説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】優先度の高いログイン要求を優先して受け付けることのできる情報処理装置を提供する。
【解決手段】ログインしているクライアント装置とのセッションのセッション識別情報と、第1クライアント装置であるか、第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶するセッション管理テーブル記憶部106と、ログイン要求の要求元が第1クライアント装置である場合に、第1クライアント装置を示す装置特定情報に対応付けてセッション識別情報を記憶部に記憶し、要求元が第2クライアント装置であり、第2クライアント装置を示す装置特定情報に対応付けて記憶部に記憶されているセッション識別情報の登録数が第2設定数より少ない場合に、第2クライアント装置を示す装置特定情報に対応付けて、セッション識別情報を記憶部に記憶するセッション管理部105とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のクライアント装置とネットワークを介して接続する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のクライアント装置とネットワークを介して接続するWebサーバにおいては、複数のクライアント装置により複数のユーザから同時にログイン要求が発生する場合がある。この要求に応える技術として、同時に複数のログインを可能にし、複数のクライアント装置からの要求に応じた処理を同時に実行可能とする仕組みであるセッション管理が知られている。
【0003】
また、複写、プリンタ、スキャナなど複数の機能を有する複合機においても、Webサーバ機能を有するものが知られている。複合機においては、ネットワークを介して接続するクライアント装置からのログインの他、操作部からの操作によっても、ログインが可能であり、複合機は、クライアント装置からの要求に応じた処理だけでなく、操作部からの入力に応じた処理も同時に実行することができる。
【0004】
しかしながら、Webサーバが受け付けることのできるログイン数には限界があるため、従来のセッション管理においては、許容するログイン数を超えるログインの要求は受け付けることができなかった。したがって、許容するログイン数を超える場合には、他のユーザがログアウトするまで待ってからログインしなければならなかった。
【0005】
このような問題に対応し、例えば特許文献1には、ログイン後一定時間ユーザからの操作が行われない場合にオートログアウトするためのログアウト制限時間を、ユーザ毎に適正化し、制限時間を越えた場合にオートログアウトすることにより、ログイン要求を受け付けられないケースを低減する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ログイン要求の中には、他のログインに優先して許容すべきものも存在し、このような優先度の高いログイン要求は、他の装置からのログインの状況にかかわらず受け付けることができることとするのが望ましい。しかしながら、すでに許容するログイン数のログインが許可されている場合には、優先度の高いログイン要求であっても受け付けることができない。また、特許文献1のように、ログアウト制限時間を適正化したとしても、待ち時間を短縮することはできても、優先的にログインを許可することはできない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、優先度の高いログイン要求を優先的に受け付けることのできる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のクライアント装置とネットワークを介して接続する情報処理装置であって、前記クライアント装置からログイン可能なサーバと、前記クライアント装置から当該クライアント装置を識別する要求元識別情報および前記サーバへのログイン要求を取得する取得部と、前記クライアント装置が前記サーバにログインしている場合に、ログインしている前記クライアント装置とのセッションを識別するセッション識別情報と、ログインしている前記クライアント装置が、予め設定された装置であって、予め設定された第1設定数の台数の第1クライアント装置であるか、前記第1クライアント装置以外の装置である第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記取得部が前記要求元識別情報および前記ログイン要求を取得すると、取得した前記要求元識別情報に基づいて、前記ログイン要求の要求元を特定する要求元特定部と、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記第1クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を前記記憶部に記憶し、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記セッション識別情報の登録数と、前記第1設定数と当該サーバにログイン可能な最大ログイン数とに基づいて予め設定された第2設定数とを比較し、前記登録数が前記第2設定数より少ない場合に、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を記憶部に記憶し、前記登録数が前記第2設定数と等しい場合には、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可しないと判断するセッション管理部と、前記セッション管理部によりログインを許可すると判断された場合に、前記ログイン要求の要求元にログインが許可された旨を通知し、前記セッション管理部によりログインを許可しないと判断された場合には、前記ログイン要求の要求元にログインできない旨を通知する通知部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、複数のクライアント装置がネットワークを介して接続するサーバを備えた情報処理装置において実行される情報処理方法であって、前記情報処理装置は、前記クライアント装置が前記サーバにログインしている場合に、ログインしている前記クライアント装置とのセッションを識別するセッション識別情報と、ログインしている前記クライアント装置が、予め設定された装置であって、予め設定された第1設定数の台数の第1クライアント装置であるか、前記第1クライアント装置以外の装置である第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶する記憶部を有し、取得部が、前記クライアント装置から当該クライアント装置を識別する要求元識別情報および前記サーバへのログイン要求を取得する取得ステップと、要求元特定部が、前記取得部が前記要求元識別情報および前記ログイン要求を取得すると、取得した前記要求元識別情報に基づいて、前記ログイン要求の要求元を特定する要求元特定ステップと、セッション管理部が、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記第1クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を前記記憶部に記憶し、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記セッション識別情報の登録数と、前記第1設定数と当該サーバにログイン可能な最大ログイン数とに基づいて予め設定された第2設定数とを比較し、前記登録数が前記第2設定数より少ない場合に、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を記憶部に記憶し、前記登録数が前記第2設定数と等しい場合には、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可しないと判断するセッション管理ステップと、通知部が、前記セッション管理部によりログインを許可すると判断された場合に、前記ログイン要求の要求元にログインが許可された旨を通知し、前記セッション管理部によりログインを許可しないと判断された場合には、前記ログイン要求の要求元にログインできない旨を通知する通知ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数のクライアント装置がネットワークを介して接続するサーバ機能を有するコンピュータであって、前記クライアント装置が前記サーバにログインしている場合に、ログインしている前記クライアント装置とのセッションを識別するセッション識別情報と、ログインしている前記クライアント装置が、予め設定された装置であって、予め設定された第1設定数の台数の第1クライアント装置であるか、前記第1クライアント装置以外の装置である第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶する記憶部を有する前記コンピュータを、前記クライアント装置から当該クライアント装置を識別する要求元識別情報および前記サーバへのログイン要求を取得する取得部と、前記取得部が前記要求元識別情報および前記ログイン要求を取得すると、取得した前記要求元識別情報に基づいて、前記ログイン要求の要求元を特定する要求元特定部と、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記第1クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を前記記憶部に記憶し、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記セッション識別情報の登録数と、前記第1設定数と当該サーバにログイン可能な最大ログイン数とに基づいて予め設定された第2設定数とを比較し、前記登録数が前記第2設定数より少ない場合に、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を記憶部に記憶し、前記登録数が前記第2設定数と等しい場合には、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可しないと判断するセッション管理部と、前記セッション管理部によりログインを許可すると判断された場合に、前記ログイン要求の要求元にログインが許可された旨を通知し、前記セッション管理部によりログインを許可しないと判断された場合には、前記ログイン要求の要求元にログインできない旨を通知する通知部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優先度の高いログイン要求を優先して受け付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、プリンタシステム1の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、Webサーバ103と操作パネル20のWebブラウザ110およびPC4のWebブラウザ400との間で送受信されるデータを示す図である。
【図3】図3は、セッション管理テーブル107のデータ構成を示す図である。
【図4】図4は、ログイン処理のシーケンス図である。
【図5】図5は、セッション管理(ステップS104)を示すフローチャートである。
【図6】図6は、ログアウト処理のシーケンス図である。
【図7】図7は、プリンタ3としての複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、実施の形態にかかるプリンタシステム1の機能構成を示すブロック図である。プンタシステム1は、情報処理装置としてのプリンタ3と、プリンタ3とネットワーク2を介して接続された複数のPC4とを備えている。PC4は、通信機能を備えた汎用のコンピュータである。PC4はクライアント装置として機能する。
【0015】
プリンタ3は、第1通信部101と、第2通信部102と、Webサーバ103と、サーバ記憶部104と、セッション管理部105と、セッション管理テーブル記憶部106と、操作パネル20とを備えている。操作パネル20は、Webブラウザ110を有している。操作パネル20は、情報処理装置としてのプリンタ3に一体に設けられた、Webサーバ103に対するクライアント装置として機能する。
【0016】
操作パネル20のWebブラウザ110は、Webサーバ103へのログイン画面等を表示する表示機能を有し、Webサーバ103へのログインの要求やWebの閲覧要求などユーザからの入力を受け付ける。ユーザは、Webブラウザ110を利用して、プリンタ3の各種設定を参照したり、変更したりすることができる。PC4のWebブラウザ400は、操作パネル20のWebブラウザ110と同様に、Webサーバ103へのログイン画面等を表示する表示機能を有し、ユーザからの入力を受け付ける。すなわち、プリンタシステム1においては、ユーザは、操作部20のWebブラウザ110およびPC4のWebブラウザ400のいずれからもWebサーバ103にログインすることができ、ユーザは、操作パネル20の操作の他、ネットワーク2を介して接続されたPC4の操作によっても、プリンタ3の各種設定を参照したり、変更したりすることができる。
【0017】
第1通信部101は、ネットワーク2を経由してHTTP(HyperText Transfer Protocol)によりPC4と通信を行う。第2通信部102は、HTTPでのソケット通信により、操作パネル20のWebブラウザ110と通信を行う。第1通信部101および第2通信部102は、取得部として機能する。
【0018】
Webサーバ103は、第1通信部101を介してPC4のWebブラウザ400からログイン要求等のリクエストを受け取り、第1通信部101を介してWebブラウザ400にリクエストに対するレスポンスを返す。Webサーバ103は、第1通信部101を介するPC4のWebブラウザ400との通信と同様に、第2通信部102を介して操作パネル20のWebブラウザ110からリクエストを受け取り、第2通信部102を介してWebブラウザ110にレスポンスを返す。サーバ記憶部104は、Webサーバ103により利用される記憶部である。サーバ記憶部104は、IPアドレスやWebブラウザ400,110から受信した情報等を記憶する。
【0019】
ここで、Webサーバ103と操作パネル20のWebブラウザ110およびPC4のWebブラウザ400との間のデータの送受信について具体的に説明する。図2は、Webサーバ103と操作パネル20のWebブラウザ110およびPC4のWebブラウザ400との間で送受信されるデータを示す図である。
【0020】
Webブラウザ400,110は、HTTPリクエスト200と呼ばれるHTTPメッセージを送信する。HTTPリクエスト200は、リクエストライン201、リクエストヘッダ202およびメッセージボディ203の3つの部分を有している。リクエストライン201は、HTTPリクエスト200の必須部分である。リクエストライン201には、メソッド、リソースのURI、HTTPバージョン情報が記述される。リクエストライン201には、例えば、「POST /Index.html HTTP/1.1」のように、ファイルパスを含むデータが記述される。
【0021】
リクエストヘッダ202には、Webブラウザ110で利用可能な言語や文字コードなどの付加情報が記述される。メッセージボディ203には、リクエストライン201のメソッドがPOSTである場合に、HTMLフォームのデータが[HTML部品名=HTML部品名の値]の形式で記述される。データが複数の場合、各データはアンパサンド(ampersand,&)で連結される。ログイン要求等は、メッセージボディ203に記述される。
【0022】
HTTPリクエスト情報210は、サーバ記憶部104に記憶されている情報であり、HTTPリクエスト200の内容が書き込まれる。HTTPリクエスト情報210は、リクエストライン211と、リクエストヘッダ212と、受信IPアドレス213と、操作パネルIPアドレス214の4つの部分を有している。
【0023】
Webサーバ103は、第1通信部101を介してWebブラウザ400からHTTPリクエスト200を受信した場合、および第2通信部102を介してWebブラウザ110からHTTPリクエスト200を受信した場合に、サーバ記憶部104のHTTPリクエスト情報210にHTTPリクエスト200に含まれる情報を書き込む。具体的には、Webサーバ103は、HTTPリクエスト200のリクエストライン201をサーバ記憶部104に記憶されたHTTPリクエスト情報210のリクエストライン211に書き込み、HTTPリクエスト200のリクエストヘッダ202をHTTPリクエスト情報210のリクエストヘッダ212に書き込む。
【0024】
Webサーバ103は、さらに、TCPソケットのsockaddr_in構造体から取得したIPアドレス(受信IPアドレス)をHTTPリクエスト情報210の受信アドレスIP213に書き込む。また、Webサーバ103は、プリンタシステム1の起動時に操作パネル20とソケット通信が確立すると、操作パネル20から第2通信部102を介して操作パネル20のIPアドレスを取得し、操作パネル20のIPアドレスをHTTPリクエスト情報210の操作パネルIPアドレス214に書き込む。
【0025】
Webサーバ103は、PC4のWebブラウザ400および操作パネル20のWebブラウザ110からHTTPリクエスト200を受信すると、HTTPリクエスト200の送信元に対し、HTTPレスポンス220を返す。HTTPレスポンス220は、ステータスライン221、レスポンスヘッダ222およびメッセージボディ223の3つの部分を有している。ステータスライン221には、HTTPバージョン、リクエストの結果を表すレスポンスのステータスコードが記述される。レスポンスヘッダ222には、レスポンスのデータ(HTMLなど)を説明するContent−TypeやContent−Lengthなどが記述される。メッセージボディ223には、HTTPリクエスト200のURLで指定されたHTMLデータが記述される。
【0026】
プリンタ3のセッション管理部105は、操作パネル20のWebブラウザ110やPC4のWebブラウザ400から受け取ったWebサーバ103へのログインやログアウト、ログインからログアウトまでのセッションを管理する。セッション管理部105は、Webサーバ103とWebブラウザ110,400のセッションの間、Webブラウザ110,400からの要求を受け付け、これを実行する。
【0027】
セッション管理テーブル記憶部106は、セッション管理テーブルを記憶している。図3は、セッション管理テーブル107のデータ構成を示す図である。セッション管理テーブル107には、0〜N番目までの登録欄が設けられている。各登録欄には、セッションIDと経過時間とが対応付けて記憶されている。ここで、セッションIDは、セッションの識別情報である。セッションIDは、Webサーバ103と操作パネル20のWebブラウザ110またはPC4のWebブラウザ400からのログインが許可された場合に、セッション管理部105により割り当てられる。経過時間は、セッションにおいてユーザからの最終入力がなされた時刻からカウントした経過時間である。
【0028】
経過時間は、セッション管理部105によるオートログアウトに利用される。すなわち、セッション管理部105は、セッション管理テーブル107を参照し、経過時間が予め設定されているログアウト時間に達すると、自動的にログアウトさせる。
【0029】
セッション管理テーブル107の登録欄の数(N+1)は、Webサーバ103にログイン可能な最大ログイン数に基づいて予め設定されている。具体的には、登録欄の数は、Webサーバ103にログイン可能な最大ログイン数以下の値に設定されている。すなわち、Nのとりうる最大値は、「Webサーバ103にログイン可能な最大数−1」である。
【0030】
0〜N番目までの登録欄のうち、0番目の登録欄は、操作パネル20のWebブラウザ110とのセッションの登録用に割り当てられた第1登録欄である。1番目からN番目の登録欄は、PC4のWebブラウザ400とのセッションの登録用に割り当てられた第2登録欄である。
【0031】
ここで、第1登録欄は、優先的にログインを受け付けるべく予め設定した装置である第1クライアント装置とのセッションの登録用に設けられた登録欄である。第1登録欄の数は、第1クライアント装置として設定された第1設定数の台数に等しい。本実施の形態にかかるプリンタシステム1においては、操作パネル20のWebブラウザ110のみが第1クライアント装置として機能し、第1登録欄の数、すなわち第1設定数は「1」に設定されている。
【0032】
第2登録欄は、第2クライアント装置とのセッションの登録用に設けられた登録欄である。ここで、第2クライアント装置とは、第1クライアント装置以外のクライアント装置である。本実施の形態にかかるプリンタシステム1においては、プリンタ3に接続されている複数のPC4のWebブラウザ400が第2クライアント装置として機能する。第2登録欄の数である第2設定数は、第1設定数とWebサーバ103への最大ログイン数に基づいて予め設定されている。すなわち、第2設定数は、Webブラウザ103への最大ログイン数から、第1設定数、すなわち「1」を減じた値に設定されている。なお、他の例としては、第2設定数は、「Webブラウザ103への最大ログイン数−1」より小さい値に設定されてもよい。
【0033】
ここで、0〜N番目の番号は、Webサーバ103とのセッションの相手が操作パネル20のWebブラウザ110であるかPC4のWebブラウザ400であるかを特定する装置特定情報に相当する。すなわち、0番目は、操作パネル20のWebブラウザ110を示す装置特定情報に相当し、1〜N番目は、PC4のWebブラウザ400を示す装置特定情報に相当する。
【0034】
図4は、操作パネル20のWebブラウザ110またはPC4のWebブラウザ400からログイン要求が送信された場合の、ログイン処理のシーケンス図である。ログイン処理においては、まず操作パネル20のWebブラウザ110またはPC4のWebブラウザ400において、ユーザからログイン要求が入力され、ログインが実行される(ステップS100)。なおこのとき、ユーザを識別するユーザIDがログイン要求とともにユーザから入力される。
【0035】
ログインが実行された操作パネル20のWebブラウザ110またはPC4のWebブラウザ400からユーザIDおよびログイン要求を含むHTTPリクエストがプリンタ3に送信される(ステップS101)。プリンタ3においては、Webサーバ103は、第1通信部101または第2通信部102からHTTPリクエストを受信すると、セッション管理部105を呼び出し、セッション管理部105にユーザIDおよびログイン要求を渡す(ステップS102)。
【0036】
セッション管理部105は、まずログイン認証(ユーザ認証)を行う(ステップS103)。具体的には、セッション管理部105は、予め登録ユーザを識別するユーザIDを記憶しており、HTTPリクエストに含まれるユーザIDが登録ユーザのユーザIDと一致した場合にログイン認証に成功したと判断する。セッション管理部105は、ログイン認証に成功すると、次に、セッション管理(ステップS104)を行う。なお、ログイン認証に失敗した場合には、セッション管理部105は、ログイン認証に失敗した旨をWebサーバ103に応答し、Webサーバ103は、ログイン認証に失敗した旨を示すHTTPレスポンスをWebブラウザ110,400に返し、処理は終了する。
【0037】
セッション管理(ステップS104)においては、セッション管理部105は、セッション管理テーブル107を参照し、セッションを管理する。図5は、セッション管理(ステップS104)におけるセッション管理部105による処理を示すフローチャートである。セッション管理(ステップS104)においては、セッション管理部105は、まず、サーバ記憶部104に記憶されているHTTPリクエスト情報210の受信IPアドレス213に書き込まれている受信IPアドレスと、操作パネルIPアドレス214に書き込まれている操作パネル20のIPアドレスを、Webサーバ103からパラメータとして取得する(ステップS110)。
【0038】
次に、セッション管理部105は、ログイン要求の要求元が操作パネル20のWebブラウザ110およびPC4のWebブラウザ400のいずれであるかを判断する。具体的には、セッション管理部105は、ステップS110においてWebサーバ103から取得した、受信IPアドレスと、操作パネル20のIPアドレスとを比較し、両者が一致した場合には、要求元は操作パネル20のWebブラウザ110であると判断し、両者が一致しない場合には、要求元はPC4のWebブラウザ400であると判断する。なお、本実施の形態におけるセッション管理部105は、セッション管理部として機能するほか、要求元特定部としても機能する。
【0039】
要求元が操作パネル20のWebブラウザ110である場合には(ステップS111,操作パネル)、セッション管理部105は、要求元のログインを許可すると判断し、Webサーバ103と操作パネル20のWebブラウザ110のセッションに対するセッションIDを割り当て、セッションIDをセッション管理テーブル107の0番目、すなわち第1登録欄に登録し(ステップS112)、ステップS105に進む。
【0040】
要求元がPC4のWebブラウザ400である場合には(ステップS111,PC)、セッション管理部105は、セッション管理テーブル107の1〜N番目、すなわち第2登録欄に空きがあるか確認する。第2登録欄に空きがある場合、すなわちセッションフルでない場合には(ステップS120,No)、セッション管理部105は、要求元のログインを許可すると判断しWebサーバ103とPC4のWebブラウザ400のセッションに対するセッションIDを割り当て、セッションIDを空いている1〜N番目のいずれかの第2登録欄に登録し(ステップS121)、ステップS105に進む。
【0041】
セッション管理テーブル107の1〜N番目の第2登録欄に空きがない場合、すなわちセッションフルの場合には(ステップS120,Yes)、セッション管理部105は、要求元のログインを許可しないと判断し、ステップS105に進む。
【0042】
次に、図4に示すように、セッション管理部105は、Webサーバ103に対し、セッション管理の結果を応答する(ステップS105)。具体的には、セッション管理部105は、ログインを許可すると判断し、セッションIDを割り当てた場合には、セッションIDをWebサーバ103に応答する。一方、セッションフルの場合には、セッション管理部105は、セッションフルをWebサーバ103に応答する。
【0043】
続いて、Webサーバ103は、セッション管理部105から受け取ったセッション管理の結果を含むHTTPレスポンスを、要求元のWebブラウザ110,400に返す(ステップS106)。具体的には、Webサーバ103は、通知部として機能し、セッション管理部105により要求元からのログインを許可すると判断された場合には、セッションIDを含むHTTPレスポンスを返す。すなわち、ログインを許可された旨を要求元に通知する。一方、Webサーバ103は、セッション管理部105により要求元からのログインを許可しないと判断された場合には、セッションフルを示す情報を含むHTTPレスポンスを返す。すなわち、Webサーバ103は、ログインできない旨を要求元に通知する。以上で、ログイン要求時の処理が完了する。
【0044】
以上のように、セッション管理テーブル107には、操作パネル20のWebブラウザ110とのセッションのみを登録する第1登録欄が設けられているので、操作パネル20のWebブラウザ110からのログイン要求に対し、セッションフルの事態が生じることがない。このため、本実施の形態にかかるプリンタ3は、他のクライアント装置からのログインの状況にかかわらず、操作パネル20のWebブラウザ110からのログイン要求を確実に許可することができる。
【0045】
また、本実施の形態にかかるプリンタ3は、PC4のWebブラウザ400からのログイン要求に対しては、Webブラウザ400とのセッションを登録する第2登録欄に空きがあるかないかを確認することにより、ログイン要求に対し、ログインを許可するか否かを容易に判断することができる。
【0046】
なお、本実施の形態においては、要求元を判別するためにIPアドレスを利用したが、これにかえて、HTTPリクエスト情報210のリクエストライン211に示されるファイルパスなどを参照し、要求元が操作パネル20のWebブラウザ110であるか、PC4のWebブラウザ400であるかを判別してもよい。
【0047】
図6は、操作パネル20のWebブラウザ110またはPC4のWebブラウザ400からログアウト要求が送信された場合の、ログアウト処理のシーケンス図である。ログアウト処理においては、まず操作パネル20のWebブラウザ110またはPC4のWebブラウザ400において、ログアウト要求が入力され、ログアウトが実行される(ステップS200)。
【0048】
ログアウトが実行された操作パネル20のWebブラウザ100またはPC4のWebブラウザ400からセッションIDおよびログアウト要求を含むHTTPリクエストがプリンタ3に送信される(ステップS201)。プリンタ3においては、Webサーバ103は、第1通信部101または第2通信部102からHTTPリクエストを受信すると、セッション管理部105を呼び出し、セッション管理部105にセッションIDおよびログアウト要求を渡す(ステップS202)。
【0049】
次に、セッション管理部105は、セッション管理テーブル107において、からWebサーバ103から受け取ったセッションIDと一致するセッションIDおよび経過時間を登録欄から削除する(ステップS203)。次に、セッション管理部105は、セッションIDがない旨をWebサーバ103に応答する(ステップS204)。次に、Webサーバ103は、セッションIDがない旨を示す情報を含むHTTPレスポンスを要求元のWebブラウザ110,400に返す(ステップS205)。以上で、ログアウト要求時の処理が完了する。
【0050】
なお、セッション管理テーブル107に記憶されている経過時間が予め設定されたタイムアウト時間を越えた場合にも、セッション管理部105は、セッション管理テーブル107から対応するセッションIDと経過時間を削除する。
【0051】
図7は、実施の形態にかかるプリンタ3としての複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、プリンタ3は、コントローラ10とエンジン部60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、プリンタ3全体の制御と描画、通信、操作パネル20からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0052】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0053】
CPU11は、プリンタ3の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0054】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0055】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0056】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0057】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作パネル20はASIC16に直接接続されている。
【0058】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0059】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0060】
なお、本実施の形態のプリンタ3で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のプリンタで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0061】
さらに、本実施の形態のプリンタ3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のプリンタ3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0062】
本実施の形態のプリンタ3で実行されるプログラムは、上述した各部(第1通信部、第2通信部、Webサーバ、セッション管理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、第1通信部、第2通信部、Webサーバ、セッション管理部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0063】
なお、上記実施の形態では、情報処理装置としてのプリンタ3を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、情報処理装置は、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することができる。また、操作パネルなどユーザからの入力を受け付ける操作部を備えた情報処理装置にも適用することができる。
【0064】
本実施の形態においては、ログインを優先すべき第1クライアント装置は、操作パネル20のみであったが、第1クライアント装置の台数は実施の形態に限定されるものではなく、第1クライアント装置は、2台以上であってもよい。この場合には、第1クライアント装置の数を第1設定数とし、最大ログイン数から第1設定数を減じた数以下の値を第2設定数とし、セッション管理テーブルに第1設定数の第1登録欄および第2設定数の第2登録欄を設ければよい。
【0065】
また、第2の変更例としては、第1クライアント装置は、情報処理装置としてのプリンタ3と一体に設けられていなくてもよい。すなわち、ネットワーク2を介して接続された所定のPCからのログインを優先的に受け付けたい場合には、このPCを第1クライアント装置としてもよい。
【0066】
また、本実施の形態においては、セッション管理テーブル107において、予め第1設定数の第1登録欄と第2設定数の第2登録欄を有するセッション管理テーブルを用意し、未登録の第2登録欄の有無により、ログイン要求を受け付けるか否かを判断したが、これにかえて、登録欄の番号ではなく、受信IPアドレスなど要求元を示す要求元識別情報に対応付けてセッションIDをセッション管理テーブルに登録することとしてもよい。この場合には、セッション管理部は、要求元が第1クライアント装置である場合には、第1クライアント装置のログインを許可し、要求元識別情報とセッションIDとを対応付けてセッション管理テーブルに登録する。また、セッション管理部は、要求元が第2クライアント装置である場合には、セッション管理テーブルにおいて第2クライアント装置を示す要求元識別情報に対応付けて登録されているセッションIDの登録数と第2設定数とを比較する。そして、セッション管理部105は、登録数が第2設定数より小さい場合には、第2クライアント装置のログインを許可し、要求元識別情報とセッションIDとをセッション管理テーブルに登録し、登録数が第2設定数と等しい場合には、第2クライアント装置のログインを許可しないこととする。この場合の要求元識別情報は、第1クライアント装置であるか第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報に相当する。
【符号の説明】
【0067】
1 プリンタシステム
2 ネットワーク
3 プリンタ
4 PC
20 操作パネル
101 第1通信部
102 第2通信部
103 Webサーバ
104 サーバ記憶部
105 セッション管理部
106 セッション管理テーブル記憶部
107 セッション管理テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2007−249417号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント装置とネットワークを介して接続する情報処理装置であって、
前記クライアント装置からログイン可能なサーバと、
前記クライアント装置から当該クライアント装置を識別する要求元識別情報および前記サーバへのログイン要求を取得する取得部と、
前記クライアント装置が前記サーバにログインしている場合に、ログインしている前記クライアント装置とのセッションを識別するセッション識別情報と、ログインしている前記クライアント装置が、予め設定された装置であって、予め設定された第1設定数の台数の第1クライアント装置であるか、前記第1クライアント装置以外の装置である第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得部が前記要求元識別情報および前記ログイン要求を取得すると、取得した前記要求元識別情報に基づいて、前記ログイン要求の要求元を特定する要求元特定部と、
前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記第1クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を前記記憶部に記憶し、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記セッション識別情報の登録数と、前記第1設定数と当該サーバにログイン可能な最大ログイン数とに基づいて予め設定された第2設定数とを比較し、前記登録数が前記第2設定数より少ない場合に、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を記憶部に記憶し、前記登録数が前記第2設定数と等しい場合には、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可しないと判断するセッション管理部と、
前記セッション管理部によりログインを許可すると判断された場合に、前記ログイン要求の要求元にログインが許可された旨を通知し、前記セッション管理部によりログインを許可しないと判断された場合には、前記ログイン要求の要求元にログインできない旨を通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて設けられた登録欄であって、前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションの前記セッション識別情報を登録可能な第1登録欄を前記第1設定数だけ有し、さらに前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けられた登録欄であって、前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションの前記セッション識別情報を前記登録可能な第2登録欄を前記第2設定数だけ有するセッション管理テーブルを有し、
前記セッション管理部は、前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記セッション管理テーブルの前記第1登録欄に前記セッション識別情報を登録し、前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記セッション管理テーブルにおいて、前記セッション識別情報が未登録の前記第2登録欄を検索し、未登録の前記第2登録欄が存在する場合に、前記登録数が前記第2設定数より少ないと判断し、未登録の前記第2登録欄に前記セッション識別情報を登録することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
予め設定された前記第1クライアント装置は1台であり、前記第1設定数は1であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1クライアント装置は、当該情報処理装置と一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のクライアント装置がネットワークを介して接続するサーバを備えた情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、前記クライアント装置が前記サーバにログインしている場合に、ログインしている前記クライアント装置とのセッションを識別するセッション識別情報と、ログインしている前記クライアント装置が、予め設定された装置であって、予め設定された第1設定数の台数の第1クライアント装置であるか、前記第1クライアント装置以外の装置である第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶する記憶部を有し、
取得部が、前記クライアント装置から当該クライアント装置を識別する要求元識別情報および前記サーバへのログイン要求を取得する取得ステップと、
要求元特定部が、前記取得部が前記要求元識別情報および前記ログイン要求を取得すると、取得した前記要求元識別情報に基づいて、前記ログイン要求の要求元を特定する要求元特定ステップと、
セッション管理部が、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記第1クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を前記記憶部に記憶し、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記セッション識別情報の登録数と、前記第1設定数と当該サーバにログイン可能な最大ログイン数とに基づいて予め設定された第2設定数とを比較し、前記登録数が前記第2設定数より少ない場合に、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を記憶部に記憶し、前記登録数が前記第2設定数と等しい場合には、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可しないと判断するセッション管理ステップと、
通知部が、前記セッション管理部によりログインを許可すると判断された場合に、前記ログイン要求の要求元にログインが許可された旨を通知し、前記セッション管理部によりログインを許可しないと判断された場合には、前記ログイン要求の要求元にログインできない旨を通知する通知ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
複数のクライアント装置がネットワークを介して接続するサーバ機能を有するコンピュータであって、前記クライアント装置が前記サーバにログインしている場合に、ログインしている前記クライアント装置とのセッションを識別するセッション識別情報と、ログインしている前記クライアント装置が、予め設定された装置であって、予め設定された第1設定数の台数の第1クライアント装置であるか、前記第1クライアント装置以外の装置である第2クライアント装置であるかを特定する装置特定情報とを対応付けて記憶する記憶部を有する前記コンピュータを、
前記クライアント装置から当該クライアント装置を識別する要求元識別情報および前記サーバへのログイン要求を取得する取得部と、
前記取得部が前記要求元識別情報および前記ログイン要求を取得すると、取得した前記要求元識別情報に基づいて、前記ログイン要求の要求元を特定する要求元特定部と、
前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第1クライアント装置である場合に、前記第1クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第1クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第1クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を前記記憶部に記憶し、前記要求元特定部が特定した前記要求元が前記第2クライアント装置である場合に、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記セッション識別情報の登録数と、前記第1設定数と当該サーバにログイン可能な最大ログイン数とに基づいて予め設定された第2設定数とを比較し、前記登録数が前記第2設定数より少ない場合に、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可すると判断し、前記第2クライアント装置を示す前記装置特定情報に対応付けて、ログインを許可した前記第2クライアント装置と前記サーバのセッションを識別する前記セッション識別情報を記憶部に記憶し、前記登録数が前記第2設定数と等しい場合には、前記ログイン要求の要求元である前記第2クライアント装置のログインを許可しないと判断するセッション管理部と、
前記セッション管理部によりログインを許可すると判断された場合に、前記ログイン要求の要求元にログインが許可された旨を通知し、前記セッション管理部によりログインを許可しないと判断された場合には、前記ログイン要求の要求元にログインできない旨を通知する通知部と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54553(P2013−54553A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192593(P2011−192593)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】