説明

アクチュエータ及び車両用ランプ装置

【課題】出力軸の傾斜を抑制することができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ1は、ケース11に対して第1の方向Aに直線的にスライド移動可能に支持されるとともに中心軸線L1が第1の方向Aと直交する出力軸61を備え、出力軸61を第1の方向Aにスライド駆動可能である。出力軸61は、その先端から中心軸線L1に沿って凹設され、該出力軸61のスライド駆動に伴って傾動されるランプ軸が挿入されて該出力軸61の軸方向の基端側で連結される軸連結部65を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプの照射方向を任意の方向に変更させるためのアクチュエータ、及び該アクチュエータを備えた車両用ランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行状況に応じてアクチュエータを駆動してランプを傾動させることにより光の向きを調整する車両用ランプ装置がある。例えば、特許文献1に記載された車両用ランプ装置においては、ランプは、その上端部が、車両に固定されたブラケットに対し上下及び左右に傾動可能な状態で吊り下げ支持されている。また、ランプの下側に配置されたアクチュエータは、ケースに対して車両の前後方向にスライド移動可能に支持されるとともに自身の中心軸線回りに回転される出力軸を備えている。この出力軸は、上下方向に延びるとともに、その先端部がケースの外部に突出している。更に、ケースの外部に突出した出力軸の先端部には、ランプの下端部が連結されている。そして、この車両用ランプ装置では、アクチュエータ内に収容されたモータの駆動力によってケースに対して出力軸が前後方向にスライド移動されると、ランプが上下方向に傾斜されて該ランプの照射する光の向きが鉛直方向に沿って変化する。一方、アクチュエータ内に収容されたモータの駆動力によって出力軸が回転されると、ランプが左右方向に回転されて該ランプの照射する光の向きが水平方向に沿って変化する。
【特許文献1】特開2008−94196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された車両用ランプ装置では、出力軸の先端部がケースの外部に突出しており、その突出した出力軸の先端部にランプの下端部が連結されていることから、ランプの荷重が出力軸の先端部に作用する。従って、ケースに対して出力軸が傾斜しやすい構成となっている。そして、出力軸が傾斜すると、ランプの照射する光の方向が所望の方向からずれる虞がある。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、出力軸の傾斜を抑制することができるアクチュエータ及び車両用ランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1の方向と平行をなすスライド面を有するケースに対して前記スライド面上で前記第1の方向に直線的にスライド移動可能に支持されるとともに軸中心が前記第1の方向と直交する出力軸を備え、前記出力軸を前記第1の方向にスライド駆動可能なアクチュエータであって、前記出力軸は、該出力軸の駆動に伴って傾動される被作動軸が連結され且つ前記被作動軸に対する作用点となる軸連結部を、該出力軸の軸方向の中央部から前記スライド面側に備えたことをその要旨としている。
【0006】
同構成によれば、出力軸の第1の方向のスライド駆動に伴って傾動される被作動軸は、出力軸に対して、該出力軸の軸方向の中央部からケースのスライド面側、即ち出力軸の軸方向の中央部から同出力軸の基端側で連結される。従って、被作動軸からの荷重は、出力軸の先端部よりも下方の基端側で出力軸に作用することになる。よって、出力軸の傾斜を抑制することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータにおいて前記ケースに対して固定され、前記出力軸を前記第1の方向にスライド駆動するための第1の駆動源と、前記第1の方向に沿って延びるとともに前記第1の駆動源と前記出力軸とに駆動連結され、前記第1の駆動源の駆動力により前記第1の方向にスライド移動されて前記出力軸を前記第1の方向にスライド移動させる少なくとも1本の直線駆動軸とを備え、前記出力軸の軸中心方向から見て、前記直線駆動軸の中心軸線と、前記被作動軸における前記出力軸のスライド移動に伴う傾動の際の傾動中心となる傾動中心線とが直交していることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、直線駆動軸による出力軸を第1の方向にスライド移動させる力は、出力軸の軸中心を通る直線と直交するように作用して出力軸をスライド移動させるとともに、出力軸のスライド移動に伴って傾動される被作動軸の傾動中心は、出力軸の軸中心を通っている。従って、直線駆動軸から出力軸に対し該出力軸を第1の方向にスライド移動させるための力が良好に作用されるため、出力軸はより傾斜し難くなる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアクチュエータにおいて、前記直線駆動軸を1本備え、前記直線駆動軸の中心軸線と前記傾動中心線とが一平面内で直交していることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、直線駆動軸は、出力軸と被作動軸との連結部に作用して出力軸をスライド移動させる。従って、出力軸のスライド移動時に出力軸が傾斜することが更に抑制される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアクチュエータにおいて、前記軸連結部は、前記出力軸の先端から前記軸中心に沿って凹設されてなり、前記被作動軸が挿入されて連結されることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、出力軸の第1の方向のスライド駆動に伴って傾動される被作動軸は、出力軸に形成された軸連結部内に挿入され、被作動軸と出力軸との連結は、軸連結部における出力軸の基端側の端部においてなされる。従って、被作動軸からの荷重は、出力軸の先端部よりも下方の基端側で出力軸に作用することになる。よって、出力軸の傾斜を抑制することができる。また、出力軸の先端から該出力軸の軸中心に沿って凹設されてなる軸連結部に被作動軸を挿入するだけの簡単な構成で被作動軸の出力軸への連結を行うことができるとともに、出力軸の傾斜を抑制することができる。尚、本発明において、「凹設」とは、穴状の凹部を形成する場合のみでなく、貫通した孔状のものを形成する場合も含む。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のアクチュエータにおいて、前記軸連結部は、前記出力軸の先端面に開口した開口部側の部位が大きく形成されていることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、出力軸の第1の方向に沿ったスライド移動に伴って、被作動軸は、軸連結部内で出力軸に対して円滑に傾動される。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のアクチュエータにおいて、前記ケースには、該ケースの外部から前記軸連結部内に前記被作動軸を挿入するための挿入孔が形成され、前記出力軸は、前記ケース内でその先端面が前記ケースの内側面と近接して配置されるとともに、その先端面の少なくとも一部が前記ケースにおける前記挿入孔の周縁部によって覆われていることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、出力軸が傾斜しようとした場合には、該出力軸の先端面がケースの内側面に当接することにより、出力軸のそれ以上の傾斜が阻止される。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアクチュエータにおいて、前記軸連結部は、前記出力軸の外周面における該出力軸の軸方向の中央から前記スライド面側の部位であり、前記被作動軸が前記出力軸に外挿されて前記軸連結部に当接することにより前記被作動軸が連結されることをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、出力軸の第1の方向のスライド駆動に伴って傾動される被作動軸は、出力軸に外挿されて軸連結部に当接することにより出力軸に連結される。そして、軸連結部は、出力軸における該出力軸の軸方向の中央からスライド面側の部位に設けられているため、被作動軸からの荷重は、出力軸の先端部よりも下方の基端側で出力軸に作用することになる。よって、出力軸の傾斜を抑制することができる。また、出力軸に被作動軸を外挿するだけの簡単な構成で被作動軸の出力軸への連結を行うことができるとともに、出力軸の傾斜を抑制することができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のアクチュエータにおいて、前記出力軸は、該出力軸の基端から先端に向かうに連れて細くなるように形成されていることをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、出力軸の第1の方向に沿ったスライド移動に伴って、被作動軸は、出力軸の外周で該出力軸に対して円滑に傾動される。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のアクチュエータにおいて、前記出力軸を前記第1の方向にスライド駆動可能で、且つ、前記出力軸を該出力軸の軸中心回りに回転駆動可能であることをその要旨としている。
【0019】
同構成によれば、出力軸のスライド移動に伴って被作動軸を第1の方向にスライド移動させることができるだけでなく、出力軸の回転駆動に伴って被作動軸を回転させることが可能となる。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のアクチュエータにおいて、前記ケースに対して固定され、前記出力軸に駆動連結されて該出力軸を前記第1の方向にスライド駆動するための第1の駆動源と、前記出力軸の前記第1の方向のスライド移動を許容するスライド許容連結機構を介して前記出力軸に駆動連結されて該出力軸を回転駆動するための第2駆動源とを備えたことをその要旨としている。
【0021】
同構成によれば、第1の駆動源によって出力軸が第1の方向にスライド駆動される。また、第2の駆動源は出力軸の第1の方向のスライド移動を許容するスライド許容連結機構を介して出力軸に駆動連結されるため、出力軸が第1の方向にスライド移動しても、第2の駆動源によって出力軸が回転駆動される。このようにすると、出力軸を第1の方向にスライド移動させるための制御が第1の駆動源のみの制御となり、出力軸を回転駆動させるための制御が第2の駆動源のみの制御となるため、それぞれの制御を容易且つ確実に行うことができる。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のアクチュエータにおいて、前記スライド許容連結機構は、前記第1の方向に移動不能に設けられ、前記第2の駆動源の回転力に伴って回転する駆動側回転体と、前記駆動側回転体と軸中心が一致するように設けられるとともにその回転軸線方向に沿って前記出力軸と一体的に前記第1の方向に移動可能に設けられ、自身の回転に伴って前記出力軸を回転させる出力側回転体と、前記駆動側回転体と前記出力側回転体とを一体回転させるべく回転方向に係合するように前記駆動側回転体及び前記出力側回転体の軸中心に挿通されるとともに、前記駆動側回転体及び前記出力側回転体の少なくとも一方に対してその回転軸線方向にスライド移動可能に挿通されるスライド許容軸とを有することをその要旨としている。
【0023】
同構成によれば、駆動側回転体及び出力側回転体の少なくとも一方に対してスライド許容軸がスライド移動可能であるため、出力側回転体と共に出力軸の第1の方向のスライド移動が許容される。また、スライド許容軸が駆動側回転体と出力側回転体とを一体回転させるべく回転方向に係合するため、出力軸が第1の方向にスライド移動しても、駆動側回転体から出力側回転体に動力が伝達可能とされ、第2の駆動源によって出力軸が回転駆動可能とされる。このようにすると、簡単な構成で具体的に請求項4の発明の効果を得ることができる。
【0024】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のアクチュエータと、車両に対して回動可能に支持されるとともに、その下端部が前記軸連結部に連結される被作動軸と、前記被作動軸に固定され、前記出力軸の前記第1の方向のスライド移動に伴う前記被作動軸の傾動によって照射する光の向きが鉛直方向に沿って変化する、若しくは、前記出力軸の前記第1の方向のスライド移動に伴う前記被作動軸の傾動によって照射する光の向きが鉛直方向に沿って変化し前記出力軸の回転に伴う前記被作動軸の回転によって照射する光の向きが水平方向に沿って変化するランプとを備えた車両用ランプ装置としたことをその要旨としている。
【0025】
同構成によれば、ランプが固定された被作動軸は、出力軸における軸方向の中央よりもスライド面側に設けられた軸連結部において該出力軸と連結されるため、出力軸が傾斜し難い。従って、出力軸の傾斜によってランプの照射する光の方向が所望の方向からずれることが抑制される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、出力軸の傾斜を抑制可能なアクチュエータ及び車両用ランプ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、車両用ランプ装置は、車両に対して固定されるアクチュエータ1と、車両に対して支持されるランプ2とを備えている。尚、図2(a)は車両に設けられた車両用ランプ装置を水平方向の側方(車両の走行方向に対して左側方)から見た模式図であり、図2(b)は、同車両用ランプ装置を上方から見た模式図である。
【0028】
アクチュエータ1は、車両に固定されるブラケット3に固定されたケース11に対して第1の方向A(本実施形態では車両の前後方向)に直線的にスライド移動可能に支持されるとともに前記第1の方向Aと直交する中心軸線L1(軸中心)回りに回転可能とされた出力軸61を備える。また、ランプ2は、該ランプ2を貫通して鉛直方向に延びるランプ軸4に対して固定されるとともに、該ランプ軸4の上端部には、球状の被支持部4aが設けられている。そして、前記ブラケット3の上部には、被支持部4aを支持する球面状の凹部を有する軸受5が固定されるとともに、前記ランプ軸4は、被支持部4aが軸受5内に配置されることにより該軸受5にて回動自在に吊り下げ支持されている。また、ランプ軸4の鉛直方向下端部は、前記出力軸61に連結されている。そして、ランプ2は、出力軸61の第1の方向Aのスライド移動によって照射する光の向きが鉛直方向Bに沿って変化する一方、出力軸61の回転によって照射する光の向きが水平方向C(車両の走行方向に対して左右方向)に沿って変化する。
【0029】
図1,図3及び図4に示すように、アクチュエータ1は、箱状のケース11内に複数の部品を収容して構成されている。ケース11は、上下に3つに分割された上部ケース12、中間ケース13及び下部ケース14よりなる。上部ケース12の周縁部の複数個所には、下部ケース14側に延びる係止爪12aが形成されるとともに、下部ケース14の周縁部における係止爪12aに対応した複数個所には、外側に突出した突起状の係止部14aが形成されている。そして、上部ケースと下部ケース14とは、間に中間ケース13を挟んだ状態で係止爪12aが係止部14aにスナップフィット係合されることにより一体化される。尚、図1は、上部ケース12及び中間ケース13を除いたアクチュエータ1の斜視図であり、図4は、上部ケース12を除いたアクチュエータ1の平面図である。
【0030】
略四角形の箱状をなす中間ケース13内(中間ケース13における上部ケース12側の凹部内)の略中央部には、スライド部材21が配置されている。スライド部材21は、箱状のスライド本体部22と該スライド本体部22の開口部を略閉塞するカバー23とから構成されている。そして、中間ケース13の底面(スライド面)には、第1の方向Aに沿って延び互いに平行をなす一対のスライド溝13aが形成されるとともに、前記スライド本体部22の底部には、スライド溝13aに第1の方向Aに沿ってスライド移動可能に係合する一対の係合突起部21a(図1参照)が突出形成されている。スライド部材21は、一対の係合突起部21aがスライド溝13a内に配置されることにより、スライド溝13aに案内されて第1の方向Aに沿って中間ケース13に対し直線的にスライド移動可能である。また、スライド本体部22内には、後述する出力軸61が、第1の方向Aと直交し且つ上下方向に延びるように配置されている。
【0031】
中間ケース13内には、スライド部材21を第1の方向に沿ってスライド移動させるための駆動源となる第1のモータ31が配置されている。第1のモータ31は、スライド部材21の周囲でスライド溝13aと反対側に配置されるとともに、その回転軸31aが出力軸61の中心軸線L1(軸中心)と平行に延びている。そして、回転軸31aの先端部には、平ギヤ32が一体回転可能に固定されている。
【0032】
また、第1のモータ31の側方には、第1の減速歯車33が配置されている。第1の減速歯車33は、第1のモータ31の側方で出力軸61の中心軸線L1及び第1のモータ31の回転軸31aと平行に延びその両端部が上部ケース12及び中間ケース13に固定される円柱状の第1の支軸34にて軸支されている。そして、第1の減速歯車33は、前記平ギヤ32と噛合する大径ギヤ33aと、該大径ギヤ33aの径方向の中央部から下方(中間ケース13の底部側)に突出するように一体に形成された第1の螺子歯車33bとから構成されている。尚、第1の減速歯車33の軸方向の両側には、第1の支軸34に外嵌されてスラストを受ける円環状のスラスト受け部材35がそれぞれ設けられている。図3には、大径ギヤ33aと上部ケース12との間に配置される一方のスラスト受け部材35のみを図示している。
【0033】
また、図5に示すように、中間ケース13内には、第1の減速歯車33の側方であって第1のモータ31との間に前記第1の減速歯車33が介在される位置に直線駆動部材36が配置されている。直線駆動部材36は、円筒状の駆動本体部36aと、該駆動本体部36aの外周に設けられ前記第1の減速歯車33の第1の螺子歯車33b(図3参照)と噛合する螺子歯状の第2の螺子歯車36bとが一体に形成されてなる。駆動本体部36aの内周面には、螺子歯(図示略)が形成されるとともに、第2の螺子歯車36bは、駆動本体部36aの軸方向の中央部に円筒状に形成され、その軸方向の長さは、駆動本体部36aの軸方向の長さよりも短く形成されている。
【0034】
直線駆動部材36は、その中心軸線L2が第1の方向Aと平行をなし且つ出力軸61の中心軸線L2と直交するように、中間ケース13の底部に立設された一対の支持部材13cによって駆動本体部36aの軸方向の両端部が支持されている。一対の支持部材13cは、直線駆動部材36を該直線駆動部材36の中心軸線L2回りに回転可能に支持するとともに、第2の螺子歯車36bの軸方向の端面にそれぞれ当接して直線駆動部材36の軸方向の移動を規制している。尚、一対の支持部材13c間には、中間ケース13と第2の螺子歯車36bとが非接触となるように、収容凹部13bが凹設されている。
【0035】
また、中間ケース13には、駆動本体部36aの軸方向の両端部を径方向の両側からそれぞれ挟む2対の規制部材13dが形成されている。各規制部材13dは、出力軸61の中心軸線L1と平行に延びるとともに、対をなす各規制部材13dは、駆動本体部36aの軸方向の端部に径方向の両側から当接することにより、直線駆動部材36の径方向の移動を規制している。
【0036】
直線駆動部材36の内側には、棒状の直線駆動軸37が配置されている。直線駆動軸37の外周面には螺子歯37aが形成されており、該直線駆動軸37は、駆動本体部36aの内周面に形成された螺子歯に螺子歯37aを螺合した状態で直線駆動部材36の内側に配置されている。そして、直線駆動軸37は、直線駆動部材36の内側に配置されることにより、その中心軸線L3が第1の方向Aと平行をなすとともに、直線駆動部材36、第1の減速歯車33及び平ギヤ32によって第1のモータ31に駆動連結されている。また、直線駆動軸37の先端部(前記スライド部材21側の端部)は、スライド本体部22の側壁から直線駆動軸37側に向かって突出形成された固定部22aに対して連結固定されており、これにより、スライド本体部22は直線駆動軸37と一体的にスライド移動可能であるとともに、直線駆動軸37の中心軸線L3回りの回転が阻止される。そして、直線駆動部材36が回転されると、直線駆動軸37が第1の方向Aに沿って直線的にスライド移動されると同時に、直線駆動軸37と共にスライド部材21が第1の方向Aに沿って直線的にスライド移動される。即ち、直線駆動軸37は、出力軸61と一体的にスライド移動されるスライド部材21に対し駆動連結されている。
【0037】
また、図1に示すように、中間ケース13内には、前記第1のモータ31との間に直線駆動部材36が介在される位置に、出力軸61をその中心軸線L1回りに回転させるための駆動源となる第2のモータ41が配置されている。第2のモータ41は、その回転軸41aが出力軸61の中心軸線L1と平行をなすように配置されるとともに、回転軸41aの先端部には、平ギヤ42が一体回転可能に固定されている。
【0038】
第2のモータ41と直線駆動部材36との間には、第2の減速歯車43が配置されている。第2の減速歯車43は、第2のモータ41の側方で出力軸61の中心軸線L1及び第2のモータ41の回転軸41aと平行に延びその両端部が上部ケース12及び中間ケース13に固定される円柱状の第2の支軸44(図5参照)にて軸支されている。そして、第2の減速歯車43は、前記平ギヤ42と噛合する大径ギヤ43aと、該大径ギヤ43aの径方向の中央部から下方(中間ケース13の底部側)に突出するように一体に形成されたウォーム43b(図3参照)とから構成されている。尚、第2の減速歯車43の軸方向の両側には、第1の支軸34に外嵌されてスラストを受ける円環状のスラスト受け部材45がそれぞれ設けられている。図3には、大径ギヤ43aと上部ケース12との間に配置される一方のスラスト受け部材45のみを図示している。
【0039】
また、図5に示すように、中間ケース13内には、第2の減速歯車43の側方であって第2のモータ41との間に前記第2の減速歯車43が介在される位置にスライド許容部材としてのウォームホイール46が配置されている。ウォームホイール46は、円筒状をなすとともに、その外周面に第2の減速歯車43のウォーム43b(図3参照)が噛合される歯部46aが形成されている。そして、中間ケース13の底部には、第1の方向Aに離間して配置された一対の支持部材13eが立設されており、ウォームホイール46は、その両端部がこの支持部材13eによって回転可能に支持されるとともにケース11に対する軸方向(第1の方向Aに同じ)の移動が規制されている。更に、ウォームホイール46は、支持部材13eにて支持された状態では、その中心軸線L4が第1の方向Aと平行をなしている。また、ウォームホイール46の径方向の中央部(軸中心)には、軸方向に貫通したスライド許容孔46bが形成されるとともに、該スライド許容孔46bは、その断面形状が十字形状をなしている。
【0040】
前記スライド許容孔46bには、該スライド許容孔46bに対応した断面十字形状(長手方向と直交する方向の断面形状)のスライド許容軸47が挿通されている。スライド許容軸47は、断面十字形状をなし、同じく断面十字形状のスライド許容孔46bに挿通されることにより、ウォームホイール46と周方向(回転方向)に係合して一体回転可能であるとともに、ウォームホイール46に対し軸方向にスライド移動可能となっている。更に、スライド許容軸47は、スライド許容孔46bに挿通された状態において、その中心軸線L5がウォームホイール46の中心軸線L4と一致する。
【0041】
スライド許容軸47のスライド部材21側の先端部は、スライド本体部22の側壁に形成された切欠き凹部22bからスライド本体部22の内部に突出している。切欠き凹部22b内には、該切欠き凹部22bの内周面に当接して該内周面に案内されつつ回転可能な略円環状の回転補助部材48が配置されるとともに、該回転補助部材48は、スライド本体部22の側壁に対し第1の方向Aには移動不能となっている。また、回転補助部材48の径方向の中央部には、スライド許容軸47の断面形状に応じた十字形状の挿通孔48aが形成されるとともに、スライド許容軸47は、この挿通孔48aを通ってスライド本体部22内に突出している。この回転補助部材48は、スライド許容軸47に固定されてスライド許容軸47とスライド本体部22とを連結しており、スライド許容軸47のスライド部材21に対する第1の方向Aのスライド移動を阻止する一方、スライド許容軸47と周方向(回転方向)に係合して該スライド許容軸47と一体回転可能である。また、スライド許容軸47においてスライド部材21内に配置された先端部には、円筒状のピニオン49が固定されている。尚、本実施形態では、ウォームホイール46及びスライド許容軸47がスライド許容連結機構を構成している。
【0042】
前記スライド部材21のスライド本体部22内には、スライド本体部22に対して第1の方向と直交する第2の方向D(詳しくは直線駆動軸37の中心軸線L3及びスライド許容軸47の中心軸線L5と直交する方向)に直線的にスライド移動可能に構成されたラック部材51が配置されている。ラック部材51は、出力軸61の中心軸線L1方向から見た形状が、第2の方向Dに長い略長方形状をなしている。また、ラック部材51は、その上面に前記ピニオン49が噛合する第1のラック部51aを有し、ピニオン49が回転されると、スライド部材21に対して第2の方向Dにスライド移動される。更に、ラック部材51は、出力軸61側の幅方向の端部に上方に向かって立設された立設部51bを有するとともに、該立設部51bにおける出力軸61側の面に第2のラック部51cが形成されている。
【0043】
また、スライド本体部22内には、前記出力軸61を有する出力部材62が収容されている。スライド本体部22の底部には、第2のラック部51cと対向するように、略円筒状の回転案内壁22cが立設されるとともに、該回転案内壁22cの内側に、出力部材62を構成する出力本体部63が配置されている。出力本体部63は、有底円筒状をなすとともに、その外径が回転案内壁22cの内径と略等しく形成されており、回転案内壁22cの内周面に摺接しながら出力軸61の中心軸線L1を中心として回転可能となっている。また、出力本体部63の外周面には、ラック部材51側に延設された略扇形状のセクタギヤ64が一体に形成されるとともに、該セクタギヤ64は、回転案内壁22cにおけるラック部材51側の部位に形成されて径方向外側に開口する開口部22dから該回転案内壁22cの外に突出し、その先端部において第2のラック部51cと噛合している。尚、回転案内壁22cに形成された開口部22dは、ラック部材51のスライド移動に伴うセクタギヤ64の回動を許容する大きさに設定されている。
【0044】
図6に示すように、出力本体部63の径方向の中央部には、前記出力軸61が一体に形成されている。出力軸61は、中間ケース13の底面(スライド面)上で、その中心軸線L1(即ち軸中心)が第1の方向Aと直交するように中間ケース13の底面と反対側に向かって延びている。そして、出力軸61には、その先端から基端に向かって軸連結部65が凹設されている。軸連結部65は、出力軸61を貫通する貫通孔であり(図7参照)、出力軸61の先端面及び下端面に開口部を有する。また、軸連結部65は、第1の方向A(出力軸61の中心軸線L1方向に同じ)から見た形状が円形状をなす軸挿入部65aと、軸挿入部65aから前記第2の方向Dに沿って相反する方向に凹設された一対の連結挿入部65bとから構成されている。
【0045】
また、図5に示すように、出力軸61の外周には、コイルばね66が配置されている。このコイルばね66は、その一端が出力部材62(セクタギヤ64)に係合されるとともに、その他端がスライド部材21に係合されており、出力部材62を周方向の一方側に付勢することにより、第1のラック部51aとセクタギヤ64との間のがたつきを抑制している。
【0046】
図10に示すように、ケース11内において、出力軸61の先端面は、上部ケース12の内側面と近接(当接を含む)した位置に配置されるとともに、上部ケース12には、前記ランプ軸4(図3参照)を出力軸61の軸連結部65内に挿入するための挿入孔12bが貫通形成されている。挿入孔12bは、第1の方向Aに長い長孔状をなしている。そして、出力軸61の先端面の一部は、上部ケース12における挿入孔12bの周縁部によって覆われている。
【0047】
上記のように構成されたアクチュエータ1は、第1のモータ31が駆動されると、平ギヤ32及び第1の減速歯車33の大径ギヤ33aにて第1のモータ31の回転軸31aの回転が減速されるとともに、第1の減速歯車33が回転されることにより該第1の減速歯車33の第1の螺子歯車33bと噛合した第2の螺子歯車36bが回転される。すると、第1の減速歯車33の回転方向に応じて直線駆動軸37が第1の方向Aに沿ってケース11に対してスライド移動され、該直線駆動軸37と共にスライド溝13aに案内されながらスライド部材21が第1の方向Aに沿ってケース11に対してスライド移動される。その結果、スライド部材21内に配置された出力軸61がケース11に対して第1の方向Aに沿って直線的にスライド移動される。このとき、回転補助部材48を介してスライド部材21に連結されたスライド許容軸47は、スライド部材21とともにウォームホイール46に対してスライド移動される。そのため、第1のラック部51aとピニオン49との噛合状態、並びにスライド許容軸47とウォームホイール46との周方向の係合状態が維持されたまま、スライド部材21と共に出力軸61が第1の方向にスライド移動される。
【0048】
また、第2のモータ41が駆動されると、平ギヤ42及び第2の減速歯車43の大径ギヤ43aにて第2のモータ41の回転軸41aの回転が減速されるとともに、第2の減速歯車43が回転されることにより該第2の減速歯車43のウォーム43bと噛合したウォームホイール46が回転される。すると、第2の減速歯車43と共にスライド許容軸47が回転され、スライド許容軸47の先端部に設けられたピニオン49が回転する。そして、ピニオン49の回転方向に応じてラック部材51がスライド部材21に対して第2の方向Dにスライド移動され、ラック部材51の移動方向に応じてセクタギヤ64が出力軸61の中心軸線L1を中心として回転される。その結果、セクタギヤ64の回転に伴って出力軸61が中心軸線L1を中心として回転される。
【0049】
図3に示すように、上記のように構成されたアクチュエータ1に対し、ランプ軸4の下端部が、ケース11の外部から挿入孔12bを通って出力軸61の軸連結部65内に挿入されている。ここで、ランプ軸4について詳述すると、図6に示すように、ランプ軸4は、軸挿入部65aの内径よりも小さい外径を有する円柱状をなしている。そして、ランプ軸4の下端部には、ランプ軸4の軸方向の中央部の外径よりも大きく且つ軸挿入部65aの内径よりも小さい外径を有する連結部4bが形成されており、この連結部4bが形成されることにより、ランプ軸4の下端部には段差部が形成されている(図8参照)。言い換えると、ランプ軸4は、下端部の連結部4bに比べて上側の部分が細く形成されている。また、連結部4bの外周面には、相反する方向に突出した一対の連結凸部4cが形成されている。図7に示すように、各連結凸部4cは、ランプ軸4の中心軸線L6と直交する方向に沿って延びる円柱状をなすとともに、各連結凸部4cの中心軸線L7は、ランプ軸4の中心軸線L6と直交する一直線上にある。また、軸連結部65の内周面において、ランプ軸4の下端部と当接した部位は、出力軸61の動力をランプ軸4に伝達する作用点となる。
【0050】
このようなランプ軸4は、その下端部が、出力軸61の先端側から一対の連結凸部4cがそれぞれ2つの連結挿入部65bに挿入されるように軸連結部65に挿入され、軸連結部65における出力軸61の基端側の開口部まで挿入されることにより出力軸61と連結される。図6に示すように、ランプ軸4と出力軸61とが連結された状態においては、ランプ軸4は、連結挿入部65b内に連結凸部4cが配置されたことにより、出力軸61と周方向に一体回転可能となる。更に、同状態においては、図9に示すように、一対の連結凸部4cの中心軸線L7は、前記直線駆動軸37の中心軸線L3と直交する位置に配置される。より詳しくは、図6及び図9に示すように、連結凸部4cの中心軸線L7と直線駆動軸37の中心軸線L3とは、出力軸61の中心軸線L1と直交する一平面内で直交している。
【0051】
そして、出力軸61が第1の方向Aに沿ってケース11に対してスライド移動されると、ランプ軸4は、軸連結部65内で連結凸部4cの中心軸線L7を傾動中心として傾動される。その結果、図2(a)に示すように、ランプ軸4に固定されたランプ2の照射する光の方向が鉛直方向Bに沿って変化される。このとき、図8に示すように、ランプ軸4は、下端部の連結部4bに比べて上側の部分が細く形成されているため、軸連結部65の軸挿入部65aとの間に隙間が形成され、円滑に傾動することができる。また、出力軸61がその中心軸線L1を中心として回転されると、軸連結部65内で出力軸61と連結されたランプ軸4は、出力軸61と共に回転される。従って、図2(b)に示すように、ランプ軸4に固定されたランプ2の照射する光の方向が水平方向Cに沿って変化される。
【0052】
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)出力軸61の第1の方向Aのスライド駆動に伴って傾動されるランプ軸4は、出力軸61に対して、該出力軸61の軸方向の中央部から中間ケース13の底面側、即ち出力軸61の軸方向の中央部から同出力軸61の基端側で連結される。従って、ランプ軸4からの荷重は、出力軸61の先端部よりも下方の基端側で出力軸に作用することになる。よって、出力軸61の傾斜を抑制することができる。その結果、出力軸61を第1の方向Aにスライド移動させてランプ2の照射する光の向きを鉛直方向Bに沿って変化させる場合等に、光の方向が所望の方向からずれることが抑制される。
【0053】
(2)直線駆動軸37は、連結凸部4cの中心軸線L7と直線駆動軸37の中心軸線L3とが、出力軸61の中心軸線L1と直交する一平面内で直交する位置に配置されている。従って、直線駆動軸37は、出力軸61とランプ軸4との連結部に作用して出力軸61をスライド移動させるため、出力軸61のスライド移動時に出力軸61が傾斜することが更に抑制される。
【0054】
(3)出力軸61の駆動に伴って傾動及び回転されるランプ軸4は、出力軸61に形成された軸連結部65内に挿入され、ランプ軸4と出力軸61との連結は、軸連結部65における出力軸61の基端側の開口部内においてなされる。従って、ランプ軸4からの荷重は、出力軸61の先端部よりも下方の基端側で出力軸61に作用することになる。よって、出力軸61の傾斜を抑制することができる。また、出力軸61の先端から該出力軸61の中心軸線L1に沿って凹設されてなる軸連結部65にランプ軸4を挿入するだけの簡単な構成でランプ軸4の出力軸61への連結を行うことができるとともに、出力軸61の傾斜を抑制することができる。
【0055】
(4)ランプ軸4は、連結部4bの外径が大きく形成されることにより段差部が形成され、軸連結部65における出力軸61の基端側の部位に比べて開口部側の部位が細く形成されている。従って、軸連結部65の内周面とランプ軸4の外周面との間に隙間が確保されるため、出力軸61の第1の方向Aに沿ったスライド移動に伴って、ランプ軸4は、軸連結部65内で出力軸61に対して円滑に傾動される。
【0056】
(5)出力軸61の先端面は、上部ケース12の内側面と近接(当接を含む)した位置に配置されるとともに、出力軸61の先端面の一部は、上部ケース12における挿入孔12bの周縁部によって覆われている。従って、出力軸61が傾斜しようとした場合には、該出力軸61の先端面が上部ケース12の内側面に当接することにより、出力軸61のそれ以上の傾斜が阻止される。
【0057】
(6)アクチュエータ1は、出力軸61を該出力軸61の中心軸線L1回りに回転駆動することができる。従って、アクチュエータ1は、出力軸61のスライド移動に伴って第1の方向Aにランプ軸4をスライド移動させるだけでなく、出力軸61に連結されたランプ軸4を、出力軸61の回転駆動に伴って回転させることができる。
【0058】
(7)第1のモータ31によって出力軸61が第1の方向Aにスライド駆動される。また、第2のモータ41は出力軸61の第1の方向Aのスライド移動を許容するスライド許容連結機構(即ちウォームホイール46及びスライド許容軸47)を介して出力軸61に駆動連結されるため、出力軸61が第1の方向Aにスライド移動しても、第2のモータ41によって出力軸61が回転駆動される。このようにすると、出力軸61を第1の方向Aにスライド移動させるための制御が第1のモータ31のみの制御となり、出力軸61を回転駆動させるための制御が第2のモータ41のみの制御となるため、それぞれの制御を容易且つ確実に行うことができる。
【0059】
(8)ウォームホイール46に対してスライド許容軸47がスライド移動可能であるため、ピニオン49と共に出力軸61の第1の方向Aのスライド移動が許容される。また、スライド許容軸47は、ウォームホイール46とピニオン49とを一体回転させるべく回転方向に係合するため、出力軸61が第1の方向Aにスライド移動しても、ウォームホイール46からピニオン49に動力が伝達可能とされ、第2のモータ41によって出力軸61が回転駆動可能とされる。このような簡単な構成で出力軸61のスライド移動及び回転を行うことができる。
【0060】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図11は、本第2実施形態のアクチュエータ70の部分拡大図を示す。本第2実施形態のアクチュエータ70は、上記第1実施形態のアクチュエータ1と比較すると、出力軸とランプ軸との連結部分の構成が異なる。
【0062】
図11及び図12に示すように、出力本体部63の径方向の中央部に一体に形成された出力軸71は、中間ケース13の底面(スライド面)上で、その中心軸線L10(即ち軸中心)が第1の方向Aと直交するように中間ケース13の底面と反対側に向かって延びている。出力軸71は、略円錐台形状をなしており、その基端から先端に向かうに連れて徐々に細くなるように、より詳しくは第1の方向Aの幅が小さくなるように形成されている。また、出力軸71の高さ(即ち軸方向の長さ)は、出力本体部63の高さよりも若干高く形成されている。そして、出力軸71における第2の方向Dの両側面には、第1の方向と平行をなし且つ第2の方向と直交する平面状をなす一対の係合面71aが形成されている。図13に示すように、互いに平行をなす2つの係合面71aは、出力軸71において基端から先端の手前までの範囲に形成されている。
【0063】
また、出力軸71は、各係合面71aから突出形成された一対の連結支持部71bを有する。各連結支持部71bは、第2の方向Dに沿って延びる円柱状をなすとともに、出力軸71の軸方向の中央よりも基端側(中間ケース13の底面側)に形成されている。また、2つの連結支持部71bは、出力軸71の中心軸線L10方向の位置が同じであるとともに、2つの連結支持部71bの中心軸線L11は、出力軸71の中心軸線L10と直交している。更に、図12に示すように、2つの連結支持部71bの中心軸線L11は、出力軸71の中心軸線L10と直交する一平面内で直線駆動軸37の中心軸線L3と直交している。
【0064】
一方、出力軸71に連結されるランプ軸4の下端部には、出力軸71に外挿される被連結部81が一体に形成されている。被連結部81は、ランプ軸4の軸方向に沿って延びる略有底円筒状をなしており、その下端から軸方向に沿って凹設された連結凹部81aを有する。図12に示すように、連結凹部81aの深さは、出力軸71の軸方向の長さよりも深く形成されている。また、図11及び図13に示すように、連結凹部81aの断面形状(ランプ軸4の軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状)は、出力軸71の基端部の断面形状(中心軸線L10と直交する方向に沿って切った断面形状)と略等しい形状をなしており、第1の方向Aに沿って延びるトラック形状をなしている。そして、連結凹部81aは、その開口部から底部まで断面形状が一定となっている。また、連結凹部81aは、それぞれ平面状をなし径方向に対向する一対の係合面81bを備えるとともに、2つの係合面81b間の間隔は、出力軸71に設けられた前記一対の係合面71a間の間隔と略等しく形成されている。
【0065】
また、被連結部81における連結凹部81aの開口部側の下端面には、一対の支持凹部81cが形成されている。2つの支持凹部81cは、被連結部81の下端面の周縁部において180°間隔を開けた2箇所であって、被連結部81における係合面81bの外周側にそれぞれ形成されている。また、各支持凹部81cは、各支持凹部81cは、ランプ軸4の軸方向に凹む円弧状に形成されるとともに、被連結部81の下端面の外周縁から連結凹部81aまで径方向に沿って延びている。更に、各支持凹部81cの内周面の曲率は、前記連結支持部71bの外周面の曲率と等しい曲率に設定されている。
【0066】
そして、上記のように構成されたランプ軸4は、被連結部81が出力軸71に外挿されることにより該出力軸71に連結される。詳述すると、ランプ軸4は、被連結部81に形成された連結凹部81a内に出力軸71が挿入されることにより該出力軸71に連結される。そして、出力軸71が連結凹部81a内に挿入されると、一対の係合面71aと一対の係合面81bとがそれぞれ当接して出力軸71の回転方向に係合する。更に、一対の連結支持部71bが一対の支持凹部81c内に配置されて連結支持部71bの外周面が支持凹部81cの内周面に摺接可能に当接し、一対の連結支持部71bによってランプ軸4の下端部が支持される。尚、ランプ軸4は、一対の連結支持部71b及び一対の支持凹部81cによっても出力軸71の回転方向に係合され、出力軸71と周方向に一体回転可能となる。このように出力軸71に連結されたランプ軸4は、連結支持部71bの中心軸線L11を傾動中心として出力軸71に対して傾動可能となる。そして、本実施形態では、出力軸71における中心軸線L1方向の中央部から基端側の外周面(連結支持部71bの外周面を含む)において、ランプ軸4の被連結部81と当接する部位が軸連結部に該当するとともに、支持凹部81cの内周面に当接した連結支持部71bの外周面は、出力軸71の動力をランプ軸4に伝達する作用点となる。
【0067】
そして、出力軸71が第1の方向Aに沿ってケース11に対してスライド移動されると、ランプ軸4は、連結支持部71bの中心軸線L11を傾動中心として傾斜される。その結果、ランプ軸4に固定されたランプ2の照射する光の方向が鉛直方向B(図2(a)参照)に沿って変化される。このとき、出力軸71は、基端から先端に向かうに連れて第1の方向Aに徐々に細くなるように形成されているため、被連結部81と出力軸71との間に隙間が形成され、連結凹部81a内での出力軸71の被連結部81に対する相対的な傾斜が円滑に行われる。
【0068】
また、出力軸71がその中心軸線L10を中心として回転されると、該出力軸71の回転方向に係合されたランプ軸4は、出力軸71と共に回転される。従って、ランプ軸4に固定されたランプ2の照射する光の方向が水平方向C(図2(b)参照)に沿って変化される。
【0069】
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1),(6)〜(8)と同様の作用効果に加えて以下の作用効果を有する。
(1)出力軸71の第1の方向Aのスライド駆動に伴って傾動されるランプ軸4は、その基端部に設けられた被連結部81が出力軸71に外挿されて、出力軸71における軸方向の中央よりも中間ケース13の底面側の外周面(連結支持部71bの外周面を含む)に当接することにより出力軸71に連結される。従って、ランプ軸4からの荷重は、出力軸71の先端部よりも下方の基端側で出力軸71に作用することになる。よって、出力軸71にランプ軸4の被連結部81を外挿するだけの簡単な構成でランプ軸4の出力軸71への連結を行うことができるとともに、出力軸71の傾斜を抑制することができる。
【0070】
(2)2つの連結支持部71bの中心軸線L11は、出力軸71の中心軸線L10と直交する一平面内で直線駆動軸37の中心軸線L3と直交している。即ち、直線駆動軸37は、連結支持部71bの中心軸線L11と直線駆動軸37の中心軸線L3とが、出力軸71の中心軸線L1と直交する一平面内で直交する位置に配置されている。従って、直線駆動軸37は、出力軸71とランプ軸4との連結部に作用して出力軸71をスライド移動させるため、出力軸71のスライド移動時に出力軸71が傾斜することが更に抑制される。
【0071】
(3)出力軸71は、該出力軸71の基端から先端に向かうに細くなるように、より詳しくは連れて第1の方向Aの幅が小さくなるように形成されている。従って、ランプ軸4の被連結部81の内周面と出力軸71の外周面との間に隙間が確保されるため、出力軸71の第1の方向Aに沿ったスライド移動に伴って、ランプ軸4は、出力軸71の外周で該出力軸71に対して円滑に傾動される。
【0072】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、車両用ランプ装置に用いられるアクチュエータ1,70に本発明を具体化したが、アクチュエータ1,70は、車両用ランプ装置以外に、出力軸61,71の第1の方向Aのスライド駆動及び第1の方向Aと直交する中心軸線L1,L10回りの出力軸61,71の回転駆動を利用して動作する他の装置に用いられてもよい。
【0073】
・上記各実施形態のスライド許容連結機構は、出力軸61,71の第1の方向Aのスライド移動を許容して動力を伝達できるのであれば、他の構成に変更してもよい。例えば、スライド部材21を、スライド許容軸47に対して第1の方向Aにスライド移動可能とするとともに、第1のラック部51aの第1の方向Aの長さを、出力軸61,71が第1の方向Aにスライド移動する距離以上の長さに設定する。このようにすると、出力軸61,71と共にスライド部材21がケース11に対して第1の方向Aにスライド移動された場合、第1のラック部51aとピニオン49とが相対的にスライド移動されて、第1のラック部51aとピニオン49との噛合状態が維持された(即ち動力の伝達が可能な)まま出力軸61,71が第1の方向Aにスライド移動される。
【0074】
・上各記実施形態では、スライド許容軸47は、出力軸61,71側の一端部にピニオン49が固定されるとともに、他端側がウォームホイール46に第1の方向A(即ち回転軸線方向)に沿ってスライド移動可能に挿通されている。これを逆の構成としてもよい。即ち、スライド許容軸47は、一端側がウォームホイール46に固定されるとともに、他端側が第1の方向Aにスライド移動可能にピニオン49に挿通される構成であってもよい。
【0075】
・上記各実施形態のアクチュエータ1,70は、出力軸61,71を第1の方向Aにスライド駆動可能で、且つ出力軸61,71を中心軸線L1,L10回りに回転駆動可能である。しかしながら、アクチュエータ1,70は、出力軸61,71を中心軸線L1,L10回りに回転駆動する構成(即ち、第2のモータ41,平ギヤ42,第2の減速歯車43、第2の支軸44,ウォームホイール46,スライド許容軸47,ピニオン49,ランプ部材51等)を備えず、出力軸61,71を第1の方向Aにスライド駆動する構成のみを備えるように形成されてもよい。この場合、各アクチュエータ1,70は、出力軸61,71の第1の方向Aのスライド駆動を利用して動作する装置に用いられる。
【0076】
・上記第2実施形態では、出力軸71は、該出力軸71の基端から先端に向かうに連れて細くなるように形成されている。しかしながら、出力軸71の第1の方向Aのスライド移動に伴ってランプ軸4が出力軸71に対して傾動可能であれば、出力軸71の形状はこれに限らない。例えば、出力軸71は、断面形状が軸方向に一定となる柱状に形成されてもよい。
【0077】
・上記第2実施形態では、ランプ軸4の被連結部81が外挿されて、出力軸71における軸方向の中央から中間ケース13の底面側の部位の外周面に被連結部81が当接することにより、出力軸71にランプ軸4が連結される。しかしながら、第2実施形態における出力軸71とランプ軸4とを連結する構成はこれに限らない。ランプ軸4が出力軸71に外挿され、出力軸71の外周面における軸方向の中央から中間ケース13の底面側の部位に同ランプ軸4が当接することにより出力軸71と同ランプ軸4とが連結される構成であればよい。例えば、上記第2実施形態の出力軸71において、連結支持部71bを省略し、出力軸71に外挿された被連結部81の連結凹部81aの開口部が出力軸71の外周面における基端部側の部位に当接するように構成してもよい。この場合、出力軸71の外周面における基端部側の部位と連結凹部81aの開口部とによって出力軸71とランプ軸4とが連結されるとともに、出力軸71の外周面における基端部側の部位であって連結凹部81aの開口部が当接した部位が、出力軸71の動力をランプ軸4に伝達する作用点となる。また例えば、出力軸71を、連結凹部81aの内周面に当接しない柱状に形成し、該出力軸71における第2の方向Dの両側に一対の連結支持部71bを有する構成としてもよい。この場合、ランプ軸4は、この出力軸71に被連結部81が外挿されて、支持凹部81c内に連結支持部71bがそれぞれ配置されるとともに支持凹部81cの内周面が連結支持部71bの外周面に当接することにより出力軸71に連結される。このようにしても上記第2実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0078】
・上記第1実施形態では、出力軸61の先端面は、上部ケース12の内側面と近接(当接を含む)した位置に配置されるとともに、出力軸61の先端面の一部は、上部ケース12における挿入孔12bの周縁部によって覆われている。しかしながら、出力軸61の先端面は、挿入孔12bからその全体が外部に露出していてもよい。また、出力軸61は、その先端部が挿入孔12bからケース11の外部に突出するように形成されてもよい。
【0079】
・上第1記実施形態では、ランプ軸4は、連結部4bの外径が大きく形成されることにより段差部が形成され、軸連結部65の底部側に比べて開口部側の部位が細く形成されている。しかしながら、図14に示すように、ランプ軸4の下端部は、軸連結部65内で、軸連結部65の上部開口部の部位の外径が小さくなるように、軸連結部65の上部開口部側に向かうに連れて徐々に縮径されるようなテーパ形状(円錐形状)とされてもよい。このようにしても上記実施形態の(5)と同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
また、ランプ軸4の外径が一定の場合には、軸連結部65における出力軸61の先端の開口部側の部位を大きく形成してもよい。例えば、図15に示すように、軸連結部65における出力軸61の先端の開口部側の部位を拡径することにより段差部91を形成し、軸連結部65における出力軸61の先端の開口部側でランプ軸4の内周面との間の隙間を大きくする。また例えば、図16に示すように、軸連結部65における出力軸61の先端の開口部に向かうに連れて軸連結部65(軸挿入部65a)を徐々に拡径することにより傾斜面92を形成し、軸連結部65における出力軸61の先端の開口部側でランプ軸4の内周面との間の隙間を大きくする。このようにしても、軸連結部65の内周面とランプ軸4の外周面との間に隙間が確保されるため、出力軸61の第1の方向Aに沿ったスライド移動に伴って、ランプ軸4は、軸連結部65内で出力軸61に対して円滑に傾動される。尚、上記実施形態の出力軸61及び図13に示す例において、段差部91若しくは傾斜面92を形成してもよい。
【0081】
・上記第1実施形態において出力軸61に形成される軸連結部65の形状は上記実施形態の形状に限らず、少なくとも出力軸61の先端に開口し、ランプ軸4の下端部を挿入できるように中心軸線L1に沿って、出力軸61の軸方向の中央よりも基端側まで(出力軸61の軸方向の中央を含む)凹設された形状であればよい。例えば、軸連結部65は、出力軸61の先端から同出力軸61の基端の手前まで中心軸線L1に沿って凹設された穴であってもよい。この場合には、軸連結部65の底部に連結凸部4cが配置されることにより、出力軸61とランプ軸4とが連結される。
【0082】
・上記第1実施形態では、直線駆動軸37は、連結凸部4cの中心軸線L7と直線駆動軸37の中心軸線L3とが、出力軸61の中心軸線L1と直交する一平面内で直交する位置に配置されている。また、上記第2実施形態では、直線駆動軸37は、連結支持部71bの中心軸線L11と直線駆動軸37の中心軸線L3とが、出力軸71の中心軸線L1と直交する一平面内で直交する位置に配置されている。しかしながら、直線駆動軸37の配置位置はこれに限らない。例えば、第1実施形態において、直線駆動軸37は、出力軸61の中心軸線L1方向から見て、その中心軸線L3と、軸連結部65に挿入されるランプ軸4の連結凸部4cの中心軸線L7とが直交する位置に配置されてもよい。また、第2実施形態においては、直線駆動軸37は、出力軸71の中心軸線L10方向から見て、その中心軸線L3と、連結支持部71bの中心軸線L11とが直交する位置に配置されてもよい。このようにすると、直線駆動軸37による出力軸61,71を第1の方向にスライド移動させる力は、出力軸61,71の中心軸線L1,L10と直交するように作用して出力軸61,71をスライド移動させるとともに、出力軸61,71のスライド移動に伴って傾動されるランプ軸4の傾動中心(即ち連結凸部4cの中心軸線L7若しくは連結支持部71bの中心軸線L11)は、出力軸61,71の軸中心を通っている。従って、直線駆動軸37から出力軸61,71に対し該出力軸61,71を第1の方向Aにスライド移動させるための力が良好に作用されるため、出力軸61,71はより傾斜し難くなる。また、アクチュエータ1,70は、出力軸61,71を第1の方向Aにスライド移動させるための直線駆動軸37を複数本備える構成であってもよい。
【0083】
・出力軸61,71は、その軸方向の中央から中間ケース13の底面側の部位においてランプ軸4と連結され、少なくとも、出力軸61,71の駆動に伴ってランプ軸4を第1の方向Aにスライド移動可能に構成されていればよい。このようにすれば、上記第1実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0084】
・上記各実施形態の各ギヤ(平ギヤ32,42、第1の減速歯車33、第2の螺子歯車36b、第2の減速歯車43、ウォームホイール46等)は、同様の動作を達成できるのであれば、その数(段数)や種類等を変更してもよい。
【0085】
上記各実施形態、及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項12に記載の車両用ランプ装置において、前記軸連結部は、前記出力軸の先端から前記軸中心に沿って凹設されてなり、前記被作動軸は、前記軸連結部に挿入されて前記出力軸に連結されるとともに前記軸連結部の底部側の部位に比べて前記軸連結部の開口部側の部位が細く形成されていることを特徴とする車両用ランプ装置。同構成によれば、軸連結部の内周面と被作動軸の外周面との間に隙間が確保されるため、出力軸の第1の方向に沿ったスライド移動に伴って、被作動軸は、軸連結部内で出力軸に対して円滑に傾動される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】アクチュエータの内部を説明するための斜視図。
【図2】(a)は車両用ランプ装置を水平方向の側方から見た模式図、(b)は車両用ランプ装置を上方から見た模式図。
【図3】第1実施形態のアクチュエータの分解斜視図。
【図4】上部を開放した第1実施形態のアクチュエータの平面図。
【図5】上部を開放した第1実施形態のアクチュエータの部分拡大斜視図。
【図6】第1実施形態のアクチュエータのスライド部材付近の部分拡大平面図。
【図7】第1実施形態のアクチュエータの部分断面図(図6におけるα−α断面図)。
【図8】第1実施形態のアクチュエータの部分断面図(図6におけるβ−β断面図)。
【図9】第1実施形態のアクチュエータの部分断面図(図6におけるγ−γ断面図)。
【図10】第1実施形態のアクチュエータの斜視図。
【図11】第2実施形態のアクチュエータのスライド部材付近の部分拡大平面図。
【図12】第2実施形態のアクチュエータの部分断面図(図11におけるδ−δ断面図)。
【図13】第2実施形態における出力軸とランプ軸の部分拡大斜視図。
【図14】別の形態のアクチュエータの断面図。
【図15】別の形態のアクチュエータの断面図。
【図16】別の形態のアクチュエータの断面図。
【符号の説明】
【0087】
1,70…アクチュエータ、2…ランプ、3…車両を構成するブラケット、4…被作動軸としてのランプ軸、11…ケース、12b…挿入孔、31…第1の駆動源としての第1のモータ、37…直線駆動軸、41…第2の駆動源としての第2のモータ、46…スライド許容連結機構を構成する駆動側回転体としてのウォームホイール、47…スライド許容連結機構を構成するスライド許容軸、49…出力側回転体としてのピニオン、61,71…出力軸、65…軸連結部、A…第1の方向、B…鉛直方向、C…水平方向、L1,L10…軸中心としての中心軸線、L3…直線駆動軸の中心軸線、L7,L11…傾動中心線としての中心軸線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向と平行をなすスライド面を有するケースに対して前記スライド面上で前記第1の方向に直線的にスライド移動可能に支持されるとともに軸中心が前記第1の方向と直交する出力軸を備え、前記出力軸を前記第1の方向にスライド駆動可能なアクチュエータであって、
前記出力軸は、該出力軸のスライド駆動に伴って傾動される被作動軸が連結され且つ前記被作動軸に対する作用点となる軸連結部を、該出力軸の軸方向の中央部から前記スライド面側に備えたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて
前記ケースに対して固定され、前記出力軸を前記第1の方向にスライド駆動するための第1の駆動源と、
前記第1の方向に沿って延びるとともに前記第1の駆動源と前記出力軸とに駆動連結され、前記第1の駆動源の駆動力により前記第1の方向にスライド移動されて前記出力軸を前記第1の方向にスライド移動させる少なくとも1本の直線駆動軸と
を備え、
前記出力軸の軸中心方向から見て、前記直線駆動軸の中心軸線と、前記被作動軸における前記出力軸のスライド移動に伴う傾動の際の傾動中心となる傾動中心線とが直交していることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載のアクチュエータにおいて、
前記直線駆動軸を1本備え、
前記直線駆動軸の中心軸線と前記傾動中心線とが一平面内で直交していることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアクチュエータにおいて、
前記軸連結部は、前記出力軸の先端から前記軸中心に沿って凹設されてなり、前記被作動軸が挿入されて連結されることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
請求項4に記載のアクチュエータにおいて、
前記軸連結部は、前記出力軸の先端面に開口した開口部側の部位が大きく形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のアクチュエータにおいて、
前記ケースには、該ケースの外部から前記軸連結部内に前記被作動軸を挿入するための挿入孔が形成され、
前記出力軸は、前記ケース内でその先端面が前記ケースの内側面と近接して配置されるとともに、その先端面の少なくとも一部が前記ケースにおける前記挿入孔の周縁部によって覆われていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアクチュエータにおいて、
前記軸連結部は、前記出力軸の外周面における該出力軸の軸方向の中央から前記スライド面側の部位であり、前記被作動軸が前記出力軸に外挿されて前記軸連結部に当接することにより前記被作動軸が連結されることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項8】
請求項7に記載のアクチュエータにおいて、
前記出力軸は、該出力軸の基端から先端に向かうに連れて細くなるように形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のアクチュエータにおいて、
前記出力軸を前記第1の方向にスライド駆動可能で、且つ、前記出力軸を該出力軸の軸中心回りに回転駆動可能であることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項10】
請求項9に記載のアクチュエータにおいて、
前記ケースに対して固定され、前記出力軸に駆動連結されて該出力軸を前記第1の方向にスライド駆動するための第1の駆動源と、
前記出力軸の前記第1の方向のスライド移動を許容するスライド許容連結機構を介して前記出力軸に駆動連結されて該出力軸を回転駆動するための第2駆動源と
を備えたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項11】
請求項10に記載のアクチュエータにおいて、
前記スライド許容連結機構は、
前記第1の方向に移動不能に設けられ、前記第2の駆動源の回転力に伴って回転する駆動側回転体と、
前記駆動側回転体と軸中心が一致するように設けられるとともにその回転軸線方向に沿って前記出力軸と一体的に前記第1の方向に移動可能に設けられ、自身の回転に伴って前記出力軸を回転させる出力側回転体と、
前記駆動側回転体と前記出力側回転体とを一体回転させるべく回転方向に係合するように前記駆動側回転体及び前記出力側回転体の軸中心に挿通されるとともに、前記駆動側回転体及び前記出力側回転体の少なくとも一方に対してその回転軸線方向にスライド移動可能に挿通されるスライド許容軸と
を有することを特徴とするアクチュエータ。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のアクチュエータと、
車両に対して回動可能に支持されるとともに、その下端部が前記軸連結部に連結される被作動軸と、
前記被作動軸に固定され、前記出力軸の前記第1の方向のスライド移動に伴う前記被作動軸の傾動によって照射する光の向きが鉛直方向に沿って変化する、若しくは、前記出力軸の前記第1の方向のスライド移動に伴う前記被作動軸の傾動によって照射する光の向きが鉛直方向に沿って変化し前記出力軸の回転に伴う前記被作動軸の回転によって照射する光の向きが水平方向に沿って変化するランプと
を備えたことを特徴とする車両用ランプ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−135119(P2010−135119A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307782(P2008−307782)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】