説明

PP1リガンド

本発明はホスファターゼリガンドおよびポリリガンドに関する。特に、本発明は、PP1活性を調節するリガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドに関する。リガンドおよびポリリガンドは、リサーチツールまたは治療法として使用される。本発明は、リガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドを細胞局在シグナル、エピトープタグおよび/またはレポーターに結合することを含む。さらに本発明は、リガンドおよびポリリガンドをコードするポリヌクレオチドを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、35U.S.Cセクション120に従い、2007年5月2日に出願した米国仮特許出願第60/915,611号、米国仮特許出願第60/915,618号、米国仮特許出願第60/915,622号、および、2007年11月14日に出願した米国仮特許出願第60/988,021号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は哺乳類PP1リガンドおよびモジュレータである。特に、本発明は、ポリペプチドと、ポリペプチド組成物と、PP1のリガンドおよび/またはモジュレータであるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとに関する。さらに、本発明は、PP1活性を調節するホモポリリガンドまたはヘテロポリリガンドであるポリリガンドに関する。また、本発明は細胞領域に局在化したリガンドおよびポリリガンドに関する。
【0003】
この出願は、出願番号第60/915,611号、第60/915,618号、第60/915,622号、第60/988,021号、第10/724,532号(米国特許第7,071,295号)、第10/682,764号(US2004/018556,PCT/US2004/013517,WO2005/040336)、第11/233,246号およびUS20040572011P(WO2005116231);米国特許第7,091,038号;US20040033600;US20060200416;US20060172377に関連する主題を有する。これらの特許および出願はそれぞれ参照することによって組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0004】
ホスファターゼは、分子からリン酸を除去する酵素である。リン酸の除去は脱リン酸化と呼ばれている。キナーゼは、分子へのリン酸付加を触媒する酵素である。キナーゼによるリン酸の付加は、リン酸化と呼ばれている。キナーゼの基質がタンパク質分子であるとき、一般的に、リン酸化されるアミノ酸はセリン、スレオニンおよびチロシンである。キナーゼとホスファターゼは、細胞内で競合している力を示しており、細胞シグナルおよび細胞制御機構を伝達、減弱または調節する。キナーゼおよびホスファターゼは双方とも重複する特有の天然の基質である。キナーゼ、ホスファターゼおよびこれらの天然基質により調節されるように、細胞シグナルおよび制御機構は研究手段の計画とドラッグデザインの対象である。
【0005】
PP1すなわちタンパク質ホスファターゼ1は心機能を含む多数の細胞プロセスの調節に関与する。自然発生的PP1インヒビタ1(INH−1)の機能的不活性はヒト患者の心疾患に関連して示されている(El−Armouche et al.2004 Cardiovasc Res.61:87−93)。PP1インヒビタの不活性化によってPP1の活性は増大する。この点と一致して、研究結果(Yamada et al.2006FASEB J 20:1197−9)は自然発生的インヒビタ、INH−2のアデノウィルスを介した発現が、心疾患の進行を遅らせ、動物の生存率を改善することを示している。PP1による心機能の調節は、PP1を介したホスホランバン(Phospholamban)の脱リン酸化を介しておこり、次いで、筋肉細胞の筋小胞体(小胞体)(SR)中のカルシウムポンプSERCA2の活性を制御する(Neumann 2002 Basic Res Cardiol.97Suppl 1:I91−5)。さらに、INH−2を過剰発現するトランスジェニック動物の心機能が改善し、リン酸化PLBの濃度が上昇した(Kirchhefer et al.2005 Cardiovasc Res 68:98−108)。
【0006】
哺乳類タンパク質ホスファターゼ1は、PP1としても周知である。PP1触媒サブユニットの酵素活性が研究されている(Terrak et al.2004 Nature 429:780−4参照)。より明確な基質特異性を有するキナーゼとは違い、PP1触媒サブユニットは、多くのリン酸化−タンパク質を脱リン酸化可能である。ホスファターゼ基質特異性はホスファターゼ結合パートナー、非触媒サブユニットおよび/または調節サブユニットによって大半が決定されることが現在では認められている(例えば、Cohen J Cell Sci 115:241−256,2002;Ceulemans et al.Physiol Rev 84:1−39,2004)。
【0007】
ホスホランバン、オーロラβキナーゼ、TP53、MYPT1、RNAポリメラーゼII、PPP1R3C、網膜芽細胞腫、MST1R、cdc25、EF2、BAD、BRCA、ヒストンH2AXおよびIP3レセプタを含む、PP1に関する多数のリン酸化タンパク質基質が同定された。さらに、scapinin、PNUTS、PPPIRA、neurabinI、NIPP1、CPI17、DARPP32、neurabinIIおよびPPPIR2を含む、PP1のいくつかの細胞タンパク質レギュレータが同定された。いくつかのPP1基質、レギュレータおよびPP1バイオロジーに関するその他の研究は、以下の文献に記載されている。
【0008】
【非特許文献1】Ammosova et al. 2005 Retrovirology 2:47;
【非特許文献2】Ayllon et al. 2000 EMBO J. 19:2237-2246;
【非特許文献3】Carr et al. 2002 MoI. Cell Biol. 22:4124-4135;
【非特許文献4】Egloff et al. 1997 EMBO J. 16: 1876-1887;
【非特許文献5】Eto et al. 2004 PNAS 101 :8888-8893;
【非特許文献6】Jideama et al. 2006 Int. J. Biol Sci. 2:1-9;
【非特許文献7】Lees-Miller et al. 1991 MoI. Cell Biol. 12:5041-5049;
【非特許文献8】Li et al. 2006 Oncogene 25:3006-3022;
【非特許文献9】Liu et al. 2005 Eur. J. Neurosci. 22: 1942-1950;
【非特許文献10】Liu et al. 2002 Cancer Res. 62:6357-6361;
【非特許文献11】Margolis et al. 2003 EMBO J. 22:5734-5745;
【非特許文献12】Champion 2005 Circ. Res. 96:708-710;
【非特許文献13】Ohki et al. 2003 J MoI Biol 326:1539-47;
【非特許文献14】Pathak et al. 2005 Circ. Res. 96:756-766;
【非特許文献15】Quevedo et al. 2003 J. Biol. Chem. 278:16579-16586;
【非特許文献16】Rubin et al. 2001 Oncogene 20:3776-3785;
【非特許文献17】Santoro et al. 2003 Biochem. J. 376:587-594;
【非特許文献18】Shmueli et al. 2006 MoI. Cell. Neurosci. 32:15-26;
【非特許文献19】Strack et al. 1997 J. Neurochem. 68:2119-2128;
【非特許文献20】Szatmari et al. 2005 J. Biol. Chem. 280:37526-37535;
【非特許文献21】Tang et al. 2003 J. Neurosci. 23:403-415;
【非特許文献22】Tsukada et al. 2006 BBRC 343:839-847;
【非特許文献23】Uematsu et al. 2005 J. Neurochem. 95: 1642-1652;
【非特許文献24】Walter et al. 2000 Oncogene 19:4906-4916;
【非特許文献25】Washington et al. 2002 J. Biol. Chem. 277:40442-40448;
【非特許文献26】Yamada et al. 2006 FASEB J. 20: 1197-9;
【非特許文献27】Zhan et al. 2003 J. Immunology 171:3785-3793;
【非特許文献28】Siino et al. 2002 BBRC 297:1318-1323;
【非特許文献29】Welsh et al. 1997 Analyt. Biochem. 244:16-21;
【非特許文献30】Rameau et al. 2004 J. Biol. Chem. 279:14307-14314;
【非特許文献31】Toyoshima et al. 2003 PNAS 100:467-472;
【非特許文献32】Toyofuko et al. 1994 J. Biol. Chem. 269:22929-22932;
【非特許文献33】Hagiwara et al. 1992 Cell 70: 105-113;
【非特許文献34】Ji et al. 2003 J. Biol. Chem. 278:25063-25071;
【非特許文献35】Kimura et al. 1998 FEBS Letters 425:509-512;
【非特許文献36】Kimura et al. 1997 J. Biol. Chem. 272:15061-15064;
【非特許文献37】Kimura et al. 1996 J. Biol. Chem. 271:21726-21731;
【非特許文献38】Haghighi et al. 2001 J. Biol. Chem. 276:24145-24152;
【非特許文献39】Jin et al. 2003 J. Biol. Chem. 28:30677;
【非特許文献40】Beullens et al. 2000 Biochem. J. 352:651;
【非特許文献41】Sagara et al. 2003 J. Biol. Chem. 278:45611;
【非特許文献42】Bibb et al. 1999 Nature 402:669;
【非特許文献43】Huang et al. 1999 J. Biol. Chem. 274:7870;
【非特許文献44】Landsverk et al. 2005 Biochem. J. 390:709;
【非特許文献45】Kim et al. 2003 J. Biol. Chem. 278:13819;
【非特許文献46】Endo et al. 1996 Biochemistry 35:5220;
【非特許文献47】Weiser et al. 2004 J. Biol. Chem. 279:48904;
【非特許文献48】Park et al. 1994 J. Biol. Chem. 269:944;
【非特許文献49】Oliver et al. 2002 MoI. Cell. Biol. 13:4690;
【非特許文献50】Yamawaki et al. 2001 BBRC 285:1040-1045;
【非特許文献51】Deng et al. 2002 Biochem. J. 36:17
【0009】
PP1の小分子インヒビタは当分野で周知であり、オカダ酸およびマイクロスタチンを含む。さらに、PP1活性を評価するキットは、Sigma−Aldrich(セントルイス、ミズーリ)、New England Biolabs(イプスイッチ、マサチューセッツ)およびPromega(マディソン、ウィスコンシン)などから市販されている。
【0010】
[ポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列の説明]
配列番号1〜56は、ポリリガンドおよびこれらポリリガンドをコードしているポリヌクレオチドの例である。
【0011】
特に、配列番号1のPP1ポリリガンドは、配列番号2、配列番号3、配列番号4によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されており、配列番号3および配列番号4は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号1は構造体A−S1−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号92であり(XaaはAlaである)、Bは配列番号68であり(XaaはGluである)、Cは配列番号93であり(XaaはGluである)、S1はアミノ酸配列PGAGGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体A−S1−B−S2−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0012】
配列番号5のPP1ポリリガンドは、配列番号6、配列番号7および配列番号8によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されており、配列番号7および配列番号8は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号5は、構造体A−S1−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号95であり、Bは配列番号69であり(XaaはSerである)、Cは配列番号96(XaaはThrである)、S1はアミノ酸配列PGAGGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体A−S1−B−S2−Cのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0013】
配列番号9のPP1ポリリガンドは、配列番号10、配列番号11および配列番号12によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化され、配列番号11および配列番号12は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号9の構造体X−S3−Y−S2−Zのポリリガンドの実施例であり、Xは配列番号102であり(XaaはSerである)、Yは配列番号72であり(XaaはAspである)、Zは配列番号100であり(XaaはThrである)、S3はアミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体X−S3−Y−S2−Zのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0014】
配列番号13のPP1ポリリガンドは、配列番号14、配列番号15および配列番号16によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されており、配列番号15および配列番号16は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号13は、構造体X−S3−Y−S2−Zのポリリガンドの実施例であり、Xは配列番号101であり、Yは配列番号74であり(XaaはAspである)、Zは配列番号79であり(XaaはSerまたはThrである)、S3は、アミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体X−S3−Y−S2−Zのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0015】
配列番号17のPP1ポリリガンドは、配列番号18、配列番号19および配列番号20によってコードされ、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化され、配列番号19および配列番号20はモジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号17は、構造体X−S4−Y−S2−Zのポリリガンドの実施例であり、Xは配列番号93であり(XaaはGluである)、Yは配列番号75であり(XaaはSerまたはAspである)、Zは配列番号92であり(XaaはAlaである)、S4はアミノ酸配列PGAGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体X−S4−Y−S2−Zのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0016】
配列番号21のPP1ポリリガンドは、配列番号22、配列番号23および配列番号24によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化され、配列番号23および配列番号24は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号21は、構造体D−S3−E−S2−Fのポリリガンドの実施例であり、Dは配列番号73であり(XaaはAspである)、Eは配列番号95であり、Fは配列番号98であり(XaaはGluまたはThrである)、S3はアミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2は、アミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体D−S3−E−S2−Fのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0017】
配列番号25のPP1ポリリガンドは、配列番号26、配列番号27および配列番号28によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化され、配列番号27および配列番号28は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号25は、構造体D−S3−E−S2−Fのポリリガンドの実施例であり、Dは配列番号101であり、Eは配列番号79であり(XaaはSerまたはThrである)、Fは配列番号108であり(XaaはGluまたはAspである)、S3はアミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体D−S3−E−S2−Fのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0018】
配列番号29のPP1ポリリガンドは、配列番号30、配列番号31および配列番号32によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号31および配列番号32は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号29は、構造体D−S3−E−S2−Fのポリリガンドの実施例であり、Dは配列番号96であり(XaaはThrである)、Eは配列番号69であり(XaaはSerまたはThrである)、Fは配列番号95であり、S3はアミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体D−S3−E−S2−Fのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0019】
配列番号33のポリリガンドPP1は、配列番号34、配列番号35および配列番号36によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されており、配列番号35および配列番号36は、モジュール式クローニング方法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号33は、構造体H−S3−J−S2−Kのポリリガンドの実施例であり、Hは、配列番号80であり(XaaはAsp、SerまたはThrである)、Jは配列番号109であり(XaaはGluである)、Kは配列番号110であり(XaaはGluである)、S3はアミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2は、アミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体H−S3−J−S2−Kのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0020】
配列番号37のPP1ポリリガンドは、配列番号38、配列番号39および配列番号40によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されており、配列番号39および配列番号40は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号37は、構造体H−S3−J−S2−Kのポリリガンドの実施例であり、Hは配列番号80であり(Xaaは、GluまたはSerまたはThrである)、Jは配列番号109であり(XaaはGluである)、Kは配列番号110であり(XaaはGluである)、S3はアミノ酸配列PGGAGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体H−S3−J−S2−Kのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0021】
配列番号41のPP1ポリリガンドは、配列番号42、配列番号43および配列番号44によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号43および配列番号44は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号41は、構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号92であり(XaaはSerまたはThrである)、Bは配列番号68であり(XaaはGluである)、Cは配列番号93であり(XaaはGluである)、S5はアミノ酸配列PGAGGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドもヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0022】
配列番号45のPP1ポリリガンドは、配列番号46、配列番号47および配列番号48によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号47および配列番号48は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号45は、構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号93であり(XaaはGluである)、Bは配列番号82であり(XaaはGluである)、Cは配列番号111であり(XaaはAlaである)、S5はアミノ酸配列PGAGGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0023】
配列番号49のPP1ポリリガンドは、配列番号50、配列番号51および配列番号52によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号51および配列番号52は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号49は、構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号105であり(XaaはGluである)、Bは配列番号76であり(XaaはAspまたはGluである)、Cは配列番号106であり(XaaはSerである)、S5はアミノ酸配列PGAGGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0024】
配列番号53のPP1ポリリガンドは、配列番号54、配列番号55および配列番号56によって符号化されており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号55および配列番号56は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号53は構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号108であり(XaaはAspまたはGluまたはAlaである)、Bは配列番号67であり(XaaはGluである)、Cは配列番号100であり(XaaはGluである)、S5はアミノ酸配列PGAGGのスペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGのスペーサーである。構造体A−S5−B−S2−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Gに概略的に示されている。
【0025】
配列番号57〜66および配列番号83〜91は、それぞれ全長PP1タンパク質基質およびレギュレータである。これらの配列は、以下の公開データベースアクセス番号を有する:NP_054829、NP_003591、NP_150281、BAC82348、NP_000537、NP_006732、NP_115984、NP_002471、Q9UD71、NP_002705、NP_000928、NP_005389、NP_000312、NP_002438、NP_002658、NP_006232、NP_060120、NP_001952、および、NP_001781。これらのアクセス番号が示す配列の各々は、参照することで本明細書に組み込むものとする。配列番号57〜66において、PP1による脱リン酸化可能なアミノ酸の位置はXaaとして示す。親のワイルドタイプ基準配列においては、Xaaはセリンまたはスレオニンである。本発明のリガンドにおいては、Xaaは任意のアミノ酸である。いくつかの実施例においては、Xaaはアラニンである。さらに、配列番号83〜91においては、親のワイルドタイプ基準配列から修飾されたアミノ酸の位置はXaaとして示す。いくつかの実施例においては、本発明のリガンドにおいては、Xaaは任意のアミノ酸である。Xaaはアスパラギン酸塩および/またはグルタミン酸塩である。
【0026】
配列番号67〜82は、ポリペプチドリガンド配列の例を示す配列番号57〜66の部分配列であり、ここで、天然の親ペプチドにおいて、PP1が脱リン酸化可能なセリンまたはスレオニンの位置は、Xaaとして示す。
【0027】
配列番号92〜111は、ポリペプチドリガンド配列の例を示す配列番号83〜91の部分配列であり、ここで、親ワイルドタイプ基準配列から修飾されたアミノ酸の位置は、Xaaとして示す。
【0028】
Xaaを含むアミノ酸配列は、Xaaが任意のアミノ酸であるポリペプチドを包含する。
【0029】
以下は、本発明のいくつかのヘテロポリリガンドの実施例の説明的な注釈である。
配列番号1:部分的NIPP1−スペーサー−部分的オーロラβキナーゼ−スペーサー−部分的CPI17
配列番号5:部分的Scapinin−スペーサー−部分的TP53−スペーサー−部分的PPP1R1A
配列番号9:部分的NeurabinII−スペーサー−部分的MYPT1−スペーサー−部分的DARPP32
配列番号13:部分的PNUTS−スペーサー−部分的RNAPII−スペーサー−部分的PTG
配列番号17:部分的CPI17−スペーサー−部分的Rb−スペーサー−部分的NIPP1
配列番号21:部分的MST1R−スペーサー−部分的Scapinin−スペーサー−部分的DARPP32
配列番号25:部分的PNUTS−スペーサー−部分的PTG−スペーサー−部分的PPPIR1A
配列番号29:部分的PPPIR1A−スペーサー−部分的TP53−スペーサー−部分的Scapinin
配列番号33:部分的PLN−スペーサー−部分的PPPIR1A−スペーサー−部分的PPPIR2
配列番号37:部分的PLN−スペーサー−部分的PPPIR1A−スペーサー−部分的PPPIR2
配列番号41:部分的NIPP1−スペーサー−部分的オーロラβキナーゼ−スペーサー−部分的CPI17
配列番号45:部分的CPI17−スペーサー−部分的RNAPII−スペーサー−部分的NIPPI
配列番号49:部分的PPPIR2−スペーサー−部分的CDC25−スペーサー−部分的NeurabinI
配列番号53:部分的PPPIR1A−スペーサー−部分的EF2−スペーサー−部分的DARPP32
【0030】
配列番号112は、全長PP1基質、ヒトホスホランバン、データベースアクセス番号NP_002658の別の例である。
【0031】
配列番号113〜136は、モノマーPP1リガンドであり、位置16または17でのXaaはセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり;他の位置でのXは、配列番号112の対応する位置においてみられる以外のアミノ酸である。
【0032】
配列番号137〜156は、モノマーPP1リガンドであり、位置16または17でのXaaはセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸である。
【0033】
配列番号157〜160は、モノマーPP1リガンドであり、位置7または8でのXaaはセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸である。
【0034】
配列番号161〜164は、モノマーPP1リガンドであり、位置6または7でのXaaはセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸である。
【0035】
配列番号165〜176は、ポリリガンドおよびこれらをコードするポリヌクレオチドのさらなる例である。
【0036】
特に、配列番号165のPP1ポリリガンドは、配列番号166、配列番号167および配列番号168によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号167および配列番号168は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号165は、構造体A−S1−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号139であり(XaaはAsp、GluまたはAlaである)、Bは配列番号136であり(XaaはAsp、GluまたはAlaである)、S1はアミノ酸配列GGGGのスペーサーである。構造体A−S1−Bのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Aに概略的に示されている。
【0037】
配列番号169のPP1ポリリガンドは、配列番号170、配列番号171および配列番号172によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号171および配列番号172は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号165は、構造体A−S1−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号152であり(XaaはAsp、GluまたはAlaである)、Bは配列番号136(XaaはAsp、GluまたはAlaである)、S1はアミノ酸GGGGのスペーサーである。構造体A−S1−Bのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Aに概略的に示されている。
【0038】
配列番号173のPP1ポリリガンドは、配列番号174、配列番号175および配列番号176によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号175および配列番号176は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号173は、構造体A−S1−B−S1−C−S1−Dのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号145であり(XaaはAspまたはGluである)、Bは配列番号157であり(XaaはAspまたはGluである)、Cは配列番号161であり(XaaはAspまたはGluである)、Dは配列番号164であり(XaaはAspまたはGluである)、S1はアミノ酸配列GGGGのスペーサーである。構造体A−S1−B−S1−C−S1−Dのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Dに概略的に示されている。
【0039】
配列番号113〜164において、PP1が脱リン酸化可能なアミノ酸の位置は、配列番号112の位置16および17に対応しており、Xaaとして示される。ワイルドタイプタンパク質におけるアミノ酸16および17に対応する位置では、Xaaはセリンまたはスレオニンである。本発明のリガンドにおいては、Xaaは任意のアミノ酸である。いくつかの実施例においては、Xaaは、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸である。他の実施例においては、XaaはGlu、AspまたはAlaである。
【0040】
配列番号113〜136は、C末端で筋小胞体(小胞体)局在シグナルを含むモノマーペプチドリガンド配列の例を示す。
【0041】
配列番号137〜164は、特異的な局在シグナルを欠くモノマーペプチドリガンド配列の例を示す。
【0042】
配列番号177〜200は、ポリリガンドおよびこれらのポリリガンドをコードするポリヌクレオチドの更なる例である。
【0043】
特に、配列番号177のPP1ポリリガンドは、配列番号178、配列番号179および配列番号180によってコードされており、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号179および配列番号180は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号177は、構造体A−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号215であり(XaaはAspである)、Bは配列番号217である(XaaはAspである)。構造体A−Bのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Aに概略的に示されている。
【0044】
配列番号181のPP1ポリリガンドは、配列番号182、配列番号183および配列番号184によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号183および配列番号184は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号181は、構造体A−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号214であり(XaaはGluである)、Bは配列番号217である(XaaはAspである)。構造体A−Bのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドとも呼ばれ、図3Aに概略的に示されている。
【0045】
配列番号185のPP1ポリリガンドは、配列番号186、配列番号187および配列番号188によってコードされ、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号187および配列番号188は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号185は、構造体A−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号216であり(XaaはGluである)、Bは配列番号218であり(XaaはGluである)。構造体A−Bのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Aに概略的に示されている。
【0046】
配列番号189のPP1ポリリガンドは、配列番号190、配列番号191および配列番号192によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号191および配列番号192は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号189は、構造体A−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号212であり(XaaはAspである)、Bは配列番号213であり(XaaはAspである)。構造体A−Bのポリリガンドは本明細書においてはヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Aに概略的に示されている。
【0047】
配列番号193のPP1ポリリガンドは、配列番号194、配列番号195および配列番号196によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号195および配列番号196は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号193は、構造体A−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号223であり(XaaはAlaである)、Bは配列番号222であり(XaaはAlaである)。構造体A−Bのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Aに概略的に示されている。
【0048】
配列番号197のPP1ポリリガンドは、配列番号198、配列番号199および配列番号200によってコードされ、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号199および配列番号200は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号197は構造体A−Bのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号221であり、Bは配列番号220である。構造体A−Bのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Aに概略的に示されている。
【0049】
配列番号201〜207および配列番号208〜211は、それぞれ全長PP1タンパク質基質およびレギュレータである。これらの配列は、以下の公開データベースアクセス番号を有する:NP_003591、BAC82348、NP_006732、NP_002471、NP_002705、NP_060120、NP_004313、NP_620221、NP_002096、NP_001007236およびNP_009225である。これらのアクセス番号が示す配列の各々は、参照することによって本明細書に組み込まれる。配列番号201〜207において、PP1が脱リン酸化可能なアミノ酸の位置は、Xaaとして示す。親のワイルドタイプ基準配列において、Xaaはセリンまたはスレオニンである。本発明のリガンドにおいては、Xaaは任意のアミノ酸である。いくつかの実施例においては、Xaaはアラニンである。本発明の他の実施例においては、Xaaはアスパラギン酸塩および/またはグルタミン酸塩である。
【0050】
さらに、配列番号208〜211においては、親のワイルドタイプ基準配列から修飾されたアミノ酸の位置はXaaとして示す。本発明のリガンドにおいては、Xaaは任意のアミノ酸である。いくつかの実施例においては、Xaaはアスパラギン酸塩および/またはグルタミン酸塩である。
【0051】
配列番号212〜219は、ポリペプチドリガンド配列の例を示す配列番号201〜207の部分配列であり、天然の親ポリペプチドにおいて、PP1が脱リン酸化可能なセリンまたはスレオニンの位置はXaaとして示す。
【0052】
配列番号220〜223は、ペプチドリガンドの例を示す配列番号208〜211の部分配列であり、親ワイルドタイプ基準配列から修飾されたアミノ酸の位置はXaaとして示す。
【0053】
配列番号212〜223は、モノマーPP1リガンドのさらなる例である。
【0054】
Xaaを含むアミノ酸配列は、Xaaが任意のアミノ酸であるポリペプチドを包含する。
【0055】
配列番号224〜250は、ポリリガンドおよびこれらのポリリガンドをコードするポリヌクレオチドの更なる例である。
【0056】
特に、配列番号224のPP1ポリリガンドは、配列番号225および配列番号226によってコードされ、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号226は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号224は、構造体A−S−B−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号251であり、Bは配列番号256であり、Cは配列番号262であり、Sは配列番号263のスペーサーである。構造体A−S−B−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Eに概略的に示されている。
【0057】
配列番号227のPP1ポリリガンドは、配列番号228および配列番号229によってコードされていて、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号229はモジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号227は、構造体A−S−B−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号252であり、Bは配列番号256であり、Cは配列番号262であり、Sは配列番号263のスペーサーである。構造体A−S−B−Cのポリリガンドは、本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Eに概略的に示されている。
【0058】
配列番号230のPP1ポリリガンドは、配列番号231および配列番号232によってコードされており、コドンは、哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号232は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号230は、構造体A−B−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号257であり、Bは配列番号262であり、Cは配列番号253である。構造体A−B−Cのポリリガンドは本明細書においてはヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Bに概略的に示されている。
【0059】
配列番号233のPP1ポリリガンドは、配列番号234および配列番号235によって符号化され、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号235はモジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号233は構造体A−B−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号257であり、Bは配列番号262であり、Cは配列番号254である。構造体A−B−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図3Bに概略的に示されている。
【0060】
配列番号236のPP1ポリリガンドは、配列番号237および配列番号238によってコードされており、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号238は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号236は、構造体A−S1−B−S2のポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号252であり、Bは配列番号261であり、S1は配列番号264のスペーサーであり、S2は配列番号265のスペーサーである。構造体A−S1−B−S2のポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Bに概略的に示されている。
【0061】
配列番号239のPP1ポリリガンドは配列番号240および配列番号241によってコードされており、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号241は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号239は、構造体A−S1−B−S2のポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号255であり、Bは配列番号258であり、S1は配列番号264のスペーサーであり、S2は配列番号265のスペーサーである。構造体A−S1−B−S2のポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Bに概略的に示されている。
【0062】
配列番号242のPP1ポリリガンドは、配列番号243および配列番号244によってコードされており、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号244は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号242は構造体A−S1−B−S2のポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号255であり、Bは配列番号259であり、S1は配列番号264のスペーサーであり、S2は配列番号265のスペーサーである。構造体A−S1−B−S2のポリリガンドは本明細書においてヘテロリガンドと呼ばれ、図4Bに概略的に示されている。
【0063】
配列番号245のPP1ポリリガンドは、配列番号246および配列番号247によってコードされており、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号247はモジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号245は構造体A−B−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号256であり、Bは配列番号262であり、Cは配列番号254である。構造体A−B−Cのポリリガンドは本明細書においてヘテロリガンドと呼ばれ、図3Bに概略的に示されている。
【0064】
配列番号248のPP1ポリリガンドは、配列番号249および配列番号250によってコードされており、コドンは哺乳類発現およびベクタ挿入に最適化されていて、配列番号250は、モジュール式クローニング法に適用可能な代替フランキング制限部位を含む。配列番号248は構造体A−S1−B−S2のポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号255であり、Bは配列番号261であり、S1は配列番号264のスペーサーであり、S2は配列番号265のスペーサーである。A−S1−B−S2のポリリガンドは本明細書においてヘテロポリリガンドと呼ばれ、図4Bに概略的に示される。
【0065】
配列番号266〜268は、全長PP1触媒サブユニット結合タンパク質である。これらの配列は、以下の公開データベースアクセス番号を有する:NP_990454.1、NP_150281.1、NP_001082695.1。これらのアクセス番号が示す配列の各々は、参照することで本明細書に組み込むものとする。
【0066】
配列番号267の切断フラグメントが使用される本発明の一実施例においては、配列番号267の位置38、66および67に対応するアミノ酸は、任意のアミノ酸に任意選択的に変異可能である。一実施例においては、変異は、アスパラギン酸またはグルタミン酸などの酸性アミノ酸で置換することなどにより、疑似(pseudo)リン酸化ポリペプチドを生成可能である。特定の実施例においては、変異は、T38Dおよび/またはG66Eおよび/またはM67Aである。
【0067】
配列番号268のフラグメントが使用される本発明の別の実施例においては、配列番号268の位置35および38に対応するアミノ酸は、任意のアミノ酸に任意選択的に変異可能である。一実施例においては、変異は、アスパラギン酸またはグルタミン酸などの酸性アミノ酸で置換することによって疑似(pseudo)リン酸化ポリペプチドを生成可能である。特定の実施例においては、変異はT35Dおよび/またはT38Dである。
【0068】
配列番号251〜258は配列番号266〜268の部分配列(切断フラグメント)である。
【0069】
配列番号259〜262は、配列番号267〜268の変異型部分配列(変異型切断フラグメント)である。
【0070】
配列番号263〜265は短いペプチドスペーサーのアミノ酸配列である。
【0071】
配列番号251〜262はモノマーPP1リガンドの更なる実施例である。
【0072】
当分野で周知のように、3文字のアミノ酸コドンおよび1文字のアミノ酸コドンが本明細書に使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0073】
この特許または出願ファイルは、色つきの少なくとも1の図面を含む。色つき図面を有する本特許または特許出願公報のコピーは、リクエストおよび必要な料金とともに、特許庁によって提供されるであろう。
【図1−1】図1−1は、それぞれの配列番号に対応した本発明のポリリガンドの例を示す。
【図1−2】図1−2は、それぞれの配列番号に対応した本発明のポリリガンドの例を示す。
【図2】図2A−Fは、スペーサー有り、無しのホモポリマーリガンドの例を示す。
【図3】図3A−Eは、スペーサー無しのヘテロポリマーリガンドの例を示す。
【図4】図4A−Iは、スペーサー有りのヘテロポリマーリガンドの例を示す。
【図5】図5A−Hは、任意のエピトープタグに結合したリガンドおよびポリマーリガンドの例を示す。
【図6】図6A−Hは、任意のレポータに結合したリガンドおよびポリマーリガンドの例を示す。
【図7】図7A−Iは、任意の局在シグナルに結合したリガンドおよびポリマーリガンドの例を示す。
【図8】図8A−Kは、任意の局在シグナルおよび任意のエピトープタグに結したリガンドおよびポリリガンドの例を示す。
【図9】図9A−Gは、リガンドおよびポリリガンドが任意の局在シグナルおよび任意のエピトープタグ、および/または任意のレポータに結合している遺伝子コンストラクトの例を示す。
【図10A】図10Aは、リガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターの例を示す。
【図10B】図10Bは、リガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターの例を示す。
【図10C】図10Cは、リガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターの例を示す。
【図10D】図10Dは、リガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターの例を示す。
【図11】図11は、ポリリガンドの組み合わせの合成について有益な配列クローニングプロセスの例を示す。
【図12】図12は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図13】図13は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図14】図14は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図15】図15は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図16】図16は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図17】図17は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図18】図18は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図19】図19は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図20】図20は、図31のデータを得るためのインビトロ転写/翻訳用のベクターを示す。
【図21】図21は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込み(integration)およびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図22】図22は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図23】図23は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図24】図24は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図25】図25は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みベクターおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図26】図26は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みベクターおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図27】図27は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みベクターおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図28】図28は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込みベクターおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図29】図29は、筋小胞体(小胞体)局在シグナルと融合した本発明のポリリガンドについての、AttSiteを介したゲノム組み込み(integration)ベクターおよびRheoSwitch誘導可能発現のためのベクターを示す。
【図30】図30A−Dは、P19細胞を示す。図30Aは未分化のP19細胞を示す。図30BはDMSOを作用させて48時間後のP19細胞を示す。図30CはDMSOを用いて分化させた8日後の脈動しているP19心筋細胞の静止画(写真)である。図30Dは、心筋トロポニン(赤)を発現している分化したP19心筋細胞を示す。ウサギ抗心筋トロポニンIおよびヤギ抗ウサギ2次抗体は、AlexaFluor546と抱合(conjugate)した。核は、DAPI(青)で対比染色した。具体的には、P19細胞を生物学的ペトリ皿に播種し、48時間DMSOを作用させた。これに続く胚様態(大きな細胞塊)を通常の培地の哺乳類組織培養プレートに移した。5日後、細胞はそのプレートでコンフルエントに達した。8日目までに、細胞は同期し、培養皿内で脈動した。分化した細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、ウサギ抗トロポニンIで培養し、それからAlexaFluor546と抱合したヤギ抗ウサギIgG2次抗体とともに培養した。細胞核をDAPIで対比染色した。細胞を適宜なフィルタおよびAxiovisionM2カメラを備えたZeiss Axioscope上で撮像した。
【図31】図31は、インビトロアッセイ中のPP1の阻害率%を示す。ポリリガンドは、Ambion’sSP6メガスクリプトキットを用いてプラスミドDNAからインビトロで翻訳された(AM1330;製造者プロトコルに従って)。続いて、Ambion’s Retic Lysate IVT Kit(AM1200;製造者プロトコルに従って)を用いてインビトロでRNAを翻訳し、PierceのProfound HA Tag IP Kit(23610;製造者プロトコルに従って)を使用する網状赤血球(reticulocyte)ライセートで免疫沈降反応を行った。翻訳産物をPierceのCoomassie Plus Protein Reagent(1856210;マイクロプレート工程)を用いて定量化した。定量化後、2ウェルの低結合マイクロタイタプレート(TRP 96196)内で酵素反応を行った。PP1基質は、p−ニトロフェニルホスフェートであり、切断されたリン酸塩分子の出現によって、405nmで読み取り可能な発色性生成物が形成される。
【図32】図32は、図24に示されるベクターのP19細胞での一過性発現を示す。SR局在シグナルと融合した配列番号233の発現は、24時間、ジアシルヒドラジン活性化ドラッグ(N−(2−エチル−3−メトキシベンゾイル)−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−N’−第3級−ブチルヒドラジンを付加することによって、誘導される。赤色はホスホランバンの局在を示す。緑色は、ポリリガンドデコイ(decoy)配列番号233の位置を示す。青色は核である。この顕微鏡写真は、赤色と緑色のオーバーラップ(黄色)が、ホスホランバンおよびPP1デコイの共局在の指標となる合成画像である。抗ホスホランバン抗体とAlexaFluor546(赤色)と抱合される2次抗体を用いてホスホランバンを撮像した;細胞核をDAPI(青色)で染色した;HA−タグ付デコイをラット抗HA抗体、およびAlexaFluor488(緑色)と抱合した2次抗体を用いて撮像した。20,000のP19マウスの胚性腫瘍細胞を、トランスフェクションの24時間前に、24ウェルプレートに播種した。細胞に0.4μgベクタ(VVN8464)および1.2μgのFugene6(Roche Molecular Diagnostics)をトランスフェクションした。1μMのアクチベータ薬剤を作用させる前に、細胞を48時間インキュベータに戻した。誘導した細胞を24時間インキュベータに戻した。これらの細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、ウサギ抗PLBで染色し、続いて、AlexaFluor546と抱合するヤギ抗ウサギIgGで染色した。次いで、細胞をウサギ抗HAで染色し、その後、AlexaFluor448と抱合されるウサギ抗ラットIgG抗体で染色した。最終的に、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)で対比染色した。青色蛍光(DAPI)、緑色蛍光(Alexa488)、または、赤色蛍光(Alexa546)を検出するように設計されたAxioCamMR2カメラおよびエピ蛍光フィルタを取り付けたZeiss AxioObserver Microscopeで染色した細胞を撮像した。
【図33】図33Aおよび図33Bは、AttSite組み替え技術を用いてP19細胞のゲノムに組み込んだ後(Streptococcus Pyogenes SF370.1リコンビナーゼVVN−3217を保持するプラスミドの共トランスフェクション)、アクチベータ有りおよび無しで、SR局在デコイ(VVN8464)の発現を示す。24時間、500μMアクチベータを作用させることによって、RheoSwitch誘導可能プロモータから上記ポリリガンドデコイを発現させた。赤色は、ホスホランバンの位置を示す。緑色は我々のポリリガンド(SR局在シグナルと融合した配列番号239)の局在を示す。青色は核を示す。合成画像中の赤色と緑色のオーバーラップ(黄色)は、共局在を示す。図33Aはアクチベータドラッグなし。図33Bはアクチベータドラッグあり。合成フィールドは、DAPI(青色)で染色した細胞核、ラット抗HAと、AlexaFluor488(緑色)が抱合される2次抗体とで撮像されたHA−タグ付きのポリリガンド、ウサギ抗PLB−ホスホスレオニン抗体と、AlexaFluor546(赤色)が抱合される2次抗体とで染色されることによって撮像されるホスホPLB−Thr17である。
【図34】図34は、安定的に組み込まれ、心筋細胞に分化される誘導可能ポリリガンドコンストラクトを有するP19細胞を示す。本発明のポリリガンドを検出するために、セリン16(赤色)でリン酸化されたホスホランバンと、HAエピトープ(緑色)とに対する免疫染色の代表的合成画像が示されている。さらに細胞をDAPIで対比染色して核を示した。黄色はリン酸化ホスホランバンおよびポリリガンドの共局在を示す。
【図35−1】図35A−Bは、それぞれワイルドタイプのホスホランバンおよび疑似リン酸化されたホスホランバンの図を示す。
【図35−2】図35C−Eは、本発明のPP1リガンドの図を示す。
【図36】図36は、PP1インヒビタリガンドを有するワイルドタイプのホスホランバンの配列アライメントを示しており、ここで、ワイルドタイプのホスホランバンの位置16および/または17に対応するアミノ酸は、アスパラギン酸またはグルタミン酸に変異され、位置31−52(Xとして指定)に対応するアミノ酸は、ワイルドタイプ以外の任意のアミノ酸に変異される。一実施例においては、Xはアラニンまたはグリシンである。
【図37】図37はPP1インヒビタを有するワイルドタイプのホスホランバンの配列アライメントであり、ワイルドタイプホスホランバンの位置16および/または17に対応するアミノ酸は、アスパラギン酸またはグルタミン酸に変異し、他のアミノ酸は、図示されるように、置換体を有するか、または、削除される。
【図38】図38A−BはポリリガンドPP1インヒビタの例示的な図を示す。
【図39】図39は、ウサギ由来のPP1を使用して、図31のデータを得るために使用されるものと同様のインビトロアッセイの結果を示す。
【図40】図40は、安定的に組み込まれたポリリガンドコンストラクトを有しない、セリン16(赤色)でのリン酸化されたホスホランバンについて免疫染色されたp19細胞を示す。
【図41】図41は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図42】図42は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図43】図43は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図44】図44は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図45】図45は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図46】図46は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図47】図47は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【図48】図48は、図39のデータを生成する貯めに使用されるインビトロ転写/翻訳に関するベクターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
[本発明の簡単な説明]
新規PP1ポリリガンドおよび該ポリリガンドの製造方法および使用方法を開示する。ポリリガンドデコイは、任意選択的に、局在シグナルに結合している。インビトロ酵素アッセイおよび生細胞アッセイをPP1モジュレート活性を試験するために使用した。
【0075】
PP1は魅力的な治療ターゲットを示すにも関わらず、ヒト治療における一般的なPP1インヒビタの使用は、PP1のパンセルラ(pancellular)阻害が、細胞分裂サイクルの調節を解除させるので、問題となっている(Yan et al. 1999 J Biol Chem 274:31917−24)。この問題を克服するために、米国特許第7,071,295号に開示されている筋小胞体(小胞体)局在シグナルは、心臓のSRにPP1リガンドを局在化する1つの方法が示されている。
【0076】
本発明のPP1リガンドを、業界標準のタンパク質ベースのPP1インヒビタとインビトロアッセイで比較した。さらに、我々は、PP1リガンドをSR局在シグナルに結合し(7,071,295)、P19心筋細胞で発現させた。
【0077】
本発明の側面は、切断および/またはアミノ酸置換を介して、天然基質および/またはレギュレータを修飾することによる、PP1活性の新規なインヒビタを提供する。本発明の別の側面は、新規インヒビタとその変形体を互いに結合させることによって、PP1活性のモジュール式ポリリガンドインヒビタを提供することである。本発明のさらなる態様は、PP1インヒビタ、リガンドまたはポリリガンドの細胞性局在である。
【0078】
本発明の側面は、心臓組織でカルシウム吸収を上昇させる手段としてのPP1インヒビタを包含する。PP1を阻害することによって、筋小胞体(小胞体)カルシウムポンプの阻害は、軽減される。疾患のある心臓の筋小胞体(小胞体)内へのカルシウム吸収の上昇は、心不全の潜在的な治療法を示している。
【0079】
本発明の更なる側面は、任意の組織で有用なPP1インヒビタを包含する。本発明の更なる実施例は、細胞領域に標的化された局在シグナルに結合させることによって、様々な細胞位置に局在するPP1インヒビタを包含する。
【0080】
本発明は、ポリペプチドリガンドおよびPP1ポリリガンドに関する。
【0081】
PP1リガンドの各種実施例およびポリリガンドは、配列番号1〜111で示される。より具体的には、本発明は、配列番号67〜82および/または配列番号92〜111の任意の1又はそれ以上を具える、リガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号57〜66および配列番号83〜91またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上の部分配列を具えるリガンドおよびポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号67〜82および配列番号92〜111またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上を具えるポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%配列同一性を有するポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号57〜66および配列番号83〜91の1又はそれ以上の部分配列を含むポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%配列同一性を有するポリリガンドに関する。
【0082】
PP1リガンドおよびポリリガンドの更なる実施例は、配列番号113〜176に示される。より具体的には、本発明は、配列番号113〜164またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上の任意のものを含むリガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号113〜164またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上を具えるポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%の配列同一性を有するポリリガンドに関する。
【0083】
PP1リガンドおよびポリリガンドのさらなる実施例は、配列番号177〜223に示される。より具体的には、本発明は、配列番号212〜223の任意の1又はそれ以上を具えるリガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号201〜211またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上の部分配列を具えるリガンドおよびポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号212〜223またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上を具えるポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%の配列同一性を有するポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号201〜211またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上を具えるポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%の配列同一性を有するポリリガンドに関する。
【0084】
PP1リガンドおよびポリリガンドの更なる実施例は、配列番号224〜262に示される。より具体的には、本発明は、配列番号251〜262の任意の1又はそれ以上を具えるリガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号266〜268またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上の部分的配列(切断フラグメント)を具えるリガンドおよびポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号251〜262またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上を具えるポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%の配列同一性を有するポリリガンドに関する。さらに、本発明は、配列番号266〜268またはこれらの任意の部分の1又はそれ以上を具えるポリリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%および99%の配列同一性を有するポリリガンドに関する。
【0085】
ホモポリリガンドまたはヘテロポリリガンドでもよいポリリガンドは、2又はそれ以上のモノマーポリペプチドリガンドからなるキメラリガンドである。モノマーリガンドの例は、配列番号67によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号67は、親の全長配列番号66から選択された部分配列であり、親配列のXaaに対応するアミノ酸は、PP1によって脱リン酸化可能であるセリン又はスレオニンである。ホモポリリガンドの例は、配列番号67のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号67と、1又はそれ以上の配列番号68〜82または配列番号92〜111とを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号67〜82および配列番号92〜111を組み合わせ、ホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドとする多数の方法がある。さらに、配列番号57〜66および配列番号83〜91のさらなる部分配列を、互いに組み合わせて、および、配列番号67〜82および配列番号92〜111と組み合わせてポリマーリガンドを作る方法が多数ある。
【0086】
モノマーのリガンドの別の例は、配列番号136によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ホモポリリガンドの例は、配列番号153のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号164と、1又はそれ以上の配列番号113〜163を具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号113〜164を組み合わせてホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドにする方法は多数ある。さらに、配列番号113のさらなる部分配列を、互いに組み合わせて、または、配列番号113〜164と組み合わせて、ポリマーリガンドを作る方法が多数ある。
【0087】
モノマーリガンドの別の例は、配列番号212によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号212は、親の全長配列番号201から選択された部分配列であり、親配列中のXaaに対応するアミノ酸は、PP1によって脱リン酸化可能なセリンまたはスレオニンである。ホモポリリガンドの例は、配列番号212のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号212と、1又はそれ以上の配列番号37〜47を具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号212〜223を組み合わせて、ホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドにする方法は多数ある。さらに、配列番号201〜211のさらなる部分配列を互いに組み合わせて、および、配列番号212〜223と組み合わせて、ポリマーリガンドを作る方法が多数ある。
【0088】
モノマーリガンドの別の例は、配列番号251によって示されるポリペプチドである。配列番号251は、親の全長配列番号266から選択された部分配列である。ホモポリリガンドの例は、配列番号251のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドである。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号251と、1又はそれ以上の配列番号252〜262を具えるポリペプチドである。配列番号251〜262を組み合わせてホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドにする方法は多数ある。さらに、配列番号266〜268のさらなる部分配列を互いに組み合わせて、および、配列番号251〜262と組み合わせてポリマーリガンドを作る方法は多数ある。
【0089】
本発明のポリリガンドは、モノマーの前、後、またはその間にスペーサーアミノ酸を任意選択的に具える。配列番号1は、構造体A−S1−B−S2−Cのポリリガンドの実施例であり、Aは配列番号92であり(XaaはAlaである)、Bは配列番号68であり(XaaはGluである)、Cは配列番号93であり(XaaはGluである)、S1はアミノ酸配列PGAGGの5つのアミノ酸スペーサーであり、S2はアミノ酸配列PGAAGの5つのアミノ酸スペーサーである。この発明は、上述した例または後述される例に限定されるものではない、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドの組み合わせの全てを包含する。この説明において、用語「リガンド」の使用は、モノマーリガンド、ポリマーリガンド、ホモポリマーリガンド、および/またはヘテロポリマーリガンドを包含する。さらに、用語「リガンド」は、用語「デコイ」、「インヒビタ」および「モジュレータ」を包含する。
【0090】
モノマーリガンドは、ポリペプチドの少なくとも一部がPP1によって認識されるポリペプチドである。認識可能なポリペプチドの部分は、認識モチーフに基づいている。本発明においては、認識モチーフは、天然または合成でもよい。認識モチーフの例は、当分野で周知であり、限定するものではないが、自然発生的なPP1基質、疑似基質モチーフ、およびPPI調節結合タンパク質およびその修飾体に存在する相互作用ドメインを含む。
【0091】
ポリマーリガンド(ポリリガンド)は、2又はそれ以上のモノマーリガンドを具える。
【0092】
ホモポリマーリガンドは、セリン、スレオニンまたはチロシンなどの脱リン酸化可能な残基が1又はそれ以上のモノマーリガンドで置換または修飾されている場合を除いて、各々のモノマーリガンドがアミノ酸配列と同一であるポリマーリガンドである。修飾は、限定するものではないが、疑似リン酸化残基(酸性アミノ酸)への置換、または中性残基への置換を含む。
【0093】
ヘテロポリマーリガンドは、モノマーリガンドのいくつかが同一アミノ酸配列を有しないポリマーリガンドである。
【0094】
本発明のリガンドは、エピトープタグ、レセプタ、および/または細胞局在シグナルを提供するさらなる分子またはアミノ酸に任意選択的に結合される。細胞局在シグナルは、細胞領域に対するリガンドを標的にする。エピトープタグおよび/またはレポータおよび/または局在シグナルは同一分子でもよい。エピトープタグおよび/またはレセプタおよび/または局在シグナルは、異なる分子でもよい。
【0095】
さらに、本発明は、リガンド、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドをコードするポリヌクレオチド配列を具えるポリヌクレオチドを包含する。本発明の核酸は、エピトープタグ、レポータおよび/または細胞局在シグナルなど、さらなる特性を有するポリペプチドをコードするさらなるヌクレオチド配列に任意選択的に結合される。これらのポリヌクレオチドは、制限エンドヌクレアーゼおよび制限エンドヌクレアーゼ活性に必要な他のヌクレオチドを具えるヌクレオチド配列によって任意選択的にフランキング(flank)される。これらのフランキング配列は、ベクター内の特有のクローニングサイトを任意選択的に提供し、次のクローニングの方向性を選択的に付与する。さらに、本発明の核酸は、ベクターのポリヌクレオチド内に任意選択的に組み込まれる。本発明のリガンド、ポリリガンドおよびポリヌクレオチドは、リサーチツールおよび/または治療法としての有用性がある。
【0096】
[本発明の詳細な説明]
本発明は、PP1モジュレータであるリガンドおよびポリリガンドに関する。リガンドおよびポリリガンドの各種実施例は、配列番号1〜111に示される。ポリリガンドは2又はそれ以上のモノマーポリペプチドリガンドを具えるキメラリガンドである。モノマーリガンドの例は、配列番号92によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号92は、親の全長配列番号83の選択された部分配列であり、親の配列中のXaaに対応するアミノ酸はセリンまたはスレオニンである。モノマーリガンドの別の例は、配列番号75によって示されるポリペプチドである。配列番号67〜82および配列番号92〜111の各々は、モノマー形態において、個々のポリペプチドリガンドを示し、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号67〜82および配列番号92〜111は、それぞれ、配列番号83〜91および配列番号57〜66の部分配列の選択された例であるが、しかしながら、他の配列番号83〜91および/または配列番号57〜66の他の部分配列も、モノマーリガンドとして使用することができる。配列番号83〜91および配列番号57〜66のモノマー部分配列は、親のポリペプチドの一部と同一である。さらに、配列番号83〜91および/または配列番号57〜66のモノマー部分配列は、アミノ酸置換体を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号67〜82および配列番号92〜111の1又はそれ以上においてアミノ酸配列を具えるリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号83〜91および配列番号57〜66の部分配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。
【0097】
リガンドおよびポリリガンドの更なる実施例は、配列番号113〜176に示される。ポリリガンドは、2又はそれ以上のモノマーポリペプチドリガンドを具えるキメラリガンドである。モノマーリガンドの例は、配列番号161によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。モノマーリガンドの別の例は、配列番号137によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号113〜164の各々は、モノマー形態において、個々のポリペプチドリガンドを示し、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号137〜164は、配列番号113の部分配列の選択された例であるが、しかしながら、配列番号113の他の部分配列もモノマーリガンドとして使用可能である。配列番号113のモノマーリガンド部分配列は、親ワイルドタイプの基準配列と同一であってもよい。さらに、配列番号113のモノマーリガンドの部分配列は、他のアミノ酸によって置換されたPP1脱リン酸化可能アミノ酸を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号113〜164の1又はそれ以上のアミノ酸配列を具えるリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号113の部分配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。
【0098】
リガンドおよびポリリガンドのさらなる実施例は、配列番号177〜223に示されている。ポリリガンドは、2又はそれ以上のモノマーポリペプチドリガンドを具えるキメラリガンドである。モノマーリガンドの例は、配列番号233によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号223は、親全長配列番号210の選択された部分配列であり、親配列中のXaaに対応するアミノ酸は、セリンまたはスレオニンである。モノマーリガンドの別の例は、配列番号219によって示されるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号212〜223の各々は、モノマー形態における個々のポリペプチドリガンドを示しており、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号212〜223は、配列番号201〜211の部分配列の選択された実施例であるが、しかしながら、配列番号201〜211の他の部分配列もモノマーリガンドとして使用可能である。配列番号201〜211のモノマー部分配列はモノマーリガンドとして使用可能である。配列番号201〜211のモノマー部分配列は親ポリペプチドの一部と同一であってもよい。さらに、配列番号201〜211のモノマー部分配列は、アミノ酸置換体を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号212〜223の1又はそれ以上のアミノ酸を具えるリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号201〜211の1又はそれ以上のアミノ酸を具えるリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。
【0099】
リガンドおよびポリリガンドの更なる実施例は、配列番号224〜268で示される。ポリリガンドは、2又はそれ以上のモノマーポリペプチドリガンドを具えるキメラリガンドである。モノマーリガンドの例は、配列番号257によって示されるポリペプチドである。配列番号257は親の全長配列番号267の選択された部分配列である。モノマーリガンドの別の例は、配列番号261によって示されるポリペプチドであえる。配列番号251〜262の各々は、モノマー形態における個々のポリペプチドリガンドを示す。配列番号251〜262は、配列番号266〜268の親配列の選択された例であるが、しかしながら、配列番号266〜268の他の部分配列もモノマーリガンドとして使用されてもよい。配列番号266〜268のモノマー部分配列は親ポリペプチドの一部と同一であってもよい。配列番号266〜268のモノマー部分配列は、アミノ酸置換体を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号251〜262の1又はそれ以上のアミノ酸を具えるリガンドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。さらに、モノマーリガンドおよびポリリガンドは、配列番号266〜268の部分配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有してもよい。
【0100】
ホモポリリガンドの例は、配列番号71のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号67と、配列番号68〜82または配列番号92〜111の1又はそれ以上を具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号67〜82および配列番号92〜111を組み合わせてホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドにする方法が多数ある。さらに、配列番号57〜66および/または配列番号83〜91のさらなる部分配列を互いに組み合わせて、および、配列番号67〜82および/または配列番号92〜111と組み合わせてポリマーリガンドを作る方法が多数ある。
【0101】
ホモポリリガンドの別の例は、配列番号154のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号164と、1又はそれ以上の配列番号113〜163を具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号113〜164を組み合わせてホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドにする方法は多数ある。さらに、配列番号113のさらなるサブシークエンスを互いに組み合わせて、および、配列番号113〜164と組み合わせてポリマーリガンドを作る方法が多数ある。
【0102】
ホモポリリガンドの別の例は、配列番号217のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号223と、1又はそれ以上の配列番号212〜222を具えるポリペプチドであり、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号212〜223を組み合わせてホモポリマーまたはヘテロポリマーリガンドにする多数の方法がある。さらに、配列番号201〜211のさらなる部分配列を互いに組み合わせて、および、配列番号212〜223と組み合わせてポリマーリガンドを作る方法が多数ある。本発明は、限定するものではないが、ホモポリリガンドとヘテロポリリガンドの可能な全ての組み合わせに関する。
【0103】
ホモポリリガンドの別の例は、配列番号260のダイマーまたはマルチマーを具えるポリペプチドである。ヘテロポリリガンドの例は配列番号251と、1又はそれ以上の配列番号252〜262を具えるポリペプチドであり、配列番号251〜262を組み合わせてホモポリマーリガンドまたはヘテロポリマーリガンドとする方法が多数ある。さらに、配列番号266〜268のさらなる部分配列を互いに組み合わせて、および、配列番号251〜262と組み合わせて、ポリマーリガンドを作る方法が多数ある。本発明は、限定するものではないが、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドの可能な全ての組み合わせに関する。本発明のリガンドおよびポリリガンドは、1又はそれ以上のPP1アイソフォームの内在性効果を調節するように設計される。
【0104】
ポリリガンドは、配列番号67〜82および/または配列番号92〜111のいずれかの2又はそれ以上を具えてもよく、Xaaは任意のアミノ酸である。配列番号109のダイマーまたはマルチマーは、ホモポリリガンドの例である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号111と、配列番号92〜110および/または配列番号67〜82の1又はそれ以上を具えるポリペプチドである。ポリリガンドは、配列番号113〜164のいずれかの2又はそれ以上を具える。配列番号142のダイマーまたはマルチマーはホモポリリガンドの例である。ヘテロポリリガンドの例は、配列番号136と、配列番号137〜164の1又はそれ以上を具えるポリペプチドである。ポリリガンドは、配列番号212〜223、または配列番号251〜262のいずれか2又はそれ以上を更に具え、Xaaは任意のアミノ酸である。本発明は、限定するものではないが、ホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドの可能な全ての組み合わせに関する。
【0105】
配列番号57〜66は、PP1によって脱リン酸化可能な少なくとも1つのセリンまたはスレオニン残基を含むタンパク質を示しており、それらの位置はXaaとして示されている。配列番号67〜82は、PP1が脱リン酸化可能な残基の位置がXaaとして示されている配列番号57〜66の部分配列である。配列番号113〜164は、PP1によって脱リン酸化可能な少なくとも1つのセリンまたはスレオニン残基を含むタンパク質を示しており、それらの位置はXaaとして示されている。配列番号137〜164は、PP1脱リン酸化可能な残基の位置がXaaとして示されている配列番号113のサブシークエンスである。配列番号212〜219はPP1が脱リン酸化可能の少なくとも1のアミノ酸残基を含むタンパク質を示しており、それらの位置は、Xaaとして示されている。配列番号212〜219はPP1脱リン酸化可能残基の位置がXaaとして示される配列番号201〜207の部分配列である。天然において、Xaaは、一般的に、セリンまたはスレオニンである。本発明の一実施例においては、Xaaは任意のアミノ酸でもよい。Xaaがセリンまたはスレオニンであるリガンドは、ポリリガンドの一部として使用可能であるが、一実施例においては、少なくとも1のセリンまたはスレオニンは、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、プロリン、アルギニン、バリン、トリプトファンまたはチロシンを含む天然アミノ酸の1つなど、別のアミノ酸で置換される。Xaaは非天然のアミノ酸でもよい。別の実施例では、PP1が脱リン酸化可能なセリンまたはスレオニンはアラニンによって置換可能である。本発明のリガンドおよびポリリガンドは、1又はそれ以上のPP1アイソフォームの内在性効果を調節するように設計されている。
【0106】
一般的に、天然のPP1レギュレータに基づいたリガンドモノマーは、仮想PP1相互作用ドメイン認識モチーフを識別し、単離することによって構築される。細胞性キナーゼによって影響を受けるセリンおよび/またはスレオニン残基での相互作用ドメインを修飾することが望ましい場合もある。さらなるモノマーは、PP1認識モチーフ、ならびにこのPP1相互作用ドメイン認識モチーフの側面に隣接および接触するアミノ酸を具える。従って、モノマーがPP1認識モチーフを含む場合、モノマーリガンドは任意の長さでもよい。例えば、モノマーは、PP1認識モチーフと、この認識モチーフに隣接する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または100あるいはそれ以上のアミノ酸とを具えてもよい。更なる設計の検討は、リガンドの3次元モデルと、PP1との結合相互作用のモデルから得られる。リガンドまたはポリリガンドのプライマリーシークエンスの修飾は、このようなモデルに基づいている。
【0107】
例えば、一実施例においては、本発明は、
a)配列番号57のアミノ酸残基285〜295に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号57のアミノ酸残基288に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
b)配列番号57のアミノ酸残基281〜299に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があるペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
c)配列番号57のアミノ酸残基279〜302に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があるペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
d)配列番号57のアミノ酸残基277〜303に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があるペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1つのコピーを含むPP1のインヒビタを具える。
【0108】
別の実施例においては、本発明は、
a)配列番号112のアミノ酸残基1〜51に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号112のアミノ酸残基16および17に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
b)配列番号112のアミノ酸残基2〜51に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号112のアミノ酸残基16および17に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
c)配列番号112のアミノ酸残基8〜30に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号112のアミノ酸残基16および17に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
d)配列番号112のアミノ酸残基11〜27に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号112のアミノ酸残基16および17に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1つのコピーを含むPP1のインヒビタを具える。
【0109】
別の実施例においては、本発明は、
a)配列番号206のアミノ酸残基114〜143に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
b)配列番号206のアミノ酸残基120〜143に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
c)配列番号206のアミノ酸残基127〜143に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
d)配列番号206のアミノ酸残基130〜142に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1つのコピーを含むPP1インヒビタを具える。
【0110】
別の実施例においては、本発明は、
a)配列番号267のアミノ酸残基35〜47に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号267のアミノ酸残基38に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
b)配列番号267のアミノ酸残基30〜47に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号267のアミノ酸残基38に対応するアミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
c)配列番号267のアミノ酸残基48〜67に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号267のアミノ酸残基66に対応するアミノ酸残基が、グリシン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
d)配列番号267のアミノ酸残基48〜67に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性があり、配列番号267のアミノ酸残基67に対応するアミノ酸残基が、メチオニン以外のアミノ酸残基に変異されるペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1つのコピーを含むPP1インヒビタを具える。
【0111】
本明細書で使用されるように、用語「対応する(correspond)」および「対応している」は、例えば、PP1サブユニット14A NP_150281.1(配列番号267)など、基準タンパク質内の列挙された位置、および、基準タンパク質の位置と整合(align)する上記位置を意味する。従って、対象ペプチドのアミノ酸配列が、例えば配列番号267など、基準ペプチドのアミノ酸配列と整合されるとき、基準ペプチド配列の所定の列挙された位置に「対応する」対象ペプチド配列中のアミノ酸は、基準ペプチド配列の上記位置と整合するものであるが、基準配列の正確な番号の位置であることを必要としない。配列間のアミノ酸の対応を決定するための配列アライメント方法は、下記に示す。
【0112】
本発明の更なる実施例は、例えば、配列番号57〜66、83〜91、201〜211および266〜268で識別される全長のタンパク質など、推定されるまたは実際の任意のPP1またはPP1結合タンパク質に対する基質あるいはレギュレータに基づいたモノマー(上述)を含む。さらに、基質が2以上の認識モチーフを有する場合、2以上のモノマーが同定される。
【0113】
別の実施例においては、PP1インヒビタは、ホスホランバン(図35A、配列番号112)、筋小胞体(小胞体)に位置される52アミノ酸タンパク質、に基づいており、分子の細胞質ドメイン中のセリン16およびスレオニン17位置での細胞性キナーゼによってリン酸化可能である。ホスホランバンは、筋小胞体(小胞体)カルシウムポンプの周知の可逆的モジュレータである。脱リン酸化される場合、ホスホランバンはカルシウムポンプのカルシウム吸収活性を阻害し、リン酸化ホスホランバンは筋小胞体(小胞体)カルシウムポンプを阻害しない。カルシウム吸収の欠損は、心不全の研究でみつかった。従って、ホスホランバンのリン酸化または疑似リン酸化を制御することによって、心臓組織におけるカルシウム処理を調節することが望ましい。疑似リン酸化されたホスホランバンは、セリン16およびスレオニン17に対応するアミノ酸を、アスパラギン酸またはグルタミン酸などのアミノ酸に変異させることによって作製される(図35B)。心筋症のハムスタ中で、疑似リン酸化ホスホランバンの発現によって、カルシウム吸収の上昇が示された(Hoshijima et al.Nature Medicine 2002 8:846−71,ePub 2002 July 22)。ホスホランビンに基づいた本発明のPP1リガンドは、図35C−Eおよび図36−37に示される。
【0114】
本発明の別の実施例は、リガンドペプチドの少なくとも1つのコピーをコードするポリヌクレオチド配列を具える核酸分子である。
【0115】
本発明の別の実施例は、ポリヌクレオチド配列が1又はそれ以上のペプチドリガンドの1又はそれ以上のコピーをコードする、核酸分子である。
【0116】
本発明の別の実施例は、ポリヌクレオチド配列が2、3、4、5、6、7、8、9または10からなる群から選択されるペプチドの少なくともいくつかのコピーをコードする、核酸分子である。
【0117】
本発明の別の実施例は、リガンドまたはポリリガンドの少なくとも1のコピーをコードする核酸分子を含むベクターである。
【0118】
本発明の別の実施例は、リガンドまたはポリリガンドの少なくとも1のコピーをコードする核酸分子を含むベクターを具える組み替え宿主細胞である。
【0119】
本発明の別の実施例は、細胞内でPP1を阻害する方法であり、当該方法は、リガンドまたはポリリガンドの少なくとも1のコピーをコードする核酸分子を具えるベクターを宿主細胞内にトランスフェクションするステップと、リガンドまたはポリリガンドの少なくとも1つのコピーを産生するのに適した条件下で前記トランスフェクションした宿主細胞を培養するステップとを具える。
【0120】
さらに、本発明は、基準インヒビタに少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一性のある修飾されたインヒビタに関する。「修飾されたインヒビタ」は、インヒビタタンパク質またはポリペプチドのプライマリー構造(アミノ酸配列)内に1又はそれ以上のアミノ酸の付加、欠損または置換によって形成可能であるペプチドを意味するのに使用される。「修飾された認識モチーフ」は、モチーフのプライマリー構造(アミノ酸配列)内に1又はそれ以上のアミノ酸の付加、欠損または置換によって修飾された自然発生的PP1認識モチーフである。例えば、修飾されたPP1認識モチーフは、リン酸化可能なアミノ酸が非リン酸化可能なアミノ酸に修飾されるところのモチーフでもよい。用語「タンパク質」および「ポリペプチド」および「ペプチド」は本明細書において交換可能に使用される。基準インヒビタは、ワイルドタイプタンパク質またはその一部である必要はない。従って、基準インヒビタは、その配列がワイルドタイプタンパク質に対して既に修飾されているタンパク質またはペプチドでもよい。基準インヒビタは、特定の組織から得たワイルドタイプタンパク質であっても、そうでなくてもよい。
【0121】
例えば、基準アミノ酸配列に対して少なくとも約95%「同一である(identical)」アミノ酸配列を有するポリペプチドは、アミノ酸配列が基準ペプチドをコードする基準アミノ酸配列の100アミノ酸毎に、最大で約5つの修飾を含んでもよいことを除いて、ポリペプチドのアミノ酸配列が基準配列と同一であることを意味すると理解されたい。すなわち、基準アミノ酸配列に少なくとも約95%同一なアミノ酸配列を有するペプチドを得るために、基準配列の最大約5%のアミノ酸残基が、削除されるか、別のアミノ酸に置換されてもよく、基準配列中の総アミノ酸の最大5%までのアミノ酸数が、基準配列に挿入されてもよい。基準配列のこのような修飾は、基準アミノ酸配列のN末またはC末位置、あるいは、基準配列中のアミノ酸中に個々に散在するか、基準配列中の1又はそれ以上のグループとして散在する上記末端位置同士間の任意の位置で生じてもよい。
【0122】
本明細書に使用されるように、用語「同一性(identity)」は、基準ヌクレオチドまたはアミノ酸配列と比較して、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一の程度である。一般的に、順番の合致(order match)が最も高くなるように配列は並べられる。「同一性」それ自体は、技術で認識される意味を有しており、公開されている技術を使用して計算可能である(例えば、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York(1988);バイオコンピューティング:Informatics And Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York(1993);Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey(1994);von Heinje,G.,Sequence Analysis In Molecular Biology,Academic Press(1987);および、Sequence Analysis Primaer,Gribskov,M.and Derererux,J.,eds.,M Stockton Press,New York(1991)、参照)。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列間の同一性を測定するためのいくつかの方法が存在するが、用語「同一性」は当分野の当業者に十分に周知である(Carillo,H.& Lipton,D.,Siam J Applied Math 48:1073(1988))。限定するものではないが、Guide to Huge Computers,Martin J.Bishop,ed.,Academic Press,San Diego(1994)およびCarillo,H.& Lipton,D.,Siam J Applied Math 48:1073(1988)で開示されたものを含む、2つの配列間の同一性または類似度を判定するのに一般的に使用される。さらに、コンピュータプログラムは、同一性および類似度を計算する方法およびアルゴリズムを含んでもよい。2つの配列間の同一性および類似度を判定するためのコンピュータプログラムの方法の例は、限定するものではないが、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(i):387(1984))、BLASTP、ExPASy、BLASTN、FASTA(Atschul,S.R.,et al.,J Molec Biol 215:403(1990))およびFASTDBを含む。同一性および類似度を判定する方法の例は、参照することで本明細書に組み込む、Protein Science,Vol 1,John Wiley & Sons, Inc.(2000)におけるMichaels,GおよびGarian,R.,Current Protocolsで検討されている。本発明の一実施例においては、2又はそれ以上のポリペプチド間の同一性を判定するのに使用されるアルゴリズムは、BLASTPである。
【0123】
本発明の別の実施例においては、2又はそれ以上のポリペプチド間の同一性を判定するのに使用されるアルゴリズムは、Brutlag et al.,のアルゴリズムに基づいているFASTDBである(本明細書に組み込むComp.App.Biosci.6:237−245(1990)参照)。FASTDB配列アライメントにおいて、クエリおよび対象配列はアミノ酸である。配列アラインメントの結果は、同一性の割合である。同一性の割合を計算するアミノ酸配列のFASTDBアライメントに使用可能なパラメータは、限定するものではないが、Matrix=PAM、k−tuple=2、ミスマッチペナルティ=1、ジョイニングペナルティ=20、ランドミゼーショングループ長=0、カットオフスコア=1、ギャップペナルティ=5、ギャップサイズペナルティ0.05、ウィンドウサイズ=500またはどちらが短くても対象アミノ酸配列の長さ、を含む。
【0124】
FASTDBプログラムが、同一性の割合を計算するときに対象配列のN末端およびC末端切断または付加を考慮していないので、対象配列が、中間部での付加または削除によらずN末端またはC末端の付加または削除によって、クエリ配列よりも短い若しくは長い場合は、手動修正がなされてもよい。クエリ配列に対して両端で切断された対象配列について、同一性の割合は、クエリ配列の総塩基数中の割合として、マッチ/アラインされていない基準配列に対するN−およびC−末端であるクエリ配列の塩基数を計算することによって修正される。FASTDB配列アライメントの結果は、マッチング/アライメントを決定する。次いで、アライメントの割合は、特定されたパラメータを用いて上記FASTDBプログラムによって計算された同一性の割合から減算され、最終的な同一性割合スコアに到達する。このように修正されたスコアは、どのようにアライメントが互いに「対応する」か決定する目的、ならびに、同一性の割合を決定する目的のために使用可能である。基準または対象配列のそれぞれのN−またはC−末端を超えて延在するクエリ(対象)配列または基準配列の残基は、同一性割合スコアを手動で調節する目的として考慮されている。すなわち、比較配列のN−またはC−末端とマッチング/アラインされない残基は、同一性割合スコアまたはアライメントナンバリングを手動で調節するときに、カウントされてもよい。
【0125】
例えば、90アミノ酸残基の対象配列が、同一性の割合を決定するために、100残基基準配列とアライメントされる。欠損は、対象配列のN−末端で生じ、従って、FASTDBアライメントは、N−末端での第1の10残基のマッチング/アライメントを示していない。10の不対残基は、配列の10%を示しており(N−末端およびC−末端での残基数は、クエリ配列中の残基総数とマッチングしない)、10%は、FASTDBプログラムによって計算された同一性割合スコアから減算される。残りの90%の残基が完全にマッチングした場合、最終的な同一性の割合は90%である。別の実施例においては、90残基の対象配列が100基準配列と比較される。今回は、欠損が内部にある欠損であり、クエリとマッチング/アライメントしない対象配列のN−またはC−末端に残基はない。この場合、FASTDBによって計算される同一性割合は手動で修正されない。
【0126】
本発明のポリリガンドは、モノマーの前後、またはモノマー間にあるスペーサーアミノ酸配列を任意選択的に具える。スペーサーの長さと組成は変化してもよい。スペーサの例は、グリシン、アラニン、ポリグリシンまたはポリアラニンである。ポリペプチドの第2の構造を阻害する目的としてスペーサ中にプロリンを使用することが望ましい場合もある。スペーサーアミノ酸が、任意のアミノ酸でもよく、アラニン、グリシンおよびプロリンに限定されない。本発明は、スペーサあり、または、スペーサなしのホモポリリガンドおよびヘテロポリリガンドの組み合わせの全てに関するが、上記または下記の例に限定されるものではない。
【0127】
本発明のリガンドおよびポリリガンドは、エピトープタグ、レポータを提供し、かつ/または、細胞の領域にリガンドを局在化する付加的な分子またはアミノ酸に任意選択的に結合される(図5A−5H、図6A−6H、図7A−7Iおよび図8A−8K参照)。エピトープタグの非限定的な例は、FLAGTM、HA(赤血球凝集素)、c−MycおよびHis6である。レポーターの非限定的な例は、アルカリホスファターゼ、ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質である。細胞位置の非限定的な例は、筋小胞体、小胞体、ミトコンドリア、ゴルジ体、ペルオキシダーゼ、リソソーム、核、核小体、エンドソーム、エキソソーム、他の細胞内ビークル、プラズマメンブラン、頂端膜(apical membrane)および側低膜(basolateral membrane)である。エピトープ、レポータおよび局在シグナルは、限定するものではないが、例示されるように提供される。エピトープタグ、レポータおよび/または局在シグナルは、同一分子でもよい。また、エピトープタグ、レポータおよび/または局在シグナルは、異なる分子でもよい。
【0128】
リガンドとポリリガンド、およびこれらに結合される選択的なアミノ酸は、当分野の周知技術を用いて、化学的または組み替え的に合成可能である。化学合成技術は、限定するものではないが、自動ペプチド合成器を用いて頻繁に実行されるペプチド合成を含む。さらに、ペプチドは、当分野の周知な非自動ペプチド合成方法を使用して合成可能である。組み換え技術は、発現ベクタ内にリガンドコーディング核酸の挿入を含み、核酸発現生成物は、細胞因子およびプロセスを使用して合成される。
【0129】
細胞局在シグナル、エピトープタグ、または、レセプターのリガンドまたはポリリガンドへの結合は、リガンドへの共有結合または酵素的結合を含む。局在シグナルは、脂質または炭水化物など、ポリペプチド以外の材料を具えるとき、結合分子に対する化学反応が使用されてもよい。さらに、非標準アミノ酸、脂質で修飾されたアミノ酸、炭水化物、リン酸塩または他の分子は、ペプチド合成の前駆体として使用されてもよい。本発明のリガンドは、局在シグナルあり、または、なしで治療的用途を有する。なお、局在シグナルに結合したリガンドは、細胞内ツールまたは治療法として用途がある。心筋組織の筋小胞体(小胞体)に興味のある細胞内局在シグナルの例は、米国特許第7,071,295号に開示されている。
【0130】
PP1リガンド含有遺伝子コンストラクトは、遺伝子治療を介して送達される。図10Bおよび10Cは、インビボにおいてポリペプチド発現を送達および制御するための遺伝子治療ベクターの実施例を示す。図10Bおよび10C中の遺伝子コンストラクトに結合されたポリヌクレオチド配列は、ウィルス性ゲノムおよび/またはホストゲノム内にトランスジーンの組み込みを促進するためのゲノム組み込みドメインを具える。AttPおよびAttB配列は、ゲノム組み込み配列の非限定的な例である。
【0131】
図10Aは、PP1リガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターを示し、リガンド遺伝子コンストラクトは、トランスジェニックアニマルを生成するのに有用なユニットとしてベクターから放出可能である。例えば、リガンド遺伝子コンストラクトまたはトランスジーンは、制限エンドヌクレアーゼ消化によってベクターバックボーンから放出される。放出されたトランスジーンは、次いで、受精マウス卵の前核(pronuclei)内に注入される;あるいは、トランスジーンは、胚性幹細胞をトランスフォームするために使用される。図10Aのリガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターは、さらに、トランスジーンの一過性トランスフェクションに有用であり、トランスジーンのプロモータおよびコドンはホスト組織に最適化される。図10Aのリガンド遺伝子コンストラクトを含むベクターは、小スケールまたは大スケール生成に適用可能なように、発酵性生物において、ポリペプチドの組み替え発現に有用であり、トランスジーンのプロモータおよびコドンは、発酵ホスト生物に最適化される。
【0132】
図10Dは、適切な細胞株を生成するのに有用なPP1遺伝子コンストラクトを含むベクターを示す。
【0133】
さらに、本発明は、リガンドおよびポリリガンドをコードするヌクレオチド配列を具えるポリヌクレオチドを包含する。本発明のポリヌクレオチドは、エピトープ、レポータおよび/または局在シグナルをコードするさらなるヌクレオチド配列に選択的に結合される。さらに、本発明の核酸は、ベクターポリヌクレオチド内に選択的に組み込まれる。ポリヌクレオチドは、制限エンドヌクレアーゼ部位と、制限エンドヌクレアーゼ活性に必要な他のヌクレオチドを具えるヌクレオチド配列によって選択的にフランキングされる。フランキング配列は、ベクター内にクローニング部位を選択的に提供する。制限部位は、限定するものではないが、最も商業的に入手可能なクローニングベクタにおいて一般的に使用される部位のいずれかを含む。ホーミングエンドヌクレアーゼを含む、他の制限酵素による開裂部位は、この目的に使用される。また、ポリヌクレオチドフランキング配列は、サブシークエンスクローニングの方向性を選択的に付与する。好ましくは、5’および3’制限エンドヌクレアーゼ部位は互いに異なり、二本鎖DNAは、クローニングベクタの対応する相補性部位内に、方向性を維持してクローニング可能である。
【0134】
局在シグナル、エピトープまたはレポータあり、または、なしのリガンドおよびポリリガンドは、リコンビナント技術によって代替的に合成される。所望の成分を含むポリヌクレオチド発現コンストラクトが作製され、発現ベクター内に挿入される。発現ベクターは、細胞内にトランスフェクションされ、ポリペプチド生成物が発現され、単離される。リコンビナントDNA技術によって作製されるリガンドは、リサーチツールおよび/または治療法に有用である。
【0135】
以下は、どのようにポリヌクレオチドがリガンドをコーディングし、ポリリガンドが生成されるかの例である。リガンドおよびフランキング配列をコードする相補的なオリゴヌクレオチドが合成され、アニールされる。得られた二重鎖DNA分子は、当分野に周知な技術を使用してクローニングベクター内に挿入される。リガンドおよびポリリガンドが、タンパク質生成物内に翻訳されるトランスジーンコンストラクト内における配列に隣接したインフレームに配置されるとき、リガンドおよびポリリガンドは、細胞またはトランスジェニックアニマル内で発現される場合、融合タンパク質の一部を形成する。
【0136】
本発明の別の実施例は、所望の細胞または有機体において、トランスジーン発現の選択的制御に関する。組み替え遺伝子のプロモータ部分は、連続的プロモータ、非連続的プロモータ、組織特異的プロモータ(連続的または非連続的)または選択的に制御されたプロモータでもよい。異なるように選択的に制御されるプロモータは、異なる機構によって制御される。例えば、プロモータと他の必須の細胞因子を含む細胞がテトラサイクリンで処理される場合、テトラサイクリン誘導可能プロモータが活性化され、下流コード配列を発現する。他の誘導可能プロモータは、他の薬剤または因子によって活性化される。RHEOSWITHCは、New England BioLabs(Ipswich,MA)から入手可能な誘導可能プロモータシステムである。温度感受性プロモータは、遺伝子発現を増大または減少するように使用可能である。本発明の実施例は、リガンドまたはポリリガンド遺伝子コンストラクトの発現が、誘導可能プロモータシステムによって制御されるリガンドまたはポリリガンド遺伝子コンストラクトを具える。図21〜29のベクターは、RHEOSWITHC誘導可能遺伝子発現システムを実装する。
【0137】
ポリリガンドは本質的にモジュール式である。本発明の態様は、開示されたポリリガンドの組み合わせ的モジュール方式である。本発明の別の態様は、容易かつ簡便に上記モジュール式ポリリガンドを作成する方法である。この点において、本発明の実施例は、遺伝子発現成分のモジュール式クローニング方法を具える。リガンド、ホモポリリガンド、ヘテロポリリガンドおよび選択的にアミノ酸の発現成分が組み替え法を用いて合成されるとき、各々のクローニング可能なエレメントをモジュールとして考えることができる。クローニングの速度と利便性に関して、付着端に適合し、挿入してからクローニングすることが容易なモジュール式エレメントを作製することが望ましい。このことは、制限エンドヌクレアーゼ部位認識および開裂に関する天然の特性を探索することによってなされる。本発明の一態様は、モジュールの一端で、一回だけ制限酵素消化に使用され、他端で、所望される回数だけ制限酵素消化に使用されるフランキング配列を包含する。すなわち、モジュールの一端で制限部位は、モジュール式エレメントのシークエンシャルクローニングに効果があるように、使用されて消失する。コーディング領域モジュールにフランキングする制限部位の例は、制限酵素、NgoM IVおよびCla I;またはXma IおよびCla Iによって認識される配列である。NgoM IVおよびCla Iで第1の環状DNAを切断し、5’NgoM IVオーバーハングと3’Cla Iオーバーハングを有する線状DNAを得ること;Xma IおよびCla Iで第2の環状DNAを切断し、5’Cla Iオーバーハングおよび3’Xma Iオーバーハングを有する線状DNAを得て、適合可能な付着端を有する第1および第2のDNAフラグメントを得る。第1および第2のDNAフラグメントが互いに混合され、アニールされ、ライゲーションされ、第3の環状DNAフラグメントを形成されるとき、第1のDNAだったNgoM IV部位と、第2のDNAだったXma I部位は、第3の環状DNAで消失される。ここで、このようなDNAの痕跡領域は、さらなるXma IまたはNgoM IVの消化から保護されるが、第3の環状DNA中に依然として保持されるそのままの5’NgoM IVおよび3’Cla I部位を含んでいる。このようなプロセスは、方向性、シークエンス・モジュール式クローニングイベントを達成するように、たくさん繰り返されてもよい。NgoM IV、Xma IおよびCla Iエンドヌクレアーゼによって認識される制限部位は、フランキング配列として使用されるとき、シークエンシャルクローニングを可能とする部位の群を示している。
【0138】
方向性をもち、シークエンシャルにコーディング領域モジュールを集成するための別の方法は、環状DNAを加えて、線状DNAを使用することである。例えば、上述したシークエンスクローニングプロセスのように、コーディング領域モジュールにフランキングする制限酵素は、NgoM IVおよびCla I;またはXma IおよびCla Iによって認識される配列である。第1の環状DNAは、NgoM IVおよびCla Iで切断され、5’NgoM IVオーバーハングおよび3’Cla Iオーバーハングを有する線状DNAを得る。第2の線状二本鎖DNAは、PCR増幅によって、あるいは、相補性オリゴヌクレオチドの合成およびアニーリングによって得られる。第2の線状DNAは、5’Cla Iオーバーハングと3’Xma Iオーバーハングを有し、これらは、線状化された第1のDNAと適合する付着端である。これらは第1および第2のDNAフラグメントが互いに混合され、アニーリングされ、ライゲーションされ、第3の環状DNAフラグメントを形成するとき、第1のDNA中にあったNgoM IVと、第2のDNA中にあったXma I部位は、第3の環状DNA中では消失する。第3の環状DNA中に残るフランキング配列は、5’NgoM IVおよび3’Cla I部位を依然として含んでいる。このようなプロセスは、方向性、シークエンス・モジュール式クローニングイベントを行うために、たくさん繰り返し可能である。NgoM IV,Xma IおよびCla Iエンドヌクレアーゼによって認識される制限部位は、フランキング配列として使用されるとき、シークエンス式クローニングを可能とする部位群を示す。このプロセスは、図11に記載されている。
【0139】
当分野の当業者は、他の認識部位群は、本明細書に記載されるように、シークエンス式方向性クローニングを行うことができる。制限エンドヌクレアーゼ選別についての好適な基準は、適合可能な付着端を得るが、その部位は互いにライゲーションする際に消滅されるエンドヌクレアーゼ対を選択する。別の基準は、第1の2つのいずれかに適合可能な付着(sticky)端を生成しない第3のエンドヌクレアーゼ部位を選択することである。このような基準は、シークエンス式方向性クローニングシステムとして使用されるとき、リガンド、ポリリガンドおよび他のコーディング領域または発現成分が、所望のように、組み合わせ可能に集成される。同一のシークエンスプロセスは、エピトープ、レセプタおよび/または局在シグナルに使用可能である。
【0140】
PP1活性を調節するポリリガンドと、そのポリリガンド作成方法が開示されている。治療法は、細胞に対する局在シグナルあり又はなしの精製されたリガンドまたはポリリガンドの送達を含む。代替としては、局在シグナルあり又はなしのリガンドおよびポリリガンドは、アデノウィルス、レンチウィルス、アデノ随伴ウィルス、または細胞中にタンパク質生成物を発現する他のウィルスもしくはレトロウィルスコンストラクトなど、ウィルスまたはレトロウィルスコンストラクトを介して送達される。
【0141】
[実施例]
アッセイ、方法、結果
本発明のリガンドは、以下の1又はそれ以上の方法を用いて、PP1モジュール活性を評価した。
【0142】
方法1.
生化学アッセイは、市販されているPP1酵素、市販されているPP1基質、市販されているPP1インヒビタ(コントロール)、本発明の半精製インヒビタリガンド(デコイ)を使用して行われる。PP1酵素は、Biobol(Plymouth Meeting,PA)、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)、New England Biolabs(Ipswich,MA)またはPromega(Madison,WI)から購入できる。リン酸除去に際し、蛍光または色の付いたフルオロジェニックまたはクロモジェニック基質は、便利な検出システムを表している。蛍光基質の例は、Sigma−Aldrichから入手可能なフルオレセインジホスフェートである。クロモジェニック基質の例は、New England Biolabs(Ipswich,MA)から入手可能なp−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)である。リガンドは、例えば、マイクロタイタプレート上において、固定用のポリペプチドの一端で、エピトープタグに結合される。タグ付きリガンドは、当分野で周知の網状赤血球のライセートシステムなど、インビトロ転写/翻訳システムを用いて実験される。T7および/またはT3および/またはSP6プロモータなどのプロモータ、リガンドコーディング配列、エピトープタグコーディング配列を備えるベクターポリヌクレオチドは、インビトロ転写/翻訳システムにおいて、タグ付きリガンドを合成するのに使用される。インビトロ転写/翻訳プロトコルは、Current Protocols in Molecular Biology(eds.Ausubel et al.,Wiley,2004年版)および分子クローニング:A Laboratory Manual(Sambrook and Russell(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001,第3版)、などの参考マニュアルに開示されている。ウェスタンブロット、ELISAおよび免疫沈降法などの免疫試薬含有方法は:Using Antibodies:A Laboratory Manual(Harlow and Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)である。
【0143】
特に、インビトロ転写/翻訳システムを使用して合成したタグ付きデコイリガンドは、エピトープタグの免疫沈降を介して、半精製された。このような材料のタンパク質含有量は、定量化され、複数ウェルにおいて、ホスファターゼ酵素および基質を含むマイクロタイタプレートに加えられる。反応は、水酸化ナトリウムを加えることによって停止される。ホスファターゼ活性は、ホスファターゼによる基質、p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)の脱リン酸化の度合である。PP1による無色p−ニトロフェニルホスフェートの触媒作用によって、405nmの最大吸光度で、黄色の生成物となる。コントロール実験は、ホスファターゼ酵素なし、および/または、デコイリガンドなし、および/または、周知のホスファターゼインヒビタの有り/無しを含む。アッセイに有用な周知のPP1インヒビタは、オカダ酸、ミクロステインまたはINH−2(I−2ペプチド)を含む。
【0144】
方法2.
同様のアッセイは、ウサギ由来のPP1を使用して、上述したように、同一薬剤を用いて実行される。
【0145】
方法3.
同様の細胞ベースのアッセイは、上述した同一薬剤を使用するが、インビトロ転写/翻訳システムの代わりに哺乳類細胞システムにおけるリガンド合成を利用して実行される。デコイリガンドは、ウェスタンブロットにおいて、固定用、および/または、精製用、および/または、識別用ポリペプチドの一端でエピトープタグに結合される。選択的に、タグ付きリガンドは、パンセルラ(pan−cellular)のフェノタイプおよび局在化PP1モジュレーションのフェノタイプ比較に関して、細胞局在シグナルに結合される。CMVプロモータなど連続的プロモータ、リガンドコーディング配列、エピトープタグコーディング配列、および選択的に局在シグナルコーディング配列を具えるベクターポリヌクレオチドを使用して、細胞中にリガンドを発現する。トランスフェクションおよび発現プロトコルは、Current Protocols in Molecular Biology(eds.Ausubel et al.,Wiley,2004年版)および分子クローニング:A Laboratory Manual(Sambrook and Russell(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001,第3版)など、基準マニュアルに開示されている。ウェスタンブロットおよび免疫試薬含有方法は、Using Antibodies:A Laboratory Manual(Harlow and Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)に開示されているように行われる。
【0146】
特に、細胞において合成されるタグ付きリガンドは半精製され、抗タグ抗体でコーティングされたマイクロタイタ−プレートに固定化される。マイクロタイタ−プレートは、非固定化成分を実質的に除去するように洗浄される。次いで、PP1酵素およびフルオロジェニック基質を加え、蛍光の出現を測定する。コントロール実験は、PP1酵素の不在、および/または、デコイリガンドの不在、および/または、周知のPP1インヒビタの存在/不在、を具える。アッセイに有用な周知のPP1インヒビタは、オカダ酸、マクロステインまたはインヒビタ−2(I−2/INH−2)を含む。
【0147】
方法4.
細胞ベースのアッセイは、誘導可能な、筋小胞体に局在化されるデコイリガンドを用いて実行される。細胞中の分子交換は、デコイに提示されるエピトープタグに対する特異的な抗体を用いて可視化されるときに、デコイリガンドの出現として識別される。デコイリガンドは、免疫検出において、固定化、および/または、精製、および/または、識別用のポリペプチドの一端でエピトープタグに結合される。さらに、デコイリガンドの局在は、ホスホランバン(PLB)、筋小胞体(SR)の周知のマーカを用いた共局在によって示される。誘導プロモータ、デコイリガンドコーディング配列、SR−ローカリゼーション配列(アミノ酸配列:QARQNLQNAFIAFCLILICLLLICIIVMLL;ヌクレオチド配列:caggccaggcagaacctccagaatgctttcattgctttttgtctgattctcatctgcctcctgctgatttgcattatcgtcatgctcctg)、および、HAなどのエピトープコーディング配列を具えるベクタポリヌクレオチドを使用して、細胞中にデコイリガンドを発現させる。トランスフェクションおよび発現プロトコルは、Current Protocols in Molecular Biology(eds.Ausubel et al.,Wiley,2004年版)、および、分子クローニング:A Laboratory Manual(Sambrook and Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001,第3版)。Using Antibodies:A Laboratory Manual(Harlow and Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)に記載されるように、免疫検出および免疫試薬含有方法が行われる。免疫蛍光は、製造者プロトコルに従って行われる。
【0148】
特に、ベクターポリヌクレオチドコンストラクトは、インテグレースおよび抗体セレクションを使用して、P19マウス胚性細胞内に安定的に組み込まれる。次いで、ステーブルなトランスフェクションをしたP19細胞に、ジメチルスルホオキシド(DMSO)を作用させて、心筋細胞へと分化させた。これは、P19細胞は、SR構造を通常含まないが、心筋細胞はSR構造を含むので必須である。培養中の細胞の鼓動が同期することが示され、心筋細胞分化が完了したら、これらの細胞は、24時間、誘導可能リガンド(RSL1)を添加して、SR局在化デコイリガンドを発現するように誘導される。細胞を、パラホルムアルデヒドで固定し、HA(ラット抗HA,Roche Molecular Diagnostics)またはPLB(ABR)に特異的な抗体を作用させる。赤色または緑色フルオロフォア(Invitrogen)を含有する2次抗体は、細胞内において各々のタンパク質の位置を示す。両方のタンパク質があるところは、得られる画像は、オレンジから黄色を有する。
【0149】
このようなアッセイを行うために以下の技術を使用した:UltraVectorTM(US2004/0185556、PCT/US2004/013517、WO2005/040336)、RheoSwitch(登録商標)(米国特許第7,091,038号、US20040033600;US20060200416)、AttSiteTM組み替え法(US20060172377)。UltraVectorは、拡大縮小可能な(scalable)フォーマットにおいて、新規遺伝子プログラムの迅速で効率的なアッセンブリが可能である。RheoSwitchは、対象となる選択遺伝子の誘導発現を可能にし、時間制御および投与量依存的制御を提供する。これは、2つの工学的レセプタタンパク質、対象となる遺伝子(GOI)に対する誘導可能プロモータ、合成アクチベータドラッグ(ジアシルヒドラジン低分子)からなる。AttSite組み替えは、DNA組み替えを触媒する部位特異的酵素に基づいている。ランダムな組み替えとは対照的に、AttSite組み替えは、ゲノム中における限られた数の部位に統合され、極めて重要な遺伝子を阻害するリスクを低減する。組み込みは、リコンビナーゼ酵素(Streptcoccus Pyogenes Strain SF370.1serotypeM1から得られる)を含有するプラスミド(VVN−3217、pREC027)を有したプラスミド(図21〜29に示される)の同時トランスフェクションによってなされ、AttSite組み替えが可能となる。
【0150】
P19心筋細胞を使用して、SR局在およびPP1阻害機能を実証した。P19細胞は、ジメチルスルホオキシド(DMSO)またはオキシトシン(図30A〜D参照)の作用によって、心筋細胞に分化可能であるマウス胚性心筋細胞である。これらの化合物に応答して、P19細胞は、培養皿において心筋と同様に、ゆっくりした単収縮(twitch)特性を獲得して、培養皿中において心筋のように鼓動する。筋肉細胞に分化するプロセスにおいて、筋小胞体(小胞体)が形成される。P19細胞を微生物用のペトリ皿に播種し、48時間、DMSOを作用させた。続いて胚様体(大きな細胞塊)を、標準培地の哺乳類組織培養プレートに移した。5日後、細胞は、プレート中でコンフルーエントに達した。8日目までに、細胞は同期して培養皿で鼓動した。分化した細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定して、ウサギ抗体トロポニンIとともに培養し、続いて、AlexaFluor546−抱合型ヤギ抗ウサギIgG2次抗体とともに培養した。細胞の核をDAPIで対比染色した。これらの細胞を、適宜なフィルタとAxiovision M2カメラを有するZeiss Axioscope上で撮像した。
【0151】
図31に開示されているPP1ポリリガンドを、線状かつ3次元空間で設計してモデル化して、コンピュータ内でPP1相互作用について最適化した。ポリリガンド(デコイ)に関する実施例の成分および配列は、図1および配列リストに示されている。各実施例についてのコンストラクトを含むベクターは、インビトロ翻訳実験についての図12〜20およびP19細胞実験についての図21〜29に示されている。図31に示される全てのベクターは、VVN−8394およびVVN−8395を除いて、配列有効性があった。ポリリガンドを、市販されているPP1酵素を用いて、方法1に記載される生化学アッセイで試験した(図31)。このアッセイによって、リガンドのPP1モジュール式活性を定量的に測定した。アッセイしたリガンドの8つの中の7つは、中程度のナノモル濃度(約46〜97nm)でPP1活性を阻害し、これは、同程度の阻害効果を得るために1000nMを必要としたINH−2よりも、概算にして10〜20倍の効果であった(図31)。
【0152】
図31のデータを得るために使用したアッセイは以下の通りである。ポリリガンドは、インビトロで、AmbionのSP6Megascriptキット(AM1330;製造者プロトコルに従って)を用いてプラスミドDNA(図12〜20)から転写される。続いて、RNAを、AmbionのRetic Lysate IVTキット(AM1200;製造者プロトコルに従って)を用いて翻訳し、Pierceから得られるProfoundHAタグIPキット(23610;製造者プロトコルに従って)を使用して、網状赤血球ライセートから免疫沈降した。次に、翻訳した生成物を、PierceのCoomassie Plus Protein Reagent(1856210;マイクロプレート工程)を用いて定量化した。定量化後、酵素反応を、30分間、30℃、低結合用マイクロタイター(TRP 96196)の二重ウェル中で、以下のように行った:
コントロール:0.5ユニットのPP1(Biomol,SE−497)、30mMのp−ニトロフェニルホスフェート(NEB,P0757S)、100mMのトリス−HCl中の2mM塩化マンガン(Fluka,48795)、pH8.2、40mMのNaCl、1mMのDTT、20%のグリセロール。酵素なしの対応するコントロールも、2回試験した。
INH−2 インヒビタ:0.5ユニットのPP1(Biomol,SE−497)、30mMのp−ニトロフェニルホスフェート(NEB,P0757S)、2mMの塩化マンガン(Fluka,48795)、100mMのトリスHCl中の1000nMのINH−2(NEB,P0755S)、pH8.2、40mMのNaCl、1mMのDTT、20%のグリセロール。酵素なしの対応するコントロールも2回試験した。
ポリリガンド反応:0.5ユニットのPP1(Biomol,SE−497)、30mMのp−ニトロフェニルホスフェート(NEB,P0757S)、2mMの塩化マンガン(Fluka,48795)、100mMトリスHCl中の5μLのポリリガンド、pH8.2、40mMのNaCl、1mMのDTT、20%のグリセロール。酵素なしの対応するコントロールも2回試験した。
【0153】
反応をNAOH(JTBaker,5671−02)で止め、プレートリーダー(Molecular Devices)を用いて405nmでプレートを読んだ。
【0154】
さらなるポリリガンドを、上述したものよりも基本的なPP1阻害についての生化学アッセイにおいて試験した。しかしながら、このような基本的なアッセイからは決定的なデータは得られなかった。
【0155】
さらなるポリリガンドを、ウサギ由来のPP1を用いて、方法2に記載される生化学アッセイにおいて試験した(図39)。阻害の割合は、ポジティブコントロールのOD405で、各デコイのOD405を除算することによって得られる値を、1から減算して計算し;100を掛けて得られる。I−2、タイプ1タンパク質ホスファターゼを特異的に阻害する204アミノ酸熱安定化タンパク質を、PP1阻害のコントロールとして使用した。図39は、ウサギ由来PP1との相互作用がないことを示しており、このことは、PP1デコイが非ヒトPP1を阻害しないことを示している。図39に示される各実施例についてのコンストラクトを含むベクタは、図41〜48に示される。図39に示される全てのベクターは、配列有効性があった。
【0156】
分化の前後で、P19細胞中でSR局在シグナルに融合したポリリガンドの誘導発現のための、UltraVectorバックボーン含有誘導可能RheoSwitchシステムをテストするために実験した。未分化のP19細胞において、コンストラクト(図21〜29中に示されるものなど)の短期間(一過性)発現は、我々のポリリガンドが、アクチベータドラッグを用いたRheoSwitch誘導に際し発現されることを確証した(図32)。
【0157】
続いて、一過性発現に伴う変動を低減するために、RheoSwitchシステムと対象となるポリリガンドを安定的にゲノムを組み込んだP19細胞を作製した。AttSite組み替え技術を使用して、安定的に組み込んだ誘導可能PP1ポリリガンドコンストラクト(図26)を有する、P19をベースにした心筋細胞前駆体細胞の長期培養を確立した。代表的なデータ(図33A−B)は、我々の安定的な培養が、アクチベータドラッグなしでは検出可能なSR局在化ポリリガンド発現を有しないが、アクチベータドラッグが付与されると、ポリリガンドの発現を誘導可能であることを示している。さらに、安定的に組み込まれたP19細胞が心筋細胞に分化し、次いで、アクチベータドラッグが加えられ(図34)、SR局在化ポリリガンド(図24に示されるベクター)の誘導発現がみられる。図34は、SR局在化ポリリガンドを検出するために、P19細胞が、セリン16(赤色)およびHAエピトープ(緑色)でリン酸化されたホスホランバンに対して免疫染色されるのを示している。核を明示するように、細胞をDAPIで対比染色した。黄色は、ホスホランビンとデコイとの共存を示していた。図40は、セリン16(赤色)でリン酸化されるホスホランバンに対し免疫染色されたP19細胞のネガティブコントロール(ポリリガンドなし)の結果を示している。
【0158】
[さらなる実験例]
実験例1
ヘテロポリリガンド、小胞体細胞局在シグナルおよびHis6エピトープを具えるポリペプチドを合成する。このようなポリペプチドの例は、図8A、8B、8D、8Eおよび8Fによって概略的に示されている。ポリペプチドは、自動化ペプチド合成器で合成されるか、組み替え法を利用して発現され、精製される。精製されたポリペプチドは、培地に溶解され細胞に加えられる。このポリペプチドは、細胞によってエンドサイトーシスされ、小胞体に輸送される。確認は、抗His6抗体を使用した免疫組織化学染色によって行われる。
【0159】
実験例2
トランスジーンは、配列番号255、配列番号263および配列番号261(ポリリガンド)を具える融合タンパク質、緑色蛍光タンパク質(レポーター)および原形質膜局在シグナル(局在シグナル)を直接的に発現するサイトメガロウィルス(CMV)プロモータを使用してコンストラクト化される。このようなトランスジーンは、図9Cに概略的に示されている。トランスジーンを一過性発現のために細胞にトランスフェクションする。発現と位置の確認は、共焦点顕微鏡によって緑色蛍光タンパク質を視覚化することによって行われる。
【0160】
実験例3
トランスジーンのコンストラクトは、組織特異的プロモータによって駆動される発現を用いて、タンパク質生成物を生成するように構築される。トランスジーンは、3つのドメインをコードするように工学処理された合成遺伝子発現ユニットを具える。これら3つのドメインの各々は、溶液中でアニールされ、ライゲーションされ、ベクターに挿入される相補的なポリヌクレオチドの対として合成される。アミノ末端で開始され、発現ユニットにおける3つのドメインは、PP1リガンド、FLAGエピトープおよび核局在シグナルをコードするヌクレオチド配列である。PP1リガンドは、本明細書で示すように、モノマーリガンド、ホモポリマーリガンドまたはヘテロポリマーリガンドである。FLAGエピトープをコードするヌクレオチド配列は、PP1リガンドをコードするヌクレオチド配列の下流に配置される。最終的に、局在シグナルをコードするヌクレオチド配列は、FLAGエピトープをコードするヌクレオチド配列の下流に配置される。集成された遺伝子発現ユニットは、図10Aに示されるように、続いて、発現ベクター内にサブクローニングされ、細胞に一過性的にトランスフェクションするのに使用される。確認は、抗フラッグ抗体を使用して免疫組織化学染色によって行った。
【0161】
実験例4
細胞内に局在化されたPP1ポリリガンドによって、PP1細胞機能の調節を例示する。ポリリガンド融合タンパク質(デコイリガンド)、エピトープおよび筋小胞体(小胞体)局在シグナルをコードする核酸を含んだトランスジーンコンストラクトを作製する。発現ユニットは、配列番号224(ポリリガンド)、c−Mycエピトープ(エピトープ)および筋小胞体(小胞体)局在シグナル(局在シグナル)をコードするヌクレオチドを含む。続いてこの発現ユニットを、CMVプロモータとSV40ポリアデニレーションシグナルとの間のベクター内にサブクローニングした(図10Aに概略的に示す)。完成したトランスジーン含有発現ベクターは、次いで、細胞にトランスフェクションするように使用した。PP1活性の阻害は、局在しない(non−localized)、ニセモノ(mock)をトランスフェクションしたコントロールに対する表現型観察によって示される。
【0162】
実験例5
リガンドの機能および局在は、小胞体を標的としたリガンド融合タンパク質を発現するマウスを得るために使用される、トランスジーンコンストラクトを作製することによって、インビボで示される。トランスジーンコンストラクトは、図10Bに概略的に示されている。発現ユニットは、配列番号233、赤血球凝集素エピトープおよび筋小胞体(小胞体)局在シグナルをコードするヌクレオチドを含む。この発現ユニットは、誘導プロモータおよびSV40ポリアデニレーションシグナルを含むヌクレオチド配列間のベクターにサブクローニングされる。次に、完成したトランスジーンをマウス受精卵母細胞の前核内に注射した。得られた子供を、PCRによってトランスジーンの存在に関してスクリーニングした。遺伝子組み換え創始マウスを、ワイルドタイプマウスと交配させる。少なくとも3代経過したヘテロ接合性の遺伝子組み換え動物を、コントロールとしての非組み換えの同腹子とともに、以下のテストに使用した。
【0163】
試験1:コピー数を決定するためにサザンブロット解析を行った。サザンブロットは、トランスジーンのフラグメントから得た放射性ラベルプローブでハイブリダイズされる。このプローブは、遺伝子組み換えマウスからのDNAを含むバンドを検出するが、非組み換えマウスからのDNAを含むバンドを検出しない。組み替えマウスのバンドの強度を測定し、組み替えプラスミドコントロールバンドと比較してコピー数を推定する。これによって、この実験例におけるマウスが、マウスのゲノムにトランスジーンを含んでいることが示される。
【0164】
試験2:組織のホモジェネート(homogenate)をウェスタンブロット分析用に調製する。この実験は、赤血球凝集素エピトープが組み替えホモジェネートでは検出されるが、非組み換えホモジェネートでは検出されないので、トランスジーンが組み替え体の組織で発現することを示している。
【0165】
試験3:機能は、表現型の観察またはコントロールに対する分析によって評価した。
【0166】
これらの例は、治療目的または実験目的のために、PP1リガンドの合成と細胞の局在領域への送達とを示している。精製されたポリペプチドリガンドは、経口投与または非経口投与、局所適用または、錠剤、カプセルまたは液状、経鼻用エアロゾルまたは吸入用エアロゾル、皮下注射、筋肉内注射、腹膜注射または他の注射;静脈内滴注;その他任意の経路を介した投与に対して製剤化可能である。さらに、リガンドをコードするヌクレオチド配列は、細胞内に送達して遺伝子生成物を発現するように設計されたベクター内への組み込み可能である。このようなベクターは、プラスミド、コスミド、人工的なクロモソームおよび修飾されたウィルスを含む。有核細胞への送達は、インビボまたはエキソビボで可能である。エキソビボ送達方法は、意図したレシピエント細胞またはドナー細胞の単離、これらの細胞へのベクターの送達、その後の上記細胞を用いたレシピエントの治療を含む。
【0167】
PP1活性を調節するリガンドおよびポリリガンドと、これらのリガンドの作製方法および使用方法が開示されている。これらのリガンドおよびポリリガンドは、化学的または組み替え的に合成され、リサーチツールまたは治療法として使用される。本発明は、細胞内治療のためのリガンドおよびポリリガンドの細胞局在シグナルへの結合を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1または配列番号5または配列番号9または配列番号13または配列番号17または配列番号21または配列番号25または配列番号29または配列番号33または配列番号37または配列番号41または配列番号45または配列番号49または配列番号53と少なくとも約80%同一性があるアミノ酸配列を具えることを特徴とする単離されたポリペプチド。
【請求項2】
PP1活性を調節することを特徴とする単離されたポリペプチドホモポリリガンド。
【請求項3】
PP1活性を調節することを特徴とする単離されたポリペプチドヘテロポリリガンド。
【請求項4】
単離された融合ポリペプチドであって、配列番号67−82および/または配列番号92−111のいずれかから選択される2又はそれ以上のポリペプチドを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であることを特徴とする単離された融合ポリペプチド。
【請求項5】
単離された融合ポリペプチドであって、配列番号67−82から選択される2又はそれ以上のポリペプチドを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であることを特徴とする単離された融合ポリペプチド。
【請求項6】
単離された融合ポリペプチドであって、配列番号92−111から選択される2又はそれ以上ポリペプチドを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であることを特徴とする単離された融合ポリペプチド。
【請求項7】
単離されたポリペプチドホモポリリガンドであって、当該ホモポリリガンドのモノマーが、配列番号67−82および/または配列番号92−111の任意の1つと少なくとも約80%同一性のあるアミノ酸配列を含むポリペプチドからなる群から選択され、Xaaが任意のアミノ酸であることを特徴とする単離されたポリペプチドホモポリリガンド。
【請求項8】
単離されたポリペプチドヘテロポリリガンドであって、当該ヘテロポリリガンドのモノマーが、配列番号67−82および/または配列番号92−111の任意の1つと少なくとも約80%同一性のあるアミノ酸配列を含むポリペプチドからなる群から選択され、Xaaが任意のアミノ酸であることを特徴とする単離されたポリペプチドヘテロポリリガンド。
【請求項9】
局在シグナル、エピトープタグまたはレポーターに結合した請求項1乃至8の各々のポリリガンド。
【請求項10】
少なくとも2のモノマーリガンドを具える組成物であって、各々の前記リガンドの少なくとも一部が、PP1によって認識可能であり、前記リガンドの少なくとも1がPP1による脱リン酸化可能なアミノ酸を含んでいないことを特徴とする組成物。
【請求項11】
ホモポリリマーリガンドであることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記モノマーリガンドの少なくとも2つの間にスペーサーアミノ酸を更に具えることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
局在シグナル、エピトープタグまたはレポーターを更に具えることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
ヘテロポリマーリガンドであることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記モノマーリガンドの少なくとも2の間にスペーサーアミノ酸を更に具えることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
局在シグナル、エピトープタグまたはレポーターを更に具えることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
a)配列番号57のアミノ酸残基285−295に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号57のアミノ酸残基281−299に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号57のアミノ酸残基279−302に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号57のアミノ酸残基277−303に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号57のアミノ酸残基288に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項18】
a)配列番号58のアミノ酸残基5−23に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基9、15、18および/または20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号58のアミノ酸残基4−25に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基9、15、18および/または20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号58のアミノ酸残基3−26に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基9、15、18および/または20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号58のアミノ酸残基2−29に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基9、15、18および/または20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項19】
a)配列番号58のアミノ酸残基31−57に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基33、37、46および/または55に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号58のアミノ酸残基30−58に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基33、37、46および/または55に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号58のアミノ酸残基28−59に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基33、37、46および/または55に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号58のアミノ酸残基27−60に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基33、37、46および/または55に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項20】
a)配列番号58のアミノ酸残基210−218に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基215に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号58のアミノ酸残基209−220に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基215に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号58のアミノ酸残基208−222に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基215に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号58のアミノ酸残基204−225に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基215に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項21】
a)配列番号58のアミノ酸残基368−381に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基371、376、378および/または392に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号58のアミノ酸残基366−383に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基371、376、378および/または392に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号58のアミノ酸残基364−385に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基371、376、378および/または392に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号58のアミノ酸残基361−393に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号58のアミノ酸残基371、376、378および/または392に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項22】
a)配列番号59のアミノ酸残基15−24に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号59のアミノ酸残基20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号59のアミノ酸残基14−26に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号59のアミノ酸残基20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号59のアミノ酸残基11−28に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号59のアミノ酸残基20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号59のアミノ酸残基8−31に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号59のアミノ酸残基20に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項23】
a)配列番号60のアミノ酸残基1611−1680に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号60のアミノ酸残基1616、1623、1630、1637、1644、1651、1658、1665および/または1672に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号60のアミノ酸残基1683−1703に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号60のアミノ酸残基1686、1693および/または1700に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号60のアミノ酸残基1801−1838に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号60のアミノ酸残基1805、1826および/または1833に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号60のアミノ酸残基1922−1950に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号60のアミノ酸残基1924、1931、1941および/または1948に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項24】
a)配列番号61のアミノ酸残基89−103に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号61のアミノ酸残基90、94、96および/または102に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号61のアミノ酸残基88−104に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号61のアミノ酸残基90、94、96および/または102に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号61のアミノ酸残基86−106に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号61のアミノ酸残基90、94、96および/または102に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号61のアミノ酸残基83−109に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号61のアミノ酸残基90、94、96および/または102に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項25】
a)配列番号62のアミノ酸残基246−256に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基249および/または252に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号62のアミノ酸残基245−257に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基249および/または252に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号62のアミノ酸残基243−259に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基249および/または252に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号62のアミノ酸残基240−261に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基249および/または252に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項26】
a)配列番号62のアミノ酸残基804−827に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基807、811、821および/または826に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号62のアミノ酸残基803−828に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基807、811、821および/または826に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号62のアミノ酸残基801−831に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基807、811、821および/または826に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号62のアミノ酸残基800−832に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号62のアミノ酸残基807、811、821および/または826に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項27】
a)配列番号63のアミノ酸残基1385−1396に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号63のアミノ酸残基1394に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号63のアミノ酸残基1384−1397に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号63のアミノ酸残基1394に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号63のアミノ酸残基1381−1398に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号63のアミノ酸残基1394に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号63のアミノ酸残基1380−1399に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号63のアミノ酸残基1394に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項28】
a)配列番号64のアミノ酸残基46−68に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基48または67に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号64のアミノ酸残基45−69に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基48または67に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号64のアミノ酸残基44−70に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基48または67に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号64のアミノ酸残基43−72に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基48または67に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項29】
a)配列番号64のアミノ酸残基121−131に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基122または130に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号64のアミノ酸残基120−132に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基122または130に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号64のアミノ酸残基119−133に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基122または130に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号64のアミノ酸残基118−134に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基122または130に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項30】
a)配列番号64のアミノ酸残基164−173に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基168に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号64のアミノ酸残基163−175に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基168に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号64のアミノ酸残基162−177に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基168に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号64のアミノ酸残基161−179に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基168に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項31】
a)配列番号64のアミノ酸残基190−200に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基191および/または198に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号64のアミノ酸残基189−202に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基191および/または198に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号64のアミノ酸残基185−204に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基191および/または198に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号64のアミノ酸残基181−206に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基191および/または198に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項32】
a)配列番号64のアミノ酸残基211−221に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基214および/または216に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号64のアミノ酸残基210−222に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基214および/または216に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号64のアミノ酸残基208−225に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基214および/または216に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号64のアミノ酸残基204−228に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号64のアミノ酸残基214および/または216に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項33】
a)配列番号65のアミノ酸残基7−21に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号65のアミノ酸残基16および/または17に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号65のアミノ酸残基6−22に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号65のアミノ酸残基16および/または17に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号65のアミノ酸残基5−23に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号65のアミノ酸残基16および/または17に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号65のアミノ酸残基4−19に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号65のアミノ酸残基16および/または17に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項34】
a)配列番号66のアミノ酸残基49−61に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号66のアミノ酸残基54、57および/または59に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号66のアミノ酸残基46−64に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号66のアミノ酸残基54、57および/または59に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号66のアミノ酸残基41−67に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号66のアミノ酸残基54、57および/または59に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号66のアミノ酸残基39−71に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号66のアミノ酸残基54、57および/または59に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項35】
a)配列番号83のアミノ酸残基157−182に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基161および/または178に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号83のアミノ酸残基156−184に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基161および/または178に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号83のアミノ酸残基154−186に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基161および/または178に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号83のアミノ酸残基152−188に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基161および/または178に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項36】
a)配列番号83のアミノ酸残基196−207に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基199および/または204に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号83のアミノ酸残基194−209に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基199および/または204に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号83のアミノ酸残基191−212に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基199および/または204に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号83のアミノ酸残基189−215に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基199および/または204に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項37】
a)配列番号83のアミノ酸残基258−267に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基264に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号83のアミノ酸残基255−269に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基264に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号83のアミノ酸残基253−271に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基264に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号83のアミノ酸残基251−274に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基264に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項38】
a)配列番号83のアミノ酸残基329−340に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基335に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
b)配列番号83のアミノ酸残基328−342に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基335に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
c)配列番号83のアミノ酸残基326−344に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基335に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
d)配列番号83のアミノ酸残基323−349に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号83のアミノ酸残基335に対応する前記アミノ酸残基が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項39】
a)配列番号84のアミノ酸残基439−518に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドと少なくとも80%同一なペプチドと、
b)配列番号84のアミノ酸残基451−511に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドと少なくとも80%同一なペプチドと、
c)配列番号84のアミノ酸残基456−507に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドと少なくとも80%同一なペプチドと、
d)配列番号84のアミノ酸残基460−497に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドと少なくとも80%同一なペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えるとともに、配列番号84のフラグメントであることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項40】
a)配列番号85のアミノ酸残基1−147に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号85のアミノ酸残基38に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号85のアミノ酸残基2−147に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号85のアミノ酸残基38に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号85のアミノ酸残基7−140に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号85のアミノ酸残基38に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号85のアミノ酸残基11−130に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号85のアミノ酸残基38に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項41】
a)配列番号86のアミノ酸残基27−38に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基34に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号86のアミノ酸残基24−39に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基34に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号86のアミノ酸残基22−41に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基34に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号86のアミノ酸残基19−44に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基34に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項42】
a)配列番号86のアミノ酸残基70−81に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号86のアミノ酸残基68−83に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号86のアミノ酸残基64−87に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号86のアミノ酸残基61−90に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号86のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項43】
a)配列番号88のアミノ酸残基29−40に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基35に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号88のアミノ酸残基27−44に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基35に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号88のアミノ酸残基24−45に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基35に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号88のアミノ酸残基19−50に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基35に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項44】
a)配列番号88のアミノ酸残基64−81に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基67および/または75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号88のアミノ酸残基61−82に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基67および/または75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号88のアミノ酸残基59−85に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基67および/または75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号88のアミノ酸残基55−86に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号88のアミノ酸残基67および/または75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項45】
a)配列番号89のアミノ酸残基86−107に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号89のアミノ酸残基94および/または100に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号89のアミノ酸残基83−114に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号89のアミノ酸残基94および/または100に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号89のアミノ酸残基79−119に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号89のアミノ酸残基94および/または100に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号89のアミノ酸残基61−123に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号89のアミノ酸残基94および/または100に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項46】
a)配列番号90のアミノ酸残基366−376に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基371に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号90のアミノ酸残基363−379に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基371に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号90のアミノ酸残基361−385に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基371に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号90のアミノ酸残基357−390に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基371に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項47】
a)配列番号90のアミノ酸残基456−467に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基461に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号90のアミノ酸残基452−470に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基461に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号90のアミノ酸残基446−474に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基461に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号90のアミノ酸残基443−479に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号90のアミノ酸残基461に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項48】
a)配列番号91のアミノ酸残基71−88に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基73および/または87に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号91のアミノ酸残基67−94に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基73および/または87に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号91のアミノ酸残基64−96に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基73および/または87に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号91のアミノ酸残基58−101に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基73および/または87に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項49】
a)配列番号91のアミノ酸残基113−128に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基121および/または122に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号91のアミノ酸残基110−131に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基121および/または122に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号91のアミノ酸残基108−135に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基121および/または122に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号91のアミノ酸残基103−139に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号91のアミノ酸残基121および/または122に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項50】
a)配列番号87のアミノ酸残基360−480に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドと、
b)配列番号87のアミノ酸残基383−460に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドと、
c)配列番号87のアミノ酸残基391−437に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドと、
d)配列番号87のアミノ酸残基402−429に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えるとともに、配列番号87のフラグメントであることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項51】
請求項1乃至50に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項52】
請求項51に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項53】
請求項52に記載のベクターを具える組み替え宿主細胞。
【請求項54】
細胞内でPP1を阻害する方法であって、請求項52に記載のベクターを宿主細胞にトランスフェクションするステップと、ペプチドのコピーを生成するのに適した条件下で、トランスフェクションした宿主細胞を培養するステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項55】
前記ポリヌクレオチドは、第1の制限エンドヌクレアーゼが開裂可能な配列によって一端でフランキングされ、前記ポリヌクレオチドは、第2の制限エンドヌクレアーゼが開裂可能な配列によって他端でフランキングされ、前記第1および第2の制限エンドヌクレアーゼが、不適合な付着端を生じさせることを特徴とする請求項51に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項56】
前記ポリヌクレオチドが、一端でNgoM IVが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記ポリヌクレオチドが、他端でXmaIおよびClaIが開裂可能な配列によってフランキングされることを特徴とする請求項55に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項57】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドのコピーの少なくとも1つを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸31に対応するアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸34に対応するアミノ酸が、アスパラギン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項58】
配列番号112のアミノ酸31に対応するアミノ酸がアラニンであり、配列番号112のアミノ酸34に対応するアミノ酸がアラニンであることを特徴とする請求項57に記載のPP1インヒビタ。
【請求項59】
配列番号25と少なくとも80%同一なアミノ酸配列を具える単離されたポリペプチドであって、位置16のXaaはグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、位置17のXaaはグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、位置31のXaaはアラニンであり、位置34のXaaはアラニンであることを特徴とする単離されたポリペプチド。
【請求項60】
1又はそれ以上の配列番号137−164と更に組み合わされ、かつ配列番号137−164中のXaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、グルタミン酸またはアスパラギン酸のいずれかであることを特徴とする請求項59に記載のポリペプチド。
【請求項61】
PP1インヒビタであって、配列番号137−164から選択されるポリペプチドと少なくとも80%同一なポリペプチドのコピーの少なくとも1と、配列番号113−136から選択されるポリペプチドと少なくとも80%同一なポリペプチドのコピーの少なくとも1とを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項62】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸は、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸は、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸51に対応するアミノ酸は、ロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項63】
配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸は、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸は、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸50に対応するアミノ酸はメチオニン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項64】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸は、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸はセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸47に対応するアミノ酸はイソロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項65】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸44に対応するアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項66】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸がセリン又はスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸43に対応するアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項67】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸がセリン又はスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸41に対応するアミノ酸がシステイン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項68】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸40に対応するアミノ酸がイソロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項69】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸37に対応するアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項70】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸33に対応するアミノ酸がイソロイシン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項71】
PP1インヒビタであって、配列番号112と少なくとも80%同一なポリペプチドの少なくとも1のコピーを具え、配列番号112のアミノ酸16に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸17に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であり、配列番号112のアミノ酸32に対応するアミノ酸がフェニルアラニン以外のアミノ酸であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項72】
配列番号112のアミノ酸16および17に対応するアミノ酸が、アスパラギン酸またはグルタミン酸のいずれかであることを特徴とする請求項57乃至71に記載の各々のインヒビタ。
【請求項73】
PP1インヒビタであって、1又はそれ以上の配列番号137−164と少なくとも80%同一なポリペプチドのコピーの少なくとも2を具え、配列番号137−156のアミノ酸16および17と対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外であり、配列番号157−160のアミノ酸7および8に対応するアミノ酸がセリンまたはスレオニン以外であり、配列番号161−164のアミノ酸6および7に対応するアミノ酸はセリンまたはスレオニン以外であることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項74】
局在シグナルを更に具えることを特徴とする請求項73に記載のインヒビタ。
【請求項75】
筋小胞体(小胞体)局在シグナルを更に具えることを特徴とする請求項73に記載のインヒビタ。
【請求項76】
配列番号165、配列番号169または配列番号173から選択されることを特徴とする単離されたポリペプチド。
【請求項77】
請求項57乃至76のいずれか一項に記載のポリペプチドの少なくとも1のコピーをコードするポリヌクレオチド配列を具えることを特徴とする核酸分子。
【請求項78】
請求項77に記載の核酸分子を具えることを特徴とするベクター。
【請求項79】
請求項78に記載のベクターを具えることを特徴とする組み替え宿主細胞。
【請求項80】
細胞内でPP1を阻害する方法であって、請求項78に記載のベクターを宿主細胞にトランスフェクションするステップと、ポリペプチドの少なくとも1のコピーを生成するのに適した条件下でトランスフェクションした宿主細胞を培養するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項81】
少なくとも2のモノマーリガンドを具える組成物であって、前記リガンドの各々の少なくとも一部がPP1によって認識可能であり、前記リガンドの少なくとも1がリン酸化可能アミノ酸残基を含まないことを特徴とする組成物。
【請求項82】
前記組成物がホモポリマーリガンドであることを特徴とする請求項81に記載の組成物。
【請求項83】
少なくとも2の前記モノマーリガンド間にスペーサーアミノ酸を更に具えるを特徴とする請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
局在シグナル、エピトープタグまたはレポーターを更に具えることを特徴とする請求項82に記載の組成物。
【請求項85】
前記組成物は、ヘテロポリリマーリガンドであることを特徴とする請求項81に記載の組成物。
【請求項86】
少なくとも2の前記モノマーリガンド間にスペーサーアミノ酸を更に具えることを特徴とする請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
局在シグナル、エピトープタグまたはレポーターを更に具えることを特徴とする請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
局在シグナルを具え、PP1活性を阻害することを特徴とする単離されたポリペプチドホモポリリガンド。
【請求項89】
局在シグナルを具え、PP1活性を阻害することを特徴とする単離されたポリペプチドヘテロポリリガンド。
【請求項90】
請求項57乃至89に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項91】
請求項90に記載のポリヌクレオチドを具えるベクター。
【請求項92】
請求項91に記載のベクターを具える宿主細胞。
【請求項93】
細胞内でPP1を阻害する方法であって、請求項91に記載のベクターを宿主細胞にトランスフェクションするステップと、ポリペプチドの少なくとも1のコピーを生成するのに適した条件下でトランスフェクションした宿主細胞を培養するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項94】
前記ポリヌクレオチドが、一端で第1の制限エンドヌクレオーゼが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記ポリヌクレオチドが、他端で第2の制限エンドヌクレアーゼが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記第1および第2の制限エンドヌクレアーゼが、不適合な付着端を生じさせることを特徴とする請求項90に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項95】
前記ポリヌクレオチドが、一端でNgoM IVが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記ポリヌクレオチドが、他端でXmaIおよびClaIが開裂可能な配列によってフランキングされることを特徴とする請求項94に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項96】
配列番号177または配列番号181または配列番号185または配列番号189または配列番号193または配列番号197に少なくとも約80%同一なアミノ酸配列を具える単離されたポリペプチド。
【請求項97】
配列番号212−223のいずれかから選択される2またはそれ以上のポリペプチドを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であることを特徴とする単離された融合ポリペプチド。
【請求項98】
配列番号212−219から選択される2またはそれ以上のポリペプチドを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であることを特徴とする単離された融合ポリペプチド。
【請求項99】
配列番号220−223から選択される2またはそれ以上のポリペプチドを具え、Xaaとして示される少なくとも1のアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸であることを特徴とする単離された融合ポリペプチド。
【請求項100】
単離されたポリペプチドホモポリリガンドであって、そのモノマーが、配列番号212−223の任意の1つに少なくとも80%同一なアミノ酸配列を具えるポリペプチドからなる群から選択され、Xaaが任意のアミノ酸であることを特徴とする単離されたポリペプチドホモポリリガンド。
【請求項101】
単離されたポリペプチドヘテロポリリガンドであって、そのモノマーが、配列番号212−223の任意の1つに少なくとも80%同一なアミノ酸配列を具えるポリペプチドからなる群から選択され、Xaaが任意のアミノ酸であることを特徴とする単離されたポリペプチドヘテロポリリガンド。
【請求項102】
a)配列番号203のアミノ酸残基69−79に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号203のアミノ酸残基68−81に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号203のアミノ酸残基61−83に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号203のアミノ酸残基60−88に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基75に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項103】
a)配列番号203のアミノ酸残基94−104に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基99に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号203のアミノ酸残基93−106に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基99に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号203のアミノ酸残基90−109に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基99に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号203のアミノ酸残基86−114に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号203のアミノ酸残基99に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項104】
a)配列番号204のアミノ酸残基982−994に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号204のアミノ酸残基988に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号204のアミノ酸残基979−997に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号204のアミノ酸残基988に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号204のアミノ酸残基976−1000に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号204のアミノ酸残基988に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号204のアミノ酸残基971−1003に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号204のアミノ酸残基988に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項105】
a)配列番号205のアミノ酸残基530−542に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号205のアミノ酸残基535に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号205のアミノ酸残基528−545に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号205のアミノ酸残基535に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号205のアミノ酸残基525−548に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号205のアミノ酸残基535に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号205のアミノ酸残基516−551に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号205のアミノ酸残基535に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項106】
a)配列番号206のアミノ酸残基114−143に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号206のアミノ酸残基120−143に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号206のアミノ酸残基127−143に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号206のアミノ酸残基130−142に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号206のアミノ酸残基140に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項107】
a)配列番号207のアミノ酸残基1583−1596に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1589に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号207のアミノ酸残基1580−1600に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1589に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号207のアミノ酸残基1577−1605に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1589に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号207のアミノ酸残基1575−1610に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1589に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項108】
a)配列番号207のアミノ酸残基1748−1759に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1755に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
b)配列番号207のアミノ酸残基1744−1763に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1755に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
c)配列番号207のアミノ酸残基1741−1767に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1755に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
d)配列番号207のアミノ酸残基1738−1775に対応するアミノ酸残基を具えるペプチドに少なくとも80%同一なペプチドであって、配列番号207のアミノ酸残基1755に対応するアミノ酸が、セリンまたはスレオニン以外のアミノ酸残基に変異される、ペプチドと、
からなる群から選択されるペプチドの少なくとも1のコピーを具えることを特徴とするPP1インヒビタ。
【請求項109】
局在シグナルまたはエピトープタグまたはレポーターに結合した請求項96乃至108に記載の各々のポリリガンド。
【請求項110】
少なくとも2のモノマーリガンドを具える組成物であって、前記リガンドの各々の少なくとも一部がPP1によって認識可能であり、前記リガンドの少なくとも1がPP1によって脱リン酸化可能なアミノ酸を含んでいないことを特徴とする組成物。
【請求項111】
前記組成物が、ホモポリマーリガンドまたはヘテロポリマーリガンドであることを特徴とする請求項110に記載の組成物。
【請求項112】
少なくとも2の前記モノマーリガンド間にスペーサーアミノ酸を更に具えることを特徴とする請求項111に記載の組成物。
【請求項113】
局在シグナルまたはエピトープタグまたはレポーターを更に具えることを特徴とする請求項111に記載の組成物。
【請求項114】
請求項96乃至113に記載のポリヌクレオチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項115】
請求項114に記載の核酸分子を具えるベクター。
【請求項116】
請求項115に記載のベクターを具える組み替え宿主細胞。
【請求項117】
細胞内でPP1を阻害する方法であって、請求項115に記載のベクターを宿主細胞にトランスフェクションするステップと、前記ペプチドの少なくとも1のコピーを生成するのに適した条件下で、トランスフェクションした宿主細胞を培養するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項118】
前記ポリヌクレオチドが、一端で第1の制限エンドヌクレアーゼが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記ポリヌクレオチドは、他端で第2の制限エンドヌクレアーゼが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記第1および第2の制限エンドヌクレアーゼが不適合な付着端を生じさせることを特徴とする請求項114に記載の各々のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項119】
前記ポリヌクレオチドが、一端でNgoM IVが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記ポリヌクレオチドが、他端でXmaIおよびClaIが開裂可能な配列によってフランキングされることを特徴とする請求項114に記載の各々のポリヌクレオチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項120】
PP1の活性を調節することを特徴とする単離されたポリペプチドヘテロポリリガンド。
【請求項121】
配列番号224または配列番号227または配列番号230または配列番号233または配列番号236または配列番号239または配列番号242または配列番号245または配列番号248と少なくとも80%同一なアミノ酸を具えることを特徴とする請求項120に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項122】
配列番号266−268の1又はそれ以上のフラグメントを具えることを特徴とする請求項120に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項123】
配列番号251−262から選択された1又はそれ以上のポリペプチドを具える単離された融合ポリペプチド。
【請求項124】
配列番号251−262から選択された2又はそれ以上のポリペプチドを具えることを特徴とする請求項123に記載された単離された融合ポリペプチド。
【請求項125】
スペーサーを更に具えることを特徴とする請求項123に記載の単離された融合ポリペプチド。
【請求項126】
前記スペーサーが配列番号263または配列番号264または配列番号265を具えることを特徴とする請求項125に記載の単離された融合ポリペプチド。
【請求項127】
配列番号266−268の1又はそれ以上のフラグメントを具えることを特徴とする単離された融合タンパク質。
【請求項128】
少なくとも1のフラグメントが置換変異であることを特徴とする請求項127に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項129】
前記置換変異が、スレオニン残基でおこることを特徴とする請求項128に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項130】
PP1活性を調節することを特徴とする単離されたポリペプチドホモポリリガンド。
【請求項131】
配列番号251−262からなる群から選択されるモノマーを具えることを特徴とする請求項130に記載の単離されたポリペプチドホモポリリガンド。
【請求項132】
局在シグナル、エピトープタグまたはレポーターの1又はそれ以上と結合することを特徴とする請求項120に記載の単離されたヘテロポリリガンド。
【請求項133】
請求項120に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を具えることを特徴とする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項134】
請求項133に記載のポリヌクレオチドを具えるベクター。
【請求項135】
請求項133に記載のポリヌクレオチドを具える宿主細胞。
【請求項136】
請求項133に記載のポリヌクレオチドを具えるヒト以外の生物体。
【請求項137】
プロモータに操作可能に結合していることを特徴とする請求項133に記載のポリヌクレオチド。
【請求項138】
前記プロモータに操作可能に結合したポリヌクレオチドであって、前記プロモータは誘導可能プロモータであることを特徴とする請求項137に記載のポリヌクレオチド。
【請求項139】
前記ポリヌクレオチドが、一端でNgoM IVが開裂可能な配列によってフランキングされ、前記ポリヌクレオチドが、他端でXmaIおよびClaIが開裂可能な配列によってフランキングされることを特徴とする請求項133に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項140】
配列番号225または配列番号226または配列番号228または配列番号229または配列番号231または配列番号232または配列番号234または配列番号235または配列番号237または配列番号238または配列番号240または配列番号241または配列番号243または配列番号244または配列番号246または配列番号247または配列番号249または配列番号250を具えることを特徴とする請求項133に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項141】
細胞内でPP1を阻害する方法であって、請求項134に記載のベクターを宿主細胞にトランスフェクションするステップと、前記ポリペプチドの少なくとも1のコピーを産生するのに適した条件下でトランスフェクションした宿主細胞を培養するステップと、を具えることを特徴とする方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35−1】
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【図35−2】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公表番号】特表2010−525824(P2010−525824A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506675(P2010−506675)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062425
【国際公開番号】WO2008/137681
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509019819)イントレクソン コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】