説明

α−アンブリノールアルキルエーテル及び2−アルコキシ−9−メチレン−2,6,6−トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンをフレグランス及びフレーバーとして含む混合物

【課題】その他の興味ある及びオリジナルな嗅覚特性と組合せたウッディアンブレットの香りを有するフレグランス又はフレーバーを提供する。
【解決手段】下記化学式Iのαーアンブリノールアルキルエーテル化合物及び2−アルコキシー9−メチレンー2,6,6−トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンをフレグランス及びフレーバーをして含む混合物。


(式中、Rはメチル及びエチルから選ばれる。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にフレグランス及びフレーバー混合物として使用できる特定のα-アンブリノールアルキルエーテル及び2-アルコキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンの混合物に関するものである。さらに、本発明は、フレグランス又はフレーバー混合物としての本発明の混合物の対応する使用、不快な嗅覚ノートのマスキング剤としての特定の2-アルコキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンの使用、前記2-アルコキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンの嗅覚特性を変調するための前記α-アンブリノールアルキルエーテルの使用、対応する香料製品、対応する香りの生成、変調及び/又は増強方法、及び前記α-アンブリノールアルキルエーテル及び前記混合物の製造方法に関するものである。本発明のその他の特徴は、以下の記載及び特許請求の範囲から明らかである。
【背景技術】
【0002】
数多くのフレグランス(fragrance)がすでに存在するが、依然として香水産業では新規なフレグランスを一般に必要としている。このように、ウッディ(woody)アンブレットの香り(ambrette scents)だけでなく、その他の興味ある嗅覚ノートを生成し、その新規又はオリジナルな嗅覚特性に関して香料製造業者の可能性を広げることが(フレグランス組成物で)できる、ウッディアンブレットの香りを有するフレグランスを必要としている。特に、花の香りのフレグランス(flower-scented fragrances)との調和した組合せとなることができるウッディアンブレットの香りを有するフレグランスに興味がある。好ましくは、異なる嗅覚アスペクト及びノートを重ね合わせて、全体として複雑な嗅覚のインプレッションを生成する。
新規な現代的な組成物を生成するために、複雑な嗅覚特性の新規な現代的な香料(perfumes)組成物の基剤として使用するのに適した特別な嗅覚特性をもつフレグランスを絶えず必要としている。したがって、好ましい人気のフレグランスはウッディアンブレットの香りを有するだけでなく、嗅覚特性及び複雑さを与えるその他のノート及びアスペクトをも有する。
本発明につながる、適したフレグランス及びフレーバーの探索は、以下の情況によって困難であった:
− 香りの感受性のメカニズムは、十分に分かっていない。
− 一方の香りの特定の感受性と他方の相当するフレグランスの化学構造との間の関係は、十分に研究されていない。
− 既知のフレグランスの構造におけるわずかな変化でさえ、しばしば官能特性において著しい変化を生じ、人体の許容性を低下させる。
したがって、適したフレグランスの探索の成功は、探索者の直感によるところが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、その他の興味ある及びオリジナルな嗅覚特性と組合せたウッディアンブレットの香りを有するフレグランス又はフレーバーを発見することであり、これにより、人気のフレグランスは、特定の嗅覚ノート及びアスペクトを有する新規、かつ、オリジナルなフレグランス組成物を提供する。特に、花の香りを有するフレグランスとの組合せに特に適したウッディアンブレットの香りを有するフレグランスが見出された。
さらに、その主な特性、すなわち嗅覚特性に加えて、この主目的を達成するフレグランスは、また好ましくは追加のポジティブな第2の特性、例えばある特定の使用条件の下で安定性が高く、強度が高く、香りを残す力が強く(better lingering power)、より直接的であり(high substantivity)、増幅効果(booster effect)が顕著であり、香りを華やかにする(strong blooming)という特性を有し、顕著な官能効果が達成されると同時に、類似のフレグランスよりも良い皮膚科学的及び毒物学的特性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な目的は、(a)1又はこれよりも多くの下記式Iの化合物:
【化1】

及び
(b)1又はこれよりも多くの下記式IIの化合物:
【化2】

を含むか、又はこれらからなる混合物(式中、Rは、式I及び式IIにおいて同じ意味を有してもよく、又は異なる意味を有してもよいが、それぞれメチル及びエチルからなる群より選ばれる。)の提供により達成され、この混合物は、
(c)1、2又はこれよりも多くのその他のフレグランス又はフレーバーを含んでいてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
成分(a)として使用される式Iの化合物はα-アンブリノールメチル又はエチルエーテルであり、構造的にα-アンブリノールから誘導される。
α-アンブリノールのように、式Iの化合物は、2つの不斉炭素原子を有する。式Iの化合物は、(R,R)-配置の鏡像異性体、(R,S)-配置の鏡像異性体、(S,R)-配置の鏡像異性体(S,S)-配置の鏡像異性体又は異性体の任意の所望の混合物、特にラセミ化合物、又は対応するジアステレオ異性体の任意の所望の混合物として存在できる。鏡像異性体として純粋な、又は鏡像異性体としてリッチなα-アンブリノールを式Iの化合物の調製用出発物質として使用する場合(調製方法について下記参照)、特定の配置が保持され、鏡像異性体として純粋な、又は鏡像異性体としてリッチなα-アンブリノールアルキルエーテルが形成される。α-アンブリノールアルキルエーテルのベースとなるα-アンブリノールに関しては、Ohloff, G., Fragrance Chemistry, page 546, Academic Press, New York, 1982; P. Naegeli and Y. Wirz-Habersack, Enantiodifferentiation of odour perception of alpha-ambrinols, Tetrahedron: Asymmetry, volume 3, issue 2, 1992, pages 221-222を参照してもよい。
成分(b)として使用される式IIの化合物は、2-アルコキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンである(アルコキシはメトキシ又はエトキシである)。
1、2又はこれよりも多くのその他のフレグランスが成分(c)として存在する場合、1、2又はこれよりも多くのこれらの香料は、ウッディ及び/又はフラワリーの香りを有するのが好ましい。
【0006】
本発明の混合物は、驚いたことに複雑なウッディアンブレットノートを有する(以下の詳細な香りの記述を参照のこと)。本発明の混合物は、したがってフレグランス又はフレーバー混合物としての使用に非常に適している。
その主な特性、すなわち嗅覚特性に加えて、本発明の混合物は、さらにポジティブな第2の特性を有する。特に、酸性条件下で使用される場合、本発明の混合物は、同様の嗅覚特性を有するフレグランスに対して非常に安定であるという利点を有する。
Helv. Chim. Acta 1955, 38, 1573には、Rがエチルである上記式IIの化合物へのα-ジヒドロイオノンの環化について報告されている。この化合物の香りは(非エーテル化アルコールに相当する)、しばしば多少カンファーの強いノートを有するウォームリー(warmly)ウッディアンブレットのように記載されている。
欧州特許明細書EP 0 330 995 B1には、対応するエキソ形及びエンド形の混合物として存在する上記式IIの化合物が記載されている。エキソ形及びエンド形のこれらの混合物が、タバコ、アンバーグリス及びウッドのニュアンスをもつ強力で、かつ、非常にナチュラルなウォームノートによって区別されることが記載されている。エキソ異性体は官能的により興味があると記載されている。EP 0 330 995 B1によれば、エチルエーテル(Rがエチルである上記式IIの化合物)は非常に興味があり、パッチュリ、ムスカテルセージ及びタバコのアスペクトをもつウッディアンバー用フラワリーの香り(アイリスの根のニュアンスをもつ)を有する。メチルエーテルは同様の嗅覚特性を持つといわれている。
同様に、特許明細書US 2,803,662にも上記式IIの化合物が記載されている。
Rがエチルである式IIの化合物、すなわち化合物2-エトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンは、CAS番号が68845-00-1であり、市販されている。
刊行物WO 82/00030(Willis et al.)には、特にヨウ化メチルによるα-アンブリノールのエーテル化によるα-アンブリノールメチルエーテル(すなわち、Rがメチルである上記式Iの化合物)の調製について記載されている。しかしながら、このエーテルの官能性に関する記載はない。
【0007】
我々自身の研究により、式Iの化合物、すなわちα-アンブリノールメチルエーテル及びα-アンブリノールエチルエーテルは、不快な香りを有することが示され、この香りは、当初フレグランス混合物での使用は考えられていなかった。香りの記述は以下の通りである。
1.α-アンブリノールメチルエーテル(Rがメチルである式Iの化合物):強い動物、糞便、インドール/スカトール、α-アンブリノール似;
2.α-アンブリノールエチルエーテル(Rがエチルである式Iの化合物):動物、フェノール(phenolic)、そごう香似。
しかしながら、驚いたことに、α-アンブリノールアルキルエーテルの動物又は動物-糞便の嗅覚ノートにもかかわらず、本発明の混合物は、フレグランスとして使用するのに非常に適している。実際に、我々自身の研究により、式Iの化合物と式IIの化合物との間の今のところ説明できない相互作用に基づいているように見える2つの予想外の官能効果が示された。
一方、驚いたことに、式IIの化合物は、例えば式Iの化合物に起因する不快な嗅覚ノートをマスキングできる。特に、α-アンブリノールメチルエーテルの強い動物及び糞便の嗅覚ノート及びα-アンブリノールエチルエーテルの動物の嗅覚ノートは、式IIの化合物によってマスキングされる。このように、本発明に従って得られる混合物は、アンブリノールエーテルによって生成される動物又は糞便の嗅覚ノートのいずれも持たず、又は存在する式Iの化合物の量と比較して少量の式IIの化合物のみが使用される場合、前記混合物は、その強度が前記混合物中の式Iの化合物の比率に基づいて予想されるよりも小さい残留動物又は糞便の嗅覚ノートを有する。
【0008】
一方、式Iの化合物は、アンブレットの強いニュアンスをもつより多くのラジアントを持つようにするために式IIの化合物(Rの意味は同じでも異なっていてもよい)の嗅覚特性を変えることができる。
全体的なインプレッションは、式Iの化合物及び式IIの化合物の混合物において、式Iのα-アンブリノールアルキルエーテルによって生成される不快な動物-糞便の嗅覚のインプレッションが無くなり、式IIの化合物の嗅覚のインプレッションがアンブレットの強いニュアンスをもつより多くのラジアントとなることである。本発明は、さらに対応する使用に関するものである。
このように、本発明の混合物において、式Iの化合物は、純粋な物質の対応する香りの記述に基づいて予想されるかもしれない効果をもたない。また、式IIの化合物は、フレグランスとしてのみならずマスキング剤としても作用するため、当業者が最新技術に基づいて予想するよりも良い結果をもたらす。
その主要な特性、すなわち嗅覚特性に加えて、式I及びIIの化合物を含む本発明の混合物はさらにポジティブな第2の特性を有する。特に、酸性条件下で使用する場合、本発明の混合物は、例えばα-アンブリノールよりも非常に高い安定性を有する。
【0009】
本発明の好ましい混合物は、同じ意味のRを有する1つの式Iの化合物と1つの式IIの化合物とを含むか、又はこれらからなり、
他の意味のRを有する別の式Iの化合物及び/又は他の意味のRを有する別の式IIの化合物を含んでもよく、又は式I又はIIの他の化合物を含まない。
このように、本発明の好ましい混合物は、例えばRがメチルである式Iの化合物とRがメチルである式IIの化合物とを含むか、又はこれらからなるか、又はRがエチルである式Iの化合物とRがエチルである式IIの化合物とを含むか、又はこれらからなる。しかしながら、好ましくはRは式I及び式IIの両方においてメチルである。
特に、α-アンブリノールメチルエーテル(Rがメチルである式Iの化合物)及び2-メトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナン(Rがメチルである式IIの化合物)を含む本発明の混合物は、いくつかの成分の複雑な混合物によって(例えば、精油又はハーブ又はスパイスの混合物によって)のみ達成できる非常に複雑かつ多彩な嗅覚及び味覚のインプレッションを生成する。
式IIの純粋なエキソ異性体又はより比率の高いエキソ形を含むエキソ/エンド混合物を使用することが好ましい。
ただし、特定の場合において、ある特定の動物又はさらに糞便の嗅覚ノートを有することは必要ではなく、本発明の混合物において式IIの化合物の合計量は、式Iの化合物に起因する動物の嗅覚ノートが効果的にマスキングされるように選択されることを条件とする。
【0010】
好ましくは、本発明の混合物における式Iの化合物の合計量と式IIの化合物の合計量の比率は、100:1〜1:10、好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:1の範囲である。
本発明の特に好ましい化合物は下記表に示される。
【表1】

【0011】
表1で与えられる本発明の好ましい混合物の嗅覚特性は以下のように記載される:非常に強くラジアント、アンブレット、高揚(exalting)、ソフトウディ、アンバーグリス及びシベット似、非常にナチュラルな嗅覚のインプレッション。このように、本発明の混合物は、そのオリジナルな嗅覚特性が公知のフレグランスと比較して明らかに異なっており、優れている。
α-アンブリノールメチルエーテル(Rがメチルである式Iの化合物)のみを含む混合物において、25重量%未満の2-メトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナン(Rがメチルである式IIの化合物)を使用する場合、式Iの化合物の不快な動物-糞便嗅覚特性はもはや完全にはなくなりはしないが、これは特別な場合に望ましいかもしれない。少なくとも25重量%の2-メトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンが存在する場合、不快な動物-糞便の嗅覚特性はなくなり、混合物は、香料のためにより明るく(lighter)、非常に強いラジアント、よりアンブレット似、高揚(exalting)及びソフトウッディの香りを有し、アンバーグリス及びシベットに似た、非常にナチュラルな嗅覚のインプレッションを生成する。2-メトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンの比率が75重量%を超える場合、本発明の混合物は再びより弱い香りを有し、式IIの化合物の比率が増加するため、もはや非常に強いラジアント、アンブレット、高揚(exalting)の嗅覚のインプレッションを達成しない。
当然のことながら、本発明の好ましい混合物は、以下の嗅覚特性の1つ、いくつか又は全てを有する:非常に強いラジアント、アンブレット、高揚(exalting)、ソフトウッディ、アンバーグリス及びシベット似、非常にナチュラルな嗅覚のインプレッション。
【0012】
本発明は、さらに上述の本発明の混合物(特に、先に好ましいとされた実施態様において)の、フレグランス又はフレーバー混合物としての、特に以下の嗅覚特性の1つ、いくつか又は全てを有するフレグランスとしての使用に関するものである:非常に強いラジアント、アンブレット、高揚(exalting)、ソフトウッディ、アンバーグリス及びシベット似、非常にナチュラルな嗅覚のインプレッション。
関連した特長に従って、本発明は、さらに以下の工程を含む、香りの生成、変調及び/又は増強方法に関するものである:
製品を、官能的に有効な量の本発明の混合物と接触させるか、又は前記混合物と混合する。
好ましくは、本発明の使用又は本発明の方法の枠組みの中で、式IIの化合物の合計量が、化合物Iに起因する動物の嗅覚ノートが効果的にマスキングされるように選択される本発明の混合物を使用する。これを達成するために要求される好ましい比率に関して上記で与えられた説明を参照してもよい。
【0013】
本発明の混合物は、従来どおり、合計で官能的に有効な量の式I及び式IIの化合物を含む。1つ、2つ又はそれよりも多くのその他のフレグランス又はフレーバーは、しばしば本発明の混合物中に、式I及びIIの化合物に加えて存在する。本発明に従って使用される式I及びIIの化合物の合計量とその他のフレグランス又はフレーバーの合計量の重量比は、好ましくは1:1000〜1:0.50の範囲である。
特に好ましくは、本発明の混合物は、成分(c)として、サンドラノール(sandranol)(2-エチル-4-(2,2,3)-トリメチルシクロペンタ-3-イルブタ-2-エン-1-オール)、イサンベルK(Ysamber K)(1',1',5',5'-テトラメチルヘキサヒドロスピロ[1,3-ジオキソラン-2,8'(5'H)-2H-2,4a-メタノナフタレン])、グロバノン(globanone)(シクロヘキサデカ-8-エン-1-オン)、チンベロール(timberol)(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール)、イソイースーパー(Iso E Super)(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル メチル ケトン)、カシュメラン(Cashmeran)(1,1,2,3,3-ペンタメチル-TH-インダン-4-オン/6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン)、酢酸イソボルニル(酢酸 2-exo-ボルナニル)及びイルアナート(ylanate)(酢酸 2-tert-ブチルシクロヘキシル)からなる群より選ばれる1つ、2つ又はそれよりも多いその他のウッディフレグランス(ビャクダン、ムスク及びアンバーを含む)を含む。
【0014】
本発明に従って使用される式I及びIIの化合物の混合物と前記ウッディフレグランスとの組合せは、より明るい(lighter)、より多くのラジアント及びより清潔な(cleaner)嗅覚のインプレッションを生成する。本発明の相当する混合物はよりナチュラルな、より新鮮な効果を持つ。
本発明の別の特に好ましい混合物は、リリアル(lilial)(2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール)、ヘディオン(hedione)((3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)酢酸メチル)、マイヨール(mayol)(4-イソプロピルシクロヘキシルメタノール)、リナロール(linalool)(3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール)、ジヒドロミルセノール(dihydromyrcenol)(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、シトロネロール(citronellol)(3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール)、フェノキサノール(3-メチル-5-フェニルペンタノール)、2-フェニルエチルアルコール、ヒドロキシシトロネラール(hydroxycitronellal)(3,7-ジメチル-7-ヒドロキシオクタン-1-アール)及びα-イオノン(4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エニル)ブタ-3-エン-2-オン)からなる群より選ばれる1つ、2つ又はそれよりも多いフラワリーフレグランスを含む。
本発明に従って使用される式I及びIIの化合物と上記フラワリーフレグランスとの組合せは、新鮮さ(freshness)及びエナメーション(enamation)への変調を生じる。さらに、フラワリーアスペクトはより洗練された(rounded)ものとなる。前記混合物は、よりインテンス(intense)で、より調和した(harmonious)香りを有する。
また、上記群の少なくとも1つのウッディフレグランスと上記群の少なくとも1つのフラワリーフレグランスが存在することが好ましい。
【0015】
ウッディ及び/又はフラワリーフレグランスとの前記組合せ以外に、本発明に従って使用される式I及びIIの化合物とグリーンフルーティフレグランスとの組合せは、しばしば特に好ましい。
適したグリーンフルーティフレグランスの例は、ベルトラール(vertral)(オクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5-カルバルデヒド)、cis-3-ヘキセン-1-オール、β-ダマスコン(1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エニル)ブテン-1-オン)、ベルトシトラール(vertocitral)(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド)、シクロガルバネート(cyclogalbanate)(シクロヘキシルオキシ酢酸アリル)及び酢酸ヘキシルである。
前記グリーンフルーティフレグランスとの組合せは、より洗練された(rounder)、よりソフトな(softer)香りを生成する。さらに、本発明に従って使用される式I及びIIの化合物をグリーンフルーティフレグランスへ添加することにより、ある特定のラジアンス(radiance)を与え、ナチュラルな香り(natural emanation)のインプレッションを与える。
本発明に従って使用される式I及びIIの化合物をスパイシーバルサミック(spicy-balsamic)フレグランスと組み合わせることは、またしばしば有利であり、以下は特に適している:オイゲノール(2-メトキシ-4-アリルフェノール)、クマリン(2H-1-ベンゾピラン-2-オン)、アニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド)、アミルシンナムアルデヒド(2-ペンチル-3-フェニル-2-プロペナール)、サリチル酸イソアミル(サリチル酸 3-メチルブチル エステル)及びシンナミルアルコール(3-フェニル-2-プロペン-1-オール)。
新鮮さ(freshness)及びナチュラルさ(naturalness)のアスペクトは、本発明に従って使用される式I及びIIの化合物を前記スパイシーバルサミックフレグランスと組合せた場合に観測される。前記混合物は、より調和した(harmonious)、よりラジアントな(radiant)効果を有する。
【0016】
極めて一般的に、本発明に従って使用される式Iの化合物及び式IIの化合物は、多くのフレグランスと都合よく組合せることができ、新規なフレグランス又はフレーバー組成物を与える。都合よく組合せに適しているフレグランス(本発明の混合物の成分(c)として)は、例えばS. Arctander, Perfume and Flavor Materials, vol. I and II, Montclair, N.J., 1969; Eigenverlag, 又はK. Bauer et al., Common Fragrance and Flavor Materials, 4th Edition, Wiley-VCH, Weinheim 2001において見つけられる。詳細には、以下のものが挙げられる:
天然原料の抽出物、例えば精油、コンクリート(concretes)油、アブソリュートエッセンス(absolute essences)、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ、例えば:
アンバーチンキ;アミリス油;アンジェリカ種子油;アンジェリカ根油;アニス油;バレリアン油;バジル油;ツリーモス(tree moss)アブソリュート;ベイ油;マグウォルト(mugwort)油;ベンゾイン樹脂;ベルガモット油;ビーズワックスアブソリュート;バーチタール油;苦扁桃油;セイバリー油;ブッコ(buchu)葉油;ブラジルカリン(cabreuva)油;カデ油;菖蒲油;樟脳油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カシア油;カシアアブソリュート;カストリウムアブソリュート;セダー葉油;セダー油;シスタス油;シトロネラ油;レモン油;コパイババルサム;コパイババルサム油;コエンドロ油;コスタス(costus)根油;クミン油;サイプレス油;ダヴァナ油;イノンド油;ディルシード油;オードブロート(eau de brouts)アブソリュート;オークモスアブソリュート;エレミ油;タラゴン油;ユーカリシトリオドラ油;ユーカリ油;茴香油;松葉油;ガルバヌム油;ガルバヌム樹脂;ゼラニウム油;グレープフルーツ油;グアイアクウッド油;ガージャンバルサム;ガージャンバルサム油;ヘリクリサムアブソリュート;ヘリクリサム油;ショウガ油;アイリス根アブソリュート;アイリス根油;ジャスミンアブソリュート;菖蒲油;カモミール油ブルー;カモミール油ローマン;ニンジン種子油;カスカリラ油;スコットランドファーニードル油;スペアミント油;カラウェー油;ラブダナム油;ラブダナムアブソリュート;ラブダナム樹脂;ラバンディン(lavandin)アブソリュート;ラバンディン油;ラベンダーアブソリュート;ラベンダー油;レモングラス油;ラベージ油;蒸留ライム油;圧縮ライム油;リナロア(linaloa)油;リツェアクベバ油;ローレルリーフ油;メース油;マヨラナ油;マンダリン油;マソイバーク油;ミモザアブソリュート;アンブレット油;ムスク(musk)チンキ;マスカテルセージ油;ニクズク油;ミルラアブソリュート;ミルラ油;ミルテ油;丁子葉油;丁子花油;ネロリ油;オリバナムアブソリュート;オリバナム油;オポパナックス油;オレンジ花アブソリュート;オレンジ油;オレガノ油;パルマローザ油;パッチュリ油;紫蘇油;ペルーバルサム油;パセリ葉油;パセリ種子油;プチグレン油;ペパーミント油;コショウ油;ピメント油;パイン油(カサマツ);オウシュウペニーロイヤル油;バラアブソリュート;バラウッド油;バラ油;ローズマリー油;ダルマアチアのセージ油;スペインのセージ油;ビャクダン油;セロリ種子油;スパイクラベンダー油;しきみ(Japanese anise)油;スタイラックス(styrax)油;タジェット(tagetes)油;ファーニードル油;ティーツリー油;テレピン油;タイム油;トルーバルサム;トンカ(tonka)アブソリュート;チュベローズアブソリュート;バニラエキス;バイオレットリーフアブソリュート;バーベナ油;ベチバー油;杜松子油;ワインイースト油;アブサン油;冬緑油;イラン油;ヒソップ油;シベットアブソリュート;シナモンの葉油;シナモンバーク油;及びこれらの画分又はこれらから単離される成分;
【0017】
以下の群の個々のフレグランス:
炭化水素、例えば3-カレン;α-ピネン;β-ピネン;α-テルピネン;γ-テルピネン;p-シメン;ビサボレン;カンフェン;カリオフィレン;セドレン;ファルネセン;リモネン;ロンギホレン;ミルセン;オシメン;バレンセン;(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン;スチレン;ジフェニルメタン;
脂肪族アルコール、例えばヘキサノール;オクタノール;3-オクタノール;2,6-ジメチルヘプタノール;2-メチル-2-ヘプタノール;2-メチル-2-オクタノール;(E)-2-ヘキセノール;1-オクテン-3-オール;3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オール及び3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物;(E,Z)-2,6-ノナジエノール;3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール;9-デセノール;10-ウンデセノール;4-メチル-3-デセン-5-オール;
脂肪族アルデヒド及びそのアセタール、例えばヘキサナール;ヘプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(E)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(E)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン;シトロネリルオキシアセトアルデヒド;1-(1-メトキシプロポキシ)-(E/Z)-3-ヘキセン;
【0018】
脂肪族ケトン及びそのオキシム、例えば2-ヘプタノン;2-オクタノン;3-オクタノン;2-ノナノン;5-メチル-3-ヘプタノン;5-メチル-3-ヘプタノンオキシム;2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン;6-メチル-5-ヘプテン-2-オン;
脂肪族硫黄含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール;3-メチルチオヘキシルアセタート;3-メルカプトヘキサノール;3-メルカプトヘキシルアセタート;3-メルカプトヘキシルブチラート;3-アセチルチオヘキシルアセタート;1-メンテン-8-チオール;
脂肪族ニトリル、例えば2-ノネン酸ニトリル;2-トリデセン酸ニトリル;2-トリデセン酸ニトリル;3,12-トリデカジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリル;
脂肪族カルボン酸エステル、例えば(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルマート;エチルアセトアセタート;イソアミルアセタート;3,5,5-トリメチルヘキシルアセタート;3-メチル-2-ブテニルアセタート;(E)-2-ヘキセニルアセタート;(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセタート;オクチルアセタート;3-オクチルアセタート;1-オクテン-3-イルアセタート;エチルブチラート;ブチルブチラート;イソアミルブチラート;ヘキシルブチラート;(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチラート;ヘキシルクロトナート;エチルイソバレラート;エチル2-メチルペンタノアート;エチルヘキサノアート;アリルヘキサノアート;エチルヘプタノアート;アリルヘプタノアート;エチルオクタノアート;エチル(E,Z)-2,4-デカジエノアート;メチル2-オクチナート;メチル2-ノニナート;アリル2-イソアミルオキシアセタート;メチル3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノアート;4-メチル-2-ペンチルクロトナート;
【0019】
非環式テルペンアルコール、例えばゲラニオール;ネロール;ラバズロール(lavadulol);ネロリドール;ファルネソール;テトラヒドロリナロール;テトラヒドロゲラニオール;2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール;2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール;3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール;3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール;2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール;及びこれらのホルマート、アセタート、プロピオナート、イソブチラート、ブチラート、イソバレラート、ペンタノアート、ヘキサノアート、クロトナート、チグラート(tiglates)及び3-メチル-2-ブテノアート;
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えばシトロネラル;7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;ゲラニルアセトン;及びゲラニアール及びネラールのジメチル及びジエチルアセタール;
環状テルペンアルコール、例えばメントール;イソプレゴール;α-テルピネオール;テルピネン-4-オール;メンタン-8-オール;メンタン-1-オール;メンタン-7-オール;ボルネオール;イソボルネオール;リナロールオキシド;ノポール;セドロール;アンブリノール;ベチベロール;グアイオール;及びこれらのホルマート、アセタート、プロピオナート、イソブチラート、ブチラート、イソバレラート、ペンタノアート、ヘキサノアート、クロトナート、チグラート及び3-メチル-2-ブテノアート;
【0020】
環状テルペンアルデヒド及びケトン、例えばメントン;イソメントン;8-メルカプトメンタン-3-オン;カルボン;樟脳;フェンコン;α-イオノン;β-イオノン;α-n-メチルイオノン;β-n-メチルイオノン;α-イソメチルイオノン;β-イソメチルイオノン;α-イロン;β-ダマセノン(damascenone);1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン;1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン;2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;ノオトカトン(nootkatone);ジヒドロノオトカトン;4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン;α-シネンサール(sinensal);β-シネンサール;アセチル化セダー油(メチルセドリル(cedryl)ケトン);
環状アルコール、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノール;3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール;3-イソカンフィルシクロヘキサノール;2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール;2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール;
脂環式アルコール、例えばα-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール;1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-ペンタン-2-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール;
【0021】
環状及び脂環式エーテル、例えばシネオール;セドリルメチルエテル;シクロドデシルメチルエテル;1,1-ジメトキシシクロドデカン;(エトキシメトキシ)シクロドデカン;α-セドレンエポキシド;3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン;3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン;1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン;ローズオキシド;2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン;
環状及び大環状ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン;2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン;2-ヘプチルシクロペンタノン;2-ペンチルシクロペンタノン;2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-4-シクロペンタデセノン;3-メチル-5-シクロペンタデセノン;3-メチルシクロペンタデカノン;4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン;4-tert-ペンチルシクロヘキサノン;5-シクロヘキサデセン-1-オン;6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン;8-シクロヘキサデセン-1-オン;9-シクロヘプタデセン-1-オン;シクロペンタデカノン;シクロヘキサデカノン;
【0022】
脂環式アルデヒド、例えば2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド;4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド;
脂環式ケトン、例えば1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン;2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン;1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン;メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン;tert-ブチル2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イルケトン;
環状アルコールのエステル、例えば2-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート;4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート;2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセタート;4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセタート;3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセタート;デカヒドロ-2-ナフチルアセタート;2-シクロペンチルシクロペンチルクロトナート;3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート;デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセタート;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-又は-6-インデニルアセタート;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-又は-6-インデニルプロピオナート;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-又は-6-インデニルイソブチラート;4,7-メタノオクタヒドロ-5-又は6-インデニルアセタート;
脂環式アルコールのエステル、例えば1-シクロヘキシルエチルクロトナート;
脂環式カルボン酸のエステル、例えばアリル3-シクロヘキシルプロピオナート;アリルシクロヘキシルオキシアセタート;cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモナート;cis-及びtrans-メチルジャスモナート;メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシラート;エチル2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシラート;エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシラート;エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセタート;
【0023】
芳香族脂肪族(araliphatic)アルコール、例えばベンジルアルコール;1-フェニルエチルアルコール;3-フェニルプロパノール;2-フェニルプロパノール;2-フェノキシエタノール;2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール;2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール;1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール;1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール;1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール;2-メチル-5-フェニルペンタノール;3-メチル-5-フェニルペンタノール;3-フェニル-2-プロペン-1-オール;4-メトキシベンジルアルコール;1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール;
芳香族脂肪族(araliphatic)アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えばベンジルアセタート;ベンジルプロピオナート;ベンジルイソブチラート;ベンジルイソバレラート;2-フェニルエチルアセタート;2-フェニルエチルプロピオナート;2-フェニルエチルイソブチラート;2-フェニルエチルイソバレラート;1-フェニルエチルアセタート;α-トリクロロメチルベンジルアセタート;α,α-ジメチルフェニルエチルアセタート;α,α-ジメチルフェニルエチルブチラート;シンナミルアセタート;2-フェノキシエチルイソブチラート;4-メトキシベンジルアセタート;
芳香族脂肪族(araliphatic)エーテル、例えば2-フェニルエチルメチルエテール;2-フェニルエチルイソアミルエテール;2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ヒドロアトロパアルデヒド(hydratropaldehyde)ジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドグリセリンアセタール;2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン;4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン;4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン;
【0024】
芳香族及び芳香族脂肪族(araliphatic)アルデヒド、例えばベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドロアトロパアルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;シンナムアルデヒド;α-ブチルシンナムアルデヒド;α-ヘキシルシンナムアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール;
芳香族及び芳香族脂肪族(araliphatic)ケトン、例えばアセトフェノン;4-メチルアセトフェノン;4-メトキシアセトフェノン;4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン;4-フェニル-2-ブタノン;4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1-(2-ナフタレニル)エタノン;2-ベンゾフラニルエタノン;(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン;ベンゾフェノン;1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン;6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン;1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン;5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトン;
【0025】
芳香族及び芳香族脂肪族(araliphatic)カルボン酸及びそのエステル、例えば安息香酸;フェニル酢酸;メチルベンゾアート;エチルベンゾアート;ヘキシルベンゾアート;ベンジルベンゾアート;メチルフェニルアセタート;エチルフェニルアセタート;ゲラニルフェニルアセタート;フェニルエチルフェニルアセタート;メチルシンナマート;エチルシンナマート;ベンジルシンナマート;フェニルエチルシンナマート;シンナミルシンナマート;アリルフェノキシアセタート;メチルサリチラート;ヘキシルサリチラート;シクロヘキシルサリチラート;cis-3-ヘキセニルサリチラート;ベンジルサリチラート;フェニルエチルサリチラート;メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート;エチル3-フェニルグリシダート;エチル3-メチル-3-フェニルグリシダート;
窒素含有芳香族化合物、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン;3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン;ケイ皮酸ニトリル;3-メチル-5-フェニル-2-ペンテン酸ニトリル;3-メチル-5-フェニルペンタン酸ニトリル;メチルアントラニラート;メチルN-メチルアントラニラート;メチルアントラニラートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドのシッフ塩基;6-イソプロピルキノリン;6-イソブチルキノリン;6-sec-ブチルキノリン;2-(3-フェニルプロピル)ピリジン;インドール;スカトール;2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン;2-イソブチル-3-メトキシピラジン;
【0026】
フェノール類、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えばエストラゴール;アネトール;オイゲニルメチルエーテル;イソオイゲノール;イソオイゲニルメチルエーテル;チモール;カルバクロール;ジフェニルエーテル;β-ナフチルメチルエーテル;β-ナフチルエチルエーテル;β-ナフチルイソブチルエーテル;1,4-ジメトキシベンゼン;オイゲニルアセタート;2-メトキシ-4-メチルフェノール;2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール;p-クレシルフェニルアセタート;
複素環式化合物、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン;2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン;3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン;2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン;
ラクトン類、例えば1,4-オクタノリド;3-メチル-1,4-オクタノリド;1,4-ノナノリド;1,4-デカノリド;8-デセン-1,4-オリド;1,4-ウンデカノリド;1,4-ドデカノリド;1,5-デカノリド;1,5-ドデカノリド;4-メチル-1,4-デカノリド;1,15-ペンタデカノリド;1,16-ヘキサデカノリド;9-ヘキサデセン-1,16-オリド;10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;エチレン1,12-ドデカンジオアート;エチレン1,13-トリデカンジオアート;2,3-ジヒドロクマリン;オクタヒドロクマリン。
【0027】
フレグランス又はフレーバー混合物(特に、アンブレットノートをもつ)としての、本発明の混合物の本発明の使用の枠組みの中で、本発明は、さらに香り、特にアンブレットの香りをもつ(a)髪、(b)皮膚又は(c)織物繊維を提供するためのその使用に関するものである(その他の嗅覚又は味覚ノートについて上記参照)。本発明は、さらに対応する方法及び混合物(好ましくは、界面活性剤を含む)に関するものである。関連する特徴によれば、本発明は、さらに式I及びIIの化合物をフレグランス混合物の直接性(substantivity)及び/又は保持力を高めるための薬剤として、及び/又は界面活性剤を含む水溶液を介して認められるその他のフレグランスの香りを高めるための薬剤として含む本発明の混合物の使用に関するものである。
また、本発明の混合物は、その他のフレグランスのための優れたブースター(boosters)(強化剤(intensifiers);向上剤(enhancers))である。すなわち、これらのその他のフレグランスの官能効果を増強する。ある特定の使用条件の下での前述の高い安定性に加えて、本発明の混合物のさらにポジティブな第2の特性としては、高い強度、よい持続力(lingering power)及び高い直接性(substantivity)が挙げられる。
【0028】
本発明は、さらに
(A)固体又は半固体のキャリア及び前記固体又は半固体のキャリアと接触した官能的に有効な量の本発明の混合物、
又は
(B)液相及び液相中に溶解又は懸濁された、又は液相中に希釈された、官能的に有効な量の本発明の混合物
を含む香料又はフレーバー製品に関するものである。
前述のことは、本発明の香料又はフレーバー製品で使用される本発明の混合物の好ましい実施態様に適用する。
本発明の混合物は、例えば成分(a)及び(b)を予め混合したものを調製し、これを1又は2以上のその他のフレグランス又はフレーバー(成分(c)として)と混合することによって調製できる。一般に、成分(a)及び(b)は、最終混合物において、ラジアント-アンブレット、高揚(exalting)、ソフトウッディタイプの嗅覚又は味覚ノートを生成、変調及び/又は増強するのに十分な合計量で使用される。
本発明の混合物は、好ましくは成分(a)及び(b)を合わせて、混合物におけるフレグランス又はフレーバーの合計量を基準として、0.00001〜99.9重量%、好ましくは0.001〜70重量%、特に好ましくは0.01〜50重量%の範囲で含む。
互いに組合せて本発明に従って使用される成分(a)及び(b)を使用して、主としてより多くのラジアンス(radiance)(エナメーション(emanation))、洗練さ(rounding)及び/又は調和(harmony)をフレグランス又はフレーバー組成物に与え、及び/又は特別なノートを増強する場合、成分(a)及び(b)の合計量は、好ましくは比較的少なく、特に好ましくは、混合物のフレグランス又はフレーバーの合計量を基準として、0.01〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。比較的少ない濃度が好ましい濃度範囲内で選ばれる場合、上記で示した固有の嗅覚又は味覚ノートは、特定の混合物のその他の成分に依存して、時には生成されない。
【0029】
本発明に従って使用される式I及びIIのエーテルは、それ自体公知の方法によって合成できる。
このように、例えば式Iのα-アンブリノールアルキルエーテルは、WO 82/00030の説明と同様にして、α-アンブリノールをアルキルハライドによりアルキル化することによって合成できる。このように、特に、α-アンブリノールメチルエーテル(Rがメチルである式Iの化合物)は、α-アンブリノールをヨウ化メチルと反応させることによって合成できる(下記式参照)。
【化3】

【0030】
式IIのエーテルは、例えばUS 2,803,662(強酸の存在下でのアルコールとの反応)又はEP 0 330 995(例えば、三フッ化ホウ素エーテラートの存在下でのアルキルオルトホルマートとの反応)の説明に従ってα-ジヒドロイオノンから得られる。方法の変形の例は前記文献を参照することによって見出してもよい。好ましい反応物の例による反応スキームの例は、遊離体のα-ジヒドロイオノンについて以下で与えられる。
【化4】

【0031】
驚いたことに、本発明に従って使用される式Iの化合物:
【化5】

(式中、Rはメチル及びエチルからなる群より選ばれる。)
は、以下の工程:
γ-ジヒドロイオノンと、
(a)アルコール前駆物質、例えば式HC(OR)3(式中、Rは式Iにおけるものと同じ意味を有する。)のオルトホルマート又は式ROH(式中、Rは式Iにおけるものと同じ意味を有する。)のアルコールとを、
(b)強酸の存在下で反応させることを含む方法によって合成できる。
このように、この手順は、γ-ジヒドロイオノンが遊離体として使用されることを除いて、文献US 2,803,662及びEP 0 330 995と同様である。
【0032】
式Iの化合物を合成するために本発明の方法で使用される強酸は、好ましくはプロトン酸又はルイス酸である。強酸は、好ましくは塩化水素ガス、塩酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、BF3、BF3(Et2)O、BF3-H3PO4及び酸性イオン交換体からなる群より選ばれる。
本発明の方法によって合成される式Iの化合物は、次いで式IIの化合物と混合して本発明の混合物を調製することができる。しかしながら、好ましくはγ-ジヒドロイオノンの反応と同時に、かつ、同じ反応物との反応によって(上記反応物(a)及び(b)参照)、α-ジヒドロイオノンが下記式IIの化合物に変換される。
【化6】

(式中、Rは式Iにおけるものと同じ意味を有する。)
【0033】
このように、特に、α-ジヒドロイオノン及びγ-ジヒドロイオノンの混合物は、好ましくはUS 2,803,662及びEP 0 330 995に本質的に記載されたプロセス条件に供される。これらのプロセス条件下で、式IIの化合物のエキソ/エンド混合物がα-ジヒドロイオノンから公知の方法で形成され(有利には、プロセス条件はエキソ形が支配的であるように調整されている);式Iの化合物はγ-ジヒドロイオノンから同時に形成される。
α-ジヒドロイオノン及びγ-ジヒドロイオノンの同時反応から得られる生成物は、以降合成生成物の混合物と呼ばれる本発明の混合物である。好ましくは、本発明の混合物は、合計で少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の式I及びIIの化合物を含む。
(i)γ-ジヒドロイオノンから本発明の式Iの化合物を合成することが可能であり、(ii)この反応が文献US 2,803,662及びEP 0 330 995に本質的に記載されるプロセス条件下で起こり、(iii)γ-ジヒドロイオノン及びα-ジヒドロイオノンを1つの反応バッチで、相互干渉を受けることなく反応させて式Iの化合物及び式IIの化合物を得ることができることは、驚くべきことである。
式I及びIIの化合物を含む本発明の混合物の調製についての驚くべき可能性は、本発明の混合物を調製することが特に容易であることを意味し;したがって、いずれの場合も、1つの反応バッチで、同じ意味のRを有する式Iの化合物及び式IIの化合物の本発明の調製物が、本発明に従って特に好ましく;対照的に、式Iの化合物及び式IIの化合物の別々の調製は、個々に調製されたエーテルを単離し、次いで混合するという追加の作業を必要とするため、特に好ましいわけではない。
【0034】
選ばれた反応混合物及び実際の方法の変更に応じて、合成生成物の混合物における式Iの化合物と式IIの化合物の比率を変え、特に調整することが可能である。式Iの化合物及び式IIの化合物を含む合成生成物の混合物を直接得る好ましい合成方法の例を参照のこと。
下記式は、一例として本発明の方法の変更を示し;便宜上、下記式は、Rがメチルである式I及びIIの化合物に関するものであるが、もちろんRがエチルに関するものにも適用できる。
【化7】

【0035】
式I及びIIの化合物を含む本発明の混合物は、液状で、希釈しないで、又は溶媒で希釈して、香料又はフレーバーに、使用でき;溶媒が存在する場合、得られる本発明の生成物は液相として溶媒を含む。適した溶媒の例は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタラート、トリエチルシトラート、イソプロピルミリスタート、トリアセチンなどである。
さらに、式I及びIIの化合物を含む本発明の混合物は、生成物におけるフレグランス又はフレーバーの優れた分布及び使用したときの制御された放出を確実にするために、キャリアに吸着させることができる。前記キャリアは、多孔質無機材料、例えば軽(light)サルファート、シリカゲル、ゼオライト、石膏、粘土、粘土顆粒、発泡コンクリートなど、又は有機材料、例えば木材、セルロース系物質、糖類、デキストリン(例えば、マルトデキストリン)又はプラスチック、例えばPVC、ポリ酢酸ビニル又はポリウレタンであってもよい。固体又は半固体のキャリアが存在する場合、得られる本発明の香料又はフレーバー生成物は、キャリアと接触した本発明の混合物の量が官能的に有効であるようになっている。
また、本発明の混合物は、マイクロカプセルに入れた形態の、又は噴霧乾燥した形態であってもよく、又は包接化合物又は押出し生成物の形態をとってもよく(本発明の生成物)、例えばこの形態で香り又はフレーバーをつける生成物に加えてもよい。
この方法で変調された混合物の特性は、場合によってはさらに適した材料によるコーティングによってより具体的な香りの放出に関して最適化され;この目的のために蝋状(waxy)プラスチック、例えばポリビニルアルコールが好ましく使用される。再度、得られる生成物は、本発明の香料又はフレーバー生成物を構成する。
【0036】
本発明の生成物を与えるための本発明の混合物のマイクロカプセル封入は、例えばポリウレタン様物質又はソフトゼラチンで作られたカプセル材料を用いて、いわゆるコアセルベーション法によって行ってもよい。噴霧乾燥した本発明の混合物は、例えば本発明の混合物を含む乳濁液又は分散液の噴霧乾燥によって調製してもよく、変性デンプン、タンパク質、デキストリン及び植物ゴムをキャリアとして用いることが可能である。包接化合物は、例えばフレグランス又はフレーバー組成物及びシクロデキストリン又は尿素誘導体の分散液を適した溶媒(例えば、水)に導入することによって調製してもよい。押出し生成物は、本発明の混合物を適した蝋状物質で溶し、続いて固化を伴う押出し(必要により、適した溶媒、例えばイソプロパノール中)によって調製してもよい。
本発明の混合物は、本発明の香料又はフレーバー生成物、例えば香料抽出物(perfume extracts)、オードパルファム、オードトワレ、アフターシェーブローション、オーデコロン、プリシェーブ製品、スプラッシュ(splash)コロン及び香料リフレッシングティッシュの調製、及び酸性、アルカリ性及び中性クリーニング製品、例えばフロアクリーナー、窓ガラスクリーナー、食器洗い洗剤、浴槽及びトイレクリーナー、スカーリングクリーム、固体及び液体WCクリーナー、粉末及び泡カーペットクリーナー、織物消臭剤(fresheners)、アイロン助剤(ironing aids)、液体洗浄剤、微粉末洗浄剤、織物前処理剤(preconditioners)、例えば漂白剤、ソーカー(soaker)及び染み落とし、洗濯用柔軟剤、洗濯石鹸、洗浄タブレット、殺菌剤、表面殺菌剤、液状又はゲル状又は固体キャリアに適用されるエアピュリファイアー(purifiers)、エアロゾルスプレー、ワックス及び光沢剤、例えば家具用艶出し剤、フロアワックス、つく磨き剤、ボディケア製品、例えば固体及び液体石鹸、シャワーゲル、シャンプー、ひげそり用石鹸、シェービングフォーム、バスオイル、油中水型、水中油型及び水中油中水型の化粧用乳濁液、例えばスキンクリーム及びローション、美顔用クリーム及びローション、日焼け止めクリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛剤クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、日焼け用クリーム及びローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプー、整髪用ゲル、強化ヘアローション、ヘアリンス、永久的及び半永久的ヘア着色剤、ヘアセット製品、例えばコールドパーマ及びヘア矯正(straightening)製品、ヘアトニック、ヘアクリーム及びローション、脱臭剤及び発汗抑制剤、例えばわきの下スプレー、ロールオン、脱臭スティック及び脱臭クリーム、装飾的化粧品、例えばアイシャドー、マニキュア、メーキャップ、リップスティック及びマスカラ、及びキャンドル、ランプ用油、インセンススティック、殺虫剤、防虫剤及び高圧ガスの香り付けのために、濃縮された形態で、溶解状態で、又は上述の変調された形態で使用できる。
【0037】
本発明の混合物は、フレーバー物品又は香り付けされる物品、特にニュートリジョン、オーラルケア又は楽しみのための調製物に組み込んでもよい。
ニュートリジョン又は楽しみを対象とした調製の例は、焼いた生成物(例えば、パン、乾いたビスケット、ケーキ、その他の焼いた生成物)、甘い食べ物(例えば、チョコレート、チョコレートバー製品、その他のバー製品、フルーツガム、ハード及びソフトタフィー、チューインガム)、アルコール飲料又はノンアルコール飲料(例えば、コーヒー、ティー、ワイン、ワインをベースとする飲料、ビール、ビールをベースとする飲料、リキュール、シュナップス、ブランデー、フルーツをベースとするソフトドリンク、アイソトニック飲料、清涼飲料水、ネクター、フルーツ野菜ジュース、フルーツジュース又は野菜ジュース調製品)、インスタント飲料(例えば、インスタントココア飲料、インスタントディー飲料、インスタントコーヒー飲料)、肉製品(例えば、ハム、生又は未調理ソーセージ調製品、スパイスで味付けした又はマリネにした生若しくは塩で味付けした肉製品)、卵又は卵製品(乾燥卵、卵白、卵黄)、穀物製品(例えば、朝食用シリアル、ミューズリーバー、加熱調理済みインスタント米製品)、ミルク製品(例えば、ミルク飲料、アイスミルク、ヨーグルト、ケフィア、フレッシュチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、粉ミルク、乳清、バター、バターミルク、ミルクタンパク質を含む部分又は完全加水分解製品)、大豆タンパク質又はその他の大豆の一部の製品(例えば、豆乳及びそれから製造される製品、大豆レクチンを含む調製物、発酵製品、例えば豆腐又はテンペ(tempe)、又はそれらから製造される製品、醤油)、フルーツ調製物(例えば、ジャム、フルーツシャーベット、フルーツソース、フルーツフィリング)、野菜調製物(例えば、ケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、加熱調理済み野菜、野菜の酢漬け、保存野菜)、スナック(例えば、ベークド又はフライドポテトチップス又はポテトペストリー製品、パン生地製品、トウモロコシ又はピーナッツをベースとする押し出し物)、脂肪ベース及び油ベース製品又はそのエマルジョン(例えば、マヨネーズ、レムラード、ドレッシング、スパイス調製物)、その他の調理済み食品及びスープ(例えば、乾燥スープ、インスタントスープ、調理済みスープ)、スパイス、スパイス混合物、特に例えばスナック分野で使用される調味料である。本発明の混合物の組み込み後、これらの調製物は、本発明の調製物である(本発明のフレーバー製品の例として)。
【0038】
本発明の調製物は、半調製済み(semiprepared)製品又はスパイス混合物の形態をとることができる。
本発明の調製物は、ニュートリジョン又は楽しみのためのその他の調製物の製造のために、特に噴霧乾燥形態で半調製済み製品として特に使用できる。本発明の調製物は、またカプセル、錠剤(素錠又は被覆錠剤、例えば腸溶性錠剤)、糖衣錠、顆粒、ペレット、固体混合物、液相中の分散、エマルジョン、粉末、溶液、ペースト又は飲み込むことができる、又はかむことができる栄養補助食品としてのその他の調製物の形態をとることができる。
オーラルケアのための本発明の調製物は、特にオーラル及び/又はデンタルケア製品、例えば練り歯磨き、歯磨き用ゲル(tooth gels)、歯磨き粉、マウスウォッシュ、チューインガム及びその他のオーラルケア製品である。
ニュートリジョン、オーラルケア又は楽しみのための本発明の調製物用のその他の従来の活性成分、基剤、補助剤及び添加剤は、調製物の合計重量を基準として、5〜99.999999重量%、好ましくは10〜80重量%の量で存在することができる。また、調製物は、調製物の合計重量を基準として、最大99.999999重量%、好ましくは5〜80重量%の量の水を含むことができる。
1つの好ましい実施態様では、式I及びIIの化合物を含む本発明の調製物(本発明のフレーバー組成物の例として)は、本発明の混合物自体を溶液として(例えばエタノール、水又は1,2-プロピレングリコール中)又は固体又は液体キャリア(例えば、マルトデキストリン、澱粉、シリカゲル)、その他のフレーバー及び必要によりその他の補助剤及び/又は安定剤(例えば、天然又は合成多糖類及び/又は植物ガム、例えば加工澱粉又はアラビアゴム)との混合物の形態で、ニュートリジョン、オーラルケア又は楽しみのための基剤調製物に組み込むことによって調製される。有利には、溶液及び/又は懸濁液又はエマルジョンの形態の本発明の調製物は、また噴霧乾燥により本発明の固体調製物に変換できる。
【0039】
半調製済み製品として、本発明の噴霧乾燥固体調製物(本発明の物の例として)は、本発明のその他の調製物の製造に特に適している。本発明の噴霧乾燥固体調製物は、好ましくは50〜95重量%のキャリア、特にマルトデキストリン及び/又は澱粉、及び5〜40重量%の補助剤、好ましくは天然又は合成多糖類及び/又は植物ガム、例えば加工澱粉又はアラビアゴムを含む。
本発明の調製物の製造のための別の好ましい実施態様では、本発明の混合物及び必要により本発明の調製物のその他の成分を最初に普通及び半高級(semi-luxury)食品に適しているマトリックス、例えば澱粉、澱粉誘導体(例えば、加工澱粉)セルロース又はセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、その他の多糖類(例えば、デキストリン、アルギナート、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、プルラン)、天然脂肪又は天然ワックス(例えば、蜜蝋、カルナバワックス)、又はタンパク質、例えばゼラチン又はその他の天然製品(例えば、セラック)で作られたエマルジョン、リポソーム、例えばホスファチジルコリン、ミクロスフィア、ナノスフィア又はそのほかのカプセル、顆粒又は押し出し物に組み込まれる。ここで、マトリックスに応じて、噴霧乾燥、噴霧造粒、溶融造粒、液滴形成、凝固、押し出し、溶融押し出し、乳化プロセス、コーティング又はその他の適したカプセル化方法、又は必要により上記の方法の適した組合せによって製品が得られる。本発明の調製物について別の好ましい調製方法では、最初に本発明の混合物は1又は2以上の錯化剤、例えばシクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体、好ましくはα-又はγ-シクロデキストリンと錯体形成し、この錯体の形態で使用される。
本発明の特に好ましい調製物は、式I及びIIの化合物の本発明の混合物が遅延形態でマトリックスから放出され、その結果長時間持続効果が達成できるようにマトリックスが選択されるものである。脂肪、ワックス、多糖又はタンパク質マトリックスは、これに関して特に好ましい。
【0040】
ニュートリジョン又は楽しみのための本発明の調製物のその他の成分として、通常又は半高級食品のための従来の基剤、補助剤及び添加剤、例えば水、生又は加工植物又は動物基剤又は原料(例えば、生、焼、乾燥、発酵、燻製及び/又はボイル肉、骨、軟骨、魚、野菜、フルーツ、ハーブ、ナッツ、野菜又はフルーツジュース又はペースト、又はこれらの混合物)の混合物、可消化又は難消化炭水化物(例えば、スクロース、マルトース、フルクトース、グルコース、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、イヌリン、キシラン、セルロース、タガトース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール、エリスリトール)、天然又は水素化脂肪(例えば、獣脂、ラード、パームバター、ココナッツバター、水素化植物性脂肪)、油(例えば、ひまわり油、ピーナッツ油、コーン油、オリーブ油、魚油、大豆油、ゴマ油)、脂肪酸又はその塩(例えば、ステアリン酸カリウム)、タンパク新生又は非タンパク新生アミノ酸及び関連化合物(例えば、γ-アミノ酪酸、タウリン)、ペプチド(例えば、グルタチオン)、天然又は加工タンパク質(例えば、ゼラチン)、酵素(例えば、ペプチダーゼ)、核酸、ヌクレオチド、不快な味覚のインプレッションの風味調整剤(taste correctors)、一般に不快でないその他の味覚のインプレッションのその他の風味調整剤、その他の風味調整物質(例えば、イノシトールリン酸、ヌクレオチド、例えばグアノシン一リン酸又はアデノシン一リン酸、又はその他の物質、例えばグルタミン酸ナトリウム又は2-フェノキシプロピオン酸)、乳化剤(例えば、レシチン、ジアシルグリセロール、アラビアゴム)、安定剤(例えば、カラギーナン、アルギナート)、防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸)、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、アスコルビン酸)、キレート剤(例えば、クエン酸)、有機又は無機酸化剤(例えば、リンゴ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸)、苦味物質(例えば、キニーネ、カフェイン、リモニン、アマロゲンチン(amarogentin)、フムロン、ルポロン(lupolones)、カテコール、タンニン)、無機塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム)、酵素的褐変を阻害するための物質(例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸)、エーテル油、植物エキス、天然又は合成染料又は着色顔料(例えば、カロチノイド、フラボノイド、アントシアニン、クロロフィル及びこれらの誘導体)、スパイス、三叉神経の活性化物質(trigeminally active substances)又はそのような三叉神経の活性化物質を含む植物エキス、合成、天然又は天然同一(nature-identical)フレーバー又はフレグランス、及び香り調整剤(odour correctors)を使用することが可能である。
【0041】
本発明の混合物を含むデンタルケア製品(オーラルケアのための調製物の例として)は、一般に研磨剤システム(研磨剤(abrasive powder)又は研磨剤(polishing agent))、例えばケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム及び/又はヒドロキシアパタイト、界面活性物質、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムラウリルサルコシナート及び/又はコカミドプロピルベタイン、保湿剤、例えばグリセロール及び/又はソルビトール、増粘剤、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カラギーナン及び/又はラポナイト(商標)、甘味料、例えばサッカリン、不快な味覚のインプレッションのための風味調整剤(taste correctors)、通常不快でないその他の味覚のインプレッションのための風味調整剤、風味調製物質(例えば、イノシトールリン酸、グアノシン一リン酸又はアデノシン一リン酸のようなヌクレオチド、又はグルタミン酸ナトリウム又は2-フェノキシプロピオン酸のようなその他の物質)、冷却剤、例えばメントール、メントール誘導体(例えば、L-メントール、L-乳酸メチル、L-メチルアルキルカルボナート、メントンケタール、メンタンカルボン酸アミド)、2,2,2-トリアルキル酢酸アミド(例えば、2,2-ジイソプロピルプロピオン酸メチルアミド)、イチリン及びイチリン誘導体、安定剤及び活性物質、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、二フッ化スズ、フッ化第4級アンモニウム、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸スズ、二塩化スズ、異なるピロリン酸塩の混合物、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、過酸化水素、フレーバー及び/又は重炭酸ナトリウム、又は香り調整剤を含む。
【0042】
本発明の混合物を含むチューインガム(オーラルケアのための調製物の別の例として)は、一般にチューインガム基剤、すなわちかむことによって可塑性になる化合物、種々の糖、糖の代用品、その他の甘い味のする物質、糖アルコール、不快な味覚のインプレッションのための風味調整剤、通常不快でないその他の味覚のインプレッションのためのその他の風味調整剤、風味調製物質(例えば、イノシトールリン酸、グアノシン一リン酸又はアデノシン一リン酸のようなヌクレオチド、又はグルタミン酸ナトリウム又は2-フェノキシプロピオン酸のようなその他の物質)、保湿剤、増粘剤、乳化剤、フレーバー及び安定剤、又は香り調整剤を含む。
本発明の混合物に加えて、本発明の調製物は、好ましくはフレーバー組成物を含み、調製物の風味及び/又は香りを洗練し、上品にすることができる。適した(追加の)フレーバー組成物は、例えば合成、天然又は天然同一フレーバー、フレグランス及び風味増強剤、及び適した補助剤及びキャリアを含む。
以下の実施例により、本発明を詳細に説明する。特に明記しない限り、全てのデータは重量に関するものである。
【実施例】
【0043】
(実施例1:式I及びIIのメチルエーテルの混合物の調製(US 2,803,662の方法に基づく))
300gの三フッ化ホウ素/メタノール複合体を2lの攪拌槽に入れ、291.4g(1.5モル)のγ-ジヒドロイオノン(55%)とα-ジヒドロイオノン(40%)の混合物を10℃で滴下により加えた。得られた混合物を、次いで15時間室温で攪拌した。反応溶液を、次いで300mlの10%NaOHで慎重に分解し、水相を分離し、洗浄液が中性になるまで有機相を水で洗浄し、濃縮した。粗生成物(312g)を真空下で30cmビグリューカラムで分画した。
収量:234g(理論の75%) 沸点:130〜140℃/8mbar
GC評価(20mのZB-WAX、内径0.18μm/60-9-220℃冷却適用システム):

【0044】
(実施例2:式I及びIIのメチルエーテルの混合物の調製(EP 0 330 995の方法に基づく))
291.4g(1.5モル)のγ-ジヒドロイオノン(55%)とα-ジヒドロイオノン(40%)の混合物及び450mlの塩化メチレンに溶解した175g(1.66モル)のオルトギ酸トリメチルを2lの攪拌槽に入れた。150mlの塩化メチレン中12gの三フッ化ホウ素エテラートの溶液を、次いで攪拌及び冷却しながら1時間かけて加えた。混合物を、次いで1.5時間還流下で攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶液を300mlの10%NaOHで慎重に分解し、水相を分離し、洗浄液が中性になるまで有機相を水で洗浄し、濃縮した。粗生成物(315g)を真空下で30cmビグリューカラムで分画した。
収量:443.5g(理論の92%) 沸点:130〜140℃/8mbar
GC評価(20mのZB-WAX、内径0.18μm/60-9-220℃冷却適用システム):

【0045】
メチルエーテルのGC/MSデータ
1. endo-2-メトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ(3.3.1)ノナン
MS: m/z (%) = 176 (40, M+ -32), 161 (37), 133 (19), 120 (16), 105 (16), 85 (100), 55 (18), 43 (9).
2. exo-2-メトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ(3.3.1)ノナン
MS: m/z (%) = 176 (44, M+ -32), 161 (38), 133 (20), 120 (18), 105 (17), 91(10), 85 (100), 55 (18).
3. α-アンブリノールメチルエーテル
MS: m/z (%) = 208 (5, M+), 176 (100), 161 (84), 133 (24), 120 (23), 106 (31), 105 (39), 91 (22), 85 (84).
【0046】
エチルエーテルのGC/MS
1. exo-2-エトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ(3.3.1)ノナン
MS: m/z (%) = 222 (0.2 M+), 176 (44), 161 (36), 133 (17), 105 (15), 99 (100), 91 (16), 71 (58), 43 (15).
2. endo-2-エトキシ-9-メチレン-2,6,6-トリメチルビシクロ(3.3.1)ノナン
MS: m/z (%) = 222 (0.1 M+), 176 (38), 161 (31), 133 (15), 105 (13), 99 (100), 91 (14), 71 (57), 43 (16).
3. α-アンブリノールエチルエーテル
MS: m/z (%) = 222 (0.4 M+), 176 (62), 161 (42), 133 (17), 120 (16), 105 (19), 99 (100), 91 (15), 71 (47).
【0047】
(実施例3:香料組成物(フレグランス組成物)

DPG:ジプロピレングリコール、TEC:クエン酸トリエチル
【0048】
本発明の混合物を添加しない香料組成物の香りの記述:フレッシュ、ウッディ。
調香師の意見では、実施例2の本発明の混合物の3重量%の添加により、この香料組成物は、よりフレッシュになり、より多く放射し(radiant)、より洗練された(rounded)、より調和したものとなり、スイートアンブレットノートを加え、ウッディ及びフラワリーアスペクトを増強する。その本来の香り及びその変調及び増強効果(ブースター効果)により、使用される実施例2の本発明の混合物は、組成物にそれ自身の特徴を与え、異なる嗅覚要素を組合せる。
【0049】
(実施例4:香料組成物(フレグランス組成物)

DPG:ジプロピレングリコール
【0050】
本発明の混合物を添加しない香料組成物の香りの記述:フラワリー、スズラン。
調香師の意見では、実施例1の本発明の混合物の6重量%の添加により、この香料組成物は元気を取り戻す(new lease of life)。フラワリーのインプレッションはかなり増強される。組成物は、より多く放射し(radiant)、より洗練された(rounded)、より調和した効果をもち、ナチュラルアンブレットノートを加える。その本来の香り及びその変調及び増強効果(ブースター効果)により、使用される本発明の混合物は、組成物にそれ自身の特徴を与え、異なる嗅覚要素を組合せる。
【0051】
(実施例5:シャンプー)
実施例1の本発明の混合物を以下の組成のシャンプー基剤に0.5重量%の量で組み込んだ。
ナトリウムラウリルエテルスルファート 12%
(例えば、テキサポン(Texapon)NSO, コグニス社(Cognis Deutschland GmbH))
コクアミドプロピルベタイン 2%
(例えば、デヒトン(Dehyton)K, コグニス社(Cognis Deutschland GmbH))
塩化ナトリウム 1.4%
クエン酸 1.3%
フェノキシエタノール、メチル-、エチル-、ブチル-
及びプロピルパラベン 0.5%
水 82.8%
【0052】
シャンプー基剤のpHは約6であった。それを、100mlの20重量%シャンプー水溶液を調製するために使用した。髪の2つの束を2分間このシャンプー溶液中で一緒に洗浄し、次いで20秒間体温程度の流水ですすいだ。1つの束を濡れたままアルミホイルに包み、もう1つの束をヘアドライヤーで乾燥させた。束は両方ともパネルによって香りについて評価された。
両者の香りの記述:非常に強いラジアント(radiant)、アンブレット、高揚(exalting)、ソフトウッディ、アンバーグリス及びシベット似。
【0053】
(実施例6:柔軟剤)
実施例3の香料組成物(3重量%の実施例2の本発明の混合物の添加後)を、0.5重量%の量で、以下の組成の柔軟剤の基剤に添加した。
第四級アンモニウムメトスルファート(エステルクアット(Esterquat)),
約90% 5.5%
(例えば、レウォクアト(Rewoquat)WE 18, ウィトゥコ社(Witco Surfactants GmbH))
塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム,
約50% 0.2%
(例えば、プレベントール(Preventol)R50, バイエル(Bayer)AG)
染料溶液、約1% 0.3%
水 94.0%
【0054】
柔軟剤の基剤のpHは2〜3の範囲であった。2枚の布を、30分間20℃でLinetestマシーン中ソフトリンスプログラムで、0.5重量%の本発明の混合物を含む柔軟剤の基剤をベースとする1%柔軟剤水溶液370gを用いて、すすいだ。布を絞り出し、次いで20秒間脱水機にかけた。1枚の布を濡れたままヒートシールし、もう1枚の布を干して乾燥させた。次いで、布は両方ともパネルによって香りについて評価された。
両者の香りの記述:フラワリー、ウッディ、フレッシュ、ラジアント(radiant)、ライトスイートな香り(light, sweet undertones)をもつアンブレット及びウッディアスペクト、洗練された、調和した香りのインプレッション。
【0055】
(実施例7:粉末洗剤)
実施例4の香油組成物(6重量%の実施例1の本発明の混合物の添加後)を、0.4重量%の量で、以下の組成の粉末洗剤の基剤に添加した。
線状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 8.8%
エトキシ化脂肪アルコールC12-18 (7 EO) 4.7%
ナトリウム石鹸 3.2%
ダウコーニング(R) 2-4248S
粉末消泡剤,
キャリアであるゼオライト上のシリコーン油 3.9%
ゼオライト4A 28.3%
炭酸ナトリウム 11.6%
アクリル酸/マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(Sokalan CP5)
2.4%
ケイ酸ナトリウム 3.0%
カルボキシメチルセルロース 1.2%
デクェスト(Dequest)2066([[(ホスホノメチル)イミノ]ビス[(エチレンニトリロ)ビス(メチレン)]]テトラキスホスホン酸, ナトリウム塩) 2.8%
蛍光増白剤 0.2%
硫酸ナトリウム 6.5%
プロテアーゼ 0.4%
過ホウ酸ナトリウム四水和物 22.0%
TAED 1.0%
【0056】
2枚の布を、45分間60℃でLinetestマシーン中メインウォッシュプログラムで、0.4重量%の実施例4の香油組成物を含む粉末洗剤の基剤をベースとする1%粉末洗剤水溶液(粉末洗剤溶液のpHは十分に塩基性領域である。)370gを用いて、すすいだ。布を最初に5分間冷水ですすぎ、絞り出し、次いで20秒間脱水機にかけた。1枚の布を濡れたままヒートシールし、もう1枚の布を干して乾燥させた。次いで、布は両方ともパネルによって香りについて評価された。
両者の香りの記述:強いフラワリー、ラジアント(radiant)、ナチュラル、ライトスイート及びウッディな香りをもつアンブレットノート、洗練された、調和した香りのインプレッション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1又はこれよりも多くの下記式Iの化合物
【化1】

及び
(b)1又はこれよりも多くの下記式IIの化合物
【化2】

を含むか、又はこれらからなる混合物(式中、Rは、式I及び式IIにおいて同じ意味を有してもよく、又は異なる意味を有してもよいが、それぞれメチル及びエチルからなる群より選ばれる。)であって、
(c)1、2又はこれよりも多くのその他のフレグランス又はフレーバーを含んでいてもよい前記混合物。
【請求項2】
同じ意味のRを有する1つの式Iの化合物と1つの式IIの化合物とを含むか、又はこれらからなる請求項1記載の混合物であって、
他の意味のRを有する別の式Iの化合物及び/又は他の意味のRを有する別の式IIの化合物を含んでもよく、又は式I又はIIの他の化合物を含まない前記混合物。
【請求項3】
Rがメチルである1つの式Iの化合物とRがメチルである1つの式IIの化合物とを含むか、又はこれらからなる請求項2記載の混合物。
【請求項4】
混合物における式(II)の化合物の合計量が、式Iの化合物に起因する動物の嗅覚ノートが効果的にマスキングされるように選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の混合物。
【請求項5】
式Iの化合物の合計量と式IIの化合物の合計量の比が100:1〜1:10、好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:1である、請求項1〜4のいずれか1項記載の混合物。
【請求項6】
少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の式I及びIIの化合物の合計量を含む合成生成物の混合物であって、精製されていてもよい合成生成物の混合物である請求項1〜5のいずれか1項記載の混合物。
【請求項7】
次の嗅覚特性:非常に強いラジアント、アンブレット、高揚、ソフトウッディ、アンバーグリス及びシベット似、非常にナチュラルな嗅覚のインプレッションの1、いくつかの又は全てを有する請求項1〜6のいずれか1項記載の混合物。
【請求項8】
1、2又はこれよりも多くのその他のフレグランス又はフレーバーが成分(c)として存在し、前記1、2又はこれよりも多くの他のフレグランス又はフレーバーがウッディ及びフラワリーからなる群より選ばれる嗅覚特性を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の混合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の混合物の、フレグランス又はフレーバー混合物としての使用。
【請求項10】
混合物が請求項4〜8のいずれか1項記載の混合物である、請求項9記載の使用。
【請求項11】
下記式IIの化合物の、不快な嗅覚ノートのマスキング剤としての使用。
【化3】

(式中、Rはメチル及びエチルからなる群より選ばれる。)
【請求項12】
下記式Iの化合物の動物の嗅覚ノートをマスキングするための請求項11記載の使用。
【化4】

(式中、Rはメチル及びエチルからなる群より選ばれ、Rは式I及び式IIで同じ意味を有してもよく、又は異なる意味を有してもよい。)
【請求項13】
下記式Iの化合物の、下記式IIの化合物の嗅覚特性を変調するための使用であって、アンブレットのより強いニュアンスをより多く放射させる前記使用。
【化5】

【化6】

(式中、Rはメチル及びエチルからなる群より選ばれ、Rは式I及び式IIで同じ意味を有してもよく、又は異なる意味を有してもよい。)
【請求項14】
(A)固体又は半固体のキャリア
及び
前記固体又は半固体のキャリアと接触した官能的に有効な量の請求項1〜8のいずれか1項記載の混合物、
又は
(B)液相
及び
液相中に溶解又は懸濁された、又は液相中に希釈された、官能的に有効な量の請求項1〜8のいずれか1項記載の混合物
を含む香料又はフレーバー製品。
【請求項15】
香料抽出物、オードパルファン、オードトワレ、アフターシェーブローション、オーデコロン、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、香料清涼ティシュー、酸性クリーニング製品、アルカリ性クリーニング製品、中性クリーニング製品、テキスタイル消臭剤、アイロン仕上げ助剤、液体洗剤、粉末洗剤、織物プレコンディショナー、織物柔軟剤、洗濯石鹸、錠剤洗剤、殺菌剤、表面殺菌剤、空気清浄剤、エアゾールスプレー、ワックス、光沢剤、ボディケア商品、ハンドクリーム、ハンドローション、足用クリーム、足用ローション、脱毛クリーム、脱毛ローション、アフターシェーブクリーム、アフターシェーブローション、日焼け用クリーム、日焼け用ローション、ヘアケア製品、デオドラント、制汗剤、装飾的化粧品、キャンドル、灯火用の油、線香、殺虫剤、防虫剤及び高圧ガスからなる群より選ばれる請求項14記載の香料製品。
【請求項16】
製品を、官能的に有効な量の請求項1〜8のいずれか1項記載の混合物と接触させるか、又は前記混合物と混合することを含む香りの生成、変調及び/又は増強方法。
【請求項17】
γ-ジヒドロイオノンと、
(a)アルコール前駆物質、例えば式HC(OR)3(式中、Rは式Iにおけるものと同じ意味を有する。)のオルトホルマート
又は
式ROH(式中、Rは式Iにおけるものと同じ意味を有する。)のアルコールとを、
(b)強酸の存在下で反応させることを含む式Iの化合物の合成方法。
【化7】

(式中、Rはメチル及びエチルからなる群より選ばれる。)
【請求項18】
強酸がプロトン酸又はルイス酸である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
強酸が塩化水素ガス、塩酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、BF3、BF3(Et2)O、BF3-H3PO4及び酸性イオン交換体からなる群より選ばれる、請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
γ-ジヒドロイオノンの反応と同時に、かつ、同じ反応物との反応によって、α-ジヒドロイオノンが下記式IIの化合物に変換される、請求項17〜19のいずれか1項記載の方法。
【化8】

(式中、Rは式Iにおけるものと同じ意味を有する。)

【公開番号】特開2008−169375(P2008−169375A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−279634(P2007−279634)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】