説明

p−アミノフェノール、ジプロピレングリコールおよび追加の染料前駆体を含むケラチン繊維を酸化染色するための組成物

【課題】従来技術の欠点を有さない、ケラチン繊維を酸化染色するための新規な組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の主題は、使用時点で酸化剤と混合することが意図された、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を酸化染色するための組成物であって、
A)p-アミノフェノールおよび対応するこれらの酸付加塩から選択される、酸化剤と混合する前の組成物の総重量の1.5重量%以上の量の1種または複数の酸化塩基、
B)A)で定義された酸化塩基とは異なる1種または複数の追加の染料前駆体、
C)酸化剤と混合する前の組成物の総重量の3.5重量%以上の量のジプロピレングリコール
を含む組成物である。
本発明による組成物は、難なく製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、ケラチン繊維の酸化染色用組成物である。
【背景技術】
【0002】
酸化染料、特に酸化染料前駆体および調色剤を含む染料組成物でケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することが知られている。
【0003】
一般に酸化塩基として知られている酸化染料前駆体は、最初は無色または弱く着色された化合物であり、酸化縮合過程によって酸化性生成物と結合して、着色されたおよび着色性化合物を生じさせることができる。これらは、一般に、o-またはp-フェニレンジアミン、o-またはp-アミノフェノールおよび複素環塩基などの化合物である。
【0004】
酸化塩基をカプラーまたは調色剤と組み合わせることによって、これらの酸化塩基で得られる色調を変えることが可能であることも知られており、後者は、一般にm-ジアミノベンゼン、m-アミノフェノール、m-ジフェノールおよびインドール化合物などのいくつかの複素環化合物から選択される。
【0005】
酸化塩基およびカプラーとして関与する様々な分子は、豊富な範囲の色を得ることを可能にする。
【0006】
これらの酸化染料によって得られた「永久的」着色(酸化染色とも呼ばれる)は、さらにいくつかの必要条件を満たすべきである。したがって、この着色は、毒物学的欠点を有するべきでなく、色調を所望の強度で得られるようにするべきであり、光、悪天候、洗浄、パーマ、発汗および摩擦などの外部の攻撃に対して良好な堅牢度を示すべきである。
【0007】
この染料はまた、白髪を隠すことが可能であるべきであり、最終的にはできるだけ非選択的であるべきであり、即ち、その先端およびその根元までの間で通常異なって感受性が増した(即ち、損傷を受けた)、同一のケラチン繊維に沿ってずっとできるだけ最小の着色差を得ることを可能にするべきである。
【0008】
毛髪の染色の分野で、例えば補助剤の手段によって、染色特性を改良する多くの試みがなされている。しかし、これらの補助剤の選択は、これらの組成物の他の特性に害を及ぼすことなく染料組成物の染色特性を改良するべきなので難しい。特に、これらの補助剤は、ケラチン繊維の明色化特性および着色適用特性に害を及ぼすべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】GB1026978
【特許文献2】GB1153196
【特許文献3】DE2359399
【特許文献4】JP88-169571
【特許文献5】JP91-10659
【特許文献6】WO96/15765
【特許文献7】FR-A-2750048
【特許文献8】DE3843892
【特許文献9】DE4133957
【特許文献10】WO94/08969
【特許文献11】WO94/08970
【特許文献12】FR-A-2733749
【特許文献13】DE19543988
【特許文献14】FR-A-2886136
【特許文献15】FR-A-2766177
【特許文献16】FR-A-2766178
【特許文献17】FR-A-2782718
【特許文献18】FR-A-2782716
【特許文献19】FR-A-2782719
【特許文献20】FR-A-2766179
【特許文献21】EP-A-1348695
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academie Press
【非特許文献2】Todd & Byers「Volatile Silicone fluids for cosmetics」、Cosmetics and Toiletries、91巻、1976年1月、27〜32頁
【非特許文献3】ASTM規格445 Appendix C
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の欠点を有さない、ケラチン繊維の酸化染色のための新規な組成物を得ることである。より詳細には、本発明の目的は、所望の明色化を達成することを可能にする改良された染色特性を有し、混合することおよび適用することが容易である、ケラチン繊維を酸化染色するための組成物を得ることである。「改良された染色特性」という用語は、特に、染色の強度(strength)/強度(intensity)および/または均一性のレベルの改良を意味するものとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このようにして、この目的は本発明によって達成され、その主題は、使用時点で酸化剤と混合することが意図された、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を酸化染色するための組成物であって、
A)p-アミノフェノールおよび対応するこれらの酸付加塩から選択される、酸化剤と混合する前の組成物の総重量の1.5重量%以上の量の1種または複数の酸化塩基、
B)A)で定義された酸化塩基とは異なる1種または複数の追加の染料前駆体、
C)酸化剤と混合する前の組成物の総重量の3.5重量%以上の量のジプロピレングリコール
を含む組成物である。
【0013】
本発明による組成物は、難なく製造することができる。この組成物は、染料、特にp-アミノフェノールの早過ぎる結晶化を少しも示さない。
【0014】
本発明による組成物は、酸化剤と混合した後、その改良された染色特性によって卓越する。特に、本発明の組成物は、ケラチン繊維に難なく適用され、優れた強度(strength)および/または強度(intensity)および/または毛髪の先端から根元の間の繊維に沿った色の優れた均一性(着色の選択性とも称される)および/または優れた色度を示す着色を生じる。
【0015】
最後に、得られた着色は、堅牢であり、ケラチン繊維が曝され得る様々な外部の攻撃に耐性がある。
【0016】
本発明の主題はまた、本発明による組成物を用いてケラチン繊維を染色する方法である。
【0017】
本発明の主題はまた、本発明の組成物を用いるための多区画デバイスである。
【0018】
本発明の主題は、ケラチン繊維を酸化染色するための、本発明による組成物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の組成物は、1種または複数のp-アミノフェノールおよび/または1種または複数の酸とのこれらの塩を含む。p-アミノフェノールの塩の例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、酢酸塩、アルキル硫酸塩およびアルキルスルホン酸塩を挙げてもよい。
【0020】
本発明により使用することができるp-アミノフェノールの中で、例として、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノールおよび4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノールを挙げてもよい。
【0021】
好ましくは、p-アミノフェノールは、p-アミノフェノールおよび4-アミノ-3-メチルフェノールから選択される。
【0022】
さらにより好ましくは、本発明のp-アミノフェノールは、p-アミノフェノールそれ自体である。
【0023】
特定の一実施形態によれば、p-アミノフェノール(複数可)は、酸化剤と混合する前の組成物の総重量の、好ましくは1.5重量%〜10重量%、さらにより好ましくは1.5重量%〜5重量%の範囲の濃度で存在する。
【0024】
ジプロピレングリコールは、酸化剤と混合する前の組成物の総重量の、好ましくは3.5重量%〜20重量%、さらに好ましくは3.5重量%〜15重量%、さらにより好ましくは5重量%〜15重量%の範囲の濃度で存在する。
【0025】
本発明による組成物は、1種または複数の追加の染料前駆体を含む。
【0026】
このまたはこれらの追加の染料前駆体(複数可)は、p-アミノフェノールおよび酸とのこれらの塩とは異なる酸化塩基およびカプラーから選択される。
【0027】
本発明の状況において使用することができる酸化塩基(複数可)は、酸化染色において従来知られているものから選択され、これらの中でo-およびp-フェニレンジアミン、複塩基、o-アミノフェノール、複素環塩基ならびにまたこれらの化合物の酸付加塩も特に挙げることができる。
【0028】
これらの酸化塩基は、特にカチオン性であり得る。
【0029】
本発明の状況において使用することができるp-フェニレンジアミンは、以下の式(I)の化合物およびこれらの酸付加塩
【0030】
【化1】

【0031】
[式中、
R8は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、または窒素含有基、フェニル基または4'-アミノフェニル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
R9は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基または窒素含有基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
R8およびR9はまた、窒素原子と共に、それを担持する、1つまたは複数のアルキル、ヒドロキシルまたはウレイド基で場合によって置換されている、5または6個の環員を含む窒素含有複素環を形成してもよく、
R10は、水素原子、塩素原子などのハロゲン原子、C1〜C4アルキル、スルホ、カルボキシル、C1〜C4モノヒドロキシアルキルまたはC1〜C4ヒドロキシアルコキシ、C1〜C4アセチルアミノアルコキシ、C1〜C4メシルアミノアルコキシもしくはC1〜C4カルバモイルアミノアルコキシ基を表し、
R11は、水素もしくはハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基を表す]
から特に選択してもよい。
【0032】
上記式(I)の窒素含有基の中で、アミノ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、トリ(C1〜C4)アルキルアミノ、モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ、イミダゾリニウムおよびアンモニウム基を特に挙げることができる。
【0033】
上記式(I)のp-フェニレンジアミンの中で、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-p-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-p-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-p-フェニレンジアミンおよび2-メチル-1-N-β-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ならびにその酸付加塩をより特に挙げてもよい。
【0034】
上記の式(I)のp-フェニレンジアミンの中で、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミンおよびN,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、ならびにその酸付加塩が最も特に好ましい。
【0035】
p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、およびその酸付加塩が、最も特に使用される。
【0036】
本発明によれば、「複塩基」という用語は、アミノおよび/またはヒドロキシル基が担持されている少なくとも2つ芳香環を含む化合物を意味するものとする。
【0037】
本発明による組成物中に酸化塩基として使用することができる複塩基の中で、以下の式(II)に対応する化合物およびその酸付加塩
【0038】
【化2】

【0039】
[式中、
Z1およびZ2は、同じか異なっていてよく、ヒドロキシル基、あるいはC1〜C4アルキル基でまたはリンカー結合手Yで置換されていてもよい-NH2基を表し、
リンカー結合手Yは、1つまたは複数の窒素含有基でおよび/または酸素、硫黄もしくは窒素原子などの1個または複数のヘテロ原子で割り込まれているか、末端とされていてもよく、1つまたは複数のヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシ基で場合によって置換されている、1〜14個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキレン鎖を表し、
R12およびR13は、水素もしくはハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、C2〜C4ポリヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4アミノアルキル基、またはリンカー結合手Yを表し、
R14、R15、R16、R17、R18およびR19は、同じか異なってもよく、水素原子、リンカー結合手YまたはC1〜C4アルキル基を表し、
式(II)の化合物は、1分子当たりただ1つのリンカー結合手Yを含むものと理解される]
を特に挙げてもよい。
【0040】
上記の式(II)における窒素含有基の中で、アミノ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ((C1〜C4)アルキルアミノ、トリ(C1〜C4)アルキルアミノ、モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ、イミダゾリニウムおよびアンモニウム基を特に挙げることができる。
【0041】
上記の式(II)の複塩基の中で、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、ならびにその酸付加塩をより特に挙げてもよい。
【0042】
式(II)のこれらの複塩基の中で、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノールおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、またはその酸付加塩が特に好ましい。
【0043】
本発明の状況において酸化塩基として使用することができるo-アミノフェノールは、2-アミノフェノール、2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、2-アミノ-1-ヒドロキシ-6-メチルベンゼンおよび5-アセトアミド-2-アミノフェノール、ならびにその酸付加塩から特に選択される。
【0044】
本発明による組成物において酸化塩基として使用することができる複素環塩基の中で、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体、ならびにその酸付加塩をより特に挙げてもよい。
【0045】
ピリジン誘導体の中で、例えば、特許GB1026978およびGB1153196に記載された化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノ-ピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジンおよび3,4-ジアミノピリジン、ならびにその酸付加塩をより特に挙げてもよい。
【0046】
ピリミジン誘導体の中で、例えば、ドイツ特許DE2359399または日本特許JP88-169571およびJP91-10659または特許出願WO96/15765に記載された化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5.6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジン、および特許出願FR-A-2750048で挙げられたものなどのピラゾロピリミジン誘導体(これらの中で、ピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール;3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール;2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール;2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]エタノール;5.6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリル-プロピルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン;これらの付加塩および互変異性体の平衡が存在する場合はこれらの互変異性形態を挙げてもよい)をより特に挙げてもよい。
【0047】
ピラゾール誘導体の中で、特許DE3843892およびDE4133957および特許出願WO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749およびDE19543988に記載された化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシ-メチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピル-ピラゾールおよび4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール; 3,4-ジアミノピラゾール; 4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール; 3,4,5-トリアミノピラゾール等、例えば、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチル-アミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール;およびこれらの酸付加塩などの例えば、4,5-ジアミノピラゾールを特に挙げてもよい。
【0048】
4,5-ジアミノピラゾール、さらにより好ましくは4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび/またはこれらの塩が好ましくは使用される。
【0049】
ピラゾール誘導体として、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロピラゾロンおよび特に出願FR-A-2886136に記載されたもの、例えば、以下の化合物およびその付加塩を挙げてもよい:2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]-ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]-ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オンおよび2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ-[1,2-a]ピラゾール-1-オン。
【0050】
2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]-ピラゾール-1-オンおよび/またはその付加塩が好ましくは使用される。
【0051】
複素環塩基として、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび/または2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンおよび/またはその付加塩が好ましくは使用される。
【0052】
本発明による組成物において使用することができるカチオン性酸化塩基として、例えば、以下の化合物を挙げてもよい:特に特許出願FR-A-2766177およびFR-A-2766178に記載されたp-フェニレンジアミン、例えば、特許出願FR-A-2766177およびFR-A-2766178に記載されたp-アミノフェノール、例えば、特許出願FR-A-2782718、FR-A-2782716およびFR-A-2782719に記載されたo-フェニレンジアミン、o-アミノフェノールまたはカチオン性である複塩基、例えば、特許出願FR-A-2766179に記載されたビス(アミノフェニル)アルキレンジアミン誘導体タイプ、およびまたカチオン性複素環塩基(これらの化合物は、少なくとも1個の四級窒素原子を担持している)。
【0053】
好ましくは、本発明による組成物に使用することができるカチオン性酸化塩基は、カチオン性p-フェニレンジアミンである。
【0054】
有利には、1つの変形は、p-フェニレンジアミン構造のカチオン性酸化塩基用いることからなり、その少なくとも1つのアミン官能基はピロリジン環を有する三級アミンであり、この分子は少なくとも1個の四級窒素原子を有する。このような塩基が例えば、文献EP-A-1348695に記載されている。
【0055】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.0005重量%〜12重量%の範囲の酸化塩基の総量を好ましくは含む。好ましくは、この組成物は、前記組成物の総重量に対して、0.005重量%〜8重量%、さらに好ましくは0.05重量%〜5重量%の範囲の酸化塩基の総量を含む。
【0056】
本発明による組成物中に使用することができるカプラー(複数可)は、酸化染色用組成物中に通常使用されるもの、即ち、m-アミノフェノール、m-フェニレンジアミン、m-ジフェノール、ナフトールおよび例えば、インドール誘導体、インドリン誘導体、セサモールおよびその誘導体、ピリジン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、ピラゾロン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、1,3-ベンゾジオキソールおよびキノリンなどの複素環カプラー、ならびにこれらの化合物の酸付加塩である。
【0057】
これらのカプラーは、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、1-アミノ-2-メトキシ-4,5-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3,6-ジメチルピラゾロ-[3,2-c]-1,2,4-トリアゾールおよび2,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、ならびにその酸付加塩からより特に選択される。
【0058】
一実施形態によれば、この染料前駆体は、p-フェニレンジアミン酸化塩基および複素環塩基、およびまたこれらの化合物の酸付加塩から選択される。
【0059】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜15重量%の範囲のカプラーの総量を一般に含む。好ましくは、この組成物は、組成物の総重量に対して0.001重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.01重量%〜8重量%の範囲のカプラーの総量を含む。
【0060】
酸化塩基およびカプラーは、本発明の組成物中で付加塩の形態で、特に酸付加塩の形態で存在してもよい。
【0061】
本発明の状況において使用することができる酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、酢酸塩、アルキル硫酸塩およびアルキルスルホン酸塩から特に選択される。
【0062】
酸化塩基またはカプラーが、1種または複数のカルボン酸またはスルホン酸官能基を含む場合、塩基付加塩を想定することができる。本発明の染料組成物の状況で使用することができる塩基付加塩は、この場合特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水またはアミンで得られるものである。
【0063】
本発明の特定の一実施形態によれば、この組成物は、1種または複数のカプラーを含む。
【0064】
本発明の組成物は、1種または複数のアルカリ剤を含んでもよい。このまたはこれらのアルカリ剤(複数可)は、例えば、アンモニア水、アルカリ炭酸塩または炭酸水素塩、モノ、ジおよびトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンおよびまたその誘導体、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化されたエチレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ酸、特にアルギニンまたはリシンなどの塩基性アミノ酸、および以下の式(III)の化合物
【0065】
【化3】

【0066】
[式中、
Rは、ヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基で場合よって置換されているプロピレン残基であり、
R22、R23、R24およびR25は、同じか異なっていてよく、水素原子、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す]
から選択される。
【0067】
好ましい実施形態によれば、この組成物は、アルカリ剤として少なくとも1種の有機アミン、好ましくは少なくとも1種のアルカノールアミンを含む。組成物が、アルカノールアミンおよび水酸化アンモニウムまたはこれらの塩を含む2種以上のアルカリ剤を含む場合、有機アミン(複数可)の量は、好ましくはアンモニアの量より多い。特定の一実施形態によれば、この組成物は、少量のアンモニア水を含むか、またはアンモニア水を含まない。この実施形態によれば、この組成物は、1種または複数のアルカノールアミン、特に、モノエタノールアミンを好ましくは含む。
【0068】
本発明による染料組成物はまた、ニトロベンゼン染料、アゾ直接染料、メチン直接染料、およびこれらの付加塩から特に選択される1種または複数の直接染料を含んでもよい。これらの直接染料は、非イオン性、アニオン性またはカチオン性であってもよい。
【0069】
この組成物はまた、染色媒体を構成する他の化合物を含んでもよい。この染色媒体は、一般に、ジプロピレングリコールに加えて、水、または水と好ましくは水溶性であるジプロピレングリコール以外の1種もしくは複数の有機溶媒(複数可)との混合物を含む。
【0070】
有機溶媒の例として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールなどのアルコール、あるいはグリコールまたは、例えば、エチレングリコールのモノメチル、モノエチルもしくはモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル、プロピレングリコールまたは例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのそのエーテル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよびまた、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコールアルキルエーテルを特に挙げてもよい。この溶媒は、この場合、組成物の総重量に対しておよそ0.01重量%から35重量%の間、好ましくはおよそ0.1重量%から25重量%の間の濃度で存在してもよい。
【0071】
好ましくは、本発明の組成物は、エタノール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールから選択される1種または複数の追加の有機溶媒を含む。
【0072】
使用時点で、本発明の組成物を酸化剤と、例えば1種または複数の酸化剤を含む組成物を用いて混合する。
【0073】
このような酸化剤は、例えば、過酸化水素、過酸化尿素などの過酸化物、アルカリ金属の臭素酸またはフェリシアン化物、および過ホウ酸塩、過炭酸塩および過硫酸塩などの過酸塩から選択される。酸化剤として、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼおよび2電子オキシドレダクターゼ(ウリカーゼなど)などの1種または複数の酸化還元酵素も、場合によってこれらのそれぞれの供与体または補助因子の存在下で使用してもよい。
【0074】
過酸化水素の使用が特に好ましい。この酸化剤は、有利には過酸化水素水溶液からなり、その力価は、より特におよそ1〜40容量、さらに好ましくはおよそ5〜40容量で変化し得る。
【0075】
特定の一実施形態によれば、混合後の組成物は、0.5%を超えるジプロピレングリコールの量を含む。
【0076】
一変形によれば、酸化剤(複数可)と混合後の組成物は、少なくとも25%の脂肪物質、好ましくは少なくとも30%の脂肪物質を含む。
【0077】
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg)で水に不溶性(5%未満、好ましくは1%未満、さらにより好ましくは0.1%未満の溶解度)である有機化合物を意味するものとする。脂肪物質は、その構造中に、少なくとも2つのシロキサン基の少なくとも1つの配列を有するか、または少なくとも6個の炭素原子を含む1つまたは複数の炭化水素系鎖を含む。さらに、脂肪物質は、通常同じ温度および圧力条件下で有機溶媒、例えば、クロロホルム、エタノール、ベンゼン、流動ワセリンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン中に可溶性である。
【0078】
この実施形態によれば、この組成物は、少なくとも25%の脂肪酸以外の脂肪物質を含む。
【0079】
この脂肪物質は、特に、低級アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステル、非シリコーンの油、特に鉱物、植物、動物または合成油、非シリコーンワックスおよびシリコーンから選択される。
【0080】
本発明の目的では、このアルコール、エステルおよび脂肪酸は、より特に、6〜30個の炭素原子を含む1種または複数の飽和または不飽和の直鎖または分枝炭化水素系基を有し、これらは、特に1つまたは複数のヒドロキシル基(特に1〜4つの)で場合によって置換されていることが想起される。これらが不飽和の場合、これらの化合物は、1〜3つの共役または非共役の炭素-炭素二重結合を含んでもよい。
【0081】
低級アルカンについては、これらは、6〜16個の炭素原子を含み、直鎖または分枝、場合によって環状である。例として、このアルカンは、ヘキサンおよびドデカンならびにイソヘキサデカンおよびイソデカンなどのイソパラフィンから選択してもよい。
【0082】
本発明の組成物に使用することができる非シリコーン油として、例えば、
- ペルヒドロスクアレンなどの動物起源の炭化水素系の油;
- 6〜30個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸もしくはオクタン酸のトリグリセリド、あるいは、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、マロー油、ブドウ種油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、Stearineries Dubois社よって販売されているものまたはDynamit Nobel社によって商品名Miglyol(登録商標)810、812および818として販売されているものなどの、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油、シアバター油などの植物起源の炭化水素系の油;
- 少なくとも16個の炭素原子を含む、鉱物または合成起源の直鎖または分枝炭化水素、例えば、流動パラフィン、ワセリン、流動ワセリン、ポリデセン、Parleam(登録商標)などの硬化ポリイソブテン;
- 部分的な炭化水素系フルオロ油(フルオロ油として、BNFL Fluorochemicals社によって商品名Flutec(登録商標)PC1およびFlutec(登録商標)PC3として販売されている、ペルフルオロメチルシクロペンタンおよびペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン;ペルフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;3M社によって商品名PF 5050(登録商標)およびPF 5060(登録商標)として販売されている、ドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサンなどのペルフルオロアルカン、あるいはAtochem社によって商品名Foralkyl(登録商標)として販売されているブロモペルフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタンおよびノナフルオロエトキシイソブタン;3M社によって商品名PF 5052(登録商標)として販売されている4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンなどのペルフルオロモルホリン誘導体をさらに挙げてもよい)を挙げてもよい。
【0083】
本発明の組成物に使用することができる脂肪アルコールは、飽和または不飽和で直鎖または分枝であり、6〜30個の炭素原子、より特に8〜30個の炭素原子を含み;セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびその混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコールまたはリノレイルアルコールを挙げてもよい。
【0084】
本発明の組成物に使用することができるワックス(複数可)は、特に、カルナウバワックス、カンデリラワックス、アフリカハネガヤワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、オリーブワックス、コメワックス、硬化ホホバワックスなどの植物ワックス、またはBertin社(France)によって販売されているクロフサスグリの花のエッセンシャルワックスなどの花の純粋ワックス、動物ワックス、例えば、ミツワックスもしくは変性ミツワックス(cerabellina)から選択される。本発明により一般的に使用することができるその他のワックスまたはワックス質の出発材料には、特に、注文番号M82としてSophim社によって販売されている製品などの魚ワックスおよびポリエチレンワックスまたはポリオレフィンワックスがある。
【0085】
このエステルは、飽和または不飽和の直鎖または分枝C1〜C26脂肪族モノまたはポリ酸および飽和または不飽和の直鎖または分枝C1〜C26脂肪族モノまたは多価アルコールのエステルであり、エステルの総炭素数は、より特に10個以上である。
【0086】
このモノエステルの中で、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;C12〜C15アルキルラクテート;乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;メチルアセチルリシノレート;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2-エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチルおよびパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチルまたはミリスチン酸ステアリルなどのアルキルミリステート、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;マレイン酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げてもよい。
【0087】
さらにこの変形の状況において、C4〜C22ジカルボン酸またはトリカルボン酸とC1〜C22アルコールのエステルおよびモノ、ジまたはトリカルボン酸とC2〜C26ジ、トリ、テトラまたはペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用してもよい。
【0088】
特に、セバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジn-プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ジオクチル;グリセリルウンデシレネート;オクチルドデシルステアロイルステアレート;モノリシノール酸ペンタエリスリチル;テトライソノナン酸ペンタエリスリチル;テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル;テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル;テトラオクタン酸ペンタエリスリチル;プロピレングリコールジカプリレート;プロピレングリコールジカプレート;エルカ酸トリデシル;クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソステアリル;グリセリルトリラクテート;グリセリルトリオクタノエート;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル、プロピレングリコールジオクタノエート;ネオペンチルグリコールジヘプタノエート;ジエチレングリコールジイソノナノエート;およびポリエチレングリコールジステアレートを挙げることができる。
【0089】
上述したエステルの中で、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチルまたはミリスチン酸2-オクチルドデシルなどのアルキルミリステート、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;マレイン酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニルまたはオクタン酸セチルを使用することが好ましい。
【0090】
この組成物はまた、脂肪エステルとして、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステルおよびジエステルを含んでもよい。「糖」という用語は、少なくとも4個の炭素原子を含み、アルデヒドまたはケトン官能基を有するか有しない、いくつかのアルコール官能基を含む、酸素含有炭化水素系化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖類、オリゴ糖類または多糖類であってもよい。
【0091】
適した糖として、例えば、スクロース(またはサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、およびこれらの誘導体、特に、メチル誘導体、例えばメチルグルコースなどのアルキル誘導体を挙げてもよい。
【0092】
脂肪酸の糖エステルは、特に、前述の糖と直鎖または分枝の飽和または不飽和C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸のエステルまたはエステルの混合物を含む群から選択してもよい。これらが不飽和の場合、これらの化合物は、1〜3つの共役または非共役の炭素-炭素二重結合を含んでもよい。
【0093】
この変形によるエステルはまた、モノ、ジ、トリおよびテトラエステルおよびポリエステル、ならびにこれらの混合物から選択してもよい。
【0094】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレエート、リノレネート、カプレートおよびアラキドネート、または特に、オレオ-パルミテート、オレオ-ステアレートおよびパルミトステアレート混合エステルなどのこれらの混合物であってもよい。
【0095】
より特に、モノエステルおよびジエステル、特にスクロース、グルコースまたはメチルグルコースのモノまたはジオレエート、ステアレート、ベヘネート、オレオパルミテート、リノレエート、リノレネートおよびオレオステアレートを使用することが好ましい。
【0096】
例として、メチルグルコースジオレエートである、Amerchol社によって商品名Glucate(登録商標)DOとして販売されている製品を挙げてもよい。
【0097】
糖と脂肪酸のエステルまたはエステルの混合物の例として、以下のものも挙げてもよい。
- Crodesta社によって商品名F160、F140、F110、F90、F70、SL40として販売されている製品、それぞれが、73%モノエステルならびに27%ジエステルおよびトリエステルから、61%モノエステルならびに39%ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルから、52%モノエステルならびに48%ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルから、45%モノエステルならびに55%ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルから、39%モノエステルならびに61%ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルから形成されるスクロースパルミトステアレート、ならびにスクロースモノラウレートを表す。
- 商品名Ryoto Sugar Estersとして販売されている製品、例えばB370で参照され、20%モノエステルと80%ジエステル-トリエステル-ポリエステルから形成されるスクロースベヘネートに相当する。
- 商品名Tegosoft(登録商標)PSEとしてGoldschmidt社によって販売されているスクロースモノ-ジパルミト-ステアレート。
【0098】
本発明の組成物に使用することができるシリコーンは、25℃で5×10-6〜2.5m2/秒、好ましくは1×10-5〜1m2/秒の粘度を有し、非変性または有機基で変性された、揮発性または不揮発性の、環状、直鎖または分枝シリコーンである。
【0099】
本発明により使用することができるシリコーンは、油、ワックス、樹脂またはガムの形態であってもよい。
【0100】
好ましくは、このシリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、およびポリ(オキシアルキレン)基、アミノ基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機変性ポリシロキサンから選択される。
【0101】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academie Press中に詳細に定義されている。これらは、揮発性または不揮発性であり得る。
【0102】
これらが揮発性の場合、シリコーンは、より特に60℃から260℃の間の沸点を有するもの、より特に(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサンから選択される。これらは、例えば、特に、Union Carbideによって商品名Volatile Silicone(登録商標)7207、またはRhodiaによってSilbione(登録商標)70045 V2として販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbideによって商品名Volatile Silicone(登録商標)7158、およびRhodiaによってSilbione(登録商標)70045 V5として販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにこれらの混合物である。
【0103】
ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンタイプの環状コポリマー、例えば、式
【0104】
【化4】

【0105】
のUnion Carbide社によって販売されているVolatile Silicone(登録商標)FZ 3109を挙げてもよい。
【0106】
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトール(50/50)との混合物およびオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物を挙げてもよい。
【0107】
(ii)2〜9個のケイ素原子を含み、25℃で5×10-6m2/秒以下の粘度を有する線状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例には、Toray Silicone社によって特に商品名SH 200として販売されているデカメチルテトラシロキサンがある。この範疇に属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、91巻、1976年1月、27〜32頁に発表された論文、Todd & Byers「Volatile Silicone fluids for cosmetics」にも記載されている。
【0108】
不揮発性のポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンガムおよび樹脂、上記の有機官能基で変性されたポリオルガノシロキサンおよびこれらの混合物も好ましくは使用される。
【0109】
これらのシリコーンは、より特にポリジアルキルシロキサンから選択され、その中で主に、トリメチルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサンを挙げてもよい。このシリコーンの粘度は、ASTM規格445 Appendix Cに従って25℃で測定される。
【0110】
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、以下の市販品
- Rhodiaによって販売されている、47および70047系列のSilbione(登録商標)油または
Mirasil(登録商標)油、例えば油70047 V 500000;
- Rhodia社によって販売されているMirasil(登録商標)系列の油;
- Dow Corning社製200系列の油、例えば、60000mm2/秒の粘度を有するDC200;
- General Electric製Viscasil(登録商標)油およびGeneral Electric製SF系列(SF 96、SF 18)のいくつかの油。
を非限定的に挙げてもよい。
【0111】
名称ジメチコノール(CTFA)として知られている、ジメチルシラノール末端基を含むポリジメチルシロキサン、例えば、Rhodia社製48系列の油を挙げてもよい。
【0112】
この範疇のポリジアルキルシロキサンの中で、ポリ(C1〜C20)ジアルキルシロキサンである、Goldschmidt社によって商品名Abil Wax(登録商標)9800および9801として販売されている製品を挙げてもよい。
【0113】
本発明により使用することができるシリコーンゴムは、特にポリジアルキルシロキサン、好ましくは、溶媒中で単独でまたは混合物として使用される、200000から1000000の間の高い数平均分子質量を有するポリジメチルシロキサンである。この溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)油、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカン、トリデカン、またはこれらの混合物から選択してもよい。
【0114】
本発明により特に使用することができる製品は、
- その鎖の末端でヒドロキシ化されたポリジメチルシロキサン、またはジメチコノール(CTFA)とシクロメチコン(CTFA)としても知られている環状ポリジメチルシロキサンから形成される混合物、例えばDow Corning社によって販売されている製品Q2 1401;
- ポリジメチルシロキサンガムと環状シリコーンの混合物、例えばGeneral Electric社製の製品SF 1214 Silicone Fluid(この製品は、500000の数平均分子量を有し、デカメチルシクロペンタシロキサンに対応する油SF 1202 Silicone Fluid中に溶解された、ジメチコンに対応するSF 30ガムである);
- 異なる粘度を有する2種のPDMS、より特にPDMSガムとPDMS油の混合物、例えばGeneral Electric社製の製品SF 1236(この製品SF 1236は、20m2/秒の粘度を有する上記で定義されたSE 30ガムと、5×10-6m2/秒の粘度を有するSF 96油との混合物である。この製品は、好ましくはSE 30ガム15%およびSF 96油85%を含む)
などの混合物である。
【0115】
本発明により使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂は、以下の単位
R2SiO2/2、R3SiO1/2、RSiO3/2およびSiO4/2
[式中、Rは、1〜16個の炭素原子を含むアルキルを表す]を含む架橋シロキサン系である。これらの製品中、特に好ましいものは、RがC1〜C4低級アルキル基、より特にメチルを表すものである。
【0116】
これらの樹脂の中で、ジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンである、商品名Dow Corning 593として販売されている製品、またはGeneral Electric社によって商品名Silicone Fluid SS 4230およびSS 4267として販売されているものを挙げてもよい。
【0117】
信越化学工業社によって特に、商品名X22-4914、X21-5034およびX21-5037として販売されているトリメチルシロキシシリケートタイプの樹脂を挙げてもよい。
【0118】
本発明により使用することができる有機変性シリコーンは、上記で定義された通りのシリコーンであり、その構造中に炭化水素系の基によって結合された1種または複数の有機官能基を含む。
【0119】
上記のシリコーンの他に、有機変性シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン、および前述の有機官能基で官能化されたポリアルキルアリールシロキサンであってもよい。
【0120】
このポリアルキルアリールシロキサンは、25℃で1×10-5〜5×10-2m2/秒の範囲の粘度を有する、線状および/または分岐のポリジメチル/メチルフェニルシロキサンおよびポリジメチル/ジフェニルシロキサンから特に選択される。
【0121】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中で、例として、以下の商品名として販売されている製品を挙げてもよい。
- Rhodia製70641系列のSilbione(登録商標)油;
- Rhodia製Rhodorsil(登録商標)70633および763系列の油;
- Dow Corning製の油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid;
- Bayer製PK系列のシリコーン、例えば、製品PK20;
- Bayer製PNおよびPH系列のシリコーン、例えば、製品PN1000およびPH1000;
- General Electric製SF系列のいくつかの油、例えば、SF 1023、SF 1154、SF 1250およびSF 1265。
【0122】
有機変性シリコーンの中で、
- C6〜C24アルキル基を場合によって含むポリエチレンオキシおよび/またはポリプロピレンオキシ基、例えば、商品名DC 1248としてDow Corning社によって販売されているジメチコンコポリオールとして知られている製品、またはUnion Carbide社製の油Silwet(登録商標)L 722、L 7500、L 77およびL 711、および商品名Q2 5200としてDow Corning社によって販売されている(C12)アルキルメチコンコポリオール;
- 置換または非置換アミン基、例えば、Genesee社によって商品名GP 4 Silicone FluidおよびGP 7100として販売されている製品、またはDow Corning社によって商品名Q2 8220およびDow Corning 929または939として販売されている製品。この置換アミン基は、特にC1〜C4アミノアルキル基である;
- アルコキシ化基、例えば、SWS Siliconesによって商品名Silicone Copolymer F-755として販売されている製品、およびGoldschmidt社によるAbil Wax(登録商標)2428、2434および2440
を含むポリオルガノシロキサンを挙げてもよい。
【0123】
好ましくは、この脂肪物質は、非オキシアルキレン化または非グリセロール化されている。
【0124】
より特に、この脂肪物質は、周囲温度および大気圧で液体またはペースト状である化合物から選択される。
【0125】
好ましくは、この脂肪物質は、25℃の温度および大気圧で液体である化合物である。
【0126】
一実施形態によれば、この脂肪物質(複数可)は、流動ワセリン、ポリデセン、脂肪酸または脂肪アルコールの液体エステル、またはこれらの混合物から選択される。特に、本発明による組成物の脂肪物質(複数可)は、非シリコーン系である。
【0127】
本発明による組成物はまた、毛髪染色用組成物に通常使用される1種または複数の補助剤(複数可)を含む。
【0128】
「補助剤」という用語は、上述の化合物以外の添加剤を意味するものとする。
【0129】
使用することができる補助剤の例として、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性もしくは双性イオン界面活性剤、またはこれらの混合物;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性もしくは双性イオンポリマー、無機または有機増粘剤、特に、本発明による会合性セルロース以外の、アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性の会合性ポリマー増粘剤;酸化防止剤または還元剤;浸透剤;金属イオン封鎖剤;芳香剤;緩衝剤;分散剤;例えば、変性または非変性であってもよい揮発性または不揮発性シリコーンなどの、コンディショニング剤;被膜形成剤;セラミド、防腐剤;乳白剤;および帯電防止剤を挙げてもよい。
【0130】
上記補助剤は、これらのそれぞれについて、染料組成物の重量に対して0.01重量%〜20重量%の間の量で一般に存在する。
【0131】
当然、当業者であれば、上記の場合による補助剤(複数可)を、本発明の組成物に本質的に伴う有利な特性が、想定されるこの添加(複数可)によって損なわれないか、または実質的に損なわれないように留意して選択する。
【0132】
本発明による組成物pHは、一般に、およそ3から12の間、好ましくはおよそ5から11の間、優先的に7〜11である。pHは、ケラチン繊維の染色に通常使用される酸性化剤または塩基性化剤によって、あるいは従来の緩衝系によって所望の値に調整してもよい。
【0133】
アルカリ剤は、例えば前述のものである。
【0134】
酸性化剤の中で、塩酸、オルト-リン酸、酒石酸、クエン酸もしくは乳酸などのカルボン酸、またはスルホン酸などの無機酸もしくは有機酸を例として挙げてもよい。
【0135】
本発明による染料組成物は、種々の形態、例えば、液体、クリームもしくはゲル、またはケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色するのに適した任意のその他の形態であってもよい。
【0136】
本発明の方法は、本発明の組成物が、1種または複数の酸化剤を含む組成物と混合され、この混合物がケラチン繊維に適用される方法である。この色は、酸性、中性またはアルカリ性のpHで現れてもよく、酸化剤を本発明の組成物の他の化合物に、ちょうど使用時点で添加してもよく、あるいは他の化合物と同時にまたは逐次に使用してもよい。
【0137】
通常およそ1〜60分間、好ましくはおよそ5〜45分間の範囲である放置時間後、ケラチン繊維をすすぎ、場合によってシャンプーで洗浄し、再度すすぎ、乾燥させる。
【0138】
本発明の方法は、2つまたは3つの組成物を用いて実施することができ、1つの組成物が、本発明のp-アミノフェノール(複数可)、ジプロピレングリコールおよび追加の染料前駆体(複数可)および場合によって1種または複数のアルカリ剤を含み、第2の組成物が酸化剤(複数可)および場合によって脂肪物質(複数可)を含み、この脂肪物質(複数可)が完全にまたは部分的に第3の組成物に含まれていることが可能である。
【0139】
このようにして、本発明の主題はまた、第1の区画が、p-アミノフェノール(複数可)、ジプロピレングリコール、p-アミノフェノール以外の染料前駆体(複数可)および場合によって、1種または複数のアルカリ剤を含む組成物を含み、第2の区画が、酸化剤(複数可)および場合によって、1種または複数の脂肪物質を含む、多区画染色デバイスまたは染色「キット」である。
【0140】
別の実施形態によれば、本発明のデバイスは、p-アミノフェノール(複数可)、ジプロピレングリコール、p-アミノフェノール以外の染料前駆体(複数可)、および場合によって、1種または複数のアルカリ剤を含む組成物を含む第1の区画、酸化剤(複数可)を含む第2の区画、ならびに1種または複数の脂肪物質を含む第3の区画を含む。この実施形態では、脂肪物質(複数可)を含む組成物は、無水物であってもよい。本発明の目的では、「無水組成物」という用語は、この組成物の重量に対して5重量%未満、好ましくは2重量%未満、さらにより好ましくは1重量%未満の含水量を有する化粧品組成物を意味するものとする。この水は、より詳細には、塩の結晶化からの水または本発明による組成物の調製に使用される出発材料によって吸収された微量の水などの結合水であることに留意するべきである。
【0141】
本発明の主題はまた、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を酸化染色するための、上記で定義された染料組成物の使用である。
【0142】
以下の実施例は、本発明を例示することが意図されているが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0143】
これらの実施例では、別段の指示がなければ、すべての量は、組成物の総重量に対する活性物質(A.M.)の重量%で示される。
【0144】
(実施例)
以下の組成物を調製した。
【0145】
(実施例1)
【0146】
【表1】

【0147】
【表2】

【0148】
【表3】

【0149】
(実施例2)
【0150】
【表4】

【0151】
【表5】

【0152】
【表6】

【0153】
実施例のそれぞれにおいて、組成物1、2および3を使用時点で、以下の割合で混合する:10gの組成物1と共に、4gの組成物2および16gの組成物3。白髪90%を含む天然のグレイヘアの髪房に、この混合物を毛髪1g当たり10gの割合で適用する。30分の放置時間後、毛髪をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、乾燥させる。
【0154】
毛髪の着色を視覚的に評価する。
【0155】
【表7】

【0156】
(実施例3)
実施例2の組成物2および3を等重量で混合し、得られた混合物を90%の白髪を含む天然のまたはパーマをかけたグレイヘアに、毛髪1g当たり混合物10gの割合で適用する。
【0157】
30分の放置時間後、毛髪をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、乾燥させる。最終的に毛髪上に比較的非選択的な着色が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時点で酸化剤と混合することが意図された、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を酸化染色するための組成物であって、
A)p-アミノフェノールまたは対応するこれらの酸付加塩から選択される、酸化剤と混合する前の組成物の総重量の1.5重量%以上の量の1種または複数の酸化塩基、
B)A)で定義された酸化塩基とは異なる1種または複数の追加の染料前駆体、
C)酸化剤と混合する前の組成物の総重量の3.5重量%以上の量のジプロピレングリコール
を含む組成物。
【請求項2】
p-アミノフェノールが、p-アミノフェノールおよび4-アミノ-3-メチルフェノール、好ましくはp-アミノフェノールから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
p-アミノフェノールが、組成物の総重量の1.5重量%〜10重量%、好ましくは1.5重量%〜5重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ジプロピレングリコールが、組成物の総重量の3.5重量%〜20重量%、好ましくは3.5重量%〜15重量%、さらに好ましくは5重量%〜15重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
追加の染料前駆体が、酸化塩基およびカプラーから選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
染料前駆体が、o-およびp-フェニレンジアミン酸化塩基、複塩基、o-アミノフェノール、複素環塩基、およびまたこれらの化合物の酸付加塩から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
染料前駆体が、p-フェニレンジアミン酸化塩基、複素環塩基、およびまたこれらの化合物の酸付加塩から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
染料前駆体が、m-アミノフェノールカプラー、m-フェニレンジアミン、m-ジフェノール、ナフトール、複素環カプラーおよびこれらの化合物の酸付加塩、好ましくはアミノフェノールカプラーおよび/またはm-フェニレンジアミンから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
アルカリ剤を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
アルカリ剤が、アンモニアまたはアルカノールアミン、好ましくはアルカノールアミンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
エタノール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールから選択される1種または複数の追加の有機溶媒を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物が、1種または複数の酸化剤を含む組成物と混合され、次いで、所望の着色を生み出すのに十分な時間ケラチン繊維に適用されることを特徴とする、ケラチン繊維を染色する方法。
【請求項13】
p-アミノフェノール、ジプロピレングリコール、p-アミノフェノール以外の染料前駆体および場合によって、アルカリ剤を含む組成物を含む第1の区画、ならびに酸化剤および場合によって、1種または複数の脂肪物質を含む第2の区画を含む多区画染色デバイスであって;p-アミノフェノール、ジプロピレングリコール、および染料前駆体が、請求項1から12のいずれか一項に記載された通りである多区画デバイス。
【請求項14】
ケラチン繊維を酸化染色するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2010−143909(P2010−143909A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−288198(P2009−288198)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】