説明

X線検査システム

【課題】多様な検査条件を誤設定なく自動設定して高感度の検査を行なうことができる物品検査システムを提供し、さらに、被検査物Wの厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築することのできる物品検査システムを提供する。
【解決手段】画像処理部20が、X線検出器13からの検出情報を基に被検査物Wの所定の特徴を表わす特徴量を検出する特徴量抽出部31と、特徴量に基づいて被検査物Wを複数の検査条件のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類し識別する識別手段32,33とを有し、判定処理部22が、X線検出器13からの検出情報と識別手段32,33,41で識別した被検査物Wに対応する検査条件とに基づいて被検査物Wの品質状態を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動中の被検査物(被検査物品)にX線を透過させその透過状態に基づいて被検査物を検査するX線検査システム、特に被検査物の品種等を識別する機能を備えたX線検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線検査システムにおいては、X線を用いた物品検査に必要な各種設定パラメータ等を品種番号と共に品種情報として管理することにより、品種選択のみでその品種の検査に対応する設定ができるようになされている。
【0003】
従来のこの種のX線検査システムとしては、被検査物の品種を単位として異物検出を行なうとともに、品種ごとの統計処理情報を収集するようにして、保守や異物混入原因の分析等を容易化したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、被検査物にバーコードを付し、検査時にそのバーコードを読み取ることで、被検査物の品種を同定し、併せて、検査結果やその検査の条件等をバーコードと関連付けて情報管理を容易化したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、搬送コンベア上の被検査物のX線透過方向の厚さ、すなわち高さを、その高さ方向にそれぞれ一列に並べられた複数対の投光器及び受光器間の受光/遮光状態から測定し、その高さ測定値に応じて、更には被検査物の密度等にも応じて、被検査物へのX線照射量を適正な値に調整するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2002−250703号公報
【特許文献2】特開2002−219420号公報
【特許文献3】特開平9−113631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のX線検査システムにあっては、いずれも被検査物の検査条件を規定する設定パラメータが品種毎に予め設定された固定値となっていたため、特に温度や含有する水分の量等により被検査物のX線吸収特性の変動が大きい品種において、その変動により誤検出が生じない程度に感度を抑えた検査方式(異物検出や欠品検出等のアルゴリズム)を採用する必要があり、高感度の異物検出等の検査ができなかった。
【0008】
また、そのような変動が少ない品種においても、既存の品名による分類に準じた品種を用いながら被検査物の多様な製品形態や搬送形態に応じた検査条件の設定を行なっていたため、品種の選択設定時に誤設定をし易くなったり、品種同定用の機器によるコスト増加が著しいものとなったりしてしまい、やはり、高感度の検査ができなかった。さらに、被検査物の多様な製品形態や搬送形態等に応じて細かな検査条件を設定することにより高感度化を図るようなことも困難となっていた。
【0009】
また、既存の品名による分類に準じた品種を細かく厳密に管理したとしても、その分類は、X線検査システムの感度の面からすればX線吸収特性に大きな違いがあって的確な分類でないという場合が生じ易い。
【0010】
以上のような理由から、従来のX線検査システムにあっては、多様な検査条件を誤設定なく的確に設定して高感度の検査を行なうことができず、さらに、被検査物の厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築するといったことが困難であった。
【0011】
本発明は、上述のような従来技術の問題を解決するためになされたもので、多様な検査条件を誤設定なく的確に自動設定して高感度の検査を行なうことができる物品検査システムを提供し、さらに、被検査物の厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築することのできる物品検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の発明者は、検査のためのX線画像データを基に被検査物の変化に対応して適応的にかつ最適な検査条件を設定するようにすることで、上記課題を解決し得ると考え、本発明に到達したものである。
【0013】
すなわち、本発明は、(1)被検査物にX線を照射するX線源と、前記被検査物を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器の検出情報を基に前記被検査物の品質状態に対応するX線画像を生成する画像処理部と、前記X線画像に基づいて前記被検査物の品質状態を判定する判定手段とを備えたX線検査システムにおいて、前記画像処理部が、前記X線検出器からの検出情報を基に前記被検査物の所定の特徴を表わす特徴量を検出する特徴量検出手段と、前記特徴量に基づいて前記被検査物を複数の検査条件のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類し識別する識別手段と、を有し、前記判定手段が、前記X線検出器からの検出情報と前記識別手段で識別した前記被検査物に対応する検査条件とに基づいて前記被検査物の品質状態を判定するものである。
【0014】
この構成により、X線検出器からの検出情報を基に被検査物の特徴量が検出され、その特徴量に基づいて被検査物が複数のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類され識別されて、X線検出器からの検出情報と前記識別した被検査物に対応する検査条件とに基づいて被検査物の品質状態が判定される。したがって、X線吸収特性の変動が大きい品種でもその変動に対応する分類を基に適切な検査条件が適応的に設定され、高感度な検査方式が採用可能となる。しかも、前記変動に対応する分類は、品名による分類に準じたものではなく、被検査物のX線透過状態に応じて自動設定できるので、誤った品種を選択し難くなり、品種同定用の機器によるコスト増加もない。
【0015】
本発明のX線検査システムにおいては、好ましくは、(2)前記識別手段が、前記複数の検査条件についてそれぞれ前記特徴量の範囲を設定し、前記特徴量検出手段で検出された特徴量が前記複数のうちいずれの検査条件についての前記特徴量の範囲に入るか否かによって、前記分類・識別を実行するものである。
【0016】
この構成により、品名に準じた被検査物の分類をそのX線吸収特性に対応する特徴量の範囲に対応付けることができ、被検査物の識別のための分類を検査の感度向上に寄与し得るよう細分化したり拡張・変更したりすることができる。なお、特徴量の範囲はn次元(nは正の整数)のマッピングにより容易に把握でき、例えば2つの変数を縦軸及び横軸とする2次元マッピングを行ない、2次元領域として画面表示することもできる。
【0017】
また、本発明の物品検査システムにおいては、(3)前記識別手段が、前記特徴量検出手段で検出した前記特徴量を前記被検査物ごとに順次記憶し、前記複数の検査条件についての前記特徴量の範囲と前記検出した特徴量の出現状態に応じて、前記複数の検査条件についての前記特徴量の範囲を更新するものであるのがよい。この場合、品名に準じた被検査物の分類をそのX線吸収特性に対応する特徴量の範囲に対応付けつつ細分化した識別分類を作成することができる。
【0018】
さらに、本発明の物品検査システムにおいては、(4)前記識別手段が、前記複数の検査条件についての前記特徴量の範囲における前記検出した特徴量の出現頻度に応じて、該出現頻度の高いいずれかの前記特徴量の範囲を更新するものであるのがよい。この場合、分類済みの範囲にない被検査物を投入する場合でも、そのX線吸収特性に対応した特徴量の範囲を追加するよう分類済みの特徴量の範囲を容易に拡張・変更することができる。
【0019】
本発明の物品検査システムにおいては、より好ましくは、(5)前記被検査物の種別を表す品番に対して前記特徴量の範囲が複数設定されるものである。これにより、ユーザーには通常は品名による分類に準じた品種を使用可能にしながらも、被検査物の状態変動に対応可能なきめ細かな検査条件の設定を可能にすることができ、誤設定が生じ難いものとなる。
【0020】
本発明は、あるいは、(6)被検査物にX線を照射するX線源と、前記被検査物を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器の検出情報を基に前記被検査物の品質状態に対応するX線画像を生成する画像処理部と、前記X線画像に基づいて前記被検査物の品質状態を判定する判定手段とを備えたX線検査システムにおいて、前記画像処理部が、前記X線検出器からの検出情報を基に前記被検査物の所定の特徴を表わす特徴量を検出する特徴量検出手段と、前記特徴量に基づいて前記被検査物を複数の検査条件のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類し識別する識別手段と、を有する一方、検査対象ごとの前記被検査物の固有識別情報を入力する検査対象識別情報入力手段と、前記検査対象ごとの前記被検査物の固有識別情報、前記識別手段で識別した前記被検査物の分類、及び、前記被検査物の品質状態を判定した結果の情報を、前記検査対象ごとの検査結果情報として記憶する判定結果記憶手段と、が更に備えられたことを特徴とするものである。
【0021】
この構成により、X線検出器からの検出情報を基に被検査物の特徴量が検出され、その特徴量に基づいて被検査物が複数のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類され識別されて、X線検出器からの検出情報と前記識別した被検査物に対応する検査条件とに基づいて被検査物の品質状態が判定され、その結果が、検査ごとの被検査物の固有識別情報や検査条件の識別分類と共に記憶・格納される。したがって、判定結果記憶手段の記憶データの種類が特定の検査条件を明確に示すことになり、被検査物の特定の物性状態や製品形態等を把握可能となるので、多様な情報を含む生産時の検査条件や検査結果、そのときの被検査物の状態等を迅速・的確に抽出することができ、被検査物の厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築することのできる物品検査システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、X線吸収特性の変動が大きい被検査物でもその変動にも対応する分類を基に適切な検査条件を適宜設定することにより高感度な検査方式を採用可能としているので、前記変動に対応する分類を被検査物のX線透過状態に応じて設定することができ、誤った品種選択をなくすとともに、品種同定用の機器によるコスト増加をも防止することができる。その結果、多様な検査条件を誤設定なく的確に自動設定して高感度の検査を行なうことができる物品検査システムを提供することができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、品名に準じた被検査物の分類をそのX線吸収特性に対応する特徴量の範囲に対応付けることができ、被検査物の識別のための分類を検査の感度向上に寄与し得るよう細分化したり拡張・変更したりすることができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、品名に準じた被検査物の分類をそのX線吸収特性に対応する特徴量の範囲に対応付けつつ細分化した識別分類を作成することができる。
【0025】
請求項4の発明によれば、分類済みの範囲にない被検査物を投入する場合でも、そのX線吸収特性に対応した特徴量の範囲を追加するよう分類済みの特徴量の範囲を容易に拡張・変更することができる。
【0026】
請求項5の発明によれば、ユーザーには通常は品名による分類に準じた品種を使用可能にしながらも、被検査物の状態変動に対応可能なきめ細かな検査条件の設定を可能にすることができ、誤設定を生じ難くすることができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、判定結果記憶手段の記憶データの種類が特定の検査条件を明確に示すようにしているので、被検査物の特定の物性状態や製品形態等を把握することができ、多様な情報を含む生産時の検査条件や検査結果、そのときの被検査物の状態等を迅速・的確に抽出することができ、被検査物の厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築することのできる物品検査システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態に係る物品検査システムを示す図であり、図1にその概略のシステム構成を示している。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の物品検査システムは、コンベア搬送路11上の移動中のワークW(被検査物)にX線を照射するX線源12と、そのワークWを透過したX線を検出するX線検出器13と、X線検出器13の検出情報をライン走査情報として蓄積しながら画像データを入力する画像入力部15と、画像入力部15からの入力画像データを基にワークWの品質状態に対応するX線画像を生成する制御装置20と、そのX線画像等を表示することができる表示部50とを備えている。
【0030】
コンベア搬送路11は、例えばベルトコンべアからなる。このコンベア搬送路11は、例えば食品や医薬品等のワークWをその品種に対応する所定の一定搬送速度で搬送するとともに、その搬送途中でワークWをX線源12とX線検出器13の間に通すようになっている。なお、図1においては、便宜上ワークWを個体として示しているが、ワークWは、粒状体、フレーク、粉体等を含むばら状又は粉状のものであってもよい。
【0031】
X線源12は、例えば陰極フィラメントからの熱電子をその陰極と陽極の間の高電圧により陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管を有しており、発生したX線を下方のX線検出器13に向けて不図示のスリットによりコンベア搬送路11の幅員方向(搬送方向と直交する方向)に広がる扇形のビームに整形して照射するようになっている。すなわち、X線源12は、X線検出器13と共にいわゆるX線ファンビーム光学系を構成している。
【0032】
X線検出器13は、コンベア搬送路11の幅員方向に隣り合う複数の透過領域のそれぞれについて、ワークWを透過したX線を検出し各透過領域における所定時間毎の累積透過量のデータを検出情報として出力するようになっている。このX線検出器13は、詳細を図示しないが、例えばX線ラインセンサで構成されている。このX線ラインセンサは、蛍光体であるシンチレータとフォトダイオード若しくは電荷結合素子とからなる検出素子をコンベア搬送路11の幅員方向にアレイ状に所定ピッチで配設した公知のもので、所定解像度でのX線検出を行なうことができる。
【0033】
前記コンベア搬送路11、X線源12及びX線検出器13は、それぞれ所定のタイミングで動作するよう制御装置20によって制御される。この制御装置20は、詳細なハードウェア構成を図示しないが、例えばCPU、ROM、RAM及びI/Oインターフェースを有するマイクロコンピュータを含んで構成されており、ROMに格納された所定のプログラムに従って搬送及びX線の照射・検出制御を実行するためのプログラム等を有している。
【0034】
画像入力部15は、X線検出器13の複数の検出素子からのX線検出信号をそれぞれA/D変換するとともに、それら検出素子の配設ピッチに対応する所定の単位搬送時間毎に、搬送路幅員方向の全n(nは正の整数、例えば640)個の透過領域について、その単位時間内の累積の透過X線量(以下、単に透過量という)のデータを、例えば0から1023までの階調を表す透過量レベルのライン検出情報として外部に出力することができ、そのためのA/D変換器やメモリ等(いずれも図示していない)を有している。なお、各ワークWに対してライン走査がなされるとき画像入力部15のメモリに書き込まれた透過量データに対応して、ワークWが無くX線透過量の値が最大でワークWによるX線吸収量がゼロとなるときに最小濃度値となり、X線透過量の値が最小でワークWによるX線吸収量が最大となるときに最大濃度値となるように、この画像入力部15で生成される。
【0035】
画像入力部15に入力された画像データは、制御装置20に取り込まれて、ここで所定の画像処理を施される。
【0036】
制御装置20は、上述した搬送及びX線の照射・検出制御を司る各機能部(図示していない)に加え、画像処理部21及び判定処理部22を含んで構成されている。また、制御装置20には、その画像処理部21に学習モードか運転モードかの切換指令を入力する学習/運転切換入力部23と、判定処理部22に対して品種情報を入出力可能な品種情報入出力部24とが、それぞれ付設されている。品種情報入出力部24は、品種情報データベース25に対して品種情報を格納し、格納された品種情報を読み出すことができる。
【0037】
画像処理部21は、学習/運転切換入力部23によって学習モードへの切換え入力がなされたとき複数のワークWについてX線検出器13からの検出情報を画像入力部15から画像データとして取り込み、そのデータを基にワークWの所定の種類の特徴量を抽出する特徴量抽出部31(特徴量検出手段)と、この特徴量抽出部31からの特徴量を学習データとして取り込み、運転時に検出される特徴量をデータ処理効率向上のため複数の特徴量コードのいずれか1つに変換するコード変換情報を例えば公知の自己組織化マップ(KohonenのSOMのような2次元SOFM(Self Organizing Feature Maps))等による自律的強化学習により生成する学習部32と、特徴量抽出部31で抽出された特徴量と学習部32からのコード変換情報とを取り込み、今回抽出された特徴量に基づいて今回の検査対象のワークWを複数の検査条件のうちいずれか1つの検査条件に対応付けてコード分類し識別する識別部33(識別手段)と、X線検出器13からの検出情報を画像入力部15から画像データとして取り込んで公知の対数変換処理や微分処理を施し、ワークW中に混入した異物があるときにはその異物が強調される異物強調画像を生成する異物強調画像生成部35とを有している。
【0038】
ここで特徴量とは、例えば各ワークW(ばら状や粉状のように連続する場合は所定搬送時間毎の搬送量単位の被検査物)に対応する画像入力部15からのX線画像(原画像)中の最大濃度とそのX線画像からエッジ検出して得られるエッジ画像中の最大濃度を2つの変数として、両変数を縦軸及び横軸とする2次元のマップ(図2(a)参照)上にベクトルで表わすことができ、複数のワークWについてそのベクトル先端を打点(プロット)することで散布図を得ると、両変数の相関関係を容易に把握することができる。なお、前記2つの変数は、原画像の濃度の標準偏差値と局所処理の標準偏差値であってもよいし、原画像の各ライン走査の最大濃度値とその度数でもよく、被検査物を透過したX線の画像データを利用している限り特に限定されるものではない。また、特徴量は、2次元ベクトルに限らず、1次元あるいは多次元の特徴量であってもよいことはいうまでもない。
【0039】
また、学習部32で生成されるコード変換の情報は、複数のワークWについて例えば図2(b)に模式的に示すような散布図のデータを採取した後、その散布図中の複数の打点群をその代表点となる特徴点に集約するコード変換を行なうための情報であり、例えば図2(b)に示すように4つの打点群を4つの代表の特徴点P1,P2,P3,P4に集約するコード化の処理を行なうように、前記2次元のマップ領域をそれら代表の特徴点P1〜P4を代表特徴量コードとする複数の特徴量の範囲C1,C2,C3及びC4に区画するようになっている。
【0040】
また、前記学習部32及び識別部33は検査条件選択部41と協働する特徴量のコード化による識別手段を構成しており、識別部33は複数の検査条件についてそれぞれ特徴量の範囲C1〜C4等を設定し、特徴量抽出部31で検出された特徴量がそれら複数のうちいずれの検査条件についての特徴量コードの範囲C1〜C4に入るか否かによって、前記コード分類を実行するようになっている。ここで、いずれの特徴量コードC1〜C4の範囲に入るか否かの判断は、特徴量抽出部31で抽出された特徴量の2次元ベクトルに対して最短距離にある特徴量コードのベクトルがいずれであるかによって決定される。
【0041】
また、学習部32は、画像処理部21が学習モードに切り換えられているとき、特徴量抽出部31で検出した特徴量をワークWごとの学習データとして順次記憶し、複数の検査条件についての特徴量の範囲C1〜C4と前記検出した特徴量(図2(b)中にxで示す打点)の出現状態に応じて、複数の検査条件についての特徴量の範囲C1〜C4を設定したり更新したりすることができるようになっている。さらに、学習部32は、複数の検査条件についての特徴量の範囲C1〜C4等における前記抽出した特徴量の出現頻度に応じて、その出現頻度の高いいずれかの特徴量の範囲C1,C2,C3又はC4を更新するようになっている。また、ワークWの種別を表す1つの品番に対して特徴量の範囲は少なくとも1つ、例えば物性変化の大きいワークWについては複数設定されるようになっている。
【0042】
一方、判定処理部22は、検査対象のワークWに対する検査条件を予め設定された複数の検査条件、例えば異物有無判定のための複数の検査アルゴリズムのうちいずれか1つの検査アルゴリズム(1つの検査条件)を選択し設定する検査条件選択部41と、ワークW中の異物の有無を判定する異物有無判定部42と、今回のワークWの品質状態を判定するワーク判定部43(判定手段)と、検査条件選択部41で選択された検査条件を記憶する検査条件記憶部45とを有している。
【0043】
検査条件選択部41は、識別部33で識別された特徴量コードに対応する検査アルゴリズム等の検査条件の情報を検査条件記憶部45から取り込むとともに、学習モードへの切換えがなされる設定時等には、学習部32及び識別部33で更新されたコード変換処理の情報を、このとき試験サンプル(例えば複数種のワーク又は同一品種で状態の異なるものの代表サンプルに相当する)などを利用して調整された設定値情報やその設定に対し好適として選択された検査アルゴリズム等の情報と共に、検査条件記憶部45に記憶させる。なお、この場合の設定値情報は、品種情報入出力部24から手動入力され、あるいは品種情報データベース25から読み出される。また、検査条件は、検査アルゴリズムのみならず、判定のための閾値やX線照射強度に影響するX線管の管電圧・管電流であってもよいし、好ましくはそれらの組み合わせである。
【0044】
異物有無判定部42は、異物強調画像生成部35で生成されたX線画像データの濃度を検査条件選択部41で選択された検査アルゴリズムに従って判定処理しあるいは閾値判定するなどしてワークW中の異物の有無を判定する。
【0045】
ワーク判定部43は、識別部33から各ワークWについての検査結果の出力タイミングを表わすタイミング信号tを入力するとともに、異物有無判定部42から判定結果を取り込んで、今回のワークWの品質状態を判定するようになっており、その判定結果を表示部50に表示させる。なお、タイミング信号tは、コンベア搬送路11上のワークWがX線検出器13の上流側所定位置に到達したときにワーク検知部14から出力されるワーク検知信号に基づいて識別部33での識別タイミングが設定されたとき、その識別タイミングから所定時間後にワーク判定部43に出力される。
【0046】
なお、判定処理部22は学習モード時には学習部32からの特徴量コード変換を行なうための条件となるn次元のマップ、例えば図2に示したような2次元のマップを表示部50に画面表示させることができるようになっている。
【0047】
次に、動作について説明する。
【0048】
図3は、本実施形態に物品検査システムにおける検査制御プログラムの概略の流れを示すフローチャートである。
【0049】
同図において、予めの設定作業が試験サンプル等を用いて実行され、学習/運転切換入力部23により学習モードへの切換え入力がなされた状態で、ワークWの品番と検査条件を指定する設定値や検査アルゴリズム等の情報(図3中では検査条件設定情報と記す)が検査条件記憶部45に入力される(ステップS11)。
【0050】
次いで、学習/運転切換入力部23により運転モードへの切換え入力がなされると、まず、ワークWがコンベア搬送路11上を搬送されながらX線源12とX線検出器13の間を通過し、画像入力部15にこのワークWの画像データが入力される(ステップS12)。
【0051】
次いで、ワークWの特徴抽出処理が特徴量抽出部31でなされると、抽出された特徴量が識別部33においてその特徴量を含む範囲の代表特徴量である特徴量コードにコード化されるとももにその特徴量コードで識別される(ステップS13,S14)。
【0052】
次いで、その特徴量コードを既存の特徴量コード群と照合することで、検査条件選択部41において検査アルゴリズム等の検査条件が自動設定される(ステップS15)。
【0053】
そして、その設定された検査アルゴリズムなどに従って、例えば公知の閾値による異物検出処理がなされ(ステップS16)、作業者の視覚特性に合わせ異物を強調したX線画像とワーク判定部での判定結果とが表示部50で表示される(ステップS17)。
【0054】
このように、本実施形態では、X線検出器13からの検出情報を基にワークWの特徴量が検出され、その特徴量に基づいてワークWが複数のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類され識別されて、X線検出器13からの検出情報と識別したワークWに対応する検査条件とに基づいてワークWの品質状態が判定される。したがって、X線吸収特性の変動が大きい品種でも、その変動に対応する分類を基に適切な検査条件が適応的にかつ最適に設定されることになり、ワークWの物性変化等に対して常に高感度な検査アルゴリズム等を使用することができ、検出感度を高めることができる。しかも、前記変動に対応する分類は、品名による分類に準じたものではなく、被検査物のX線透過状態に応じて自動設定できるので、誤った品種を選択し難くなり、品種同定用の機器によるコスト増加もない。その結果、多様な検査条件を誤設定なく的確に自動設定して高感度の検査を行なうことができる物品検査システムを提供することができ、さらに、ワークWの厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築することのできる物品検査システムを提供することができる。
【0055】
ところで、本実施形態においては、識別部33が、複数の検査アルゴリズム等の検査条件についてそれぞれ特徴量の範囲C1〜C4等を設定し、前記特徴量検出手段で検出された特徴量が複数のうちいずれの検査条件についての特徴量の範囲に入るか否かによって前記分類・識別を実行するので、品名に準じたワークWの分類をそのX線吸収特性に対応する特徴量の範囲C1〜C4等に対応付けることができ、ワークWの識別のための分類を検査の感度向上に寄与し得るよう細分化したり拡張・変更したりすることができる。
【0056】
しかも、特徴量の範囲は、例えば2次元マッピングを行なうことで表示部50に見易く画面表示することができるし、特徴量のパラメータとなる変数間の相関関係も容易に把握できる。
【0057】
また、初期設定後においても、特徴量抽出部31で検出した特徴量をワークWごとに学習部32に順次記憶させることで、複数の検査条件についての特徴量の範囲C1〜C4と検出した特徴量(図2(b)中のx印)の出現状態に応じて、例えばその出現頻度の高いいずれかの特徴量の範囲C2を、図4(a)に示すように、その内部に新たな特徴量の範囲C5を追加するように細分化する更新ができる。
【0058】
また、新たな品種のワークWを投入する場合でも、例えば図4(b)又は図4(c)に示すようにそのX線吸収特性に対応した特徴量の範囲C5をそれまでの範囲内又は範囲外に追加するよう分類済みの特徴量の範囲を容易に拡張・変更することができる。なお、特徴量の範囲C5をそれまでの範囲外に追加する場合、既存の検査条件に基づき、自動設定された異物検出情報を手動設定で最適化した上で追加するのがよい。
【0059】
本実施形態においては、ワークWの種別を表す品種が通常の品名による分類に準じている場合には、その品種の品番に対して特徴量の範囲C1〜C4等のうち複数の範囲が割り当てられる。したがって、ユーザーに対しては通常は品名による分類に準じた品種を使用可能にしながらも、内部では特徴量コードを相違させてワークWの状態変動に対応可能なきめ細かな検査条件の設定を可能にすることができ、誤設定が生じ難いものにできる。
【0060】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る物品検査システムを示すその被検査物の識別のための特徴量の範囲の設定内容を模式的に示している。
【0061】
なお、本実施形態はその識別処理の内容が第1の実施の形態とは相違するものの、他のシステム構成自体は第1の実施形態と同一であるので、第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明する。
【0062】
本実施形態では、特徴量抽出部31で抽出する特徴量を、例えば各ワークWに対応する画像入力部15からのX線画像中の各走査ラインごとの最大濃度とその出現頻度である度数を2つの変数として、特徴量の範囲A,B及びCを1次元で表わせるようにしたものである。
【0063】
このようにしても、複数種のワークW又はその物性変動等を容易に把握することができ、学習部32で生成されるコード変換の情報は、例えばライン走査毎の最大濃度の平均値が範囲A,B又はCのいずれにあるかで、代表の特徴量である特徴量コード(の濃度)が決定されることになる。
【0064】
したがって、本実施形態においても、ワークWの物性変動に対応する分類をワークWのX線透過状態に応じて設定することができ、誤った品種選択をなくすとともに、品種同定用の機器によるコスト増加をも防止することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る物品検査システムを示すその概略のシステム構成図である。
【0066】
なお、本実施形態はシステム構成の大半とそれらの動作が第1の実施形態と同一であるので、第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明する。
【0067】
図6に示すように、本実施形態では、第1の実施の形態の構成に加えて、タイマーやリアルタイムクロック等の時刻情報生成部61(検査対象識別情報入力手段)と、識別部33で識別された特徴量コードに対応する検査アルゴリズム等の検査条件の情報とワーク判定部43からの今回のワークWに対する判定結果の情報とを取り込むとともに、時刻情報生成部61からの時刻情報(例えば、年・月・日・時・分・秒;製品に固有のシリアル番号等の識別情報でもよい)を併せて取り込んで、各ワークWについての検査条件の情報と検査時刻情報とを同一の検査結果情報として記憶する判定結果記憶部62と、を備えている。
【0068】
なお、判定結果記憶部62は、品種情報データベース25と一体化されてもよい。
【0069】
本実施形態においては、物性の変動の大きな同一品種のワークWの異なる状態のもの、あるいは多様な製品形態や搬送形態のワークWに対して、第1の実施形態と同様にして個々に予め学習モードでの検査条件設定がなされる。
【0070】
運転時には、まず、ワークWがコンベア搬送路11上を搬送されながらX線源12とX線検出器13の間を通過し、画像入力部15にこのワークWの画像データが入力され、次いで、ワークWの特徴抽出処理が特徴量抽出部31でなされると、抽出された特徴量が識別部33においてその特徴量を含む範囲の代表特徴量である特徴量コードにコード化されるとももにその特徴量コードで識別される。
【0071】
次いで、その特徴量コードを既存の特徴量コード群と照合することで、検査条件選択部41において検査アルゴリズム等の検査条件が自動設定され、その設定された検査アルゴリズムなどに従って、例えば公知の閾値による異物検出処理がなされ、作業者の視覚特性に合わせ異物を強調したX線画像とワーク判定部での判定結果とが表示部50で表示される。
【0072】
このような状態において、判定結果記憶部62は、識別部33で識別された特徴量コードに対応する検査アルゴリズム等の検査条件の情報とワーク判定部43からの今回のワークWに対する判定結果の情報とを取り込むとともに、時刻情報生成部61からの時刻情報を併せて取り込んで、各ワークWについての品番を含む検査条件の情報と検査時刻情報とを今回のワークWに関する検査結果情報として読み出し可能に記憶・格納する。また、判定結果記憶部62には、リムーバブルメディアに記憶情報を書き込むことのできる図示しないリーダライタを装備することができ、その場合、メモリに記憶・格納された情報をリムーバブルメディア(装置に着脱可能かつ情報読出し可能な情報記録媒体)に記録することができる。
【0073】
さらに、判定結果記憶部62に記憶・格納された検査結果情報を読み出す際にその対象の製品があれば、検査時と同様にX線を照射してそのX線画像データから特徴量コードを確認し、判定結果記憶部62に確認された多量な記憶データのうち特定の検査条件のデータを容易にかつ確実に抽出することができる。しかも、記憶データの種類が示す特定の検査条件はワークWの特定の物性状態や製品形態等を示すので、多様な情報を含む生産時の検査条件や検査結果、そのときのワークWの状態等を迅速・的確に抽出することができる。
【0074】
したがって、本実施形態では、ワークWの厳密な分類を行なって優れたトレーサビリティシステムを構築することのできる物品検査システムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明は、X線吸収特性の変動が大きい被検査物でもその変動にも対応する分類を基に適切な検査条件を適宜設定することにより高感度な検査方式を採用可能としているので、前記変動に対応する分類を被検査物のX線透過状態に応じて設定することができ、誤った品種選択をなくすとともに、品種同定用の機器によるコスト増加をも防止することができるという効果を奏するものであり、移動中の被検査物にX線を透過させその透過状態に基づいて被検査物を検査するX線検査システム、特に被検査物の品種等を識別する機能を備えたX線検査システム全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査システムの概略のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査システムにおける特徴量コード変換のためのコード化マップを模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査システムの概略の検査制御プログラムの流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査システムにおける特徴量コード変換のための2次元マップを更新処理する場合のその更新設定内容を例示する説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る物品検査システムにおける特徴量コード変換のためのコード化マップを模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る物品検査システムの概略のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0077】
11 コンベア搬送路
12 X線源
13 X線検出器
14 ワーク検知部
15 画像入力部
20 制御装置
21 画像処理部
22 判定処理部(判定手段)
23 学習/運転切換入力部
24 品種情報入出力部
25 品種情報データベース
31 特徴量抽出部(特徴量検出手段)
32 学習部(識別手段)
33 識別部(識別手段)
35 異物強調画像生成部
41 検査条件選択部(識別手段)
42 異物有無判定部
43 ワーク判定部
45 検査条件記憶部
50 表示部
62 判定結果記憶部(判定結果記憶手段)
C1,C2,C3 特徴量の範囲
x 特徴量
W ワーク(被検査物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物(W)にX線を照射するX線源(12)と、前記被検査物を透過したX線を検出するX線検出器(13)と、前記X線検出器の検出情報を基に前記被検査物の品質状態に対応するX線画像を生成する画像処理部(21)と、前記X線画像に基づいて前記被検査物の品質状態を判定する判定手段(22)とを備えたX線検査システムにおいて、
前記画像処理部が、
前記X線検出器からの検出情報を基に前記被検査物の所定の特徴を表わす特徴量を検出する特徴量検出手段(31)と、
前記特徴量に基づいて前記被検査物を複数の検査条件のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類し識別する識別手段(32,33,41)と、を有し、
前記判定手段が、前記X線検出器からの検出情報と前記識別手段で識別した前記被検査物に対応する検査条件とに基づいて前記被検査物の品質状態を判定することを特徴とするX線検査システム。
【請求項2】
前記識別手段が、前記複数の検査条件についてそれぞれ前記特徴量の範囲(C1,C2,C3,C4)を設定し、前記特徴量検出手段で検出された特徴量が前記複数のうちいずれの検査条件についての前記特徴量の範囲に入るか否かによって、前記分類を実行することを特徴とする請求項1に記載のX線検査システム。
【請求項3】
前記識別手段が、前記特徴量検出手段で検出した前記特徴量を前記被検査物ごとに順次記憶し、前記複数の検査条件についての前記特徴量の範囲と前記検出した特徴量の出現状態に応じて、前記複数の検査条件についての前記特徴量の範囲を更新することを特徴とする請求項2に記載のX線検査システム。
【請求項4】
前記識別手段が、前記複数の検査条件についての前記特徴量の範囲における前記検出した特徴量の出現頻度に応じて、該出現頻度の高いいずれかの前記特徴量の範囲を更新することを特徴とする請求項3に記載のX線検査システム。
【請求項5】
前記被検査物の種別を表す品番に対して前記特徴量の範囲が複数設定されることを特徴とする請求項3に記載のX線検査システム。
【請求項6】
被検査物(W)にX線を照射するX線源(12)と、前記被検査物を透過したX線を検出するX線検出器(13)と、前記X線検出器の検出情報を基に前記被検査物の品質状態に対応するX線画像を生成する画像処理部(21)と、前記X線画像に基づいて前記被検査物の品質状態を判定する判定手段(22)とを備えたX線検査システムにおいて、
前記画像処理部が、前記X線検出器からの検出情報を基に前記被検査物の所定の特徴を表わす特徴量を検出する特徴量検出手段(31)と、前記特徴量に基づいて前記被検査物を複数の検査条件のうちいずれか1つの検査条件に対応付けて分類し識別する識別手段(32,33,41)と、を有する一方、
検査対象ごとの前記被検査物の固有識別情報を入力する検査対象識別情報入力手段(61)と、前記検査対象ごとの前記被検査物の固有識別情報、前記識別手段で識別した前記被検査物の分類、及び、前記被検査物の品質状態を判定した結果の情報を、前記検査対象ごとの検査結果情報として記憶する判定結果記憶手段(62)と、が更に備えられたことを特徴とするX線検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−263848(P2007−263848A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91288(P2006−91288)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】