説明

アクティブマトリクス型表示装置

【課題】有機EL表示装置の画素内に配置されたトランジスタは、照明下の光によってリーク電流が増加し、有機EL素子に流れる階調電流を変化させ、黒レベルが上昇してコントラストが低下する。
【解決手段】有機EL素子201を駆動する駆動トランジスタ202のゲート端子とドレイン端子をダイオード223を介して接続し、リーク電流を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクティブマトリクス型表示装置に関し、特に表示素子として自己発光型のエレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化が進展し、携帯情報端末にもかつてのパーソナルコンピュータに匹敵する処理能力を要求されるようになってきている。これに伴い、映像表示装置にも高精細化、高品質化が要求され、薄型、軽量、高視野角、低消費電力が望まれている。この要求に応えるべく、ガラス基盤上にマトリクス状に薄膜能動素子(薄膜トランジスタ、Thin Film Transistor、または単にTFT)を形成し、その上に電気光学素子を形成した表示装置(ディスプレイ)の開発が行われている。
【0003】
能動素子を形成する基盤はアモルファスシリコンやポリシリコン等の半導体膜を成膜後、これをパターニングし、さらにメタルで配線接続した形態が主流である。能動素子の電気的特性の違いから、前者のアモルファスシリコンでは駆動用のIC(Integrated Circuit)を必要とし、後者のポリシリコンでは駆動用の回路を基盤上に形成できるという特徴がある。現在、広く用いられている液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、または単にLCD)では、大型なものに関しては、前者のアモルファスシリコンタイプが普及しているが、中・小型では後者の高精細化に向くポリシリコンタイプが主流になりつつある。自己発光型で、薄型、軽量、高視野角といった特長を有するエレクトロルミネセンス型(有機EL)ディスプレイでは、ポリシリコンタイプのみが量産されている。一般に、有機EL素子では、TFTと組み合わせることによってその電圧電流制御作用を用いて電流が制御される。「電流電圧制御作用」とは、TFTのゲート端子に電圧を印加して、ソース・ドレイン間の電流を制御する作用のことを言う。これにより、発光強度を調整して所望の階調を表示することが可能となる。
【0004】
しかしながら、このような構成を採用しているため、有機EL素子の発光強度はTFTの特性に非常に敏感に影響を受ける。特に、ポリシリコンTFT、中でも低温ポリシリコンと呼ばれる低温プロセスで形成されるポリシリコンTFTは、隣接画素間においても比較的大きな電気的特性の違いが生じることが確認されており、有機ELディスプレイの表示品質、特に画面内の表示均一性を劣化させる大きな要因の一つとなっている。それを改善する従来技術が下記の特許文献に開示されている。この従来技術では、図12に示すように、有機EL素子290を電流駆動するTFT260が、データライン220に流す階調電流を流すように制御する手段を開示している。
【0005】
図12に示す従来技術の手段を用いると、データライン220に流す階調電流は、所定の手続きにより駆動TFT260に流されることで、駆動TFT260がデータライン220に流れた階調電流を流すことのできる電圧が生成されて保持容量280に電荷が蓄積される(電流を書き込む)。駆動TFT260は、次にアクセスされるまで有機EL素子290に前記階調電流を流し続けるため、所望の階調を得ることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−514320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図12においてTFT240に着目すると、電流書き込みが終了し、有機EL素子260に電流が流れている期間、TFT240はオフ状態であるが、TFT240のソース・ドレイン間には比較的大きな電圧Vdsが印加されている。一般に、オフ状態のTFTは、ソース・ドレイン間の印加電圧Vdsが大きいと、リーク電流も大きくなり、さらにソース・ゲート間の逆バイアス電圧Vgsが大きいと、リーク電流もさらに増加する傾向にある。通常、トップゲート型ポリシリコンTFTはポリシリコン層が遮光層で遮光されていないため外光によりTFTが活性化され、さらにリーク電流が増加する。そのため、保持容量280に蓄積された電荷が流出し、所望の階調を維持することが困難になる。特に黒に近い階調の場合、TFT240からのリーク電流が以下に示すように増加する傾向にあり、黒レベルが上昇する問題がある。
【0008】
有機EL素子290の閾値電圧をVth_OLED、TFTの閾値電圧をVth_TFTとすると、黒の階調表示時には、TFT240のVdsは概ねVdd−Vth_TFT−Vth_OLEDと表せる。ただしここでは簡単のため、TFT270のオン抵抗は無視している。Vdd=15V、Vth_TFT=2V、Vth_OLED=3Vとすると、TFT260のVdsは10Vとなり、十分に大きな値である。さらに、TFT240のゲートを制御するセレクトライン210に18Vを印加してTFT240をオフしているものとすると、Vgsは18−(Vdd―Vth_TFT)=5Vの逆バイアスが印加されていることになる。これに加え、外光によるTFTの活性化が伴うため、TFT240のリーク電流は無視できなくなる。
【0009】
この対策として、TFT240のチャネル長を長くする、あるいはダブルゲート(等価的には直列に2つのTFT240を配置する)にする、またはLDD(Lightly Doped Drain)構造にするなどTFTデバイスの設計を改善することでVdsに起因するリーク電流を低減することは可能である。また、保持容量280を比較的大きく設計し、リーク電流による電位変動を抑制することも可能である。ただし、上記解決手段は開口率を低下させる、あるいはプロセスの変更、マスク数の増加といった課題が残る。
【0010】
また、上記手段では外光によるTFTの活性化に起因するリーク電流を前記Vds=10V、Vgs=5Vのバイアスで、許容レベルまで低減することは困難であろう。もちろん、TFTに外光を遮光する遮光層を設けてることも考えられるが、この手段もプロセスの変更とマスク数の増加が伴い、同様な課題として残る。
【0011】
本発明の目的は、各画素に配置されたトランジスタのリーク電流を抑制することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電流駆動されるダイオード型発光素子と前記ダイオード型発光素子を制御する薄膜トランジスタとを1つの画素回路として、前記画素回路をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型表示アレイと、前記マトリクスの各列に対応して設けられ、対応する列の画素回路にデータ信号を供給するデータラインと、前記データラインへの前記データ信号の供給を制御するデータドライバと、前記マトリクスの各行に対応して設けられ、対応する行の画素回路に選択信号を供給するゲートラインと、前記画素回路に点灯信号を供給する点灯ラインと、前記ゲートラインに選択信号を供給するとともに前記点灯ラインに点灯信号を供給するゲートドライバと、前記データドライバ及びゲートドライバを制御する制御回路とを有するアクティブマトリクス型表示装置であって、前記画素回路は、一端の電位が所定電位に固定された保持容量と、前記保持容量の非固定電位端子に一方の非制御端子が接続され、他方の非制御端子が前記データラインに接続され、制御端子が前記ゲートラインに接続されたゲートトランジスタと、制御端子が前記保持容量の非固定電位端子に接続され、一方の非制御端子が電源ラインに接続されて前記ダイオード型発光素子への駆動電流を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの他方の非制御端子と前記制御端子を接続する整流素子と、制御端子が前記点灯ラインに接続され、一方の非制御端子が前記駆動トランジスタの非制御端子に接続され、他方の非制御端子が前記ダイオード型発光素子に接続されて前記ダイオード型発光素子の駆動電流のオンオフを制御する点灯制御トランジスタとを有することを特徴とする。
【0013】
本発明において、点灯制御トランジスタをオフ動作し、ゲートトランジスタをオン動作してデータラインにデータ信号(階調電流)を供給すると、電源ラインから駆動トランジスタ、整流素子を経由し、ゲートトランジスタを通ってデータラインに流れる。これにより、駆動トランジスタの制御端子にはデータラインに供給したデータ信号(階調電流)を駆動トランジスタが流すための制御電位が生成される。その後、点灯制御トランジスタをオン動作すると、整流素子に逆バイアスが印加されることとなり、階調電流が駆動トランジスタを経由して流れなくなる。その後、ゲートトランジスタをオフ動作することで、保持容量にはデータラインに流された階調電流を駆動トランジスタが流すために必要な制御電位分だけの電荷が蓄積されるようになる。整流素子の逆バイアス時においては、リーク電流は整流素子の端子間電圧のみに影響を受けることとなり、整流素子の代わりにスイッチング素子を設ける場合に比べてリーク電流が抑制される。
【0014】
本発明における整流素子は、トランジスタあるいはダイオードで構成することができる。トランジスタで構成する場合、その制御端子(ゲート端子)と非制御端子(例えばドレイン端子)を接続して構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動トランジスタの非制御端子(例えばドレイン端子)と制御端子(ゲート端子)を整流素子で接続することで、逆バイアス時のリーク電流を例えば三端子を有するスイッチング素子を用いた場合と比較して低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(1)第1実施形態
<全体構成>
図1には、本実施形態における有機ELディスプレイの全体構成図が示されている。有機ELディスプレイ1は、画素に有機EL素子とTFTを配置したアクティブマトリクス型表示アレイ101、データドライバ102、ゲートドライバ103、プリチャージ回路104、データ制御バス112を介してデータドライバ102にビデオ信号と制御信号を供給するとともにゲート制御バス113を介してゲートドライバ103に制御信号を供給する制御回路106、データドライバ102からの階調データ電流もしくはプリチャージ回路104からのプリチャージ電圧を画素に供給するデータライン107、ゲートドライバ103からのゲート選択電位を供給するゲートライン108、ゲートドライバ103から有機EL素子を点灯制御する制御電圧を供給する点灯ライン109、及びRGBの映像データ及びクロック等が入力される入力バス111を有して構成される。表示アレイ101、データドライバ102、ゲートドライバ103、プリチャージ回路104で表示デバイスが構成され、低温ポリシリコンプロセスを適用すれば、これらの回路はガラス基板上に形成できる。
【0018】
<画素回路構成>
次に、図2を用いて、アクティブマトリクス型表示アレイ101内にマトリクス状に配置されている本実施形態の画素回路の回路構成を説明する。
【0019】
画素回路は、有機EL素子201、有機EL素子201を電流駆動する駆動TFT202、駆動TFT202のゲート端子とドレイン端子を接続するダイオードTFT203、有機EL素子201を点灯するか否か(電流を流すか流さないか)を制御する点灯制御TFT204、データライン107からの階調電流を画素内へ供給制御するゲートTFT205、保持容量206、有機EL素子201に電流を供給する電流供給ライン211、保持容量206の一方の端子電位を所定値に固定する固定電位ライン212を有して構成される。固定電位ライン212は電流供給ライン211に接続されていてもよい。
【0020】
駆動TFT202のソース端子は電流供給ライン211に、ドレイン端子は点灯制御TFT204のソース端子とダイオードTFT203のソース端子に、ゲート端子は保持容量206の固定電位ライン212に接続されていない片方の端子とゲートTFT205のソース端子、ダイオードTFT203のドレイン端子にそれぞれ接続される。点灯制御TFT204のゲート端子は点灯ライン109に接続され、点灯制御TFT204のドレイン端子は有機EL素子201のアノードに接続される。ゲートTFT205のゲート端子はゲートライン108に、ドレイン端子はデータライン107に接続される。電流供給ライン211、固定電位ライン212、有機EL素子201のカソード電極はすべての画素で共有されている。
【0021】
データドライバ102、ゲートドライバ103、プリチャージ回路104を用いて図2の画素回路を制御する方法に関しては後述するが、以下に図2の画素を用いて有機EL素子を駆動する方法を説明する。
【0022】
<駆動方法>
A.プリチャージ
まず、ゲートTFT205をオンし、保持容量206にプリチャージ電位を書き込む。このプリチャージ電位は有機EL素子201が消灯するレベル、つまり電流が流れないレベルとする。そうすると、有機EL素子201に流れていた電流は徐々に減少し、やがて流れなくなる。図2の画素回路は階調電流を書き込む直前は常にこの初期状態となるように制御する。つまり、有機EL素子201は消灯、駆動TFT202のゲート電位とデータライン107の電位はプリチャージ電位となるようにする。
【0023】
B.駆動
次に、点灯制御TFT204をオフし、駆動TFT202のドレイン端子をハイインピーダンスにする。そして、ゲートTFT205をオンし、データライン107に階調電流を流すと、その電流は、電流供給ライン211から駆動TFT202のソース端子からドレイン端子を通り、ダイオードTFT203の順方向を経由し、ゲートTFT205を通ってデータライン107に流れる。これにより、駆動TFT202のゲート端子には、データライン107に流した階調電流を駆動TFT202が流すためのゲート電位が生成される。この電位が安定した後、点灯制御TFT204をオンすると、ダイオードTFT203に逆バイアスが印加され、データライン107からの階調電流が駆動TFT202を経由して流れなくなる。その後、ゲートTFT205をオフすることで、保持容量206には、データライン107に流された階調電流を駆動TFT202が流すための電位が書き込まれ、次にアクセスされるまで保持される。ここで、ダイオードTFT203に逆バイアスが印加される理由について説明する。駆動TFT202は通常飽和領域で用いられるため、駆動TFT202のドレイン・ソース間電圧Vdsは、点灯制御TFT204がオンする、すなわち有機EL素子201と接続されると、駆動TFT202のゲート・ソース間電圧Vgsに対して、十分大きく、|Vds|>|Vgs|が成立する。そのため、ダイオードTFT203には逆バイアスが印加され、データライン107への電流経路が絶たれることになる。以降、図2の画素回路は再び前記初期状態に戻され、階調電流が書き込まれるという上記動作を繰り返す。
【0024】
<データドライバ及びプリチャージ回路>
次に、図2の画素回路がマトリクス状に配置された表示アレイ101を前述のように駆動するために用いるデータドライバ102、プリチャージ回路104について、図3を用いてその内部構成を説明する。
【0025】
データドライバ102は、シフトレジスタ301、イネーブル回路302、ビデオスイッチ303、電圧電流変換回路304、データスイッチ305はRGBのビデオ信号ライン311、ドライバセレクトライン312(EA、EB)、アウトプットイネーブルライン313(OA、OB)を有して構成される。また、プリチャージ回路104は、プリチャージスイッチ306、プリチャージイネーブルライン314(PRE)、プリチャージ電位供給ライン315を有して構成される。図3はRGBそれぞれ1系統の入力を有するデータドライバ構成、プリチャージ回路構成を示している。
【0026】
シフトレジスタ301は入力パルスをクロックに同期して順次シフトレジスタ1からnまでシフトする。出力端子Hi(i=1〜n)には入力パルスをシフトしたパルスが出力され、それぞれのパルスイネーブル回路302に入力される。
【0027】
パルスイネーブル回路302はドライバセレクトライン312のEA、EBによってシフトレジスタ出力をイネーブルする。
【0028】
ビデオスイッチ303、電圧電流変換回路304、データスイッチ305は、RGBそれぞれ系統A及び系統Bの2系統用意されている。まず、ドライバセレクト信号ラインEA、EBにより、パルスイネーブル回路302を介してイネーブルされたシフトレジスタのシフトパルスによって、系統A、系統Bいずれかのビデオスイッチ303がオンし、ビデオ信号ライン311がA、Bいずれかの電圧電流変換回路304に接続される。例えば、シフトレジスタ1の出力H1が“High”、EAを“High”、EBを“Low”とすると、シフトレジスタ1のパルスイネーブル回路302はシフトレジスタのシフトパルスを系統Aのビデオスイッチ303へ伝播し、その系統Aのビデオスイッチは、系統Aの電圧電流変換回路RA1、GA1、BA1の入力を、ビデオ信号ラインR、G、Bと接続し、ビデオデータをそれぞれの電圧電流変換回路内へ取り込む。シフトパルスが最後のシフトレジスタnまで行き渡り、水平ラインのデータが系統A及び系統Bいずれかの電圧電流変換回路304にサンプルされると、サンプルした系統のOAもしくはOBのアウトプットイネーブルラインをアクティブにし、データライン107とアクティブにされた系統の電圧電流変換回路304の出力を接続し、データライン107を駆動する。EAを“High”とした上記の例に従えば、シフトレジスタnまでシフトパルスが行き渡ったのち、OAをアクティブとすることで、データライン107を系統Aの電圧電流変換回路304で駆動することになる。
【0029】
ビデオ信号ライン311に着目すると、その接続先はビデオスイッチ303を介して電圧電流変換回路304である。したがって、ビデオ信号ライン311の配線負荷は、ビデオスイッチ303によって接続された電圧電流変換回路304の入力インピーダンスに等しく、非常に小さい。これはビデオ信号ライン311上の信号をより高速に電圧電流変換回路304に転送できることを意味し、より高解像度なパネルを駆動するのに適している。
【0030】
電圧電流変換回路304は、図2のように駆動TFT202をPチャネル型TFTで構成した場合、例えば図15に示すNチャネル型TFTで構成するのが望ましい。最も簡単な回路は図15(a)に示す例である。Nチャネル型の電圧電流変換TFT1501、及び保持容量1502で構成される。
【0031】
再び図3に戻り、電圧電流変換TFT1501は、シフトレジスタ301のシフトパルスと、ドライバセレクトラインEA、EBで制御されるビデオスイッチ303により順次データバス311上のデータをサンプルし、サンプルした電圧レベルに応じて電流値を決定する。一ライン分のデータをサンプルし終えると、アウトプットイネーブルラインOA、OBにより制御されるデータスイッチ305により、データライン107に接続され、保持容量1502に保持されている階調電圧に対応する階調電流でデータライン107を駆動する。
【0032】
電圧電流変換回路1501は例えば低温ポリシリコンTFTプロセスで形成されると、均一な電圧電流変換特性を得ることが困難であるため、図15(b)に示すように、リセットTFT1503、1504及びリセット容量1505を追加し、電圧電流変換TFT1501の閾値電圧Vth補正を行うことでより電圧電流変換特性の均一性を向上できる。
【0033】
<閾値電圧Vthの補正>
リセットTFT1503、1504及びリセット容量1505を用いて電圧電流変換TFT1501のVthを補正する手順について説明する。
【0034】
まず、シフトレジスタに入力パルスを入力する前、すなわちビデオスイッチ303をオフとし、データスイッチ305をオフして、リセットTFT1503、1504をオンすると、TFT1501に流れていた電流はやがてゼロに近づく。すなわち、リセット容量1505に電圧電流変換TFT1501のVthが書き込まれる。
【0035】
次いで、リセットTFT1503、1504をオフし、シフトレジスタに入力パルスを入力し、順次データバス311上の階調電圧データを保持容量1502に取り込むことで電圧電流変換TFT1501のゲート電位Vgsは、階調電圧をVdとすると、Vgs=Vth+Vdに設定される。
【0036】
このように電圧電流変換回路304に補正回路を付加することで電圧電流変換のばらつきを低減できる。なお電圧電流変換TFT1501は変換特性の均一性を向上させるため、リセットTFT1503、1504などと比較してより大きく設計することが望ましい。
【0037】
一方、プリチャージ回路104は、プリチャージスイッチ306を含み、プリチャージイネーブルライン314であるPREをアクティブにすることでデータライン107をプリチャージ電位供給ライン315に接続し、所定のプリチャージ電位VPREにデータライン107をプリチャージする。
【0038】
データライン107はデータドライバ102とプリチャージ回路104によって駆動されるため、データライン107がプリチャージを行っている間、電圧電流変換回路のVthリセットを行えばよい。
【0039】
このデータドライバ102は以上の説明で述べた機能、もしくはそれに準ずる機能を有するデータドライバICを代わりに用いることもできる。
【0040】
<ゲートドライバ>
次に図4を用いてゲートドライバ103の内部構成を説明する。ゲートドライバ103は、シフトレジスタ401、ゲートイネーブル回路402、点灯イネーブル回路403、ゲートバッファ404、点灯バッファ405を有して構成される。図において、E1、E2はそれぞれ奇数ライン、偶数ラインのゲートイネーブル制御ライン、LEは点灯イネーブル制御ラインである。
【0041】
奇数ラインのゲートイネーブル回路402の1入力はゲートイネーブル制御ラインE1に接続され、偶数ラインのゲートイネーブル回路402の1入力はゲートイネーブル制御ラインE2に接続されている。全ラインの点灯イネーブル回路403の1入力は点灯イネーブル制御ラインLEに接続されている。
【0042】
また各ラインのイネーブル回路402、403のもう1入力は各シフトレジスタ出力Vi(i=0〜n)に接続され、シフトレジスタ出力ViとE1、E2、LEにより、各ゲートライン108、点灯ライン109の状態を制御する。
【0043】
<フレーム期間の表示状態>
図5には、横軸に時間、縦軸に表示ラインをとり、本実施形態のフレーム期間の表示状態が示されている。各ラインは、1フレーム期間を、映像データを表示する表示期間と、有機EL素子201及び駆動TFT202をリセットするリセット期間に分割される。ここで「リセットする」とは、駆動TFT202のゲート端子に、電流が流れない電位(プリチャージ電位VPRE)を設定して有機EL素子201を消灯する動作を言う。また、「リセット期間」とは、その電位が保持容量206に書き込まれることで、次に表示データのためのアクセスが行われるまで、前記リセット状態が維持される期間を言う。
【0044】
このように表示期間を分割した理由は、表示期間を短縮することで書き込み電圧の保持期間も同様に短縮でき、TFTのリーク電流の影響が低減されること、さらにブラウン管のような発光特性を擬似的に行うことができ、動画視認性を向上させられるためである。
【0045】
まず第1ラインから映像データを順次書き込み、ある期間を置いて、全ラインの映像データの書き込みを終える前に、すでに映像データに応じた電流を流している駆動TFT202のリセットを複数回に分けて第1ラインから順次行う。図5において、X−X’区間に着目すると、第k0ラインは映像データの書き込みが行われ、第k1ラインは第1のリセット動作、第k2ラインは第2のリセット動作が行われている。
【0046】
図6、図7を用いて、データドライバ102、ゲートドライバ103、プリチャージ回路104を制御して図5の表示を行う方法についてさらに説明する。
【0047】
図6において、ゲートドライバ103のシフトレジスタ401に入力する入力パルス601、入力パルス601をシフトするためのクロック602、シフトレジスタ出力V1のシフトパルス603が示されており、このパルスが順次シフトされ、Viに出力されていく。また、第k0ラインのシフトレジスタ出力パルス604、第k1ラインのシフトレジスタ出力パルス605、第k2ラインのシフトレジスタ出力パルス606が示され、X−X’区間ではいずれもアクティブである。
【0048】
図7において、X−X’区間におけるシフトレジスタ出力Vk0、Vk1、Vk2の出力パルス701、同区間におけるシフトレジスタ出力Vk0+1、Vk1+1、Vk2+1の出力パルス702、イネーブル制御ラインE1のパルス703、イネーブル制御ラインE2のパルス704、点灯イネーブル制御ラインLEのパルス705、プリチャージ制御ラインPREのパルス706、データドライバ102のシフトレジスタに入力する入力パルス707、系統Aドライバセレクトラインのパルス708、系統Bドライバセレクトラインのパルス709、系統AアウトプットイネーブルOAのパルス710、系統BアウトプットイネーブルOBのパルス711、データライン107のデータ電位712がそれぞれ示されている。
【0049】
図7ではk0は奇数、k1、k2は偶数となるように、入力パルス601を入力しているものとすると、X−X’区間の前半であるX−Y区間は、E1が“H”、LEが“H”、プリチャージがイネーブルされていることから、k0ラインはプリチャージされる。同時にE2も“H”であるから、k1、k2ラインもプリチャージされる。この間、データライン107はプリチャージ電位VPREにプリチャージされ、ゲートTFT205がオンすることから、保持容量206にはプリチャージ電位VPREが書き込まれる。このプリチャージ電位VPREは駆動TFT202をオフするレベル、つまり電流供給ライン211の電位レベルに近い電位である。
【0050】
X−X’区間の後半であるY−X’区間は、LEが“H”、E1が“H”、E2が“L”、プリチャージがディスエーブル、OAが“H”であるから、k0のみデータドライバ102の系統Aの電圧電流変換回路により電流データ書き込みを行う。
【0051】
このように、X−X’区間ではk0ラインはリセット後データを書き込み、k1、k2ラインはリセットのみ行われている。ここで、データライン107に供給される階調電流データは、各水平期間に入力される入力パルス707がシフトレジスタ301により順次シフトされ、データバス311上のデータをセレクトラインEA、EBが選択する系統の電圧電流変換回路304に取り込まれた後、データを取り込んだ系統を選択するアウトプットイネーブルOA、OBで選択される電圧電流変換回路304で出力された電流データである。つまり、YX’区間にデータライン107に出力される電流データは、この場合、一水平期間前に系統Aに順次取り込まれたデータに対応する。YX’区間のデータ書き込み区間にデータライン107に階調電流が供給されると、第k0ラインの画素内の駆動TFT202には、ゲートTFT205がオン、点灯制御TFT204がオフであるため、電流供給ライン211から駆動TFT202のソース、ドレインを通り、ダイオードTFT203を経由し、ゲートTFT205を通ってデータドライバへ階調電流が流れる。
【0052】
保持容量206にはあらかじめプリチャージ電位VPREが書き込まれているため、駆動TFT202に階調電流が流れ始めると、徐々に駆動TFT202のゲート電位はプリチャージ電位からデータライン107に流れる階調電流を駆動TFT202が流すことのできる電位へ変化する。その後、点灯制御TFT204をオンすると、前記理由により、ダイオードTFT203には逆バイアスが印加されるため、データライン107に流れていた電流の経路が遮断され、その後、ゲートTFT205をオフすることで、保持容量206にデータライン107に流れていた階調電流を駆動TFT202が流す電圧が保持される。
【0053】
次に、X’−Y’区間に入ると、第k0ラインはVk0が”L”となるため、書き込まれたデータの表示を維持し、次のシフトパルスが入力されるまで、書き込まれた階調電流で有機EL素子201に電流を流し続ける。第k1ラインは点灯が終了し、消灯期間に入る。この際、有機EL素子201に流れていた電流は徐々に減少し、ある時間を経てゼロになる。第k2ラインはすでに消灯期間に入っており、引き続き有機EL素子201の消灯を続ける。ここで、第k2ラインのように複数回リセットする理由は、プリチャージ期間XY、あるいはX’−Y’期間が十分に確保できない場合、より確実にリセット可能とするためである。したがって、さらに何度もリセット書き込みを行ってもよい。
【0054】
X’−X’’区間では、偶数ラインのk0+1ライン、奇数ラインのk1+1、k2+1は、その前半X’−Y’で、両者ともリセット期間となり、後半Y’−X’’でk0+1ラインのみ電流データを書き込む。ここで、データライン107上の電流データは、X’−X’’区間の1水平期間前、つまりX−X’区間で系統Bの電圧電流変換回路にサンプルした電圧データが電流データに変換されたデータであり、アウトプットイネーブルOBをアクティブにすることで系統B電流電圧変換回路がデータライン107を駆動したものである。
【0055】
このように電流電圧変換回路304は、系統Aと系統Bで交互にデータライン107を駆動する。しかし、系統Aと系統Bの電圧電流変換回路には図15のようなVth補正を施しても、系統間で電流出力に違いが生じる可能性がある。
【0056】
そこで、系統の切り替えをフレーム毎に変化させる。例えば、奇数フレームで奇数ラインを系統Aが駆動することに決めると、偶数ラインは系統Bで駆動することになる。次の偶数フレームでは偶数ラインを系統Aで駆動し、奇数ラインを系統Bで駆動するように制御すれば、すべての画素がフレーム毎にどちらの電圧電流変換回路でも駆動されるため電流出力ばらつきの表示に対する影響を低減できる。あるいは、系統A、Bいずれかの系統のみ、つまり1系統の電圧電流変換回路304で駆動することも可能である。前述したように、データドライバ102は、ビデオ信号ライン311上のビデオデータを高速に電圧電流変換回路304にデータ転送可能である。そのため、図7におけるXY区間のプリチャージ期間に1ライン分のデータを電圧電流変換回路304へ転送し、残りのYX’区間で出力をイネーブルして電流データを書き込むという駆動が可能である。このような駆動をする場合、複数の系統を設けることは、冗長な構成となるが、回路不良や、電圧電流変換特性の不均一等に起因するドライバ不良による歩留まり低下を抑制することができる。
【0057】
さらに、入力パルス601のパルス間隔を制御することで、表示期間とリセット期間の割合を可変とすることが可能である。図13には、リセット期間を25%、50%、75%と変化させた場合のドライバ入力データ電圧Vdと輝度との関係が示されている。リセット期間の割合を増加すると表示期間が短くなるため、同じ入力データ電圧Vd(Vdに対応する電流Id)でより暗く制御することができる。同じ輝度を維持するためには駆動TFT202により多くの電流を流すため、ドライバ入力データのダイナミックレンジを大きくするか、もしくは電圧電流変換TFTのコンダクタンスを増加させればよい。一般に、このような電流プログラム方式では、微小電流の書き込み不足が指摘されているが、これは上記本発明の駆動方法で以下のようにその改善が期待できる。
【0058】
まず、電流プログラムする前にデータライン107を常にプリチャージ電圧にプリチャージしているため、データラインに以前のデータ電位が残らず、書き込み不足が表示に現れにくい。
【0059】
また、表示期間とリセット期間の割合を可変することができるため、リセット期間を増加することで、プログラム電流を増加させ、微小電流プログラムを回避することができる。
【0060】
しかしながら、将来、有機EL素子の発光効率の向上により、所望の輝度を生じさせる電流値が少なくて済むようになると、上記手段でも微小電流をプログラムする必要が生じてくる。
【0061】
そこで、有機EL素子のカソード電極を図18のように構成する。図18は有機EL素子のカソード電極の構成例であり、図18(a)はカソード電極1801の例、図18(b)はカソード電極1803の例である。
【0062】
図18(a)のカソード電極1801は平面構成であり、有機EL素子201からの電流は2次元的に流れ、共通端子COMに流れ出ることができる。一方、図18(b)のカソード電極1803は、有機EL素子201が配列されている領域(表示領域)では、データライン107に垂直な方向、つまり1次元的にしか電流が流れない点で異なる。データライン107とカソード電極1801、1803は、異なるメタルレイヤーで積層され、例えば誘電率εの絶縁層を介して絶縁されている。そのため、一般に交差容量C=ε*S/dの静電容量を持っている。ここでSは交差面積、dは絶縁層の厚さである。
【0063】
電圧電流変換回路304からの微小電流は、データライン107を経由して、駆動TFT202に流されるが、電流が微小であるため、その経路であるデータライン107とカソード電極の交差容量に流れる電流が無視できず、限られた水平期間内に十分に駆動TFT202に流すことができない。
【0064】
そこで、図18(a)では、抵抗素子1802を平面カソード電極1801と外部の共通端子COMとの間に配置し、データライン107からの微小電流の外部への流出を抑制し、駆動TFT202へ効果的に流れるようにした。この電極構成は、従来同様、カソードを低精細度のマスクで形成することができるため、安価である。
【0065】
図18(b)は、より精細度の高いマスクで形成した例で、データライン107とカソードの交差面積が低減されている。すなわち交差容量が小さいため、交差容量を介しての微小電流の流出も少なく、駆動TFT202に電圧電流変換回路からの微小電流をより効果的に流すことができる。図18(b)においてもカソード端子1803と外部共通端子COMの間に抵抗素子を配置してもよい。図18(b)は精細度の高いマスクを使用するため、コストを要するが、微小電流の流出抑制効果は図18(a)よりも高い。
【0066】
さらに、本実施形態では、スイッチTFTの逆バイアスリーク電流、外光によるリーク電流の対策も施されている。
【0067】
つまり、ゲートTFT205の逆バイアス及び外光リークに関しては、保持容量206に保持される電位が、リセット期間を挿入することで、1フレーム期間必要とせず、リーク電流の影響は表示に現れにくい。また、複数回リセット動作を行うため、プリチャージ電位がリークにより不十分でも補うことができる。
【0068】
またダイオードTFT203は逆バイアス時、ドレイン端子とゲート端子は常に同電位であるため、リーク電流はソース・ゲート(ドレイン)電圧のみに影響する。これはダイオードTFT203が3端子を有するスイッチTFTである場合と比較するとリーク電流が低減されることを意味する。
【0069】
このように、本実施形態の画素回路、駆動回路、駆動方法を用いれば、リーク電流の影響が少なく、より良好な表示が可能となる。
【0070】
(2)第2実施形態
<画素回路>
図16には、本実施形態の画素回路が示されている。図16の画素回路は図2のダイオードTFT203をダイオード223としている以外、図2の画素回路と同じである。ダイオード223のアノードは駆動TFT202のドレイン端子、点灯制御TFT204のソース端子に、カソードは駆動TFT202のゲート端子、保持容量206の電位固定されてない側の端子、ゲートTFT205のソース端子に接続されている。駆動方法は第1実施形態と同一であるため説明は省略する。
【0071】
図17には、通常のポリシリコンプロセスでダイオード223を作成した例が示されている。ポリシリコンパターンにP+ドープする端子がダイオードのアノード、N+ドープする端子がカソードである。Xはイントリンシック(何もドープしない)でもよいし、P−ドープ、N−ドープ状態としてもよい。図中、ダイオードの幅W、X領域の長さLはダイオードの特性、例えば逆バイアス時のリーク電流、順方向電圧等を考慮して決定される。
【0072】
図16の画素回路は、機能に関しては第1実施形態と同様であるが、TFTによるダイオードではなく、図17のダイオードを用いるため、回路の面積を縮小でき、画素回路の開口率を向上させることができる。
【0073】
図20には、ゲートTFT205をN型とし、そのゲート端子が点灯制御TFT204のゲート端子とともにゲートライン108へ接続することにより、点灯制御ライン109を略した例である。但し、ダイオード223はダイオードTFT203でもよい。図20のように構成することで、制御配線の数を低減でき、開口率を向上することができる。また、ゲートドライバ103を構成する回路を略することができるため、回路の故障率も低減できる。
【0074】
(3)第3実施形態
<画素回路>
図19には、本実施形態の画素回路が示されている。図19の画素回路はアモルファスシリコンTFTでも構成可能なようにN型TFTのみで構成している。有機EL素子1901、駆動TFT1902、ダイオードTFT1903、点灯制御TFT1904、ゲートTFT1905が設けられる。それぞれの機能は第1実施形態1のP型TFTと同じである。簡単に説明すると、ゲートTFT1905のソース端子が保持容量1906の一端に接続され、ドレイン端子がデータライン107に接続され、ゲート端子がゲートライン108に接続される。また、駆動TFT1902のゲート端子が保持容量1906の一端及びゲートTFT1905のソース端子に接続され、ソース端子が有機EL素子1901のアノード及び保持容量1906の他端に接続される。駆動TFT1902のゲート端子とドレイン端子間にはダイオードTFT1903が接続される。ダイオードTFT1903のゲート端子とドレイン端子が接続(短絡)される。また、点灯制御TFT1904のゲート端子が点灯ライン109に接続され、ソース端子が駆動TFT1902のドレイン端子に接続され、ドレイン端子が電源ライン1911に接続されて有機EL素子1901のオンオフを制御する。
【0075】
データドライバ102、プリチャージ回路104、ゲートドライバ103を用いた駆動方法は第1実施形態と同じであるが、電流を流す経路、及び方向が異なるため、以下この点について説明する。
【0076】
第1実施形態と同様な手順を経ると、電流プログラム開始時点では、有機EL素子1901は図5のリセット期間にリセットされ、点灯制御TFT1904がオフ、ゲートTFT1905がオンとなっており、データライン107、及び駆動TFT1902のゲート電位はプリチャージ電位(有機EL素子1901が消灯する電圧レベル)である。データライン107のプリチャージが解除され、データドライバから階調電流が流されると、電流はゲートTFT1905を通り、ダイオードTFT1903を経由した後、駆動TFT1902のドレイン端子からソース端子を通り、有機EL素子1901に流れる。駆動TFT1902のゲート・ソース間には駆動TFT1902がデータライン107から供給される電流を流す電圧が生成される。その後、点灯制御TFT1904をオンすると、ダイオードTFT1903は逆バイアスされるため、駆動TFT1902への電流経路が遮断され、電流供給ライン1911からの電流経路に切り替わる。その後、ゲートTFT1905をオフすることで、保持容量1906に前記電位が保持され、次にアクセスされるまで、有機EL素子1901にその電流が流れ続ける。
【0077】
図19(a)のダイオードTFT1903をダイオード1923とすると図19(b)に示す画素回路となる。ダイオード1923のアノードは駆動TFT1902のゲート端子と、保持容量1906の、駆動TFT1902のソース端子に接続されていない端子と、ゲートTFT1905のソース端子に接続され、ダイオード1923のカソードは、駆動TFT1902のドレイン端子と点灯制御TFT1904のソース端子に接続されている。駆動方法、電流経路は図19(a)と同じである。
【0078】
本実施形態のようにN型TFTで画素回路を構成することで、ポリシリコンTFTだけではなく、より安価なアモルファスシリコン基盤を用いることができるため、より低価格な大型有機ELパネルを作ることができる。
【0079】
(4)第4実施形態
<基本構成>
図9には、本実施形態における有機ELディスプレイ2の全体構成図が示されている。有機ELディスプレイ2は、画素に有機EL素子とTFTを配置したアクティブマトリクス型表示アレイ901、データドライバ902、ゲートドライバ903、プリチャージ回路904、データドライバ902からの階調電圧、もしくはプリチャージ回路904からのプリチャージ電圧を画素に供給するデータライン907、ゲートドライバからのゲート選択電位を供給するゲートライン908、ゲートドライバ903からリセットパルスを供給するリセットライン909、ゲートドライバ903から有機EL素子を点灯制御する制御電圧を供給する点灯ライン910、データ制御バス912を介してデータドライバ902にビデオ信号と制御信号を供給するとともにゲート制御バス913を介してゲートドライバ903に制御信号を供給する制御回路906、入力バス911を有して構成される。
【0080】
低温ポリシリコンプロセスを適用すれば、これらの回路はガラス基板上に構成でき、表示デバイス905を形成することが可能である。
【0081】
<画素回路>
図10には、アクティブマトリクス表示アレイ901に配置されるVth補正回路を含む画素回路が示されており、図10(a)と図10(b)の補正動作の基本はほとんど同じである。
【0082】
図10(a)において、有機EL素子1001、1002は有機EL素子1001に流す電流を制御する駆動TFT1002、駆動TFT1002をリセットするための第1リセットダイオード1003、有機EL素子1001に電流を流すか否かを制御する点灯制御TFT1004、データライン907上の階調電圧を取り込む制御を行うゲートTFT1005、前記階調電圧を保持する保持容量1006、駆動TFT1002のVthを書き込むリセット容量1007、駆動TFT1002をリセットするための第2リセットダイオード1008、有機EL素子1001に電流を供給する電流供給ライン1011、保持容量の一端を固定電位とする固定電位ライン1012である。図10(b)はリセットTFT1009で、図10(a)の第2リセットダイオード1008の代わりに用いられる。
【0083】
<データドライバ及びプリチャージ回路>
図11には、図9のデータドライバ902とプリチャージ回路904の内部構成が示されている。データドライバ902は、シフトレジスタ1101、ビデオスイッチ1102、RGBのビデオ信号バス1111を有する。プリチャージ回路904は、プリチャージスイッチ1103、プリチャージ制御ライン1112、プリチャージ電位ライン1113を有する。
【0084】
シフトレジスタ1101は外部からの入力パルスをクロックに応じてシフトし、ビデオスイッチ1102がビデオ信号バス1111上の階調電位をデータライン907に取り込むパルスを順に生成する。
【0085】
プリチャージスイッチ1103はプリチャージ信号ライン1112のプリチャージを行うか否かを制御する信号に応じて、データライン907をプリチャージ電位ライン1113に接続し、データライン907をプリチャージ電位VPREにプリチャージする。
このデータドライバ902は以上の説明で述べた機能、もしくはそれに準ずる機能を有するデータドライバICを代わりに用いることもできる。
【0086】
<ゲートドライバ>
図14には、図9のゲートドライバ903の内部構成が示されている。ゲートドライバ903は、シフトレジスタ1401、ゲートライン908をアクティブにするためのゲートイネーブル回路1402、リセットライン909をアクティブにするためのリセットイネーブル回路1403、点灯ライン910をアクティブにする点灯イネーブル回路1404、ゲートイネーブル回路1402の出力をバッファするゲートバッファ1405、リセットイネーブル回路1403の出力をバッファするリセットバッファ1406、点灯イネーブル回路1404の出力をバッファする点灯バッファ1407を有する。
【0087】
奇数ラインのゲートイネーブル回路1402の1入力はイネーブル制御ラインE1に、偶数ラインのゲートイネーブル回路1402はイネーブル制御ラインE2に接続されている。またすべてのラインのリセットイネーブル回路1403と点灯イネーブル回路1404の1入力はそれぞれリセットイネーブル制御ラインRE、点灯イネーブル制御ラインLEに接続されている。そして、これらゲートイネーブル回路1402、リセットイネーブル回路1403、点灯イネーブル回路1404のもう1入力は各ラインのシフトレジスタ出力Viに接続されている。
【0088】
<駆動方法>
図8を用いて図10のVth補正回路動作及び有機EL素子の駆動方法について説明する。
【0089】
本実施形態の有機EL素子の点灯制御は図5に示すように、1フレーム期間を表示期間とリセット期間に分割する。これは、表示期間を短縮することでデータ電圧保持期間も同様に短縮でき、TFTのリーク電流の影響が低減されること、さらにブラウン管のような発光特性を擬似的に行うことができ、動画視認性を向上させることを意図している。
【0090】
また、ゲートドライバ903に入力される入力パルス及びシフトレジスタ1401の出力Vi(ただしiは自然数)の出力パルスのタイミングチャートは図6に示すものと同じである。
【0091】
図8は、図6に示す区間XX’の部分拡大期間におけるタイミングチャートである。第k0、k1、k2ラインを選択する信号を保持するシフトレジスタ出力Vk0、Vk1、Vk2のパルス801、シフトレジスタ出力Vk0+1、Vk1+1、Vk+2のパルス802、イネーブル信号ラインE1、E2のパルス803、804、リセットイネーブル制御ラインREのパルス805、点灯イネーブル制御ラインLEのパルス806、データドライバ902に入力する入力パルス807、プリチャージ制御ラインPREのパルス808、データライン上のデータ電位809が示されている。
【0092】
k0を奇数、k1、k2を偶数となるように入力パルス601をゲートドライバ903に入力しているものとすると、図8のXY区間では、データライン907にはプリチャージ電位VPREが供給され、図10の画素回路において、点灯制御TFT1004がオフ、ゲートTFT1005がオンしているため、保持容量1006にプリチャージ電位VPREがプリチャージされる。
【0093】
図8によると、この期間にリセットイネーブル制御ラインREが“High”となる期間が存在する。つまり、ゲートバッファ1406によりリセットライン909は“Low”となるため、図10(a)の画素回路において、この“Low”レベルが第2リセットダイオード1008を順方向にオンする、すなわち第2リセットダイオード1008のアノードよりも十分低い電位であると、この期間に電流供給ライン1011から駆動TFT1002のソース・ドレインを通り、第1リセットダイオード1003、第2リセットダイオード1008の経路で電流が流れる。
【0094】
図10(b)の画素回路では、リセットTFT1009がオンするため、固定電位ライン1012が第1リセットダイオード1003のアノードより十分低い電位であると、この期間に電流供給ライン1011から駆動TFT1002のソース・ドレインを通り、第1リセットダイオード1003、リセットTFT1009、固定電位ライン1012という経路で電流が流れる。
【0095】
リセットイネーブル制御ラインREはすぐに“Low”、すなわちリセットライン909は“High”となるため、この“High”レベルが図10(a)の場合、第2リセットダイオードに逆バイアスを与える、すなわち第2リセットダイオード1008のアノードよりも高い電位の場合、一度駆動TFT1002に流れた電流は経路を失い、ある電位に収束する。この収束電位は駆動TFT1002が流していた電流がゼロになる電位であり、すなわちそれは駆動TFT1002のVthである。
【0096】
図10(b)の場合も同様に電流経路が絶たれるため、駆動TFT1002のゲート電位はVthとなる。
【0097】
区間XYが終わる頃に点灯制御ラインを“Low”とする、すなわち点灯制御TFT1004をオンすると、リセット容量1007にはVPRE−Vthの電圧が保持される。なぜなら、駆動TFT1002は飽和領域で動作するため、駆動TFT1002のソース・ドレイン電圧Vdsは十分大きく、そのゲート・ソース電圧Vgsに対し、|Vds|>|Vgs|が成立し、第1リセットダイオードに逆バイアスが印加されるためである。したがって、駆動TFT1002のゲート・ソース電位VgsはVthに維持される。
【0098】
区間YX’に入ると、E2が“Low”となり、奇数ラインのみデータ書き込みが行われる。保持容量1006に階調電圧Vdを書き込んだとすると、駆動TFT1002のゲート・ソース電圧Vgs=Vd−(VPRE−Vth)となり、Vthのオフセットが常に印加され、駆動TFT1002のVthが補正される。
【0099】
区間X’Y’では、k0+1、k1+1、k2+1がリセット状態であり、リセットイネーブル制御ラインREにパルス805を与えることにより、前述した同じ経路で駆動TFT1002に電流が短い期間流れた後、駆動TFT1002のゲート・ソース電位VgsがVthに収束し、点灯制御ライン910を“High”として、VPRE−Vthの電圧をリセット容量1007に書き込む。
【0100】
区間Y’X’’で第k0+1ラインの保持容量1006にデータライン907のデータ電位Vdを書き込み、Vthが補正された電位が駆動TFTのゲート端子に与えられる。第1リセットダイオード、第2リセットダイオードは図2や図19に示されるようなP型、もしくはN型のMOSダイオードで構成してもよいし、図17に示すダイオードでもよい。図17に示すダイオードを用いると、回路面積を比較的消費しないため、本実施形態のVth補正回路を含む画素回路は、有機EL素子の開口率を大きくできる利点がある。
【0101】
また、図10のダイオード素子を用いたVth補正回路は第1実施形態で用いたデータドライバ102内の図15(b)に示す電圧電流変換回路としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】第1実施形態の全体構成図である。
【図2】第1実施形態のTFT画素回路である。
【図3】第1実施形態のデータドライバ及びプリチャージ回路の内部構成図である。
【図4】ゲートドライバの内部構成図である。
【図5】駆動シーケンス説明図である。
【図6】パネル駆動タイミングチャートである。
【図7】第1実施形態のパネル駆動タイミングチャート拡大図である。
【図8】第4実施形態のパネル駆動タイミングチャート拡大図である。
【図9】第4実施形態の全体構成図である。
【図10】第4実施形態のTFT画素回路である。
【図11】第4実施形態のデータドライバ及びプリチャージ回路の内部構成図である。
【図12】従来例説明図である。
【図13】リセット期間と階調特性の関係を示す図である。
【図14】第4実施形態のゲートドライバ内部構成図である。
【図15】第1実施形態の電圧電流変換回路の内部構成図である。
【図16】第2実施形態の画素回路である。
【図17】ダイオードの構成図である。
【図18】カソード電極構成図である。
【図19】第3実施形態のTFT画素回路である。
【図20】第2実施形態の変形例を示すTFT画素回路図である。
【符号の説明】
【0103】
101,901 アクティブマトリクスアレイ、102,902 データドライバ、103,903 ゲートドライバ、104,904 プリチャージ回路、105,905 表示デバイス、106,906 制御回路、107,907 データライン、108,908 ゲートライン、109,910 点灯ライン、111,911 入力バス、112,912 データ制御バス、113,913 ゲート制御バス、201,1001,1901 有機EL素子、202,1002,1902 駆動TFT、203,1903 ダイオードTFT、204,1004,1904 点灯制御TFT、205,1005,1905 ゲートTFT、206,1006,1906 保持容量、211,1011,1911 電流供給ライン、212,1012 固定電位ライン、223,1923 ダイオード、301,401,1101,1401 シフトレジスタ、302 イネーブル回路、303,1102 ビデオスイッチ、304 電圧電流変換回路、305 データスイッチ、306,1103 プリチャージスイッチ、311 ビデオ信号バス、312 セレクトライン、313 アウトプットイネーブルライン、314,1112 プリチャージイネーブルライン、315,1113 プリチャージ電位ライン、402,1402 ゲートイネーブル回路、403,1404 点灯イネーブル回路、404,1405 ゲートバッファ、405,1407 点灯バッファ、909 リセットライン、1003 第1リセットダイオード、1007 リセット容量、1008 第2リセットダイオード、1009 リセットTFT、1403 リセットイネーブル回路、1406 リセットバッファ、1501 電圧電流変換TFT、1502 保持容量、1503,1504 リセットTFT、1505 リセット容量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流駆動されるダイオード型発光素子と前記ダイオード型発光素子を制御する薄膜トランジスタとを1つの画素回路として、前記画素回路をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型表示アレイと、
前記マトリクスの各列に対応して設けられ、対応する列の画素回路にデータ信号を供給するデータラインと、
前記データラインへの前記データ信号の供給を制御するデータドライバと、
前記マトリクスの各行に対応して設けられ、対応する行の画素回路に選択信号を供給するゲートラインと、
前記画素回路に点灯信号を供給する点灯ラインと、
前記ゲートラインに選択信号を供給するとともに前記点灯ラインに点灯信号を供給するゲートドライバと、
前記データドライバ及びゲートドライバを制御する制御回路と、
を有するアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記画素回路は、
一端の電位が所定電位に固定された保持容量と、
前記保持容量の非固定電位端子に一方の非制御端子が接続され、他方の非制御端子が前記データラインに接続され、制御端子が前記ゲートラインに接続されたゲートトランジスタと、
制御端子が前記保持容量の非固定電位端子に接続され、一方の非制御端子が電源ラインに接続されて前記ダイオード型発光素子への駆動電流を制御する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの他方の非制御端子と前記制御端子を接続する整流素子と、
制御端子が前記点灯ラインに接続され、一方の非制御端子が前記駆動トランジスタの非制御端子に接続され、他方の非制御端子が前記ダイオード型発光素子に接続されて前記ダイオード型発光素子の駆動電流のオンオフを制御する点灯制御トランジスタと、
を有することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記整流素子は、トランジスタの制御端子と非制御端子を接続して構成されることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項3】
電流駆動されるダイオード型発光素子と前記ダイオード型発光素子を制御する薄膜トランジスタとを1つの画素回路として、前記画素回路をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型表示アレイと、
前記マトリクスの各列に対応して設けられ、対応する列の画素回路にデータ信号を供給するデータラインと、
前記データラインへの前記データ信号の供給を制御するデータドライバと、
前記マトリクスの各行に対応して設けられ、対応する行の画素回路に選択信号を供給するゲートラインと、
前記画素回路に点灯信号を供給する点灯ラインと、
前記ゲートラインに選択信号を供給するとともに前記点灯ラインに点灯信号を供給するゲートドライバと、
前記データドライバ及びゲートドライバを制御する制御回路と、
を有するアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記画素回路は、
一端の電位が所定電位に固定された保持容量と、
ソース端子が前記保持容量の非固定電位端子に接続され、ドレイン端子が前記データラインに接続され、ゲート端子が前記ゲートラインに接続されたP型ゲートTFTと、
ゲート端子が前記保持容量の非固定電位端子及び前記ゲートTFTのソース端子に接続され、ソース端子が電源ラインに接続されて前記ダイオード型発光素子への駆動電流を制御するP型駆動TFTと、
前記駆動TFTの前記ゲート端子とドレイン端子を接続する整流素子と、
ゲート端子が前記点灯ラインに接続され、ソース端子が前記駆動TFTのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が前記ダイオード型発光素子に接続されて前記ダイオード型発光素子の駆動電流のオンオフを制御するP型点灯制御TFTと、
を有することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記整流素子は、P型TFTのゲート端子とドレイン端子を接続して構成され、前記整流素子としての前記P型TFTのソース端子が前記駆動TFTのドレイン端子に接続され、前記P型TFTのドレイン端子が前記駆動TFTのゲート端子に接続されることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項5】
電流駆動されるダイオード型発光素子と前記ダイオード型発光素子を制御する薄膜トランジスタとを1つの画素回路として、前記画素回路をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型表示アレイと、
前記マトリクスの各列に対応して設けられ、対応する列の画素回路にデータ信号を供給するデータラインと、
前記データラインへの前記データ信号の供給を制御するデータドライバと、
前記マトリクスの各行に対応して設けられ、対応する行の画素回路に選択信号を供給するゲートラインと、
前記画素回路に点灯信号を供給する点灯ラインと、
前記ゲートラインに選択信号を供給するとともに前記点灯ラインに点灯信号を供給するゲートドライバと、
前記データドライバ及びゲートドライバを制御する制御回路と、
を有するアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記画素回路は、
保持容量と、
ソース端子が前記保持容量の一端に接続され、ドレイン端子が前記データラインに接続され、ゲート端子が前記ゲートラインに接続されたN型ゲートTFTと、
ゲート端子が前記保持容量の前記一端及び前記ゲートTFTのソース端子に接続され、ソース端子が前記ダイオード型発光素子及び前記保持容量の他端に接続されて前記ダイオード型発光素子の駆動電流を制御するN型駆動TFTと、
前記駆動TFTの前記ゲート端子とドレイン端子を接続する整流素子と、
ゲート端子が前記点灯ラインに接続され、ソース端子が前記駆動TFTのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が電源ラインに接続されて前記ダイオード型発光素子の駆動電流のオンオフを制御するN型点灯制御TFTと、
を有することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、
前記整流素子は、N型TFTのゲート端子とドレイン端子を接続して構成され、前記整流素子としての前記N型TFTのソース端子が前記駆動TFTのドレイン端子に接続され、前記N型TFTのドレイン端子が前記駆動TFTのゲート端子に接続されることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項7】
電流駆動されるダイオード型発光素子と前記ダイオード型発光素子を制御する薄膜トランジスタとを1つの画素回路として、前記画素回路をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型表示アレイと、
前記マトリクスの各列に対応して設けられ、対応する列の画素回路にデータ信号を供給するデータラインと、
前記データラインへの前記データ信号の供給を制御するデータドライバと、
前記マトリクスの各行に対応して設けられ、対応する行の画素回路に選択信号を供給するゲートラインと、
前記ゲートラインに選択信号を供給するゲートドライバと、
前記データドライバ及びゲートドライバを制御する制御回路と、
を有するアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記画素回路は、
一端の電位が所定電位に固定された保持容量と、
ソース端子が前記保持容量の非固定電位端子に接続され、ドレイン端子が前記データラインに接続され、ゲート端子が前記ゲートラインに接続されたN型ゲートTFTと、
ゲート端子が前記保持容量の非固定電位端子及び前記ゲートTFTのソース端子に接続され、ソース端子が電源ラインに接続されて前記ダイオード型発光素子への駆動電流を制御するP型駆動TFTと、
前記駆動TFTの前記ゲート端子とドレイン端子を接続する整流素子と、
ゲート端子が前記ゲートラインに接続され、ソース端子が前記駆動TFTのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が前記ダイオード型発光素子に接続されて前記ダイオード型発光素子の駆動電流のオンオフを制御するP型点灯制御TFTと、
を有することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、
前記整流素子は、ダイオードであることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、さらに、
前記データ信号の供給前に前記データラインを所定の電位レベルに設定することで、前記保持容量に前記駆動トランジスタをオフ動作する電荷を蓄積するプリチャージ回路と、
を有することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置において、
前記ダイオード型発光素子は有機EL素子であることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−17966(P2006−17966A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195026(P2004−195026)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】