めまいに対するペレット状の徐放型調製物
シンナリジンとジメンヒドリナートとを含有する医薬組成物において、作用物質放出が徐放化されていて、かつ前記調製物がペレットの形で存在する、医薬組成物である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、あらゆる原因のめまいを治療するためのペレットの形の徐放型調製物の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
頭痛の他に、めまい（ラテン語でｖｅｒｔｉｇｏ）は患者が最も頻繁に訴える症状である。これは、いわゆる多感覚性症候群であり、この症候群は多様な感覚の障害された知覚により特徴付けられ、空間内の身体安定性の喪失及びそれにより引き起こされるバランス障害が伴う。全く顕著な場合には、めまいは見かけ上動いている感覚、転倒する傾向ならびに吐き気及び嘔吐に現れる。めまいは偶発的にも持続的にも生じることがある。
【０００３】
めまいとは、バランス障害を引き起こす空間感覚及び運動感覚の不快なゆがみであると解釈される。これは独自の疾患ではなく、多様な原因及び起源の複合症状であり、それには多様な身体感覚が関与している。
【０００４】
ドイツ連邦共和国特許公開（ＤＥ−Ａ１）第１０３０１９８１号明細書から、シンナリジンとジメンヒドリナートとを組み合わせて含有する、めまいに対する調製物は公知である。この場合、意外にも、前記作用物質の組合せが相乗効果を引き起こすことが見出された。
【０００５】
しかしながら、この場合に、前記の作用が数時間後には弱まり、一日に複数回の更なる用量を適用する必要があることが欠点である。今まで、この医薬品は１日に５回までに分けて使用しなければならなかった。従って、これに伴い服薬順守に関する問題が明らかである。
【特許文献１】ドイツ連邦共和国特許公開（ＤＥ−Ａ１）第１０３０１９８１号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の課題は、従来の医薬品と比べてその作用期間が持続化されている、めまいを治療するシステムを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の前記課題は、独立請求項による医薬組成物により解決される。本発明による医薬組成物の有利な実施態様は、引用請求項において特徴付けられている。
【０００８】
前記課題は、本発明の場合には、作用物質放出が徐放化されていて、かつ調製物がペレットの形で存在する、シンナリジンとジメンヒドリナートとを含有する医薬組成物により解決されるこの場合、本発明により、前記医薬組成物はさらに結合剤、徐放化剤及び充填剤を含有するのが有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
さらに、他の助剤を含有しているのが有利である。
【００１０】
結合剤／充填剤の質量比が５０／１〜５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が４／１〜１．５／１であるラッカーからなる、本発明による医薬組成物が有利である。
【００１１】
結合剤／充填剤の質量比が３３．１２／１〜６．２５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が３／１〜２．２／１であるラッカーを有する、本発明による医薬組成物がさらに特に有利である。
【００１２】
この場合に、結合剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、微結晶セルロース及び／又はポリエチレングリコール（ＰＥＧ）から選択されているのがさらに有利である。
【００１３】
この場合に、さらに徐放化剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、及び／又はユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＲＬ／ＲＳ／ＮＥから選択されているのが有利である。
【００１４】
さらに、前記徐放化剤は同時に皮膜形成剤であるのが特に有利である。
【００１５】
本発明の他の主題は、あらゆる原因のめまいを治療するための本発明による医薬組成物の使用である。
【００１６】
本発明の他の主題は、あらゆる原因のめまいを治療するための、シンナリジン及びジメンヒドリナート又はこれらの生理学的に許容性の塩の組み合わせた使用でもある。
【００１７】
シンナリジン（ＣＡＳ ２９３−５７−７）は、１−ベンズヒドリル−４−トランス−シンナミルピペラジンについての国際一般名称（ＩＮＮ）である。これは、最新の知識によると主に前庭有毛細胞でのカルシウムチャンネルブロッカーとして作用する抗めまい剤（Ａｎｔｉｖｅｒｇｉｎｏｓｕｍ）である。ジメンヒドリナート（ＣＡＳ ５２３−８７−５）は、ジフェンヒドラミンの８−クロロテオフィリン塩についての国際一般名称（ＩＮＮ）であり、抗めまい性及び抗嘔吐性に作用する抗コリン作動特性を有する抗ヒスタミン剤である。これらの作用物質の水中での可溶性は極めて異なっており、つまりシンナリジンは約２ｍｇ／１００ｍｌであり、ジメンヒドリナートは約３ｍｇ／ｍｌである。
【００１８】
この著しく異なる可溶性挙動に基づき、今までに、これらの作用物質を、作用物質の組合せの相乗効果を維持して時間に応じて放出する徐放型を製造することができなかった。
【００１９】
意外にも、所定の助剤の組合せが、これが所定の量比で相互に存在する場合に、本発明による徐放化効果を示すことが見出された。
【００２０】
作用物質の時間に応じた放出の本発明による効果を生じさせるために、結合剤、徐放化剤及び充填剤は相互に所定の割合で存在しなければならないことを示すことができた。
【００２１】
本発明の前記課題は、独立請求項に記載されている医薬組成物により解決される。本発明による組成物の有利な実施態様は、従属請求項において特徴付けられている。
【００２２】
従って、前記課題は、結合剤、徐放化剤及び充填剤を定義された質量比で含有する徐放型組成物の製造により解決される。ペレットの結合剤：充填剤の本発明による質量比は５０：１〜５：１であるコア、ならびに徐放化剤：助剤の質量比は４：１〜１．５：１であるラッカーを有する。
【００２３】
この場合、ペレットの結合剤：充填剤の質量比は３３．１２：１〜６．２５：１であるコア、ならびに徐放化剤：助剤の質量比は３：１〜２．２：１であるラッカーを有するのが特に有利である。
【００２４】
意外にも、つまりこの量比の場合、作用物質のジメンヒドリナートとシンナリジンとの放出は互いに最適な割合で行われることが見出された。こうしてこれらの作用物質の組合せの相乗効果を達成することができる。
【００２５】
本発明による医薬組成物は、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、ヒドロキシプロピルセルロース（ＨＰＣ）、微結晶セルロース及び／又はポリエチレングリコール（ＰＥＧ）又はこれらの混合物から選択される少なくとも１種の結合剤を含有する。もちろん、当業者に同種のものとして公知の他の結合剤を本発明の場合に使用することもできる。本発明による組成物を製造するために、前記の及び他の結合剤を組み合わせることも可能である。
【００２６】
本発明による医薬組成物は、さらに、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、ユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＲＬ、ユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＲＳ及び／又はユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＮＥ又はこれらの混合物から選択される少なくとも１種の徐放化剤を含有する。もちろん、当業者に同種のものとして公知の他の徐放化剤を本発明の場合に使用することもできる。本発明による組成物を製造するために、前記の及び他の徐放化剤を組み合わせることも可能である。
【００２７】
本発明による医薬組成物は、さらに例えば可塑剤（例えばトリアセチン、ＰＥＧなど）、離型剤（例えばタルク、グリセリンモノステアラートなど）、染料及び／又は顔料又はこれらの混合物から選択される助剤を含有する。この種の助剤は、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、アエロジル、離型剤、滑剤などであり、これらは混合物の装置による加工を容易に及び／又は可能にする。もちろん、当業者に同種のものとして公知の他の助剤を本発明の場合に使用することもできる。本発明による組成物を製造するために、前記の及び他の助剤を組み合わせることも可能である。
【００２８】
本発明の場合に適当な調製物剤形は当業者に公知であり、これはペレット、ペレットが充填された、例えばゼラチンからなるカプセル及び他の形態であってもよい。
【００２９】
この種の医薬剤形の製造は当業者に公知である（例えばＨａｇｅｒｓ Ｈａｎｄｂｕｃｈ ｄｅｒ Ｐｈａｒｍａｚｅｕｔ．Ｐｒａｘｉｓ，第５版，１９９０−１９９５，Ｓｐｒｉｎｇｅｒ−Ｖｅｒｌａｇ， Ｂｅｒｌｉｎ）。
【００３０】
次の実施例は本発明を詳説する。
【実施例】
【００３１】
［実施例１］
本発明による徐放型調製物の一般的な製造方法
本発明による医薬組成物の製造は自体公知のように行われる。この場合、ジメンヒドリナート、シンナリジン、結合剤及び充填剤を予め混合し、水を用いて回転するディスク上で、回転するドラム中で又は押出機中でペレット化し、こうして得られたペレットを６００〜１２００μｍの粒度範囲に分級し、次いでこのペレットをアルコールの存在で徐放化剤及び他の助剤からなる懸濁液でラッカー塗装し、ならびにこうして得られたラッカー塗装されたペレットをゼラチンカプセル中に充填する。
【００３２】
本発明による組成物を多様な配合で前記したように製造し、その放出を欧州薬局方によるパドル法によって測定した。
【００３３】
次に、本発明を表及び図を用いて詳細に説明する。詳細は次に示す：
表２は、表１からの配合１による本発明による医薬組成物の放出を示す表である。
【００３４】
図１はシンナリジンの放出を表すグラフである。
【００３５】
図２はジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【００３６】
表３は、慣用のシンナリジン／ジメンヒドリナート調製物の放出を示す表である。
【００３７】
図３はシンナリジンの放出を表すグラフである。
【００３８】
図４はジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【００３９】
表２は、表１の配合１による本発明による医薬組成物を使用した場合の、シンナリジン及びジメンヒドリナートの放出を示す表である。
【００４０】
本発明による組成物からのシンナリジン（Ｗ１）の放出のグラフは図１に示されている。
【００４１】
図２は、ジメンヒドリナート（Ｗ２）の時間（Ｚ）に依存する放出（Ｆ）をプロットしたグラフを示す。
【００４２】
表２と比較して、表３は、従来の本発明によらないシンナリジン／ジメンヒドリナート調製物の場合のシンナリジン及びジメンヒドリナートの放出を示す表である。
【００４３】
図３は、シンナリジン（Ｗ１）の時間（Ｚ）に依存する放出（Ｆ）をプロットしたグラフを示す。
【００４４】
図４は、ジメンヒドリナート（Ｗ２）の時間（Ｚ）に依存する放出（Ｆ）をプロットしたグラフを示す。
【００４５】
本発明による医薬組成物から、シンナリジンベースのインビトロ放出は、９０分後に２０％〜４０％、１８０分後に４５％〜６５％、４２０分後に＞８５％である。ジメンヒドリナートのｉｎ−ｖｉｔｒｏ放出は、１２０分後に２０％〜４０％、２１０分後に４０％〜６０％、４２０分後に＞８０％である。
【００４６】
図１と３ならびに図２と４の比較は、シンナリジンもしくはジメンヒドリナートの放出が、シンナリジンとジメンヒドリナートとの非徐放型混合物の場合にはまず著しく上昇し、次いで約１００％の値に留まるが、本発明による組成物の場合に放出の上昇は遅れて起こることを示す。
【００４７】
［実施例２〜６］
次の表１は、ペレットの形の本発明による調製物の製造のための配合を示す。
【００４８】
【表１】
【００４９】
この本発明による調製物も、作用物質を時間に応じて放出するため、これらの作用物質の相乗効果は維持されるという本発明による利点を有する。
【００５０】
【表２】
【００５１】
【表３】
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】シンナリジンの放出を表すグラフである。
【図２】ジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【図３】シンナリジンの放出を表すグラフである。
【図４】ジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、あらゆる原因のめまいを治療するためのペレットの形の徐放型調製物の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
頭痛の他に、めまい（ラテン語でｖｅｒｔｉｇｏ）は患者が最も頻繁に訴える症状である。これは、いわゆる多感覚性症候群であり、この症候群は多様な感覚の障害された知覚により特徴付けられ、空間内の身体安定性の喪失及びそれにより引き起こされるバランス障害が伴う。全く顕著な場合には、めまいは見かけ上動いている感覚、転倒する傾向ならびに吐き気及び嘔吐に現れる。めまいは偶発的にも持続的にも生じることがある。
【０００３】
めまいとは、バランス障害を引き起こす空間感覚及び運動感覚の不快なゆがみであると解釈される。これは独自の疾患ではなく、多様な原因及び起源の複合症状であり、それには多様な身体感覚が関与している。
【０００４】
ドイツ連邦共和国特許公開（ＤＥ−Ａ１）第１０３０１９８１号明細書から、シンナリジンとジメンヒドリナートとを組み合わせて含有する、めまいに対する調製物は公知である。この場合、意外にも、前記作用物質の組合せが相乗効果を引き起こすことが見出された。
【０００５】
しかしながら、この場合に、前記の作用が数時間後には弱まり、一日に複数回の更なる用量を適用する必要があることが欠点である。今まで、この医薬品は１日に５回までに分けて使用しなければならなかった。従って、これに伴い服薬順守に関する問題が明らかである。
【特許文献１】ドイツ連邦共和国特許公開（ＤＥ−Ａ１）第１０３０１９８１号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の課題は、従来の医薬品と比べてその作用期間が持続化されている、めまいを治療するシステムを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の前記課題は、独立請求項による医薬組成物により解決される。本発明による医薬組成物の有利な実施態様は、引用請求項において特徴付けられている。
【０００８】
前記課題は、本発明の場合には、作用物質放出が徐放化されていて、かつ調製物がペレットの形で存在する、シンナリジンとジメンヒドリナートとを含有する医薬組成物により解決されるこの場合、本発明により、前記医薬組成物はさらに結合剤、徐放化剤及び充填剤を含有するのが有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
さらに、他の助剤を含有しているのが有利である。
【００１０】
結合剤／充填剤の質量比が５０／１〜５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が４／１〜１．５／１であるラッカーからなる、本発明による医薬組成物が有利である。
【００１１】
結合剤／充填剤の質量比が３３．１２／１〜６．２５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が３／１〜２．２／１であるラッカーを有する、本発明による医薬組成物がさらに特に有利である。
【００１２】
この場合に、結合剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、微結晶セルロース及び／又はポリエチレングリコール（ＰＥＧ）から選択されているのがさらに有利である。
【００１３】
この場合に、さらに徐放化剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、及び／又はユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＲＬ／ＲＳ／ＮＥから選択されているのが有利である。
【００１４】
さらに、前記徐放化剤は同時に皮膜形成剤であるのが特に有利である。
【００１５】
本発明の他の主題は、あらゆる原因のめまいを治療するための本発明による医薬組成物の使用である。
【００１６】
本発明の他の主題は、あらゆる原因のめまいを治療するための、シンナリジン及びジメンヒドリナート又はこれらの生理学的に許容性の塩の組み合わせた使用でもある。
【００１７】
シンナリジン（ＣＡＳ ２９３−５７−７）は、１−ベンズヒドリル−４−トランス−シンナミルピペラジンについての国際一般名称（ＩＮＮ）である。これは、最新の知識によると主に前庭有毛細胞でのカルシウムチャンネルブロッカーとして作用する抗めまい剤（Ａｎｔｉｖｅｒｇｉｎｏｓｕｍ）である。ジメンヒドリナート（ＣＡＳ ５２３−８７−５）は、ジフェンヒドラミンの８−クロロテオフィリン塩についての国際一般名称（ＩＮＮ）であり、抗めまい性及び抗嘔吐性に作用する抗コリン作動特性を有する抗ヒスタミン剤である。これらの作用物質の水中での可溶性は極めて異なっており、つまりシンナリジンは約２ｍｇ／１００ｍｌであり、ジメンヒドリナートは約３ｍｇ／ｍｌである。
【００１８】
この著しく異なる可溶性挙動に基づき、今までに、これらの作用物質を、作用物質の組合せの相乗効果を維持して時間に応じて放出する徐放型を製造することができなかった。
【００１９】
意外にも、所定の助剤の組合せが、これが所定の量比で相互に存在する場合に、本発明による徐放化効果を示すことが見出された。
【００２０】
作用物質の時間に応じた放出の本発明による効果を生じさせるために、結合剤、徐放化剤及び充填剤は相互に所定の割合で存在しなければならないことを示すことができた。
【００２１】
本発明の前記課題は、独立請求項に記載されている医薬組成物により解決される。本発明による組成物の有利な実施態様は、従属請求項において特徴付けられている。
【００２２】
従って、前記課題は、結合剤、徐放化剤及び充填剤を定義された質量比で含有する徐放型組成物の製造により解決される。ペレットの結合剤：充填剤の本発明による質量比は５０：１〜５：１であるコア、ならびに徐放化剤：助剤の質量比は４：１〜１．５：１であるラッカーを有する。
【００２３】
この場合、ペレットの結合剤：充填剤の質量比は３３．１２：１〜６．２５：１であるコア、ならびに徐放化剤：助剤の質量比は３：１〜２．２：１であるラッカーを有するのが特に有利である。
【００２４】
意外にも、つまりこの量比の場合、作用物質のジメンヒドリナートとシンナリジンとの放出は互いに最適な割合で行われることが見出された。こうしてこれらの作用物質の組合せの相乗効果を達成することができる。
【００２５】
本発明による医薬組成物は、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、ヒドロキシプロピルセルロース（ＨＰＣ）、微結晶セルロース及び／又はポリエチレングリコール（ＰＥＧ）又はこれらの混合物から選択される少なくとも１種の結合剤を含有する。もちろん、当業者に同種のものとして公知の他の結合剤を本発明の場合に使用することもできる。本発明による組成物を製造するために、前記の及び他の結合剤を組み合わせることも可能である。
【００２６】
本発明による医薬組成物は、さらに、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、ユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＲＬ、ユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＲＳ及び／又はユードラギット（Ｅｕｄｒａｇｉｔ）ＮＥ又はこれらの混合物から選択される少なくとも１種の徐放化剤を含有する。もちろん、当業者に同種のものとして公知の他の徐放化剤を本発明の場合に使用することもできる。本発明による組成物を製造するために、前記の及び他の徐放化剤を組み合わせることも可能である。
【００２７】
本発明による医薬組成物は、さらに例えば可塑剤（例えばトリアセチン、ＰＥＧなど）、離型剤（例えばタルク、グリセリンモノステアラートなど）、染料及び／又は顔料又はこれらの混合物から選択される助剤を含有する。この種の助剤は、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、アエロジル、離型剤、滑剤などであり、これらは混合物の装置による加工を容易に及び／又は可能にする。もちろん、当業者に同種のものとして公知の他の助剤を本発明の場合に使用することもできる。本発明による組成物を製造するために、前記の及び他の助剤を組み合わせることも可能である。
【００２８】
本発明の場合に適当な調製物剤形は当業者に公知であり、これはペレット、ペレットが充填された、例えばゼラチンからなるカプセル及び他の形態であってもよい。
【００２９】
この種の医薬剤形の製造は当業者に公知である（例えばＨａｇｅｒｓ Ｈａｎｄｂｕｃｈ ｄｅｒ Ｐｈａｒｍａｚｅｕｔ．Ｐｒａｘｉｓ，第５版，１９９０−１９９５，Ｓｐｒｉｎｇｅｒ−Ｖｅｒｌａｇ， Ｂｅｒｌｉｎ）。
【００３０】
次の実施例は本発明を詳説する。
【実施例】
【００３１】
［実施例１］
本発明による徐放型調製物の一般的な製造方法
本発明による医薬組成物の製造は自体公知のように行われる。この場合、ジメンヒドリナート、シンナリジン、結合剤及び充填剤を予め混合し、水を用いて回転するディスク上で、回転するドラム中で又は押出機中でペレット化し、こうして得られたペレットを６００〜１２００μｍの粒度範囲に分級し、次いでこのペレットをアルコールの存在で徐放化剤及び他の助剤からなる懸濁液でラッカー塗装し、ならびにこうして得られたラッカー塗装されたペレットをゼラチンカプセル中に充填する。
【００３２】
本発明による組成物を多様な配合で前記したように製造し、その放出を欧州薬局方によるパドル法によって測定した。
【００３３】
次に、本発明を表及び図を用いて詳細に説明する。詳細は次に示す：
表２は、表１からの配合１による本発明による医薬組成物の放出を示す表である。
【００３４】
図１はシンナリジンの放出を表すグラフである。
【００３５】
図２はジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【００３６】
表３は、慣用のシンナリジン／ジメンヒドリナート調製物の放出を示す表である。
【００３７】
図３はシンナリジンの放出を表すグラフである。
【００３８】
図４はジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【００３９】
表２は、表１の配合１による本発明による医薬組成物を使用した場合の、シンナリジン及びジメンヒドリナートの放出を示す表である。
【００４０】
本発明による組成物からのシンナリジン（Ｗ１）の放出のグラフは図１に示されている。
【００４１】
図２は、ジメンヒドリナート（Ｗ２）の時間（Ｚ）に依存する放出（Ｆ）をプロットしたグラフを示す。
【００４２】
表２と比較して、表３は、従来の本発明によらないシンナリジン／ジメンヒドリナート調製物の場合のシンナリジン及びジメンヒドリナートの放出を示す表である。
【００４３】
図３は、シンナリジン（Ｗ１）の時間（Ｚ）に依存する放出（Ｆ）をプロットしたグラフを示す。
【００４４】
図４は、ジメンヒドリナート（Ｗ２）の時間（Ｚ）に依存する放出（Ｆ）をプロットしたグラフを示す。
【００４５】
本発明による医薬組成物から、シンナリジンベースのインビトロ放出は、９０分後に２０％〜４０％、１８０分後に４５％〜６５％、４２０分後に＞８５％である。ジメンヒドリナートのｉｎ−ｖｉｔｒｏ放出は、１２０分後に２０％〜４０％、２１０分後に４０％〜６０％、４２０分後に＞８０％である。
【００４６】
図１と３ならびに図２と４の比較は、シンナリジンもしくはジメンヒドリナートの放出が、シンナリジンとジメンヒドリナートとの非徐放型混合物の場合にはまず著しく上昇し、次いで約１００％の値に留まるが、本発明による組成物の場合に放出の上昇は遅れて起こることを示す。
【００４７】
［実施例２〜６］
次の表１は、ペレットの形の本発明による調製物の製造のための配合を示す。
【００４８】
【表１】
【００４９】
この本発明による調製物も、作用物質を時間に応じて放出するため、これらの作用物質の相乗効果は維持されるという本発明による利点を有する。
【００５０】
【表２】
【００５１】
【表３】
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】シンナリジンの放出を表すグラフである。
【図２】ジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【図３】シンナリジンの放出を表すグラフである。
【図４】ジメンヒドリナートの放出を表すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シンナリジンとジメンヒドリナートとを含有する医薬組成物において、作用物質放出が徐放化されていて、かつ前記調製物がペレットの形で存在することを特徴とする、医薬組成物。
【請求項２】
さらに結合剤、徐放化剤及び充填剤を含有することを特徴とする、請求項１に記載の医薬組成物。
【請求項３】
助剤を含有することを特徴とする、請求項１又は２に記載の医薬組成物。
【請求項４】
結合剤／充填剤の質量比が５０／１〜５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が４／１〜１．５／１であるラッカーからなることを特徴とする、請求項１から３のいずれか１項に記載の医薬組成物。
【請求項５】
結合剤／充填剤の質量比が３３．１２／１〜６．２５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が３／１〜２．２／１であるラッカーを有することを特徴とする、請求項３に記載の医薬組成物。
【請求項６】
結合剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、微結晶セルロース及び／又はポリエチレングリコール（ＰＥＧ）から選択されていることを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載の医薬組成物。
【請求項７】
徐放化剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、及び／又はユードラギットＲＬ／ＲＳ／ＮＥから選択されていることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項に記載の医薬組成物。
【請求項８】
徐放化剤が同時に皮膜形成剤であることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載の医薬組成物。
【請求項９】
あらゆる原因のめまいを治療するための、請求項１から８のいずれか１項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項１】
シンナリジンとジメンヒドリナートとを含有する医薬組成物において、作用物質放出が徐放化されていて、かつ前記調製物がペレットの形で存在することを特徴とする、医薬組成物。
【請求項２】
さらに結合剤、徐放化剤及び充填剤を含有することを特徴とする、請求項１に記載の医薬組成物。
【請求項３】
助剤を含有することを特徴とする、請求項１又は２に記載の医薬組成物。
【請求項４】
結合剤／充填剤の質量比が５０／１〜５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が４／１〜１．５／１であるラッカーからなることを特徴とする、請求項１から３のいずれか１項に記載の医薬組成物。
【請求項５】
結合剤／充填剤の質量比が３３．１２／１〜６．２５／１であるコア、ならびに徐放化剤／助剤の質量比が３／１〜２．２／１であるラッカーを有することを特徴とする、請求項３に記載の医薬組成物。
【請求項６】
結合剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、微結晶セルロース及び／又はポリエチレングリコール（ＰＥＧ）から選択されていることを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載の医薬組成物。
【請求項７】
徐放化剤は低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）≦１０００ｃｐ、及び／又はユードラギットＲＬ／ＲＳ／ＮＥから選択されていることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項に記載の医薬組成物。
【請求項８】
徐放化剤が同時に皮膜形成剤であることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載の医薬組成物。
【請求項９】
あらゆる原因のめまいを治療するための、請求項１から８のいずれか１項に記載の医薬組成物の使用。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公表番号】特表２００８−５３４４５１（Ｐ２００８−５３４４５１Ａ）
【公表日】平成２０年８月２８日（２００８．８．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５０２２４７（Ｐ２００８−５０２２４７）
【出願日】平成１８年３月２３日（２００６．３．２３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＤＥ２００６／０００５４６
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０９９８６４
【国際公開日】平成１８年９月２８日（２００６．９．２８）
【出願人】（５０５２６５８０５）へンニッヒ アールツナイミッテル ゲーエムベーハー ウント コンパニ．カーゲー (4)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２０年８月２８日（２００８．８．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月２３日（２００６．３．２３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＤＥ２００６／０００５４６
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０９９８６４
【国際公開日】平成１８年９月２８日（２００６．９．２８）
【出願人】（５０５２６５８０５）へンニッヒ アールツナイミッテル ゲーエムベーハー ウント コンパニ．カーゲー (4)
【Ｆターム（参考）】
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