説明

つや消しされたPMMI成形体用の成形材料

成形材料の全質量をそれぞれ基準として、A)少なくとも1つの(メタ)アクリルイミド(コ)ポリマーからなるポリマーマトリックス83質量%〜99.5質量%、B)セラミックビーズ0.5質量%〜15.0質量%を含有する成形材料であって、ここで、前記成形材料は1.0cm3/10min〜20.0cm3/10minのISO 1133に従い260℃及び10kgで測定されるメルトボリュームフローレイトMVRを有する。前記成形材料は、ビロードのようにマットでかつ好ましくは粗い表面を有する成形体の製造に使用されることができる。この種の成形体は、特に、家庭電化製品、通信装置、ホビー用具又はスポーツ用具の部品、自動車組立、船舶組立又は航空機組立におけるボディー部品又はボディー部品の部品として、照明、合図又はシンボル用の部品として、小売店又は化粧品カウンター、容器、家庭装飾又はオフィス装飾、家具用途、シャワードア及びオフィスドアとして、並びに建築工業における部品として、壁として、窓枠、腰掛け、ランプカバー、散乱板として及び自動車グレージングに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つや消しされた成形体用の成形材料並びに相応する成形体及び前記成形体の使用に関する。
【0002】
技術水準
ポリメタクリルイミド(PMMI)をベースとする成形材料は、多種多様な用途に使用される。このためには、前記材料は通常、押し出されるか又は射出成形されて成形品となる。これらの成形体は、典型的なPMMI特性、例えば高い耐引っかき性、耐候性、耐熱成形性、卓越した機械的特有値、例えば引張弾性率及び良好な耐応力亀裂性(Spannungsrissbestaendigkeit)により特徴付けられる。
【0003】
押出PMMI成形体又は同時押出PMMI成形体の使用分野は極めて多方面にわたっている:例えば、押出プレート又は同時押出プレートは、屋外分野用、特に自動車取付部材、構造部材、スポーツ用品表面及びランプカバー(Leuchtenabdeckungen)用に、並びに屋内分野において、特に家具工業において、自動車のランプカバー及び内装用に、使用される。
【0004】
透明で滑らかな表面を有する押出PMMI成形体又は同時押出PMMI成形体に加えて、この種の用途のためには、しばしばマットでかつ好ましくは粗い表面は、それらのより快い触覚及び光学的効果に基づいて、望まれる。そのような表面はたいてい、添合した有機粒子又は無機粒子を含有する成形材料の使用によって実現される。
【0005】
こうして改質されたこれらの成形材料は、しかし有機つや消し剤の使用の場合に、良好な機械的性質、特に満足すべき耐摩耗性を示さない。また、相応する成形体の良好な耐候性はしばしば、大量の光安定剤の使用によってのみ保証されることができる。
【0006】
例えばタルクのような通常の無機つや消し剤の加工の際に不利であるのは、PMMI成形材料中への煩雑な添合である。例えば、無機つや消し剤を均一に前記成形材料中へ添合するためには、配合の際に極めて高い剪断エネルギーを用いて操作されなければならない。前記成形材料中への散乱剤(Streumittels)の均質な分布が保証されていない場合には、このことは、これから製造された押出PMMI成形体又は同時押出PMMI成形体の表面(欠陥又は不規則性、例えば膨れきず(Pickel))で分かる。さらに、この種の成形体のその他の材料特性も改善に値する。
【0007】
国際公開(WO)第02/068519号には、例えばアクリル樹脂のようなマトリックスと、その中に分散された例えばW-410 Zeeospheres(登録商標)のようなセラミックビーズとからなる硬い表面材料が記載されている。前記セラミックビーズには、機能性コーティングが設けられており、このコーティングが前記マトリックスの樹脂と反応し、かつ前記ビーズは前記マトリックスと共有結合する。国際公開(WO)第02/068519号の表面材料は、高い耐炎性により特徴付けられる。
【0008】
国際公開(WO)第03/054099号は、最上層が透明な樹脂と、例えばセラミックビーズのようなつや消し剤とを含む、粘着テープに関する。
【0009】
国際公開(WO)第97/21536号には、例えばセラミックビーズのようなつや消し剤を熱可塑性ポリマー中へ導入することができる押出法が開示されている。
【0010】
米国特許(US)第5,787,655号明細書には、例えばセラミックビーズのような無機ビーズが添合されている熱可塑性ポリマーからなるスリップ防止(rutschfesten)フィルムが記載されている。
【0011】
米国特許(US)第5,562,981号明細書は、貨物トレーラーの車体(Aufbau)に関する。前記トレーラーの側壁は、前記壁を追加的に強化するために、セラミックビーズが混合された繊維強化プラスチックを含む。
【0012】
国際公開(WO)第2005/105377号には、少なくとも280℃の加工温度を有する熱可塑性プラスチック、超砥粒及び充填剤、例えばセラミックビーズからなる組成物が開示されている。この組成物は研磨器具(Schleifutensilien)の製造に使用される。
【0013】
課題及び解決手段
本発明の目的は、目下、微細につや消しされた(feinmattierter)表面を有する成形体の製造に使用されることができる成形材料を見出すことにあった。その場合に、前記成形材料が、できるだけ単純な方法で、特に相対的に低いエネルギー消費で、製造可能及び加工可能であるべきである。さらに、前記成形材料から製造可能な物品が、できるだけ良好な光学的性質及び機械的性質、できるだけ高い長期安定性及び耐候性並びにできるだけ少ない光沢を有し、できるだけ均質で、ビロードのようにマットな(samtmatte)表面を有するべきである。さらにまた、前記成形材料から製造可能な物品は、できるだけ粗い表面を有するべきである。
【0014】
これらの課題並びに前記の考察から必然的に導き出されうるか又は直接的にもたらされるさらなる課題は、当該請求項1の全ての特徴を有する成形材料によって解決される。この請求項を引用する従属請求項は、前記成形材料の特に好都合な態様を記載し、かつ別の請求項は、前記成形材料の特に有利な使用に関する。
【0015】
組成物の全質量をそれぞれ基準として、
A)少なくとも1つの(メタ)アクリルイミド(コ)ポリマーからなるポリマーマトリックス 83質量%〜99.5質量%、
B)セラミックビーズ 0.5質量%〜15.0質量%
を含有し、ここで成形材料が1.0cm3/10min〜20.0cm3/10minの範囲内のISO 1133に従い260℃及び10kgで測定されるメルトボリュームフローレイトMVRを有する組成物を提供することによって、簡単に予測できない方法で、微細につや消しされた表面を有する成形体の製造に卓越して適している成形材料を得ることができた。その場合に、前記成形材料は、匹敵しうる単純な方法で、特に相対的に低いエネルギー消費で、製造可能及び加工可能であり、かつ要求の大きい部材形状の実現も可能にする。
【0016】
同時に、前記成形材料から製造可能な物品は、以下の有利な性質の組合せにより特徴付けられる:
・これらは、極めて良好な光学的性質、特に、極めて低い光沢を有すると共に比較的均質でビロードのようにマットな表面を有する。この効果は、前記成形体の興味深い表面粗さによりさらに強化された。
・これらは、卓越した機械的性質、特に、極めて良好な耐摩耗性、衝撃強さ及びノッチ付き衝撃強さ、高い弾性率及び高い引張強さ、高い引っかき硬度(Ritzhaerte)及び高いビカット軟化温度並びに低い熱膨張係数を示す。
・前記成形体の長期安定性及び耐候性は同様に卓越している。
【0017】
発明の実施の形態
ポリマーマトリックスA)
ポリマーマトリックスA)は、少なくとも1つの(メタ)アクリルイミド(コ)ポリマーからなる。
【0018】
前記のポリメタクリルイミドの製造方法は、例えば、欧州特許出願公開(EP-A)第216 505号明細書、欧州特許出願公開(EP-A)第666 161号明細書から又は欧州特許出願公開(EP-A)第776 910号明細書から知られている。
【0019】
イミド化用の出発物質として、一般的に50.0質量%超、好ましくは80.0質量%超、特に好ましくは95.0質量%〜100.0質量%が、アルキル基中に炭素原子1〜4個を有するメタクリル酸のアルキルエステルの単位からなるメタクリル酸のアルキルエステルのポリマーが使用される。メタクリル酸メチルが好ましい。好ましいポリマーは、少なくとも80.0質量%、好ましくは90.0質量%超、特に好ましくは95.0質量%超がメタクリル酸メチルから構成されている。コモノマーとして、メタクリル酸メチルと共重合可能な全てのモノマー、特に、アルキル基中に炭素原子1〜4個を有するアクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、アクリルアミド又はメタクリルアミド、スチレン又はまた無水マレイン酸が考慮に値する。20ml/g〜92ml/g、好ましくは50ml/g〜80ml/gの範囲内の還元粘度(ISO 8257、第2部により測定)を有するこの種類の熱可塑的に加工可能なポリマーが好ましい。これらは、約0.03mm〜3mmの平均粒度を有する粉末又はグラニュールの形で使用される。
【0020】
本質的であるのは、処理工程(a)において、まず最初にアンモニアがイミド化剤として使用され、次の処理工程(b)においてメチルアミンが使用され、かつ使用されるアンモニア対使用されるメチルアミンのモル比が、1:0.5〜1:3、好ましくは1:0.8〜1:2.7、特に好ましくは1:0.9〜1:1.1であることである。この範囲を下回ると、得られたポリメタクリルイミドの混濁が増強されて生じうる。使用されるアンモニアを基準としてメチルアミンのモル過剰量の場合に、そしてまた前記ポリマー中のカルボン酸基の割合は望ましくないようにして上昇する。
【0021】
本方法は、連続的に又は不連続に実施されることができる。最後に挙げた場合に、前記アンモニアは、前記反応の最初に、処理工程(a)において添加され、かつ前記メチルアミンは、徐々に又は1つ又はそれ以上の部分で、前記アンモニアの反応後に、処理工程(b)において添加される。例えば、前記イミド化剤は、容積式ポンプ(Druckpumpe)を用いて、均一に又は周期的に分けて反応温度に加熱された反応器中へ、圧入されることができる。場合により、前記イミド化剤の別の部分を添加する前にその都度、反応器中に蓄積された気相は放圧され、それにより、それまでに形成された揮発性の反応生成物が反応混合物から除去される。
【0022】
連続的な手順の場合に、前記イミド化は好都合には管形反応器中で実施され、かつ前記ポリマー及び前記イミド化剤は連続的に管形反応器中へ導通される。最初の取込口で、前記イミド化剤の第一の部分、すなわちアンモニアは導通され、かつ溶融液状のポリマーと混合される。前記イミド化剤の別の含分は、前もって導通されたイミド化剤が部分的に又は完全に反応されている1つ又はそれ以上の位置で、前記管形反応器中へ導入されることができる。管形反応器として、好ましくは一軸スクリュー押出機又は多軸スクリュー押出機が使用される。ここでも、押出機中で徐々にさらに運動される(weiterbewegten)反応混合物から、別のイミド化剤の添加前にその都度、それまでに形成された揮発性の反応生成物が除去されるように、圧力帯域及び脱気帯域は互いに交互に配置されてよい。
【0023】
例えば、ポリメタクリル酸メチル1ベースモル("ベースモル(Grundmol)"という呼称は、重合されたエステル単位の母体となるエステルモノマーの量を基準とする)は、処理工程(a)においてアンモニア0.1〜1モルと反応されることができる。良好な結果は、例えばアンモニア0.2〜0.8モルを用いて得られ、0.4〜0.6モルが特に好ましい。前記アンモニアは、好ましくは、1〜5の添加量で添加されることができる。前記アンモニアの大体における反応の後に、ついで、処理工程(b)において、メチルアミンの添加が、前記アンモニアの全部で使用される量を基準として0.5〜3、好ましくは0.8〜2.7、特に好ましくは0.9〜1.1のモル比で行われる。特に好都合であるのは、使用されるアンモニア対使用されるメチルアミンのモル比が1:0.5〜1:0.8である場合である。前記メチルアミンの添加は、類似して、好ましくは1〜5の添加量で行われることができる。ここでも、部分量の添加の際に、前もって使用される量のそれぞれ約75%までのみを使用することが推奨される。
【0024】
好ましくは、前記イミド化剤との反応は、前記ポリマーが完全にイミド化される前に中断される。このためには、前記イミド化剤は、エステル単位1ベースモル当たり例えば0.2〜2.5モル、好ましくは0.5〜1.5モル、特に好ましくは0.8〜1.2モルの全量で使用されることができる。しかしながら常に、アンモニア対メチルアミンの規定された量比が遵守されるべきである。ついで、約20ベースモル%〜80ベースモル%が環状メタクリルイミド単位から構成されており、かつメタクリル酸単位の0.5質量%未満の極めて低い量のみを有するポリマーが得られる。
【0025】
前記イミド化法は、大体においてそれ自体として知られた方法で、例えば欧州特許(EP)第441 148号明細書に記載されたように、実施されることができる。前記イミド化は、最良には、溶融温度を上回るかもしくは出発ポリマーのISO 306によるビカット−B−軟化温度を少なくとも20℃を上回る温度で進行する。さらにより良好には、生じたイミド化されたポリマーの軟化温度を少なくとも20℃上回る反応温度が選択される。イミド化されたポリマーのビカット軟化温度は、通例、前記方法の目標値(Zielgroesse)であり、かつ達成すべきイミド化度はそれに応じて規定されるので、必要な最小温度を決定することは同じように容易に可能である。140℃〜300℃、特に150℃〜260℃、特に好ましくは180℃〜220℃の温度範囲が好ましい。高すぎる反応温度は時として、前記ポリマーの部分的な連鎖停止反応によって粘度の低下をまねく。前記ポリマーを、必要以下に熱的に負荷するために、例えば、反応温度が、出発ポリマーの溶融温度を上回りすぐの温度から出発して、徐々にもしくは段階的に上昇されることができ、かつ最後にはじめてイミド化された最終生成物の軟化温度が、少なくとも20℃だけ上回ることができる。前記反応段階内で、好ましくは50bar〜500barであってよい自己で確立された圧力で操作される。前記処理段階の間に、例えば脱気のために、放圧されることができる。その際に、反応混合物の温度は、低下しうるものであり、かつその後再び必要な値に高められなければならない。イミド化剤が反応条件下に供給される場合には、そのためにはもちろん、相応して高い圧力が使用されなければならない。
【0026】
反応期間は、使用される条件下での反応速度に依存する。これは、完全なイミド化に必要とされる反応時間よりも明らかにより短くてよいが、しかしいずれにせよ、前記ポリマーの部分的な、例えば20〜80%の、好ましくは30〜60%のイミド化を保証するために十分であるべきである。一般的に、このためには、処理段階あたり10sec〜30min、好ましくは1min〜7minで十分である。基準値として4min〜6minが適用されうる。
【0027】
前記反応は、所望の場合には、1つ又は双方の処理段階において、溶剤又は希釈剤の存在で実施されることができ、例えば米国特許(US)第2 146 209号明細書、独国特許(DE)第1 077 872号明細書、独国特許(DE)第1 088 231号明細書又は欧州特許(EP)第234 726号明細書から知られている。適した溶剤は、とりわけ、室温で液体であり、かつ高められた温度で、場合により減圧で揮発性であり、かつイミド化されたポリマーから容易に分離されることができる溶剤である。これらは、出発ポリマーについて又はイミド化されたポリマーについて又は双方の溶剤について、場合により反応条件下でのみ、必要であってよく、しかしながら、このことは原則的に不要である。使用可能な溶剤及び希釈剤には、鉱油、ベンジン炭化水素(Benzinkohlenwasserstoffe)、芳香族化合物、アルカノール、エーテル、ケトン、エステル、ハロゲン炭化水素、並びにまた水が含まれる。
【0028】
最後の反応段階の後に、放圧され、かつイミド化されたポリマーは冷却される。この場合に、場合により併用された溶剤もしくは希釈剤は、過剰のイミド化剤及び開裂されたアルカノールと共に、イミド化されたポリマーから分離されることができる。この処理段階は、前記方法が少なくとも最後の段階において管形反応器、特に押出機中で実施される場合に、特に有利である。ポリマーから分離すべき物質は、液体の形で又は蒸気形で、前記管形反応器の端部の前で、1つ又はそれ以上の位置で、取り出されることができ、そこで、前記ポリマーは、依然として溶融状態で存在する。その場合に、これらの物質の第一の含分は、全反応圧下に、かつ最後の残りは、放圧帯域から減圧中で取り出されることができる。このためには、それ自体として知られた一段階又は多段階の脱気押出機が使用されることができる。場合により、全ての反応混合物も、前記管形反応器から搬出されることができ、放圧され、冷却され、かつ粉砕され、かつその後はじめて副成分から分離されることができる。このためには、冷却され、かつ粉砕されたポリマーは、適した溶剤で又は水で洗浄されることができる。
【0029】
こうして得られたイミド化された生成物は、それ自体として知られた方法で、例えば熱可塑的に、加工されることができる。ポリマー中のメタクリル酸基の極端に低い含量に基づいて、この生成物は、他のポリマーとの良好な混和性及び相溶性により特徴付けられる。耐候性は、同様に極めて良好である、それというのも湿分での吸水は明らかに低下されているからである。この場合に、カルボキシル基と比較して無水物基のより高い割合は、非本質的にのみ役割を果たすように思われる。このことは、例えば、前記無水物基が、ポリマー分子の内部で、湿分による加水分解作用から相対的に良好に保護されていることに起因されうる。本発明による方法は、2つの単純に実施すべき処理工程において、実際の使用にとって価値の高いポリメタクリルアルキルイミドを得ることを可能にする。
【0030】
イミド化剤、例えば第一級アミンとの反応による、メタクリル酸のアルキルエステルのポリマーの部分的又は完全なイミド化は、例えば米国特許(US)第2,146,209号明細書から知られている。前記ポリマーは、溶剤の存在又は不在でイミド化剤と共に、場合により加圧下に、140℃〜250℃の温度に加熱される。
【0031】
欧州特許(EP)第216 505号明細書からは、ポリメタクリルイミドが他の熱可塑性ポリマーと、これらがカルボン酸基又は無水カルボン酸基当たり約0.3ミリ当量を上回り0.4ミリ当量までを含有する場合に、不相溶性であることが知られている。これは、メタクリル酸単位及び/又はメタクリル酸無水物単位2.5質量%〜3.5質量%の含量に相当する。そのような単位は、ポリメタクリル酸メチルと第一級アミンとの反応の際にメタクリル酸アルキルイミド単位に加えて生じる。高いイミド化率で、すなわち前記ポリマーの95%又はそれを上回るイミド化可能な基がイミド基に変換されている場合には、カルボン酸基又は無水物基の含量は通例、前記の限度未満である。しかしながら、しばしば、95%を下回るより低いイミド化度を得ようとされるので、カルボン酸基又は無水物基の増加された形成は1つの問題である。
【0032】
欧州特許(EP)第456 267号明細書(米国特許(US)第5.135.985号明細書)には、多様なイミド化度を有するポリメタクリルアルキルイミドの均質な混合物により製造されることができる、メタクリル酸単位2.5質量%未満を有するポリメタクリルアルキルイミドが記載されている。これらの製造方法も極めて費用がかかる、それというのも、多様なイミド化度を有するポリマーが絶えず、ポリメタクリルアルキルイミドの製造用の原料として用意されなければならないからである。
【0033】
欧州特許(EP)第441 148号明細書(米国特許(US)第5.110.877号明細書)には、イミド化剤との反応によるメタクリル酸のアルキルエステルのポリマーをイミド化する方法が記載されており、前記方法の場合に、前もって添加されたイミド化剤が、少なくとも部分的に又は完全に反応された後で、前記イミド化剤の一部がはじめて添加される。適したイミド化剤として、アンモニア又は第一級アミン、例えばメチルアミンが挙げられる。前記方法は、約80%のイミド化度で1.3質量%もしくは1.7質量%のメタクリル酸単位の低い含量を有するポリメタクリルアルキルイミドを製造することが可能である。それと比較して、本発明によらない標準法の場合に4.9質量%を有するメタクリル酸単位の含量が示される。
【0034】
欧州特許(EP)第216 505号明細書の教示によれば、ポリメタクリルアルキルイミドと他の熱可塑性のポリマーとの混和性が、メタクリル酸単位及び/又はメタクリル酸無水物単位が、オルトギ酸エステルのようなアルキル化剤での前記ポリマーの後処理によりメタクリルエステル単位の形成下に反応される場合に改善される。このようにして、例えば、約60質量%のイミド化度で1g当たり酸基0.1ミリ当量(約0.8質量%)未満を有するポリメタクリルアルキルイミドが製造されることができる。後アルキル化は、故に確かに極めて有効であるが、これはしかしながら追加的でかつ高価な処理工程を必要とする。
【0035】
実地において、しばしば、特にポリメタクリルアルキルイミド中のカルボン酸単位が不利であることが分かっている。それに比べて、存在している無水カルボン酸基の望ましくない作用は、許容可能な限度内に維持される。故に、まず第一にカルボン酸基がほぼ含まれないポリメタクリルイミドを製造することで十分である。
【0036】
2つの処理工程(a)及び(b)におけるメタクリル酸のアルキルエステルのポリマーのイミド化による、前記ポリマーを基準として、0.5質量%未満のカルボン酸単位含量を有するメタクリル酸のアルキルエステルのイミド化されたポリマーの製造方法は、第一の処理工程において、
(a)アンモニアがイミド化剤として使用され、
かつ第二の処理工程において、
(b)メチルアミンがイミド化剤として使用され、
ここで、使用されるアンモニア対使用されるメチルアミンのモル比は1:0.5〜1:3である
ことにより特徴付けられることができる。
【0037】
本方法は、単純に実施可能であり、かつメタクリル酸単位の低い含量に基づいて、極めて良好な実務的特性を有し、実務において要求される通りのイミド化度を有するポリメタクリルアルキルイミドを供給する。その場合に、処理工程(a)もしくは(b)におけるアンモニア及びメチルアミンの定義された比により、最終生成物中のメタクリル酸単位の存在をまねく副反応が明らかに生じないことは予期し得なかった。約5質量%〜15質量%の比較的より高い無水カルボン酸基含量は、驚異的なことに、技術水準に基づいて想定されうるようにそれほど不都合に作用しない。得られたポリマーは、高いビカット軟化温度を有し、かつ良好に加工可能である。
【0038】
イミド化用の出発物質として、一般的に50質量%超、好ましくは80質量%超、特に好ましくは95質量%〜100質量%が、アルキル基中に炭素原子1〜4個を有するメタクリル酸のアルキルエステルの単位からなるメタクリル酸のアルキルエステルのポリマーが使用される。メタクリル酸メチルが好ましい。好ましいポリマーは、少なくとも80質量%、好ましくは90質量%超、特に好ましくは95質量%超がメタクリル酸メチルから構成されている。コモノマーとして、メタクリル酸メチルと共重合可能な全てのモノマー、特に、アルキル基中に炭素原子1〜4個を有するアクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、アクリルアミド又はメタクリルアミド、スチレン又はまた無水マレイン酸が考慮に値する。20ml/g〜92ml/g、好ましくは50ml/g〜80ml/gの範囲内の還元粘度(ISO 8257、第2部により測定)を有するこの種類の熱可塑的に加工可能なポリマーが好ましい。これらは、約0.03mm〜3mmの平均粒度を有する粉末又はグラニュールの形で使用される。
【0039】
つや消しB):セラミックビーズ
本発明による成形材料はさらに、セラミックビーズ0.5質量%〜15.0質量%を含有する。セラミックは、大体において無機の微粒状原料から、水添加下に室温で成形され、かつその後乾燥された物品を指し、これらは引き続き900℃を上回る焼成プロセスにおいて、硬くより耐久性のある物品に焼結される。前記概念は、金属酸化物に基づく原料も含まれる。さらに、繊維強化セラミック材料、例えば炭化ケイ素セラミック、例えば出発物質としてケイ素含有有機ポリマー(ポリカルボシラン)から製造されることができる炭化ケイ素セラミックも、本発明により使用可能なセラミックの群に属する。
【0040】
前記セラミックビーズは好都合には、ポリマーマトリックスと非共有結合されており、かつ原則的に、物理的な分離法、例えば適した溶剤、例えばテトラヒドロフラン(THF)での抽出法により、前記ポリマーマトリックスから分離されることができる。
【0041】
さらに、前記セラミックビーズは、好ましくは球状の形態を有し、その際に完璧な球形からの少しの逸脱は当然生じうる。
【0042】
前記セラミックビーズは好都合には、1〜200μmの範囲内の直径を有する。セラミックビーズの平均直径(メディアン値D50)は好ましくは1.0μm〜15.0μmの範囲内である。D95値は、好ましくは35μm又はそれ未満、特に好ましくは13μm又はそれ未満である。前記ビーズの最大直径は、好ましくは40μm又はそれ未満、特に好ましくは13μm又はそれ未満である。前記ビーズの粒度は好ましくはふるい分析によって測定される。
【0043】
前記セラミックビーズの密度は、好都合には2.1g/cm3〜2.5g/cm3の範囲内である。
【0044】
前記セラミックビーズの具体的な組成は、本発明にとって重要な意味を持たない。好ましいビーズは、それらの全質量をそれぞれ基準として、
SiO2、特に好ましくは非結晶質SiO2 55.0質量%〜62.0質量%、
Al23 21.0質量%〜35.0質量%、
Fe23 7.0質量%まで、
Na2O 11.0質量%まで及び
2O 6.0質量%まで
を含有する。
【0045】
BET窒素吸着法によって測定される前記セラミックビーズの表面積は、好ましくは0.8m2/g〜2.5m2/gの範囲内である。
【0046】
さらに、本発明の目的のためには、内部が空であるようなセラミックビーズを使用することが特に有用であることが分かっている。その場合に、前記セラミックビーズは好ましくは、410MPaの圧力の適用により90%を上回る前記ビーズが破壊されることができないような圧縮強さを有する。
【0047】
本発明の範囲内で極めて特に適したセラミックビーズは、とりわけ、3M Deutschland GmbH社のZeeospheres(登録商標)、特にタイプW-210、W-410、G-200及びG-400である。
【0048】
常用の添加剤、助剤及び/又は充填剤
本発明による成形材料は、さらに常用の添加剤、助剤及び/又は充填剤、例えば熱安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、特に可溶性又は不溶性の染料もしくは着色剤を含有していてよい。
【0049】
紫外線安定剤及びラジカルスカベンジャー
場合により含まれている紫外線保護剤は例えば、ヒドロキシル基及び/又はアルコキシ基のような置換基がたいてい2位及び/又は4位にあるベンゾフェノンの誘導体である。これらには、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンが含まれる。さらに、置換ベンズトリアゾールが紫外線保護添加剤として極めて適しており、それらには、とりわけ2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ベンズトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ−(α,α−ジメチル−ベンジル)−フェニル]−ベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)−ベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−ベンズトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−s−ブチル−5−t−ブチルフェニル)−ベンズトリアゾール及び2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−ベンズトリアゾールが含まれる。
【0050】
さらに、使用可能な紫外線保護剤は、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルエステル、2−エトキシ−2′−エチル−シュウ酸ビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2′−エチル−シュウ酸ビスアニリド及び置換安息香酸フェニルエステルである。
【0051】
前記紫外線保護剤は、前記のような低分子化合物として、安定化すべきポリメタクリラート材料中に含まれていてよい。しかしまた、前記マトリックスポリマー分子中の紫外線吸収基は、共重合後に、重合可能な紫外線吸収化合物、例えばベンゾフェノン誘導体又はベンズトリアゾール誘導体のアクリル誘導体、メタクリル誘導体又はアリル誘導体と共有結合されていてよい。
【0052】
化学的に異なる紫外線保護剤の混合物であってもよい紫外線保護剤の割合は、通例、本発明によるポリメタクリラート樹脂の全ての成分の総計を基準として、0.01質量%〜1.0質量%、とりわけ0.01質量%〜0.5質量%、特に0.02質量%〜0.2質量%である。
【0053】
ラジカルスカベンジャー/紫外線安定剤の例として、ここでは、立体障害アミン類を挙げることができ、これらはHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)という名前で知られている。これらは、塗料及びプラスチックにおける、とりわけポリオレフィンプラスチックにおける老化過程の阻害のために、使用されることができる(Kunststoffe, 74 (1984) 10, p.620〜623; Farbe + Lack, 96巻, 9/1990, p.689〜693)。HALS化合物は、その中に含まれているテトラメチルピペリジン基によって安定化作用をする。この種類の化合物は、ピペリジン窒素上で、非置換であってよいだけでなく、アルキル基又はアシル基で置換されていてよい。前記立体障害アミン類は紫外領域において吸収しない。これらは形成されたラジカルを捕捉し、このことはそしてまた紫外線吸収剤にはできない。
【0054】
混合物としても使用されることができる安定化作用のあるHALS化合物の例は、次のものである:
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバカート,8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ(4,5)−デカン−2,5−ジオン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−スクシナート、ポリ−(N−β−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−コハク酸エステル)又はビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバカート。
【0055】
ラジカルスカベンジャー/紫外線安定剤は、本発明による成形材料中で、全ての成分の総計を基準として0.01質量%〜1.5質量%の量で、とりわけ0.02質量%〜1.0質量%の量で、特に0.02質量%〜0.5質量%の量で、使用される。
【0056】
滑剤もしくは離型剤
射出成形法のためには、射出成形型への成形材料の考えられる付着を減少させることができるかもしくは完全に防止することができる滑剤もしくは離型剤が特に重要である。
【0057】
助剤として、それに応じて、例えば、C20未満、好ましくはC16〜C18炭素原子を有する飽和脂肪酸又はC20未満、好ましくはC16〜C18炭素原子を有する飽和脂肪アルコールの群から選択される滑剤が含まれていてよい。好ましくは、前記成形材料を基準として、多くとも0.25質量%、例えば0.05質量%〜0.2質量%の低い量割合が含まれている。
【0058】
例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸とパルミチン酸との工業用混合物が適している。さらに、例えば、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、並びにn−ヘキサデカノールとn−オクタデカノールとの工業用混合物が適している。
【0059】
特に好ましい滑剤もしくは離型剤はステアリルアルコールである。
【0060】
本発明による成形材料の製造
本発明による成形材料は、粉末、粒子又は好ましくはグラニュールとして存在していてよい成分をドライブレンドすることによって、製造されることができる。さらに、この成形材料は、ポリマーマトリックス及び場合により耐衝撃性改良剤の溶融状態での溶融及び混合、又は個々の成分の乾燥したプリミックスの溶融及び前記セラミックビーズの添加によって製造されることもできる。これは、例えば一軸スクリュー押出機又は二軸スクリュー押出機中で行われることができる。得られた押出物は、引き続き造粒されることができる。常用の添加剤、助剤及び/又は充填剤は、直接混合されるか又は後で最終消費者によって必要に応じて添加されることができる。
【0061】
成形体への加工
本発明による成形材料は、ビロードのようにマットでかつ好ましくは粗い表面を有する成形体の製造用の出発物質として適している。前記成形材料の成形(Umformung)は、それ自体として知られた方法で、例えば弾粘性(elastoviskosen)状態を経ての加工により、すなわち混練、圧延(Walzen)、カレンダー掛け(Kalandrieren)、押出し又は射出成形により、行われることができ、その際に押出し及び射出成形、特に押出しは、当該の場合に好まれる。
【0062】
前記成形材料の射出成形はそれ自体として知られる方法で、240℃〜300℃の範囲内の温度(材料温度)及び好ましくは70℃〜150℃の金型温度で行われることができる。滑らかなもしくは鏡のように滑らかな内部表面を有する型空間(キャビティ)を有する金型を使用する際に、つや消しされた成形体が得られる。粗い内部表面を有する型空間(キャビティ)を有する金型の使用の場合に、いっそう強度につや消しされた成形体が得られる。
【0063】
前記押出しは好ましくは220℃〜260℃の温度で実施される。
【0064】
成形体
このようにして得ることができる成形体は好ましくは、次の性質により特徴付けられる:
DIN 4768による粗さ値Rzは好都合には、0.3μm又はそれ以上、好ましくは少なくとも0.7μm、特に好ましくは2.5μm〜20.0μmである。DIN 67530 (01/1982)による光沢度(R60°)は、好ましくは多くとも45、特に好ましくは多くとも38である。ビカット軟化温度VET(ISO 306-B50)は、好ましくは少なくとも90℃、特に好ましくは少なくとも100℃、極めて特に好ましくは少なくとも110℃であり、かつ好都合には110℃〜200℃、特に125℃〜180℃である。
【0065】
DIN 5036による透過は、好ましくは40%〜93%の範囲内、特に好ましくは55%〜93%の範囲内、殊に55%〜85%の範囲内である。DIN 5036による強度半値角は、好ましくは1°〜55°の範囲内、特に好ましくは2°〜40°の範囲内、殊に8°〜37°の範囲内である。
【0066】
さらに、前記成形体は好ましくは次の性質の1つ又はそれ以上、特に好ましくはできるだけ多くを有する:
I.80〜110MPaの範囲内のISO 527(5 mm/min)による引張破壊応力(Bruchspannung)、
II.4000MPaよりも大きいISO 527 (1 mm/min)による弾性率、
III.20KJ/m2よりも大きいISO 179/1eUによる衝撃強さ及び
IV.6×10-5/゜Kよりも小さいISO 11359による線膨張係数。
【0067】
使用
本発明による成形体は、特に、家庭電化製品、通信装置、ホビー用具又はスポーツ用具の部品、自動車組立、船舶組立又は航空機組立におけるボディー部品又はボディー部品の部品として、照明、合図又はシンボル用の部品として、小売店(Verkaufsstellen)又は化粧品カウンター(Kosmetikverkaufsstaender)、容器(Behaeltnisse)、家庭装飾又はオフィス装飾、家具用途、シャワードア及びオフィスドアとして、並びに建築工業における部品、特にプレートとして、壁として、特に防音壁として、窓枠、腰掛け、ランプカバー、散乱板(Streuscheiben)として及び自動車グレージングに使用されることができる。典型的な自動車外部部材は、例えばスポイラー、日除け(Blenden)、屋根モジュール又は外部ミラーケーシングである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料の全質量をそれぞれ基準として、
A)少なくとも1つの(メタ)アクリルイミド(コ)ポリマーからなるポリマーマトリックス83質量%〜99.5質量%、
B)セラミックビーズ0.5質量%〜15.0質量%
を含有する成形材料であって、
成形材料が、1.0cm3/10min〜20.0cm3/10minのISO 1133に従い260℃及び10kgで測定されるメルトボリュームフローレイトMVRを有する
ことを特徴とする、成形材料。
【請求項2】
セラミックビーズが、ポリマーマトリックスと非共有結合されている、請求項1記載の成形材料。
【請求項3】
セラミックビーズが、D50値として測定される1.0μm〜15.0μmの範囲内の平均直径を有する、請求項1又は2記載の成形材料。
【請求項4】
セラミックビーズが、D95値として測定される3μm〜35μmの範囲内の平均直径を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項5】
セラミックビーズが、2.1g/cm3〜2.5g/cm3の範囲内の密度を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項6】
セラミックビーズが、それらの全質量をそれぞれ基準として、
SiO2 55.0質量%〜62.0質量%、
Al23 21.0質量%〜35.0質量%、
Fe23 7.0質量%まで、
Na2O 11.0質量%まで及び
2O 6.0質量%まで
を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項7】
セラミックビーズが、0.8m2/g〜2.5m2/gの範囲内のBET窒素吸着法により測定される表面積を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項8】
セラミックビーズの内部が空である、請求項1から7までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項9】
助剤として滑剤が含まれている、請求項1から8までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項10】
滑剤としてステアリルアルコールが含まれている、請求項9記載の成形材料。
【請求項11】
成形材料グラニュールの形で存在する、請求項1から10までのいずれか1項記載の成形材料。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の成形材料を変形させる(umformt)ことを特徴とする、成形体の製造方法。
【請求項13】
前記成形材料を押し出すか又は射出成形する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
請求項12又は13記載の方法によって製造可能な成形体。
【請求項15】
少なくとも0.3μmのDIN 4768による粗さ値Rz、多くとも45のDIN 67530による光沢度(R60°)を有する、請求項14記載の成形体。
【請求項16】
40%〜93%の範囲内のDIN 5036による透過及び1°〜55°の範囲内のDIN 5036による強度半値角を有する、請求項14記載の成形体。
【請求項17】
次の性質
a.80MPa〜110MPaの範囲内のISO 527による5mm/minでの引張破壊応力、
b.4000MPaを上回るISO 527による1mm/minでの弾性率、
c.20KJ/m2を上回るISO 179/1eUによる衝撃強さ、
d.6×10-5/゜K未満のISO 11359による線膨張係数及び
e.少なくとも125℃のビカット軟化温度(ISO 306-B50)
の1つ又はそれ以上を有する、請求項14、15又は16記載の成形体。
【請求項18】
家庭電化製品、通信装置、ホビー用具又はスポーツ用具の部品、自動車組立、船舶組立又は航空機組立におけるボディー部品又はボディー部品の部品として、照明、合図又はシンボル用の部品として、小売店又は化粧品カウンター、容器、家庭装飾又はオフィス装飾、家具用途、シャワードア及びオフィスドアとして、並びに建築工業における部品として、壁として、窓枠、腰掛け、ランプカバー、散乱板として及び自動車グレージングのための、請求項14から17までのいずれか1項記載の成形体の使用。

【公表番号】特表2010−516518(P2010−516518A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547550(P2009−547550)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061656
【国際公開番号】WO2008/092517
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】