説明

ごみ用コンテナ固定装置

【課題】 簡素な構造の固定装置を採用してコンテナを自動的に台座に載置して固定することが可能なごみ用コンテナ固定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 フォークリフトあるいはクレーンにてごみ用コンテナ2を台座1上に載置して搬送するためのごみ用コンテナ固定装置において、前記ごみ用コンテナ2の自重により該ごみ用コンテナ2の側面のロック溝5に係合するロック駒4を前記台座1に設けたことにより、ごみ用コンテナ2を台座1上に載置して設置するだけで、ごみ用コンテナ2のロック溝5に対して台座1からロック駒4が係合するので、ごみ用コンテナ2が台座1上にて横方向にずれることが効果的に抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみの分別に使用され、フォークリフトあるいはクレーンにて台座上に載置して搬送するためのごみ用コンテナの固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の劣化や資源の枯渇等の問題を解決するために、ごみ資源のリサイクル化が促進されている。ごみ資源のリサイクルにはごみの分別が欠かせないものであり、各家庭は言うに及ばず、各種の事業所、高速道路のサービスエリア、病院、鉄道の駅舎等人々が多く集まり、多量のごみが放出される施設では、ごみの分別・細分化には多くの苦労や努力がなされている。特に工場等の事業所においては、大量に多種類のごみが出ることから、ごみの種類毎に大型のコンテナを必要とする。そして、これらのコンテナを一時的に保管したり、選別場所から処理場所までコンテナを搬送する必要があった。一般に専用のコンテナ車両ではコンテナ自体が車両に設置されているが、車両自体が汚れることもあって、コンテナを着脱自在に車両に積載固定するものが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−198381(公報図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に開示された着脱自在コンテナは図9に示すように、トラックの荷台部101の4隅に前支持部材106と後支持部材107の柱部分106a、107aを立てる。煽り102a〜102cの上縁に取付部材108a〜108cを係合させ、その上にコンテナ本体104を被せて、左右の煽り102a、102bおよびサイドパネル104c、104dが一体感を有してほぼ同じ壁面を形成できるように構成する。前後の支持部材106、107の下端部は荷台部101にねじ止めし、これらの支持部材106、107とサイドパネル104c、104dと煽り102a、102cとを共締めして強固に固定して構成する。
【0004】
このような構成により、着脱自在コンテナ103を装着したトラックの使用時には、リアパネル105a、105bを開閉して荷物を出し入れし、掛け金を外して後部の煽り102cを開けば荷台後部が床面まで前面開放されるので、大きな荷物の積み下ろしが楽にできる。各部の締結具を取り外すことで、着脱自在コンテナ103を荷台部101から下ろして、再度、普通荷台に戻すことができる。その際、コンテナ本体104は、接続部材を取り外してフロントパネル104bと左右のサイドパネル104c、104dを折り畳むことができ、コンパクトに収納できることとなった。
【0005】
しかしながら、コンテナ本体104をトラックの荷台部101に設置するには、支持部材106、107およびサイドパネル104c、104dを煽り102a、102cに共締め等により固定しなければならず、固定作業に手間を要して面倒であった。
【0006】
そこで本発明は、前記従来のコンテナ固定装置の諸課題を解決して、簡素な構造の固定装置を採用してコンテナを自動的に台座に載置して固定することが可能なごみ用コンテナ固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため本発明は、ごみ用コンテナを台座上に載置して搬送するためのごみ用コンテナ固定装置において、前記ごみ用コンテナの自重により該ごみ用コンテナの側面のロック溝に係合するロック駒を前記台座に設けたことを特徴とする。また本発明は、前記ロック駒の出没方向のごみ用コンテナの載置時の位置をガイドする傾斜ガイド面を有する受け台を台座から起立形成したことを特徴とする。また本発明は、前記ごみ用コンテナの上下移動を拘束する拘束部材を前記台座に設置したことを特徴とする。また本発明は、前記ロック駒によるごみ用コンテナの側面のロック溝への係合状態を保持させるロックピンをロック駒に対して出没自在に設置したことを特徴とする。また本発明は、前記ロックピンがごみ用コンテナの4隅に対応するロック駒毎に設けられるとともに、これらのロックピンが台座側面に収納された1つの操作摘みにより同時に連動して出没動作するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記操作摘みによるロック動作を保持する施錠機構を前記台座に設置したことを特徴とする。また本発明は、前記台座が、クレーン車などの車両の荷台に設置されたことを特徴とする。また本発明は、前記台座が、上下あるいは無端状に回転搬送される立体式格納庫のゴンドラに設置されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ごみ用コンテナを台座上に載置して搬送するためのごみ用コンテナ固定装置において、前記ごみ用コンテナの自重により該ごみ用コンテナの側面のロック溝に係合するロック駒を前記台座に設けたことにより、ごみ用コンテナを台座上に載置して設置するだけで、ごみ用コンテナのロック溝に対して台座からロック駒が係合するので、ごみ用コンテナが台座上にて横方向にずれることが効果的に抑制される。
【0009】
また、前記ロック駒の出没方向のごみ用コンテナの載置時の位置をガイドする傾斜ガイド面を有する受け台を台座から起立形成した場合は、ごみ用コンテナへのロック駒の係合に先立って、ごみ用コンテナが台座上の受け台によって適正位置にガイドされるので、ロック駒を確実にごみ用コンテナのロック溝に係合させることができる。また、前記ごみ用コンテナの上下移動を拘束する拘束部材を前記台座に設置した場合は、ごみ用コンテナが台座上にて横方向にずれることを防止できるのはもとより、コンテナ搬送中に上下振動等が加わってもコンテナの転落等を確実に防止できる。
【0010】
さらに、前記ロック駒によるごみ用コンテナの側面のロック溝への係合状態を保持させるロックピンをロック駒に対して出没自在に設置した場合は、前記ごみ用コンテナの上下移動を拘束する拘束部材を前記台座に設置せずとも、ごみ用コンテナの搬送中等に、台座上に載置して設置されたごみ用コンテナが、横方向のみならず上下方向の盲動も規制されて、脱落等の虞れがなくなるばかりか、前記拘束部材を備えるものでは、より確実に上下方向の2重のロック拘束が可能となる。さらにまた、前記ロックピンがごみ用コンテナの4隅に対応するロック駒毎に設けられるとともに、これらのロックピンが台座側面に収納された1つの操作摘みにより同時に連動して出没動作するように構成した場合は、ロック駒による台座へのごみ用コンテナの固定ロックを1つの操作部材のワンタッチ動作にて簡便に行うことができる。
【0011】
また、前記操作摘みによるロック動作を保持する施錠機構を前記台座に設置した場合は、操作摘みによるロック状態が妄りに解除されることがないので、コンテナ搬送中の上下振動等による転落等の虞れがなくなる。さらに、前記台座が、クレーン車などの車両の荷台に設置された場合は、ごみ用コンテナを車両の荷台としての台座に、自らのクレーン等により容易にコンテナを吊り上げて、荷台に簡便に載置固定して搬送することが可能となる。さらにまた、前記台座が、上下あるいは無端状に回転搬送される立体式格納庫のゴンドラに設置された場合は、立体式格納庫内に多数のごみ用コンテナを保管するとともに、上下移動時にゴンドラに対してごみ用コンテナを確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第1実施例を示すもので、台座へのごみ用コンテナの載置前の斜視図、図2はロック駒の固定状態を示す要部断面図、図3はクレーン車に適用されたごみ用コンテナ固定装置の第2実施例を示す全体斜視図、図4は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第3実施例を示すもので、ロック駒の変形例の断面図、図5は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第4実施例を示すもので、ロックピンの操作例の斜視図および要部斜視図、図6は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第5実施例を示すもので、2重リンクを用いたロックピンの操作例の斜視図、図7は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第6実施例を示すもので、カム部材を用いたロックピンの操作例の斜視図、図8は立体式格納庫のゴンドラに適用されたごみ用コンテナ固定装置の第7実施例を示す全体斜視図である。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第1実施例を示すもので、フォークリフトあるいはクレーンにてごみ用コンテナ2を台座1上に載置して搬送するためのごみ用コンテナ固定装置において、前記ごみ用コンテナ2の自重により該ごみ用コンテナ2の側面のロック溝5に係合するロック駒4を前記台座1に設けたことを特徴とする。台座1は四角箱状のごみ用コンテナ2に対応して、平面視で略方形を呈している。台座1の矢印X方向におけるごみ用コンテナ2の移動を規制する受け台3が、台座1の4隅に起立形成される。受け台3同士の対向面(X方向の)には上方に拡開して傾斜するガイド面3Aが形成される。これらのガイド面3Aの下端部位置がごみ用コンテナ2の側面の位置を画定する。図示はしないが、台座1のY方向における受け台3に直交して隣接する縁部にもガイド面を有する受け台を形成することもできる。
【0014】
台座1の各受け台3の傾斜面3Aから出没自在にロック駒4が設置される。各ロック駒4はごみ用コンテナ2の自重により揺動して、該ごみ用コンテナ2の側面の前記各ロック駒4に対応してそれぞれ形成された各ロック溝5に係合する。これにより、ごみ用コンテナ2は台座1上にて矢印Y方向の動きが規制されることになる。ごみ用コンテナ2のX方向の動きは前記各受け台3の傾斜面3Aの下端部に整合して規制される。
【0015】
図2はロック駒の固定状態を示す要部断面図である。図2(A)に示すように、クレーンやフォークリフトを用いて持ち上げられたごみ用コンテナ2が矢印のように台座1に向かって降下を始めると、そのX方向の側面が台座1の4隅に形成された受け台3の傾斜面3Aにガイドされつつ適正位置に降下していく。台座1の表面から受け台3にかけて刻設された収納溝6内には、支軸7によりロック駒4が揺動自在に設置されている。ロック駒4は略L字形を呈しており、台座1の表面に出没する受け部4Aと、受け台3の傾斜面3Aから出没するロック部4Bとから構成される。ロック駒4の重心Gは前記支軸7よりも外側にあって、ロック駒4の受け部4Aを常時台座1の表面から突出露呈する図2(A)の状態に維持させることができる。
【0016】
図2(B)に示すように、ごみ用コンテナ2が降下するに及んで、ごみ用コンテナ2の底面がロック駒4の受け部4Aを台座1の表面から収納溝6内に押し込む。それに伴って、ロック駒4が支軸7を中心に時計方向に揺動し、上端部に形成されたロック部4Bがごみ用コンテナ2の側面のロック溝5に係合する。ロック部4Bは図示のように鉤状に曲折形成されるのを好適とする(後述するように、ロック駒4のロック時に、ごみ用コンテナ2の台座1に対する上方への動きを有効に規制できるため)。符号9は後述するロック駒4のロック状態を維持するロックピンを示す。これにより、ごみ用コンテナ2のY方向(図2の紙面に直交する方向)の動きが効果的に規制されるので、ごみ用コンテナ2が搬送中に台座1上においてX方向およびY方向に盲動することがないので、安全に搬送することが可能となる。
【実施例2】
【0017】
図3はクレーン車に適用されたごみ用コンテナ固定装置の第2実施例を示す全体斜視図である。クレーン車22は自らクレーン作業を行えるクレーンを積載している。該クレーンを使用してごみ用コンテナ2の荷役作業を行う。図示の例では、3つのごみ用コンテナ2が荷台に積載される。本実施例では前述した第1実施例のものにおける台座1が、車両の荷台を構成する。したがって、荷台1の両側にごみ用コンテナ2の数に対応して複数の(図示の例では6個)の対の受け台3が形成される。受け台3におけるロック駒4の構造とロック挙動は前述の実施例と同様なので説明を省略する。ごみ用コンテナ2はフォークリフトにても荷役作業を行えるように、底面近傍にフォークリフト用孔17、17が形成されている。符号15は後述するように複数の各ロック駒4の揺動操作を1つの操作具によって行えるようにした操作摘みを示す。該操作摘み15は台座である荷台1の摘み収納溝16内に収納可能である。
【0018】
これによって、車両走行時のロック時には、操作摘み15が外部に露出しないので、誤って解除操作がなされることはなく安全である。かくして、ごみ用コンテナ2を車両の荷台としての台座1に、自らのクレーン等により容易に吊り上げて、荷台1に簡便に載置固定して搬送することが可能となる。また、図示のように、前記ごみ用コンテナ2の上下移動を拘束する拘束部材29を前記台座1に設置することもできる。この場合には、ごみ用コンテナ2が台座1上にて横方向にずれることを防止できるのはもとより、コンテナ2の搬送中に上下振動等が加わってもコンテナ2の転落等を確実に防止できることとなる。詳述はしないが、ごみ用コンテナ2の側面に設置した係止舌片に台座1上の対応部位に設置したバックルの方形リング等を係止する汎用のバックル機構のものが採用され得る。
【実施例3】
【0019】
図4は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第3実施例を示すもので、ロック駒の変形例の断面図である。本実施例のものは、ロック駒4の形状を自在に設計できるもので、前述の図2にて説明したように、ロック駒4の重心位置と支軸7との位置関係に煩わされることがない。すなわち、ロック駒4に形成した円弧孔4C内にロック駒4の支軸7を位置させ、さらにロック駒4の受け部4Aと台座1の適宜部位を引張り勝手の復帰ばね8にて連結したものである。これにより、ごみ用コンテナ2の底部を受け入れる受け部4A側に重心があるロック駒4であっても、図4の状態のように受け部4Aを常時台座1の表面から突出露呈させておくことができる。しかも、円弧孔4Cの存在によって、ロック駒4のロック状態への挙動を大きくできる(ロック部4Bのごみ用コンテナ2におけるロック溝5内への侵入量が大となる)。
【実施例4】
【0020】
図5は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第4実施例を示すもので、ロックピンの操作例の斜視図および要部斜視図である。本実施例のものを用いて、前述した各実施例のものにおいても備えるロック駒4のロック状態を保持する機構を説明する。図5(A)はごみ用コンテナ2がまだ載置されていない状態を示している。したがって、各ロック駒4は開放状態にある。各ロック駒4の受け部4Aに対応してロックピン9が出没自在に配設される。台座1内の略中央部にはX方向に操作ロッド14がその端部に形成された操作摘み15によって押し引き自在に構成される。その途中には第1節度溝14A(解除時)および第2節度溝14B(ロック時)が刻設されて節度突起23と選択的に係合する。前記操作摘み15は、解除時には台座1の摘み収納溝16から突出露呈し、ロック時には収納される。
【0021】
操作ロッド14の基部および先端部近傍には、それぞれ支軸13を中心として回動自在な三角板11が配設され、それらの各頂点が操作ロッド14およびロックピン9との間を連結するロッド12の端部に軸支される。ごみ用コンテナ2が台座1に載置されると(ごみ用コンテナ2は図示省略)、ロック駒4は図5(B)に示す状態となる。このロック状態において、台座1の内部に設置された横架桟1Aに設けられたピン受筒10内にスライド自在に嵌合されたロックピン9を矢印方向に突出させることで、ロックピン9がロック駒4の受け部4Aを拘束し、ロック駒4が解除されることはない。これによって、台座1上に載置して設置されたごみ用コンテナ2が、横方向のみならず上下方向の盲動も規制されて、脱落等の虞れがなくなる。
【0022】
図5(A)に示すように、前記1つの操作摘み15を台座1の摘み収納溝16に押し込むことによって、操作ロッド14が矢印のように移動し、2つの三角板11、11を回動させる。それにより、三角板11の他の頂点に軸支された各ロッド12を矢印のように移動させる(ロック駒4は図5(B)の状態)ので、ロックピン9がロック駒4の受け部4Aの軌跡内に侵入してロック駒4の解除方向への動きを拘束する。このとき、操作ロッド14の途中に設けられた第2節度溝14B(ロック時)が節度突起23と選択的に係合して、ロックピン9によるロック保持が解除されることはない。
【0023】
かくして、ロック駒4による台座1へのごみ用コンテナ2の固定ロックを1つの操作部材15のワンタッチ動作にて簡便に行うことができる。なお、前記図3の場合は、本実施例とは操作ロッド14(操作摘み15が車両の後端部に位置する)の操作方向とロック駒4の動作方向が90度異なるが、三角板11の回動機構を用いれば(操作ロッド14が2本必要となるが、後述する図7のように連結板を用いて2本の操作ロッド14を1本に集結して操作摘み15を付設する)本実施例のものと同様の挙動が得られることは言うまでもない。
【0024】
なお、好適には、図5(C)に示すように、前記操作摘み15によるロック動作を保持(操作ロッド14における第2節度溝14Bが節度突起23に係合するロック時)する施錠機構30が設けられる。施錠機構30は、開閉自在に台座1にヒンジ支持された蓋状体からなり、摘み収納溝16内に収納された操作摘み15のロック収納位置を施錠機構30の閉扉により強制的に維持させるものである。施錠機構30の内側の鍵爪31を台座1の後面に形成された鍵孔32に挿入の後、施錠鍵により回動ロックするものである。かくして、操作摘み15によるロック状態が妄りに解除されることがないので、コンテナ搬送中の上下振動等による転落等の虞れがなくなる。
【実施例5】
【0025】
図6は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第5実施例を示すもので、2重リンクを用いたロックピンの操作例の斜視図である。本実施例のものは、1つの操作摘み15の操作によって複数のロックピン9のロック操作を行うのに、複数のリンクを接続したリンク機構を用いたものである。操作ロッド14の基部および先端部近傍には、それぞれ各ロックピン9との間を連結する複数のリンク(図示の例では2つ)第1リンク12Aおよび第2リンク12Bを支軸を介して揺動可能に連結したものである。かくして、操作摘み15によるX方向の操作がロックピン9のY方向のロック操作に変換されて、ロックピン9が図示外のロック駒4の受け部4Aを拘束する。節度機構による操作ロッド14の保持機能は前記実施例のものと同様である。
【実施例6】
【0026】
図7は本発明のごみ用コンテナ固定装置の第6実施例を示すもので、カム部材を用いたロックピンの操作例の斜視図である。本実施例のものは、1つの操作摘み15の操作によって複数のロックピン9のロック操作を行うのに、カム部材が用いられる。図7(A)に示すように、操作摘み15が端部に設けられた操作ロッド14の基部および先端部近傍には、それぞれ各ロックピン9との間を連結する連結板19が連結される。連結板19のそれぞれのロックピン9との当接端部にはカム部材18が形成される。1つのカム部材を例にして部分Aの拡大図である図7(B)に示すように、カム部材18は、矢印X方向の移動によってロックピン9を矢印Y方向のロック位置に押し出すところの、厚みが漸増するカム面18Aが形成される。ロックピン9のカム面18Aに接触する側には径大フランジ9Aが形成される。カム部材18にはX方向の長孔20が穿設されており、該長孔20内には前記ロックピン9を解除方向に復帰させる復帰ばね21が張設される。
【0027】
かくして、1つの操作摘み15の操作によって操作ロッド14を矢印のように操作すると、連結板19の各端部に形成されたカム部材18のカム面が復帰ばね21の復元力に抗してロックピン9を矢印方向のロック位置に押し出す。これにより、ロックピン9が図示外のロック駒4の受け部4Aの軌跡内に侵入してロック駒4の解除方向への動きを拘束する。節度機構による操作ロッド14の保持機能は前記実施例のものと同様である。
【実施例7】
【0028】
図8は立体式格納庫のゴンドラに適用されたごみ用コンテナ固定装置の第7実施例を示す全体斜視図である。本実施例のものは、台座1が、無端状に上下に回転搬送される立体式格納庫26のゴンドラ24に設置されたものである。ごみ用コンテナ2、2・・・が多数のゴンドラ24に載置して保管される立体式格納庫26が、地上から地中にかけて設置される。ゴンドラ24は、台座1と該台座1の4隅から起立設置された支持脚28とこれら支持脚28を吊り下げる吊桟25とから構成される。一方、立体式格納庫26の前面および後面には無端状のガイド溝27、27が刻設されており、これらのガイド溝27、27内に移動自在に収納された無端チェーン(図示省略)間に前記ゴンドラ24の吊桟25の両端部が係止される。
【0029】
前記無端チェーンをガイド溝27内に沿って回転移動させることによって、ゴンドラ24を上下に搬送することにより、立体式格納庫26内に多数のごみ用コンテナ2を保管することができる。本実施例では、ゴンドラ24の台座1として、前述した各実施例における受け台3、図示省略のロック駒4、操作ロッド14および操作摘み15とを備えるものを採用したものである。なお、図示の例では、前記ゴンドラ24が無端状に上下に回転搬送される立体式格納庫26に適用されたものであるが、ゴンドラ24が上下のみに搬送される形式のものにも適用されることは言うまでもない。かくして、ごみ用コンテナ2を保管のために立体式格納庫26内で、ゴンドラ24とともに上下方向に搬送する際に、ロック駒4が効果的にごみ用コンテナ2の台座1上での横移動および上下移動を規制でき、ゴンドラ24に対してごみ用コンテナ2を確実に固定することができて安全である。
【0030】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内にて、ごみ用コンテナの台座上への載置形態(フォークリフト、クレーン、ローラコンベア等適宜の形態が採用され得る)、ロック溝(実施例の形状の他、開口部を狭くしてロック駒のロック部を抜けにくくすることもできる)を含むごみ用コンテナの形状(四角箱状が好適であるが、平面視丸形等適宜の形状も採用できる)、形式、受け台の形状(傾斜角度を含むガイド面の形状等)、形式および数、台座の形状(四角箱状が好適であるが、平面視丸形として少なくとも3か所に受け台を設置すればあらゆる横方向の動きを簡便に規制できる)、形式、ロック駒の形状(鋭角の略L字形が好適であるが、C字形等適宜の形状が採用され得る)、形式およびその台座への設置形態(傾斜面を有する受け台から台座表面にかけて形成された収納溝内に揺動自在に設置されるを好適とするが、ガイド機能を省略するなら、受け台がなくてもよい)ならびに数、ロックピンの形状、形式およびロック駒へのロック保持形態、操作摘みの形状、形式および台座への設置形態、節度機構を含む操作ロッドの形状(棒状、板状、ボーデンケーブル等)、形式、操作ロッドの操作によるロックピンのロック操作形態(三角板の回動による連動、2重リンク機構による連動、カム部材による連動の他、歯車機構とロッドの組合せによる連動等も採用され得る)、固定装置を備えた台座が適用される対象(クレーン車の荷台、立体式格納庫のゴンドラの台座、ごみ集積所の床等適宜のものに採用可能である)等は適宜選定できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のごみ用コンテナ固定装置の第1実施例を示すもので、台座へのごみ用コンテナの載置前の斜視図である。
【図2】同、ロック駒の固定状態を示す要部断面図である。
【図3】同、クレーン車に適用されたごみ用コンテナ固定装置の第2実施例を示す全体斜視図である。
【図4】本発明のごみ用コンテナ固定装置の第3実施例を示すもので、ロック駒の変形例の断面図である。
【図5】本発明のごみ用コンテナ固定装置の第4実施例を示すもので、ロックピンの操作例の斜視図および要部斜視図である。
【図6】本発明のごみ用コンテナ固定装置の第5実施例を示すもので、2重リンクを用いたロックピンの操作例の斜視図である。
【図7】本発明のごみ用コンテナ固定装置の第6実施例を示すもので、カム部材を用いたロックピンの操作例の斜視図である。
【図8】本発明のごみ用コンテナ固定装置の第7実施例を示すもので、立体式格納庫のゴンドラに適用された全体斜視図である。
【図9】従来の着脱自在コンテナ全体斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 台座
2 ごみ用コンテナ
3 受け台
3A ガイド面
4 ロック駒
5 ロック溝


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみ用コンテナを台座上に載置して搬送するためのごみ用コンテナ固定装置において、前記ごみ用コンテナの自重により該ごみ用コンテナの側面のロック溝に係合するロック駒を前記台座に設けたことを特徴とするごみ用コンテナ固定装置。
【請求項2】
前記ロック駒の出没方向のごみ用コンテナの載置時の位置をガイドする傾斜ガイド面を有する受け台を台座から起立形成したことを特徴とする請求項1に記載のごみ用コンテナ固定装置。
【請求項3】
前記ごみ用コンテナの上下移動を拘束する拘束部材を前記台座に設置したことを特徴とする請求項1または2に記載のごみ用コンテナ固定装置。
【請求項4】
前記ロック駒によるごみ用コンテナの側面のロック溝への係合状態を保持させるロックピンをロック駒に対して出没自在に設置したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のごみ用コンテナ固定装置。
【請求項5】
前記ロックピンがごみ用コンテナの4隅に対応するロック駒毎に設けられるとともに、これらのロックピンが台座側面に収納された1つの操作摘みにより同時に連動して出没動作するように構成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のごみ用コンテナ固定装置。
【請求項6】
前記操作摘みによるロック動作を保持する施錠機構を前記台座に設置したことを特徴とする請求項5に記載のごみ用コンテナ固定装置。
【請求項7】
前記台座が、クレーン車などの車両の荷台に設置されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のごみ用コンテナ固定装置。
【請求項8】
前記台座が、上下あるいは無端状に回転搬送される立体式格納庫のゴンドラに設置されたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のごみ用コンテナ固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−152966(P2007−152966A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341554(P2005−341554)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(504042317)
【Fターム(参考)】