説明

PYK2結晶構造および使用

X線結晶学により決定されたPYK2の結晶構造について記載する。PYK2結晶および構造の情報の使用は、例えば、分子骨格を同定するため、およびPYK2に結合して調節するリガンドを開発するために利用される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
PYK2に結合する化合物を同定する方法であって、PYK2と化合物との共結晶においてPYK2と結合する少なくとも1つの化合物の方位を測定することを含む、方法。
【請求項2】
前記化合物が、PYK2に弱く結合し、かつ350ダルトン未満の分子量を有する場合に、分子骨格として同定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記分子骨格の化学構造を同定することをさらに含み、前記分子骨格が修飾される場合、分子骨格とPYK2との結合親和性または結合特異性またはその両方が変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
リガンドを合成することをさらに含む請求項3に記載の方法であって、分子骨格の1またはそれ以上の化学構造が修飾されて、変化した結合親和性または結合特異性またはその両方によってPYK2に結合するリガンドを提供する、方法。
【請求項5】
前記分子骨格が複数のキナーゼに結合する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記分子骨格がPYK2残基503、505、457、488、567、および554の1またはそれ以上と相互作用する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記リガンドが式Iの化学構造を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
PYK2に結合する改良されたリガンドを得る方法であって、
PYK2に結合する化合物を同定すること、および前記化合物がPYK2残基503、505、457、488、567、および554の1またはそれ以上と相互作用するか否かを測定すること;
前記化合物の誘導体が、前記化合物よりも高い親和性または高い特異性またはその両方でPYK2と結合するか否かを測定すること、を含み、
ここで、高い親和性または高い特異性またはその両方が、前記誘導体が改良されたリガンドであることを示す、方法。
【請求項9】
前記誘導体が、前記化合物より少なくとも10倍高い親和性または特異性またはその両方を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記誘導体が、少なくとも100倍高い親和性または特異性またはその両方を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が式Iの化学構造を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
PYK2に特異的なリガンドを開発するための方法であって、
複数のキナーゼに結合する化合物を同定すること、および
前記化合物の誘導体が、前記化合物よりPYK2に対して高い特異性を有するか否かを測定すること、
を含む、方法。
【請求項13】
前記化合物が、前記複数のキナーゼのいずれかに結合するよりも少なくとも10倍高い親和性でPYK2と結合する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、PYK2残基503、505、457、488、567、および554の少なくとも1つと相互作用する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が、式Iの化合物である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、前記複数のキナーゼに弱く結合する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
PYK2キナーゼドメインの結晶形。
【請求項18】
表1に示す座標を有する、請求項17に記載の結晶形。
【請求項19】
1またはそれ以上の重金属原子を含む、請求項17に記載の結晶形。
【請求項20】
前記結晶形が、PYK2と結合化合物との共結晶を含む、請求項17に記載の結晶形。
【請求項21】
前記結合化合物が、PYK2残基503、505、457、488、567、および554の1またはそれ以上と相互作用する、請求項20に記載の結晶形。
【請求項22】
前記結晶形が、X線ビーム中にある、請求項17に記載の結晶形。
【請求項23】
前記PYK2が変異している、請求項17に記載の結晶形。
【請求項24】
PYK2の結晶を得る方法であって、PYK2タンパク質を5−20mg/mlで、2−10%ポリエチレングリコール(PEG)8000、0.2M酢酸ナトリウム、0.1%カコジル酸ナトリウムpH6.5、20%グリセリンと実質的に等価な結晶化条件に、結晶が成長するのに充分な時間置くことを含む、方法。
【請求項25】
前記結晶化条件を最適化することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記結晶化条件が、約8%ポリエチレングリコール(PEG)8000を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記PYK2が、セレノメチオニンラベル化PYK2である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
PYK2とPYK2結合化合物の共結晶。
【請求項29】
前記結合化合物が、PYK2残基503、505、457、488、567、および554の少なくとも1つと相互作用する、請求項28に記載の共結晶。
【請求項30】
前記結合化合物が、式Iの化学構造を有する、請求項28に記載の共結晶。
【請求項31】
前記共結晶が、X線ビーム中にある、請求項28に記載の共結晶。
【請求項32】
PYK2と結合化合物との共結晶を得る方法であって、PYK2タンパク質を5−20mg/mlで、2−10%ポリエチレングリコール(PEG)8000、0.2M酢酸ナトリウム、0.1%カコジル酸ナトリウムpH6.5、20%グリセリンの結晶化条件に、結合化合物の存在下に、結晶が成長するのに充分な時間置くことを含む、方法。
【請求項33】
前記結合化合物が、0.5から1.0mMの最終濃度となるように前記タンパク質に添加される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記結合化合物が、ジメチルスルフォキサイド溶液中にある、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記結晶化条件が、約8%ポリエチレングリコール(PEG)8000を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
キナーゼの構造を測定する方法であって、PYK2構造の電子表現からのホモロジーモデルを作成することを含む、方法。
【請求項37】
前記作成が、
PYK2と前記キナーゼとの保存されたアミノ酸残基を同定すること;
前記PYK2構造の保存された複数のアミノ酸の原子座標を、前記キナーゼの対応するアミノ酸に移し、前記キナーゼのおおよその構造を提供すること;および
前記キナーゼにおける残ったアミノ酸残基の構造の電子表現を用いて前記キナーゼの残余を表す構造を構築すること、
を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記キナーゼの1またはそれ以上の結晶からの低解像度X線回折データに、前記ホモロジーモデルを適合させることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
表3の保存された残基の座標が利用される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
変異したPYK2からの保存された残基の座標が利用される、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
PYK2の結晶構造の電子表現。
【請求項42】
表1または表2に示された座標に対応する原子座標表示を含む、請求項41に記載の電子表現。
【請求項43】
概略的表示を含む、請求項41に記載の電子表現。
【請求項44】
変異したPYK2に対する原子座標が利用される、請求項41に記載の電子表現。
【請求項45】
前記PYK2が、本質的にPYK2キナーゼドメインからなる、請求項44に記載の電子表現。
【請求項46】
PYK2の結合部位の電子表現。
【請求項47】
PYK2残基503、505、457、488、567、および554の表示を含む、請求項46に記載の電子表現。
【請求項48】
結合部意表面輪郭を含む、請求項46に記載の電子表現。
【請求項49】
複数の保存されたアミノ酸残基の結合特性の表示を含む、請求項46に記載の電子表現。
【請求項50】
PYK2の結合部位の結合化合物の電子表現をさらに含む、請求項46に記載の電子表現。
【請求項51】
前記PYK2が変異したPYK2である、請求項46に記載の電子表現。
【請求項52】
PYK2をベースとしたPYK2のホモロジーモデルの電子表現。
【請求項53】
前記ホモロジーモデルが表1または表2の保存された残基原子座標を利用する、請求項52に記載の電子表現。
【請求項54】
変位したPYK2のための原子座標が利用される、請求項52に記載の電子表現。
【請求項55】
PYK2に結合するリガンドを同定する方法であって、式Iのコア構造を含む誘導体化合物が、変化した結合親和性または特異性またはその両方によりPYK2と結合するか否かを、親化合物との比較において測定することを含む、方法。
【請求項56】
PYK2活性を調節する方法であって、PYK2に結合し、かつ残基503、505、457、488、567、および554の3つまたはそれ以上と相互作用する化合物と、PYK2を接触させることを含む、方法。
【請求項57】
前記化合物が、式Iの化合物である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記化合物が、200μMまたはそれ以下の濃度である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
異常PYK2活性を示す疾患または状態にある患者を治療する方法であって、PYK2残基503、505、457、488、567、および554の3つまたはそれ以上と相互作用する化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項60】
前記化合物が式Iの化合物である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記疾患または状態が癌である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記疾患または状態が炎症性疾患または状態である、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記化合物が残基503および505と相互作用する、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
修飾されたPYK2の原子座標の電子表現を含む、変異したPYK2結晶構造の電子表現。
【請求項65】
前記修飾されたPYK2が、C−末端欠損、N−末端欠損またはその両方を含む、請求項64に記載の電子表現。
【請求項66】
生物学的薬剤を開発する方法であって、PYK2結晶構造を解析すること、および前記生物学的薬剤を形成するための少なくとも1つのサブ構造を同定することを、を含む、方法。
【請求項67】
前記サブ構造がエピトープを含み、前記方法が前記エピトープに対する抗体を開発することをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記サブ構造が変化した活性を提供すると予期される変異部位を含み、前記方法が前記部位に変異を生成して、それによって修飾されたPYK2を提供することを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記サブ構造が、別個の部分を結合するための結合点を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記別個の部分が、ペプチド、ポリペプチド、固相物質、リンカー、およびラベルからなる群より選択される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
残基別個の部分を結合させることをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
潜在的なPYK2結合化合物を同定する方法であって、PYK2結合部位の電子表現中の化合物の少なくとも1つの電子表現を適合させることを含む、方法。
【請求項73】
前記PYK2結合部位の電子表現が、表1または表2に示される原子構造座標によって定義される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
PYK2と複合化した化合物のコンピュータ表示を取り出し、コンピュータデータベースからの化合物のコンピュータ表示を、PYK2の活性部位のコンピュータ表示と適合させること;および
潜在的な結合化合物として、好ましい幾何学的適合およびエネルギー的に好ましい相補的相互作用に基づいて、前記活性部位に最も適合する化合物を同定すること、
を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
1またはそれ以上の化学基の欠失または付加またはその両方によりPYK2と複合化した化合物のコンピュータ表示を修飾すること;
コンピュータデータベースからの化合物のコンピュータ表示を、PYK2の活性部位のコンピュータ表示と適合させること;および
潜在的な結合化合物として、好ましい幾何学的適合およびエネルギー的に好ましい相補的相互作用に基づいて、前記活性部位に最も適合する化合物を同定すること、
を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
PYK2と複合化した化合物のコンピュータ表示を取り出すこと;および
化合物検索コンピュータプログラムを用いて前記化合物と構造的な類似性を有する化合物についてデータベースを検索すること、または、化合物構築コンピュータプログラムを用いて前記化合物の部分を類似する化学構造と置き換えること、
を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記化合物が式Iの化合物である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記適合が、前記化合物がPYK2残基503、505、457、488、567、および554の1またはそれ以上と相互作用するか否かを測定することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項79】
PYK2結合化合物を結合コンポーネントに結合させる方法であって、
キナーゼ結合化合物の前記結合コンポーネントのエネルギー的に許容される結合部位を同定すること;および
前記化合物またはその誘導体を、前記エネルギー的に許容される部位において前記結合コンポーネントに結合させること、
を含む方法。
【請求項80】
前記結合コンポーネントが固相媒体への結合のためのリンカーであり、前記方法が前記化合物または誘導体を、前記エネルギー的に許容される部位において結合したリンカーを介して固相媒体に結合させることをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記キナーゼが、PYK2残基503、505、457、488、567、および554の少なくとも1つとマッチングする保存された残基を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記リンカーがトレースレスリンカーである、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記キナーゼ結合化合物またはその誘導体が、前記固相媒体に結合した前記リンカー上で合成される、請求項80に記載の方法。
【請求項84】
複数の前記化合物または誘導体が、コンビナトリアル合成により合成される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記化合物の前記固相媒体への結合が、親和性媒体を提供する、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記結合コンポーネントがラベルを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記ラベルが、フルオロフォアを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
修飾された化合物であって、前記修飾された化合物のPYK2への結合のためのエネルギー的に許容される部位において、式Iの化合物に結合したリンカー部分を有する式Iの化合物を含む、修飾された化合物。
【請求項89】
前記リンカーが固相に結合している、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
前記リンカーがラベルを含むか、またはラベルに結合している、請求項88に記載の化合物。
【請求項91】
前記リンカーがトレースレスリンカーである、請求項88に記載の化合物。
【請求項92】
PYK2残基503、505、457、488、567、および554の1またはそれ以上とマッチングする保存された残基を含むキナーゼに対するリガンドを開発する方法であって、式Iの化合物が前記キナーゼに結合し、前記残基と相互作用するか否かを測定すること、を含む方法。
【請求項93】
前記キナーゼが、PYK2残基503、505、457、488、567、および554の少なくとも2つとマッチングする保存された残基を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記キナーゼが、PYK2残基503、505、457、488、567、および554とマッチングする保存された残基を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記化合物が前記キナーゼを調節するか否かを測定することをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記測定が、前記キナーゼの結合部位に置いて前記化合物をコンピュータ適合させることを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記キナーゼと前記化合物との共結晶を形成することをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
前記化合物の前記キナーゼとの結合方位を測定することをさらに含む、請求項97に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−524374(P2007−524374A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508881(P2006−508881)
【出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/005904
【国際公開番号】WO2004/078923
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505324881)プレキシコン,インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】