説明

ひずみ測定装置およびひずみゲージ判別方法

【課題】 複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、当該ひずみゲージの種類を簡易、確実且つ迅速に判別する。
【解決手段】 ひずみ測定装置31において、マイコン40が各スイッチSW1〜SW9をオン/オフ制御して、接続端子A〜B間に定電流源Iからの定電流を流し、電圧Vabを求めてデータXとする。次いで、接続端子A〜C間についても定電流を流し、電圧Vacを求めてデータYとする。これら電圧値のデータX〜データY、定電流に基づき、接続端子A〜C間に接続されているのが一般のひずみゲージであるのか、測温抵抗体付きのひずみゲージ1であるのかを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象の複数個所に取り付けられた複数のひずみゲージから得られる検出データに基づいて各個所のひずみを測定するひずみ測定装置および上記各個所に取り付けられたひずみゲージの種類を判別するひずみゲージ判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ひずみゲージには、ゲージベース上にゲージ抵抗(ゲージグリッドと称されている。)が添着された一般のひずみゲージの他に、近来、ゲージベース上にゲージ抵抗と共に測温抵抗体が添着された測温抵抗体付きのひずみゲージが用いられるようになってきた。以下、単にひずみゲージと称するときは、上記した一般のひずみゲージと測温抵抗体付きのひずみゲージの両方を意味するものとする。
図8は、従来のひずみ計測システムの構成を示す概略図である。この例の従来のひずみ計測システムは、複数のひずみゲージ1、1、・・・と、複数のケーブル2、2、2、・・・と、ひずみ測定装置3とを有している。図8に示すひずみゲージ1は、ポリイミド系樹脂のフィルムからなるゲージベース11上に、厚さ数μmを有し、銅・ニッケル系合金またはニッケル・クロム系合金からなり、蛇行状の抵抗箔(ゲージ抵抗)Raが接着されて構成されていると共に、ゲージベース11上には、ゲージ抵抗Raの近傍に、白金からなる測温抵抗体Rptが形成されている。ゲージ抵抗Raは、その一端がゲージタブ12aに一体に連接されると共に、その他端がゲージタブ12cに一体に連接されている。ゲージタブ12aには図示せぬリード線およびゲージ端子を介してケーブル2の一端が接続され、ゲージタブ12cには図示せぬリード線およびゲージ端子を介してケーブル2の一端が接続されている。
【0003】
また、測温抵抗体Rptは、その一端がゲージタブ12cに接続されていると共に、その他端がゲージタブ12bに接続されている。ゲージタブ12bには、図示せぬリード線およびゲージ端子を介してケーブル2の一端が接続されている。尚、上述した図示しないゲージ端子は、リード線とケーブルとの接続部に使用するもので、ケーブルが多少引っ張られても、直接ひずみゲージに力が伝わらず、ゲージタブおよびリード線の剥離や断線などを防止する。
ケーブル2の他端はひずみ測定装置3のチャンネルCH1の接続端子Aに接続され、ケーブル2の他端はひずみ測定装置3のチャンネルCH1の接続端子Bに接続され、ケーブル2の他端はひずみ測定装置3のチャンネルCH1の接続端子Cに接続されている。また、チャンネルCH1の接続端子Aはリード線4を介してチャンネルCH2の接続端子Aと接続され、チャンネルCH1の接続端子Bはリード線4を介してチャンネルCH2の接続端子Dと接続され、チャンネルCH1の接続端子Cはリード線4を介してチャンネルCH2の接続端子Bと接続されている。ひずみ測定装置3は、ひずみ測定回路5および温度測定回路6を有している。ひずみ測定回路5はチャンネルCH1の接続端子A、BおよびCと接続され、温度測定回路6はチャンネルCH2の接続端子A、BおよびDと接続されている。以下、5個の接続端子A、B、C、DおよびE毎に一般のひずみゲージまたは測温抵抗体付きのひずみゲージが測定目的に応じて接続されることになる。5個の接続端子A、B、C、DおよびE毎に1つのチャンネルを構成している。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
【0004】
また、従来のひずみ測定装置には、4個のゲージ抵抗からなるひずみゲージブリッジとひずみゲージブリッジの一方の出力端子に白金からなる測温抵抗体を接続させた検出部(4ゲージ法測定モードの測温抵抗体付き4線式)と、この検出部に接続され、測温モードとひずみ変換モードを切り換えながら検出部から供給される各種計測データを処理する測定部とからなるものもある。測定部は、定電流ブリッジ電源と、ひずみゲージブリッジの各入力端子を定電流ブリッジ電源または接地回路との接続状態に切り換える第1および第2のスイッチ回路と、測温抵抗体の端子とひずみゲージブリッジの他方の出力端子が接続された差動増幅器と、単一の測温用定電流回路と、測温用定電流回路を差動増幅器の非反転入力端子または反転入力端子、若しくは自己のオフ端子との接続状態に切り換える第3スイッチ回路を具備している(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
【0005】
【特許文献1】実開平6−46337号公報(請求項1,[0003]〜[0006],[0013]〜[0017]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した第1の従来例では、図8に示すように、測温抵抗体付きのひずみゲージ1にあっては、ひずみ測定専用のひずみ測定回路5と温度測定専用の温度測定回路6とをそれぞれ設ける必要があるため、1個の測温抵抗体付きのひずみゲージ1について2チャンネル必要となる。すなわち、1チャンネルでひずみ測定と温度測定の両方を行うことができないため、同一の測温抵抗体付きのひずみゲージ1に接続される隣接する2つのチャンネルを構成する接続端子同士をリード線4(4、4、4)で接続する手間が必要であり、また接続間違いを起こしやすいという問題があった。さらに、1個の測温抵抗体付きのひずみゲージ1について2チャンネル必要となるため、ひずみ測定装置3との間を中継する接続器にはそのチャンネル数の半分の個数の測温抵抗体付きのひずみゲージ1しか接続することができないという問題があった。
また、測定対象の個所の中には、温度変化や温度勾配が比較的少ない個所がある。このような個所では、同じ1ゲージ法測定モードの3線式ひずみゲージでも、図9に示す測温抵抗体が付いていない一般のひずみゲージ21を使用することになる。図9に示す一般のひずみゲージ21が図8に示す測温抵抗体付きのひずみゲージ1と異なる点は、測温抵抗体Rptが設けられていない点と、ゲージタブとしては、ゲージタブ12bが設けられておらず、ゲージタブ12aおよび12cのみが設けられている点である。この一般のひずみゲージ21をひずみ測定装置3に接続する場合には、温度測定を行わないため、チャンネルは1つで良い。
【0007】
また、ひずみ測定装置3では、接続端子と内部回路との接続は固定されている。したがって、測定に先立ち、ひずみ測定装置3の各チャンネルに接続されたひずみゲージの種類を確認し、チャンネル、測定個所、ひずみゲージ抵抗値等と共にひずみゲージの種類をメモに記録しておき、それに合わせてひずみ測定装置3へのケーブルの接続を変更しなければならなかった。このように、ひずみ測定装置3へのケーブルの接続を変更する作業は、煩雑で且つ間違え易い作業であり、測定に際し大きな負担となっている。
一方、ひずみ測定は、ひずみ測定装置から離れた場所に設置したひずみゲージに長尺のケーブルを介してひずみ測定装置を接続し、遠隔地のひずみを測定しなければならないことも多い。また、ケーブルに接続されたひずみゲージ自体は、地中やコンクリート中に埋設されることもあり、接続状態を容易に視認することができない場合も少なくない。このため、従来は、ケーブルを介してひずみゲージを接続した際に、ひずみゲージごとに、上述したように、その種類をメモに記録しておく必要があった。
特に、ダム等のように大きな建造物や施設、あるいは工事現場等の多数の個所に、ひずみゲージおよびひずみゲージ式変換器等を含む種々のセンサを多数設置し、それぞれ複数の接続端子からなる各チャンネル毎の接続端子にケーブルを介して接続し、これら多チャンネルの接続端子を有する多チャンネル測定器にスキャナを使用して選択的に走査接続して測定を行なう多点観測システムにおいては、予め個々のひずみゲージ毎に多チャンネル測定器への接続状態を変更しなければならない。このような多点観測システムでは、保守または測定対象の変動によるセンサの除去や追加に伴うチャンネルの変更および増減、並びに多チャンネル測定器の交換の都度、各チャンネルの接続状態の変更設定を行なう必要がある。
【0008】
したがって、各チャンネルの接続状態等を記録したメモ等を長期間にわたって保管しておかなければならず、しかも各チャンネルの接続状態の変更設定作業も極めて煩雑である。また、ひずみゲージとケーブルを含んだ測定系の断線等の状態を測定器側からチェックすることが行なわれているが、従来は、断線の有無のような、測定系の正常/異常のみを判断するものであった。したがって、測定系の特定の接続端子間の正確な抵抗値を検知するためには、テスター等を用いて個々に抵抗値を測定する必要があり、このため、ダム等の建造物の観測システムの保守のために必要な測定系のひずみゲージの抵抗値および絶縁抵抗値の経時変化の測定は、個々にテスター等を用いて測定しなければならないが、この作業が煩雑で数百個所に設定された各ひずみゲージをそれぞれ測定するには、膨大な時間を要するため、年間1〜2回程度しか行なわれておらず、経時変化を観測する上で、充分な測定は行なわれていなかった。
上述したように、従来は、ひずみゲージを接続した測定系のひずみゲージの種類やひずみゲージの抵抗値等を、予めメモ等に記録しておくか、個々に確認するかして、測定器側に該当するチャンネルの接続状態を設定あるいは変更する必要があり、接続状態の変更作業が、煩雑であるばかりか、誤認等による誤接続も生じがちであった。しかも、このことは、多チャンネルの測定系を選択的に走査接続する多点観測システムにおいては、接続状態の変更作業を著しく煩雑化する原因にもなっていた。
【0009】
一方、上記した第2の従来例では、上記したひずみゲージの種類の判別はもちろんのこと、多チャンネル測定についても何ら考慮されていないため、上記した第1の従来例の場合以上の問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、複数の接続端子に接続される複数種類のひずみゲージにより選択的に測定を行なうひずみゲージ測定装置において、前記複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に判別することを可能とすると共に、測温抵抗体付きのひずみゲージであっても1チャンネルでひずみ測定と温度測定を可能とし、少ないチャンネル数で多くのひずみゲージの接続を可能とするひずみ測定装置およびひずみゲージ判別方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に判別し、計測システム全体のコストの低減化を図ることを可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
【0010】
本発明の請求項2の目的は、特に、接続端子に接続されたひずみゲージが、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージであるのか測温抵抗体付きのひずみゲージであるのかを的確に判別し得るひずみ測定装置を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、少ないチャンネル数で多くのひずみゲージの接続を可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、測温抵抗体付きのひずみゲージであっても接続状態を変更することなく、ひずみと温度の両方を測定することを可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に自動的に判別することを可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
【0011】
本発明の請求項6の目的は、特に、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に自動的に判別することを可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、接続端子に接続されたひずみゲージが、一般のひずみゲージと測温抵抗体付きのひずみゲージのいずれであっても何の支障もなくひずみを測定することを可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、測温抵抗体付きのひずみゲージであっても接続状態を変更することなく、ひずみと温度の両方を測定することを可能とするひずみ測定装置を提供することにある。
本発明の請求項9の目的は、特に、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に判別することを可能とするひずみゲージ判別方法を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、特に、接続端子に接続されたひずみゲージが、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージであるのか測温抵抗体付きのひずみゲージであるのかを的確に判別し得るひずみゲージ判別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、上述した目的を達成するために、
異なる種類のひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の電圧値を検出し、前記電圧値に基づいて前記ひずみゲージの種類を判別する種類判別手段と、
前記種類判別手段による判別結果に基づいて、前記種類に応じた計測を行なうひずみ計測手段と
を具備することを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、請求項1の装置であって、
前記異なる種類のひずみゲージは、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージと、ゲージ抵抗と測温抵抗体からなる測温抵抗体付きのひずみゲージの少なくとも二種類からなることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、請求項1または請求項2の装置であって、
前記種類判別手段は、
前記ひずみゲージに給電するための定電流源と、
前記複数の接続端子の中から前記2つの接続端子を選択して前記電圧値を計測する電圧計測手段と、
前記電圧計測手段により計測された前記電圧値より求めた抵抗値に基づいて、前記ひずみゲージの種類を判別する判別手段と
を含むことを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記測温抵抗体の抵抗値と温度に関する抵抗・温度変換テーブルを有し、
前記計測手段は、
前記ひずみゲージが前記測温抵抗体付きのひずみゲージであると判別された場合には、前記抵抗・温度変換テーブルを参照して、計測された前記測温抵抗体の抵抗値を温度に変換することを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、上述した目的を達成するために、
ゲージ抵抗と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第1のリード線と、各一端が前記ゲージ抵抗の他端にそれぞれ接続された第2および第3のリード線とを有する一般のひずみゲージと、直列接続されたゲージ抵抗および測温抵抗体と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第4のリード線と、その一端が前記測温抵抗体の一端に接続された第5のリード線と、その一端が前記ゲージ抵抗の他端と前記測温抵抗体の他端との接続点に接続された第6のリード線とを有する測温抵抗体付きのひずみゲージが接続可能であり、
前記第1または第4のリード線の各他端が第1のケーブルを介して接続される第1の接続端子と、
前記第2または第5のリード線の各他端が第2のケーブルを介して接続される第2の接続端子と、
前記第3または第6のリード線の各他端が第3のケーブルを介して接続される第3の接続端子と、
所定の電流値の定電流を出力する定電流源と、
前記第1の接続端子と前記定電流源との間に介挿された第1のスイッチと、
前記第2の接続端子を接地するための第2のスイッチと、
前記第3の接続端子を接地するための第3のスイッチと、
前記第1および第2のスイッチをオンすると共に前記第3のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の接続端子間の第1の電圧値を検出し、前記第1および第3のスイッチをオンすると共に前記第2のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第3の接続端子間の第2の電圧値を検出し、前記第1および第2の電圧値と前記電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を判別する判別手段と
を具備することを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、上述した目的を達成するために、
ゲージ抵抗と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第1のリード線と、各一端が前記ゲージ抵抗の他端にそれぞれ接続された第2および第3のリード線とを有する一般のひずみゲージと、直列接続されたゲージ抵抗および測温抵抗体と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第4のリード線と、その一端が前記測温抵抗体の一端に接続された第5のリード線と、その一端が前記ゲージ抵抗の他端と前記測温抵抗体の他端との接続点に接続された第6のリード線とを有する測温抵抗体付きのひずみゲージが接続可能であり、
前記第1または第4のリード線の各他端が第1のケーブルを介して接続される第1の接続端子と、
前記第2または第5のリード線の各他端が第2のケーブルを介して接続される第2の接続端子と、
前記第3または第6のリード線の各他端が第3のケーブルを介して接続される第3の接続端子と、
所定の電圧値の定電圧を出力する定電圧源と、
所定の電流値の定電流を出力する定電流源と、
その非反転入力端子に前記定電圧が印加された第1の差動増幅器と、
その非反転入力端子が前記第3の接続端子に接続され、その反転入力端子が前記第1の差動増幅器の反転入力端子に接続された第2の差動増幅器と、
その入力端子が前記第1の接続端子に接続された第1のボルテージフォロアと、
その入力端子が前記第2の接続端子に接続された第2のボルテージフォロアと、
その出力端子が第1の電圧出力端子に接続された第3のボルテージフォロアと、
その出力端子が第2の電圧出力端子に接続された第4のボルテージフォロアと、
その一端が前記第2の差動増幅器の反転入力端子に接続され、その他端が接地された第1のダミー固定抵抗と、
その一端が前記第2の差動増幅器の出力端子に接続された第2のダミー固定抵抗と、
その一端が前記第1のボルテージフォロアの出力端子に接続され、その他端が前記第2のダミー固定抵抗の他端に接続された第3のダミー固定抵抗と、
その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記第1の差動増幅器の出力端子に接続された第1のスイッチと、
その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記定電流源に接続された第2のスイッチと、
その一端が前記第2の接続端子と接続され、その他端が接地された第3のスイッチと、
その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が前記第2の差動増幅器の反転入力端子に接続された第4のスイッチと、
その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が接地された第5のスイッチと、
その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記第3のボルテージフォロアの入力端子に接続された第6のスイッチと、
その一端が前記第2のダミー固定抵抗の他端と前記第3のダミー固定抵抗の他端との接続点に接続され、その他端が前記第3のボルテージフォロアの入力端子に接続された第7のスイッチと、
その一端が前記第2のボルテージフォロアの出力端子と接続され、その他端が前記第4のボルテージフォロアの入力端子に接続された第8のスイッチと、
その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が前記第4のボルテージフォロアの入力端子に接続された第9のスイッチと、
前記第2、第3、第6および第8のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第1、第4、第5、第7および第9のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第1の電圧値を検出し、前記第2、第5、第6および第9のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第1、第3、第4、第7および第8のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第2の電圧値を検出し、前記第1および第2の電圧値と前記電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を判別する判別・計測手段と
を具備することを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、請求項6の装置であって、
前記判別・計測手段は、
前記第1、第4、第7および第8のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第2、第3、第5、第6および第9のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電圧を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第3の電圧値を検出し、前記第3の電圧値に基づいて、ひずみを求めることを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、請求項7の装置であって、
前記測温抵抗体の抵抗値と温度に関する抵抗・温度変換テーブルを有し、
前記判別・計測手段は、
前記ひずみゲージが前記測温抵抗体付きのひずみゲージであると判別した場合には、前記抵抗・温度変換テーブルを参照して、計測された前記測温抵抗体の抵抗値を温度に変換することを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載した本発明に係るひずみゲージ判別方法は、上述した目的を達成するために、
測定対象に取り付けられた異なる種類のひずみゲージから得られる検出データに基づいて前記測定対象のひずみを測定する際に、前記測定対象に取り付けられた前記ひずみゲージの種類を判別するひずみゲージ判別方法であって、
前記ひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の第1の電圧値を検出する第1の計測ステップと、
前記ひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から前記第1の計測ステップとは異なる2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の第2の電圧値を検出する第2の計測ステップと、
前記第1および第2の電圧値と前記給電した電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記ひずみゲージの種類を判別する種類判別ステップと
を有することを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係るひずみ測定装置は、請求項9の方法であって、
前記異なる種類のひずみゲージは、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージと、ゲージ抵抗と測温抵抗体からなる測温抵抗体付きのひずみゲージの少なくとも二種類からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の接続端子に接続される複数種類のひずみゲージにより選択的に測定を行なうひずみゲージ測定装置において、前記複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に判別することを可能とすると共に、測温抵抗体付きのひずみゲージであっても1チャンネルでひずみ測定と温度測定を可能とし、少ないチャンネル数で多くのひずみゲージの接続を可能とするひずみ測定装置およびひずみゲージ判別方法を提供することができる。
すなわち、本発明の請求項1のひずみ測定装置によれば、異なる種類のひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の電圧値を検出し、前記電圧値に基づいて前記ひずみゲージの種類を判別する種類判別手段と、前記種類判別手段による判別結果に基づいて、前記種類に応じた計測を行なうひずみ計測手段とを具備することにより、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に判別し、計測システム全体のコストの低減化を図ることができる。
【0019】
本発明の請求項2のひずみ測定装置によれば、請求項1の装置であって、前記異なる種類のひずみゲージは、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージと、ゲージ抵抗と測温抵抗体からなる測温抵抗体付きのひずみゲージの少なくとも二種類からなることにより、接続端子に接続されたひずみゲージが、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージであるのか測温抵抗体付きのひずみゲージであるのかを的確に判別することができる。
本発明の請求項3のひずみ測定装置によれば、請求項1または請求項2の装置であって、前記種類判別手段は、前記ひずみゲージに給電するための定電流源と、前記複数の接続端子の中から前記2つの接続端子を選択して前記電圧値を計測する電圧計測手段と、前記電圧計測手段により計測された前記電圧値より求めた抵抗値に基づいて、前記ひずみゲージの種類を判別する判別手段とを含むことにより、少ないチャンネル数で多くのひずみゲージの接続が可能となる。
本発明の請求項4のひずみ測定装置によれば、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の装置であって、前記測温抵抗体の抵抗値と温度に関する抵抗・温度変換テーブルを有し、前記計測手段は、前記ひずみゲージが前記測温抵抗体付きのひずみゲージであると判別された場合には、前記抵抗・温度変換テーブルを参照して、計測された前記測温抵抗体の抵抗値を温度に変換することにより、測温抵抗体付きのひずみゲージであっても接続状態を変更することなく、ひずみと温度の両方を測定することが可能となる。
【0020】
本発明の請求項5のひずみ測定装置によれば、ゲージ抵抗と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第1のリード線と、各一端が前記ゲージ抵抗の他端にそれぞれ接続された第2および第3のリード線とを有する一般のひずみゲージと、直列接続されたゲージ抵抗および測温抵抗体と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第4のリード線と、その一端が前記測温抵抗体の一端に接続された第5のリード線と、その一端が前記ゲージ抵抗の他端と前記測温抵抗体の他端との接続点に接続された第6のリード線とを有する測温抵抗体付きのひずみゲージが接続可能であり、前記第1または第4のリード線の各他端が第1のケーブルを介して接続される第1の接続端子と、前記第2または第5のリード線の各他端が第2のケーブルを介して接続される第2の接続端子と、前記第3または第6のリード線の各他端が第3のケーブルを介して接続される第3の接続端子と、所定の電流値の定電流を出力する定電流源と、前記第1の接続端子と前記定電流源との間に介挿された第1のスイッチと、前記第2の接続端子を接地するための第2のスイッチと、前記第3の接続端子を接地するための第3のスイッチと、前記第1および第2のスイッチをオンすると共に前記第3のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の接続端子間の第1の電圧値を検出し、前記第1および第3のスイッチをオンすると共に前記第2のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第3の接続端子間の第2の電圧値を検出し、前記第1および第2の電圧値と前記電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を判別する判別手段とを具備することにより、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に自動的に判別することが可能となる。
【0021】
本発明の請求項6のひずみ測定装置によれば、ゲージ抵抗と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第1のリード線と、各一端が前記ゲージ抵抗の他端にそれぞれ接続された第2および第3のリード線とを有する一般のひずみゲージと、直列接続されたゲージ抵抗および測温抵抗体と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第4のリード線と、その一端が前記測温抵抗体の一端に接続された第5のリード線と、その一端が前記ゲージ抵抗の他端と前記測温抵抗体の他端との接続点に接続された第6のリード線とを有する測温抵抗体付きのひずみゲージが接続可能であり、前記第1または第4のリード線の各他端が第1のケーブルを介して接続される第1の接続端子と、前記第2または第5のリード線の各他端が第2のケーブルを介して接続される第2の接続端子と、前記第3または第6のリード線の各他端が第3のケーブルを介して接続される第3の接続端子と、所定の電圧値の定電圧を出力する定電圧源と、所定の電流値の定電流を出力する定電流源と、その非反転入力端子に前記定電圧が印加された第1の差動増幅器と、その非反転入力端子が前記第3の接続端子に接続され、その反転入力端子が前記第1の差動増幅器の反転入力端子に接続された第2の差動増幅器と、その入力端子が前記第1の接続端子に接続された第1のボルテージフォロアと、その入力端子が前記第2の接続端子に接続された第2のボルテージフォロアと、その出力端子が第1の電圧出力端子に接続された第3のボルテージフォロアと、その出力端子が第2の電圧出力端子に接続された第4のボルテージフォロアと、その一端が前記第2の差動増幅器の反転入力端子に接続され、その他端が接地された第1のダミー固定抵抗と、その一端が前記第2の差動増幅器の出力端子に接続された第2のダミー固定抵抗と、その一端が前記第1のボルテージフォロアの出力端子に接続され、その他端が前記第2のダミー固定抵抗の他端に接続された第3のダミー固定抵抗と、その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記第1の差動増幅器の出力端子に接続された第1のスイッチと、その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記定電流源に接続された第2のスイッチと、その一端が前記第2の接続端子と接続され、その他端が接地された第3のスイッチと、その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が前記第2の差動増幅器の反転入力端子に接続された第4のスイッチと、その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が接地された第5のスイッチと、その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記第3のボルテージフォロアの入力端子に接続された第6のスイッチと、その一端が前記第2のダミー固定抵抗の他端と前記第3のダミー固定抵抗の他端との接続点に接続され、その他端が前記第3のボルテージフォロアの入力端子に接続された第7のスイッチと、その一端が前記第2のボルテージフォロアの出力端子と接続され、その他端が前記第4のボルテージフォロアの入力端子に接続された第8のスイッチと、その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が前記第4のボルテージフォロアの入力端子に接続された第9のスイッチと、前記第2、第3、第6および第8のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第1、第4、第5、第7および第9のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第1の電圧値を検出し、前記第2、第5、第6および第9のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第1、第3、第4、第7および第8のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第2の電圧値を検出し、前記第1および第2の電圧値と前記電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を判別する判別・計測手段とを具備することにより、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に自動的に判別することが可能となる。
【0022】
本発明の請求項7のひずみ測定装置によれば、請求項6の装置であって、前記判別・計測手段は、前記第1、第4、第7および第8のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第2、第3、第5、第6および第9のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電圧を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第3の電圧値を検出し、前記第3の電圧値に基づいて、ひずみを求めることにより、接続端子に接続されたひずみゲージが、一般のひずみゲージと測温抵抗体付きのひずみゲージのいずれであっても何の支障もなくひずみを測定することが可能となる。
本発明の請求項8のひずみ測定装置によれば、請求項7の装置であって、前記測温抵抗体の抵抗値と温度に関する抵抗・温度変換テーブルを有し、前記判別・計測手段は、前記ひずみゲージが前記測温抵抗体付きのひずみゲージであると判別した場合には、前記抵抗・温度変換テーブルを参照して、計測された前記測温抵抗体の抵抗値を温度に変換することにより、測温抵抗体付きのひずみゲージであっても接続状態を変更することなく、ひずみと温度の両方を測定することが可能となる。
【0023】
本発明の請求項9のひずみゲージ判別方法によれば、測定対象に取り付けられた異なる種類のひずみゲージから得られる検出データに基づいて前記測定対象のひずみを測定する際に、前記測定対象に取り付けられた前記ひずみゲージの種類を判別するひずみゲージ判別方法であって、前記ひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の第1の電圧値を検出する第1の計測ステップと、前記ひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から前記第1の計測ステップとは異なる2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の第2の電圧値を検出する第2の計測ステップと、前記第1および第2の電圧値と前記給電した電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記ひずみゲージの種類を判別する種類判別ステップとを有することにより、複数の接続端子に対するひずみゲージの接続状態を測定器側から検知し、複数の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を測定器側から簡易、確実且つ迅速に判別することが可能となる。
【0024】
本発明の請求項10のひずみ測定装置によれば、前記異なる種類のひずみゲージは、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージと、ゲージ抵抗と測温抵抗体からなる測温抵抗体付きのひずみゲージの少なくとも二種類からなることにより、接続端子に接続されたひずみゲージが、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージであるのか測温抵抗体付きのひずみゲージであるのかを的確に判別し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のひずみ測定装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係るひずみ計測システムの回路構成を示している。この実施の形態のひずみ計測システムは、測温抵抗体付きのひずみゲージ1と、ケーブル2〜2と、ひずみ測定装置31とを有している。図1において、ひずみゲージ1およびケーブル2〜2は、図8に示すひずみゲージ1およびケーブル2〜2と同一であるが、図1では等価回路で示している。ゲージ抵抗Raの抵抗値としては、例えば、120Ω、240Ω、350Ωまたは1kΩ等であり、測温抵抗体Rptの抵抗値としては、例えば、20Ω(−196℃のとき)〜330Ω(+652℃のとき)である。また、ケーブル2〜2は、図1ではそれぞれ主として長さに応じて変化する抵抗値r〜rなるケーブル抵抗を有している。
【0026】
ひずみ測定装置31は、接続端子A〜Cと、スイッチSW1〜SW9と、電源Einと、定電流源Iと、差動増幅器OP1〜OP6と、ダミー固定抵抗Rb〜Rdと、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す。)40とから構成されている。なお、図1では、説明を簡単にするために、1個の測温抵抗体付きのひずみゲージ1だけがひずみ測定装置31に接続される例を示しているが、ひずみ測定装置31には、実際には、複数の測温抵抗体付きのひずみゲージ1や、図9に示す一般のひずみゲージ21が多数接続される。また、多数の測温抵抗体付きのひずみゲージ1または一般のひずみゲージ21は、多数の測定個所に添着されるが、この場合、多数の測温抵抗体付きのひずみゲージ1または一般のひずみゲージ21とひずみ測定装置31とは、一対一で接続されるのではなく、スキャナと称される多点切換器を介して、計測目的に応じて1台または複数台のひずみ測定装置31で測定を行うのが一般的である。
測温抵抗体付きのひずみゲージ1のゲージ抵抗Raは、その一端がゲージタブ12aに一体に連接されると共に、その他端がゲージタブ12cに一体に連接され、かつ、測温抵抗体Rptの一端に接続されている。ゲージタブ12aは、図示せぬリード線、ゲージ端子およびケーブル2を介してひずみ測定装置31の接続端子Aに接続されている。ゲージタブ12cは、図示せぬリード線およびケーブル2を介してひずみ測定装置31の接続端子Cに接続されている。また、測温抵抗体Rptは、その他端がゲージタブ12bに接続されている。ゲージタブ12bは、図示せぬリード線、ゲージ端子およびケーブル2を介してひずみ測定装置31の接続端子Bに接続されている。
【0027】
スイッチSW1〜SW9は、例えば、フォトモスリレーやメカニカルなリレーからなり、マイコン40から供給される制御信号SC1〜SC9によりそれぞれオン/オフされる。スイッチSW1は、その一端が接続端子A、スイッチSW2の一端、スイッチSW6の一端および差動増幅器OP2の非反転入力端子にそれぞれ接続され、その他端が差動増幅器OP1の出力端子に接続されている。スイッチSW2の他端は、定電流源Iに接続されている。スイッチSW3は、その一端が接続端子Bおよび差動増幅器OP3の非反転入力端子にそれぞれ接続され、その他端が接地されている。スイッチSW4は、その一端が接続端子C、スイッチSW5の一端、スイッチSW9の一端および差動増幅器OP4の非反転入力端子にそれぞれ接続され、その他端が差動増幅器OP1の反転入力端子、差動増幅器OP4の反転入力端子およびダミー固定抵抗Rbの一端にそれぞれ接続されている。スイッチSW5の他端は、接地されている。スイッチSW6の他端は、スイッチSW7の一端および差動増幅器OP5の非反転入力端子にそれぞれ接続されている。スイッチSW7の他端は、ダミー固定抵抗Rcの一端およびダミー固定抵抗Rdの一端にそれぞれ接続されている。
【0028】
スイッチSW8は、その一端が差動増幅器OP3の反転入力端子および出力端子にそれぞれ接続され、その他端がスイッチSW9の他端および差動増幅器OP6の非反転入力端子にそれぞれ接続されている。
定電圧電源Einは、差動増幅器OP1の非反転入力端子と接地との間に所定のブリッジ励振電圧を印加している。定電流源Iは、スイッチSW2がオンされたとき、スイッチSW2、ケーブル2および図示せぬリード線を介して測温抵抗体付きのひずみゲージ1に所定の定電流(例えば、1mA)を流す。差動増幅器OP1は、スイッチSW1およびSW4が共にオンされたとき、ブリッジ励振用の電源増幅器として機能して、ゲージ抵抗Raおよびダミー固定抵抗Rb〜Rdで構成されるホイートストンブリッジにブリッジ励振電圧を供給する。
差動増幅器OP2、OP3、OP5およびOP6は、それぞれボルテージフォロアを構成しており、例えば、1000GΩ程度の高い入力インピーダンスを有しているため、電流はほとんど流れない。また、差動増幅器OP5およびOP6は、出力バッファとして機能し、これらの非反転入力端子間に供給される電圧を第1の電圧出力端子EOUT1と第2の電圧出力端子EOUT2との間に出力電圧Vとして出力する。差動増幅器OP4は、その出力端子がダミー固定抵抗Rcの他端に接続されており、ひずみ測定時にスイッチSW4がオンされることにより、反転入力端子と非反転入力端子との間にスイッチSW4のオン抵抗RSW4が挿入され、ゲージ抵抗Raに流れる電流Iとオン抵抗RSW4との乗算結果である電圧E4を出力する。ダミー固定抵抗Rbは、所定の抵抗値を有しており、他端が接地されている。ダミー固定抵抗RcおよびRdは、それぞれ所定の抵抗値を有している。
【0029】
マイコン40は、CPU(中央処理装置)41と、ROM42と、RAM43と、ポート44とから概略構成されている。CPU41は、ROM42に記憶されているひずみ測定プログラム等に基づいて、共に後述する種類判別処理やひずみ測定処理等を実行することにより、ひずみ測定装置31の各部を制御する。すなわち、例えば、ひずみ測定プログラムが読み出されると、CPU41に読み込まれ、CPU41の動作を制御する。CPU41は、ひずみ測定プログラムが起動されると、ひずみ測定プログラムの制御により、先ず、種類判別処理を実行し、次いで、ひずみ測定処理を実行するのである。種類判別処理は、スイッチSW1〜SW9に制御信号SC1〜SC9を供給して所定のスイッチSWをオンまたはオフすることにより、接続端子A〜Cに接続されているひずみゲージの種類を判別する。一方、ひずみ測定処理は、スイッチSW1〜SW9に制御信号SC1〜SC9を供給して所定のスイッチSWをオンまたはオフすることにより、種類判別処理の判別結果に基づいてひずみゲージの種類に応じたひずみ測定を行なう。ROM42には、CPU41が実行すべきひずみ測定プログラム等の各種プログラムおよびスイッチ制御テーブルや抵抗・温度変換テーブル等の各種データが予め記憶されている。RAM43は、CPU41が上記したひずみ測定プログラムを実行する際に作業用として用いられる。ポート44は、CPU41から供給される制御信号SC1〜SC9、検出データや外部から供給されるデータのいずれかを選択して入出力する。
【0030】
ここで、図2にスイッチ制御テーブルの構成の一例を示す。図2において、「ひずみ測定」とは、ひずみを測定する動作モードを意味し、「判別モード1」とは、接続端子A〜Cに接続されたひずみゲージの種類を判別する「判別モード」のうち、接続端子Aと接続端子Bとの間の電圧Vabを測定する動作モードを意味し、「判別モード2」とは、「判別モード」のうち、接続端子Aと接続端子Cとの間の電圧Vacを測定する動作モードを意味している。
また、図3は、ひずみ測定装置31に測温抵抗体付きのひずみゲージ1が接続された場合の「判別モード」における一部等価回路、図4は、ひずみ測定装置31に一般のひずみゲージ21が接続された場合の「判別モード」における一部等価回路を示している。
次に、上記構成のひずみ計測システムの動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。接続端子A〜Cに測温抵抗体付きのひずみゲージ1または一般のひずみゲージ21が接続された状態において、ひずみ測定装置31に電源が投入されると、CPU41は、所定の初期化処理を実行した後、図5に示すステップS1へ進む。この所定の初期化処理としては、例えば、CPU41は、RAM43のすべての記憶内容をクリアしたりする。
【0031】
ステップS1では、CPU41は、接続端子Aと接続端子Bとの間の電圧Vabを測定する処理を行った後、ステップS2へ進む。この電圧Vab測定処理は、まず、ROM42に記憶されている図2に示すスイッチ制御テーブルを参照して、「判別モード1」に対応したスイッチSW1〜SW9のオン/オフを制御するための制御信号SC1〜SC9を生成し、ポート44を介してスイッチSW1〜SW9に供給する。これにより、スイッチSW1、SW4、SW5、SW7およびSW9がオフすると共に、スイッチSW2、SW3、SW6およびSW8がオンするので、接続端子A〜Cに測温抵抗体付きのひずみゲージ1が接続されている場合には、図6(a)に等価回路で示すように、接続端子Aと接続端子Bとの間には、抵抗値rを有するケーブル2、ゲージ抵抗Ra、測温抵抗体Rptおよび抵抗値rを有するケーブル2が直列に接続され、これらに定電流源IからオンされたスイッチSW2を介して所定の電流値の定電流が供給される。このとき、接続端子Bは、オンされたスイッチSW3を介して接地される。したがって、電圧Vabは、式(1)で表される。
【0032】
ab=I×(r+Ra+Rpt+r) ・・・(1)
一方、接続端子A〜Cに一般のひずみゲージ21が接続されている場合には、図7(a)に等価回路で示すように、接続端子Aと接続端子Bとの間には、抵抗値rを有するケーブル2、ゲージ抵抗Raおよび抵抗値rを有するケーブル2が直列に接続され、これらに定電流源IからオンされたスイッチSW2を介して所定の電流値の定電流が供給される。このとき、接続端子Bは、オンされたスイッチSW3を介して接地される。したがって、電圧Vabは、式(2)で表される。
ab=I×(r+Ra+r) ・・・(2)
ステップS2では、CPU41は、ステップS1の処理で求めた電圧VabをデータXとした後、ステップS3へ進む。
ステップS3では、CPU41は、接続端子Aと接続端子Cとの間の電圧Vacを測定する処理を行った後、ステップS4へ進む。この電圧Vac測定処理は、まず、ROM42に記憶されている図2に示すスイッチ制御テーブルを参照して、「判別モード2」に対応したスイッチSW1〜SW9のオン/オフを制御するための制御信号SC1〜SC9を生成し、ポート44を介してスイッチSW1〜SW9に供給する。
【0033】
これにより、スイッチSW1、SW3、SW4、SW7およびSW8がオフすると共に、スイッチSW2、SW5、SW6およびSW9がオンするので、接続端子A〜Cに測温抵抗体付きのひずみゲージ1が接続されている場合には、図6(b)に等価回路で示すように、接続端子Aと接続端子Cとの間には、抵抗値rを有するケーブル2、ゲージ抵抗Raおよび抵抗値rを有するケーブル2が直列に接続され、これらに定電流源IからオンされたスイッチSW2を介して所定の電流値の定電流が供給される。このとき、接続端子Cは、オンされたスイッチSW5を介して接地される。したがって、電圧Vacは、式(3)で表される。
ac=I×(r+Ra+r) ・・・(3)
一方、接続端子A〜Cに一般のひずみゲージ21が接続されている場合には、図7(b)に等価回路で示すように、接続端子Aと接続端子Cとの間には、抵抗値rを有するケーブル2、ゲージ抵抗Raおよび抵抗値rを有するケーブル2が直列に接続され、これらに定電流源IからオンされたスイッチSW2を介して所定の電流値の定電流が供給される。このとき、接続端子Cは、オンされたスイッチSW5を介して接地される。したがって、電圧Vacは、式(4)で表される。
【0034】
ac=I×(r+Ra+r) ・・・(4)
ステップS4では、CPU41は、ステップS3の処理で求めた電圧VacをデータYとした後、ステップS5へ進む。
ステップS5では、CPU41は、抵抗値Rを式(5)により計算した後、ステップS6へ進む。
R=(X−Y)/I ・・・(5)
すなわち、接続端子A〜Cに測温抵抗体付きのひずみゲージ1が接続されている場合には、式(5)にデータXとして式(1)が、データYとして式(3)が代入されるので、抵抗値Rは、式(6)で表される。
R=Rpt+r−r ・・・(6)
一方、接続端子A〜Cに一般のひずみゲージ21が接続されている場合には、式(5)にデータXとして式(2)が、データYとして式(4)が代入されるので、抵抗値Rは、式(7)で表される。
【0035】
R=r−r ・・・(7)
ステップS6では、CPU41は、ステップS5で求めた抵抗値Rが基準抵抗値RREFより小さいか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合には、ステップS7へ進み、この判断結果が「YES」の場合には、ステップS10へ進む。基準抵抗値RREFとしては、配線抵抗等より高く、測温抵抗体Rptの抵抗値の下限値より低い値に設定する。今の場合、測温抵抗体Rptの抵抗値の下限値が20Ωであるので、例えば、ここでは、基準抵抗値RREFを15Ωとする。また、ケーブル2〜2の長さおよび材質が等しいならば、式(8)が成立すると考えて良い。
≒r≒r ・・・(8)
したがって、接続端子A〜Cに測温抵抗体付きのひずみゲージ1が接続されている場合には、式(6)に式(8)を代入して、式(9)となる。
R≒Rpt ・・・(9)
すなわち、抵抗値Rは、測温抵抗体Rptの抵抗値にほぼ等しいので、基準抵抗値RREFより大きい。したがって、ステップS6の判断結果は「NO」となり、CPU41は、ステップS7へ進む。式(9)から分かるように、判別モードでは、ゲージ抵抗Raの変動やケーブル2〜2の抵抗値r〜rの変動の影響を受けることはない。
【0036】
一方、接続端子A〜Cに一般のひずみゲージ21が接続されている場合には、式(7)に式(8)を代入して、式(10)となる。
【0037】
R≒0 ・・・(10)
すなわち、抵抗値Rは、ほぼゼロに等しいので、基準抵抗値RREFより小さい。したがって、ステップS6の判断結果は「YES」となり、CPU41は、ステップS10へ進む。
ステップS7では、CPU41は、接続端子A〜Cには、測温抵抗体付きのひずみゲージ1が接続されていると判定した後、ステップS8へ進む。ステップS8では、CPU41は、測温抵抗体付きのひずみゲージ1が取り付けられている測定箇所のひずみを測定する処理を行った後、ステップS9へ進む。このひずみ測定処理は、まず、ROM42に記憶されている図2に示すスイッチ制御テーブルを参照して、「ひずみ測定」に対応したスイッチSW1〜SW9のオン/オフを制御するための制御信号SC1〜SC9を生成し、ポート44を介してスイッチSW1〜SW9に供給する。これにより、スイッチSW2、SW3、SW5、SW6およびSW9がオフすると共に、スイッチSW1、SW4、SW7およびSW8がオンするので、差動増幅器OP1は、ブリッジ励振用の電源増幅器として機能して、オンされたスイッチSW1、ケーブル2、ボルテージフォロアとして機能する差動増幅器OP2、オンされたスイッチSW4および差動増幅器OP4を介して、ゲージ抵抗Raおよびダミー固定抵抗Rb〜Rdで構成されるホイートストンブリッジにブリッジ励振電圧を供給する。
【0038】
ひずみに応じた電圧は、オンされたスイッチSW7および出力バッファとして機能する差動増幅器OP5の出力端子が接続された第1の電圧出力端子EOUT1と、ボルテージフォロアとして機能する差動増幅器OP3、オンされたスイッチSW8および出力バッファとして機能する差動増幅器OP6の出力端子が接続された第2の電圧出力端子EOUT2との間に出現する。このとき、測温抵抗体付きのひずみゲージ1を構成する測温抵抗体Rptには、図示せぬリード線、ゲージ端子およびケーブル2を介して、ボルテージフォロアとして機能し、1000GΩ程度の高い入力インピーダンスを有する差動増幅器OP3が接続されるため、電流はほとんど流れない。したがって、測温抵抗体付きのひずみゲージ1をひずみ測定装置31の接続端子A〜Cに対して一般のひずみゲージ21と同一の接続状態で接続しても、ひずみ測定において何ら支障はない。
ステップS9では、CPU41は、ROM42に記憶されている図示せぬ抵抗・温度変換テーブルを参照して、ステップS8の処理で得られた測温抵抗体Rptの抵抗値を温度に変換(ノーマライズ)した後、一連の処理を終了する。
【0039】
一方、ステップS10では、CPU41は、接続端子A〜Cには、一般のひずみゲージ21が接続されていると判定した後、ステップS11へ進む。ステップS11では、CPU41は、一般のひずみゲージ21が取り付けられている測定箇所のひずみを測定する処理を行った後、一連の処理を終了する。このひずみ測定処理は、まず、ROM42に記憶されている図2に示すスイッチ制御テーブルを参照して、「ひずみ測定」に対応したスイッチSW1〜SW9のオン/オフを制御するための制御信号SC1〜SC9を生成し、ポート44を介してスイッチSW1〜SW9に供給する。これにより、スイッチSW2、SW3、SW5、SW6およびSW9がオフすると共に、スイッチSW1、SW4、SW7およびSW8がオンするので、差動増幅器OP1は、ブリッジ励振用の電源増幅器として機能して、オンされたスイッチSW1、ケーブル2、ボルテージフォロアとして機能する差動増幅器OP2、オンされたスイッチSW4および差動増幅器OP4を介して、ゲージ抵抗Raおよびダミー固定抵抗Rb〜Rdで構成されるホイートストンブリッジにブリッジ励振電圧を供給する。ひずみに応じた電圧は、オンされたスイッチSW7および出力バッファとして機能する差動増幅器OP5の出力端子が接続された第1の電圧出力端子EOUT1と、ボルテージフォロアとして機能する差動増幅器OP3、オンされたスイッチSW8および出力バッファとして機能する差動増幅器OP6の出力端子が接続された第2の電圧出力端子EOUT2との間に出現する。したがって、一般のひずみゲージ21をひずみ測定装置31の接続端子A〜Cに対して測温抵抗体付きのひずみゲージ1と同一の接続状態で接続しても、同様にひずみ測定を行なうことができる。
【0040】
このように、本発明の上述の実施の形態によれば、1ゲージ法測定モードにおいて測温抵抗体が付いていない一般の3線式のひずみゲージと、1ゲージ法測定モードにおいて測温抵抗体付きの3線式のひずみゲージとを測定器側で判別することができると共に、1チャンネルでひずみ測定と温度測定の両方を行うことができる。したがって、本発明の上述の実施の形態によれば、従来のように、同一のひずみゲージに接続される隣接する2つのチャンネルを構成する接続端子同士をリード線で接続する手間は不要となり、作業の効率化を図ることができる。また接続間違いを起こすことがないので、信頼性の高い計測データを得ることができる。1個のひずみゲージは1つのチャンネルがあれば良いため、接続端子および切換器は、少ないチャンネル数で多くのひずみゲージを接続することができる。この結果、ひずみ計測システム全体のコストを低減することができる。
また、ひずみ測定装置31では、高入力インピーダンスのボルテージフォロアやバッファを使用しているので、接続端子Bに接続されるリード線2や測温抵抗体Rptに電流がほとんど流れない。したがって、図1に示す回路構成によればひずみ測定に悪い影響を及ぼすことは少なく、従来の手法をそのまま利用して1ゲージ法測定モードの3線式のひずみゲージを用いたひずみ測定を行なうことができる。
【0041】
また、一般の3線式のひずみゲージと、測温抵抗体付きの3線式のひずみゲージとを測定器側で判別することができるので、従来のように、測定に先立ち、ひずみゲージの種類をメモに記録しておき、それに合わせてひずみ測定装置へのケーブルの接続を変更する必要がなく、且つ種類の判別結果を用いてひずみの自動測定が可能となり、したがって、作業の効率化を著しく向上させることができる。
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述した実施の形態では、ひずみ測定装置には、1ゲージ法測定モードの、測温抵抗体が付いていない一般の3線式のひずみゲージと、測温抵抗体付きの3線式のひずみゲージとが混在して接続される例を示したが、これに限定されない。すなわち、ひずみゲージの測定モードとしては、1ゲージ法測定モード、2ゲージ法測定モードおよび4ゲージ法測定モードなどがあり、1ゲージ法測定モードでは、2線式、3線式、測温抵抗体付きの3線式があり、2ゲージ法測定モードでは、3線式、4ゲージ法測定モードでは、4線式、測温抵抗体付きの4線式がある。したがって、これら各種のひずみゲージが接続されるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係るひずみ計測システムの構成を示す回路構成図である。
【図2】ひずみゲージの種類判別処理およびひずみ測定処理におけるスイッチのオン/オフ制御を行うための制御テーブルの一例を示す図である。
【図3】図1のひずみ測定装置に測温抵抗体付きのひずみゲージが接続されている場合においてそのひずみゲージの種類判別を説明するための模式的な一部等価回路図である。
【図4】図1のひずみ測定装置に一般のひずみゲージが接続されている場合においてそのひずみゲージの種類判別を説明するための模式的な一部等価回路図である。
【図5】図1のひずみ測定装置において、ひずみゲージの種類判別およびひずみ測定処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】この図の(a)、(b)は、図1のひずみ測定装置に接続されたひずみゲージが測温抵抗体付きのひずみゲージである場合に、その種類判別を説明するための2種の模式的な一部等価回路図である。
【図7】この図の(a)、(b)は、図1のひずみ測定装置に接続されたひずみゲージが一般のひずみゲージである場合に、その種類判別を説明するための2種の模式的な一部等価回路図である。
【図8】従来のひずみ計測システムの一例の構成を模式的に示す概略図である。
【図9】一般的なひずみゲージの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1,1,1 測温抵抗体付きのひずみゲージ
〜2 ケーブル
3,31 ひずみ測定装置
〜4 リード線
5 ひずみ測定回路
6 温度測定回路
11 ゲージベース
12a〜12c ゲージタブ
21 一般のひずみゲージ
40 マイクロコンピュータ(マイコン)
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 ポート
A〜C 接続端子
Ein 定電圧電源
OUT1 第1の電圧出力端子
OUT2 第2の電圧出力端子
I 定電流電源
OP1〜OP6 差動増幅器
〜r 抵抗値
Ra ゲージ抵抗
Rb〜Rd ダミー固定抵抗
Rpt 測温抵抗体
C1〜SC9 制御信号
SW1〜SW9 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる種類のひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の電圧値を検出し、前記電圧値に基づいて前記ひずみゲージの種類を判別する種類判別手段と、
前記種類判別手段による判別結果に基づいて、前記種類に応じた計測を行なうひずみ計測手段と
を具備することを特徴とするひずみ測定装置。
【請求項2】
前記異なる種類のひずみゲージは、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージと、ゲージ抵抗と測温抵抗体からなる測温抵抗体付きのひずみゲージの少なくとも二種類からなることを特徴とする請求項1記載のひずみ測定装置。
【請求項3】
前記種類判別手段は、
前記ひずみゲージに給電するための定電流源と、
前記複数の接続端子の中から前記2つの接続端子を選択して前記電圧値を計測する電圧計測手段と、
前記電圧計測手段により計測された前記電圧値より求めた抵抗値に基づいて、前記ひずみゲージの種類を判別する判別手段と
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のひずみ測定装置。
【請求項4】
前記測温抵抗体の抵抗値と温度に関する抵抗・温度変換テーブルを有し、
前記計測手段は、
前記ひずみゲージが前記測温抵抗体付きのひずみゲージであると判別された場合には、前記抵抗・温度変換テーブルを参照して、計測された前記測温抵抗体の抵抗値を温度に変換することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載のひずみ測定装置。
【請求項5】
ゲージ抵抗と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第1のリード線と、各一端が前記ゲージ抵抗の他端にそれぞれ接続された第2および第3のリード線とを有する一般のひずみゲージと、直列接続されたゲージ抵抗および測温抵抗体と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第4のリード線と、その一端が前記測温抵抗体の一端に接続された第5のリード線と、その一端が前記ゲージ抵抗の他端と前記測温抵抗体の他端との接続点に接続された第6のリード線とを有する測温抵抗体付きのひずみゲージが接続可能であり、
前記第1または第4のリード線の各他端が第1のケーブルを介して接続される第1の接続端子と、
前記第2または第5のリード線の各他端が第2のケーブルを介して接続される第2の接続端子と、
前記第3または第6のリード線の各他端が第3のケーブルを介して接続される第3の接続端子と、
所定の電流値の定電流を出力する定電流源と、
前記第1の接続端子と前記定電流源との間に介挿された第1のスイッチと、
前記第2の接続端子を接地するための第2のスイッチと、
前記第3の接続端子を接地するための第3のスイッチと、
前記第1および第2のスイッチをオンすると共に前記第3のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の接続端子間の第1の電圧値を検出し、前記第1および第3のスイッチをオンすると共に前記第2のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第3の接続端子間の第2の電圧値を検出し、前記第1および第2の電圧値と前記電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を判別する判別手段と
を具備することを特徴とするひずみ測定装置。
【請求項6】
ゲージ抵抗と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第1のリード線と、各一端が前記ゲージ抵抗の他端にそれぞれ接続された第2および第3のリード線とを有する一般のひずみゲージと、直列接続されたゲージ抵抗および測温抵抗体と、その一端が前記ゲージ抵抗の一端に接続された第4のリード線と、その一端が前記測温抵抗体の一端に接続された第5のリード線と、その一端が前記ゲージ抵抗の他端と前記測温抵抗体の他端との接続点に接続された第6のリード線とを有する測温抵抗体付きのひずみゲージが接続可能であり、
前記第1または第4のリード線の各他端が第1のケーブルを介して接続される第1の接続端子と、
前記第2または第5のリード線の各他端が第2のケーブルを介して接続される第2の接続端子と、
前記第3または第6のリード線の各他端が第3のケーブルを介して接続される第3の接続端子と、
所定の電圧値の定電圧を出力する定電圧源と、
所定の電流値の定電流を出力する定電流源と、
その非反転入力端子に前記定電圧が印加された第1の差動増幅器と、
その非反転入力端子が前記第3の接続端子に接続され、その反転入力端子が前記第1の差動増幅器の反転入力端子に接続された第2の差動増幅器と、
その入力端子が前記第1の接続端子に接続された第1のボルテージフォロアと、
その入力端子が前記第2の接続端子に接続された第2のボルテージフォロアと、
その出力端子が第1の電圧出力端子に接続された第3のボルテージフォロアと、
その出力端子が第2の電圧出力端子に接続された第4のボルテージフォロアと、
その一端が前記第2の差動増幅器の反転入力端子に接続され、その他端が接地された第1のダミー固定抵抗と、
その一端が前記第2の差動増幅器の出力端子に接続された第2のダミー固定抵抗と、
その一端が前記第1のボルテージフォロアの出力端子に接続され、その他端が前記第2のダミー固定抵抗の他端に接続された第3のダミー固定抵抗と、
その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記第1の差動増幅器の出力端子に接続された第1のスイッチと、
その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記定電流源に接続された第2のスイッチと、
その一端が前記第2の接続端子と接続され、その他端が接地された第3のスイッチと、
その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が前記第2の差動増幅器の反転入力端子に接続された第4のスイッチと、
その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が接地された第5のスイッチと、
その一端が前記第1の接続端子と接続され、その他端が前記第3のボルテージフォロアの入力端子に接続された第6のスイッチと、
その一端が前記第2のダミー固定抵抗の他端と前記第3のダミー固定抵抗の他端との接続点に接続され、その他端が前記第3のボルテージフォロアの入力端子に接続された第7のスイッチと、
その一端が前記第2のボルテージフォロアの出力端子と接続され、その他端が前記第4のボルテージフォロアの入力端子に接続された第8のスイッチと、
その一端が前記第3の接続端子と接続され、その他端が前記第4のボルテージフォロアの入力端子に接続された第9のスイッチと、
前記第2、第3、第6および第8のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第1、第4、第5、第7および第9のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第1の電圧値を検出し、前記第2、第5、第6および第9のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第1、第3、第4、第7および第8のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電流を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第2の電圧値を検出し、前記第1および第2の電圧値と前記電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記第1〜第3の接続端子に接続されたひずみゲージの種類を判別する判別・計測手段と
を具備することを特徴とするひずみ測定装置。
【請求項7】
前記判別・計測手段は、
前記第1、第4、第7および第8のスイッチをそれぞれオンすると共に前記第2、第3、第5、第6および第9のスイッチをオフすることにより前記第1〜第3の接続端子に接続された前記ひずみゲージに前記定電圧を供給して前記第1および第2の電圧出力端子間の第3の電圧値を検出し、前記第3の電圧値に基づいて、ひずみを求めることを特徴とする請求項6記載のひずみ測定装置。
【請求項8】
前記測温抵抗体の抵抗値と温度に関する抵抗・温度変換テーブルを有し、
前記判別・計測手段は、
前記ひずみゲージが前記測温抵抗体付きのひずみゲージであると判別した場合には、前記抵抗・温度変換テーブルを参照して、計測された前記測温抵抗体の抵抗値を温度に変換することを特徴とする請求項7記載のひずみ測定装置。
【請求項9】
測定対象に取り付けられた異なる種類のひずみゲージから得られる検出データに基づいて前記測定対象のひずみを測定する際に、前記測定対象に取り付けられた前記ひずみゲージの種類を判別するひずみゲージ判別方法であって、
前記ひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の第1の電圧値を検出する第1の計測ステップと、
前記ひずみゲージが接続される複数の接続端子の中から前記第1の計測ステップとは異なる2つの接続端子を選択して前記ひずみゲージに給電すると共に選択した前記2つの接続端子間の第2の電圧値を検出する第2の計測ステップと、
前記第1および第2の電圧値と前記給電した電流値から求めた抵抗値に基づいて、前記ひずみゲージの種類を判別する種類判別ステップと
を有することを特徴とするひずみゲージ判別方法。
【請求項10】
前記異なる種類のひずみゲージは、ゲージ抵抗のみからなる一般のひずみゲージと、ゲージ抵抗と測温抵抗体からなる測温抵抗体付きのひずみゲージの少なくとも二種類からなることを特徴とする請求項9記載のひずみゲージ判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−23212(P2006−23212A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202415(P2004−202415)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000142067)株式会社共和電業 (52)
【Fターム(参考)】