説明

RFIDを用いた警報調査

一実施の形態による方法では、質問区域内の作動化された電子物品監視(EAS)タグを検出する工程と、質問区域内の作動化されたEASタグの検出に応じて少なくとも1つの無線周波数識別(RFID)タグを読む工程とを備え、前記質問区域内の作動化されたEASタグの原因を調査する。別の実施の形態による方法では、制御された領域内の作動化されたRFIDタグを表す条件を検出する工程と、制御された領域から作動化されたRFIDタグを持ち出すことを防止する是正手続きを取る工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線周波数識別(RFID)および電子物品監視(EAS)システムに関し、特にRFIDを用いた警報調査に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のEASシステムがよく知られている。典型的なEASシステムでは、制御された領域の出口に配置された電磁場すなわち「質問区域」と相互作用するように設計されたEASタグが保護されるべき物品に付けられる。物品が正当に購入され、または他の方法で保護領域からの持ち出しが認可された場合には、EASタグは、EASタグのタイプに応じて取り除かれるか不作動化される。EASタグが取り除かれたり不作動化されたりせずに質問区域内へ運び込まれると、電磁場により、EASシステムにより検出されるEASタグからの応答を生ずる。作動化されたEASタグを検出すると、EASシステムは警報を発する。しかし、正当に購入されまたは他の方法で持ち出しが認可された品目のEASタグが間違って不作動化されずあるいは取り除かれておらず、店舗出口で「非窃盗での」警報を鳴らすかも知れない。
【0003】
したがって、警報が非窃盗での警報なのか、保護された物品を認可されずに持ち出そうとするのかを判定するためにEAS警報は調査されるのがよい。また、EAS警報の発生は記録され、追跡されて、かかる発生の分析と報告とを可能とするのがよい。多くの小売店では、過去も現在も、EAS警報の調査と記録は店員により手作業で行われている。たとえば、EAS警報の調査において、店員は販売レシートを物理的に調べ、販売レシートを持ち出されようとしている品目と比較することがある。そこで、EAS警報の発生を記録するのに、店員は警報に関するデータを手書き記録簿に手作業で入力することがある。このような調査と記録の手作業での処理は、店員にとって時間が掛かり、警報の発生の分析と報告を遅らせ、また、たとえば、レシート上の品目と持ち出されようとしている品目との照合の間違い、手書き記録簿でのデータ記入ミス、EAS警報の発生の記録漏れ等の誤りを犯しがちである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる手作業の調査と報告をある程度改善するのに、警報管理ユニット電子装置とその付随システムとが用いられることがある。その警報管理ユニットが、ユーザインターフェース、たとえばキーパッド、を提供し、店員などのユーザが、手書き記録簿を使わずに、それぞれのEAS警報の発生に関する適切なデータを入力できるようにすることがある。そこで、その警報管理ユニットは、かかるデータを通信ネットワークを通じて小売店の地方のおよび/または地域のオフィスに伝達し、権限のある人がかかるデータを効率よく収集し、報告し、分析できるようにすることがある。
【0005】
その警報管理ユニットと付随システムとは手作業のEAS警報データの収集と記録簿付けの処理を改善するものの、店員がEAS警報を調査することが依然として要求される。たとえば、バーコードスキャナがその警報管理ユニットにつながれ、警報の調査処理を支援することがある。しかし、バーコードスキャナがあるとしても、店員の時間と資源とが、レシートをスキャンして販売時点管理(POS)処理に関する情報を集め、および/または持ち出されようとしている各々の品目を特定して各々の品目に付けられたバーコードラベルをスキャンするのに必要とされる。そこで、店員は、持ち出されようとしている品目を販売レシート上に特定される品目と手作業で照合することもある。この手作業の警報調査工程は、時間が掛かり、余分な遅れにより顧客に不満を起こさせうる。この手作業の警報調査工程はまた、店員によるミスを受けやすいことがある。さらに、顧客が小売店について持つおそれのある印象は調査されていて、非窃盗での警報のために遅延を強いられるとの印象である。それぞれのEAS警報を調査するのではなく、店員がEAS警報が非窃盗での警報であると誤った仮定をして調査せず、よって、物品の認可されていない持ち出しを可能ならしめることもある。
【0006】
したがって、EAS警報調査のための効率的で信頼性の高いシステムに対する要求がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
特許請求の範囲に記載された主題の実施の形態の特徴と利点とは、下記の詳細な説明が進むにつれ、また図面を参照した上で、明らかとなろう。図面では、類似の参照番号は類似の部分を示す。
【0008】
下記の詳細な説明は実施の形態を説明するように言及するが、それらの多くの代替、修正および改変が当業者にとって明らかとなろう。したがって、特許請求の範囲に記載された主題が広く捉えられることを意図する。
【0009】
[詳細な説明]
本開示は、種々の実施の形態と関連付けてここに説明される。当業者は本開示の特徴と利点とが様々な形態で実施されることを認識するであろう。したがって、ここに説明される実施の形態は、限定するのではなく説明のために示されていることを理解すべきである。また、本開示は、作動化された、および、不作動化されたEASタグとRFIDタグとを示している。ここで用いられる「作動化している」あるいは「作動化された」EASタグあるいはRFIDタグは、警報を発したりデータを伝達したりするように構成された、受動的なあるいはバッテリで動力供給されたタグをいう。ここで用いられる「不作動化している」あるいは「不作動化された」EASあるいはRFIDタグは、警報を発したりデータを伝達したりしない、受動的なあるいはバッテリで動力供給されたタグをいう。
【0010】
図1は、出口領域103を有する、制御された領域102、たとえば小売店、のブロック図である。複数の物品104−1、104−2、・・・104−nが制御された領域102内に配置され、各物品104−1、104−2、・・・104−nは、結合されたタグ106−1、106−2、・・・106−nを有してもよい。制御された領域はまた複数の販売時点管理(POS)ステーション108−1、108−2、・・・108−nを含んでもよく、複数の販売時点管理(POS)ステーション108−1、108−2、・・・108−nで顧客は物品104−1、104−2、・・・104−nを正当に購入してもよい。POSステーションは、たとえば購入された物品について、タグの状態を修正するように装備されてもよい。出口システム110は、出口領域近く、および/または制御された領域内の他のどこにでも備えられ、物品104−1、104−2、・・・104−nのタグ106−1、106−2、・・・106−nの存在と状態に応じて、制御された領域102からのそれらの物品の認可されていない持ち出しの制止を含めた種々の機能を実行してもよい。出口システム110は、作動化されたタグを検出するのに十分な電磁場すなわち質問区域112を提供するEASシステムを含み、関連した警報を発生してもよい。
【0011】
図2は、EAS警報を調査することができる、図1のシステムと整合したシステムの実施の形態200を示すブロック図であり、警報の原因を究明する。システム200は、RFIDシステムとEASシステムの組み合わせを用いてもよい。EASタグとRFIDタグは、物品に別々に付けられた別々のタグでもよく、あるいは、タグ106aおよび106bのように複合(組み合わされた)EAS−RFIDタグとして統合されてもよい。
【0012】
POSステーション108−1において、EAS装置202は物品に結合されたタグ106a、106bのEAS部分の作動化状態を検出し修正するのに用いられてもよい。EAS装置202は、正当に購入されまたは他の方法で持ち出しが認可された物品に結合されたタグのEAS部分を不作動化してもよい。当業者は、タグ106a、106bのEAS部分が様々な構成をとってもよいことを認識するであろう。3つの一般的なEASタグの構成は、EM(電磁気)タグ、RF(無線周波数)タグおよびAM(音響磁気)タグである。これらの3つの異なるタイプは、それぞれの検出、作動化、および不作動化システム内でのみ機能する。これらのEASタグの存在の検出および作動化状態の修正用の様々な発信機および受信機システムはよく知られており、一般市場で入手可能である。したがって、このようなタグを刺激し検出する基本的な方法は、ここでは繰り返して述べない。
【0013】
RFID読取装置204もまたPOSステーション108−1に配置されてもよい。RFID読取装置はEAS装置から分離されてもよいし、あるいはEAS装置と組み合わされ統合化EAS/RFIDシステムとされてもよい。RFID読取装置204は、既知の周波数で質問信号を発信することでタグ106a、106bのRFID部分をスキャンしてもよい。タグ106a、106bのRFID部分は、たとえば物品やRFIDタグIDに関連するデータを含む応答信号でもって質問信号に応答してもよい。RFID読取装置204は、応答信号を検出し、そのデータあるいはRFIDタグIDを解読してもよい。またRFID読取装置204は、POS処理情報を表すタグのRFID部分へ信号を伝達するように構成されてもよく、それに応じて、タグ106aあるいは106bのRFID部分は、POS処理に関する情報を保存してもよい。このPOS処理情報は、そのPOSステーション、購入日時、値引きを含んだ価格、複合EAS−RFIDタグのEAS部分が不作動化されたかを詳述する情報などを含んでもよいが、これらには限定されない。RFIDタグの存在を検出し、それらのタグの状態を修正するためのRFID読取装置204用の様々な発信機および受信機システムの構成は、よく知られており、一般市場で入手可能である。
【0014】
POSステーション108−1は、POSネットワーク206と双方向通信可能とされ、ネットワークノード、たとえば他のPOSステーション、出口システム110など、との間で種々のデータおよび/または命令を交換してもよい。ネットワーク経由で交換されるデータは、たとえば、POS処理に関するデータ、在庫情報の最新情報、価格情報などを含んでもよい。双方向通信は、いかなる既知の通信プロトコルを用いて構築されてもよい。
【0015】
出口システム110は、RFID読取装置208とEASシステム210を含んでもよい。RFID読取装置208とEASシステム210とは、別々のシステムであってもよいし、あるいは組み合わされて統合化RFID/EASシステムとされてもよい。RFID読取装置208は、物理的な位置に固定されている固定RFID読取装置であってもよい。一例では、物理的な位置は、質問区域に隣接している。あるいは、RFID読取装置は、所望の位置へ運搬できる携帯RFID読取装置、たとえば手持ち式のRFID読取装置、であってもよい。RFID読取装置208は、既に詳述したように、タグ106a、106bのRFID部分をスキャンするようにし、そこに保存された情報を読んでもよい。
【0016】
EASシステム210は、制御された領域102の出口に配置された電磁場すなわち質問区域を構築してもよい。EASシステム210は、質問区域内の作動化されたEASタグの存在を検出するであろう。EASタグが取り除かれたり不作動化されたりしておらず、かつ、質問区域内へ運び込まれると、EASシステム210により構築された電磁場によりEASタグからの応答を生ずる。受信機として作動するEASシステム210のアンテナがEASタグの応答を検出し、作動化されたマーカーが質問区域112内にあることを示してもよい。EASシステム210の結合したコントロ−ラは、適切な行動をとって警報を調査するように、この状況の表示、たとえば可聴警報を提供してもよい。
【0017】
RFID読取装置208とEASシステム210は、警報管理ユニット212と双方向通信するように構成されてもよい。警報管理ユニット212は、ユーザインターフェース214を含み、ユーザが警報管理ユニット212にデータを入力できるようにしてもよい。一つの例示的な実施の形態では、警報管理ユニット212は、本件出願の譲受人から一般市場で入手可能なウルトラリンク(Ultralink)CBC−4020であってもよい。警報管理ユニット212は、POSネットワーク206および/または会社のネットワーク216と双方向通信できるように構成されてもよい。
【0018】
操業中、時間t1において、複合EAS−RFIDタグ106a、106bは、結合された物品に取り付けられ、制御された領域102内に配置されてもよい。タグ106aおよび106bのEAS部分は、この時間では作動化された状態でもよく、タグ106aおよび106bのRFID部分は、結合された物品に関する関連データを保存してもよい。顧客は、このようなタグ106a、106bに結合された物品を購入したいと思い、そのような品目をPOSステーション108−1に運搬してもよい。
【0019】
時間t2でのPOS処理の間、タグ106aおよび106b双方のEAS部分は、EAS装置202によって不作動化されるはずである。しかし、種々の理由により、タグ106aのEAS部分が間違って不作動化されないことがある。また、POS処理の間、RFID読取装置204がタグ106aおよび106bのRFID部分へPOS処理データを伝達し、POS処理データはそのタグのRFID部分により保存されることもある。このPOS処理データは、そのPOSステーション、購入日時、購入価格、値引き等を含んでもよいが、これらには限定されない。
【0020】
時間t3において、顧客は制御された領域102の出口の質問区域112に近づくであろう。このとき、出口システムのEASシステム210は質問区域112内のタグ106aの作動化されたままのEAS部分の存在を検出するであろう。そこで、タグ106aのEAS部分が正当に購入された物品に対しPOSステーション108−1で間違って不作動化されなかったこの例の場合のように、EAS警報の発生が窃盗しようとしたことによるのか、非窃盗での警報によるのかを究明するために調査が行われるのがよい。
【0021】
好ましくは、EAS警報の発生の調査は、RFID読取装置208を用いる一例では店員の介在なしに自動的に実施されてもよく、RFID読取装置208は質問区域に隣接した位置に固定されていてもよい。この例では、EASシステム210が質問区域112内のタグ106aの作動化されたEAS部分の存在を検出した後に、RFID読取装置208が持ち出されようとしている物品をスキャンし、質問区域112内の複合EAS−RFIDタグのRFID部分を読むであろう。RFID読取装置208は、別に店員が各物品を処理することを必要とせず、かかるスキャンを行うことができる。
【0022】
そこで、RFID読取装置208は、持ち出されようとしている物品そのもの、および1つ以上のタグに保存されているPOS処理データを解明してもよい。それから、このデータは効率よく照合され、どの物品が窃盗されようとしている対象なのか、および、どの物品がPOSステーションで適正に処理されなかったのかを判定してもよい。このように、店員が顧客のレシートと持ち出されようとしている物品との手作業の比較を行う必要はない。RFID読取装置はEAS装置を装備し、POSステーションで間違って不作動化されなかったEASタグを不作動化してもよい。よって、顧客の遅れは最小化されうる。さらに、各EAS警報の発生に関するデータが、警報管理ユニット212に記録され、保存されてもよい。そのデータは、非窃盗での警報の発生源を識別するのに役立てられ、また、訂正を可能とするために、さらなる保存、分析、および/または報告用に、POSネットワーク206および/または会社のネットワーク216に伝達されてもよい。
【0023】
店員がEAS警報の発生を調査することができるように、RFID読取装置208は携帯RFID読取装置、たとえば手持ち式RFID読取装置、であってもよい。店員は、EAS警報に応じて、携帯RFID読取装置を用いて、別に各品目を処理する必要なしに、顧客により持ち出されようとしているすべての物品のRFIDタグを効率的にスキャンしてもよい。携帯RFID読取装置は、このように効率的にPOS処理データを獲得し、そのデータを、たとえばワイヤレス接続経由で警報管理ユニット212へ伝達してもよい。警報管理ユニット212は、持ち出されようとしている物品を詳述する情報と正当に購入された物品とを迅速に比較照合し、EAS警報の発生の原因を究明してもよい。このように、店員は、顧客のレシートと持ち出されようとしている物品との手作業の比較作業を行う必要はない。携帯RFID読取装置もEAS装置を備えて、POSステーションで間違って不作動化されなかったEASタグを不作動化してもよい。
【0024】
図3は、図1のシステムと整合するシステムの別の実施の形態300を説明するブロック図である。システム300では、RFIDタグ308を、POS処理と関連した顧客販売レシート310と結合する。このように図3に示す実施の形態では、個々の物品に結合されたRFIDタグを必要としない。顧客販売レシート310のRFIDタグ308は、POS処理に関する情報を保存してもよい。出口システム110のRFID読取装置208は、RFIDタグ308からPOS処理に関するデータを読むのに用いられ、そのデータを、たとえばユーザインターフェース経由で正当に購入された物品を識別するように構成された警報管理ユニットへ提供してもよい。持ち出されようとするこれらの物品は、調べられ、正当に購入された物品のリストと比較されてもよい。
【0025】
操業中、作動化されたタグ301aおよび301bは、結合された物品に取り付けられ、時間t1においてかかる物品上で作動化されたままでもよい。RFIDタグは、かかる物品に取り付けられずあるいは関連付けられなくてもよい。時間t2において、顧客が購入のために物品と物品に結合されたEASタグ301a、301bをPOSステーション108−1に運搬してもよい。POS処理が完了すると、レシート310が生成され、RFID装置304はRFIDタグ308中にPOS処理に関する情報を記録するよう操作されてもよい。POS処理情報を含むRFIDタグ308が、たとえばRFID装置によりレシートとは別に生成され、手作業でレシートに付けられてもよい。あるいは、その販売レシートが、組み込まれたRFIDタグ308と一緒に生成されてもよく、RFID装置304はRFIDタグ308にPOS処理情報を、たとえばワイヤレス接続を通じて書き込むように構成されてもよい。
【0026】
正当に購入された物品のEASタグ301aが間違って不作動化されていない場合は、EASシステム210はこの状況を検出する。そこで、レシート310のRFID部分308は出口システム110のRFID読取装置208で読まれ、この例において、タグ301aに結合された物品は正当に購入されたことを明らかにするPOS処理情報を迅速にかつ効率的に呼び戻すであろう。
【0027】
プライバシー
小売環境では物品にRFIDタグを取り付けることに関連してプライバシー保護が関心事である。RFIDタグによっては、顧客に気付かれずあるいはその同意を得ずに遠距離にあるRFID読取装置で読み取り可能な遠距離可読タグであるかもしれない。たとえば、顧客が作動化された遠距離RFIDタグとともに小売店を出たとすると、RFID読取装置は、顧客に気付かれずあるいはその同意を得ずに、顧客が所有する品目に関する情報を獲得するように操作されうる。したがって、いかなるRFIDタグもPOSステーションで恒久的に使用不能とされるのがよい。
【0028】
しかし、作動化されたRFIDタグがPOSステーションを間違って通過できるならば、本発明の実施の形態と整合する出口システムは作動化されたタグを検出するようになされるであろう。作動化されたRFIDタグが検出されると、是正手続きを取り、制御された領域からの作動化されたRFIDタグの持ち出しを防止するであろう。是正手続きにはRFIDタグの除去あるいはRFIDタグの不作動化/「抹殺」を含んでもよい。
【0029】
図4は、物品に取り付けられたRFIDタグ402a、402bを含む例示的なシステム400を説明する。出口システム110aは、検出システム411aを含み、作動化されたRFIDタグを表す条件を検出してもよい。検出システム411aは、質問区域に運び込まれたあらゆる作動化されたRFIDタグ、たとえばタグ402aを検出するようになされたRFID読取装置208を含んでもよい。作動化されたRFIDタグが検出されると、是正手続きが開始される。かかる是正手続きは、店員が適切な手続き、たとえば正当に購入された品目の作動化されたRFIDタグを使用不可能とすること、を行えるように警報を鳴らすことを含んでもよい。RFIDタグ読取装置208はまた、作動化されたRFIDタグ402aを自動的に不作動化するようになされてもよい。出口システム110aはまた、作動化されたRFIDタグにより引き起こされたRFID警報の発生と関連するデータを収集するようになされてもよく、よって作動化されたRFIDタグの不慮の原因を特定し解決に当たることができる。そのデータは、RFIDタグの不作動化についての度重なる不具合に関連する特定のレジを識別するデータ、内部の窃盗/共謀の潜在的発生源を識別するデータ、および/または特定のRFID読取装置の機械が正常に作動せず、よってメンテナンスが必要かもしれないことを示すデータを含んでもよい。
【0030】
図5は、本発明に含まれる別の例示的なシステム500を説明し、複合EAS−RFIDタグ502a、502bが、作動化されたRFIDタグを表す条件を検出可能な検出システム411bを有する出口システム110bとともに用いられる。検出システム411bは、RFID読取装置208とEASシステム210を含む。信頼性の最も高いEASシステム210のEASタグを正確に検出する能力は、RFID読取装置208の作動化されたRFIDタグを正確に検出する能力より相当に優れている。都合のよいことに、RFID読取装置208が誤って作動化されたRFIDタグを検出しなくても、EASシステム210が作動化されたEASタグ、たとえばタグ502aを検出しうる。作動化されたEASタグ502aは、タグ502aのRFID部分もまた作動化されていて、是正手続きが始められてもよいことを示してもよい。このように、EASシステム210は、作動化された遠距離RFIDタグが質問区域内にあるか否かを判定するのにRFID読取装置208と若干重複する。出口システム110bは、作動化されたRFIDタグにより引き起こされたRFID警報の発生に関連するデータを収集するようになされてもよく、よって質問区域内での作動化されたRFIDタグの不慮の存在を識別し、解決に当たることができる。
【0031】
図6は、複合EAS−RFIDタグ502a、502bと、作動化されたRFIDタグを表す条件を検出可能な検出システム411cを有する出口システム110cとを用いるさらに別のシステム600を説明する。検出システム411cは、作動化されたEASタグを検出するEASシステム210だけを含んでもよく、質問区域内の作動化されたEASタグは質問区域内の作動化されたRFIDタグをも示すものと仮定している。
【0032】
出口システム110cでは、作動化されたRFIDタグを表す条件を検出するのに、EASシステムの使用が可能である。複合EAS−RFIDタグに対しては、出口システム110cは、複合EAS−RFIDタグ、たとえばタグ502aの作動化されたEAS部分があるときはそのタグのRFID部分もまた作動化されているとの仮定のもとに動作するものである。この仮定は、全ての例で正確であることを立証できないかもしれない。しかし、出口システム110cは、使用するEASシステム資源を用いて、作動化されたRFIDタグを表すと想定される条件を検出する低価格のシステムを提供する。
【0033】
図7は、本発明の一実施の形態と整合する工程のフローチャート700である。工程702は、質問区域内の作動化されたEASタグを検出する。工程704は、質問区域内の作動化されたEASタグの検出に応じて少なくとも1つのRFIDタグを読み、質問区域内の作動化されたEASタグの原因を調査する。
【0034】
図8は、本発明に含まれる別の実施の形態と整合する工程のフローチャート800である。工程802は、制御された領域の出口で作動化されたRFIDタグを表す条件を検出する。工程804は、制御された領域からの作動化されたRFIDタグの持ち出しを防止する是正手続きを行う。
【0035】
要約すれば、本発明の多くの局面に整合する出口システムは、EASシステムとRFID読取装置とを含んでもよい。EASシステムは、制御された領域の出口に質問区域を構築するように、また、作動化されたEASタグが質問区域内にあるかを検出するようになされてもよい。RFID読取装置は、EASシステムが質問区域内の作動化されたEASタグを検出していることに応じて少なくとも1つのRFIDタグを読むようになされ、質問区域内の作動化されたEASタグの原因の調査を容易にしてもよい。本発明の他の局面によれば、制御された領域の出口における作動化されたRFIDタグを表す条件を検出するようになされた検出システムを含む出口システムが提供される。
【0036】
好ましくは、EAS警報の原因の調査は、質問区域内の作動化されたEASタグの検出に応じて少なくとも1つのRFIDタグを読むことにより効率化されうる。RFID読取装置がある位置に固定され、RFIDタグが物品に取り付けられているときは、EAS警報の原因は、人手の介在なしに自動的に調査されてもよい。RFID読取装置は、個々の物品を別に処理する必要なく、持ち出されようとしている物品をスキャンしてもよい。このことにより、EAS警報の発生の効率的で正確な調査が可能となり、EAS警報の発生がすべて調査されることを確かにする。出口システムはまた、EAS警報の発生の効率的な報告や分析を確かにするのに用いられてもよい。
【0037】
携帯RFID読取装置が用いられるならば、人手の介在が許されてもよい。しかし、携帯RFID読取装置は、店員にレシートと持ち出されようとしている物品との手作業による比較を行わせることなく、持ち出されようとする物品と持ち出しが認可された物品との正確で効率のよい照合を可能とする固定されたRFID読取装置と類似の機能を果たしてもよい。制御された領域の出口で作動化されたRFIDタグを表す条件を検出し、その後に制御された領域からの作動化されたRFIDタグの持ち出しを防止する是正手続きをとることによって、プライバシーの問題を解決するセキュリティが提供されてもよい。
【0038】
ここで使用される用語と言い回しとは、限定的ではなく、説明用の表現として用いられており、その用語と言い回しの使用において、表示され、記述された特徴(あるいはその部分)のいかなる均等物をも除外する意図はなく、また、請求項の範囲内で種々の修正が可能であることが認識されている。他の修正、改変および代替もまた可能である。したがって、特許請求の範囲はこれらの均等物の全てに及ぶことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、一実施の形態と整合する販売時点管理ステーションと出口システムを含む制御された領域のブロック図である。
【図2】図2は、物品に付けられたRFIDタグを含む、図1の制御された領域内で用いられる販売時点管理ステーションと出口システムのより詳細なブロック図である。
【図3】図3は、販売レシートに付けられたRFIDタグを含む、図1の制御された領域内で用いられる販売時点管理ステーションと出口システムのより詳細な別のブロック図である。
【図4】図4は、制御された領域の出口での作動化されたRFIDタグを表す条件を検出する1つのシステムの実施の形態である。
【図5】図5は、制御された領域の出口での作動化されたRFIDタグを表す条件を検出する別のシステムの実施の形態である。
【図6】図6は、制御された領域の出口での作動化されたRFIDタグを表す条件を検出するさらに別のシステムの実施の形態である。
【図7】図7は、一実施の形態に従った工程を図示するフローチャートである。
【図8】図8は、別の実施の形態に従った工程を図示するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質問区域内の作動化されたEASタグを検出する工程と;
前記質問区域内の前記作動化されたEASタグの原因を調査するのに、前記質問区域内の前記作動化されたEASタグの前記検出に応じて少なくとも1つのRFIDタグを読む工程とを備える;
方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのRFIDタグが物品に取り付けられ、前記読む工程が、前記物品が正当に購入されたかを示す販売処理情報を読むことを含む、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記読む工程が、前記質問区域内の前記作動化されたEASタグの前記検出に応じて、前記物品に取り付けられた前記少なくとも1つのRFIDタグを自動的に読むようになされたRFID読取装置によって行われる、
請求項2の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのRFIDタグは、少なくとも1つの物品に対する販売時点管理処理に関連する販売レシートに取り付けられ、前記読む工程が、前記販売時点管理処理に関連する販売処理情報を読むことを含む、
請求項1の方法。
【請求項5】
前記販売処理情報が、前記少なくとも1つの物品が正当に購入されたかを示し、
前記方法が、物品が正当に購入されたかを判定するために前記販売処理情報と制御された領域から物理的に持ち出されようとしている前記物品とを比較する工程をさらに備える、
請求項4の方法。
【請求項6】
質問区域を構築し、前記質問区域内の作動化されたEASタグを検出するようになされたEASシステムと;
前期質問区域内の前記作動化されたEASタグの原因を調査するのに、前記EASシステムが前記質問区域内の前記作動化されたEASタグを検出していることに応じて、少なくとも1つのRFIDタグを読むようになされたRFID読取装置とを備える;
システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのRFIDタグが物品に取り付けられ、
前記RFID読取装置が、前記物品が正当に購入されたかを示す前記少なくとも1つのRFIDタグから販売処理情報を読むようになされた、
請求項6のシステム。
【請求項8】
前記RFID読取装置が、前記EASシステムが前記質問区域内の前記作動化されたEASタグを検出していることに応じて、前記物品に取り付けられた前記少なくとも1つのRFIDタグを自動的に読むようになされた、
請求項7のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのRFIDタグは、少なくとも1つの物品に対する販売時点管理処理に関連する販売レシートに取り付けられ、前記RFID読取装置が、前記販売時点管理処理に関連する前記少なくとも1つのRFIDタグから販売処理情報を読むようになされた、
請求項6のシステム。
【請求項10】
制御された領域内の作動化されたRFIDタグを表す条件を、前記RFIDタグに関連付けられた品目の購入後に、検出する工程と;
前記制御された領域からの前記作動化されたRFIDタグの持ち出しを防止する是正手続きをとる工程とを備える;
方法。
【請求項11】
前記是正手続きが、前記RFIDタグを不作動化することを含む、
請求項10の方法。
【請求項12】
前記条件が、作動化されたRFIDタグであり、
前記検出する工程が、RFID読取装置で前記作動化されたRFIDタグを検出することを含む、
請求項10の方法。
【請求項13】
前記条件が、作動化されたEASタグを含み、
前記検出する工程が、前記作動化されたEASタグを検出することを含む、
請求項10の方法。
【請求項14】
前記条件が、複合EAS−RFIDタグに提供される作動化されたRFIDタグか作動化されたEASタグの少なくとも1つを含み、
前記検出するステップが、前記作動化されたRFIDタグか前記作動化されたEASタグの少なくとも1つを検出することを含む、
請求項10の方法。
【請求項15】
制御された領域の出口で作動化されたRFIDタグを表す条件を検出するようになされた検出システムを備える;
システム。
【請求項16】
前記検出システムが、さらに前記作動化されたRFIDタグを不作動化するようになされ、前記作動化されたRFIDタグが前記制御された領域から持ち出されることを防止する、
請求項15のシステム。
【請求項17】
前記条件が、作動化されたRFIDタグであり、
前記検出システムが、前記作動化されたRFIDタグを検出するRFID読取装置を含む、
請求項15のシステム。
【請求項18】
前記条件が、作動化されたEASタグを含み、
前記検出システムが、前記作動化されたEASタグを検出するEASシステムを含む、
請求項15のシステム。
【請求項19】
前記条件が、複合EAS−RFIDタグに提供される作動化されたRFIDタグか作動化されたEASタグの少なくとも1つを含み、
前記検出システムが、前記作動化されたRFIDタグを検出するRFID読取装置か、前記作動化されたEASタグを検出するEASシステムの少なくとも1つを含む、
請求項15のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−530691(P2008−530691A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555229(P2007−555229)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/004665
【国際公開番号】WO2006/086601
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(592192642)センサーマティック・エレクトロニクス・コーポレーション (92)
【氏名又は名称原語表記】SENSORMATIC ELECTORONICS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6600 Congress Avenue,Boca Raton,Florida 33487,United State of America
【Fターム(参考)】