説明

アイソタクチックポリプロピレンとアルファ−オレフィン/プロピレンコポリマーとの熱可塑性ポリマーブレンド

【課題】エチレン及びプロピレンを含む熱可塑性ランダムコポリマーであって、相溶性特性、増加した引張り強さ、及び改良された加工特性、例えば、単一の融点に優れた、アイソタクチックポリプロピレンとの熱可塑性ポリマーブレンド体を提供する。
【解決手段】5wt%乃至25wt%のエチレン及び75wt%乃至95wt%のプロピレンを含む熱可塑性ランダムコポリマーであって、ポリマーの実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中において、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座メタロセン触媒を用いて製造され、前記コポリマーが、DSCにより決定される105℃未満の融点(Tm)及びDSCにより決定される75J/g未満の融解熱を有するコポリマーからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ブレンド前の個々のポリマーの特性と比較したとき驚くべき特性を有する少なくとも2種類のポリマーのポリマーブレンドに関する。より詳細に述べると、本発明は、熱可塑性ポリマー、例えば、1つの態様によれば、アイソタクチックポリプロピレン及びオレフィンコポリマーのブレンドに関する。本発明は、さらに、アイソタクチックポリプロピレン及び、1つの態様によれば、エチレンとプロピレンのコポリマーを含む熱可塑性ポリマーブレンドであって、当該コポリマーがアイソタクチック的に結晶化可能なアルファ−オレフィン配列を含む、熱可塑性ポリマーブレンドに関する。さらに、本発明は、上記のポリマー及びそれらのブレンドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アイソタクチックポリプロピレンとエチレン−プロピレンゴムのブレンドは本技術分野においてよく知られているが、従来技術のチーグラー−ナッタ触媒系は、実用的に経済的な重合条件において、30重量%より多くのエチレンを有するエチレン−プロピレン組成物しか製造できなかった。ポリマー材料であって、有利な加工上の特徴を有し、かつ依然としてそれらから形成される製品に適する最終特性、例えば、引張り及び衝撃強さ、を提供するポリマー材料に対する要望が存在する。上記の要望に挑戦しそれらを満たすために、コポリマー及びポリマーのブレンドが開発された。Fritzらの米国特許第3,882,197号は、立体規則性プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマー、立体規則性プロピレン、及びエチレンコポリマーゴムのブレンドを記載している。E I DuPontに譲渡された米国特許第3,888,949号において、Chi-Kai Shihは、アイソタクチックポリプロピレンとプロピレン及び6〜20個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンのコポリマーを含むブレンド組成物であって、当該コポリマー又はアイソタクチックポリプロピレンのいずれかよりも改善された伸び及び引張り強さを有するブレンド組成物の合成を示している。アルファ−オレフィンがヘキセン、オクテン、又はドデセンであるプロピレンとアルファーオレフィンのコポリマーが記載されている。しかしながら、このコポリマーは不均一チタニウム触媒を使用して製造され、この触媒は、組成分布の点で不均一であり、典型的には分子量分布の広いコポリマーを製造する。組成分布は、ポリマーの組成において統計的に有意な分子間(intermolecular)又は分子内(intramolecular)の相違が存在する場合のコポリマーの特性の1つである。組成分布を測定する方法は後で説明する。分子内組成分布の存在は、米国特許第3,888,949号中において、コポリマーが「異なるアルファ−オレフィン含有率の配列」を有するものとして記載されている場合のポリマーの記述において「ブロック」という用語の使用によって説明されている。上述の発明の文脈の範囲内において、配列(sequences)という用語は、化学結合によって鎖状に連結された重合方法によって得られる多数のオレフィン残基を表す。
【0003】
米国特許第4,461,872号中において、A.C.L. Suは、米国特許第3,888,949号中に記載されたブレンドの特性を、もう1つの不均一触媒系を使用することによって改良した。しかしながら、ポリマー中のモノマーの性質及び種類(6〜20個の炭素原子を有するアルファ−オレフィン)又はポリマー中のアルファ−オレフィンのブロック状で不均一な分子内/分子間分布のいずれかについてのコポリマーの特性と組成は解決されなかった。なぜならば、プロピレン及びアルファ−オレフィンのこれらの重合に使用された触媒は、統計的に有意な分子間及び分子内の組成的相違を有するコポリマーを形成することが予想されるからである。
【0004】
Macromoleculesという雑誌(1989, v22, 3851-3866頁)における2つの連続する論文において、E. I. DuPontのJ.W. Colletteは、望ましい引張り伸び特性を有する、アイソタクチックポリプロピレンと部分的にアタクチックなポリプロピレンのブレンドを記載している。しかしながら、部分的にアタクチックなポリプロピレンは初めの論文の図8に示されているように広い分子量分布を有する。部分的にアタクチックなポリプロピレンはまた幾つかの画分から成り、それらは、異なる溶媒中における溶解度の相違によって示されるようにプロピレン単位のタクチシティーの程度が異なる。これは、上記の論文の表IVによって示されるように、均一な溶解度特性の個々の成分を得るための異なる溶媒による抽出によって分離されたブレンドの対応する物理的分解によって示される。
【0005】
米国特許第3,853,969号及び第3,378,606号中において、E.G. Kontosは、アイソタクチックポリプロピレン、及びプロピレンと炭素数2〜12のもう1つのオレフィン(エチレン及びヘキセンを包含する)との「ステレオブロック」コポリマーの現場(in situ)ブレンドの形成を開示している。この発明のコポリマーは、必然的に、分子間及び分子内の組成分布が不均一である。これは、相似的に異なる組成の複数のポリマー部分を合成するための異なる組成のモノマー混合物の継続的な注入を含むこれらのコポリマーの合成手順によって示される。さらに、両方の特許の図1は、「ステレオブロック」の特徴(これは本発明の説明の文脈において分子内又は分子間の組成の相違である)は、そのブレンドの引張り及び伸び特性の利点に対して必須であることを示している。アイソタクチックポリプロピレンと組成的に均一なランダムエチレンプロピレンコポリマーの現場ブレンドは劣った特性を有する。さらに、これらの組成物のいずれもが、様々な用途に対して望ましい特性の全てを有していないか、及び/又は所望の結果を達成するためにコストのかかるやっかいなプロセス工程を必要とする。
【0006】
同様な結果が、Herculesに譲渡された米国特許第3,262,992号においてR. HolzerとK. Mehnertによって予想されたが、そこで、これらの著者は、アイソタクチックポリプロピレンへのエチレンとプロピレンのステレオブロックコポリマーの添加は、アイソタクチックポリプロピレン単独と比較して改善されたブレンドの機械的特性をもたらすことを開示している。しかしながら、これらの利点はエチレンとプロピレンのステレオブロックコポリマーについてのみ記載されている。これらのコポリマーの合成は、経時的に反応器中のモノマー濃度を変えることによって達成されるエチレンとプロピレンの異なる組成においてポリマー鎖が生成される重合条件の周りに設計される。これは実施例1及び2によって示される。ポリマーのステレオブロックの特徴は、分子の説明(第2欄65行)において図的に説明され、望ましくないランダムコポリマーと対比されている(第2欄60行)。これらのポリマーにおけるステレオブロックの特徴の存在は、これらのポリマーの高い融点(この融点は、表1に示されているように、本発明における第2ポリマー成分の融点よりもずっと高い)、並びに表3に示されるような材料のエチレン重量%の関数としてのこれらのヘテロフロック材料の劣った溶解度によって示される。
【0007】
結晶性ポリマー(以後、「第1ポリマー成分」という)及び結晶化可能なポリマー(以後、「第2ポリマー成分」という)のブレンドであって、有利な加工上の特徴を有し、かつ依然として望ましい特性、即ち、増加した引張り強さ、伸び、及び全体的靭性を有する当該ブレンド組成物から製造された最終生成物を提供するブレンドを製造することは望ましいであろう。第1ポリマー成分(後述の表中では「FPC」と略される)及び第2ポリマー成分(後述の表中では「SPC」と略される)。実際に、熱的に安定で、耐熱性であり、耐光性であり、そして有利な加工特性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)の用途に一般的に適切である完全にポリオレフィンの組成物に対する要望が存在する。そのような完全にポリオレフィンの組成物は、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分の組み合わせが機械的特性において、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分単独の相当する特性の組成的に荷重された平均よりも有意に異なる場合、最も有利であろう。本発明者らは、第2ポリマー成分が均一な分子内及び分子間組成及びミクロ構造によって定義される1種又は2種のポリオレフィンコポリマー材料のみからなる場合、第2ポリマー成分の潜在力を増加させることができることを予期するが、これによって限定されることを意図するものではない。
【0008】
本明細書中において第1ポリマー成分に関して使用される「結晶性」という用語は、高度の分子間及び分子内秩序を有し、そしてDSC分析によって測定して、110℃より高温、好ましくは115℃より高温で溶融し、そして少なくとも75J/gの融解熱を有するポリマーを特徴付ける。そして、本明細書中において第2ポリマー成分に関して使用される「結晶化可能」という用語は、未変形状態においては主に非晶質であるが、延伸又はアニーリング時に結晶化が生じるポリマー又は配列を表す。結晶化は第1ポリマー成分のような結晶性ポリマーの存在下にも起ることもできる。これらのポリマーは、DSCで測定して、105℃未満、又は好ましくは100℃未満の融点、及び75J/g未満の融解熱を有する。
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
本発明は、1つの態様によれば、(1)約4重量%乃至約25重量%のエチレンを有するエチレンプロピレンゴム組成物である第2ポリマー成分を容易に製造するため、及び(2)結晶化するのに十分に長いアイソタクチックプロピレン配列を含む第2ポリマー成分組成物を容易に製造するための、キラルメタロセン触媒の使用に関する。従って、本発明は、1つの態様によれば、半結晶性材料(第2ポリマー成分)であって、アイソタクチックポリマー(第1ポリマー成分)とフレンドされたとき、エチレンプロピレン相とアイソタクチックポリプロピレン相の間で増加した水準の相溶性を示す、半結晶性材料に関する。本発明者らは、この増加した相溶性が、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分の全ての組成の類似性によるものと考えるが、これによって限定されることを意図するものではない。従って、第2ポリマー成分の分子内及び分子間組成の均一性は重要である。特に、第2ポリマー成分の実質的に全ての成分が、上で定義したエチレンとプロピレンの狭い組成範囲内にあることが重要である。さらに、第2ポリマー成分中のアイソタクチックプロピレン配列の存在は、ポリマーブレンド組成物中の第1ポリマー成分の領域と第2ポリマー成分の領域の改善された接着力に対して有益である。その結果、本発明によるアイソタクチックポリプロピレンとエチレンプロピレンコポリマーのブレンドは、従来技術のエチレンプロピレンゴムとのアイソタクチックポリプロピレンのブレンドと比較して、改善された物理的特性を有する。
【0010】
1つの態様によれば、本発明の組成物は、少なくとも1種の第1ポリマー成分及び1種の第2ポリマー成分のブレンドを含む。このブレンドは、約115℃乃至約170℃の融点を有するアイソタクチックポリプロピレン結晶度を含むアルファ−オレフィンプロピレンコポリマーを含む第1ポリマー成分を約2重量%より多く含む。このブレンドは、プロピレン及び6個未満の炭素原子、好ましくは2個の炭素原子を有する少なくとも1種のその他のアルファ−オレフィンのコポリマーを含む第2ポリマー成分も含む。本発明の第2ポリマー成分のコポリマーは、1つの態様によれば、アイソタクチック状に結晶化可能なプロピレン配列、及び75重量%より多くのプロピレン、好ましくは80重量%より多くのプロピレンを含む。
【0011】
もう1つの態様によれば、本発明の熱可塑性ポリマーブレンド組成物は、1種の第1ポリマー成分及び1種の第2ポリマー成分を含む。第1ポリマー成分はアイソタクチックポリプロピレンを含み、そしてブレンドの総重量に基づいて約2重量%乃至約95重量%、より好ましくは2重量%乃至70重量%、の量で存在する。第1ポリマー成分は、値衝撃性コポリマー又は反応器コポリマーと呼ばれる一般的に入手可能なアイソタクチックポリプロピレン組成物から成ることもできる。しかしながら、第1ポリマー成分の同一性におけるこれらの変更は、第1ポリマー成分の全てが実質的に組成が同じであり、かつ第1ポリマー成分が上で示した結晶度と融点の限定の範囲内にある限りにおいてのみ、ブレンド中で許容可能である。この第1ポリマー成分は、特性を改良するか又は保持するためにアイソタクチックポリプロピレンに通常添加される流れ調整剤、核剤、及び酸化防止剤のような添加剤を含むこともできる。これらのポリマーは全て第1ポリマー成分と呼ばれる。
【0012】
第2ポリマー成分は、25℃乃至105℃、好ましくは25℃乃至90℃、より好ましくは40℃乃至90℃の範囲内のDSCによる融点、及び少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%の平均プロピレン重量含有率を有する、エチレンとプロピレンのランダムコポリマーを含む熱可塑性プラスチックである。第2ポリマー成分は、本質的に又は実質的にアイソタクチックのポリプロピレンを形成する(そのとき、第2ポリマー成分中の全ての又は実質的に全てのプロピレン配列はアイソタクチック状に配列される)重合触媒を使用して製造される。このコポリマーは、このアイソタクチックポリプロピレンによる結晶化可能なプロピレン配列を含む。第2ポリマー成分は、連鎖に沿ったエチレン残基とプロピレン残基の分布において統計的にランダムである。エチレン及びプロピレンの配列の分布のランダムさの定量的評価は、第2ポリマー成分の実験的に決定された反応性比を考慮することによって得ることができる。本発明者らは、(1)第2ポリマー成分は、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座(single site)メタロセン触媒を使用して製造されるので、及び(2)第2ポリマー成分は、第2ポリマー成分のポリマー鎖の実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中で製造されるので、第2ポリマー成分はエチレン及びプロピレンの配列の分布においてランダムであると信じる。従って、2本のポリマー鎖の間で又は任意の1本の鎖にそって、第2ポリマー成分の組成において統計的に有意な相違は実質的に存在しない。
【0013】
本発明のブレンド組成物の第1ポリマー成分の第2ポリマー成分に対する比率は、重量で2:98から95:5の範囲内で変化することができ、2:98から70:30の範囲内であるのがより好ましい。
【0014】
本発明のもう1つの態様によれば、第2ポリマー成分は、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドの加硫及びその他の化学的改質において助けとなる非共役ジエンを少量含むことができる。ジエンの量は10重量%以下に制限され、好ましくは5重量%以下に制限される。ジエンは、エチレンプロピレンゴムの加硫に使用されるもの、そして好ましくはエチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、及びジシクロペンタジエン、から成る群から選択することができる。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明は、熱可塑性ポリマーブレンド組成物を製造する方法に関する。この方法は、(a)プロピレン又はプロピレンとC2又はC4〜C10アルファ−オレフィンから選択される1種以上のモノマーとの混合物を重合触媒の存在下に重合すること、ここで、少なくとも約90重量%の重合されたプロピレンを含む実質的にアイソタクチックなプロピレンポリマーが得られること;(b)エチレンとプロピレンの混合物をキラルメタロセン触媒の存在下に重合すること、ここで、約25重量%までのエチレン、好ましくは20重量%までのエチレンを含み、アイソタクチック状に結晶化可能なプロピレン配列を含むエチレンとプロピレンのコポリマーが得られること;及び(c)工程(a)のプロピレンポリマーと工程(b)のコポリマーをブレンドしてブレンドを形成することを、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の好ましい態様の詳細な説明
本発明のブレンド組成物は、一般に、以下の2つの成分から成る:(1)アイソタクチックポリプロピレンを含む第1ポリマー成分、及び(2)アルファ−オレフィン(プロピレン以外のもの)及びプロピレンのコポリマーを含む第2ポリマー成分。
【0017】
第1ポリマー成分(FPC)
本発明によれば、第1の熱可塑性ポリマー成分(第1ポリマー成分)、即ち、ポリプロピレンポリマー成分は、ホモポリプロピレン、又はプロピレンのコポリマー、又はそれらのブレンドでよい。本発明のブレンド中において使用されるポリプロピレンは、形態において広範に変化し得る。例えば、実質的にアイソタクチックなポリプロピレンホモポリマーを使用することができ、或いはポリプロピレンは約10重量%以下のその他のモノマーを含み、即ち、少なくとも90重量%のプロピレンを含むコポリマーの形態でもよい。さらに、グラフト又はブロックコポリマーが、立体規則性プロピレン配列に特徴的な、約110℃より高い、好ましくは115℃より高い、そしてより好ましくは130℃より高い、急な融点を有する限りは、ポリプロピレンは、グラフト又はブロックコポリマーの形態で存在してもよく、この場合、ポリプロピレンのブロックはプロピレン−アルファ−オレフィンコポリマーと実質的に同じ立体規則性を有する。本発明の第1ポリマー成分は圧倒的に結晶性であり、即ち、一般的に約110℃より高い融点、好ましくは約115℃より高い融点、そして最も好ましくは約130℃より高い融点を有する。プロピレンポリマー成分は、本明細書に記載の、ホモポリプロピレン、及び/又はランダムコポリマー、及び/又はブロックコポリマーの組合わせでよい。上述のプロピレンポリマー成分がランダムコポリマーである場合、コポリマー中に共重合されるアルファ−オレフィンのパーセンテージは、一般に、約9重量%までであり、好ましくは約2乃至約8重量%であり、最も好ましくは約2乃至約6重量%である。好ましいアルファ−オレフィンは、2個又は4乃至約12個の炭素原子を含む。最も好ましいアルファ−オレフィンはエチレンである。1種又は2種以上のアルファ−オレフィンをプロピレンと共重合させることができる。
【0018】
例示的なアルファ−オレフィンは、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、2−メチルペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、3,3−ジメチルブテン−1、へプテン−1、ヘキセン−1、メチルヘキセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン−1、エチルペンテン−1、オクテン−1、メチルペンテン−1、ジメチルヘキセン−1、トリメチルペンテン−1、エチルヘキセン−1、メチルエチルペンテン−1、ジエチルブテン−1、プロピルペンテン−1、デセン−1、メチルノネン−1、ノネン−1、ジメチルオクテン−1、トリメチルへプテン−1、エチルオクテン−1、メチルエチルブテン−1、ジエチルヘキセン−1、ドデセン−1、及びヘキサドデセン−1から成る群から選択することができる。
【0019】
本発明の熱可塑性ポリマーブレンド組成物は、約2乃至約95重量%の第1ポリマー成分を含むことができる。好ましい態様によれば、本発明の熱可塑性ポリマーブレンド組成物は、約2乃至約70重量%の第1ポリマー成分を含むことができる。最も好ましい態様によれば、本発明の組成物は、約5乃至約70重量%の第1ポリマー成分を含むことができる。
【0020】
本発明のこのプロピレンポリマー成分を製造する方法に関して特別の制約は存在しない。しかしながら、一般に、このポリマーは、単一段階又は多段式の反応器中におけるプロピレンの単独重合によって得られるプロピレンホモポリマーである。コポリマーは、単一段階又は多段式の反応器中において、プロピレン及び2個又は4〜約20個の炭素原子を有するアルファ−オレフィン、好ましくはエチレン、を共重合させることによって得ることができる。重合方法は、伝統的チーグラー−ナッタ触媒又は単座メタロセン触媒系を使用する、高圧、スラリー、気体、塊状、又は溶液相、又はそれらの組合わせを含む。使用される触媒は、高いアイソ特異性(isospecificity)を有するものであるのが好ましい。重合は連続式又は回分式の方法で行なうことができ、そして連鎖移動剤、掃去剤、又は使用可能であると認められるその他の添加剤の使用を含むことができる。
【0021】
第2ポリマー成分
本発明のポリマーブレンド組成物の第2ポリマー成分は、プロピレンと6個未満の炭素原子を有するもう1つのアルファ−オレフィン、好ましくはエチレン、のコポリマーを含む。所望により本発明の組成物の第2成分は、上記のものに加えて、さらに様々な量のジエンを含むことができる。本発明の組成物の第2ポリマー成分は、好ましくは、1つの態様によれば、狭い組成分布を有するランダムコポリマーを含む。第2ポリマー成分の狭い分子量分布は重要であると考えられるが、これによって限定されることを意図するものではない。ポリマーの分子間組成分布は溶液中の熱分別によって決定される。典型的な溶媒は、ヘキサン又はヘプタンのような飽和炭化水素である。この熱分別方法は以下で説明する。典型的には、約75重量%そしてより好ましくは85重量%のポリマーが、1つ又は2つの隣接する、可溶性画分として、直ぐ前又は後の画分中のポリマーの残部と共に単離される。これらの画分の各々は、第2ポリマー成分全体の平均重量%エチレン含有率の20重量%以下(相対)の相違そして好ましくは10重量%(相対)以下の相違を有する組成である。第2ポリマー成分が上に概略を示した分別試験を満足すれば、それは組成分布が狭い。
【0022】
全ての第2ポリマー成分において、エチレン残基の数と分布は、エチレン、プロピレン及び所望量のジエンのランダム重合(random statistical polymerization)と一致する。ステレオブロック構造において、お互いに隣接するある1種のモノマー残基の数は、同様な組成を有するランダムコポリマー中の統計的な分布から予測されるものよりも大きい。ステレオブロック構造を有する歴史上のポリマーは、ポリマー中のモノマー残基のランダムな分布ではなくこれらのブロック状構造と一致するエチレン残基の分布を有する。ポリマーの分子内組成分布は、C13NMRによって決定することができ、C13NMRは、近隣のプロピレン残基に対してエチレン残基の位置を示す。エチレンとプロピレンの配列の分布のランダムさのより実用的で首尾一貫した評価は、以下の考慮により得ることができる。本発明者らは、(1)第2ポリマー成分は、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座(single site)メタロセン触媒を使用して製造されるので、及び(2)第2ポリマー成分は、第2ポリマー成分のポリマー鎖の実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中で製造されるので、第2ポリマー成分はエチレン及びプロピレンの配列の分布においてランダムであると信じる。
【0023】
第2ポリマー成分は、本発明の1つの態様によれば、単一の融点を有するのが好ましい。融点はDSCによって決定される。一般に、本発明のコポリマーである第2成分は、ブレンドの第1ポリマー成分よりも低い、典型的には約105℃と25℃の間の融点を有する。第2ポリマー成分の融点が、約90℃と25℃の間であるのが好ましい。より好ましくは、本発明の1つの態様によれば、本発明の組成物の第2ポリマー成分の融点は、90℃と40℃の間である。他の態様によれば、本発明の組成物の第2ポリマー成分の融点は、42.2℃と84.7℃の間である。更なる態様によれば、本発明の組成物の第2ポリマー成分の融点は、42.2℃と63.4℃の間である。
【0024】
第2ポリマー成分は、好ましくは、約1.8乃至約5.0の狭い分子量分布(MWD)を有し、約2.0乃至約3.2のMWDが好ましい。
【0025】
本発明の組成物の第2ポリマー成分は、アイソタクチック状に結晶化可能なアルファ−オレフィン配列、例えば、好ましくはプロピレン配列(NMR)、を含む。好ましくは、第2ポリマー成分の結晶度は、1つの態様によれば、ポリマーのアニーリングされたサンプルの融解熱によって測定して、ホモアイソタクチックポリプロピレンの約2%乃至約65%であり、好ましくは5%乃至約40%である。
【0026】
本発明のもう1つの態様によれば、組成物の第2ポリマー成分は、約5乃至約25重量%のアルファ−オレフィン、好ましくは約6乃至約20重量%のアルファ−オレフィン、を含み、そして最も好ましくは、約6乃至約18重量%、そしてさらに好ましくは10乃至16重量%のアルファ−オレフィンを含む。第2ポリマー成分のためのこれらの組成範囲は、本発明の目的によって課される。第2ポリマー成分に関する上記の下限よりも低いアルファ−オレフィン組成においては、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドは堅く、本発明のブレンドの好ましい伸び特性を有していない。第2ポリマー成分に関する上記の上限よりも高いアルファ−オレフィン組成においては、第2ポリマー成分と第1ポリマー成分のブレンドは、本発明のブレンドの好ましい引張り特性を有していない。本発明の有利な効果のためには、第2ポリマー成分が、第1ポリマー成分と共に結晶化するのに最適な量のアイソタクチックポリプロピレン結晶度を有することが必要であると考えられるが、これによって限定されることを意図するものではない。上述したように、好ましいアルファ−オレフィンはエチレンである。
【0027】
従って、本発明の他の態様によれば、組成物の第2ポリマー成分は、約5乃至約16重量%のエチレン、好ましくは約6乃至約16重量%のエチレン、より好ましくは約7乃至約16重量%のエチレンを含み、より好ましくは、約10乃至約16重量%のエチレンを含み、本発明の更なる態様において、組成物の第2ポリマー成分は、7.3乃至16.4重量%のエチレン、好ましくは7.3乃至14.7重量%のエチレン、より好ましくは7.3乃至11.6重量%のエチレンを含み、より好ましくは7.3乃至11.1重量%のエチレンを含み、より好ましくは11.1乃至16.4重量%のエチレンを含み、より好ましくは11.1乃至14.6重量%のエチレンを含む。
【0028】
本発明の第2ポリマー成分は、伸び率600%における応力が166乃至2970psiであり、より好ましくは伸び率600%における応力は166乃至1661psiである。
【0029】
本発明の組成物は、約5乃至約98重量%の第2ポリマー成分を含むことができる。1つの好ましい態様によれば、本発明の組成物は約30乃至約98重量%の第2ポリマー成分を含むことができる。最も好ましくは、本発明の組成物は、約30乃至約95重量%の第2ポリマー成分を含む。
【0030】
一般的に、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものではないが、コポリマーである第2ポリマー成分を製造するために本発明の方法を実施する手段の1つは以下の通りである:(1)液体プロピレンを攪拌タンク反応器に導入する、(2)触媒系をノズルを通して蒸気相か又は液相に導入する、(3)供給エチレンガスを反応器の蒸気相に導入するか、又は本技術分野においてよく知られているように液相に散布する、(4)反応器は、溶解したアルファ−オレフィン、好ましくはエチレン、と共に、プロピレンから実質的に成る液相、及び全てのモノマーの蒸気を含む蒸気相を含む、(5)反応器の温度と圧力を、プロピレンを蒸気化する還流によって(自己冷却)、並びに冷却コイル、ジャケット、その他によって、制御することができる、(6)重合速度を、触媒の濃度、温度によって調節する、及び(7)ポリマー生成物のエチレン(又はその他のアルファ−オレフィン)含有率を、反応器中のエチレンのプロピレンに対する比率によって決定し、この比率は、反応器へのこれらの成分の相対的な供給速度を操作することによって制御する。
【0031】
例えば、典型的な重合方法は、ビス(シクロペンタジエニル)金属化合物及び1)非配位性適合性アニオン活性剤(non-coordinating compatible anion activator)又は2)アルモキサン活性剤のいずれかを含む触媒の存在下の重合から成る。本発明の1つの態様によれば、これは、エチレン及びプロピレンを触媒と適切な重合希釈剤中で接触させる工程を含み、前記触媒は、例えば、好ましい態様によれば、キラルなメタロセン触媒、例えば、米国特許第5,198,401号(これは、米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられる)に記載されているような、ビス(シクロペンタジエニル)金属化合物、及び活性剤を含む。使用される活性剤は、アルモキサン活性剤、又は非配位性適合性アニオン活性剤でよい。アルモキサン活性剤は、約1:1乃至約20,000:1又はそれ以上のアルミニウムのメタロセンに対するモル比を与えるような量で使用されるのが好ましい。非配位性適合性アニオン活性剤は、10:1乃至約1:1のビスシクロペンタジエニル金属化合物の非配位性アニオンに対するモル比を与えるような量で使用されるのが好ましい。上記の重合反応は、そのようなモノマーをそのような触媒系の存在下に、約−100℃乃至約300℃の温度で、約1秒乃至約10時間の期間反応させることによって行われ、約5000以下から約1,000,000又はそれ以上までの重量平均分子量と約1.8乃至約4.5の分子量分布を有するコポリマーを製造する。
【0032】
本発明の方法は、触媒系を液相(スラリー、溶液、懸濁液、又は塊状相、又はそれらの組合わせ)において使用することを含むが、その他の態様によれば、高圧流体相又は気相重合も使用することができる。気相、スラリー相、又は懸濁相重合において使用されるとき、触媒系は担持触媒系であるのが好ましい。例えば、米国特許第5,057,475号を参照のこと。これは米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられる。そのような触媒系は、その他の公知の添加剤、例えば、掃去剤、も含むことができる。例えば、米国特許第5,153,157号を参照のこと。これは米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられる。これらの方法は、反応容器の型及び重合を行なう態様に関して制限なしに使用することができる。上述したように、そして担持触媒系を使用する系についてもそうであるが、液相法は、エチレン及びプロピレンを触媒系と適切な重合希釈剤中で接触させる工程、及びモノマーを触媒系の存在下に、所望の分子量と組成のエチレン−プロピレンコポリマーを製造するのに十分な時間と温度で反応させる工程、を含む。
【0033】
1つの態様において、1種より多くの第2ポリマー成分を1つのブレンド中において第1ポリマー成分と共に使用することができることは本発明の文脈において理解される。これらの第2ポリマー成分の各々は上述されており、この態様における第2ポリマー成分の数は3未満であり、そして好ましくは2である。本発明のこの態様において、第2ポリマー成分はアルファ−オレフィン含有率が異なり、一方は5重量%乃至9重量%のアルファ−オレフィンの範囲内であり、他方は10重量%乃至22重量%のアルファ−オレフィンの範囲内である。好ましいアルファ−オレフィンはエチレンである。1つの第1ポリマー成分と組合わせて2種の第2ポリマー成分を使用すると、ブレンドの引張り−伸び特性において有利な改善がもたらされると考えられる。
【0034】
第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンド
本発明の第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のコポリマーブレンドは、これらの成分の均質混合物を保証する任意の方法によって調製することができる。例えば、これらの成分を一緒にカーバー(Carver)プレス上で約0.5mm(20ミル)の厚さ及び約180℃の温度まで溶融プレスし、得られるスラブを巻き、端を一緒に折り畳み、そしてプレス、巻き、及び折り畳みの操作を約10回繰り返すことによって、これらの成分を一緒にすることができる。溶液又は溶融ブレンド用には密閉式ミキサーが特に有用である。ブラベンダープラストグラフ中における約180℃乃至240℃の温度での約1乃至20分間のブレンドが満足のいくものであることが判明した。成分を混合するために使用することができるさらにもう1つの方法は、ポリマーをバンバリー密閉式ミキサー中で全ての成分の溶融温度より高い温度で、例えば、180℃で約5分間ブレンドすることを含む。ポリマー成分の完全な混合物は、ブレンドに対して単一の又は狭い範囲の結晶化及び溶融温度を与える、成分のポリプロピレン結晶性の結晶化及び溶融転移特性の幅狭化によって示される。回分式混合方法は、典型的には、産業界においては連続式の混合方法によって取って代わられている。これらの方法は本技術分野においては公知であり、一軸及び二軸スクリュー混合押出し機、低粘度の溶融ポリマー流れを混合するためのスタティックミキサー、インピンジメント(impingement)混合器、並びに、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分を均質に接触させて分散させるように設計されたその他の機械及び方法を含む。
【0035】
本発明のポリマーブレンドは、所望の物理的特性の顕著な組合わせを示す。5%のような少ない第1ポリマー成分のプロピレン/アルファ−オレフィンコポリマー中への組込みは、プロピレン配列の融点又はポリマー軟化点を上昇させるが、プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマーと比較してその範囲をより有意に減少させる。さらに、本発明に従う第1ポリマー成分の組込みは、プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマーによって生じる粘着性をほとんど消失させる。さらに、コポリマーブレンドの熱的特性は、プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマーである第2ポリマー成分よりも著しく改善される。
【0036】
ブレンドの結晶化温度と融点は、ブレンド操作の結果として変えられる。本発明の1つの態様において、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドは、単一の結晶化温度と融点を有する。これらの温度は、第2ポリマー成分の対応する温度よりも高く、第1ポリマー成分のものに近い。その他の態様においては、第2ポリマー成分と第1ポリマー成分は、異なる融点と結晶化温度を有するが、第2ポリマー成分と第1ポリマー成分の組合わせに対して予想されるものよりもより接近したこれらの温度を有する。これらの場合の全てにおいて、第2ポリマー成分のガラス転移温度はポリマーブレンド中において保持される。熱的特性のこの好ましい組合わせは、それらブレンドの射出成形操作における以前には遭遇した配向を伴うことのない満足のいく使用を可能にする。本発明のコポリマーブレンドから製造された射出成形品は、従って、優れた長期間寸法安定性を示す。上述の長所は、プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマーの手の込んだ精製或いは注意深く構造化されたブロックコポリマーの長々とした調製の必要無しに得られる。さらに、第2ポリマー成分及び第1ポリマー成分の使用によって、ブレンドとして同じ組成を有するランダムコポリマーに対して予測されるものよりも低いガラス転移温度を有するブレンドが得られる。特に、ブレンドのガラス転移温度は第2ポリマー成分のものにより近く、そして第1ポリマー成分のガラス転移温度よりも低い。これは、ブレンドの引張り−伸び特性を劣化させると考えられる(しかしこれによって限定されることを意図するものではない)ポリマーブレンド中の非常に高いアルファ−オレフィン含有率を伴うことなく、達成することができる。
【0037】
本発明のコポリマーブレンドの望ましい特性が得られるメカニズムは十分には理解されていない。しかしながら、様々なポリマー成分中の類似の立体規則性のプロピレン配列の間の同時結晶化現象を含むものと考えられ、これは、1つの態様において、コポリマーブレンドの単一の結晶化温度と単一の溶融温度をもたらし、これは、ブレンドのプロピレン/アルファ−オレフィン成分である第2ポリマー成分のものよりも高い。もう1つの態様において、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分の組合わせは、個々の成分単独の特性の比較に基づいて予想されるものよりもより近い融点を有する。前記1つの態様においてブレンドが単一の結晶化温度及び単一の溶融温度を有することは驚くべきことである。なぜならば、当業者は、2つの結晶性ポリマーのブレンドは、2つのポリマー成分を反映する二重の結晶化温度並びに二重の溶融温度をもたらすであろうと予想するからである。しかしながら、要求される結晶性特性を有するポリマーの均質なブレンドは、プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマーのその他の物理的特性を改良する結晶化現象をもたらすようであり、このようにしてその商業的有用性及び適用の範囲をある程度まで増加させる。
【0038】
上述の議論は成分1及び2のみを有することに関する本発明の説明に限定されてきたが、当業者には明らかであるように、本発明のポリマーブレンド組成物はその他の添加剤を含むことができる。特定の特性を改善するために様々な添加剤が本発明の組成物中に存在してよく、又は個々の成分の加工の結果として存在してもよい。配合されてよい添加剤は、例えば、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、及び顔料を含む。特性を改善するために使用できるその他の添加剤は、粘着防止剤、着色剤、安定剤、及び酸化−、熱−、及び紫外線−禁止剤を含む。潤滑剤、離型剤、核剤、補強剤、及び充填剤(粒状、繊維状、又は粉末状のものを含む)も使用することができる。核剤及び充填剤は製品の堅さを改善する傾向がある。本明細書中に記載したリストは、本発明と共に使用可能な全ての添加剤のタイプを包含することを意図するものでない。この開示を読めば、当業者は、組成物の特性を改善するためにその他の添加剤を使用できることを理解するだろう。当業者には理解されるように、本発明のポリマーブレンド組成物は、所望に応じてブレンドの性質を調整するように改良することができる。
【0039】
本明細書中において使用されるとき、ムーニー粘度は、ASTM D1646に従ってムーニー単位で125℃でML(1+4)として測定された。
【0040】
エチレン−プロピレンコポリマー(これらは比較例として使用される)の組成は、ASTM D3900に従ってエチレン重量%として測定された。
【0041】
第2ポリマー成分の組成は、以下の技術に従ってエチレン重量%として測定された。第2ポリマー成分の薄い均一フィルム(約150℃以上の温度でプレスされたもの)をパーキン・エルマー(Perkin Elmer)PE1760赤外分光光度計上に取り付けた。600cm−1から400cm−1までサンプルの全スペクトルを記録し、以下の式1に従って第2ポリマー成分のエチレン重量%を計算した:
エチレン重量%=82.585−111.987X+30.045X2
式中、Xは1155cm−1におけるピーク高さと722cm−1又は732cm−1(いずれか高いほう)におけるピーク高さの比率である。
【0042】
分子量(Mn及びMw)及び分子量分布(MWD)を測定する技術は、米国特許第4,540,753号(Cozewith、Ju、及びVerstrate)(これは米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられている)及びそこで引用されている引用例、及びMacromolecules, 1988, volume 21, p 3360 (Verstrate et al)(これは米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられている)及びそこで引用されている引用例中に見出される。
【0043】
示差走査熱量分析のための方法を以下に記載する。約200℃乃至230℃でプレスされたポリマーのシートの約6乃至10mgをパンチダイで取る。これを室温で80乃至100時間アニーリングする。この期間の終わりに、サンプルを示差走査熱量計(Perkin Elmer 7 Series Thermal Analysis System)中に置き、約−50℃乃至−70℃まで冷却する。このサンプルを20℃/分で約200℃乃至約220℃の最終温度に達するまで加熱する。熱の発生量をサンプルの溶融ピークの下の面積として記録するが、これは典型的には約30℃乃至約175℃で頂点に達し、約0℃と約200℃の間で発生し、融解熱の目安としてジュール単位で測定される。融点は、サンプルの溶融範囲内における最大熱吸収の温度として記録される。これらの条件下において、第2ポリマー成分の融点及び融解熱は上の説明において概略を説明したように第1ポリマー成分よりも低い。
【0044】
第2ポリマー成分の組成分布は、以下に記載したようにして測定された。約30gの第2ポリマー成分を一辺約1/8インチの小さい立方体に切った。これを、Ciba-Geigy Corporationから商業的に入手可能な酸化防止剤であるIrganox 1076の50mgと共に、スクリューキャップで密閉された厚肉ガラスビンに導入する。その後、425mlのヘキサン(ノルマル及びイソ異性体の主混合物)をビンの内容物に添加し、密閉されたビンを約23℃で24時間維持する。この期間の終わりに、溶液をデカンテーションし、残渣を追加のヘキサンでさらに24時間処理する。この期間の終わりに、2つのヘキサン溶液を一緒にして蒸発させ、23℃で可溶なポリマーの残渣を得る。この残渣に体積を425mlにするのに十分なヘキサンを添加し、そしてビンを覆われた循環水浴中約31℃で24時間維持する。可溶なポリマーをデカンテーションし、追加量のヘキサンを約31℃でさらに24時間添加し、その後デカンテーションする。この方法で、40℃、48℃、55℃、及び62℃で可溶な第2ポリマー成分の画分を、段階ごとに約8℃ずつ温度を増加させながら得る。さらに、約60℃より高い温度の全てに対して、ヘキサンの代わりに、ヘプタンが溶媒として使用される場合、95℃までの温度上昇も適応され得る。可溶性ポリマーを乾燥させ、秤量し、そして上述のIR技術によって、エチレン重量%含有率として、組成について分析する。隣接する温度の上昇において得られる可溶性画分は、上記の明細書中における隣接画分である。
【0045】
以下のデータの表中のEPRは、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニー(Exxon Chemical Company)によって販売されているVistalon 457である。
【0046】
本発明は、以下の具体的な実施例によってさらに説明されるが、それらによって限定されることを意図するものではない。
【実施例】
【0047】
実施例1:第2ポリマー成分を形成するためのエチレン/プロピレン共重合
溶媒としてヘキサンを使用する1リットルのサーモスタット付き連続式供給攪拌タンク反応器中で重合を行なった。重合反応器は液体で満たされていた。反応器中の滞留時間は典型的には7〜9分間であり、圧力は400kpaで維持された。ヘキサン、エテン、及びプロペンは単一の流れの中に計量供給され、反応器の底部に導入される前に冷却された。全ての反応体の溶液と重合触媒の溶液を反応器に連続的に導入し、発熱重合を開始させた。反応器の温度は、ヘキサン供給物の温度を変化させることによって、及び外部ジャケット中に水を循環させることによって、41℃で維持した。典型的な重合に対しては、供給物の温度は約0℃だった。
【0048】
エテンを45g/分の速度で導入し、そしてプロペンを480g/分の速度で導入した。重合触媒である、1:1のモル比のN’,N’−ジメチルアニリニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを使用して活性化されたジメチルシリル架橋ビスインデニルハフニウムジメチルを0.00897g/時間の速度で導入した。トリイソブチルアルミニウムの希釈溶液を反応器に触媒停止剤の掃去剤として導入した。触媒1モル当たり約28.48モルの掃去剤がこの重合に対して適切であった。定常状態の重合の5滞留時間の後、この重合中に製造されたポリマーの代表的サンプルを回収した。ポリマーの溶液を上部から取出し、その後水蒸気蒸留してポリマーを単離した。ポリマーの形成速度は285.6g/時間であった。この重合において製造されたポリマーは、13%のエチレン含有率、12.1のML@125(1+4)を有し、そしてアイソタクチックプロピレン配列を有していた。
【0049】
ポリマーの組成における変更は、エテンのプロペンに対する比率を変えることによって主に得られた。ポリマーの分子量は、重合触媒の量と比較してエテンとプロペンの量をより多くすることによって増加させることができた。ノルボルネン及びビニルノルボルネンのようなジエンを、それらを重合中に連続的に添加することによって、ポリマー中に組み入れることができた。
【0050】
実施例2:プロピレン残基がアタクチックである比較例のエチレン/プロピレンの重合
溶媒としてヘキサンを使用する1リットルのサーモスタット付き連続式供給攪拌タンク反応器中で重合を行なった。重合反応器は液体で満たされていた。反応器中の滞留時間は典型的には7〜9分間であり、圧力は400kpaで維持された。ヘキサン、エテン、及びプロペンは単一の流れの中に計量供給され、反応器の底部に導入される前に冷却された。全ての反応体の溶液と重合触媒の溶液を反応器に連続的に導入し、発熱重合を開始させた。反応器の温度は、ヘキサン供給物の温度を変化させることによって、及び外部反応器ジャケット中の水冷却を使用することによって、45℃で維持した。典型的な重合に対しては、供給物の温度は約−10℃だった。エテンを45g/分の速度で導入し、そしてプロペンを310g/分の速度で導入した。重合触媒である、1:1のモル比のN’,N’−ジメチルアニリニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを使用して活性化されたジメチルシリル架橋(テトラメチルシクロペンタジエニル)シクロドデシルアミドチタニウムジメチルを0.002780g/時間の速度で導入した。トリイソブチルアルミニウムの希釈溶液を反応器に触媒停止剤の掃去剤として導入した。触媒1モル当たり約36.8モルの割合がこの重合に対して適切であった。定常状態の重合の5滞留時間の後、この重合中に製造されたポリマーの代表的サンプルを回収した。ポリマーの溶液を上部から取出し、その後水蒸気蒸留してポリマーを単離した。ポリマーの形成速度は258g/時間であった。この重合において製造されたポリマーは、14.1%のエチレン含有率、95.4のML@125(1+4)を有していた。
【0051】
ポリマーの組成における変更は、エテンのプロペンに対する比率を変えることによって主に得られた。ポリマーの分子量は、重合触媒の量と比較してエテンとプロペンの量をより多くすることによって増加させることができた。これらのポリマーは以下の表中においてaePPとして記載されている。
【0052】
実施例3:数種の第2ポリマー成分の分析と溶解度
上記の実施例1に記載された方法において、上記の規格の数種の第2ポリマー成分を合成した。これらを以下の表に記載する。表1は、これらのポリマーについてのGPC、組成、ML、及びDSC分析の結果を記載する。
【0053】
【表1】

表1:第2ポリマー成分と比較例のポリマーの分析
【0054】
表2は、第2ポリマー成分の溶解度を記載する。
【0055】
【表2】

表2:第2ポリマー成分の画分の溶解度。これらの画分の合計は、ポリマー画分の乾燥が不完全なため、100よりもわずかに多くなる。
【0056】
表3は、表2中で得られた第2ポリマー成分の画分の組成を記載する。ポリマーの全質量の4%より多くを有する画分のみを組成に関して分析した。
【0057】
【表3】

表3:表2で得られた第2ポリマー成分の画分の組成。エチレン含有率の測定における実験誤差は約0.4重量%(絶対)までであると考えられる。
【0058】
実施例4:
表4の第2欄に示すような、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分の合計で72gの混合物を、ブラベンダー強力ミキサー中において、185℃と220℃の範囲内に制御された温度で3分間混合した。高剪断ローラーブレードを混合のために使用し、Novartis Corporationから入手可能な酸化防止剤であるIrganox-1076の約0.4gをブレンドに添加した。混合の終了時に、混合物を取出し、6インチ×6インチの型中厚さ025インチのパッドに215℃において3乃至5分間プレスした。この期間の終了時に、このパッドを冷却し取出し、3乃至5日間アニーリングした。必要なダンベル型の形状の試験サンプルをこのパッドから取出し、インストロン(Instron)試験機上で評価して、表4に示すデータを作成した。
【0059】
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされたSPC−1であった。
【0060】
【表4】

表4:第2ポリマー成分が上記の表中の成分SPC−1である、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドについての応力対伸び(E)のデータ。影のついた領域は破壊されたサンプルを表す。空白の領域は、装置の限界を超えた伸びのために、データがないことを表す。
【0061】
実施例5:
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされている成分SPC−2であった。これらの成分は、実施例4に関して記載したのと同じ方法で混合された。
【0062】
【表5】

表5:第2ポリマー成分が上記の表中の成分SPC−2である、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドについての応力対伸び(E)のデータ。データの無い影のついた領域は破壊されたサンプルを表す。空白の領域は、装置の限界を超えた伸びのために、データがないことを表す。
【0063】
実施例6:
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされている成分SPC−3であった。これらの成分は、実施例4に関して記載したのと同じ方法で混合された。
【0064】
【表6】

表6:第2ポリマー成分が上記の表中の成分SPC−3である、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドについての応力対伸び(E)のデータ。データの無い影のついた領域は破壊されたサンプルを表す。空白の領域は、装置の限界を超えた伸びのために、データがないことを表す。
【0065】
実施例7:
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされている成分SPC−4であった。これらの成分は、実施例4に関して記載したのと同じ方法で混合された。
【0066】
【表7】

表7:第2ポリマー成分が上記の表中の成分SPC−4である、第1ポリマー成分と第2ポリマー成分のブレンドについての応力対伸び(E)のデータ。データの無い影のついた領域は破壊されたサンプルを表す。空白の領域は、装置の限界を超えた伸びのために、データがないことを表す。
【0067】
実施例8:
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされている成分SPC−1と成分SPC−5との混合物であった。これらの成分は、実施例4に関して記載したのと同じ方法で混合された。
【0068】
【表8】

表8:第1ポリマー成分と上記の表中のEPRのブレンドについての応力対伸び(E)のデータ。データの無い影のついた領域は破壊されたサンプルを表す。
【0069】
実施例9(比較例):
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされている成分EPRであった。これらの成分は、実施例4に関して記載したのと同じ方法で混合された。
【0070】
【表9】

表9:第1ポリマー成分と上記の表中のEPRのブレンドについての応力対伸び(E)のデータ。データの無い影のついた領域は破壊されたサンプルを表す。
【0071】
実施例10(比較例):
第1ポリマー成分は、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能なホモアイソタクチックポリプロピレンであるEscorene 4292であった。第2ポリマー成分は、上記の表1、2、及び3中において特徴付けされているaePPであった。これらの成分は、実施例4に関して記載したのと同じ方法で混合された。
【0072】
【表10】

【0073】
本発明の説明のための実施態様を詳細に記載してきたが、様々なその他の変更は当業者には明らかであり、本発明の精神と範囲から離れること無く当業者が容易に行ない得ることは理解されるだろう。従って、本明細書に添付の請求の範囲の範囲が本明細書に記載の実施例及び説明に限定されることは意図されず、むしろ請求の範囲は、本発明の関わる技術分野における当業者によって均等として扱われるであろう全ての特徴を含む、本発明中に存在する特許可能な新規性の全ての特徴を包含するものと解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5 wt%乃至25 wt%のエチレン及び75 wt%乃至95 wt%のプロピレンを含む熱可塑性ランダムコポリマーであって、
前記ポリマーが、ポリマーの実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中において、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座メタロセン触媒を用いて製造され、
前記コポリマーが、DSCにより決定される105 ℃未満の融点(Tm)及びDSCにより決定される75 J/g未満の融解熱を有することを特徴とするコポリマー。
【請求項2】
5 wt%乃至25 wt%のエチレン及び75 wt%乃至95 wt%のプロピレンを含む熱可塑性ランダムコポリマーであって、
前記ポリマーが、ポリマーの実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中において、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座メタロセン触媒を用いて製造され、
前記コポリマーが、DSCにより決定される105 ℃未満の融点(Tm)、DSCにより決定される75 J/g未満の融解熱、2 %乃至65 %のホモアイソタクチックポリプロピレンの結晶化度、及び2.0乃至3.2のMWDを有することを特徴とするコポリマー。
【請求項3】
5 wt%乃至25 wt%のエチレン及び75 wt%乃至95 wt%のプロピレンを含む熱可塑性ランダムコポリマーであって、
前記ポリマーが、ポリマーの実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中において、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座メタロセン触媒を用いて製造され、
前記単座メタロセン触媒がビス(シクロペンタジエニル)金属化合物を含み、
DSCにより決定される105 ℃未満の融点(Tm)、DSCにより決定される75 J/g未満の融解熱、2 %乃至65 %のホモアイソタクチックポリプロピレンの結晶化度、及び2.0乃至3.2のMWDを有することを特徴とするコポリマー。
【請求項4】
5 wt%乃至25 wt%のエチレン及び75 wt%乃至95 wt%のプロピレンを含む熱可塑性ランダムコポリマーであって、
前記ポリマーが、ポリマーの実質的に全てに対して単一の重合環境のみを可能にする十分に混合された連続的にモノマーが供給される攪拌タンク式重合反応器中において、エチレンとプロピレンの付加の単一の統計的態様のみを可能にする単座メタロセン触媒を用いて製造され、
前記コポリマーが、(1)ハフニウム含有ビス(シクロペンタジエニル)金属化合物と(2)非配位性アニオンとの存在下で製造され、
DSCにより決定される105 ℃未満の融点(Tm)、DSCにより決定される75 J/g未満の融解熱、2 %乃至65 %のホモアイソタクチックポリプロピレンの結晶化度、及び2.0乃至3.2のMWDを有することを特徴とするコポリマー。
【請求項5】
5 wt%乃至16 wt%のエチレン及び84 wt%乃至95 wt%のプロピレンを含む請求項1乃至請求項4のいずれか1請求項に記載のコポリマー。
【請求項6】
7.3 wt%乃至16.4 wt%のエチレン及び83.6 wt%乃至92.7 wt%のプロピレンを含む請求項1乃至請求項4のいずれか1請求項に記載のコポリマー。
【請求項7】
DSCにより決定される融点が42.2 ℃乃至84.7 ℃である請求項1乃至請求項6のいずれか1請求項に記載のコポリマー。
【請求項8】
伸び率600 %における応力が166 psi乃至2970 psiである請求項1乃至請求項7のいずれか1請求項に記載のコポリマー。
【請求項9】
単一の融点を有する請求項1乃至請求項8のいずれか1請求項に記載のコポリマー。
【請求項10】
更にジエンを含む請求項1乃至請求項9のいずれか1請求項に記載のコポリマー。

【公開番号】特開2010−180413(P2010−180413A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93764(P2010−93764)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【分割の表示】特願2006−200419(P2006−200419)の分割
【原出願日】平成10年7月23日(1998.7.23)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】