説明

アシル−リン酸及びホスホン酸プローブ並びにその合成方法並びにプロテオーム分析における使用

本発明は、標識化されたアシルリン酸プローブ(「TAPP」)並びにその調製方法及び使用方法を提供する。標記方法及び組成物は、複合タンパク質混合物内の標的タンパク質、好ましくはヌクレオチド結合タンパク質の存在、量又は活性の変化を、ヌクレオチド結合タンパク質指向TAPPを使って明らかにする際に、簡便さ及び精度を向上させる。本明細書で記載されるプロファイリング方法は、複合タンパク質混合物内の標的ヌクレオチド結合タンパク質の識別のためのいくつかの段階を有することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化1】


式中、BASEは1〜3個の環窒素を含む5員環又は6員環の不飽和複素環であり、前記5員環又は6員環の不飽和複素環は環窒素を通してリボース又はデオキシリボースの1’位と共有結合で結ばれ、前記5員環又は6員環の不飽和複素環はそれに縮合した6員環の不飽和炭素環又は複素環を任意選択で含み、前記縮合環は1〜2個の環窒素を含み、BASEの各炭素位は、−H、−F、−Br、−Cl、−SCH、−C(O)N(R)(R)、−CN、−NO、−N(R)(R)、=O、アセトキシ、−C(R)(R)(R)、−OCH、−OCHCH、メチレンジオキシ、トリハロメチル、トリハロメトキシ、又は−(CHOHからなる群から独立して選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく;
2’及びR3’は独立に−H、−OH、−F、−Br、−Cl、−SCH、−C(O)N(R)(R)、−CN、−NO、−N(R)(R)、アセトキシ、−C(R)(R)(R)、−OCH、−OCHCH、メチレンジオキシ、トリハロメチル、トリハロメトキシ、−(CHOH、又は−(CH−フェニルからなる群から選択され、前記フェニルは任意選択で−F、−Br、−Cl、−SCH、−C(O)N(R)(R)、−CN、−NO、−N(R)(R)、アセトキシ、−C(R)(R)(R)、−OCH、−OCHCH、メチレンジオキシ、トリハロメチル、トリハロメトキシ、−(CHOHで置換されており;
nは0〜2であり;
mは0〜6であり;
TAGは検出可能な標識であり;
各Zは独立してO、S、NH又はメチレンであり;
Lは、−N(R)−、−O−、−S−又は−C(R)(R)−からなる群から選択される1〜40個の骨格原子の任意選択で存在するアルキル又はヘテロアルキル基であり、前記アルキル又はヘテロアルキル基は任意選択で炭素環又は複素環の基を含み;
各Rは、独立してH又は−C1〜6アルキルの直鎖若しくは分岐鎖であり、又は任意選択で、任意選択で置換された縮合炭素環若しくは複素環構造を形成し;
Lに隣接したカルボニルは炭素と結合してアシル基を形成する、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項2】
BASEはプリンである、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項3】
BASEはピリミジンである、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項4】
BASEはアデニン、チミン、ウラシル、グアニン、シトシン、イノシン、5−ブロモウラシル、5−フルオロウラシル、2−アミノプリン、N−シクロヘキシルアデニン、8−アザグアニン及び5−フルオロシトシンからなる群から選択される、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項5】
BASEはアデニン、チミン、ウラシル、グアニン及びシトシンからなる群から選択される、請求項4記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項6】
2’及びR3’は独立してH又はOHである、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項7】
2’及びR3’はそれぞれOHである、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項8】
Lは下記構造を有し、
【化2】


式中、x及びyは独立して0〜4の範囲内にあり、XはO又はCHである、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項9】
Lは下記構造を有する、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【化3】

【請求項10】
Lは下記構造を有する、請求項8記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
−NH(CH(OCHCH1〜4
【請求項11】
Lはトリアゾール部を含む、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項12】
Lは下記の部分を含む、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【化4】

【請求項13】
TAGは下記からなる群から選択され:
【化5】


式中、5−置換カルボキシローダミン又は5−置換カルボキシフルオレセインは、6−カルボキシローダミン又は6−カルボキシフルオレセイン、或いは5−置換及び6−置換カルボキシローダミン又はカルボキシフルオレセインの混合体で置換することができる、請求項1記載のアシル−ヌクレオチドプローブ。
【請求項14】
下記構造を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化6】


式中、
BASEは1〜3個の環窒素を含む5員環又は6員環の不飽和複素環であり、前記5員環又は6員環の不飽和複素環は環窒素を通してリボース又はデオキシリボースの1’位と共有結合で結ばれ、前記5員環又は6員環の不飽和複素環はそれに縮合した6員環の不飽和炭素環又は複素環を任意選択で含み、前記縮合環は1〜2個の環窒素を含み、BASEの各炭素位は、−H、−F、−Br、−Cl、−SCH、−C(O)N(R)(R)、−CN、−NO、−N(R)(R)、=O、アセトキシ、−C(R)(R)(R)、−OCH、−OCHCH、メチレンジオキシ、トリハロメチル、トリハロメトキシ、又は−(CHOHからなる群から独立して選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく;
2’及びR3’及びR5’の1つは以下の構造を有し:
【化7】


2’及びR3’及びR5’の他の2つは独立に−H、−OH、−F、−Br、−Cl、−SCH、−C(O)N(R)(R)、−CN、−NO、−N(R)(R)、アセトキシ、−C(R)(R)(R)、−OCH、−OCHCH、メチレンジオキシ、トリハロメチル、トリハロメトキシ、−(CHOH、又は−(CH−フェニルからなる群から選択され、前記フェニルは任意選択で−F、−Br、−Cl、−SCH、−C(O)N(R)(R)、−CN、−NO、−N(R)(R)、アセトキシ、−C(R)(R)(R)、−OCH、−OCHCH、メチレンジオキシ、トリハロメチル、トリハロメトキシ、−(CHOHで置換されており;
nは0〜2であり;
mは0〜6であり;
TAGは検出可能な標識であり;
各Zは独立してO、S、NH又はメチレンであり;
Lは、−N(R)−、−O−、−S−又は−C(R)(R)−からなる群から選択される1〜40個の骨格原子の任意選択で存在するアルキル又はヘテロアルキル基であり、前記アルキル又はヘテロアルキル基は任意選択で炭素環又は複素環の基を含み;
各Rは、独立してH又は−C1〜6アルキルの直鎖若しくは分岐鎖であり、又は任意選択で、任意選択で置換された縮合炭素環若しくは複素環構造を形成し;
Lに隣接したカルボニルは炭素と結合してアシル基を形成する、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項15】
下記構造を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化8】


式中、
nは1〜4であり;
TAGは検出可能な標識である、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項16】
下記構造を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化9】


式中、
nは1〜4であり;
TAGは検出可能な標識である、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項17】
下記構造を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化10】


式中、
nは1〜4であり;
TAGは検出可能な標識である、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項18】
下記構造を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化11】


式中、
nは1〜4であり;
TAGは検出可能な標識である、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項19】
下記構造を有するアシル−ヌクレオチドプローブであって、
【化12】


式中、
nは1〜4であり;
TAGは検出可能な標識である、
アシル−ヌクレオチドプローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項20】
複合タンパク混合物中の1つ又は複数の標的タンパク質の酵素プロフィールを決定する方法であって、リンカー部分「L」を通してTAGと更に共有結合するアシル基と、5’の一、二若しくは三リン酸の末端リン酸基を通して共有結合するヌクレオチドを含む1つ又は複数のプローブを使用し、前記アシル基は前記プローブが前記標的タンパク質と結合するときに前記標的タンパク質と共に付加体を形成し、
反応媒体中で前記プローブと前記複合タンパク質混合物とを前記プローブと前記ヌクレオチド結合タンパク質との反応条件下で結合させて前記プローブと前記標的タンパク質とのコンジュゲートを形成するステップ;及び
それによって形成される1つ又は複数のコンジュゲートからシグナルを生成することによって前記酵素プロフィールを決定するステップ、
を含み、前記プローブは、請求項1〜18のいずれか一項に記載のヌクレオチド結合タンパク質指向プローブから選択される方法。
【請求項21】
前記プローブは複数の標的タンパク質と結合する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
下記構造を有する精製された標識化ポリペプチドを含む組成物であって:
【化13】


式中、TAGは検出可能な標識又は固体支持体であり;
Lは、−N(R)−、−O−、−S−又は−C(R)(R)−からなる群から選択される1〜40個の骨格原子の任意選択で存在するアルキル又はヘテロアルキル基であり、前記アルキル又はヘテロアルキルは任意選択で炭素環又は複素環の基を含み;
Lに隣接したカルボニルは炭素と結合してアシル基を形成し;
前記アシル基はアミド、エステル又はチオエステル結合を通してポリペプチドのアミノ酸残基と共有結合する、組成物。
【請求項23】
Lは下記構造を有し:
【化14】


式中、x及びyは独立して0〜4の範囲内にあり、XはO又はCHである、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
Lは下記構造を有する、請求項22記載の組成物。
【化15】

【請求項25】
Lは下記構造を有する、請求項20記載の組成物。
−NH(CH(OCHCH1〜4
【請求項26】
前記TAGは下記からなる群から選択され:
【化16】


式中、5−置換カルボキシローダミン又は5−置換カルボキシフルオレセインは、6−カルボキシローダミン又は6−カルボキシフルオレセイン、或いは5−置換及び6−置換のカルボキシローダミン又はカルボキシフルオレセインの混合体で置換することができる、請求項20記載の組成物。
【請求項27】
下記式を有する標識化アシルリン酸又はアシルホスホン酸のプローブであって、
【化17】


式中、
Xは、酸素又は炭素を通して前記リン酸と結合する1つ又は複数の標的タンパク質に前記TAPPを結合させるための親和性部分であり;
TAGは検出可能な標識であり;
Lは、−N(R)−、−O−、−S−又は−C(R)(R)−からなる群から選択される1〜40個の骨格原子の任意選択で存在するアルキル又はヘテロアルキル基であり、前記アルキル又はヘテロアルキル基は任意選択で炭素環又は複素環の基を含み;
各Rは、独立してH又は−C1〜6アルキルの直鎖若しくは分岐鎖であり、又は任意選択で、任意選択で置換された縮合炭素環若しくは複素環構造を形成し;
Lに隣接したカルボニルは炭素と結合してアシル基を形成する、
プローブ或いはその薬剤として許容される塩又は複合体。
【請求項28】
Xはヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、任意選択で置換されたナフチル基、小分子、ステロイド、ペプチドホルモン、酵素コファクター、ビタミン、酵素基質、脂質、プロスタグランジン又は受容体リガンドからなる群から選択される、請求項27記載の標識化アシルリン酸プローブ。
【請求項29】
標識化されたアシルリン酸又はホスホン酸のプローブを合成する方法であって:
末端がカルボキシル基の結合基Lを含む検出可能な標識を、ジイソプロピルカルボジイミド又はイソブチルクロロホルメート及びトリエチルアミンの存在下で、利用可能な−OH基を含む5’−結合リン酸を含むヌクレオチド又はヌクレオチド類似体と接触させることにより前記標識化されたアシルリン酸又はホスホン酸のプローブを形成するステップ;及び
前記プローブを精製するステップ、
を含む方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−526010(P2006−526010A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509592(P2006−509592)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/010075
【国際公開番号】WO2004/090154
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(505367187)アクティブクス バイオサイエンシズ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】