説明

PLCシステム

【課題】通信異常が発生した場合、通信異常の原因究明に要する時間を短縮することが可能なPLCシステムの開発支援装置を提供すること。
【解決手段】複数台のPLCを含むネットワークと、1台の開発支援装置とを含み、複数台のPLCのうちの1台は中継用PLCとして位置づけられており、かつ開発支援装置は前記中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続可能とされ、中継用PLCを含む複数台のPLCのそれぞれには、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスと、PLCを起点としたとき、最終ネットワークへ至る経路の最初の中継点となるPLCのネットワークアドレスと、その最初の中継点となるPLCのノードアドレスとを含む第1の情報と、PLCに装着されている通信ユニットのユニットIDとその通信ユニットが接続されているネットワークのネットワークアドレスとを含む第2の情報とが保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数台のプログラマブル・コントローラ(以下、PLCと言う)をネットワークを介して結んでなるPLCシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された複数のPLCをモニタする場合、モニタしたいPLCにモニタ機能を備えたコンピュータ(開発支援装置)を通信ケーブルで直接接続してモニタする方法がある。しかし、この方法では、いちいちモニタしたいPLCの付近までコンピュータを持って移動しなければならず不便である。
【0003】
そこで、ネットワーク上の1つのPLCにコンピュータを接続するだけで、そのPLCを経由してネットワーク上の他のPLCをモニタする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述の公知技術では、PLCを経由してネットワーク上の他のPLC(以下、ターゲットPLCと言う)をモニタする場合、コンピュータとターゲットPLCとの間で通信ができない状態が発生しても、コンピュータとターゲットPLCとの間の通信経路上のどこに異常が発生したのかを発見することはなかなか困難であった。特に、通信経路が複数のネットワークに跨っている場合、その異常原因の究明は一層困難とされている。
【0005】
例えば、パソコン(開発支援装置)を特定の1台のPLC(以下、中継用PLCと言う)に接続ケーブルを介して接続し、中継用PLCとターゲットPLCとの間をネットワークで結んだシステムにおいて、ユーザがターゲットPLCに対して、モニタやパラメータの編集を行う場合には、次のような操作手順がとられる。
【0006】
すなわち、まず第1の手順として、パソコンとターゲットPLCとの間の通信仕様(通信プロトコルや通信速度など)の設定を行い、第2の手順としてターゲットPLCとオンライン接続を行い、第3の手順として、ターゲットPLCのモニタとパラメータの編集を行う。
【0007】
このとき、第2の手順において、ターゲットPLCとの接続を行うことができず、「通信エラー」、「機種が異なります」などのエラーメッセージが表示されたり、第3の手順において、ターゲットPLCモニタ中に通信が切断されてしまい、「通信エラー」などのエラーメッセージが表示されて、操作不能となる、といった場合がある。
【0008】
このような問題点が生ずる原因としては、パソコンと中継用PLCとの間に問題がある場合、中継用PLCとターゲットPLCとの間に問題がある場合、ターゲットPLC自体に問題がある場合、などが想定される。
【0009】
ここで、パソコンと中継用PLCとの間の問題としては、(1)接続ケーブルの断線、配線ミス、(2)パソコン側で設定する通信仕様の誤り、(3)中継用PLCの通信用ポートの設定誤り、等々を挙げることができる。
【0010】
また、中継用PLCとターゲットPLCとの間の問題点としては、(1)通信経路内の接続ケーブルの断線、(2)通信経路のPLCに予め格納されているルーティングテーブルの設定ミス、(3)通信経路上のネットワークの通信負荷に伴う通信タイムアウト、等々を挙げることができる。
【0011】
さらに、ターゲットPLC自体の問題としては、(1)ターゲットPLCが想定したPLCではない場合、(2)ターゲットPLCの設定が変更、またはリセットがかかり、通信レスポンスが無くなった場合、等々を挙げることができる。
【特許文献1】特開2000−47717公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来装置にあっては、ネットワーク経由でPLCと接続することで、ユーザは物理的なケーブルの接続を切り替えることなく、複数のPLCのモニタ・プログラム編集・パラメータ設定などを行うことができる。その反面、ネットワーク経由で通信できない場合、ネットワーク経路の複雑さ或いは要因項目の多様さから、その原因究明に非常に時間が掛かるという問題点がある。
【0013】
特に、ターゲットPLCへ通信コマンドを転送するルーティングの仕組みは、ネットワーク上の各PLCに予めルーティングテーブルを設定することで、ターゲットPLCのネットワークアドレスとノードアドレスを指定するだけで、ユーザは通信経路を意識することなくターゲットPLCと接続ができる。しかし、PLCシステム構築途中のネットワークでは、ルーティングテーブルの設定それ自体に問題がある場合があり、このとき、1つ1つのPLCの設定を見て回る必要があり、問題解決に非常に時間が掛かる。
【0014】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ネットワーク経由でPLCと接続することで、物理的なケーブルの接続切替えを要することなく、PLCのモニタ・プログラム編集・パラメータ設定などを可能としたPLCシステムにおいて、ネットワーク経由で通信できないといった通信異常が発生した場合、通信異常の原因究明に要する時間を短縮することが可能なPLCシステムを提供することにある。
【0015】
この発明のさらに他の目的ならびに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解される筈である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のPLCシステムは、複数台のPLCを含むネットワークと、1台の開発支援装置とを含み、前記複数台のPLCのうちの1台は中継用PLCとして位置づけられており、かつ前記開発支援装置は前記中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続可能とされている。中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続する場合の通信回線としては、開発支援装置と中継用PLCが通信ケーブルで直接接続される構成でも良いし、ネットワークを介して接続される構成でも良い。
【0017】
前記中継用PLCを含む複数台のPLCのそれぞれには、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスと、当該PLCを起点としたとき、前記最終ネットワークへ至る経路の最初の中継点となるPLCのネットワークアドレスと、その最初の中継点となるPLCのノードアドレスとを含む第1の情報と、当該PLCに装着されている通信ユニットのユニットIDとその通信ユニットが接続されているネットワークのネットワークアドレスとを含む第2の情報とが保持されている。
【0018】
前記開発支援装置は、オンライン接続状態にある一連のPLCのその時点に於ける先端に位置するPLCから通信を介して取得された前記第1及び第2の情報と、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスとの照合により、新たな先端PLCとなるべきPLCのネットワークアドレス及びノードアドレスを取得し、こうして取得されたネットワークアドレス及びノードアドレスに基づいて、新たな先端PLCとなるべきPLCへのオンライン接続を行うと言った通信路延長のための一連の処理を繰り返すことにより、ネットワーク上の任意のターゲットPLCに対してオンライン接続可能とされている。
【0019】
さらに前記開発支援装置は、ターゲットPLCとのオンライン接続中に通信異常が発生したときには、前記通信路延長のための一連の処理を中継用PLCへの接続から始めて繰り返し再試行しつつ、新たな先端PLCから通信を介して第1及び第2の情報が取得されるか否か及び取得される場合にはその内容に基づいて、通信経路上の異常箇所情報をユーザに提示する異常箇所情報提示処理を実行する。
【0020】
このような構成によれば、先端PLCを更新しつつ、更新の都度、その先端PLCから通信を介して第1及び第2の情報が取得されるか否か及び取得される場合にはその内容に基づいて、通信経路上の異常箇所情報をユーザに提示するものであるから、通信異常の原因が、中継用PLCとターゲット用PLCとの間に存在する複数のPLCのいずれにあるかを、ユーザは容易に判別することができる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCの正常/異常に関する情報が含まれていても良い。
【0022】
このような構成によれば、開発支援装置とターゲットPLCとの間の区間において、通信異常が発生したとき、異常箇所が中継用PLCであるのか、先端PLCであるのか、及び/又は、ターゲットPLCであるのかを、ユーザは容易に判別することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCにおける前記第1及び第2の情報の存在/不在又は正/誤に関する情報が含まれていても良い。
【0024】
このような構成によれば、開発支援装置とターゲットPLCとの間の区間において、通信異常が発生したとき、その通信異常の原因が、中継用PLC、先端PLC、又はターゲットPLCに保持される第1及び第2の情報それ自体の不在又は誤りに起因することを、ユーザは容易に判別することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、異常箇所情報定時処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLCと前記先端PLCとの間、及び/又は、前記先端PLCと前記ターゲットPLCとの間における通信障害の有無に関する情報が含まれていても良い。
【0026】
このような構成によれば、開発支援装置とターゲットPLCとの間の区間において、通信異常が発生したとき、異常箇所が中継用PLCと先端PLCとの間であるのか、及び/又は、先端PLCとターゲットPLCとの間であるのかを、ユーザは容易に判別することができる。
【0027】
別の一面から見た本発明は、開発支援装置として把握することもできる。この開発支援装置は、ネットワーク接続された複数台のPLCのうちの1台である中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続可能とされる。中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続する場合の通信回線としては、開発支援装置と中継用PLCが通信ケーブルで直接接続される構成でも良いし、ネットワークを介して接続される構成でも良い。
【0028】
前記中継用PLCを含む複数台のPLCのそれぞれには、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスと、当該PLCを起点としたとき、前記最終ネットワークへ至る経路の最初の中継点となるPLCのネットワークアドレスと、その最初の中継点となるPLCのノードアドレスとを含む第1の情報と、当該PLCに装着されている通信ユニットのユニットIDとその通信ユニットが接続されているネットワークのネットワークアドレスとを含む第2の情報とが保持されている。
【0029】
前記開発支援装置は、オンライン接続状態にある一連のPLCのその時点に於ける先端に位置するPLCから通信を介して取得された前記第1及び第2の情報と、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスとの照合により、新たな先端PLCとなるべきPLCのネットワークアドレス及びノードアドレスを取得し、こうして取得されたネットワークアドレス及びノードアドレスに基づいて、新たな先端PLCとなるべきPLCへのオンライン接続を行うと言った通信路延長のための一連の処理を繰り返すことにより、ネットワーク上の任意のターゲットPLCに対してオンライン接続可能とされている。
【0030】
さらにターゲットPLCとのオンライン接続中に通信異常が発生したときには、前記通信路延長のための一連の処理を中継用PLCへの接続から始めて繰り返し再試行しつつ、新たな先端PLCから通信を介して第1及び第2の情報が取得されるか否か及び取得される場合にはその内容に基づいて、通信経路上の異常箇所情報をユーザに提示する異常箇所情報提示処理を実行する。
【0031】
このような構成によれば、先端PLCを更新しつつ、更新の都度、その先端PLCから通信を介して第1及び第2の情報が取得されるか否か及び取得される場合にはその内容に基づいて、通信経路上の異常箇所情報をユーザに提示するものであるから、通信異常の原因が、中継用PLCとターゲット用PLCとの間に存在する複数のPLCのいずれにあるかを、ユーザは容易に判別することができる。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCの正常/異常に関する情報が含まれていても良い。
【0033】
このような構成によれば、開発支援装置とターゲットPLCとの間の区間において、通信異常が発生したとき、異常箇所が中継用PLCであるのか、先端PLCであるのか、及び/又は、ターゲットPLCであるのかを、ユーザは容易に判別することができる。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCにおける前記第1及び第2の情報の存在/不在又は正/誤に関する情報が含まれていても良い。
【0035】
このような構成によれば、開発支援装置とターゲットPLCとの間の区間において、通信異常が発生したとき、その通信異常の原因が、中継用PLC、先端PLC、又はターゲットPLCに保持される第1及び第2の情報それ自体の不在又は誤りに起因することを、ユーザは容易に判別することができる。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、異常箇所情報定時処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLCと前記先端PLCとの間、及び/又は、前記先端PLCと前記ターゲットPLCとの間における通信障害の有無に関する情報が含まれていても良い。
【0037】
このような構成によれば、開発支援装置とターゲットPLCとの間の区間において、通信異常が発生したとき、異常箇所が中継用PLCと先端PLCとの間であるのか、及び/又は、先端PLCとターゲットPLCとの間であるのかを、ユーザは容易に判別することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、ネットワーク経由でPLCと接続することで、物理的な通信ケーブルの接続切替えを要することなく、PLCのモニタ・プログラム編集・パラメータ設定などを可能としたPLCシステムにおいて、ネットワーク経由で通信できないといった通信異常が発生した場合、通信異常の原因究明に要する時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用されるPLCシステムのネットワーク構成図の一例が図1に示されている。
【0040】
同図に示されるように、このPLCシステムにおいては、9台のPLC(PLC1〜PLC9)を含んでいる。これらのPLC(PLC1〜PLC9)は、8系統のネットワーク(N1〜N8)を介して結ばれている。すなわち、PLC1とPLC2とはネットワークN1を介して結ばれている。PLC2とPLC3とはネットワークN2を介して結ばれている。PLC3とPLC4とはネットワークN3を介して結ばれている。PLC4とPLC5とはネットワークN4を介して結ばれている。PLC5とPLC6とはネットワークN5を介して結ばれている。PLC6とPLC7とはネットワークN6を介して結ばれている。PLC7とPLC8とはネットワークN7を介して結ばれている。PLC8とPLC9とはネットワークN8を介して結ばれている。このPLCシステムを構成するネットワークには、個々のネットワークをユニークに特定するための情報としてネットワークアドレスが付与されている。また、各PLCは、直接に接続されているネットワーク内でユニークに特定される情報としてノードアドレスを備えている。このネットワークアドレスとノードアドレスの組み合わせによりPLCシステム上のPLCをユニークに特定することができる。
【0041】
そして、パソコンPCとケーブルを介して直接結ばれたPLC1を中継用PLCと称することとし、接続先であるPLC9をターゲットPLCと称することとする。
【0042】
次に、本発明装置の一実施形態の構成図が図2に示されている。開発支援装置として機能するパソコン(PC)は、図示のごとく、入力装置201と、出力装置202と、通信設定管理部203と、通信設定データ格納DB204と、接続管理部205と、通信コマンド変換部206と、通信コマンド送受信部207と、ルーティングテーブル格納DB208と、ルーティングテーブル解析部209とを含んでいる。これらの各機能要素は、パソコンに所定のプログラムを組み込むことにより、ソフトウェア的に実現されている。なお、図においてPLC1は中継用PLCである。
【0043】
この実施形態の開発支援装置は、(1)区間分割による要因の絞込み、(2)ルーティングテーブル解析による要因の絞込み、を行い、通信が正常な範囲と異常な範囲とを明確化した上でユーザに通知を行い、ユーザは絞り込まれた範囲で、通信経路の状態を確認することで、原因の究明に要する時間を短縮することが可能となるのである。
【0044】
そこで、まず、区間分割による要因の絞込みについて説明する。
【0045】
[パソコンと中継用PLCとの間の通信設定]
ユーザは入力装置201を使用して、パソコンPCと中継用PLC(PLC1)との間の通信仕様の設定を行う。例えば、ユーザが設定した内容は、通信設定管理部203によって所定のフォーマットに変換され、通信設定データ格納DB204に保存される。ユーザは必要に応じて、この通信仕様の設定を後に変更することができる。
【0046】
[パソコンと中継用PLCとの接続]
ユーザは入力装置201を使用して、上記で設定した中継用PLC(PLC1)とオンライン接続する操作を行う。この操作を受け、接続管理部205は通信コマンド変換部206に対し、中継用PLC(PLC1)に対する通信テストの実行を指令する。通信コマンド変換部206は、通信設定データ(格納DB204)から中継用PLC(PLC1)の通信設定を読み出し、通信テストを実行する。すると、テスト結果が「成功」のとき、パソコンPCと中継用PLC(PLC1)とはオンラインモードの状態となる。これに対して、テスト結果「失敗」のとき、中継用PLC(PLC1)との通信テストが失敗したことを、出力装置202を通じてユーザに通知する。
【0047】
[ターゲットPLC(PLC9)への接続切替え]
パソコンPCと中継用PLC(PLC1)とがオンラインモードのとき、ユーザはターゲットPLCを指定するためのネットワークアドレスとノードアドレスを入力装置201から入力することで、ターゲットPLCを切り替えることができる。接続管理部205は、通信コマンド変換部206に対し、ターゲットPLC(PLC9)に対する通信テストの実行を指令する。テスト結果が「成功」のとき、指定のターゲットPLC(PLC9)への接続を行う。テスト結果が「失敗」のとき、中継用PLC(PLC1)との通信テストが失敗したことを、出力装置202を通じてユーザに通知する。
【0048】
[接続中の通信チェック]
本発明装置では、ターゲットPLC(PLC9)と通信中に、定期的(初期値は1秒とし、この設定は変更可能)に、接続管理部205が通信コマンド変換部206に対し、中継用PLC(PLC1)とターゲットPLC(PLC9)の2ヶ所に対し、通信テストの指令を行う。テスト結果が「成功」のとき、それまでの処理を継続する。テスト結果が、中継用PLCとの間において「失敗」とされると、パソコン(PC)と中継用PLC(PLC1)との間で通信エラーが発生したことを、出力装置202を通じてユーザに通知する。その後、システムをオフラインモードに切り替える。テスト結果がターゲットPLC(PLC9)との間において「失敗」とされると、中継用PLC(PLC1)とターゲットPLC(PLC9)との間で通信エラーが発生したことを、出力装置202を通じてユーザに通知する。この場合、システムはオンラインモードのままとされ、ターゲットPLC(PLC9)を他のPLCに切り替えることが可能とされる。
【0049】
次に、ルーティングテーブル解析による要因の絞込みについて説明する。オンライン接続操作において、ターゲットPLC(PLC9)と通信できない事態が発生した場合、中継用PLC(PLC1)からターゲットPLC(PLC9)までの通信経路上のPLCにおけるルーティングテーブルの設定に誤りがある可能性がある。従来、このケースでは、個々のルーティングテーブルを全て確認する必要があり、かつその特定に非常に手間が掛かっていた。
【0050】
本発明装置においては、ターゲットPLC(PLC9)の接続に失敗した場合、その他特定のターゲットPLCとの通信テストをユーザが行うことで、ルーティングテーブルを解析した異常箇所の絞込みを行うことができる。この機能の概要は、中継用PLC(PLC1)からターゲットPLC(PLC9)までルーティングテーブルを辿りながら、通信テストを行うことで、通信が出来ない区間や異常個所を特定するものである。
【0051】
なお、ルーティングテーブルについては、図3及び図4を用いて説明する。すなわち、ネットワーク間でデータの送受信を行う場合、あるPLCから、通信相手のPLCが接続されている(他の)ネットワークまでの通信経路を登録したテーブルが、ネットワーク上の各PLC内に予め登録されていることが必要である。このテーブルを「ルーティングテーブル」と呼ぶ。「ルーティングテーブル」は、「中継ネットワークテーブル」と「自ネットワークテーブル」とから構成される。
【0052】
ここで、「中継ネットワークテーブル」とは、当該PLCが接続されていない、目的とするネットワーク(最終ネットワーク)と、そこに至る経路の最初の中継点となるPLC(まず行くべきところのPLC)のネットワークアドレスとノードアドレスとの対応表である。この中継点となるPLCを辿っていくことにより、最終ネットワークへ至ることができる。一方、「自ネットワークテーブル」とは、当該PLCに装着されている通信ユニットのユニット番号(複数のユニットで構成されるPLC内においてユニットをユニークに特定するもの)とその通信ユニットが接続されているネットワークのネットワークアドレスとの対応表である。ルーティングテーブルは、専用のソフトウェアがインストールされたパソコン上で作成し、各PLCに転送し格納される。
【0053】
[ルーティングテーブルの読込]
開発支援装置は、通信経路上のPLC(中間ノードと呼ぶ)から、ルーティングテーブルを読み込む。最初の中間ノードは、通信経路の出発点である中継用PLC(PLC#1)とする。ルーティングテーブル解析部209は、通信コマンド変換部206にルーティングテーブルの読み出しを指示し、読み出したルーティングテーブルをルーティングテーブル格納DB208に保存する。このとき、ルーティングテーブルが存在しないときには、中継用PLC(PLC#1)にルーティングテーブルが存在しないことを、出力装置202を通じてユーザに通知し処理を終了する。これに対して、ルーティングテーブルが存在するときには、経路の抽出処理を行う。
【0054】
[経路の抽出]
読み出したルーティングテーブルから、次の中間ノードのネットワークアドレスとノードアドレスを抽出する。具体的には、開発支援装置は、自ネットワークテーブル、中継ネットワークテーブルの順に、ターゲットPLCのネットワークアドレスがあるかどうかを検索する。このとき、ネットワークアドレスが存在しないときには、現在の中間ノードのルーティングテーブルに、ターゲットPLCのネットワークアドレスが存在しないことを、出力装置202を通じてユーザに通知し処理を終了する。また、自ネットワークテーブルに存在するときには、現在の中間ノードのネットワークアドレスとノードアドレスを表示し、通信テストが成功したこと、及びターゲットPLCと現在の中間ノードとの間に問題がある可能性が高いことを、出力装置202を通じてユーザに通知し処理を終了する。これに対して、中継ネットワークテーブルに存在するときには、中継点のネットワークアドレスとノードアドレスを新規な中間ノードに設定し、ルーティングテーブルの読込処理へと移行する。
【0055】
上述の異常ノードを検出するための処理を示すフローチャート(その1、その2)が、図5及び図6に示されている。
【0056】
同図において処理が開始されると、ステップ501においては、中継用PLCの所定メモリに格納されているルーティングテーブルを読み出す処理を行う。具体的には、パソコン上のMPUが中継用PLCに対してルーティングテーブル(自ネットワークテーブルと中継ネットワークテーブルとから構成される)を読み出すコマンドを発行する。このコマンドに対する中継用PLCからのレスポンスを受信する。受信したレスポンスから自ネットワークテーブルに関するデータと中継ネットワークテーブルに関するデータとを抽出し、中継用PLCの自ネットワークテーブル及び中継ネットワークテーブルとして所定メモリに格納する。
【0057】
続くステップ502では、パソコンのMPUは、ステップ501で所定メモリに格納された中継用PLCの自ネットワークテーブル内にターゲットPLCのネットワークアドレスを表すネットワーク番号が存在するかどうかをチェックする。そのチェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在する場合は、ステップ503へ進む。チェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在しない場合はステップ504へ進む。
【0058】
ステップ503では、パソコンのMPUは、処理結果をパソコンの表示部(出力装置202に相当)へ表示することで操作者へ通知する。この場合は、中継用PLCまでの通信回線は正常であるが、中継用PLCが接続されているネットワーク内に存在する(と推定される)ターゲットPLCの障害(PLCを構成する通信ユニットやその他のユニットの故障など)、あるいは、中継用PLCとターゲットPLC間のネットワークの障害(通信回線の断線やノイズの影響など)により、中継用PLCとターゲットPLC間で通信不可である旨の内容を表示部へ表示する。
【0059】
その表示例を示したものが図7の画面例1である。画面例1は、パソコンの表示部の所定行に中継用PLCの名称、中継用PLCのネットワーク番号、中継用PLCのノード番号、及び、中継用PLCは正常である旨の「OK」を表示したものである。さらに、これらの表示とは異なる行に、ターゲットPLCの名称、ターゲットPLCのネットワーク番号、ターゲットPLCのノード番号、及び、ターゲットPLCとの通信不可を表す「NG」を表示したものである。なお、これらの表示に加えて、「NG」の原因を表示することで操作者にターゲットPLCと通信出来ない原因を通知するようにするとよい。
【0060】
続くステップ504では、パソコンのMPUは、ステップ501で所定メモリに格納された中継ネットワークテーブル内に、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在するかどうかをチェックする。そのチェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在しない場合はステップ505へ進む。チェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在する場合はステップ506へ進む。
【0061】
ステップ505では、パソコンのMPUは、処理結果をパソコンの表示部へ表示することで操作者へ通知する。この場合は、中継用PLCまでの通信回線は正常であるが、中継用PLCから読み出したルーティングテーブルが不正である旨の内容を表示部へ表示する。
【0062】
その表示例を示したものが図8の画面例2である。画面例2は、パソコンの表示部の所定行に中継用PLCの名称、中継用PLCのネットワーク番号、中継用PLCのノード番号、及び、中継用PLCのルーティングテーブルが不正である旨の「NG」を表示したものである。なお、これらの表示に加えて、「NG」の原因を表示することで操作者にターゲットPLCと通信出来ない原因を通知するようにするとよい。
【0063】
続くステップ506では、パソコンのMPUは、処理結果をパソコンの表示部へ表示することで操作者へ通知する。この場合は、中継用PLCまでの通信回線は正常であり、かつ、中継用PLCから読み出したルーティングテーブルが正常である旨の内容を表示部へ表示する。
【0064】
その表示例を示したものが図9の画面例3である。画面例3は、パソコンの表示部の所定行に中継用PLCの名称、中継用PLCのネットワーク番号、中継用PLCのノード番号、及び、中継用PLCのルーティングテーブルが正常である旨の「OK」を表示したものである。処理結果をパソコンの表示部へ表示した後、図6のステップ601へと進む。
【0065】
図6に移って、続くステップ601では、パソコンのMPUは、次にルーティングテーブルを読み出すべきノード(中間ノードと呼ぶ)を決定し、当該中間ノードのルーティングテーブルを読み出す処理を行う。具体的には、現在、読み出している中継ネットワークテーブルの最終ネットワークのネットワークアドレス欄からターゲットPLCのネットワーク番号に一致する行を抽出し、当該行の中継ネットワークのネットワークアドレスを表すネットワーク番号と中継ノードのノードアドレスを表すノード番号とで特定されるノード(中間ノード)に対してルーティングテーブルを読み出すコマンドを発行する。このコマンドに対する中間ノードからのレスポンスを受信する。受信したレスポンスから自ネットワークテーブルに関するデータと中継ネットワークテーブルに関するデータとを抽出し、当該中間ノードの自ネットワークテーブル及び中継ネットワークテーブルとして所定メモリに格納する。
【0066】
続くステップ602では、パソコンのMPUは、ステップ601で所定メモリに格納された中間ノードの自ネットワークテーブル内にターゲットPLCのネットワーク番号が存在するかどうかをチェックする。そのチェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在する場合はステップ603へ進む。チェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在しない場合はステップ604へ進む。
【0067】
続くステップ603では、パソコンのMPUは、処理結果をパソコンの表示部へ表示することで操作者へ通知する。この場合は、中間ノードまでの通信回路は正常であるが、中間ノードが接続されているネットワーク内に存在する(と推定される)ターゲットPLCの障害(PLCを構成する通信ユニットやその他のユニットの故障など)、あるいは、中間ノードとターゲットPLC間のネットワークの障害(通信回線の断線やノイズの影響など)により中間ノードとターゲットPLC間で通信不可である旨の内容を表示部へ表示する。
【0068】
その表示例を示したものが図10の画面例4である。画面例4は、パソコンの表示部の所定行に中間ノードの名称、中間ノードのネットワーク番号、中間ノードのノード番号、及び、中間ノードは正常である旨の「OK」を表示したものである。さらに、これらの表示とは異なる行に、ターゲットPLCの名称、ターゲットPLCのネットワーク番号、ターゲットPLCのノード番号、及び、ターゲットPLCとの通信不可を表す「NG」を表示したものである。なお、これらの表示に加えて「NG」の原因を表示することで操作者にターゲットPLCと通信出来ない原因を通知するようにするとよい。
【0069】
続くステップ604では、パソコンのMPUは、ステップ601で所定メモリに格納された中間ノードの中継ネットワークテーブル内にターゲットPLCのネットワーク番号が存在するかどうかをチェックする。そのチェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在しない場合はステップ605へ進む。チェックの結果、ターゲットPLCのネットワーク番号が存在する場合はステップ606へ進む。
【0070】
続くステップ605では、パソコンのMPUは、処理結果をパソコンの表示部へ表示することで操作者へ通知する。この場合は、中間ノードまでの通信回路は正常であるが、中間ノードから読み出したルーティングテーブルが不正である旨の内容を表示部へ表示する。
【0071】
その表示例を示したものが図11の画面例5である。画面例5は、パソコンの表示部の表示行に中間ノードの名称、中間ノードのネットワーク番号、中間ノードのノード番号、及び、中間ノードのルーティングテーブルが不正である旨の「NG」を表示したものである。さらに、これらの表示に加えて、「NG」の原因を表示することで操作者にターゲットPLCと通信出来ない原因を通知するようにするとよい。
【0072】
続くステップ606では、パソコンのMPUは、処理結果をパソコンの表示部へ表示することで操作者へ通知する。この場合は、中間ノードまでの通信回線は正常であり、かつ、中間ノードから読み出したルーティングテーブルが正常である旨の内容を表示部へと表示する。
【0073】
その表示例を示したものが図12の画面例6である。画面例6は、パソコンの表示部の所定行に中間ノードの名称、中間ノードのネットワーク番号、中間ノードのノード番号、及び、中間ノードのルーティングテーブルが正常である旨の「OK」を表示したものである。処理結果をパソコンの表示部へ表示した後、ステップ601へ戻り、以後ステップ601〜606が繰り返し実行される。
【0074】
以上に述べた実施形態では、処理結果の表示部へ表示する処理を都度実行するものとして説明した。この処理結果の表示部への表示するタイミングは異常ノードを検出するフローの最後でもよい。例えば、異常ノードを検出するフローの途中で処理結果を全て所定のメモリに格納しておき、異常ノードを検出するフローを終了する際に格納しておいた処理結果をまとめて表示するようにしてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態のステップ601では、ルーティングテーブルを読み出すべき中間ノードが決まると、当該中間ノードに対してルーティングテーブルを読み出すコマンドを発行している。ルーティングテーブルを読み出す処理としては、これに限るものではない。ルーティングテーブルを読み出すコマンドを発行する前に中間ノードに対して当該ノードの機種に関する情報(型式など)を読み出すコマンドを発行し、そのコマンドのレスポンスがあるかどうかで該当中間ノードと通信可能かどうかを判定するようにしてもよい。レスポンスがあった場合(通信可能な場合)、レスポンス中の機種情報によりルーティングテーブルを読み出すかどうか、読み出す場合の読み出し方法などを決定するようにしてもよい。
【0076】
以上述べた接続段階と異常通知との関係をまとめて示す説明図が図13に示されている。図から明らかなように、本発明にあっては、まず、第1のステップとして、パソコンと中継用PLCとの間の通信設定を行い(ステップ1301)、続く第2のステップとして、中継用PLCとの接続を行い(ステップ1302)、続く第3のステップとして、ターゲットPLCへの接続切替を行い(ステップ1303)、その後第4のステップとして接続中の通信チェックを行う(ステップ1305)。
【0077】
そして、第2のステップにおいて、中継用PLCとの接続(ステップ1302)を行った際に、通信異常が発生すれば、パソコンと中継用PLCとの間の通信異常としてその旨が通知される(ステップ1311)。
【0078】
また、第3のステップにおいて、ターゲットPLCへの接続切替(ステップ1303)を行った際に、通信異常が判定されると、ルーティングテーブル解析処理が実行される(ステップ1304)。このときにはルーティングテーブルの異常である旨(ステップ1312)、及び通信可能な範囲の表示(ステップ1313)が行われる。
【0079】
また、第4のステップにおいて、接続中の通信チェックをした結果(ステップ1305)、通信異常が判定された場合には、パソコンと中継用PLCとの間の通信異常(ステップ1314)、及び中継用PLCとターゲットPLC間の通信異常(ステップ1315)の通知が行われる。
【0080】
従って、オペレータはそれらの通知に基づいて、各異常時における必要な措置を迅速にとることができ、その結果通信異常の原因究明に要する時間を削減し、その復旧を迅速に行うことが可能となるのである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明によれば、ネットワーク経由でPLCと接続することで、物理的なケーブルの接続切替えを要することなく、PLCのモニタ・プログラム編集・パラメータ設定などを可能としたPLCシステムにおいて、ネットワーク経由で通信できないといった通信異常が発生した場合、通信異常の原因究明に要する時間を短縮することが可能なPLCシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明が適用されるネットワーク構成図である。
【図2】本発明装置の構成図である。
【図3】ネットワーク系統図である。
【図4】PLC#1からPLC#4への使用ルーティングテーブルの一例を示す説明図である。
【図5】異常ノードを検出するための処理を示すフローチャート(その1)である。
【図6】異常ノードを検出するための処理を示すフローチャート(その2)である。
【図7】画面例1の説明図である。
【図8】画面例2の説明図である。
【図9】画面例3の説明図である。
【図10】画面例4の説明図である。
【図11】画面例5の説明図である。
【図12】画面例6の説明図である。
【図13】接続段階と異常通知との関係をまとめて示す説明図である。
【符号の説明】
【0083】
201 入力装置
202 出力装置
203 通信設定管理部
204 通信設定データ格納DB
205 接続管理部
206 通信コマンド変換部
207 通信コマンド送受信部
208 ルーティングテーブル格納DB
209 ルーティングテーブル解析部
PC パソコン
PLC1 中継用PLC
PLC2〜PLC8 ネットワーク途中PLC
PLC9 ターゲットPLC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のPLCを含むネットワークと、1台の開発支援装置とを含み、
前記複数台のPLCのうちの1台は中継用PLCとして位置づけられており、かつ前記開発支援装置は前記中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続可能とされ、
前記中継用PLCを含む複数台のPLCのそれぞれには、
ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスと、当該PLCを起点としたとき、前記最終ネットワークへ至る経路の最初の中継点となるPLCのネットワークアドレスと、その最初の中継点となるPLCのノードアドレスとを含む第1の情報と、
当該PLCに装着されている通信ユニットのユニットIDとその通信ユニットが接続されているネットワークのネットワークアドレスとを含む第2の情報とが保持されており、
前記開発支援装置は、
オンライン接続状態にある一連のPLCのその時点に於ける先端に位置するPLCから通信を介して取得された前記第1及び第2の情報と、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスとの照合により、新たな先端PLCとなるべきPLCのネットワークアドレス及びノードアドレスを取得し、こうして取得されたネットワークアドレス及びノードアドレスに基づいて、新たな先端PLCとなるべきPLCへのオンライン接続を行うと言った通信路延長のための一連の処理を繰り返すことにより、ネットワーク上の任意のターゲットPLCに対してオンライン接続可能とされており、さらに
前記開発支援装置は、ターゲットPLCとのオンライン接続中に通信異常が発生したときには、前記通信路延長のための一連の処理を中継用PLCへの接続から始めて繰り返し再試行しつつ、新たな先端PLCから通信を介して第1及び第2の情報が取得されるか否か及び取得される場合にはその内容に基づいて、通信経路上の異常箇所情報をユーザに提示する異常箇所情報提示処理を実行する、ことを特徴とするPLCシステム。
【請求項2】
前記異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCの正常/異常に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項3】
前記異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCにおける前記第1及び第2の情報の存在/不在又は正/誤に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項4】
前記異常箇所情報定時処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLCと前記先端PLCとの間、及び/又は、前記先端PLCと前記ターゲットPLCとの間における通信障害の有無に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項5】
ネットワーク接続された複数台のPLCのうちの1台である中継用PLCに対して通信回線を介してオンライン接続可能とされる開発支援装置であって、
前記中継用PLCを含む複数台のPLCのそれぞれには、
ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスと、当該PLCを起点としたとき、前記最終ネットワークへ至る経路の最初の中継点となるPLCのネットワークアドレスと、その最初の中継点となるPLCのノードアドレスとを含む第1の情報と、
当該PLCに装着されている通信ユニットのユニットIDとその通信ユニットが接続されているネットワークのネットワークアドレスとを含む第2の情報とが保持されており、
前記開発支援装置は、
オンライン接続状態にある一連のPLCのその時点に於ける先端に位置するPLCから通信を介して取得された前記第1及び第2の情報と、ターゲットとなるPLCの存在する最終ネットワークのネットワークアドレスとの照合により、新たな先端PLCとなるべきPLCのネットワークアドレス及びノードアドレスを取得し、こうして取得されたネットワークアドレス及びノードアドレスに基づいて、新たな先端PLCとなるべきPLCへのオンライン接続を行うと言った通信路延長のための一連の処理を繰り返すことにより、ネットワーク上の任意のターゲットPLCに対してオンライン接続可能とされており、さらに
ターゲットPLCとのオンライン接続中に通信異常が発生したときには、前記通信路延長のための一連の処理を中継用PLCへの接続から始めて繰り返し再試行しつつ、新たな先端PLCから通信を介して第1及び第2の情報が取得されるか否か及び取得される場合にはその内容に基づいて、通信経路上の異常箇所情報をユーザに提示する異常箇所情報提示処理を実行する、ことを特徴とする開発支援装置。
【請求項6】
前記異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCの正常/異常に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項5に記載の開発支援装置。
【請求項7】
前記異常箇所情報提示処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLC、前記先端PLC、及び/又は、前記ターゲットPLCにおける前記第1及び第2の情報の存在/不在又は正/誤に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項5に記載の開発支援装置。
【請求項8】
前記異常箇所情報定時処理においてユーザに提示される通信経路上の異常箇所情報には、前記中継用PLCと前記先端PLCとの間、及び/又は、前記先端PLCと前記ターゲットPLCとの間における通信障害の有無に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項5に記載の開発支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−181572(P2008−181572A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113189(P2008−113189)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【分割の表示】特願2006−49093(P2006−49093)の分割
【原出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】