説明

USBコネクタ保持具

【課題】USBポートに接続した状態での安定性が向上し、USBコネクタの接続不良や脱落を防止することが可能である。
【解決手段】パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具であり、USBコネクタに装着される取付部材と、取付部材に回転可能に保持される線材で形成された保持部材を有し、保持部材は、一端に形成された係止部と、他端に形成された係止部を回転する摘み部とを有し、USBコネクタ保持具の係止部をUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入し、摘み部による回転によりUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入された状態でUSBポートとUSBコネクタに圧接又は鉤止して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
USBデバイスは、USBを用いてパーソナルコンピュータ等の電子機器に接続してデータの読み書きを行う外部補助装置であり、USBコネクタを介して本体に接続する形状のものである。
【0003】
代表的なUSBデバイスであるUSBメモリは、プラグ・アンド・プレイが可能なストレージデバイスとしてUSBポートを有するパーソナルコンピュータ等の電子機器に広く用いられている。特に、コネクタケーブルを持たないスティックタイプと称されるものが多く用いられている。この種のUSBメモリは、通常、筐体内部にフラッシュメモリとUSBコントローラとを有して構成されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−191748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
USBデバイスは、パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに接続した状態では、そのコネクタが電子機器から外方へ突出しており、装着時の安定性が悪く、操作者が触れたり、電子機器を動かすことがあるとUSBコネクタがぐらつき接続不良を生じたり、脱落することがあった。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、USBポートに接続した状態での安定性が向上し、USBコネクタの接続不良や脱落を防止することが可能なUSBコネクタ保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具であり、前記USBコネクタに装着される取付部材と、前記取付部材に回転可能に保持される線材で形成された保持部材を有し、前記保持部材は、一端に形成された係止部と、他端に形成された前記係止部を回転する摘み部とを有し、前記係止部は、前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入可能であり、前記摘み部を把持して前記係止部を前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入された状態で回転させ、前記USBポートに前記USBコネクタを圧接して固定することを特徴とするUSBコネクタ保持具である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具であり、前記USBコネクタに装着される取付部材と、前記取付部材に回転可能に保持される線材で形成された保持部材を有し、前記保持部材は、一端に形成された係止部と、他端に形成された前記係止部を回転する摘み部とを有し、前記係止部は、前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入可能であり、前記摘み部の操作により前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入した前記係止部を回転させて前記USBポートと前記USBコネクタを鉤止して固定することを特徴とするUSBコネクタ保持具である。
【発明の効果】
【0010】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0011】
この発明では、USBコネクタ保持具の係止部をUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入し、摘み部による回転によりUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入された状態でUSBポートとUSBコネクタに圧接又は鉤止して固定することで、USBコネクタの装着時の安定性が向上し、操作者が触れたり、電子機器を動かすことがあってUSBコネクタがぐらつくことがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態のUSBコネクタ保持具の説明図である。
【図2】取付部材の斜視図である。
【図3】保持部材の説明図である。
【図4】USBコネクタ保持具の使用を説明する図である。
【図5】第2の実施の形態のUSBコネクタ保持具の説明図である。
【図6】保持部材の説明図である。
【図7】USBコネクタ保持具の使用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明のUSBコネクタ保持具の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0014】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態のUSBコネクタ保持具を、図1乃至図4に示し、図1はUSBコネクタ保持具の説明図、図2は取付部材の斜視図、図3は保持部材の説明図、図4はUSBコネクタ保持具の使用を説明する図である。
【0015】
このUSBコネクタ保持具10は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続するUSBコネクタ100を保持するものであり、USBコネクタ100に装着される取付部材20と、取付部材20に回転可能に保持される線材で形成された保持部材30を有する。
【0016】
取付部材20は、例えば樹脂などで環状に形成され、USBコネクタ100のコネクタ101に装着される。この取付部材20にはコネクタ挿入孔21が形成され、コネクタ挿入孔21の内壁には、挿入方向に凹み部22が形成され、この凹み部22に保持部材30が回転可能に保持される。
【0017】
保持部材30は、鋼材で形成された針金状であり、剛性を有しており、使用するときに変形しない構造であり、部材本体31の一端に形成された係止部32と、他端に形成された係止部32を回転する摘み部33とを有する。部材本体31は、取付部材20の凹み部22に保持可能な径と、長さに形成され、回転可能である。
【0018】
係止部32は、プレス加工により板状に形成され、広幅の部分32aと、細幅の部分32bと、を有する。広幅の部分32aの幅がL1であり、細幅の部分32bの幅がL2である。
【0019】
この係止部32は、USBポートとUSBコネクタとの隙間に広幅の部分32aを対面させて挿入可能であり、摘み部33による回転によりUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入された状態でUSBポートとUSBコネクタに細幅の部分32bを圧接して固定する。
【0020】
細幅の部分32bの幅L2は、USBポートとUSBコネクタとの隙間よりやや小さくUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入可能な大きさに形成されている。また、広幅の部分32aの幅L1は、USBポートとUSBコネクタとの隙間よりやや大きくUSBポートとUSBコネクタに細幅の部分32bを圧接して固定することが可能な大きさに形成されている。
【0021】
摘み部33は、部材本体31を曲げ加工により形成され、摘み部33は容易に摘むことが可能な形状である。
【0022】
このUSBコネクタ保持具10の使用を説明すると、図1に示すように、取付部材20の凹み部22に、保持部材30の部材本体31を保持した状態とし、この状態でUSBコネクタ100のコネクタ101に装着する。
【0023】
PC1は、USBコネクタ100が接続されるUSBポート3を備え、このUSBポート3のコネクタ2に、USBコネクタ100のコネクタ101を接続すると、PC1等のホスト側の機器とデータ通信を行える。このUSBポート3には押えバネ(図示せず)を設けて、USBコネクタ100のコネクタ101を押さえるようになっているが、このUSBポート3には押えバネ(図示せず)を設けることによって生じる開口部がない形式のものである。
【0024】
このUSBコネクタ保持具10は、USBポート3に押えバネ(図示せず)を設けることによって生じる開口部がない形式のものに対応しており、USBコネクタ100を接続することで、USBコネクタ保持具10は、図4(a)に示すように、係止部32がUSBポート3とUSBコネクタ100のコネクタ101との隙間に広幅の部分32aを対面させて挿入される。
【0025】
そして、摘み部33を摘み、図4(b)に示すように、回転するとUSBポート3とUSBコネクタ100のコネクタ101との隙間に挿入された状態で係止部32が回転し、USBポート3とUSBコネクタ100のコネクタ101に細幅の部分32bを圧接して固定する。
【0026】
このように、USBコネクタ保持具10は、係止部32によってUSBポート3とUSBコネクタ100のコネクタ101に圧接して固定することができ、USBコネクタ100の装着時の安定性が向上し、操作者がUSBコネクタ100に触れたり、電子機器を動かすことがあってもUSBコネクタ100がぐらつくことがない。したがって、USBコネクタ100がぐらつきや緩みが原因による接続不良や脱落を防止することができる。
【0027】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態のUSBコネクタ保持具を、図5乃至図7に示し、図5はUSBコネクタ保持具の説明図、図6は保持部材の説明図、図7はUSBコネクタ保持具の使用を説明する図である。この第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同じ構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0028】
このUSBコネクタ保持具10は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続するUSBコネクタ100を保持するものであり、USBコネクタ100に装着される取付部材20と、取付部材20に回転可能に保持される線材で形成された保持部材40を有する。取付部材20は、第1の実施の形態と同様に構成され、凹み部22に保持部材40が回転可能に保持される。
【0029】
保持部材40は、鋼材で形成された針金状であり、剛性を有しており、使用するときに変形しない構造であり、部材本体41の一端に形成された係止部42と、他端に形成された係止部42を回転する摘み部43とを有する。部材本体31は、取付部材20の凹み部22に保持可能な径と、長さに形成され、回転可能である。
【0030】
係止部42は、部材本体41の先端を屈曲加工により鍵状とし、プレス加工により板状に形成され、曲げ部42aから直角に伸び、先端部42bと曲げ部42aとの距離がL3であり、幅がL4である。
【0031】
この係止部42は、USBポートとUSBコネクタとの隙間に先端部42bと曲げ部42aが沿うようにして挿入可能であり、摘み部43による回転によりUSBポートとUSBコネクタとの隙間に挿入された状態でUSBポートとUSBコネクタに先端部42bと曲げ部42aを鉤止して固定する。
【0032】
係止部22の先端部42bと曲げ部42aとの距離L3は、USBポートとUSBコネクタとの隙間よりやや大きくUSBポートとUSBコネクタに先端部42bと曲げ部42aとを鉤止して固定することが可能な大きさに形成されている。
【0033】
摘み部43は、部材本体41の後端を曲げ加工により形成され、わずかな力で回転可能な長さで、容易に摘むことが可能な形状である。
【0034】
このUSBコネクタ保持具10の使用を説明すると、図5に示すように、取付部材20の凹み部22に、保持部材40の部材本体41を保持した状態とし、この状態でUSBコネクタ100のコネクタ101に装着する。
【0035】
USBポート3のコネクタ2に、USBコネクタ100のコネクタ101を接続すると、PC1等のホスト側の機器とデータ通信を行える。このUSBポート3には押えバネ(図示せず)を設けて、USBコネクタ100のコネクタ101を押さえるようになっており、このUSBポート3には押えバネ(図示せず)を設けることによって開口部3aが生じる形式のものである。
【0036】
このUSBコネクタ保持具10は、USBポート3に押えバネ(図示せず)を設けることによって開口部が生じる形式のものに対応しており、USBコネクタ100を接続することで、USBコネクタ保持具10は、図7(a)に示すように、係止部42をUSBポート3とコネクタ2との隙間に先端部42bと曲げ部42aが沿うようにして挿入される。
【0037】
そして、摘み部43を摘み、回転するとUSBポート3とUSBコネクタ5との隙間に挿入された状態で、係止部42が回転してUSBポート3とUSBコネクタ100のコネクタ101に先端部42bと曲げ部42aとが鉤止して固定する。
【0038】
このように、USBコネクタ保持具10は、係止部42によってUSBポート3とUSBコネクタ100のコネクタ101に鉤止して固定することで、USBコネクタ100の装着時の安定性が向上し、操作者がUSBコネクタ100に触れたり、電子機器を動かすことがあってUSBコネクタ100がぐらつくことがない。したがって、USBコネクタ100がぐらつきや緩みが原因による接続不良や脱落を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具に適用可能であり、USBポートに接続した状態での安定性が向上し、USBコネクタの接続不良や脱落を防止することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 USBコネクタ保持具
30,40 保持部材
31,41 部材本体
32,42 係止部
33,43 摘み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具であり、
前記USBコネクタに装着される取付部材と、
前記取付部材に回転可能に保持される線材で形成された保持部材を有し、
前記保持部材は、一端に形成された係止部と、他端に形成された前記係止部を回転する摘み部とを有し、
前記係止部は、前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入可能であり、
前記摘み部を把持して前記係止部を前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入された状態で回転させ、前記USBポートに前記USBコネクタを圧接して固定することを特徴とするUSBコネクタ保持具。
【請求項2】
パーソナルコンピュータ等の電子機器に備えられるUSBポートに着脱自在に接続したUSBコネクタを保持するUSBコネクタ保持具であり、
前記USBコネクタに装着される取付部材と、
前記取付部材に回転可能に保持される線材で形成された保持部材を有し、
前記保持部材は、一端に形成された係止部と、他端に形成された前記係止部を回転する摘み部とを有し、
前記係止部は、前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入可能であり、
前記摘み部の操作により前記USBポートと前記USBコネクタとの隙間に挿入した前記係止部を回転させて前記USBポートと前記USBコネクタを鉤止して固定することを特徴とするUSBコネクタ保持具。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−195246(P2012−195246A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59998(P2011−59998)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【特許番号】特許第4803688号(P4803688)
【特許公報発行日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(594173902)マイクロメーション株式会社 (10)
【Fターム(参考)】