説明

ざ瘡の治療方法

【課題】従来のざ瘡治療で使用されている全身投与される抗生物質によって生じる望ましくない副作用をほとんど引き起こさないざ瘡の有効な治療法の提供。
【解決手段】治療が必要なヒトのざ瘡の治療方法であって、ビスホスホネート化合物を投与せずに、ざ瘡の治療に有効であるが、実質的に抗生作用のない量のテトラサイクリン化合物を前記ヒトに全身投与する工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ざ瘡の治療が必要なヒトのざ瘡の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
この出願は、2001年4月5日提出の米国仮出願第60/281,916号、及び2001年9月26日提出の米国仮出願第60/325,489号の利益を主張する。両出願は、参照によって本明細書に取り込まれる。
発明の背景
ざ瘡は種々のタイプの病変を特徴とする一般的な病気である。典型的に発症する領域は、皮脂腺が最も大きく、最も数が多く、かつ最も活性な皮膚の領域である。ざ瘡に関連する病変は、通常非炎症性又は炎症性のどちらかとして分類される。
非炎症性病変としては面ぽうが挙げられる。面ぽうは二形態、すなわち開放及び閉塞形態で現れる。面ぽうは、異常な濾胞分化から生じると考えられる。異常な剥離細胞(ケラチノサイト)が濾胞開口部を通じて放出及び漏出されずに著しく粘着性になり、濾胞管内に微小面ぽう又は微視的な過角化栓を形成する。これら微小面ぽうの累進的な蓄積が目に見える面ぽうをもたらす。
【0003】
その最も穏やかな形態では、ざ瘡は、わずかな斑点のある皮膚刺激を特徴とする多かれ少なかれ表層の障害である。このような場合、通常は普通の皮膚の衛生が十分な処置である。しかし、より炎症性タイプのざ瘡、小膿疱;感染嚢胞;及び極端な場合には、疎通性の炎症及び感染嚢が現れる。有効な治療法のないこれらの病変は広範囲にわたるようになり、永続的な外観を損なう傷跡を残す。
微生物、特にプロピオニバクテリウムアクネ(Propionibacterium acnes)は、ざ瘡の病原性に強く関与している。この微生物は、真皮中に炎症の細菌媒介物を放出するか或いは管のケラチノサイトからのサイトカインの放出を誘発すると考えられる。
【0004】
従って、ざ瘡の治療における抗生物質の効力は、有意な部分では、これら微生物の成長及び代謝に及ぼす該抗生物質の直接的な阻害効果によると考えられる。全身投与されるテトラサイクリン抗生物質、特にミノサイクリンハイドロクロライドは、ざ瘡の治療に特に有効である。
テトラサイクリン類は、テトラサイクリンが親化合物である化合物の分類である。テトラサイクリンは、以下の一般構造を有する。
【0005】
【化1】

多環核の数体系は以下の通りである。
【0006】
【化2】

【0007】
テトラサイクリンのみならず、5-ヒドロキシ(オキシテトラサイクリン、例えばテラマイシン)及び7-クロロ(クロロテトラサイクリン、例えばオーレオマイシン)誘導体は天然に存在し、すべて周知の抗生物質である。7-ジメチルアミノテトラサイクリン(ミノマイシン)及び6α-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリン(ドキシサイクリン)のような半合成誘導体も、公知のテトラサイクリン抗生物質である。天然のテトラサイクリンは、その抗生特性を失わずに修飾することができるが、該構造の特定要素はそのまま保持されなければならない。
【0008】
テトラサイクリンの直接的な抗生作用に加え、ざ瘡に及ぼす可能性のある治療効果について、抗生物質テトラサイクリンのさらなる作用が研究されている。
例えば、Elewskiら,J.Amer.Acad.Dermatol.,8:807-812(1983)による研究は、1000mgの1日の全用量で経口投与されるテトラサイクリンから成るざ瘡治療が、抗生効果に加え、治療的な抗−炎症効果を有し得ることを示唆している。特に、テトラサイクリンの抗−炎症効果は、少なくとも部分的に、細菌性走化因子によって誘導される好中球走化性の阻害によることが分かった。
【0009】
Eadyら,J.Invest.Dermatol.,101:86-91(1993)によって行われたさらに最近の研究は、ざ瘡患者の開放性面ぽうのサイトカイン及びミクロフローラ含量に及ぼす経口ミノサイクリン又はテトラサイクリン療法の効果を評価した。投与されるミノサイクリンの1日の全用量は100mgだった。投与されるテトラサイクリンの1日の全用量は1000mgだった。
Eadyらは、この療法が生物活性のIL-1α様の物質及び免疫化学的なIL-1βの生産を上方制御することを見出した。IL-1は、炎症誘発性サイトカインであると考えられる。
Eadyらによれば、1mgの面ぽう体当たりのプロピオニバクテリア数の全体的な減少は見られなかった。しかし、1mgの面ぽう体当たりのプロピオニバクテリア数は、抗生物質療法に応じて減少すると期待されていないことに留意することが重要である。面ぽう内の細菌は、濾胞で被包されているので、それらは抗生物質治療に感受性でない。
【0010】
ざ瘡治療におけるテトラサイクリンの別の考えられる作用は、Bodokh,I.ら,Acta.Derm.Venerol.,77:255-259(1997)によって研究された。彼らの研究は、ざ瘡患者の皮脂性排泄物に及ぼすミノサイクリンの作用の評価を示した。1日用量100mgのミノサイクリンを投与した。脂漏症の無症状性増加が報告された。著者らは、ミノサイクリンが管の閉塞の減少によって脂漏症の増加を誘導すると提唱している。管の閉塞が減少するメカニズムは、管の刺激の減少であると提唱されている。著者らは、管の刺激の減少はミノサイクリンのP.アクネに及ぼす直接的な効果、又はP.アクネによって生成されるリパーゼに及ぼすミノサイクリンの効果によると示唆している。
【0011】
Bodokhらは、治療中、脂漏症の強度とざ瘡の臨床重大度との間には相関関係が存在しないことも見出した。著者らは、相関関係の欠如は、脂漏症がP.アクネの“培養基”なので病原性であることを示していると述べている。従って、著者らが、ミノサイクリンの抗生作用はざ瘡に関して治療的に有意であるとみなしていると結論することができる。
同様に、最近の臨床研究では、少ない抗生物質用量のテトラサイクリンはざ瘡に臨床効果を及ぼさないと報告された。(Cunliffeら,J.Am.Acad.Dermatol.,16:591-9(1987)。)特に、100mgの全体的な1日用量のミノサイクリンと、1.0gの全体的な1日用量のテトラサイクリンが、ざ瘡治療に成功するのに必要なことが分かった。
【0012】
抗生物質の抗生効果は、一般に投与された抗生物質の用量に正比例する。従って、ざ瘡の重症(すなわち炎症性)形態に合わせて、経口抗生物質は、通常高い用量で投与される。例えば、従来のざ瘡治療では、初期用量500〜2,000mg/日で投与され、その後250〜500mg/日の維持用量で投与される。
明らかに、最新技術の教示は、ざ瘡治療で全身投与されるテトラサイクリンの臨床効力は、少なくとも有意な部分では、テトラサイクリンの抗生効果によるということである。その抗生効果に加え、テトラサイクリンは、種々の非抗生物質メカニズムによって、炎症病変(丘疹、小膿疱及び小結節)の数を減らすと提唱されている。このようなメカニズムには、多形核白血球(PMN)の炎症病変中への走化性を妨害すること、PMN誘導コラゲナーゼの阻害、及び常在性炎症細胞によって生成される反応性の酸化的種の捕捉によることが含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
先行技術には、ざ瘡の治療に少ない抗生物質用量の抗生物質テトラサイクリン化合物を使用するか又は非抗生物質テトラサイクリン化合物を使用するという開示はない。
しかし、テトラサイクリン抗生物質の使用は、望ましくない副作用をもたらし得る。例えば、抗生物質テトラサイクリンの長期間投与は、腸内フローラのような健康な微生物フローラを減らし又は除去し、かつ抗生物質耐性生物の生産又は酵母菌及び真菌の過剰成長をもたらし得る。
従って、従来のざ瘡治療で使用されている全身投与される抗生物質によって生じる望ましくない副作用をほとんど引き起こさないざ瘡の有効な治療法が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明の概要
本発明は、ざ瘡の治療が必要なヒトのざ瘡の治療方法を提供する。本方法は、ビスホスホネート化合物を投与せずに、ざ瘡の治療に有効であるが、実質的に抗生作用のない(すなわち、実質的に非抗菌活性)量のテトラサイクリン化合物をヒトに全身投与する工程を含む。
さらに、本発明は、治療が必要なヒトの面ぽうの数を低減し、メラニンの酸化を阻害し、及び/又は脂質関連の異常な濾胞分化を阻害する方法を提供する。これら方法は、その目的のため、例えば、面ぽうの数を減らし、メラニンの酸化を阻害し、及び/又は脂質関連の異常な濾胞分化を阻害するために有効であるが、実質的に抗生作用のない量のテトラサイクリン化合物をヒトに全身投与する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】いくつかのテトラサイクリン化合物の光刺激係数(PIF)を示す。構造Kでは、示されている化合物は以下の通りである。 COL308/R7水素/R8水素/R9アミノ COL311/R7水素/R8水素/R9パルミトアミド COL306/R7水素/R8水素/R9ジメチルアミノ 構造L、M、N又はOでは、示されている化合物は以下通りである。 COL801/R7水素/R8水素/R9アセトアミド COL802/R7水素/R8水素/R9ジメチルアミノアセトアミド COL804/R7水素/R8水素/R9ニトロ COL805/R7水素/R8水素/R9アミノ 構造Pでは、R8が水素で、R9がニトロである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本発明は、ざ瘡の治療方法を提供する。本明細書で使用する場合、用語“ざ瘡”は、丘疹、小膿疱、嚢胞、小結節、面ぽう、及び他の斑点又は皮膚病変を特徴とする皮膚の障害である。これら斑点及び病変は、しばしば皮膚腺の炎症及び毛包脂腺濾胞のみならず、微生物、特に細菌感染を伴う。
この明細書の目的では、ざ瘡は、すべての公知タイプのざ瘡を包含する。いくつかのタイプのざ瘡としては、例えば、尋常性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡、萎縮性ざ瘡、ブロムざ瘡、塩素ざ瘡、集簇性ざ瘡、化粧剤性ざ瘡、洗浄剤ざ瘡、流行性ざ瘡、夏季性ざ瘡、閃光状ざ瘡、ハロゲンざ瘡、硬結性ざ瘡、ヨードざ瘡、ざ瘡ケロイド、機械的ざ瘡、丘疹ざ瘡、ポマードざ瘡、月経前ざ瘡、小膿疱ざ瘡、壊血病性ざ瘡、腺病性ざ瘡、蕁麻疹性ざ瘡、痘瘡状ざ瘡、毒物性ざ瘡、プロピオン酸ざ瘡、擦過性ざ瘡、グラム陰性ざ瘡、ステロイドざ瘡、小節嚢胞ざ瘡及び酒さ性ざ瘡が挙げられる。酒さ性ざ瘡は、炎症病変(紅斑)と血管の永久拡張(末梢血管拡張)を特徴とする。
【0017】
本発明は、特に面ぽうの治療、例えば、面ぽうの数の低減に特に有効である。この発明の方法により、開放性及び閉鎖性の両面ぽうを治療することができる。
本発明を使用して、特定の他タイプのざ瘡型皮膚障害、例えば、口周囲皮膚炎、ざ瘡存在下の脂漏性皮膚炎、グラム陰性毛包炎、皮脂腺機能障害、化膿性汗腺炎、偽毛包炎ひげ(barbae)、又は毛包炎を治療することもできる。
本方法は、その目的のため、例えば、面ぽうの数の低減を含むざ瘡の治療に有効であるが、実質的に抗生作用のない量でヒトにテトラサイクリン化合物を投与することを含む。
【0018】
テトラサイクリン化合物は、抗生物質又は非抗生物質化合物でよい。テトラサイクリン化合物は、上記した一般的なテトラサイクリン構造、又はその誘導体を有する。
抗生物質(すなわち抗菌性)テトラサイクリン化合物のくつかの例としては、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ライムサイクリン及びそれらの製薬的に許容性の塩が挙げられる。ドキシサイクリンは、好ましくはそのヒクラート塩(hyclate salt)として、又は水和物、好ましくは一水和物として投与される。
【0019】
非抗生物質テトラサイクリン化合物は、構造的に抗生物質テトラサイクリンに関連するが、化学的修飾によって実質的又は完全にその抗生作用が除去されている。例えば、非抗生物質テトラサイクリン化合物は、テトラサイクリン又はドキシサイクリンの濃度のそれぞれ少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約25倍の濃度で、テトラサイクリン又はドキシサイクリンの抗生作用に匹敵する抗生作用を達成することができる。
化学的に修飾された非抗生物質テトラサイクリン(CMTs)の例としては、4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-1)、テトラサイクリノニトリル(CMT-2)、6-デメチル-6-デオキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-3)、7-クロロ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-4)、テトラサイクリンピラゾール(CMT-5)、4-ヒドロキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-6)、4-デ(ジメチルアミノ-12α-デオキシテトラサイクリン(CMT-7)、6-デオキシ-5α-ヒドロキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-8)、4-デ(ジメチルアミノ)-12α-デオキシアンヒドロテトラサイクリン(CMT-9)、4-デ(ジメチルアミノ)ミノサイクリン(CMT-10)が挙げられる。
化学的に修飾された非抗生物質テトラサイクリンのさらなる例としては、構造C〜Zが挙げられる。(構造のインデックスを参照せよ。)
【0020】
本発明の目的では、テトラサイクリン誘導体は、いずれのテトラサイクリン誘導体でもよく、参照によって本明細書に取り込まれる、2000年5月18日提出の同時係属米国特許出願第09/573,654号に一般的又は具体的に開示されている化合物が挙げられる。
ヒトに投与されるテトラサイクリン化合物の最少量は、ざ瘡を有効に治療できる最低量である。有効な治療は、ざ瘡に関係する斑点及び病変の低減又は阻害である。テトラサイクリン化合物の量は、微生物、例えば細菌の成長を有意には妨げないような量である。
【0021】
テトラサイクリン化合物の投与量を記述する2つの方法は、日毎の用量、及び血清レベルによる。
例えば、有意な抗生作用を有するテトラサイクリン化合物は、抗生物質用量の10〜80%という用量(すなわち量)で投与することができる。さらに好ましくは、抗生物質テトラサイクリン化合物は、抗生物質用量の40〜70%という用量で投与される。
テトラサイクリンファミリーのメンバーの抗生物質用量のいくつかの例としては、50、75、及び100mg/日のドキシサイクリン;50、75、100、及び200mg/日のミノサイクリン;1日1、2、3、又は4回の250mgのテトラサイクリン;1000mg/日のオキシテトラサイクリン;600mg/日のデメクロサイクリン;及び600mg/日のライムサイクリンが挙げられる。
定常状態の薬物動態学に基づいたテトラサイクリンの最大の非抗生物質用量の例は、以下の通り:ドキシサイクリンでは20mg/1日に2回;1日に1、2、3又は4回の38mgのミノサイクリン;及び1日に1、2、3又は4回の60mgのテトラサイクリンである。
【0022】
好ましい実施形態では、面ぽうの数を減らすため、ドキシサイクリンを約30〜約60mgの1日量で投与されるが、有意な抗生効果の閾値未満にヒト血漿内濃度を維持する。
特に好ましい実施形態では、ドキシサイクリンヒクラート(hyclate)が1日2回20mgの用量で投与される。このような製剤は、商標名Periostat(登録商標)でペンシルバニア州、ニュータウンのCollaGenex Pharmaceuticals,Inc.によって歯周病用に販売されている。
以下の実施例38は、1日に2回投与される20mgのドキシサイクリンヒクラート(hyclate)錠剤を用いた臨床研究の概要を述べている。面ぽうの数の有意な減少が観察された。この面ぽうの数の減少は予想外である。減少は、実施例38における微生物学の結果から見られるように、ドキシサイクリンによる治療が、プラシーボ対照に相対して皮膚のミクロフローラが減少しなかったので、特に予想外である。
【0023】
血清レベルによって記述されるテトラサイクリン化合物の投与量は以下の通りである。
抗生物質テトラサイクリン化合物は、有利には血清テトラサイクリン濃度が最少の抗生物質血清濃度の10〜80%となる量で投与される。この最少の抗生物質血清濃度は、有意な抗生効果を及ぼすことが分かっている最低濃度である。
テトラサイクリンファミリーのメンバーの適切な抗生物質血清濃度のいくつかの例は以下の通りである。
例えば、成人に投与される2個の100mgミノサイクリンHCl錠剤という1回分の用量は、1時間にわたって0.74〜4.45μg/mlの範囲のミノサイクリン血清レベルとなる。平均レベルは2.24μg/mlである。
24時間の間に6時間ごとに投与される250mgのテトラサイクリンHClは、約3μg/mlのピーク血漿濃度をもたらす。24時間の間に6時間ごとに投与される500mgのテトラサイクリンHClは、4〜5μg/mlの血清濃度レベルをもたらす。
【0024】
一実施形態では、テトラサイクリン化合物は、約0.1〜10.0μg/ml、さらに好ましくは0.3〜5.0μg/mlの血清濃度になる量で投与することができる。例えば、ドキシサイクリンは、約0.1〜0.8μg/ml、さらに好ましくは0.4〜0.7μg/mlの血清濃度になる量で投与される。
定常状態の薬物動態学に基づいたテトラサイクリンの血漿抗生物質閾値レベルのいくつかの例は、次の通り:ドキシサイクリンでは1.0μg/ml;ミノサイクリンでは0.8μg/ml;及びテトラサイクリンでは0.5μg/mlである。
非抗生物質テトラサイクリン化合物は、微生物の無差別な死滅、及び抵抗性微生物の出現を回避しながら、抗生物質テトラサイクリンよりも高い量で使用できる。例えば、6-デメチル-6-デオキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-3)は、約40〜約200mg/日の用量、つまり約1.55μg/ml〜約10μg/mlの血清レベルになる量で投与することができる。
特定の場合のテトラサイクリン化合物の実際に好ましい量は、調製される特定の組成物、適用態様、特定の適用部位、及び治療される被験者によって変わるだろう。
【0025】
テトラサイクリン化合物は、該化合物の製薬的に許容性の塩の形態でよい。用語“製薬的に許容性の塩”は、テトラサイクリン化合物と製薬的に許容性の無毒な酸又は塩基から調製される塩を意味する。酸は、テトラサイクリン化合物の無機又は有機酸でよい。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、及びリン酸が挙げられる。有機酸の例としては、カルボン酸及びスルホン酸が挙げられる。有機酸の基は、脂肪族又は芳香族でよい。有機酸のいくつかの例としては、ギ酸、酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(パモン)(embonic(pamoic))酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パンテノン酸、ベンゼンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギニン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グロン酸、アリールスルホン酸、及びガラクツロン酸が挙げられる。適切な有機塩基は、例えば、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、塩素、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプロカインが挙げられる。
【0026】
上述したテトラサイクリン化合物、特にドキシサイクリン及びミノサイクリンは、実質的に抗生効果のない用量で投与した場合、面ぽうの数の低減に予想外に効果的である。好ましくは、低減は、プラシーボ対照より少なくとも約20%多く、さらに好ましくはプラシーボ対照より少なくとも約30%多く、最も好ましくはプラシーボ対照より少なくとも約40%多く、最適にはプラシーボ対照より少なくとも約50%多い。
【0027】
発明者らは、如何なる特定の作動メカニズムも確信しておらず、かつ如何なる特定の作動メカニズムによっても限定されることを望まない。それでも、ドキシサイクリンのようなテトラサイクリンのメラニンの酸化を阻害し、かつ脂質関連の異常な濾胞分化を阻害する能力が、ケラチノサイトが粘着性になるのを妨げることによって、面ぽうの形成を阻害すると考えられる。
好ましくは、テトラサイクリン化合物は、低い光毒性を有するか、又は光毒性が許容できる血清レベルになる量で投与される。光毒性は、化学的に誘導される感光性である。このような感光性は、光、特に紫外線にさらされたとき、皮膚を損傷、例えば日焼け、水疱、加齢、紅斑及び湿疹様病変に感受性にならしめる。テトラサイクリン化合物の好ましい量は、1日の全用量40mgのドキシサイクリンの投与によって生じるより多くない光毒性を生成する。
【0028】
実施例で述べるように、光毒性は光刺激係数(PIF)によって評価できる。約1.0のPIF値は、化合物が測定可能な光毒性を持たないとみなされることを示す。
低い光毒性誘導体は、好ましくは高くて約5、好ましくは高くて約2、さらに好ましくは高くて約1.5、最も好ましくは高くて約1.2、最適には約1のPIF値を有する。
低い光毒性を有するいくつかの抗生物質テトラサイクリン類としては、例えば、ミノサイクリン及びテトラサイクリンが挙げられる。
低い光毒性を有するいくつかの非抗生物質テトラサイクリン類としては、限定するものではないが、以下の一般式を有するテトラサイクリン化合物が挙げられる。
構造K
(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
水素 水素 アミノ
水素 水素 パルミトアミド
水素 水素 ジメチルアミノ)
及び
構造L 構造M
構造N 構造O
(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
水素 水素 アセトアミド
水素 水素 ジメチルアミノアセトアミド
水素 水素 ニトロ
水素 水素 アミノ)
及び
構造P
(式中、まとめてR8、及びR9は、それぞれ水素及びニトロである。)
【0029】
テトラサイクリン化合物は、ビスホスホネート化合物を投与せずに投与される。ビスホスホネート化合物は、無機ピロホスホン酸に関連する。ビスホスホネートとしては、非限定例として、アレンドロネート(alendronate)((4-アミノ-1-ヒドロキシブチリデン)ビスホスホン酸)、クロドロネート(clodronate)(ジクロロメタンジホスホン酸)、エチドロネート(etidronate)((1-ヒドロキシエチリデン)ジホスホン酸)及びパミドロネート(pamidronate)((3-アミノ-1-ヒドロキシプロピリデン)ビスホスホン酸);またリセドロネート(risedronate)([-ヒドロキシ-2-(3-ピリジニル)エチリデン]ビスホスホン酸)、チルドロネート(tiludronate)、すなわちチルドロン酸(tiludronic acid)([(4-クロロフェニル)チオ]メチレン)ビスホスホン酸)及びゾレンドロネート(zolendronate)が挙げられる。
【0030】
テトラサイクリン化合物は、例えば、全身投与してよい。この明細書の目的では、“全身投与”は、血流中に化合物を吸収させる方法によるヒトへの投与を意味する。
例えば、テトラサイクリン化合物は、技術的に公知のいずれの方法によっても経口投与することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエハース、チューインガム等によって経口投与することができる。
さらに、テトラサイクリン化合物を経腸的又は腸管外投与することができ、例えば、静脈内;筋肉内;注射用溶液若しくは懸濁液として皮下的;腹腔内;又は直腸投与することができる。例えば、鼻腔内スプレーの形態で鼻腔内;又は例えばパッチの形態で経皮的に投与することもできる。
【0031】
上述の医薬目的で、本発明のテトラサイクリン化合物は、本技術の熟練家に理解されるように、それ自体で、任意に適切な製薬キャリヤー(媒体)又は賦形剤と共に医薬品を調製することができる。これら製剤は従来の化学的方法に従って製造することができる。
経口用途の錠剤の場合、普通用いられるキャリヤーとしては、ラクトース及びコーンスターチが挙げられ、通常ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤が添加される。カプセル状の経口投与では、有用なキャリヤーとして、ラクトース及びコーンスターチが挙げられる。キャリヤー及び賦形剤のさらなる例として、ミルク、糖、特定タイプのクレー、ゼラチン、ステアリン酸若しくはその塩、ステアリン酸カルシウム、タルク、植物脂肪若しくは油、ゴム及びグリコールが挙げられる。
【0032】
経口投与のために水性懸濁液を用いる場合、通常乳化剤及び/又は懸濁剤を添加する。さらに、経口組成物に甘味及び/又は香味剤を添加してよい。
筋肉内、腹腔内、皮下及び静脈内用途では、テトラサイクリン化合物の無菌溶液を使用することができ、かつ溶液のpHを適宜調整して緩衝させることができる。静脈内用途では、溶質の全濃度を調節して製剤に等張性を与えることができる。
本発明のテトラサイクリン化合物は、さらにミョウバン、安定剤、緩衝液、着色剤、香味剤などのような1種以上の製薬的に許容性の添加成分を含むことができる。
テトラサイクリン化合物を間欠的に投与してもよい。例えば、1日に1〜6回、好ましくは1日に1〜4回テトラサイクリン化合物を投与することができる。
【0033】
代わりに、テトラサイクリン化合物を徐放投与することができる。徐放投与は、特定の時間にわたって薬物の特定レベルを達成するための薬物送達の方法である。レベルは、典型的に血清濃度で測定される。徐放によってテトラサイクリン化合物を送達する方法のさらなる詳細は、2001年4月5日に提出され、ペンシルバニア州ニュータウンのCollaGenex Pharmaceuticals,Inc.に譲渡されている特許出願“テトラサイクリン及びテトラサイクリン誘導体の制御送達”に記載されている。上記出願は、参照によってその全体が本明細書に取り込まれる。例えば、40mgのドキシサイクリンを24時間にわたって徐放投与することができる。
【0034】
テトラサイクリン化合物が非抗生物質テトラサイクリン化合物である実施形態では、投与は局所適用を含むことができる。特定の非抗生物質テトラサイクリン化合物、例えばCMT-5は、制限された生体内分布しか持っていない。このような場合、局所適用が該化合物の投与の好ましい方法である。
局所用途に適すると考えられるキャリヤー組成物としては、ゲル、膏薬、ローション、クリーム、軟膏などが挙げられる。非抗生物質テトラサイクリン化合物は、直接皮膚に適用できる支持基材又はマトリックス等と共に取り込むこともできる。
非抗生物質テトラサイクリン化合物の局所適用は、ヒトに有意な毒性を生じさせずに、ざ瘡を治療するのに有効である。例えば、媒体中約25%(w/v)までの量が効果的である。約0.1%〜約10%の量が好ましい。
【0035】
本発明では、テトラサイクリン化合物の局所及び全身投与を組合せ又は協調させた投与も考えられる。例えば、非吸収性の非抗生物質テトラサイクリン化合物は局所的に投与することができ、人体内で実質的な吸収と有効な全身分布が可能なテトラサイクリン化合物は、全身投与することができる。
テトラサイクリン化合物は、技術的に公知の方法で調製される。例えば、天然のテトラサイクリンは、その抗生特性を失わずに修飾することができるが、該構造の特定要素は保持されなければならない。基礎的なテトラサイクリン構造に行える修飾と行えない修飾については、Mitshcerによって、The Chemistry of Tetracyclines,Chapter 6,Marcel,Publishers,New York(1978)でレビューされている。Mitshcerによれば、テトラサイクリン環系の位置5〜9の置換基は、抗生特性を完全に失わずに修飾し得る。しかし、基礎的な環系に対する変更又は位置1〜4及び10〜12の置換基の置換は、一般に、実質的に低いか又は有効な抗生作用のない合成テトラサイクリンをもたらす。
テトラサイクリン化合物のさらなる調製方法については、実施例で述べる。
【実施例】
【0036】
実施例
以下の実施例は、本発明のさらなる理解を与えるために役立つが、いかなる場合にも本発明の有効な範囲を制限するものではない。
化合物の調製
実施例1
4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ニトロテトラサイクリンスルフェート
0℃の25mlの濃硫酸中1ミリモルの4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンの溶液に1.05mmoleの硝酸カリウムを添加した。生成した溶液を氷浴温度で15分間撹拌し、1リットルの撹拌冷エーテルに注いだ。沈殿固体を安定させ、溶媒の大部分をデカントした。残存物質を焼結ガラスロートを通じてろ過し、集めた固体を冷エーテルでよく洗浄した。生成物を真空デシケーター内で一晩中乾燥させた。
【0037】
実施例2
9-アミノ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
30mlのエタノール中、実施例1の9-ニトロ化合物300mgの溶液に50mgのPtO2を添加した。混合物を理論量の水素が吸収されるまで、大気圧で水素化した。系に窒素を流し、触媒PtO2をろ過し、ろ液を一滴ずつ300mlのエーテルに添加した。分離した生成物をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0038】
実施例3
9-アセトアミド-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
2.0mlの1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン中、実施例2の9-アミノ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート500mgのよく撹拌した冷溶液に、500mgの炭酸水素ナトリウム、次いで0.21mlの塩化アセチルを添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、ろ過し、ろ液を500mlのエーテルに一滴ずつ添加した。分離した生成物をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0039】
実施例4
4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンスルフェート
氷浴内で冷却されたメタノール内の10mlの0.1N塩酸中、実施例2の9-アミノ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート0.5gの溶液に、0.5mlの亜硝酸n-ブチルを添加した。溶液を氷浴温度で30分間撹拌してから、250mlのエーテル中に注いだ。分離した生成物をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0040】
実施例5
9-アジド-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
10mlの0.1Nメタノール性塩酸中、実施例4の4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンスルフェートの0.3mmole溶液に、0.33mmoleのナトリウムアジドを添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を200mlのエーテル中に注いだ。分離した生成物をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0041】
実施例6
9-アミノ-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
実施例4の9-アジド-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンハイドロクロライド1gを、0℃のHCLで飽和している10mlの濃硫酸に溶かした。混合物を氷浴温度で1.5時間撹拌してから500mlの冷エーテルに一滴ずつゆっくり添加した。分離した生成物をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0042】
実施例7
4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-エトキシチオカルボニルチオ-テトラサイクリンスルフェート
15mlの水中、実施例4の4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンスルフェートの1.0mmole溶液を、15mlの水中1.15mmoleのエチルキサントゲン酸カリウムの溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。分離した生成物をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0043】
実施例8A
(ニトロ化の一般的な手順)
0℃の25mlの濃硫酸中1mmoleの4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンに、1mmoleの硝酸カリウムを撹拌しながら添加した。反応溶液を15分間撹拌してから100gの割氷中に注いだ。水溶液を各回20mlのブタノールで5回抽出した。ブタノール抽出液を各回10mlの水で3回洗浄し、体積25mlまで真空中濃縮した。沈殿した明黄色の結晶性固体をろ過し、2mlのブタノールで洗浄し、60℃で2時間真空中乾燥させた。この固体は、2つのモノニトロ異性体の混合物だった。
【0044】
実施例8B
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-9-ニトロテトラサイクリン
25mlのメタノール中、4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリン(2異性体の混合物)からのニトロ化生成物980mgに十分なトリエチルアミンを添加して固体を溶かした。ろ過溶液(pH9.0)を濃硫酸でpH5.2に調整した。結晶性の黄色固体(236mg)を得た(収率29%)。この時点でこの物質はかなり純粋で、少量の7-異性体を含有するだけだった。最終的な精製は、珪藻土充填カラムと、溶剤系:クロロホルム:ブタノール:0.5Mリン酸緩衝液(pH2)(16:1:10)を用いて液体分配クロマトグラフィーによって行った。
【0045】
実施例9
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-7-ニトロテトラサイクリン
実施例8のメタノールろ液を即座に濃硫酸でpH1.0に調整した。明黄色の結晶性固体が硫酸塩として得られた。この硫酸塩の水溶液(25mg/ml)を、2Nの炭酸ナトリウムでpH5.2に調整して精製遊離塩基を得た。
【0046】
実施例10
9-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリン
30mlのエタノール中、実施例8で調製した9-ニトロ化合物300mgの溶液に、50mgのPtO2を添加した。混合物を理論量の水素が吸収されるまで大気圧で水素化した。系に窒素を流し、PtO2触媒をろ過し、ろ液を300mlのエーテルに一滴ずつ添加した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0047】
実施例11
9-アセトアミド-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
2.0mlの1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン中、実施例10の9-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート500mgのよく撹拌した冷溶液に、500mgの炭酸水素ナトリウム、次いで0.21mlの塩化アセチルを添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、ろ過し、ろ液を500mlのエーテルに一滴ずつ添加した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0048】
実施例12
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンスルフェート
氷浴内で冷却されたメタノール内の10mlの0.1N塩酸中、実施例10の9-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート0.5gの溶液に、0.5mlの亜硝酸n-ブチルを添加した。溶液を氷浴温度で30分間撹拌してから、250mlのエーテル中に注いだ。分離した固体をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0049】
実施例13
9-アジド-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
10mlの0.1Nメタノール性塩酸中、実施例12の4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンスルフェートの0.3mmole溶液に、0.33mmoleのナトリウムアジドを添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を200mlのエーテル中に注いだ。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0050】
実施例14
9-アミノ-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
実施例13の9-アジド-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンハイドロクロライド1gを、0℃のHCLで飽和している10mlの濃硫酸に溶かした。混合物を氷浴温度で1.5時間撹拌してから500mlの冷エーテルに一滴ずつゆっくり添加した。分離した固体をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0051】
実施例15
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-9-エトキシチオカルボニルチオテトラサイクリンスルフェート
15mlの水中、実施例12の4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンスルフェートの1.0mmole溶液を、15mlの水中1.15mmoleのエチルキサントゲン酸カリウムの溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0052】
実施例16
9-ジメチルアミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
10mlのエチレングリコールモノメチルエーテル中、実施例10の9-アミノ化合物100mgの溶液に、0.05mlの濃硫酸、0.4mlの40%水性ホルムアルデヒド溶液及び炭素上の10%パラジウム触媒100mgを添加した。混合物を大気圧及び室温下20分間水素化した。触媒をろ過し、ろ液をエバポレートして減圧下乾燥させた。残渣を5mlのメタノールに溶かし、この溶液を100mlのエーテルに添加した。分離した生成物をろ過し、乾燥させて98mgを得た。
【0053】
実施例17
7-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリン
この化合物は、手順A又はBで調製できる。手順A.30mlのエタノール中、実施例1の7-ニトロ化合物300mgの溶液に50mgのPtO2を添加した。混合物を理論量の水素が吸収されるまで、大気圧で水素化した。系に窒素を流し、触媒PtO2をろ過し、ろ液を一滴ずつ300mlのエーテルに添加した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
手順B.1gの6-デオキシ-4-デジメチルアミノ-テトラサイクリンを7.6mlのTHFと10.4mlのメタンスルホン酸に-10℃で溶かした。混合物を0℃まで温めた後、0.86gのジベンジルアゾジカルボキシレートの溶液を添加し、混合物を0℃で2時間撹拌して7-[1,2-ビス(カルボベンジルオキシ)ヒドラジノ]-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンを得た。この物質1ミリモルの70mlの2-メトキシエタノール中の溶液と、300mgの10%Pd-Cを室温で水素化し、7-アミノ-6-デオキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリンを得た。
【0054】
実施例18
7-アミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン
1gの6-デオキシ-5-ヒドロキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン3を7.6mlのTHF及び10.4mlのメタンスルホン酸に-10℃で溶かした。混合物を0℃まで温めた後、0.5mlのTHF中0.86gのジベンジルアゾジカルボキシレートの溶液を添加し、混合物を0℃で2時間撹拌して7-[1,2-ビス(カルボベンジルオキシ)ヒドラジノ]-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンを得た。この物質1ミリモルの70mlの2-メトキシエタノール中の溶液と、300mgの10%PPd-Cを室温で水素化し、7-アミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンを得た。
【0055】
実施例19
7-アセトアミド-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート
2.0mlの1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン中、実施例18の7-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート500mgのよく撹拌した冷溶液に、500mgの炭酸水素ナトリウム、次いで0.21mlの塩化アセチルを添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、ろ過し、ろ液を500mlのエーテルに一滴ずつ添加した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0056】
実施例20
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシ-7-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライド
氷浴内で冷却されたメタノール内の10mlの0.1N塩酸中、実施例20の7-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート0.5gの溶液に、0.5mlの亜硝酸n-ブチルを添加した。溶液を氷浴温度で30分間撹拌してから、250mlのエーテル中に注いだ。分離した固体をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0057】
実施例21
7-アジド-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリン
10mlの0.1Nメタノール性塩酸中、実施例20の4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシ-7-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライドの0.3mmole溶液に、0.33mmoleのナトリウムアジドを添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を200mlのエーテル中に注いだ。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0058】
実施例22
7-アミノ-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート
実施例21の7-アジド-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート1gを、0℃の10mlの濃硫酸(予め塩酸で飽和されている)に溶かした。混合物を氷浴温度で1.5時間撹拌してから500mlの冷エーテルに一滴ずつゆっくり添加した。分離した固体をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0059】
実施例23
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシ-7-エトキシチオカルボニルチオテトラサイクリン
15mlの水中、実施例20の4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシ-7-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライドの1.0mmole溶液を、15mlの水中1.15mmoleのエチルキサントゲン酸カリウムの溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0060】
実施例24
7-ジメチルアミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート
10mlのエチレングリコールモノメチルエーテル中、7-アミノ化合物100mgの溶液に、0.05mlの濃硫酸、0.4mlの40%水性ホルムアルデヒド溶液及び炭素上の10%パラジウム触媒100mgを添加した。混合物を大気圧及び室温下20分間水素で還元した。触媒をろ過し、ろ液をエバポレートして減圧下乾燥させた。残渣を5mlのメタノールに溶かし、この溶液を100mlのエーテルに添加した。分離した生成物をろ過し、乾燥させて78mgを得た。
【0061】
実施例25
7-ジエチルアミノ-4-デジメチルアミノ-5-ヒドロキシテトラサイクリンスルフェート
10mlのエチレングリコールモノメチルエーテル中、7-アミノ化合物100mgの溶液に、0.05mlの濃硫酸、0.4mlのアセトアルデヒド及び炭素上の10%パラジウム触媒100mgを添加した。混合物を大気圧及び室温下20分間水素で還元した。触媒をろ過し、ろ液をエバポレートして減圧下乾燥させた。残渣を5mlのメタノールに溶かし、この溶液を100mlのエーテルに添加した。分離した生成物をろ過し、乾燥させた。
【0062】
実施例26
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-7-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライド 氷浴内で冷却されたメタノール内の10mlの0.1N塩酸中、実施例17の7-アミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート0.5gの溶液に、0.5mlの亜硝酸n-ブチルを添加した。溶液を氷浴温度で30分間撹拌してから、250mlのエーテル中に注いだ。分離した固体をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0063】
実施例27
7-アジド-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリン
10mlの0.1Nメタノール性塩酸中、実施例26の4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-7-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライドの0.3mmole溶液に、0.33mmoleのナトリウムアジドを添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を200mlのエーテル中に注いだ。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0064】
実施例28
7-アミノ-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
7-アジド-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート1gを、0℃の10mlの濃硫酸(予め塩酸で飽和されている)に溶かした。混合物を氷浴温度で1.5時間撹拌してから500mlの冷エーテルに一滴ずつゆっくり添加した。分離した固体をろ過し、エーテルで洗浄し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0065】
実施例29
4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-7-エトキシチオカルボニルチオテトラサイクリン
15mlの水中、実施例26の4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-7-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライドの1.0mmole溶液を、15mlの水中1.15mmoleのエチルキサントゲン酸カリウムの溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0066】
実施例30
7-ジメチルアミノ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシテトラサイクリンスルフェート
10mlのエチレングリコールモノメチルエーテル中、実施例26の7-アミノ化合物100mgの溶液に、0.05mlの濃硫酸、0.4mlの40%水性ホルムアルデヒド溶液及び炭素上の10%パラジウム触媒100mgを添加した。混合物を大気圧及び室温下20分間水素で還元した。触媒をろ過し、ろ液をエバポレートして減圧下乾燥させた。残渣を5mlのメタノールに溶かし、この溶液を100mlのエーテルに添加した。分離した生成物をろ過し、乾燥させた。
【0067】
実施例31
9-アセトアミド-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デオキシ-6-デメチルテトラサイクリン
2.0mlの1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン中、実施例6の9-アミノ-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-6-デメチル-7-ジメチルアミノテトラサイクリンスルフェート500mgのよく撹拌した冷溶液に、500mgの炭酸水素ナトリウム、次いで0.21mlの塩化アセチルを添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、ろ過し、ろ液を500mlのエーテルに一滴ずつ添加した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0068】
実施例32
8-クロロ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デオキシ-6-デメチル-9-エトキシチオカルボニルチオテトラサイクリン
15mlの水中、-8-クロロ-4-デジメチルアミノ-6-デオキシ-6-デメチル-7-ジメチルアミノ-9-ジアゾニウムテトラサイクリンハイドロクロライドの1.0mmole溶液を、15mlの水中1.15mmoleのエチルキサントゲン酸カリウムの溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。分離した固体をろ過し、真空デシケーター内で乾燥させた。
【0069】
実施例33
8-クロロ-9-ジメチルアミノ-4-デジメチルアミノ-7-ジメチルアミノ-6-デオキシ-6-デメチルテトラサイクリンスルフェート
10mlのエチレングリコールモノメチルエーテル中、実施例6の9-アミノ化合物100mgの溶液に、0.05mlの濃硫酸、0.4mlのアセトアルデヒド及び炭素上の10%パラジウム触媒100mgを添加した。混合物を大気圧及び室温下20分間水素で還元した。触媒をろ過し、ろ液をエバポレートして減圧下乾燥させた。残渣を5mlのメタノールに溶かし、この溶液を100mlのエーテルに添加した。分離した生成物をろ過し、乾燥させた。
【0070】
実施例34
N-(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル-4-デジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリン
58mg(37%)のホルムアルデヒド(0.72mmol)の水溶液を、5.0mlのエチレングリコールジメチルエーテル中の4-デジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリン203mg(0.49mmol)溶液に添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。56mg(0.56mmol)の1-メチルピペラジンを添加し、生成混合物を一晩中撹拌し、20分間還流させた。混合物を冷却し、固体生成物をろ過で集めた。固体生成物を溶媒で洗浄し、真空ろ過によって乾燥させた。
【0071】
実施例35
N-(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル-4-デジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ヘキサノイルアミノテトラサイクリン
49mgの37%ホルムアルデヒド(0.60mmol)の水溶液を、5.0mlのエチレングリコールジメチルエーテル中の4-デジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ヘキサノイルアミノテトラサイクリン146mg(0.30mmol)溶液に添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。60mg(0.60mmol)の1-メチルピペラジンを添加し、生成混合物を一晩中撹拌し、20分間還流させた。混合物を冷却し、固体生成物をろ過で集めた。固体生成物を溶媒で洗浄し、真空ろ過によって乾燥させた。
【0072】
実施例36
4-デジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシ-9-ヘキサノイルアミノテトラサイクリン 1.54g(7.2mmol)の無水ヘキサン酸及び150mgの10%Pd/C触媒を、6.0mlの1,4-ジオキサン及び6.0mlのメタノール中300mg(0.72mmol)の4-デジメチルアミノ-6-デメチル-6-デオキシテトラサイクリンに添加した。混合物を室温で一晩中水素化した。触媒をろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣を7mlの酢酸エチルに溶かし、50mlのヘキサンで滴定して固体生成物を得た。固体生成物をろ過し、真空ろ過で乾燥させた。
【0073】
実施例37
光毒性の決定
BALB/c 3T3(CCL-163)細胞をATCCから得、L-グルタミン(4mM)及び10%新生子ウシ血清で補充された、抗生物質のないダルベッコの最少必須培地(4.5g/lグルコース)(DMEM)で培養した。作業用セルバンク(cell bank)を調製し、マイコプラズマがないことが分かった。96-ウェルプレート内の試験品で細胞を処理した後、ストレプトマイシンスルフェート(100μg/ml)及びペニシリン(100IU/ml)を培地に添加した。
【0074】
DMSO中100倍の濃度から最終的な試験濃度でテトラサイクリン誘導体の系列的な希釈物を調製した。DMSO中のCMT希釈物を細胞に適用するためハンクス液(Hank's balanced salt solution(HBSS))に希釈した。最終的なDMSO濃度は、処理及び対照培養で1%だった。用量範囲発見検定では、8系列の希釈物は半ログ工程の100〜0.03mg/mlの範囲をカバーし、決定的な検定は、予測された50%の毒性点に集中している1/4ログ工程で調製される6〜8用量を使用した。多くの場合、UV光なしで処理するための用量範囲は、UV光ありで選択される用量範囲とは異なった。投与溶液によるUV吸収に原因する偽陰性の結果を防ぐために推奨される最高の用量は、100μg/mlだった。
【0075】
対照:各検定は、負(溶媒)及び正の両対照を含んだ。各96-ウェルプレート上で12ウェルの負対照培養を使用した。正の対照としてクロルプロマジン(Sigma)を用い、調製して試験テトラサイクリン誘導体と同様に投与した。
【0076】
ソーラーシミュレーター:UVA H1フィルター(320〜400nm)を備えたDermalight SOL 3ソーラーシミュレーターを適切な高さに調整した。96-ウェル微量定量プレートの蓋を貫くエネルギーの測定は、較正されたUVラジオメーターUVAセンサーを用いて行った。シミュレーターの高さを調整して、1.7±0.1m/Wcm2のUVAエネルギーを送達した(結果の線量は、10分当たり1J/cm2だった)。
【0077】
光毒性検定:各試験物質につき、処理前に完全培地24時間のμlでウェル毎に104個の3T3細胞を接種して二通りのプレートを調製した。処理前に、培地を除去し、細胞を125μlの予熱HBSSで1回洗浄した。50μlの予熱HBSSを各ウェルに添加した。50μlの試験品希釈物を適宜のウェルに加え、プレートを約1時間インキュベーターに戻した。1時間のインキュベーション後、光刺激検定用に指定したプレートを1.7±0.1mW/cm2UVA光に50±2分間室温でさらすと5J/cm2の照射線量になった。細胞毒性検定用に指定した二通りのプレートは、暗所で室温に50±2分間維持した。50分の露光時間後、試験品希釈物をプレートからデカントし、125μlのHBSSで細胞を1回洗浄した。100μlの培養液をすべてのウェルに添加し、24±1時間上述したように細胞をインキュベートした。
24時間のインキュベーション後、培養液をデカントし、ニュートラルレッド含有培養液100μlを各ウェルに添加した。プレートをインキュベーターに戻し、約3時間インキュベートした。3時間後、培養液をデカントし、各ウェルを250μlのHBSSで1回すすいだ。プレートをブロットしてHBSSを除去し、100μlのニュートラルレッド溶媒を各ウェルに添加した。室温での最少20分のインキュベーション(振とうしながら)後、550nmにおける吸光度を、基準としてブランク外部ウェルの平均を用いてプレートリーダーで測定した。試験品及び正の対照処理グループによって吸収されたニュートラルレッドの量を、同一プレート上の負のグループによって吸収されたニュートラルレッドと比較することで、相対生存率を得た。可能な時はいつもUVA露光及び非露光の両グループのIC50値を決定した。各テトラサイクリン誘導体及び対照化合物について1回の用量範囲発見及び少なくとも2回の決定的な試験を行った。
光毒性の決定:テトラサイクリン誘導体の光毒性は、その光刺激係数(PIF)によって測定することができる。PIFは、UVA無しのIC50[IC50(-UVA)]をUVA有りのIC50[IC50(+UVA)]と比較して決定した。
PIF=IC50(-UVA)/IC50(+UVA)
両IC50値を決定できる場合、光毒薬と非光毒薬を区別するための該係数のカットオフ値は、係数5である。5より大きい係数は、試験物質の光毒性の可能性の指標である。
IC50(+UVA)は決定できるが、IC50(-UVA)は決定できない場合、PIFは計算できないが、試験した化合物は数レベルの光毒性の可能性を有するだろう。この場合、“>PIF”を計算することができ、最高の試験可能用量(-UVA)を“>PIF”の計算に使用する。
>PIF=最大用量(-UVA)/IC50(+UVA)
試験した最高用量まで、化学的用量が細胞毒性(生存度の50%減少)を示さないため、IC50(-UVA)とIC50(+UVA)を両方とも計算できない場合、これは光毒性の可能性が無いことを示しているだろう。
【0078】
実施例38
中程度のざ瘡治療のため1日2回投与されるドキシサイクリンヒクラート(Hyclate) 20mg(Dermastat)錠剤の効果
研究の設計
・多中心、無作為化二重盲検、プラシーボ対照化;
・60名の患者登録(30名のドキシサイクリンと30名のプラシーボ);
・6カ月の研究期間;
・患者は1日2回、約12時間あけて薬物を受ける(プラシーボと薬物は、同一の外観である。)
【0079】
包含基準
・中程度の顔面ざ瘡のある健康な思春期後の男女(年齢≧18):
− 面ぽう6〜200;
− 炎症病変10〜75(丘疹及び小膿疱、5以下の小結節);
・女性は妊娠していないことを調べ、授乳中でなく;
・女性は適切な受胎調節を維持し;
・患者は、インフォームド・コンセントフォームに署名し;
・ベースライン前6カ月間はアクタン(Accutane)処理なし。
【0080】
排除基準
・ベースライン前6カ月又は研究中のホルモン不妊法の使用;
・ベースライン6週間以内又は研究中の局所ざ瘡治療法の使用;
・ベースライン6週間以内又は研究中の全身抗生物質の使用;
・ベースライン90日以内の治験薬の使用;
・研究中の何らかのざ瘡治療法の使用。
【0081】
研究手順
・患者は、ベースラインと、2、4、及び6カ月に臨床医に報告し;
・ざ瘡数をベースライオンと2、4、6カ月に記録し;
・患者の自己評価及び臨床医の評価(ベースライン、2、4、及び6カ月);
・ベースラインと2、4、及び6カ月に顔面写真;
・ベースラインと2及び4カ月に薬物調剤;
・ベースラインと2、4、及び6カ月に有害事象記録;
・ベースライン及び6カ月に微生物学的サンプリング;
・ベースライン及び6カ月に臨床検査。
【0082】
評価
効力:
− 丘疹及び小膿疱の病変数の変化
− 面ぽう数の変化
− 全病変数(面ぽう及び炎症性病変)の変化
微生物学:
− グループ間の皮膚フローラの減少
− グループ間の抵抗性数の増加
【0083】
効力の結果
Dermastatによる6カ月の治療の結果は以下の通り:i)プラシーボの面ぽうの10.6%減少に比べて面ぽうの53.6%の減少(p<0.05);ii)プラシーボの炎症性病変の30.2%減少に比べて炎症性病変の50.1%の減少(p<0.01);及びiii)プラシーボの炎症性病変の17.5%減少に比べて全病変数の52.3%の減少(p<0.05)。
【0084】
微生物学の結果
プラシーボと比較した場合、Dermastatによる6カ月の治療は、皮膚のミクロフローラ(プロピオニバクテリウムアクネを含む)を減少させず、抵抗性数の増加もなかった。
従って、現在本発明の好ましい実施形態と考えられるものについて述べてきたが、本技術の当業者は、本発明の精神から逸脱せずに、他のさらなる実施形態を構成できることを理解し、かつここで述べる請求項の真の範囲内に入るようなすべてのさらなる修正及び変更を包含することを意図している。
【0085】
構造のインデックス
【化3】

式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジアゾニウム、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;Rは、水素又は低級アルキルであり;及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;但し、以下の条件を有する:R7とR9のどちらかが水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-a、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン、ジメチルアミノ又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-aがメチル、R6とR9が両方とも水素、R5がヒドロキシルであり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンである;及びR6-aがメチル、R6がヒドロキシル、R5、R7及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-a、R6及びR5がすべて水素、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-aがメチル、R6が水素、R5がヒドロキシル、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-aがメチル、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7がシアノの場合、R8はハロゲンでなければならない。
【0086】
【化4】

式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R4は、NOH、N-NH-A、及びNH-A(式中、Aは低級アルキル基である)から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;Rは、水素又は低級アルキルであり;及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;但し、以下を条件を有する:R4がNOH、N-NH-アルキル又はNH-アルキルであり、かつR7、R6-a、R6、R5、及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR4がNOH、R6-aがメチル、R6が水素又はヒドロキシル、R7がハロゲン、R5とR9が両方とも水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR4がN-NH-アルキル、R6-aがメチル、R6がヒドロキシルであり、かつR7、R5、R9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR4がNH-アルキル、R6-a、R6、R5及びR9がすべて水素であり、R7が水素、アミノ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ又はヒドロキシルの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR4がNH-アルキル、R6-aがメチル、R6とR9が両方とも水素、R5がヒドロキシルであり、かつR7がモノ(低級アルキル)アミノ又はジ(低級アルキル)アミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR4がNH-アルキル、R6-aがメチル、R6がヒドロキシ又は水素であり、かつR7、R5、及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない。
【0087】
一般式(I)
【化5】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
アジド 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アジド
水素 水素 アミノ
水素 水素 アジド
水素 水素 ニトロ
ジメチルアミノ 水素 アミノ
アシルアミノ 水素 水素
水素 水素 アシルアミノ
アミノ 水素 ニトロ
水素 水素 (N,N-ジメチル)グリシルアミノ
アミノ 水素 アミノ
水素 水素 エトキシチオカルボニルチオ
ジメチルアミノ 水素 アシルアミノ
ジメチルアミノ 水素 ジアゾニウム
ジメチルアミノ クロロ アミノ
水素 クロロ アミノ
アミノ クロロ アミノ
アシルアミノ クロロ アシルアミノ
アミノ クロロ 水素
アシルアミノ クロロ 水素
モノアルキルアミノ クロロ アミノ
ニトロ クロロ アミノ
ジメチルアミノ クロロ アシルアミノ
ジメチルアミノ クロロ ジメチルアミノ
ジメチルアミノ 水素 水素
水素 水素 ジメチルアミノ);
及び
【0088】
一般式(II)
【化6】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
アジド 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アジド
水素 水素 アミノ
水素 水素 アジド
水素 水素 ニトロ
ジメチルアミノ 水素 アミノ
アシルアミノ 水素 水素
水素 水素 アシルアミノ
アミノ 水素 ニトロ
水素 水素 (N,N-ジメチル)グリシルアミノ
アミノ 水素 アミノ
水素 水素 エトキシチオカルボニルチオ
ジメチルアミノ 水素 アシルアミノ
水素 水素 ジアゾニウム
水素 水素 ジメチルアミノ
ジアゾニウム 水素 水素
エトキシチオカルボニルチオ 水素 水素
ジメチルアミノ クロロ アミノ
アミノ クロロ アミノ
アシルアミノ クロロ アシルアミノ
水素 クロロ アミノ
アミノ クロロ 水素
アシルアミノ クロロ 水素
モノアルキルアミノ クロロ アミノ
ニトロ クロロ アミノ);
及び
【0089】
一般式(III)
【化7】

(式中、R8は水素又はハロゲンであり、R9は、ニトロ、(N,N-ジメチル)グリシルアミノ、及びエトキシチオカルボニルチオから成る群より選択され);及び
【0090】
一般式(IV)
【化8】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
アミノ 水素 水素
ニトロ 水素 水素
アジド 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アジド
水素 水素 アミノ
水素 水素 アジド
水素 水素 ニトロ
ブロモ 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アミノ
アシルアミノ 水素 水素
水素 水素 アシルアミノ
アミノ 水素 ニトロ
水素 水素 (N,N-ジメチル)グリシルアミノ
アミノ 水素 アミノ
ジエチルアミノ 水素 水素
水素 水素 エトキシチオカルボニルチオ
ジメチルアミノ 水素 メチルアミノ
ジメチルアミノ 水素 アシルアミノ
ジメチルアミノ クロロ アミノ
アミノ クロロ アミノ
アシルアミノ クロロ アシルアミノ
水素 クロロ アミノ
アミノ クロロ 水素
アシルアミノ クロロ 水素
モノアルキルアミノ クロロ アミノ
ニトロ クロロ アミノ);
及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩。
【0091】
【化9】

【0092】
【化10】

式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジアゾニウム、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;Rは、水素又は低級アルキルであり;Ra及びRbは、水素、メチル、エチル、n-プロピル及び1-メチルエチルから成る群より選択され、但しRaとRbが両方とも水素ではありえず;Rc及びRdは、独立的に、(CH2)nCHRe(式中、nは0又は1であり、かつReは水素、アルキル、ヒドロキシ、低級(C1〜C3)アルコキシ、アミノ、又はニトロから成る群より選択される)であり;かつ、Wは(CHRe)m(式中、mは0〜3であり、かつReは上述通りである)、NH、N(C1〜C3)直鎖又は分岐アルキル、O、S及びN(C1〜C4)直鎖又は分岐アルコキシから成る群より選択され;及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩である。さらなる実施形態では、以下の条件が適用される:R7とR9のどちらかが水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-a、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン、ジメチルアミノ又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-aがメチル、R6とR9が両方とも水素、R5がヒドロキシルであり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンである;及びR6-aがメチル、R6がヒドロキシル、R5、R7及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-a、R6及びR5がすべて水素、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及びR6-aがメチル、R6が水素、R5がヒドロキシル、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;R6-aがメチル、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7がシアノの場合、R8はハロゲンでなければならない。
【0093】
構造K
(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
水素 水素 アミノ
水素 水素 パルミトアミド)
及び
構造L 構造M 構造N 構造O
(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
水素 水素 アセトアミド
水素 水素 ジメチルアミノアセトアミド
水素 水素 ニトロ
水素 水素 アミノ)
及び
構造P:
式中、まとめてR8、及びR9は、それぞれ水素及びアミノである。
構造K:
式中、まとめてR7、R8、及びR9は、それぞれ水素、水素及びジメチルアミノである。
【0094】
構造C 構造D 構造E 構造F
(式中、R7は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジアゾニウム、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造C 構造D 構造E 構造F
(式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造C 構造D 構造E 構造F
(式中、R7及びR9は、アリール、アルケン、アルキン、又はそれらの混合物から成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩。
【0095】
構造G 構造H 構造I 構造J
(式中、R7は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R4は、NOH、N-NH-A、及びNH-A(式中、Aは低級アルキル基である)から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造G 構造H 構造I 構造J
(式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R4は、NOH、N-NH-A、及びNH-A(式中、Aは低級アルキル基である)から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造G 構造H 構造I 構造J
(式中、R7及びR9は、アリール、アルケニル、アルキニから成る群;又はそれらの混合物より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R4は、NOH、N-NH-A、及びNH-A(式中、Aは低級アルキル基である)から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩。
【0096】
構造K
(式中、R7は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造K
(式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造K
(式中、R7及びR9は、アリール、アルケニル、アルキニル及びそれらの混合物から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
及び
構造L 構造M 構造N 構造O
(式中、R7は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造L 構造M 構造N 構造O
(式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造L 構造M 構造N 構造O
(式中、R7及びR9は、アリール、アルケニル、アルキニル及びそれらの混合物から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
及び
構造P
(式中、R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
及び
構造Q 構造R
(式中、R7は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造Q 構造R
(式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造Q 構造R
(式中、R7及びR9は、アリール、アルケニル、アルキニル及びそれらの混合物から成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩。
【0097】
構造S〜Z
(式中、R7は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジアゾニウム、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;Ra及びRbは、水素、メチル、エチル、n-プロピル及び1-メチルエチルから成る群より選択され、但しRaとRbが両方とも水素ではありえず;Rc及びRdは、独立的に、(CH2)nCHRe(式中、nは0又は1であり、かつReは水素、アルキル、ヒドロキシ、低級(C1〜C3)アルコキシ、アミノ、又はニトロから成る群より選択される)であり;かつ、Wは、(CHRe)m(式中、mは0〜3であり、前記Reは上述通りである)、NH、N(C1〜C3)直鎖又は分岐アルキル、O、S及びN(C1〜C4)直鎖又は分岐アルコキシから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造S〜Z
(式中、R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;R9は、アリール、アルケニル及びアルキニルから成る群より選択され;Ra及びRbは、水素、メチル、エチル、n-プロピル及び1-メチルエチルから成る群より選択され、但しRaとRbが両方とも水素ではありえず;Rc及びRdは、独立的に、(CH2)nCHRe(式中、nは0又は1であり、かつReは水素、アルキル、ヒドロキシ、低級(C1〜C3)アルコキシ、アミノ、又はニトロから成る群より選択される)であり;かつ、Wは、(CHRe)m(式中、mは0〜3であり、前記Reは上述通りである)、NH、N(C1〜C3)直鎖又は分岐アルキル、O、S及びN(C1〜C4)直鎖又は分岐アルコキシから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩;
又は
構造S〜Z
(式中、R7及びR9は、アリール、アルケニル、アルキニル及びそれらの混合物から成る群より選択され;R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;Ra及びRbは、水素、メチル、エチル、n-プロピル及び1-メチルエチルから成る群より選択され、但しRaとRbが両方とも水素ではありえず;Rc及びRdは、独立的に、(CH2)nCHRe(式中、nは0又は1であり、かつReは水素、アルキル、ヒドロキシ、低級(C1〜C3)アルコキシ、アミノ、又はニトロから成る群より選択される)であり;かつ、Wは、(CHRe)m(式中、mは0〜3であり、前記Reは上述通りである)、NH、N(C1〜C3)直鎖又は分岐アルキル、O、S及びN(C1〜C4)直鎖又は分岐アルコキシから成る群より選択される);及びそれらの製薬的に許容性及び非許容性の塩。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療が必要なヒトのざ瘡の治療方法であって、ビスホスホネート化合物を投与せずに、ざ瘡の治療に有効であるが、実質的に抗生作用のない量のテトラサイクリン化合物を前記ヒトに全身投与する工程を含む方法。
【請求項2】
前記ざ瘡が、尋常性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡、萎縮性ざ瘡、ブロムざ瘡、塩素ざ瘡、集簇性ざ瘡、化粧剤性ざ瘡、洗浄剤ざ瘡、流行性ざ瘡、夏季性ざ瘡、閃光状ざ瘡、ハロゲンざ瘡、硬結性ざ瘡、ヨードざ瘡、ざ瘡ケロイド、機械的ざ瘡、丘疹ざ瘡、ポマードざ瘡、月経前ざ瘡、小膿疱ざ瘡、酒さ性ざ瘡、壊血病性ざ瘡、腺病性ざ瘡、蕁麻疹性ざ瘡、痘瘡状ざ瘡、毒物性ざ瘡、プロピオン酸ざ瘡、擦過性ざ瘡、グラム陰性ざ瘡、ステロイドざ瘡、又は小節嚢胞ざ瘡である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テトラサイクリン化合物が、10〜80%の抗生物質量の量で投与される抗生物質テトラサイクリン化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記テトラサイクリン化合物が、20mgの用量で1日2回投与されるドキシサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記テトラサイクリン化合物が、38mgの用量で1日1回投与されるミノサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記テトラサイクリン化合物が、38mgの用量で1日2回投与されるミノサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記テトラサイクリン化合物が、38mgの用量で1日3回投与されるミノサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記テトラサイクリン化合物が、38mgの用量で1日4回投与されるミノサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記テトラサイクリン化合物が、60mg/日の用量で1日1回投与されるテトラサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記テトラサイクリン化合物が、60mg/日の用量で1日2回投与されるテトラサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記テトラサイクリン化合物が、60mg/日の用量で1日3回投与されるテトラサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記テトラサイクリン化合物が、60mg/日の用量で1日4回投与されるテトラサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記テトラサイクリン化合物が、最少抗生物質血清濃度の10〜80%という血清濃度になる量で投与される抗生物質テトラサイクリン化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記テトラサイクリン化合物が、1.0μg/mlという血清濃度になる量で投与されるドキシサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記テトラサイクリン化合物が、0.8μg/mlという血清濃度になる量で投与されるミノサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記テトラサイクリン化合物が、0.5μg/mlという血清濃度になる量で投与されるテトラサイクリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記抗生物質テトラサイクリン化合物が、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、デメクロサイクリン又はそれらの製薬的に許容性の塩である、請求項3又は13に記載の方法。
【請求項18】
前記抗生物質テトラサイクリン化合物が、ドキシサイクリンである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ドキシサイクリンが、約0.1〜約0.8μg/mlの範囲の血清濃度を与える量で投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ドキシサイクリンが、毎日2回20mgの量で投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ドキシサイクリンが、24時間にわたって徐放投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ドキシサイクリンが、40mgの量で投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記テトラサイクリン化合物が、非抗生物質テトラサイクリン化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記非抗生物質テトラサイクリン化合物が、
4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-1)、
テトラサイクリノニトリル(CMT-2)、
6-デメチル-6-デオキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-3)、
4-デ(ジメチルアミノ)-7-クロロテトラサイクリン(CMT-4)、
テトラサイクリンピラゾール(CMT-5)、
4-ヒドロキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-6)、
4-デ(ジメチルアミノ)-12α-デオキシテトラサイクリン(CMT-7)、
6-α-デオキシ-5-ヒドロキシ-4-デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT-8)、
4-デ(ジメチルアミノ)-12α-デオキシアンヒドロテトラサイクリン(CMT-9)、又は
4-デ(ジメチルアミノ)ミノサイクリン(CMT-10)である、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記非抗生物質テトラサイクリン化合物が、以下の構造:
【化1】

(式中、
R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;
R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;
R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;
R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;
R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジアゾニウム、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;
Rは、水素又は低級アルキルである);及び
それらの製薬的に許容性の塩から成る群より選択され;但し、以下の条件:
R7とR9のどちらかが水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-a、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン、ジメチルアミノ又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-aがメチル、R6とR9が両方とも水素、R5がヒドロキシルであり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンである;及び
R6-aがメチル、R6がヒドロキシル、R5、R7及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-a、R6及びR5がすべて水素、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-aがメチル、R6が水素、R5がヒドロキシル、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-aがメチル、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7がシアノの場合、R8はハロゲンでなければならない;
を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記非抗生物質テトラサイクリン化合物が、以下の構造:
【化2】

(式中、
R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;
R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;
R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;
R4は、NOH、N-NH-A、及びNH-A(式中、Aは低級アルキル基である)から成る群より選択され;
R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;
R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;
Rは、水素又は低級アルキルである);及び
それらの製薬的に許容性の塩から成る群より選択され;但し、以下の条件:
R4がNOH、N-NH-アルキル又はNH-アルキルであり、かつR7、R6-a、R6、R5、及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R4がNOH、R6-aがメチル、R6が水素又はヒドロキシル、R7がハロゲン、R5とR9が両方とも水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R4がN-NH-アルキル、R6-aがメチル、R6がヒドロキシルであり、かつR7、R5、R9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R4がNH-アルキル、R6-a、R6、R5及びR9がすべて水素、R7が水素、アミノ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ又はヒドロキシルの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R4がNH-アルキル、R6-aがメチル、R6とR9が両方とも水素、R5がヒドロキシルであり、かつR7がモノ(低級アルキル)アミノ又はジ(低級アルキル)アミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R4がNH-アルキル、R6-aがメチル、R6がヒドロキシ又は水素であり、かつR7、R5、及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;
を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記非抗生物質テトラサイクリン化合物が、以下の構造:
【化3】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
アジド 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アジド
水素 水素 アミノ
水素 水素 アジド
水素 水素 ニトロ
ジメチルアミノ 水素 アミノ
アシルアミノ 水素 水素
水素 水素 アシルアミノ
アミノ 水素 ニトロ
水素 水素 (N,N-ジメチル)グリシルアミノ
アミノ 水素 アミノ
水素 水素 エトキシチオカルボニルチオ
ジメチルアミノ 水素 アシルアミノ
ジメチルアミノ 水素 ジアゾニウム
ジメチルアミノ クロロ アミノ
水素 クロロ アミノ
アミノ クロロ アミノ
アシルアミノ クロロ アシルアミノ
アミノ クロロ 水素
アシルアミノ クロロ 水素
モノアルキルアミノ クロロ アミノ
ニトロ クロロ アミノ
ジメチルアミノ クロロ アシルアミノ
ジメチルアミノ クロロ ジメチルアミノ
水素 水素 ジメチルアミノ
ジメチルアミノ 水素 水素);
及び
【化4】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
アジド 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アジド
水素 水素 アミノ
水素 水素 アジド
水素 水素 ニトロ
ジメチルアミノ 水素 アミノ
アシルアミノ 水素 水素
水素 水素 アシルアミノ
アミノ 水素 ニトロ
水素 水素 (N,N-ジメチル)グリシルアミノ
アミノ 水素 アミノ
水素 水素 エトキシチオカルボニルチオ
ジメチルアミノ 水素 アシルアミノ
水素 水素 ジアゾニウム
水素 水素 ジメチルアミノ
ジアゾニウム 水素 水素
エトキシチオカルボニルチオ 水素 水素
ジメチルアミノ クロロ アミノ
アミノ クロロ アミノ
アシルアミノ クロロ アシルアミノ
水素 クロロ アミノ
アミノ クロロ 水素
アシルアミノ クロロ 水素
モノアルキルアミノ クロロ アミノ
ニトロ クロロ アミノ);
及び
【化5】

(式中、R8は水素又はハロゲンであり、R9はニトロ、(N,N-ジメチル)グリシルアミノ、及びエトキシチオカルボニルチオから成る群より選択される);及び
【化6】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
アミノ 水素 水素
ニトロ 水素 水素
アジド 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アジド
水素 水素 アミノ
水素 水素 アジド
水素 水素 ニトロ
ブロモ 水素 水素
ジメチルアミノ 水素 アミノ
アシルアミノ 水素 水素
水素 水素 アシルアミノ
アミノ 水素 ニトロ
水素 水素 (N,N-ジメチル)グリシルアミノ
アミノ 水素 アミノ
ジエチルアミノ 水素 水素
水素 水素 エトキシチオカルボニルチオ
ジメチルアミノ 水素 メチルアミノ
ジメチルアミノ 水素 アシルアミノ
ジメチルアミノ クロロ アミノ
アミノ クロロ アミノ
アシルアミノ クロロ アシルアミノ
水素 クロロ アミノ
アミノ クロロ 水素
アシルアミノ クロロ 水素
モノアルキルアミノ クロロ アミノ
ニトロ クロロ アミノ);
及びそれらの製薬的に許容性の塩
から成る群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記非抗生物質テトラサイクリン化合物が、以下の構造:
【化7】

【化8】

【化9】

(式中、
R7は、水素、アミノ、ニトロ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジ(低級アルキル)アミノ、エトキシチオカルボニルチオ、アジド、アシルアミノ、ジアゾニウム、シアノ、及びヒドロキシルから成る群より選択され;
R6-aは、水素及びメチルから成る群より選択され;
R6及びR5は、水素及びヒドロキシルから成る群より選択され;
R8は、水素及びハロゲンから成る群より選択され;
R9は、水素、アミノ、アジド、ニトロ、アシルアミノ、ヒドロキシ、エトキシチオカルボニルチオ、モノ(低級アルキル)アミノ、ハロゲン、ジアゾニウム、ジ(低級アルキル)アミノ及びRCH(NH2)COから成る群より選択され;
Rは、水素又は低級アルキルであり;
a及びRbは、水素、メチル、エチル、n-プロピル及び1-メチルエチルから成る群より選択され、但しRaとRbが両方とも水素ではありえず;
c及びRdは、独立的に、(CH2)nCHRe(式中、nは0又は1であり、かつReは水素、アルキル、ヒドロキシ、低級(C1〜C3)アルコキシ、アミノ、又はニトロから成る群より選択される)であり;かつ
Wは(CHRe)m(式中、mは0〜3であり、かつ前記Reは上述通りである)、NH、N(C1〜C3)直鎖又は分岐アルキル、O、S及びN(C1〜C4)直鎖又は分岐アルコキシから成る群より選択される);及び
それらの製薬的に許容性の塩
から成る群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
構造S〜Zから成る群より選択される前記非抗生物質テトラサイクリン化合物が、以下の条件:
R7とR9のどちらかが水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-a、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン、ジメチルアミノ又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-aがメチル、R6とR9が両方とも水素、R5がヒドロキシルであり、かつR7が水素、アミノ、ニトロ、ハロゲン又はジエチルアミノの場合、R8はハロゲンである;及び
R6-aがメチル、R6がヒドロキシル、R5、R7及びR9がすべて水素の場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-a、R6及びR5がすべて水素、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-aがメチル、R6が水素、R5がヒドロキシル、R9がメチルアミノであり、かつR7がジメチルアミノの場合、R8はハロゲンでなければならない;及び
R6-aがメチル、R6、R5及びR9がすべて水素であり、かつR7がシアノの場合、R8はハロゲンでなければならない;
を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記テトラサイクリン化合物が、ドキシサイクリンの光刺激係数未満の光刺激係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記テトラサイクリン化合物が、約1〜約2の光刺激係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記テトラサイクリン化合物が、下記一般式を有する、請求項31に記載の方法。
【化10】

(式中、まとめてR7、R8、及びR9は、それぞれ水素、水素及びジメチルアミノである)
【請求項33】
前記テトラサイクリン化合物が、約1.0〜約1.2の光刺激係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記テトラサイクリン化合物が、以下の構造:
【化11】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
水素 水素 アミノ
水素 水素 パルミトアミド);
及び
【化12】

(式中、各場合にまとめてR7、R8、及びR9は、以下の意味を有する。
R7 R8 R9
水素 水素 アセトアミド
水素 水素 ジメチルアミノアセトアミド
水素 水素 ニトロ
水素 水素 アミノ);
及び
【化13】

(式中、まとめてR8、及びR9は、それぞれ水素及びニトロである。)
から成る群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記全身投与が、経口投与、静脈内注射、筋肉内注射、皮下投与、経皮投与又は鼻腔内投与である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
治療が必要なヒトのざ瘡の治療方法であって、ビスホスホネート化合物を投与せずに、有効量の非抗生物質テトラサイクリン化合物を前記ヒトに投与する工程を含む方法。
【請求項37】
前記投与が、局所投与である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記投与が、全身投与である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
低減が必要なヒトの面ぽうの数の低減方法であって、面ぽうの数の低減に有効であるが、実質的に抗生作用のない量のテトラサイクリン化合物を前記ヒトに全身投与する工程を含む方法。
【請求項40】
前記テトラサイクリン化合物が、ドキシサイクリンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ドキシサイクリンが、約30〜約60mgの毎日の量で投与されるが、有意な抗生効果の閾値未満のヒト血漿内濃度を維持する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ドキシサイクリンが、毎日2回約20mgの量で投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
ビスホスホネートを投与せずに、前記テトラサイクリン化合物が投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
阻害が必要なヒトのメラニンの酸化の阻害方法であって、メラニンの酸化の阻害に有効であるが、実質的に抗生作用のない量のテトラサイクリン化合物を前記ヒトに全身投与する工程を含む方法。
【請求項45】
阻害が必要なヒトの脂質関連の異常な濾胞分化の阻害方法であって、脂質関連の異常な濾胞分化の阻害に有効であるが、実質的に抗生作用のない量のテトラサイクリン化合物を前記ヒトに全身投与する工程を含む方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−168613(P2011−168613A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115785(P2011−115785)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【分割の表示】特願2009−280436(P2009−280436)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(500056851)コッラジェネックス ファーマシューチカルス インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】