説明

アクリル系櫛型ポリマー溶液およびアクリル系増粘エマルジョンを含有する水性調合物の調製方法、このように得られた調合物ならびに紙塗工でのこの使用

本発明は、a)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がこれにグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマーの水溶液を調製するステップと;b)少なくとも1種のアクリル系増粘剤の水性エマルジョンを調製するステップと;c)ステップa)による水溶液およびステップb)による水性エマルジョンを場合により追加の水と混合するステップと;を含むことと、5.5から6.3の、優先的には5.8から6.3のpHを有する混合物を得るためにステップa)および/またはステップc)の間に櫛型ポリマーを部分中和することを含むこととを特徴とする、組成物を調製する方法に関するものである。本発明は、このように得た生成物にも、および紙塗工スリップにおける前記スリップの増粘剤としてのならびに/または前記スリップの保水剤としてのならびに/または前記スリップによって塗工した紙の光沢および/もしくは光学青味付けを改善する薬剤としてのこの使用にも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙の分野、さらに詳細には、さらに紙塗工剤と呼ばれる紙表面の塗工を可能にする組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙に塗工することによって紙を産生する枠組みの中では、水、1種以上の無機填料、1種以上の結合剤および各種添加物を特に含有する「紙塗工剤」と呼ばれる水性化合物が支持紙の表面に被着される。
【0003】
紙塗工剤の第1の重要な特徴は、このレオロジー的挙動に存する。エンドユーザの要求および塗工プロセスパラメータに従うために、調整可能である紙塗工を被着させることと、粘度を広い値範囲で特に上昇させることとが、実際に興味深い。この目的のために、「増粘剤」として公知の薬剤が前記塗工剤に利用される。
【0004】
数年にわたって、特定の種類の、(メタ)アクリル酸と他のモノマーとのホモポリマーおよびコポリマーよりなるアクリル系増粘剤、ならびに特にASE(アルカリ膨潤性エマルジョン)およびHASE(疎水性修飾アルカリ膨潤エマルジョン)タイプのアクリル系増粘剤が当業者に公知である。最初の増粘剤は、(メタ)アクリル酸とこれらの酸のエステルとのホモポリマーまたはコポリマーであるエマルジョン状の増粘剤を指し、第2の増粘剤は、(メタ)アクリル酸、これらの酸のエステルおよび疎水性モノマーを主成分とするコポリマーであるエマルジョン状の増粘剤を指す。
【0005】
同時に、このレオロジー的側面に関して、紙塗工剤の第2の基本的な特性:この保水性がある。支持紙に被着された後に、本塗工剤は、水および水が含有する水溶性物質の全部または一部を助剤中に移行させる固有の傾向を有する。従って従って、塗工プロセスで使用されず、再循環される紙塗工剤のレオロジー変化を回避するために、水および水溶性物質の最大限の削減が求められている。従って、改善、即ち増加が求められている保水現象が言及される。この目的のために、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースを主成分とするポリマーはもちろんのこと、ラテックスまたは高級カルボン系ポリマーエマルジョンもしくはポリアクリレートなどのポリカルボキシラートから伝統的になる「保水」剤が使用される。
【0006】
最終製品(即ち塗工紙)を観察すると、当業者は、第3のタイプの特性:1枚の塗工紙の光学的特徴、特にこの白色度およびこの光学青味付け(即ちこの白度)を特に敏感に察する。従ってアクリル系ポリマーおよび蛍光増白剤(スチルベン分子を主成分とする蛍光物質)とアクリル系ポリマー、ポリビニルアルコールまたはカルボキシメチルセルロースを主成分とするポリマーなどの白色度助剤との組合せなどの、白色度活性剤が使用される。
【0007】
習慣的に、上述の添加剤(増粘剤、保水剤、白色度活性剤、光学青味付け活性剤)のすべてはもちろんのこと、紙塗工剤を構成する無機填料、水および結合剤も混合されて、反応器内で強く撹拌されて均質化される。この到達水準は、塗工剤のレオロジー特性(増粘および保水性)および塗工紙の光学特性(白色度および青味付け活性化)を最適化するために使用される幾つかの添加物に関して、および構成要素を混合して均質な紙塗工を得るために使用されるエネルギーに関して、複雑で費用のかかるプロセスとなっている。
【0008】
これらの欠点を補うために、出願人は、水性調合物の新たな製造プロセスであって、
a)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマー1)の水溶液を調製するステップと、
b)少なくとも1種のアクリル系増粘剤2)の水性エマルジョンを調製するステップと、
c)ステップa)による水溶液をステップb)による水性エマルジョンと、おそらく水を添加して混合するステップと、
を含むことと、
ステップa)および/またはステップc)の間に、このpHが5.5から6.3、優先的には5.8から6.3の混合物を得るような方法で、櫛型ポリマーを部分中和することと、
を特徴とする製造プロセスを開発した。
【0009】
それゆえ、塗工紙の光学特性、特にこの白色度および光学青味付けを改善しながら、紙塗工剤のレオロジー特性の改善、および特に、広範な値間隔でのこのBrookfield(商標)粘度と同様にこの保水性の向上を同時に可能にする、独自の安定な取扱い生成物が得られる。
【0010】
出願人は、櫛型ポリマーa)が塗工紙の光学青味付け(WO2004/044022に記載されているように)はもちろんのこと、この白色度(WO2004/041883に記載されているように)も改善する薬剤としてすでに公知であることと、櫛型ポリマーa)が紙塗工剤の保水性を改善する薬剤としても公知であること(FR 05 12797としてまだ出願および公開されていない仏国特許出願による。)を認識している。しかし、紙塗工剤に増粘剤を用いずに塗工を実施した場合には、高いBrookfield(商標)粘度に達することは不可能である。このことはFR 05 12797として公開された文書によって指摘され、WO2004/041883で言及されており、この例がなくても、カルボキシメチルセルロースの場合と同様に、塗工剤に増粘剤を添加する必要性を示している。
【0011】
生成物が導入される紙塗工剤中で有効な増粘剤および保水剤として同時に作用する生成物を提供することを目的とする研究に従事して、出願人は、前記塗工剤によって塗工した1枚の紙に非常に良好な光学特性(白色度、青味付け活性化)を与えながら、このような生成物を産生するプロセスの開発に成功してきた。本プロセスは、水とアクリル系櫛型ポリマーの水溶液およびアクリル系増粘剤の水性エマルジョンとの混合物に主に基づいている。きわめて驚くべきことに、一方ではエマルジョンおよび溶液の混合物が安定な生成物をもたらすが、他方ではこの粘性によってユーザが生成物を完璧に取扱うことが可能である。
【0012】
本出願では、「水溶液」という表現は、水と少なくとも1種の他の物質との均質な混合物を一般に指し、それゆえ「水性エマルジョン」という表現は、水と、水と混和性でない別の物質との安定な混合物を指す。
【0013】
当業者には、エマルジョンおよび水溶液の混合物によって非常に不安定な生成物が生じる可能性があることが周知であるが、きわめて驚くべきことに、エマルジョンおよび水溶液の混合物よりそれでもなお生じる安定な生成物へ到達させるプロセスの開発を可能にしたのは、アクリル系櫛型ポリマーa)の中和率の選択である。加えて、エンドユーザによって扱いやすい、即ち100毎分回転数および25℃におけるこのBrookfield(商標)粘度が1,500mPa.sを保持する生成物の獲得を可能にしたのも、この選択である。このような特性は本出願で明確に例示されている。
【0014】
しかし従来技術では、本出願の主題である技術的問題を解決する目的でこのような選択は明示または示唆されていない。先に引用され、紙分野においてアクリル系櫛型ポリマーa)によって使用された条件に関連する文書によってさえ、これらが単一生成物の形でアクリル系増粘剤と組合されることは当業者に示唆されていなかった。文書はまた、これを完全中和形で実施すること以上に、この部分中和を求めているわけではない。まして、これらの文書は、本出願の主題である問題を解決するために、前記アクリル系櫛型ポリマーa)のいずれか特定の中和率を示唆しているわけではない。
【0015】
最後に驚くべき方式で、本発明によるプロセスの開発により、この各構成要素によって生じる固有の特性:増粘剤b)による粘度の上昇ならびにアクリル系櫛型ポリマーa)による保水性、白色度および光学青味付け活性化の改善が維持された独自の生成物がもたらされた。一方では、上述の文書のいずれも、アクリル系櫛型ポリマーa)のために、前記ポリマーが本発明に従って中和された場合に、ポリマーがもたらす光学特性(白色度および青味付け)および保水性が維持できること以外開示していない。他方、2種の各構成要素によって生じた特性は構成要素が混合されるまで維持されることも注目に値する。当業者には、調合物に関して、単一生成物の構成要素間の相互作用が多数であり、これらの構成要素の1つによって生じた特性の1つ以上を遮蔽できることが周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2004/044022号
【特許文献2】国際公開第2004/041883号
【特許文献3】仏国特許出願第05 12797号明細書
【発明の概要】
【0017】
また、本発明の第1の目的は、
a)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマー1)の水溶液を調製するステップと、
b)少なくとも1種のアクリル系増粘剤2)の水性エマルジョンを調製するステップと、
c)ステップa)による水溶液をステップb)による水性エマルジョンと、おそらく水を添加して混合するステップと、
を含むことと、
ステップa)および/またはステップc)の間に、このpHが5.5から6.8、優先的には5.8から6.3の混合物を得るような方法で、櫛型ポリマーを部分中和することと、
を特徴とする、水性調合物を製造する方法である。
【0018】
本プロセスは、ステップc)より生じる調合物がこの総重量の20%から35%を構成する乾燥物質含有率を示すことも特徴とする。
【0019】
本プロセスは、ステップc)より生じる調合物がこの総乾燥物質の70%から95%、優先的には80%から95%を構成する、ステップa)の間に使用された櫛型ポリマー1)の乾燥重量物質含有量を示すことも特徴とする。
【0020】
本プロセスは、ステップc)より生じる混合物が、1,500mPa.s未満の、優先的には1,200mPa.s未満の、特に優先的には1,000mPa.s未満の、25℃および100毎分回転数にて測定したBrookfield(商標)粘度を示すことも特徴とする。
【0021】
本プロセスは、ステップb)の間に使用したアクリル系増粘剤2)がASE(アルカリ溶解性エマルジョン)またはHASE(疎水性修飾アルカリ溶解性エマルジョン)タイプの増粘剤であることも特徴とする。
【0022】
本プロセスは、ステップa)の間に使用した櫛型ポリマー1)中では、ヒドロキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコール官能基が式(I)のモノマーによって生じることも特徴とする。
【0023】
【化1】

式中、
m、n、pおよびqは整数であり、m、n、p≦150、q≧1および5≦(m+n+p)q≦150、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、ビニル系の基、アクリル酸、メタアクリル酸、およびマレイン酸エステルの基、アクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基、置換されているか否かにかかわらずアリルもしくはビニルエーテルの基、またはエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に属する、重合性不飽和官能基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素基、またはホスフェート、ホスホナート、サルフェート、スルホナート、カルボキシルなどのイオン性もしくはイオン化性基、または1級、2級もしくは3級アミン、もしくは4級アンモニウム、またはこの混合物を表し、1から12個の炭素原子を有する炭化水素基を優先的に、1から4個の炭素原子を有する炭化水素基を特に優先的に表す。
【0024】
本プロセスは、ステップa)の間に使用される櫛型ポリマー1)が、パーセンテージの合計が100%に等しいこの構成要素それぞれの重量パーセンテージとして、6%から40%の、優先的には6%から15%の(メタ)アクリル酸、60%から94%の、優先的には85%から95%の式(I)のモノマーを含有することも特徴とする。
【0025】
本プロセスは、ステップa)の間に使用される櫛型ポリマー1)が、水酸化ナトリウムおよびカリウムならびにこの混合物より優先的に選択された1種以上の中和剤によって部分中和されることも特徴とする。
【0026】
本発明の別の目的は、水性調合物であって、
1)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマーと、
2)少なくとも1種のアクリル系増粘剤と、
3)水と、
を含有することと、
前記調合物のpHが5.5から6.8、優先的には5.8から6.3であるような方法で櫛型ポリマーが部分中和されることと、
を特徴とする、水性調合物である。
【0027】
本調合物は、本調合物がこの総重量の20%から35%を構成する乾燥物質含有率を示すことも特徴とする。
【0028】
本調合物は、本調合物がこの総乾燥物質の70%から95%、優先的には80%から90%を構成する櫛型ポリマー1)の乾燥重量含有率を示すことも特徴とする。
【0029】
本調合物は、本調合物が1,500mPa.s未満の、優先的には1,200mPa.s未満の、特に優先的には1,000mPa.s未満の、25℃および100毎分回転数にて測定したBrookfield(商標)粘度を示すことも特徴とする。
【0030】
本調合物は、アクリル系増粘剤2)がASE(アルカリ溶解性エマルジョン)またはHASE(疎水性修飾アルカリ溶解性エマルジョン)タイプのアクリル系増粘剤であることも特徴とする。
【0031】
本調合物は、櫛型ポリマー1)中では、アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコール官能基が式(I)のモノマーによって生じることも特徴とする。
【0032】
【化2】

式中、
m、n、pおよびqは整数であり、m、n、p≦150、q≧1および5≦(m+n+p)q≦150、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、ビニル系の基だけではなく、アクリル酸、メタアクリル酸、およびマレイン酸エステルの基にも、アクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基にも、置換されているか否かにかかわらずアリルもしくはビニルエーテルの基にも、またはエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基にも優先的に属する、重合性不飽和官能基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素基、またはホスフェート、ホスホナート、サルフェート、スルホナート、カルボキシルなどのイオン性もしくはイオン化性基、または1級、2級もしくは3級アミン、もしくは4級アンモニウム、またはこの混合物を表し、1から12個の炭素原子を有する炭化水素基を優先的に、1から4個の炭素原子を有する炭化水素基を特に優先的に表す。
【0033】
本調合物は、櫛型ポリマー1)が、パーセンテージの合計が100%に等しいこの構成要素それぞれの重量パーセンテージとして、6%から40%の、優先的には6%から15%の(メタ)アクリル酸、60%から94%の、優先的には85%から95%の式(I)のモノマーを含有することも特徴とする。
【0034】
本調合物は、櫛型ポリマー1)が、水酸化ナトリウムおよびカリウムならびにこの混合物より優先的に選択された1種以上の中和剤によって部分中和されることも特徴とする。
【0035】
本発明の別の目的は、紙塗工剤における本発明の水性調合物の、前記塗工剤のための増粘剤としてならびに/または前記塗工剤のための保水剤としてのならびに/または前記塗工剤によって塗工された紙の白色度および/もしくは光学青味付けを改善する薬剤としての利用である。
【0036】
以下の実施例は、本発明をより良く認識する役割を果たすが、この範囲を制限することはない。
【実施例】
【0037】
(実施例)
すべての実施例において、使用したポリマーの分子量は、三重検出サイズ排除クロマトグラフィー(3D−SEC)を使用して、以下で説明する方法に基づいて決定する。
【0038】
3D−SEC鎖は次のように構成される。
【0039】
移動相ERC3112のためのオンラインデガッサ、
Waters 515またはViscotek VE1121アイソクラティックポンプ、
Waters 717+自動注入器、
Waters CHMカラムオーブン
リニアカラム1個に120Åカラム2個が続き、すべてに同じ性質のガードカラムが先行する、長さ30cm、内径7.8mmのWaters Ultrahydrogelカラム3個のセット、
並列に連結された検出器のセット:LSおよび粘度計を組合せるViscotek T60AならびにWaters 2410示差屈折計、
コンピュータおよびソフトウェアシステム:Viscotek TriSEC 3.0 GPCソフトウェア。
【0040】
移動相の組成
原液の調製:NaSO 666mM、0.1μmにて濾過、
NaSO中66.6mM(または0.2Mのイオン力)での移動相の調製、
先の原液10体積%、
アセトニトリル5体積%
18.2MΩの水85体積%、
水酸化ナトリウムN数滴によってpHを9.0に調整。
【0041】
動作パラメータ:
流量:0.8ml/分、
屈折計カラムの温度:40℃、
注入体積:100μl、
注入時ポリマー濃度:各サンプルについて予想される平均分子量に応じて2から4mg/ml(検出器応答の最適化)
解析長さ:50分。
【0042】
検出器の較正:
2種の認証較正の使用:
Viscotek PEO22k、適正なシステムの較正のための低多分散性(Ip)の標準、
Viscotek Dextran T70k、較正の検証および微調整のための高低多分散性(Ip)。
【0043】
(実施例1)
本実施例は、本発明によるプロセス、特に前記プロセスによって得た混合物の安定性および粘度に対するアクリル系櫛型ポリマーa)の部分中和の影響について例証するものである。
【0044】
本実施例は、本発明による水性調合物も例証する。
【0045】
試験番号1から10のそれぞれについて、以下のステップ、
a)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマーの水溶液を調製するステップと、
b)酸(メタクリル)と少なくとも1種の他のモノマーとのコポリマーである少なくとも1種のアクリル系増粘剤の水性エマルジョンを調製するステップと、
c)ステップa)による水溶液をステップb)による水性エマルジョンと、おそらく水を添加して混合するステップと、
によって水性調合物を産生して、
最終混合物の所与のpH値を得るような方法で、水酸化ナトリウム(試験番号1から20において)または炭酸カリウム(試験番号27から34において)によって、ステップa)の間に櫛型ポリマーを部分中和する。
【0046】
ステップa)の櫛型ポリマーは、(各モノマーの重量パーセンテージとして表現)アクリル酸6%、メタクリル酸1.8%、式(I)のモノマー92.2%よりなり、ここでRおよびRは水素を表し、Rはメタクリレート基を表し、R’はメチル基を表し、(m+n+p)q=113である。この分子量は1,850,000g/molに等しい。
【0047】
ステップb)による増粘剤は、COATEX(商標)社からRheocoat(商標)35として販売されているASEタイプのアクリル系増粘剤である。
【0048】
試験番号1から10では、混合物はアクリル系櫛型ポリマーa)22.5乾燥重量%、Rheocoat(商標)35 2.5乾燥重量%および水75%よりなる。試験番号11から20では、混合物はアクリル系櫛型ポリマーa)20乾燥重量%、Rheocoat(商標)35 5乾燥重量%および水75%よりなる。
【0049】
試験番号1から34のそれぞれについて、表1から4は混合物のpH値を示す;この安定性を8日の期間にわたって観察し、このBrookfield(商標)粘度は25℃における100毎分回転数(μ100(mPa.s))にて測定した。
【0050】
【表1】

【0051】
表1および2:櫛型ポリマーa)の水酸化ナトリウムによる中和−櫛型ポリマーa)およびRheocoat(商標)35 b)をそれぞれ22.5乾燥重量%および2.5乾燥重量%で含有する混合物の場合、ならびに櫛型ポリマーa)およびRheocoat(商標)35 b)をそれぞれ20乾燥重量%および5乾燥重量%で含有する混合物の場合。
【0052】
【表2】

【0053】
表3および4:櫛型ポリマーa)の炭酸カリウムによる中和−櫛型ポリマーa)およびRheocoat(商標)35 b)をそれぞれ22.5乾燥重量%および2.5乾燥重量%で含有する混合物の場合、ならびに櫛型ポリマーa)およびRheocoat(商標)20 b)をそれぞれ20乾燥重量%および5乾燥重量%で含有する混合物の場合。
【0054】
これらの結果は、安定であると共に、このBrookfield(商標)粘度が25℃および100毎分回転数にて1,500(mPa.s未満である生成物を得るために櫛型ポリマーの中和から生じた最終混合物のpHが5.5から6.8でなければならないという意味で、櫛型ポリマーa)の中和率を良好に示している。
【0055】
(実施例2)
本実施例は、本発明による手順、このように得た水性調合物、ならびに紙塗工剤の保水性およびBrookfield(商標)粘度はもちろんのこと、紙塗工剤によって塗工された紙の光学特性、特にこの白色度および白度も顕著に改善するための、紙塗工剤へのこの使用について例証する。
【0056】
本発明による水性調合物
試験番号35から65のそれぞれで、以下のステップ、
a)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマーの水溶液を調製するステップと、
b)酸(メタクリル)と少なくとも1種の他のモノマーとのコポリマーである少なくとも1種のアクリル系増粘剤の水性エマルジョンを調製するステップと、
c)ステップa)による水溶液をステップb)による水性エマルジョンと、おそらく水を添加して混合するステップと、
を通じて水性調合物を産生することによって開始した。
【0057】
アクリル系櫛型ポリマーは、ステップa)のレベルまたはステップc)のレベルのどちらかにて、混合物のpHが5.5から6.5であるような方法で中和される。
【0058】
これらの水性調合物それぞれについて、pH、100毎分回転数、25℃でのBrookfield(商標)粘度および安定性を8日間にわたって測定した。
【0059】
紙塗工剤
これらの試験のそれぞれで、
OMYA(商標)companyよりSetacarb(商標)HGという名称で販売されている炭酸カルシウム100重量部、
本発明の従来技術による、試験される水溶液0.45乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)、
Dow(商標)Chemical CompanyによってDL 966という名称で販売されているラテックススチレン−ブタジエン10.5乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)、
CLARIANT(商標)companyによってMowiol(商標)4−98という名称で販売されているポリビニルアルコール0.25乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)、
BAYER(商標)companyによってBlancophor(商標)Pという名称で販売されている光学的青味付け剤0.06乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)、
よりなる紙塗工剤を作製した。
【0060】
前記塗工剤の乾燥抽出物はこの総重量の69%で固定される。
【0061】
各塗工剤について、
25℃における10および100毎分回転数でのBrookfield(商標)粘度と、
10s−1に等しい剪断勾配および25℃でのACAV粘度と、
本明細書ですでに引用した仏国特許出願第05 12797号に記載された方法による、GRADEK(商標)companyによって販売されたAAGWR装置を用いてこの保水性と、
を決定した。
【0062】
塗工紙
紙塗工剤それぞれを使用して坪量78g/mで紙を塗工した。塗工は、12±1g/mに等しい紙塗工剤の坪量を支持体に被着させるスクレープブレードを備えたパイロットコータによって行った。得られた塗工紙を次に80℃および40バールでの3回の圧力通過によってカレンダ処理した。それゆえ、
規格TAPPI T480 OS−78によるTAPPI 75°白色度と、
規格ISO/FDIS 11475によるW(CIE)白度であって、塗工紙の光学青味付けの程度を示す白度と、
を決定した。
【0063】
試験
これらの試験の結果として、以下に言及する。
【0064】
ポリマーA1、(各モノマーの重量パーセンテージとして)アクリル酸6%、メタクリル酸1.8%、式(I)のモノマー92.2%よりなる、アクリル系櫛型ポリマー、ここでRおよびRは水素を表し、Rはメタクリレート基を表し、R’はメチル基を表し、(m+n+p)q=113である。この分子量は250,000g/molに等しい。
【0065】
ポリマーA2、(各モノマーの重量パーセンテージとして)アクリル酸15.0%、メタクリル酸5.0%、式(I)のモノマー80.0%よりなる、アクリル系櫛型ポリマー、ここでRおよびRは水素を表し、Rはメタクリレート基を表し、R’はメチル基を表し、(m+n+p)q=113である。この分子量は970,000g/molに等しい。
【0066】
ポリマーA3、(各モノマーの重量パーセンテージとして)アクリル酸6%、メタクリル酸1.8%、式(I)のモノマー92.2%よりなる、アクリル系櫛型ポリマー、ここでRおよびRは水素を表し、Rはメタクリレート基を表し、R’はメチル基を表し、(m+n+p)q=45である。この分子量は1,250,000g/molに等しい。
【0067】
ポリマーA4、(各モノマーの重量パーセンテージとして)アクリル酸6%、メタクリル酸1.8%、式(I)のモノマー92.2%よりなる、アクリル系櫛型ポリマー、ここでRおよびRは水素を表し、Rはメタクリレート基を表し、R’はメチル基を表し、(m+n+p)q=17である。この分子量は1,020,000g/molに等しい。
【0068】
ポリマーA5、(各モノマーの重量パーセンテージとして)アクリル酸30.0%、メタクリル酸5.0%、式(I)のモノマー65.0%よりなる、アクリル系櫛型ポリマー、ここでRおよびRは水素を表し、Rはメタクリレート基を表し、R’はメチル基を表し、(m+n+p)q=113である。この分子量は1,850,000g/molに等しい。
【0069】
増粘剤B1、COATEX(商標)companyによってRheocoat(商標)73という名称で販売されているHASEタイプのアクリル系増粘剤。
【0070】
増粘剤B2、COATEX(商標)companyによってRheocoat(商標)35という名称で販売されているASEタイプのアクリル系増粘剤。
【0071】
増粘剤B3、COATEX(商標)companyによってRheocoat(商標)3800という名称で販売されているHASEタイプのアクリル系増粘剤。
【0072】
増粘剤B4、COATEX(商標)companyによってRheocoat(商標)12という名称で販売されているASEタイプのアクリル系増粘剤。
【0073】
増粘剤B5、COATEX(商標)companyによってRheocoat(商標)3000という名称で販売されているHASEタイプのアクリル系増粘剤。
【0074】
CMC、BASF(商標)companyによってFinnfix(商標)10という名称で販売されているカルボキシメチルセルロース。
【0075】
試験番号35から41
これらの試験は紙塗工剤において、0.45乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)の、
水酸化ナトリウムによって完全中和されたポリマーA1(当分野による試験番号35)、
水、増粘剤B1、B2またはB3および本発明のプロセスのステップa)のレベルにて水酸化ナトリウムによって部分中和されたポリマーA1の混合物である調合物(本発明による試験番号36から41)
を使用する。
【0076】
これらの結果を表5に示す。
【0077】
【表3】

【0078】
試験番号42から48
これらの試験は紙塗工剤において、0.45乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)の、
水酸化ナトリウムによって完全中和されたポリマーA2(従来技術による番号42)、
水、増粘剤B1、B2またはB3および本発明のプロセスのステップa)のレベルにて水酸化ナトリウムによって部分中和されたポリマーA2の混合物である調合物(本発明による試験番号43から48)
を使用する。
【0079】
これらの結果を表6に示す。
【0080】
【表4】

【0081】
試験番号49から53
これらの試験は紙塗工剤において、0.45乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)の、
水酸化ナトリウムによって完全中和されたポリマーA3(従来技術による番号49)、
水、増粘剤B4またはB5および本発明のプロセスのステップa)のレベルにて水酸化ナトリウムによって部分中和されたポリマーA3の混合物である調合物(本発明による試験番号50から53)
を使用する。
【0082】
これらの結果を表7に示す。
【0083】
【表5】

【0084】
試験番号54から58
これらの試験は紙塗工剤において、0.45乾燥重量%(炭酸カルシウムの乾燥重量に対して)の、
水酸化ナトリウムによって完全中和されたポリマーA4(従来技術による番号54)、
水、増粘剤B4またはB5および本発明のプロセスのステップa)のレベルにて水酸化ナトリウムによって部分中和されたポリマーA4の混合物である調合物(本発明による試験番号55から58)
を使用する。
【0085】
これらの結果を表8に示す。
【0086】
【表6】

【0087】
上で列挙した試験群のそれぞれで、即ち表番号5から8それぞれで、
本発明による水性調合物すべてが5.5から6.5の間のpHを有する;水性調合物は安定であり、1,500mPa.s未満の、ある場合には1,000mPa.s未満の100毎分回転数における25℃のBrookfield(商標)粘度を有すること、
本発明に従って作製した紙塗工剤は従来技術の紙塗工剤よりも濃厚である。本紙塗工剤は、低い勾配剪断粘度(25℃、10および100毎分回転数におけるBrookfield(商標))および従来技術で測定したものよりも非常に高い剪断勾配(ACAV)を有すること、
本発明による塗工紙は、従来技術による塗工紙の場合に得られたのと少なくとも等しい白度および白色度を有すること、
が観察される。
【0088】
結論として、本発明による調合物により、低度から高度の剪断勾配においてと同様に、広範な粘度値の区間にわたって紙塗工剤の増粘が可能となる。
【0089】
これらの調合物によって、紙塗工剤に保水性が与えられるのと同時に、前記塗工剤で塗工した紙に少なくとも従来技術の生成物によって得られるのと等しい白色度の活性化および光学青味付けが与えられる。
【0090】
試験番号59から63
これらの試験のそれぞれで、2,000±100mPa.sに等しいBrookfield(商標)粘度(100毎分回転数、および25℃にて)を得るために、当業者によって調整された(本発明または従来技術に従って)試験される生成物の量を使用する。
【0091】
これらの試験は、
従来技術でのCMC、ポリマーA3、増粘剤B1およびB2(試験番号59から62)、
水、増粘剤B2および本発明のプロセスのステップa)のレベルにて水酸化ナトリウムによって部分中和されたポリマーA3の混合物である調合物(試験番号63)(後者の混合物は安定であり、780mPa.sに等しい、25℃および100毎分回転数におけるBrookfield粘度を有している。)、
を使用する。
【0092】
これらの試験の結果を下の表9に示す。
【0093】
【表7】

【0094】
試験した生成物すべての中で、保水性、白色度および光学青味付けに関して最良の結果を生じたのは本発明による調合物であることが認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性調合物を製造するプロセスであって、
a)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマー1)の水溶液を調製するステップと、
b)少なくとも1種のアクリル系増粘剤2)の水性エマルジョンを調製するステップと、
c)ステップa)による水溶液をステップb)による水性エマルジョンと、おそらく水を添加して混合するステップと、
を含むことと、
ステップa)および/またはステップc)の間に、このpHが5.5から6.8;優先的には5.8から6.3である混合物を得るような方法で、櫛型ポリマーを部分中和することと、
を特徴とするプロセス。
【請求項2】
ステップc)より生じる調合物がこの総重量の20%から35%の乾燥物質含有率を示すことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップc)より生じる調合物がこの総乾燥物質の70%から95%の、優先的には80%から90%の、ステップa)の間に使用した櫛型ポリマー1)の乾燥重量含有率を示すことを特徴とする、請求項1または2の一項に記載のプロセス。
【請求項4】
ステップc)より生じる混合物が、1,500mPa.s未満の、優先的には1,200mPa.s未満の、特に優先的には1,000mPa.s未満の、25℃および100毎分回転数にて測定したBrookfield(商標)粘度を示すことを特徴とする、請求項1から3の一項に記載のプロセス。
【請求項5】
ステップb)で使用したアクリル系増粘剤2)がASE(アルカリ溶解性エマルジョン)またはHASE(疎水性修飾アルカリ溶解性エマルジョン)タイプのアクリル系増粘剤であることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載のプロセス。
【請求項6】
ステップa)の間に使用した櫛型ポリマー1)中で、アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコール官能基が式(I)のモノマー、
【化1】

(式中、
m、n、pおよびqは整数であり、ならびにm、n、p≦150、q≧1および5≦(m+n+p)q≦150であり、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、ビニル系の基、アクリル酸、メタアクリル酸、およびマレイン酸エステルの基、アクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基、置換されているか否かにかかわらずアリルもしくはビニルエーテルの基、またはエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に優先的に属する、重合性不飽和官能基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素基、またはホスフェート、ホスホナート、サルフェート、スルホナート、カルボキシルなどのイオン性もしくはイオン化性基、または1級、2級もしくは3級アミン、もしくは4級アンモニウム、またはこの混合物を表し、1から12個の炭素原子を有する炭化水素基を優先的に、1から4個の炭素原子を有する炭化水素基を特に優先的に表す。)
によって生じることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ステップa)の間に使用される櫛型ポリマー1)が、パーセンテージの合計が100%に等しいこの構成要素それぞれの重量パーセンテージとして、6%から40%の、優先的には6%から15%の(メタ)アクリル酸、60%から94%の、優先的には85%から95%の式(I)のモノマーを含有することを特徴とする、請求項1から6の一項に記載のプロセス。
【請求項8】
ステップa)の間に使用される櫛型ポリマー1)が水酸化ナトリウムおよびカリウムならびにこの混合物の中から優先的に選択される1種以上の中和剤によって部分中和されることを特徴とする、請求項1から7の一項に記載のプロセス。
【請求項9】
水性調合物であって、
1)アルコキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコールの官能基がグラフトされている(メタ)アクリル酸の少なくとも1種の櫛型ポリマーと、
2)少なくとも1種のアクリル系増粘剤と、
3)水と、
を含有すること、
および前記調合物のpHが5.5から6.8、優先的には5.8から6.3であるような方法で櫛型ポリマーが部分中和されることと、
を特徴とする、水性調合物。
【請求項10】
水性調合物がこの総重量の20%から35%を構成する乾燥物質含有率を示すことを特徴とする、請求項9に記載の水性調合物。
【請求項11】
水性調合物がこの総乾燥物質の70%から95%、優先的には80%から90%を構成する櫛型ポリマー1)の乾燥重量含有率を示すことを特徴とする、請求項9または10の一項に記載の水性調合物。
【請求項12】
水性調合物が1,500mPa.s未満の、優先的には1,200mPa.s未満の、特に優先的には1,000mPa.s未満の、25℃および100毎分回転数にて測定したBrookfield(商標)粘度を示すことを特徴とする、請求項9から11の一項に記載の水性調合物。
【請求項13】
アクリル系増粘剤2)がASE(アルカリ溶解性エマルジョン)またはHASE(疎水性修飾アルカリ溶解性エマルジョン)タイプのアクリル系増粘剤であることを特徴とする、請求項9から12の一項に記載の水性調合物。
【請求項14】
櫛型ポリマー1)の中でヒドロキシおよび/またはヒドロキシポリアルキレングリコール官能基が式(I)のモノマー、
【化2】

(式中、
m、n、pおよびqは整数であり、ならびにm、n、p≦150、q≧1および5≦(m+n+p)q≦150であり、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、ビニル系の基、アクリル酸、メタアクリル酸、およびマレイン酸エステルの基、アクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基、置換されているか否かにかかわらずアリルもしくはビニルエーテルの基、またはエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に優先的に属する、重合性不飽和官能基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素基、またはホスフェート、ホスホナート、サルフェート、スルホナート、カルボキシルなどのイオン性もしくはイオン化性基、または1級、2級もしくは3級アミン、もしくは4級アンモニウム、またはこの混合物を表し、1から12個の炭素原子を有する炭化水素基を優先的に、1から4個の炭素原子を有する炭化水素基を特に優先的に表す。)
によって生じることを特徴とする、請求項9から13の一項に記載の水性調合物。
【請求項15】
櫛型ポリマー1)が、パーセンテージの合計が100%に等しいこの構成要素それぞれの重量パーセンテージとして、6%から40%の、優先的には6%から15%の(メタ)アクリル酸、60%から94%の、優先的には85%から95%の式(I)のモノマーを含有することを特徴とする、請求項9から14の一項に記載の水性調合物。
【請求項16】
櫛型ポリマー1)が水酸化ナトリウムおよびカリウムならびにこの混合物の中から優先的に選択される1種以上の中和剤によって部分中和されることを特徴とする、請求項9から15の一項に記載の水性調合物。
【請求項17】
紙の紙塗工剤における、前記塗工剤の増粘剤としてのならびに/または前記塗工剤の保水剤としてのならびに/または前記塗工剤によって塗工した紙の白色度および/もしくは光学青味付けを改善する薬剤としての、請求項9から16の一項に記載の水性調合物の利用。

【公表番号】特表2010−529249(P2010−529249A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510906(P2010−510906)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001545
【国際公開番号】WO2008/149226
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(398051154)コアテツクス・エス・アー・エス (35)
【Fターム(参考)】