説明

アクリル酸高級アルコールエステルおよびメタクリル酸高級アルコールエステルの製造方法

【課題】原料のアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとから、エステル交換反応により、それぞれアクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級アルコールエステルを製造するための改良された製造方法の提案。
【解決手段】原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと、炭素数2以上のアルコールとを、副生するメタノールをガス分離膜を用いて選択的に分離して反応系外に抜き出しながらエステル交換反応させることを特徴とする高級アルコールエステルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとのエステル交換反応により、アクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級アルコールエステルを製造する方法に関する。特に、副生するメタノールをガス分離膜によって反応系外へ選択的に抜き出しながら反応させてアクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級アルコールエステルを効率よく製造する方法に関する。ここで、高級アルコールとは炭素数が2以上のアルコール化合物である。また、アクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級エステルとは、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数が2以上のアルコール化合物とのエステル化合物である。これらの高級アルコールエステルは、塗料、接着剤などの原料として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとのエステル交換反応により、アクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級アルコールエステルを製造する方法は公知である。エステル交換反応に使用される触媒としては、例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸などの酸(特許文献1)、アルカリ金属、アルカリ土類金属のアルコラートなどの塩基、チタンアルコラートなどのチタン化合物(特許文献2)、鉄、亜鉛、バリウムなどの錯体(特許文献3−5)などが提案されている。
これらの触媒を使ったエステル交換反応は平衡反応であり、回分式や連続式の反応蒸留方式により行われる。従来から、これらの反応では、副生するメタノールを反応系外に抜き出して反応の平衡を生成系側にずらして、効率よく反応させる方法が採用されている。しかしながら、この方法では、メタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルとが共沸組成を取るため、メタノールと共に共沸分として、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルも反応系外へ抜き出(留去)されるという問題、更にメタノールを高濃度で反応系外に抜き出すことができないという問題があった。
特許文献6には、メタクロレイン又はアクロレインをPd含有触媒の存在下でアルコールおよび分子状酸素と反応させてメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを製造する方法であって、アルコールと水との混合液から水を選択的に透過することが可能な分離膜によって水を除去しながら反応をおこなう製造方法が開示されている。しかしながら、この製造方法では、選択的に除かれるのはアルコールではなくて水であった。しかも、分離方法は、アルコールと水との混合液を膜に直接接触させて、該混合液から水を選択的に透過させるパーベイパレーション法であった。
特許文献7には、有機溶剤に対する耐溶剤性が改良され且つ有機蒸気に対して実用的な分離性能を有する非対称中空糸分離膜が記載されている。しかしながら、このような非対称中空糸分離膜を、アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとのエステル交換反応に応用することについては何ら記載がなかった。
【0003】
【特許文献1】特開昭62−42948号公報
【特許文献2】特開平1−258642号公報
【特許文献3】特開昭53−141213号公報
【特許文献4】特開昭53−105417号公報
【特許文献5】特開昭53−144523号公報
【特許文献6】WO98/11050号公報
【特許文献7】特開2004−267810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、アクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとから、アクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級アルコールエステルを製造する改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記化学式(1)のメチルエステルと炭素数2以上のアルコールとを、副生するメタノールをガス分離膜を用いて選択的に抜き出しながらエステル交換反応させて下記化学式(2)の高級アルコールエステルを得ることを特徴とする高級アルコールエステルの製造方法に関する。
【0006】
【化1】

(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
【0007】
【化2】

(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数が2以上のアルコールから水酸基を除いた残基を表す。)
【0008】
また、本発明は、メチルエステルと炭素数2以上のアルコールとを触媒の存在下に反応させる反応混合液から、副生するメタノールと原料の前記メチルエステルとを含んだ混合蒸気を発生させ、この混合蒸気をガス分離膜に接触させてメタノールを選択的に透過させて抜き出し、非透過のメチルエステルは反応混合液へ戻すことを特徴とする高級アルコールエステルの製造方法に関する。
【0009】
さらに、本発明で好適に用いるガス分離膜が、120℃におけるメタノール蒸気の透過速度と原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MA又はMMA)が2以上であること、120℃におけるメタノール蒸気の透過速度(P’MeOH)が1×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上であること、及びパラクロロフェノールに溶解しない非対称ポリイミド中空糸膜であることに関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、副生するメタノールが選択的に反応系外へ抜き出され、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルは反応系内に残留する。このため、原料の前記メチルエステルを追加供給しなくても、高効率且つ高収率でアクリル酸高級アルコールエステル又はメタクリル酸高級アルコールエステルを得ることができる。更に、反応系外に抜き出されるメタノールの純度は70重量%以上好ましくは80重量%以上であるから回収や再使用が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとを、副生するメタノールをガス分離膜によって反応系外に選択的に抜き出しながら反応させることを特徴とする。本発明においては、好ましくは、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとを触媒の存在下に反応させる反応混合液から、副生するメタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルとを含んだ混合蒸気を発生させ、前記混合蒸気をガス分離膜と接触させメタノールを選択的に透過させて反応系外へ抜き出し、一方、非透過の高濃度化した原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルは凝縮させて反応混合液へ戻す。
【0012】
本発明においては、高級アルコールとは、炭素数が2以上、好ましくは炭素数が3以上の1価又は多価アルコール化合物、より好ましくは炭素数が3〜20の1価又は多価アルコール化合物であり、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、シクロヘキシルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなどを好適に挙げることができる。
【0013】
本発明においては、触媒は、エステル交換反応に用いられる既に公知のものが好適に使用できる。例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコラートなどの塩基、チタンアルコラートなどのチタン化合物、鉄などの金属錯体触媒などが使用される。これらの触媒は、その少なくとも一種が、高級アルコール1モルに対して0.00001〜0.1モル、好ましくは0.00005〜0.01モル、更に好ましくは0.0001〜0.05モルの割合で使用される。
【0014】
本発明においては、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルは、特に限定されるものではないが、高級アルコール1モルに対して0.1〜10モル程度、好ましくは0.5〜5モル程度であり、通常は1〜3モル程度の原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルが過剰の割合で使用することが好ましい。
使用する原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールとのモル比に関して、本発明と反応蒸留方式と比較すると、反応蒸留方式では、原料のエステルが反応中に反応系外に抜き出されるので、収率の低下を押さえるために原料のエステルを予め大過剰使用する必要があるが、本発明では、原料のエステルが反応系外に抜き出されないから原料のエステルが比較的少量でも高い収率が達成できる。
【0015】
本発明のエステル交換反応は、重合しやすいアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルを取り扱うので、重合禁止剤の存在下で行うことが好ましい。重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t−ブチルカテコール、フェノチアジン、p−フェニレンジアミン、メチレンジアミンなどが好適に使用される。
【0016】
エステル交換反応の反応温度は、50〜200℃、好ましくは70〜150℃、更に好ましくは80〜130℃、特に好ましくは85〜120℃である。反応時の圧力は0.1〜1MPaの範囲で反応温度に対応して設定されることが好ましく、反応時の雰囲気は窒素等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。なお、反応時間(連続式で反応を行う場合は滞留時間に相当する)は反応温度や触媒量によって異なるが、1〜10時間の範囲とすることが好ましい。
【0017】
本発明では、反応混合物から、副生メタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルとを含有した混合蒸気を発生させる。使用する高級アルコールの沸点が低い場合には、混合蒸気に高級アルコールが含まれる場合もがあるが、原料の高級アルコールが混合蒸気に含まれても構わない。いずれにしてもメタノール蒸気だけを発生させることはできない。そして前述の反応条件で前記混合蒸気が容易に発生する。この混合蒸気をガス分離膜の表面と接触させる。混合蒸気がガス分離膜と接触する間に、ガス分離膜を挟んだ両側のメタノール蒸気の分圧差によって、メタノール蒸気は選択的にガス分離膜を透過し、反応系外へ抜き出される。原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気はガス分離膜と接触しても容易にはガス分離膜を透過せず、ガス分離膜の非透過側即ち反応系側に残る。本発明において、ガス分離膜の非透過側に残留したアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気は、好ましくは冷却し凝縮させて反応混合液へ戻される。
なお、混合蒸気中に原料の高級アルコールが含まれる場合、高級アルコール蒸気は、ガス分離膜と接触しても容易にはガス分離膜を透過しないので、ガス分離膜の非透過側即ち反応系側に残る。そして、ガス分離膜の非透過側に残留した高級アルコール蒸気も、好ましくは冷却し凝縮させて反応混合液へ戻される。
【0018】
本発明において、ガス分離膜によって混合蒸気からメタノール蒸気を選択的に透過させて効率よく抜き出すためには、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気に対するメタノール蒸気の選択透過性が高く且つメタノール蒸気の透過速度が高いガス分離膜を使用すること、ガス分離膜の有効膜面積をより大きくすることが好適である。
また、反応系を加圧系にしてガス分離膜と接触するメタノール蒸気の分圧を高めたり、ガス分離膜の透過側を減圧にして、ガス分離膜を挟んだ両側のメタノール蒸気の分圧差を大きくしたりすること、また、ガス分離膜の透過側にメタノール以外の気体(例えば空気、窒素ガスなど)を掃引ガスとして流し、透過したメタノール蒸気をガス分離膜の透過側から強制的に掃引すること、また、蒸留塔を備えた反応器などを用いて反応し、混合蒸気を蒸留塔で共沸組成にまで蒸留してからガス分離膜と接触させることが、分離効率を高める上で好適である。さらに、本発明において、混合蒸気を、ガス分離膜と接触させる前に、2〜3℃程度以上好ましくは5℃以上スーパーヒートすることが、ガス分離膜の分離効率を維持するうえで好適である。
【0019】
本発明では、エステル交換反応はバッチ式又は連続式で行われる。生産規模が大きな場合には、連続式の反応(アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル、高級アルコール及び触媒を連続的に供給し、メタノールを連続的に抜き出して、反応液を連続的に抜き出す方法)が特に好ましい。
【0020】
前記エステル交換反応において溶媒は特に必要とされないが、反応系で不活性なものであれば使用することに問題はない。溶媒が低沸点でメタノールと共に蒸気化して混合蒸気中に含まれる場合には、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気よりもさらにガス分離膜を透過し難いものが好適である。
【0021】
本発明において用いられるガス分離膜は、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気に対してメタノール蒸気を選択的に透過するものであれば特に限定されない。例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの高分子膜、それらの高分子膜を加熱処理して不溶化した膜、高分子膜を加熱処理した部分炭素化膜又は炭素膜、セラミックス膜などを好適に用いることができる。これらの膜は、均一膜でも、非対称膜や複合化膜であっても構わない。さらに膜の形態も中空糸膜、平膜、スパイラル膜などいずれでも構わない。
【0022】
本発明において用いられるガス分離膜は、120℃におけるメタノール蒸気の透過速度と原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MA又はMMA)が2以上、特に5以上、更に10以上のものが好適である。すなわち、原料としてアクリル酸メチルエステルを用いるときは、120℃におけるメタノール蒸気の透過速度と原料のアクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MA)が2以上、特に5以上、更に10以上のものが好適であり、原料としてメタクリル酸メチルエステルを用いるときは、120℃におけるメタノール蒸気の透過速度と原料のメタクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MMA)が2以上、特に5以上、更に10以上のものが好適である。
メタノール蒸気の透過速度と原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸エステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MA又はMMA)が2未満では、前記エステル交換反応の反応系から副生メタノールを抜き出そうとすると、相当量の原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気も同時に反応系外に排出されるために本発明の効果を得にくい。なお、本発明において用いられるガス分離膜は、メタノール蒸気の透過速度と原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MA又はMMA)が大きなほど好適であるが、通常は1000を越えるものを容易に得ることは難しい。
【0023】
本発明において用いられるガス分離膜は、120℃におけるメタノール蒸気の透過速度(P’MeOH)が1×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上、特に5×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgのものが好適である。なお、本発明において用いられるガス分離膜は、メタノール蒸気の透過速度(P’MeOH)が大きなほど好適であるが、通常は1000×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgを越えるものを容易に得ることは難しい。
【0024】
さらに、本発明で用いられるガス分離膜は、メタノール、アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルなどに対して良好な耐溶剤性を有するものが好適である。ガス分離膜の耐溶剤性が低いとメタノール、アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルなどの有機蒸気によってガス分離性能が低下するから好適に使用することができない。本発明においては、具体的には50℃のパラクロロフェノールに30分間浸漬しても溶解しない耐溶剤性を持つガス分離膜を用いることが好適である。パラクロロフェノールに溶解しない程度以上の耐溶剤性を有するガス分離膜は、メタノール、アクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルなどの有機蒸気によってもガス分離性能が低下することがない。
【0025】
以下に、本発明で好適に使用することができる、パラクロロフェノールに溶解しないガス分離膜について説明する。このようなガス分離膜は、限定するものではないが、例えば特許文献7に詳細に記載されている方法、すなわち、置換基を有するポリイミドを用いて非対称中空糸膜を形成し、次いで、その非対称中空糸膜のポリイミド骨格と非対称構造とが保持され且つ置換基が分解脱離又は架橋していわゆる不融化する程度の温度条件で加熱処理することによって好適に得ることができる。(特許文献7の段落〔0019〕〜〔0026〕を参照)この加熱処理によって耐溶剤性が改良されるのみならず、有機蒸気に対する透過速度や透過速度の比などの分離性能が改良される。更に、非対称構造が保持され且つポリイミド骨格が保持されて加熱処理前の機械的強度が保持されているから、有機蒸気を分離回収するための実用的なガス分離膜である。
【0026】
このガス分離膜を形成するために用いる、前記置換基を有するポリイミドは、例えば、テトラカルボン酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、及び、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸、その二無水物又はそのエステル化物を用い、ジアミン成分として、1,3−ジアミノベンゼン−4−スルホン酸及びそのトリエチルアンモニウム塩、1,3−ジアミノベンゼン−4,6−ジスルホン酸及びそのトリエチルアンモニウム塩、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル‐p−フェニレンジアミン、2−トリフルオロメチル−p−フェニレンジアミン、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸及びそのトリエチルアンモニウム塩、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、o−ジアニシジン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラブロモ−6,6’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4‐ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,8−ジメチル−3,7−ジアミノジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−2,2’−ジスルホン酸及びそのトリエチルアンモニウム塩などの置換基を有するジアミンを用いて、重合およびイミド化して得ることができる。(特許文献7の段落〔0013〕から〔0017〕を参照)
【0027】
また、本発明において好適に用いることができるガス分離膜は、有効膜面積を大きくし易いことから中空糸膜が好適であり、更にガス透過速度を大きくするうえで極めて薄いスキン層(均一層)と多孔質層とからなる非対称膜が好適である。具体的には、スキン層の厚さが10〜200nmであり、多孔質層の厚さは20〜200μmであることが好ましい。スキン層の厚さが10nm未満は製造することが困難であり、200nmを越えると気体の透過速度が小さくなって好ましくない。また、多孔質層が20μm未満では機械的強度が小さくなって実用的でなくなり、200μmを越えると多孔質の気体の透過速度が小さくなるので好ましくない。
【0028】
本発明のエステル交換反応について、図1に示した本発明の製造装置の一例の模式図を用いて説明する。加熱手段と撹拌手段を備えた反応槽1に、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル、高級アルコール、触媒、及び必要に応じて溶媒を加え、所定温度に加熱しながら撹拌する。反応混合液から副生したメタノール蒸気と原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気とを含む混合蒸気が発生し、加熱装置2によってスーパーヒートされ、ガス分離膜装置3へ導入される。ガス分離装置は、ガス分離膜の非透過側と透過側とが隔絶されており、非透過側は反応系に、また非透過側は反応系外に通じており、ガス分離膜を選択的に透過したメタノール蒸気が反応系外に抜き出せるようになっている。ガス分離装置3のガス分離膜の透過側は真空ポンプ4によって減圧にされる。ガス分離膜装置3において、前記混合蒸気はガス分離膜と接触し、メタノール蒸気が膜を選択的に透過する。膜の透過側はメタノール蒸気が高濃度化し、冷却装置5によって凝縮されて冷却手段を備えた回収容器6に回収される。膜の非透過側を流れた混合蒸気は原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルが高濃度化されており、冷却装置7によって凝縮されて冷却手段を備えたバッファタンク8を介してポンプ9により反応槽1へ戻される。
【0029】
本発明においては、原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル1モル当たり、ガス分離膜の有効膜面積を30cm以上好ましくは60cm以上用いることが好適である。有効膜面積が前記範囲よりも小さいと、メタノールを分離膜で選択的に抜き出す段階が、エステル交換反応の反応速度の律速になるために、反応収率を充分に向上させるのが難しくなる。有効膜面積を前記範囲にすれば、例えばメタクリル酸ブチルエステルの場合には、アルコール基準で80モル%以上好ましくは90モル%以上の収率でメタクリル酸ブチルエステルを容易に得ることができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
以下の例で用いた略号を説明する。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
6FDA:2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
TSN:2,8−ジメチル−3,7−ジアミノジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド
TCB:2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン
MeOH:メタノール
MA:アクリル酸メチルエステル
MMA:メタクリル酸メチルエステル
【0032】
以下の例で用いた測定方法を説明する。
(混合蒸気に対するガス分離性能の測定)
測定用中空糸膜エレメントの作成:中空糸膜10本を束ね裁断して中空糸膜束を形成し、その糸束の一方の端を中空糸端部が開口するようにエポキシ樹脂で固着し、他方の端を中空糸端部が閉塞されるようにエポキシ樹脂で固着して、中空糸膜の有効長さ7.5cm、有効膜面積9.4cmの測定用中空糸膜エレメントを製造した。
ガス分離性能の測定:ガス分離膜性能測定装置の概略の模式図(図2)を用いて説明する。加熱装置を備えたフラスコ11に、メタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルとを、発生する混合蒸気のメタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルとのモル組成比が大体共沸組成比(メタノール:アクリル酸メチルエステル=5:5、メタノール:メタクリル酸メチルエステル=9:1)になるように、所定の混合比で仕込み、加熱装置で加熱して混合有機蒸気を発生させた。この混合有機蒸気はスーパーヒートするための加熱装置12でスーパーヒートすることによって120℃の大気圧の混合有機蒸気とし、冷却装置15で冷却液化してフラスコ11へ循環した。この間、前記測定装置に測定用中空糸膜エレメントを組み込んでいない。組み込み部は密栓している。この混合有機蒸気の調製を2時間以上続けた後で、混合有機蒸気を分析してメタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルとのモル組成比が前記共沸組成比であることを確認した。その後、測定用中空糸膜エレメント10をガス分離膜性能測定装置に図2のように組み込み、該エレメントの中空糸膜の透過側(内側)を真空ポンプ13で0.0007MPaの減圧に維持してガス分離を開始した。慣らし運転として30分以上ガス分離を続けた後で、測定用中空糸膜エレメント10の透過側から得られる透過ガスを30分間ドライアイス−メタノールトラップ14に導いて凝縮物として捕集した。捕集した凝縮物の重量を求めると共に、各成分の濃度をガスクロマトグラフィー分析法によって測定し、透過した有機蒸気の各成分の量を求めた。求めた各有機蒸気成分量から、各有機蒸気成分の透過速度と透過速度比とを算出した。なお、メタノールと原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルの仕込み量は、仕込んだ混合比がこの測定中に実質的に変化しない程度の十分な量とした。
【0033】
(耐溶剤性の測定)
2cmの長さに切断した中空糸膜3本を、温度50℃に調温されたパラクロロフェノール20ミリリットル中に完全に浸漬し30分間保持した後で、該中空糸膜を取出して、目視により観察した。浸漬中に溶解した場合は×、中空糸膜形状を保っているが膨潤が見られるものを△、変化が観察されないものを○とした。
【0034】
〔参考例1〕
以下のようにしてガス分離膜を製造した。
(置換基を有するポリイミド溶液の調製)
0.0315モルのs−BPDA、0.0280モルの6FDA、0.0105モルのPMDA、0.0355モルのTSN、及び0.0355モルのTCBを、パラクロロフェノール215gとともに、加熱装置と攪拌機と窒素ガス導入管及び排出管とが付設されたセパラブルフラスコに秤取って入れ、窒素ガス雰囲気中で攪拌しながら170℃の温度で15時間重合イミド化反応をおこなって、パラクロロフェノール中に溶解しているポリイミド濃度が17重量%の置換基を有するポリイミド溶液を調製した。
【0035】
(置換基を有するポリイミドからなる非対称中空糸膜の製造)
この溶液を400メッシュのステンレス製金網でろ過して、紡糸用ドープとした。このドープを中空糸紡糸用ノズル(円形開口部の外径:1000μm、円形開口部のスリット幅:200μm、芯部開口部の外径:400μm)を備えた紡糸装置に仕込み、中空糸紡糸用ノズルから窒素雰囲気中に中空糸状に吐出させ、次いで中空糸状成形物を70重量%エタノール水溶液からなる温度0℃の一次凝固浴に浸漬し、更に一対の案内ロールを備えた二次凝固浴(凝固液:70重量%エタノール水溶液、温度:0℃)中の案内ロール間を往復させて凝固を完了させ、湿潤状態の非対称中空糸膜をボビンに巻き取った。引き取り速度は10m/分でおこなった。この非対称中空糸膜をエタノール中で十分洗浄し、次いでイソオクタンでエタノールを置換した後、100℃でイソオクタンを蒸発乾燥し、置換基を有するポリイミドによって構成された非対称中空糸膜を得た。
【0036】
(不融化した非対称中空糸ガス分離膜の製造及び性能)
前記置換基を有するポリイミドによって構成された非対称中空糸膜を、空気雰囲気のオーブン中で、温度400℃で30分間加熱処理して、外径が約400μmで内径が約200μmの非対称ガス分離膜を得た。得られた不融化した非対称ガス分離膜の耐溶剤性及びガス分離膜の特性は、耐溶剤性が○、メタノール蒸気の透過速度(P’MeOH)が15×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg、メタノール蒸気とアクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度の比(P’MeOH/P’MA)が20、メタノール蒸気とメタクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度の比(P’MeOH/P’MMA)が150であった。
【0037】
〔実施例1〕
参考例1で製造した不融化した非対称中空糸ガス分離膜からなり137cmの有効膜面積を持つガス分離膜装置3を図1のような反応装置に組み込んだ。ここで、1は加熱撹拌できる反応槽、2はスーパーヒートするための加熱手段、4は真空ポンプ、5は透過した高濃度化したメタノール蒸気を冷却凝縮してトラップするための冷却装置、6は冷却手段を備えた回収容器、7はメタノール蒸気が選択的に除かれた後の混合蒸気を冷却凝縮してフラスコへ還流させるための冷却装置、8は冷却手段を備えたバッファタンク、9は液体ポンプである。また、3はガス分離膜装置であり、中空糸ガス分離膜の中空糸内空間と中空糸外空間とが中空糸分離膜を挟んで隔絶されており、中空糸内空間は冷却装置5を介して真空ポンプ4へ連通して減圧されるように、また中空糸外空間は反応系内に繋がっており、反応槽1で発生した混合蒸気が加熱手段2によってスーパーヒートされた後で中空糸分離膜の外側面と接触するように配置されている。
【0038】
メタクリル酸メチルエステル1.0モル、エタノール0.5モル、重合禁止材であるp−メトキシフェノール0.00081モル、及び触媒の鉄アセチルアセトナート0.0015モルを反応槽1に仕込み、撹拌しながら反応混合液の温度を100℃まで昇温した。反応槽1内は窒素ガス大気圧雰囲気とし、ガス分離膜の透過側は真空ポンプによって0.0007MPaに減圧した。反応が進むと共に、副生したメタノール蒸気がガス分離膜を選択的に透過し、冷却装置5で液化後冷却手段を備えた回収容器6に回収された。分離膜の非透過側を流れた混合蒸気はメタクリル酸メチルエステルおよびエタノールが高濃度化されており、冷却装置7によって凝縮されて冷却手段を備えたバッファタンク8を介してポンプ9により反応槽1へ戻された。反応開始後8時間で反応を終了した。反応中冷却手段を備えた回収容器6には、ガスクロマトグラフィ分析からメタノールが71.9重量%、メタクリル酸メチルエステルが4.3重量%、エタノールが23.8%からなる混合液が回収された。反応層1内の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エタノール基準のメタクリル酸エチルエステルの収率は55.7モル%であった。
【0039】
〔比較例1〕
ガス分離膜によってメタノール蒸気を反応系から抜き出さないで、実施例1と同様に反応を行った。8時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、エタノール基準のメタクリル酸エチルエステル収率は25.5モル%であった。
【0040】
〔実施例2〕
エタノール0.5モルの代わりに1−ブタノール0.5モルを用い、反応温度を110℃とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
反応中冷却手段を備えた回収容器6には、メタノールが93.6重量%、メタクリル酸メチルエステルが6.4重量%からなる混合液が回収された。
8時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のメタクリル酸ブチルエステルの収率は98.9モル%であった。
【0041】
〔比較例2〕
ガス分離膜によってメタノール蒸気を反応系から抜き出さないで、実施例2と同様に反応を行った。8時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のメタクリル酸ブチルエステルの収率は60.7モル%であった。
【0042】
〔実施例3〕
メタクリル酸メチル1.0モルの代わりにアクリル酸メチルエステル1.0モルを用い、反応温度を95℃とした以外は実施例2と同様の操作を行った。
反応中冷却手段を備えた回収容器6には、メタノールが74.2重量%、アクリル酸メチルエステルが25.8重量%からなる混合液が回収された。
8時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のアクリル酸ブチルエステルの収率は80.8モル%であった。
【0043】
〔実施例4〕
分離膜の有効膜面積を70cmとした以外は実施例2と同様の操作を行った。
反応中冷却手段を備えた回収容器6には、メタノールが89.3重量%、メタクリル酸メチルエステルが10.7重量%からなる混合液が回収された。
8時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のメタクリル酸ブチルエステルの収率は93.1モル%であった。
【0044】
〔実施例5〕
分離膜の有効膜面積を35cmとした以外は実施例2と同様の操作を行った。
反応中冷却手段を備えた回収容器6には、メタノールが86.4重量%、メタクリル酸メチルエステルが13.6重量%からなる混合液が回収された。
8時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のメタクリル酸ブチルエステルの収率は82.6モル%であった。
【0045】
〔実施例6〕
触媒をテトラブトキシチタン0.002モルとした以外は実施例2と同様の操作を行った。
反応中冷却手段を備えた回収容器6には、メタノールが95.6重量%、メタクリル酸メチルエステルが4.4重量%からなる混合液が回収された。
6時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のメタクリル酸ブチルエステルの収率は94.7モル%であった。
【0046】
〔実施例7〕
反応槽に仕込んだメタクリル酸メチルエステルを0.8モルとした以外は実施例6と同様の操作を行った。
反応中冷却手段を備えた回収容器6には、メタノールが95.6重量%、メタクリル酸メチルエステルが4.4重量%からなる混合液が回収された。
6時間後の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ブタノール基準のメタクリル酸ブチルエステルの収率は92.3モル%であり、実施例6に比べメタクリル酸メチルエステルの仕込み量を少なくしても収率にはほとんど影響がなかった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明はアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステルと高級アルコールからアクリル酸又はメタクリル酸高級エステルを製造する改良された方法であり、高収率且つ高効率でアクリル酸又はメタクリル酸高級エステルを得ることができる。更に、反応系外に抜き出されるメタノールは高純度であり回収や再使用が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明で用いられる製造装置の一例の概略を説明するための模式図
【図2】ガス分離膜のガス分離性能を測定するための装置の概略の模式図
【符号の説明】
【0049】
1:加熱手段と撹拌手段を備えた反応槽
2:混合蒸気をスーパーヒートするための加熱手段
3:ガス分離膜装置
4:真空ポンプ
5:冷却装置
6:冷却手段を備えた回収容器
7:冷却装置
8:冷却手段を備えたバッファタンク
9:液体ポンプ
10:ガス分離膜装置
11:加熱撹拌できるフラスコ
12:混合蒸気をスーパーヒートするための加熱装置
13:真空ポンプ
14:冷却装置(トラップ)
15:冷却装置
16:側管の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)のメチルエステルと炭素数2以上のアルコールとを、副生するメタノールをガス分離膜を用いて選択的に抜き出しながらエステル交換反応させて下記化学式(2)の高級アルコールエステルを得ることを特徴とする高級アルコールエステルの製造方法。
【化1】

(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
【化2】

(但し、式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数が2以上のアルコールから水酸基を除いた残基を表す。)
【請求項2】
化学式(1)のメチルエステルと炭素数2以上のアルコールとを触媒の存在下に反応させる反応混合液から、副生するメタノールと原料の化学式(1)のメチルエステルとを含んだ混合蒸気を発生させ、前記混合蒸気をガス分離膜に接触させてメタノールを選択的に透過させて抜き出し、非透過の化学式(1)のメチルエステルは反応混合液へ戻すことを特徴とする請求項1に記載の高級アルコールエステルの製造方法。
【請求項3】
ガス分離膜の120℃おけるメタノール蒸気の透過速度と原料のアクリル酸メチルエステル又はメタクリル酸メチルエステル蒸気の透過速度との比(P’MeOH/P’MA又はMMA)が2以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の高級アルコールエステルの製造方法。
【請求項4】
ガス分離膜の120℃におけるメタノール蒸気の透過速度(P’MeOH)が1×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高級アルコールエステルの製造方法。
【請求項5】
ガス分離膜がパラクロロフェノールに溶解しない非対称ポリイミド中空糸膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高級アルコールエステルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−63171(P2007−63171A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250168(P2005−250168)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】