説明

X線断層撮影装置

【課題】複数のX線管を持ったX線断層撮像装置のヘリカルスキャンによるデュアルエネルギー断層像の画質改善を実現する。
【解決手段】X線CT装置は、被検体を載置する寝台と、
X線を発生する第1X線発生装置及び第2X線発生装置と、第1及び第2X線発生装置に対向して配置され、投影データを収集するX線検出器と、被検体の体軸方向を軸として第1及び第2X線発生装置を回転させる回転部と、第1及び第2X線発生器を回転させながら第1及び第2X線発生器と寝台とを相対的に移動させてヘリカルスキャンを行うと、第1及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づくそれぞれのX線投影データとして、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データの収集を行うX線投影データ制御手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置ヘリカルスキャンでのデュアルエネルギー撮影の画質改善を実現するX線断層撮像装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のX線CT装置においても、デュアルエネルギー撮影したい被検体の部位を、低いX線管電圧と高いX線管電圧で同一部位を撮影し、デュアルエネルギー画像再構成方法によりデュアルエネルギー断層像を得ることができた。
しかし、通常のコンベンショナルスキャン又はシネスキャンによる方法では、スキャン時間にタイムラグ(Time Lag)があるため、被検体の呼吸、拍動、脈動などの体動による位置ずれが発生してしまい、デュアルエネルギー像上に位置ずれアーチファクトが発生しやすかった。
【0003】
また、造影撮影においては1スキャン目の開始から2スキャン目の終了まで、造影剤を入れ続ける必要があるため、被検体に注入する造影剤量も多く、被検体の負担が大きかった。
さらに、最近は、スキャン速度を上げるためにX線管球を2管球用いたX線断層撮像装置が提案されている。
【特許文献1】特開2006−187453号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のX線管球を用いたX線断層撮像装置は、単にスキャン速度を早くすることのみを目的としており、ヘリカルスキャンにおけるデュアルエネルギー撮影については何ら開示していない。
また、仮に複数のX線管球を用いたX線断層撮像装置を用いてデュアルエネルギー撮影行う際は、所定角度だけX線管がずれているため同時に同じ方向からの投影データを取得することができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、複数のX線管を持ったX線断層撮像装置のヘリカルスキャンによるデュアルエネルギー断層像の画質改善を実現するX線断層撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点のX線断層撮影装置は、被検体を載置する寝台と、前記被検体の体軸方向を軸として該被検体の周囲を回転させながら該被検体に対して照射する所定のビーム幅のX線を発生する第1X線発生装置と、前記第1X線発生装置と共に前記被検体の周囲を回転させながら前記第1X線発生装置と異なる角度方向から前記被検体に対して照射する所定のビーム幅のX線を発生する第2X線発生装置と、前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれに対向して配置され、前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づく前記被検体のX線投影データを収集するX線検出装置と、前記被検体の体軸方向を軸として前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置を回転させる回転部と、前記回転部により前記第1X線発生装置及び第2X線発生器を回転させながら、前記第1X線発生装置及び第2X線発生器と前記寝台とを相対的に移動させてヘリカルスキャンを行う撮影制御部とを有するX線断層撮影装置であって、前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づくそれぞれのX線投影データとして、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データの収集を行うX線投影データ制御手段をさらに備える。
第1の観点のX線断層撮影装置は、ヘリカルスキャンで得られる第1X線管と第2X線管のX線投影データにおいて、同じZ方向座標位置で同じビュー角度のX線投影データを短い時間差でX線データ収集することができる。このため、画像再構成などの画像処理の際に、X線投影データを補間処理ができるために画質改善処理などが行い易くなる。
【0007】
第2の観点のX線断層撮影装置は、前記X線投影データ制御手段を、前記第1X線発生装置と第2X線発生装置を、前記体軸方向に所定の距離だけ離して配置することにより、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データの収集を行うものとする。
上記第2の観点におけるX線断層撮影装置では、第1X線発生装置と第2X線発生装置との距離を体軸方向(Z軸方向)にずらすことにより、各々のX線投影データを同一座標位置で同一ビュー角度のX線投影データを得ることができる。
【0008】
第3の観点のX線断層撮影装置は、前記X線投影データ制御手段は、前記所定の距離に前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置のいずれか一方を体軸方向に移動させるX線管可動機構を備える。
この構成により、X線断層撮影装置は、第1X線発生装置と第2X線発生装置との距離を、例えば所定のビーム幅と所定のヘリカルピッチとに基づいて算出される適切な距離に離すことができる。
【0009】
第4の観点のX線断層撮影装置は、前記X線投影データ制御手段を、同じ体軸方向の位置に配置された前記第1X線発生装置と第2X線発生装置から発生したX線に基づく投影データを用いて画像再構成した互いに体軸方向の位置の異なる第1断層像と第2断層像の少なくとも一方について、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データとなるような再投影処理を行うものとする。
第4の観点におけるX線断層撮影装置は、Z軸方向に幅のあるX線ビームのX線投影データより、最適な列のX線投影データ列を選択して、時間差の少ない同一Z座標、同一ビュー角度のX線投影データを選ぶことができる。
【0010】
第5の観点のX線断層撮影装置は、前記X線投影データ制御手段を、同じ体軸方向の位置に配置された前記第1X線発生装置と第2X線発生装置から発生したX線に基づく投影データを用いて画像再構成した互いに体軸方向の位置の異なる第1断層像と第2断層像の少なくとも一方について、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データとなるような再投影処理を行うものとする。
第5の観点におけるX線断層撮影装置では、X線管で収集するビュー方向角度が異なっても同時にX線データ収集を行って同一z方向座標の同一時刻の断層像を画像再構成してしまう場合でも、再投影処理部がその断層像より再投影処理を行うことで同一時刻における同一z方向座標で同一ビュー方向のX線投影データを得ることができる。
【0011】
第6の観点のX線断層撮影装置は、再投影処理は、ファン角度を有するビーム方向のファンビーム再投影処理又は平行ビーム方向の平行ビーム再投影処理を含む。
このように、再投影処理は少なくとも2種類の方向から再投影処理を行うことができる。
【0012】
第7の観点のX線断層撮影装置では、前記第1X線発生装置は第1エネルギースペクトルのX線を発生し、前記第2X線発生装置は前記第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを発生し、前記第1エネルギースペクトルのX線及び前記第2エネルギースペクトルのX線に基づくX線投影データを用いて、デュアルエネルギー像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部を備える。
上記第7の観点のX線断層撮影装置では、第1及び第2X線発生装置が1つのX線管電圧を出力するように制御することで、無駄被曝を押えた効率の良いデュアルエネルギー撮影を行うことができる。
【0013】
第8の観点のX線断層撮影装置の撮影制御部は、前記デュアルエネルギー像画像再構成部は、前記第1エネルギースペクトルのX線及び前記第2エネルギースペクトルのX線に基づく、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データ同士の加重減算処理を行った後、逆投影処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を画像再構成する。
上記第8の観点におけるX線断層撮影装置では、デュアルエネルギー撮影において、高画質のデュアルエネルギー像を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のX線断層撮影装置によれば、X線断層撮影装置のヘリカルスキャンにおいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を表す断層像、いわゆるデュアルエネルギー像の画質を最適化するX線断層撮影装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例にかかる複数のX線管を持つX線CT装置100を示すブロック図である。
【図2】(a)は、投影データ空間におけるX線吸収係数によるX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。(b)は、デュアルエネルギー比による各物質の分類を示す図である。
【図3A】(a)は、2つのX線管の第3世代方式を示す図である。(b)は、90度ずれたX線管の展開図上の軌跡を示す図である。
【図3B】(c)から(e)は、2つのX線管が180度離れた状態を示す図である。(f)は、2つのX線管と1つの多列X線検出器を示す図である。
【図4】(a)3つのX線管の第3世代方式を示す図である。(b)平面検出器を用いた3つのX線管の第3世代方式を示す図である。
【図5】(a)は、2つのX線管球による第4世代方式での各チャネルのX線検出器ファンの位置関係を示す図である。(b)は、3つのX線管球による第4世代方式での各チャネルのX線検出器ファンの位置関係を示す図である。
【図6】(a)は、時刻t1,t2におけるZ軸方向にずれた2つのX線管のyz平面内の位置を示す図である。(b)は、時刻t1,t2におけるZ軸方向にずれた2つのX線管のxy平面内の位置を示す図である。(図の説明P0038)
【図7】X線管のZ軸方向位置合わせを行いデュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンを行う処理を示すフローチャートである。
【図8】(a)は、時刻t1,t2におけるZ軸方向に一致している2つのX線管でのyz平面内の位置を示す図である。(b)は、時刻t1,t2におけるZ軸方向に一致している2つのX線管でのxy平面内の位置を示す図である。
【図9】X線管の位置がZ軸方向に一致している場合のデュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンを行う処理を示すフローチャートである。
【図10】時刻t1,t2におけるZ軸方向に一致している2つのX線管のコリメータにより絞られたX線ビームのyz平面内の位置を示す図である。
【図11】(a)は、90度ずれたX線管の展開図上の軌跡と再投影処理されたX線投影データの軌跡を示す図である。(b)は、再投影処理してX線投影データのビュー方向を変える処理を示す図である。
【図12】一方の断層像の再投影処理を行い、他方のX線収集システムXSのX線投影データのビュー方向に合わせたデュアルエネルギー撮影のフローチャートである。
【図13】ファンビーム再投影処理を示す図である。
【図14】あるZ軸方向範囲[zs,ze]のファンビーム再投影処理のフローチャートである。
【図15】デュアルエネルギー撮影の平行ビーム再投影による断層像画像再構成方法を示すフローチャートである。
【図16】平行ビーム再投影処理を示す図である。
【図17】θ方向の平行ビーム再投影処理例1を示す図である。
【図18】θ方向の平行ビーム再投影処理例2を示す図である。
【図19】θ方向のラスタスキャンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<X線CT装置の全体構成>
図1は、本発明の実施例にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0017】
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボード又はマウスなどの入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。撮影テーブル10は、被検体HBを乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降及びテーブル直線移動される。
【0018】
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24と、データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25とを具備している。本実施例では、これらX線管21及び多列X線検出器24などを、もう1セット90度異なる位置に具備している。X線制御部22は、2つのX線管21の管電圧及び電流を制御する。ガントリ回転部15はX線管21及び多列X線検出器24などを保持し、ベアリングを介して回転可能になっている。X線管21及び多列X線検出器24などがもう1セットあるため、ガントリ回転部15をもう1セット用意してもよい。
【0019】
さらに、走査ガントリ20は、X線制御部22と、被検体HBの体軸の回りに回転しているガントリ回転部15を制御する回転制御部26と、回転制御部26との通信及びクレードル12と信号の送受信を行うガントリ制御部29とを具備している。データ収集装置25は多列X線検出器24からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。また、後述する実施例1の走査ガントリ20は、一方のX線管21をZ軸方向に移動させるX線管駆動機構32を有している。
【0020】
中央処理装置3は、前処理部33、画像再構成部34、デュアルエネルギー画像再構成部35及び撮影制御部37を有している。撮影制御部37は再投影処理部38を有している。
前処理部33は、データ収集装置25で収集された生データに対して、チャネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正するX線量補正等の前処理を実行する。また、ビームハードニング処理を行う。
【0021】
画像再構成部34は、前処理部33で前処理された投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部34は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z軸方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部34は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
デュアルエネルギー画像再構成部35は、低いX線エネルギースペクトルの投影データ及び高いX線エネルギースペクトルの投影データから、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
【0022】
撮影制御部37は、前記回転部により前記第1X線発生装置及び第2X線発生器を回転させながら、前記第1X線発生装置及び第2X線発生器と前記寝台とを相対的に移動させてヘリカルスキャンを行うよう、走査ガントリ20、撮影テーブル等を制御する。
また、X線CT装置100は、X線投影データ制御手段(図示せず)を有する。X線投影データ制御手段は、複数のX線管21のビュー方向のずれ角を、同一の体軸方向(Z軸方向)の位置において同一のビュー方向のX線投影データを取得できるようにする制御を行う。具体的には、後述する実施例1〜実施例3を用いて詳述する。
【0023】
上記のようなX線CT装置100において、複数のX線管を用いたヘリカルスキャンのデュアルエネルギー撮影を行う例を以下に示す。
【0024】
<複数のX線管を使ったデュアルエネルギー撮影>
まず、それぞれの実施例で必要なデュアルエネルギー撮影方法について説明する。
<デュアルエネルギー断層像の画像再構成方法>
画像再構成されるデュアルエネルギー断層像やスカウト像の造影剤等価画像、カルシウム等価画像の作成方法は、以下のようになる。
【0025】
図2(a)は投影データ空間におけるデュアルエネルギー撮影の画像再構成方法の概要を示す。
画像再構成部34は、低いX線管電圧を用いて照射したX線のX線投影データD−Lowに加重加算係数w1を乗算し、同様に高いX線管電圧を用いて照射したX線のX線投影データD−Highに加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像G−CSIを作成する。また、画像再構成部34は、画像空間、断層像空間おいても投影データ空間と同様に加重加算処理することでデュアルエネルギー断層像G−CSIを得ることができる。これら加重加算係数w1,w2及び定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子又は部位により定まる。
【0026】
例えば加重加算処理部はCT値の近い骨、石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離するために、カルシウム成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にすると造影剤成分が抽出され、強調して表示することができる。
また反対に、加重加算処理部は造影剤成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分を強調して表示することができる。
この時に用いるX線投影データは、前処理及びビームハードニング補正したX線投影データを用いる。特にビームハードニング補正では、各X線管電圧において水等価でない物質の部分を水等価なX線透過経路長にすることにより、水以外の物質のX線管電圧依存性をより正しく評価することができる。
【0027】
投影データ空間だけでなく断層像空間においても、デュアルエネルギー撮影が可能である。このような処理をすることで、画像再構成部34は造影剤等価画像、カルシウム等価画像を作成することができる。
【0028】
<デュアルエネルギー比画像再構成>
また、別の造影剤等価画像、カルシウム等価画像を画像再構成する方法は、それぞれのX線管電圧を用いて照射したX線の断層像での画素値を利用する方法がある。
例えば、図2(b)のグラフは縦軸にX線管電圧80kVの断層像での各画素値を取り、横軸にX線管電圧140kVの断層像での各画素値を取る。これにより、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとのカルシウムの画素や造影剤の主成分であるヨウ素の画素値は、図中のカルシウムの直線及びその近傍の分布範囲や、ヨウ素の直線及びその近傍の分布範囲に入る。
デュアルエネルギー比のグラフはxy平面内の各々の傾きが実効質量数を表すため、傾きの範囲で各画素を分類することで物質の成分分析、組成分析を行うことができる。
このようなデュアルエネルギー比画像を画像再構成及び画像表示を行う。
【0029】
次に、複数のX線管を用いたX線CT装置100のタイプの例を示す。
<複数のX線管を配置した走査ガントリ>
【0030】
<2管球で2検出器タイプ:第3世代方式>
本実施例におけるX線CT装置100は、図3A(a)のように2つの第1X線管21−1及び第2X線管21−2と、第3世代方式の第1多列X線検出器24−1及び第2多列X線検出器24−2とにより構成される。第1X線管21−1と第2X線管21−2とは、互いに90度ずれて配置されている。
この2つの第1X線管21−1及び第2X線管21−2は、走査ガントリ20の1つの回転部15上で共に回転を行うため、同一時刻に同一ビュー方向のX線データ収集を行うことができない。この場合のヘリカルスキャンを行ったX線管21の展開図の軌跡は、図3A(b)のように、第1X線管21−1が第2X線管21−2より右回り方向に常に90度先に移動し、X線データ収集を行う。このため、後述するように、第1X線管21−1がZ軸方向にずれて配置されていれば、同一時刻に同一ビュー方向のX線データ収集を行うことが可能となる。
【0031】
なお、この時の第1X線管21−1と第2X線管21−2とのずれ角は90度であるが、120度又は180度などでも構わない。なお、180度ずれた場合は図3B(c)のように対向するX線管21と多列X線検出器24がZ軸方向に重なることになる。そして、そのX線管21と多列X線検出器24をX軸方向から見ると、図3B(d)又は(e)のようになる。
【0032】
<2管球で1検出器タイプ:第3世代方式>
また、図3B(f)において走査ガントリ20は、第1X線管21−1及び第2X線管21−2と1つの第3世代の多列X線検出器24とを有している。図3B(f)では、第1X線管21−1による第1X線ファンビームと第2X線管21−2による第2X線ファンビームとが90度間隔で配置されているが、120度でも構わない。2つのX線管21と2つの多列X船検出器24とを配置した場合と同様である。
【0033】
<3管球で3検出器タイプ:第3世代方式>
また、図4(a)は3つの第1X線管21−1、第2X線管21−2及び第3X線管21−3と3つの第1多列X線検出器24−1,第2多列X線検出器24−2及び第3多列X線検出器24−3とが各々120度ごとにずれた場合を示している。つまり、3つのX線管21が120度ごとに配置されている。多列X線検出器24は、第3世代方式である。これらの3つのX線管21はいずれも走査ガントリ20の回転部15上に120度ごとの間隔で配置し、同時に回転させる。
【0034】
また、図4(b)では同様に3つのX線管21が120度ごとずれて配置されているが、多列X線検出器24にはフラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の第1二次元X線エリア検出器24−1,第2二次元X線エリア検出器24−2,第3二次元X線エリア検出器24−3を用いている。
【0035】
<2管球で1検出器タイプ:第4世代方式>
また、図5(a)は、回転する2つの第1X線管21−1及び第2X線管21−2と、固定した360度方向の円周状に配置した多列X線検出器24とで構成する第4世代方式を示した図である。
第1X線管21−1と第2X線管21−2とは、走査ガントリ20の1つの回転部15上に90度又は120度又は180度の間隔で配置し、その間隔を保ったまま回転部15が回転する。このときの画像処理部は、画像再構成の前又は画像再構成中において多列X線検出器24の1チャネルを仮想的なファン(扇)の要と見なしたX線検出器ファンのX線投影データとして見なし、いわゆる検出器ファン(ディテクタファン:Detector Fan)に変換して三次元画像再構成、三次元逆投影を行う。
【0036】
<3管球で1検出器タイプ:第4世代方式>
また、図5(b)では、走査ガントリ20は、第1X線管21−1,第2X線管21−2及び第3X線管21−3の3つのX線管を90度ごとに配置している。また走査ガントリ20は、第4世代の多列X線検出器24を有している。また、この3つのX線管球は90度だけでなく、120度ごとに配置してもよい。
次に、複数のX線管を持つ場合において、同じ体軸方向の位置の同じビュー方向のX線投影データの収集を行う手法について、実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0037】
<複数のX線管の撮影方法:X線管のZ軸方向ずらし>
実施例1においては、上記のような複数のX線管21を持つ走査ガントリ20はヘリカルスキャンを行う際に、少なくとも1つのX線管21を撮影条件設定で求められたZ軸方向(体軸方向)の距離にずらすことにより、同一Z軸座標における同一ビュー方向のX線投影データを収集する。X線管21の回転中心を含むZ軸方向におけるX線ビーム幅をD、ヘリカルピッチをpとすると、1回転した時の走査ガントリ20と被検体を乗せたクレードル12との相対的な距離はD・pとなる。
【0038】
例えば図6(a)、図6(b)は、ヘリカルピッチを1としたときの時刻t1と1/4回転後の時刻t2との位置関係をyz平面とxy平面で示した図である。以下では、走査ガントリ20が2管球と2検出器とを有する構成で説明する。
【0039】
走査ガントリ20は、第1X線管21−1及び第1多列X線検出器24−1からなる第1X線収集システムXS1と、第2X線管21−2及び第2多列X線検出器24−2からなる第2X線収集システムXS2とを有している。第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とのなす角度θが90度の場合の位置は、以下の(数式1)に示す距離Lだけ離した関係にする。こうようにZ軸方向中心位置をZ軸方向に距離Lだけ離しておくことにより、X線投影データ収集の開始ビュー角度は第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とで一致する。
【数01】

...(数式1)
この距離Lは2管球方式でX線管21のなす角θ=90度の場合は、上述したすべてのタイプにおいて同様に求めることができる。
【0040】
また2管球方式でX線管21のなす角θ=120度の場合においは、以下の(数式2)の距離LだけZ軸方向に離すことで、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2との開始ビュー角度を一致させることができる。
【数02】

...(数式2)
さらに、3管球方式のX線管21のなす角はθ=120度となるため、3つのX線管21のZ軸方向中心位置をそれぞれ(数式2)の距離LだけZ軸方向に離しておくことで、各々のX線投影データのビュー角度を一致させることができる。
【0041】
このように、複数のX線収集システムをそれぞれZ軸方向にずらすことで、複数のX線収集システムは同一Z軸座標において同一ビュー方向のX線投影データを収集できる。なお、距離Lに応じて、複数のX線収集システムのうち1つのX線収集システムを除いてX線収集システムをZ軸方向に移動することができる構造にすることが好ましい。
【0042】
図7は、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2を有するX線CT装置100において同一ビューの投影データを取得するフローチャートを示す。
ステップD1では、スカウト像の撮影をする。スカウト像撮影を行う場合に、複数のX線管を持つX線CT装置100の場合は、被検体を乗せたクレードル12を一度Z軸方向に動かすだけで複数方向のスカウト像を一度に収集することができる。
特に図3A(a),図3B(f)のように、第1X線管21−1と第2X線管21−2とのビュー方向のずれ角が90度の場合は、0度と90度又は90度と180度との2枚のスカウト像をZ軸方向に1度動かすだけで撮影できる。このため、X線CT装置100はスカウト像撮影の効率を上げることができる。
【0043】
ステップD2では、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンの撮影条件設定を行う。
ステップD1で取得したスカウト像に基づいて、操作者は、デュアルエネルギー撮影を行うヘリカルスキャンの範囲、ヘリカルピッチ、ヘリカルスキャンの走査ガントリ20の回転速度を設定する。さらに操作者は、多列X線検出器24の使用するZ軸方向幅、多列X線検出器24の列幅及び列数、並びにX線ビームZ軸方向幅などの本スキャンの撮影条件を設定する。この撮影条件の設定時にX線ビーム幅D、ヘリカルピッチpが定まれば、撮影制御部37は各X線管21のビュー方向のずれ角θから(数式1),(数式2)で示したように、Z軸方向にずらす距離Lを求めることができる。
【0044】
ステップD3では、第1X線管21−1と第2X線管21−2のZ軸方向位置合わせ制御を行う。本スキャンのX線データ収集前に第1X線収集システムXS1をZ軸方向に距離L分だけずらしておく。この第1X線収集システムXS1の移動は中央処理装置3よりガントリ制御部29経由でX線管可動機構32を制御する。
【0045】
ステップD4では、走査ガントリ20は、X線データ収集を行う。この場合、第1X線管21−1はX線管電圧80kVでX線を照射し、第2X線管21−2はX線管電圧140kVでX線を照射する。
【0046】
ステップD5では、画像再構成部34は、X線管電圧80kVの断層像を画像再構成する。
ステップD6では、画像再構成部34は、X線管電圧140kVの断層像を画像再構成する。
ステップD7では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像を画像再構成する。
ステップD8では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
ステップD9では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、デュアルエネルギー撮影の断層像としてデュアルエネルギー比画像を画像再構成する。
ステップD10では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてデュアルエネルギー比画像をモニタ6に画像表示する。
【0047】
本実施例でにおいては、短い撮影時間間隔でデュアルエネルギー撮影法を行うことができる。例えば、第1X線管21−1と第2X線管21−2とのずれ角θが90度で、ガントリ回転部15の回転速度が0.35秒/回転の場合の撮影時間差ΔTは、0.09秒となる。このように第1X線管21−1と第2X線管21−2でのデュアルエネルギー撮影方法は前述の撮影方法より短い撮影間隔でX線データ収集することができるため、より被検体の体動を抑えることができる。
【0048】
また、本実施例では第1X線管21−1と第2X線管21−2とで印加するX線管電圧をそれぞれ80kV、140kVと割り振っているため、X線管電圧を切り換える必要がない。このため前述のX線管電圧をビューごとに切り換える必要もなく、ビュー不足によるエリアジング・アーチファクトの心配もする必要がない。
【0049】
本実施例においては、2つ又は3つのX線管21を持つX線CT装置100において、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンを行う際に各々のX線収集システムをZ軸方向へ適切な位置にずらすことで、同一Z軸座標において同一ビュー方向のX線投影データを収集することができる。
【0050】
なお、ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャンのようにヘリカルピッチを可変する場合、撮影制御部37は、その都度、各々のX線管21の距離Lを変化させるようにX線管可動機構32を制御させる。しかし、加速、減速範囲がZ軸方向にそれほど広くない場合、撮影制御部37はヘリカルピッチpと各々のX線管21の距離Lが最適でなくても影響が小さいため、距離Lを動的に変化させる必要がない。
【実施例2】
【0051】
<複数のX線管の撮影方法:データ抽出>
実施例2においては、図8(a)又は図8(b)に示すように第1X線管21−1と第2X線管21−2との中心線のZ軸座標が一致している場合に、同一Z軸座標で同一ビュー方向のX線投影データを抽出する実施例を示す。
【0052】
図9は、同一Z軸座標で同一ビュー方向のX線投影データのフローチャートを示す。
ステップD41では、スカウト像の撮影をする。
ステップD42では、操作者は、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンの撮影条件設定を行う。
ステップD43では、ヘリカルスキャンでのX線データ収集を行う。必要に応じてX線コリメータ23をZ軸方向にコリメータ幅を制御して無駄被曝を低減する。
ステップD44では、前処理部33は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。
ステップD45では、前処理部33は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。ステップD44,ステップD45においては、画像再構成処理の前処理まで、又はビームハードニング補正まで、又はzフィルタ重畳処理までの処理を行っておく。
ステップD46では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像であるカルシウム強調画像のX線投影データ、造影剤強調画像のX線投影データを求める。
ステップD47では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像の画像再構成を行う、造影剤強調画像の画像再構成を行う。
ステップD48では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
【0053】
<ステップの詳細な説明>
ステップD41〜ステップD42では図7のステップD1〜ステップD2と同様に処理することができる。このためステップD41では2枚のスカウト像が一度に撮れ、ステップD42では撮影条件より各X線管21のずれ量Lを設定できる
【0054】
ステップD43においては、例えば、第1X線収集システムXS1においてX線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データ収集を行い、第2X線収集システムXS2においてX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データ収集を行う。またコリメータ23による無駄被曝の制御はステップD46の詳細な説明で述べる。
【0055】
ステップD46において、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データとの加重加算処理を行う時は、同一Z軸座標の同一ビュー方向のX線投影データ同士を加重加算処理する必要がある。このため、画像再構成部34は第1多列X線検出器24−1のある列より距離Lだけずれた,第2多列X線検出器24−2のある列のX線投影データを抽出して、加重加算処理する必要がある。また、距離Lだけずれた所が第2多列X線検出器24−2のある列とある列との間になる場合は、そのある列とある列とを補間処理又は加重加算処理をすることにより、距離LだけずれたX線投影データを求めることができる。そして、3次元画像再構成処理を用いることで、中心位置からずれた位置における断層像の画像再構成を好適に行うことができる。
【0056】
また、各X線管21は、あらかじめX線ビームの位置をずらしておいても良い。
例えば図10に示すように、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とが90度ずれている場合は、ヘリカルピッチp=1の場合、L=D/4となる。この場合のコリメータ制御部は、第1X線収集システムXS1のX線ビームを第1コリメータ23−1でZ軸方向の正方向にD/4だけずらして、第2X線収集システムXS2のX線ビームを第2コリメータ23−2でZ軸方向の正方向にD/4だけずらす。この時のX線ビームはD/4だけずれた第2X線収集システムXS2の列がX線ビームの中に存在することになる。また、このようにX線ビームをコリメータ23でずらすことは、無駄被曝になるX線ビームを減らすこととなりX線利用効率が良くなる。
【0057】
画像再構成部34は、このようにして求められたカルシウム等価画像としての造影剤強調画像のX線投影データ、及び造影剤等価画像としてのカルシウム強調画像のX線投影データに対してビームハードニング補正を行うこともできる。
【0058】
ステップD47においては、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像のX線投影データ及び造影剤強調画像のX線投影データに基づいて、デュアルエネルギー撮影の断層像として画像再構成を行うことができる。
【0059】
このようにして、実施例2のX線CT装置は、複数のX線管21での中心線のZ軸座標が一致している場合には、X線ビームの中より同一Z軸座標で同一ビュー角度のX線投影データを抽出してデュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成できる。また、コリメータ制御部はX線コリメータ23−1及びX線コリメータ23−2を制御することでX線管21のX線ビームの位置をZ軸方向にずらしてやることにより、無駄被曝も低減することができる。
【実施例3】
【0060】
<複数のX線管の撮影方法:再投影方法>
実施例3は、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とがビュー方向での位置が一致していないX線投影データを取得した場合を説明する。実施例3のX線CT装置は、このようにビュー方向のずれたX線投影データを画像再構成した後に、再投影処理することで同一ビュー方向のX線投影データに変換する。
なお、本実施例では、上述の2管球、3管球のいずれのX線管21においても適用することができる。
【0061】
図11(a)で示すように、ビュー方向に90度ずれた第1X線管21−1と第2X線管21−2とでヘリカルスキャンを行うと、第1X線収集システムXS1のX線投影データは第2X線収集システムXS2のX線投影データよりも90度分だけ早くX線データ収集できてしまう。このため、画像再構成部34は第2X線収集システムXS2のX線投影データを一度断層像として画像再構成処理を行う。次に再投影処理部38は、図11(b)の矢印ARRに示す方向に第2X線収集システムXS2のX線投影データをファンビーム方向に再投影処理することで、第1X線収集システムXS1のX線投影データと第2X線収集システムXS2とのX線投影データのビュー方向を合わせることができる。
【0062】
この処理を図11(a)の展開図上で示すと、再投影処理部38は、第2X線収集システムXS2のX線投影データを画像再構成した後に同一Z軸座標において、第1X線収集システムXS1と同じビュー方向にファンビーム再投影処理、又は平行ビーム再投影処理を行い、同一Z軸座標の同一ビュー方向の角度を持つX線投影データREXを得る。
また、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線投影データの投影データ空間におけるにおけるX線デュアルエネルギー像の画像再構成処理において造影剤や骨のX線吸収領域のビームハードニング補正などの非線形補正を行い、ビームハードニングアーチファクトが少ないX線デュアルエネルギー断層像を得ることもできる。
【0063】
図12は、一方の断層像の再投影処理を行い、他方のX線収集システムXSのX線投影データのビュー方向に合わせたデュアルエネルギー撮影のフローチャートである。
ステップD61では、スカウト像の撮影をする。図7のステップD1と同様に2枚のスカウト像が一度に撮ることができる。
【0064】
ステップD62では、操作者は、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンの撮影条件設定を行う。実施例3では、実施例1,実施例2のように、撮影制御部37が、ヘリカルスキャンの設定条件などより、第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とのX線投影データのずれ量Lを求める必要はない。本実施例で使用するのは第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とのビュー方向のずれ角度θを使用する。画像再構成部34はこのずれ角θ方向で再投影処理を行うことになる。
【0065】
ステップD63では、第1X線収集システムXS1がX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線データ収集を行い、第2X線収集システムXS2がX線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線データ収集を行う。
【0066】
ステップD64では、画像再構成部34は、第2X線管21−2を含む第2X線収集システムXS2のX線管電圧80kVを用いて照射したX線の断層像の画像再構成を行う。
ステップD65では、再投影処理部38は、第2X線収集システムXS2のX線管電圧80kVを用いて照射したX線の断層像を第1X線収集システムXS1のビュー方向と同じ方向に再投影処理を行い、X線管電圧80kVを用いて照射したX線の前処理されたX線投影データを得る。つまり、第2X線収集システムXS2の80kVの断層像を第1X線収集システムXS1のX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データと同じビュー角度を持つ360度フルスキャンのX線投影データ、又は180度+ファン角のハーフスキャンのX線投影データとしてファンビーム再投影処理を行う。
【0067】
ステップD66では、前処理部33は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。
ステップD67では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを同じビュー同士加重加算処理し、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像のX線投影データ、造影剤強調画像のX線投影データを求める。尚、加重加算処理は、一次又は二次以上の高次加重加算処理を用いることができる。
【0068】
ステップD68では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像の画像再構成を行う、造影剤強調画像の画像再構成を行う。
ステップD69では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
【0069】
<ファンビーム再投影処理>
図13は、ファンビーム再投影処理の概要を示した図であり、図14は、そのファンビーム再投影処理のフローチャートを示す。ただし、再構成領域をP、Z軸方向始点をzs、Z軸方向終点をzeとし、[zs,ze]の範囲の断層像の再投影処理による再投影プロファイルを求めている。
【0070】
ステップT1では、θ=0,z1=zsとする。
ステップT2では、再投影処理部38は、あるZ軸座標znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT3では、再投影処理部38は、θ方向にX線焦点があるとしてファンビーム再投影処理を行い、θ方向プロファイルデータPθ(β)を求める。
ステップT4では、再投影処理部38は、フルスキャンの場合はθ≧360度か、又はハーフスキャンの場合はθ≧180度かを判断し、YESであればステップT5へ行き、NOであればステップT6へ行く。
ステップT5では、再投影処理部38は、zn≧zeかを判断し、YESならば終了し、NOならばステップT7へ行く。
ステップT6では、θ=θ+Δθとする。この後ステップT2へ戻る。
ステップT7では、n=n+1とする。この後ステップT2へ戻る。
【0071】
このようにして、同一Z軸座標の同一ビュー方向で第1X線収集システムXS1のX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データと第2X線収集システムXS2のX線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとを得ることができる。
【0072】
図13(a)は、ステップT3において、θ方向のX線焦点からのファンビーム再投影処理を行う様子を示す。再投影処理部38は、X線焦点と各画素g(x1,y1)を結ぶ直線と、角度θであるX線焦点と回転中心Oを通る直線とのなす角度βだけずれた直線に沿って再投影処理を行う。つまり、再投影処理部38は、X線管21の中心方向に対して角度βだけずれた直線上の画素を加算し、多列X線検出器24の位置である円弧曲線上の点にチャネル方向プロファイルPθ(β)をとる。
【0073】
再投影処理部38は、これをチャネル方向角度[−γ,γ]の範囲において、断層像上の各画素とX線焦点とを扇(ファン)の要とした扇方向(ファン方向)に再投影処理、つまり加算処理を行う。
このようにして、再投影処理部38は、得られたファンビーム再投影処理によるチャネル方向プロファイルPθをX線投影データとする。
【0074】
再投影処理部38は、この処理をZ軸方向範囲[zs,ze]において再投影処理を繰り返して[zs,ze]のZ軸方向範囲のX線投影データを求める。図13(b)は、再投影処理を行った結果を示す。
なお、図12のステップD65において再投影処理して得られたX線投影データは、多列X線検出器24のチャネルごとの感度、オフセットなどのバラツキはないため、基本的に前処理の必要がなく、ビームハードニング補正とZフィルタ重畳処理とを必要に応じてかけるだけで良い。
【0075】
<平行ビーム再投影処理>
図15は、平行ビーム再投影処理によるデュアルエネルギー撮影方法の処理方法のフローチャートを示す。
ステップD81では、スカウト像の撮影をする。
ステップD82では、操作者が、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスキャンの撮影条件設定を行う。図12のステップD62と同様にX線投影データのずれ量Lを求める必要はない。本実施例は平行ビーム再投影処理で使うビュー方向のずれ角度θだけ分かれば良い。
【0076】
ステップD83では、X線データ収集を行う。
ステップD84では、第1X線収集システムXS1ではX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線データ収集を行い、画像再構成部34は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線の断層像を画像再構成する。
ステップD85では、90度ビュー方向に遅れた第2X線収集システムXS2ではX線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線データ収集を行う。画像再構成部34は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線の断層像を画像再構成する。
【0077】
ステップD86では、第2X線収集システムXS2のX線管電圧80kVを用いて照射したX線の断層像を、あるビュー方向から360度フルスキャン分、又は180度+ファン角のハーフスキャン分だけファンビーム再投影処理又は平行ビーム再投影処理を行う。
ステップD87では、第1X線収集システムXS1のX線管電圧140kVを用いて照射したX線の断層像を、あるビュー方向から360度フルスキャン分、又は180度+ファン角のハーフスキャン分だけファンビーム再投影処理、又は平行ビーム再投影処理を行う。
ステップD86,ステップD87において、再投影処理部38は、360度フルスキャンと、180度+ファン角のハーフスキャンとの場合において、各X線投影データ収集系の断層像からファンビーム再投影処理し、X線投影データの開始ビュー方向をX線管電圧80kVとX線管電圧140kVとで揃える。また、再投影処理部38は、平行ビーム再投影処理においても同様にX線投影データの開始ビュー方向を揃えることができる。
【0078】
ステップD88では、前処理部33は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。
ステップD89では、前処理部33は、X線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを前処理する。
ステップD88,ステップD89においては、断層像を再投影処理したX線投影データであるため、多列X線検出器24のチャネルごとの感度、オフセットなどのバラツキはないため、基本的に不要であり、ビームハードニング補正、zフィルタ重畳処理を必要に応じてかける。
【0079】
ステップD90では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、X線管電圧80kVを用いて照射したX線のX線投影データとX線管電圧140kVを用いて照射したX線のX線投影データを加重加算処理し、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像のX線投影データ、造影剤強調画像のX線投影データを求める。
【0080】
ステップD91では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像のX線投影データ、造影剤強調画像のX線投影データのビームハードニング補正を行う。
ステップD92では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、カルシウム強調画像の画像再構成を行う、造影剤強調画像の画像再構成を行う。
ステップD93では、デュアルエネルギー撮影の断層像としてカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
【0081】
図16は平行ビーム再投影処理の概要を示す。なお、平行ビーム再投影処理においては、Y軸よりθ方向にX線焦点21がある場合に、再投影処理部38は、このθ方向と平行な方向の再構成領域Pに含まれる断層像の各画素g(x1,y1)を加算処理してθ方向の平行ビーム再投影処理を行う。つまり、再投影処理部38は、X線管の中心方向から距離r1だけずれた直線上の画素をすべて加算する。
再投影処理部38は、X線管21の中心方向から[−ra,ra]の範囲においてプロファイルPθ(r)を求め、平行ビーム再投影処理によるプロファイルPθをX線投影データとする。
【0082】
図17又は図18は、この時のステップD88における平行ビーム再投影処理の概要を示す。その処理のフローチャートを図19(a),図19(b)に示す。
図17においては、θ方向に断層像についての平行ビーム再投影処理を簡単な処理にし、断層像上のX軸方向のラスタスキャンで行えるようにした処理、いわゆるスタンフォード・アルゴリズムとして高速化することができる。つまり、この処理は断層像をθ方向分回転させてY軸方向に加算を行うことで、θ方向の再投影処理がY軸方向の加算処理となり、X軸方向のラスタスキャンの処理として高速化できる。
【0083】
図19(a)はそのラスタスキャンのフローチャートを示す。
ステップT11では、θ=0,z1=zsとする。
ステップT12では、再投影処理部38は、あるZ軸座標znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT13では、再投影処理部38は、θ方向に断層像g(x,y)を回転させ、回転した断層像g(X,Y)を求める。
ステップT14では、再投影処理部38は、Y方向に断層像g(X,Y)を再投影処理し、θ方向プロファイルデータPθ(x)を求める。
ステップT15では、再投影処理部38は、フルスキャンの場合はθ≧360度か、ハーフスキャンの場合はθ≧180度かを判断し、YESであればステップT16へ行き、NOであればステップT17へ行く。
ステップT16では、zn≧zeかを判断し、YESであれば終了し、NOであればステップT18へ行く。
ステップT17では、θ=θ+Δθとする。この後ステップT12へ戻る。
ステップT18では、n=n+1とする。この後ステップT12へ戻る。
【0084】
図18においては、図17と同様に断層像に対して行うθ方向の平行ビーム再投影処理を簡単な処理にして、X軸方向のラスタスキャンで行って高速化できる。
この処理は断層像をX軸方向にシフト処理を行い、Y軸方向に加算処理を行うことで、θ方向の再投影処理がY軸方向の加算処理となり、断層像上のX軸方向ラスタスキャン処理として高速化できる。
【0085】
図19(b)はその処理のフローチャートを示す。
この処理は図19(a)の処理のフローチャートとほぼ同様に処理できる。
変更点は図19(a)のステップT13を図19(b)のステップT23に差し替えるだけでよい。
ステップT23では、断層像g(x,y)において、y=y1の時にX軸方向のずれ量を−y1・tanθとする。また、このずれ量は各Y座標においても、各X軸方向の1次元断層像データをずれ量分シフトさせる。
【0086】
このようにして、本実施例においては、複数のX線管を持つX線CT装置100において、Z軸方向中心位置が一致し、ビュー方向にずれていても、まず同一Z軸座標で同一時刻にビュー方向のずれたX線投影データを断層像として画像再構成した後に、再投影処理により同一ビュー方向のX線投影データとして得ることができる。
【0087】
また、それぞれの実施例でのX線管電圧は第1X線収集システムXS1と第2X線収集システムXS2とを逆に設定してもよい。
以上の複数のX線管21を有するX線CT装置100によれば、ヘリカルスキャンのデュアルエネルギー撮影での断層像の画質改善を実現する効果がある。なお、デュアルエネルギー撮影においては、デュアルエネルギー像は画像ノイズが大きくなりやすい。そこで画像ノイズを最小にするために、加重加算係数分を考慮して、低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと高いX線管電圧の断層像の画像ノイズとをほぼ等しくするようにすることが好ましい。
【0088】
本発明は、複数のX線管21により複数のX線管電圧のX線投影データを同じ体軸方向の位置の同じ方向のビューで構成されるX線投影データを得ることができる。そして、複数のX線管電圧のX線投影データに対してX線投影データ空間の補正処理を行うことで、画質の改善されたデュアルエネルギー撮影を行うこともできる。
【0089】
また、本発明において、複数のX線管によるヘリカルスキャンでのデュアルエネルギー撮影を行う場合に、同じビュー方向からX線データ収集を行うことは、360度フルスキャンの場合でも、180度+ファン角のハーフスキャンの場合でもX線投影データ空間における補正処理を行えるため、画質改善を行うことができる点で有利である。特に、デュアルエネルギー撮影においては、被検体が体動、脈動、拍動、呼吸などにより動いてしまう場合があり、複数のX線投影データがずれて位置ずれ(ミスレジストレーションmiss registration)アーチファクトが発生する可能性がある。このような部位に対しては、短時間でX線データ収集を行う180度+ファン角のハーフスキャンの撮影を行う。体動の可能性の低い部位の撮影には360度フルスキャンの撮影を行うことで撮影条件の最適化が行える。
本実施例においては、デュアルエネルギー撮影においてカルシウム強調画像及び造影剤強調画像を画像再構成しているが、同様に他の物質の強調画像も画像再構成することができる。また、本実施例は、ヘリカルスキャンの場合について記載しているが、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合についても同様に効果を出すことができる。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様ながらクレードル12の速度を可変させてX線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様ながらクレードル12を加速・減速させて、Z軸の正方向又はZ軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。
【0090】
さらに、本実施例は、生体信号にX線データ収集が同期しない場合について記載しているが、生体信号、特に、心拍信号に同期させても同様な効果を出すことができる。
なお、本実施例においては、撮影テーブル10のクレードル12をZ軸方向に動かすことにより、ヘリカルスキャンを実現している。しかし、本実施例は、走査ガントリ20又は走査ガントリ20内の回転部15を撮影テーブル10のクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
【0091】
本実施例では、医用X線CT装置を元について記載されているが、産業用X線CT装置、又は、他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにおいても利用できる。
【符号の説明】
【0092】
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置 (33 … 前処理部,34 … 画像再構成部,35 … デュアルエネルギー画像再構成部,37… 撮影制御部, 38 … 再投影処理部)
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
10 … 撮影テーブル
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管 (21−1 … 第1X線管,21−2 … 第2X線管)
22 … X線制御部
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器 (24−1 … 第1多列X線検出器,24−2 … 第2多列X線検出器)
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
30 … スリップリング
32 … X線管可動機構
dP … X線検出器面
P … 画像再構成領域
D … 回転中心軸上での多列X線検出器幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を載置する寝台と、
前記被検体の体軸方向を軸として該被検体の周囲を回転させながら該被検体に対して照射する所定のビーム幅のX線を発生する第1X線発生装置と、
前記第1X線発生装置と共に前記被検体の周囲を回転させながら前記第1X線発生装置と異なる角度方向から前記被検体に対して照射する所定のビーム幅のX線を発生する第2X線発生装置と、
前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれに対向して配置され、前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づく前記被検体のX線投影データを収集するX線検出装置と、
前記被検体の体軸方向を軸として前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置を回転させる回転部と、
前記回転部により前記第1X線発生装置及び第2X線発生器を回転させながら、前記第1X線発生装置及び第2X線発生器と前記寝台とを相対的に移動させてヘリカルスキャンを行う撮影制御部とを有するX線断層撮影装置であって、
同じ体軸方向の位置に配置された前記第1X線発生装置と第2X線発生装置から発生した前記第1X線発生装置及び第2X線発生装置それぞれから発生したX線に基づくそれぞれのX線投影データとして、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データの収集を行うX線投影データ制御手段であって、X線に基づく投影データを用いて画像再構成した互いに体軸方向の位置の異なる第1断層像と第2断層像の少なくとも一方について、前記同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データとなるような再投影処理を行うX線投影データ制御手段さらに備えることを特徴とするX線断層撮影装置。
【請求項2】
前記再投影処理は、ファン角度を有するビーム方向のファンビーム再投影処理又は平行ビーム方向の平行ビーム再投影処理を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線断層撮像装置。
【請求項3】
前記第1X線発生装置は第1エネルギースペクトルのX線を発生し、前記第2X線発生装置は前記第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを発生し、
前記第1エネルギースペクトルのX線及び前記第2エネルギースペクトルのX線に基づくX線投影データを用いて、デュアルエネルギー像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線断層撮像装置。
【請求項4】
前記デュアルエネルギー像画像再構成部は、前記第1エネルギースペクトルのX線及び前記第2エネルギースペクトルのX線に基づく、同じ体軸方向の位置の同じビュー角度のX線投影データ同士の加重減算処理を行った後、逆投影処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を画像再構成することを特徴とする請求項3に記載のX線断層撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−99639(P2013−99639A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−38204(P2013−38204)
【出願日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【分割の表示】特願2008−156085(P2008−156085)の分割
【原出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】