説明

X線映像装置及びその制御方法

【課題】互いに異なるエネルギーレベルを有するX線を用いて骨と軟組織のX線映像を獲得するにおいて、骨と軟組織を一つの映像に出力することによって、使用者が、一つの映像を通して被検査体の状態を確認できると同時に、骨と軟組織との間の相関関係を容易に把握できるようにするX線映像装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】X線を発生させ、被検査体にX線を照射するX線発生部と、前記X線発生部によって照射されて前記被検査体を透過したX線を検出する検出部と、前記検出部によって検出されたX線から映像を獲得し、前記獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨と軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得し、前記骨と軟組織の映像情報を含む一つの映像を生成して出力するホスト装置と、を含んでX線映像装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なるエネルギーレベルを有する多数のX線を用いて被検査体の骨と軟組織のX線映像を獲得するX線映像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線映像装置は、被検査体にX線を照射し、被検査体を通過したX線を分析して被検査体の内部構造を把握できるようにする装置である。被検査体を構成する組織によってX線の透過性が変化するので、この変化を数値化した減衰係数(attenuation coefficient)を用いて被検査体の内部構造を映像化することができる。
【0003】
最近は、単一エネルギーのX線を用いるのではなく、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線を照射することによってX線映像を得る方法が開発され、これに関する多様な研究が進められている。
【0004】
これら方法のうち、エネルギーX線映像装置は、被検査体に第1のエネルギーのX線と第2のエネルギーのX線を順次照射して複数の透過映像を得た後、これら映像を用いて被検査体の骨と軟組織を分離した鮮明な映像を得る。しかし、X線映像装置は、骨と軟組織の映像をそれぞれ個別に出力するので、骨と軟組織との間の幾何学的相関関係を確認しにくく、複数の映像を確認しなければならないという不便さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様に係るX線映像装置及びその制御方法は、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線を用いて骨と軟組織のX線映像を獲得するにおいて、骨と軟組織を一つの映像に出力することによって、使用者が、一つの映像を通して被検査体の状態を確認できると同時に、骨と軟組織との間の相関関係を容易に把握できるようにするX線映像装置及びその制御方法を提供する。
【0006】
また、本発明の他の態様に係るX線映像装置及びその制御方法は、骨と軟組織を一つの映像に出力し、骨と軟組織を互いに異なるカラー又は明るさで示すことによって、使用者が骨と軟組織を容易に区別できるようにするX線映像装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るX線映像装置は、X線を発生させ、被検査体にX線を照射するX線発生部と、前記X線発生部によって照射されて前記被検査体を透過したX線を検出する検出部と、及び前記検出部によって検出されたX線から映像を獲得し、前記獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨と軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得し、前記骨と軟組織の映像情報を含む一つの映像を生成して出力するホスト装置と、を含む。
【0008】
前記ホスト装置は、前記骨に対する映像情報及び軟組織に対する映像情報を全て含む一つの映像を生成する映像生成部と、及び前記映像生成部によって生成された一つの映像を出力する映像出力部と、を含む。
【0009】
前記映像生成部は、前記一つの映像で骨に対応する領域の明るさと軟組織に対応する領域の明るさを互いに異なるように調節する。
【0010】
前記ホスト装置は、前記獲得された骨と軟組織に対する映像情報を多数のカラーチャンネルのうち互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするカラーマッピング部をさらに含む。
【0011】
前記映像生成部は、前記互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングされた前記獲得された骨と軟組織に対する映像情報を全て含む一つの映像を生成する。
【0012】
前記ホスト装置は、使用者から前記骨及び軟組織のうち少なくとも一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、前記映像生成部は、前記入力部を通して選択された骨又は軟組織に対する映像情報のみを含む他の映像をさらに生成する。
【0013】
前記ホスト装置は、使用者から前記骨及び軟組織のうち少なくとも一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、前記映像生成部は、前記一つの映像で前記入力部を通して選択された骨又は軟組織に対応する領域の明るさを、選択されていない骨又は軟組織に対応する領域の明るさと互いに異なるように調節する。
【0014】
前記ホスト装置は、使用者から前記互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングされる前記骨及び軟組織に対する映像情報のうち一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、前記映像生成部は、前記入力部を通して選択された映像情報のみを含む他の映像をさらに生成する。
【0015】
前記ホスト装置は、使用者から前記互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングされる前記骨及び軟組織に対する映像情報のうち一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、前記映像生成部は、前記選択された映像情報及び選択されていない映像情報を全て含む一つの映像をさらに生成し、前記一つの映像で骨に対応する領域の明るさを軟組織に対応する領域の明るさと異なるように調節する。
【0016】
前記カラーマッピング部によって行われるカラーマッピングは、使用者によって設定又は変更される。
【0017】
前記ホスト装置は、使用者から前記一つの映像で骨及び軟組織の加重値の変化に対する命令が入力される入力部をさらに含み、前記映像生成部は、前記映像出力部によって出力された一つの映像での骨及び軟組織の加重値を前記入力された命令に従って調節する。
【0018】
本発明の他の態様に係るX線映像装置の制御方法は、X線を発生させ、被検査体にX線を照射するステップと、前記被検査体を透過したX線を検出するステップと、前記検出されたX線からX線映像を獲得するステップと、前記獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨及び軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得ステップと、前記獲得されたそれぞれの映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力するステップとを有する。
【0019】
前記制御方法は、前記獲得されたそれぞれの映像情報を多数のカラーチャンネルのうち互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするステップをさらに有する。
【0020】
方法を実行する命令を含むプログラムを記録するコンピューターによって読み取り可能な非一時的な記録媒体において、前記方法は、X線を発生させ、被検査体にX線を照射するステップと、前記被検査体を透過したX線を検出するステップと、前記検出されたX線からX線映像を獲得するステップと、前記獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨及び軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得ステップと、前記獲得されたそれぞれの映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力ステップとを有する。
【0021】
前記方法は、前記獲得された映像情報を多数のカラーチャンネルのうち互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係るX線映像装置及びその制御方法によると、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線を用いて骨と軟組織のX線映像を獲得するにおいて、骨と軟組織を一つの映像に出力することによって、使用者は、被検査体の状態を把握することができ、骨と軟組織との間の相関関係を容易に把握することができる。
【0023】
また、本発明の他の態様に係るX線映像装置及びその制御方法によると、骨と軟組織を一つの映像に出力し、骨と軟組織を互いに異なるカラー又は明るさレベルで示すことによって、使用者が一つのX線映像内で骨と軟組織を容易に区別することができ、その結果、診断の正確性及び効率性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の全体構成を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るX線映像装置のホスト装置を示した詳細なブロック図である。
【図4A】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から獲得したX線映像を示した図である。
【図4B】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から獲得したX線映像を示した図である。
【図5】骨と軟組織に対するX線減衰係数を示したグラフである。
【図6A】従来の二重エネルギーX線映像装置から出力されるX線映像を示した図である。
【図6B】従来の二重エネルギーX線映像装置から出力されるX線映像を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から出力されるX線映像の一例を示した図である。
【図8A】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から出力されるX線映像の一例を示した図である。
【図8B】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から出力されるX線映像の一例を示した図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から生成される一つの映像に対するデータ構造を概略的に示した図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から生成及び出力されるX線映像の一例を概略的に示した図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【図14A】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から出力されるX線映像の一例を示した図である。
【図14B】本発明の一実施形態に係るX線映像装置から出力されるX線映像の一例を示した図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るX線映像装置のスクリーン上の映像出力を示した図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付の図面を参照して本発明の一実施形態に係るX線映像装置を説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るX線映像装置98は、X線を発生させ、被検査体にX線を照射するX線発生部100と、X線発生部100に電源を供給する電源供給部400と、X線発生部100によって発生して被検査体を透過したX線を検出する検出部200と、検出部200によって検出された各X線に対する映像を獲得し、獲得されたX線映像に基づいて被検査体の骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得し、複数の映像情報を含む一つの映像を生成して出力するホスト装置300とを含む。
【0028】
X線発生部100は、電源供給部400から電源を受けてX線を発生させ、被検査体にX線を照射する。照射されるX線のエネルギー強さ及び量は、電源供給部400から供給される電源の強さ及び時間によって変化する。
【0029】
電源供給部400は、X線発生部100に一定の電圧を有する電源を供給してX線を発生させ、電源供給部400から供給される電源の強さはホスト装置300によって制御される。
【0030】
検出部200は、被検査体を透過したX線を検出する。X線発生部100によって照射されたX線は、被検査体を透過すると同時に減衰されるので、X線が照射された部分を構成する組織によってX線の透過性が変化し、X線が照射された位置によって透過されたX線の量が変化する。
【0031】
互いに異なるX線の透過性を有する組織は、大きく脂肪、筋肉、血液などの軟組織、骨、歯牙などのカルシウムを多量含む組織、及び気体に分けることができる。したがって、X線が照射された骨、軟組織及び気体又は脂肪組織などの被検査体の部分によって、透過されたX線の量が変化する。
【0032】
検出部200は、映像増幅装置及びCCDカメラを含むことができ、被検査体を透過したX線を検出し、映像増幅装置を通して映像を増幅し、この映像を電気信号に変換し、この電気信号をホスト装置300に伝送する。
【0033】
ホスト装置300は、伝送された電気信号に基づいてイメージ処理を通して互いに異なるエネルギーを有するX線のそれぞれに対する映像を獲得し、獲得された映像から被検査体の骨と軟組織に対する映像情報を獲得する。そして、ホスト装置300は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力する。
【0034】
上述したように、本発明の一実施形態では、互いに異なるエネルギーを有するX線の各映像を獲得し、これらを用いて骨と軟組織に対する映像情報を獲得する。互いに異なるエネルギーを有するX線の各映像を獲得する方法としては、互いに異なるエネルギーを有するX線をそれぞれ照射する第1の方法と、X線を1回照射して検出し、所望のエネルギーレベルを有するX線を分離する第2の方法とがある。
【0035】
第1の方法においては、X線発生部100は、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ発生させ、被検体にX線を照射し、検出部200は、被検査体からX線を検出し、電気データをホスト装置300に送り、ホスト装置300は、イメージ処理を通してそれぞれのX線に対する映像を獲得する。
【0036】
第2の方法においては、X線発生部100は、一定のレベルのエネルギーを有するX線を1回照射し、検出部200として光子計数検出部(Photon Counting Detector:PCD)を使用してX線をエネルギーレベルによって分離する。
【0037】
具体的には、被検査体を透過したX線がPCDのフォトダイオード領域に到逹すると、価電子帯に留まっていた各電子がX線のフォトン(光子)エネルギーを受け、帯域ギャップ(band gap)エネルギー格差を超えて伝導帯まで励起される。このような励起によって電子―正孔ペアが空乏領域にも多量発生し、電子―正孔ペアが電界によって動きながら電流が流れるようになる。この電流のレベルを検出すると、被検査体を透過してピクセルに到逹したX線のレベルデータを得ることができ、各ピクセルのデータを集めることによって一つの映像を得ることができる。
【0038】
PCDは、X線のエネルギーに該当するフォトンが入射される度に発生する電子―正孔の流れによる電流を電圧信号に変換及び増幅し、これを比較器に入力する。比較器は、増幅された電圧信号を基準電圧と比較してパルスを出力し、カウンターは、単位時間当たりの比較器からの出力パルスを計数することによってX線のレベルを測定する。
【0039】
本発明の一実施形態は、多重エネルギーのX線に対する複数の映像から骨と軟組織の映像情報を獲得し、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成することを特徴とし、例えば、上述した第1の方法又は第2の方法のうち一つを使用して複数のX線映像を獲得する。
【0040】
以下で説明する実施形態では、説明の便宜上、第1の方法、すなわち、X線を少なくとも2回照射することによって複数のX線映像を獲得する方法を使用する。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置の全体構成を示した図である。
【0042】
図2を参照すると、X線発生部100は、一定の距離だけX線発生部100から離隔した検出部200と向かい合うように設置され、電源供給部400は、X線発生部100に連結されて電圧と電流を供給し、その結果、X線発生部100はX線を発生させる。
【0043】
電源供給部400は、ホスト装置300によって制御され、被検査体102の検査部位にX線を発生させるために、予め設定された電圧と電流をX線発生部100に供給する。
【0044】
人が被検査体である場合、人は、検出部200の前で撮影しようとする身体部位に適した姿勢を取るようになる。例えば、胸部を撮影しようとする場合は、X線発生部100に背を向けて検出部200に胸を密着させる。検出部200は、X線発生部100によって照射されて被検査体を透過したX線104を検出し、このX線を電気的な信号に変換してホスト装置300に伝送する。
【0045】
ホスト装置300は、検出部200及び電源供給部400と連結され、電源供給部400に電圧及び電流を制御する制御信号を送り、伝送された各X線の信号に基づいて検出部200から各X線に対するX線映像を獲得する。さらに、各X線映像で示される骨と軟組織との間の減衰係数差を用いて骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得し、これら映像情報を全て含む一つの映像を映像出力部上に出力することによって、検査者が被検査体に対して疾病の有無を判断できるようになる。
【0046】
図2の装置の全体構成図は、本発明の一実施形態を説明するために提供される。X線撮影は、被検査体が横になりながら、または座っている状態で行うこともでき、装置が所望の機能を行う構成要素を含んでいる限り、それぞれの構成要素の位置は図2に示すように制限されるものではない。
【0047】
以下では、図1を参照して説明した本発明の一実施形態に係るX線映像装置のホスト装置300の動作について詳細に説明する。
【0048】
図3は、図1を参照して説明した本発明の一実施形態に係るX線映像装置のホスト装置300を示した詳細なブロック図である。
【0049】
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るX線映像装置においては、ホスト装置300は、検出部200から受けた電気信号の映像処理を通してそれぞれのX線映像を獲得する映像獲得部311と、獲得されたそれぞれのX線映像及び骨と軟組織との間の減衰特性差に基づいて骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する情報獲得部312と、獲得されたそれぞれの映像情報を全て含む一つの映像を生成する映像生成部313と、生成された映像を出力する映像出力部314とを含む。
【0050】
上述したように、電源供給部400からX線発生部100に電源を供給すると、X線発生部100は、供給された電源に対応するエネルギーを有するX線を発生させ、検出部200は、X線発生部100によって照射されて被検査体を透過したX線を検出し、電気信号などのX線データをホスト装置300に伝送する。
【0051】
X線発生部100は、供給される電源によって互いに異なるレベルを有するエネルギーを発生させる。本発明の一実施形態において、エネルギーレベルの数には制限がないが、以下で詳細に説明するように、互いに異なるレベルの第1のエネルギー及び第2のエネルギーを有するX線をそれぞれ順次照射する。順次照射することは、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線が同時に被検査体に照射されないことを意味し、第1のエネルギーレベルと第2のエネルギーレベルの照射順序がこれに制限されることはない。
【0052】
映像獲得部311は、検出部200から伝送されたX線信号又は電気信号の映像処理を通して第1のエネルギーのX線映像及び第2のエネルギーのX線映像をそれぞれ獲得する。映像獲得部311によって行われる映像処理方法は、X線映像を生成するための公知の映像処理方法の一つであり得る。
【0053】
図4A及び図4Bは、映像獲得部311によって獲得したX線映像を示している。図4Aは、相対的に低いエネルギーを有する第1のエネルギーのX線映像で、図4Bは、相対的に高いエネルギーを有する第2のエネルギーのX線映像である。図4A及び図4Bを参照すると、X線のエネルギー強さによって骨と軟組織の減衰特性が変化することが分かる。以下で説明する情報獲得部は、このような特性を用いて骨の映像情報及び軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する。
【0054】
情報獲得部312は、骨と軟組織との間の減衰特性差を用いて映像獲得部311を通して獲得した第1のエネルギーのX線映像及び第2のエネルギーのX線映像から骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する。以下では、骨と軟組織の映像情報を獲得する過程について詳細に説明する。
【0055】
上述したように、X線が透過される物質によって透過率又は減衰率が変化する。X線映像は、この特性を用いて被検査体の内部構造を示した映像である。X線の減衰率を数値的に示したものが減衰係数(attenuation coefficient)である。減衰係数は、被検査体に入射されたX線の強さ(I)と被検査体の厚さ(t)を透過したX線の強さ(I)との間の関係を示したもので、下記の[数式1]のように表現することができる。
【0056】
[数式1]
I=Iexp(−μt)
【0057】
ここで、μは減衰係数を示す。
【0058】
したがって、減衰係数が増加するほど、透過したX線の強度が減少する。すなわち、減衰係数が増加するほど、被検査体に対するX線の透過率が減少し、減衰係数が減少するほど、被検査体に対するX線の透過率が増加する。
【0059】
図5は、骨と軟組織に対する減衰係数の曲線61、62をそれぞれ示したグラフである。このグラフを参照すると、X線のエネルギーが増加するほど、減衰係数の値は減少する。これは、X線のエネルギーが増加するほど、X線がより効率的に被検査体に透過することを意味する。さらに、図5のグラフを参照すると、骨の減衰係数を示す曲線61が、軟組織の減衰係数を示す曲線62より上側に位置する。これは、骨に対するX線の透過率より軟組織に対するX線の透過率がより高いことを意味する。
【0060】
図5のグラフによると、エネルギーの強さによって二つの減衰係数の差が変化することが分かる。X線のエネルギーがx keVに該当する地点での骨と軟組織との間の減衰係数差(a)は、X線のエネルギーがy keVに該当する地点での骨と軟組織との間の減衰係数差(b)より高い。すなわち、X線のエネルギーが減少するほど、骨と軟組織との間の減衰係数差が増加する。
【0061】
情報獲得部312で上述した骨と軟組織との間の減衰特性差を用いてそれぞれの映像情報を獲得するための一実施形態では、二重エネルギー減算法を使用することができる。二重エネルギー減算法は、高いエネルギーと低いエネルギーで獲得した映像を代数化(logarithm)した後、適用可能な加重値を用いて二つの映像間の差を求めることによって骨及び軟組織のうち所望の部分を鮮明に示す映像情報を抽出する方法である。
【0062】
下記の[数式2]及び[数式3]のIとIは、低いエネルギーのX線から獲得した映像情報と高いエネルギーのX線から獲得した映像情報の対数値として表現した映像情報を示し、加重値を示すwとwは[数式4]、[数式5]のようにそれぞれ表現することができる。
【0063】
[数式式2]
bone=I−I
【0064】
[数式3]
soft=I−w
【0065】
[数式4]
=μbone(E)/μbone(E
【0066】
[数式5]
=μsoft(E)/μsoft(E
【0067】
ここで、μbone(E)は、高いエネルギーでの骨の減衰係数を示し、μbone(E)は、低いエネルギーでの骨の減衰係数を示す。μsoft(E)は、高いエネルギーでの軟組織の減衰係数を示し、μsoft(E)は、低いエネルギーでの軟組織の減衰係数を示す。
【0068】
[数式4]、[数式5]を用いて加重値を求めた後、この加重値を[数式2]、[数式3]に代入すると、骨の映像情報(Ibone)及び軟組織の映像情報(Isoft)をそれぞれ得ることができる。
【0069】
骨の映像情報は、軟組織の残像が除去され、骨が鮮明に示される映像情報であって、軟組織の映像情報は、骨の残像が除去され、軟組織が鮮明に示される映像情報である。
【0070】
上述した二重エネルギー減算法は、二重エネルギーのX線映像を獲得する方法の一例に過ぎなく、本発明の実施形態が上述した方法に限定されることはない。
【0071】
映像生成部313は、情報獲得部から獲得した骨及び軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成し、この映像を、映像出力部を通して出力することによって、使用者又は検査者は、一つの映像から骨と軟組織の状態を確認できるようになる。
【0072】
映像出力部314の構成は、X線映像を出力して表示可能なものであれば特別に制限されない。
【0073】
図6A及び図6Bは、従来の二重エネルギーX線映像装置から出力されるX線映像を示し、図7は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置の映像出力部から出力されるX線映像を示す。
【0074】
図6A及び図6Bを参照すると、従来は、骨を示すX線映像と軟組織を示すX線映像をそれぞれ個別に生成して出力したので、使用者は、被検査体の状態を確認するために骨を示すX線映像及び軟組織を示すX線映像をそれぞれ分析しなければならなく、骨と軟組織との間の相関関係を容易に把握することができなかった。
【0075】
図7に示したように、本発明の一実施形態に係るX線映像装置は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成して出力する。X線映像に含まれた骨と軟組織の映像情報は、骨と軟組織の映像情報の残像を互いに除去した鮮明な映像を示すものであるので、使用者は、一つの映像から骨と軟組織の状態を確認することができ、骨と軟組織との間の相関関係も把握できるようになる。
【0076】
以下では、図1及び図3を参照して説明した実施形態に基づいて、本発明の他の実施形態に係るX線映像装置を説明する。
【0077】
この実施形態に係るX線映像装置の構成は、図1及び図3を参照して説明した実施形態の構成と同一であり、映像生成部の動作において差がある。図3を参照して説明した実施形態では、映像生成部が、情報獲得部から獲得された骨の映像情報及び軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成し、この実施形態は、骨と軟組織が互いに異なる明るさレベルを有する一つのX線映像に関する。
【0078】
この実施形態に係るX線映像装置において、映像生成部313は明るさ調節フィルターを含むことができ、明るさ調節フィルターは、一つのX線映像で骨に該当する領域及び軟組織に該当する領域に含まれるピクセル値を調節し、骨と軟組織の明るさを異ならせることができる。二つの領域のうちより明るい領域は、映像生成部によって任意に決定することができる。
【0079】
図8A及び図8Bは、本発明の一実施形態に係るX線映像装置から出力されるX線映像を示す。
【0080】
図8A及び図8BのX線映像では、濃く表示された部分、すなわち、黒色で表示された部分が明るさの強い部分で、薄く表示された部分、すなわち、灰色で表示された部分が明るさの弱い部分である。
【0081】
映像生成部313が骨をより明るく示すと決定した場合は、図8Aに示すように、骨領域110は、軟組織領域112より明るく示す。明るさ調節フィルターは、骨の映像情報と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像で骨の映像情報に対応するピクセル全体の値に一定値を掛け算し、骨の外観を強調する。
【0082】
映像生成部313が軟組織をより明るく示すと決定した場合は、図8Bに示すように、軟組織領域114は、骨領域116より明るく示す。明るさ調節フィルターは、骨の映像情報と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像で軟組織の映像情報に対応するピクセル全体の値に一定の値を掛け算し、軟組織の外観を強調する。
【0083】
この実施形態では、骨と軟組織が互いに異なるレベルの明るさを有する。したがって、明るさ調節フィルターは、骨及び軟組織の領域のうちいずれか一つをより暗く又はより薄く調節することも可能である。すなわち、この実施形態では、骨領域及び軟組織領域が互いに相対的により明るく又は暗くなる。
【0084】
上述した実施形態は一例に過ぎなく、一つの映像で骨と軟組織の明るさを互いに異なるように調節できる限り、いずれの方式又はフィルターを使用しても構わない。
【0085】
以下では、本発明の他の実施形態に係るX線映像装置を説明する。
【0086】
図9は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【0087】
図9を参照すると、この実施形態に係るX線映像装置は、被検査体に照射される互いに異なる少なくとも二つのエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ発生させるX線発生部100と、X線発生部100に電源を供給する電源供給部400と、被検査体を透過したX線を検出する検出部200と、検出部200によって検出された各X線に対する映像を獲得し、獲得されたX線映像に基づいて被検査体の骨と軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得し、獲得された映像情報を互いに異なるカラーチャンネルにマッピングし、映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力するホスト装置300とを含む。
【0088】
この実施形態のX線発生部100、電源供給部400及び検出部200は、図1及び図3を参照して説明した実施形態のものと同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0089】
図9に示したように、この実施形態に係るホスト装置300は、検出部200から伝送された電気信号の映像処理を通してそれぞれのX線映像を獲得する映像獲得部321と、獲得されたX線映像及び骨と軟組織の減衰特性差に基づいて骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する情報獲得部322と、骨と軟組織の映像情報を互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするカラーマッピング部323と、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成する映像生成部324と、生成された映像を出力する映像出力部325とを含む。
【0090】
この実施形態の映像獲得部321及び情報獲得部322も図3を参照して説明した実施形態のものと同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0091】
カラーマッピング部323は、情報獲得部322から獲得した骨の映像情報及び軟組織の映像情報を多数のカラーチャンネルのうち互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングする。一般に、X線映像は、カラーチャンネルの代わりに、グレーレベルを使用して黒白の明暗で表現していたが、この実施形態では、骨と軟組織の映像情報をカラーチャンネルにマッピングし、一つの映像で骨と軟組織をカラーによって区分する。図9を参照して説明した実施形態に使用されるカラーモデルは、少なくとも二つの互いに異なるカラーを示す限り、その種類に制限はない。
【0092】
一例として、RGB(Red―Green―Blue)モデルを使用する場合、カラーマッピング部は、骨の映像情報をレッドチャンネルに、軟組織の映像情報をグリーンチャンネルにそれぞれマッピングし、映像生成部は、骨の映像情報及び軟組織の映像情報又はレッドチャンネル及びグリーンチャンネルを全て含む一つの映像を生成して出力し、一つの映像で骨を赤い色で、軟組織を青色でそれぞれ表現し、骨と軟組織を互いに容易に区別できるようにする。
【0093】
また、骨の映像情報をレッドチャンネルにマッピングして赤い色で表現し、軟組織の映像情報をグレーレベルで表現することも可能である。
【0094】
図10は、図9を参照して説明した実施形態によって生成される一つの映像に対するデータ構造を概略的に示した図である。
【0095】
図10を参照すると、映像生成部324によって生成される一つの映像は多数のピクセルに分割することができ、それぞれのピクセルは、骨と軟組織に対する映像情報を含む。したがって、骨と軟組織の映像情報を互いに異なるカラーを有するカラーチャンネル(channel1、channel2)にそれぞれマッピングすると、図10に示したように、各ピクセルの映像情報は、対応するカラーチャンネルに記録される。
【0096】
図10に示したデータ構造は本発明の一例に過ぎなく、骨と軟組織の映像情報をカラーチャンネルにマッピングする方式又はカラーマッピングされたデータ構造は上述した例に限定されない。
【0097】
図11は、図9を参照して説明した実施形態によって生成されて出力されるX線映像を概略的に示した図である。
【0098】
図11のX線映像において、斜線パターン120はグリーンカラーで示され、ドットパターン122はレッドカラーで示される場合、軟組織はグリーンカラーで示され、肋骨、肩甲骨、脊椎骨などの骨はレッドカラーで示される。さらに、骨と軟組織が重なる部分はレッドカラーとグリーンカラーとが混合された色相を示し、骨の密度が高いとレッドカラーが強く示され、軟組織の密度が高いとグリーンカラーが強く示される。使用者は、該当の部分のカラーを通してその部分に存在する骨と軟組織のレベルを確認することができる。ただし、図11の斜線パターンとドットパターンは、X線映像での濃度や密度は示さず、カラー差のみを示すことに留意する。
【0099】
例えば、使用者が映像出力部325を通して骨と軟組織の両方を示すX線映像を確認した後、骨のX線映像及び軟組織のX線映像のうち一つのみをより正確に分析しようとする場合がある。以下では、本発明の一実施形態に係る骨又は軟組織のX線映像を選択的に生成して出力するX線映像装置を説明する。
【0100】
図12は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【0101】
図12を参照すると、この実施形態に係るX線映像装置は、被検査体に照射される互いに異なる少なくとも二つのエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ発生させるX線発生部100と、X線発生部100に電源を供給する電源供給部400と、被検査体を透過したX線を検出する検出部200と、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成及び出力し、使用者の選択によって骨及び軟組織の映像情報のうち一つのみを含む一つのX線映像を生成及び出力するホスト装置300とを含む。
【0102】
この実施形態のX線発生部100、電源供給部400及び検出部200の動作は、図1及び図3を参照して説明した実施形態のものと同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0103】
ホスト装置300は、検出部200から伝送された電気信号の映像処理を通してそれぞれのX線映像を獲得する映像獲得部331と、獲得されたそれぞれのX線映像及び骨と軟組織の減衰特性差に基づいて骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する情報獲得部332と、使用者の選択が入力される入力部360と、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像、及び骨と軟組織のうち一つの映像情報のみを含む一つの映像を生成する映像生成部333と、生成された映像を出力する映像出力部334とを含む。
【0104】
この実施形態の映像獲得部331及び情報獲得部332の動作は図3を参照して説明した実施形態のものと同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0105】
映像生成部333は、まず、図3を参照して説明した実施形態と同様に、骨と軟組織の映像情報を全て含む混合されたX線映像を生成し、映像出力部334はX線映像を出力する。
【0106】
使用者は、出力された映像から骨と軟組織の状態を確認することができ、その結果、異常な骨又は軟組織が存在する部分をより正確に分析することができる。入力部360は、骨又は軟組織の選択を入力し、ホスト装置300のマウス、キーボード、タッチパネルなどであり得る。
【0107】
入力部360を用いて使用者が選択を入力すると、映像生成部333は、選択された骨又は軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成し、映像出力部334は生成されたX線映像を出力する。例えば、使用者が骨を選択した場合、映像生成部333は骨の映像情報のみを含むX線映像を生成し、映像出力部334を通してX線映像を出力する。また、使用者が軟組織を選択した場合、映像生成部333は、軟組織の映像情報のみを含むX線映像を生成し、映像出力部334を通してX線映像を出力する。
【0108】
この実施形態においては、図1及び図3を参照して説明したように、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成及び出力した後、入力部360を通して使用者の選択を入力し、選択された骨又は軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像をさらに出力する。
【0109】
図8を参照して説明したように、X線映像装置は、映像生成部を通して骨及び軟組織のうち一つを指定し、一つの映像で指定された骨又は軟組織に該当する領域をより明るく又は薄くする。
【0110】
X線映像装置は、図8を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の構成要素の他に、入力部を含むことができ、映像生成部は、使用者によって選択された骨又は軟組織に対応する領域を、使用者の選択によってより明るくする。
【0111】
また、図9を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の構成要素の他に、実施形態(以下では、図13を参照して説明する)は入力部をさらに含み、使用者によって骨又は軟組織の選択を入力し、X線映像を出力する。以下では、この実施形態について詳細に説明する。
【0112】
図13は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置を示したブロック図である。
【0113】
図13を参照すると、この実施形態に係るX線映像装置は、被検査体に照射される互いに異なる少なくとも二つのエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ発生させるX線発生部100と、X線発生部100に電源を供給する電源供給部400と、被検査体を透過したX線を検出する検出部200と、検出部200によって検出された各X線に対する映像を獲得し、獲得されたX線映像に基づいて被検査体の骨と軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得し、獲得された複数の映像情報を互いに異なるカラーチャンネルにマッピングし、全ての映像情報を含む一つの映像を生成及び出力し、使用者によって選択される骨又は軟組織の映像情報のみを含む一つの映像を生成及び出力するホスト装置300とを含む。
【0114】
この実施形態に係るX線発生部100、電源供給部400及び検出部200の動作も図1及び図3を参照して説明した実施形態のものと同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0115】
この実施形態のホスト装置300は、検出部200から伝送された電気信号の映像処理を通してそれぞれのX線映像を獲得する映像獲得部と、獲得されたそれぞれのX線映像及び骨と軟組織との間の減衰特性差に基づいて骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する情報獲得部と、骨と軟組織の映像情報を互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするカラーマッピング部と、獲得された映像情報を全て含む一つの映像を生成する映像生成部と、生成された映像を出力する映像出力部と、使用者の選択が入力される入力部とを含む。
【0116】
この実施形態の映像獲得部341、情報獲得部342及びカラーマッピング部343は図9を参照して説明した実施形態のものと同一に動作し、映像生成部344及び映像出力部345は、図9を参照して説明した実施形態と同様に、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成及び出力した後、入力部360を通した使用者の選択によって追加的な動作を行う。
【0117】
入力部360は、使用者によって骨の映像情報のみを含むX線映像又は軟組織の映像情報のみを含むX線映像の生成に対する選択を入力するものであって、骨又は軟組織に対する選択を直接入力したり、骨と軟組織の映像情報がマッピングされたカラーチャンネルに対する選択を間接的に入力することもできる。
【0118】
また、入力部360は、使用者によってカラーマッピングに対する選択を入力し、例えば、使用者は、骨をレッドチャンネルにマッピングし、軟組織をグリーンチャンネルにマッピングすることを選択したり、骨をグリーンチャンネルにマッピングし、軟組織をブルーチャンネルにマッピングすることを選択することができる。カラーマッピング部は、使用者の選択によって映像情報とカラーチャンネルをマッピングする。
【0119】
例えば、骨の映像情報をレッドチャンネルにマッピングし、軟組織の映像情報をグリーンチャンネルにマッピングした場合、使用者は、入力部を通してレッドチャンネル又はグリーンチャンネルを選択することができる。
【0120】
映像生成部は、使用者によって選択された骨又は軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成し、映像出力部345を通してX線映像を出力する。例えば、使用者が軟組織を選択した場合、映像生成部は、軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成し、使用者が軟組織にマッピングされたグリーンチャンネルを選択した場合、映像生成部344は、グリーンチャンネルのみを含む一つのX線映像を生成する。
【0121】
グリーンチャンネルのみを含むX線映像は、軟組織の映像情報のみを含むX線映像と同一であり、骨又は軟組織を直接選択するか、又はカラーチャンネルを通して間接的に選択するかは、入力部の入力方式の差に過ぎなく、実質的に同一の結果をもたらす。
【0122】
図14A及び図14Bは、図13を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置によって出力されるX線映像を示している。
【0123】
この実施形態に係るX線映像装置は、まず、上述した図11のX線映像を出力し、入力部を通して使用者の選択を受けた後、その選択によるX線映像を出力する。使用者が骨又は骨の映像情報がマッピングされたレッドチャンネルを選択した場合、図14Aに示したように、骨の映像情報のみを含むX線映像が生成及び出力されるので、レッドカラーで表現される骨のみがX線映像に示される。一方、使用者が軟組織又は軟組織の映像情報がマッピングされたグリーンチャンネルを選択した場合、図14Bに示したように、軟組織の映像情報のみを含むX線映像が生成及び出力されるので、グリーンカラーで表現される軟組織のみがX線映像に示される。
【0124】
使用者は、図14A及び図14Bに示したX線映像からより詳細に分析しようとする被検査体の検査部位に対する情報を得ることができる。
【0125】
この実施形態も、図8を参照して説明したX線映像装置の実施形態と同様に、選択された領域の明るさを相対的により明るく調節することができる。図13のブロック図を参照すると、使用者が入力部360を通して骨及び軟組織のうちいずれか一つを選択すると、この実施形態は、映像生成部344によって生成された一つの映像から選択された骨又は軟組織に対応する領域を選択されていない領域より明るくする。映像生成部は、明るさ調節フィルターを含むことができる。
【0126】
映像出力部345は、明るさが調節された映像を出力し、使用者は、出力された映像を通して所望の検査部位をより正確に見ながら、選択された部位と選択されていない部位との間の相関関係も確認することができる。
【0127】
以上説明した各実施形態に係るX線映像装置は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成及び出力し、骨又は軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像をさらに生成及び出力した。図15を参照して説明する実施形態に係るX線映像装置においては、使用者は、同一のX線映像内で骨と軟組織の加重値を変化させることができる。
【0128】
この実施形態に係るX線映像装置は、X線発生部100、電源供給部400、検出部200及びホスト装置300を含み、X線発生部100、電源供給部400及び検出部200の動作は図12を参照して説明した実施形態のものと同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0129】
ホスト装置300は、映像獲得部331、情報獲得部332、映像生成部333、入力部360及び映像出力部334を含み、この実施形態の映像獲得部及び情報獲得部の動作も、図12を参照して説明した実施形態のものと同一である。
【0130】
映像生成部333は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力し、入力部360は、使用者によって骨と軟組織の加重値の変化に対する命令が入力される。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネル又は使用者によって移動可能又は回転可能な所定の部材であり得る。
【0131】
図15は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置による映像出力を示している。
【0132】
図15を参照すると、映像生成部は、骨と軟組織に対する加重値を1:1にして、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成し、映像出力部のスクリーン314上にX線映像を出力する。映像出力部を通して映像を出力することは、映像生成部による映像の生成後に行われるので、この過程についての詳細な説明は省略する。
【0133】
映像出力部は、加重値が1:1であるX線映像を出力しながら、図15に示したようにコントロールバーを共に出力することができる。コントロールバーは、上下に移動可能であり、使用者は、マウスのカーソルー、キーボードの矢印などを用いてコントロールバーを移動させることもでき、映像出力部がタッチパネルである場合は手で直接タッチして移動させることもできる。
【0134】
最初に出力された映像の加重値が1:1である映像の場合、コントロールバーを上方に移動させるほど骨に対する加重値が増加し、コントロールバーを下方に移動させるほど軟組織に対する加重値が増加し得る。また、その反対にすることも可能である。図15において、スクリーン314の左側に表示されるX線映像は、コントロールバーの移動によって右側に表示されるX線映像に変わり、加重値の変化が連続的であるので、X線映像の変化も連続的である。
【0135】
図15の右側に示したように、コントロールバーが上方に移動するほど、X線映像で骨が強調され、コントロールバーが下方に移動するほど、X線映像で軟組織が強調される。使用者は、コントロールバーを移動させながら、出力されるX線映像を確認し、所望のX線映像を選択することができる。
【0136】
図15は、本発明の一実施形態に過ぎなく、最初に出力される映像の加重値を1:1でない比率にすることもでき、さらに、映像出力部の構成も図15に示した構成に制限されない。
【0137】
例えば、上述した変化した加重値は、図9を参照して説明した実施形態にも適用することができる。例えば、映像生成部は、マッピングされたカラーチャンネルを全て含む一つの映像を生成し、この映像を、映像生成部を通して出力し、使用者が入力部を通して骨と軟組織の加重値の変化に対する命令を入力すると、映像出力部によって表示されたX線映像で骨と軟組織の加重値が調節される。映像出力部によって出力されるX線映像は、図15のX線映像と同一であり、骨と軟組織にカラーがマッピングされる点において異なる。
【0138】
以下では、本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法について説明する。
【0139】
図16は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0140】
図16を参照すると、被検査体にX線を発生して照射し(510)、被検査体を透過したX線を検出する(511)。そして、検出されたX線に基づいて各エネルギーを有するX線映像を獲得し(512)、エネルギーは、互いに異なるレベルを有するエネルギーを意味する。
【0141】
骨と軟組織の減衰特性差を用いて、獲得されたX線映像から骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得し(513)、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力する(514)。
【0142】
上述したX線映像装置と同様に、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線映像を獲得するために、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ照射することもでき、一定のエネルギーレベルを有するX線を1回照射し、X線からPCDを用いて互いに異なるエネルギーレベルを有するX線を分離することもできるので、一実施形態では、二つの方法を全て使用することができる。
【0143】
以下では、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ照射する方法を用いた本発明の一実施形態を説明する。
【0144】
図17は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0145】
図17を参照すると、照射されるX線のエネルギーを設定し(610)、X線発生部100に設定されたエネルギーに対応する電源を供給することによって、被検査体に一定のエネルギーを有するX線を照射する(611)。診断部位によって設定されるエネルギーの値が変わり、例えば、胸部撮影の場合、110kVpの管電圧及び120mAの管電流を供給することによって、1次的に高いエネルギーを有するX線を照射する。
【0146】
検出部200は、被検査体を透過したX線を検出し、X線を電気信号に変換する(612)。映像獲得部は、検出されたX線に基づいてX線映像を獲得する(613)。すなわち、変換された電気信号はホスト装置300に伝送され、映像獲得部は電気信号の映像処理を通してX線映像を獲得する。
【0147】
そして、X線の追加照射の可否を判断する(614)。本発明の一実施形態はX線映像装置に関するので、X線の照射が少なくとも2回行われ、使用しようとするエネルギーレベルの数によって照射回数も変わる。
【0148】
判断の結果、X線を追加的に照射する場合(「はい」)、照射されるX線のエネルギーレベルを以前に照射されたX線のエネルギーレベルと異なるように再設定し(615)、再設定されたエネルギーレベルを有するX線を被検査体に照射する(611)。さらに、検出部200を用いてX線を検出し、映像獲得部を用いてX線映像を獲得する過程を繰り返す。
【0149】
これ以上X線を追加的に照射しない場合、情報獲得部は、骨と軟組織のX線減衰特性差を用いて獲得されたX線映像から骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得する(616)。
【0150】
そして、映像生成部は、獲得された骨の映像情報及び軟組織の映像情報を全て含む一つのX線映像を生成し、X線映像を映像出力部を通して出力する(617)。
【0151】
図18は、図8を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0152】
図17を参照して説明した実施形態と同様に、X線のエネルギーを設定し(620)、被検査体にX線を照射し(621)、被検査体を透過したX線を検出して電気信号に変換し(622)、映像処理過程を通してX線映像を獲得し(623)、追加的にX線を照射するかどうかを判断する(624)。X線を追加的に照射するとき、以前に照射されるX線のエネルギーレベルと異なるように、照射されるX線のエネルギーレベルを再設定し(625)、上述した過程は、X線の再設定されたエネルギーで繰り返される。
【0153】
そして、情報獲得部は、骨と軟組織との間のX線減衰特性差を用いて獲得されたX線映像から骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得し(626)、映像生成部は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成する(627)。
【0154】
一つの映像で骨と軟組織にそれぞれ対応する領域の明るさは、互いに異なるように調節する。具体的に、映像生成部は、明るさ調節フィルターなどを用いて映像で骨及び軟組織のうち一つに対応する領域を他の一つに対応する領域より明るく又は暗くする。これは、明るさレベルの差を用いて一つのX線映像で骨と軟組織を区別するためであり、骨と軟組織に対応する領域は互いに異なり、骨又は軟組織に対応する領域のうちいずれかをより明るく又は暗くしてもよい。
【0155】
骨と軟組織の明るさが異なるように調節されたX線映像は、映像出力部を通して出力される(628)。
【0156】
図19は、図9を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0157】
上述したように、X線のエネルギーを設定し(630)、被検査体にX線を照射し(631)、被検査体を透過したX線を検出して電気信号に変換し(632)、映像処理過程を通してX線映像を獲得し(633)、追加的にX線を照射するかどうかを判断し(634)、X線のエネルギーレベルを再設定しながら上述した過程を繰り返す。
【0158】
情報獲得部は、骨と軟組織との間のX線減衰特性差を用いて獲得されたX線映像から骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得し(636)、カラーマッピング部は、獲得されたそれぞれの映像情報を互いに異なるカラーチャンネルにマッピングする(637)。カラーマッピングについての詳細な内容は図9を参照して説明した。
【0159】
映像生成部は、マッピングされたカラーチャンネルを全て含む一つの映像を生成し、映像を映像出力部を通して出力する(638)。すなわち、映像生成部は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力する。使用者は、骨と軟組織のカラーが異なるように表現された一つのX線映像を通して骨と軟組織の状態を同時に把握することができる。
【0160】
図20は、図12を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0161】
640、641、642、643、644、645、646及び647の段階は、図18を参照して説明した実施形態の620〜627の段階にそれぞれ対応するので、これについての詳細な説明は省略する。
【0162】
骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を出力した後、使用者は、骨及び軟組織のうち一つを選択する(648)。649の段階では、使用者が骨を選択したと判断されると(「はい」)、骨の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成して出力し(650)、使用者が軟組織を選択したと判断されると(「いいえ」)、軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成して出力する(651)。
【0163】
図21は、本発明の一実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0164】
上述したように、X線のエネルギーを設定し(670)、被検査体にX線を照射し(671)、被検査体を透過したX線を検出して電気信号に変換し(672)、映像処理過程を通してX線映像を獲得し(673)、追加的にX線を照射するかどうかを判断(674)し、X線のエネルギーレベルを再設定しながら上述した過程を繰り返す。
【0165】
情報獲得部は、骨と軟組織との間のX線減衰特性差を用いて獲得されたX線映像から骨と軟組織の映像情報をそれぞれ獲得し(676)、映像生成部は、骨と軟組織の映像情報を全て含む一つの映像を生成及び出力する(677)。
【0166】
使用者が骨及び軟組織のうち一つの選択を入力し(678)、679の段階では、使用者が骨を選択したと判断されると(「はい」)、一つの映像で骨に対応する領域を軟組織に対応する領域より明るく調節し(680)、使用者が軟組織を選択したと判断されると、軟組織に対応する領域を骨に対応する領域より明るく調節する(681)。骨と軟組織の明るさは互いに相対的であるので、選択された骨又は軟組織に対応する領域を明るくするために、選択されていない骨又は軟組織に対応する領域の明るさを減少させることも可能である。
【0167】
図22は、図13を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0168】
690、691、692、693、694、695、696、697及び698の段階は、それぞれ図19を参照して説明した630〜638の段階に対応するので、これについての詳細な説明は省略する。
【0169】
したがって、骨と軟組織が互いに異なるカラーで区分された一つのX線映像を生成して出力した後(698)、699の段階では、使用者が骨及び軟組織から一つを選択し、使用者が骨に対する選択を入力すると(「はい」)、骨の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成して出力し(700)、使用者が軟組織に対する選択を入力すると(「いいえ」)、軟組織の映像情報のみを含む一つのX線映像を生成して出力する(701)。
【0170】
使用者が選択を入力するとき、骨及び軟組織のうち一つを選択するのではなく、骨及び軟組織がそれぞれマッピングされた一つのカラーチャンネルを選択することも可能である。この場合、選択されたカラーチャンネルのみを含む一つのX線映像を生成して出力し、その結果は骨又は軟組織を選択した場合と同一である。
【0171】
図23は、図15を参照して説明した実施形態に係るX線映像装置の制御方法を示したフローチャートである。
【0172】
710、711、712、713、714、715、716及び717の段階は、図17を参照して説明する610〜617の段階に対応するので、これについての詳細な説明は省略する。
【0173】
一つのX線映像を生成して出力するとき、一つの映像内で骨と軟組織の加重値は1:1にすることもでき、その他の比率にすることも可能である。
【0174】
使用者は、骨と軟組織の加重値の変化に対する命令を入力する(718)。命令の入力は、キーボード、マウス、タッチパネル又は移動可能な部材などを用いて行うことができる。
【0175】
映像生成部は、入力された命令に従って一つの映像内で骨と軟組織の加重値を調節し(719)、変化した加重値を有する映像を、映像出力部を通して出力する(730)。出力は、出力されたX線映像内で骨と軟組織の加重値を変化させることによって行うことができる。
【0176】
図17〜図23を参照して説明したX線映像獲得方法は、互いに異なるエネルギーレベルを有するX線をそれぞれ照射することによって、互いに異なるエネルギーレベルのX線に対する映像をそれぞれ獲得して行う。しかし、図16を参照して説明したように、X線を1回照射し、PCDを用いて多様なエネルギーを有するX線及びそれに対するX線映像を獲得する方法も同一に適用可能である。
【符号の説明】
【0177】
100 X線発生部
200 検出部
300 ホスト装置
331、341 映像獲得部
332、342 情報獲得部
333、344 映像生成部
334、345 映像出力部
343 カラーマッピング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生させ、被検査体にX線を照射するX線発生部と、
前記X線発生部によって照射されて前記被検査体を透過したX線を検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたX線から映像を獲得し、の獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨と軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得し、前記骨と軟組織の映像情報を含む一つの映像を生成して出力するホスト装置と、を含むX線映像装置。
【請求項2】
前記ホスト装置は、
前記骨に対する映像情報及び軟組織に対する映像情報を全て含む一つの映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部によって生成された一つの映像を出力する映像出力部と、を含む、請求項1に記載のX線映像装置。
【請求項3】
前記映像生成部は、
前記一つの映像で骨に対応する領域の明るさと軟組織に対応する領域の明るさを互いに異なるように調節する、請求項2に記載のX線映像装置。
【請求項4】
前記ホスト装置は、
前記獲得された骨と軟組織に対する映像情報を多数のカラーチャンネルのうち、互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするカラーマッピング部をさらに含む、請求項2に記載のX線映像装置。
【請求項5】
前記映像生成部は、
前記互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングされた前記獲得された骨と軟組織に対する映像情報を全て含む一つの映像を生成する、請求項4に記載のX線映像装置。
【請求項6】
前記ホスト装置は、
使用者から前記骨及び軟組織のうち少なくとも一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、
前記映像生成部は、
前記入力部を通して選択された骨又は軟組織に対する映像情報のみを含む他の映像をさらに生成する、請求項2に記載のX線映像装置。
【請求項7】
前記ホスト装置は、
使用者から前記骨及び軟組織のうち少なくとも一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、
前記映像生成部は、
前記一つの映像で前記入力部を通して選択された骨又は軟組織に対応する領域の明るさを、選択されていない骨又は軟組織に対応する領域の明るさと互いに異なるように調節する、請求項3に記載のX線映像装置。
【請求項8】
前記ホスト装置は、
使用者から前記互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングされる前記骨及び軟組織に対する映像情報のうち一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、
前記映像生成部は、
前記入力部を通して選択された映像情報のみを含む他の映像をさらに生成する、請求項5に記載のX線映像装置。
【請求項9】
前記ホスト装置は、
使用者から前記互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングされる前記骨及び軟組織に対する映像情報のうち一つに対する選択が入力される入力部をさらに含み、
前記映像生成部は、
前記選択された映像情報及び選択されていない映像情報を全て含む一つの映像をさらに生成し、
前記映像生成部は、
前記一つの映像で骨に対応する領域の明るさを軟組織に対応する領域の明るさと異なるように調節する、請求項5に記載のX線映像装置。
【請求項10】
前記カラーマッピング部によって行われるカラーマッピングは、使用者によって設定又は変更される、請求項4に記載のX線映像装置。
【請求項11】
前記ホスト装置は、
使用者から前記一つの映像で骨及び軟組織の加重値の変化に対する命令が入力される入力部をさらに含み、
前記映像生成部は、
前記映像出力部によって出力された一つの映像での骨及び軟組織の加重値を前記入力された命令に従って調節する、請求項2に記載のX線映像装置。
【請求項12】
X線を発生させ、被検査体にX線を照射するステップと、
前記被検査体を透過したX線を検出するステップと、
前記検出されたX線からX線映像を獲得するステップと、
前記獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨及び軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得するステップと、
前記獲得されたそれぞれの映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力するステップとを有するX線映像装置の制御方法。
【請求項13】
前記獲得されたそれぞれの映像情報を多数のカラーチャンネルのうち互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするステップをさらに含む、請求項12に記載のX線映像装置の制御方法。
【請求項14】
方法を実行する命令を含むプログラムを記録する、コンピューターによって読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
X線を発生させ、被検査体にX線を照射するステップと、
前記被検査体を透過したX線を検出するステップと、
前記検出されたX線からX線映像を獲得するステップと、
前記獲得されたX線映像に基づいて前記被検査体の骨及び軟組織に対する映像情報をそれぞれ獲得するステップと、
前記獲得されたそれぞれの映像情報を全て含む一つの映像を生成して出力するステップとを有する方法を実行する命令を含むプログラムを記録する記録媒体。
【請求項15】
前記方法は、前記獲得された映像情報を多数のカラーチャンネルのうち互いに異なるカラーチャンネルにそれぞれマッピングするステップをさらに含む、請求項14に記載の記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−85967(P2013−85967A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232643(P2012−232643)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】