も包含する。実例として、R1、R2またはR3の位置でペグ化された化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
式Iの化合物の一定の置換基の存在は、化合物の塩の形成を可能にし得る。適当な塩として、薬学的に許容される塩、例えば、無機酸または有機酸に由来する酸付加塩および無機酸および有機酸に由来する塩が挙げられる。
【0064】
酸付加塩として、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、またはイセチオン酸塩、アリールスルホン酸塩、例えば、p−トルエンスルホン酸塩、ベシル酸塩またはナプシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩が挙げられる。
【0065】
無機塩基または有機塩基に由来する塩として、ナトリウム塩またはカリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、モルホリン塩、ピペリジン塩、ジメチルアミン塩またはジエチルアミン塩等の有機アミン塩が挙げられる。
【0066】
本発明の化合物の特に有用な塩として、薬学的に許容される塩、特に薬学的に許容される酸付加塩が挙げられる。
【0067】
本発明の化合物は、上記のように、および参照することにより本明細書に援用される2004年4月20日に出願された先行する米国出願第10/828,474号に記載されているように、17−ヒドロキシワートマニンから作ることができる。17−ヒドロキシワートマニンはアミンにより処理して、フラン環が開環した化合物を得ることができる。17−ヒドロキシワートマニンは17位でホルミル化し、次にアミンで処理しても、フラン環が開環した化合物を得ることができる。図2を参照されたい。
【0068】
本発明のペグ化化合物は、アミン付加によりジクロロメタン中でペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物から作ることができる。図3を参照されたい。ペグ化17−ヒドロキシワートマニンとペグ化ワートマニン誘導体との調製方法は図4と図5にそれぞれ示されており、2004年4月20日に出願された先行する米国出願第10/828,474号に記載されている。
【0069】
例えば、図4に示すように、12mLのテトラヒドロフラン(THF)中の60mgのワートマニン(0.14mmol、Aldrich製)の溶液を窒素下に0℃の氷浴で冷却する。THF溶液中の1Mボラン(134μL、0.14mmol、Aldrich製)を加え、反応混合物を0℃で3.5時間攪拌する。反応物を1mLの水で急冷する。室温まで温めた後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。処理後、約60mg(HPLCによる17−ヒドロキシ−ワートマニンの純度:90%)の固体を得る。この固体(約0.126mmolの17−ヒドロキシ−ワートマニン)を15mLの塩化メチレンに溶解し、ヨード酢酸(24mg、0.13mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(27mg、0.13mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(触媒として0.1mg)と反応させる。反応混合物を1時間室温に保つ。処理後、約75mgの粗製生成物(黄色固体)が得られる。純粋な17−ジヒドロ−17−(1−ヨードアセチル)−ワートマニンは調製用HPLCにより単離する。合計54mgの白色固体が得られる。
【0070】
また、図4に示すように、40mg(0.067mmol)の17−ジヒドロ−17−(1−ヨードアセチル)−ワートマニンを窒素下に15mlのアセトニトリルおよび10mLの0.1M重炭酸ナトリウムに溶解する。合計345mgのM−PEG−SH−5000(0.069mmol)を1時間以内に加える(4バッチ)。室温でさらに1時間攪拌した後、反応混合物を塩化メチレンで抽出し、処理する。約320mgの粗製生成物が得られる。合計209mgの純粋な水溶性医薬−ポリマーペグ化ワートマニン誘導体が調製用HPLC後に260mgの粗製生成物から得られる。
【0071】
別の実施態様において、本発明は、細胞中の(インビボまたはインビトロで)本発明の1種類以上の化合物を提供することによりPI3K活性を阻害する方法を提供する。本発明の化合物を試験して、PI3Kを阻害するのに十分な最小濃度、すなわち、最小阻害濃度(IC50)を決定することができる。実施例66を参照されたい。下記の表1および表2は、本発明の例示化合物のIC50結果を示す。他に示さない限り、IC50はμg/mlで測定される。当業者は、本発明の化合物のPI3K活性の阻害能を示すアッセイを理解するだろう。例えば、米国特許第5,378,725号は化合物の活性を試験するために用いることのできる例示的な試験系を提供する。当業者は他のアッセイ系を理解するだろう。さらに、当業者はPI3K活性の阻害を研究するのに使用される哺乳類の模型を理解するだろう。そのような模型として、胸腺欠損マウスにおけるヒト異種移植片模型が挙げられるが、これに限定されない。同様に、当業者は、本発明の化合物の活性と毒性を決定するためにこれらの模型を使用することができる。
【0072】
1つのインビボプロトコールにおいて、Balb/c nu/nu(胸腺欠損)マウスを実験動物飼育認定協会(Association for Accreditation of Laboratory Animal Care(AALAACC)の基準にしたがって、実験に使用する前に少なくとも1週間飼育する。動物を微小隔離飼育器ケージで飼育し、層流フード下でのみ取り扱われる。すべての食餌と水は加圧滅菌される。細胞の懸濁物を、25〜26ゲージの滅菌注射針とシリンジとを用いて200μLの容量でマウスの左横腹に接種する。細胞を完全成長培地に再懸濁し、1マウスあたり1千万細胞にて与える。得られた腫瘍が段階の適当な大きさに達したら、マウスを再度グループ別に分けて、等しい大きさの集団(n=10)を作る。段階に達したら、マウスに化合物を0.2ccで静脈内投与する。化合物は、マウスへの注射前にリン酸緩衝食塩水(PBS)に再懸濁することができる。処理は典型的には継続期間中は毎週1×か毎週2×である。少数の研究において、処理は、腫瘍が動物体重の10%に達するまで2週間毎に繰り返される毎日の×5投薬スケジュールとして施される。固体腫瘍の成長は実験の期間中、毎週2回モニターする。腫瘍サイズを、スライドするノギスを用いて定量し、その質量を、2で割った式L×W(mm)を用いて計算する。立方体(mm)からmgへの変換は単位密度を仮定して行なう。腫瘍はマウス体重の15%(この時点でマウスを安楽死させる)よりも大きく成長させない。
【0073】
図6〜図15は、このプロトコールにより実施されたインビボアッセイの結果を示す。化合物をリン酸緩衝液に溶解した。ビヒクルのコントロールは化合物を含まないリン酸緩衝液であった。すべての投与量はmg/kgで測定した。ペグ化化合物に関して、その投与量はPEGの重量を考慮せずにその主剤により測定した。細胞系A549(ヒト非小細胞肺癌)およびU87(膠芽細胞腫)をアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)(ロックビル、メリーランド州)から購入した。アッセイの結果は本発明の化合物が腫瘍の成長を阻害することを示す。
【0074】
本発明は、PI3Kを阻害する量の本発明化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPI3Kを阻害する方法を提供する。
【0075】
一実施態様は、PI3Kを阻害する量の本発明化合物を対象に投与することを含む、PI3K依存状態の治療方法を提供する。PI3K依存状態としては、痛み、糖尿病、炎症、血小板凝集、虚血性心疾患、硬化症、再狭窄、呼吸器疾患、HIV、骨吸収、および特に非小細胞肺癌および脳腫瘍等の癌に関連する生化学的プロセスが挙げられる。
【0076】
PI3Kは、細胞の有糸分裂誘発および悪性変換に重要な役割を果たすので、PI3Kを阻害する化合物は抗腫瘍剤として有用であることが証明されている。よって、本発明の一実施態様は、本発明の化合物を投与することにより癌を治療する方法を提供する。癌の治療として、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を阻害および/または低減することを包含するが、これらに限定されない。当業者は、細胞増殖を低減する本発明化合物の能力を示すアッセイを理解するだろう。例えば、細胞系を本発明の化合物とともに培養し、次に細胞増殖を、例えば、MTSアッセイまたはチミジン取り込みアッセイにより測定する。当業者は他のアッセイも同じく理解するだろう。
【0077】
例示的な細胞増殖アッセイは腫瘍成長を阻害するために十分な化合物の最終濃度、すなわち、最小阻害濃度IC50(μg/ml)を示す。例示的な化合物の細胞増殖アッセイの結果を以下の表1および表2に示す。細胞系LNCaP(ヒト前立腺癌腫)、MDA468(ヒト乳癌細胞)、MDA435(ヒト乳腺腺癌)およびDU145(ヒト前立腺癌腫/リンパ球性白血病)はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)(ロックビル、メリーランド州)から購入した。細胞を、5%CO2を含有する37℃のインキュベーター中、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むRPMI培地1640で培養した。すべての細胞培養試薬はGibco−BRL(グランドアイランド、NY)から購入した。細胞を、1ウエルあたり約3000細胞で96ウエル培養プレートにて培養する。培養の1日後、化合物またはビヒクルコントロール(緩衝液のみ)を細胞に加えた。増殖アッセイを処理の開始の3日後に実施した。
【0078】
非放射性細胞増殖アッセイのために、既に確立されている細胞増殖アッセイである、当業者に知られている細胞増殖アッセイで(MTSアッセイ)染料MTSテトラゾリウム染料の(生存細胞による)代謝的変換を測定することにより生存細胞の密度を決定する。アッセイキット(Promega社、マディソン、ウィスコンシン州)を用いてアッセイを実施する。アッセイプレートを1〜2時間インキュベートし、490nmの吸光度を測定することにより96ウエルプレートリーダーでその結果を読む。各化合物の効果を、同一の培養プレートで成長させたビヒクル処理細胞から得られたコントロール細胞成長の比率として計算する。
【0079】
PI3K/AKT/TOR経路は、細胞の増殖、成長、生存および血管形成のために重要である。したがって、本発明の化合物はTOR活性を阻害するためにも有用であり得る。PI3Kに関連して上記したものと類似のインビボおよびインビトロアッセイを用いて、TORを阻害するのに十分な化合物の最小濃度を決定することができる。実施例67と実施例68とにそれぞれ説明したヒトTORアッセイとラット1−IGF1アッセイとを本発明の一部実施態様により実施した。これらのアッセイの結果を下記の表1および表2に示す。TORを阻害するのに十分な化合物の最小濃度、すなわち、例示化合物の最小阻害濃度IC50(μg/ml)を下記の表1および表2に示す。
【0080】
(表1:アッセイデータ(IC50、μg/ml))
【0081】
【表1】
(表2:アッセイデータ(注記されている以外はIC50、μg/ml))
【0082】
【表2】
さらに、本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
【0083】
本発明の医薬組成物は、哺乳類で媒介される病的状態または病気の治療または予防のために、単独で、または他の治療効果のある化合物または治療と組み合わせて投与してよい。同様に、本発明の化合物は単一化合物として、または他の化合物と組み合わせて提供してよい。
【0084】
PI3Kの阻害は、サイトカイン類、インターフェロン、ラパマイシン、HER2/EGFR阻害剤、MEK阻害剤、インターフェロン−α、Srcキナーゼ阻害剤およびmTor阻害剤等の、しかしこれらに限定されない、当分野で公知の成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調節する他の物質の治療活性を増強すると期待できよう。
【0085】
HER2はヒト上皮細胞成長因子受容体2であり、乳癌等の多くのヒト腫瘍の表面に発現する。HER2阻害剤は、好ましくは、細胞増殖を仲介するシグナル伝達経路を阻害し、具体的には、HER2チロシンキナーゼを阻害するので、HER2を発現する癌の成長を抑制する治療剤としても有用である。HER2阻害剤は当分野で公知である。例示的なHER2阻害剤は、(E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドである。
【0086】
ヒト上皮細胞成長因子(EGF)は、特定の細胞膜の上皮細胞成長因子受容体(EGFR/ErbB−1)に結合することにより生物的な効果をおよぼすポリペプチドである。多くの種類の癌細胞は細胞表面での増強EGFR発現を示す。癌細胞上のEGFRの増強発現は過剰な増殖と転移とに関連している。あまりに多いそのリガンドのEGFは、結腸直腸、頭頸部、卵巣、前立腺、乳房および肺等の多様な癌をもたらす細胞成長の暴走により同定されてきた。EGFがEGFRに結合すると、それは、成長と分裂とを促す化学的シグナル伝達プロセスを引き起こす。EGFRの阻害剤は、好ましくは、EGFと、その受容体EGFRとの相互作用を妨げるか、または内部の化学的シグナル伝達プロセスを阻害して、細胞分裂を承認する化学物質の生産を停止させる。例示的なEGFR阻害剤は、4−ジメチルアミノ−ブテ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−3−シアノ−7−エトキシ−キノリン−6−イル]−アミドである。
【0087】
MEKはMAP(分裂促進因子結合プロテインキナーゼ)およびErk(細胞外シグナル調節)キナーゼの集団であるMEKキナーゼとして知られる酵素のファミリーである。これらは、哺乳動物における基質のリン酸化を調節する酵素である。好ましいMEK阻害剤は、MEK1酵素とMEK2酵素とを、他のそのような酵素を実質的に阻害せずに阻害する化合物である。例示的なMEK阻害剤は、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−6−メトキシ−7−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)キノリン−3−カルボニトリルである。別の例示的なMEK阻害剤は、UO126として知られるか、または化学的にl,4−ジアミノ−2,3,−ジシアノ−l,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエンとして知られるMAPキナーゼ阻害剤である。
【0088】
Srcは細胞膜に結合するプロテインチロシンキナーゼ(PTK)であり、シグナル変換と成長調節経路に関与する。それは、ATPのガンマホスフェートを、基質タンパク質上のチロシン残基の側鎖に転移することにより細胞シグナルを伝達する。今日まで、Srcプロテインチロシンキナーゼファミリーの9メンバーが発見されている。これらのメンバーは、Src、Yes、Fyn、Fgr、Blk、Lck、Lyn、HckおよびYrkである。Fgr、Blk、Lck、Lyn、HckおよびYrkは発現され、主に造血細胞で活性である。Src基質のリン酸化の変化は細胞シグナリングの重要事象である。ほとんどの正常な細胞はSrcの非常に低いレベルと活性とを有し、この酵素は細胞の生存の確立または維持に必要とされない。Src活性は多くのヒトの癌で大きく増加する。
【0089】
Src活性の変化は細胞周期の変化に関連し、Src活性の調節の変化は異常増殖に関連している。Srcの阻害は、Srcが関与することで癌細胞の成長速度を低下させるシグナル伝達経路を中断する効果を有し得る。Srcファミリーの阻害に向けられる医薬は、限定されるか、もしくはまったくない全身毒性という利点を有するが、Srcファミリーの1種類以上のメンバーの活性を上昇させたことが示されている腫瘍に対して高い特異性を有し得る。例示的なSrc阻害剤は、4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシ−フェニルアミノ)−5−メトキシ−7−[3−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−プロポキシ]−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−7−{5−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−2−ピリジニル}−3−カルボニトリルである。
【0090】
CCI−779は、ラパマイシンのエステルであり、癌を有する患者の治療のために現在、第II相臨床開発にあるラパマイシンの哺乳類標的阻害剤(mTOR)である。CCI−779はmTORと相互作用し、そのキナーゼ活性を阻害し、mTOR調節翻訳制御要素p70(s6)キナーゼの阻害をもたらす。
【0091】
本発明の化合物は、多様な細胞成長または細胞周期モジュレーター、チロシンキナーゼまたはサイトカインの阻害剤と組み合わせた場合に幾つかの腫瘍模型において相乗的な成長阻害を付与する。本発明者等は、相乗的な抗腫瘍活性が、MEK、Her2/NeuおよびmTORの阻害剤に組み合わされた場合に本発明化合物により達成できることを発見した。具体的には、本発明の化合物は、PIK3とMEKとが組み合わせられた阻害剤により相乗的な抗癌活性を、結腸(図16〜18、図21、図22および図26を参照)、肺(図19を参照)、前立腺(図20を参照)および乳癌細胞系(図20、図23、図25および図27を参照)において示した。実施例69も参照されたい。
【0092】
17−ヒドロキシワートマニンと本発明の化合物とによる治療に応答して、PI3K経路マーカーは感受性細胞と耐性細胞との両方でよく阻害される。細胞周期タンパク質であるサイクリンD1およびc−Mycのみが感受性細胞において効率的に阻害されることが注意されたい。PI3KまたはMEKの特定の阻害剤は互いの経路マーカーを相互阻害しないことが一般的に観察されている。最近の文献(Mirza AM,ら、Mol Cell Biol.2004 Dec;24(24):10868−81;Xing D,ら、Proc Natl Acad Sci USA. 2005 May 10;102(19):6936−41;Gera JF,ら、J Biol Chem.2004 Jan 23;279(4):2737−46;およびShi Y,ら、J Biol Chem. 2005 Mar 25;280(12):10964−73)で示唆されているように、多くの重要な細胞機能、例えば、サイクリンD1とc−Mycとの発現は、PI3KとRas/MEKとの共同的で独立したシグナル伝達経路をともなう転写および翻訳により調節される。本発明者等は多くの細胞模型におけるERK(MEKの基質)の恒常的なリン酸化と活性化とが本発明の化合物に対する低感受性に関連することを発見した。したがって、PI3KとRas/MEK経路との併用阻害は、両経路が細胞の成長と生存とに不可欠であるので、広い抗癌利用のために特に魅力的であるように思える。
【0093】
また、本発明の化合物は、HER2/Neu陽性乳癌系においてHER2/Neu阻害剤に組み合わされた場合に相乗的な抗癌活性を提供する。最近の報告(Bianco R,ら、Oncogene.2003 May 8;22(18):2812−22およびNagata Y,ら、Cancer Cell.2004 Aug;6(2):117−27)は、PTEN欠損により引き起こされる恒常的なPI3Kシグナル伝達はEGFRキナーゼ阻害剤およびHER2抗体ハーセプチン(乳癌治療薬)に対して耐性を付与し、両者におけるそのような耐性は公知の阻害剤LY294002によるPI3Kの阻害により克服できることを示した。本発明者等は、乳癌系MDA361−DYT2は高レベルのHer2/Neuを発現するが、インビトロおよびインビボでHer2/Neuキナーゼ阻害剤HKI−272((E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドとしても知られる)に対して耐性があることを発見した。0.1μg/mlのHKI−272によるMDA361−DYT2の処理はリン酸化形態のHer2/NeuとERKとを完全に阻害したが、PI3K/AKT経路の恒常的な活性化を示すAKT経路マーカーに対してはほとんど効果を持たなかった。よって、PI3K(本発明の化合物を含む)およびHer2/Neu阻害剤の併用阻害はハーセプチンおよび/またはHKI−272耐性乳癌で相乗的な効能を提供し得る。図23と図24を参照されたい。
【0094】
また、本発明の化合物は、乳癌細胞系と結腸腫瘍細胞系においてmTOR阻害剤に組み合わされた場合に相乗的な抗癌活性を提供する。PI3KおよびmTORは、癌において頻繁に調節解除されるPI3K/AKT/mTOR経路の2つの主要な成分である。PI3KおよびmTORは、オーバーラップの多様な集合ならびに成長因子、栄養およびエネルギー供給の独立したシグナルにより調節される。調節解除されたPI3KおよびmTORは腫瘍の成長および生存の促進に相乗的に作用し得る。この考えに一致して、腫瘍抑制因子PTEN(PI3Kの細胞リプレッサー)およびTSC2(mTORの細胞リプレッサー)はこれらの遺伝子のそれぞれの損失に特異的な一部の腫瘍の重症度を相乗的に抑制することが示された(Manning BD,ら、Genes Dev.2005 Jul 18)。哺乳類の神経膠腫細胞において、ラパマイシンによるTOR阻害とPI3K/AKT阻害との組み合わせは、増強された自食作用による相乗的な抗腫瘍効果をもたらした(Takeuchi H,ら、Cancer Res.2005 Apr 15;65(8):3336−46)。新しい報告において、ラパマイシンおよびPI3K阻害剤LY294002による併用処理は、H157肺腫瘍細胞におけるRapa誘導eIF4Eリン酸化を克服することにより抗腫瘍活性を高めた(Sun SY,ら、Cancer Res.2005 Aug 15;65(16):7052−8)。優れた抗腫瘍インビボ効能が、最小投与量のPI3K阻害剤のPEG−17−ヒドロキシワートマニンとmTOR阻害剤のPeg−Rapaとの組合せにより達成されたことが既に観察されている(Yu K,ら、Cancer Biol Ther.2005 May 28;4(5):538−45)。現在の併用実験において、mTOR阻害剤のCCI−779に組み合わされた化合物4は、PTEN陰性(CCI−779感受性)腫瘍細胞において相加的阻害を付与し、およびCCI−779によるか、または他の17−ヒドロキシワートマニン(17−HWT)類似物による単剤処理に感受性の低い結腸腫瘍細胞において相乗的な阻害を付与した。
【0095】
構造的に異なるMEK阻害剤であるUO126(1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエンとしても知られている)と(2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)とに組み合わされた本発明の化合物4および化合物5は、結腸癌細胞系(HCT116、HT29、SW620、SW480、LS−174T、Caco2およびLovo)、NSCLC細胞系(A549およびH157)、前立腺系DU145および乳腺系MDA231において広い相乗的な成長阻害を示した。
【0096】
HCT116模型において、併用による相乗的な成長阻害がアポトーシスの誘導により達成された。HCT116結腸系でのウエスタン分析は相乗的な抗腫瘍活性に一致するシグナル伝達分子の調節を示した。
【0097】
Her2/Neu阻害剤HKI−272に組み合わされた化合物4は、HKI−272に耐性のあるHer2/Neu過剰発現MDA361−DYT2系において相乗的な成長阻害を示した。ウエスタン分析は、相乗的な抗腫瘍活性に一致する生化学マーカーの調節を示した。
【0098】
mTOR阻害剤CCI−779に組み合わされた化合物4は、PTEN陰性乳癌細胞において相加的な成長阻害を示し、CCI−779に耐性のある乳癌細胞系および結腸細胞系において相乗的な成長阻害を示した。
【0099】
ワートマニン誘導体はインターフェロン−α(イントロン−A)と協力して、腫瘍退縮を引き起こし、mTORキナーゼの特異的な阻害剤であるペグ化ラパマイシンの抗癌活性を高める。Yu,K.,ら、Cancer Biol.Ther.(2005)28:4(5)。したがって、本発明は、MEKの阻害剤、Her2/Neu、mTor、Src、サイトカインおよびインターフェロン−α(イントロン−A)等の、しかし、これらに限定されない成長因子シグナル伝達カスケード、サイトカイン応答等の阻害剤に組み合わせて本発明の化合物を投与することを含む、腫瘍細胞成長を阻害するか、または癌を治療する方法を提供する。
【0100】
PI3KまたはAKTの細胞阻害は、多くの標準的な癌治療の抗癌活性の根底にある重要なプロセスである生存の減少を導く。しかし、多くの場合、腫瘍細胞は化学耐性を速やかに発達させる。耐性の1つの細胞機構はPI3K/AKT経路の恒常的な上昇に関する。よって、PIKの阻害剤による(例えば、イリノテカン、5−FU、タキソール、シスプラチン、アドリアマイシン、オキサリプラチンおよびシクロファスファミド等の、しかし、これらに限定されない)細胞障害物質の併用処理が最初の治療の効能をさらに増強し、反復する治療で化学的感受性の回復にも役立ち得る。ワートマニン誘導体は肺癌および神経膠腫においてパクリタキセル抗癌効能を増強することができる。
【0101】
本発明の医薬組成物は1種類以上の賦形剤を含有してよい。賦形剤は、多様な目的のために組成物に添加される。
【0102】
希釈剤は固体医薬組成物の嵩を増加させ、患者および介護者がより扱いやすい組成物を含む医薬剤形を作ることができる。固体組成物の希釈剤として、例えば、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、超微粒セルロース、乳糖、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、第二リン酸カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが挙げられる。
【0103】
錠剤等の剤形に圧縮される固体の医薬組成物は、圧縮後に有効成分および他の賦形剤を共に結び付けるのに役立つ機能を有する賦形剤を含んでよい。固体の医薬組成物用の結合剤として、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、硬化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、デンプン部分加水分解物、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびデンプンが挙げられる。
【0104】
圧縮化固体医薬組成物の患者の胃における溶出速度は崩壊剤を組成物に添加することにより高めることができる。崩壊剤として、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))およびデンプンが挙げられる。
【0105】
流動促進剤を加えて、非圧縮固体組成物の流動性を向上させ、投与の正確性を向上させることができる。流動促進剤として機能することのできる賦形剤として、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルクおよび第三リン酸カルシウムが挙げられる。
【0106】
錠剤等の剤形を粉末組成物の圧縮により作る場合、組成物を、穿孔器および金型からの圧力に供する。一部の賦形剤および有効成分は穿孔器および金型の表面に付着する傾向を持ち、生成物に穴と他の表面不規則性とを持たせうる。滑剤を組成物に加えて、接着力を低減し、生成物の金型からの離型を容易にすることができる。滑剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、硬化ひまし油、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸亜鉛が挙げられる。
【0107】
着香料および調味料は剤形を患者とってさらに口当たりのよいものとする。本発明の組成物に含めてよい医薬製品の共通の着香料および調味料として、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトールおよび酒石酸が挙げられる。
【0108】
固体および液体の組成物は、それらの外観を向上させ、ならびに/または製品および単位投与量レベルの患者の同定を容易にするために、いずれの薬学的に許容される着色料を用いて着色してもよい。
【0109】
本発明の液体医薬組成物において、式Iの化合物または他の固体賦形剤を、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリン等の液体担体に溶解または懸濁させる。
【0110】
液体医薬組成物は、液体担体に可溶性でない有効成分または他の賦形剤を組成物全体にわたって均一に分散させる乳化剤を含んでよい。本発明の液体組成物に有用となりうる乳化剤として、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、コンドラス、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコールおよびセチルアルコールが挙げられる。
【0111】
本発明の液体医薬組成物は、生産物の口の感触を向上し、および/または胃腸管の内面を覆うために、粘度増強剤を含有してもよい。そのような物質として、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウムまたはナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、炭酸プロピレン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、デンプン、トラガカントゴムおよびキサンタンゴムが挙げられる。
【0112】
ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトールおよび転化糖等の甘味剤を加えて味覚を向上してもよい。
【0113】
アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびエチレンジアミン四酢酸等の防腐剤またはキレート剤を摂取に安全なレベルで加えて保存性を向上してもよい。
【0114】
本発明によれば、液体組成物は、グルコン酸、乳酸、クエン酸または酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウム等の緩衝剤を含有してもよい。賦形剤の選択および使用する量は、経験および標準的操作の考慮およびこの分野での参考資料に基づき製剤科学者により容易に決定することができる。
【0115】
本発明の固体組成物として、粉剤、顆粒、凝集物および圧縮組成物が挙げられる。製剤として、経口、ほお、直腸、非経口(皮下、筋内および静脈内等)、吸入および目への投与に適する剤形が挙げられる。いずれの場合でも最も適する投与は治療される状態の性質および程度に依存し得る。投与量は単位剤形で示すのが便利であり、薬剤技術でよく知られた方法により調製してよい。
【0116】
剤形として、錠剤、粉剤、カプセル、座薬、小袋、トローチおよび薬用ドロップならびに液体シロップ、懸濁液およびエリキシルのような剤形が挙げられる。
【0117】
本発明の剤形は、組成物、例えば、本発明の粉末化または顆粒化固体組成物を硬い又は柔らかいシェル内に含むカプセルであってよい。シェルはゼラチンから作ってよく、任意にグリセリンやソルビトール等の可塑剤および乳白剤または着色料を含んでよい。
【0118】
有効成分および賦形剤は当分野で公知の方法にしたがって組成物および剤形に配合してよい。
【0119】
錠剤化用およびカプセル充填用の組成物は湿式造粒法により調製してよい。湿式造粒法において、粉末形の有効成分および賦形剤の一部またはすべてを配合し、次に、粉末を顆粒に固めさせる液体、通常は水の存在下でさらに混合する。顆粒を選別および/または粉砕し、乾燥し、次に選別するか、および/または所望の粒子径まで粉砕する。次に、顆粒を錠剤化するか、または流動促進剤や滑剤等の他の賦形剤を錠剤化の前に加えてよい。
【0120】
錠剤化用組成物は常套的には乾式混合により調製することができる。例えば、有効成分と賦形剤との配合組成物を小塊またはシートに圧縮し、次に圧縮顆粒へと粉砕してよい。圧縮顆粒は続いて錠剤に圧縮する。
【0121】
乾式造粒の別法として、配合組成物を、直接圧縮技術を用いて圧縮剤形へと直接に圧縮してよい。直接圧縮は顆粒のないより均一な錠剤を作る。直接圧縮錠剤化に特によく適する賦形剤として、微結晶セルロース、噴霧乾燥ラクトース、第二リン酸カルシウム二水和物およびコロイド状シリカが挙げられる。直接圧縮錠剤化におけるこれらの賦形剤や他の賦形剤の適当な使用は、経験があり、直接圧縮錠剤化の特別な製剤課題の技術を有する当業者に知られている。
【0122】
本発明のカプセル充填物は、錠剤化に関して説明した上記の配合物および顆粒物のいずれを含んでもよいが、それらは最終的な錠剤化工程に供されていない。
【0123】
本発明に包含される医薬組成物の投与方法は特に限定されず、患者の年齢、性別および症状にしたがって多様な調製物にて投与することができる。例えば、錠剤、丸薬、溶液、懸濁液、乳濁液、顆粒およびカプセルを経口投与してよい。注射用調製物は個々に投与するか、または静脈内でグルコース溶液およびアミノ酸溶液等の注射注入液と混合してよい。必要であれば、注射用調製物は単独で筋内、皮内、皮下または腹腔内に投与する。座薬を直腸に投与してもよい。
【0124】
本発明による医薬組成物に含まれる式Iの化合物の量は特に限定されないが、効果的な量は、標的症状を治療、緩和または弱めるのに十分な投与量である。本発明による医薬組成物の用量は使用方法、患者の年齢、性別および状態に依存し得る。
【0125】
本発明を説明してきたが、本発明を、限定するものではない下記実施例によりさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0126】
(実施例1:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−l−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7,ll−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
1mLのCH2Cl2中の50mg(0.116mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に22.5mL(0.217mmol)のジエチルアミンを加える。反応混合物を室温で2時間30分間攪拌し、次に減圧下で濃縮してオレンジ色のペーストを得る。残留物を酢酸エチル(EtOAc)に溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、45mg(77%)の生成物をオレンジ色の固体として得る。
HRMS(ESI) m/z C27H37NO8の計算値:503.25206、実測値:504.25747(M+H)+1。
【0127】
(実施例2:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,ll−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
1mLの塩化メチレン(CH2Cl2)中の50mg(0.116mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に12.1mL(0.145mmol)のピロリジンを加える。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、40mg(68.7%)の生成物を黄色固体として得る。HRMS(ESI) m/z C27H35NO8の計算値:501.2364、実測値:502.24250(M+H)+1。
【0128】
(実施例3:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−l−(アニリノメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a、10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
1mLのCH2Cl2中の50mg(0.116mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に26.2mL(0.287mmol)のアニリンを加える。反応混合物を室温で1週間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンでつき砕いて黄色粉末を得る。黄色粉末をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、油状物を得る。油状物をヘキサンでつき砕いて26mg(42.8%)の生成物をオレンジ色粉末として得る。HRMS(ESI) m/z C29H33NO8の計算値:523.22074、実測値:524.22692(M+H)+1。
【0129】
(実施例4:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−l−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に28.1mg(0.24mmol)の2−(tert−ブチルアミノ)−エタノールを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をジエチルエーテル(Et2O)でつき砕いて32mg(48.7%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 548.3(M+1)。
【0130】
(実施例5:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に27.9mg(0.24mmol)のN,N,N’−トリメチル−l,3−プロパンジアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて24mg(36.6%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 547.3(M+1)。
【0131】
(実施例6:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−{[メチル(11−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]メチレン}−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に27.4mg(0.24mmol)のN,N’−ジメチル−3−アミノピロリジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて25mg(38%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 545.25(M+1)。
【0132】
(実施例7:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に40.4mg(0.24mmol)の1−シクロヘキシルピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて16mg(22%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 599.35(M+1)。
【0133】
(実施例8:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[ブチル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に20.9mg(0.24mmol)のN−メチルブチルアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて38mg(61.2%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 518.25(M+1)。
【0134】
(実施例9:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に27.2mg(0.24mmol)のシクロヘキシル−メチル−アミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて30mg(46%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 544.25(M+1)。
【0135】
(実施例10:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−ベンジルピペラジン4−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に42.3mg(0.24mmol)の1−ベンジル−ピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて13mg(17.8%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 607.2(M+1)。
【0136】
(実施例11:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピペリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に20.4mg(0.24mmol)のピペリジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて33mg(53.3%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 516.25(M+1)。
【0137】
(実施例12:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に32mg(0.24mmol)の1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて9mg(13.3%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 564.25(M+1)。
【0138】
(実施例13:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に38.9mg(0.24mmol)の1−フェニルピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて16mg(22.5%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 593.3(M+1)。
【0139】
(実施例14:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチレン]−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に24mg(0.24mmol)の1−メチルピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて19mg(29.8%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 531.2(M+1)。
【0140】
(実施例15:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペリジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に38.7mg(0.24mmol)の4−フェニルピペリジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて14mg(19.7%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 592.25(M+1)。
【0141】
(実施例16:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ホルミルワートマニン(150mg、0.33mmol)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、0.4mmolのピロリジンで30分間処理する。CH2Cl2−MeOH(塩化メチレン−メタノール)(15:1)溶出によるシリカゲルでの精製により生成物を黄色がかったオレンジ色の固体として得る(収率はほぼ定量的である)。MS(EI)分析: 556(M++1)。
【0142】
(実施例17:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−l−[(ジアリルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ホルミルワートマニン(150mg、0.33mmol)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、0.4mmolのジアリルアミンで30分間処理する。CH2Cl2−MeOH(15:1)溶出によるシリカゲルでの精製により生成物を黄色がかったオレンジ色の固体として得る(収率はほぼ定量的である)。MS(EI)分析: 530(M++1)。
【0143】
(実施例18:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ホルミルワートマニン(150mg、0.33mmol)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、0.4mmolのジエチルアミンで30分間処理する。CH2Cl2−MeOH(15:1)溶出によるシリカゲルでの精製により生成物を黄色がかったオレンジ色の固体として得る(収率はほぼ定量的である)。MS(EI): m/z 532(M++1)。
【0144】
(実施例19:酢酸4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にジエタノールアミン(45μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 537(M+H)。
【0145】
(実施例20:酢酸4−[(tert−ブチル−メチル−アミノ)−メチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN−tert−ブチルメチルアミン(55μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 519(M+H)。
【0146】
(実施例21:酢酸4−{[ビス−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)(104μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 619(M+H)。
【0147】
(実施例22:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にイソニペコチン酸メチル(63μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 575(M+H)。
【0148】
(実施例23:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸の調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液にイソニペコチン酸(60mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 561(M+H)。
【0149】
(実施例24:4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−2,5−ジメチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に2,5−ジメチル−4−メチルアミノ−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(86mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 630(M+)。
【0150】
(実施例25:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−4−[({3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−メチル−アミノ)−メチレン]−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に{3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−l−イル]−プロピル}−メチル−アミン塩酸塩(123mg)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 695(M+H)。
【0151】
(実施例26:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−({メチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}−メチレン)−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にメチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)プロピル]アミン(80mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 603(M+H)。
【0152】
(実施例27:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチレン}−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にメチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)アミン(74mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 590(M+H)。
【0153】
(実施例28:酢酸4−{[(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−(3−ジエチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN’−(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−N,N−ジエチル−プロパン−1,3−ジアミン(139mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 730(M+H)。
【0154】
(実施例29:酢酸4−{[(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミン塩酸塩(114mg)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 676(M+H)。
【0155】
(実施例30:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル4−[4−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ピペラジン−l−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(3−モルホリノプロピル)ピペラジン(99mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 645(M+H)。
【0156】
(実施例31:酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N,N’−トリメチルエチレンジアミン(47mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 534(M+H)。
【0157】
(実施例32:酢酸4−[4−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,1l,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(3−ジメチルアミノプロピル)ピペラジン(80mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 603(M+H)。
【0158】
(実施例33:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペラジン−l−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,1l,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(2−モルホリノエチル)ピペラジン(93mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 631(M+H)。
【0159】
(実施例34:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピペラジン(85mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 615(M+H)。
【0160】
(実施例35:[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酢酸tert−ブチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液にサルコシンtertブチルエステル塩酸塩(84mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 577(M+H)。
【0161】
(実施例36:酢酸4−{[(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール塩酸塩(49mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 537(M+H)。
【0162】
(実施例37:4−[(ll−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酪酸の調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に4−(メチルアミノ)酪酸塩酸塩(71mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 549(M+H)。
【0163】
(実施例38:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−アゼチジン−2−カルボン酸の調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液にL−アゼチジン−2−カルボン酸(47mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 533(M+H)。
【0164】
(実施例39:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にL−プロリンメチルエステル(60mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 561(M+H)。
【0165】
(実施例40:酢酸4−{[ベンジル−(2−シアノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に3−ベンジルアミノ−プロピオンニトリル(73μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 592(M+H)。
【0166】
(実施例41:酢酸4−{[(2−ジエチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N−ジエチル−N’−メチル−エタン−1,2−ジアミン(45μL、0.28mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 561(M+H)。
【0167】
(実施例42:酢酸4−{[(2−ジエチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N−ジエチル−N’−エチル−エタン−1,2−ジアミン(50μL)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 575(M+H)。
【0168】
(実施例43:酢酸4−{[ベンジル−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N−ジメチルN’−ベンジル−エタン−1,2−ジアミン(62μL)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 609(M+H)。
【0169】
(実施例44:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−4−(4−オキソ−ピペリジン−1−イルメチレン)−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−OHワートマニン溶液{25mg(2mlのTHF/H2O(4:1)中)、0.058mmol)に、16mgの炭酸カリウム(0.116mmol)と9.5mg(0.06mmol)の4−ピペリドン一水和物塩酸塩(純度98%)とを加える。この反応混合物を室温で窒素雰囲気下に攪拌する。1時間後、溶液を10mlの塩化メチレンに注ぎ、有機相を分離し、塩水(3ml)で洗浄する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留固体を4mlの酢酸エチルに溶解し、〜2mlのヘキサンを加えて、析出物を得る。ろ過後、固体を2mlのヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、22mgの表題化合物をオレンジ色の粉末(1)として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESI−MS:m/z 563[M+Na]+、530[M+H]+。
【0170】
(実施例45:4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−10,11,12,13,14,15,16,17−オクタヒドロ−1H,4H−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,7−ジオンの調製)
11−デアセトキシ−17−OH−ワートマニン(20mg、0.053mmol)を2mlの塩化メチレンに溶解し、N,N−ジメチル−N’−エチル−エチレンジアミン(0.053mmol、8.4μl)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応物はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体を酢酸エチル/ヘキサン(3:1)により再結晶化する。ろ過後、固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、18mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 489[M+H]+。
【0171】
(実施例46:酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−ヒドロキシワートマニン(129mg、0.3mmol)を5mlの塩化メチレンに溶解し、N,N−ジメチル−N’−エチル−エチレンジアミン(0.31mmol、56μl)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応溶液はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体を酢酸エチル/ヘキサン(3:1)により再結晶化する。ろ過後、固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、115mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 547[M+H]+。
【0172】
(実施例47:酢酸4−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,1l,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−ヒドロキシワートマニン(30mg、0.069mmol)を2mlの塩化メチレンに溶解し、4−ピペリジノピペリジン(0.069mmol、11.6mg)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応溶液はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体を酢酸エチル/ヘキサン(2:1)により再結晶化する。ろ過後、固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、約30mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 599[M+H]+。
【0173】
(実施例48:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−モルホリン−4−イルメチレン−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−ヒドロキシワートマニン(50mg、0.116mmol)を2mlの塩化メチレンに溶解し、モルホリン(0.12mmol、10μl)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応溶液はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体をヘキサン(2×3ml)で洗浄し、減圧下で乾燥して、50mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 540[M+Na]+、518[M+H]+。
【0174】
(実施例49:プロピオン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
ジクロロメタン(4mL)中の(Creemer,L.C;Kirst,H.A.;Vlahos,C.J.;Schultz,R.M.J Med Chem.1996,39,5021−5024にしたがって調製することができる)β−11−O−デスアセチル−11−O−プロピオニル−17−ジヒドロワートマニン(100mg)の溶液に、N,N,N−トリメチルエチレンジアミン(32μL)を加える。反応混合物を室温で攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をヘキサンと酢酸エチルとでつき砕いて硬いオレンジ色の泡状物質を得る(0.12g、100%)。MS(ES+):547.2(M+H)+。
【0175】
(実施例50:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオンの調製)
メタノール(5mL)中の17−ヒドロキシワートマニン(1100mg)の溶液にジエチルアミン(0.72mL)を加える。48時間後、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。黄色粉末を得る(0.29mg)。MS:462.2(M+H)+。
【0176】
(実施例51:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−{12−オキソ−16−[(3aR,4R,6aS)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル]−5,8−ジオキサ−2,11−ジアザヘキサデカ−1−イリデン}−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.2mLのCHCl2および0.2mLのCH3CN中の27.9mg(0.0649mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に25.5mg(0.0681mmol)の((+)−ビオチニル−3,6−ジオキサオクタンジアミンを加える。反応混合物を室温で4時間攪拌する。反応混合物をろ過し、CH2Cl2を減圧下で除去して黄色の泡状物質を得る(19mg,36%)。MS(ESI) m/z 805.8(M+1)。
【0177】
(実施例52:酢酸4−ブチルスルファニルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
ジクロロメタン(2mL)中の17−ジヒドロワートマニン(0.21g、0.49mmol)の溶液にn−ブタンチオール(90μL)を加え、その後に一滴のトリエチルアミンを加える。室温で19時間攪拌した後に、一滴のトリエチルアミンをさらに加える。3日間攪拌した後に、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して黄色がかったオレンジ色の固体を得る(82mg、40%)。MS(ES+):521.1(M+H)+。
【0178】
(実施例53:17−ペグ化ジ−(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
30mLのCH2Cl2中のビス17−ヒドロキシワートマニンPeg5000(10g、図66参照;参照により本明細書に援用される2004年4月20日に出願された先行する米国出願第10/828,474の30ページおよび33ページにも記載されている)の溶液にN、N、N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン(0.98mL、6.68mmol)を加える。反応混合物を室温で24時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEt2Oで処理する。得られた固体をろ過により集め、減圧下で乾燥して黄色固体を得る(10.1g)。X=(CH2OCH2)107に関してMS(ESI) m/z 6069(M+)。
【0179】
(実施例54:17−ペグ化(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
12mLのCH2Cl2中の17−ペグ化−17−ヒドロキシワートマニン(3g)の溶液に200μLのジエチルアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtO2でつき砕いて2.8gの生成物を黄色粉末として得る。
【0180】
(実施例55:図1に示されるペグ化化合物の調製)
工程A:
ジクロロメタン(15mL)中のmPEG5000−NH2(Nektarから購入、3.0g、0.60mmol)の溶液にジ−t−ブチルジカーボネート(0.28mL、1.2mmol)を加えた後に、トリエチルアミン(0.4mL)を加える。混合物を室温で攪拌し、次に減圧下で濃縮してmPEG5000−NHBocを白色固体として得る(3.0g)。
工程B:
ジメチルホルムアミド(30mL)中のmPEG5000−NHBoc(0.60mmol)の0℃溶液にヨードメタン(0.4mL)を加えた後に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.12g)を加える。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を水で急冷し、減圧下で蒸発乾固する。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、mPEG5000−N(CH3)Bocを淡黄色の固体として得る。
工程C:
ジクロロメタン(100mL)中のmPEG5000−N(CH3)Boc(2.4g)の溶液にトリフルオロ酢酸(2.5mL)を加える。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮してmPEG5000−NHCH3をTFA(トリフルオロ酢酸)塩として得る。
工程D:
ジクロロメタン中のmPEG5000−NHCH3、TFA塩(2.5g、0.5mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.3mL)を加えた後に、17−ヒドロキシワートマニン(0.13g、0.3mmol)を加える。一晩攪拌した後、さらなる量の17−ヒドロキシワートマニン(0.12g、0.3mmol)とトリエチルアミン(5滴)とを加える。室温で攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製して、17−ヒドロキシワートマニン、mPEG5000NHCH3付加物を金色の薄片として得る(2.0g)。MS: 5321.0。
【0181】
(実施例56:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[t−ブチルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に49μL(0.46mmol)のtertブチルアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtO2でつき砕いて58mg(50%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 504(M+1)。
【0182】
(実施例57:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[3−ジメチルアミノ−プロピルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に58μL(0.46mmol)のN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtO2でつき砕いて74mg(60%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 533(M+1)。
【0183】
(実施例58:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−1−{[(2−メルカプトエチル)アミノ]メチレン}−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に32mg(0.278mmol)の2−アミノ−エタンチオール塩酸塩とトリエチルアミン(45μL、0.325mmol)とを加える。反応混合物を室温で4時間攪拌する。水を加え、CH2Cl2を除去し、キムワイプティシューの詰め物を通してろ過し、減圧下で濃縮して、黄色の泡状物質を得る。MS(ESI) m/z 508.5(M+1)。
【0184】
(実施例59:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(エチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に100mgのエチルアミン塩酸塩と100μLのトリエチルアミンとを加える。反応混合物を室温で24時間攪拌する。水を加え、CH2Cl2を除去し、K2CO3を通してろ過し、減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンにより析出させて、黄色粉末を得る(32mg、29%)。MS(ESI) m/z 476.22813(M+1)。
【0185】
(実施例60:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオンの調製)
2mLのCH2Cl2中の50mg(0.13mmol)の11−デスアセチル−17−ヒドロキシワートマニンの溶液に38μLのN,N,N’−トリメチルプロパンジアミン(0.26mmol)を加える。反応混合物を室温で24時間攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンにより析出させて、黄色粉末を得る(35mg、53%)。MS(ESI) m/z 505.29083(M+1)。
【0186】
(実施例61:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,11−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチレン)−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ヒドロキシ−ワートマニン(20mg、0.047mmol)を0.5mLのトリエチルアミンを有する4mLのアセトニトリルおよび2mLの水に溶解する。反応混合物を室温で一晩攪拌する。表題化合物を、Nova−Pak HRC18、60A、6μm、19×300mmカラム(Waters)を使用するUV254nmでの調製用HPLC(移動相Aは900mlの水と0.2mlのトリフルオロ酢酸とを有する100mlアセトニトリルである。移動相Bは、100mlの水と0.2mlのトリフルオロ酢酸とを有する900mlのアセトニトリルである。グラジエントは0〜5分で20%Bと80%A、5〜35分で20%Bから70%Bまでで、流速は20mL/minである)により単離する。12分ピークのフラクションを集めて、CH2Cl2で抽出する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転させながら蒸発乾固させる。1mLのCH2Cl2および3mLヘプタンからの析出と、窒素気体、次にspeecdvacを用いる乾燥とにより合計5mgの黄色固体を得る。LC/MSは、[M+H]449.31と[M−H]447.26とを示す。
【0187】
(実施例62:(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4α,5,6,6α,7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
工程A:
クロロホルム(100mL)中のt−ブチルエタノールアミン(12g、100mmol)の溶液を塩化ナトリウム/氷浴中で−10℃まで冷却する。塩化チオニル(10mL、10mLクロロホルム中)の添加後、冷却浴を外して、油浴に置き換える。反応混合物を還流下に6時間加熱し、次に室温まで冷却する。析出物質を集めてアセトンで洗浄して、塩化2−{t−ブチルアミノ)エチル塩酸塩を白色の固体として得る。
MS(ES+):m/z (M+H)=136.2、138.2。
工程B:
塩化2−(t−ブチルアミノ)エチル塩酸塩(1.2g、7.0mmol)を、封管中のジメチルアミン水溶液(40重量%、22mL)に溶解する。混合物を140℃のオイル浴で6時間加熱し、室温まで冷却し、次に固体の炭酸カリウムで飽和する。混合物を酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントし、減圧下で濃縮して、N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミンを明るい褐色の液体(0.57g、56%)として得る。粗製物質をさらに精製することなく次の工程に進める。
MS(ES+):m/z(M+H)=145.3。
工程C:
ジクロロメタン(20mL)中の粗製N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.57g、4.0mmol)の溶液にクロロ蟻酸ベンジル(0.85mL、6.0mmol)を室温で加える。反応混合物を一晩室温で攪拌する。水性処理後、粗製生成物をセミ調製用逆相HPLC(40分間にわたる5%アセトニトリル/95%水/0.1%トリフルオロ酢酸〜100%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製して、N−ベンジルオキシカルボニル−N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミントリフルオロ酢酸を清澄な無色の油状物(0.47g、29%)として得る。MS(ES+):m/z(M+H)=279.15。
工程D:
エタノール(15mL)中のN−ベンジルオキシカルボニル−N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミントリフルオロ酢酸(0.47g、1.2mmol)の溶液をドライアイスにより脱気する。炭素担持パラジウム(10%、100mg)を加えた後に、濃塩酸(300μL)を加える。混合物を50psi水素下に20時間、Parrハイドロゲネーターにより振盪し、珪藻土の詰め物を通してろ過し、減圧下に濃縮して、N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミン二塩酸塩を白色粉末として得る(0.22g、85%)。MS(ES+):m/z(M+H)=145.3。
工程E:
ジクロロメタン(5mL)中のN−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミン二塩酸塩(0.12g、0.55mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(220μL、1.7mmol)を加える。17−ヒドロキシワートマニン(0.12g、0.28mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をDMSO/アセトニトリル/水(1:1:0.5)に溶解し、セミ調製用逆相HPLC(40分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜100%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製する。集めた物質を酢酸エチルでつき砕いて、ろ過により集めて、(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4α,5,6,6α、7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを淡黄色粉末として得る。HRMS(ES+):m/z(M+H)=575.33233。
【0188】
(実施例63:ブタン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
実施例48に記載された方法と同じようにして、ジクロロメタン(2mL)中のβ−11−O−デスアセチル−11−O−ブタノイル−17−ジヒドロワートマニン(80mg、0.17mmol)をN,N,N−トリメチルプロピレンジアミン(58μL)で処理した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物を逆相HPLC(40分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製して表題化合物を硬いオレンジ色の泡状物質として得る(47mg、48%)。MS(ES+):m/z(M+H)=575.4
(実施例64:酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
塩化N,N−ジメチルアミノプロピル塩酸塩(1.6g、10mmol)を封管中のエチルアミン(70重量%の水溶液、24mL、300mmol)に加えた。懸濁液を油浴中で8時間140℃に加熱した。室温に冷却した後、混合物を固体の炭酸カリウムで飽和し、酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液で一回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗製N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(500mg、38%)を得る。MS(ES+):m/z (M+H)=131.3。ジクロメタン(20mL)中の粗製N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(0.50g、3.8mmol)の溶液をクロロ蟻酸ベンジル(0.82mL、5.7mmol)で処理し、次に室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、残留物を逆相HPLC(45分間にわたる5%アセトニトリル/95%水/0.1%トリフルオロ酢酸〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製して、(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステルトリフルオロアセテート(840mg、58%)を明澄な無色のシロップとして得た。MS(ES+):m/z (M+H)=265.4
エタノール(30mL)および濃塩酸(0.5mL、6mmol)中の(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステルトリフルオロアセテート(0.84g、2.2mmol)の溶液に炭素担持パラジウム(10%、50mg)を加えた。懸濁液を50psi水素下で振盪した。水素の消費が止まったことを観察したら、混合物を珪藻土の詰め物を通してろ過し、次に減圧下で濃縮して、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(400mg、89%)を白色固体として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=131.3。ジクロロメタン(5mL)中のN’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(0.26g、1.3mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.51mL、3.9mmol)を加えた。10分間攪拌した後、混合物を17−ヒドロキシワートマニン(0.28g、0.65mmol)で処理した。室温で一晩攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、次に逆相HPLC(45分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製した。表題化合物をさび色の固体(11.6mg)として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=561.4。
【0189】
(実施例65:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−({4−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
エタノール(30mL)および濃塩酸(0.5mL、6mmol)中の(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステルトリフルオロアセテート(0.84g、2.2mmol)の溶液に炭素担持パラジウム(10%、50mg)を加えた。懸濁液を50psi水素下で振盪した。水素の消費が止まったことを観察したら、混合物を珪藻土の詰め物を通してろ過し、次に減圧下で濃縮して、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(400mg、89%)を白色固体として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=131.3。ジクロロメタン(5mL)中のN’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(0.26g、1.3mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.51mL、3.9mmol)を加えた。10分間攪拌した後、混合物を17−ヒドロキシワートマニン(0.28g、0.65mmol)で処理した。室温で一晩攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、次に逆相HPLC(45分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製した。表題化合物をさび色の固体(11.6mg)として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=561.4。
【0190】
(実施例66:PI3Kの蛍光偏光法)
このアッセイは、阻害を測定することによってPI3キナーゼの阻害剤を同定するとき、このアッセイを用いて本発明の化合物のIC50を測定する。
材料
反応緩衝液:20mMのHepes、pH7.5、2mMのMgCl2、0.05%CHAPSおよび0.01%BME(新鮮なものを加える)
停止/検出緩衝液:100mMのHepes、pH7.5、4mMのEDTA、0.05%CHAPS
ATP、20mM水溶液
PIP2(diC8、カタログ#P−4508)1mMの水溶液(MW=856.5)
GST−GRP 1.75mg/mLまたは1.4mg/mL(10%グリセロール中)
レッドディテクター(TAMRA)2.5μM
プレート:Nunc384ウエルブラックポリプロピレン蛍光プレート
方法
1ウエルあたり5μLの希釈酵素を入れることによりアッセイを実施し、次に5μLの希釈化合物(または9.5μLの酵素、次にDMSO中の0.5μLの化合物)を加え、混合する。次に、10μLの基質を加えて反応を開始する。試料を30〜60分間インキュベートし、次に20μ停止/検出混合物を加えることにより反応を停止する。
【0191】
PI3Kを反応緩衝液で希釈し(例えば、5μLまたは7.5μLのPI3Kを620μLの反応緩衝液に入れ)、1ウエルあたり5μLの希釈酵素を用いる。5μLの反応緩衝液または緩衝液希釈医薬(例えば、最終DMSOが反応物中1%となるように4μL/100)をそれぞれに加える。試料は上下にピペッティングすることにより混合する。もしくは、酵素を1215μLに希釈することができる。この場合、1ウエルあたり9.8μLを加え、DMSO中の0.2μLの化合物を加える。
【0192】
1mLの基質溶液を調製するために、955μLの反応緩衝液、40μLのPIP2および2.5μLのATPを混合する。10μLの基質を各ウエルに加えて、反応を開始する。これは、1反応物あたり20μMのPIP2と25μMのATPとをもたらす。
【0193】
停止/検出混合物は4μLのレッドディテクターと1.6μLまたは2.0μLのGST−GRPとを1mLの停止緩衝液と混合して調製し、10nMプローブと70nMのGST−GRPとをもたらす。20μLの停止/検出混合物を各ウエルに加えて反応を停止する。赤いプローブ溶液を暗所に維持して30〜90分後にプレートを読む。
【0194】
ゼロ時点のために、基質の添加直前に停止/検出混合物を酵素に加える。追加のコントロールのために、停止/検出混合物を緩衝液(酵素を含まない)と基質とに加えるか、または単に緩衝液(酵素を含まない)に加える。
【0195】
プールしたPI3K調製物は0.25mg/mLのタンパク質濃度を有した。推薦される反応物は20μLあたり0.06μL(0.015μg/20μL)または0.01125μg/15μLもしくは0.75μg/mLを有する。
【0196】
プレートを、Tamraフィルターを有する機器で読む。単位は、約190〜220mP単位を示す無酵素コントロールによるmPである。完全に活性のある酵素は30分後に蛍光偏光を70〜100mPに至るまで低下させる。活性cpdはmP値をコントロールの中間まで上げるか、または120〜150mP単位まで上げる。結果を表1と表2に示す。
【0197】
(実施例67:mTORキナーゼアッセイ法)
精製酵素を用いるヒトTORアッセイ(Toral−Barza,ら、Biochem Biophys.Res.Commun.2005 June 24;332(1):304−10を参照)を、96ウエルプレートで、DELFIAフォーマットにより以下のように実施する。まず、酵素をキナーゼアッセイ緩衝液(10mMのHepes(pH7.4)、50mMのNaCl、50mMのb−グリセロホスフェート、10mMのMnC12、0.5mMのDTT、0.25mMマイクロシスチンLRおよび100mg/mLのBSA)で希釈する。各ウエルに、12mLの希釈酵素を0.5mLの試験阻害剤またはコントロールビヒクルのジメチルスルホキシド(DMSO)と短時間で混合する。800ng/mLのFLAG−TOR、100mMのATPおよび1.25mMのHis6−S6Kを含有する25mLの最終反応体積を得るようにATPとHis6−S6Kとを含有する12.5mLのキナーゼアッセイ緩衝液を加えることによりキナーゼ反応を開始する。反応プレートを穏やかに振盪しながら2時間(1〜6時間で直線的)室温でインキュベートし、次に25mlの停止緩衝液(20mMのHepes(pH7.4)、20mMのEDTA、20mMのEGTA)を加えることにより停止する。ユウロピウム−N1−ITC(Eu)で標識したモノクローナル抗P(T389)−p70S6K抗体(1A5、セルシグナリング)(1抗体あたり10.4Eu、PerkinElmer)を用いて、リン酸化(Thr−389)His6−S6KのDELFIA検出を室温で実施する。DELFIAアッセイ緩衝液および増強溶液はPerkinElmerから購入することができる。45mLの停止キナーゼ反応混合物を、55mLのPBSを含むMaxiSorpプレート(Nunc)に移す。His6−S6Kを2時間付着させた後に、ウエルを吸引し、PBSで1回洗浄する。40ng/mLのEu−P(T389)−S6K抗体を有する100mLのDELFIAアッセイ緩衝液を加える。穏やかに攪拌しながら、抗体の結合を1時間継続する。次に、ウエルを吸引し、0.05%のTween−20を含有するPBS(PBST)で4回洗浄する。100mLのDELFIA増強溶液を各ウエルに加え、プレートをPerkinElmer Victorモデルプレートリーダーで読む。得られたデータを用いて、酵素活性と潜在的な阻害剤による酵素阻害とを計算する。
【0198】
(実施例68:インビトロIGF−1誘導実験のラット1−IGF1アッセイ法)
ラット1細胞を6ウエル培養プレートに塗布し、24時間血清飢餓培養する。血清飢餓細胞をコントロールのビヒクルまたは多様な濃度の17−HWTによって2時間処理し、IGF−1(100ng/mL)により30分間刺激する。全細胞分解物をNuPAGE−LDS試料緩衝液(Invitrogen)用いて調製し、超音波処理し、次に遠心分離により明澄化する。等量のタンパク質を、NuPAGE電気泳動システムを用いる免疫ブロット分析に供し、phosphor−AKT(S473)、全AKT抗体(Signaling Technology)をプローブとして調べる。
【0199】
(実施例69: 腫瘍細胞成長アッセイ)
ヒト腫瘍細胞はすべてATCCから得て、標準細胞培養法を用いて培養する。細胞を96ウエル培養皿に1ウエルあたり1000〜3000細胞で塗布する。塗布の1日後、多様な用量のPI3K阻害剤の化合物4または化合物5のみによるか、または低い一定用量のMEK阻害剤2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(1μg/ml)またはUO126(5μg/ml)によって細胞を処理する。UO126は1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエンとしても知られている。一部の実験では、多様な用量のMEK阻害剤(2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド))、またはHER2/neu阻害剤HKI−272またはmTOR阻害剤CCI−779によるか、または低い一定用量の化合物4(0.1μg/ml)により細胞を単独で処理する。すべての併用アッセイにおいて、一回処理または併用処理を、ビヒクル(DMSO)によるか、または併用に含まれる同一用量の第二医薬のみで処理されたコントロールウエルとともに、同じ96ウエルプレートで行なう。さらに、実験併用に用いられる低用量の医薬をそれ自体に組み合わせてアッセイの可変性を調べるコントロール併用を同一のアッセイプレートで実施する。医薬処理の3日後、確立された細胞増殖アッセイの染料MTSの(生存細胞による)代謝的変換により生存細胞の密度を決定する。Promega社(マディソン、ウィスコンシン州)から購入したアッセイキットを、キットに提供されたプロトコールにしたがって使用することでアッセイを実施する。TMSアッセイの結果を、490nmの吸光度を測定して96ウエルプレートリーダーで読む。各処理の効果を、同一の培養プレートで成長させたビヒクルDMSO処理細胞に対するコントロール成長の比率として計算する。
相乗作用のデータ分析と計算
それぞれの併用成長阻害実験のために、医薬のみの用量反応曲線と組み合わせの用量反応曲線とを作る。相乗作用を評価するために、併用用量曲線を、式[成長(併用)%/成長(第二医薬のみ)%]×100を用いて第二医薬のみを用いて得た値により標準化して、標準化併用用量曲線を作る。標準化用量曲線が単一医薬の曲線に重なり合う場合、併用活性は相加的な成長阻害と決定する。標準化用量曲線が対応する1回処理に比較して高い阻害を示す場合、併用活性は相乗的な成長阻害と決定する。各実験において、コントロール併用からのデータは完全に相加的な成長阻害曲線を示した。
ウエスタンブロット分析
細胞を6ウエル培養皿に塗布する。24時間後、完全成長培地中、示された単剤または併用剤により細胞を16時間処理する。Yu,K.ら、Endocr. Relat. Cancer.2001 Sept:8(3)249−58により既に記載されたようにウエスタンブロット分析のためにタンパク質分解物を調製する。
アポトーシスアッセイ
96ウエルプレートに1ウエルあたり3000細胞の密度で細胞を塗布する。24時間後に、示された単剤または併用により細胞を処理する。アポトーシスを薬物処理の24時間後と48時間後にApo−ONEカスパーゼ−3/7アッセイキット(カタログ#G7791、Promega社)を用いて、供給メーカーから提供されたプロトコールにしたがってアポトーシスを測定する。アッセイ混合物を細胞に加え、プレートシェーカーを用いて穏やかに攪拌しながら、室温で3時間インキュベートする。各ウエルの蛍光をVictor Wallacプレートリーダーを用いて読む。各実験プレートは、実験値を得るためにすべてのウエルから引かれたバックグランド蛍光としてブランクウエル(細胞を含まない)を含む。データを相対蛍光単位(RFLU)か、Apo−ONE単位として示す。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】ペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物を示す。
【図2】本発明の化合物の一般的な合成スキームを示す。
【図3】本発明のペグ化化合物の合成スキームを示す。
【図4】ペグ化17−ヒドロキシワートマニンの合成スキームを示す。
【図5】ペグ化17−ヒドロキシワートマニン誘導体の合成スキームを示す。
【図6】U87MG神経膠腫において、異なる静脈内服薬スケジュール(毎週1×および2×)および異なる濃度の化合物5を用いて得られた結果の比較を示す。
【図7】U87MG神経膠腫において、異なる投与量の化合物5(毎週2×静脈内投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図8】NSCLC A549模型において、異なる投与量の化合物5(毎週1×静脈内投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図9】U87MG神経膠腫において、異なる投与量の化合物53(毎週2×静脈内投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図10】NSCLC A549において、異なる投与量の化合物53(毎週2×経口投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図11】U87MG神経膠腫において、異なる静脈内服薬スケジュール(毎週1×および2×)および異なる投与量の化合物46と化合物5とを用いて得られた結果の比較を示す。
【図12】U87MG神経膠腫において、化合物5、46、25および30が静脈内に毎週2×投与された場合の各化合物のインビボ活性および比較を示す。
【図13】U87MG神経膠腫において、毎週5mg/kg腹腔内5×または2×、または毎週静脈内2×投与の化合物4と化合物13とのインビボ活性を示す。
【図14】U87MG神経膠腫模型における化合物5または53とパクリタキセルとの併用治療(すべて静脈内に毎週1×投与)の結果を示す。
【図15】NSCLC H460模型における化合物5とパクリタキセルとの併用治療(静脈内に毎週1×投与)の結果を示す。
【図16】図16Aは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物4がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。図16Bは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物4がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。
【図17】図17Aは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物5がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。図17Bは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物5がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。
【図18】図18Aは、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(MEK阻害剤)に組み合わされた化合物4が7種類の結腸腫瘍株の一団において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図18Bは、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(MEK阻害剤)に組み合わされた化合物4が7種類の結腸腫瘍株の一団において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図18Cは、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(MEK阻害剤)に組み合わされた化合物4が7種類の結腸腫瘍株の一団において相乗的な成長阻害を示したことを表す。
【図19】図19Aは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4が非小細胞肺癌(NSCLC)細胞系において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図19Bは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4が非小細胞肺癌(NSCLC)細胞系において相乗的な成長阻害を示したことを表す。
【図20】図20Aは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4がMDA231乳癌細胞において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図20Bは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4がDU145前立腺腫瘍細胞において相乗的な成長阻害を示したことを表す。
【図21】MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)との化合物4の併用処理によるHCT116細胞におけるアポトーシスの相乗的な誘導を示す。
【図22】PI3K、MEKおよび細胞周期制御の多様な分子経路マーカーにおけるHCT116細胞のウエスタンブロット分析を提供する。細胞は1剤または併用剤で16時間処理された。
【図23】化合物4(0.1μg/ml)と組み合わされたHER2/neu阻害剤の(E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(「HKI−272」と称する)が、HER2/Neuを過剰発現するMDA361−DYT2乳癌細胞の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【図24】PI3K、HER2/Neu、ERKおよび細胞周期制御の多様な分子経路マーカーにおけるMDA361−DYT2のウエスタンブロット分析を提供する。細胞は16時間処理された。
【図25】化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779がMDA−MB−231乳腺細胞の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【図26】図26Aは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779が結腸腫瘍細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。図26Bは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779が結腸腫瘍細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【図27】図27Aは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779がPTEN陰性乳癌細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。図27Bは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779がPTEN陰性乳癌細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第60/617,654号(2004年10月13日出願、その全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、抗腫瘍活性を有するPI3K阻害剤としての一連の17−ヒドロキシワートマニン類似体に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ワートマニンは、シグナル伝達経路内のホスファチジルイノシトール−3(OH)−キナーゼ(PI3K)およびTORキナーゼの機能の強力な触媒的阻害剤であることがわかっている菌代謝物である。(非特許文献1および非特許文献2)。
【0004】
1a級PI3K(PI3Kと称する)は、p85調節サブユニットとp110触媒サブユニットとからなるヘテロ二量体酵素である。成長因子受容体刺激に応答して、PI3Kは、細胞膜での脂質の第二メッセンジャーホスファチジルイノシトール−3,4,5−トリホスフェート(PIP3)の生産を触媒する。また、PIP3は幅広い下流の細胞基質の活性化に寄与する。PI3K下流の最も重要なシグナル伝達介在物質として、セリン/スレオニンキナーゼAKTとラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)とが挙げられる。AKTは主要な生存シグナルを付与し、複数の細胞死/アポトーシスタンパク質および細胞周期因子の直接的なリン酸化により増殖を促進する。mTORは細胞のタンパク質翻訳の制御による細胞成長の中心的な制御因子である。よって、PI3K/AKT/TOR経路は、細胞増殖、成長、生存および血管形成にとって重要である。
【0005】
ヒトの癌において、PI3K/AKT/TOR経路の調節解除はすべての主要なヒトの癌で起こる最も頻度の高い事象にある。腫瘍抑制遺伝子PTEN、PIP3ホスファターゼおよびPI3Kシグナル伝達の負の調節因子の遺伝的な損失は、肺、前立腺、乳房、脳、腎臓、黒色腫、卵巣、子宮内膜、甲状腺およびリンパ等のすべてのヒトの癌の30〜50%で起こると予想されている。さらに、PI3K発現の恒常的な上昇は、肺癌、卵巣癌および膵臓癌に関連している。最終的に、Her−2、EGFRおよびRas等の細胞表面癌遺伝子は、乳房の腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍および肺腫瘍において恒常的なPI3Kシグナル伝達を引き起こす。これらの臨床的なデータは、PI3K阻害剤を新規な抗癌剤として探究する強力な理論的根拠を提供する。(非特許文献3)。PI3キナーゼおよびTORキナーゼは、癌(非特許文献4)、虚血性心疾患および再狭窄(非特許文献5、ならびに、非特許文献6)、炎症(非特許文献7、および、非特許文献8)、血小板凝集(非特許文献9)、硬化症(非特許文献10)、呼吸器疾患(非特許文献11、および、非特許文献12)、HIV(非特許文献13)、ならびに骨吸収(非特許文献14)において活性があることが示されている。
【0006】
PI3Kは、85kDa調節サブユニットと110kDa触媒サブユニットとの固く結合したヘテロダイマーとして存在し、ほとんどすべてのリガンド活性化成長因子受容体と癌遺伝子タンパク質チロシンキナーゼとの細胞複合体中に見られる(非特許文献15)。85kDaの調節サブユニットは明らかにPI3Kのアダプターとして作用して、成長因子受容体とチロシンリン酸化タンパク質と相互作用する(非特許文献16)。
【0007】
PI3Kは細胞の有糸分裂誘発および悪性転換に対して特別な意味のあるシグナル伝達での重要な酵素であると思われるが、限られた数の水溶性の医薬−ポリマー結合体のみがPI3Kに対する阻害活性を有するものとして同定された(例えば、非特許文献17を参照)。本発明の方法に用いられる水溶性医薬−ポリマー結合体の選択的なPI3K活性に反して、Matterらにより使用されたバイオフラビノイド水溶性医薬−ポリマー結合体、特にケルセチンおよびその一定の類似物はPI3KおよびプロテインキナーゼCやPI4−キナーゼ等の他のキナーゼを阻害する(非特許文献17、同箇所)。
【0008】
1995年の1月3日に特許された特許文献1は、ワートマニンまたはその一定の類似体の1つを用いて、哺乳動物におけるPI3Kを阻害する方法を提供した。ワートマニンの欠点の1つは生物に対するその毒性である。低い用量でさえ、純粋な形態のワートマニンは、しばしば実験動物に対して全身的に制限される投与物である。
【0009】
ワートマニンの生合成生産は当分野においてよく知られており、その誘導体はワートマニンから合成される。(非特許文献1;非特許文献18;非特許文献19;上記文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
【0010】
ジボランによるワートマニンの還元から調製されるワートマニン誘導体である17β−ヒドロキシワートマニンは、ワートマニンと比べて10倍の活性増加を示し、PI3KのIC50を、0.50nMのIC50とnM以下の範囲とした。しかし、C3H乳腺模型における17β−ヒドロキシワートマニンの抗腫瘍活性は0.5(mg/kg)の用量で阻害を示さず、1.0mg/kgの用量で毒性を示した。これらの発見は著者に「ワートマニンおよび関連類似物の求電子性C21位に対する求核付加は阻害剤効力と抗腫瘍活性とのために必要とされる。不幸にも、この機構は観察された毒性に関連があるように見える」(非特許文献1、p.1109−1110)との結論をもたらした。
【0011】
C−17ヒドロキシル基の箇所でアセチル化されたワートマニン誘導体は、「活性部位はC−17において親油性または立体的かさのための場を提供できない」(非特許文献2、p.5022)との結論を筆者にもたらす劇的な活性の損失を示した。この結論は、引き続いて解明されたワートマニンに結合したPI3KのX線結晶学的構造と一致する(非特許文献20)。
【0012】
他のワートマニン誘導体はC−20の位置で開環する。ワートマニンをC−20位で求核試薬と反応させることにより、そのフラン環が開環する。そのような開環化合物は一連の生物学的活性を示す(非特許文献21)。Powisの特許文献2も参照されたい。
【0013】
ポリ(エチレングリコール)(PEG)の結合は、医薬の水溶性と投与とを向上させるために医薬品化学で成功裏に使用されている(同書)。しかし、PEGの共有結合はPEGが結合する医薬の水溶性と利用性との向上を必ずしも提供しない(非特許文献22、p.3299)および(非特許文献23、p.3302)。
【0014】
PEG医薬の概要において、20年間にわたって調製されてきた低分子量(<20,000)のどのPEG小分子医薬結合体も臨床的に承認された生成物を導いてこなかった(非特許文献24、要約)。実際、ほんのわずかな小有機分子抗癌剤が不変の結合によりPEGに複合化されただけで、これらのものは臨床的に優れた水溶性医薬−ポリマー結合体を導くことはなかった(非特許文献25、p.220)。PEG−CPTを用いると、PEG−CPT40,000、20,000および8,000構築物で死亡率はそれぞれ約50%、10%および0%であった。表向きは、医薬の結合体化におけるポリマーMw5000の使用は、インビトロではほとんど効果を持たない速やかに分泌される種を与えた(非特許文献25、p.225)。腫瘍に蓄積する能力を有するPEG40,000の結合は医薬にさらに高い抗腫瘍活性を自動的に与えると言えない(非特許文献25、p.235)。
【特許文献1】米国特許第5,378,725号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2003/0109572号明細書
【非特許文献1】Norman,Bryan H.,ら,「Studies on the Mechanism of the Phosphatidylinositol 3−Kinase Inhibition by Wortmannin and Related Analogs」,J Med.Chem.,1996年,第39巻,p.1106−111
【非特許文献2】Creemer, Lawrence C.,「Synthesis and in Vitro Evaluation of New Wortmannin Esters:Potent Inhibitors of Phosphatidylinositol 3−Kinase」,J Med.Chem.,1996年,第39巻,p.5021−5024
【非特許文献3】Cantley,L.およびNeel,B.,「New Insights into Tumor Suppression:PTEN Suppresses Tumor Formation by Restraining the Phosphoinositide 3−kinase/AKT pathway」,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1999年,第96巻,p.4240−4245
【非特許文献4】Vivanco,I.およびSawyer,C.,「The phosphatidylinositol 3−kinase−AKT Pathway in Human Cancer」,Nature Reviews Cancer,2002年,第2巻,p.489−501
【非特許文献5】Shiojima,I.およびWalsh,K.,「Role of Akt Signaling in Vascular Homeostasis and Angiogenesis」,Circulation Research,2002年,第90巻,p.1243−1250
【非特許文献6】Ruygrok P.,ら,「Rapamycin in Cardiovascular Medicine」,Intern Med J.,2003年,第33巻,p.103−109
【非特許文献7】Wymann,M.,ら,「Phosphoinostide 3−kinase gamma:A Key Modulator in Inflammation and Allergy」,Biochem Soc Trans,2003年,第31巻,p.275−280
【非特許文献8】Kwak, Yong−Geun,ら,「Involvement of PTEN in airway hyperresponsiveness and inflammation in bronchial asthma」,The Journal of Clinical Investigation,2003年4月,第111巻,第7号,p.1083−1092
【非特許文献9】Watanabe,N.,ら,「Functional Phenotype of Phosphoinositide 3−kinase p85(alpha)Null Platelets Characterized by an Impaired Response to GP VI Stimulation」,Blood(epub),2003年3月
【非特許文献10】Kenerson,H.,ら,「Activated Mammalian Target of Rapamycin in the Pathogenesis of Tuberous Sclerosis Complex Renal Tumors」,Cancer Res.,2002年,第62巻,p.5645−5650
【非特許文献11】Kitaura,J.,ら,「AKT−dependent Cytokine Production in Mast Cells」,J. Exp. Med,2000年,第192巻,p.729−739
【非特許文献12】Stewart A.,「Airway Wall Remodeling and Hyperresponsiveness:Modeling Remodeling in vitro and in vivo」,Pulm Pharmacol Ther,2001年,第14巻,p.255−265
【非特許文献13】Francois,F.およびKlotman,M.「Phosphatidylinositol 3−kinase Regulates Human Immunodeficiency Virus Type−1 Replication Following Viral Entry in Primary CD4(+)T Lymphocytes and Macrophages」,J. Virol,第77巻,p.2539−2549
【非特許文献14】Pilkington,M.,ら,「Wortmannin Inhibits Spreading and Chemotaxis of Rat Osteoclasts in vitro」,J Bone Miner Res,1998年,第13巻,p.688−694
【非特許文献15】Cantley,L.C.,ら、Cell,1991年,第64巻,p.281−302
【非特許文献16】Margolis,C,Cell Growth Differ.,1992年,第3巻,p.73−80
【非特許文献17】Matter,W.F.,ら、Biochem.Biophys,Res.Commun.,1992年,第186巻,p.624−631
【非特許文献18】Dewald,Beatrice,ら,「Two Transduction Sequences Are Necessary for Neutrophil Activation by Receptor Agonists」,The Journal of Biological Chemistry,1988年11月5日,第263巻,p.16179−16184
【非特許文献19】Varticovski,L.,ら,「Water−soluble HPMA copolymer−wortmannin conjugate retains phosphoinositide 3−kinase inhibitory activity in vitro and in vivo」,Journal of Controlled Release,2001年,第74巻,p.275−281
【非特許文献20】Walker,Edward H.,ら,「Structural Determinants of Phosphoinositide 3−Kinase Inhibition by Wortmannin,LY294002,Quercetin,Myricetin, and Staurosporine」,Molecular Cell,2000年,第6巻,第4号,p.909−919
【非特許文献21】Wipf,Peter,ら,「Synthesis and biological evaluation of synthetic viridins derived from C(20)−heteroalkylation of the steroidal PI−3−kinase inhibitor wortmannin」,Org.Biomol.Chem.,2004年,第2巻,p.1911−1920
【非特許文献22】Bebbington,David,ら,「Prodrug and Covalent Linker Strategies for the Solubilization of Dual−Action Antioxidants/Iron Chelators」,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2002年,第12巻,p.3297−3300
【非特許文献23】Feng,Xia,ら,「Synthesis and Evaluation of Water−Soluble Paclitaxel Prodrugs」,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2002年,第12巻,p.3301−3303
【非特許文献24】Greenwald,R.B.,「PEG drugs: an overview」, Journal of Controlled Release,2001年,第74巻,p.159−171
【非特許文献25】Greenwald, R.B.,ら,「Effective Drug Delivery by PEGylated Drug Conjugates」,Advanced Drug Delivery Reviews,2003年,第55巻,p.217−250
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
向上した抗腫瘍活性および/または低毒性を有するワートマニン類似体が必要である。本発明の化合物はこの必要性を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要旨)
一実施態様において、本発明は、次式I:
【0017】
【化4】
(式中、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素、ホルミルおよびアシルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R7は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R8は、ヒドロキシ、アシルオキシおよびアルコキシからなる群から選択される。)の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する。
【0018】
一実施態様において、R1はNR4R5である。
【0019】
一実施態様において、R2は水素である。
【0020】
別の実施態様において、R2はホルミル基である。
【0021】
さらに別の実施態様において、R3はアシルオキシ基である。好ましくは、R3はアセトキシ基である。
【0022】
一実施態様において、R8はヒドロキシ基である。
【0023】
一実施態様において、本発明は、式Iの化合物:
(式中、
R1が、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2が、水素およびホルミルからなる群から選択され;
R3が、水素、ヒドロキシおよびアシルオキシからなる群から選択され;
R4およびR5が、水素、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6が、アルキル基であり;
R7が、水素であり;
R8が、ヒドロキシ基である)
およびそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する。
【0024】
一実施態様において、本発明は式Iの例示化合物を提供する。1つの例は、(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを提供する。
【0025】
本発明は、式IにおいてR基が上記のものであるペグ化化合物も包含する。実例として、R1、R2またはR3の位置でペグ化された化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物を提供することによりPI3K活性を阻害する方法を提供する。また、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPI3Kを阻害する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、PI3K依存状態を治療する方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、本発明の化合物を提供することによりTOR活性を阻害する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてTORを阻害する方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明は、本発明の医薬組成物を投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。さらに、本発明は、成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調節する1種類以上の物質を投与することをさらに含む方法を提供する。
【0029】
化合物の名称と構造とが矛盾する場合、構造が優先する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(発明の詳細な説明)
一実施態様において、本発明は、次式I:
【0031】
【化5】
(式中、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素、ホルミルおよびアシルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R7は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R8は、ヒドロキシ、アシルオキシおよびアルコキシからなる群から選択される)の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物{但し、該化合物は、次式V:
【0032】
【化6】
[式中、R9はアルキルであるか、または単一の非繰り返し式(B):
【0033】
【化7】
(式中、R10は、−O−、−NH−、または−S−であり;
R11は、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
R3は、H、=O、−O−COC4H9、またはOR12であり;
R12は、H、COR13またはアルキルであり;
R13は、アルキル、H、アリール、または−CH2−アリールであり;
nは1〜1000である)の医薬−ポリマー結合体である]で表される化合物ではない}を提供する。
【0034】
本発明のR基は任意に置換される。任意に置換されるとは、0個、1個またはそれ以上の置換基を有することを意味する。置換基として、水素、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリールアルキルアミノ基、アミノ基、シアノ基、カルバモイル基、アセトアミド基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、スルホニル基、PEG(ポリエチレングリコール)基、複素環基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、多環基、アリールオキシ基、アルキルチオ基およびアリールチオ基が挙げられるが、これらに限定されない。置換基自体も任意に置換されていてよい。
【0035】
他に特に規定がなければ、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は1〜10個の炭素原子を有し、直鎖、分鎖または環状であってよい。
【0036】
複素環基の例として、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキソピペリジン、モルホリンおよびアゼチジンが挙げられるが、これらに限定されない。複素環基に融合したベンゼン環の例として、キノリン、イソキノリンおよびジヒドロイソキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。他に特に規定がなければ、複素環基は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1種類以上のヘテロ原子を含む。
【0037】
アリール基の例として、フェニル基とナフチル基とが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
多環基は1つ以上の他の環に融合させた1つの環を含む。環は芳香族または非芳香族であってよい。環は炭化水素または複素環であってよい。
【0039】
ホルミルは−C(O)H基を意味する。
【0040】
アシルはヒドロキシル基の除去により有機酸から得られた有機基を意味する;例えば、RC(O)−はRCOOHのアシル基である。
【0041】
アルコキシは−OR基(式中、Rは、1つ以上の官能基により任意に置換することのできるアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である)を意味する。
【0042】
カルボニルは二重結合により酸素に結合した炭素(すなわち、C=O)を意味する。
【0043】
アシルオキシは、アルキル−C(O)O−基、置換アルキル−C(O)O−基、シクロアルキル−C(O)O−基、置換シクロアルキル−C(O)O−基、アリール−C(O)O-基、ヘテロアリール−C(O)O−基および複素環C(O)O−基をいう。アシルオキシとして、アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシおよびアロイルオキシが挙げられる。
【0044】
ヘテロアリールは、単環式、二環式、三環式等の環系を含む芳香族複素環式環を意味し、ここで環系の少なくとも1つの炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子により置換されている。
【0045】
アラルキルは、アルキルの水素原子がアリール基により置換されたラジカルであるアリール化アルキルである。
【0046】
PEGはポリエチレングリコールである。
【0047】
一実施態様において、R1はNR4R5である。一部の実施態様において、R4およびR5が結合して環を形成する。例えば、実施態様として、NR4R5がピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキソピペリジン、モルホリンまたはアゼチジンであるようにR4およびR5が結合する例が挙げられるが、これらに限定されない。NR4R5環は上記のように任意に置換してよい。NR4R5環は、NR4R5が例えばジヒドロイソキノリンであるようにベンゼン環に融合してもよい。
【0048】
別の実施態様において、R1はSR6である。実例として、ブチルスルファニルが挙げられるが、これに限定されない。
【0049】
別の実施態様において、R1はOR7である。実例として、−OHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
式Iにおいて、R1はワートマニン化合物のC20に関して1つの特定の構造的関係を有するものとして示される。当業者は、C20二重結合の他の起こりうる配置が可能であることを認めるだろう。示していないが、式Iおよび本発明の化合物はC20二重結合の別の配置を包含する。
【0051】
一実施態様において、R2は水素またはホルミル基である。
【0052】
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択される。一実施態様において、R3はアシルオキシ基である。アシルオキシ基の例として、アセトキシ基が挙げられるが、これに限定されない。
【0053】
一実施態様において、R8はヒドロキシ基である。
【0054】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素およびホルミルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシおよびアシルオキシからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;R4およびR5は任意に結合して環を形成してよく;
R6はアルキル基であり;
R7は水素であり;
R8はヒドロキシ基である)の化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物を提供する。
【0055】
下記のチャートは本発明の一部の例示化合物、およびここで本明細書全体にわたって使用してよい付与された「化合物番号」を提供する。本発明は、該化合物の塩、溶媒和物および水和物も含む。
【0056】
【化8−1】
【0057】
【化8−2】
【0058】
【化8−3】
【0059】
【化8−4】
【0060】
【化8−5】
【0061】
【化8−6】
【0062】
【化8−7】
本発明は、R基が上記のものである式Iのペグ化化合物も包含する。実例として、R1、R2またはR3の位置でペグ化された化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
式Iの化合物の一定の置換基の存在は、化合物の塩の形成を可能にし得る。適当な塩として、薬学的に許容される塩、例えば、無機酸または有機酸に由来する酸付加塩および無機酸および有機酸に由来する塩が挙げられる。
【0064】
酸付加塩として、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、またはイセチオン酸塩、アリールスルホン酸塩、例えば、p−トルエンスルホン酸塩、ベシル酸塩またはナプシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩が挙げられる。
【0065】
無機塩基または有機塩基に由来する塩として、ナトリウム塩またはカリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、モルホリン塩、ピペリジン塩、ジメチルアミン塩またはジエチルアミン塩等の有機アミン塩が挙げられる。
【0066】
本発明の化合物の特に有用な塩として、薬学的に許容される塩、特に薬学的に許容される酸付加塩が挙げられる。
【0067】
本発明の化合物は、上記のように、および参照することにより本明細書に援用される2004年4月20日に出願された先行する米国出願第10/828,474号に記載されているように、17−ヒドロキシワートマニンから作ることができる。17−ヒドロキシワートマニンはアミンにより処理して、フラン環が開環した化合物を得ることができる。17−ヒドロキシワートマニンは17位でホルミル化し、次にアミンで処理しても、フラン環が開環した化合物を得ることができる。図2を参照されたい。
【0068】
本発明のペグ化化合物は、アミン付加によりジクロロメタン中でペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物から作ることができる。図3を参照されたい。ペグ化17−ヒドロキシワートマニンとペグ化ワートマニン誘導体との調製方法は図4と図5にそれぞれ示されており、2004年4月20日に出願された先行する米国出願第10/828,474号に記載されている。
【0069】
例えば、図4に示すように、12mLのテトラヒドロフラン(THF)中の60mgのワートマニン(0.14mmol、Aldrich製)の溶液を窒素下に0℃の氷浴で冷却する。THF溶液中の1Mボラン(134μL、0.14mmol、Aldrich製)を加え、反応混合物を0℃で3.5時間攪拌する。反応物を1mLの水で急冷する。室温まで温めた後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。処理後、約60mg(HPLCによる17−ヒドロキシ−ワートマニンの純度:90%)の固体を得る。この固体(約0.126mmolの17−ヒドロキシ−ワートマニン)を15mLの塩化メチレンに溶解し、ヨード酢酸(24mg、0.13mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(27mg、0.13mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(触媒として0.1mg)と反応させる。反応混合物を1時間室温に保つ。処理後、約75mgの粗製生成物(黄色固体)が得られる。純粋な17−ジヒドロ−17−(1−ヨードアセチル)−ワートマニンは調製用HPLCにより単離する。合計54mgの白色固体が得られる。
【0070】
また、図4に示すように、40mg(0.067mmol)の17−ジヒドロ−17−(1−ヨードアセチル)−ワートマニンを窒素下に15mlのアセトニトリルおよび10mLの0.1M重炭酸ナトリウムに溶解する。合計345mgのM−PEG−SH−5000(0.069mmol)を1時間以内に加える(4バッチ)。室温でさらに1時間攪拌した後、反応混合物を塩化メチレンで抽出し、処理する。約320mgの粗製生成物が得られる。合計209mgの純粋な水溶性医薬−ポリマーペグ化ワートマニン誘導体が調製用HPLC後に260mgの粗製生成物から得られる。
【0071】
別の実施態様において、本発明は、細胞中の(インビボまたはインビトロで)本発明の1種類以上の化合物を提供することによりPI3K活性を阻害する方法を提供する。本発明の化合物を試験して、PI3Kを阻害するのに十分な最小濃度、すなわち、最小阻害濃度(IC50)を決定することができる。実施例66を参照されたい。下記の表1および表2は、本発明の例示化合物のIC50結果を示す。他に示さない限り、IC50はμg/mlで測定される。当業者は、本発明の化合物のPI3K活性の阻害能を示すアッセイを理解するだろう。例えば、米国特許第5,378,725号は化合物の活性を試験するために用いることのできる例示的な試験系を提供する。当業者は他のアッセイ系を理解するだろう。さらに、当業者はPI3K活性の阻害を研究するのに使用される哺乳類の模型を理解するだろう。そのような模型として、胸腺欠損マウスにおけるヒト異種移植片模型が挙げられるが、これに限定されない。同様に、当業者は、本発明の化合物の活性と毒性を決定するためにこれらの模型を使用することができる。
【0072】
1つのインビボプロトコールにおいて、Balb/c nu/nu(胸腺欠損)マウスを実験動物飼育認定協会(Association for Accreditation of Laboratory Animal Care(AALAACC)の基準にしたがって、実験に使用する前に少なくとも1週間飼育する。動物を微小隔離飼育器ケージで飼育し、層流フード下でのみ取り扱われる。すべての食餌と水は加圧滅菌される。細胞の懸濁物を、25〜26ゲージの滅菌注射針とシリンジとを用いて200μLの容量でマウスの左横腹に接種する。細胞を完全成長培地に再懸濁し、1マウスあたり1千万細胞にて与える。得られた腫瘍が段階の適当な大きさに達したら、マウスを再度グループ別に分けて、等しい大きさの集団(n=10)を作る。段階に達したら、マウスに化合物を0.2ccで静脈内投与する。化合物は、マウスへの注射前にリン酸緩衝食塩水(PBS)に再懸濁することができる。処理は典型的には継続期間中は毎週1×か毎週2×である。少数の研究において、処理は、腫瘍が動物体重の10%に達するまで2週間毎に繰り返される毎日の×5投薬スケジュールとして施される。固体腫瘍の成長は実験の期間中、毎週2回モニターする。腫瘍サイズを、スライドするノギスを用いて定量し、その質量を、2で割った式L×W(mm)を用いて計算する。立方体(mm)からmgへの変換は単位密度を仮定して行なう。腫瘍はマウス体重の15%(この時点でマウスを安楽死させる)よりも大きく成長させない。
【0073】
図6〜図15は、このプロトコールにより実施されたインビボアッセイの結果を示す。化合物をリン酸緩衝液に溶解した。ビヒクルのコントロールは化合物を含まないリン酸緩衝液であった。すべての投与量はmg/kgで測定した。ペグ化化合物に関して、その投与量はPEGの重量を考慮せずにその主剤により測定した。細胞系A549(ヒト非小細胞肺癌)およびU87(膠芽細胞腫)をアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)(ロックビル、メリーランド州)から購入した。アッセイの結果は本発明の化合物が腫瘍の成長を阻害することを示す。
【0074】
本発明は、PI3Kを阻害する量の本発明化合物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPI3Kを阻害する方法を提供する。
【0075】
一実施態様は、PI3Kを阻害する量の本発明化合物を対象に投与することを含む、PI3K依存状態の治療方法を提供する。PI3K依存状態としては、痛み、糖尿病、炎症、血小板凝集、虚血性心疾患、硬化症、再狭窄、呼吸器疾患、HIV、骨吸収、および特に非小細胞肺癌および脳腫瘍等の癌に関連する生化学的プロセスが挙げられる。
【0076】
PI3Kは、細胞の有糸分裂誘発および悪性変換に重要な役割を果たすので、PI3Kを阻害する化合物は抗腫瘍剤として有用であることが証明されている。よって、本発明の一実施態様は、本発明の化合物を投与することにより癌を治療する方法を提供する。癌の治療として、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を阻害および/または低減することを包含するが、これらに限定されない。当業者は、細胞増殖を低減する本発明化合物の能力を示すアッセイを理解するだろう。例えば、細胞系を本発明の化合物とともに培養し、次に細胞増殖を、例えば、MTSアッセイまたはチミジン取り込みアッセイにより測定する。当業者は他のアッセイも同じく理解するだろう。
【0077】
例示的な細胞増殖アッセイは腫瘍成長を阻害するために十分な化合物の最終濃度、すなわち、最小阻害濃度IC50(μg/ml)を示す。例示的な化合物の細胞増殖アッセイの結果を以下の表1および表2に示す。細胞系LNCaP(ヒト前立腺癌腫)、MDA468(ヒト乳癌細胞)、MDA435(ヒト乳腺腺癌)およびDU145(ヒト前立腺癌腫/リンパ球性白血病)はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)(ロックビル、メリーランド州)から購入した。細胞を、5%CO2を含有する37℃のインキュベーター中、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むRPMI培地1640で培養した。すべての細胞培養試薬はGibco−BRL(グランドアイランド、NY)から購入した。細胞を、1ウエルあたり約3000細胞で96ウエル培養プレートにて培養する。培養の1日後、化合物またはビヒクルコントロール(緩衝液のみ)を細胞に加えた。増殖アッセイを処理の開始の3日後に実施した。
【0078】
非放射性細胞増殖アッセイのために、既に確立されている細胞増殖アッセイである、当業者に知られている細胞増殖アッセイで(MTSアッセイ)染料MTSテトラゾリウム染料の(生存細胞による)代謝的変換を測定することにより生存細胞の密度を決定する。アッセイキット(Promega社、マディソン、ウィスコンシン州)を用いてアッセイを実施する。アッセイプレートを1〜2時間インキュベートし、490nmの吸光度を測定することにより96ウエルプレートリーダーでその結果を読む。各化合物の効果を、同一の培養プレートで成長させたビヒクル処理細胞から得られたコントロール細胞成長の比率として計算する。
【0079】
PI3K/AKT/TOR経路は、細胞の増殖、成長、生存および血管形成のために重要である。したがって、本発明の化合物はTOR活性を阻害するためにも有用であり得る。PI3Kに関連して上記したものと類似のインビボおよびインビトロアッセイを用いて、TORを阻害するのに十分な化合物の最小濃度を決定することができる。実施例67と実施例68とにそれぞれ説明したヒトTORアッセイとラット1−IGF1アッセイとを本発明の一部実施態様により実施した。これらのアッセイの結果を下記の表1および表2に示す。TORを阻害するのに十分な化合物の最小濃度、すなわち、例示化合物の最小阻害濃度IC50(μg/ml)を下記の表1および表2に示す。
【0080】
(表1:アッセイデータ(IC50、μg/ml))
【0081】
【表1】
(表2:アッセイデータ(注記されている以外はIC50、μg/ml))
【0082】
【表2】
さらに、本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
【0083】
本発明の医薬組成物は、哺乳類で媒介される病的状態または病気の治療または予防のために、単独で、または他の治療効果のある化合物または治療と組み合わせて投与してよい。同様に、本発明の化合物は単一化合物として、または他の化合物と組み合わせて提供してよい。
【0084】
PI3Kの阻害は、サイトカイン類、インターフェロン、ラパマイシン、HER2/EGFR阻害剤、MEK阻害剤、インターフェロン−α、Srcキナーゼ阻害剤およびmTor阻害剤等の、しかしこれらに限定されない、当分野で公知の成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調節する他の物質の治療活性を増強すると期待できよう。
【0085】
HER2はヒト上皮細胞成長因子受容体2であり、乳癌等の多くのヒト腫瘍の表面に発現する。HER2阻害剤は、好ましくは、細胞増殖を仲介するシグナル伝達経路を阻害し、具体的には、HER2チロシンキナーゼを阻害するので、HER2を発現する癌の成長を抑制する治療剤としても有用である。HER2阻害剤は当分野で公知である。例示的なHER2阻害剤は、(E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドである。
【0086】
ヒト上皮細胞成長因子(EGF)は、特定の細胞膜の上皮細胞成長因子受容体(EGFR/ErbB−1)に結合することにより生物的な効果をおよぼすポリペプチドである。多くの種類の癌細胞は細胞表面での増強EGFR発現を示す。癌細胞上のEGFRの増強発現は過剰な増殖と転移とに関連している。あまりに多いそのリガンドのEGFは、結腸直腸、頭頸部、卵巣、前立腺、乳房および肺等の多様な癌をもたらす細胞成長の暴走により同定されてきた。EGFがEGFRに結合すると、それは、成長と分裂とを促す化学的シグナル伝達プロセスを引き起こす。EGFRの阻害剤は、好ましくは、EGFと、その受容体EGFRとの相互作用を妨げるか、または内部の化学的シグナル伝達プロセスを阻害して、細胞分裂を承認する化学物質の生産を停止させる。例示的なEGFR阻害剤は、4−ジメチルアミノ−ブテ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−3−シアノ−7−エトキシ−キノリン−6−イル]−アミドである。
【0087】
MEKはMAP(分裂促進因子結合プロテインキナーゼ)およびErk(細胞外シグナル調節)キナーゼの集団であるMEKキナーゼとして知られる酵素のファミリーである。これらは、哺乳動物における基質のリン酸化を調節する酵素である。好ましいMEK阻害剤は、MEK1酵素とMEK2酵素とを、他のそのような酵素を実質的に阻害せずに阻害する化合物である。例示的なMEK阻害剤は、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−6−メトキシ−7−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)キノリン−3−カルボニトリルである。別の例示的なMEK阻害剤は、UO126として知られるか、または化学的にl,4−ジアミノ−2,3,−ジシアノ−l,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエンとして知られるMAPキナーゼ阻害剤である。
【0088】
Srcは細胞膜に結合するプロテインチロシンキナーゼ(PTK)であり、シグナル変換と成長調節経路に関与する。それは、ATPのガンマホスフェートを、基質タンパク質上のチロシン残基の側鎖に転移することにより細胞シグナルを伝達する。今日まで、Srcプロテインチロシンキナーゼファミリーの9メンバーが発見されている。これらのメンバーは、Src、Yes、Fyn、Fgr、Blk、Lck、Lyn、HckおよびYrkである。Fgr、Blk、Lck、Lyn、HckおよびYrkは発現され、主に造血細胞で活性である。Src基質のリン酸化の変化は細胞シグナリングの重要事象である。ほとんどの正常な細胞はSrcの非常に低いレベルと活性とを有し、この酵素は細胞の生存の確立または維持に必要とされない。Src活性は多くのヒトの癌で大きく増加する。
【0089】
Src活性の変化は細胞周期の変化に関連し、Src活性の調節の変化は異常増殖に関連している。Srcの阻害は、Srcが関与することで癌細胞の成長速度を低下させるシグナル伝達経路を中断する効果を有し得る。Srcファミリーの阻害に向けられる医薬は、限定されるか、もしくはまったくない全身毒性という利点を有するが、Srcファミリーの1種類以上のメンバーの活性を上昇させたことが示されている腫瘍に対して高い特異性を有し得る。例示的なSrc阻害剤は、4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシ−フェニルアミノ)−5−メトキシ−7−[3−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−プロポキシ]−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−7−{5−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−2−ピリジニル}−3−カルボニトリルである。
【0090】
CCI−779は、ラパマイシンのエステルであり、癌を有する患者の治療のために現在、第II相臨床開発にあるラパマイシンの哺乳類標的阻害剤(mTOR)である。CCI−779はmTORと相互作用し、そのキナーゼ活性を阻害し、mTOR調節翻訳制御要素p70(s6)キナーゼの阻害をもたらす。
【0091】
本発明の化合物は、多様な細胞成長または細胞周期モジュレーター、チロシンキナーゼまたはサイトカインの阻害剤と組み合わせた場合に幾つかの腫瘍模型において相乗的な成長阻害を付与する。本発明者等は、相乗的な抗腫瘍活性が、MEK、Her2/NeuおよびmTORの阻害剤に組み合わされた場合に本発明化合物により達成できることを発見した。具体的には、本発明の化合物は、PIK3とMEKとが組み合わせられた阻害剤により相乗的な抗癌活性を、結腸(図16〜18、図21、図22および図26を参照)、肺(図19を参照)、前立腺(図20を参照)および乳癌細胞系(図20、図23、図25および図27を参照)において示した。実施例69も参照されたい。
【0092】
17−ヒドロキシワートマニンと本発明の化合物とによる治療に応答して、PI3K経路マーカーは感受性細胞と耐性細胞との両方でよく阻害される。細胞周期タンパク質であるサイクリンD1およびc−Mycのみが感受性細胞において効率的に阻害されることが注意されたい。PI3KまたはMEKの特定の阻害剤は互いの経路マーカーを相互阻害しないことが一般的に観察されている。最近の文献(Mirza AM,ら、Mol Cell Biol.2004 Dec;24(24):10868−81;Xing D,ら、Proc Natl Acad Sci USA. 2005 May 10;102(19):6936−41;Gera JF,ら、J Biol Chem.2004 Jan 23;279(4):2737−46;およびShi Y,ら、J Biol Chem. 2005 Mar 25;280(12):10964−73)で示唆されているように、多くの重要な細胞機能、例えば、サイクリンD1とc−Mycとの発現は、PI3KとRas/MEKとの共同的で独立したシグナル伝達経路をともなう転写および翻訳により調節される。本発明者等は多くの細胞模型におけるERK(MEKの基質)の恒常的なリン酸化と活性化とが本発明の化合物に対する低感受性に関連することを発見した。したがって、PI3KとRas/MEK経路との併用阻害は、両経路が細胞の成長と生存とに不可欠であるので、広い抗癌利用のために特に魅力的であるように思える。
【0093】
また、本発明の化合物は、HER2/Neu陽性乳癌系においてHER2/Neu阻害剤に組み合わされた場合に相乗的な抗癌活性を提供する。最近の報告(Bianco R,ら、Oncogene.2003 May 8;22(18):2812−22およびNagata Y,ら、Cancer Cell.2004 Aug;6(2):117−27)は、PTEN欠損により引き起こされる恒常的なPI3Kシグナル伝達はEGFRキナーゼ阻害剤およびHER2抗体ハーセプチン(乳癌治療薬)に対して耐性を付与し、両者におけるそのような耐性は公知の阻害剤LY294002によるPI3Kの阻害により克服できることを示した。本発明者等は、乳癌系MDA361−DYT2は高レベルのHer2/Neuを発現するが、インビトロおよびインビボでHer2/Neuキナーゼ阻害剤HKI−272((E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドとしても知られる)に対して耐性があることを発見した。0.1μg/mlのHKI−272によるMDA361−DYT2の処理はリン酸化形態のHer2/NeuとERKとを完全に阻害したが、PI3K/AKT経路の恒常的な活性化を示すAKT経路マーカーに対してはほとんど効果を持たなかった。よって、PI3K(本発明の化合物を含む)およびHer2/Neu阻害剤の併用阻害はハーセプチンおよび/またはHKI−272耐性乳癌で相乗的な効能を提供し得る。図23と図24を参照されたい。
【0094】
また、本発明の化合物は、乳癌細胞系と結腸腫瘍細胞系においてmTOR阻害剤に組み合わされた場合に相乗的な抗癌活性を提供する。PI3KおよびmTORは、癌において頻繁に調節解除されるPI3K/AKT/mTOR経路の2つの主要な成分である。PI3KおよびmTORは、オーバーラップの多様な集合ならびに成長因子、栄養およびエネルギー供給の独立したシグナルにより調節される。調節解除されたPI3KおよびmTORは腫瘍の成長および生存の促進に相乗的に作用し得る。この考えに一致して、腫瘍抑制因子PTEN(PI3Kの細胞リプレッサー)およびTSC2(mTORの細胞リプレッサー)はこれらの遺伝子のそれぞれの損失に特異的な一部の腫瘍の重症度を相乗的に抑制することが示された(Manning BD,ら、Genes Dev.2005 Jul 18)。哺乳類の神経膠腫細胞において、ラパマイシンによるTOR阻害とPI3K/AKT阻害との組み合わせは、増強された自食作用による相乗的な抗腫瘍効果をもたらした(Takeuchi H,ら、Cancer Res.2005 Apr 15;65(8):3336−46)。新しい報告において、ラパマイシンおよびPI3K阻害剤LY294002による併用処理は、H157肺腫瘍細胞におけるRapa誘導eIF4Eリン酸化を克服することにより抗腫瘍活性を高めた(Sun SY,ら、Cancer Res.2005 Aug 15;65(16):7052−8)。優れた抗腫瘍インビボ効能が、最小投与量のPI3K阻害剤のPEG−17−ヒドロキシワートマニンとmTOR阻害剤のPeg−Rapaとの組合せにより達成されたことが既に観察されている(Yu K,ら、Cancer Biol Ther.2005 May 28;4(5):538−45)。現在の併用実験において、mTOR阻害剤のCCI−779に組み合わされた化合物4は、PTEN陰性(CCI−779感受性)腫瘍細胞において相加的阻害を付与し、およびCCI−779によるか、または他の17−ヒドロキシワートマニン(17−HWT)類似物による単剤処理に感受性の低い結腸腫瘍細胞において相乗的な阻害を付与した。
【0095】
構造的に異なるMEK阻害剤であるUO126(1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエンとしても知られている)と(2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)とに組み合わされた本発明の化合物4および化合物5は、結腸癌細胞系(HCT116、HT29、SW620、SW480、LS−174T、Caco2およびLovo)、NSCLC細胞系(A549およびH157)、前立腺系DU145および乳腺系MDA231において広い相乗的な成長阻害を示した。
【0096】
HCT116模型において、併用による相乗的な成長阻害がアポトーシスの誘導により達成された。HCT116結腸系でのウエスタン分析は相乗的な抗腫瘍活性に一致するシグナル伝達分子の調節を示した。
【0097】
Her2/Neu阻害剤HKI−272に組み合わされた化合物4は、HKI−272に耐性のあるHer2/Neu過剰発現MDA361−DYT2系において相乗的な成長阻害を示した。ウエスタン分析は、相乗的な抗腫瘍活性に一致する生化学マーカーの調節を示した。
【0098】
mTOR阻害剤CCI−779に組み合わされた化合物4は、PTEN陰性乳癌細胞において相加的な成長阻害を示し、CCI−779に耐性のある乳癌細胞系および結腸細胞系において相乗的な成長阻害を示した。
【0099】
ワートマニン誘導体はインターフェロン−α(イントロン−A)と協力して、腫瘍退縮を引き起こし、mTORキナーゼの特異的な阻害剤であるペグ化ラパマイシンの抗癌活性を高める。Yu,K.,ら、Cancer Biol.Ther.(2005)28:4(5)。したがって、本発明は、MEKの阻害剤、Her2/Neu、mTor、Src、サイトカインおよびインターフェロン−α(イントロン−A)等の、しかし、これらに限定されない成長因子シグナル伝達カスケード、サイトカイン応答等の阻害剤に組み合わせて本発明の化合物を投与することを含む、腫瘍細胞成長を阻害するか、または癌を治療する方法を提供する。
【0100】
PI3KまたはAKTの細胞阻害は、多くの標準的な癌治療の抗癌活性の根底にある重要なプロセスである生存の減少を導く。しかし、多くの場合、腫瘍細胞は化学耐性を速やかに発達させる。耐性の1つの細胞機構はPI3K/AKT経路の恒常的な上昇に関する。よって、PIKの阻害剤による(例えば、イリノテカン、5−FU、タキソール、シスプラチン、アドリアマイシン、オキサリプラチンおよびシクロファスファミド等の、しかし、これらに限定されない)細胞障害物質の併用処理が最初の治療の効能をさらに増強し、反復する治療で化学的感受性の回復にも役立ち得る。ワートマニン誘導体は肺癌および神経膠腫においてパクリタキセル抗癌効能を増強することができる。
【0101】
本発明の医薬組成物は1種類以上の賦形剤を含有してよい。賦形剤は、多様な目的のために組成物に添加される。
【0102】
希釈剤は固体医薬組成物の嵩を増加させ、患者および介護者がより扱いやすい組成物を含む医薬剤形を作ることができる。固体組成物の希釈剤として、例えば、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、超微粒セルロース、乳糖、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、第二リン酸カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが挙げられる。
【0103】
錠剤等の剤形に圧縮される固体の医薬組成物は、圧縮後に有効成分および他の賦形剤を共に結び付けるのに役立つ機能を有する賦形剤を含んでよい。固体の医薬組成物用の結合剤として、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、硬化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、デンプン部分加水分解物、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびデンプンが挙げられる。
【0104】
圧縮化固体医薬組成物の患者の胃における溶出速度は崩壊剤を組成物に添加することにより高めることができる。崩壊剤として、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))およびデンプンが挙げられる。
【0105】
流動促進剤を加えて、非圧縮固体組成物の流動性を向上させ、投与の正確性を向上させることができる。流動促進剤として機能することのできる賦形剤として、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルクおよび第三リン酸カルシウムが挙げられる。
【0106】
錠剤等の剤形を粉末組成物の圧縮により作る場合、組成物を、穿孔器および金型からの圧力に供する。一部の賦形剤および有効成分は穿孔器および金型の表面に付着する傾向を持ち、生成物に穴と他の表面不規則性とを持たせうる。滑剤を組成物に加えて、接着力を低減し、生成物の金型からの離型を容易にすることができる。滑剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、硬化ひまし油、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸亜鉛が挙げられる。
【0107】
着香料および調味料は剤形を患者とってさらに口当たりのよいものとする。本発明の組成物に含めてよい医薬製品の共通の着香料および調味料として、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトールおよび酒石酸が挙げられる。
【0108】
固体および液体の組成物は、それらの外観を向上させ、ならびに/または製品および単位投与量レベルの患者の同定を容易にするために、いずれの薬学的に許容される着色料を用いて着色してもよい。
【0109】
本発明の液体医薬組成物において、式Iの化合物または他の固体賦形剤を、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリン等の液体担体に溶解または懸濁させる。
【0110】
液体医薬組成物は、液体担体に可溶性でない有効成分または他の賦形剤を組成物全体にわたって均一に分散させる乳化剤を含んでよい。本発明の液体組成物に有用となりうる乳化剤として、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、コンドラス、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコールおよびセチルアルコールが挙げられる。
【0111】
本発明の液体医薬組成物は、生産物の口の感触を向上し、および/または胃腸管の内面を覆うために、粘度増強剤を含有してもよい。そのような物質として、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウムまたはナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、炭酸プロピレン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、デンプン、トラガカントゴムおよびキサンタンゴムが挙げられる。
【0112】
ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトールおよび転化糖等の甘味剤を加えて味覚を向上してもよい。
【0113】
アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびエチレンジアミン四酢酸等の防腐剤またはキレート剤を摂取に安全なレベルで加えて保存性を向上してもよい。
【0114】
本発明によれば、液体組成物は、グルコン酸、乳酸、クエン酸または酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウム等の緩衝剤を含有してもよい。賦形剤の選択および使用する量は、経験および標準的操作の考慮およびこの分野での参考資料に基づき製剤科学者により容易に決定することができる。
【0115】
本発明の固体組成物として、粉剤、顆粒、凝集物および圧縮組成物が挙げられる。製剤として、経口、ほお、直腸、非経口(皮下、筋内および静脈内等)、吸入および目への投与に適する剤形が挙げられる。いずれの場合でも最も適する投与は治療される状態の性質および程度に依存し得る。投与量は単位剤形で示すのが便利であり、薬剤技術でよく知られた方法により調製してよい。
【0116】
剤形として、錠剤、粉剤、カプセル、座薬、小袋、トローチおよび薬用ドロップならびに液体シロップ、懸濁液およびエリキシルのような剤形が挙げられる。
【0117】
本発明の剤形は、組成物、例えば、本発明の粉末化または顆粒化固体組成物を硬い又は柔らかいシェル内に含むカプセルであってよい。シェルはゼラチンから作ってよく、任意にグリセリンやソルビトール等の可塑剤および乳白剤または着色料を含んでよい。
【0118】
有効成分および賦形剤は当分野で公知の方法にしたがって組成物および剤形に配合してよい。
【0119】
錠剤化用およびカプセル充填用の組成物は湿式造粒法により調製してよい。湿式造粒法において、粉末形の有効成分および賦形剤の一部またはすべてを配合し、次に、粉末を顆粒に固めさせる液体、通常は水の存在下でさらに混合する。顆粒を選別および/または粉砕し、乾燥し、次に選別するか、および/または所望の粒子径まで粉砕する。次に、顆粒を錠剤化するか、または流動促進剤や滑剤等の他の賦形剤を錠剤化の前に加えてよい。
【0120】
錠剤化用組成物は常套的には乾式混合により調製することができる。例えば、有効成分と賦形剤との配合組成物を小塊またはシートに圧縮し、次に圧縮顆粒へと粉砕してよい。圧縮顆粒は続いて錠剤に圧縮する。
【0121】
乾式造粒の別法として、配合組成物を、直接圧縮技術を用いて圧縮剤形へと直接に圧縮してよい。直接圧縮は顆粒のないより均一な錠剤を作る。直接圧縮錠剤化に特によく適する賦形剤として、微結晶セルロース、噴霧乾燥ラクトース、第二リン酸カルシウム二水和物およびコロイド状シリカが挙げられる。直接圧縮錠剤化におけるこれらの賦形剤や他の賦形剤の適当な使用は、経験があり、直接圧縮錠剤化の特別な製剤課題の技術を有する当業者に知られている。
【0122】
本発明のカプセル充填物は、錠剤化に関して説明した上記の配合物および顆粒物のいずれを含んでもよいが、それらは最終的な錠剤化工程に供されていない。
【0123】
本発明に包含される医薬組成物の投与方法は特に限定されず、患者の年齢、性別および症状にしたがって多様な調製物にて投与することができる。例えば、錠剤、丸薬、溶液、懸濁液、乳濁液、顆粒およびカプセルを経口投与してよい。注射用調製物は個々に投与するか、または静脈内でグルコース溶液およびアミノ酸溶液等の注射注入液と混合してよい。必要であれば、注射用調製物は単独で筋内、皮内、皮下または腹腔内に投与する。座薬を直腸に投与してもよい。
【0124】
本発明による医薬組成物に含まれる式Iの化合物の量は特に限定されないが、効果的な量は、標的症状を治療、緩和または弱めるのに十分な投与量である。本発明による医薬組成物の用量は使用方法、患者の年齢、性別および状態に依存し得る。
【0125】
本発明を説明してきたが、本発明を、限定するものではない下記実施例によりさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0126】
(実施例1:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−l−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7,ll−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
1mLのCH2Cl2中の50mg(0.116mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に22.5mL(0.217mmol)のジエチルアミンを加える。反応混合物を室温で2時間30分間攪拌し、次に減圧下で濃縮してオレンジ色のペーストを得る。残留物を酢酸エチル(EtOAc)に溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、45mg(77%)の生成物をオレンジ色の固体として得る。
HRMS(ESI) m/z C27H37NO8の計算値:503.25206、実測値:504.25747(M+H)+1。
【0127】
(実施例2:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,ll−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
1mLの塩化メチレン(CH2Cl2)中の50mg(0.116mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に12.1mL(0.145mmol)のピロリジンを加える。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、40mg(68.7%)の生成物を黄色固体として得る。HRMS(ESI) m/z C27H35NO8の計算値:501.2364、実測値:502.24250(M+H)+1。
【0128】
(実施例3:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−l−(アニリノメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a、10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
1mLのCH2Cl2中の50mg(0.116mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に26.2mL(0.287mmol)のアニリンを加える。反応混合物を室温で1週間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンでつき砕いて黄色粉末を得る。黄色粉末をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、油状物を得る。油状物をヘキサンでつき砕いて26mg(42.8%)の生成物をオレンジ色粉末として得る。HRMS(ESI) m/z C29H33NO8の計算値:523.22074、実測値:524.22692(M+H)+1。
【0129】
(実施例4:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−l−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に28.1mg(0.24mmol)の2−(tert−ブチルアミノ)−エタノールを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をジエチルエーテル(Et2O)でつき砕いて32mg(48.7%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 548.3(M+1)。
【0130】
(実施例5:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に27.9mg(0.24mmol)のN,N,N’−トリメチル−l,3−プロパンジアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて24mg(36.6%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 547.3(M+1)。
【0131】
(実施例6:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−{[メチル(11−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]メチレン}−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に27.4mg(0.24mmol)のN,N’−ジメチル−3−アミノピロリジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて25mg(38%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 545.25(M+1)。
【0132】
(実施例7:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に40.4mg(0.24mmol)の1−シクロヘキシルピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて16mg(22%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 599.35(M+1)。
【0133】
(実施例8:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[ブチル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に20.9mg(0.24mmol)のN−メチルブチルアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて38mg(61.2%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 518.25(M+1)。
【0134】
(実施例9:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に27.2mg(0.24mmol)のシクロヘキシル−メチル−アミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて30mg(46%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 544.25(M+1)。
【0135】
(実施例10:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−ベンジルピペラジン4−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に42.3mg(0.24mmol)の1−ベンジル−ピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて13mg(17.8%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 607.2(M+1)。
【0136】
(実施例11:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピペリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に20.4mg(0.24mmol)のピペリジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて33mg(53.3%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 516.25(M+1)。
【0137】
(実施例12:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に32mg(0.24mmol)の1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて9mg(13.3%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 564.25(M+1)。
【0138】
(実施例13:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に38.9mg(0.24mmol)の1−フェニルピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて16mg(22.5%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 593.3(M+1)。
【0139】
(実施例14:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチレン]−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に24mg(0.24mmol)の1−メチルピペラジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて19mg(29.8%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 531.2(M+1)。
【0140】
(実施例15:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペリジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.5mLのCH2Cl2中の50mg(0.12mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に38.7mg(0.24mmol)の4−フェニルピペリジンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEt2Oでつき砕いて14mg(19.7%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 592.25(M+1)。
【0141】
(実施例16:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ホルミルワートマニン(150mg、0.33mmol)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、0.4mmolのピロリジンで30分間処理する。CH2Cl2−MeOH(塩化メチレン−メタノール)(15:1)溶出によるシリカゲルでの精製により生成物を黄色がかったオレンジ色の固体として得る(収率はほぼ定量的である)。MS(EI)分析: 556(M++1)。
【0142】
(実施例17:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−l−[(ジアリルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ホルミルワートマニン(150mg、0.33mmol)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、0.4mmolのジアリルアミンで30分間処理する。CH2Cl2−MeOH(15:1)溶出によるシリカゲルでの精製により生成物を黄色がかったオレンジ色の固体として得る(収率はほぼ定量的である)。MS(EI)分析: 530(M++1)。
【0143】
(実施例18:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ホルミルワートマニン(150mg、0.33mmol)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、0.4mmolのジエチルアミンで30分間処理する。CH2Cl2−MeOH(15:1)溶出によるシリカゲルでの精製により生成物を黄色がかったオレンジ色の固体として得る(収率はほぼ定量的である)。MS(EI): m/z 532(M++1)。
【0144】
(実施例19:酢酸4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にジエタノールアミン(45μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 537(M+H)。
【0145】
(実施例20:酢酸4−[(tert−ブチル−メチル−アミノ)−メチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN−tert−ブチルメチルアミン(55μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 519(M+H)。
【0146】
(実施例21:酢酸4−{[ビス−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)(104μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 619(M+H)。
【0147】
(実施例22:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にイソニペコチン酸メチル(63μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 575(M+H)。
【0148】
(実施例23:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸の調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液にイソニペコチン酸(60mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 561(M+H)。
【0149】
(実施例24:4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−2,5−ジメチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に2,5−ジメチル−4−メチルアミノ−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(86mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 630(M+)。
【0150】
(実施例25:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−4−[({3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−メチル−アミノ)−メチレン]−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に{3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−l−イル]−プロピル}−メチル−アミン塩酸塩(123mg)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 695(M+H)。
【0151】
(実施例26:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−({メチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}−メチレン)−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にメチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)プロピル]アミン(80mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 603(M+H)。
【0152】
(実施例27:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチレン}−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にメチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)アミン(74mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 590(M+H)。
【0153】
(実施例28:酢酸4−{[(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−(3−ジエチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN’−(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−N,N−ジエチル−プロパン−1,3−ジアミン(139mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 730(M+H)。
【0154】
(実施例29:酢酸4−{[(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミン塩酸塩(114mg)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 676(M+H)。
【0155】
(実施例30:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル4−[4−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ピペラジン−l−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(3−モルホリノプロピル)ピペラジン(99mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 645(M+H)。
【0156】
(実施例31:酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N,N’−トリメチルエチレンジアミン(47mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 534(M+H)。
【0157】
(実施例32:酢酸4−[4−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,1l,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(3−ジメチルアミノプロピル)ピペラジン(80mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 603(M+H)。
【0158】
(実施例33:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペラジン−l−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,1l,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(2−モルホリノエチル)ピペラジン(93mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 631(M+H)。
【0159】
(実施例34:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に1−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピペラジン(85mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 615(M+H)。
【0160】
(実施例35:[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酢酸tert−ブチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液にサルコシンtertブチルエステル塩酸塩(84mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 577(M+H)。
【0161】
(実施例36:酢酸4−{[(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール塩酸塩(49mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 537(M+H)。
【0162】
(実施例37:4−[(ll−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酪酸の調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液に4−(メチルアミノ)酪酸塩酸塩(71mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 549(M+H)。
【0163】
(実施例38:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−アゼチジン−2−カルボン酸の調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンとトリエチルアミン(65μL、0.46mmol)との溶液にL−アゼチジン−2−カルボン酸(47mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 533(M+H)。
【0164】
(実施例39:1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にL−プロリンメチルエステル(60mg、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 561(M+H)。
【0165】
(実施例40:酢酸4−{[ベンジル−(2−シアノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に3−ベンジルアミノ−プロピオンニトリル(73μL、0.46mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 592(M+H)。
【0166】
(実施例41:酢酸4−{[(2−ジエチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N−ジエチル−N’−メチル−エタン−1,2−ジアミン(45μL、0.28mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 561(M+H)。
【0167】
(実施例42:酢酸4−{[(2−ジエチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N−ジエチル−N’−エチル−エタン−1,2−ジアミン(50μL)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 575(M+H)。
【0168】
(実施例43:酢酸4−{[ベンジル−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液にN,N−ジメチルN’−ベンジル−エタン−1,2−ジアミン(62μL)を加える。反応混合物を室温で12時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。析出物をヘキサンで2回洗浄して、生成物を黄色固体として得る。MS(ESI) m/z 609(M+H)。
【0169】
(実施例44:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−4−(4−オキソ−ピペリジン−1−イルメチレン)−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−OHワートマニン溶液{25mg(2mlのTHF/H2O(4:1)中)、0.058mmol)に、16mgの炭酸カリウム(0.116mmol)と9.5mg(0.06mmol)の4−ピペリドン一水和物塩酸塩(純度98%)とを加える。この反応混合物を室温で窒素雰囲気下に攪拌する。1時間後、溶液を10mlの塩化メチレンに注ぎ、有機相を分離し、塩水(3ml)で洗浄する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留固体を4mlの酢酸エチルに溶解し、〜2mlのヘキサンを加えて、析出物を得る。ろ過後、固体を2mlのヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、22mgの表題化合物をオレンジ色の粉末(1)として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESI−MS:m/z 563[M+Na]+、530[M+H]+。
【0170】
(実施例45:4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−10,11,12,13,14,15,16,17−オクタヒドロ−1H,4H−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,7−ジオンの調製)
11−デアセトキシ−17−OH−ワートマニン(20mg、0.053mmol)を2mlの塩化メチレンに溶解し、N,N−ジメチル−N’−エチル−エチレンジアミン(0.053mmol、8.4μl)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応物はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体を酢酸エチル/ヘキサン(3:1)により再結晶化する。ろ過後、固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、18mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 489[M+H]+。
【0171】
(実施例46:酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−ヒドロキシワートマニン(129mg、0.3mmol)を5mlの塩化メチレンに溶解し、N,N−ジメチル−N’−エチル−エチレンジアミン(0.31mmol、56μl)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応溶液はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体を酢酸エチル/ヘキサン(3:1)により再結晶化する。ろ過後、固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、115mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 547[M+H]+。
【0172】
(実施例47:酢酸4−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,1l,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−ヒドロキシワートマニン(30mg、0.069mmol)を2mlの塩化メチレンに溶解し、4−ピペリジノピペリジン(0.069mmol、11.6mg)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応溶液はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体を酢酸エチル/ヘキサン(2:1)により再結晶化する。ろ過後、固体をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、約30mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 599[M+H]+。
【0173】
(実施例48:酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−モルホリン−4−イルメチレン−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
17−ヒドロキシワートマニン(50mg、0.116mmol)を2mlの塩化メチレンに溶解し、モルホリン(0.12mmol、10μl)を加えながら窒素雰囲気下、室温で攪拌する。反応溶液はすぐにオレンジ色に変わる。30分後、溶媒を蒸発させ、固体をヘキサン(2×3ml)で洗浄し、減圧下で乾燥して、50mgの表題化合物をオレンジ色の粉末として得る。UVλmax(CH3CN/H2O):250nm、320nm、397nm;正ESC−MS:m/z 540[M+Na]+、518[M+H]+。
【0174】
(実施例49:プロピオン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
ジクロロメタン(4mL)中の(Creemer,L.C;Kirst,H.A.;Vlahos,C.J.;Schultz,R.M.J Med Chem.1996,39,5021−5024にしたがって調製することができる)β−11−O−デスアセチル−11−O−プロピオニル−17−ジヒドロワートマニン(100mg)の溶液に、N,N,N−トリメチルエチレンジアミン(32μL)を加える。反応混合物を室温で攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をヘキサンと酢酸エチルとでつき砕いて硬いオレンジ色の泡状物質を得る(0.12g、100%)。MS(ES+):547.2(M+H)+。
【0175】
(実施例50:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオンの調製)
メタノール(5mL)中の17−ヒドロキシワートマニン(1100mg)の溶液にジエチルアミン(0.72mL)を加える。48時間後、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンで析出させる。黄色粉末を得る(0.29mg)。MS:462.2(M+H)+。
【0176】
(実施例51:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−{12−オキソ−16−[(3aR,4R,6aS)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル]−5,8−ジオキサ−2,11−ジアザヘキサデカ−1−イリデン}−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
0.2mLのCHCl2および0.2mLのCH3CN中の27.9mg(0.0649mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に25.5mg(0.0681mmol)の((+)−ビオチニル−3,6−ジオキサオクタンジアミンを加える。反応混合物を室温で4時間攪拌する。反応混合物をろ過し、CH2Cl2を減圧下で除去して黄色の泡状物質を得る(19mg,36%)。MS(ESI) m/z 805.8(M+1)。
【0177】
(実施例52:酢酸4−ブチルスルファニルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
ジクロロメタン(2mL)中の17−ジヒドロワートマニン(0.21g、0.49mmol)の溶液にn−ブタンチオール(90μL)を加え、その後に一滴のトリエチルアミンを加える。室温で19時間攪拌した後に、一滴のトリエチルアミンをさらに加える。3日間攪拌した後に、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して黄色がかったオレンジ色の固体を得る(82mg、40%)。MS(ES+):521.1(M+H)+。
【0178】
(実施例53:17−ペグ化ジ−(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
30mLのCH2Cl2中のビス17−ヒドロキシワートマニンPeg5000(10g、図66参照;参照により本明細書に援用される2004年4月20日に出願された先行する米国出願第10/828,474の30ページおよび33ページにも記載されている)の溶液にN、N、N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン(0.98mL、6.68mmol)を加える。反応混合物を室温で24時間攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をEt2Oで処理する。得られた固体をろ過により集め、減圧下で乾燥して黄色固体を得る(10.1g)。X=(CH2OCH2)107に関してMS(ESI) m/z 6069(M+)。
【0179】
(実施例54:17−ペグ化(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
12mLのCH2Cl2中の17−ペグ化−17−ヒドロキシワートマニン(3g)の溶液に200μLのジエチルアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtO2でつき砕いて2.8gの生成物を黄色粉末として得る。
【0180】
(実施例55:図1に示されるペグ化化合物の調製)
工程A:
ジクロロメタン(15mL)中のmPEG5000−NH2(Nektarから購入、3.0g、0.60mmol)の溶液にジ−t−ブチルジカーボネート(0.28mL、1.2mmol)を加えた後に、トリエチルアミン(0.4mL)を加える。混合物を室温で攪拌し、次に減圧下で濃縮してmPEG5000−NHBocを白色固体として得る(3.0g)。
工程B:
ジメチルホルムアミド(30mL)中のmPEG5000−NHBoc(0.60mmol)の0℃溶液にヨードメタン(0.4mL)を加えた後に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.12g)を加える。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を水で急冷し、減圧下で蒸発乾固する。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、mPEG5000−N(CH3)Bocを淡黄色の固体として得る。
工程C:
ジクロロメタン(100mL)中のmPEG5000−N(CH3)Boc(2.4g)の溶液にトリフルオロ酢酸(2.5mL)を加える。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮してmPEG5000−NHCH3をTFA(トリフルオロ酢酸)塩として得る。
工程D:
ジクロロメタン中のmPEG5000−NHCH3、TFA塩(2.5g、0.5mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.3mL)を加えた後に、17−ヒドロキシワートマニン(0.13g、0.3mmol)を加える。一晩攪拌した後、さらなる量の17−ヒドロキシワートマニン(0.12g、0.3mmol)とトリエチルアミン(5滴)とを加える。室温で攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製して、17−ヒドロキシワートマニン、mPEG5000NHCH3付加物を金色の薄片として得る(2.0g)。MS: 5321.0。
【0181】
(実施例56:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[t−ブチルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に49μL(0.46mmol)のtertブチルアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtO2でつき砕いて58mg(50%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 504(M+1)。
【0182】
(実施例57:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[3−ジメチルアミノ−プロピルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に58μL(0.46mmol)のN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtO2でつき砕いて74mg(60%)の生成物をオレンジ色の粉末として得る。MS(ESI) m/z 533(M+1)。
【0183】
(実施例58:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−1−{[(2−メルカプトエチル)アミノ]メチレン}−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に32mg(0.278mmol)の2−アミノ−エタンチオール塩酸塩とトリエチルアミン(45μL、0.325mmol)とを加える。反応混合物を室温で4時間攪拌する。水を加え、CH2Cl2を除去し、キムワイプティシューの詰め物を通してろ過し、減圧下で濃縮して、黄色の泡状物質を得る。MS(ESI) m/z 508.5(M+1)。
【0184】
(実施例59:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(エチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
2mLのCH2Cl2中の100mg(0.23mmol)の17−ヒドロキシワートマニンの溶液に100mgのエチルアミン塩酸塩と100μLのトリエチルアミンとを加える。反応混合物を室温で24時間攪拌する。水を加え、CH2Cl2を除去し、K2CO3を通してろ過し、減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンにより析出させて、黄色粉末を得る(32mg、29%)。MS(ESI) m/z 476.22813(M+1)。
【0185】
(実施例60:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオンの調製)
2mLのCH2Cl2中の50mg(0.13mmol)の11−デスアセチル−17−ヒドロキシワートマニンの溶液に38μLのN,N,N’−トリメチルプロパンジアミン(0.26mmol)を加える。反応混合物を室温で24時間攪拌する。CH2Cl2を減圧下で除去する。残留物をEtOAcに溶解し、ヘキサンにより析出させて、黄色粉末を得る(35mg、53%)。MS(ESI) m/z 505.29083(M+1)。
【0186】
(実施例61:(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,11−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチレン)−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
17−ヒドロキシ−ワートマニン(20mg、0.047mmol)を0.5mLのトリエチルアミンを有する4mLのアセトニトリルおよび2mLの水に溶解する。反応混合物を室温で一晩攪拌する。表題化合物を、Nova−Pak HRC18、60A、6μm、19×300mmカラム(Waters)を使用するUV254nmでの調製用HPLC(移動相Aは900mlの水と0.2mlのトリフルオロ酢酸とを有する100mlアセトニトリルである。移動相Bは、100mlの水と0.2mlのトリフルオロ酢酸とを有する900mlのアセトニトリルである。グラジエントは0〜5分で20%Bと80%A、5〜35分で20%Bから70%Bまでで、流速は20mL/minである)により単離する。12分ピークのフラクションを集めて、CH2Cl2で抽出する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転させながら蒸発乾固させる。1mLのCH2Cl2および3mLヘプタンからの析出と、窒素気体、次にspeecdvacを用いる乾燥とにより合計5mgの黄色固体を得る。LC/MSは、[M+H]449.31と[M−H]447.26とを示す。
【0187】
(実施例62:(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4α,5,6,6α,7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
工程A:
クロロホルム(100mL)中のt−ブチルエタノールアミン(12g、100mmol)の溶液を塩化ナトリウム/氷浴中で−10℃まで冷却する。塩化チオニル(10mL、10mLクロロホルム中)の添加後、冷却浴を外して、油浴に置き換える。反応混合物を還流下に6時間加熱し、次に室温まで冷却する。析出物質を集めてアセトンで洗浄して、塩化2−{t−ブチルアミノ)エチル塩酸塩を白色の固体として得る。
MS(ES+):m/z (M+H)=136.2、138.2。
工程B:
塩化2−(t−ブチルアミノ)エチル塩酸塩(1.2g、7.0mmol)を、封管中のジメチルアミン水溶液(40重量%、22mL)に溶解する。混合物を140℃のオイル浴で6時間加熱し、室温まで冷却し、次に固体の炭酸カリウムで飽和する。混合物を酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントし、減圧下で濃縮して、N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミンを明るい褐色の液体(0.57g、56%)として得る。粗製物質をさらに精製することなく次の工程に進める。
MS(ES+):m/z(M+H)=145.3。
工程C:
ジクロロメタン(20mL)中の粗製N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.57g、4.0mmol)の溶液にクロロ蟻酸ベンジル(0.85mL、6.0mmol)を室温で加える。反応混合物を一晩室温で攪拌する。水性処理後、粗製生成物をセミ調製用逆相HPLC(40分間にわたる5%アセトニトリル/95%水/0.1%トリフルオロ酢酸〜100%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製して、N−ベンジルオキシカルボニル−N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミントリフルオロ酢酸を清澄な無色の油状物(0.47g、29%)として得る。MS(ES+):m/z(M+H)=279.15。
工程D:
エタノール(15mL)中のN−ベンジルオキシカルボニル−N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミントリフルオロ酢酸(0.47g、1.2mmol)の溶液をドライアイスにより脱気する。炭素担持パラジウム(10%、100mg)を加えた後に、濃塩酸(300μL)を加える。混合物を50psi水素下に20時間、Parrハイドロゲネーターにより振盪し、珪藻土の詰め物を通してろ過し、減圧下に濃縮して、N−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミン二塩酸塩を白色粉末として得る(0.22g、85%)。MS(ES+):m/z(M+H)=145.3。
工程E:
ジクロロメタン(5mL)中のN−t−ブチル,N’,N’−ジメチルエチレンジアミン二塩酸塩(0.12g、0.55mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(220μL、1.7mmol)を加える。17−ヒドロキシワートマニン(0.12g、0.28mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物をDMSO/アセトニトリル/水(1:1:0.5)に溶解し、セミ調製用逆相HPLC(40分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜100%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製する。集めた物質を酢酸エチルでつき砕いて、ろ過により集めて、(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4α,5,6,6α、7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを淡黄色粉末として得る。HRMS(ES+):m/z(M+H)=575.33233。
【0188】
(実施例63:ブタン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
実施例48に記載された方法と同じようにして、ジクロロメタン(2mL)中のβ−11−O−デスアセチル−11−O−ブタノイル−17−ジヒドロワートマニン(80mg、0.17mmol)をN,N,N−トリメチルプロピレンジアミン(58μL)で処理した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮する。残留物を逆相HPLC(40分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製して表題化合物を硬いオレンジ色の泡状物質として得る(47mg、48%)。MS(ES+):m/z(M+H)=575.4
(実施例64:酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステルの調製)
塩化N,N−ジメチルアミノプロピル塩酸塩(1.6g、10mmol)を封管中のエチルアミン(70重量%の水溶液、24mL、300mmol)に加えた。懸濁液を油浴中で8時間140℃に加熱した。室温に冷却した後、混合物を固体の炭酸カリウムで飽和し、酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液で一回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗製N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(500mg、38%)を得る。MS(ES+):m/z (M+H)=131.3。ジクロメタン(20mL)中の粗製N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(0.50g、3.8mmol)の溶液をクロロ蟻酸ベンジル(0.82mL、5.7mmol)で処理し、次に室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、残留物を逆相HPLC(45分間にわたる5%アセトニトリル/95%水/0.1%トリフルオロ酢酸〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製して、(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステルトリフルオロアセテート(840mg、58%)を明澄な無色のシロップとして得た。MS(ES+):m/z (M+H)=265.4
エタノール(30mL)および濃塩酸(0.5mL、6mmol)中の(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステルトリフルオロアセテート(0.84g、2.2mmol)の溶液に炭素担持パラジウム(10%、50mg)を加えた。懸濁液を50psi水素下で振盪した。水素の消費が止まったことを観察したら、混合物を珪藻土の詰め物を通してろ過し、次に減圧下で濃縮して、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(400mg、89%)を白色固体として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=131.3。ジクロロメタン(5mL)中のN’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(0.26g、1.3mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.51mL、3.9mmol)を加えた。10分間攪拌した後、混合物を17−ヒドロキシワートマニン(0.28g、0.65mmol)で処理した。室温で一晩攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、次に逆相HPLC(45分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製した。表題化合物をさび色の固体(11.6mg)として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=561.4。
【0189】
(実施例65:(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−({4−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートの調製)
エタノール(30mL)および濃塩酸(0.5mL、6mmol)中の(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステルトリフルオロアセテート(0.84g、2.2mmol)の溶液に炭素担持パラジウム(10%、50mg)を加えた。懸濁液を50psi水素下で振盪した。水素の消費が止まったことを観察したら、混合物を珪藻土の詰め物を通してろ過し、次に減圧下で濃縮して、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(400mg、89%)を白色固体として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=131.3。ジクロロメタン(5mL)中のN’−エチル−N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン二塩酸塩(0.26g、1.3mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.51mL、3.9mmol)を加えた。10分間攪拌した後、混合物を17−ヒドロキシワートマニン(0.28g、0.65mmol)で処理した。室温で一晩攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、次に逆相HPLC(45分間にわたる5%アセトニトリル/95%水〜95%アセトニトリルのグラジエント溶出を用いる)により精製した。表題化合物をさび色の固体(11.6mg)として得た。MS(ES+):m/z (M+H)=561.4。
【0190】
(実施例66:PI3Kの蛍光偏光法)
このアッセイは、阻害を測定することによってPI3キナーゼの阻害剤を同定するとき、このアッセイを用いて本発明の化合物のIC50を測定する。
材料
反応緩衝液:20mMのHepes、pH7.5、2mMのMgCl2、0.05%CHAPSおよび0.01%BME(新鮮なものを加える)
停止/検出緩衝液:100mMのHepes、pH7.5、4mMのEDTA、0.05%CHAPS
ATP、20mM水溶液
PIP2(diC8、カタログ#P−4508)1mMの水溶液(MW=856.5)
GST−GRP 1.75mg/mLまたは1.4mg/mL(10%グリセロール中)
レッドディテクター(TAMRA)2.5μM
プレート:Nunc384ウエルブラックポリプロピレン蛍光プレート
方法
1ウエルあたり5μLの希釈酵素を入れることによりアッセイを実施し、次に5μLの希釈化合物(または9.5μLの酵素、次にDMSO中の0.5μLの化合物)を加え、混合する。次に、10μLの基質を加えて反応を開始する。試料を30〜60分間インキュベートし、次に20μ停止/検出混合物を加えることにより反応を停止する。
【0191】
PI3Kを反応緩衝液で希釈し(例えば、5μLまたは7.5μLのPI3Kを620μLの反応緩衝液に入れ)、1ウエルあたり5μLの希釈酵素を用いる。5μLの反応緩衝液または緩衝液希釈医薬(例えば、最終DMSOが反応物中1%となるように4μL/100)をそれぞれに加える。試料は上下にピペッティングすることにより混合する。もしくは、酵素を1215μLに希釈することができる。この場合、1ウエルあたり9.8μLを加え、DMSO中の0.2μLの化合物を加える。
【0192】
1mLの基質溶液を調製するために、955μLの反応緩衝液、40μLのPIP2および2.5μLのATPを混合する。10μLの基質を各ウエルに加えて、反応を開始する。これは、1反応物あたり20μMのPIP2と25μMのATPとをもたらす。
【0193】
停止/検出混合物は4μLのレッドディテクターと1.6μLまたは2.0μLのGST−GRPとを1mLの停止緩衝液と混合して調製し、10nMプローブと70nMのGST−GRPとをもたらす。20μLの停止/検出混合物を各ウエルに加えて反応を停止する。赤いプローブ溶液を暗所に維持して30〜90分後にプレートを読む。
【0194】
ゼロ時点のために、基質の添加直前に停止/検出混合物を酵素に加える。追加のコントロールのために、停止/検出混合物を緩衝液(酵素を含まない)と基質とに加えるか、または単に緩衝液(酵素を含まない)に加える。
【0195】
プールしたPI3K調製物は0.25mg/mLのタンパク質濃度を有した。推薦される反応物は20μLあたり0.06μL(0.015μg/20μL)または0.01125μg/15μLもしくは0.75μg/mLを有する。
【0196】
プレートを、Tamraフィルターを有する機器で読む。単位は、約190〜220mP単位を示す無酵素コントロールによるmPである。完全に活性のある酵素は30分後に蛍光偏光を70〜100mPに至るまで低下させる。活性cpdはmP値をコントロールの中間まで上げるか、または120〜150mP単位まで上げる。結果を表1と表2に示す。
【0197】
(実施例67:mTORキナーゼアッセイ法)
精製酵素を用いるヒトTORアッセイ(Toral−Barza,ら、Biochem Biophys.Res.Commun.2005 June 24;332(1):304−10を参照)を、96ウエルプレートで、DELFIAフォーマットにより以下のように実施する。まず、酵素をキナーゼアッセイ緩衝液(10mMのHepes(pH7.4)、50mMのNaCl、50mMのb−グリセロホスフェート、10mMのMnC12、0.5mMのDTT、0.25mMマイクロシスチンLRおよび100mg/mLのBSA)で希釈する。各ウエルに、12mLの希釈酵素を0.5mLの試験阻害剤またはコントロールビヒクルのジメチルスルホキシド(DMSO)と短時間で混合する。800ng/mLのFLAG−TOR、100mMのATPおよび1.25mMのHis6−S6Kを含有する25mLの最終反応体積を得るようにATPとHis6−S6Kとを含有する12.5mLのキナーゼアッセイ緩衝液を加えることによりキナーゼ反応を開始する。反応プレートを穏やかに振盪しながら2時間(1〜6時間で直線的)室温でインキュベートし、次に25mlの停止緩衝液(20mMのHepes(pH7.4)、20mMのEDTA、20mMのEGTA)を加えることにより停止する。ユウロピウム−N1−ITC(Eu)で標識したモノクローナル抗P(T389)−p70S6K抗体(1A5、セルシグナリング)(1抗体あたり10.4Eu、PerkinElmer)を用いて、リン酸化(Thr−389)His6−S6KのDELFIA検出を室温で実施する。DELFIAアッセイ緩衝液および増強溶液はPerkinElmerから購入することができる。45mLの停止キナーゼ反応混合物を、55mLのPBSを含むMaxiSorpプレート(Nunc)に移す。His6−S6Kを2時間付着させた後に、ウエルを吸引し、PBSで1回洗浄する。40ng/mLのEu−P(T389)−S6K抗体を有する100mLのDELFIAアッセイ緩衝液を加える。穏やかに攪拌しながら、抗体の結合を1時間継続する。次に、ウエルを吸引し、0.05%のTween−20を含有するPBS(PBST)で4回洗浄する。100mLのDELFIA増強溶液を各ウエルに加え、プレートをPerkinElmer Victorモデルプレートリーダーで読む。得られたデータを用いて、酵素活性と潜在的な阻害剤による酵素阻害とを計算する。
【0198】
(実施例68:インビトロIGF−1誘導実験のラット1−IGF1アッセイ法)
ラット1細胞を6ウエル培養プレートに塗布し、24時間血清飢餓培養する。血清飢餓細胞をコントロールのビヒクルまたは多様な濃度の17−HWTによって2時間処理し、IGF−1(100ng/mL)により30分間刺激する。全細胞分解物をNuPAGE−LDS試料緩衝液(Invitrogen)用いて調製し、超音波処理し、次に遠心分離により明澄化する。等量のタンパク質を、NuPAGE電気泳動システムを用いる免疫ブロット分析に供し、phosphor−AKT(S473)、全AKT抗体(Signaling Technology)をプローブとして調べる。
【0199】
(実施例69: 腫瘍細胞成長アッセイ)
ヒト腫瘍細胞はすべてATCCから得て、標準細胞培養法を用いて培養する。細胞を96ウエル培養皿に1ウエルあたり1000〜3000細胞で塗布する。塗布の1日後、多様な用量のPI3K阻害剤の化合物4または化合物5のみによるか、または低い一定用量のMEK阻害剤2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(1μg/ml)またはUO126(5μg/ml)によって細胞を処理する。UO126は1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエンとしても知られている。一部の実験では、多様な用量のMEK阻害剤(2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド))、またはHER2/neu阻害剤HKI−272またはmTOR阻害剤CCI−779によるか、または低い一定用量の化合物4(0.1μg/ml)により細胞を単独で処理する。すべての併用アッセイにおいて、一回処理または併用処理を、ビヒクル(DMSO)によるか、または併用に含まれる同一用量の第二医薬のみで処理されたコントロールウエルとともに、同じ96ウエルプレートで行なう。さらに、実験併用に用いられる低用量の医薬をそれ自体に組み合わせてアッセイの可変性を調べるコントロール併用を同一のアッセイプレートで実施する。医薬処理の3日後、確立された細胞増殖アッセイの染料MTSの(生存細胞による)代謝的変換により生存細胞の密度を決定する。Promega社(マディソン、ウィスコンシン州)から購入したアッセイキットを、キットに提供されたプロトコールにしたがって使用することでアッセイを実施する。TMSアッセイの結果を、490nmの吸光度を測定して96ウエルプレートリーダーで読む。各処理の効果を、同一の培養プレートで成長させたビヒクルDMSO処理細胞に対するコントロール成長の比率として計算する。
相乗作用のデータ分析と計算
それぞれの併用成長阻害実験のために、医薬のみの用量反応曲線と組み合わせの用量反応曲線とを作る。相乗作用を評価するために、併用用量曲線を、式[成長(併用)%/成長(第二医薬のみ)%]×100を用いて第二医薬のみを用いて得た値により標準化して、標準化併用用量曲線を作る。標準化用量曲線が単一医薬の曲線に重なり合う場合、併用活性は相加的な成長阻害と決定する。標準化用量曲線が対応する1回処理に比較して高い阻害を示す場合、併用活性は相乗的な成長阻害と決定する。各実験において、コントロール併用からのデータは完全に相加的な成長阻害曲線を示した。
ウエスタンブロット分析
細胞を6ウエル培養皿に塗布する。24時間後、完全成長培地中、示された単剤または併用剤により細胞を16時間処理する。Yu,K.ら、Endocr. Relat. Cancer.2001 Sept:8(3)249−58により既に記載されたようにウエスタンブロット分析のためにタンパク質分解物を調製する。
アポトーシスアッセイ
96ウエルプレートに1ウエルあたり3000細胞の密度で細胞を塗布する。24時間後に、示された単剤または併用により細胞を処理する。アポトーシスを薬物処理の24時間後と48時間後にApo−ONEカスパーゼ−3/7アッセイキット(カタログ#G7791、Promega社)を用いて、供給メーカーから提供されたプロトコールにしたがってアポトーシスを測定する。アッセイ混合物を細胞に加え、プレートシェーカーを用いて穏やかに攪拌しながら、室温で3時間インキュベートする。各ウエルの蛍光をVictor Wallacプレートリーダーを用いて読む。各実験プレートは、実験値を得るためにすべてのウエルから引かれたバックグランド蛍光としてブランクウエル(細胞を含まない)を含む。データを相対蛍光単位(RFLU)か、Apo−ONE単位として示す。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】ペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物を示す。
【図2】本発明の化合物の一般的な合成スキームを示す。
【図3】本発明のペグ化化合物の合成スキームを示す。
【図4】ペグ化17−ヒドロキシワートマニンの合成スキームを示す。
【図5】ペグ化17−ヒドロキシワートマニン誘導体の合成スキームを示す。
【図6】U87MG神経膠腫において、異なる静脈内服薬スケジュール(毎週1×および2×)および異なる濃度の化合物5を用いて得られた結果の比較を示す。
【図7】U87MG神経膠腫において、異なる投与量の化合物5(毎週2×静脈内投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図8】NSCLC A549模型において、異なる投与量の化合物5(毎週1×静脈内投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図9】U87MG神経膠腫において、異なる投与量の化合物53(毎週2×静脈内投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図10】NSCLC A549において、異なる投与量の化合物53(毎週2×経口投与)を用いて得られた結果の比較を示す。
【図11】U87MG神経膠腫において、異なる静脈内服薬スケジュール(毎週1×および2×)および異なる投与量の化合物46と化合物5とを用いて得られた結果の比較を示す。
【図12】U87MG神経膠腫において、化合物5、46、25および30が静脈内に毎週2×投与された場合の各化合物のインビボ活性および比較を示す。
【図13】U87MG神経膠腫において、毎週5mg/kg腹腔内5×または2×、または毎週静脈内2×投与の化合物4と化合物13とのインビボ活性を示す。
【図14】U87MG神経膠腫模型における化合物5または53とパクリタキセルとの併用治療(すべて静脈内に毎週1×投与)の結果を示す。
【図15】NSCLC H460模型における化合物5とパクリタキセルとの併用治療(静脈内に毎週1×投与)の結果を示す。
【図16】図16Aは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物4がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。図16Bは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物4がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。
【図17】図17Aは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物5がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。図17Bは、MEK阻害剤と組み合わされた化合物5がHCT116結腸腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害したことを示す。
【図18】図18Aは、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(MEK阻害剤)に組み合わされた化合物4が7種類の結腸腫瘍株の一団において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図18Bは、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(MEK阻害剤)に組み合わされた化合物4が7種類の結腸腫瘍株の一団において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図18Cは、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)(MEK阻害剤)に組み合わされた化合物4が7種類の結腸腫瘍株の一団において相乗的な成長阻害を示したことを表す。
【図19】図19Aは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4が非小細胞肺癌(NSCLC)細胞系において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図19Bは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4が非小細胞肺癌(NSCLC)細胞系において相乗的な成長阻害を示したことを表す。
【図20】図20Aは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4がMDA231乳癌細胞において相乗的な成長阻害を示したことを表す。図20Bは、MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)に組み合わされた化合物4がDU145前立腺腫瘍細胞において相乗的な成長阻害を示したことを表す。
【図21】MEK阻害剤である2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)との化合物4の併用処理によるHCT116細胞におけるアポトーシスの相乗的な誘導を示す。
【図22】PI3K、MEKおよび細胞周期制御の多様な分子経路マーカーにおけるHCT116細胞のウエスタンブロット分析を提供する。細胞は1剤または併用剤で16時間処理された。
【図23】化合物4(0.1μg/ml)と組み合わされたHER2/neu阻害剤の(E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(「HKI−272」と称する)が、HER2/Neuを過剰発現するMDA361−DYT2乳癌細胞の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【図24】PI3K、HER2/Neu、ERKおよび細胞周期制御の多様な分子経路マーカーにおけるMDA361−DYT2のウエスタンブロット分析を提供する。細胞は16時間処理された。
【図25】化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779がMDA−MB−231乳腺細胞の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【図26】図26Aは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779が結腸腫瘍細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。図26Bは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779が結腸腫瘍細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【図27】図27Aは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779がPTEN陰性乳癌細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。図27Bは、化合物4(0.1μg/ml)に組み合わされたmTOR阻害剤のCCI−779がPTEN陰性乳癌細胞系の成長を相乗的に阻害したことを表す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
の化合物ならびに該化合物の塩、溶媒和物および水和物であって、
ここで、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素、ホルミルおよびアシルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;ここでR4およびR5は必要に応じて結合して環を形成し;
R6は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R7は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R8は、ヒドロキシ、アシルオキシおよびアルコキシからなる群から選択され、但し、該化合物は、式V:
【化2】
の化合物ではないという条件であり、
ここで、R9はアルキルであるか、または単一の非繰り返し式(B):
【化3】
の医薬−ポリマー結合体であり、
ここで、R10は、−O−、−NH−、または−S−であり;
R11は、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
R3は、H、=O、−O−COC4H9、またはOR12であり;
R12は、H、COR13またはアルキルであり;
R13は、アルキル、H、アリール、または−CH2−アリールであり;そして
nは1〜1000である、化合物ならびに該化合物の塩、溶媒和物および水和物。
【請求項2】
R1がNR4R5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2が水素である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R2がホルミル基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R3がアシルオキシ基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
R3がアセトキシ基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R8がヒドロキシ基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1が、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2が、水素およびホルミルからなる群から選択され;
R3が、水素、ヒドロキシおよびアシルオキシからなる群から選択され;
R4およびR5が、水素、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;ここで、R4およびR5は必要に応じて結合して環を形成し;
R6が、アルキル基であり;
R7が、水素であり;
R8が、ヒドロキシ基である、請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の塩、溶媒和物および水和物。
【請求項9】
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジメチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−(アニリノメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−{[メチル(1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]メチレン}−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[ブチル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピペリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチレン]−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペリジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジアリルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
酢酸4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[(tert−ブチル−メチル−アミノ)−メチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ビス−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−2,5−ジメチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−4−[({3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−メチル−アミノ)−メチレン]−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−({メチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}メチレン)−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−{[メチル−(3−モルホリン−4−イルプロピル]−アミノ}−メチレン}−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−(3−ジエチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[4−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酢酸tert−ブチルエステル;
酢酸4−{[(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酪酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−アゼチジン−2−カルボン酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−シアノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−4−(4−オキソ−ピペリジン−1−イルメチレン)−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−10,11,12,13,14,15,16,17−オクタヒドロ−1H,4H−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,7−ジオン;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−モルホリン−4−イルメチレン−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
プロピオン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
酢酸4−ブチルスルファニルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
17−ペグ化ジ−(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
図1に示されるペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4α,5,6,6α,7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
ブタン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−({4−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−{12−オキソ−16−[(3aR,4R,6aS)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル]−5,8−ジオキサ−2,11−ジアザヘキサデカ−1−イリデン}−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
17−ペグ化(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[t−ブチルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[3−ジメチルアミノ−プロピルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−1−{[(2−メルカプトエチル)アミノ]メチレン}−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(エチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項10】
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジメチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−(アニリノメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−{[メチル(1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]メチレン}−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[ブチル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピペリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチレン]−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジアリルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
酢酸4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[(tert−ブチル−メチル−アミノ)−メチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ビス−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−2,5−ジメチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−4−[({3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−メチル−アミノ)−メチレン]−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−({メチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}メチレン)−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−{[メチル−(3−モルホリン−4−イルプロピル]−アミノ}−メチレン}−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−(3−ジエチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[4−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酢酸tert−ブチルエステル;
酢酸4−{[(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酪酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−アゼチジン−2−カルボン酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−シアノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−4−(4−オキソ−ピペリジン−1−イルメチレン)−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−10,11,12,13,14,15,16,17−オクタヒドロ−1H,4H−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,7−ジオン;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−モルホリン−4−イルメチレン−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
プロピオン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
酢酸4−ブチルスルファニルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
17−ペグ化ジ−(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
図1に示されるペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4α,5,6,6α,7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
ブタン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−({4−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
からなる群から選択される請求項9に記載の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項11】
前記化合物が、(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物がペグ化されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物がR1においてペグ化されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物がR2においてペグ化されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物がR3においてペグ化されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
細胞を請求項1の化合物に接触させることによって該化合物がPI3Kを阻害することを含む、細胞においてPI3K活性を阻害する方法。
【請求項17】
細胞を請求項1の化合物に接触させることによって該化合物がTORを阻害することを含む、細胞においてTOR活性を阻害する方法。
【請求項18】
PI3Kを阻害する量の請求項1の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物においてPI3K活性を阻害する方法。
【請求項19】
前記哺乳動物がヒトである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
TORを阻害する量の請求項1の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物においてTOR活性を阻害する方法。
【請求項21】
PI3Kを阻害する量の請求項1の化合物を対象に投与することを含む、PI3K依存状態を治療する方法。
【請求項22】
前記PI3K依存状態が、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長および腫瘍形成からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項24】
請求項23に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を治療する方法。
【請求項25】
成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調整する1種類以上の物質を投与することをさらに含む、請求項19または24に記載の方法。
【請求項26】
前記物質がインターフェロン−α(イントロン−A)またはペグ化ラパマイシンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記物質が細胞傷害性である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
R1がNR4R5である、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
R2が水素である、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
R2がホルミル基である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
R3がアシルオキシ基である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
R3がアセトキシ基である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
R8がヒドロキシ基である、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
請求項9に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を対象に投与することを含む、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を治療する方法。
【請求項35】
請求項8に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を対象に投与することを含む、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を治療する方法。
【請求項36】
請求項1、請求項8または請求項9に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を対象に投与することによりPI3K依存状態を治療する方法であって、該PI3K依存状態が、痛み、糖尿病、炎症、血小板凝集、虚血性心疾患、硬化症、再狭窄、呼吸器疾患、HIV、骨吸収、癌、非小細胞肺癌および脳腫瘍からなる群から選択される方法。
【請求項37】
化合物17−ペグ化ジ−(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート。
【請求項38】
前記化合物が請求項11または請求項37に記載の化合物である、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記化合物が請求項11または請求項37に記載の化合物である、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
さらに、タキソールを投与することを含む、請求項19または24に記載の方法。
【請求項41】
成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調整する1種類以上の物質を投与することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記物質が、サイトカイン、インターフェロン、ラパマイシン、ペグ化ラパマイシン、HER2/EGFR阻害剤、MEK阻害剤、インターフェロン−α(イントロン−A)およびSrcキナーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
図2に示される方法により請求項1に記載の化合物を作るプロセス。
【請求項44】
図3に示される方法により請求項1に記載の化合物を作るプロセス。
【請求項45】
前記物質がMEK阻害剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項46】
前記MEK阻害剤が、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、化合物(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a、10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記物質がHer2/neu阻害剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項49】
前記Her2/neu阻害剤が(E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物が、化合物(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記物質がmTor阻害剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が、化合物(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項1】
式I:
【化1】
の化合物ならびに該化合物の塩、溶媒和物および水和物であって、
ここで、
R1は、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2は、水素、ホルミルおよびアシルからなる群から選択され;
R3は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルオキシ、=O、アシルオキシおよびカルボニルからなる群から選択され;
R4およびR5は、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;ここでR4およびR5は必要に応じて結合して環を形成し;
R6は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R7は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびPEGからなる群から選択され;
R8は、ヒドロキシ、アシルオキシおよびアルコキシからなる群から選択され、但し、該化合物は、式V:
【化2】
の化合物ではないという条件であり、
ここで、R9はアルキルであるか、または単一の非繰り返し式(B):
【化3】
の医薬−ポリマー結合体であり、
ここで、R10は、−O−、−NH−、または−S−であり;
R11は、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
R3は、H、=O、−O−COC4H9、またはOR12であり;
R12は、H、COR13またはアルキルであり;
R13は、アルキル、H、アリール、または−CH2−アリールであり;そして
nは1〜1000である、化合物ならびに該化合物の塩、溶媒和物および水和物。
【請求項2】
R1がNR4R5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2が水素である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R2がホルミル基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R3がアシルオキシ基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
R3がアセトキシ基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R8がヒドロキシ基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1が、NR4R5、SR6およびOR7からなる群から選択され;
R2が、水素およびホルミルからなる群から選択され;
R3が、水素、ヒドロキシおよびアシルオキシからなる群から選択され;
R4およびR5が、水素、アルキル、アルケニル、複素環、アリール、アラルキルおよびPEGからなる群から独立して選択され;ここで、R4およびR5は必要に応じて結合して環を形成し;
R6が、アルキル基であり;
R7が、水素であり;
R8が、ヒドロキシ基である、請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の塩、溶媒和物および水和物。
【請求項9】
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジメチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−(アニリノメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−{[メチル(1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]メチレン}−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[ブチル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピペリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチレン]−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペリジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジアリルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
酢酸4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[(tert−ブチル−メチル−アミノ)−メチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ビス−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−2,5−ジメチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−4−[({3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−メチル−アミノ)−メチレン]−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−({メチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}メチレン)−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−{[メチル−(3−モルホリン−4−イルプロピル]−アミノ}−メチレン}−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−(3−ジエチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[4−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酢酸tert−ブチルエステル;
酢酸4−{[(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酪酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−アゼチジン−2−カルボン酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−シアノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−4−(4−オキソ−ピペリジン−1−イルメチレン)−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−10,11,12,13,14,15,16,17−オクタヒドロ−1H,4H−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,7−ジオン;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−モルホリン−4−イルメチレン−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
プロピオン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
酢酸4−ブチルスルファニルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
17−ペグ化ジ−(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
図1に示されるペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4α,5,6,6α,7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
ブタン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−({4−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−{12−オキソ−16−[(3aR,4R,6aS)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル]−5,8−ジオキサ−2,11−ジアザヘキサデカ−1−イリデン}−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
17−ペグ化(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[t−ブチルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[3−ジメチルアミノ−プロピルアミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−1−{[(2−メルカプトエチル)アミノ]メチレン}−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1Z,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(エチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項10】
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジメチルアミノ)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−(アニリノメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−{[メチル(1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]メチレン}−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[ブチル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチレン]−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピペリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−1−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチレン]−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)メチレン]−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1−(ピロリジン−1−イルメチレン)−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジアリルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−7−(ホルミルオキシ)−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
酢酸4−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[(tert−ブチル−メチル−アミノ)−メチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ビス−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピペリジン−4−カルボン酸;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−2,5−ジメチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−4−[({3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−メチル−アミノ)−メチレン]−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−({メチル−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}メチレン)−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−{[メチル−(3−モルホリン−4−イルプロピル]−アミノ}−メチレン}−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ベンゼンスルホニル−エチル)−(3−ジエチルアミノ−プロピル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−5−イルメチル)−ベンジル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[4−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルメチレン]−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酢酸tert−ブチルエステル;
酢酸4−{[(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−[(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−メチル−アミノ]−酪酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−アゼチジン−2−カルボン酸;
1−(11−アセトキシ−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,7,10,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−4−イリデンメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−シアノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[ベンジル−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−4−(4−オキソ−ピペリジン−1−イルメチレン)−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−10,11,12,13,14,15,16,17−オクタヒドロ−1H,4H−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,7−ジオン;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−4−モルホリン−4−イルメチレン−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
プロピオン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−[(ジエチルアミノ)メチレン]−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
酢酸4−ブチルスルファニルメチレン−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
17−ペグ化ジ−(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
図1に示されるペグ化17−ヒドロキシワートマニン化合物;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−5,7,11−トリヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−4a,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−2,10(1H,4H)−ジオン;
(1E,4S,4αR,5R,6αS,7S,9αR)−1−({tert−ブチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4α,6α−ジメチル−2,10−ジオキソ−l,2,4,4α,5,6,6α,7,8,9,9α,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
ブタン酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
酢酸4−{[(2−ジメチルアミノ−プロピル)−エチル−アミノ]−メチレン}−6,17−ジヒドロキシ−1−メトキシメチル−10,13−ジメチル−3,7−ジオキソ−1,3,4,7,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−2−オキサ−シクロペンタ[a]フェナントレン−11−イルエステル;
(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S,9aR)−1−({4−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}メチレン)−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート;
からなる群から選択される請求項9に記載の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項11】
前記化合物が、(1E,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物がペグ化されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物がR1においてペグ化されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物がR2においてペグ化されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物がR3においてペグ化されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
細胞を請求項1の化合物に接触させることによって該化合物がPI3Kを阻害することを含む、細胞においてPI3K活性を阻害する方法。
【請求項17】
細胞を請求項1の化合物に接触させることによって該化合物がTORを阻害することを含む、細胞においてTOR活性を阻害する方法。
【請求項18】
PI3Kを阻害する量の請求項1の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物においてPI3K活性を阻害する方法。
【請求項19】
前記哺乳動物がヒトである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
TORを阻害する量の請求項1の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物においてTOR活性を阻害する方法。
【請求項21】
PI3Kを阻害する量の請求項1の化合物を対象に投与することを含む、PI3K依存状態を治療する方法。
【請求項22】
前記PI3K依存状態が、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長および腫瘍形成からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項24】
請求項23に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を治療する方法。
【請求項25】
成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調整する1種類以上の物質を投与することをさらに含む、請求項19または24に記載の方法。
【請求項26】
前記物質がインターフェロン−α(イントロン−A)またはペグ化ラパマイシンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記物質が細胞傷害性である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
R1がNR4R5である、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
R2が水素である、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
R2がホルミル基である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
R3がアシルオキシ基である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
R3がアセトキシ基である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
R8がヒドロキシ基である、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
請求項9に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を対象に投与することを含む、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を治療する方法。
【請求項35】
請求項8に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を対象に投与することを含む、腫瘍細胞増殖、腫瘍細胞成長または腫瘍形成を治療する方法。
【請求項36】
請求項1、請求項8または請求項9に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を対象に投与することによりPI3K依存状態を治療する方法であって、該PI3K依存状態が、痛み、糖尿病、炎症、血小板凝集、虚血性心疾患、硬化症、再狭窄、呼吸器疾患、HIV、骨吸収、癌、非小細胞肺癌および脳腫瘍からなる群から選択される方法。
【請求項37】
化合物17−ペグ化ジ−(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテート。
【請求項38】
前記化合物が請求項11または請求項37に記載の化合物である、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記化合物が請求項11または請求項37に記載の化合物である、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
さらに、タキソールを投与することを含む、請求項19または24に記載の方法。
【請求項41】
成長因子シグナル伝達、サイトカイン応答および細胞周期制御を調整する1種類以上の物質を投与することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記物質が、サイトカイン、インターフェロン、ラパマイシン、ペグ化ラパマイシン、HER2/EGFR阻害剤、MEK阻害剤、インターフェロン−α(イントロン−A)およびSrcキナーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
図2に示される方法により請求項1に記載の化合物を作るプロセス。
【請求項44】
図3に示される方法により請求項1に記載の化合物を作るプロセス。
【請求項45】
前記物質がMEK阻害剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項46】
前記MEK阻害剤が、2−(2−クロロ−4−ヨードアニリノ)−N−(シクロプロリルメトキシ−3,4−ジフルオベンズアミド)である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、化合物(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a、10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記物質がHer2/neu阻害剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項49】
前記Her2/neu阻害剤が(E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物が、化合物(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルアセテートを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記物質がmTor阻害剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が、化合物(lE,4S,4aR,5R,6aS,7S)−1−{[tert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチレン}−7,11−ジヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−2,10−ジオキソ−1,2,4,4a,5,6,6a,7,8,9,9a,10−ドデカヒドロインデノ[4,5−h]イソクロメン−5−イルを含む、請求項51に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2008−515984(P2008−515984A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536835(P2007−536835)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/036664
【国際公開番号】WO2006/044453
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(502161704)ワイス (51)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/036664
【国際公開番号】WO2006/044453
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(502161704)ワイス (51)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]