説明

Vベルト式無段変速装置

【課題】装置の仕様変更時における変更部品の数が少なく,変更コストを低く抑えることができる構造簡単なVベルト式無段変速装置を提供する。
【解決手段】可動プーリ半体17にベアリング21を介して相対回動自在且つ軸方向相対移動不能に連結されるシフト部材20と,電動モータ24の出力によりシフト部材20を軸方向に作動するシフト制御機構26とを備えるVベルト式無段変速装置において,シフト部材20を,ベアリング21を介して可動プーリ半体17に連結されるハブ20aと,このハブ20aに一体的に形成されて半径方向に延びるアーム20bとで構成する一方,シフト制御機構26を,入力軸4の一側方でミッションケース2に回転自在に支持されて電動モータ24の出力で回転駆動されるねじ軸27と,このねじ軸27に螺合する雌ねじ部材28とで構成し,この雌ねじ部材28とアーム20bとを相互に連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,入力軸に固定される固定プーリ半体と,入力軸に軸方向移動可能に支持されて固定プーリ半体との間にVベルト溝を画成する可動プーリ半体とで駆動プーリを構成し,可動プーリ半体にベアリングを介して相対回動自在且つ軸方向相対移動不能に連結されるシフト部材と,ミッションケースに取り付けられる電動モータと,この電動モータの出力により前記シフト部材を軸方向に作動するシフト制御機構とを備え,可動プーリ半体の軸方向移動により前記Vベルト溝の有効径を変化させるようにしたVベルト式無段変速装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝるVベルト式無段変速装置は,例えば特許文献1に開示されるように,既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−79691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のかゝるVベルト式無段変速装置では,シフト部材の外周に雄ねじを形成すると共に,このシフト部材をミッションケースに軸方向移動可能且つ回転不能に連結し,前記雄ねじに螺合する雌ねじ部材を入力軸に回転自在且つ軸方向移動不能に支持することでシフト制御機構を構成し,前記雌ねじ部材を電動モータの出力により回転駆動することにより,シフト部材を可動プーリ半体と共に軸方向に移動させるようにしている。
【0005】
こうした従来装置では,その仕様の変更時,シフト部材の大きさが変更されると,それに伴ない雌ねじ部材の大きさの変更も余儀なくされるので,変更部品の数が多く,仕様変更コストが高くつく欠点がある。また入力軸の周囲で雌ねじ部材と螺合するシフト部材には,その軸方向移動を可能にしながら回転を拘束する特別な周り止め手段を設ける必要があり,構造が複雑である。
【0006】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,装置の仕様変更時における変更部品の数が少なく,変更コストを低く抑えることができ,しかも特別な周り止め手段を設けることなくシフト部材の回転を拘束し得る構造簡単な前記Vベルト式無段変速装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために,本発明は,入力軸に固定される固定プーリ半体と,入力軸に軸方向移動可能に支持されて固定プーリ半体との間にVベルト溝を画成する可動プーリ半体とで駆動プーリを構成し,可動プーリ半体にベアリングを介して相対回動自在且つ軸方向相対移動不能に連結されるシフト部材と,ミッションケースに取り付けられる電動モータと,この電動モータの出力により前記シフト部材を軸方向に作動するシフト制御機構とを備え,可動プーリ半体の軸方向移動により前記Vベルト溝の有効径を変化させるようにしたVベルト式無段変速装置において,前記シフト部材を,前記ベアリングを介して可動プーリ半体に連結されるハブと,このハブに一体的に形成されて半径方向に延びるアームとで構成する一方,前記シフト制御機構を,入力軸の一側方でミッションケースに回転自在に支持されて前記電動モータの出力で回転駆動されるねじ軸と,このねじ軸に螺合する雌ねじ部材とで構成し,この雌ねじ部材と前記アームとを相互に連結したことを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,可動プーリ半体に,入力軸に嵌合して支持されるハブ軸を形成し,このハブ軸に前記シフト部材のハブを,軸方向に並ぶ一対のベアリングを介して軸方向相対移動不能に支承したことを第2の特徴とする。尚,前記一対のベアリングは,後述する本発明の実施形態中の一対のボールベアリング21,21に対応する。
【0009】
また本発明は,第1又は2の特徴に加えて,前記雌ねじ部材と前記アームとを,一部品として一体に形成したことを第3の特徴とする。
【0010】
さらに本発明は,第1又は2の特徴に加えて,前記雌ねじ部材の外周面にその一直径線に沿って一対の耳軸を突設する一方,前記アームに前記雌ねじ部材の半周を囲むフォークを形成すると共に,このフォークの両端に,前記耳軸と相対回転及び摺動可能に係合する一対のU字状の連結溝を設けたことを第4の特徴とする。
【0011】
さらにまた本発明は,第1〜第4の特徴の何れかに加えて,前記Vベルト溝の有効径を減少させる前記シフト部材のロー方向への移動限界を規制する第1ストッパ手段と,前記Vベルト溝の有効径を増加させる前記シフト部材のトップ方向へ移動限界を規制する第2ストッパ手段とを備えることを第5の特徴とする。
【0012】
さらにまた本発明は,第5の特徴に加えて,前記第1ストッパ手段を,前記ねじ軸に固設される部材と前記雌ねじ部材との対向面の一方に形成されるストッパ面と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材がロー方向への移動限界に達したとき前記ストッパ面に当接するストッパ突起とで構成したことを第6の特徴とする。尚,上記部材は,後述する本発明の実施形態中の大径ギヤ30に対応する。
【0013】
さらにまた本発明は,第5の特徴に加えて,前記第1ストッパ手段を,前記シフト部材とミッションケースとの対向面の一方に形成されるストッパ面と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材がロー方向への移動限界に達したとき前記ストッパ面に当接するストッパ突起とで構成したことを第7の特徴とする。
【0014】
さらにまた本発明は,第5の特徴に加えて,前記第1ストッパ手段を,入力軸に回転自在且つ軸方向移動不能に支持されるストッパ部材と前記シフト部材との対向面の一方に形成されるストッパ面と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材がロー方向への移動限界に達したとき前記ストッパ面に当接するストッパ突起とで構成したことを第8の特徴とする。
【0015】
さらにまた本発明は,第5の特徴に加えて,前記第2ストッパ手段を,ミッションケースの内面に支持されるストッパ板と前記雌ねじ部材との対向面の一方に形成されるストッパ面と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材がトップ方向への移動限界に達したとき前記ストッパ面に当接するストッパ突起とで構成したことを第9の特徴とする。
【0016】
さらにまた本発明は,第1〜第9の特徴に加えて,前記雌ねじ部材の一端と前記ねじ軸の一端部との間に,該ねじ軸の雄ねじ部を覆う第1ブーツを,また前記雌ねじ部材の他端と前記ねじ軸の他端部との間に,該ねじ軸の雄ねじ部を覆う第2ブーツをそれぞれ設けたことを第10の特徴とする。
【0017】
さらにまた本発明は,第10の特徴に加えて,前記雌ねじ部材に,前記第1及び第2ブーツ内を相互に連通する連通孔を設けたことを第11の特徴とする。
【0018】
さらにまた本発明は,第11の特徴に加えて,前記雌ねじ部材に,前記連通孔を該雌ねじ部材の外側に開放するブリーザ孔を設けたことを第12の特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の特徴によれば,可動プーリ半体に相対回転自在に支持されるシフト部材は,雌ねじ部材を介してねじ軸により入力軸周りの回動を阻止され,また雌ねじ部材は,シフト部材を介してハブ軸によりねじ軸周りの回動を阻止されるので,シフト部材及び雌ねじ部材は,特別な回り止め手段を講じることなく,軸方向のみ動きが可能となり,簡単な構造によりシフト部材にシフト動作を与えることができる。
【0020】
しかも,変速装置の仕様変更により,例えば可動プーリ半体の大きさを変更する場合には,その変更に応じてシフト部材のハブの大きさを変更するだけで,雌ねじ部材を含むシフト制御機構には変更を加える必要はないので,仕様変更コストを低く抑えることができる。
【0021】
本発明の第2の特徴によれば,シフト部材のハブは,左右一対のボールベアリングを介して可動プーリ半体のハブ軸に支持され,その支持スパンを長く確保しているので,アームの先端に雌ねじ部材の軸方向の駆動力が作用しても,シフト部材が傾くことなく可動プーリ半体にシフト力を効率よく伝達することができる。
【0022】
本発明の第3の特徴によれば,雌ねじ部材とシフト部材との一体化により,部品点数の減少により,構造の簡素化を一層図ることができる。
【0023】
本発明の第4の特徴によれば,ねじ軸及び入力軸の軸間距離精度や平行精度に多少の狂いがあっても,その平行精度の狂いは,耳軸周りにおける雌ねじ部材とシフト部材との相対回動により吸収され,また軸間距離精度の狂いは,耳軸とシフト部材のU字状連結溝との相対摺動により吸収されるので,各部の加工が容易になり,上記狂いに伴なう雌ねじ部材及びシフト部材の作動の不具合を回避することができる。
【0024】
本発明の第5の特徴によれば,何かの故障により電動モータが過回転した場合には,シフト部材のロー方向への移動限界が第1ストッパ手段により,トップ方向への移動限界は第2ストッパ手段によりそれぞれ機械的に規制されることになり,シフト部材の過度のシフト動作を抑制することができる。
【0025】
本発明の第6の特徴によれば,シフト部材のロー方向への移動限界を簡単,確実に規制することができる。
【0026】
本発明の第7の特徴によっても,シフト部材のロー方向への移動限界を簡単,確実に規制することができる。
【0027】
本発明の第8の特徴によっても,シフト部材のロー方向への移動限界を簡単,確実に規制することができる。しかも第1ストッパ手段を設ける際,大型のミッションケースを変更せずに済む。
【0028】
本発明の第9の特徴によれば,シフト部材のトップ方向への移動限界を簡単,確実に規制することができる。
【0029】
本発明の第10の特徴によれば,ミッションケース内でVベルトの摩耗粉等の塵埃が浮遊することがあっても,第1及び第2ブーツによりその塵埃の雄ねじ部への付着を防ぎ,雄ねじ部及び雌ねじ部材の螺合状態を長期にわたり良好にすることができる。
【0030】
本発明の第11の特徴によれば,ねじ軸の回転により雌ねじ部材が軸方向に移動する際,一方のブーツは収縮してその体積を減少させ,他方のブーツは伸長してその体積を増加させるが,それらの体積変化に応じて両ブーツ内部間で雌ねじ部材の連通孔を通して空気の流通が生じ,両ブーツに無用な負荷が作用することを防ぎ,その耐久性を確保することができる。
【0031】
本発明の第12の特徴によれば,第1及び第2ブーツは,何れも連通孔及びブリーザ孔を通してミッションケース内の空気を呼吸することが可能となり,したがって,ミッションケース内が温度変化に拘らず,第1及び第2ブーツ内を常にミッションケース内と同圧力に保つことができ,したがって両ブーツに無用な負荷が作用することを防ぎ,その耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動二輪車用Vベルト式無段変速装置の縦断平面図。
【図2】図1の2部拡大図。
【図3】本発明の第2実施形態を示す,図2との対応図。
【図4】本発明の第3実施形態を示す,図2との対応図。
【図5】図4の5−5線拡大断面図。
【図6】本発明の第4実施形態を示す,図2との対応図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
【0034】
先ず,図1及び図2に示す本発明の第1実施形態の接触より始める。
【0035】
図1において,自動二輪車に搭載されるエンジンEのクランクケース1の一側にミッションケース2が連設される。このミッションケース2は,クランクケース1の外側壁に一体に形成される内側ケース2aと,この内側ケース2aにボルト結合される外側ケース2bとよりなっており,このミッションケース2内の前部に,クランクケース1に支承されるクランク軸3の出力端部である入力軸4が,またその後部には入力軸4に平行な出力軸5がそれぞれ配置され,これら入力軸4及び出力軸5間をVベルト式無段変速装置6が連結する。
【0036】
出力軸5は,内側ケース2aに左右一対のボールベアリング7,7′を介して支承される。さらにミッションケース2の後部には,出力軸5に平行な後車軸8が左右一対のボールベアリング9,9′を介して支承され,これら出力軸5及び後車軸8間を減速ギヤ装置10が連結する。内側ケース2aから外側方に突出する後車軸8の外端部には後輪11が装着される。
【0037】
Vベルト式無段変速装置6は,入力軸4に取り付けられる駆動プーリ12と,出力軸5に取り付けられる従動プーリ13と,これら入力及び出力軸4,5に巻き掛けられるVベルト14とを備える。
【0038】
図2に示すように,上記駆動プーリ12は,入力軸4にスプライン嵌合すると共にナット15により固定される固定プーリ半体16と,入力軸4の外周にスプライン嵌合して固定される筒軸18に軸方向摺動可能に支承される可動プーリ半体17とより構成され,これら固定及び可動プーリ半体16,17の対向面間に,Vベルト14が摩擦係合する断面V字状のベルト溝19が画成される。
【0039】
可動プーリ半体17は,その中心部から外側方に突出するハブ軸17aを一体に有していて,このハブ軸17aが筒軸18に摺動自在にスプライン嵌合され,そのハブ軸17aにシフト部材20が相対回転自在且つ軸方向相対移動不能に連結される。
【0040】
即ち,シフト部材20は,ハブ軸17aを囲繞するハブ20aと,このハブ20aに一体に形成されてその外周面から半径方向外向きに延出するアーム20bとよりなっており,そのハブ20aの内周面には,軸方向に間隔をおいて並ぶ一対のボールベアリング21,21のアウタレースが圧入され,それらのインナレースは,前記ハブ軸17aに嵌合されると共に,ハブ軸17a上の環状段部22と止環23とでハブ軸17a上での軸方向移動が阻止される。
【0041】
一方,前記外側ケース2bの外側面には,電動モータ24がそのロータ軸24aを入力軸4と平行にして取り付けられ,そのロータ軸24aと前記シフト部材20との間に,ロータ軸24aの回転を減速して取り出す減速ギヤ列25と,この減速ギヤ列25の出力により前記シフト部材20を軸方向に作動するシフト制御機構26とが配設される。
【0042】
図2に示すように,シフト制御機構26は,入力軸4の一側方にそれと平行に配設されるねじ軸27と,このねじ軸27の中間部に形成される雄ねじ部27aに螺合する雌ねじ部材28とよりなっており,その雌ねじ部材28は,前記シフト部材20のアーム20bの先端部に一体に連結される。即ち,シフト部材20及び雌ねじ部材28は,鋳造又は鍛造により一部品として一体に形成される。雄ねじ部27a及び雌ねじ部材28の螺合部にはグリースが塗布される。
【0043】
ねじ軸27の両端部は,ミッションケース2の内側及び外側ケース2a,2bにボールベアリング29及びニードルベアリング29′を介して支承され,このねじ軸27の,内側ケース2aに隣接する部分に大径ギヤ30が連結ピン31を介して固着され,この大径ギヤ30に,前記ロータ軸24aの先端部に形成されるピニオンギヤ32を噛合させて前記減速ギヤ列25が構成される。
【0044】
ねじ軸27には,前記ニードルベアリング29′に隣接してセンサ駆動ギヤ33が形成され,これにより駆動されるセンサ軸34に回転位置センサ35が連結され,その回転位置センサ35によりねじ軸27の回転位置,換言すればシフト部材20のシフト位置を検出するようになっている。
【0045】
ねじ軸27が正転Aすると,雌ねじ部材28は,シフト部材20をトップ方向Tへ移動するように送られ,可動プーリ半体17を固定プーリ半体16側へ近づける。これと反対に,ねじ軸27が逆転Bすると,雌ねじ部材28は,シフト部材20をロー方向Lへ移動するように送られ,可動プーリ半体17を固定プーリ半体16から遠ざける。その際,シフト部材20のロー方向Lへの移動限界は第1ストッパ手段36により,またトップ方向Tへの移動限界は第2ストッパ手段37によりそれぞれ規制されるようになっている。
【0046】
第1ストッパ手段36は,図示例では二組設けられ,一方の組の第1ストッパ手段36は,雌ねじ部材28と,ねじ軸27に固着された大径ギヤ30との対向面の一方に形成されるストッパ面40と,他方の対向面に形成されてシフト部材20がロー方向Lへの移動限界に達したとき上記ストッパ面40に当接する環状のストッパ突起41とで構成され,図示例では,雌ねじ部材28にストッパ面40が,大径ギヤ30にストッパ突起41がそれぞれ形成される。
【0047】
他方の組の第1ストッパ手段36は,シフト部材20のハブ20aと内側ケース2aとの対向面の一方に形成されるストッパ面42と,他方の対向面に形成されてシフト部材20が同じくロー方向Lへの移動限界に達したとき上記ストッパ面40に当接する環状のストッパ突起43とで構成され,図示例では,ハブ20aにストッパ面42が,内側ケース2aにストッパ突起43がそれぞれ形成される。
【0048】
また第2ストッパ手段37は,外側ケース2bの内側面に当接支持されるストッパ板51と雌ねじ部材28との対向面の一方に形成されるストッパ面44と,他方の対向面に形成されてシフト部材20が第2に達したとき上記ストッパ面44に当接する環状のストッパ突起45とで構成され,図示例では,ストッパ面44はストッパ板51に,ストッパ突起45は雌ねじ部材28にそれぞれ形成される。
【0049】
前記雄ねじ部27aには潤滑用のグリースが塗布されるもので,その雄ねじ部27aを覆う伸縮自在の第1及び第2ブーツ46,47が雌ねじ部材28に取り付けられる。その際,第1ブーツ46の内端は,雌ねじ部材28の一端部外周の第1係止溝48に嵌め込まれ,その外端は大径ギヤ30側面の前記環状のストッパ突起41の外周に嵌め込まれ。また第2ブーツ47の内端は,雌ねじ部材28の他端部外周の第2係止溝50に嵌め込まれ,その他端部は,外側ケース2bと雄ねじ部27aとの間に挟持されるストッパ板51の外周に嵌め込まれる
雌ねじ部材28には,第1及び第2ブーツ46,47の内部を相互に連通する連通孔52と,この連通孔52を雌ねじ部材28の外方に開放する迷路状のブリーザ孔53とが設けられる。図示例の場合,迷路状のブリーザ孔53を形成したニップル54が雌ねじ部材28にねじ込みもしくは圧入により取り付けられる。
【0050】
再び図1において,従動プーリ13は固定プーリ半体55を備えており,この固定プーリ半体55は,外側ケース2b側に長く延びて出力軸5にニードルベアリング62及びボールベアリング63を介して支承されるハブ軸55aを一体に備えている。このハブ軸55aの外周に相対回転及び軸方向摺動可能に可動プーリ半体56のハブ軸56aが摺動可能に嵌合され,これら固定及び可動プーリ半体55,56の対向面間に,Vベルト14が係合する断面V字状のベルト溝57が画成される。
【0051】
可動プーリ半体56は,戻しばね58の付勢力により固定プーリ半体55側に,即ち従動プーリ13のベルト溝57の有効径の拡張方向に付勢され,この戻しばね58の付勢力がVベルト14に張りを付与する。
【0052】
また固定プーリ半体55のハブ軸55aには,その外周面から突出するガイドピン59が固設され,このガイドピン59は,可動プーリ半体56のハブ軸56aに設けられる略軸方向のガイド溝60に摺動自在に係合される。これによって固定及び可動プーリ半体55,56は,軸方向の相対移動を可能にしながら回転方向に連結される。
【0053】
固定プーリ半体55のハブ軸55aと出力軸5との間には遠心クラッチ61が設けられ,この遠心クラッチ61は,固定プーリ半体55の回転が所定値以上になると,接続状態となって固定プーリ半体55と出力軸5間を連結するようになっている。
【0054】
以上において,固定プーリ半体16,55同士,並びに可動プーリ半体17,56同士は,それぞれ対角線上に配置される。
【0055】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0056】
エンジンEの運転中,クランク軸3の回転は,先ず,入力軸4から駆動プーリ12及びVベルト14を介して従動プーリ13へと伝達する。次に,この従動プーリ13の回転数が所定値以上になると,遠心クラッチ61が接続状態となるので,従動プーリ13の回転は遠心クラッチ61を介して出力軸5へ,さらに減速ギヤ装置45を経て後車軸8及び後輪11へと伝達する。
【0057】
このような動力伝達中,電動モータ24は,エンジンEのスロットル弁開度や回転数等に応じて図示しない電子制御装置により作動を制御され,そのロータ軸24aの出力は,減速ギヤ列25を介しねじ軸27に伝達して,それを正転Aあるいは逆転Bさせる。ねじ軸27の正転Aによれば,雌ねじ部材28が,シフト部材20をトップ方向Tへ移動するように送られるので,シフト部材20は,可動プーリ半体17を固定プーリ半体16に対して接近させ,Vベルト溝19の有効径が増加することになり,これとは反対にねじ軸27の逆転Bによれば,雌ねじ部材28がシフト部材20をロー方向Lへ移動するように送られるので,シフト部材20は,可動プーリ半体17を固定プーリ半体16に対して遠ざけ,Vベルト溝19の有効径が減少することになる。
【0058】
駆動プーリ12のベルト溝19の有効径が増加すると,Vベルト14は駆動プーリ12の大径側への移動を余儀なくされる。その結果,従動プーリ13側ではVベルト14が戻しばね58の付勢力に抗して可動プーリ半体56を押し返し,従動プーリ13のベルト溝57の小径側へと移動することになり,駆動プーリ12及び従動プーリ13間,即ち入力軸4及び出力軸5間の変速比は,ローからトップへと無段階に制御される。
【0059】
また駆動プーリ12のベルト溝19の有効径が減少すると,従動プーリ13側では,戻しばね58の付勢力により可動プーリ半体56を固定プーリ半体55に対して押動し,Vベルト14が係合する従動プーリ13のベルト溝57の有効径を増加させる。こうして,入力軸4及び出力軸5間の変速比は,トップからローへと無段階に制御される。
【0060】
ところで,可動プーリ半体17のハブ軸17aに相対回転自在に支持されるシフト部材20は,雌ねじ部材28を介してねじ軸27により入力軸4周りの回動を阻止され,またねじ軸27に螺合した雌ねじ部材28は,シフト部材20を介してハブ軸17aによりねじ軸27周りの回動を阻止されるので,シフト部材20及び雌ねじ部材28は,特別な回り止め手段を講じることなく,軸方向のみ動きが可能となり,構造の簡素化を図ることができる。特に,雌ねじ部材28とシフト部材20との一体化によれば,部品点数の減少により,構造の簡素化を一層図ることができる。
【0061】
しかも,変速装置6の仕様変更により,例えば可動プーリ半体17のハブ軸17aの大きさを変更する場合には,その変更に応じてシフト部材20のハブ20aの大きさを変更するだけで,雌ねじ部材28を含むシフト制御機構26には変更を加える必要はないので,仕様変更コストを低く抑えることができる。
【0062】
またシフト部材20のハブ20aは,左右一対のボールベアリング21,21を介して可動プーリ半体17のハブ軸17aに支持され,その支持スパンを長く確保しているので,アーム20bの先端に雌ねじ部材28の軸方向の駆動力が作用しても,シフト部材20が傾くことなく可動プーリ半体17にシフト力を効率よく伝達することができる。
【0063】
可動プーリ半体17を駆動するシフト部材20のロー位置及びトップ位置は,通常,図示しない変速位置センサからの信号を得て電子制御ユニットが電動モータ44の作動を停止することにより規制されるが,電子制御ユニットの故障により電動モータ44が過回転した場合には,シフト部材20のロー方向Lへの移動限界は二組の第1ストッパ手段36,36により機械的に規制される。即ち,雌ねじ部材28のストッパ面40と大径ギヤ30のストッパ突起41との当接,並びに内側ケース2aのストッパ突起43とシフト部材20のストッパ面42との当接により規制される。またシフト部材20のトップ方向Tへの移動限界は第2ストッパ手段37により機械的に規制される。即ち,雌ねじ部材28のストッパ突起45と,外側ケース2b内側面に支持されるストッパ板51のストッパ面44との当接により規制される。こうしてシフト部材20の過度のシフト動作は抑制される。
【0064】
潤滑用のグリースを塗布されたねじ軸27の雄ねじ部27aは,雌ねじ部材28の両端部に接続される伸縮自在の第1及び第2ブーツ46,47に覆われるので,ミッションケース2内でVベルト14の摩耗粉等の塵埃が浮遊することがあっても,第1及び第2ブーツ46,47によりその塵埃の雄ねじ部27aへの付着を防ぎ,雄ねじ部27a及び雌ねじ部材28の螺合状態を長期にわたり良好にすることができる。しかも,雌ねじ部材28には,第1及び第2ブーツ46,47の内部を相互に連通する連通孔52が設けられるので,ねじ軸27の回転により雌ねじ部材28が軸方向に移動する際,一方のブーツ46(又は47)は収縮してその体積を減少させ,他方のブーツ47(又は46)は伸長してその体積を増加させるが,それらの体積変化に応じて両ブーツ46,47内部間で前記連通孔52を通して空気の流通が生じ,両ブーツ46,47に無用な負荷が作用することを防ぎ,その耐久性を確保することができる。
【0065】
さらに雌ねじ部材28には,前記連通孔52を雌ねじ部材28外方に開放するブリーザ孔53が設けられるので,第1及び第2ブーツ46,47は,何れも連通孔52及びブリーザ孔53を通してミッションケース2内の空気を呼吸することが可能であり,したがって,ミッションケース2内が温度変化に拘らず,第1及び第2ブーツ46,47内を常にミッションケース2内と同圧力に保つことができ,したがって両ブーツ46,47に無用な負荷が作用することを防ぎ,その耐久性を確保することができる。その際,上記ブリーザ孔53は迷路状に形成されるので,そのブリーザ孔53により,塵埃の連通孔52への侵入を防ぐことができる。
【0066】
次に,図3に示す本発明の第2実施形態について説明する。
【0067】
この第2実施形態は,シフト部材20側に設けられる第1ストッパ手段36の構成を上記第1実施形態のものと異にするもので,その第1ストッパ手段36は,可動プーリ半体17のハブ軸17aに軸方向で隣接して入力軸4にボールベアリング68を介して回転自在に且つ軸方向移動不能に支持されるストッパ部材65とシフト部材20のハブ20aとの対向面の一方に形成されるストッパ面42と,他方の対向面に形成されてシフト部材20がロー方向Lへの移動限界に達したとき前記ストッパ面42に当接する環状のストッパ突起43とで構成される。図示例では,ストッパ面42はハブ20aに,ストッパ突起43はストッパ部材65にそれぞれ形成される。その他の構成は前記第1実施形態と同様であるので,図3中,第1実施形態と対応する部分には,それと同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0068】
この第2実施形態によれば,第1ストッパ手段36を設ける際,大型のミッションケース2を変更せずに済む。
【0069】
次に,図4及び図5に示す本発明の第3実施形態について説明する。
【0070】
この第3実施形態では,シフト部材20と雌ねじ部材28とは分離している。そして雌ねじ部材28の外周面には,その一直径線70に沿って一対の耳軸71,71が突設され,シフト部材20のアーム20bの先端部は,雌ねじ部材28の半周を囲むフォーク72に形成され,そのフォーク72の両端にはU字状の連結溝73,73が形成され,これら連結溝73,73に前記一対の耳軸71,71が係合される。その他の構成は前記第1実施形態と同様であるので,図4及び図5中,第1実施形態と対応する部分には,それと同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0071】
この第3実施形態によれば,ねじ軸27及び入力軸4の軸間距離精度や平行精度に多少の狂いがあっても,その平行精度の狂いは,耳軸71,71周りにおける雌ねじ部材28とシフト部材20との相対回動により吸収され,また軸間距離精度の狂いは,耳軸71,71とシフト部材20のU字状連結溝73との相対摺動により吸収されるので,各部の加工が容易になり,上記狂いに伴なう雌ねじ部材28及びシフト部材20の作動の不具合を回避することができる。
【0072】
最後に,図6に示す本発明の第4実施形態について説明する
この第4実施形態では,シフト部材20のハブ20aに入力軸4と平行なガイド孔75が設けられ,このガイド孔75に摺動自在に嵌挿されるガイド軸76が内側ケース2aに固設される。その他の構成は前記第1実施形態と同様であるので,図6中,第1実施形態と対応する部分には,それと同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0073】
この第4実施形態によれば,上記ガイド孔75及びガイド軸76の摺動自在の嵌合により,シフト部材20の入力軸4に対する傾きを拘束して,シフト部材20のスムーズなシフト動作を得ることができる。
【0074】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,第1ストッパ手段36は,必ずしも第1実施形態のように二組設ける必要はなく,その一方のみ設けることもできる。
【符号の説明】
【0075】
A・・・・・・ねじ軸の正転方向
B・・・・・・ねじ軸の逆転方向
L・・・・・・シフト部材のロー方向
T・・・・・・シフト部材のトップ方向
2・・・・・・ミッションケース
4・・・・・・入力軸
12・・・・・駆動プーリ
16・・・・・固定プーリ半体
17・・・・・可動プーリ半体
17a・・・・ハブ軸
19・・・・・ベルト溝
20・・・・・シフト部材
20a・・・・ハブ
20b・・・・アーム
21・・・・・ベアリング(ボールベアリング)
24・・・・・電動モータ
26・・・・・シフト制御機構
27・・・・・ねじ軸
27a・・・・雄ねじ部
28・・・・・雌ねじ部材
30・・・・・部材(大径ギヤ)
36・・・・・第1ストッパ手段
37・・・・・第2ストッパ手段
40,41・・・一方の組の第1ストッパを構成するストッパ面及びストッパ突起
42,43・・・他方の組の第1ストッパを構成するストッパ面及びストッパ突起
44,45・・・第2ストッパを構成するストッパ面及びストッパ突起
46・・・・・第1ブーツ
47・・・・・第2ブーツ
51・・・・・ストッパ板
52・・・・・連通孔
53・・・・・ブリーザ孔
65・・・・・ストッパ部材
51・・・・・ストッパ板
70・・・・・一直径線
71・・・・・耳軸
72・・・・・フォーク
73・・・・・連結溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸(4)に固定される固定プーリ半体(16)と,入力軸(4)に軸方向移動可能に支持されて固定プーリ半体(16)との間にVベルト溝(19)を画成する可動プーリ半体(17)とで駆動プーリ(12)を構成し,可動プーリ半体(17)にベアリング(21)を介して相対回動自在且つ軸方向相対移動不能に連結されるシフト部材(20)と,ミッションケース(2)に取り付けられる電動モータ(24)と,この電動モータ(24)の出力により前記シフト部材(20)を軸方向に作動するシフト制御機構(26)とを備え,可動プーリ半体(17)の軸方向移動により前記Vベルト溝(19)の有効径を変化させるようにしたVベルト式無段変速装置において,
前記シフト部材(20)を,前記ベアリング(21)を介して可動プーリ半体(17)に連結されるハブ(20a)と,このハブ(20a)に一体的に形成されて半径方向に延びるアーム(20b)とで構成する一方,前記シフト制御機構(26)を,入力軸(4)の一側方でミッションケース(2)に回転自在に支持されて前記電動モータ(24)の出力で回転駆動されるねじ軸(27)と,このねじ軸(27)に螺合する雌ねじ部材(28)とで構成し,この雌ねじ部材(28)と前記アーム(20b)とを相互に連結したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項2】
請求項1記載のVベルト式無段変速装置において,
可動プーリ半体(17)に,入力軸(4)に嵌合して支持されるハブ軸(17a)を形成し,このハブ軸(17a)に前記シフト部材(20)のハブ(20a)を,軸方向に並ぶ一対のベアリング(21,21)を介して軸方向相対移動不能に支承したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のVベルト式無段変速装置において,
前記雌ねじ部材(28)と前記アーム(20b)とを,一部品として一体に形成したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のVベルト式無段変速装置において,
前記雌ねじ部材(28)の外周面にその一直径線(70)に沿って一対の耳軸(71,71)を突設する一方,前記アーム(20b)に前記雌ねじ部材(28)の半周を囲むフォーク(72)を形成すると共に,このフォーク(72)の両端に,前記耳軸(71,71)と相対回転及び摺動可能に係合する一対のU字状の連結溝(73,73)を設けたことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のVベルト式無段変速装置において,
前記Vベルト溝(19)の有効径を減少させる前記シフト部材(20)のロー方向(L)への移動限界を規制する第1ストッパ手段(36)と,前記Vベルト溝(19)の有効径を増加させる前記シフト部材(20)のトップ方向(T)へ移動限界を規制する第2ストッパ手段(37)とを備えることを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項6】
請求項5記載のVベルト式無段変速装置において,
前記第1ストッパ手段(36)を,前記ねじ軸(27)に固設される部材(30)と前記雌ねじ部材(28)との対向面の一方に形成されるストッパ面(40)と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材(20)がロー方向(L)への移動限界に達したとき前記ストッパ面(40)に当接するストッパ突起(41)とで構成したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項7】
請求項5記載のVベルト式無段変速装置において,
前記第1ストッパ手段(36)を,前記シフト部材(20)とミッションケース(2)との対向面の一方に形成されるストッパ面(42)と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材(20)がロー方向(L)への移動限界に達したとき前記ストッパ面(42)に当接するストッパ突起(43)とで構成したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項8】
請求項5記載のVベルト式無段変速装置において,
前記第1ストッパ手段(36)を,入力軸(4)に回転自在且つ軸方向移動不能に支持されるストッパ部材(65)と前記シフト部材(20)との対向面の一方に形成されるストッパ面(42)と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材(20)がロー方向(L)への移動限界に達したとき前記ストッパ面(42)に当接するストッパ突起(43)とで構成したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項9】
請求項6記載のVベルト式無段変速装置において,
前記第2ストッパ手段(37)を,ミッションケース(2)の内面に支持されるストッパ板(51)と前記雌ねじ部材(28)との対向面の一方に形成されるストッパ面(44)と,他方の対向面に形成されて前記シフト部材(20)がトップ方向(T)への移動限界に達したとき前記ストッパ面(44)に当接するストッパ突起(45)とで構成したことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載のVベルト式無段変速装置において,
前記雌ねじ部材(28)の一端と前記ねじ軸(27)の一端部との間に,該ねじ軸(27)の雄ねじ部(27a)を覆う第1ブーツ(46)を,また前記雌ねじ部材(28)の他端と前記ねじ軸(27)の他端部との間に,該ねじ軸(27)の雄ねじ部(27a)を覆う第2ブーツ(47)をそれぞれ設けたことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項11】
請求項10記載のVベルト式無段変速装置において,
前記雌ねじ部材(28)に,前記第1及び第2ブーツ(46,47)内を相互に連通する連通孔(52)を設けたことを特徴とするVベルト式無段変速装置。
【請求項12】
請求項11記載のVベルト式無段変速装置において,
前記雌ねじ部材(28)に,前記連通孔(52)を該雌ねじ部材(28)の外側に開放するブリーザ孔(53)を設けたことを特徴とするVベルト式無段変速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−29130(P2013−29130A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164289(P2011−164289)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000238360)武蔵精密工業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】