説明

かしめ装置

【課題】角部に板厚の減少が発生することがなく、連続した多角形状を一度にかしめることを可能にする。
【解決手段】かしめ装置10は、金属製ダイ部材12と、樹脂製パンチ部材14とを備える。ダイ部材12は、四角形状の成形形状を有する突起部16を設ける。パンチ部材14は、ダイ部材12の各直線部16aの内側に配置される4つの凹状部14aと、前記ダイ部材12の各角部16bの外側に張り出す4つの凸状部14bとを一体に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多角形状を有する第1金属部材と多角形状を有する第2金属部材とを、互いの外周部を重ね合わせて全周にわたりかしめ処理を施すためのかしめ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、金属製缶部材や金属製袋状部材のように、複数枚の板状部材の端部同士に、周方向に沿ってかしめ処理を施す作業が行われている。例えば、二次電池やキャパシタ等の缶状部材や、燃料電池を構成し電解質膜・電極構造体(MEA)を挟持するセパレータ等の2枚以上の板状部材同士に対し、かしめ処理が施されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池では、図18に示すように、MEA1が、アノード側金属プレート2及びカソード側金属プレート3によって挟持されている。金属プレート2、3は、略長方形状の平面形状を有している。MEA1の電解質膜4の周縁部は、金属プレート2、3により挟持された状態で、一緒に巻き締められることによって、前記金属プレート2、3の周縁部を接合している。MEA1と当接する中央部には、多孔質状の多孔質部5、6が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−218197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の燃料電池では、四角形状(多角形状)を有する金属プレート2、3の外周部に沿って連続したかしめ処理を施すと、特に角部に著しい板厚減少が惹起されるという問題がある。
【0006】
また、金属プレート2、3の外周部に、多段による複数回のかしめ処理を施すと、重なり部位(オーバーラップ部位)に皺や割れ等が発生するという問題がある。
【0007】
本発明は、この種の問題を解決するものであり、角部に板厚の減少が発生することがなく、連続した多角形状を一度にかしめることが可能なかしめ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、多角形状を有する第1金属部材と多角形状を有する第2金属部材とを、互いの外周部を重ね合わせて全周にわたりかしめ処理を施すためのかしめ装置に関するものである。このかしめ装置は、金属製ダイ部材と、樹脂製パンチ部材とを備えている。
【0009】
また、このかしめ装置では、ダイは、直線部及び角部を有する多角形状に構成される一方、樹脂製パンチ部材は、プレス方向から見て前記直線部の内側に配置される凹状部と、前記プレス方向から見て前記角部の外側に張り出す凸状部とを一体に有することが好ましい。
【0010】
さらに、このかしめ装置では、第1金属部材及び第2金属部材は、燃料電池を構成し、電解質膜・電極構造体を挟持するセパレータであり、前記第1金属部材と前記第2金属部材との間には、流体を流通させる流体流路が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るかしめ装置では、金属製ダイ部材と樹脂製パンチ部材とにより、第1金属部材と第2金属部材との重ね合わせ部位に全周にわたりかしめ処理が施される際、前記樹脂製パンチ部材は、前記金属製ダイ部材の形状に倣って変形することができる。
【0012】
このため、多角形状を有する重ね合わせ部位、特に角部に著しい板厚の減少が惹起することがない。これにより、連続した多角形状を一度にかしめることが可能になり、良好なかしめ処理が確実且つ容易に遂行される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るかしめ装置の斜視説明図である。
【図2】前記かしめ装置の一部断面説明図である。
【図3】前記かしめ装置の平面説明図である。
【図4】前記かしめ装置が採用される金属セパレータが組み込まれた燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図5】前記燃料電池の、図4中、V−V線断面図である。
【図6】前記金属セパレータの正面説明図である。
【図7】前記燃料電池の、図4中、VII−VII線断面図である。
【図8】前記燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体の正面説明図である。
【図9】前記かしめ装置によりかしめ処理の説明図である。
【図10】前記かしめ装置を構成するパンチ部材の動作説明図である。
【図11】前記パンチ部材とダイ部材とにより直線部にかしめ処理が施される際の動作説明図である。
【図12】かしめ処理が施された角部の拡大説明図である。
【図13】かしめ処理される他の実施形態である二次電池の斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るかしめ装置の断面説明図である。
【図15】かしめ処理された前記二次電池の要部断面説明図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るかしめ装置の斜視説明図である。
【図17】前記かしめ装置の平面説明図である。
【図18】特許文献1に開示されている燃料電池の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係るかしめ装置10は、金属製ダイ部材12と、樹脂製パンチ部材14とを備える。
【0015】
ダイ部材12は、多角形状、例えば、四角形状の成形形状を有する突起部16を設けるとともに、四角形状に周回する前記突起部16の内側には、成形面18が形成される。突起部16の外側には、成形面18よりも高さ方向(深さ方向)に長さHだけ切り込んだ逃げ面20が形成される(図2参照)。突起部16は、四角形の四辺を構成する直線部16a及び4つの角部16bを有する(図1参照)。
【0016】
パンチ部材14は、ショアA硬度が70程度の樹脂材料であればよく、例えば、ウレタン系、ブチル系、ポリプロピレン系又はポリアミド系の樹脂材料で形成される。
【0017】
パンチ部材14は、図1及び図3に示すように、プレス方向(図1中、矢印P方向)から見てダイ部材12の各直線部16aの内側に配置される4つの凹状部14aと、前記プレス方向から見て前記ダイ部材12の各角部16bの外側に張り出す4つの凸状部14bとを有する。凹状部14aと凸状部14bとの間には、プレス方向から見てダイ部材12と交差する交差部14cが設けられる。各凹状部14a及び各凸状部14bは、それぞれ所定のR(アール)を有する円弧形状に形成される。
【0018】
このように構成されるかしめ装置10が使用される金属部材としては、例えば、図4に示すように、燃料電池30を構成し、電解質膜・電極構造体(MEA)32を挟持する金属セパレータ34がある。
【0019】
図5に示すように、電解質膜・電極構造体32は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、前記固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える。アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に形成される。
【0020】
固体高分子電解質膜36は、アノード側電極38及びカソード側電極40と同一の表面積、又はこれらよりも大きな表面積に設定される。固体高分子電解質膜36の外周端縁部には、樹脂製の額縁部(額縁状枠部材)42が、例えば、射出成形により一体成形される。樹脂材としては、例えば、汎用プラスチックの他、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック等が採用される。
【0021】
図4に示すように、額縁部42の矢印C方向の一端縁部(上端縁部)には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔44a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔46a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔48aが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
【0022】
額縁部42の矢印C方向の他端縁部(下端縁部)には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔48b、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔46b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔44bが、矢印B方向に配列して設けられる。
【0023】
金属セパレータ34の外周部は、酸化剤ガス入口連通孔44a、冷却媒体入口連通孔46a、燃料ガス入口連通孔48a、燃料ガス出口連通孔48b、冷却媒体出口連通孔46b及び酸化剤ガス出口連通孔44bの内側に配置される。
【0024】
図5に示すように、金属セパレータ34は、それぞれ多角形状、例えば、長方形状(四角形状)を有する第1金属プレート50と第2金属プレート52とを備える。第1金属プレート50と第2金属プレート52とは、互いの外周部を重ね合わせて全周にわたりかしめ処理されることにより、かしめ結合部53を介して一体化される。
【0025】
第1金属プレート50及び第2金属プレート52は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した薄板状の金属板により構成される。
【0026】
図6に示すように、金属セパレータ34は、アノード側電極38に対向する第1金属プレート50側の面に、波形状にプレス加工して断面凹凸形状を有する燃料ガス流路54が形成される。燃料ガス流路54は、燃料ガスを矢印C方向に流通させる。
【0027】
金属セパレータ34は、図4に示すように、カソード側電極40に対向する第2金属プレート52側の面に、波形状にプレス加工して断面凹凸形状を有する酸化剤ガス流路56が形成される。酸化剤ガス流路56は、酸化剤ガスを矢印C方向に流通させる。
【0028】
金属セパレータ34は、第2金属プレート52側の面に、酸化剤ガス流路56の上下両側にそれぞれ複数の冷却媒体供給孔部58aと冷却媒体排出孔部58bとが形成される。金属セパレータ34の内部には、冷却媒体供給孔部58a及び冷却媒体排出孔部58bに連通して冷却媒体を矢印C方向に流通させる冷却媒体流路60が形成される(図4及び図7参照)。
【0029】
図4に示すように、額縁部42には、シール部材62が一体成形される。シール部材62としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
【0030】
シール部材62は、図8に示すように、カソード側電極40側の面に、酸化剤ガス入口連通孔44a及び酸化剤ガス出口連通孔44bを酸化剤ガス流路56に連通するとともに、冷却媒体入口連通孔46a、燃料ガス入口連通孔48a、燃料ガス出口連通孔48b及び冷却媒体出口連通孔46bを周回して前記酸化剤ガス流路56から遮蔽する第1シール部62aを設ける。
【0031】
シール部材62は、図4に示すように、アノード側電極38側の面に、燃料ガス入口連通孔48a及び燃料ガス出口連通孔48bを燃料ガス流路54に連通するとともに、酸化剤ガス入口連通孔44a、冷却媒体入口連通孔46a、冷却媒体出口連通孔46b及び酸化剤ガス出口連通孔44bを周回して前記燃料ガス流路54から遮蔽する第2シール部62bを設ける。
【0032】
このように構成される燃料電池30では、図4に示すように、酸化剤ガス入口連通孔44aに供給された酸素含有ガス等の酸化剤ガスは、金属セパレータ34の酸化剤ガス流路56に供給される。酸化剤ガスは、電解質膜・電極構造体32のカソード側電極40に沿って矢印C方向に流通した後、酸化剤ガス出口連通孔44bに排出される。
【0033】
一方、燃料ガス入口連通孔48aに供給された水素含有ガス等の燃料ガスは、金属セパレータ34の燃料ガス流路54に供給される。燃料ガスは、燃料ガス流路54に沿って矢印C方向に流通した後、燃料ガス出口連通孔48bに排出される。
【0034】
また、冷却媒体入口連通孔46aに供給された純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体は、図7に示すように、金属セパレータ34を構成する第2金属プレート52に形成されている複数の冷却媒体供給孔部58aから前記金属セパレータ34の内部に導入される。
【0035】
金属セパレータ34の内部には、第1金属プレート50及び第2金属プレート52が互いに接合されて冷却媒体流路60が形成されている。このため、冷却媒体は、冷却媒体流路60に沿って矢印C方向に流通した後、複数の冷却媒体排出孔部58bから冷却媒体出口連通孔46bに排出される(図4参照)。
【0036】
次いで、かしめ装置10により金属セパレータ34にかしめ処理を施す作業について、以下に説明する。
【0037】
先ず、図2に示すように、ダイ部材12を構成する突起部16上には、第1金属プレート50及び第2金属プレート52が、互いの外周部を重ね合わせて載置される。その際、第1金属プレート50が突起部16上に配置され、この第1金属プレート50上に第2金属プレート52が積層される。
【0038】
さらに、第2金属プレート52は、第1金属プレート50よりも大きな外形寸法に設定されており、前記第2金属プレート52の外周端部52aは、前記第1金属プレート50の外周端部50aよりも外方に突出している。
【0039】
この状態で、図9に示すように、ダイ部材12とパンチ部材14とが、互いに近接する方向に荷重Fにより加圧される。その際、パンチ部材14は、ダイ部材12の直線部16aの内側に配置される4つの凹状部14aを有するとともに、この凹状部14aには、前記ダイ部材12の角部16bの外側に張り出す4つの凸状部14bが一体に設けられている(図1及び図3参照)。
【0040】
このため、第1金属プレート50及び第2金属プレート52には、先ず、パンチ部材14の4つの凸状部14bと、ダイ部材12に設けられている突起部16の4つの角部16bとにより、重ね合わせ部位の4つの角部にかしめ加工が開始される(図9及び図10参照)。
【0041】
樹脂製のパンチ部材14は、凸状部14bがダイ部材12の角部16bに重なり合っており、荷重Fが作用することによって前記パンチ部材14自体が変形しながら、前記ダイ部材12側に移動する。従って、金属セパレータ34の各角部の形状に対応して、第1金属プレート50の外周端部50a及び第2金属プレート52の外周端部52aが折り曲げられる(図9参照)。
【0042】
パンチ部材14の4つの凸状部14bと、突起部16の4つの角部16bとにより、重ね合わせ部位の4つの角部に対してかしめ加工が行われていくと、前記パンチ部材14の各凹状部14aは、外方に膨出するように変形する(図10中、矢印参照)。
【0043】
これにより、図11に示すように、パンチ部材14の凹状部14aは、ダイ部材12の直線部16aの内側から外側に張り出すように変形する。このため、パンチ部材14は、直線部16aと共に金属セパレータ34の各直線部に対応して、第1金属プレート50の外周端部50a及び第2金属プレート52の外周端部52aを折り曲げる。
【0044】
従って、第1金属プレート50の外周端部50a及び第2金属プレート52の外周端部52aには、全周にわたってかしめ加工が施される。その際、図9に示すように、第2金属プレート52の外周端部52aは、ダイ部材12の逃げ面20に延在しており、第1金属プレート50の外周端部50aよりも下方に突出している。次いで、第1金属プレート50と第2金属プレート52とのかしめ部位には、ヘミング成形が施されることにより、かしめ結合部53が形成され、金属セパレータ34が製造される(図12参照)。
【0045】
この場合、第1の実施形態では、金属製のダイ部材12と樹脂製のパンチ部材14とにより、第1金属プレート50と第2金属プレート52との重ね合わせ部位に全周にわたりかしめ処理が施されている。このため、パンチ部材14は、金属製のダイ部材12の形状に倣って変形することができる。
【0046】
その際、パンチ部材14は、ダイ部材12の各直線部16aの内側に配置される4つの凹状部14aを有するとともに、この凹状部14aには、前記ダイ部材12の各角部16bの外側に張り出す4つの凸状部14bが一体に設けられている。
【0047】
これにより、第1金属プレート50及び第2金属プレート52には、先ず、重ね合わせ部位の4つの角部にかしめ加工が開始された後、金属セパレータ34の各直線部に対応してかしめ加工が施されている。このため、図12に示すように、金属セパレータ34の角部には、著しい板厚の減少が惹起することがない。従って、連続した多角形状を一度にかしめることが可能になり、良好なかしめ処理が確実に且つ容易に遂行されるという効果が得られる。
【0048】
図13は、かしめ処理される他の実施形態である二次電池(又はキャパシタ)70の斜視説明図である。
【0049】
この二次電池70は、直方体形状の缶本体72を備えるとともに、前記缶本体72の開口側(上部側)に設けられているフランジ部72aには、蓋部材74の外周端部74aがかしめ処理される。
【0050】
図14に示すように、本発明の第2の実施形態に係るかしめ装置80は、金属製ダイ部材82と、樹脂製パンチ部材14とを備える。なお、第1の実施形態に係るかしめ装置10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。ダイ部材82は、突起部16の内側に缶本体72を収容するための開口部84を設ける。
【0051】
このように構成されるかしめ装置80では、図14に示すように、ダイ部材82の開口部84に缶本体72が収容されて、前記缶本体72のフランジ部72aが突起部16上に配置される。缶本体72内には、電解質等が供給されており、フランジ部72aには、シール部材(接着層)86を介装して蓋部材74が載置される。
【0052】
次いで、パンチ部材14とダイ部材82とを介して、缶本体72のフランジ部72aと蓋部材74の外周端部74aとには、それぞれの外周部全周を周回してかしめ処理が施される。
【0053】
その際、第1の実施形態と同様に、先ず、フランジ部72a及び外周端部74aの4つの角部にかしめ処理が開始された後、前記フランジ部72a及び前記外周端部74aの4つの直線部にかしめ処理が開始される。
【0054】
これにより、二次電池70は、図15に示すように、各角部に著しい板厚の減少が惹起することがない。このため、連続した多角形状を一度にかしめることが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0055】
図16及び図17に示すように、本発明の第3の実施形態に係るかしめ装置90は、金属製ダイ部材92と、樹脂製パンチ部材94とを備える。
【0056】
ダイ部材92は、多角形状、例えば、六角形状の成形形状を有する突起部96を設けるとともに、六角形状に周回する前記突起部96の内側には、成形面(又は開口部)98が形成される。突起部96は、六角形状の6つの辺を構成する直線部96a及び6つの角部96bを有する。
【0057】
パンチ部材94は、プレス方向(図16中、矢印P方向)から見てダイ部材92の直線部96aの内側に配置される6つの凹状部94aと、前記プレス方向から見て前記ダイ部材92の角部96bの外側に張り出す6つの凸状部94bとを一体に設ける。各凹状部94a及び各凸状部94bは、それぞれ所定のR(アール)を有する円弧形状に形成される。
【0058】
このように構成される第3の実施形態では、六角形状(多角形状)を有する第1金属部材(図示せず)と六角形状(多角形状)を有する第2金属部材(図示せず)とを、各角部に著しい板厚の減少が惹起することがなく、連続した多角形状を一度にかしめることが可能になる等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0059】
10…かしめ装置 12、82、92…ダイ部材
14、94…パンチ部材 14a、94a、94b…凹状部
14b…凸状部 14c…交差部
16、96…突起部 16a、96a…直線部
16b、96b…角部 18…成形面
20…逃げ面 30…燃料電池
32…電解質膜・電極構造体 34…金属セパレータ
50、52…金属プレート 53…かしめ結合部
70…二次電池 72…缶本体
74…蓋部材 80、90…かしめ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状を有する第1金属部材と多角形状を有する第2金属部材とを、互いの外周部を重ね合わせて全周にわたりかしめ処理を施すためのかしめ装置であって、
金属製ダイ部材と、
樹脂製パンチ部材と、
を備えることを特徴とするかしめ装置。
【請求項2】
請求項1記載のかしめ装置において、前記ダイは、直線部及び角部を有する多角形状に構成される一方、
前記樹脂製パンチ部材は、プレス方向から見て前記直線部の内側に配置される凹状部と、
前記プレス方向から見て前記角部の外側に張り出す凸状部と、
を一体に有することを特徴とするかしめ装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のかしめ装置において、前記第1金属部材及び前記第2金属部材は、燃料電池を構成し、電解質膜・電極構造体を挟持するセパレータであり、前記第1金属部材と前記第2金属部材との間には、流体を流通させる流体流路が形成されることを特徴とするかしめ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−213797(P2012−213797A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82115(P2011−82115)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】